添付図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。可能な場合には、同一の部分には同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
図1は、本実施形態のリスク推定装置100の機能構成を示すブロック図である。図に示されるとおり、リスク推定装置100は、特徴量取得部101(特徴量生成部)、リスク対応度算出部102、リスク推定モデル構築部103、リスク推定部104、および記憶部105を含んで構成されている。記憶部105は、ユーザ情報DB105a、外部情報DB105b、リスク情報DB105c、リスク推定モデル105d、特徴量DB105e、およびリスク対応度付き特徴量DB105fを記憶している。記憶部105は、ユーザ情報記憶部および外部情報記憶部との役割を有する。
特徴量取得部101は、ユーザ情報DB105aからユーザ情報を、外部情報DB105bから外部情報を取得して、特徴量を生成して取得する部分である。特徴量取得部101は、ユーザ情報と外部情報とを組み合わせることで、外部情報が持つ意味を考慮したうえで特徴量を抽出する。
例えば、特徴量取得部101は、以下の処理を行う。特徴量取得部101は、抽出したユーザの位置情報と外部情報とを、日時と地域をキーにして紐付ける。特徴量取得部101は、位置情報から、「どの地域に、どの日時に、どの位の時間外出していたか」を算出し、当該地域、当該日時における外部情報が示す値(例えば、積雪有りなら1、積雪無しなら0、等)とを掛け合わせる。この積を任意の地域、任意の日時ごとに求めることで、特徴量を算出することができる。特徴量取得部101は、以下の例示では、積雪時に外出していた合計時間を算出する。
算出式:Σ外出時間ij×積雪の有無ij(i:地域、j:日時)
特徴量取得部101は、時間経過にともない繰り返し実行し、所定時間ごとに特徴量を取得する。
図2は、特徴量取得部101により取得された特徴量を記述する特徴量DB105eを示す図である。図2に示されるとおり、この特徴量DB105eは、人物識別子、日時、特徴量1、および特徴量2などを記述している。日時は、特徴量が取得された時間情報を示す。特徴量1および特徴量2は、リスクの要因となりうる情報(リスク要因)をそれぞれ数値化した情報である。なお、特徴量1および特徴量2のみに限らず、特徴量取得部101は、ユーザ情報及び外部情報から、そのほかの特徴量を取得することができる。
リスク対応度算出部102は、ユーザのリスク対応度を算出する部分である。リスク対応度は、ユーザがリスクにどれだけ対応できるかを示す情報であり、例えば、ユーザの経験度またはリスク感知度などである。経験度は、リスクの要因となる状態に対するユーザの経験に基づいた情報である。リスク感知度は、ユーザが保有する将来のリスクに関する知識に基づいた情報である。具体的な内容については後述する。
リスク対応度算出部102は、ユーザの経験度を算出する場合は、以下の処理を行う。この経験度は、抽出した特徴量の変化に着目した情報である。すなわち、リスク対応度算出部102は、特徴量の推移を表した過去の時系列データから、「現時点の特徴量の値を観測する状況と似た状況に過去に遭遇したことがあるか」を示す経験度を算出する。
リスク対応度算出部102は、経験度の算出方法として、現時点の所定の特徴量の値と、過去の当該特徴量の値とを比較し、類似度を算出する。具体的な経験度の算出方法として、現時点の所定の特徴量と、1期前の当該特徴量との差または比を経験度とする。算出方法は、現時点の特徴量および任意の過去の特徴量を比較して経験度を算出する方法であれば、任意の方法で良い。
現時点の特徴量と、1期前から5期前の特徴量の平均との差または比を用いても良いし、過去一定期間の中に現時点の特徴量の値と似た値を観測しているかどうかで判断してもよい。また、時間経過に伴い過去の経験が失われると仮定し、時間経過に応じた補正を考慮した上で、経験度を算出してもよい。
ここで特徴量について、具体的な事例を交えて説明する。特徴量1は、ユーザ情報と外部情報を基に算出された、天候が雪であるときの外出時間とする。また、比較対象を、1期前から5期前の天候が雪であるときの外出時間の平均とする。
そして、リスク対応度算出部102は、天候が雪である時の外出時間の時系列情報に基づいて、比較対象である過去の特徴量との類似度を算出し、経験度を算出する。本実施形態においては、過去の平均外出時間(天候:雪)と、現時点の外出時間(天候:雪)との比較に基づいて、類似度を算出するが、これに限るものではない。
また、リスク対応度算出部102は、抽出した特徴量に関係する予備知識の有無に着目し、リスク感知度を算出することでリスク対応度を算出してもよい。リスク対応度算出部102は、過去のユーザ情報を参照し、リスク感知度を算出する。リスク感知度は、「将来の自身の状況がリスク増大に繋がり得ると知っていたか」を示す指標である。例えば、現時点で雪が降っている時に、昨日の時点で明日雪が降ることを知っていたかどうか、などが挙げられる。
リスク感知度算出に用いる情報の一つとして、天気情報やニュース情報等の情報に対するアクセスの有無が挙げられる。
リスク対応度算出部102は、ある特徴量のリスク感知度を算出する際には、特徴量が観測された時点から過去のユーザの当該特徴量に関係する情報を参照する。例えば、n日の時点における「一日の中で積雪時に外出していた時間」に対するリスク感知度は、n日時点より以前の予報でn日の積雪を知っていたかどうかである。リスク感知度の具体的な算出方法としては、既知であった場合には1、既知でなかった場合には0とする。なお、必ずしも1/0である必要は無い。例えば、スキーに関して数多く検索をした場合、検索回数に応じてリスク感知度も高いと考えられる。そのようなことを考慮すると、リスク感知度は、段階的に設定されてもよい。また、算出方法は、現時点の特徴量および過去のユーザの当該特徴量に関係する情報を参照してリスク感知度を算出する方法であれば、任意の方法で良い。
リスク対応度算出部102は、リスク感知度算出に用いる情報として、スケジュール情報または予約情報などの将来の予定に関する情報を利用してもよい。例えば、スケジュール情報等から旅行の予定が事前に入っていることが予想できる場合、ユーザはあらかじめリスク増大に繋がり得る状況に将来なることを理解していたと想定できるため、そのユーザのリスク感知度は1となる。
例えば、特徴量が、天候が雪の状態に外出していることを示していたとして、スケジュール情報等から、スキーに行くという情報が予想できる場合、天候が雪の状態で外出することのリスクをユーザは事前に感知していたと予想できる。なお、どのスケジュール情報または予約情報が、どの特徴量と関係があるかを定義する際には、スケジュール情報または予約情報から、当該スケジュール情報または予約情報がどのカテゴリに属する情報かを判別し、リスク感知度を算出する特徴量に当該カテゴリが属しているかで判断しても良い。
図3は、経験度およびリスク感知度を含んだリスク対応度付き特徴量DB105fを示す図である。図に示されるとおり、リスク対応度付き特徴量DB105fは、特徴量ごとに、リスク対応度についての特徴量が紐付けられている。例えば、このデータベースは、特徴量1に加えて、特徴量1に対する経験度、特徴量1に対応するリスク感知度を対応付けて記述している。
本実施形態においては、特徴量1は、積雪時の外出時間、特徴量の経験度は、過去の積雪時の外出時間に基づく類似度、リスク感知度は、雪にまつわる情報へのアクセスの有無からそれぞれ算出される。
リスク推定モデル構築部103は、特徴量、経験度、リスク感知度、およびリスク情報に基づき、リスク推定モデルを構築する部分である。リスク推定モデル構築部103は、所定の特徴量と、当該特徴量にかかるリスク対応度算出部102で算出された経験度またはリスク感知度の少なくともいずれかが付与された情報に対して、人物識別子と日時識別子とをキーとしてリスク情報を紐付け、両者の関係性を任意の学習アルゴリズムで学習する。
学習は、一般的な教師有り学習であり、リスク対応度が紐付けられた各特徴量(リスク対応度付き特徴量)を説明変数とし、リスク情報を目的変数として、学習が行われる。
リスク情報は、複数種類存在してもよく、その場合には、リスク推定モデル構築部103は、各リスクを推定するモデルを構築する。
また、リスク情報は、事前に定められた情報である。本実施形態においては、例として交通に対するリスクを定めている。リスク情報は、例えば事故の有無などを想定しており、交通に関係するリスクを算出する場合には、交通事故に遭った回数などが考えられる。図4は、リスク推定モデル構築処理の模式図である。図に示されるとおり、リスク対応度が付加された特徴量(リスク対応度付き特徴量)を説明変数とし、そのリスク情報を目的変数として、リスク推定モデルが構築される。
リスク推定部104は、リスク対応度算出部102により算出されたリスク対応度を含んだリスク対応度付き特徴量を入力すると、リスク推定モデル105dを適用して、そのユーザ情報に対応する推定リスクを出力する部分である。また、リスク情報を用いずに任意の算出ルールに基づき、リスクを推定してもよい。
ユーザ情報DB105aは、ユーザ情報を記述するデータベースである。ユーザ情報は、ユーザの人物識別子、日時、位置情報、サービス利用情報等である。本実施形態では天気予報等のサービスの利用情報や、そのユーザの行動の予定を示すスケジュール情報や予約情報等も含めてもよい。
外部情報DB105bは、外部情報を記述するデータベースである。外部情報は、例えば各地域における天候を示す情報であり、地域、日時、天候を対応付けた情報である。
リスク情報DB105cは、ユーザごとのリスク情報を記述するデータベースである。このリスク情報DB105cのリスク情報は、リスク推定モデルを構築するために、教師信号として用いられる。リスク情報は、人物識別子、日時、各リスク(交通リスク、病気リスクなど)を対応付けている。
リスク推定モデル105dは、リスク推定モデル構築部103により構築されたリスク推定モデルである。リスク推定部104は、リスク推定処理時においては、このリスク推定モデル105dを参照して、リスク対応度付き特徴量からユーザのリスクを推定する。
つぎに、このように構成されたリスク推定装置100の処理について説明する。図5は、リスク推定装置100における特徴量取得処理を示すフローチャートである。
特徴量取得部101は、ユーザ情報および外部情報をそれぞれ、ユーザ情報DB105aおよび外部情報DB105bから取得する(S101)。そして、特徴量取得部101は、ユーザ情報および外部情報を、地域および日付をキーに紐付ける(S102)。そして、特徴量取得部101は、ユーザ情報および外部情報から、特徴量を取得する(S103)。特徴量取得部101は、取得した特徴量を特徴量DB105e(図2参照)に記述する(S104)。例えば、図2に示される特徴量DBにおいて、例えば、特徴量1は、ユーザが雪の日に外出していた時間を示す。
このような処理に従って図2に示される特徴量DB105eに特徴量が格納される。この特徴量DB105eは、記憶部105に記憶される情報であるが、特徴量取得部101が内部に保持しているものとしてもよい。
つぎに、リスク対応度算出部102の処理について説明する。図6は、リスク対応度算出部102の経験度算出処理を示すフローチャートである。リスク対応度算出部102は、特徴量DB105eを参照して、現在の特徴量と、過去の特徴量とを取得する(S201)。リスク対応度算出部102は、現在の特徴量と、過去の特徴量とを比較し、類似度を算出する(S202)。
リスク対応度算出部102は、算出した類似度を経験度として、リスク対応度付き特徴量DB105f(図3)に特徴量と対応付けて記憶する(S203)。
また、リスク対応度算出部102は、リスク感知度も経験度とは別に算出する。なお、リスク感知度または経験度の何れかを算出すればよい。図7は、リスク感知度の算出処理を示すフローチャートである。
リスク対応度算出部102は、特徴量DBを参照して、特徴量を取得する(S301)。例として、この特徴量は、天候が雪である時の外出時間を示している。リスク対応度算出部102は、当該特徴量に対する事前知識の有無を判断する(S302)。事前知識の有無の判断は、あらかじめ定められたサービスの利用情報や、スケジュール情報等で判断する。例えば、リスク対応度算出部102は、ユーザ情報DB105aを参照して、ユーザ情報のうちのサービス利用情報から、所定期間内において特定のサービスを利用していたか否かなどを判断することにより、事前知識の有無を判断する。
リスク対応度算出部102は、事前知識の有無を、リスク感知度として、リスク対応度付き特徴量DB105f(図3)に特徴量と対応付けて記憶する(S303)。
つぎに、図8を用いて、リスク推定モデルの更新処理について説明する。図8は、リスク推定モデルの更新処理を示すフローチャートである。リスク推定モデル構築部103は、リスク対応度付き特徴量DB105fおよびリスク情報DB105cを参照して、それぞれリスク対応度付き特徴量およびリスク情報を取得する(S401)。リスク推定モデル構築部103は、リスク対応度付き特徴量を説明変数とし、リスク情報を目的変数として、教師あり学習による学習処理を行い、リスク推定モデルを構築する(S402)。そして、リスク推定モデル構築部103は、リスク推定モデル105dを更新する(S403)。このリスク推定モデルの更新処理は、定期的に行わる。
つぎに、このように構築されたリスク推定モデルを用いた推定処理について説明する。図9は、推定処理を示すフローチャートである。リスク推定部104は、リスク対応度付き特徴量DB105fからリスク対応度付きの特徴量を取得する。(S501)、リスク対応度付きの特徴量をリスク推定モデル105dに入力し、その推定結果を取得する(S502)。リスク推定部104は、推定したリスクを記憶部105の推定リスクテーブル(図示せず)に記憶する(S503)。
つぎに、本実施形態のリスク推定装置100の作用効果について説明する。このリスク推定装置100は、ユーザのユーザ情報を記憶するユーザ情報DB105aと、ユーザ情報に基づいてユーザのリスク対応度を示すリスク対応度付き特徴量を生成する特徴量取得部101と、リスク対応度付き特徴量に基づいてユーザのリスクを推定するリスク推定部104と、を備える。
この構成により、リスク推定装置100は、ユーザの対応度を考慮したリスクを推定することができる。したがって、リスクの要因をより細分化した上でのリスク分析を可能にする。
また、リスク推定装置100は、外部情報を記憶する外部情報DB105bをさらに備え、特徴量取得部101は、外部情報をさらに考慮して、リスク対応度付き特徴量を生成して取得する。
外部情報を用いる場合、リスク要因をより細分化することができる。すなわち、細分化されたリスク要因から学習処理もしくはルールベースにより高精度にリスクを推定できる。例えば、外出時間からリスクを推定する場合と比べた場合、外部情報をさらに考慮することで、外出時間の中でも特に積雪時の外出時間を捉えられるようになり、リスク要因をより細分化した上でリスクを推定できる。このリスク推定装置100において、外部情報は、時系列情報ごとに、位置を示す位置情報および当該位置における状態情報を示し、ユーザ情報は、時系列情報ごとに、位置を示す位置情報を示し、特徴量取得部101は、位置情報に応じた状態情報に基づいて、特徴量を生成する。
この構成により、ユーザのリスク要因を的確に導出することができる。なお、本実施形態においては、必ずしも外部情報は必要ではない。ユーザ情報だけからユーザのリスク対応度を示すリスク対応度付き特徴量を生成することも可能である。例えば、特徴量取得部101は、ユーザ情報の位置情報から外出時間を判断することができ、その外出時間に基づいてリスク対応度付きの特徴量を生成することが可能である。
また、リスク推定装置100において、特徴量取得部101は、は、ユーザ情報から特徴量を生成し、当該特徴量の変化に基づいて、リスク対応度付き特徴量を生成する。リスク推定部104は、リスク対応度付き特徴量に基づいてリスクを推定する。
特徴量の変化が大きい、すなわち、経験度が低いユーザは、経験度が高い人物と比べて、リスクが大きくなると想定できる。例えば、今まで積雪時に出歩いていなかったユーザaと、普段から積雪時に出歩いているユーザbがいたとする。この場合、積雪が発生した際のリスクは、ユーザaは、過去の経験または知識を有していないため、同じ時間だけ出歩いた場合には、ユーザbよりユーザaが、そのリスクが高くなると推定できる。
また、このリスク推定装置100において、特徴量取得部101は、ユーザ情報からユーザが将来の当該ユーザ自身のリスクに関する知識を保有していたかを示すリスク感知度を抽出し、当該リスク感知度に基づいて、リスク対応度付き特徴量を生成する。
そして、リスク推定部104は、リスク対応度付き特徴量に基づいて、リスクを推定する。“ユーザが将来のユーザ自身のリスクに関する知識を保有している”ことは、例えば、サービス利用情報に基づいて判断可能である。
例えば、積雪があることを知っていた上で外出していたユーザaと、積雪があることを知らずに外出していたユーザbでは、ユーザaは事前に積雪に対する準備ができているため、ユーザaよりユーザbの方が、リスクが高くなると想定できる。
なお、このリスク推定装置100において、リスク推定部104は、リスク対応度付き特徴量と、各ユーザに対する実際のリスクを示した学習用リスクとに基づいて構築されたリスク推定モデル105dを用いる。このリスク推定モデル105dは、リスク推定モデル構築部103により構築された学習モデルである。リスク対応度付き特徴量は、ユーザ情報などから取得され、これを説明変数とする。リスクは、事前に定められたルールに従って、ユーザごとに導出され、これを目的変数とする。このような情報に基づいてリスク推定モデルが構築される。
また、リスク情報を用いずに任意の算出ルールに基づき、リスクを推定してもよい。例えば、特徴量と当該特徴量にかかる経験度またはリスク感知度とを基に、リスクを算出しても良い。この時、経験度とリスク感知度とに応じた補正を考慮しても良い。
上記実施形態の説明に用いたブロック図は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及びソフトウェアの少なくとも一方の任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現方法は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的又は論理的に結合した1つの装置を用いて実現されてもよいし、物理的又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的又は間接的に(例えば、有線、無線などを用いて)接続し、これら複数の装置を用いて実現されてもよい。機能ブロックは、上記1つの装置又は上記複数の装置にソフトウェアを組み合わせて実現されてもよい。
機能には、判断、決定、判定、計算、算出、処理、導出、調査、探索、確認、受信、送信、出力、アクセス、解決、選択、選定、確立、比較、想定、期待、見做し、報知(broadcasting)、通知(notifying)、通信(communicating)、転送(forwarding)、構成(configuring)、再構成(reconfiguring)、割り当て(allocating、mapping)、割り振り(assigning)などがあるが、これらに限られない。たとえば、送信を機能させる機能ブロック(構成部)は、送信部(transmitting unit)や送信機(transmitter)と呼称される。いずれも、上述したとおり、実現方法は特に限定されない。
例えば、本開示の一実施の形態におけるリスク推定装置100などは、本開示の推定モデル実行方法および推定モデル構築方法の処理を行うコンピュータとして機能してもよい。図10は、本開示の一実施の形態に係るリスク推定装置100のハードウェア構成の一例を示す図である。上述のリスク推定装置100は、物理的には、プロセッサ1001、メモリ1002、ストレージ1003、通信装置1004、入力装置1005、出力装置1006、バス1007などを含むコンピュータ装置として構成されてもよい。
なお、以下の説明では、「装置」という文言は、回路、デバイス、ユニットなどに読み替えることができる。リスク推定装置100のハードウェア構成は、図に示した各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
リスク推定装置100における各機能は、プロセッサ1001、メモリ1002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることによって、プロセッサ1001が演算を行い、通信装置1004による通信を制御したり、メモリ1002及びストレージ1003におけるデータの読み出し及び書き込みの少なくとも一方を制御したりすることによって実現される。
プロセッサ1001は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ1001は、周辺装置とのインターフェース、制御装置、演算装置、レジスタなどを含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)によって構成されてもよい。例えば、上述の特徴量取得部101、リスク対応度算出部102、リスク推定モデル構築部103、リスク推定部104などは、プロセッサ1001によって実現されてもよい。
また、プロセッサ1001は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュール、データなどを、ストレージ1003及び通信装置1004の少なくとも一方からメモリ1002に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、上述の実施の形態において説明した動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。例えば、特徴量取得部101、リスク対応度算出部102、リスク推定モデル構築部103、リスク推定部104などは、メモリ1002に格納され、プロセッサ1001において動作する制御プログラムによって実現されてもよく、他の機能ブロックについても同様に実現されてもよい。上述の各種処理は、1つのプロセッサ1001によって実行される旨を説明してきたが、2以上のプロセッサ1001により同時又は逐次に実行されてもよい。プロセッサ1001は、1以上のチップによって実装されてもよい。なお、プログラムは、電気通信回線を介してネットワークから送信されても良い。
メモリ1002は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、RAM(Random Access Memory)などの少なくとも1つによって構成されてもよい。メモリ1002は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)などと呼ばれてもよい。メモリ1002は、本開示の一実施の形態に係るリスク推定方法を実施するために実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールなどを保存することができる。
ストレージ1003は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、CD−ROM(Compact Disc ROM)などの光ディスク、ハードディスクドライブ、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu−ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリ(例えば、カード、スティック、キードライブ)、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップなどの少なくとも1つによって構成されてもよい。ストレージ1003は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。上述の記憶媒体は、例えば、メモリ1002及びストレージ1003の少なくとも一方を含むデータベース、サーバその他の適切な媒体であってもよい。
通信装置1004は、有線ネットワーク及び無線ネットワークの少なくとも一方を介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。通信装置1004は、例えば周波数分割複信(FDD:Frequency Division Duplex)及び時分割複信(TDD:Time Division Duplex)の少なくとも一方を実現するために、高周波スイッチ、デュプレクサ、フィルタ、周波数シンセサイザなどを含んで構成されてもよい。
入力装置1005は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、センサなど)である。出力装置1006は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカー、LEDランプなど)である。なお、入力装置1005及び出力装置1006は、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。
また、プロセッサ1001、メモリ1002などの各装置は、情報を通信するためのバス1007によって接続される。バス1007は、単一のバスを用いて構成されてもよいし、装置間ごとに異なるバスを用いて構成されてもよい。
また、リスク推定装置100は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアにより、各機能ブロックの一部又は全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサ1001は、これらのハードウェアの少なくとも1つを用いて実装されてもよい。
情報の通知は、本開示において説明した態様/実施形態に限られず、他の方法を用いて行われてもよい。例えば、情報の通知は、物理レイヤシグナリング(例えば、DCI(Downlink Control Information)、UCI(Uplink Control Information))、上位レイヤシグナリング(例えば、RRC(Radio Resource Control)シグナリング、MAC(Medium Access Control)シグナリング、報知情報(MIB(Master Information Block)、SIB(System Information Block)))、その他の信号又はこれらの組み合わせによって実施されてもよい。また、RRCシグナリングは、RRCメッセージと呼ばれてもよく、例えば、RRC接続セットアップ(RRC Connection Setup)メッセージ、RRC接続再構成(RRC Connection Reconfiguration)メッセージなどであってもよい。
本開示において説明した各態様/実施形態は、LTE(Long Term Evolution)、LTE−A(LTE-Advanced)、SUPER 3G、IMT−Advanced、4G(4th generation mobile communication system)、5G(5th generation mobile communication system)、FRA(Future Radio Access)、NR(new Radio)、W−CDMA(登録商標)、GSM(登録商標)、CDMA2000、UMB(Ultra Mobile Broadband)、IEEE 802.11(Wi−Fi(登録商標))、IEEE 802.16(WiMAX(登録商標))、IEEE 802.20、UWB(Ultra-WideBand)、Bluetooth(登録商標)、その他の適切なシステムを利用するシステム及びこれらに基づいて拡張された次世代システムの少なくとも一つに適用されてもよい。また、複数のシステムが組み合わされて(例えば、LTE及びLTE−Aの少なくとも一方と5Gとの組み合わせ等)適用されてもよい。
本開示において説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本開示において説明した方法については、例示的な順序を用いて様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
情報等は、上位レイヤ(又は下位レイヤ)から下位レイヤ(又は上位レイヤ)へ出力され得る。複数のネットワークノードを介して入出力されてもよい。
入出力された情報等は特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルを用いて管理してもよい。入出力される情報等は、上書き、更新、又は追記され得る。出力された情報等は削除されてもよい。入力された情報等は他の装置へ送信されてもよい。
判定は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真偽値(Boolean:true又はfalse)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
本開示において説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行うものに限られず、暗黙的(例えば、当該所定の情報の通知を行わない)ことによって行われてもよい。
以上、本開示について詳細に説明したが、当業者にとっては、本開示が本開示中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本開示は、請求の範囲の記載により定まる本開示の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本開示の記載は、例示説明を目的とするものであり、本開示に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。
また、ソフトウェア、命令、情報などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、有線技術(同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL:Digital Subscriber Line)など)及び無線技術(赤外線、マイクロ波など)の少なくとも一方を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び無線技術の少なくとも一方は、伝送媒体の定義内に含まれる。
本開示において説明した情報、信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
なお、本開示において説明した用語及び本開示の理解に必要な用語については、同一の又は類似する意味を有する用語と置き換えてもよい。例えば、チャネル及びシンボルの少なくとも一方は信号(シグナリング)であってもよい。また、信号はメッセージであってもよい。また、コンポーネントキャリア(CC:Component Carrier)は、キャリア周波数、セル、周波数キャリアなどと呼ばれてもよい。
本開示において使用する「システム」及び「ネットワーク」という用語は、互換的に使用される。
また、本開示において説明した情報、パラメータなどは、絶対値を用いて表されてもよいし、所定の値からの相対値を用いて表されてもよいし、対応する別の情報を用いて表されてもよい。例えば、無線リソースはインデックスによって指示されるものであってもよい。
上述したパラメータに使用する名称はいかなる点においても限定的な名称ではない。さらに、これらのパラメータを使用する数式等は、本開示で明示的に開示したものと異なる場合もある。様々なチャネル(例えば、PUCCH、PDCCHなど)及び情報要素は、あらゆる好適な名称によって識別できるので、これらの様々なチャネル及び情報要素に割り当てている様々な名称は、いかなる点においても限定的な名称ではない。
本開示で使用する「判断(determining)」、「決定(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含する場合がある。「判断」、「決定」は、例えば、判定(judging)、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、探索(looking up、search、inquiry)(例えば、テーブル、データベース又は別のデータ構造での探索)、確認(ascertaining)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、受信(receiving)(例えば、情報を受信すること)、送信(transmitting)(例えば、情報を送信すること)、入力(input)、出力(output)、アクセス(accessing)(例えば、メモリ中のデータにアクセスすること)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、確立(establishing)、比較(comparing)などした事を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。つまり、「判断」「決定」は、何らかの動作を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。また、「判断(決定)」は、「想定する(assuming)」、「期待する(expecting)」、「みなす(considering)」などで読み替えられてもよい。
「接続された(connected)」、「結合された(coupled)」という用語、又はこれらのあらゆる変形は、2又はそれ以上の要素間の直接的又は間接的なあらゆる接続又は結合を意味し、互いに「接続」又は「結合」された2つの要素間に1又はそれ以上の中間要素が存在することを含むことができる。要素間の結合又は接続は、物理的なものであっても、論理的なものであっても、或いはこれらの組み合わせであってもよい。例えば、「接続」は「アクセス」で読み替えられてもよい。本開示で使用する場合、2つの要素は、1又はそれ以上の電線、ケーブル及びプリント電気接続の少なくとも一つを用いて、並びにいくつかの非限定的かつ非包括的な例として、無線周波数領域、マイクロ波領域及び光(可視及び不可視の両方)領域の波長を有する電磁エネルギーなどを用いて、互いに「接続」又は「結合」されると考えることができる。
本開示において使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
本開示において、「含む(include)」、「含んでいる(including)」及びそれらの変形が使用されている場合、これらの用語は、用語「備える(comprising)」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本開示において使用されている用語「又は(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
本開示において、例えば、英語でのa, an及びtheのように、翻訳により冠詞が追加された場合、本開示は、これらの冠詞の後に続く名詞が複数形であることを含んでもよい。
本開示において、「AとBが異なる」という用語は、「AとBが互いに異なる」ことを意味してもよい。なお、当該用語は、「AとBがそれぞれCと異なる」ことを意味してもよい。「離れる」、「結合される」などの用語も、「異なる」と同様に解釈されてもよい。