JP6774596B2 - 電子機器の防水構造 - Google Patents
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Description
そして、組み立ての際に、パッキングの嵌合溝をシャーシの周リブに嵌合させると共に、ケース本体とシャーシとを、パッキングの延設部がシャーシの外側縁とケース本体の内面との間に挟み込まれるように組み付けることで防水効果を得るようになっている。
そのため、電子機器の筐体外形寸法に対し、そのスペースの分だけ周リブの対向内面間距離が短くなり、筐体に収容できる電子部品(例えば基板)のサイズを大きくしにくい、という点で改善の余地があった。
1) 電子機器の筐体を構成するケースと、
前記筐体内に配置されるシャーシと、
前記ケースと前記シャーシとの間に介在するパッキングと、
前記シャーシにおいて前記筐体の外形に沿って形成された周壁と、
前記ケースにおいて前記周壁の内側に前記周壁に囲われるように形成された周リブと、
を備え、
前記パッキングは、前記周リブに嵌合する周溝部を有する基部と、前記基部から外方に鍔状に延出した延出部と、を有し、
前記延出部は、前記基部の前記周溝部が形成された面における前記周溝部の開口縁よりも外側にずれた位置から前記周リブに沿って延出する立ち上がり部と、前記立ち上がり部から外方に延びる鍔部と、を有し、
前記基部は、前記周溝部が形成された前記面において前記開口縁と前記立ち上がり部の内面との間に段部を有し、
前記延出部が、前記周壁により前記周リブの根本側に押し込まれて、前記周壁に対して前記鍔部が第1の当接部で当接すると共に前記周リブの外側面に対し前記立ち上がり部が第2の当接部で当接するよう弾性変形している電子機器の防水構造である。
まず、無線機51の構成について、図1及び図2を参照して説明する。
図1は、無線機51の前面図であり、図2は、図1におけるS2−S2位置での組み立て断面図である。
上下前後左右の各方向は、説明のために便宜的に規定するものであり、無線機51及び各部品の使用姿勢及び取付姿勢などを限定するものではない。
無線機51は、使用者が筐体KTを把持できる携帯タイプである。
上ケース2は、断面形状がL字形状に成形され、前ケース1と組み合わされて前ケース1の上方と上後方の解放した部分とを塞ぐようになっている。
前ケース1及び上ケース2は、例えば樹脂の射出成形で形成される。
電子部品群4は、例えばプリント基板4a及び画像表示デバイス4b1とその駆動基板4b2とを含む画像表示ユニット4bである。
使用者は、保護グラス1aを通して、画像表示デバイス4b1に表示された画像を視認できる。
前ケース1の後面側の左右及び上下の縁部に近い位置には、後方に向け突出する周リブ1bが枠状に形成されている。周リブ1bの幅を、図2に示されるように幅dr1とする。
シャーシ3の縁部には、前方に延びる周壁3aが枠状に形成されている。
周壁3aは、前ケース1の周リブ1bに対して組み合わせたときに、周リブ1bの外側に位置して周リブ1bを取り囲むように形成されている。逆に言うならば、周リブ1bは、周壁3aの内側において周壁3aに囲まれるように形成されている。
すなわち、無線機51を組み立てるときに、シャーシ3の内側に電子部品群4が収められ、前ケース1とシャーシ3とが、両部材間にパッキング5を介在させて組み合わされ、上ケース2はシャーシ3及び前ケース1に対して組み付けられる。
前ケース1とシャーシ3との間に介在するパッキング5によって、前ケース1とシャーシ3とに囲まれた内部空間が、外部に対してシールされて防水状態とされる。
パッキング5は、柔軟性を有する材料(例えばシリコーンゴム)で枠状に形成されている。
図2〜図4に示されるように、パッキング5は、周溝部5a1を有する基部5aと、基部5aの外側前部から外方(図4では右方)へ全周に亘り鍔状に延出した延出部5bと、を有する。
周溝部5a1の幅d2は、周リブ1bの幅dr1とほぼ同じとされている。
立ち上がり部5b1は、後述のようにパッキング5を周リブ1bに嵌め込み取り付けた状態で、基部5aから周リブ1bに沿って延出する部分である。
換言するならば、立ち上がり部5b1は、周溝部5a1の開口縁よりも外側の位置から、周リブ1bに沿って延出している。
すなわち、立ち上がり部5b1の内面5b1aと溝内面5a1aとの間には、段部5cが形成されており、内面5b1aは、溝内面5a1aに対し外方に距離d1だけずれた位置に形成されている。
内面5b1aは、例えば、溝内面5a1aと平行な上下前後に延在する面として形成されている。
鍔部5b2は、その前面5b2aと後面5b2bとが、外側後方に向け概ね平行に傾斜して延び、一定の厚さの鍔状を呈する。
ただし、先端部は、前面5b2aが前方に傾斜し厚みが拡大した厚肉部5b2cが形成されている。
鍔部5b2の後面5b2bは、基部5aから離れるほど後方側に位置する平坦な傾斜面とされる。
厚肉部5b2cを形成しない場合、鍔部5b2の先端位置が、基部5aの前面5a3よりも後方側に位置し、パーティングラインPLを一平面上に設定することができなくなるので、厚肉部5b2cを設けることは好ましい。
各部品間の組み付けは、ねじ固定などの周知の組み付け技術が利用される。
各部品の組み合わせ作業では、予め前ケース1の周リブ1bに、パッキング5の周溝部5a1を嵌め込んでおく。その後、シャーシ3を前ケース1に組み付ける。これにより、パッキング5は、図5に示される挟持状態となる。
これにより、筐体KTの内部、すなわち、前ケース1とシャーシ3とが組み合わされた組み合わせ体の内部空間は、外部からの水や塵埃の進入が防止される。
すなわち、周壁3aの押し込みに伴う立ち上がり部5b1の変形は、段部5cの入隅部分である根本部5c1を起点に行われる。
従って、鋭角で形成された頂部P1が、鋭角を維持したまま周リブ1bの外側面1b1に狭い範囲で付勢当接する。
また、立ち上がり部5b1の変形形状が周方向において偏りなく安定化し、高度のシール性能が長期間維持される。
そのため、周壁3aに押し込まれた際の当接部P5は、いわゆる面当たりではなく、実質的に周方向に延びる線当たり(断面図では点当たり)となり、当接面積は大変小さくなる。
これにより、当接部P5において周壁3aに加わる応力が高くなりシール性が向上する。
この対応関係により、周溝部5a1を周リブ1bに嵌合させると、突起1b2は自ずと貫通孔5a5に進入して嵌合するようになっている。
すなわち、突起1b2と貫通孔5a5とからなる凹凸係合部KGを有している(図4〜図6参照)。
従って、貫通孔5a5と突起1b2との係合により、パッキング5のシール効果が周方向で偏りなく安定して発揮される。
これにより、筐体KTの内面と、シャーシ3の周壁3aの外面と、の間の内外方向のスペースは必要最小限で済む。
そのため、周壁3aは、筐体KTの外形により近い位置に配置することができ、その対向内面間距離を長く確保できる。
従って、シャーシ3の内部、換言するならば筐体KTの内部に収容できる電子部品群4のサイズをより大きくすることができる。
そのため、従来の、パッキングをケース本体の内側面とシャーシの外側面との間に挟み防水構造のように、ケース本体が外側に開く変形が生じない。
そのため、無線機51の筐体KTの側面に、使用者がスイッチ操作やコネクタ接続をするための開口部を設け、その開口部から内部に水などが進入しないようにする防水構造BK2を設けた場合に、そのシール性が高度に発揮維持される。
図7は、図1におけるS7−S7位置での断面図である。
図7における上部には、上述のパッキング5による防水構造BKが示されている。
開口部11aには、ゴムなどで形成されたキャップ12が着脱自在に嵌め込まれている。
開口部11aからは、プリント基板4aに実装された電子部品としてのジャック13が臨まれる。
すなわち、使用者は、キャップ12を取り外し、ジャック13に外部機器に接続されたコードのプラグを挿抜することができる。
また、孔14aにはジャック13が強嵌合されている。
これにより、キャップ12を外しても、サイドパッキング14によって前ケース1及びシャーシ3で囲まれた内部空間への外部から水などの進入が防止される。
そのため、防水構造BKは、筐体KTの側面の開口部11aに対応して設けられた防水構造BK2におけるサイドパッキング14のシール性能を低下させる虞はない。
すなわち、凹凸係合部KGは、周リブ1b側に形成された凹部と、その凹部に進入するようパッキング5の基部5a側に形成された凸部と、で構成してもよい。
1a 保護グラス、 1b 周リブ、 1b1 外側面
1b2 突起、 1c 後面
2 上ケース
3 シャーシ、 3a 周壁、 3a1 先端面
4 電子部品群
4a プリント基板、 4b 画像表示ユニット
4b1 画像表示デバイス、 4b2 駆動基板
5 パッキング
5a 基部
5a1 周溝部、 5a1a 溝内面、 5a3 前面
5a4 後面、 5a5 貫通孔、 5b 延出部
5b1 立ち上がり部、 5b1a 内面、 5b2 鍔部
5b2a 前面、 5b2b 後面、 5b2c 厚肉部
5c 段部、 5c1 根本部
11a 開口部
12 キャップ
51 無線機
BK,BK2 防水構造
dr1 幅、 d1,h1 距離
KG 凹凸係合部、 KT 筐体
PL パーティングライン
P1〜P3 頂部、 P4,P5 当接部
Claims (3)
- 電子機器の筐体を構成するケースと、
前記筐体内に配置されるシャーシと、
前記ケースと前記シャーシとの間に介在するパッキングと、
前記シャーシにおいて前記筐体の外形に沿って形成された周壁と、
前記ケースにおいて前記周壁の内側に前記周壁に囲われるように形成された周リブと、
を備え、
前記パッキングは、前記周リブに嵌合する周溝部を有する基部と、前記基部から外方に鍔状に延出した延出部と、を有し、
前記延出部は、前記基部の前記周溝部が形成された面における前記周溝部の開口縁よりも外側にずれた位置から前記周リブに沿って延出する立ち上がり部と、前記立ち上がり部から外方に延びる鍔部と、を有し、
前記基部は、前記周溝部が形成された前記面において前記開口縁と前記立ち上がり部の内面との間に段部を有し、
前記延出部が、前記周壁により前記周リブの根本側に押し込まれて、前記周壁に対して前記鍔部が第1の当接部で当接すると共に前記周リブの外側面に対し前記立ち上がり部が第2の当接部で当接するよう弾性変形している電子機器の防水構造。 - 前記周リブと前記周溝部とは、前記パッキングの前記周リブに対する周方向の移動を規制する凹凸係合部を有していることを特徴とする請求項1記載の電子機器の防水構造。
- 前記電子機器は、携帯無線機であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の電子機器の防水構造。
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