以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本実施形態におけるゲーム装置の外観構成を示す斜視図である。本実施形態のゲーム装置として、プレーヤの操作に応じてクレーンアームを制御して、景品を払い出すように動作するクレーンゲーム装置10を例に示す。
図1に示すクレーンゲーム装置10は、上部筐体12と下部筐体13とから構成されている。上部筐体12は、前面と側面の一部がアクリル板などの透明板15(開閉部材)により覆われており、透明板15を通じて筐体内部の景品フィールド16L,16Rが視認できるようになっている。透明板15は、例えば正面側が開閉可能に構成されており、景品フィールド16L,16Rへの景品の入れ替えや補充、景品フィールド16L,16Rの高さを調整する場合等に開放することができる。
本実施形態におけるクレーンゲーム装置10は、同時に2人のプレーヤがゲームを実施することができるように、2つのゲームユニット(左側ユニット10L、右側ユニット10R)が搭載されている。左側ユニット10Lと右側ユニット10Rとは、基本的に、中央の境界線において左右対称に構成されているものとする。2つのゲームユニットの景品フィールド16L,16Rは、仕切板によって区分されている。仕切板により区分された2つの景品フィールド16L,16Rには、それぞれ景品を積載することができる。
図1に示す例では、景品フィールド16Lには、左手前側に景品落とし口17Lが形成されたパネルが装着された例を示している。また、景品フィールド16Rには、右手前側に景品落とし口17Rが形成されたパネルが装着された例を示している。なお、景品落とし口17L,17Rの位置は、パネルを変更すること等で任意に変更可能とすることも可能である。
景品落とし口17L,17Rには、開口部に合わせて、落とし口板17L1,17R1が垂直に立てられている。落とし口板17L1,17R1は、景品フィールド16L,16Rに山積みされた景品が景品落とし口17L,17Rに落下しないように防ぐために設けられる。なお、落とし口板17L1,17R1は、着脱可能に取り付けられており、取り外すことも可能である。さらに、落とし口板の取り付け位置に応じて、高さの変更も可能である。
さらに、景品落とし口17L,17Rには、開口部に合わせて、景品ガイド17L2,17R2を装着することができる。景品ガイド17L2,17R2は、景品落とし口17L,17Rの開口面よりも広い開口部が設けられた漏斗状に形成されている。景品ガイド17L2,17R2を装着することで、クレーンアーム18L,18Rを景品落とし口17L,17Rの中央まで移動させなくても、クレーンアーム18L,18Rにより搬送された景品を景品落とし口17L,17Rに落下させやすくすることができる。例えば、クレーンアーム18L,18Rに設けられるアームユニット(図4〜図6に示す)のサイズが、一般のアームユニットのサイズより大きいために、景品落とし口17L,17Rの中央まで移動させることができなくても、景品ガイド17L2,17R2を装着することで景品落とし口17L,17Rを変更することなく、同じように景品の払い出しが可能となる。なお、景品ガイド17L2,17R2は、着脱可能に取り付けられており、取り外すことも可能である。
なお、アームユニットのサイズが一般のアームユニットのサイズより大きい場合、アームユニットのハンド(後述する)を開閉動作させる際に、ハンドが側壁面に当たらないように、ハンドに開放動作をさせるクレーンアーム18L,18Rの位置もしくはハンドの開放角度を調整する。クレーンアーム18L,18Rあるいはハンドに対する制御を調整する場合には、スライド等によりクレーンアーム18L,18Rやハンドの開放状態を検出するためのセンサ位置を変更したり、設定機器(後述する)を用いてハンドの動きを制御するためのプログラムを変更したりする等の変更をする。
景品フィールド16Lの左側半分の下方部と景品フィールド16Rの右側半分の下方部のそれぞれには、景品フィールド16L,16Rから落下した景品を、下部筐体13の前面側に設けられた景品取出口21L,21Rに誘導するための景品誘導空間が設けられている。また、景品誘導空間には、奥側を高く、手前側を低くした傾斜面を設けている。傾斜面を設けることにより、景品落とし口から落下した景品が傾斜面に衝突し、景品取出口21L,21Rが設けられた下部筐体13の前面側に落下し易くなる。これにより、景品取出口21L,21Rから景品を取りやすくなる。なお、傾斜面は、景品誘導空間内の高い位置と低い位置に設けることができる。
例えば、景品フィールド16L,16Rから落下した景品が景品誘導空間の奥に転がっていっても、低い位置にも傾斜面を設けることで、景品を景品取出口21L,21Rから取り出しやすい開口部側に戻ってくるようにしている。特に、低い位置の傾斜面と景品誘導空間の底部(水平面)とを曲線形状で繋ぐことにより、奥に転がった景品を滑らかに手前側に転がるようにできる。
なお、左右の景品フィールド16L,16Rの上方には、プレーヤ操作に応じて動作が制御されるクレーンアーム(キャッチャー)18L,18Rが装着されている。上部筐体12内の景品フィールド16L,16Rの上方には、それぞれクレーンアーム18L,18Rを、例えばX軸方向、Y軸方向、及びZ軸方向(上下方向)に移動させるためのクレーン機構部(図示せず)が設けられている。クレーン機構部は、例えば、コンパネ部23L,23Rに設けられた横移動ボタン、縦移動ボタンへのプレーヤ操作に応じて制御される。なお、コンパネ部23L,23Rにプレーヤにより上下左右の方向を指示できるジョイスティックなどの入力デバイスを設け、クレーン機構部は、入力デバイスに対する操作に応じてクレーンアーム18L,18Rを移動させるようにしても良い。
また、コンパネ部23L,23Rには、クレーンアーム18L,18Rのアームユニットを回転させるための回転機構を動作させるための回転ボタンや、クレーンアーム18L,18Rの下降動作を停止させるための下降停止ボタン等を設けても良い。
クレーンアーム18L,18Rの先端部には、景品を把持するための複数本のハンド(把持爪)が実装されたアームユニットが設けられている。ハンドは、クレーンアーム18L,18Rが下降されて景品に到達した位置で、閉じる(物を把持する)ように動作が制御される。本実施形態におけるクレーンアーム18L,18Rのアームユニットには、例えば6本のハンドが設けられており、2本、4本、6本の何れかの本数の組を選択的に使用可能となるように設定することができる。例えば、本実施形態におけるクレーンゲーム装置10は、後述する電子マネーを利用したゲーム料金の入金額に応じて、クレーンアーム18L,18Rのゲーム実行時のハンドの本数、景品を取得する際のハンドを閉じる力(把持力)を変更することができる。
また、上部筐体12の奥面や側面には、景品ディスプレイ用のネットや、景品を引っかけることができるフックを取り付け可能にしている。ネットやフック(図示せず)は、例えば奥面上部において水平方向に配設されたレールに取り付けられるようにして、レールに沿って左右方向に移動可能にする。ネットやフックを利用して景品を展示することで、ユーザにクレーンゲーム装置10の利用をアピールすることができる。また、上部筐体12のユニット毎の両側面に、景品を載置するための棒の端部を保持すると共に、棒の端部位置を移動可能にするレールを設けることも可能である(図示せず)。複数の棒を配置することで、クレーンアーム18L,18Rにより景品を取得できるように棒の間に景品を載置することができる。
下部筐体13の正面側には、景品取出口21L,21R、フロントメンテドア22、プレーヤによって操作が行われるコンパネ(コントロールパネル)部23L,23Rが設けられている。
景品取出口21L,21Rは、筐体内(景品フィールド)から景品を外部に取り出すためのもので、景品フィールド16L,16Rの下方部に設けられた景品誘導空間と連通している。クレーンアーム18L,18Rを操作して景品を景品落とし口に落下させることにより、景品取出口21L,21Rから景品を取り出すことができる。
フロントメンテドア22は、下部筐体13の内部に収容された制御ユニット(制御PCB(Print Circuit Board))やその他の機構部に対して作業をするような場合に、管理者によって開放させることができる(鍵付き)。また、フロントメンテドア22の内部には、収納スペースが設けられており、補充用の景品や景品フィールドパネルなどを収容しておくことができる。
コンパネ部23L,23Rには、クレーンアーム18L,18Rを動作させるためにプレーヤにより操作される複数のボタン24L,24Rの他、電子マネー用入金ユニット25L,25R(以下、入金ユニット25L,25R)、コインが投入されるコイン投入口26L,26R、ゲーム料金や入金された金額や残りプレイ回数(クレジット数)、機能設定用メニューなどを表示するための表示装置27L,27R(例えばタッチスクリーン)等が設けられている。また、ゲーム実行中の効果音や音楽、メッセージ音声などを出力するためのスピーカが設けられている。入金ユニット25L,25Rの詳細な構成については後述する(図3参照)。
また、本実施形態におけるクレーンゲーム装置10には、管理者がクレーンゲーム装置10に対して各種設定をするための設定機器(図2に示す設定機器30)が設けられている。設定機器は、クレーンゲーム装置10の本体筐体から着脱可能な可搬型に構成されている。設定機器は、各種設定のための操作をする場合には、収納部から取り出して、クレーンゲーム装置10と近接した位置で手に保持した状態で取り扱うことができる。設定機器は、クレーンゲーム装置10の筐体内に収納された制御ユニットと、例えばケーブルや無線通信(無線LAN(Local Area Network)など)によって接続される。設定機器は、左側ユニット10Lと右側ユニット10Rのそれぞれに対する各種設定を個別にすることができるものとする。
図2は、本実施形態におけるクレーンゲーム装置10の機能構成を示すブロック図である。
図2に示すように、クレーンゲーム装置10の筐体内部には、各部を制御するための各種ユニットが実装された制御PCB(Print Circuit Board)38、左側ユニット10Lと右側ユニット10Rのそれぞれに設けられるコントロールパネル部(コンパネ部23L,23R)及び機構部49L,49Rが設けられている。図2では、右側ユニット10Rのコンパネ部23Rと機構部49Rのみを図示している。左側ユニット10Lのコンパネ部23Lと機構部49Lは、それぞれコンパネ部23Rと機構部49Rと同様の構成を有するものとして説明を省略する。
制御PCB38に実装されたユニットには、CPU40、RAM41、記憶装置42、入出力処理ユニット43の他、右側ユニット10Rに設けられる機構部49Rを制御するためのX軸モータ駆動部44、Y軸モータ駆動部45、Z軸モータ駆動部46、ハンド駆動部47、及び付加ユニット駆動部48を含む。なお、図2には、右側ユニット10Rに設けられる機構部49Rのみを示しているが、機構部49Rと同様の構成を有する機構部49Lが左側ユニット10Lに設けられている。制御PCB38は、機構部49Rと同様にして機構部49Lを制御するものとして詳細な説明を省略する。
CPU40は、RAM41あるいは記憶装置42に記憶された制御プログラムやゲームプログラムを実行することにより、クレーンゲーム装置10全体を制御する。ゲームプログラムには、入金ユニット25L,25Rによる電子マネーからのゲーム料金の入金に関係する処理(支払い制御処理、時間貸し制御処理)(入金手段)、電子マネーからの入金額に応じて機能部を設定する機能設定(設定手段)、あるいはプレーヤの操作に応じて指定されるゲーム実行時の状態(機能部)に応じたゲーム料金の入金を制御するための機能設定処理を実行するためのプログラムが含まれる。電子マネーを利用した場合、プレーヤの選択や装置による設定に応じた不定額の入金が可能である。
また、CPU40は、入出力処理ユニット43を介して入力されるコイン投入の検知信号に応じて、プレイ可能回数を示すクレジットデータをRAM41に記録することもできる。また、CPU40は、入出力処理ユニット43を介して入力されるユーザ操作により指示されたクレーンアーム18L,18Rを移動させる指示に応じて、X軸モータ駆動部44、Y軸モータ駆動部45、Z軸モータ駆動部46、及びハンド駆動部47を制御して機構部49Rの各部を適宜動作させる。また、CPU40は、入出力処理ユニット43を介して、スピーカ29からの音声出力、表示装置27L,27Rにおける表示を制御する。
RAM41は、制御プログラムやゲームプログラム等の各種プログラムの他、CPU40により実行される処理に伴うゲームを制御するための各種データを一時的に記憶する。RAM41に記録されるデータには、例えばプレイ可能回数を示すクレジットデータ、クレーンアーム18L,18Rの位置(X位置、Y位置)を示す位置データ等が含まれる。
記憶装置42は、ROMやハードディスク等の不揮発性の記憶媒体にプログラムやデータを記憶する。
入出力処理ユニット43は、制御PCB38の外部に設けられた各種入出力デバイスとのインタフェースである。
X軸モータ駆動部44は、機構部49Rに設けられたX軸モータ50の駆動を制御する。Y軸モータ駆動部45は、機構部49Rに設けられたY軸モータ51の駆動を制御する。Z軸モータ駆動部46は、機構部49Rに設けられたZ軸モータ52の駆動を制御する。ハンド駆動部47は、クレーンアーム18L,18Rに設けられたハンドを開閉させるためのハンド用モータ53の駆動を制御する。
付加ユニット駆動部48は、CPU40の制御のもとで、クレーンゲーム装置10に設けられた特定の機能を実現するために設けられた付加ユニット57の駆動を制御する。特定の機能は、例えば、電子マネーを利用して入金された金額に応じて選択的に実行可能とする機能である。特定の機能は、1種類に限らず、複数種類が実装されていても良い。複数種類が実装される場合には、それぞれに機能に対応する付加ユニット57が設けられる。
機構部49Rは、図2に示すように、X軸モータ50、Y軸モータ51、Z軸モータ52、ハンド用モータ53、ロック爪用モータ54、景品検知センサ55、表示ユニット56、付加ユニット57が含まれる。
X軸モータ50は、X軸モータ駆動部44により駆動されるもので、クレーンアーム18RをX軸方向(横方向)に移動させる。Y軸モータ51は、Y軸モータ駆動部45により駆動されるもので、クレーンアーム18RをY軸方向(縦方向)に移動させる。Z軸モータ52は、Z軸モータ駆動部46により駆動されるもので、クレーンアーム18RをZ軸方向(上下方向)に移動させる。ハンド用モータ53は、ハンド駆動部47により駆動されるもので、クレーンアーム18Rのハンドを景品把持のために開閉させる。
景品検知センサ55は、クレーンアーム18Rの操作により景品落とし口17Rに落下された景品を検出する。
表示ユニット56は、クレーンアーム18Rのアームユニットに設けられており(図4(A)(B)参照)、例えば電子マネーを利用したゲーム料金の入金額に応じて変更される把持力をプレーヤに通知するために用いられる。表示ユニット56は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)、複数のLED(Light Emitting Diode)、7セグメント表示器などを用いることができる(図31、図32参照)。
付加ユニット57は、クレーンゲーム装置10に設けられた特定の機能を実現するためのユニットである。付加ユニット57は、1つに限らず、複数の機能のそれぞれに対応する複数のユニットが含まれていても良い。クレーンゲーム装置10に設けられた特定の機能については後述する(図34〜図40参照)。
コンパネ部23Rには、例えば、入金ユニット25R、コイン投入口26R、コイン投入センサ28R、横移動ボタン24Ra、縦移動ボタン24Rb、及び表示装置27Rが含まれる。また、コンパネ部23Rには、特定の目的用のボタン、例えばスタートボタンなどを実装することも可能である。
入金ユニット25Rは、電子マネーカードが近接されることにより、ゲーム料金とする金額を入金するためのユニットである。入金ユニット25Rは、例えばクレーンゲーム装置10とネットワーク(LANなど)を介して接続されたサーバ装置、あるいは制御PCB38(CPU40)の制御により、入金するゲーム料金を設定することができる。
コイン投入センサ28Rは、コイン投入口26Rから投入されたコインを検知して、入出力処理ユニット43に、コイン投入を示す検知信号を出力する。CPU40は、入出力処理ユニット43に入力された検知信号に応じて、プレイ可能回数を示すクレジットデータを記録する。
横移動ボタン24Raは、プレーヤによるクレーンアーム18Rを横方向(X軸方向)に移動させる指示を入力するためのものである。横移動ボタン24Raは、プレーヤにより押下されている場合、押下された状態にあることを示す信号を入出力処理ユニット43に出力する。CPU40は、入出力処理ユニット43を通じて横移動ボタン24Raが押下されていることを検知すると、X軸モータ駆動部44を介してX軸モータ50を駆動してクレーンアーム18Rを横方向(X軸方向)に移動させる。CPU40は、横移動ボタン24Raが押されていない場合には、X軸モータ50の駆動を停止させる。
縦移動ボタン24Rbは、プレーヤによるクレーンアーム18Rを縦方向(Y軸方向)に移動させる指示を入力するためのものである。縦移動ボタン24Rbは、プレーヤにより押下されている場合、押下された状態にあることを示す信号を入出力処理ユニット43に出力する。CPU40は、入出力処理ユニット43を通じて縦移動ボタン24Rbが押下されていることを検知すると、Y軸モータ駆動部45を介してY軸モータ51を駆動してクレーンアーム18Rを縦方向(Y軸方向)に移動させる。CPU40は、縦移動ボタン24Rbが押されていない場合には、Y軸モータ51の駆動を停止させる。また、CPU40は、Y軸モータ51の駆動を停止させた後、クレーンアーム18Rに対して景品取得シーケンスを開始させる。CPU40は、景品取得シーケンスとして、Z軸モータ駆動部46を介してクレーンアーム18Rの先端部(アームユニット)が景品に到達する位置まで下降させ、ハンド駆動部47を通じてハンドに景品を掴む動作をさせた後、クレーンアーム18Rを上昇させる。
表示装置27Rは、CPU40の制御のもとで各種の情報を表示する。表示装置27Rには、例えばクレジット数(プレイ可能回数)や動作モードの表示などが表示される。また、表示装置27Rは、クレーンゲーム装置10に設けられた特定の機能についてのプレーヤによる設定操作を受け付けるためのメニュー画面等を表示する。
なお、設定機器30は、管理者がクレーンゲーム装置10に対して各種設定をするために使用されるもので、例えば各種の設定操作を入力するための複数のボタン(選択ボタン、決定ボタン、上下左右ボタン等)、各種設定画面等を表示するためのディスプレイ等が実装されている。なお、コンパネ部23L,23Rに設けられたボタン24と表示装置27L,27Rを用いて設定操作するようにしても良い。
図3は、本実施形態における電子マネー用入金ユニット25(25L,25R)の外観構成を示す図である。
電子マネー用入金ユニット25には、例えばプレーヤが金額を指定するために操作される金額ボタン25a、電子マネーカード(ICカード)の種類を指定するために操作されるカード選択ボタン25b、操作メッセージや入金額や電子マネーの残金などを表示するためのディスプレイ25c、電子マネーカードと非接触により通信(近距離無線通信)するカードリーダライタ25dが設けられている。また、電子マネー用入金ユニット25には、電子マネーカードを保持するためのホルダ25eが設けられている。なお、ディスプレイ25cは、タッチスクリーンにして、ボタンを表示することで、プレーヤによるボタン操作を受け付けるようにしても良い。
ホルダ25eは、例えばプレーヤが電子マネーを利用してゲーム料金を繰り返して入金する場合に、電子マネーカードを保持させておくために使用される。ホルダ25eには、電子マネーカードを保持させている場合に、簡単に取り出されないようにするロック機構(図示せず)が設けられる。電子マネー用入金ユニット25は、制御PCB38(CPU40)からの指示に応じて、ホルダ25eに保持された電子マネーカードとカードリーダライタ25dとの間で通信する機能を設ける。
次に、本実施形態におけるクレーンアーム18L,18Rに設けられるアームユニットの構成について説明する。以下の説明では、クレーンアーム18Rのアームユニットを対象にして説明する。クレーンアーム18Lは、クレーンアーム18Rと同様の構成を有するものとして詳細な説明を省略する。
図4、図5、及び図6は、本実施形態におけるクレーンアーム18Rのアームユニットの外観構成を示す図である。図4(A)(B)及び図5は、例えば6本のハンドをゲームで使用するように設定した使用状態を示す図であり、図5(B)及び図6(A)(B)は、例えば待機状態を示す図である。図4(A)と図5(B)は、クレーンアーム18Rのアームユニットの斜視図、図4(B)と図6(A)は側面図、図5(A)と図6(B)は、平面図をそれぞれ示している。
図4〜図6に示すように、本実施形態におけるクレーンアーム18Rのアームユニットの中央最上部には、クレーン機構部との間に、ワイヤあるいは伸縮部材を取り付けるための取付部60が設けられ、アームユニットの中心軸を基準にして放射状に等間隔で6本のハンド64a,64b,64c,64d,64e,64fが配置されている。アームユニットは、ハンド64a〜64fを支持すると共に把持動作をさせるためのアームユニット機構がユニット筐体61内に収容されている。本実施形態におけるハンド64a〜64fは、待機状態では、アームユニット機構により、先端部が通常の使用時よりも上部の位置で保持(ロック)することができる。ユニット筐体61には、ハンド64a〜64fを上部で保持した際に、ハンド64a〜64fの一部を収納することができるようにした切り込み62が、ハンド64a〜64fのそれぞれに対応して設けられている。ハンド64a〜64fの一部がユニット筐体61から露出されるように収納することで、初めてクレーンゲーム装置10を利用するプレーヤであっても、ハンド64a〜64fが収納されていることを容易に認識することができる。
図5(B)及び図6(A)(B)では、ハンド64a〜64fが上部で保持される際に、先端部がアームユニットの底部よりも高い位置で保持されているが、例えば先端部がアームユニットの底部とほぼ同じ位置、あるいは先端部がアームユニットの底部と通常使用時(把持動作前)の位置の間で保持されるようにしても良い。例えば、ハンド64a〜64fの先端部がアームユニットの底部よりも高い位置となるように保持することで、景品把持動作時に使用しないハンドが景品に接触することがなく邪魔にならない。また、ハンド64a〜64fの先端部をアームユニットの底部とほぼ同じ位置で保持することで、アームユニットの底部と共に使用しないハンドによりフィールド上の景品を押しつけるなどの目的で使用することができる。また、ハンド64a〜64fの先端部の高さが、アームユニットの底部と通常使用時の位置の間となるように保持することで、使用しないハンドによりフィールド上の景品をかき混ぜるなどの目的に使用することができる。なお、以下の説明では、図5(B)及び図6(A)(B)に示す位置でハンド64a〜64fが保持されるものとする。
ユニット筐体61の一部(ハンド64bとハンド64cとの間)には、表示ユニット56が配置される。クレーンアーム18Rは、使用時には、図4(B)に示すように、表示ユニット56がプレーヤ側を向くように設置される。
図5(B)及び図6(A)(B)に示すように、アームユニットは、待機時には、ハンド64a〜64fがユニット筐体61に収容される。本実施形態のクレーンゲーム装置10では、電子マネーを利用したゲーム料金の入金に応じて、2本、4本、6本の何れかの本数の組を選択的に使用することができる。ハンド64a〜64fは、ゲーム開始(プレーヤによるボタン操作が開始される前)に、電子マネーによる入金に応じて、ゲーム実行時に使用するハンドを選択的に使用状態に設定する。これにより、プレーヤに対して、ゲーム実行時のアームユニットの状態を把握させることができる。本実施形態のクレーンゲーム装置10は、アームユニットの状態をプレーヤが確認した結果、さらに景品を確実に把持することができるようにハンドの追加を希望した場合に、さらに電子マネーから入金させることで、ゲームに使用するハンドを追加することができる。
図7は、本実施形態におけるクレーンアーム18Rのアームユニット機構を示す斜視図である。
アームユニットには、取付部60の下部にロック爪用モータ70が配置される。ロック爪用モータ70は、回転軸がアームユニットの中心軸に対して垂直となるように配置される。ロック爪用モータ70は、ステッピングモータであり、ハンド64a〜64fを使用しない時に、ハンド64a〜64fを通常使用時よりも上部で保持(ロック)するためのロック爪73a,73b,73c,73d,73e,73fを動作させるための動力を供給する。ロック爪73a〜73fの先端部には、ハンド64a〜64fの構造の一部に掛かるようにした爪部が設けられている。ロック爪73a〜73fは、ハンド64a〜64fに圧接されることで、ハンド64a〜64fの自重により爪部に構造の一部が掛かることでハンド64a〜64fをロック(保持)することができる。ロック爪用モータ70の回転軸には、動力伝達部材71が取り付けられている。動力伝達部材71は、ロック爪用モータ70の回転に伴って、アームユニットの中心軸で水平に回転するカムプレート72に動力を伝達する。ロック爪用モータは、通常のモータでもよい。
カムプレート72は、ロック爪用モータ70の動力が伝達されることで回転し、ロック爪73a〜73fがハンド64a〜64fを保持(ロック)あるいは解放するように動作させる。カムプレート72の外周辺部には、6本のロック爪73a〜73fのそれぞれに対応するカムが6箇所に形成されている。ロック爪73a〜73fは、一方の端部がカムプレート72のそれぞれに対応するカムに係合されており、カムプレート72の回転に伴って端部位置が水平方向に移動される。ロック爪73a〜73fは、端部近傍に設けられた回転軸により回動可能に形成されており、端部が移動されることで、この回転軸により他方の端部が移動される。他方の端部は、ハンド64a〜64fを保持(係止)する形状に形成されているため、移動されることでハンド64a〜64fを保持(ロック)あるいは解放するように機能する。カムプレート72を用いたロック爪73a〜73fの制御の詳細については後述する(図13、図14)。
カムプレート72の下部には、ハンド開閉用モータ75が配置される。ハンド開閉用モータ75は、回転軸がアームユニットの中心軸と一致するように配置される。ハンド開閉用モータ75の回転軸には、回転軸の回転と共に回転するピニオンギア76が取り付けられている。ピニオンギア76は、ムーブギア77が係合されており、回転によりムーブギア77を上下方向に移動させる。ムーブギア77には水平にスプリングプレート74が載置されている。スプリングプレート74は、ハンド64a〜64fの把持力を調整するための把持力調整スプリング79a,79b,79c,79d,79e,79fを取り付けるためのものである。把持力調整スプリング79a〜79fは、ハンド64a〜64fのそれぞれに対応して設けられ、一方の端部がスプリングプレート74に取り付けられ、他方の端部がハンド64a〜64fを保持するハンド保持部78a,78b,78c,78d,78e,78fにそれぞれ取り付けられる。ハンド保持部78a〜78fは、アームユニットを支える構造体と回転軸を介して上下方向に回動可能となるように取り付けられている。スプリングプレート74は、ムーブギア77に載置されているため、ムーブギア77が上方向に移動されることにより、ムーブギア77と共に上方向に移動する。このため、把持力調整スプリング79a〜79fは、ムーブギア77とハンド保持部78a〜78fとの間に取り付けられているため、ハンド保持部78a〜78fを回動させるように付勢する。すなわち、ハンド保持部78a〜78fに取り付けられたハンド64a〜64fによる把持力を付加することができる。ハンド64a〜64fの把持力は、ムーブギア77(スプリングプレート74)を上方向に移動させる量(高さ)を変えることにより調整することができる。
図8及び図9は、図7に示すアームユニット機構によりハンド64a〜64fの状態が変更される例を示す図である。
図8(A)は、クレーンアーム18Rの待機状態を示す図である。図8(A)に示すように、全てのハンド64a〜64fは、先端部が上部に移動され、それぞれロック爪73a〜73fにより保持されている。図8(B)は、2本のハンド64a,64dに対応するロック爪73a,73dが外され(ロック解除)、ハンド64a,64dが使用状態に設定された状態を示す図である。図8(B)に示すように、景品を保持することができるように、アームユニット中心軸を挟んで相対する2本のハンド64a,64dが使用状態に設定されている。
図9(A)は、さらに2本のハンド64c,64fに対応するロック爪73c,73fが外され(ロック解除)、ハンド64c,64fが使用状態に設定された状態を示す図である。図9(A)では、4本のハンド64a,64c,64d,64fを用いて景品を把持することができるので景品取得を容易にすることができる。
図9(B)は、さらに2本のハンド64b,64eに対応するロック爪73b,73eが外され(ロック解除)、ハンド64b,64eが使用状態に設定された状態を示す図である。図9(B)では、6本全てのハンド64a〜64fを用いて景品を把持することができるのでさらに景品取得を容易にすることができる。
なお、前述した説明では、本実施形態におけるクレーンアーム18Rでは、6本のハンド64a〜64fを、2本、4本、6本の何れかの本数の組を選択的に使用可能となるように設定しているが、任意の本数を選択的に実行可能にしても良い。
次に、本実施形態のアームユニット機構によるハンド64a〜64fの制御について説明する。図10及び図11は、2本のハンド64a,64dを対象にした各状態を示す側面図である。
図10(A)は、ハンド64a,64dの待機状態を示す図である。ハンド64a,64dを保持するハンド保持部78a,78dは、回転軸78a1,78d1により上方向に回動することにより、ハンド64a,64dを上部に移動させることができる。待機状態では、ムーブギア77は、ピニオンギア76の下部に位置している。従って、スプリングプレート74と、ハンド保持部78a,78dに設けられたバネ取付部材78a2,78d2との間に取り付けられた把持力調整スプリング79a,79dは、縮んだ状態(初期状態)にあり、ハンド保持部78a,78d(ハンド64a,64d)に対して把持力を付加するように作用しない。
図10(B)は、ハンド64a,64dが使用状態に設定された状態を示している。ハンド64a,64dが使用状態とされる場合、ハンド64a,64dを保持していたロック爪73a,73dが外される。これにより、ハンド64a,64dは、自重によって下方向に回動する。ハンド64a,64dが下方向に回動すると、ハンド保持部78a,78dのハンド64a,64dが装着されていない側の端部に形成された曲面部(図10(B)の状態における上部)が、ムーブギア77の底面に形成された斜面部に圧接する。これにより、図10(B)(図8(B))に示すように、ハンド64a,64dの先端が下向きとなる位置で維持される。
図12は、本実施形態におけるハンド64a,64dが使用状態に設定された時のスプリングプレート74、ピニオンギア76、ムーブギア77、ハンド保持部78a,78dの関係を示す図である。図12では、スプリングプレート74、ピニオンギア76、ムーブギア77を断面図により示している。図12に示すように、ピニオンギア76とムーブギア77とは係合されており、ムーブギア77の上にスプリングプレート74が載置されている。スプリングプレート74は、ピニオンギア76と係合されていない。ムーブギア77の底面には斜面部77btが形成されており、ハンド保持部78a,78dの曲面部が圧接される。
図10(C)は、ハンド64a,64dの把持動作時の状態を示している。ハンド64a,64dに把持動作(閉じる動作)をさせる場合、ハンド開閉用モータ75がムーブギア77を上方に移動させるように駆動される。すなわち、ハンド開閉用モータ75が駆動されるとピニオンギア76が回転し、ピニオンギア76と係合されたムーブギア77が上方向に移動される。従って、ムーブギア77に載置されたスプリングプレート74も上方向に移動して、把持力調整スプリング79a,79dを引き伸ばす。図10(B)に示すように、把持力調整スプリング79a,79dを取り付けるバネ取付部材78d2,78d2は、回転軸78a1,78d1よりもアームユニット機構の中心軸に近い位置に設けられている。このため、把持力調整スプリング79a,79dは、引き伸ばされることにより、ハンド64a,64dに対して把持力を付加する。
把持力調整スプリング79a,79dにより付加される把持力は、把持力調整スプリング79a,79dの引き伸ばし量が大きくなるほど強くすることができる。
図11(A)は、図10(C)よりもムーブギア77を上方向に移動させた状態を示している。図11(A)に示すように、ムーブギア77を上方向に移動させることにより、スプリングプレート74が上方向に移動され、把持力調整スプリング79a,79dがさらに引き伸ばされる。このため、把持力調整スプリング79a,79dにより付加されるハンド64a,64dの把持力がさらに強くなる。
ハンド64a,64dに把持動作をさせた後、クレーンアーム18Rが景品落とし口17Rに移動されると、ハンド64a,64dに解放動作(開く動作)をさせる。この場合、ハンド開閉用モータ75がムーブギア77を下方向に移動させるように駆動される。すなわち、ハンド開閉用モータ75が駆動されるとピニオンギア76が回転し、ピニオンギア76と係合されたムーブギア77が下方向に移動される。従って、ムーブギア77に載置されたスプリングプレート74も下方向に移動する。このため、把持力調整スプリング79a,79dが縮んで、図11(C)に示すように、ハンド保持部78a,78dの上部がムーブギア77の底部に圧接し、図10(B)に示す使用状態に設定された時と同じ状態となる。
ハンド64a,64dを待機状態にする場合には、図11(C)に示す状態において、さらにムーブギア77を下方向に移動させる。図12に示すように、ムーブギア77の底部の斜面部77btにハンド保持部78a,78dの曲面状となっている部分が圧接されているため、さらにムーブギア77が下方向に移動されることで、斜面部77btにおいてハンド保持部78a,78dの曲面部が回転するようにして、ハンド保持部78a,78dの端部が押し下げられる。これにより、図11(B)に示すように、ハンド64a,64dの先端部が上に移動する。スプリングプレート74は、ムーブギア77が図11(C)に示す状態よりも下方向に移動されることにより、最短の状態にある把持力調整スプリング79a,79dにより支えられてムーブギア77から離れる。この状態において、ロック爪73a,73dがハンド64a,64dを保持するように移動される。
なお、前述した説明では、ハンド64a,64dを対象にして説明しているが、前述と同じ制御により、ロック爪73a〜73fによる保持が外された各ハンドについて、ハンド64a,64dと同じように動作させることができる。
次に、本実施形態のアームユニット機構によるハンド64a〜64fを保持するロック機構の制御について説明する。図13及び図14は、本実施形態におけるカムプレート72とハンド64a〜64fにそれぞれ対応するロック爪73a〜73fを示す平面図である。
図13及び図14に示すように、カムプレート72の外周辺部には、6本のロック爪73a〜73fのそれぞれに対応するカム72a,72b,72c,72d,72e,72fが6箇所に形成されている。ロック爪73a〜73fには、回転軸73a1,73b1,73c1,73d1,73e1,73f1が設けられており、回転軸73a1〜73f1により水平方向に回動可能となっている。また、ロック爪73a〜73fは、一方の端部近傍に突起部73a2,73b2,73c2,73d2,73e2,73f2が設けられており、カムプレート72のそれぞれに対応するカム72a〜72fと係合されている。このため、カムプレート72の回転に伴って突起部73a2〜73f2の位置が移動されると、ロック爪73a〜73fの他方の端部が、突起部73a2〜73f2の移動方向と反対方向に移動する。
図13及び図14に示すように、カム72a〜72fの幅は、相対する位置に設けられたカム72a,72d、カム72b,72e、カム72c,72fの組で同じとなっており、カム72a,72d、カム72b,72e、カム72c,72fの組の順番で段階的に幅が広くなっている。
図13(A)は、全てのロック爪73a〜73fによりハンド64a〜64fをロックしている状態を示している。ここで、カムプレート72を回転させると、はじめに、幅の最も狭いカム72a,72dと係止された突起部73a2,73d2が移動される。従って、図13(B)に示すように、突起部73a2,73d2が設けられたロック爪73a,73dが移動され、ハンド64a,64dのロックを解除(解放)する。2本のハンド64a,64dを実行可能な状態にする場合には、ロック爪73a,73d(突起部73a2,73d2)のみを移動させるようにカムプレート72の回転量を制御する。
同様にして、さらにカムプレート72の回転量を大きくすると、カム72a,72dの次に幅が広いカム72b,72eが移動される。従って、図14(A)に示すように、突起部73b2,73e2が設けられたロック爪73b,73eが移動され、ハンド64b,64eのロックを解除(解放)する。これにより、4本のハンド64a,64b,64d,64eを実行可能な状態にすることができる。
さらにカムプレート72の回転量を大きくすると、最も幅が広いカム72c,72fが移動される。従って、図14(B)に示すように、突起部73c2,73f2が設けられたロック爪73c,73fが移動され、ハンド64c,64fのロックを解除(解放)する。これにより、6本全てのハンド64a〜64fを実行可能な状態にすることができる。
なお、前述した説明では、カムプレート72のカム72a,72d、カム72b,72e、カム72c,72fの組の順番で段階的に幅を広くしているが(幅狭→幅広)、幅の並びを変更しても良い。これにより、カムプレート72の回転量が大きくなるに従って、ハンド64a,64d、ハンド64b,64e、ハンド64c,64fの順番に限らず、異なる順番で実行可能な状態にすることが可能である。
このようにして、本実施形態におけるクレーンアーム18Rのアームユニット機構では、複数のハンド64a〜64fを選択的に使用可能な状態にすることができる。また、ムーブギア77の上下方向の位置を調整することにより、ハンド64a〜64fによる把持力を調整することができる。
次に、実行可能な状態にされたハンド64a〜64fを安定化するためのハンド安定化機構について説明する。
前述したように、ロック爪73a〜73fによるロックを解放することにより、ハンド64a〜64fは、自重によって下方向に回動し、ハンド保持部78a〜78fの上部がムーブギア77の底部に圧接することで使用可能な状態に維持される(ハンド保持部78a〜78fがほぼ水平方向に向いた状態)。この状態では、ハンド64a〜64fは、例えば景品取得シーケンスによりアームユニットが下方向に移動され、景品フィールドに載置された景品に接するとハンドが上方向に移動してしまう。このため、相対する2本のハンドの状態が異なることになり、安定した把持動作をすることができなくなるおそれがある。
図15、図16及び図17は、ハンド64a〜64fが景品などにより下方向から圧力を加えられた場合でも状態を維持して、ハンドのバランスを安定化させるためのアームユニットの一例を示す図である。図15〜図17に示すように、アームユニットは、上部構造体ST1、下部構造体ST2、上部構造体ST1と下部構造体ST2との間を支える複数の柱構造体ST3(図15〜図17では1本のみ示す)により支えられており、ハンドによる安定した把持動作をするためのハンド安定化機構を示している。ここでは、ハンド64aのみを対象にして説明する。図15は、本実施形態におけるアームユニット機構のハンド保持部78a周辺の構成を示す斜視図、図16は、同じく側面図である。
ハンド安定化機構を実装する場合、ハンド64aを保持するハンド保持部78aの端部には、突起部78a3,78a4が設けられる。突起部78a3,78a4は、ハンド保持部78aからハンド64aを保持する方向と逆方向に、異なる方向に伸びるように設けられている。また、突起部78a3,78a4は、ハンド保持部78aを取り付ける軸方向(回転軸78a1の方向)にずらして、軸方向(軸に対して左右方向)で重複しない位置に設けられる。一方、ピニオンギア76の下端部には、ストッパーカム80が設けられる。ストッパーカム80は、アームユニットを支える下部構造体ST2との間に設けられたバネ81によりピニオンギア76に下端部に圧接され、ピニオンギア76の回転と共に所定の範囲内で水平方向に回転する。
ストッパーカム80には、ハンド保持部78a〜78f(ハンド64a〜64f)のそれぞれに対応する6本のアームが回転軸から伸び、それぞれのアームの先端部において上向きで突起部が設けられている。ストッパーカム80の突起部の高さは、ハンド保持部78a(ハンド64a)を使用状態にした時に、ハンド保持部78aの端部に設けられた突起部78a3の下面とほぼ一致するように設けられる。
ストッパーカム80の1つのアーム下には、垂直方向に伸びるストッパーピン82が取り付けられている。ストッパーピン82の下端は、アームユニットの下部構造体ST2(ベース板金)に設けられた穴83に貫通している。穴83は、ストッパーカム80が回転する所定の範囲を規定するもので、ハンド保持部78aの突起部78a3の下面と相対するようにストッパーカム80の突起部がある位置と、相対しない位置の範囲で、ストッパーカム80(ストッパーピン82)を移動可能にする大きさで形成される。
図17(A)に示すように、ムーブギア77を上方向に移動させるためにピニオンギア76を矢印S1の方向に回転させると(ハンド64aを閉じる方向)、ピニオンギア76の回転に伴ってストッパーカム80が回転し、ストッパーピン82が矢印S2の方向に移動する。ストッパーカム80は、ストッパーピン82が穴83に端に当たることで回転を停止する(ピニオンギア76は回転を続ける)。これにより、図17(A)に示すように、ストッパーカム80の突起部は、ハンド保持部78aの突起部78a3の下面に相対する位置に移動される。従って、ハンド保持部78a(ハンド64a)が下方向から圧力を加えられても、突起部78a3がストッパーカム80の突起に掛かるため、それ以上、ハンド保持部78a(ハンド64a)が上方向に回動されることはない。
一方、図17(B)に示すように、ムーブギア77を下方向に移動させるためにピニオンギア76を矢印S3の方向に回転させると(ハンド64aを開く→収納する方向)、ピニオンギア76の回転に伴ってストッパーカム80が回転し、ストッパーピン82が矢印S4の方向に移動する。ストッパーカム80は、ストッパーピン82が穴83の反対側の端に当たることで回転を停止する(ピニオンギア76は回転を続ける)。これにより、図17(B)に示すように、ストッパーカム80の突起部は、ハンド保持部78aの突起部78a3から外れる位置に移動される。これにより、ハンド保持部78a(ハンド64a)を回動可能な状態にすることができる。
こうして、ハンド安定化機構を設けることで、ハンド64aが使用状態にされた場合には、ハンド64aが下方向から圧力を加えられた場合でも状態を維持することができるので、相対する2本のハンドの状態が異なることがなく、安定した把持動作をすることが可能となる。
次に、アームユニットの変形例について説明する。
図18〜図24は、本実施形態におけるアームユニットの第1変形例を示す図である。前述した説明では、ロック爪用モータ70及びハンド開閉用モータ75を上部構造体ST1の上部に配置しているが、第1変形例では、ロック制御用モータ70b及びハンド開閉用モータ75aを上部構造体ST1の下部に実装することで、アームユニットの高さ方向のサイズを小さくする。なお、図18〜図24では、第1変形例における特徴的な構造のみについて説明し、他の構造については前述したアームユニットと同じものとして詳細な説明を省略する。また、第1変形例の場合、図2に示すロック爪用モータ54に代えて、ロック制御用モータ70bが設けられる。
図18及び図19は、第1変形例における上部構造体ST1の上部に設けられる構造を示す図である。図18に示すように(図21、図22、図23参照)、上部構造体ST1の下部にハンド開閉用モータ75aが設けられている。ハンド開閉用モータ75aの回転軸には、上部構造体ST1の上部においてピニオンギア84A(あるいはプーリ)を取り付ける。ピニオンギア84Aは、例えば水平ギア84Bが係合され、さらに水平ギア84Bがピニオンギア76の回転軸と上部構造体ST1の上部に設けられたピニオンギア84Cと係合される。従って、ハンド開閉用モータ75aの回転動力は、ピニオンギア84A、水平ギア84B、及びピニオンギア84Cを介して、ピニオンギア76に伝達される。なお、ピニオンギア76の回転軸とハンド開閉用モータ75aの回転軸にそれぞれプーリを取り付けて、プーリ間にベルトを掛けることで、回転動力を伝達する構成とすることもできる。
図7、図13、図14に示すアームユニットの構成では、ハンド64a〜64fを使用しない(待機状態)時に、ロック爪73a〜73fによりハンド64a〜64fをロックしているが、第1変形例では、図19、図21、図22に示すように、ロック爪73a〜73fに代わり、ハンド64a〜64fのそれぞれに対応する圧接部材73a3,73b3,73c3,73d3,73e3,73f3が設けられている。圧接部材73a3〜73f3は、ハンド64a〜64fに対して圧接させることで、待機状態のハンド64a〜64fをロック(保持)するために使用される部材であり、後述するリンクプレート73ad,73be,73cfにより水平方向に所定範囲内で移動可能となっている。圧接部材73a3〜73f3のハンド64a〜64fと圧接される面には、ゴムなどの軟質材が装着されている。このため、圧接部材73a3〜73f3をハンド64a〜64fに圧接させた場合に、圧接部材73a3〜73f3とハンド64a〜64fとの圧接状態が安定し、アームユニットに振動が与えられたとしてもハンド64a〜64fを振動させることなく保持することができる。
圧接部材73a3,73d3は、リンクプレート73adの両端にそれぞれ設けられる。圧接部材73b3,73e3は、リンクプレート73beの両端にそれぞれ設けられる。また、圧接部材73c3,73f3は、リンクプレート73cfにそれぞれ設けられる。図21及び図22に示すように、リンクプレート73ad,73be,73cfは、それぞれの中央部において、ピニオンギア76の回転軸と同位置の軸によって重ね合わせて、所定範囲内で軸回転可能となるように取り付けられている。図21及び図22では、下からリンクプレート73ad、リンクプレート73be、リンクプレート73cfの順番で重ね合わされている。最下に配置されたリンクプレート73adには、図19及び図22に示すように、ねじりバネ(トーションバネ)81aが取り付けられている。ねじりバネ81aは、リンクプレート73adに対して、両端に設けられた圧接部材73a3,73d3をハンド64a,64dに圧接させる方向に回動するように付勢している。また、リンクプレート73beとリンクプレート73cfは、リンクプレート73adを介して、ねじりバネ81aによる付勢力が伝達される。従って、リンクプレート73beとリンクプレート73cfは、同様にして、それぞれ圧接部材73b3,73e3,73c3,73f3をハンド64b,64e,64c,64fに圧接させる方向に回動するように付勢される。
なお、リンクプレート73beとリンクプレート73cfは、ねじりバネ81aとは別に設けられたバネによって付勢される構成でも良い。最上のリンクプレート73cfに対しては、リンクプレート73adと同様にねじりバネを用いて付勢することで、それぞれにバネを設けてもユニットの大型化を招かない。また、ねじりバネ81aではなく、引っ張りバネなどの他の部材によって付勢される構成であっても良い。
図21及び図22に示すように、ロック制御用モータ70bの回転軸には、ロック制御用モータ70bの駆動に伴って水平方向に回動する伝達部材71aが取り付けられ、伝達部材71aには、軸を介して伝達部材71bの一方の端部が取り付けられている。また、伝達部材71aには、遮光部材(センサーブレード)71cが取り付けられている。従って、ロック制御用モータ70bが駆動されると伝達部材71aが回動して、伝達部材71aに取り付けられた伝達部材71bの一端部の位置が移動されることで、伝達部材71bの他端部の位置が移動され、また遮光部材71cが水平方向に移動される。伝達部材71bの他端部は、垂直方向に伸びる突起部71b1が設けられている。リンクプレート73adには、例えば圧接部材73d3が取り付けられた位置の近傍に、突起部71b1を貫通させる穴が形成されている。伝達部材71bは、リンクプレート73adの下方に挿入され、突起部71b1がリンクプレート73adの下部からこの穴を通じて貫通される。
ロック制御用モータ70bの駆動に伴って伝達部材71bの他端部の位置が所定量分移動されると、バネによる付勢に反してリンクプレート73adの圧接部材73d3が設けられた側が突起部71b1によって押される。このため、圧接部材73d3と、リンクプレート73adの反対側の端部に設けられた圧接部材73a3とを、それぞれハンド64a,64dから離れる方向に移動させる。すなわち、圧接部材73a3,73d3によるハンド64a,64dの保持(ロック)を解放することができる。
さらに、ロック制御用モータ70bの駆動に伴って伝達部材71bの他端部の位置が所定量分移動されると、次に、バネによる付勢に反してリンクプレート73beの圧接部材73e3が設けられた側が突起部71b1によって押される。このため、圧接部材73e3と、リンクプレート73beの反対側の端部に設けられた圧接部材73b3とを、それぞれハンド64b,64eから離れる方向に移動させる。すなわち、圧接部材73b3,73e3によるハンド64b,64eの保持(ロック)を解放することができる。
さらに、ロック制御用モータ70bの駆動に伴って伝達部材71bの他端部の位置が所定量分移動されると、次に、バネによる付勢に反してリンクプレート73cfの圧接部材73f3が設けられた側が突起部71b1によって押される。このため、圧接部材73f3と、リンクプレート73cfの反対側の端部に設けられた圧接部材73c3とを、それぞれハンド64c,64fから離れる方向に移動させる。すなわち、圧接部材73c3,73f3によるハンド64c,64fの保持(ロック)を解放することができる。
第1変形例のアームユニットを設ける場合、伝達部材71bの他端部の位置を所定量分ずつ移動するようにロック制御用モータ70bを制御するため、図2に示す機構部49R(49L)に、ハンド64a〜64fのロック制御用に用いる複数のセンサを設ける。第1変形例の構成では、図18〜図22に示すように、例えば4つのフォトインタラプタS1,S2,S3,S4を設ける。フォトインタラプタS1〜S4は、発光素子と受光素子を対向させて配置し、発光素子から受光素子に対して光(例えば赤外光)を出力しており、発光素子と受光素子との間の遮光物の有無を検出することができる(ここで、遮蔽状態をオフとする)。伝達部材71aに取り付けられた遮光部材71cは、ロック制御用モータ70bの駆動により伝達部材71aが回動されることで、フォトインタラプタS1〜S4の発光素子と受光素子との間を水平方向に移動される。CPU40は、入出力処理ユニット43を介して、フォトインタラプタS1〜S4からの信号(オン/オフ)を入力して、この信号をもとに遮光部材71cの位置(回転量)を判別してロック制御用モータ70bの駆動を制御する。
図20(A)は、例えば全てのハンド64a〜64fを保持する状態の遮光部材71cの位置を示す図である。すなわち、全てのフォトインタラプタS1〜S4からの信号がオフを示す状態である。ここで、2本のハンド64a,64dのロックを解除して使用可能な状態にする場合、CPU40は、フォトインタラプタS1,S2からの信号のみがオンを示す状態となるまでロック制御用モータ70bを駆動させる。すなわち、図20(B)に示すように、遮光部材71cをフォトインタラプタS1,S2から外れる位置まで移動させる。これにより、伝達部材71bがリンクプレート73adのみを押す位置まで移動され、ハンド64a,64dのロックが解除される。
さらに、2本のハンド64b,64eのロックを解除して使用可能な状態にする場合(合計4本)、CPU40は、フォトインタラプタS1〜S3からの信号のみがオンを示す状態となるまでロック制御用モータ70bを駆動させる。これにより、伝達部材71bがさらにリンクプレート73beを押す位置まで移動され、ハンド64b,64eのロックが解除される。
同様にして、さらに2本のハンド64c,64fのロックを解除して使用可能な状態にする場合(合計6本)、CPU40は、フォトインタラプタS1〜S4からの信号がオンを示す状態となるまでロック制御用モータ70bを駆動させる。すなわち、遮光部材71cをフォトインタラプタS1〜S4から外れる位置まで移動させる。これにより、伝達部材71bがさらにリンクプレート73cfを押す位置まで移動され、ハンド64c,64fのロックが解除される。
こうして、ロック制御用モータ70bの軸に取り付けられた伝達部材71aを介して、遮光部材71cと伝達部材71bを移動させることで、フォトインタラプタS1〜S4により遮光部材71cが外れたことが検出される(オフされる)位置と、伝達部材71bによりリンクプレート73ad,73be,73cfを押してロックを解除する位置とを一致させることで、フォトインタラプタS1〜S4からの信号をもとに、必要なハンドのみを実行可能な状態にするようにロック制御用モータ70bを制御することができる。
なお、リンクプレート73ad、リンクプレート73be、リンクプレート73cfの伝達部材71bの突起部71b1によって押される部分の形状(広狭)を変えて、突起部71b1によって押される順番を変えることで、ハンド64a,64d、ハンド64b,64e、ハンド64c,64fを異なる順番で実行可能な状態にすることが可能である。例えば、リンクプレート73beよりもリンクプレート73cfの方が先に突起部71b1によって押される形状とすることで、ハンド64b,64eよりも先にハンド64c,64fを実行可能な状態にすることができる。
図23は、第1変形例のアームユニットの側面図ある。なお、図15〜図17に示す上部構造体ST1の下部の構成は、第1変形例の構成と同じであるので、同一部分について同一符号を付して説明を省略する。図23において、スプリングプレート74aは、上部構造体ST1の下部に垂直方向に設けられた2本の支柱部材74bにより保持され、支柱部材74bの長さ方向(上下方向)に移動可能にされている。支柱部材74bの長さは、ハンド64a,64dに対する把持力の調整に応じて決められる。スプリングプレート74aの位置に応じた把持力の調整は、前述したスプリングプレート74を用いた場合と同じである。
ムーブギア77は、前述したように、ピニオンギア76と係合されていると共に、ムーブギア77に設けられた貫通穴を通じて、上部構造体ST1の下部に垂直方向に設けられた2本の支柱部材77bが貫通されている。これにより、ムーブギア77を上下方向に移動させる際に、ピニオンギア76の回転に伴ってムーブギア77が回転されず、ムーブギア77の側面の向きを同じ状態にすることができる。ムーブギア77の側面には、ハンド保持部78a〜78f(ハンド64a〜64f)のそれぞれと対向する面に、ハンド保持部78a〜78fを回動させるために作用する回動部材が設けられる。図23では、ハンド保持部78a,78dにそれぞれ対応する回動部材77a,77dが設けられている。
図24には、本実施形態における回動部材77aの一例を示す斜視図である。なお、ハンド保持部78b〜78fに対応する回動部材も同様に構成されているものとする。
回動部材77aは、ハンド64aを待機状態にするためにハンド保持部78aを上方向に回動させた際にハンド保持部78aに接触して回動範囲を規定するための突起部77a1がハンド保持部78aと対向する向き(ここでは水平方向)に設けられている。
また、回動部材77aの下部77a2,77a3は、ハンド保持部78aを回動される軸方向(左右方向)で高さが異なっている。すなわち、回動部材77aの突起部78a3と対向する範囲の下部77a3が高く、回動部材77aの突起部78a4と対向する範囲の下部77a2が低くなっている。従って、図23(A)及び図24に示すように、ハンド64aを使用可能な状態としている場合には、突起部78a3は、回動部材77aの高い範囲の下部77a3の下方に位置する。このため、ハンド64aを待機状態の位置に回動させるために、ハンド開閉用モータ75aを駆動することでムーブギア77が下方に移動されると、回動部材77aの突起部78a3と対向する範囲において突起部78a3が押し下げられる。従って、梃子の作用により回転軸78a1によりハンド保持部78aが上方向に回動される。さらに、ムーブギア77が下方に移動されると、突起部78a4が、回動部材77aの突起部78a4と対向する低い範囲の下部77a2の下方に位置する。従って、次に回動部材77aの突起部78a4と対向する範囲において突起部78a4が押し下げられる。従って、さらに梃子の作用により回転軸78a1によりハンド保持部78aが上方向に回動される。
こうして、ハンド保持部78aの端部に突起部78a3,78a4を設け、回動部材77aにより突起部78a3,78a4の端部を押し下げることで梃子の作用を利用して効率的にハンド保持部78a(ハンド64a)を回動させることができる。また、複数の突起部78a3,78a4を設けて段階的に押し下げるので、回動開始時点から回動終了近くまでの間、継続して効率的にハンド保持部78aを回動させることができる。このため、ムーブギア77を下方向に移動させるためのハンド開閉用モータ75aの負荷を軽減することが可能となる。
なお、図23では、ハンド64a,64dに対応する機構のみを示しているが、前述と同様にして、その他のハンド64b,64c,64e,64fに対応する構成についても同様に構成されるものとする。
図25及び図26は、本実施形態におけるアームユニットの第2変形例を示す図である。前述した説明では、6本のハンド64a〜64fを放射状に配置しているが、第2変形例では、2本のハンドの組、すなわちハンド64a,64d、ハンド64b,64c、ハンド64e,64fを並行に配置している。第2変形例のアームユニットは、基本的に図7に示すアームユニットと同様の構造によりハンド64a〜64fの動きを制御するもので、図7に示すアームユニットと共通する部分については、同一の符号を付して説明を省略する。また、把持力調整スプリング79a〜79fなどの図示を省略している。
第2変形例では、図26(B)に示すように、ハンド開閉用モータ75aによる回転動力を、ベルト84を介してアームユニットの中央に配置されたピニオンギア76aに伝達する。ピニオンギア76aは、上端部にはプーリ(図示せず)が設けられており、ハンド開閉用モータ75aの回転軸との間でベルト84が掛け渡されている。ピニオンギア76aは、ハンド開閉用モータ75aの動力が伝達されることにより回転し、係合されたムーブギア77aを上下方向に移動させる。
第2変形例のアームユニットでは、ハンド64a〜64fが並行に配置されているため、2本のハンドの組(3組)にそれぞれ対応するロック爪部材73T1,73T2,73T3が積層状に設けられている。ロック爪部材73T1,73T2,73T3は、一方の端部がロック爪用モータ70aに設けられた突起部72bと係止するように形成されている。また、ロック爪部材73T1の他方の端部は、ハンド64a,64dを係止(ロック)する形状となっている。同様にして、ロック爪部材73T2の他方の端部は、ハンド64e,64fを係止(ロック)する形状、ロック爪部材73T3の他方の端部は、ハンド64c,64bを係止(ロック)する形状となっている。
ロック爪用モータ70aに設けられた突起部70bは、ロック爪用モータ70aが回転することで、ロック爪部材73T1,73T2,73T3の順番でロックを外す方向に移動させる。よって、ロック爪用モータ70aの回転量を調整することで、2本のハンドの組毎に使用可能状態にすることができる。ハンド64a〜64fを待機状態にする場合には、ハンド64a〜64fを上方向に移動させた後に、ロック爪用モータ70aを逆方向に回転させることで、ロック爪部材73T1,73T2,73T3の全てを、ハンド64a〜64fをロックする方向に移動させることができる。
このように、第2変形例に示すように、2本のハンドの組を並行に配置した構成においても、複数のハンド64a〜64fを選択的に使用可能な状態にすることが可能である。
図27及び図28は、本実施形態におけるアームユニットの第3変形例を示す図である。第3変形例では、第2変形例と同様に、2本のハンドの組(ハンド64a,64d、ハンド64b,64c、ハンド64e,64f)を並行に配置しているが、2本のハンドの組ごとにハンドの動きを制御可能とする構成である。第3変形例のアームユニットは、基本的に図7に示すアームユニットと同様の構造によりハンド64a〜64fの動きを制御するもので、図7に示すアームユニットと共通する部分については、同一の符号を付して説明を省略する。また、ロック爪用モータ70、ハンド開閉用モータ75、把持力調整スプリング79a〜79f、ロック機構などの図示を省略している。
図27及び図28に示すように、ハンド64a,64d、ハンド64b,64c、ハンド64e,64fの組ごとに、それぞれ独立して移動が制御されるムーブギア77b,77c,77dが設けられている。
図7に示すアームユニット及び第2変形例のアームユニットでは、2本、4本、6本のハンドを段階的に使用可能にし、使用可能な状態にできるハンドの順番が予め決められているが、第3変形例のアームユニットでは、2本のハンドの組がそれぞれ独立して制御できるため、使用可能とするハンドの本数を動的に変更(追加、削除)することができ、また不特定の順番でハンドを使用可能な状態にすることができる。従って、例えばハンド64a〜64fをそれぞれ異なる形状にして、プレーヤが選択的に何れかの形状のハンドを実行可能な状態にすることができる。例えば、ハンド64a〜64fの形状の例としては、例えば、ハンド先端の幅が広いあるいは細い、ハンドの先端が柔らかい、ハンドの先端が粘着性のある材料により形成されている、布やぬいぐるみの表面に掛かりやすい鉤状の部材が取り付けられている、などがある。その他の形状であっても良い。プレーヤは、機能設定に必要な金額のゲーム料金を電子マネーにより支払い、景品フィールド16Rに載置された取得しようとする景品の形状や材質などに応じて何れかのハンドを選択して、ゲームを実行させることができる。なお、図7に示すアームユニット及び第2変形例のアームユニットにおいても、前述したような異なる形状のハンドを混在させて実装しても良い。
図29及び図30は、本実施形態におけるアームユニットの第4変形例を示す図である。第4変形例は、図7に示すアームユニット機構の全体を、ハンド64a〜64fを含めて収容可能なユニット筐体90,91を設けた例を示している。図29(A)(B)及び図30(A)は、ハンド64a〜64fを使用状態に設定した時の状態を示し、図30(B)は、ハンド64a〜64fを待機状態にした時の状態を示している。
図29(A)(B)及び図30(A)に示すように、ユニット筐体91はドーム型に形成され、ユニット筐体90は円柱形に形成されて、ユニット筐体91の中央下部に設けられている。ユニット筐体91の底面には、ハンド64a〜64fのそれぞれをユニット筐体91の内部に収容するための切り込み62a,62b,62c,62d,62e,62fが設けられている。ハンド64a〜64fは、それぞれに対応する切り込み62a〜62fを通って、図30(B)に示すように、ユニット筐体91の内部に収容される。
このように、第4変形例では、ハンド64a〜64fを完全に収容した状態とすることができるので、電子マネーによる入金に応じて、使用可能とするハンドのみを段階的にユニット筐体91から出して、プレーヤに提示するといった演出が可能となる。
次に、アームユニットにより変更されるハンド64a〜64fの把持力をプレーヤに通知するための形態について説明する。
前述したように、本実施形態におけるクレーンゲーム装置10は、例えば電子マネーを利用したゲーム料金の入金額に応じて、アームユニットによりハンド64a〜64fの把持力を変更することができる。クレーンゲーム装置10は、図31に示すように、表示ユニット56を利用して、変更された把持力をプレーヤに通知する。
図31(A)は、例えば複数のLEDにより構成されたインジケータを設けた表示ユニット56aの例を示す図である。表示ユニット56aは、把持力の最大値(MAX)と最小値(MIN)の間で、現在の把持力がどのレベルに設定されているかを表示する。
図31(B)は、7セグメント表示器を設けた表示ユニット56bの例を示す図である。表示ユニット56bは、例えば0〜99の範囲で、現在の把持力がどのレベルに設定されているかを数字によって表示する。
図31(C)は、LCDを設けた表示ユニット56cの例を示す図である。表示ユニット56cは、静止画像あるいは動画(アニメーション)などの画像、文字あるいは図形などをLCDに表示して、現在の把持力がどのレベルに設定されているかを表す。
また、クレーンゲーム装置10は、アームユニットに設けられた表示ユニット56を用いるだけでなく、他の形態により現在の把持力をプレーヤに通知することができる。例えば、図32に示すように、ハンド64a〜64fを保持するハンド保持部78a〜78fに点灯色が異なる複数のLED56d1,56d2を実装して、ハンド64a〜64fに向けて光を照射するように構成する。例えば、LED56d1は赤色、LED56d2は青色により点灯するものとする。ハンド64a〜64fは、透明の部材(合成樹脂等)により構成する。これにより、LED56d1,56d2から照射された光により、ハンド64a〜64fの全体の色を変化させることができる。
クレーンゲーム装置10は、LED56d1,56d2の点灯を制御することにより、例えば把持力が強くなるに従ってハンド64a〜64fの表示色を濃くしたり、あるいは青色から赤色に変化させたりすることができる。こうして、ハンド64a〜64fの表示色を把持力に応じて変化させることで、ハンド64a〜64fによる現在の把持力をプレーヤに通知することができる。
また、本実施形態におけるクレーンゲーム装置10は、表示ユニット56a〜56cあるいはハンド64a〜64f(表示色)を利用して把持力の変化をプレーヤに提示するだけでなく、把持力の変化を感覚的にプレーヤに認識させるための構造(ガジェット)を設けるようにしても良い。
図33は、本実施形態における把持力が強化されたことをプレーヤに認識させることが可能な構造の一例を示す図である。図33に示す構造は、図7に示すアームユニット機構に追加されるものであり、使用可能な状態あるいは把持動作中のハンド64a〜64fに対して、ハンド64a〜64fを押さえつけることを表す形状のアームの例を示している。図33では、例としてハンド64a,64dに対するアーム85a,85dのみを表しているが、全てのハンド64a,64dのそれぞれに対応するアームが設けられているものとする。アームは、例えば人の腕を表す形状となっており、押さえつけていることを感覚的に認識できるようにしている。
アーム85a,85dは、ハンド保持部78a,78dを回動させる回転軸78a1,78d1とは別に設けられた回転軸86a,86dにより回動可能となっており、ハンド64a,64dと同様にして、アーム用のロック爪により保持(ロック)可能となっている。アーム85a,85dは、使用しない時は、図33(A)に示すように、ユニット筐体61の内部に収納されてアーム用のロック爪によりロックされている。所定の条件に該当する状況となった場合(例えば電子マネーからの入金額に応じてハンド64a,64dの把持力が所定レベル以上に強くした場合)に、ロック爪が外されて、図33(B)に示すように、ハンド64a,64dの上に落下する。
なお、アーム用のロック爪は、ロック爪73a〜73fと同様にして、カムプレート72によって動作が制御される。この場合、カムプレート72には、アーム用のロック爪を係合するためのカムを設ける。このカムは、最も幅が広く形成されているものとする。すなわち、カムプレート72を回転させて6本の全てのハンド64a〜64fのロックを解除して使用可能な状態にした後、さらにカムプレート72を回転させることで、全てのアーム用のロック爪のロックを解除して、ハンド64a〜64fのそれぞれに対してアームを落下させることができる。
なお、アーム85a,85dの制御は、前述した方法に限られるものではない。例えば、ハンド64a〜64fとは別の機構を設けて、ハンド64a〜64fとは独立して制御されるものでも良い。また、アーム85a,85dは、ハンド64a,64dの上に乗せて把持力が強化されたことを表すだけでなく、把持力を付加する機構あるいはハンド64a〜64fの把持状態を固定するロック機構を設けて、実際に把持力をさらに強化するものであっても良い。
さらに、クレーンゲーム装置10は、把持力を調整するためのアームユニットの構造をプレーヤに見せることで、把持力の変化を通知するようにしても良い。この場合、アームユニットを収容するユニット筐体61は、少なくとも把持力調整スプリング79a〜79f、さらにはその周囲の構造が外部から視認できるように透明に構成する。
クレーンゲーム装置10は、例えば電子マネーからの入金に応じて把持力を変更する設定がされた場合に、実際に景品取得シーケンスによって景品を把持するための動作時と同じように、ハンド64a〜64fに対して把持動作をさせる。すなわち、スプリングプレート74を把持力に応じた位置に移動させることで、把持力調整スプリング79a〜79fを引き伸ばす。この状態をプレーヤに見せることで、把持力の変化をプレーヤに認識させることが可能となる。
一般に、ハンド64a〜64fの把持力を動的に変化させることができたとしても、現在の把持力がどのレベルであるかプレーヤは認識することが困難であるが、前述した構成を実装することで把持力の変更を容易に認識することができるようになる。
次に、本実施形態におけるクレーンゲーム装置10に設けられる特定の機能の具体例について、図34〜図40を参照して説明する。本実施形態における特定の機能は、電子マネーから入金された金額に応じて、ゲーム開始前に、ゲーム実行時の状態に設定することができる。
図34は、クレーンアーム18Rを利用して、景品フィールド16Rに載置されている景品の配置を変更することができる第1機能を示す図である。なお、図34では、クレーンアーム18Rのみを表しているが、クレーンアーム18Lにも同様の機能が設けられるものとして説明を省略する(以下に説明する各機能についても同様に省略する)。第1機能を実装する場合、付加ユニット57として、クレーンアーム18Rのアームユニットを回転させる機構を設ける。例えば、クレーンゲーム装置10は、景品取得シーケンスの開始前に、クレーンアーム18Rによりアームユニット(ハンドは実行可能状態にする)を景品が載置された位置まで降下させた後、電子マネーから入金された金額に応じて、付加ユニット57によってアームユニットを回転させる。これにより、景品フィールド16Rに載置された景品がかき混ぜられることになり、景品の配置を変更することができる。すなわち、景品取得シーケンスの際に、クレーンアーム18Rにより景品を取得しやすい状態を作り出すことができる。
図35は、上部筐体12の前面透明板15に取り付けられたマニュピレータ(マジックハンド)90を利用して、筐体外部からの操作により景品フィールド16Rに載置された景品88の位置を変更することができる第2機能を示す図である(断面図)。第2機能を実装する場合、前面透明板15に挿入部91を設ける。挿入部91は、プレーヤにより操作されるマニュピレータ90を保持すると共に、付加ユニット57としてマニュピレータ90の動きを規定する機構が設けられている。挿入部91に設けられた機構(付加ユニット57)は、マニュピレータ90の可動範囲を変更することができるように構成されている。例えば、挿入部91は、電子マネーを利用して入金された金額に応じて、マニュピレータ90の可動範囲を調整して、景品フィールド16Rに載置された景品88を動かすことができる範囲を変更することができる。挿入部91は、マニュピレータ90の一端に設けられたプレーヤによって扱われるハンドグリップが筐体外部にあり、他端部に設けられた景品88を掴むための景品つかみ部が筐体内部にあるようにしてマニュピレータ90を保持している。また、挿入部91は、マニュピレータ90をハンドグリップと景品つかみ部との間の範囲で挿抜できるように保持している。例えば、クレーンゲーム装置10は、景品取得シーケンスの開始前に、マニュピレータ90を可動状態にして(例えば、予め決められた時間内に制限する)、マニュピレータ90に対する操作により景品フィールド16Rに載置された景品の配置を変更させることができる。すなわち、景品取得シーケンスの際に、クレーンアーム18Rにより景品を取得しやすい状態を作り出すことができる。
図36は、景品落とし口17Rの開口サイズを変更することができる第3機能を示す図である。第3機能を実装する場合、景品落とし口17Rの開口部に出し入れ可能にした板部材92を設ける。板部材92は、例えば景品落とし口17Rの上端部近くの景品フィールド16Rの下部に収容され、水平方向に移動可能となるように設けられる。第3機能では、付加ユニット57として、板部材92を水平方向に移動させる機構を設ける。この機構(付加ユニット57)は、板部材92の移動量を調整することができ、景品落とし口17Rの開口面積を変更することができる。例えば、付加ユニット57は、電子マネーを利用して入金された金額に応じて、景品取得シーケンスの開始前に、板部材92の移動距離を調整して、景品落とし口17Rの開口面積を変更することができる。
図37は、景品フィールド16Rに景品88を搬送することができる第4機能を示す図である。第4機能を用いる場合、例えば景品88を載置可能な無端ベルトを景品落とし口17Rの方向に回転可能な搬送機構94を設ける。第4機能を実装する場合、付加ユニット57として、無端ベルトを回転させるモータなどの機構を設ける。搬送機構94(付加ユニット57)は、景品88の搬送量(無端ベルトの回転量)を調整することができる。例えば、搬送機構94は、電子マネーを利用して入金された金額に応じて、景品取得シーケンスの開始前に、景品88を景品落とし口17Rの方向に移動させて、景品落とし口17Rから落としやすい位置にすることができる。
図38は、景品フィールド16Rを傾斜させることができる第5機能を示す図である。第5機能を用いる場合、景品88が載置される板部材96、板部材96の一端を回動可能となるように取り付ける回転軸部材97、板部材96の他端を上下方向に移動させる昇降部材98とを含む傾斜機構が設けられる。第5機能を実装する場合、付加ユニット57として、昇降部材98を上下方向に移動させるモータなどの機構を設ける。傾斜機構は、板部材96の傾斜角度を調整することができる。傾斜機構は、電子マネーを利用して入金された金額に応じて、景品取得シーケンスの開始前に、昇降部材98を駆動して板部材96の他端側を上方向に移動させ、板部材96を景品落とし口17Rの方向に傾斜させる。これにより、板部材96に載置された景品88を、景品取得シーケンス時に、景品落とし口17Rに落としやすくすることができる。
図39は、景品フィールド16Rの上方で景品を載置するための棒の位置を移動させることができる第6機能を示す図である。第6機能を用いる場合、例えば上部筐体12の右側ユニット10Rの両側面に、景品を載置するための複数の棒102,103の端部を保持するための構造を設ける。また、少なくとも1本の棒102の端部位置を移動可能にするレール100L,100Rを右側ユニット10Rの両側にそれぞれ設ける。第6機能を実装する場合、付加ユニット57として、レール100L,100Rにより保持された棒102の位置を移動させるためのモータなどの機構を設ける。景品88は、例えば図39に示すように、複数の棒102,103に掛けることで載置することができる。付加ユニット57は、レール100L,100Rにより保持された棒102の位置を移動させることができる。付加ユニット57は、電子マネーを利用して入金された金額に応じて、景品取得シーケンスの開始前に、棒102の位置を移動させ、棒103との間隔を変えることで、景品取得シーケンス時に、棒102,103の間に載置された景品88を落下し易くすることができる。
図40は、景品フィールド16Rに載置された景品を風によって移動させることができる第7機能を示す図である。第7機能を用いる場合、景品フィールド16Rに付加ユニット57として送風機102を設ける。送風機102の上部には、送風機102により発生される風を通過させ、かつ景品を載置することが可能なネット104が配設される。景品フィールド16Rには、送風機102の上部を含めて景品を載置することができる。送風機102は、風量、駆動時間などを調整することができる。例えば、クレーンゲーム装置10は、景品取得シーケンスの開始前に、電子マネーから入金された金額に応じて、送風機102の風量、駆動時間を設定して駆動させる。これにより、景品フィールド16Rに載置された景品が送風機102からの風により動かされることになり、景品の配置を変更することができる。すなわち、景品取得シーケンスの際に、クレーンアーム18Rにより景品を取得しやすい状態を作り出すことができる。
前述した第1〜第7機能は、何れか1つ、あるいは任意に組み合わせてクレーンゲーム装置10に実装することが可能である。
次に、本実施形態におけるクレーンゲーム装置10の動作について説明する。以下の説明では、右側ユニット10Rにおいてプレーヤが操作する場合を例にして説明する。
図41は、本実施形態におけるクレーンゲーム装置10における支払い制御処理について説明するためのフローチャートである。本実施形態における支払い制御処理では、入金ユニット25Rから右側ユニット10Rと左側ユニット10Lに対して、選択的に電子マネーによりゲーム料金を入金することができる。
プレーヤは、右側ユニット10Rによりゲームをしようとする場合、例えばコンパネ部23Rに設けられたスタートボタン(図示せず)を押下する。CPU40は、スタートボタンが押下されたことを検出すると(ステップA1、Yes)、表示装置27Rに入金メニューを表示させる(ステップA2)。
図42(A)は、本実施形態における入金メニューの入金対象ユニット選択用画面の一例を示す図である。図42(A)に示す入金メニューには、例えば入金対象ユニットを選択するためのボタンが設けられている。すなわち、右側ユニット10Rにおいて実行するゲームのゲーム料金を入力することを選択するための「自ユニットのみ」ボタンと、右側ユニット10Rと左側ユニット10Lの両方において実行するゲームのゲーム料金を入力することを選択するための「両方のユニット」ボタンが設けられている。
本実施形態におけるクレーンゲーム装置10では、一方の右側ユニット10Rに設けられた入金ユニット25Rから、右側ユニット10Rで実行されるゲームだけでなく、左側ユニット10Lにおいて実行されるゲームについてのゲーム料金を入金することができる。これにより、例えば家族や友達同士でクレーンゲーム装置10を同時に利用する際に、一括してゲーム料金を支払うことができる。
ここで、入金メニューに表示された何れかのボタンを選択する操作により、入金対象ユニットが指示されると(ステップA3)、CPU40は、入金額を選択させるための金額ボタン選択画面を表示装置27Rに表示させる。図42(B)は、本実施形態における入金メニューの金額ボタン選択画面の一例を示す図である。ここでは、図42(A)に示す入金メニューにおいて、「両方のユニット」ボタンが選択されたものとする。
図42(B)に示す入金メニューでは、「自ユニット」(右側ユニット10R)と、「相手ユニット」(左側ユニット10L)のそれぞれに対応づけて、例えば「100」円〜「500」円の金額ボタンが表示されている。なお、入金メニューでは、入金額を示す金額ボタンではなく、クレジット数を示すクレジット数ボタン(例えば、「1」「2」…)が表示されるようにしても良い。なお、図42(A)に示す入金メニューにおいて、「自ユニットのみ」ボタンが選択された場合には、金額ボタン選択画面には、「自ユニット」に対応する金額ボタン(あるいはクレジット数ボタン)のみが表示されるものとする。
ここで、「自ユニット」と「相手ユニット」のそれぞれについて何れかの金額が選択され、「終了」ボタンが選択されると(ステップA4)、CPU40は、入金額選択入力が完了したものと判別して、金額ボタン選択画面において選択された入金額を入金ユニット25Rに出力する(ステップA5)。なお、クレジット数が選択される場合には、CPU40は、クレジット数に応じた入金額を計算して、入金ユニット25Rに出力するものとする。
入金ユニット25Rは、CPU40から入金額が通知されると、図43に示すように、ディスプレイ25cにおいて、電子マネーを利用して入金(支払い)をさせる金額を表示すると共に、例えば「カードを選択してタッチして下さい」のメッセージを表示させる。図43では、図42(B)に示す金額ボタン選択画面において、「自ユニット」について「500」円、「相手ユニット」について「500」円が選択されているため、入金額として「1000」円が表示されている。
プレーヤは、カード選択ボタン25bから使用する電子マネーの種類を指定するボタンを押下した後、電子マネーカードをカードリーダライタ25dに近接させる。電子マネー用入金ユニット25は、カードリーダライタ25dを通じて電子マネーカードと通信し、CPU40から通知された金額(ここでは「1000」円)を入金する。入金ユニット25Rは、通知されたゲーム料金が入力されたことをCPU40に通知する。
CPU40は、ゲーム料金が入金されたことが通知されると(ステップA6、Yes)、プレーヤの操作に応じたゲーム実行時の状態を、ゲーム開始前に設定する機能設定処理を実行する(ステップA7)。CPU40は、機能設定処理の後、ゲームを開始する。なお、機能設定処理の詳細については後述する。
なお、前述した説明では、1台のクレーンゲーム装置10において、1つの入金ユニット25Rから、右側ユニット10Rと左側ユニット10Lに対して選択的に電子マネーから入金できるとしているが、クレーンゲーム装置10が他のクレーンゲーム装置とLAN(Local Area Network)などのネットワークを介して接続されている場合、他のクレーンゲーム装置10のユニットを指定して、入金できるようにしても良い。
図44は、本実施形態のクレーンゲーム装置10における機能設定処理を含む制御処理について説明するためのフローチャートである。図44に示す制御処理では、例えば前述した支払い制御処理において「自システム」についてのみゲーム料金を入金する場合、あるいは前述した支払い制御処理を実行せず、右側ユニット10Rと左側ユニット10Lにおいてそれぞれに設けられた入金ユニット25L,25Rによって入金する場合の処理を説明する。また、図44の制御処理では、ゲーム処理について時間貸し制御を実行するものとする(ステップB6〜B9)。時間貸し制御は、例えば予め決められた一定時間毎に、所定のゲーム料金を電子マネーにより繰り返して入金することで、ゲームを継続して実行可能にする制御である。
まず、CPU40は、入金ユニット25Rから電子マネーによる入金があったことが通知されると(ステップB1、Yes)、入金額を判別して(ステップB2)、この入金額に応じたゲーム実行状態を設定する(ステップB3)。入金ユニット25Rからは、プレーヤが選択した任意の金額が電子マネーから入金される。
CPU40は、電子マネーからの入金額に応じたゲーム実行時の状態を設定する(ステップB3)。ここでは、ゲーム実行時の状態の設定対象を、例えば図4〜図13に示すアームユニットのハンド数(2本、4本、6本)と把持力(例えば3段階の強度+100〜+300)とし、電子マネーからの入金額が増えるに従って、初期状態のハンド2から順番に強度+100→ハンド4本→強度+200→ハンド6本→強度+300の順番で変更されるように設定されているものとする。すなわち、入金額が高くなるほど、景品を取得しやすくなるように設定されるものとする。
CPU40は、入金額に応じて設定されたゲーム設定状態を出力する(ステップB4)。すなわち、CPU40は、ハンド駆動部47を通じて、ゲームで使用する本数のハンド64a〜64fが使用可能な状態となるようにロック爪用モータ54を駆動してロックを解除すると共に、把持力に応じてハンドを閉じるようにハンド用モータ53を駆動させる。すなわち、ムーブギア77(スプリングプレート74)の位置を把持力に応じて移動させて把持力調整スプリング79a〜79fを伸ばす。また、CPU40は、表示ユニット56を把持力に応じた表示形態に変更させる(図31、図32参照)。
プレーヤは、ゲーム設定状態が出力されることで、ゲーム開始前にアームユニットのハンド本数及び把持力についてのゲーム実行時の状態を事前に確認した上で、ゲームを開始することができる。ここで、プレーヤは、さらにハンドの本数を増加したい、または把持力を強化したい場合には、ゲーム開始するための操作をする前に、再度、入金ユニット25Rからゲーム料金を追加して入金することができる。
CPU40は、入金ユニット25Rから追加のゲーム料金が入金されると(ステップB1、Yes)、前述と同様にして、入金額に応じてゲーム実行時の状態を設定して、ゲーム設定状態を出力する(ステップB2〜B4)。こうして、プレーヤは、ゲーム設定状態を確認しながら電子マネーによりゲーム料金を入金することができる。
なお、前述した説明では、ゲーム料金を追加することで景品を取得しやすくなるようにハンド数と把持力を変更しているが、ゲーム設定状態を確認した後に、景品を取得しにくい状態に戻すようにしても良い。例えば、表示装置27Rに表示されたメニューを通じて、プレーヤによる入金額の減額が指定された場合に、減額後の入金額に応じたゲーム実行時の状態を設定する。例えば、6本のハンド64a〜64fが使用可能となっている場合に、4本のハンドが使用可能に戻すことができる。この場合、減額された金額は、例えば、クレジットとして記録しておき、次回のゲームに使用可能にする。もしくは、電子マネーに戻す。従来では、投入されたコインがコインボックスに収納されるため返金することは不可能であったが、電子マネーを用いていることにより、返金が可能となった。
こうして、ゲーム実行時の状態が設定された後、ゲームを実行するためのボタン24Rの操作がされると(ステップB5、Yes)、CPU40は、ボタン操作に応じて各機能部を動作させることで景品取得シーケンスを開始させて、クレーンアーム18Rにより景品を取得させるための動作を実行させる(ステップB6)。
ここでは、ゲーム処理について時間貸し制御を実行する。この場合、プレーヤは、入金ユニット25Rのホルダ25eには電子マネーが保持させるものとする。CPU40は、ゲームが開始されてからの経過時間を計測しており、予め決められた設定時間(例えば、1分間)が経過したかを監視する。ここで、設定時間が経過した場合(ステップB7、Yes)、CPU40は、予め設定されたゲーム料金を、入金ユニット25Rを通じて電子マネーから入金するための入金処理を実行する(ステップB8)。ここで、電子マネーから入金された場合(ステップB9、Yes)、CPU40は、プレーヤの入操作に応じた、景品取得シーケンスを繰り返して継続して実行する。
なお、電子マネーからの入金処理において入金ができなかった場合(ステップB9、No)、例えば電子マネーのチャージ額が0となった場合、電子マネーが電子マネー用入金ユニット25から取り外された場合には、CPU40は、終了処理を実行して、景品取得シーケンスを中断させて、クレーンアーム18Rを初期状態に戻す(ステップB10)。なお、時間貸し制御をする場合には、電子マネーから入金される金額の総額が予め設定された上限を超える場合には、入金を停止するようにしても良い。金額の上限は、クレーンゲーム装置10において予め設定されていても良いし、ゲーム開始前にプレーヤが例えば表示装置27Rに表示されるメニューから選択しておくようにしても良い。
また、ゲームが継続して実行される場合に、設定時間毎に入金される金額を変更(減額あるいは増額)するようにしても良い。例えば、ゲームの継続時間が予め決められた割引き設定時間(例えば、3分)を経過する毎に、設定時間毎に電子マネーから入金する金額を少なくする。すなわち、ゲームの実行時間が長くなるほど、ゲーム料金を割り引くようにする。これによりプレーヤに対して、ゲーム時間の継続を促すことが可能となる。
なお、前述した時間貸し制御では、電子マネーからの入金を繰り返すことにより、景品取得シーケンスを繰り返して実行されるとしているが、景品取得シーケンスによって景品が取得されたことが景品検知センサ55によって検知された場合にゲーム処理を終了するようにしても良い。また、入金額に応じてゲーム実行時の状態を設定した後に、時間貸し制御をしないで、予め決められた回数の景品取得シーケンス(例えば、1回)のみを実行してゲーム処理を終了するようにしても良い。また、予め決められた設定時間よりも短時間に景品が取得された場合は、入金されたゲーム料金の一部を電子マネーに返金することも可能である。
また、前述した説明では、アームユニットにおけるハンド数と把持力を変更する場合のみについて説明しているが、図34〜図40に示す特定の機能を設けた場合に、特定の機能のそれぞれについて予め決められた入金額に対するゲーム実行時の状態を設定することが可能である。
次に、本実施形態におけるクレーンゲーム装置10における機能選択処理を含む制御処理について説明する。前述した機能設定処理では、電子マネーからの入金額に応じて機能設定(アームユニットのハンド数や把持力、特定の機能の設定)をしているが、機能選択処理ではプレーヤの指定により機能設定する。第1の機能選択処理では、電子マネーから入金された金額を、プレーヤの指定に応じて状態を変更可能な複数の機能部に振り分け、振り分けた金額に応じて機能部を設定する。第2の機能選択処理では、ゲーム実行時の状態(ゲーム設定状態)の指定をプレーヤの操作に応じて入力し、この入力された状態の指定に応じた金額を入金する。以下、第1及び第2の機能選択処理について説明する。
図45は、本実施形態におけるクレーンゲーム装置10における第1の機能選択処理を含む制御処理について説明するためのフローチャートである。
まず、CPU40は、入金ユニット25Rから電子マネーによる入金があったことが通知されると(ステップC1、Yes)、入金額を判別する(ステップC2)。そして、入金額を機能に振り分けるための機能選択メニューを表示装置27Rにおいて表示させる(ステップC3)。
図46(A)(B)は、本実施形態における機能選択メニューの一例を示す図である。図46(A)は、アームユニットのハンド本数と把持力を変更する機能を対象とする機能選択メニューの一例を示している。図46(A)に示す機能選択メニューでは、例えば入金額と、ハンド本数と把持力のそれぞれを指定するための複数のボタンが表示されている。例えば、ハンド本数が、初期状態の2本から4本、6本と増えるに従って料金が「100」円ごとに加算されるものとする。同様にして、把持力についても「100」「200」「300」と増えるに従って料金が「100」円ごとに加算されるものとする。
ここで、例えば、振り分けの対象とする機能としてハンド本数が選択され、ハンド本数4本が選択されると(すなわち「100」円をハンド本数に振り分け)(ステップC4,C5)、CPU40は、入金額「500」円から100円を引いた「400」円の表示に変更する。同様にして、把持力が選択され、把持力「200」が選択されると(すなわち「200」を把持力に振り分け)、CPU40は、さらに入金額「400」円から300円を引いた「200」円の表示に変更する。同様にして、再度、別のボタンが選択された場合には、CPU40は、再選択後の表示に切り替える。また、前述した機能設定処理と同様にして、ゲーム料金を追加して入金することも可能である。こうして、機能選択メニューにおいて、入金額を任意にハンド本数と把持力に振り分けることができる。
なお、図46(A)に示す機能選択メニューではハンド本数と把持力を対象としているが、例えば図7に示すアームユニットのハンド64a〜64fをそれぞれ異なる形状にした場合に、機能選択メニューにおいてハンドの形状を選択(入金額の振り分け)できるようにしても良い。
こうして、入金額の機能に対する振り分けが完了して「終了」ボタンが選択されると(ステップC6、Yes)、CPU40は、各機能についてそれぞれの振り分け額に応じてゲーム設定をして(ステップC7)、ゲーム設定状態を出力する(ステップC8)。なお、ステップC7,C8の処理は、前述したステップB3,B4と同様にして実行されるものとして詳細な説明を省略する。
なお、図34〜図40に示す特定の機能が複数実装されている場合には、例えば図46(B)に示す機能選択メニューを表示して、前述したように、入金額の振り分け対象とする機能の選択、振り分け額を選択させることも可能である。図46(B)の機能選択メニューは、3つの特定の機能が実装されている例を示しており、例えば「機能1」に「300」円、「機能3」に「200」円を振り分けるように選択された状態を示している。また、前述したように、ゲーム開始前に、電子マネーからゲーム料金を追加して入金し、さらに各機能について入金額を振り分けて機能設定することで、景品の取得に優位な状態にすることが可能である。なお、入金額の全てを機能に振り分けられない場合には、残金をクレジットとして記録して、次回のゲーム使用することができるようにする。もしくは、電子マネーに返金処理を行う。
こうして、ゲーム実行時の状態が設定された後、ゲームを実行するためのボタン24Rの操作がされると(ステップC9、Yes)、CPU40は、ボタン操作に応じて各機能部を動作させることで景品取得シーケンスを開始させて、クレーンアーム18Rにより景品を取得させるための動作を実行させる(ステップC10)。CPU40は、景品取得シーケンスが終了すると、ゲームを終了する(ステップC11、Yes)。
このようにして、本実施形態におけるクレーンゲーム装置10では、電子マネーから入金されたゲーム料金を複数の機能に振り分けてゲームの実行状態を設定し、ゲーム設定状態を出力してプレーヤに確認させることができる。プレーヤは、ゲーム設定状態を確認して、さらに電子マネーから入金するなどして、再度、入金額の複数の機能への振り分けをすることができる。すなわち、景品の取得に優位に状況を設定した後に、ゲームを開始することで、プレーヤに対して景品取得の期待を増大させることができるのでゲームの利用を促すことが可能となる。
図47は、本実施形態におけるクレーンゲーム装置10における第2の機能選択処理を含む制御処理について説明するためのフローチャートである。
まず、CPU40は、例えばコンパネ部23Rに設けられたスタートボタンの押下に応じて、右側ユニット10Rの表示装置27Rに機能選択メニューを表示させる(ステップD1)。
図48は、本実施形態における機能選択メニューの一例を示す図である。図48に示す機能選択メニューは、例えばクレーンゲーム装置10に実装された複数(例えば6つ)の特定の機能を任意に選択するためのボタンが設けられている例を示している。
ここで、プレーヤは、何れかの機能をボタンに対する操作により任意に選択することができる。CPU40は、何れかの機能に対応するボタンが選択された場合、例えば図46に示すように、この機能に対するゲーム実行時の状態を設定するためのサブメニューを表示させて、プレーヤに選択させる。
図48では、例えば2つの機能が選択され、それぞれの機能に対するゲーム実行時の状態が設定されたものとする(ステップD2)。CPU40は、各機能についてゲーム実行時の状態が設定されることにより、その設定に応じて必要なゲーム料金(入金必要額)を算出して、図48に示すように機能選択メニュー内に表示する。従って、プレーヤは、入金必要額を確認しながら、機能の選択と、各機能についてのゲーム実行時の状態を選択することができる。
ここで「終了」ボタンが選択されて、機能選択メニューにおける設定が完了したことが指示されると(ステップD3、Yes)、CPU40は、設定内容に応じた金額(入金必要額)についての入金要求を入金ユニット25Rに出力とする(ステップD4)。
入金ユニット25Rは、CPU40からの入金要求を受信すると、ディスプレイ25cに入金必要額(支払い額)を表示すると共に、電子マネーによるゲーム料金の支払いを要求するメッセージを表示させる。電子マネー用入金ユニット25は、プレーヤによりカードリーダライタ25dに電子マネーカードが近接されることで入金されると、CPU40に入金があったことを通知する。
CPU40は、電子マネーによる入金があったことが通知されると(ステップD5、Yes)、プレーヤによって指定された機能設定に応じたゲーム設定状態を出力する(ステップD6)。なお、ゲーム設定状態の出力については、前述と同様にして実行されるものとして詳細な説明を省略する。
ここで、プレーヤは、ゲーム設定状態を確認して、再度、機能選択メニューから機能を選択して、電子マネーを利用して追加のゲーム料金を入金することができる(ステップD1〜D6)。
こうして、ゲーム実行時の状態が設定された後、ゲームを実行するためのボタン24Rの操作がされると(ステップD7、Yes)、CPU40は、ボタン操作に応じて各機能部を動作させることで景品取得シーケンスを開始させて、クレーンアーム18Rにより景品を取得させるための動作を実行させる(ステップD8)。CPU40は、景品取得シーケンスが終了すると、ゲームを終了する(ステップD9、Yes)。
このようにして、本実施形態におけるクレーンゲーム装置10では、プレーヤの選択操作によって、ゲームで使用する機能と、この機能のゲーム実行時の状態を設定することで、この設定に応じて算出されたゲーム料金(入金必要額)を算出して、入金ユニット25Rから入金させることができる。これにより、プレーヤは、ゲーム開始前に、電子マネーによるゲーム料金の支払いによって任意に機能を設定した上で、ゲームを開始することができる。すなわち、景品の取得に優位に状況を設定した後に、ゲームを開始することで、プレーヤに対して景品取得の期待を増大させることができるのでゲームの利用を促すことが可能となる。
なお、前述した説明では、電子マネーをゲーム料金の入金のために利用しているが、クレーンゲーム装置10を利用するプレーヤを管理するために利用することも可能である。例えば、電子マネーカードからカード固有の識別データを読み取り、この識別データと対応づけてプレーヤによるゲームの利用内容に関する情報を利用履歴としてデータベースに記録しておく。利用履歴の内容としては、利用日時、ゲーム時間、利用料金、機能の設定内容、景品の取得結果など、各種の情報を含むことができる。クレーンゲーム装置10は、電子マネーから読み取られた識別データをもとに、データベースに記録された利用履歴の情報を検索し、利用履歴をもとにしてゲームの制御の変更、すなわちゲーム料金の割引、ゲーム内容(機能設定)の変更、表示内容(画像やメッセージ)の変更などを実行することもできる。さらに、ゲームの利用履歴を利用するだけでなく、電子マネーのゲーム以外での利用履歴(商業店舗、交通機関など)を、ネットワークを通じて外部のサーバ装置より取得することで、このゲーム以外での利用履歴に応じて、ゲームの制御を変更するようにしても良い。
このようにして、本実施形態におけるクレーンゲーム装置10では、電子マネーを有効に活用して興趣のあるゲームを実行可能にすることが可能である。
また、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。