JP6775995B2 - 光断層撮像装置、光断層撮像装置の作動方法、及びプログラム - Google Patents

光断層撮像装置、光断層撮像装置の作動方法、及びプログラム Download PDF

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Description

本発明は、光干渉断層法を用いた光断層撮像装置、該光断層撮像装置の作動方法、及び該作動方法を実行させるプログラムに関する。
生体などの測定対象の断層像を非破壊、非侵襲で取得する方法として、光干渉断層撮像法(Optical Coherence Tomography、以下OCTと称する。)が実用化されている。OCTは、被検眼の眼底における網膜の断層画像が非侵襲で取得できることから、特に網膜の眼科診断等において広く利用されている。
OCTでは、測定光を照射した測定対象からの戻り光と参照鏡から反射した参照光とを合波して干渉させ、該合波光の強度の時間依存性又は波数依存性を解析することにより断層画像を得ている。ここで、測定光の光路には種々の光学部材が配置されている。測定光はこれら光学部材により反射され、この光学部材からの戻り光と参照光とが特定の条件を満たす場合には、断層画像中に所謂ゴーストと称される像を生じさせ得る。特許文献1では、測定光の光路に配置される対物レンズからの反射光によるゴーストを回避する方法を開示している。具体的には、アライメント時において、取得した断層画像を利用して撮像条件を調整する場合に、該対物レンズの中央領域を避けて測定光の走査を実施する方法が示されている。
近年、OCTの高感度化及び、撮像範囲の拡大、高速化の要請により、上述したゴーストへのさらなる対策が必要となってきている。しかし、特許文献1に開示する方法の場合、測定光の走査領域に制限が課されるため、撮像範囲が大きくなった場合にこの方法を用いることが困難となることも想定される。
ここで、上述したOCTを実行するために、合波光を得るOCT光学系と検出した合波光から断層画像を生成する制御系とを有する装置(OCT装置)が構築される。その際、例えば撮像速度の高速化を図って波長可変光源を利用した場合、該波長可変光源を用いることに起因するノイズ等に対応することが必要となる。このようなOCT装置では、例えば光源からの射出光の波長を高速で変化させるため、光の射出のタイミングと、合波光検出の開始の指令に用いるトリガ信号とのずれに起因するノイズが発生する。特許文献2では、断層画像生成の際に用いる位相情報を用いた演算処理を行うことによって、このノイズに対処している。
特開2014−226173号公報 特開2013−156229号公報
このとき、上述したゴーストは、光学部材で反射することによって起因するノイズであり、上述した信号のタイミングのずれに起因するノイズとは異なるため、特許文献2に開示するような演算処理をそのまま適用しただけでは除去されない可能性がある。また、このようなゴーストは、出現の仕方がランダムであることから、演算処理によって除去できたとしても、CPUの計算負荷等が大きくなることが想定される。
本発明の目的の一つは、診断に影響を及ぼすような被検体像の近傍にゴーストが出現することを避けることを可能することである。
上述した課題を解決するために、本発明に係る光断層撮像装置の一例は、
光源から射出された光より分割された測定光が照射された被検体からの戻り光と、前記射出された光より分割された参照光とを合波して得た干渉光より得られる断層情報に基づいて断層画像を生成する画像生成手段と
記測定光を前記被検体に導くための測定光学系を駆動する駆動手段と、
記測定光学系を構成する少なくとも1つの光学素子で反射した反射光と前記参照光との干渉により生じるゴーストが現れていない状態の被検体像を含む断層画像が得られるように、少なくとも前記駆動手段を前記断層情報に基づいて制御する制御手段と、
備えることを特徴とする。

本発明によれば、診断に影響を及ぼすような被検体像の近傍にゴーストが出現することを避けることが可能となる。
本発明の一実施形態に係る光断層撮像装置の概略構成を示す図である。 図1に示す光断層撮像装置において、Xスキャナにより被検眼に対して測定光をX方向に走査する様子を示す図である。 本発明の一実施形態に係る光断層撮像装置において、モニタに表示された前眼画像、眼底二次元画像、及びBスキャン画像の一例を示す図である。 本発明の一実施形態に係る光断層撮像装置において、被検眼上での撮像範囲の様子を説明する図である。 本発明の一実施形態に係る眼軸長(光路長調整手段の位置)とリバイバルゴーストの発生位置との関係を説明する図である。 本発明の一実施形態に係る光路長調整手段の移動に対する断層画像と実像のリバイバルゴーストの移動を説明する図である。 本発明の一実施形態に係る光路長調整手段の移動に対する断層画像と鏡像のリバイバルゴーストの移動を説明する図である。 本発明の一実施形態において、被検体像の生成配置を検出する手順と光路長調整手段による被検体像の生成配置の自動調整とを説明する図である。 本発明の一実施形態において、光断層撮像装置の被検眼に対するXYZ方向のアライメントを説明する図である。 本発明の一実施形態において、制御部が被検体像の表示位置を調整する処理についてのフローチャートを説明する図である。 本発明の一実施形態において、被検体像を所定位置に配置したときに実像のリバイバルゴーストが撮像範囲外にある場合を説明する図である。 本発明の一実施形態において、被検体像を所定位置に配置したときに実像のリバイバルゴーストが撮像範囲外になることを説明する図である。 本発明の一実施形態において、被検体像を所定位置に配置したときに実像のリバイバルゴーストが撮像範囲内になることを説明する図である。
以下、本発明を実施するための例示的な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の実施形態で説明する寸法、形状、構成要素の相対的な位置、等は任意であり、本発明が適用される装置の構成又は様々な条件に応じて変更できる。また、図面において、同一であるか又は機能的に類似している要素を示すために図面間では同じ参照符号を用いる。また、以下の実施形態は特許請求の範囲に関わる本発明を限定するものではなく、また、本実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須のものとは限らない。
なお、近年、高画角・高深達で干渉断層画像が取得できる方法として、波長可変光源を使用した波長掃引光(Swept Source)−OCT(以下SS−OCTと称する。)が利用されてきている。ここで、OCTでは、測定光と参照光の光路長が等しくなる時の干渉を利用して画像を得ることが基本である。OCTにおける測定光の光路には各種光学部材が配置されており、測定光はこれら光学部材によっても反射される。該反射光の光路長と参照光の光路長が特定の条件を満たす場合には上述したゴースト等の画像を結ぶことも起こり得る。
SS−OCTにおいて光源として利用される波長可変光源では、光源内部又は外部にミラーやフィルタを組み合わせた共振器を配置し、該共振器により光を共振させた後に射出させることが一般的である。このため、SS−OCT装置特有の現象として、合波する光の光路長差が共振器における光の増幅用の光路の長さの整数倍となる場合、即ちコヒーレンスゲートから当該整数倍の距離に反射面があると、そこで干渉が発生する。このコヒーレンスゲートからの距離が共振器長(光増幅用のレーザ光の往復の経路長)の整数倍となった際に発生する干渉を、コヒーレンスリバイバルと呼ぶ。
該コヒーレンスリバイバルに起因するゴーストは一般的なゴーストと比して輝度が大きい。従って、例えば光路中の空気と光学素子との界面による反射光等と参照光とで発生した干渉がこのようなゴーストとして画像上に発生すると、上述したノイズと同様に、断層画像の画質を著しく低下させることになる。また、画質が低下しなくとも、該ゴーストが網膜等の検査対象部位の画像と重なると、適切な診断を行う上での障害となり得る。SS−OCT装置では、上述のコヒーレンスリバイバル現象が存在するため、この干渉条件を満たす複数の干渉距離にこのゴーストが発生することになる。このようなノイズは一般にコヒーレンスリバイバルゴーストと呼ばれている。本実施形態では、ゴーストとして特にこのコヒーレンスリバイバルゴーストに着目した場合を例として、その対処法を詳述する。
(装置構成)
本発明の一実施形態に係る光断層撮像装置(OCT装置)の構成について、図1を用いて説明する。該OCT装置は、上述したOCT光学系としての光学ヘッド900と、制御系としての制御部187とを備えている。上述したように、OCT装置では、測定光が照射された被検体からの戻り光と、該測定光に対応する参照光とを合波した干渉光に基づいて、該被検体の断層画像を取得する。以下の実施形態では、人間の眼である被検眼100を被検体とするOCT装置について述べる。
まず、OCT装置における光学ヘッド900の内部構成について説明する。光学ヘッド900は、被検眼100の前眼画像、被検眼100の眼底の二次元画像、及び該眼底の断層画像を撮像するための測定光学系により構成されている。また、該光学ヘッド900は、制御部187に制御される光学ヘッド駆動手段300によって制御され、該光学ヘッド900を被検眼100に対してXYZ方向に動かすことが可能である。後述するように、これら光学ヘッド駆動手段300によって、被検眼100に対しての光学ヘッド900のアライメント動作が行われる。なお、該OCT装置において、光学ヘッド900と制御部187とは同一筐体に包含される態様でもよく、各々別個の装置として確立されていてもよい。
光学ヘッド900では、被検眼100に対向するように対物レンズ101−1が設置されている。また、被検眼100に対して対物レンズ101−1の後方に位置するOCT測定光路に至る光軸上には、光路分岐部材として、第一ダイクロイックミラー102及び第二ダイクロイックミラー103が配置される。これら光路分岐部材によって、被検眼100からの光路は、OCT光学系の測定光路OP1と、眼底観察光路及び固視灯光路からなる光路OP2と、前眼部観察光路OP3とに、波長帯域ごとに分離される。
(測定光路OP1:OCT光学系の測定光路)
測定光路OP1は、OCT光学系を形成しており、被検眼100の眼底の断層画像を撮像するために使用される。より具体的には、断層画像を形成するための干渉信号を取得するために使用される。測定光路OP1は、第一ダイクロイックミラー102の反射方向及び第二ダイクロイックミラー103の透過方向に配置される。該測定光路OP1には、第二ダイクロイックミラー103より順に、レンズ101−3、ミラー121、OCT光走査部(122)、合焦レンズ123、及びコリメータレンズであるレンズ124が配置されている。
OCT光走査部(122)は、Xスキャナ122−1及びYスキャナ122−2により構成される。なお、当該OCT光走査部(122)は、本実施形態において被検体上で二次元に測定光を走査する走査手段を構成する。Xスキャナ122−1及びYスキャナ122−2は、被検眼100の眼底上で、各々第一の方向の一例であるX方向(主走査方向)、及び該第一の方向と交差する第二の方向の一例であるY方向(副走査方向)へ測定光を走査する。なお、図1においてXスキャナ122−1と、Yスキャナ122−2との間の光路は紙面に平行な方向に配置されているが、実際は紙面垂直方向に配置されている。OCT光走査部(122)より光源側の構成に関しては後述する。
(光路OP2:眼底観察用の光学系)
光路OP2は、第二ダイクロイックミラー103の反射方向に配置され、該第二ダイクロイックミラー103によってOCT光学系の測定光に対して波長分離された眼底観察用の光学系の光路である。該光路OP2には、第二ダイクロイックミラー103より順に、レンズ101−2、観察光走査部(117)、合焦レンズ111、レンズ112、及びプリズム118が配置される。ここで、合焦レンズ111は、不図示の固視灯及び眼底観察用光の合焦調整のためのモータ等の駆動手段191によって、双方向矢印で示される光軸方向に駆動される。プリズム118は、光源115からの眼底観察用の照明光を透過し、眼底からの反射光を後述するシングルディテクター116の方向に反射する。
眼底観察用の光源115(SLOの光源)は、例えば780nmの波長の光を生成する。眼底観察用の光源115から照射された観察光を被検眼100の眼底上で走査するための観察光走査部(117)は、Xスキャナ117−1及びYスキャナ117−2を有している。レンズ101−2は、Xスキャナ117−1及びYスキャナ117−2の光軸上の中間位置付近を焦点位置とするように配置されている。Xスキャナ117−1は、X方向を高速スキャンするためにポリゴンミラーによって構成されているが、共振型のミラーで構成されていてもよい。シングルディテクター116は、APD(アバランシェフォトダイオード)により構成され、眼底から散乱・反射され戻ってきた光を検出する。プリズム118は、穴あきミラーや中空のミラーが蒸着されたプリズムであり、前述したように眼底観察用の光源115より射出される観察光と、眼底からの戻り光とを分離する。
また、光路OP2上にダイクロイックミラーを更に配置し、光路分離された一方の光路に、不図示の固視灯の光源としてLED等を更に設けても良い。このとき、固視灯の光源を観察光走査部(117)よりもSLOの光源側に配置する。これにより、観察光走査部(117)を固視用の走査手段として共用することで、走査型の固視灯を構成することができる。このとき、例えば制御部187が、固視灯の光源からの光が被検者に対して所望の位置関係となる際に固視灯の光源を点灯するように制御すれば被検者に固視を促すことができる。なお、固視灯の光源の点灯と消灯とは、この光路上に更にシャッターを配置し、この開閉によって代用しても良い。
なお、本実施形態では、眼底観察のための構成として、上述したスポット状の測定光を二次元走査して眼底の二次元画像を取得する点走査型のSLOを用いている。しかしSLOの構成はこれに限定されず、シリンドリカルレンズ等を用いてライン状のビームを一方向に走査するライン走査型のSLO(ラインSLO)を用いることとしても良い。また、光路OP2に配置する構成として、例示した観察光走査部(117)からなる光走査系の撮像装置を用いる代わりに、二次元の赤外線CCDセンサを用いてもよい。具体的には、Xスキャナ117−1及びYスキャナ117−2を無くしシングルディテクター116に換えて、眼底観察用のCCDを配置し、被検眼100の眼底の二次元像を取得するように構成されても良い。このとき、二次元CCDセンサは、不図示の眼底観察用照明光の波長、具体的には780nm付近に感度を持つことが好ましい。
また、光路OP2に配置されるとしている不図示の固視灯は、液晶等の固視用のディスプレイにより可視光を生成し、固視用のディスプレイ側で点灯位置を変更することで検者が所望の位置に被検者の固視を促すように構成されても良い。このとき、固視用のディスプレイは、観察光走査部(117)よりも第二ダイクロイックミラー103側に配置される。なお、前述した駆動手段191、観察光走査部(117)及びシングルディテクター116は、OCT装置の制御を行う制御部187により各々制御される。
(前眼部観察光路OP3:前眼部観察用の光学系)
第一ダイクロイックミラー102の透過方向に位置する前眼部観察光路OP3には、中央部にプリズムが配置されたフィールドレンズ143、レンズ141、及び前眼部観察用の赤外線CCD142が配置される。赤外線CCD142は、不図示の前眼部観察用の照明光の波長、具体的には860nm付近に感度を持つ。該赤外線CCD142は制御部187に接続され、該赤外線CCD142の出力は該制御部187に送られる。制御部187は赤外線CCD142で撮像された画像を解析して、光学ヘッド900と被検眼100とのアライメントのずれ量を算出する。
アライメントの状態について、モニタ200に表示された前眼画像210を示す図9を用いて以下に説明する。図9(a)は、光学ヘッド900と被検眼100とのアライメントが完了した状態での前眼画像210を示している。アライメントがX方向にずれている場合のモニタ表示を図9(b)に、Y方向にずれている場合と図9(c)に、Z方向にずれている場合を図9(d)にそれぞれ示す。Z方向にずれている場合には、フィールドレンズ143の中心部のプリズムで前眼部からの反射光束が分割されるため、前眼画像210は図9(d)に示すように上下がずれて表示される。従って、制御部187は、取得された前眼画像210を解析することによってXYZのずれ量を検出できるため、ずれ量分、光学ヘッド駆動手段300を駆動してアライメントを行うことができる。
(眼底と光学的に共役な位置:合焦調整)
測定光路OP1において、OCT光走査部(122)であるXスキャナ122−1及びYスキャナ122−2より光源側の構成として、合焦レンズ123、レンズ124、及びOCT光学系で測定光源となる後述するファイバー端126が配置される。該測定光源は、測定光を測定光路OP1に入射させる。光学ヘッド900では、OCT光走査部(122)と被検眼100の前眼部とが光学的に共役の関係である場合に、合焦レンズ123による合焦調整を行うことにより、ファイバー端126と被検眼100の眼底とが光学的に共役な関係になるように設計されている。
合焦レンズ123及びレンズ124のうち、合焦レンズ123は合焦調整をするためにモータ等の駆動手段192によって双方向矢印で示される光軸方向に駆動される。合焦調整は、測定光源としてのファイバー端126から出射する光が眼底上に結像するように調整されることによって行われる。合焦手段の一例である合焦レンズ123は、ファイバー端126と、測定光のOCT光走査部(122)であるXスキャナ122−1及びYスキャナ122−2との間に配置されている。これにより、より大きなレンズ101−3や、ファイバー端126と接続されている光ファイバー125−2を動かす必要がなくなる。なお、駆動手段192及びOCT光走査部(122)は制御部187に接続されており、該制御部187によって駆動制御が行われる。
この合焦調整によって、被検眼100の眼底にファイバー端126から射出される光源像を結像させることができる。また、被検眼100の眼底からの戻り光を、ファイバー端126を通じて光ファイバー125−2へ効率良く戻すことができる。
(OCT光学系の構成)
次に、図1における光源130から出射された光の光路、及び参照光学系等からなる干渉系等の構成について説明する。本実施形態では、光源内部又は外部にミラーやフィルタを組み合わせた共振器により光を共振させる高速波長掃引光源を光源130として用いている。該光源130、一対のミラー152−1及び152−2、光カプラー125、光カプラー127、光ファイバー125−1〜4及び127−1〜3、及びコリメータレンズ151及び154、によって干渉光学系が構成されている。光ファイバー125−1〜4及び127−1〜3は、各々光カプラー125及び127に接続されて一体化しているシングルモードの光ファイバーである。更に、光ファイバー125−4は、光カプラー127にも接続されている。
光源130から出射された光は、光ファイバー125−1を通じて光カプラー125に導かれる。光カプラー125は、分割手段として、導かれた光を光ファイバー125−2側へ出射される測定光と、光ファイバー125−3側に出射される参照光とに分割する。測定光は、前述のOCT光学系の測定光路OP1を通じ、被検体である被検眼100の眼底に照射される。眼底に照射された測定光は、網膜による反射や散乱により戻り光として同じ光路を逆に戻り、ファイバー端126に入射する。該ファイバー端126に入射した戻り光は、光カプラー125及び光ファイバー125−4を介して、光カプラー127に到達する。
一方、参照光は、光ファイバー125−3及びコリメータレンズ151を介して、参照光路に空間光として射出される。該参照光は、一対のミラー152−1及び152−2に到達し反射される。次に、これらミラーに反射された参照光は、コリメータレンズ154で集光され、光ファイバー127−1の端面に入射して光カプラー127に到達する。ここで、コリメータレンズ151の焦点位置と光ファイバー125−3の端面が一致し、コリメータレンズ154の焦点位置と光ファイバー127−1の端面が一致している。また、本実施形態では、この位置関係を維持するように、ミラー152−1とミラー152−2とが一体となって光路長調整手段153を構成している。該光路長調整手段153は、これを支持するモータ等からなる駆動手段193により、図中矢印で示す光軸方向に移動するようになっている。駆動手段193の動作は制御部187によって行われる。
なお、コリメータレンズ151とコリメータレンズ154との間の光路において、参照光及びミラー152−1及び152−2からの反射光は平行光である。このため、光路長調整手段153により参照光の光路長が変わったとしても、光ファイバー125−3と光ファイバー127−1の端面においての物体と像との良好な結像関係は変化しない。従って、参照光の光路長を変更しても、光ファイバーと参照ミラーとの結像関係を維持した参照光学系を提供でき、被検体の断層画像の取得において利得を向上させることができる。
上述した測定光は戻り光として光ファイバー125−4に到達し、参照光路を経た参照光は光ファイバー127−1に到達する。従って、図1の光カプラー127によってこれら光は合波されて干渉光となる。ここで、該干渉光において、測定光の光路長と参照光の光路長とがほぼ同一となったときに干渉を生じる。前述したように、光路長調整手段153は駆動手段193によって移動可能であり、被検眼100によって変わる測定光の光路長に参照光の光路長を合わせることが可能である。光カプラー127で合波され、光路長を合せて得られた干渉光は、光ファイバー127−2及び127−3を経由して、合波された光を検出する差動検出器184へ導かれる。
差動検出器184は、干渉光に基づいた電気信号である干渉信号を生成する。差動検出器184から出力された干渉信号は画像生成手段186に送られる。画像生成手段186において一般的な再構成処理を行う事で、測定光が走査された被検眼の断層画像を出力する。なお、本発明は以上に述べたマッハツェンダタイプの干渉計の態様に限定されず、該干渉計としてマイケルソン干渉計等、公知の種々の干渉計を用いることが可能である。
(断層画像の撮像方法)
本実施形態において例示するOCT装置は、制御部187によりXスキャナ122−1、Yスキャナ122−2を制御する。これにより、被検眼100の眼底における所望部位での測定光の走査を実施し、当該所望部位の断層画像を撮像することができる。図2は、被検眼100に測定光201を照射し、眼底202に対してX方向に測定光を走査している様子を示している。眼底202におけるX方向の撮像範囲で測定光を走査し、その戻り光より所定の撮像本数の情報を差動検出器184により取得する。
差動検出器184より出力された干渉信号を受けた画像生成手段186は、眼底上のX方向のある位置で干渉信号より得られる輝度分布をFFT(高速フーリエ変換)する。該FFTにより得られた線状の輝度分布をモニタに示すために濃度あるいはカラー情報に変換する。即ち、画像生成手段186は、干渉光に基づいて被検眼の断層画像を生成する。この濃度変換等されて得られた眼底における任意の位置の深さ方向における一次元画像をAスキャン画像と呼ぶ。また、この複数のAスキャン画像をX方向に並べて得られる被検眼眼底に垂直な面における二次元の画像をBスキャン画像と呼ぶ。一つのBスキャン画像を構築するための複数のAスキャン画像を撮像した後、X方向に垂直なY方向に測定光の走査位置を移動させて再びX方向の測定光の走査を行うことにより、複数のBスキャン画像を得ることができる。複数のBスキャン画像、あるいは複数のBスキャン画像から構築した三次元断層画像をモニタに表示することで、検者が断層画像を被検眼100の診断に用いることができる。
図3は、モニタ200に表示された前眼画像210、眼底二次元画像211、及び断層画像であるBスキャン画像212の表示例である。前眼画像210は、赤外線CCD142の出力から処理されて表示された画像である。眼底二次元画像211は、シングルディテクター116の出力から処理され表示された画像である。そしてBスキャン画像212は、差動検出器184の出力から前述の処理がなされて構成された画像である。なお、眼底二次元画像211の略中央に示される点線は、Bスキャン画像212を取得したBスキャンラインを示している。
(光路長調整手段の動作)
次に、光路長調整手段153の動作の詳細について説明する。
例えば光路長調整手段153により調整された参照光の光路長が所望値よりも長い場合の好適な撮像範囲を図4(a)に示す。図4(a)に示す例では、参照光の光路長に対応して測定光が合焦し得る撮像範囲(撮像画角W、撮像深度D)は、被検眼100の眼底より前眼部に対して反対側に離れた位置になってしまっている。この場合、被検眼100の網膜に関する断層画像は観察できない。
このような場合では、所望の撮像範囲に合焦している場合の測定光の光路長と参照光の光路長とが略同じになるように、参照光の光路長を調整することを要する。制御部187は眼内での光路長差L1を短くするように、駆動手段193を駆動させる。具体的には、眼内の光路長差L1に相当する光学距離だけ、参照光路長を短くするように、光路長調整手段153をコリメータレンズ151の方向に移動させる。移動させた結果の参照光路長に対応する測定光の撮像範囲を図4(b)に示す。このとき取得された断層像は、図3に示したBスキャン画像212になる。Bスキャン画像212は、被検眼100における撮影画角(横幅)W、撮影深度(縦幅)Dの大きさの断層画像となる。なお、以降の説明において、図3のBスキャン画像を断層画像と称し、同画像内に表示される実際の網膜の部分を示す画像を被検体像213と称する。
以上に述べた構成において、画像生成手段186は、被検眼100からの戻り光と該戻り光に対応する参照光とを合波して得た干渉光に基づいて該被検眼100の断層情報を生成する情報生成手段に対応する。該戻り光は、波長掃引光源である光源130から射出された光より分割された測定光が照射された被検体からの反射・散乱光となる。また、参照光は、該測定光に対応する光源光より分割された光となる。また、該画像生成手段186は、断層情報に基づいて後述する被検体像を含む断層画像を生成する画像生成手段を含む。また、光学ヘッド900若しくは該光学ヘッド900に含まれるOCT光学系は、測定光を被検体に導く測定光学系に対応する。この場合、光学ヘッド駆動手段300は、該測定光学系を駆動して、被検体と測定光学系との作動距離を所定の作動距離とし、更に該作動距離を変更する光学系駆動手段或いは駆動手段に対応する。また、光路長調整手段153は、参照光の光路長を所定の光路長に調整し、更に該光路長を変更する調整手段に対応する。なお、所定の作動距離とは、図9に示す画像に基づいて、被検眼100と光学ヘッド900とのアライメントが行われた状態でのこれらの間の距離にあたる。また所定の光路長、又は光路長差は、断層画像において被検体像が所定の中央位置に配置される際の光路長或いは光路長差にあたる。
(光源とリバイバルゴーストの関係)
光源130について説明する。光源130には、波長変化させる事が可能な波長掃引型(Swept Source)光源を用いている。光源130から射出される光の中心波長は1050nm、掃引幅は約100nmで掃引しながら光を射出する。ここで、中心波長は、被検眼を測定することを鑑みると近赤外光が適している。また、波長バンド幅は、得られる断層画像の光軸方向の分解能に影響するため重要なパラメータである。光源130では、光源内部又は外部にミラーやフィルタを組み合わせた共振器を設け、該共振器において複数の波長においてレーザ発振を生じさせている。共振波長を変えつつレーザ発振により得られた光を射出させることで射出光の波長の掃引が行われる。
OCTで得る画像は、本実施形態の場合では被検眼100の眼底からの反射光を戻り光とし、これと参照光との干渉より得ている。しかし、光源130から射出された測定光は、被検眼100眼底からのみならず、眼底に至るまでの光路OP1上に配置される、例えば対物レンズ101−1等の各種レンズ、光ファイバー125−2端面等の各光学素子によっても反射される。上述したように、波長掃引光源では、レーザ発振のために光を共振させる共振器を有している。このため、該光学素子からの反射光と参照光との光路長差が共振器長の整数倍となる条件を満たす場合には、該反射光と参照光とが干渉することで、上述したコヒーレンスリバイバルゴーストが生成されて断層画像に写り込む。なお、共振器長とは、レーザ発振のためにレーザ光を往復させる一対の鏡面間における光経路の長さをいう。即ち、光学部材が測定光を反射する反射面のコヒーレンスゲートからの距離が波長掃引光源における共振器長の整数倍となる時に、該反射光と参照光との干渉によりコヒーレンスリバイバルゴーストが発生する。
従って、好適な断層画像を得るためには、光路OP1上の各種光学部材に対して上述した条件を留意する必要がある。しかし実際には、現在得られている知見によれば、被検眼100の最も近傍に配置される対物レンズ101−1により生じるコヒーレンスリバイバルゴーストが断層画像内に写り込む可能性が最も高い。従って、以降では、被検眼100の眼底像付近に生じる対物レンズ101−1の後面によって発生するリバイバルゴースト(以下、対物レンズ後面リバイバルゴーストと称する。)を例にとって説明する。なお、該対物レンズ101−1の後面とは、対物レンズ101−1における被検眼100の反対側の面のことを言う。
差動検出器184によって得られた干渉信号をFFTすると、断層画像は深度0位置(図3におけるBスキャン画像212の上辺)から線対称に2つの像が出現する。通常、モニタ200には一方の断層画像しか表示してないが、実際には深度0位置の反対側にミラーイメージ(鏡像)と呼ばれる画像が存在している。従って、深さ方向の撮像範囲において、例えば網膜層等の被検体画像が深度0位置を−側(図3におけるBスキャン画像212の上辺より上)にはみ出すと、このミラーイメージも反転してモニタ200に出現してしまう。この現象は、リバイバルゴーストについても同様に生じる。
図5に、眼軸長と対物レンズ後面リバイバルゴーストが現れる深度との関係を示す。これら関係は、被検眼100と光学ヘッド900(より詳細には対物レンズ101−1の前面)との距離である作動距離が、撮影範囲において上述する被検体像が中央所定位置に生成されるようにした条件で得られる関係を示している。同図において、横軸は眼軸長(diopter)であり、縦軸は該リバイバルゴーストが現れる深度(mm)を示している。断層画像を取得する深度(図3のD方向の深さ)は、光路長調整手段153により参照光路長を変更することで、調整できる。同図において、縦軸における深度0mm〜−5mmの範囲が、光路長調整手段153による調整可能な撮像範囲に対応する。実像及び鏡像の出現位置を示した図中のポイントは、光路長調整手段153が基準位置(被検体像が断層画像或いは撮影範囲内の所定位置に位置する場合の配置)にある時に現れる対物レンズ後面リバイバルゴーストの発生位置を示している。
対物レンズ後面リバイバルゴーストの断層画像(Bスキャン画像212)における発生位置は、同図に示すように、光路長調整手段153が基準位置にある場合には、被検眼100の眼軸長に応じて定まっている。即ち、対物レンズ後面リバイバルゴーストの断層画像中の発生位置は、光路長調整手段153の位置(被検眼100の眼軸長に対応する)に対して一義的に決まる。従って、眼軸長が得られている場合には、画像上に現れた該対物レンズ後面リバイバルゴーストは、光路長調整手段153の位置によって実像であるか鏡像であるかを判断することができる。また、光路長調整手段153により参照光の光路長を変えることによって、実像及び鏡像のリバイバルゴーストの現れる位置を動かすことも可能といえる。更に、図5に示す関係に基づいた、参照光路長(光路長差)と対物レンズ後面リバイバルゴーストの発生位置との関係を示すテーブルを参照して、該対物レンズ後面リバイバルゴーストの発生位置(出現位置)を特定することもできる。
また、断層画像における被検体像の表示位置或いは対物レンズ後面リバイバルゴーストの出現位置は、上述したように測定光の光路長を一定とした場合の参照光の光路長の変更によって移動される。このことは、これら表示位置或いは出現位置が、測定光と参照光との光路長差の変更によっても、同様に移動可能であることを示している。即ち、本発明における対物レンズ後面リバイバルゴーストの出現位置の移動は、光路長調整手段153の動作のみならず測定光の光路長を変えることによっても実施可能である。以上より、本実施形態における調整手段は、光路長調整手段153の態様に限定されず、測定光の光路長と参照光の光路長との差を所定の光路長差とする態様とすることも可能である。
(被検体像とリバイバルゴーストの関係)
図6(a)に、Bスキャン画像212に、取得した網膜の断層像である被検体像と共に実像のリバイバルゴーストG1が現れた例を示す。なお、以降の説明において、モニタ200においてBスキャン画像212として表示される表示画面中の全域の画像に対応するBスキャン画像212を断層画像と定義する。また、取得しようとする網膜自体の断層像を被検体像と称し、リバイバルゴーストはそのままリバイバルゴーストと称する。
同図において、RzaはBスキャン画像212の表示画面上辺から被検体像における網膜色素上皮(RPE)までの距離を示し、Gzaは同じく表示画面上辺(撮像範囲上限)からリバイバルゴーストG1までの距離を示す。Bスキャン画像212が得られた状態から、光路長調整手段153によって参照光の光路長を長くする(コリメータレンズ151からミラーが離れる方向に動かす)。当該操作により、図6(b)のBスキャン画像212に示すように被検体像213と実像のリバイバルゴーストG1とは同じ方向に−Δだけ表示画面中上方に動く。
また、図6(a)の画像が得られた状態から光学ヘッド駆動手段300によって光学ヘッド900を被検眼100に近づけた(作動距離を短くした)場合に得られるBスキャン画像212を、図6(c)に示す。この場合、図6(c)に示すようにBスキャン画像212に表示されるリバイバルゴーストG1の位置は変わらず、被検体像213のみが−Δだけ表示画面中上方に動く。
次に、図7(a)に、Bスキャン画像212に、取得した断層画像において鏡像のリバイバルゴーストG2が現れた例を示す。Bスキャン画像212が得られた状態から、光路長調整手段153によって参照光の光路長を長くする(コリメータレンズ151からミラーが離れる方向に動かす)。当該操作により、図7(b)に示すように被検体像213とリバイバルゴーストG2とは互いに上下反対の方向に動く。なお、各々の像の移動量は、図6(b)に示した実像の場合に対して鏡像のリバイバルゴーストG2の移動の方向が異なるだけで、共にΔとなる。
また、図7(a)に示すBスキャン画像212が得られた状態から光学ヘッド駆動手段300によって光学ヘッド900を被検眼100に近づけた(作動距離を短くした)場合に得られるBスキャン画像212を、図7(c)に示す。この場合、図6(c)に示した実像のリバイバルゴーストG1のときと同様に、図7(c)に示すようにBスキャン画像212に表示される鏡像のリバイバルゴーストG2の位置は変わらず、被検体像213のみが−Δ2だけ表示画面中上方に動く。
以上より、リバイバルゴーストの実像或いは鏡像の出現位置は光路長調整手段153による参照光光路長の調整と光学ヘッド駆動手段300による作動距離の調整とを適切に行うことで、断層画像における被検体像213の表示位置を適当に保った上で変化させることができることがわかる。
(被検体像の検出と光路長調整手段による被検体像の表示位置の自動調整)
次に、被検体像213がBスキャン画像212(断層画像)の所定位置に配置されるように光路長調整手段153によって表示位置を調整する方法の一例を説明する。図8(a)は、Bスキャン画像212の表示において、被検体像213の一部が表示範囲を超えて欠けている画面例を示す。なお、同図において、表示画面(撮像範囲)においてBスキャン方向と一致する幅(画角)方向をx方向、該表示画面において撮影深度方向に対応する縦(深度)方向をz方向とする。制御部187は、取得された画像におけるxz座標により規定される各画素に関して、x(1)列からx(n)列まで各列においてz方向に並ぶ画素について、所定値以上の輝度値を有する各画素の輝度値を積算する。また同時に、積算値と共に、被検体像における輝度値のピークを示す画素に関して、z方向(深度方向)での最浅位置(z(i)min)と、最深位置(z(i)max)とを算出する。なお、図8(b)において最浅位置(z(i)min)の輝度値のピークを示す画素は、Bスキャン画像212内に生成される被検体像213(網膜層像)における内境界膜を示す画素に対応する。また、図8(b)において最浅位置(z(i)max)の輝度値のピークを示す画素は、Bスキャン画像212内に生成される被検体像213(網膜層像)における網膜色素上皮を示す画素に対応する。
これら値を一旦算出した後、制御部187は、駆動手段193によって光路長調整手段153を例えばコリメータレンズ151から離れる方向(参照光光路長が長くなる方向)に所定量動作させ、同様の演算を行う。得られた演算結果は、前回の積算値と比較される。比較の結果、積算値が増えている場合には、光路長調整手段153を更に同方向に動作させて演算を繰り返す。この操作は、積算値が変化しなくなるまで繰り返される。積算値に変化がなくなると、制御部187では被検体像213が全て撮像されていると判断される。逆に前回より積算値が減っている場合には、被検体像213において表示範囲からはみ出す領域が更に増えたと考えられる。この場合、制御部187は、光路長調整手段153を逆の方向に動作させるように駆動手段193を制御する。
制御部187により被検体像213が全て撮像されていると判断されると、次にx方向の各列の最浅位置と最深位置から最も深度の浅い最浅位置z_minの画素と最も深度の深い最深位置z_maxの画素とを求める。これら位置から、更にz_ave=(z_min+z_max)/2を算出する。算出後、図8(b)に示すようにz_aveが深度方向(z方向)の中心であるz(c)と一致するように光路長調整手段153による参照光光路長の調整をし、被検体像213が断層画像であるBスキャン画像212(表示画面)における所定位置になるようにする。図8を参照して述べた被検体像213をBスキャン画像212上の所定位置に表示させる操作と、図6或いは7を参照して述べた操作を合せて行うことにより、対物レンズ後面リバイバルゴーストを断層画像から除き、且つ断層画像の中央に所望の被検体像213を表示することが可能となる。
ここで、上述したように、対物レンズ後面リバイバルゴーストは、眼軸長と参照光路長とにより表示位置を特定することが可能である。しかし、図8を参照して述べた最浅位置で輝度ピークを示す画素及び最深位置で輝度ピークを示す画素の探索の操作を利用して、該ゴーストの発生及びその発生位置を検知することも可能である。通常、断層画像における輝度ピークを示す画素は、例えば網膜中の特定の層に対応することからx方向に連続して並ぶことが想定される。また、z方向においても、バックグラウンドよりも大きな値を示し且つ各々の値が連続的に変化するように画素が連続して並ぶことが想定される。これに対してゴーストの場合には、周辺画素とは無関係に単一或いは数個の画素がx及びz軸両方において不連続な輝度値を示す。従って、これら画素を検知することにより、ゴーストの有無或いは該ゴーストの被検体像の診断に対する影響の有無或いは大きさを判断することも可能である。即ち、断層情報に基づいても、断層画像におけるゴーストの出現位置を特定することが可能である。
なお、制御部187は、例えば作動距離が所定の作動距離にある場合に得られる、図5に示した対物レンズ後面リバイバルゴーストの断層画像中の出現位置に関するデータを記憶する記憶手段を有する。この場合、該記憶手段は、断層画像における深さ方向の距離と光路長の調整量(調整距離)との関係、及び断層画像における深さ方向の距離と作動距離の変更量との関係を記憶していることが好ましい。制御部187は、本実施形態における制御手段として、算出手段、配置特定手段、及び判断手段を有する。算出手段(特定手段)は、被検体像213を断層画像における所定の配置(画像上の中央位置)に生成するための所定の光路長を記憶されたデータに基づいて算出し、特定する。配置特定手段は、断層情報に基づいて被検体像213の断層画像における配置を特定する。また、判断手段は、被検体像213の配置が所定位置の時に該ゴーストが断層画像内に出現するか否かを判段する。制御部187は、該リバイバルゴーストの断層画像における被検体像213に対する出現位置を特定する。また本実施形態では対物レンズ後面リバイバルゴーストに着目しているが、測定光学系を構成する光学素子の表面で反射した測定光の反射光と、参照光との干渉から生じるリバイバルゴースト全般に対して、本発明は対応可能である。
なお、上述した特定手段は、例えば図8を参照して述べたように、輝度等の画素値におけるX方向或いはY方向の所定の方向における変化よりリバイバルゴーストの出現位置を特定することとしてもよい。また、出現位置を特定した後に、光路長調整手段153による参照光路長の変更或いは合焦レンズ123の合焦位置の変更を行い、リバイバルゴーストの出現位置の変化量を得てもよい。この場合、得られた変化量に基づいて、リバイバルゴーストを断層画像から除くための、光路長調整手段153による光路長の変更量或いは光学ヘッド駆動手段300による作動距離の変更量を求めてもよい。
(制御部によるゴースト除去の操作)
次に、本実施形態において測定開始までに制御部187にて実行される操作について図10のフローチャートに従って説明する。検者が不図示の撮影スイッチを押したことを制御部187が検出して、撮影動作が開始される(S1−1)。撮影動作が開始されると、制御部187は赤外線CCD142で撮像された前眼部画像を解析して被検眼100に対する光学ヘッド900のXYZ方向における位置ずれ量を求める。続いて、この位置ずれを補正するために光学ヘッド駆動手段300を駆動して、光学ヘッド900と被検眼100とのアライメントを行い、完了させる(S1−2)。
アライメント完了後、制御部187は駆動手段193を介して光路長調整手段153の位置を検出し、Bスキャンを開始して被検眼眼底のBスキャン画像212を取得する(S1−3)。制御部187は、取得されたBスキャン画像212に対して、図8を参照して説明した被検体像を検出する方法を用いて、Bスキャン画像212に対する所望の網膜層等の被検体像213の有無或いは配置を検出する。被検体像213が断層画像に適切に含まれる場合には、上述したようにx(1)列からx(n)列までの各画素列の輝度値をz方向に積算しても所定値より大きい。ここで積算輝度値が所定値以下の場合、被検体像213はBスキャン画像212中に適切に含まれていないと判断し、フローはS1−5へ進む。また、一回目のBスキャンである場合には、輝度値の積算値が前回の積算値と比較できないため同様にフローはS1−5へ進められる(S1−4)。
S1−5において、制御部187は光路長調整手段153を例えばコリメータレンズ151から離れる方向(参照光の光路長が長くなる方向)に所定量動かす。その後フローはS1−2に戻り再度オートアライメント以降の操作を行う。S1−3及びS1−4の操作を行い、再度被検体像213がBスキャン画像212に適切に含まれていない場合にはフローは再びS1−5へ進む。S1−4において被検体像213がBスキャン画像212に全て適切に含まれていると判定された場合には、フローはS2−1へ進む。
S2−1において実行される操作に関して、図11(a)に示される被検体像213がBスキャン画像212内に存在しており且つ実像のリバイバルゴーストG1が断層画像(表示ウインドウ)外にある場合を例にとって説明する。なお、この場合において対物レンズ後面リバイバルゴーストG1は表示ウインドウ外であるので検者は観察することはできないが、説明の便宜上、表示ウインドウ外も含めた図としてこれを表している。ここで、制御部187は、S1−3で検出した光路長調整手段153の位置と、被検眼100の眼軸長に関する情報とにより、対物レンズ後面リバイバルゴーストG1が深度0の位置(ウインドウの上辺)からどの距離に発生しているかを算出する。また、その際に、現れている該対物レンズ後面リバイバルゴーストが実像であるか鏡像であるかの判定も行われる。これら算出及び判定は、不図示の記憶部に記憶されている図5に示した眼軸長とリバイバルゴーストの発生深度との関係に基づいて行われる。なお、眼軸長に関する情報は、S1−2においてアライメントを行った際の例えば合焦レンズ123或いは111の位置より得られる。以上より、リバイバルゴーストの位置z(g)、即ち深度0の位置からの対物レンズ後面リバイバルゴーストG1の発生位置までの距離Δz_gが求められる。
一方、図8を参照して説明した操作を合せて行い、被検体像213の最浅位置z_minの画素と最も深度の深い最深位置z_maxの画素との、深度方向の平均位置z_aveとなる画素を算出する。そして、所定位置であるz(c)と該平均位置z_aveとなる画素との深度方向の差Δz_tを算出する。S2−1では、得られたΔz_gとΔz_tとを比較する。比較結果として、Δz_g>Δz_tと判定された場合、被検体像213をBスキャン画像212内の所定位置に移動させても対物レンズ後面リバイバルゴーストG1は表示ウインドウ内に入らないと判断し、フローはS2−2へ進む。Δz_g≦Δz_tと判定された場合、被検体像213の移動に伴って対物レンズ後面リバイバルゴーストG1はウインドウ内に入ると判断し、フローはS3−1へ進む。以下各々の場合に分けて説明する。
Δz_g>Δz_tの場合:
S2−2において、Δz_t=0になる量だけ光路長調整手段153の位置を移動する。移動後、S2−3において再度Bスキャン画像を取得し、S2−4においてBスキャン画像212中の所定位置に被検体像213があるか否かの確認を行う。所定位置にある場合には図11(b)に示すような画像が表示される。なお、S2−4で所定位置に被検体像213があるか否かの判断基準は、平均位置z_aveが所定位置z(c)からある範囲内に入っていればよいとしてもよい。被検体像213が所定位置にあると確認され、且つ対物レンズ後面リバイバルゴーストG1もウインドウに入っていないため被検体像213の出現位置の調整は終了となる。
即ち、S2−5において検者が不図示の撮影開始スイッチを押したことを検出することに応じて眼底断層画像における所定位置に配置される二次元の被検体像213を取得(S2−6)して、フローは終了となる。なお、以上の操作の際中に、被検眼100が動いてしまう等により所定位置に被検体像がなかった場合には、フローはS1−2に戻り、S1−2におけるアライメントからの操作が改めて行なわれる。
Δz_g≦Δz_tの場合:
この場合に実行されるS3−1の操作について、図12(a)を例として説明する。この場合、仮にS2−2で行われる操作のように光路長調整手段S2−2の位置だけで調整を行うと、図12(b)に示すように対物レンズ後面リバイバルゴーストG1がΔz_g-Δz_t≒Δz_g’だけウインドウ内に入ってきてしまう。そこで、制御部187はΔz_g>Δz_tになる量だけ作動距離(被検眼100と光学ヘッド900間の距離)を変更する変更量ΔWDを求める。これは(断層画像とリバイバルゴーストの関係、図6参照)で説明した通り、作動距離が変わってもリバイバルゴーストは動かず、被検体像213のみが動くことを利用している。なお、作動距離の変化量に対応するz方向の画素の数は予め記憶手段により記憶されており、この対応関係に基づいてΔz_g’に対応する変更量ΔWDが得られる。記憶手段は上述したように制御部187内に配置される。
ここで、本来であれば作動距離の変更に伴い測定光の光路長が変わることから、これに対応するように参照光の光路長を変えることが求められる。従って、必要な光路長調整手段153の移動量Δz_tもこれに対応するように変わる。しかし、作動距離に求められる変更量が例えば画素値を大きく変えることのない範囲であり且つ該変更量によって被検体像213をBスキャン画像212中の所定位置に配置できる場合には、これによりΔz_t=0の条件が得られる。この場合であれば、光路長調整手段153を動かす必要はなくなる。
上述した条件に鑑み、S3−2では求められた作動距離が所定の変更許容量ΔWD_limitの範囲内か否かを判断する。ΔWDがΔWD_limitの範囲内である場合には、フローはS3−3へ進む。範囲外であると判断された場合は、フローはS4−1へ進む。なお、作動距離の変更許容量の設定に際しては、被検眼100の瞳孔径が小さい場合に測定光束が被検眼瞳孔で遮られて所定の撮影画角を確保できないことを回避することも考慮することが好ましい。
作動距離が変更許容量の範囲内であると判断された場合には、フローはS3−3に進む。S3−3では、制御部187はΔWDだけアライメント位置をZ方向にずらすように光学ヘッド駆動手段300に信号を送り、光学ヘッド900を移動させる。そして、図12(c)に示すように、Δz_gとΔz_tとの関係がΔz_g>Δz_tを満たす状態とする。その後、S3−4において光路長調整手段153の位置が改めて変更される。変更後、制御部187はS3−5でBスキャン画像212を取得する操作を実行し、S3−6にて撮像された被検体像213がBスキャン画像212内の所定位置に存在するか否かを判断する。この場合の判断基準は、S2−4の場合と同じである。
S3−6において被検体像213が所定位置にあると判断された時の画像では、図12(d)に示すように被検体像213は所定位置に在り、且つ対物レンズ後面リバイバルゴーストG1がウインドウ内に入らない画像になる。このような画像が得られた場合、フローはS2−5に進む。なお、以上の操作の際中に、被検眼100が動いてしまう等により所定位置に被検体像213がなかった場合には、被検眼100自体が撮影位置に存在しなくなるため、フローはS3−7に進む。S3−7では、オートアライメントにおけるZ方向の作動距離を、初期位置からS3−3でΔWDだけ変更した目標位置に変更する。変更後、フローは更にS1−2へ進み、作動距離を変更した位置でオートアライメントを行いS1−3以降の操作を繰り返す。
S3−2においてΔWDがΔWD_limitの範囲外であると判断された場合には、フローはS4−1に進む。この場合の処理を、図13を参照して説明する。S4−1において、制御部187は作動距離の変更許容量ΔWD_limitまで作動距離を変更する。しかし、作動距離変更後であっても、図13(b)に示すように、依然としてΔz_g≦Δz_tの状態は解消されていない。この状態でフローは更にS4−2に進み、この状態からz_aveをz(c)に一致させるための光路長調整手段153の移動量を決定する。決定後、フローはS3−4に進み光路長調整手段153を移動させる。その状態でS3−5において得られたBスキャン画像が図13(c)に示される。フローS4−1を経た場合には、対物レンズ後面リバイバルゴーストG1がBスキャン画像212に写り込んでしまうことになる。しかし、図13(c)に示されるように、診断に用いる被検体像213近傍からは離れているため診断への影響は最低限に抑制される。
なお、以上の図10を参照したゴースト除去の操作に関する説明は、対物レンズ後面リバイバルゴーストG1が実像の場合について述べている。しかし該対物レンズリバイバルゴーストが鏡像としてウインドウ中に現れる場合も、実像の場合と同様に生じる。鏡像の場合には、図7を参照して述べたように、被検体像213とリバイバルゴーストの各々の動きが実像の場合と異なる。しかし、この場合の除去処理のフローにおいて移動量を決定する考え方は同様であるため、ここでの詳述は省略する。
なお、図10におけるフローチャートの各操作を実行している間、モニタ200において各操作時に撮像した画像を表示していてもよい。また、S2−4、或いはS3−6で被検体像213が所定位置にあると判断された後にS2−3或いはS3−5で取得していた画像を表示することとしてもよい。また、上述した実施形態では、S2−6において検者が撮影スイッチを押すように説明したが、制御部187が撮影開始の判断をして撮影を実行してもよい。また、上述した実施形態では、Bスキャン画像を得て該Bスキャン画像を用いて各操作を実行しているが、三次元断層情報として被検眼の網膜に関する三次元の画素情報を得て、これらを用いて該各操作を実行してもよい。
また、本実施形態では、図5を参照することにより、光路長調整手段153の位置に基づいて把握可能である深度0の位置からリバイバルゴースト発生位置とそのリバイバルゴーストが実像か鏡像かがわかることを説明した。しかし、実際には装置の製造誤差などのばらつきがあるので、光路長調整手段153の位置とリバイバルゴースト発生位置の理論値とはずれが生じる。従って、装置の製造時にキャリブレーションを行うことが好ましい。この場合、光路長調整手段153の位置とリバイバルゴーストの発生位置との関係、及び発生する像が実像であるか鏡像であるかをテーブルにして、上述した制御部187に包含される不図示の記憶手段に記憶することが好ましい。
なお、撮像処理の高感度化の観点でいうと、撮影装置がSN比で90dBを超える感度となると、眼底における反射率(10−6程度(−60dB程度))に対し、同程度ないし2桁弱い強度(−80db)のゴーストも目立つようになる。一方、撮像範囲の拡大に伴い、撮像範囲が光源の共振器における増幅用光路長(共振器長)よりも広くなると、光路長の調整だけでゴーストが撮像範囲外となるようにすることができなくなり、ゴーストを避けるために撮像範囲が制限される場合が起こり得る。また、断層画像の高速取得化のためには信号処理の負荷が軽いことが望ましいが、信号処理によるゴースト除去は、画像の表示の律速となることも考えられる。
以上説明したように、本実施形態によれば、作動距離が被検体像の生成位置を断層画像中の所定位置とする所定の距離の場合、リバイバルゴーストの出現位置は光路長調整手段の位置から一義的に把握できる。また、光路長調整手段による参照光光路長の調整と作動距離の調整とに対して、被検体像とリバイバルゴーストの断層画像(或いは表示ウインドウ)における位置の変化が異なる。よって、このことを利用して、リバイバルゴーストが表示ウインドウ上に出ない、もしくは少なくとも診断に影響を及ぼすような被検体像近傍に出現しないようすることが可能である。従って、これら光路長及び作動距離を適切な範囲で調整することにより、検者は煩雑な操作を行うことなく、診断に用いるのに適した画像を得ることができる断層像撮影装置を提供することができる。
以上述べたように、制御部187は、特定されたゴーストの出現位置と被検体像213の生成位置とに基づいて、光学ヘッド駆動手段300による所定の作動距離からの作動距離の変更、及び光路長調整手段153による所定の光路長からの光路長の変更をおこなう。なお、これらは両方必須ではなく、少なくとも何れかを実行させればよい。また、当該操作はAスキャン画像を得る深度方向の一軸に関してのみ行ってもよい。これにより対物レンズ後面リバイバルゴーストの断層画像上の出現位置を移動させることが可能となる。上述したように制御部187は、被検体像を断層画像上の所定位置に配置した場合であって該対物レンズ後面リバイバルゴーストが出現すると判段された場合には、SS−OCT装置において次の作動方法を実行する。即ち、少なくとも光学ヘッド駆動手段300によって所定の作動距離から作動距離を変更した上で、被検体像213を断層画像の所定位置に配置させる。また、光学ヘッド駆動手段300によって作動距離を変更できる許容範囲が設定されている場合、この許容範囲内では対物レンズ後面リバイバルゴーストを断層画像から除去できない場合もある。この場合、光学ヘッド駆動手段300によって所定の作動距離から作動距離を許容範囲まで変更した後、光路長調整手段153により所定の光路長から光路長を調整して被検体像213を断層画像の所定位置に配置させる。これにより、該対物レンズ後面リバイバルゴーストは診断に影響しない位置に配置される。
また、断層画像の所定位置に被検体像213が配置された時に、対物レンズ後面リバイバルゴーストが断層画像に出現しない場合も想定される。この場合、光路長調整手段153に所定の光路長から光路長を調整して被検体像を断層画像の所定位置に配置させればよい。なお、このようなリバイバルゴーストは、上述したように画素値からも特定することが可能である。この場合、例えば制御部187を表示制御手段として機能させ、表示手段であるモニタ200に対して、出現位置が特定されたリバイバルゴーストを特定する色、強調表示等の表示形態を断層画像に付記させてもよい。
(その他の実施形態)
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変形、変更を行って実施することができる。例えば、上述した実施形態では、対物レンズの後面からの反射に着目してこれを断層画像から除く形態について詳述しているが、測定光路上の他の光学素子によるゴーストに対しても同様態様により対処可能である。また、ゴーストの出現はコヒーレンスリバイバルに起因するもののみではなく、光源が波長掃引光源でない場合にも測定光路上の各光学部材により生じ得る。本発明は、これらのゴーストに対しても対応可能である。
更に、本実施形態は、被検体が眼、特に眼底の場合について述べているが、眼以外の皮膚や臓器等の被検体に本発明を適用することも可能である。この場合、本発明は眼科装置以外の、例えば内視鏡等の医療機器としての態様を有する。従って、本発明は眼科装置に例示される光断層撮像装置として把握され、被検眼は被検体の一態様として把握されることが望ましい。
また、本発明は、上述した実施形態の機能(例えば、上述した各部の処理を各工程に対応させたフローチャートにより示される処理)を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システム或いは装置に供給することによっても実現できる。この場合、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU)が、コンピュータが読み取り可能に記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することにより、上述した実施形態の機能が実現される。また、本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
100 被検眼
102 第一ダイクロイックミラー
103 第二ダイクロイックミラー
111、123 合焦レンズ
115、130 光源
116 シングルディテクター
117 観察光走査部
122 OCT光走査部
125、127 光カプラー
143 フィールドレンズ
151、154 コリメータレンズ
152−1、−2 ミラー
153 光路長調整手段
184 差動検出器
186 画像生成手段
187 制御部
193 駆動手段
200 モニタ
300 光学ヘッド駆動手段
900 光学ヘッド

Claims (21)

  1. 光源から射出された光より分割された測定光が照射された被検体からの戻り光と、前記射出された光より分割された参照光とを合波して得た干渉光より得られる断層情報に基づいて断層画像を生成する画像生成手段と
    記測定光を前記被検体に導くための測定光学系を駆動する駆動手段と
    記測定光学系を構成する少なくとも1つの光学素子で反射した反射光と前記参照光との干渉により生じるゴーストが現れていない状態の被検体像を含む断層画像が得られるように、少なくとも前記駆動手段を前記断層情報に基づいて制御する制御手段と、
    備えることを特徴とする光断層撮像装置。
  2. 前記測定光学系を含む光学ヘッドに含まれ、前記測定光の光路長と参照光の光路長との差を調整する調整手段であって、前記光学ヘッドと前記被検体との距離が維持された状態で前記差の調整が可能な調整手段を更に備え、
    前記駆動手段は、少なくとも前記被検体の深さ方向における前記被検体に対する前記光学ヘッドのアライメントが可能であり、
    前記制御手段は、前記ゴーストが現れていない状態の被検体像を含む断層画像が得られるように、前記駆動手段を前記断層情報に基づいて制御し、且つ前記調整手段を前記断層情報に基づいて制御することを特徴とする請求項1に記載の光断層撮像装置。
  3. 前記制御手段は、前記被検体と前記測定光学系との作動距離が所定の作動距離になるように前記駆動手段を制御し且つ前記差が所定の光路長差になるように前記調整手段を制御した後に、前記断層画像における前記ゴーストが被検体像に現れている場合には、前記ゴーストが現れていない状態の被検体像を含む断層画像を得るための前記作動距離の変更であって、前記作動距離の変更に伴う前記被検体に対する前記測定光の光路長の変更が前記差の調整によって低減されるように、前記駆動手段を前記断層情報に基づいて制御し、且つ前記調整手段を前記断層情報に基づいて制御することを特徴とする請求項2に記載の光断層撮像装置。
  4. 前記制御手段は、前記ゴーストの前記断層画像での出現位置と、前記断層画像における前記被検体像の配置とに基づいて、前記駆動手段による前記所定の作動距離からの前記作動距離の変更、及び前記調整手段による前記所定の光路長差からの前記差の変更を実行させることにより、前記ゴーストの前記出現位置を移動させることを特徴とする請求項3に記載の光断層撮像装置。
  5. 光源から射出された光より分割された測定光が照射された被検体からの戻り光と、前記射出された光より分割された参照光とを合波して得た干渉光より得られる断層情報に基づいて断層画像を生成する画像生成手段と
    記測定光を前記被検体に導くための測定光学系を駆動する駆動手段と、
    前記測定光の光路長と前記参照光の光路長との差を調整する調整手段と、
    前記被検体と前記測定光学系との作動距離が所定の作動距離になるように前記駆動手段を制御し且つ前記差が所定の光路長差になるように前記調整手段を制御した後に、前記測定光学系を構成する少なくとも1つの光学素子で反射した反射光により生じるゴーストの前記断層画像での出現位置と、前記断層画像における被検体像の配置とに基づいて、前記駆動手段による前記所定の作動距離からの前記作動距離の変更、及び前記調整手段による前記所定の光路長からの前記の変更の少なくとも何れかを実行させることにより、前記ゴーストの前記出現位置を移動させる制御手段と、
    備えることを特徴とする光断層撮像装置。
  6. 前記ゴーストの前記断層画像での前記出現位置を前記断層情報に基づいて特定
    前記断層情報に基づいて、前記被検体像の前記断層画像における前記配置を特定する特定手段を更に備えることを特徴とする請求項4又は5に記載の光断層撮像装置。
  7. 前記特定手段は、前記断層画像において前記被検体の深さ方向に対応する方向に並ぶ画素群の中で周囲の画素とは無関係に存在する輝度ピークを示す画素を探索することにより前記出現位置を特定し、
    前記断層画像において前記被検体の深さ方向に対応する方向において画素値が連続的に変化するように並ぶ画素群の中で輝度ピークを示す画素を探索することにより前記配置を特定することを特徴とする請求項6に記載の光断層撮像装置。
  8. 前記参照光の前記光路長と前記ゴーストの前記出現位置との関係についてのテーブルに基づいて前記ゴーストの前記出現位置を特定
    前記断層情報に基づいて、前記被検体像の前記断層画像における前記配置を特定する特定手段を更に備えることを特徴とする請求項4又は5に記載の光断層撮像装置。
  9. 前記制御手段は、前記出現位置と前記配置とから、前記断層画像の所定位置に前記被検体像が配置された時に前記ゴーストが前記断層画像に出現すると判定された場合に、少なくとも前記駆動手段によって前記所定の作動距離から前記作動距離を変更した上で、前記被検体像を前記断層画像の前記所定位置に配置させることを特徴とする請求項4乃至8の何れか一項に記載の光断層撮像装置。
  10. 前記制御手段は、前記駆動手段によって前記作動距離を変更できる許容範囲を設定しており、
    前記制御手段は、前記出現位置と前記配置とから、前記断層画像の所定位置に前記被検体像が配置された時に前記ゴーストが前記断層画像に出現すると判定された場合に、前記駆動手段によって前記所定の作動距離から前記作動距離を前記許容範囲まで変更した後、前記調整手段により前記所定の光路長から前記差の変更実行させて前記被検体像を前記断層画像の前記所定位置に配置させることを特徴とする請求項4乃至9の何れか一項に記載の光断層撮像装置。
  11. 前記制御手段は、前記出現位置と前記配置とから、前記断層画像の所定位置に前記被検体像が配置された時に前記ゴーストが前記断層画像に出現しないと判定された場合に、前記調整手段に前記所定の光路長から前記差の変更実行させて前記被検体像を前記断層画像の前記所定位置に配置させることを特徴とする請求項4乃至10の何れか一項に記載の光断層撮像装置。
  12. 前記断層画像における深さ方向の距離と前記の調整量との関係、及び前記断層画像における前記深さ方向の距離と前記作動距離の変更量との関係を記憶する記憶手段を更に備え
    前記制御手段は前記被検体像に対する前記出現位置と、前記記憶手段に記憶された前記関係の少なくとも何れかに基づいて、前記ゴーストの出現位置を移動させることを特徴とする請求項乃至11の何れか一項に記載の光断層撮像装置。
  13. 前記制御手段は、前記被検体像と前記ゴーストとが重ならない状態の断層画像が得られるように、または前記ゴーストが現れていない断層画像が得られるように、少なくとも前記駆動手段を前記断層情報に基づいて制御することを特徴とする請求項1乃至12の何れか一項に記載の光断層撮像装置。
  14. 前記測定光を前記被検体において二次元で走査する走査部を更に備え
    前記画像生成手段は、前記測定光の走査により得られた前記被検体の三次元の前記断層情報に基づいて前記断層画像を生成することを特徴とする請求項1乃至1の何れか一項に記載の光断層撮像装置。
  15. 前記断層画像に出現する前記ゴーストを示す表示形態を、前記断層画像に付記させる表示制御手段を有することを特徴とする請求項1乃至1の何れか一項に記載の光断層撮像装置。
  16. 前記駆動手段の制御中において前記ゴーストが現れていない状態の被検体像を含む断層画像が得られるまで、前記ゴーストが現れている状態の被検体像を含む断層画像を表示手段に表示させる表示制御手段を更に備えることを特徴とする請求項1乃至14の何れか一項に記載の光断層撮像装置。
  17. 前記光源は波長掃引光源であり、
    前記ゴーストは、前記光学素子が前記測定光を反射する反射面までのコヒーレンスゲートからの距離が前記波長掃引光源の共振器長の整数倍となる時に前記反射光と前記参照光との干渉により生じるコヒーレンスリバイバルゴーストであることを特徴とする請求項1乃至1の何れか一項に記載の光断層撮像装置。
  18. 前記被検体は被検眼であることを特徴とする請求項1乃至1の何れか一項に記載の光断層撮像装置。
  19. 光源から射出された光より分割された測定光が照射された被検体からの戻り光と、前記射出された光より分割された参照光とを合波して得た干渉光より得られる断層情報に基づいて断層画像を生成する画像生成手段と、前記測定光を前記被検体に導くための測定光学系を駆動する駆動手段と、を備える光断層撮像装置の作動方法であって、
    記測定光学系を構成する少なくとも1つの光学素子で反射した反射光と前記参照光との干渉により生じるゴーストが現れていない状態の被検体像を含む断層画像が得られるように、少なくとも前記駆動手段を前記断層情報に基づいて制御する工程を含むことを特徴とする光断層撮像装置の作動方法。
  20. 光源から射出された光より分割された測定光が照射された被検体からの戻り光と、前記射出された光より分割された参照光とを合波して得た干渉光より得られた断層情報に基づいて断層画像を生成する画像生成手段と、前記測定光を前記被検体に導くための測定光学系を駆動する駆動手段と、前記測定光の光路長と前記参照光の光路長との差を調整する調整手段と、を備える光断層撮像装置の作動方法であって、
    前記被検体と前記測定光学系との作動距離が所定の作動距離になるように前記駆動手段を制御し且つ前記差が所定の光路長差になるように前記調整手段を制御した後に、前記測定光学系を構成する少なくとも1つの光学素子で反射した反射光により生じるゴーストの前記断層画像での出現位置と、前記断層画像における被検体像の配置とに基づいて、前記駆動手段による前記所定の作動距離からの前記作動距離の変更、及び前記調整手段による前記所定の光路長からの前記の変更の少なくとも何れかを実行させることにより、前記ゴーストの前記出現位置を移動させる工程を含むことを特徴とする光断層撮像装置の作動方法。
  21. 請求項1又は20に記載の作動方法の各工程をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
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