JP6773952B2 - 免疫グロブリン又は抗Gr−1抗体を含む癌治療薬 - Google Patents

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Description

本発明は、免疫グロブリン又は抗Gr-1抗体を含む、癌、炎症性疾患及びアレルギー疾患の治療薬に関する。
顆粒球は白血球の一種であり、その60%を占める。白血球は、他にリンパ球(35%)及びマクロファージ(5%)を含む。これらのうち顆粒球とリンパ球は自律神経とも関連し、両者によりバランスがとられている。例えば、顆粒球が優位になると炎症誘発されやすくなり、一方、リンパ球が優位になるとアレルギー反応が起こりやすくなる。
Gr-1は顆粒球の表面に存在する顆粒球特異的マーカーとして知られている。Ly-6G、Ly-6Cは、Gr-1のコンポーネントである。抗Gr-1抗体を骨髄性細胞減少薬剤として他の薬剤と併用して耐性腫瘍を治療することについての報告があった(特許文献1を参照)。
特表2009-531463号公報
本発明は、癌、炎症性疾患及びアレルギー疾患の新規な治療薬の提供を目的とする。
顆粒球には、好中球、好酸球、好塩基球が含まれ、外来の細菌やウイルスから生体を防御する機能を有している。生体の免疫機能は顆粒球とリンパ球が担い、両者のバランスにより生体の免疫機能が維持されている。
本発明者らは、生体内の顆粒球を減少させることにより、リンパ球を活性化し、生体内の抗癌免疫活性が高まる可能性を考え鋭意検討を行った。
本発明者らは、顆粒球を減少させるための化合物として、顆粒球のマーカーであるGr-1に対する抗体を用い、癌細胞を移植して作製した癌モデルマウスに抗Gr-1抗体を投与したところ、抗Gr-1抗体を投与しない場合に比べ、有意にマウスの生存率が上昇することを観察し、抗Gr-1抗体を癌治療に用い得ることを見出した。
さらに、本発明者らは、プール血清から精製した免疫グロブリンを癌細胞を移植して作製した癌モデルマウスに投与したところ、有意にマウスの生存率が上昇することを観察し、抗Gr-1抗体だけでなく、免疫グロブリンを癌治療に用い得ることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
[1] 抗Gr-1抗体を有効成分として含む癌治療薬。
[2] 免疫グロブリンGを有効成分として含む癌治療薬。
[3] 免疫グロブリンGがヒトプール血清より精製した免疫グロブリンGである、[2]の癌治療薬。
[4] 癌が膵臓癌である、[1]〜[3]のいずれかの癌治療薬。
[5] 抗Gr-1抗体が、定常領域がヒト抗体の定常領域である、キメラ抗体又はヒト化抗体である、[1]又は[4]の癌治療薬。
[6] 抗Gr-1抗体を有効成分として含む、炎症性疾患又はアレルギー疾患の治療薬。
[7] 採取した血液中の顆粒球を捕捉除去し得る、顆粒球吸着除去療法(GCAP)に用いるための顆粒球吸着器。
[8] 顆粒球に結合する物質を含む、[7]の顆粒球吸着器。
[9] 末梢血中のCD33+CD11b+細胞の数を指標にして、膵癌を検出する方法。
[10] 末梢血中のCD33+CD11b+細胞の数あるいは他の顆粒球系増覆を評価する方法にて、膵癌を検出する方法。
抗Gr-1抗体は、顆粒球を除去させ、生体内の顆粒球とリンパ球のバランスを変え、癌免疫活性を高めることにより癌の治療効果を奏することができる。そのため、顆粒球を機械を用いて取り除く治療でも癌の治療効果を奏する。また、プール血清から精製した免疫グロブリンは癌の治療効果を奏することができる。
抗Gr-1抗体を用いた膵癌モデルマウスの生存率試験のスケジュールを示す図である(第1回目)。 抗Gr-1抗体を用いた膵癌モデルマウスの生存率試験のスケジュールを示す図である(第2回目)。 抗Gr-1抗体を用いた膵癌モデルマウスの生存率試験の結果を示す図である(第1回目)。 抗Gr-1抗体を用いた膵癌モデルマウスの生存率試験の結果を示す図である(第2回目)。 免疫グロブリン又は抗Gr-1抗体を用いた膵癌モデルマウスの生存率試験の結果を示す図である。 抗Gr-1抗体及び抗癌剤(ゲムシタビン)を用いた膵癌モデルマウスの生存率試験の結果を示す図である。 膵臓癌患者の末梢血液中におけるCD33+CD11b+細胞の増加を示す図である。 膵癌皮下モデルマウスの末梢血液における、Gr-1+CD11b+細胞の増加を示す図である。 膵癌腹腔内播種モデルマウスの末梢血液における、Ly6C+CD11b+細胞の増加を示す図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で用いる抗体は、顆粒球の分化と成熟に関連する、顆粒球の特異的マーカーに対する抗体である。このような抗体として、GPI結合タンパク質であるヒトGr-1に対する抗体が挙げられる。Gr-1はCD66bともいう。本発明において、抗Gr-1抗体は抗CD66b抗体とも呼ぶ。また、本発明で用いる抗体は、抗CD33抗体及び抗CD11b抗体も含む。
抗Gr-1抗体は、Gr-1で動物を免疫し、脾臓細胞等の抗体産生細胞を該動物から採取し、抗体産生細胞とミエローマを融合し、抗Gr-1抗体産生ハイブリドーマを作製することにより得ることができる。抗CD33抗体及び抗CD11b抗体も同様にCD33又はCD11bを免疫原として作製することができる。
本発明の抗体は、抗体遺伝子をハイブリドーマからクローニングし、適当なベクターに組み込んで、該ベクターを宿主に導入し、遺伝子組換え技術を用いて宿主より産生させることもできる。
この際、重鎖可変領域をコードするDNAと重鎖定常領域をコードするDNA、軽鎖可変領域をコードするDNAと軽鎖定常領域をコードするDNAを連結したDNAを連結し、さらに該DNAをプロモータ、エンハンサー、ポリAシグナル配列等のエレメントと機能的に連結して産生することが好ましい。ここで機能的に連結とは、エレメントがその機能を果たすように連結することをいう。プロモータ及びエンハンサーとしては、公知のプロモーターやエンハンサーを用いることができ、例えば、サイトメガロウイルス(CMV)、シミアンウイルス40(SV40)、アデノウイルス由来のプロモータ及びエンハンサーを挙げることができる。
抗体をコードするDNAを挿入するための発現ベクターとしては、動物細胞、酵母又は細菌等の宿主中で複製可能なものを用いればよく、例えば、プラスミド、ファージ等が挙げられる。例えば、pGEX-4T、pKK233-2(ファルマシア社製)、pUC19、pTV118 N (宝酒造社製)、Flexi(登録商標)ベクター(プロメガ社)、pUEX2(アマシャム社製)、pMAM-neo(クロンテック社製)等が挙げられる。発現ベクターは公知の方法で宿主細胞に導入し、宿主細胞を形質転換すればよい。公知の方法として、エレクトロポレーション法、DEAE−デキストラントランスフェクション法、リン酸カルシウム沈殿法等が挙げられる。
宿主細胞としては、酵母、動物細胞等の真核細胞や大腸菌、枯草菌等の原核細胞を用いることができるが、真核細胞を用いることが好ましい。特に動物細胞が好ましい。酵母としてはサッカロマイセス・セレビィシエ等が、動物細胞としては、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、ヒト胎児腎細胞株の293細胞、サルCOS細胞、マウス線維芽細胞等が挙げられる。
産生された抗体は、通常のタンパク質の精製に利用されている分離、精製方法を用いて精製すればよい。例えば、アフィニティークロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、ゲル濾過クロマトグラフィー等の他のクロマトグラフィー、フィルター、限外濾過、塩析、透析等を適宜組み合わせて行えばよい。
本発明の抗体は、好ましくは、ヒトに対する異種抗原性を低下させること等を目的として人為的に改変した遺伝子組換え型抗体である。このような抗体として、ヒト化(Humanized)抗体、キメラ抗体等が挙げられる。これらの改変抗体は、公知の方法により作製可能である。
キメラ抗体は、抗体の可変領域をコードするDNAをヒト抗体の定常領域をコードするDNAと連結し、これを発現ベクターに組み込んで宿主に導入し産生させることにより得られる。
ヒト化抗体は、再構成(reshaped)ヒト抗体ともいう。ヒト化抗体は、ヒト以外の哺乳動物、例えばマウス抗体の相補性決定領域(CDR; complementarity determining region)をヒト抗体の相補性決定領域へ移植したものであり、その一般的な遺伝子組換え手法も公知である(欧州特許出願公開番号EP 125023号公報、WO 96/02576号公報参照)。具体的には、抗Gr-1抗体のCDRとヒト抗体のフレームワーク領域(framework region;FR)とを連結するように設計したDNA配列を、CDR及びFR両方の末端領域にオーバーラップする部分を有するように作製した複数のオリゴヌクレオチドをプライマーとして用いてPCR法により合成すればよい。ヒト化抗体の重鎖可変領域及び軽鎖可変領域は、3個のCDRと4個のFRで構成され、FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、FR4の順番でアミノ末端からカルボキシ末端へ並んでいる。本発明で用いるヒト化抗体は、重鎖可変領域及び軽鎖可変領域において、上記の配列を特定したCDR1、CDR2及びCDR3とヒト抗体の可変領域のFR1、FR2、FR3及びFR4を有し、これらのFRに制御され、CDR1、CDR2、CDR3が、協働的に作用しGr-1に結合する。このようなヒト抗体の可変領域のFRは、公表されたDNAデータベース等から得ることができる。
キメラ抗体及びヒト化抗体の定常領域としては、ヒト抗体のものを用いる。例えば重鎖においては、Cγ1、Cγ2、Cγ3又はCγ4を用いればよく、軽鎖においては、Cκ又はCλを用いればよい。
これらのキメラ抗体及びヒト化抗体は、ヒト体内における異種抗原性が低下されているため、ヒト生体内での半減期も長く本発明の治療薬の有効成分として有用である。
本発明において抗体は、少なくとも重鎖可変領域と軽鎖可変領域を含む抗体であり、重鎖可変領域と重鎖定常領域を有する2個の重鎖(H鎖)及び軽鎖可変領域と軽鎖定常領域を有する2個の軽鎖(L鎖)を含む完全抗体も、抗体の機能的断片も含む。抗体の機能的断片は、抗体の断片であって抗原に特異的に結合し得る断片である。機能的断片としては、Fab、F(ab')2、Fab’、又はH鎖若しくはL鎖のFvを適当なリンカーで連結させた単鎖Fv(scFv)、diabody、Fv、1個のFabと完全なFcを有するFab/c等が挙げられる。抗体の機能的断片を抗原結合部位ということもできる。
Fabは、抗体を蛋白質分解酵素であるパパインで処理して得られる断片であって、H鎖のアミノ末端側約半分とL鎖全体がジスルフィド結合で結合した分子量約5万の抗原に対する結合活性を有する抗体断片である。
F(ab’)2は、IgGを蛋白質分解酵素であるペプシンで処理して得られる断片のうち、Fabがヒンジ領域のジスルフィド結合を介して結合されたものより大きい、分子量約10万の抗原に対する結合活性を有する抗体断片である。
Fab’は、上記F(ab’)2のヒンジ領域のジスルフィド結合を切断した分子量約5万の抗原に対する結合活性を有する抗体断片である。
scFvは、1個の重鎖可変領域(VH)と1個の軽鎖可変領域(VL)を連結したものであり、VHとVLはペプチドリンカーを介して連結されている、抗原に対する結合活性を有する抗体断片である。
diabodyは、scFvを2量体化させた抗体断片であって、2価の抗原結合活性を有する抗体断片である。
dsFvは、VH及びVL中のそれぞれ1アミノ酸残基をシステイン残基に置換したポリペプチドを置換したシステイン残基間のジスルフィド結合を介して結合させた、抗原に対する結合活性を有する抗体断片である。
本発明の抗体は上記の機能的断片も含む。
本発明の治療薬は、抗Gr-1抗体(抗CD66b抗体)、抗CD33抗体、抗CD11b抗体の代りに、認識する抗原が限定されない免疫グロブリンを有効成分としても含んでいてもよい。免疫グロブリンとしては、免疫グロブリンG(IgG)が好ましい。免疫グロブリンとしては、ヒトプール血清から精製した免疫グロブリンや市販の免疫グロブリン製剤を用いることができる。
本発明の免疫グロブリン又は抗Gr-1抗体(抗CD66b抗体)、抗CD33抗体若しくは抗CD11b抗体を有効成分として含む癌治療薬は、生理学的に許容され得る希釈剤又はキャリアを含んでおり、他の抗体又は抗生物質のような他の薬剤との混合物であってもよい。適切なキャリアには、生理的食塩水、リン酸緩衝生理食塩水、リン酸緩衝生理食塩水グルコース液、及び緩衝生理食塩水が含まれる。抗体は凍結乾燥(フリーズドライ)し、必要とされるときに上記のような緩衝水溶液を添加することにより再構成して使用してもよい。本発明の癌治療薬は、静脈注射、腹腔内、経口、経鼻、経粘膜、筋肉内又は皮下、鼻腔内、気管内、皮膚、経皮又は皮内の各経路によって投与できる。好ましくは静脈投与又は腹腔内投与である。
投与形態は限定されないが、錠剤、顆粒剤、噴霧剤、カプセル剤、シロップ剤、乳剤、座剤、注射剤、軟膏、テープ剤などが挙げられる。
カプセル剤、錠剤、散剤、顆粒剤などは、乳糖、ブドウ糖、ショ糖、マンニトールなどの賦形剤;デンプン、アルギン酸ナトリウムなどの崩壊剤;ステアリン酸マグネシウム、タルクなどの滑沢剤;ポリビニルアルコール、ヒドロキシプロピルセルロース、ゼラチンなどの結合剤;脂肪酸エステルなどの界面活性剤;グリセリンなどの可塑剤などを添加剤として用いて製造できる。
乳剤及びシロップ剤のような液体調製物は、水、ショ糖、ソルビトール、果糖などの糖類;ポリエチレングリコール、プロピレングリコールなどのグリコール類;ごま油、オリーブ油、大豆油などの油類;p−ヒドロキシ安息香酸エステル類などの防腐剤;ストロベリーフレーバー、ペパーミントなどのフレーバー類などを添加剤として用いて製造できる。
注射剤は、水、ショ糖、ソルビトール、キシロース、トレハロース、果糖などの糖類;マンニトール、キシリトール、ソルビトールなどの糖アルコール;リン酸緩衝液、クエン酸緩衝液、グルタミン酸緩衝液などの緩衝液;脂肪酸エステルなどの界面活性剤などを添加剤として用いることができる。
本発明の免疫グロブリン又は抗Gr-1抗体(抗CD66b抗体)、抗CD33抗体若しくは抗CD11b抗体を有効成分として含む治療薬の投与量は、投与する患者の年齢、性別、重篤度等により変えることができるが、通常、経口投与では、成人に対して、1日約0.01mg〜1000mgであり、これらを1回、又は数回に分けて投与することができる。また、非経口投与では、1回約0.01mg〜1000mgを皮下注射、筋肉注射又は静脈注射によって投与することができる。単回投与でもよいし、1日から2週間にわたって数回にわたって投与してもよい。
本発明の免疫グロブリン又は抗Gr-1抗体(抗CD66b抗体)、抗CD33抗体若しくは抗CD11b抗体を有効成分として含む治療薬により治療可能な腫瘍は、大腸癌(結腸癌、直腸癌)、胃癌、膵臓癌、胆道系癌、肺癌、乳癌、黒色腫、腎細胞癌、子宮頚癌、子宮内膜癌、卵巣癌、食道癌、前立腺癌、睾丸癌、中皮癌等であり、本発明の抗体を適用する際の腫瘍は1種類に限られず、複数種類の腫瘍が併発したものでもよい。この中でも膵臓癌の治療に有用に用いることができる。また、本発明の免疫グロブリン又は抗Gr-1抗体(抗CD66b抗体)、抗CD33抗体若しくは抗CD11b抗体を有効成分として含む治療薬は、癌の進行抑制にも用いることができる。本発明においては、癌の改善や進行抑制も癌治療という。
本発明の免疫グロブリン又は抗Gr-1抗体(抗CD66b抗体)、抗CD33抗体若しくは抗CD11b抗体は、抗癌剤と併用して用いることができる。抗Gr-1抗体(抗CD66b抗体)、抗CD33抗体若しくは抗CD11b抗体を抗癌剤と併用した場合、抗癌剤単独のときよりも癌治療効果が上昇する。抗癌剤の種類は限定されず、核酸合成の阻害剤であるアルキル化剤、代謝拮抗剤、抗生物質抗癌剤、トポイソメラーゼ阻害剤、ホルモン製剤、白金製剤、分子標的治療薬、非特異的抗悪性腫瘍剤等が挙げられる。また、公知の抗癌剤に修飾を加えた抗癌剤も含まれる。抗癌剤として、例えば、メトトレキサート、メルカプトプリン、6-メルカプトプリンリボシド、フルオロウラシル(5-FU)、テガフール、テガフールウラシル、カルモフール、ドキシフルリジン、シタラビンオクホスファート、ヒドロキシカルバミド、シタラビン、塩酸ゲムシタビン、リン酸フルダラビン、エノシタビン、ロイコボリン(以上、代謝拮抗剤)、シクロフォスファミド、イフォスファミド、メルファラン、チオテバ、ブスルファン、カルボコン、ダカルバジン、塩酸ニムスチン、ラニムスチン(以上、アルキル化剤)、硫酸ビンクリスチン、硫酸ビンブラスチン、硫酸ビンデシン、ドセタキセル水和物、パクリタキセル、酒石酸ビノレルビン(以上、アルカロイド系抗癌剤)、塩酸ドキソルビシン、塩酸エピルビシン、塩酸ピラルビシン、塩酸ダウノルビシン、塩酸アクラルビシン、マイトマイシンC、アクチノマイシンD、ブレオマイシン、硫酸ペプロマイシン、ネオカルチノスタチン、ジノスタチンスチマラマー(以上、抗生物質抗癌剤)、エトポシド、塩酸イリノテカン、塩酸ノギテカン(以上、トポイソメラーゼ阻害薬)、リン酸エストラムスチンタトリウム、フルタミド、ビカルタミド、酢酸ゴセレリン、酢酸ニュープロレリン、クエン酸タモキシフェン、塩酸フォドロゾール水和物、アナストロゾール、メピチオスタン、エピチオスタノール、酢酸メドロキシプロゲステロン(以上、ホルモン製剤)、シスプラチン、カルボプラチン、ネダプラチン(以上、白金製剤)、クレスチン、レンアチン、シゾフィラン、ウベニメクス(以上、非特異的抗悪性腫瘍剤)、トラスツズマブ、リツキシマブ、メシル酸イマチニブ、ゲフィチニブ(以上、分子標的治療薬)、塩酸ミトキサントロン、塩酸プロカルバジン、ペントスタチン、ソブゾキサン、トレチノイン、L-アスパラギナーゼ、アセグラトン、ミトタン、ポルフィマーナトリウム等が挙げられる。
さらに、本発明の免疫グロブリン又は抗Gr-1抗体(抗CD66b抗体)、抗CD33抗体若しくは抗CD11b抗体を有効成分として含む治療薬は、顆粒球が関与する炎症性疾患やアレルギー疾患の治療に用いることもできる。このような疾患として、慢性関節リウマチ、多発性硬化症、I型糖尿病、ぶどう膜炎、自己免疫性心筋炎、重症筋無力症、全身性エリテマトーデス、自己免疫性溶血性貧血、全身性強皮症、シェーグレン症候群、自己免疫性肝疾患(例えば、原発性胆汁性肝硬変)、乾癬、突発性血小板減少性紫斑病、Goodpasture症候群(例えば、糸球体腎炎)、悪性貧血、橋本病、尋常性白斑、ベーチェット病、自己免疫性胃炎、天疱瘡、ギラン・バレー症候群、HTLV-1関連脊髄症のような自己免疫疾患、あるいは接触過敏症、アレルギー性鼻炎、食物アレルギー、喘息のようなアレルギー性疾患が含まれ、さらに膵炎、肝炎、関節炎、潰瘍性大腸炎、クローン病等の炎症性疾患が含まれる。
本発明の抗Gr-1抗体(抗CD66b抗体)、抗CD33抗体若しくは抗CD11b抗体は、顆粒球を除去する効果を有する。そのため、抗体以外の方法で顆粒球を除去する治療機器を代替とすることもできる。すなわち、上記の癌や顆粒球が関与する疾患に罹患している患者からポンプを用いて脱血し、抗Gr-1抗体(抗CD66b抗体)、抗CD33抗体若しくは抗CD11b抗体を結合させた樹脂等を含むカラム、あるいは物理的に顆粒球を吸着あるいは除去する機器を用いて顆粒球を除去し、顆粒球を除去した血液を患者に戻す直接血液かん流法の一つである顆粒球吸着療法(GCAP)を代替することができる。
本発明は、また、抗Gr-1抗体(抗CD66b抗体)、抗CD33抗体若しくは抗CD11b抗体を含む顆粒球吸着除去療法(GCAP)に用いるための顆粒球吸着器を含む。該顆粒球吸着器は典型的には、抗Gr-1抗体(抗CD66b抗体)、抗CD33抗体若しくは抗CD11b抗体を結合させた樹脂を含むカラムである。また、顆粒球に特異的に発現する物質に結合する抗体以外の物質をリガンドとして用い、顆粒球を吸着してもよい。この場合、アフィニティー吸着器とも呼ぶ。
また、物理的に顆粒球を捕捉する吸着器も含む。すなわち、顆粒球のサイズを有する細胞のみ捕捉する吸着器を含む。たとえば顆粒球サイズを直径12〜15μmとした場合、その程度の細胞を通さない孔を有するフィルターや樹脂を用い、これらのフィルターや樹脂を含むカラムを用いて顆粒球を捕捉除去すればよい。
本発明は、末梢血液中のCD33+CD11b+細胞の数を指標として膵癌を検出する方法又は膵癌を検出するための補助的データを得る方法を含む。すなわち、CD33+CD11b+細胞を膵癌の診断マーカーとして利用し得る。
CD33+CD11b+細胞とは、CD33が陽性の細胞及びCD11bが陽性の細胞を含む細胞集団をいう。CD33+CD11b+細胞の数は、CD33が陽性の細胞及びCD11bが陽性の細胞の総計である。これらの細胞集団の数は、FACS、あるいは抗CD33抗体や抗CD11b抗体を用いた方法で調べることができる。
被験体の末梢血液中のこれらの細胞集団が健常者に比べ有意に増加した場合に、該被験体は膵臓癌に罹患していると評価、判断することができる。また、末梢血中の細胞中に含まれるCD33+CD11b+細胞の割合が、15%以上のとき、好ましくは20%以上のとき、該被験体は膵臓癌に罹患していると評価、判断することができる。
CD33+CD11b+細胞を膵癌の診断マーカーとして利用する場合、顆粒球が増加している患者を顆粒球吸着療法(GCAP)に適した患者として絞り込むことができ、コンパニオン診断の方法として利用することができる。
本発明を以下の実施例によって具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
実施例1 抗Gr-1抗体による癌治療
PAN02膵癌細胞1×106個をC57BL/6J雌マウスの腹腔内に接種し、膵癌腹膜播種モデルを作製した。PAN02膵癌細胞は、NCI(米国)より入手し、C57BL/6Jマウスは、日本チャールズリバーより入手した。抗マウスGr-1抗体は、Beckton and Dickinsonより入手した。抗体は膵癌細胞の接種前又は接種後に投与した。膵癌細胞接種前の投与をPre投与あるいはPre抗体治療と呼び膵癌細胞接種後の投与をPost投与あるいはPost抗体治療と呼ぶ。
抗体治療を行い、経時的にマウスの生存率を調べた。実験は2回行った。1回目は、Post-anti-Gr-1 Ab群では、200μgの抗マウスGr-1抗体をPAN02膵癌細胞投与8日後及び18日後にマウスの腹腔内に投与した。投与スケジュールを図1に示す。2回目は、Pre-anti-Gr-1 Ab群では、200μgの抗マウスGr-1抗体をPAN02膵癌細胞を投与する2日前にマウスの腹腔内に投与した。Post-anti-Gr-1 Ab群では、200μgの抗マウスGr-1抗体をPAN02膵癌細胞投与8日後、12日後、16日後、20日後、24日後及び28日後にマウスの腹腔内に投与した。投与スケジュールを図2に示す。
Pre投与群及びPost投与群として、それぞれ6頭のマウスを用い、PAN02膵癌細胞のみを投与し、抗Gr-1抗体を投与しないコントロール群として12又は13頭のマウスを用いた。
1回目の生存率試験の結果を図3に示し、2回目の生存率試験の結果を図4に示す。
図3及び図4に示すように、膵癌細胞を移植した後に抗マウスGr-1抗体を投与したPost-anti-Gr-1 Ab群では、コントロールに比べマウス生存率が有意に上昇した。一方、膵癌細胞を移植する前に抗マウスGr-1抗体を投与したPre-anti-Gr-1 Ab群では、マウスの生存率はコントロール群と同等であった。
この結果は、既に癌が発生した被験体に抗Gr-1抗体を投与した場合に癌治療効果を得られることを示している。
実施例2 免疫グロブリン又は抗Gr-1抗体による癌治療
ラット血清より精製したIgG(Sigma-Ardrich, カタログNo.:14131)を治療用抗体として用いた。
実施例1と同様に、PAN02膵癌細胞1×106個をC57BL/6J雌マウスの腹腔内に接種し、膵癌腹膜播種モデルを作製した。
200μg/200μlのラットIgGをPAN02膵癌細胞投与8日後、12日後、16日後、20日後、24日後及び28日後にマウスの腹腔内に投与した。この際、抗Gr-1抗体を用いたときの治療効果と比較するために、抗Gr-1抗体を投与するマウスについての実験も同時に行った。抗Gr-1抗体投与群としては、実施例1と同様にPre-anti-Gr-1 Ab群とPost-anti-Gr-1 Ab群を設けた。Pre-anti-Gr-1 Ab群では、200μgの抗マウスGr-1抗体をPAN02膵癌細胞を投与する2日前にマウスの腹腔内に投与し、200μgの抗マウスGr-1抗体をPAN02膵癌細胞投与8日後、12日後、16日後、20日後、24日後及び28日後にマウスの腹腔内に投与した。Post-anti-Gr-1 Ab群では、200μgの抗マウスGr-1抗体をPAN02膵癌細胞投与8日後、12日後、16日後、20日後、24日後及び28日後にマウスの腹腔内に投与した。試験のスケジュールは図2に示すスケジュールと同じであった。
ラットIgGも抗Gr-1抗体も投与しないマウスをコントロールとして用いた。ラットIgG投与群、抗Gr-1抗体投与群及びコントロール群として、それぞれ6頭のマウスを用いた。
経時的にマウスの生存率を調べた。生存率試験の結果を図5に示す。
図5に示すように、抗マウスGr-1抗体を投与した群では、Post-anti-Gr-1 Ab群において、コントロールに比べマウス生存率が有意に上昇した。また、ラットIgGを投与した群においても、抗マウスGr-1抗体を投与した群と同様にマウス生存率が有意に上昇した。
実施例3 抗体と抗癌剤の併用療法
PAN02膵癌細胞1×106個をC57BL/6J雌マウスの腹腔内に接種し(0日)、膵癌腹膜播種モデルを作製した。PAN02膵癌細胞は、NCI(米国)より入手し、C57BL/6Jマウスは、日本チャールズリバーより入手した。7日後、14日後、21日後、28日後、35日後及び42日後に抗Gr-1抗体及び/又はゲムシタビン(GEM:4-amino-1-[3,3-difluoro-4-hydroxy-5- (hydroxymethyl) tetrahydrofuran-2-yl]- 1H-pyrimidin- 2-one)を投与した。抗Gr-1抗体は200μgを腹腔内投与し、ゲムシタビンは1mg(50mg/kg)を尾静脈投与した。
投与後経時的に生存率を調べた。生存率試験の結果を図6に示す。
図6に示すように、抗マウスGr-1抗体はゲムタビシン単独よりも優れた癌治療効果を示した。また、抗マウスGr-1抗体及びゲムシタビンを投与した群で、抗マウスGr-1抗体のみを投与した群及びゲムシタビンのみを投与した群よりもマウス生存率が著しく上昇した。この結果は、抗マウスGr-1抗体と抗癌剤の併用の有効性を示す。
実施例4 膵癌の検出
(1)ヒト膵癌患者を用いた検討
膵癌(PDAC:膵管腺癌(通常型膵癌))35例及び健常者9例の末梢血液を採取し、Lymphoprep(商標)(BD)を用いてフィコール密度勾配遠心にて単核球細胞層を分離した。
分離した単核球細胞を2%ウシアルブミン入りPBS(FACSバッファー)にてブロッキングした。
ブロッキング後、PEラベル抗ヒトCD11b抗体、APCラベル抗ヒトCD33抗体をFACSバッファー内で10分間インキュベートし、PBSでリンス、遠心の上、細胞をPBSへ懸濁した。
その後、FACSにてCD33+CD11b+二重陽性の顆粒球分画の頻度を評価した。
結果を図7に示す。図7に示すように、膵癌患者の末梢血液でCD33+CD11b+細胞が増加していた。このことは、膵癌患者の末梢血液中のCD33+CD11b+細胞の数が膵癌検出の指標になることを意味する。
(2)膵癌マウスモデルを用いた検討
C57BL/6Jマウス(♀、10週齢)の腹腔内に1x106個/200μlの膵癌細胞株PAN02を投与、その後、11日後及び29日後の末梢血液(PB)及び脾細胞を採取した。採取した末梢血液及び脾細胞は、ACKバッファーにて赤血球を破砕した。獲得したそれぞれの細胞を、FACSバッファーにてブロッキングを行い、FITCラベル抗Gr-1抗体、PEラベル抗CD11b抗体を添加したFACSバッファーで10分間インキュベートし、PBSでリンス、遠心の上、細胞をPBSへ懸濁した。
その後、FACSにてGr1+CD11b+二重陽性の顆粒球分画の頻度を評価した。
また、C57BL/6Jマウス(♀、10週齢)の皮下に1x106個/200μlの膵癌細胞株PAN02を投与した。その後、4週後及び9週後の末梢血液(PB)及び脾細胞を採取した。採取した末梢血液及び脾細胞は、ACKバッファーにて赤血球を破砕した。獲得したそれぞれの細胞を、FACSバッファーにてブロッキングを行い、FITCラベル抗Gr-1抗体、PEラベル抗CD11b抗体を添加したFACSバッファーで10分間インキュベートし、PBSでリンス、遠心の上、細胞をPBSへ懸濁した。
FACSにてGr1+CD11b+二重陽性の顆粒球分画の頻度を評価した。
結果を図8及び図9に示す。図8及び9の結果は、腫瘍が生着し、発育すると、Myeloid系、特に、Ly6C+(Gr-1)、CD11b+の顆粒球系細胞が増加することを示している。すなわち、膵癌マウスモデルでヒトのCD33+CD11b+細胞に対応するGr-1+CD11b+細胞が増えていた。
本発明の免疫グロブリン又は抗Gr-1抗体(抗CD66b抗体)、抗CD33抗体若しくは抗CD11b抗体は、癌等の治療薬として用いることができる。

Claims (4)

  1. 抗Gr-1抗体を有効成分として含む膵臓癌腹膜播種治療薬。
  2. 抗Gr-1抗体が、定常領域がヒト抗体の定常領域である、キメラ抗体又はヒト化抗体である、請求項1記載の膵臓癌腹膜播種治療薬。
  3. アルキル化剤と併用するための請求項1又は2に記載の膵臓癌腹膜播種治療薬。
  4. アルキル化剤がゲムシタビンである、請求項3記載の膵臓癌腹膜播種治療薬。
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