JP6773864B2 - キャップ付き容器 - Google Patents
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また、容器本体の口部がはめ込まれる溝形状をライナーに設けたキャップも提案されている(例えば、特許文献2参照)。
また、このとき、いわゆる肩絞り加工も行っている。すなわち、プレッシャーパッドにより天板部を筒状周壁部の垂下方向に押し付けると同時に、プレッシャーブロックにより天板部の周縁をライナーと共に筒状周壁部の垂下方向にさらに変形させる肩絞り加工を行っている。
近年、より薄肉のボトル缶が検討されており、従来よりも薄肉のボトル缶本体に従来の高荷重でキャップをキャッピングすると、口部の板厚も薄くなってコラム強度が低下し、口部の雄ねじ部が座屈して開栓トルクが高くなってしまう問題があった。このため、低い荷重でキャッピングすると、肩絞り加工で変形したライナーの外周部が口部の外側に密着する長さであるサイドシール長さが、十分に確保できず、密封性が低くなってしまう不都合があった。特に、外周部まで平坦な従来のライナーであると、サイドシール長さが不十分になってしまう。
また、従来のライナーのように、口部に接触する部分が単に平坦状になっている場合、キャップに非接着なライナーであると、キャッピングの際にボトル缶本体とライナーとの軸心がずれて、調芯できない場合があった。また、急な傾斜による段差形状を有する場合や溝形状を有した場合では、口部の上端部が段差部分や溝部分を超えて位置ずれしてしまう場合があり、上記と同様に調芯できない場合があった。特に、内側に山部があるような溝形状を有した場合(特許文献2に記載のライナー等)では、開栓後に再び栓をするときに、口部の上端が山部に当たって閉め難くなってしまう問題がある。
このように調芯ができない場合、サイドシール長さが不十分な部分が円周方向で発生し、やはり密封性が部分的に低くなってしまう不都合があった。さらに、外周に向かって一定の角度を持って厚くなる外周部を有したライナーをキャップに非接触で設置した場合では、傾斜した外周部によって調芯が可能であるが、ライナーの口部が接触する部分が薄く、やはり十分な密封性が得られない。
また、傾斜部の密着面がカール部以上に長くなく、開栓後に再びキャップを口部に装着して栓をする場合に締め易くなる。
また、上記キャップ付き容器では、密封層が、上記第1平坦部と、上記第2平坦部と、上記傾斜部とを有しているので、キャッピング時に外側ほど厚く形成された傾斜部が肩絞り加工の変形量が少なくても口部の外側に十分に密着すると共に、テーパ形状の傾斜部によって調芯されることで、円周方向で均一で十分なサイドシール長さを確保することができる。また、口部の上端が接触する部分が第1平坦部よりも厚い第2平坦部であるため、十分な肉厚によって、この部分においても高い密封性を得ることができる。
さらに、傾斜部がカール部の外周面上部に密着していると共に、厚い第2平坦部によって高い密封性が得られるので、キャッピング時にライナーが調芯されて位置ずれがなく、高い密封性を有している。
第2の発明に係るキャップ付き容器によれば、キャッピング状態でライナーが調芯されて位置ずれがなく、高い密封性を有している。
したがって、本発明では、薄肉のボトル缶本体に低荷重でキャッピングしても密封性が高く、ライナーの調芯もできるので、円周方向においても均一な密封性を得ることができる。
このキャップ用ライナー1は、全体が合成樹脂で円盤状に形成され、キャップ本体6に対して回転自由に設置される。
上記密封層3は、円盤状に一定厚さで形成された第1平坦部3aと、第1平坦部3aの半径方向外側であって少なくとも口部5の上端が接触する部分に第1平坦部3aよりも厚く平坦に形成された第2平坦部3bと、第2平坦部3bの半径方向外側に形成され外周に向かって漸次厚くなる傾斜部3cとを有している。
上記口部5の上端部には、外側に折り返したカール部5aが形成されている。このカール部5aは、口部5の上端部をカールさせるカール加工と、カールした部分をかしめるスロットル加工とで形成される。したがって、カール部5aの外周面は、スロットル加工により平坦面を有している。
なお、上記傾斜部3cは、カール部5aの下端5bよりも上方でカール部5aの外周面に密着している。
また、このキャップ付き容器20では、上記傾斜部3cが、前記外周面上部から前記屈曲部にまで達して密着した密着面を有している。
さらに、ライナー1のうち前記密着面よりも下方に配された部分は、前記外周面上部よりも半径方向外側に位置してカール部5aに接触していない。
上記密封層3としては、エラストマー又は樹脂とエラストマーとのブレンド等が採用され、エラストマーとしては、オレフィン系エラストマー、スチレン系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、塩ビ系エラストマー等が採用可能である。
なお、上記キャップ10を口部5に被せた際、ライナー1がキャップ10に非接着であるため、内側に向いた傾斜部3cの傾斜面によって、ライナー1の軸心が口部5の軸心と一致するようにライナー1自体が動いて調芯が行われる。また、この際、口部5の上端が、ちょうど第2平坦部3bの外縁部、すなわち傾斜部3cとの境界部分に位置決めされて配される。
すなわち、口部5に被せたキャップ10の天板部6aを、プレッシャーブロックでボトル底部の方向に押圧し、この状態でプレッシャーブロックによる絞り加工により、キャップ10の肩部にキャップ傾斜部6fを形成する。さらに、この状態でネジローラーによりネジ部6gを形成し、スカートローラーで口部5のカブラ部5cにスカート部6eを巻きつけることで、キャッピング加工が行われる。
一方、開栓するときは、キャップ10を回してミシン目6dから切断し、キャップ10を口部5から外すことにより、口部5が開栓され内容物が取り出されることになる。そして、取り外したキャップ10を口部5に再び取り付けることにより、再閉栓することが可能になっている。
さらに、本実施形態のキャップ付き容器20では、上記ライナー付きキャップ10を用いて、その傾斜部3cがカール部5aの外周面に密着していると共に、厚い第2平坦部3bによって高い密封性が得られるので、キャッピング時にライナー1が調芯されて位置ずれがなく、高い密封性を有している。
また、傾斜部3cが、カール部5aの下端よりも上方でカール部5aの外周面に密着しているので、傾斜部3cがカール部5a以上に長くなく、開栓後に再びキャップ10を口部5に装着して栓をする場合に締め易くなる。
本発明の実施例として、38mm口径ボトルにおいて、図7に示すように、第2平坦部3bと傾斜部3cとの半径方向長さ(幅)L1と、傾斜部3cの半径方向長さ(幅)L2と、第2平坦部3bの厚さT1と、傾斜部3cの最大厚さT2とを変えたものを複数作製した。その代表例を、表1及び表2に示す。なお、表1に示す「10°テーパ」は、表2に示す実施例1である。また、表1中の「20°テーパ」は実施例2である。
このように作製した実施例について、口部にキャッピング及び肩絞り加工を行い、その際のトッププレッシャーに対するサイドシール長さSSLを測定した結果を図8に示す。
また、比較として傾斜部3cがなく第1平坦部3a及び第2平坦部3bだけの従来例についても作製し、同様に評価した。
なお、トッププレッシャーとサイドシール長さSSLとは相関があり、トッププレッシャーを高くするとサイドシール長さSSLも長くなる。
Claims (2)
- 容器本体の口部にキャップを装着したキャップ付き容器であって、
前記キャップが、天板部と該天板部の周縁から垂下した筒状周壁部とからなるキャップ本体と、前記キャップ本体内に設けられたライナーとを備えたライナー付きキャップであり、
前記口部の上端部に、外側に折り返したカール部が形成され、
前記キャップが、前記天板部の周縁を前記ライナーと共に前記垂下の方向に肩絞り加工で変形させられ、
前記カール部が、その外周面の上部に形成された外周面上部と、前記外周面上部よりも下部に形成され半径方向内側に曲げられた屈曲部とを有し、
前記ライナーが、前記外周面上部から前記屈曲部にまで達して密着した密着面を有し、
前記ライナーのうち前記密着面よりも下方に配された部分が、前記外周面上部よりも半径方向外側に位置して前記カール部に接触しておらず、
前記ライナーが、前記天板部の内面側に配される摺動層と、
前記摺動層に積層された密封層とを備え、
前記密封層が、半径方向外側に形成され外周に向かって外周端まで漸次厚くなる傾斜部を有していることを特徴とするキャップ付き容器。 - 請求項1に記載のキャップ付き容器において、
前記ライナーが、円盤状に一定厚さで形成された第1平坦部と、
前記第1平坦部よりも半径方向外側に形成され外周に向かって漸次厚くなる傾斜部とを有し、
前記密封層が、円盤状に一定厚さで形成された前記第1平坦部と、
前記第1平坦部の半径方向外側であって少なくとも前記口部の上端が接触する部分に前記第1平坦部よりも厚く平坦に形成された第2平坦部と、
前記第2平坦部の半径方向外側に形成された前記傾斜部とを有していることを特徴とするキャップ付き容器。
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