JP6775790B2 - 真偽判別可能な情報担持体 - Google Patents

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Description

本発明は、基材上に光輝性を有するインキを使用した凸構造の画線等から成る画像部及び背景部が形成された真偽判別可能な情報担持体に関する発明であり、画像部と背景部の間に輪郭部を形成することで、基材を傾けて観察した場合の潜像画像の視認性を著しく向上させることができる真偽判別可能な情報担持体に関するものである。
近年、貴重性を有するセキュリティ印刷物等には、新しい意匠性を持ち、かつ、偽造防止効果の高い偽造防止要素及び印刷技術が望まれている。
例えば、意匠性及び偽造防止効果を有する技術としては、観察角度により画像が変化するホログラム等の光学的なセキュリティ要素又は光学的な機能を有するインキを使用したものが存在する。
その一例として、本出願人は、平面配向性パール顔料を用いた盛り上がりのある画線を形成し、背景情報領域とメッセージ情報領域で画線の配列方向を異なる構成とすることによって、斜めから観察した場合にのみ、メッセージ情報領域がポジからネガへ変化して出現する効果を有する潜像印刷物を出願している(例えば、特許文献1参照)。
また、本出願人は、特定画像を分割し、分割された領域を盛り上がりのある万線画線で構成し、更に各分割された領域を形成する万線画線の配列方向を徐々に異ならせ、光沢インキを用いて印刷することによって、基材に対して垂直方向から徐々に水平方向に観察すると特定画像の色彩又は明暗が連続的に変化する偽造防止技術について出願している(例えば、特許文献2参照)。
特許文献1で開示された潜像印刷物は、基材の表面に光輝性を有する凸状の画線構造によって、背景画像とメッセージ画像が形成され、かつ、背景画像の画線パターンとメッセージ画像の画線パターンは、異なる配列方向に沿って形成されるため、拡散反射光が支配的な角度領域においては、メッセージ画像を肉眼でほとんど視認することができず、拡散反射光から正反射光が支配的な角度領域に変化するに従って、盛り上がりを有する背景画像とメッセージ画像が入射光に対して、それぞれ異なった光の反射を成す構造となることからメッセージ画像をネガ画像又はポジ画像として視認することができる効果を有する。
また、特許文献2で開示された偽造防止印刷物は、垂直方向から徐々に水平方向に観察方向を変化させた場合に、特定画像中の分割された領域ごとに画線の配列方向を段階的に異ならせて形成した画線のうち、最も光を強く反射する領域が印刷物の傾きによって連続的に変化することで、躍動感溢れる動画的な視覚効果を有する。
特許第3718712号公報 特許第4395586号公報
しかしながら、特許文献1の潜像印刷物は、斜めから観察した場合にメッセージ部が光の入射角度に応じてネガ画像からポジ画像、又はポジ画像からネガ画像に変化して出現するものの、背景画像とメッセージ画像を形成する下層に地紋印刷等が施されている場合や潜像印刷物に対する光が弱い観察環境の場合、メッセージ画像が形成された位置を瞬時に確認できない場合があった。
また、特許文献2に記載の偽造防止印刷物は、動画的な視覚効果を有し、特許文献1に記載の技術と比較して、色彩又は濃淡変化に優れるという特徴を有するものの、特許文献1の潜像印刷物と同様に、下地印刷や観察環境の影響を受けやすく、動画的な画像の視認性を向上させることが課題であった。
本発明は、上記課題の解決を目的とするものであり、光輝性を有するインキを使用し、基材に凸状の画線により画像部と背景部を形成し、さらに、画像部と背景部が隣接又は近接する部分に輪郭部を形成することで、潜像画像の視認性を向上させた真偽判別可能な情報担持体を提供することを目的とする。
本発明の真偽判別可能な情報担持体は、基材の少なくとも一部に潜像領域を有し、潜像領域には、光輝性を有する第1のインキによって形成された画像部及び背景部と、画像部及び背景部が隣接又は近接する位置に輪郭部を有し、画像部は、第1の方向に沿って規則的に一定のピッチで配列された凸状の画線群が形成され、背景部は、第1の方向と異なる第2の方向に沿って一定のピッチで配列された凸状の画線群が形成され、輪郭部は、画像部及び背景部が隣接して形成され、画像部と背景部の隣接部分における画像部及び/又は背景部に重なる位置上に第1のインキと同系色で、かつ、第1のインキより光反射性の低い第2のインキによって形成され、基材を真上から観察した場合、画像部、背景部及び輪郭部は等色として視認され、基材を傾けて観察した場合、画像部、背景部及び輪郭部からの光の反射量が異なることで、輪郭部によって強調された画像部が潜像画像として視認されることを特徴とする真偽判別可能な情報担持体である。
また、基材の少なくとも一部に潜像領域を有し、潜像領域には、光輝性を有する第1のインキによって形成された画像部及び背景部と、画像部及び背景部が隣接又は近接する位置に輪郭部を有し、画像部は、第1の方向に沿って規則的に一定のピッチで配列された凸状の画線群が形成され、背景部は、第1の方向と異なる第2の方向に沿って一定のピッチで配列された凸状の画線群が形成され、画像部及び背景部が近接して配置され、画像部及び背景部の間に凸状の画線群が形成されない空隙領域によって形成され、基材を真上から観察した場合、画像部、背景部及び輪郭部は等色として視認され、基材を傾けて観察した場合、画像部、背景部及び輪郭部からの光の反射量が異なることで、輪郭部によって強調された画像部が潜像画像として視認されることを特徴とする真偽判別可能な情報担持体である。
また、基材の少なくとも一部に潜像領域を有し、潜像領域には、光輝性を有する第1のインキによって形成された画像部及び背景部と、画像部及び背景部が隣接又は近接する位置に輪郭部を有し、画像部は、第1の方向に沿って規則的に一定のピッチで配列された凸状の画線群が形成され、背景部は、第1の方向と異なる第2の方向に沿って一定のピッチで配列された凸状の画線群が形成され、画像部及び背景部が近接して配置され、第1のインキによって第1の方向及び第2の方向と異なる第3の方向に沿って一定のピッチで形成された凸状の画線群によって形成され、基材を真上から観察した場合、画像部、背景部及び輪郭部は等色として視認され、基材を傾けて観察した場合、画像部、背景部及び輪郭部からの光の反射量が異なることで、輪郭部によって強調された画像部が潜像画像として視認されることを特徴とする真偽判別可能な情報担持体である。
さらに、第3の方向は、第1の方向又は第2の方向と直交する方向であることを特徴とする真偽判別可能な情報担持体である。
本発明の真偽判別可能な情報担持体は、画像部と背景部が隣接又は近接する部分に輪郭部を形成することにより、強い光が入射した時、輪郭部によって潜像画像の形状が強調されることから、下層に形成された地紋印刷等の影響を受けても確実に潜像画像を視認することができる。
また、本発明の真偽判別可能な情報担持体は、潜像領域への光の照射量が少ない状態、すなわち、暗い観察環境であっても輪郭部の存在により潜像画像を強調させて視認できることから、観察環境に影響されることなく、確実に真偽判別を行うことができる。
本発明の情報担持体(1)における潜像領域(6)の一例を示す図 画像部(3)を形成する凸画線群の一例を示す平面図 背景部(4)を形成する凸画線群の一例を示す図 輪郭部(5)の一例を示す図 輪郭部(5)の変形例を示す図 本発明の情報担持体(1)における潜像画像(7)の視認状態を示す図 実施例1におけるセキュリティ印刷物(A)を示す図 実施例1における画像部(3)及び背景部(4)の拡大図を示す図 実施例1における輪郭部(5)の拡大図を示す図 実施例1における潜像画像(7)の視認状態を示す図 実施例2における画像部(3)及び背景部(4)の構成を示す図 実施例2における輪郭部(5)の拡大図を示す図 実施例2における輪郭部(5)の変形例を示す図 実施例3の潜像領域(6)を示す図 実施例3の潜像領域(6)の視認状態を示す図
本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。しかしながら、本発明は、以下に述べる実施するための形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲記載における技術的思想の範囲内であれば、その他の様々な実施の形態が含まれる。
図1(a)は、本発明における情報担持体(1)の一例を示すものである。図1(a)に示すように、情報担持体(1)は、基材(2)上の少なくとも一部に潜像領域(6)を有している。潜像領域(6)は、図1(b)に示す光輝性を有するインキにより形成された凸状の画線群から成る画像部(3)と、図1(c)に示す光輝性を有するインキにより形成された凸状の画線群から成る背景部(4)と、図1(d)に示す画像部(3)及び背景部(4)が隣接する位置に形成された輪郭部(5)で構成される。
図2は、本実施の形態における画像部(3)の構成を示す図である。本実施の形態における画像部(3)は、図2に示すように、凸状の画線が第1の方向に沿って規則的に一定のピッチ(P)及び一定の画線幅(T)で形成される。凸状の画線群の高さは3μm以上150μm以下とする必要がある。
このように、凸状の画線群の高さに制限が生じる理由は、高さが3μm未満の場合、画線角度の違う画線であっても画線の高さが低過ぎるために、均一な反射光しか生じず、本発明において必須である画線角度に応じた光の濃淡が発生しないためである。一方、高さが150μmを越えた場合は、本発明の効果自体は生じるものの、凹版印刷やスクリーン印刷等の盛り上がりを形成できる印刷方式を用いたとしても容易に形成できる画線高さの限界であり、かつ、これ以上の高さに形成できたとしても印刷物の積載や流通適性等を考慮すると現実的ではないからである。
また、画線幅(T)は、10μmから1,000μmまでで形成する必要がある。10μm以下の画線を印刷で安定して形成することは困難であり、一方、1,000μm以上の画線では構成する画像が粗くなり、デザインに著しい制限が生じるからである。また、凸状の画線群を形成する一定のピッチ(P)も画線幅(T)と同様な理由で10μmより大きく1,000μm程度までとすることが望ましい。
また、画像部(3)と背景部(4)を形成する凸状の画線群は、光輝性を有すれば特に限定されず、透明又は有色により形成することができる。光輝性を有する画線を形成するためには、光学的変化顔料を含んでいるインキを使用する。光輝性材料を含むインキは、金インキや銀インキ等のメタリックインキ、パール顔料、鱗片状マイカ、鱗片状金属顔料、ガラスフレーク顔料及びコレステリック液晶顔料等を含むインキであればよく、パール顔料を含有するインキが特に好ましい。
次に、パール顔料を含有するインキを用いる場合について説明する。パール顔料の粒子の大きさは、使用する印刷方式に応じて選択するものであるが、1μm〜50μmであり、好ましいのは、平均粒径は5〜15μm程度である。また、使用するパールインキは、インキ表面からの高い光反射性を得る必要があるため、例えば、リーフィング処理されたパール顔料を用いるか、又は特許第5787317号公報により開示された紫外線硬化型スクリーン印刷用インキ組成物を用いることにより、正反射光下におけるパールの干渉色をより鮮やかに出現させることが可能となる。
図3は、背景部(4)を説明するための図である。本実施の形態における背景部(4)は、図3に示すように、凸状の画線群が第2の方向に沿って規則的に一定のピッチで形成される。背景部(4)の画線は、画像部(3)を形成した画線と同一のインキ、画線幅(T)、画線ピッチ(P)及び画線高さで形成する必要がある。これにより、画像部(3)及び背景部(4)を形成する各々の画線表面から強い反射光を生じない環境、すなわち、潜像領域(6)を真上方向から観察した場合に、画像部(3)及び背景部(4)を区別できない状態とするためである。
なお、本実施の形態では、基材(2)に光輝性を有するインキで凸状の画線群を形成した例で説明したが、光輝性を有する基材表面に、配列方向の異なる凸状の画線構造を形成することができれば、エンボス加工やレーザ加工等の基材表面自体を加工する方法により画像部(3)及び背景部(4)を形成しても本発明の効果を得ることができる。
図4は、輪郭部(5)を説明するための図である。本実施の形態における輪郭部(5)は、画像部(3)及び背景部(4)が隣接して形成された場合の例であり、画像部(3)を形成する凸画線群と背景部(4)を形成する凸画線群上に、凸画線を形成した光輝性を有するインキと同系色で、かつ、光反射性の低いインキによって形成される。なお、輪郭部(5)を形成するインキは、凸状の画線群を形成する光輝性を有するインキが透明インキである場合、透明で、かつ、光反射性の低いマットインキを用いればよく、銀インキ等のメタリックインキにより凸画線を形成した場合、銀インキと同系色で、かつ、光反射性の低い灰色インキとすればよい。
輪郭部(5)は、画像部(3)及び背景部(4)を形成する画線ピッチ(P)と同じ幅から5倍程度の幅で形成することが好ましく、更に好ましくは1〜3倍程度の画線幅(T)で形成する。画像部(3)及び背景部(4)を形成している画線ピッチ(P)より小さいと、潜像画像(7)の輪郭として強調される領域が小さいため、潜像画像(7)の視認性を向上させることができない。また、5倍以上の幅で形成された場合、潜像領域(6)を真上方向から観察した場合でも画像部(3)及び背景部(4)上に形成された輪郭部(5)が確認されるため、画像部(3)を潜像化できなくなるおそれがあるためである。
また、輪郭部(5)を形成する位置は、図5(a)に示すように、輪郭部(5)を形成する画線の中心が、画像部(3)及び背景部(4)が隣接する位置に一致するように画像部(3)及び背景部(4)の双方上に形成しても、図5(b)に示すように、画像部(3)の輪郭部分のみに形成しても、図5(c)に示すように、背景部(4)の輪郭部分のみに形成しても潜像画像(7)を強調して視認させる効果を得ることができるが、図5(b)の画像部(3)の輪郭部分のみに形成される構成が最も背景部(4)との濃度差を生じるため、好ましい形態である。
図6は、本実施の形態の情報担持体(1)における潜像画像(7)の観察状態を示すものである。図6(a)に示す、潜像領域(6)を真上から観察した場合、すなわち、L1の方向から観察した場合には、画像部(3)を形成している凸状の画線群、背景部(4)を形成している凸状の画線群及び輪郭部(5)を形成している画線は等色として視認されるため、潜像画像(7)は視認されない。
一方、図6(b)に示すように潜像領域(6)を傾けて観察した場合、すなわち、L2の方向から観察した場合は、背景部(4)に形成された凸状の画線群から強い反射光を生じるため、明るい色として観察されるが、画像部(3)を形成している画線群は、観察方向に対して光を強く反射しないため、画像部(3)と背景部(4)に濃度差が生じ、さらには、画像部(3)及び背景部(4)の隣接部分に形成された輪郭部(5)は、光の反射量の低いインキによって形成されているため、更に反射光量が抑えられ、明度の低い状態として視認される。これにより、明度の低い輪郭部(5)によって強調された潜像画像(7)により、確実に真偽判別することができる。
なお、本発明の潜像領域(6)における画像部(3)及び背景部(4)は、凸画線群を異なる方向に沿って形成することが必須の構成要件であるが、画像部(3)内及び/又は背景部(4)内に形成される凸状の画線の配列角度を異ならせる、すなわち、特許第4395586号公報で開示された段階的に配列角度を異ならせる構成や、特許第4461230号公報で開示される濃度に応じた配列角度とすることも可能であり、相対的に画像部(3)及び背景部(4)に形成された画線群と反射光量が異なる輪郭部(5)を形成すれば、本発明の効果を得ることができ、本発明の範囲内である。
(実施例1)
図7は、実施例1におけるセキュリティ印刷物(A)を示すものであり、基材(2)上に画像部(3)、背景部(4)及び輪郭部(5)を有する潜像領域(6)、料額(8)、地紋印刷部(9)及び情報領域(10)が形成された商品券タイプのセキュリティ印刷物(A)である。
潜像領域(6)における画像部(3)及び背景部(4)を形成する凸状の画線群は、特許第5787317号公報に記載のパール顔料を有する紫外線硬化型の光彩色パールインキを用い、スクリーン印刷方式により透明な凸画線群を形成した。画像部(3)を形成する凸状の画線群は、基材(2)の短辺方向、すなわち、図7に示すY方向に沿って形成し、背景部(4)は、基材(2)の長辺方向、すなわち、図7に示すX方向に沿って形成した。
図8は、実施例1のセキュリティ印刷物(A)における潜像領域(6)を拡大したものであり、画像部(3)及び背景部(4)は、各々の輪郭部分が隣接するように形成し、各々、凸状の画線群を形成する画線ピッチ(P)を200μm、画線幅(T)を100μmの画線で形成した。
図9は、潜像領域(6)における輪郭部(5)を示すものである。輪郭部(5)は、潜像領域(6)を真上方向から観察した場合、すなわち、図6(a)に示すL1方向から観察した場合に画像部(3)及び背景部(4)を形成したインキと等色として視認させる必要があるため、透明で、かつ、光反射性の低いマットインキを用い、画像部(3)及び背景部(4)が隣接する部分上にオフセット印刷方式により印刷した。輪郭部(5)を形成する位置は、画像部(3)の輪郭部分のみに形成する構成とした。
図10は、実施例1のセキュリティ印刷物(A)における潜像領域(6)を観察した状態を示すものである。図10(a)に示すように、セキュリティ印刷物(A)を真上方向、すなわち、図10(a)に示すL1方向から観察した場合、画像部(3)及び背景部(4)を形成する凸状の画線群からの反射光量は低いため、同一のインキ、画線ピッチ及び画線幅で形成された画像部(3)及び背景部(4)は、等色として視認され、区別することはできない。さらに、輪郭部(5)についても、透明のマットインキによって形成されているため、区別して視認されることはなく、結果としてフラットな一様の状態として観察される。
図10(b)は、セキュリティ印刷物(A)を傾けて観察した場合、すなわち、図10(b)に示すL2方向から観察した場合に、X方向に沿って形成された凸状の画線群から成る背景部(4)からの反射光量が最も高くなり、Y方向に沿って形成された凸状の画線群から成る画像部(3)からの反射光量は、非画線部の存在により抑えられ、さらには、輪郭部(5)の画線は、光反射性が低いインキで形成されているため、最も暗い色として視認される。これにより、輪郭部(5)によって強調された潜像画像(7)を視認することができる。
なお、実施例1では、光輝性を有する凸状の画線群によって形成された画像部(3)及び背景部(4)が隣接する部分に光反射性の低いインキをオフセット印刷方式により形成した例で説明したが、光反射性の低い領域を形成できれば、フレキソ印刷、グラビア印刷及びインクジェット印刷方式等の他の印刷方式を用いることや、凸状の画線群が形成された輪郭部分の表面形状をレーザ等で破壊し、反射光量の低い領域を形成しても本発明と同様の効果を得ることができる。
(実施例2)
次に、本発明における二つ目の実施例について説明するが、実施例2におけるセキュリティ印刷物(A)における画像部(3)及び背景部(4)の構成については、実施例1と同様であるため、説明を省略する。
図11は、実施例2の潜像領域(6)を示すものであり、実施例1のセキュリティ印刷物(A)と同様のパール顔料を有する紫外線硬化型インキにより凸状の画線群を有する画像部(3)と背景部(4)を近接して配置した。
図12は、実施例2の潜像領域における輪郭部(5)の構成を示すものであり、画像部(3)及び背景部(4)を近接して配置、すなわち、光輝性を有するインキで形成した凸状の画線群を有する画像部(3)と背景部(4)の間に空隙領域を設けることで、光反射性の低い輪郭部(5)を形成したものである。輪郭部(5)は、画像部(3)及び背景部(4)を形成する画線ピッチ(P)である200μmの3倍である600μmとして形成した。
実施例2では、潜像領域(6)が形成された下層部分に地紋印刷が施されているため、潜像領域(6)を真上方向、すなわち、L1方向から観察した場合、画像部(3)及び背景部(4)を形成したパール顔料を有するインキを透過して下地の地紋印刷が観察される。そのため、輪郭部(5)を含め、潜像画像(7)は視認されず、下地の地紋印刷のみが観察されることとなる。
一方、潜像領域(6)を傾けて観察、すなわち、L2方向から観察した場合、X方向に沿って形成された凸画線群からの反射光量が最も高くなることで背景部(4)の明度が高い状態として観察され、画像部(3)は、Y方向に沿って形成された凸画線群からの反射光量が非画線部の存在により抑えられることで背景部(4)よりも明度が低い状態として観察され、さらには、輪郭部(5)は、凸画線群が形成されていないため、最も明度が低い状態として観察される。これにより、輪郭部(5)によって強調された潜像画像(7)を視認することができる。
なお、実施例2では、輪郭部(5)を空隙領域として基材(2)表面又は下地の印刷画線が露出した状態とした構成であるが、図13に示すように、実施例1で用いた光反射性の低いマットインキ等により、基材(2)上又は基材(2)上に形成された印刷画線上(図示せず)に低反射層(11)を形成し、その低反射層(11)上に空隙領域を有する画像部(3)及び背景部(4)を形成することで、光反射性を抑えた輪郭部(5)、すなわち、図13のY1−Y2断面図に示す低反射層の表面を露出させた輪郭部(5)を形成することができる。この場合、潜像領域(6)を形成する基材(2)表面の平滑性が向上するため、印刷適性を向上させることができる。また、光反射性の高い基材(2)を用いた場合であっても光反射性の低い空隙領域を形成することができることから、基材選択の自由度を向上することができる。
また、図13に示す下地層に光輝性の高い下地層を形成し、その印刷層状に画像部(3)及び背景部(4)を加刷することで反射光量が最も多い輪郭部(5)を形成し、背景部(4)を光の反射光量が低いY方向に沿って配列した凸画線群で形成し、画像部(3)をX方向に沿って配列した凸画線群で形成することで、反射光量の低い背景部(4)の中に、強い光を反射する輪郭部(5)によって強調された潜像画像(7)を視認される構成とすることもできる。
(実施例3)
次に、本発明における三つ目の実施例について説明するが、画像部(3)及び背景部(4)を形成する凸画線群の構成については、実施例1及び2と同様であるため、説明を省略する。
図14は、実施例3の潜像領域(6)を示すものであり、実施例1及び2と異なる点は、画像部(3)及び背景部(4)を形成した光輝性を有する凸状の画線群によって輪郭部(5)を形成した点である。図14(b)は画像部(3)、図14(c)は背景部(4)、図14(d)は輪郭部(5)を示したものであり、背景部(4)を形成した凸状の画線群の配列角度と、輪郭部(5)を形成した凸状の画線群の配列角度は直交する関係、すなわち、背景部(4)に形成する凸画線群の配列角度を0°とした場合、輪郭部(5)は、90°で配置し、画像部(3)は、その中間である45°の角度により凸画線群を配列させて形成した。
なお、潜像画像(7)の好ましい形態としては、背景部(4)を形成する画線が最も明度の高い状態として視認され、輪郭部(5)が最も明度の低い状態として観察される構成であるが、画像部(3)については、背景部(4)を形成した凸状の画線群の配列角度から、輪郭部(5)を形成した凸状の画線群の配列角度までの範囲内であれば、特許第4395586号公報で開示された段階的に配列角度を異ならせる構成や、特許第4461230号公報で開示される濃度に応じた配列角度とすることも可能であり、相対的に背景部(4)に対して輪郭部(5)が強調される構成とすれば、本発明の効果を得ることができ、本発明の範囲内である。
図15は、実施例3の潜像領域(6)を観察した状態を示すものである。潜像領域(6)を真上方向、すなわち、図15(a)に示すL1の方向から観察した場合、画像部(3)、背景部(4)及び輪郭部(5)に形成した凸画線群は、同一のインキ、画線ピッチ(P)及び画線幅(T)で形成されているため、潜像画像(7)は視認されず、透明な凸画線を透過した下地層が観察される。
一方、潜像領域(6)を傾けて観察、すなわち、図15(b)に示すL2の方向から観察した場合、0°方向に沿って凸状の画線群を形成した背景部(4)は、最も光を強く反射することで明度の高い状態として視認され、90°の方向に沿って凸画線群を形成した輪郭部(5)は、凸状の画線群が形成されていない領域、すなわち、非画線部からは光を強く反射しないため、潜像領域(6)の中で最も明度が低い状態として観察され、45°の方向に沿って凸状の画線群を形成した画像部(3)は、背景部(4)と輪郭部(5)の中間の明度で観察される。これにより、潜像画像(7)の輪郭が強調されるため、観察環境や下地印刷等に影響されることなく、潜像画像(7)を視認することができる。よって、従来技術と比較して、確実な真偽判別手段として用いることができた。
なお、実施例3では、背景部(4)と輪郭部(5)に形成する凸状の画線群の配列角度を最も異なる方向で形成したが、画像部(3)と輪郭部(5)の配列角度を最も異なる角度で形成し、背景部(4)をその中間付近で形成しても同様の効果が得られる。
また、説明上、輪郭部(5)の配列角度を90°で配列した例で説明したが、印刷適性等を考慮し、±5°程度の角度差を設けることが好ましい。この場合、背景部(4)の配列角度は90°のままとしてもよいし、輪郭部(5)の凸画線群を配列する角度に合わせて直交する方向として設定することで、背景部(4)と輪郭部(5)の反射光量の差を確保できるため、好ましい形態である。
1 情報担持体
2 基材
3 画像部
4 背景部
5 輪郭部
6 潜像領域
7 潜像画像
8 料額
9 地紋印刷部
10 情報領域
11 低反射層
A セキュリティ印刷物
L1 観察方向
L2 観察方向
P 画線ピッチ
T 画線幅

Claims (4)

  1. 基材の少なくとも一部に潜像領域を有し、前記潜像領域には、光輝性を有する第1のインキによって形成された画像部、前記画像部と隣接する背景部及び前記画像部を囲む輪郭部を有し、前記画像部は、第1の方向に沿って規則的に一定のピッチで配列された凸状の画線群が形成され、前記背景部は、前記第1の方向と異なる第2の方向に沿って前記一定のピッチで配列された凸状の画線群が形成され、前記輪郭部は前記画像部と前記背景部の隣接部分における前記画像部及び/又は前記背景部に重なる位置上に前記第1のインキと同系色で、かつ、前記第1のインキより光反射性の低い第2のインキによって形成され、前記基材を真上から観察した場合、前記画像部、前記背景部及び前記輪郭部は等色として視認され、前記基材を傾けて観察した場合、前記画像部、前記背景部及び前記輪郭部からの光の反射量が異なることで、前記輪郭部によって強調された前記画像部が潜像画像として視認されることを特徴とする真偽判別可能な情報担持体。
  2. 基材の少なくとも一部に潜像領域を有し、前記潜像領域には、光輝性を有する第1のインキによって形成された画像部及び背景部と、前記画像部及び前記背景部隣接する位置に前記画像部を囲む輪郭部を有し、前記画像部は、第1の方向に沿って規則的に一定のピッチで配列された凸状の画線群が形成され、前記背景部は、前記第1の方向と異なる第2の方向に沿って前記一定のピッチで配列された凸状の画線群が形成され、前記輪郭部は、前記画像部及び前記背景部の間に前記凸状の画線群が形成されない空隙領域によって形成され、前記基材を真上から観察した場合、前記画像部、前記背景部及び前記輪郭部は等色として視認され、前記基材を傾けて観察した場合、前記画像部、前記背景部及び前記輪郭部からの光の反射量が異なることで、前記輪郭部によって強調された前記画像部が潜像画像として視認されることを特徴とする真偽判別可能な情報担持体。
  3. 基材の少なくとも一部に潜像領域を有し、前記潜像領域には、光輝性を有する第1のインキによって形成された画像部及び背景部と、前記画像部及び前記背景部隣接する位置に前記画像部を囲む輪郭部を有し、前記画像部は、第1の方向に沿って規則的に一定のピッチで配列された凸状の画線群が形成され、前記背景部は、前記第1の方向と異なる第2の方向に沿って前記一定のピッチで配列された凸状の画線群が形成され、前記輪郭部は、前記第1のインキによって前記第1の方向及び前記第2の方向と異なる第3の方向に沿って前記一定のピッチで配列された凸状の画線群によって形成され、前記基材を真上から観察した場合、前記画像部、前記背景部及び前記輪郭部は等色として視認され、前記基材を傾けて観察した場合、前記画像部、前記背景部及び前記輪郭部からの光の反射量が異なることで、前記輪郭部によって強調された前記画像部が潜像画像として視認されることを特徴とする真偽判別可能な情報担持体。
  4. 前記第3の方向は、前記第1 の方向又は前記第2 の方向と直交する方向であることを特徴とする請求項3記載の真偽判別可能な情報担持体。
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