<<一実施形態>>
以下、本発明の一実施形態に係る遊技機であるパチスロについて、図1〜図47を参照しながら説明する。
<機能フロー>
まず、図1を参照して、パチスロの機能フローについて説明する。本実施の形態のパチスロでは、遊技を行うための遊技媒体としてメダルを用いる。なお、本発明のすべての実施形態、変形例は、パチスロ機に限定して適用されるものではなく、パチスロ以外の他の遊技機(例えば、パチンコ機等)に適用することができる。また、遊技媒体としては、メダル以外にも、コイン、遊技球、遊技用のポイントデータまたはトークン等を対象とすることもできる。
遊技の開始時において、遊技者によりメダルが投入され、スタートレバーが操作されると、予め定められた数値の範囲(例えば、0〜65535)の乱数から1つの値(以下、乱数値)が抽出される。
内部抽籤手段は、抽出された乱数値に基づいて抽籤を行い、内部当籤役を決定する。この内部抽籤手段は、後述する主制御回路が担う。内部当籤役の決定により、後述の入賞判定ラインに沿って表示を行うことを許可する図柄の組合せが決定される。なお、図柄の組合せの種別としては、メダルの払い出し、再遊技の作動、ボーナスの作動等といった特典が遊技者に与えられる「入賞」に係るものと、それ以外のいわゆる「ハズレ」に係るものとが設けられている。
また、スタートレバーが操作されると、複数のリールの回転が行われる。その後、遊技者により所定のリールに対応するストップボタンが押されると、リール停止制御手段は、内部当籤役とストップボタンが押されたタイミングとに基づいて、該当するリールの回転を停止する制御を行う。このリール停止制御手段は、後述する主制御回路が担う。
パチスロでは、基本的に、ストップボタンが押されたときから規定時間(190msecまたは75msec)内に、該当するリールの回転を停止する制御が行われる。本実施形態では、この規定時間内にリールの回転に伴って移動する図柄の数を「滑り駒数」と呼ぶ。規定期間が190msecである場合には、滑り駒数の最大数を図柄4個分に定め、規定期間が75msecである場合には、滑り駒数の最大数を図柄1個分に定める。
リール停止制御手段は、入賞に係る図柄の組合せ表示を許可する内部当籤役が決定されているときは、通常、190msec(図柄4コマ分)の規定時間内に、その図柄の組合せが入賞判定ラインに沿って極力表示されるようにリールの回転を停止させる。また、リール停止制御手段は、例えば、第2種特別役物であるチャレンジボーナス(CB)及びCBを連続して作動させるミドルボーナス(MB)の動作時には、1つ以上のリールに対して、規定時間75msec(図柄1コマ分)内に、その図柄の組合せが入賞判定ラインに沿って極力表示されるようにリールの回転を停止させる。さらに、リール停止制御手段は、遊技状態に対応する各種規定時間を利用して、内部当籤役によってその表示が許可されていない図柄の組合せが入賞判定ラインに沿って表示されないようにリールの回転を停止させる。
こうして、複数のリールの回転がすべて停止されると、入賞判定手段は、入賞判定ラインに沿って表示された図柄の組合せが、入賞に係るものであるか否かの判定を行う。この入賞判定手段は、後述する主制御回路が担う。入賞判定手段により入賞に係るものであるとの判定が行われると、メダルの払い出し等の特典が遊技者に与えられる。パチスロでは、以上のような一連の流れが1回の遊技として行われる。
また、パチスロでは、前述した一連の流れの中で、液晶表示装置などの表示装置により行う映像の表示、各種ランプにより行う光の出力、スピーカにより行う音の出力、或いはこれらの組合せを利用して様々な演出が行われる。
スタートレバーが操作されると、上述した内部当籤役の決定に用いられた乱数値とは別に、演出用の乱数値(以下、演出用乱数値)が抽出される。演出用乱数値が抽出されると、演出内容決定手段は、内部当籤役に対応づけられた複数種類の演出内容の中から今回実行するものを抽籤により決定する。この演出内容決定手段は、後述する副制御回路が担う。
演出内容が決定されると、演出実行手段は、リールの回転開始時、各リールの回転停止時、入賞の有無の判定時等の各契機に連動させて対応する演出を実行する。このように、パチスロでは、内部当籤役に対応づけられた演出内容を実行することによって、決定された内部当籤役(言い換えると、狙うべき図柄の組合せ)を知る機会または予想する機会が遊技者に提供され、遊技者の興味の向上を図ることができる。
<パチスロの構造>
次に、図2〜図6を参照して、本実施形態におけるパチスロ1の構造について説明する。
[外観構造]
図2は、パチスロ1の外部構造を示す斜視図である。
図2に示すように、パチスロ1は、外装体2を備えている。外装体2は、後述するホッパー装置51やメダル補助収納庫52等(図5参照)を収容するキャビネット2aと、キャビネット2aに対して開閉可能に取り付けられるフロントドア2bとを有している。キャビネット2aの両側面には、把手7が設けられている(図2では一側面の把手7のみを示す)。この把手7は、パチスロ1を運搬するときに手をかける凹部である。
外装体2の内部には、3つのリール3L、3C、3Rが横並びに設けられている。以下、各リール3L、3C、3Rを、それぞれ左リール3L、中リール3C、右リール3Rという。各リール3L、3C、3Rは、円筒状に形成されたリール本体と、リール本体の周面に装着された透光性のシート材を有している。シート材の表面には、複数(例えば20個)の図柄が周方向に沿って所定の間隔をあけて描かれている。
フロントドア2bは、ドア本体9と、フロントパネル10と、表示装置の一具体例を示す液晶表示装置11とを備えている。
ドア本体9は、ヒンジ(不図示)を用いてキャビネット2aに取り付けられており、キャビネット2aの開口部を開閉する。ヒンジは、パチスロ1の前方からドア本体9を見た場合に、ドア本体9における左側の端部に設けられている。液晶表示装置11は、ドア本体9の上部に取り付けられている。この液晶表示装置11は、表示部(表示画面)11aを備えており、液晶表示装置11を用いて映像の表示による演出が実行される。
フロントパネル10は、液晶表示装置11の表示部11a側に重畳して配置され、液晶表示装置11の表示部11aを露出させるパネル開口10aを有する枠状に形成されている。フロントパネル10には、ランプ群18が設けられている。ランプ群18は、LED(Light Emitting Diode)等で構成され、演出内容に対応するパターンで、光を点灯及び消灯する。
フロントドア2bの中央には、台座部12が形成されている。この台座部12には、図柄表示領域4と、遊技者による操作の対象となる各種装置が設けられている。
図柄表示領域4は、正面から見て3つのリール3L、3C、3Rに重畳する手前側に配置されており、3つのリール3L、3C、3Rに対応して設けられている。この図柄表示領域4は、表示窓としての機能を果たすものであり、その背後に設けられた各リール3L、3C、3Rを透過することが可能な構成になっている。以下、図柄表示領域4を、リール表示窓4という。
リール表示窓4は、その背後に設けられたリール3L、3C、3Rの回転が停止されたとき、各リール3L、3C、3Rの複数種類の図柄のうち、その枠内における上段、中段及び下段の各領域にそれぞれ1個の図柄(合計で3個)を表示する。本実施の形態では、リール表示窓4の上段、中段及び下段からなる3つの領域のうち予め定められたいずれかを組み合わせて構成される擬似的なラインを、入賞か否かの判定を行う対象となるライン(入賞判定ライン)として定義する。
リール表示窓4は、台座部12に設けられた枠部材13により形成されている。この枠部材13は、リール表示窓4と、情報表示窓14と、ストップボタン取付部15を有している。
情報表示窓14は、リール表示窓4の下部に連続して設けられており、上方に向かって開口している。すなわち、リール表示窓4と情報表示窓14は、連続する1つの開口部として形成されている。この情報表示窓14及びリール表示窓4は、透明の窓カバー16によって覆われている。
窓カバー16は、枠部材13の内面側に配置されており、フロントドア2bの前面側から取り外し不可能になっている。また、枠部材13は、窓カバー16を挟んで情報表示窓14の開口に対向するシート載置部17を有している。そして、シート載置部17と窓カバー16との間には、遊技に関する情報が記載されたシート部材(情報シート)が配置されている。したがって、情報シートは、凹凸や隙間の無い滑らかな表面を有する窓カバー16により覆われている。
情報シートの取付部を構成する窓カバー16は、フロントドア2bの前面側から取り外し不可能であり、凹凸や隙間の無い滑らかな表面であるため、情報シートの取付部を利用して、パチスロ1の内部にアクセスする不正行為を防ぐことができる。
ストップボタン取付部15は、情報表示窓14の下方に設けられており、正面を向いた平面に形成されている。このストップボタン取付部15には、ストップボタン19L、19C、19Rが貫通する貫通孔が設けられている。ストップボタン19L、19C、19Rは、3つのリール3L、3C、3Rのそれぞれに対応づけられ、対応するリールの回転整を停止するために設けられる。以下、ストップボタン19L、19C、19Rを、それぞれ左ストップボタン19L、中ストップボタン19C、右ストップボタン19Rという。
ストップボタン19L、19C、19Rは、遊技者による操作の対象となる各種装置の一例を示す。また、台座部12には、遊技者による操作の対象となる各種装置として、メダル投入口21、BETボタン22、スタートレバー23が設けられている。
メダル投入口21は、遊技者によって外部から投下されるメダルを受け入れるために設けられる。メダル投入口21に受け入れられたメダルは、予め定められた規定数(例えば、3枚)を上限として1回の遊技に投入されることとなり、規定数を超えた分はパチスロ1の内部に預けることが可能となる(いわゆるクレジット機能)。
BETボタン22は、パチスロ1の内部に預けられているメダルから1回の遊技に投入する枚数を決定するために設けられる。スタートレバー23は、全てのリール(3L、3C、3R)の回転を開始するために設けられる。
また、フロントドア2bを正面から見てリール表示窓4の左側方には、7セグメントLED(Light Emitting Diode)からなる7セグ表示器24が設けられている。この7セグ表示器24は、特典として遊技者に対して払い出すメダルの枚数(以下、払出枚数)、パチスロ内部に預けられているメダルの枚数(以下、クレジット枚数)等の情報をデジタル表示する。
フロントドア2bを正面から見て台座部12の左側には、精算ボタン27が設けられている。この精算ボタン27は、パチスロ1の内部に預けられている外部に引き出す(排出する)ために設けられる。台座部12の下方には、腰部パネルユニット31が設けられている。腰部パネルユニット31は、任意の画像が描かれた装飾パネルと、この装飾パネルを背面側から照明するための光を出射する光源を有している。
腰部パネルユニット31の下方には、メダル払出口32と、スピーカ用孔33L、33Rと、メダルトレイユニット34が設けられている。メダル払出口32は、後述のメダルセレクタ201から排出されるメダルや後述のホッパー装置51の駆動により排出されるメダルを外部に導く。メダル払出口32から排出されたメダルは、メダルトレイユニット34に貯められる。スピーカ用孔33L、33Rは、演出内容に応じた効果音や楽曲等の音を出力するために設けられている。
[内部構造]
図3及び図4は、パチスロ1の内部構造を示す斜視図である。この図3では、フロントドア2bが開放され、フロントドア2bの裏面側に設けられたミドルドア41がフロントドア2bに対して閉じた状態を示している。また、図4では、フロントドア2bが開放され、ミドルドア41がフロントドア2bに対して開いた状態を示している。また、図5は、キャビネット2aの内部を示す説明図である。図6は、フロントドア2bの裏面側を示す説明図である。
キャビネット2aは、上面板20aと、底面板20bと、左右の側面板20c、20dと、背面板20eを有している(図5参照)。キャビネット2a内部の上側には、キャビネット側スピーカ42が配設されている。このキャビネット側スピーカ42は、取付ブラケット43L、43Rを介してキャビネット2aの背面板20eに取り付けられている。キャビネット側スピーカ42は、例えば、効果音を出力するためのスピーカである。
キャビネット2a内部を正面から見て、キャビネット側スピーカ42の左側方には、キャビネット側中継基板44が配設されている。このキャビネット側中継基板44は、キャビネット2aの左側面板20cに取り付けられている。キャビネット側中継基板44は、ミドルドア41(図3及び図4参照)に取り付けられた後述する主制御基板71(図13参照)と、ホッパー装置51、メダル補助収納庫スイッチ(不図示)、メダル払出カウントスイッチ(不図示)とを接続する配線の中継を行う。
キャビネット2a内部の中央部には、キャビネット側スピーカ42による音の出力を制御するアンプ基板45が配設されている。このアンプ基板45は、左右の側面板20c、20dに固定された取付棚46に取り付けられている。
また、キャビネット2a内部を正面から見て、アンプ基板45の右側には、外部集中端子板47が配設されている(図5参照)。この外部集中端子板47は、キャビネット2aの右側面板20dに取り付けられている。外部集中端子板47は、メダル投入信号、メダル払出信号及びセキュリティー信号などの信号をパチスロ1の外部へ出力するために設けられている。
キャビネット2a内部を正面から見て、アンプ基板45の左側には、サブ電源装置48が配設されている。このサブ電源装置48は、キャビネット2aの左側面板20cに取り付けられている。サブ電源装置48は、交流電圧100Vの電力を後述する電源装置53に供給する。また、交流電圧100Vの電力を直流電圧の電力に変換して、アンプ基板45に供給する。
キャビネット2aの内部の下側には、メダル払出装置(以下、ホッパー装置)51と、メダル補助収納庫52と、電源装置53が配設されている。
ホッパー装置51は、キャビネット2aにおける底面板20bの中央部に取り付けられている。このホッパー装置51は、多量のメダルを収容可能であり、それらを1枚ずつ排出可能な構造を有する。ホッパー装置51は、例えば、精算ボタン27(図2参照)が押圧されてパチスロ内部に預けられているメダルの精算を行うときに、収容したメダルをクレジット枚数分排出する。ホッパー装置51によって払い出されたメダルは、メダル払出口32(図2参照)から排出される。
メダル補助収納庫52は、ホッパー装置51から溢れ出たメダルを収納する。このメダル補助収納庫52は、キャビネット2a内部を正面から見て、ホッパー装置51の右側に配置されている。メダル補助収納庫52は、キャビネット2aの底面板20bに係合されており、底面板20bに対して着脱可能に構成されている。
電源装置53は、キャビネット2a内部を正面から見て、ホッパー装置51の左側に配置されており、左側面板20cに取り付けられている。この電源装置53は、電源スイッチ53aと、電源基板53bを有している(図13参照)。電源装置53は、サブ電源装置48から供給された交流電圧100Vの電力を各部で必要な直流電圧の電力に変換して、変換した電力を各部へ供給する。
図3、図4及び図6に示すように、ミドルドア41は、フロントドア2bの裏面における中央部に配置され、リール表示窓4(図4参照)を裏側から開閉可能に構成されている。ミドルドア41の上部と下部には、ドアストッパ41a、41b、41cが設けられている。このドアストッパ41a、41b、41cは、リール表示窓4を裏側から閉じた状態のミドルドア41の開動作を固定(禁止)する。すなわち、ミドルドア41を開くには、ドアストッパ41a、41b、41cを回転させてミドルドア41の固定を解除する必要がある。
ミドルドア41には、主制御基板71(図13参照)を収納した主制御基板ケース55と、3つのリール3L、3C、3Rが取り付けられている。3つのリール3L、3C、3Rには、所定の減速比をもったギアを介してステッピングモータが接続されている。
図6に示すように、主制御基板ケース55には、設定用鍵型スイッチ56が設けられている。この設定用鍵型スイッチ56は、パチスロ1の設定を変更もしくはパチスロ1の設定の確認を行うときに使用する。本実施の形態では、主制御基板ケース55と、この主制御基板ケース55に収納された主制御基板71により、主制御基板ユニットが構成されている。
主制御基板ケース55に収納された主制御基板71は、後述する主制御回路91(図14参照)を構成する。主制御回路91は、内部当籤役の決定、リール3L、3C、3Rの回転及び停止、入賞の有無の判定といった、パチスロ1における遊技の主な流れを制御する回路である。主制御回路91の具体的な構成は後述する。
ミドルドア41の上方には、副制御基板72(図13参照)を収容する副制御基板ケース57が配設されおり、副制御基板ケース57の上方には、センタースピーカ58が配設されている。副制御基板ケース57に収納された副制御基板72は、副制御回路101(図15参照)を構成する。この副制御回路101は、映像の表示等による演出の実行を制御する回路である。副制御回路101の具体的な構成は後述する。
フロントドア2bを裏面側から見て、副制御基板ケース57の右側方には、副中継基板61が配設されている。この副中継基板61は、副制御基板72と主制御基板71とを接続する配線を中継する。また、副制御基板72と副制御基板72の周辺に配設された基板とを接続する配線を中継する基板である。なお、副制御基板72の周辺に配設される基板としては、後述するLED基板62A、62B、62Cが挙げられる。
LED基板62A、62B、62Cは、フロントドア2bの裏面側から見て、副制御基板ケース57の両側に配設されている。これらLED基板62A、62B、62Cは、副制御回路101(図15参照)の制御により実行される演出に応じて、光源の一具体例を示す複数のLED(Light Emitting Diode)85(図13参照)を発光させて、点滅パターンを表示する。なお、本実施形態に係る遊技機では、LED基板62A、62B、62C以外に複数のLED基板を備えている。
副中継基板61の下方には、24hドア開閉監視ユニット63が配設されている。この24hドア開閉監視ユニット63は、ミドルドア41の開閉の履歴を保存する。また、ミドルドア41を開放したときに、液晶表示装置11にエラー表示を行うための信号を副制御基板72(副制御回路101)に出力する。
ミドルドア41の下方には、ボードスピーカ64と、下部スピーカ65L、65Rが配設されている。ボードスピーカ64は、腰部パネルユニット31(図2参照)に対向しており、下部スピーカ65L、65Rは、それぞれスピーカ用孔33L、33R(図2参照)に対向している。
下部スピーカ65Lの上方には、メダルセレクタ201と、メダルシュート202と、ドア開閉監視スイッチ67と、が配設されている。メダルセレクタ201は、メダルの材質や形状等が適正であるか否かを判別する装置であり、メダル投入口21に投入されたメダルを、スロープ203を介してホッパー装置51へ案内し、またはメダルシュート202へ案内する。メダルセレクタ201の具体的な構成については後述する。
メダルシュート202は、略Y字状の筒状の部材であり、メダルセレクタ201によって案内されたメダルやホッパー装置51から排出されたメダルをメダル払出口32(図2参照)に案内する。
ドア開閉監視スイッチ67は、フロントドア2bを裏面側から見て、メダルセレクタ201の左側方に配置されている。このドア開閉監視スイッチ67は、パチスロ1の外部へ、フロントドア2bの開閉を報知するためのセキュリティー信号を出力する。
また、リール表示窓4の下方であってミドルドア41により開閉される領域には、ドア中継端子板68が配設されている(図4参照)。このドア中継端子板68は、主制御基板ケース55内の主制御基板71(図13参照)と、各種のボタンやスイッチ、副制御基板72(図13参照)、メダルセレクタ201及び遊技動作表示基板81(図13参照)との配線を中継する基板である。なお、各種のボタン及びスイッチとしては、例えば、BETボタン22、精算ボタン27、ドア開閉監視スイッチ67、後述するBETスイッチ77、スタートスイッチ79等を挙げることができる。
<メダルセレクタの構成>
次に、図7〜図12を参照して、メダルセレクタ201の具体的な構成について説明する。図7は、メダルセレクタ201をパチスロ1の斜め後方から見た斜視図である。図8は、メダルセレクタ201の分解図である。図9は、メダルセレクタ201をパチスロ1の斜め前方から見た斜視図である。図10は、メダルセレクタ201の後述するセレクトプレート207の斜視図である。図11は、メダルセレクタ201がメダルをホッパー装置51へ案内する場合のメダルの経路を示す図である。図12は、メダルセレクタ201がメダルをメダルシュート202に案内する場合のメダルの経路を示す図である。なお、図7〜図12に示す矢印Xはパチスロ1の左右方向を示し、矢印Yはパチスロ1の前後方向を示し、矢印Zは上下方向を示す。
図7〜図9に示すように、メダルセレクタ201は、ベース板部204と、サブプレート205と、キャンセルシュータ206と、セレクトプレート207と、メダルソレノイド208(図9参照)、カメラユニット209と、を備えている。
ベース板部204は、メダルセレクタ201の外枠筐体を構成する略板状の部材であり、パチスロ1の左右方向の両端部がパチスロ1の後方に折曲するように成型されている。ベース板部204は、パチスロ1の前後方向に直交する一方の平面である後面204bと他方の平面である前面204a(図9参照)を有している。後面204bには、メダルレール210が、パチスロ1の前方へ凹むように、且つ、略L字状に形成されている。メダルレール210の表面には、複数の突条部が形成されている。
ベース板部204の上端部には、メダル投入口21(図2参照)から投入されるメダルを受け入れるメダル入口部211が設けられている。メダル入口部211からメダルセレクタ201内に投入されたメダルは、メダルレール210に沿って上方から下方へ移動する。ベース板部204の下部には、メダル出口部204c(図8参照)が設けられている。メダルセレクタ201内を移動したメダルは、メダル出口部204cから排出され、スロープ203(図4参照)を介してホッパー装置51に収容される。
メダルレール210の略中間位置には前後方向に貫通する中央孔212が形成されており、この中央孔212からはメダルプレッシャ213(図8参照)の端部が露出している。図9に示すように、メダルプレッシャ213は、ベース板部204の前面204aに設けられた軸部214に回動可能に支持されている。この軸部214には、コイルばね215が取り付けられており、メダルプレッシャ213は、コイルばね215により、メダルプレッシャ213が中央孔212から突出するように付勢されている。
図9に示すように、ベース板部204の前面204aには、磁石217が設けられている。磁石217は、メダルレール210上を移動するメダルの内、適正な材質でない不正メダルを吸着(着磁)する。
また、図8に示すように、メダルレール210の下流領域の略中央部には、前後方向に貫通し、後述するアフタメダルプレッシャ218の後端部が露出する上露出孔219が形成されている。また、メダルレール210の下流領域の下部には、前後方向に貫通し、セレクトプレート207の後述するメダルストッパ部227が露出する下露出孔220が形成されている。
図9に示すように、アフタメダルプレッシャ218は、ベース板部204の前面204aに回動可能に軸支されている。アフタメダルプレッシャ218の前端部がメダルソレノイド208によってパチスロ1の後方へ押圧されると、アフタメダルプレッシャ218は回動し、アフタメダルプレッシャ218の後端部が上露出孔219(図8参照)から露出する。
図7及び図8に示すように、キャンセルシュータ206は、略板状の部材であり、パチスロ1の左右方向の両端部がパチスロ1の前方に折曲するように成型されている。キャンセルシュータ206は、ベース板部204に着脱可能に固定され、ベース板部204の下部を後方から覆っている。キャンセルシュータ206は、メダル出口部204cを介することなく排出されるメダルをメダルシュート202(図4参照)に案内する。キャンセルシュータ206の左右方向の略中央部の上部には、下方に略矩形状に切り欠いた切欠き部206aが形成されている。
図7に示すように、サブプレート205は、メダルレール210を後方から覆う板状の部材である。サブプレート205は、平板状の本体部221と、この本体部221の上部に設けた軸部222と、を有している。本体部221の略中央部には、前後方向に貫通する貫通孔221aが設けられており、貫通孔221aからはメダルレール210の略中央部から下流領域が露出している。
軸部222は、ベース板部204に支持されており、サブプレート205は、軸部222を中心に回動可能にベース板部204に取り付けられている。軸部222には、コイルばね223が取り付けられている。通常時、サブプレート205は、コイルばね223の付勢力により、ベース板部204側に押し付けられている。このとき、サブプレート205と、サブプレート205に覆われたメダルレール210の上部との間には、メダルが通過可能な空間が形成されている。すなわち、サブプレート205は、メダルを通過させるガイド板として機能する。
ここで、例えば、メダルセレクタ201内にメダル詰まりが生じた場合、サブプレート205をコイルばね223の付勢力に抗して回動させて、メダル詰まりを解消することができる。
図8に示すように、セレクトプレート207は、サブプレート205に覆われていないメダルレール210の略中央部を移動するメダルをガイドする部材である。図10に示すように、セレクトプレート207は、略台形板状のプレート本体224と、プレート本体224の左右方向の両端部がパチスロ1の前方へ折曲することで形成されている一対の軸受部225と、を有している。また、プレート本体224の上部には、パチスロ1の前方へ折曲し、後端部が上方へ折曲することで形成されているフランジ部226が形成されている。また、一方の軸受部225には、下方へ延びるメダルストッパ部227が形成されている。
図8に示すように、プレート本体224は、サブプレート205に覆われていないメダルレール210の略中央部とパチスロ1の前後方向に対向している。
図9に示すように、セレクトプレート207は、ベース板部204の前面204aに設けられた軸部228に回動可能に支持されている。軸部228にはコイルばね229が設けられており、フランジ部226をパチスロ1の前方へ付勢する。フランジ部226は、メダルソレノイド208の一端部と接触している。メダルソレノイド208がON状態にあるとき、フランジ部226はメダルソレノイド208の一端部に押圧され、コイルばね229の付勢力に抗してパチスロ1の後方へ移動する。このときの、セレクトプレート207の回動位置を「ガイド位置」と称する。ガイド位置にあるセレクトプレート207のプレート本体224とメダルレール210との距離は、メダルをキャンセルシュータ206側に排出することなくホッパー装置51へガイド可能な所定の距離に設定されている。また、このときメダルストッパ部227は、下露出孔220(図8参照)から突出しない。
また、メダルソレノイド208がOFF状態にあるとき、フランジ部226はメダルソレノイド208の押圧から解放され、コイルばね229の付勢力によってパチスロ1の前方へ移動する。このときの、セレクトプレート207の回動位置を「排出位置」と称する。排出位置にあるセレクトプレート207のプレート本体224とメダルレール210との距離は、所定の距離よりも長い距離に設定されている。このとき、パチスロ1の前方へ移動するフランジ部226に押圧され、メダルソレノイド208の一端部はパチスロ1の前方へ移動する。これに伴ってメダルソレノイド208の他端部がパチスロ1の後方へ移動し、アフタメダルプレッシャ218の前端部を押圧する。これによってアフタメダルプレッシャ218は回動し、アフタメダルプレッシャ218の後端部が上露出孔219(図8参照)から露出する。
メダルストッパ部227は、セレクトプレート207がガイド位置にあるときは下露出孔220(図8参照)から突出せず、排出位置にあるときは下露出孔220から突出する。
図11に示すように、ガイド位置にあるセレクトプレート207は、メダルレール210上を移動するメダルが規格寸法を満たす場合、移動するメダルの上部と接触し、メダルをメダル出口部204c(図8参照)へ案内する。メダルは、セレクトプレート207に案内されているとき、メダルプレッシャ213をパチスロ1の前方へ押圧する。なお、図11では、メダルセレクタ201のサブプレート205やキャンセルシュータ206の図示を省略している。
一方、図12に示すように、排出位置にあるセレクトプレート207は、メダルレール210上を移動するメダルが規格寸法を満たす場合であっても、プレート本体224とメダルレール210との距離が離れているため、メダルをメダル出口部204c(図8参照)へ案内することができない。また、メダルは、メダルプレッシャ213、上露出孔219から突出するアフタメダルプレッシャ218、または、下露出孔220から突出するメダルストッパ部227に押し出され、キャンセルシュータ206に向けて排出される。なお、図12では、図11と同様に、メダルセレクタ201のサブプレート205やキャンセルシュータ206の図示を省略している。
また、本実施形態においてセレクトプレート207は、通常、ガイド位置に位置付けされているが、所定の条件下(例えば、規定枚数のメダル投入時、エラー発生時、遊技開始時など)では、排出位置に位置付けされている。
また、メダルレール210上を移動するメダルが規格寸法よりも小径の場合、セレクトプレート207がガイド位置にあっても、メダルはセレクトプレート207に案内されず、メダルプレッシャ213に押し出され、キャンセルシュータ206に向けて排出される。
図7及び図8に示すように、カメラユニット209は、第1の基板230と第2の基板231で構成されており、メダルレール210上を移動する物体が正規メダルか否かを判別するユニットである。第1の基板230には、CMOSイメージセンサ232(図16参照)及びLED233(図16参照)が設けられている。第2の基板231には、CMOSイメージセンサ232及びLED233と通信可能、及び、制御可能に接続されている制御LSI234(図16参照)が設けられている。第1の基板230と第2の基板231は、BtoB(Board-to-Board)形式のコネクタ(不図示)で接続され、また、各基板230、231の角部に設けられた脚部235によって固定されている。なお、カメラユニット209の回路の具体的な構成については後述する。また、本実施形態では、カメラユニット209を2つの基板230、231で構成する態様を説明したが、これに代えて、CMOSイメージセンサ232、LED233及び制御LSI234を設けた1つの基板で、カメラユニットを構成してもよい。
カメラユニット209は、キャンセルシュータ206の上部の切欠き部206aの周囲に設けられたビス穴206bに、第1の基板230がビス止めされることで、固定されている。CMOSイメージセンサ232(図16参照)は、第1の基板230の略中央部分に設けられている。CMOSイメージセンサ232は、メダルレール210上を移動するメダルを撮像し、撮像したメダルの画像データを制御LSI234(図16参照)に出力する。LED233(図16参照)は、CMOSイメージセンサ232の周囲で面発光し、メダルレール210上を移動するメダルに光を照射する。制御LSI234(図16参照)は、CMOSイメージセンサ232から出力された画像データに基づいて、メダルレール210上を移動する物体が正規メダルか否かを判別し、判別結果を出力する。すなわち、本実施形態では、制御LSI234はメダルレール210上を移動するメダルが正規メダルか否かを判別する、遊技媒体判定手段を構成する。なお、本実施形態では、切欠き部206aの周囲に形成したビス穴206bにビス止めすることでカメラユニット209をキャンセルシュータ206に固定する態様を説明したが、カメラユニットの固定態様はこれに限定されない。例えば、第1の基板230と第2の基板231の間に取り付けレールを設け、また、キャンセルシュータ206の上部に凹部を設け、この凹部に取り付けレールを嵌めた上で、取り付けレールとキャンセルシュータ206をビス止めまたは接着剤で固定するようにしてもよい。
<パチスロの回路構成>
次に、パチスロ1が備える回路の構成について、図13〜図20を参照して説明する。まず、図13を参照してパチスロ1が備える回路全体の概要について説明する。図13は、パチスロ1が備える回路全体のブロック構成図である。
パチスロ1は、ミドルドア41に配設された主制御基板71と、フロントドア2bに配設された副制御基板72を有している。主制御基板71には、リール中継端子板74と、設定用鍵型スイッチ56と、外部集中端子板47と、ホッパー装置51と、メダル補助収納庫スイッチ75と、電源装置53の電源基板53bが接続されている。設定用鍵型スイッチ56、外部集中端子板47、ホッパー装置51及びメダル補助収納庫スイッチ75は、キャビネット側中継基板44を介して主制御基板71に接続されている。外部集中端子板47及びホッパー装置51については、上述したため、説明を省略する。
リール中継端子板74は、各リール3L、3C、3Rのリール本体の内側に配設されている。このリール中継端子板74は、各リール3L、3C、3Rのステッピングモータ(不図示)に電気的に接続されており、主制御基板71からステッピングモータに出力される信号を中継する。
メダル補助収納庫スイッチ75は、メダル補助収納庫52のスイッチ貫通孔(非表示)を貫通している。このメダル補助収納庫スイッチ75は、メダル補助収納庫52がメダルで満杯になっているか否かを検出する。
電源装置53の電源基板53bには、電源スイッチ53aが接続されている。この電源スイッチ53aは、パチスロ1に必要な電源を供給するときにONにする。
また、主制御基板71には、ドア中継端子板68を介して、メダルセレクタ201、ドア開閉監視スイッチ67、BETスイッチ77、精算スイッチ78、スタートスイッチ79、ストップスイッチ基板80、遊技動作表示基板81及び副中継基板61が接続されている。ドア開閉監視スイッチ67及び副中継基板61については、上述したため、説明を省略する。メダルセレクタ201の回路構成については後述する。
BETスイッチ77は、BETボタン22が遊技者により押されたことを検出する。精算スイッチ78は、精算ボタン27が遊技者により押されたことを検出する。スタートスイッチ79は、スタートレバー23が遊技者により操作されたこと(開始操作)を検出する。
ストップスイッチ基板80は、回転しているリールを停止させるための回路と、停止可能なリールをLEDなどにより表示するための回路を構成する基板である。このストップスイッチ基板80には、ストップスイッチが設けられている。ストップスイッチは、各ストップボタン19L、19C、19Rが遊技者により押されたこと(停止操作)を検出する。
遊技動作表示基板81は、メダルの投入を受け付けるとき、3つのリール3L、3C、3Rが回動可能なとき及び再遊技を行うときに、投入されたメダルの枚数を7セグ表示器24に表示させるための基板である。この遊技動作表示基板81には、7セグ表示器24とLED82が接続されている。LED82は、例えば、遊技の開始を表示するマークや再遊技を行うマークなどを点灯させる。
副制御基板72は、ドア中継端子板68と副中継基板61を介して主制御基板71に接続されている。この副制御基板72には、副中継基板61を介して、サウンドI/O基板84、LED基板62A、62B、62C、24hドア開閉監視ユニット63が接続されている。これらLED基板62A、62B、62C及び24hドア開閉監視ユニット63については、上述したため、説明を省略する。
サウンドI/O基板84は、センタースピーカ58、ボードスピーカ64、下部スピーカ65L、65R及びフロントドア2bに設けられた不図示のスピーカへの音声の出力を行う。
また、副制御基板72には、ロムカートリッジ基板86と、液晶中継基板87が接続されている。これらロムカートリッジ基板86及び液晶中継基板87は、副制御基板72と共に副制御基板ケース57に収納されている。ロムカートリッジ基板86は、演出用の画像(映像)、音声、LED基板62A、62B及びその他のLED基板(不図示)、通信のデータを管理するための基板である。液晶中継基板87は、副制御基板72と液晶表示装置11とを接続する配線を中継する基板である。
[主制御回路]
次に、主制御基板71により構成される主制御回路91について、図14を参照して説明する。図14は、パチスロ1の主制御回路91の構成例を示すブロック図である。
主制御回路91は、主制御基板71上に設置されたマイクロコンピュータ92を主たる構成要素としている。マイクロコンピュータ92は、メインCPU93、メインROM94及びメインRAM95により構成される。メインCPU93と前述のホッパー装置51は、本発明の遊技媒体払出装置を構成している。
メインROM94には、メインCPU93により実行される制御プログラム(例えば、上述した内部抽籤処理の実行のためのプログラム)、データテーブル、副制御回路101に対して各種制御指令(コマンド)を送信するためのデータ等が記憶されている。メインRAM95には、制御プログラムの実行により決定された内部当籤役等の各種データを格納する格納領域が設けられる。
メインCPU93には、クロックパルス発生回路96、分周器97、乱数発生器98及びサンプリング回路99が接続されている。クロックパルス発生回路96及び分周器97は、クロックパルスを発生する。メインCPU93は、発生されたクロックパルスに基づいて、制御プログラムを実行する。乱数発生器98は、予め定められた範囲の乱数(例えば、0〜65535)を発生する。サンプリング回路99は、発生された乱数の中から1つの値を抽出する。
メインCPU93は、リールインデックスを検出してから各リール3L、3C、3Rのステッピングモータに対してパルスを出力した回数をカウントする。これにより、メインCPU93は、各リール3L、3C、3Rの回転角度(主に、リールが図柄何個分だけ回転したか)を管理する。なお、リールインデックスとは、リールが一回転したことを示す情報である。このリールインデックスは、例えば、発光部及び受光部を有する光センサと、各リール3L、3C、3Rの所定の位置に設けられ、各リール3L、3C、3Rの回転により発光部と受光部との間に介在される検知片を備えたリール位置検出部(不図示)により検出する。
ここで、各リール3L、3C、3Rの回転角度の管理について、具体的に説明する。ステッピングモータに対して出力されたパルスの数は、メインRAM95に設けられたパルスカウンタによって計数される。そして、図柄1つ分の回転に必要な所定回数(例えば16回)のパルスの出力がパルスカウンタで計数される毎に、メインRAM95に設けられた図柄カウンタが1ずつ加算される。図柄カウンタは、各リール3L、3C、3Rに応じて設けられている。図柄カウンタの値は、リール位置検出部(不図示)によってリールインデックスが検出されるとクリアされる。
つまり、本実施の形態では、図柄カウンタを管理することにより、リールインデックスが検出されてから図柄何個分の回転が行われたのかを管理するようになっている。したがって、各リール3L、3C、3Rの各図柄の位置は、リールインデックスが検出される位置を基準として検出される。
上述したように、滑り駒数の最大数を図柄4個分に定めた場合は、左ストップボタン19Lが押されたときにリール表示窓4の中段にある左リール3Lの図柄と、その4個先の図柄までの範囲内にある各図柄が、リール表示窓4の中段に停止可能な図柄となる。
[副制御回路]
次に、副制御基板72により構成される副制御回路101について、図15を参照して説明する。図15は、パチスロ1の副制御回路101の構成例を示すブロック図である。
副制御回路101は、主制御回路91と電気的に接続されており、主制御回路91から送信されるコマンドに基づいて演出内容の決定や実行等の処理を行う。副制御回路101は、基本的に、サブCPU102、サブRAM103、レンダリングプロセッサ104、描画用RAM105、ドライバ106を含んで構成されている。
サブCPU102は、主制御回路91から送信されたコマンドに応じて、ロムカートリッジ基板86に記憶されている制御プログラムに従い、映像、音、光の出力の制御を行う。ロムカートリッジ基板86は、基本的に、プログラム記憶領域とデータ記憶領域によって構成される。
プログラム記憶領域には、サブCPU102が実行する制御プログラムが記憶されている。例えば、制御プログラムには、主制御回路91との通信を制御するための主基板通信タスクや、演出用乱数値を抽出し、演出内容(演出データ)の決定及び登録を行うための演出登録タスクが含まれる。また、決定した演出内容に基づいて液晶表示装置11(図2参照)による映像の表示を制御する描画制御タスク、LED85等の光源による光の出力を制御するランプ制御タスク、スピーカ58、64、65L、65R等のスピーカによる音の出力を制御する音声制御タスク等が含まれる。
データ記憶領域は、各種データテーブルを記憶する記憶領域、各演出内容を構成する演出データを記憶する記憶領域、映像の作成に関するアニメーションデータを記憶する記憶領域が含まれている。また、BGMや効果音に関するサウンドデータを記憶する記憶領域、光の点消灯のパターンに関するランプデータを記憶する記憶領域等が含まれている。
サブRAM103は、決定された演出内容や演出データを登録する格納領域や、主制御回路91から送信される内部当籤役等の各種データを格納する格納領域が設けられている。
サブCPU102、レンダリングプロセッサ104、描画用RAM(フレームバッファを含む)105及びドライバ106は、演出内容により指定されたアニメーションデータにしたがって映像を作成し、作成した映像を液晶表示装置11に表示させる。
また、サブCPU102は、演出内容により指定されたサウンドデータにしたがってBGMなどの音をスピーカ58、64、65L、65R等のスピーカにより出力させる。また、サブCPU102は、演出内容により指定されたランプデータにしたがってLED85等の光源の点灯及び消灯を制御する。
<メダルセレクタの回路構成>
次に、メダルセレクタ201の回路構成について、図16を参照して説明する。図16は、メダルセレクタ201の回路構成例を示すブロック図である。
図16に示すように、メダルセレクタ201は、カメラユニット209とメダルソレノイド208を備えている。また、メダルセレクタ201は、ドア中継端子板68を介して、主制御基板71に接続されている。すなわちメダルセレクタ201は、主制御回路91と電気的に接続されている。したがって、主制御回路91は、メダルセレクタ201のメダルソレノイド208をON状態またはOFF状態に設定することができる。
カメラユニット209は、制御LSI234、CMOSイメージセンサ232及びLED233で構成されている。カメラユニット209の制御LSI234は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field-programmable Gate Array)等の、画像処理制御専用のLSIとして構成され、CMOSイメージセンサ232及びLED233と電気的に接続されている。制御LSI234は、LED233の発光を制御する。また、制御LSI234は、CMOSイメージセンサ232から出力された画像データに基づいて、投入が正規メダルか否かを判別し、判別結果を、ドア中継端子板68を介して主制御基板71に出力する。なお、本実施形態において、採用されているCMOSイメージセンサ232は、解像度が648×488ピクセルであり、フレームレートが240fps(Frames Per Second)のCMOSイメージセンサであるが、このようなイメージセンサに限定される必要はない(CMOS以外の撮像装置も用いられ得る)。また、LED以外の発光装置を用いることもできる。
[制御LSIの回路構成]
次に、制御LSI234の回路構成について、図17ないし図20を参照して説明する。図17は、制御LSI234の回路構成例を示すブロック図である。図18は、制御LSI234を含むカメラユニット209の機能ブロック図であり、図19は、正規メダルを説明するための図であり、図19Aは正規メダルの一面を示し、図19Bは正規メダルの画像データを示している。また、図20は正規メダルに係る処理画像データ(勾配平均画像データ)の生成(合成)を説明するための図である。なお、カメラユニット209は、LED等からなる発光部を備えるが、図18では図示を省略する。
制御LSI234は、ホストコントローラ241、画像認識DSP(digital signal processor)回路242、DMAC(ダイレクトメモリアクセスコントローラ(Direct Memory Access Controller))252、SRAM(Static Random Access Memory)243、フラッシュメモリ244、ISP(Image Signal Processing)回路245及びメダルカウント回路246を備えている。また、制御LSI234は、カラー認識回路247、魚眼補正スケーラ回路248、画像認識アクセラレータ回路249、及びGPIO(General Purpose Input/Output)250を備えている。これら制御LSI234を構成するデバイスは、バスを介して相互に接続されおり、本実施形態の制御LSI234では、バスのプロトコルとしてAXI(Advanced eXtensible Interface)が採用されている。
また、制御LSI234は、ISI(Image Sensor Interface)回路251を備えている。ISI回路251は、CMOSイメージセンサ232とISP回路に電気的に接続されている。ISI回路251は、CMOSイメージセンサ232からLVDS(Low voltage differential signaling)方式で出力された画像データをRGBベイヤ画像に変換して、ISP回路245に出力する。
DMAC252は、ホストコントローラ241を介さずにメモリや入出力装置の間でデータ転送を行う直接転送(すなわち、DMA(ダイレクトメモリアクセス)転送)の制御を行う回路である。本実施形態では、制御LSI234に含まれる上述の各回路のメモリとSRAM243との間等においてデータ転送を行う場合に、必要に応じ、DMAC252の制御によるDMA転送が行われる。なお、本実施形態では、所定のデータに関して、必要に応じて少なくとも1つの転送・記憶に関してDMAC252の制御によるDMA転送が行われるが、このようなDMA転送を行わず、構成からDMAC252を削除することもできる。すなわち、本実施形態では、ホストコントローラ241を介さずデータ転送を各回路とSRAM243の間で直接転送するDMAの制御を行うDMAC252は、直接転送制御手段を構成する。
ISP回路245は、ISI回路251からRGBベイヤ画像を受信すると、VSYNC(Vertical Synchronization)割込信号を、ホストコントローラ241に出力する。また、ISP回路245は、ISI回路251から出力されたRGBベイヤ画像を各種フォーマットに変換するフォーマット変換処理を行う。フォーマット変換処理において、ISP回路245は、RGBベイヤ画像をY(各ピクセルの輝度)に変換し、変換した画像データを、例えば、DMA転送によりSRAM243に記憶させる。また、ISP回路245は、RGBベイヤ画像を、YUV色空間に対応する画像データ(YUV画像データ)に変換し、このYUV画像データにおける輝度に係るデータをメダルカウント回路246に出力する。また、ISP回路245は、RGBベイヤ画像を、HSV色空間に対応する画像データ(HSV画像データ)に変換し、このHSV画像データにおける色相と彩度に係るデータをカラー認識回路247に出力する。
ここで、CMOSイメージセンサ232は、図18に示す撮像部261に対応する。また、ISI回路251(及びISI回路251を制御するホストコントローラ241)とISP回路245の一部(少なくとも、RGBベイヤ画像を、YUV色空間に対応する画像データ(YUV画像データ)に変換する処理機能部)、及びこれを制御するホストコントローラ241は、図18の変換部263に対応する。撮像部261から変換部263に、撮像画像262が送出される。
メダルカウント回路246は、ISP回路245から出力された輝度に係るデータに基づいてカウント処理を行う。カウント処理において、メダルカウント回路246は、画像における所定の領域であるカウント領域の輝度に係るデータと、カウントしきい値とを比較し、背景差分法によってメダルが通過したか否かを判定する。カウントしきい値とは、正規メダルの画像におけるカウント領域の輝度に係るデータに基づいて予め定められているしきい値である。メダルカウント回路246は、差分が小さければメダルが通過したと判定し、差分が大きければメダルが通過していない(メダル以外のものが通過した)と判定する。そして、メダルカウント回路246は、判定結果をSRAM243に記憶させる。
なお、カウント領域は、パチスロ1が正規メダルとして用いるメダルに応じて任意に設定可能であるが、メダルの回転角度が輝度の差分に大きな影響を与えないに領域に設定するのが好ましい。例えば、図19Aに示すような、両面に同じ刻印(模様)が施されている正規メダル400を用いる場合、この正規メダル400の画像データ402(図19B参照)では、領域内における正規メダルの一方の面に施された刻印(模様)がメダルの回転角度によって変化しない、すなわち、メダルの回転角度が輝度の差分に大きな影響を与えないに場所(図19Bの領域403)をカウント領域として設定するのが好ましい。また、カウント領域の範囲が狭いほど、カウント処理を高速化させることができる。
カラー認識回路247は、ISP回路245から出力された色相と彩度に係るデータに基づいて色判定処理を行う。色判定処理において、カラー認識回路247は、まず、画像データの中心付近の色相と彩度に係るデータの積算値をベクトルで表現し(ベクトル変換し)、3次元空間上でベクトルの角度を計算する。次に、カラー認識回路247は、計算したベクトルの角度と、所定の色しきい値とを比較して、正規メダルの色と一致するか否かを判定する。所定のしきい値は、正規メダルに係る画像データについて上述した処理と同様の方法で計算したベクトルの角度に基づいて予め定められているしきい値(例えば、比較対象となる正規メダルに係る3次元空間上のベクトルの個々の座標(XYZ)上の角度の±10度以内)である。そして、カラー認識回路247は、判定結果をSRAM243に記憶させる。
魚眼補正スケーラ回路248は、SRAM243からRGBベイヤ画像をY(各ピクセルの輝度)変換した画像データを、例えば、DMA転送によって取得し、魚眼補正処理を行う。魚眼補正処理において、魚眼補正スケーラ回路248は、取得した画像データを魚眼補正(例えば、バイリニア補間)し、1/2、1/4、1/8に縮小した縮小画像データを作成する。そして、魚眼補正スケーラ回路248は、作成した縮小画像データを、例えば、DMA転送によりSRAM243に記憶させる。
魚眼補正スケーラ回路248、及びこれを制御するホストコントローラ241は、図18の変換部263に含まれる。
画像認識DSP回路242は、SRAM243から縮小画像データ(本実施形態では、1/4に縮小した縮小画像データ)を、例えば、DMA転送によって取得し、前処理を行う。前処理において、画像認識DSP回路242は、取得した縮小画像データを、非線形拡散フィルタを通してエッジ画像データに変換し、エッジ画像データを、例えば、DMA転送によりSRAM243に記憶させる。
ここで、画像認識DSP回路242の一部(上述の、取得した縮小画像データを、非線形拡散フィルタを通してエッジ画像データに変換する処理機能部)、及びこれを制御するホストコントローラ241は、図18の変換部263に含まれる。
画像認識アクセラレータ回路249は、処理画像データ(例えば、ここでは勾配平均画像データ)を作成する画像処理(例えば、ここでは回転積算処理)を行う。この画像処理において、画像認識アクセラレータ回路249は、SRAM243からエッジ画像データを、例えば、DMA転送によって取得し、取得したエッジ画像データ(例えば、図19Bに示す画像データ402)を、例えば、1度単位で回転させて生成した360度分の変換後画像データを積算して(重ね合わせて)処理画像データを生成する。画像認識アクセラレータ回路249によって生成された処理画像データは、例えば、DMA転送によりSRAM243に記憶される。処理画像データが生成(合成)される例として、図19Aに示す正規メダル400の処理画像データ405を図20に示す。処理画像データ405は、「A」の形状のエッジ画像データが、例えば360度回転しながら積算される(すなわち、360回積算される)画像データ(勾配平均画像データ)となるが、ここではこれを、簡略化して示すものとする。
なお、画像認識アクセラレータ回路249の、処理画像データを生成する処理機能部、及びこれを制御するホストコントローラ241は、図18の特徴画像生成部264に対応する。
また、画像認識DSP回路242は、メダルの刻印(模様)が正規メダルの刻印と一致するか否かを判定する刻印判定処理を行う。刻印判定処理において、画像認識DSP回路242は、画像認識アクセラレータ回路249が画像処理で作成した処理画像データを、例えば、DMA転送によってSRAM243から取得する。次に、画像認識DSP回路242は、取得した処理画像データと、刻印判定処理用のテンプレートデータ(例えば、予め用意したSRAM243またはフラッシュメモリ244に記憶されている正規メダルの処理画像データ)との差分を算出する。そして、画像認識DSP回路242は、算出した差分値と刻印判定用のしきい値とに基づいてメダルの刻印が正規メダルの刻印と一致するか否かを判定し、判定結果をSRAM243に記憶させる。例えば、画像認識DSP回路242は、取得した処理画像データとテンプレートデータとの各画素における輝度を比較し、一致するか否か(多諧調の場合は差分が所定の範囲以内か)を判定し、一致する(差分が所定範囲内)画素が一定数以上ある場合は、メダルの刻印(模様)が正規メダルの刻印と一致すると判定し、一致する画素が一定数に満たない場合はメダルの刻印(模様)が正規メダルの刻印と一致しないと判定する。
なお、このような、画像認識DSP回路242の、刻印判定処理に係る処理機能部、及びこれを制御するホストコントローラ241は、図18に示す判定部265に対応し、テンプレートデータは、テンプレートデータ267に対応する。
上述の刻印判定処理等を行う画像認識DSP回路242やホストコントローラ241は、プログラム(シーケンスプログラム)によって動作し、当該プログラムは、例えば、画像認識DSP回路242やホストコントローラ241に配置されるメモリ(例えば、DRAM)に記憶される。また、これらのプログラムをSRAM243やフラッシュメモリ244に記憶してもよい。また、テンプレートデータは、例えば、SRAM243に記憶される。
ホストコントローラ241はプロセッサを含み、各デバイスすなわちメダルカウント回路246、カラー認識回路247、魚眼補正スケーラ回路248、画像認識DSP回路242、画像認識アクセラレータ回路249、GPIO250の制御を行う。また、ホストコントローラ241は、GPIO250を介して、LED233へ点灯指示や消灯指示に係る信号を出力する。また、ホストコントローラ241は、GPIO250を介して、SRAM243に記憶されているカウント処理に係る判定結果、色判定処理に係る判定結果、刻印判定処理に係る判定結果を出力する。
なお、上述の、色判定処理または刻印判定処理に係る判定結果を出力するGPIO250とこれを制御するホストコントローラ241は、図18に示す入出力部266に対応し、判定結果は、図18の判定結果268に対応する。
ホストコントローラ241、画像認識DSP回路242、魚眼補正スケーラ回路248、及び画像認識アクセラレータ回路249は、それぞれメモリ(例えば、DRAM)を有し、そのメモリに、各種処理に用いるパラメータやデータ(例えば、画像データ)を記憶する。また、これらのパラメータやデータを、SRAM243やフラッシュメモリ244に記憶することもできる。
[画像認識アクセラレータ回路の構成]
次に、画像認識アクセラレータ回路249の構成について、図21を参照して説明する。図21は、画像認識アクセラレータ回路249の回路構成例を示すブロック図である。
図21に示すように、画像認識アクセラレータ回路249は、入力フレームバッファ271、座標変換回路272、画像処理回路273、及びメモリ274(メモリ274は、例えば、DRAMのような記憶回路により構成される)を備えている。入力フレームバッファ271には、上述のCMOSイメージセンサ232により撮像されたメダルの画像データに基づいて生成され、SRAM243等に記憶されている対象画像データ275が入力される。
画像認識アクセラレータ回路249は、DMAC252の制御によって、ホストコントローラ241を介さずにSRAM243にアクセスし、対象画像データ275をSRAM243から入力フレームバッファ271に転送(DMA転送)することが可能である。すなわち、画像認識アクセラレータ回路249とSRAM243との間では、ホストコントローラ241のCPUを介さずにデータ転送が行われる。
入力フレームバッファ271は、1フレーム分の対象画像データ275を記憶することができる。DMAC252は、SRAM243に記憶されている対象画像データ275を読み出して、当該データを入力フレームバッファ271に書き込むよう制御する。DMAC252は、このような制御を所定のタイミングで繰り返し、SRAM243に記憶されている対象画像データ275を読み出して入力フレームバッファ271に順次記憶する。
また、DMAC252は、複数の画素データからなる画像データを記憶することが可能なバッファを有するように構成することもできる。バッファは例えばFIFO(first in first out)バッファで構成される。この場合、DMAC252は、SRAM243に記憶されている対象画像データ275を読み出して、当該データをバッファに一旦記憶する。そして、DMAC252は、バッファ内の複数の画素データを入力フレームバッファ271に書き込む。この処理が複数回繰り返されることによって、1フレーム分の対象画像データ275が入力フレームバッファ271に書き込まれる。
座標変換回路272は、入力フレームバッファ271に記憶されている対象画像データ275に対して画像の座標変換を行う。座標変換が行われた変換後画像データ276は、画像処理回路273に入力される。座標変換回路272は、入力フレームバッファ271に新たな対象画像データ275が記憶されると、入力フレームバッファ271に記憶された新たな対象画像データ275に対して画像の座標変換を行う。なお、本明細書では、座標変換回路272による座標変換が行われた画像データを「変換後画像データ」と称し、座標変換が行われる前の画像データを「対象画像データ」と称する。
また、座標変換回路272には、メモリ274に記憶されている変換パラメータ280が提供される。変換パラメータ280は、例えば、SRAM243から、画像認識アクセラレータ回路249の初期設定といったタイミングでコピーされたものである。
画像処理回路273は、座標変換回路272で得られた変換後画像データ276に対して所定の画像処理を行う。例えば、画像処理回路273は、座標変換回路272で得られた複数の変換後画像データ276を合成し、それによって得られた処理画像データ277を出力する。なお、本明細書では、画像処理回路273による画像処理の結果、生成された画像データ(例えば、複数の変換後画像データを積算した画像データや、対象画像データに対して複数の座標変換を実行した画像データ)を「処理画像データ」と称する。
画像処理回路273によって生成された処理画像データ277は、DMAC252の制御により、SRAM243に転送(DMA転送)される。なお、DMAC252がバッファを有する場合、DMAC252は、画像処理回路273から出力される処理画像データ277の複数の画素データをバッファに一旦記憶し、その後、バッファ内の複数の画素データをSRAM243に書き込む。この処理が複数回繰り返されることによって、1フレーム分の処理画像データがSRAM243に書き込まれる。
[座標変換回路の動作と構成]
ここでは、まず座標変換回路272の動作の概要を説明した上で、座標変換回路272の構成及び詳細な動作について説明する。
[座標変換回路の動作の概要]
座標変換回路272は、入力フレームバッファ271に記憶された1フレーム分の対象画像データ275を用いて複数の座標変換を行う。具体的には、座標変換回路272は、図22に示すように、対象画像データ275に対して、複数の座標変換をそれぞれを個別に行って、複数の変換後画像データ276(例えば、276−1〜276−360)を生成する。
本実施形態では、座標変換回路272は、画像のアフィン変換を行うための座標変換を対象画像データ275に対して行う。具体的には、座標変換回路272は、画像の回転を行うための座標変換を対象画像データ275に対して行う。これにより、座標変換回路272では、対象画像データ275の回転が行われ、回転された画像データが、変換後画像データ276として得られる。ここで、画像の回転とは、画像に映る被写体の回転であって、画像が回転したとしても、画像の外形が変化するのではない。以後、変換後画像データ276によって表される回転された画像を単に「回転画像」と呼ぶことがある。
座標変換回路272は、入力フレームバッファ271に記憶された対象画像データ275に対して、複数の座標変換をそれぞれ別個に行って、互いに回転角度が異なる複数の変換後画像データ276を生成する。座標変換回路272は、入力フレームバッファ271に対象画像データ275が書き込まれるたびに、その入力フレームバッファ271に記憶された対象画像データ275に対して、複数の座標変換をそれぞれを別個に行う。
[座標変換回路の構成]
図23は、主として座標変換回路272の構成を示す図であり、図23に示される画像認識アクセラレータ回路249は、図21に示したものと同様の回路である。図23に示すように、座標変換回路272は、座標変換を行う変換回路281と、制御回路282とを備えている。本実施形態に係る座標変換回路272は、例えば、CPUでプログラムを実行することにより所定の処理が行われる構成のものとは異なり、ソフトウェアを使用せずに動作するハードウェアとして構成される。
図23に示すように、メモリ274には、座標変換で使用される変換パラメータ280が記憶されている。変換パラメータ280には、複数の座標変換において必要な複数の変換パラメータ280が含まれている。変換パラメータ280は、後述するように、ホストコントローラ241によって、SRAM243からメモリ274に書き込まれる。
変換回路281は、入力フレームバッファ271に記憶された1つの対象画像データ275に対して、複数の座標変換をそれぞれ個別に行って複数の変換後画像データ276を生成する。
図24は、メモリ274に変換パラメータ280が記憶されている様子の一例を示す図である。図24に示すように、変換パラメータ280には、画像に対して複数の回転をそれぞれ行うための複数の変換パラメータ(280−1〜280−360)が含まれている。図24に示す変換パラメータ280は、例えば、画像を1°から360°まで回転するための360の変換パラメータ(280−1〜280−360)である。
メモリ274では、回転角度が小さい変換パラメータ280ほど、アドレスが小さい記憶領域に記憶される。したがって、メモリ274に記憶されている360の変換パラメータ280を、それが記憶されている記憶領域のアドレスが小さいもの順に見ると、360の変換パラメータ280は、回転角度が小さいもの順に並んでいる。
変換回路281は、メモリ274に記憶されている変換パラメータ280に基づいて、対象画像データ275に対する座標変換を行う。これにより、対象画像データ275は、変換パラメータ280に応じた回転角度だけ回転するよう座標変換処理が施される。なお、本実施形態では、対象画像データ275は、例えば、対象画像データ275に表された図形の重心を中心として、時計回りで回転されるよう変換されるものとする。
制御回路282は、メモリ274から、複数の変換パラメータ280を順次読み出し、その変換パラメータ280を変換回路281に提供する。これにより、変換回路281には、制御回路282の働きにより、メモリ274に記憶された複数の変換パラメータ280が順次入力され、変換回路281は、変換パラメータ280が入力されるたびに、入力された変換パラメータ280に基づいて、入力フレームバッファ271の対象画像データ275を回転し、それよって得られた変換後画像データ276を画像処理回路273に出力する。
制御回路282はまた、レジスタ283を有している。レジスタ283には、変換パラメータ280(図24の例では、360の変換パラメータ(280−1〜280−360))のうち、変換回路281で使用される複数の変換パラメータ280を特定するための特定情報290が記憶される。制御回路282は、レジスタ283の特定情報290に基づいて、変換パラメータ280をメモリ274から順次読み出す。特定情報290は、後述するように、ホストコントローラ241によってレジスタ283に設定される。
図25は、特定情報290の一例を示す図である。図25に示すように、特定情報290には、例えば、使用パラメータ数291、使用開始位置292、及び使用間隔293が含まれる。本実施形態では、上述のように、座標変換回路272が、順次入力される複数の変換パラメータ280に基づいて、対象画像データ275の座標変換を順次連続的に重ねて行う。また、このように入力される変換パラメータ280は、例えば、(座標変換を行う)回転角度が小さいものの順に提供される。
使用パラメータ数291は、1つの対象画像データ275に関し、座標変換回路272において使用される変換パラメータ280の数を示している。本実施形態では、対象画像データ275に対し、1つの変換パラメータ280が使用されて1回の座標変換が行われることから、使用パラメータ数291は、1つの対象画像データ275についての座標変換回数を示していると言える。使用パラメータ数291が例えば「180」を示す場合、変換回路281は、1つの対象画像データ275に対して、180回の座標変換を個別に行って、互いに回転角度が異なる180の変換後画像データ276を連続的に生成する。
使用開始位置292は、最初に使用される変換パラメータ280の格納位置、つまり最初に使用される変換パラメータ280が記憶される(メモリ274の記憶領域における)アドレスを示している。図25の例において、使用開始位置292が例えば「0001h」を示す場合、対象画像データ275を2°回転させるための変換パラメータ(280−2)が最初に使用される。
使用間隔293は、座標変換を行う場合に、回転角度が小さいものの順に並ぶ複数の変換パラメータ280において、前回の座標変換で使用された変換パラメータ280から何個離れた変換パラメータ280を使用するかを示している。例えば、使用間隔293が「2」を示す場合、座標変換を行う際には、前回の座標変換で使用された変換パラメータ280(例えば、対象画像データ275を2°回転させるための変換パラメータ280−2)から2個離れた変換パラメータ280(例えば、対象画像データ275を4°回転させるための変換パラメータ280−4)が使用される。
以上より、入力フレームバッファ271に記憶された1つの対象画像データ275を2°から360°まで2°ずつ回転させる場合には、使用パラメータ数291が「180」となり、使用開始位置292が「0001h」となり、使用間隔293が「2」となる。この場合、制御回路282によって、メモリ274から、回転角度が2°の変換パラメータ280−2、回転角度が4°の変換パラメータ280−4、回転角度が6°の変換パラメータ280−6、・・・回転角度が358°の変換パラメータ280−358、回転角度が360°の変換パラメータ280−360が順次読み出されて変換回路281に順次入力される。これにより、変換回路281では、図26に示すように、回転角度が2°ずつ異なる180の変換後画像データ276(276−1、276−2、276−3、・・・276−179、276−180)が順次生成される。
このほか、図25の例において、使用パラメータ数291に「360」を設定し、使用開始位置292に「0000h」を設定し、使用間隔293に「1」を設定すると、入力フレームバッファ271に記憶された1つの対象画像データ275が1°から360°まで1°ずつ回転させられて、360の変換後画像データ276が生成される。
また、使用パラメータ数291を「36」に設定し、使用開始位置292を、回転角度が10°の変換パラメータ280が記憶される記憶領域のアドレスに設定し、使用間隔293を「10」に設定すると、入力フレームバッファ271に記憶された1つの対象画像データ275が10°から360°まで10°ずつ回転させられて、36の変換後画像データ276が生成される。
また、使用パラメータ数291を「18」に設定し、使用開始位置292を、回転角度が270°の変換パラメータ280が記憶される記憶領域のアドレスに設定し、使用間隔293を「5」に設定すると、入力フレームバッファ271に記憶された1つの対象画像データ275が270°から360°まで5°ずつ回転させられて、18の変換後画像データ276が生成される。
変換回路281は、変換後画像データ276を1つずつ画像処理回路273に出力する。また、変換回路281は、変換後画像データ276を構成する複数の画素を、所定の画素数の単位で、または1画素ずつ(その画素が生成されるたびに)、画像処理回路273に出力することができる。
このように、座標変換回路272では、特定情報290によって、変換パラメータ280が特定されることから、特定情報290によって、座標変換回路272にどのような座標変換を行わせるかを決定することができる。
また、特定情報290によって、変換パラメータ280が特定されることから、制御LSI234やメダルセレクタ201によって、座標変換回路272が使用する特定情報290を異ならせることで、複数の制御LSI234やメダルセレクタ201の間で互いに異なる座標変換を実行させることができる。
また、1つの制御LSI234やメダルセレクタ201において、複数の特定情報290が使用されてもよい。この場合、座標変換回路272は、ある対象画像データ275に対して座標変換を行う場合には第1特定情報290−1を使用し、他の対象画像データ275’に対して座標変換を行う場合には第1特定情報290−1とは異なる第2特定情報290−2を使用する。これにより、座標変換回路272は、対象画像データごとに異なる座標変換を行うことができる。
なお、本実施形態においては、特定情報290が、使用パラメータ数291、使用開始位置292、及び使用間隔293を含むように構成されているが、一部の情報を省略することもできる(例えば、メモリ274に記憶されている変換パラメータ280の数が分かっている場合は、使用パラメータ数291を省略できる)。
[変換パラメータの例]
対象画像データ275の座標変換では、変換後画像データ276における、ある座標Zでの画素として、対象画像データ275における、当該ある座標Zに対応する座標CZでの画素が採用される。対象画像データ275において、変換後画像データ276でのある座標Zに対応する座標CZに画素が存在しない場合には、その対応する座標CZでの画素データは、当該対応する座標CZの周辺の複数の座標PCZに存在する複数の画素の画素データを用いた補間によって求められる。この画素補間には、例えば、バイリニア補間あるいはバイキュービック補間などが使用される。
図27は、変換パラメータ280による座標変換の一例を説明するための図である。本実施形態では、変換パラメータ280には、変換後画像データ276により表される画像での4隅の画素の座標A1、B1、C1、D1にそれぞれ対応する、対象画像データ275により表される画像での4つの座標A0、B0、C0、D0が含まれている。
変換回路281は、変換パラメータ280が入力されると、入力された変換パラメータ280に含まれる4つの座標A0、B0、C0、D0に基づいて、変換後画像データ276を構成する複数の画素の座標にそれぞれ対応する、対象画像データ275での複数の座標を求める。そして、変換回路281は、対象画像データ275に関して求めた複数の座標のそれぞれでの画素データを、対象画像データ275を構成する複数の画素の画素データに基づいて決定する。このとき、必要に応じて画素補間が使用される。その後、変換回路281は、変換後画像データ276における各座標での画素データとして、対象画像データ275における、対応する座標での画素データを採用する。これにより、変換回路281では、入力された変換パラメータ280に基づいて対象画像データ275により表される画像が回転され、回転画像が生成される。
なお、対象画像データ275に対して所定の座標変換を行うことによって、対象画像データ275に含まれる、たる型歪み等の画像歪みを補正することができる。そこで、変換パラメータ280として、画像を回転させるための座標変換と歪み補正を行うための座標変換の両方に対応した変換パラメータ280をメモリ274に記憶し、座標変換回路272は、変換パラメータ280に基づいて、対象画像データ275に対して、画像の回転と歪み補正を同時に行ってもよい。上記の特許文献2、及び特許文献3には、たる型歪みの補正技術が開示されている。
[画像処理回路の動作と構成]
ここでは、まず画像処理回路273の動作の概要を説明した上で、画像処理回路273の構成及び詳細な動作について説明する。
[画像処理回路の動作の概要]
画像処理回路273は、図28に示すように、座標変換回路272で生成される複数の変換後画像データ276を合成し、それによって得られた処理画像データ277を出力画像データとしてSRAM243に(DMA転送により)出力する。画像処理回路273は、1フレーム分の画像データを記憶することが可能なフレームメモリを有しており、当該フレームメモリを用いて処理画像データ277を生成する。
図29は画像処理回路273の動作の概要を説明するための図である。画像処理回路273は、N個の変換後画像データ276’を順次積算することによって処理画像データ277(図29に示す処理画像データ277−(N−1))を生成する。
図29に示すように、画像処理回路273は、変換回路281で最初に生成された変換後画像データ276−1(例えば、図26の例では回転角度が2°の変換後画像データ276−1に対応)をフレームメモリに記憶する。
次に、画像処理回路273は、変換回路281で2番目に生成された変換後画像データ276−2(例えば、図26の例では回転角度が4°の変換後画像データ276−2に対応)を、フレームメモリ内の最初の変換後画像データ276−1に対して加算して1回処理画像データ277−1を生成する。ここで画像処理回路273は、この1回処理画像データ277−1をフレームメモリに記憶する。
次に、画像処理回路273は、変換回路281で3番目に生成された変換後画像データ276−3(例えば、図26の例では回転角度が6°の変換後画像データ276−3に対応)を、フレームメモリ内の1回処理画像データ277−1に対して加算して2回処理画像データ277−2を生成する。ここで画像処理回路273は、2回処理画像データ277−2をフレームメモリに記憶する。
以後、画像処理回路273は同様の動作を繰り返し、変換回路281で最後に生成された変換後画像データ276−N(例えば、図26の例では回転角度が360°の変換後画像データ276−180に対応)を、フレームメモリ内の(N−2)回処理画像データ277−(N−2)に対して加算して(N−1)回処理画像データ277−(N−1)を生成する。この(N−1)回処理画像データ277−(N−1)が処理画像データ277となる。画像処理回路273は、処理画像データ277をフレームメモリに記憶する。その後、フレームメモリ内の処理画像データ277は、DMAC252の制御によるDMA転送により、フレームメモリからSRAM243に出力される。
[画像処理回路の構成]
図30は画像処理回路273の構成を示す図である。図30に示すように、画像処理回路273は、フレームメモリ309、記憶制御部300、加算処理部305、ライトバッファ306、リードバッファ307、及び出力制御部308を備えている。本実施形態における画像処理回路273は、例えば、CPUでプログラムを実行することにより所定の処理が行われる構成のものとは異なり、ソフトウェアを使用せずに動作するハードウェアである。したがって、記憶制御部300は記憶制御回路、加算処理部305は加算処理回路、出力制御部308は出力制御回路と、それぞれ呼ぶことができる。画像処理回路273は、画像データを処理する一種のデータ処理装置である。
フレームメモリ309は、一種の記憶回路であって、例えばSRAMで構成されている。フレームメモリ309は、例えば、1フレーム(1枚)分の画像データを記憶することができる。また、フレームメモリ309は、複数フレーム分の画像データを記憶することができるように構成されてもよい。
出力制御部308は、フレームメモリ309から読み出されたデータを入力し、さらに、当該データをSRAM243に(DMA転送によって)出力するよう制御する。また、出力制御部308は、動作モードとして、入力されたデータをDMA転送によって出力するDMA出力モードと、入力されたデータをDMA転送によらず出力する非DMA出力モードとを有するように構成できる。本実施形態において、出力制御部308は、基本的には非DMA出力モードで動作し、フレームメモリ309から出力対象データが読み出されるときにだけDMA出力モードで動作する。これにより、フレームメモリ309から読み出された出力対象データは、出力制御部308からDMA転送により出力される。
記憶制御部300は、フレームメモリ309、ライトバッファ306、リードバッファ307、及び出力制御部308を制御する。記憶制御部300がフレームメモリ309を制御することによって、フレームメモリ309にデータが書き込まれたり、フレームメモリ309からデータが読み出されたりする。出力制御部308は、記憶制御部300による制御に応じて、フレームメモリ309から読み出されたデータについてのDMA転送による出力を制御する。なお、記憶制御部300については後で詳細に説明する。
加算処理部305は、変換回路281で生成される変換後画像データを、記憶制御部300による制御でフレームメモリ309から読み出された加算対象の画像に対して加算する。例えば、図29に示すように、2番目の変換後画像データ276−2についての加算対象の画像は、最初の変換後画像データ276−1となり、m番目(mは変数で、3≦m≦N)の変換後画像データ276−mについての加算対象の画像は、(m−2)回処理画像データ277−(m−2)となる。
ここで、加算される2つの画像データの一方を「第1画像データ」と称し、他方を「第2画像データ」と称する。そして、第1画像データを構成する複数の画素データのそれぞれを「第1画素データ」と称し、第2画像データを構成する複数の画素データのそれぞれを「第2画素データ」と称する。
加算処理部305は、第1画像データを構成する複数の第1画素データのそれぞれについて、当該第1画素データと、第2画像データにおける、当該第1画素データと同じ位置(座標)での第2画素データとを加算することによって、第1画像データと第2画像データとを加算する。
本実施形態において、座標変換回路272は、上述のように、変換後画像データ276の画像データを構成する複数の画素データを1画素分ずつ出力する。加算処理部305は、最初の変換後画像データ276の画素データが1画素分入力されると、加算処理を行わずに、入力された画素データをそのままライトバッファ306に書き込む。ライトバッファ306は、例えば4画素分の画素データを記憶することが可能である。ライトバッファ306に4画素分の画素データが蓄積されると、記憶制御部300によるフレームメモリ309に対する制御によって、ライトバッファ306のなかの4画素分の画素データがフレームメモリ309に一度に書き込まれる。このような書き込み処理の繰り返しにより、フレームメモリ309には、4画素単位で画素データが繰り返し書き込まれる。
フレームメモリ309では、ライトバッファ306のなかの4画素分の画素データが、フレームメモリ309に記憶され、読み出された元の画像データの同じアドレスの記憶領域に書き込まれる。ライトバッファ306のデータがフレームメモリ309に書き込まれると、書き込まれたデータはライトバッファ306から消去される。このように、画像処理後の画像データがフレームメモリ309に書き込まれた場合、当該画像データがライトバッファ306から消去されるため、画像データが書き込まれてすぐに、書込要求出力部302からの要求が可能となり、結果的に、画像データの効率的なライトバッファ306への書き込みが順次行われることとなる。
記憶制御部300によるフレームメモリ309に対する制御によって、フレームメモリ309から、4画素単位で画素データが読み出される。つまり、フレームメモリ309に対する1回のリードアクセスで、フレームメモリ309から、4画素分の画素データが読み出される。フレームメモリ309から一度に読み出された4画素分の画素データはリードバッファ307に書き込まれる。
加算処理部305は、座標変換回路272から入力した画素データが、L番目(Lは変数で、2≦L≦N)の変換後画像データ276−Lの画素データである場合、リードバッファ307から加算対象の画素データを読み出す。そして、加算処理部305は、リードバッファ307から読み出した画素データに対して入力した画素データを加算する。これにより、加算処理部305では、(L−1)回処理画像データ277−(L−1)の画素データが得られる。
加算処理部305は、(L−1)回処理画像データ277−(L−1)の画素データを、ライトバッファ306に記憶する。ライトバッファ306の画素データはフレームメモリ309に記憶される。加算処理部305は、座標変換回路272から画素データが入力されるたびに同様の処理を行う。これにより、フレームメモリ309には、処理画像データ277(すなわち、(N−1)回処理画像データ277−(N−1))の画像データが記憶される。リードバッファ307からデータが読み出されると、読み出されたデータはリードバッファ307から消去される。このように、画像処理の対象となる画像データが、画像処理のために読み出された場合、当該画像データがリードバッファ307から消去されるため、画像データが読み出されてすぐに、第1読出要求出力部301からの要求が可能となり、結果的に、画像データの効率的なリードバッファ307への読み出しが順次行われることとなる。
上述したように、加算処理部305は、L番目の変換後画像データ276−Lの画素データを、リードバッファ307内の加算対象の画素データに対して加算して、(L−1)回処理画像データ277−(L−1)の画素データを生成する。
例えば、2番目の変換後画像データ276−2の画素データが座標変換回路272から入力された場合、当該入力された画素データについての加算対象の画素データは、最初の変換後画像データ276−1における、当該入力された画素データと同じ位置の画素データとなる。また、3番目の変換後画像データ276−3の画素データが座標変換回路272から入力された場合、当該入力された画素データについての加算対象の画素データは、1回処理画像データ277−1における、当該入力された画素データと同じ位置の画素データとなる。加算対象の画素データは、記憶制御部300によるフレームメモリ309に対する制御によって、当該入力された画素データが加算処理部305に提供されるときには、リードバッファ307に記憶されている。
本実施形態では、フレームメモリ309は、例えば、1ポートメモリである。したがって、フレームメモリ309からデータが読み出されているときに、フレームメモリ309に対してデータを書き込むことはできない。
また、画像処理回路273では、フレームメモリ309に対してリードモディファイライトが行われる。例えば、フレームメモリ309の、あるアドレスの記憶領域に記憶されている画素データがフレームメモリ309から読み出された後、加算処理部305において加算処理が実行され、(L−1)回処理画像データ277−(L−1)の画素データが生成され、ライトバッファ306に記憶される。その後、こうして加算処理された画素データが、ライトバッファ306から、フレームメモリ309の同じアドレスの記憶領域に書き戻される。
言い換えれば、ライトバッファ306に記憶された処理画像データの画素データがフレームメモリ309に書き込まれる場合、当該処理画像データの画素データは、加算対象の画素データが記憶されていたフレームメモリ309の記憶位置と同じ位置に記憶される。
本実施形態では、フレームメモリ309から一度に4画素分の画素データが読み出されて、リードバッファ307に記憶される。また、加算処理によって記憶されたライトバッファ306の4画素分の画素データもフレームメモリ309に対して一度に書き込まれる。
画像処理回路273では、フレームメモリ309のあるアドレスの記憶領域に記憶されている4画素分の画素データは、フレームメモリ309から読み出されて、一旦、リードバッファ307に記憶された後、加算処理部305で加算処理が実行される。そして、加算処理された4画素分の画素データは、ライトバッファ306に一旦記憶された後、フレームメモリ309(当該あるアドレスと同じアドレスの記憶領域)に書き戻される。
このように、本実施形態では、フレームメモリ309が1ポートメモリであって、フレームメモリ309に対してリードモディファイライトが行われる。したがって、このような構成により、フレームメモリ309の回路規模を小さくすることができ、結果的に、画像処理回路273の回路規模を小さくすることができる。
フレームメモリ309に記憶された、最終的な処理画像データ277は、出力制御部308からDMA転送によりSRAM243に出力される。例えば、記憶制御部300によるフレームメモリ309に対する制御によって、フレームメモリ309から、処理画像データ277の画素データが読み出されると、出力制御部308は、読み出された画素データをDMA転送によりSRAM243に出力する。フレームメモリ309からは、4画素分の画素データが一度に読み出されることから、出力制御部308は、フレームメモリ309から読み出された、処理画像データ277を、4画素単位で出力する。フレームメモリ309から読み出された処理画像データ277の画素データは、記憶制御部300によるリードバッファ307に対する制御によって、リードバッファ307には記憶されない。
DMAC252がバッファを有する場合、DMAC252は、画像処理回路273から入力される画素データをバッファに一旦記憶する。バッファは、複数画素分の画素データを記憶することが可能である。DMAC252は、バッファが一杯になると、バッファ内の複数画素分の画素データをSRAM243に転送するよう制御する。これにより、SRAM243には、画像認識アクセラレータ回路249で生成された処理画像データ277が記憶される。DMAC252では、バッファ内のデータがSRAM243に転送されると、転送されたデータはバッファから消去される。また、DMAC252は、バッファ内のデータのデータ量が所定以上になった場合に、バッファのデータをSRAM243に転送するよう構成することもできる。
[画像処理回路の記憶制御部における詳細な動作]
記憶制御部300は、加算処理部305で処理される加算対象の画素データをフレームメモリ309から読み出す第1読出処理を実行する。また、記憶制御部300は、加算処理部305で生成される、処理画像データ277の画素データを、フレームメモリ309に書き込む書込処理を行う。処理画像データ277の画素データは、加算処理部305で加算処理された画素データであると言える。そして、記憶制御部300は、最終的な出力対象データである、処理画像データ277の画素データを、フレームメモリ309から読み出す第2読出処理を実行する。
記憶制御部300は、第1読出要求出力部301、書込要求出力部302、第2読出要求出力部303、及び調停部304を備えている。
第1読出要求出力部301は、第1読出処理の実行要求である第1読出要求を出力する。書込要求出力部302は、書込要求の実行要求である書込要求を出力する。第2読出要求出力部303は、第2読出処理の実行要求である第2読出要求を出力する。
第1読出要求出力部301による第1読出要求の出力は、例えば、第1読出要求を示す第1読出要求信号を出力することである。第1読出要求信号には、フレームメモリ309において、読出対象の画素データが記憶される記憶領域のアドレスが含まれている。
書込要求出力部302による書込要求の出力は、例えば、書込要求を示す書込要求信号を出力することである。書込要求信号には、フレームメモリ309において、書込対象の画素データを書き込む記憶領域のアドレスが含まれている。
第2読出要求出力部303による第2読出要求の出力は、第2読出要求を示す第2読出要求信号を出力することである。第2読出要求信号には、フレームメモリ309において、読出対象の画素データが記憶される記憶領域のアドレスが含まれている。
第1読出要求出力部301、書込要求出力部302、及び第2読出要求出力部303は、互いに独立した基準に基づいて、第1読出要求、書込要求、及び第2読出要求をそれぞれ出力する。
第1読出要求出力部301は、例えば、リードバッファ307が空の場合に、第1読出要求(第1読出要求信号)を出力する。このように、第1読出要求出力部301は、リードバッファ307が空の場合に、画像処理の対象となる画像データをフレームメモリ309から読み出す要求を出力するため、当該リードバッファ307の回路規模を小さくすることができ、さらに、独立した効果的な基準により、画像データの読み出しタイミングが決定されることになる。
書込要求出力部302は、ライトバッファ306に所定量のデータが書き込まれた場合(例えば、一杯になった場合、すなわち、ライトバッファ306の容量と同じ量のデータが書き込まれた場合)に、書込要求(書込要求信号)を出力する。このように、書込要求出力部302は、ライトバッファ306が、例えば一杯になった場合に、画像処理後の画像データをライトバッファ306からフレームメモリ309に書き込む要求を出力するため、当該ライトバッファ306の回路規模を小さくすることができ、さらに、独立した効果的な基準により、画像データの書き込みタイミングが決定されることになる。
第2読出要求出力部303は、フレームメモリ309に記憶されている処理画像データ277を読み出して、DMAC252の制御によりSRAM243にデータ転送する場合に、所定のタイミングで第2読出要求(第2読出要求信号)を出力するよう制御する。
また、第2読出要求出力部303は、DMAC252がバッファを備える場合に、例えば、DMAC252のバッファの空き状況に基づいて、第2読出要求(第2読出要求信号)を出力する。例えば、第2読出要求出力部303は、バッファが空の場合、第2読出要求を出力する。あるいは、第2読出要求出力部303は、バッファの空き容量が所定量以上の場合(例えば、4画素分の画素データのデータ量以上の場合)、第2読出要求を出力する。言い換えれば、第2読出要求出力部303は、バッファに記憶することができるデータ量が所定量以上の場合、第2読出要求を出力する。
ただし、フレームメモリ309内に、出力対象データ、つまり処理画像データ277が記憶されていない場合には、記憶制御部300は出力対象データをフレームメモリ309から読み出すことができない。したがって、第2読出要求出力部303は、フレームメモリ309において、処理画像データ277の画素データが4画素分以上記憶されている場合であって、かつバッファが空の場合、第2読出要求を出力する。あるいは、第2読出要求出力部303は、フレームメモリ309において、処理画像データ277の画素データが4画素分以上記憶されている場合であって、かつバッファの空き容量が所定量以上の場合、第2読出要求を出力する。
このように、第1読出要求出力部301、書込要求出力部302、及び第2読出要求出力部303は、互いに独立した基準に基づいて、第1読出要求、書込要求、及び第2読出要求をそれぞれ出力することから、第1読出要求、書込要求、及び第2読出要求の少なくとも2つの要求が競合することがある。つまり、第1読出要求出力部301、書込要求出力部302、及び第2読出要求出力部303の少なくとも2つから同時に要求が出力されることがある。
そこで、記憶制御部300には、第1読出要求、書込要求、及び第2読出要求の少なくとも2つの要求が競合する場合に、競合する少なくとも2つの要求を調停する調停部304が設けられている。
調停部304は、第1読出要求、書込要求、及び第2読出要求が競合しない場合には、入力される要求に応じた処理をフレームメモリ309に対して行う。一方で、調停部304は、第1読出要求、書込要求、及び第2読出要求の少なくとも2つの要求が競合する場合には、競合する少なくとも2つの要求を調停することによって当該2つの要求の一つを選択する。そして、調停部304は、選択した要求に応じた処理をフレームメモリ309に対して行う。
本実施形態では、第1読出要求、書込要求、及び第2読出要求に対して(または、第1読出要求出力部301、書込要求出力部302、及び第2読出要求出力部303の各出力部に対して)、処理の優先度が割り当てられている。例えば、第1読出要求に対して最も高い優先度が割てられ、書込要求に対して2番目に高い優先度が割り当てら、第2読出要求に対しては最も低い優先度が割り当てられる。そして、調停部304は、競合した要求の優先度に基づいて、当該要求を調停する。調停部304では、競合した要求のうち、優先度が最も高い要求が選択され、選択された要求に応じた処理が行われる。したがって、例えば、第1読出要求、書込要求、及び第2読出要求の3つの要求が競合する場合には、第1読出要求が選択される。また、書込要求、及び第2読出要求の2つの要求が競合する場合には、書込要求が選択される。
調停部304は、第1読出要求に応じた処理を行う場合には、第1読出要求出力部301から入力される第1読出要求信号に含まれるアドレスと、リード信号とをフレームメモリ309に出力する。これにより、フレームメモリ309における、第1読出要求信号に含まれるアドレスの記憶領域から4画素分の画素データが読み出され、読み出された画素データがリードバッファ307に書き込まれる。調停部304が第1読出要求に応じた処理を行う際には、出力制御部308が非DMA出力モードで動作していることから、フレームメモリ309から読み出されたデータは出力制御部308からSRAM243等に出力されることはない。
調停部304は、書込要求に応じた処理を行う場合には、ライトバッファ306から4画素分の画素データを読み出してフレームメモリ309に出力するとともに、書込要求出力部302から入力される書込要求信号に含まれるアドレスと、ライト信号とをフレームメモリ309に出力する。これにより、ライトバッファ306から出力される4画素分の画素データが、フレームメモリ309における、書き込み要求信号に含まれるアドレスの記憶領域に対して書き込まれる。
調停部304は、第2読出要求に応じた処理を行う場合には、第2読出要求出力部303から入力される第2読出要求信号に含まれるアドレスと、リード信号とをフレームメモリ309に出力するとともに、出力制御部308の動作モードを非DMA出力モードからDMA出力モードに変更する。これにより、フレームメモリ309における、第2読出要求信号に含まれるアドレスの記憶領域から4画素分の画素データが読み出され、読み出された4画素分の画素データは、出力制御部308からDMAC252の制御によりSRAM243に出力される。
なお、上記の例では、座標変換回路272での処理時間が比較的大きく、座標変換回路272において変換後画像データ276の画素データがすぐに得られず、その結果、処理画像データ277の画素データが得られにくい状況を想定し、制御LSI234全体での処理速度を向上するために、処理画像データ277の画素データの生成に必要な第1読出要求、及び書込要求の優先度を、第2読出要求の優先度よりも高くしている。しかしながら、第1読出要求、書込要求、及び第2読出要求に対する優先度の割り当て方はこの限りではない。
例えば、DMAC252の制御によって、フレームメモリ309の処理画像データ277をSRAM243にDMA転送する場合であって、制御LSI234のバスの使用率が常に高く、SRAM243に対してデータを転送しにくく、その結果、処理画像データ277の転送レートが上がらない場合には、フレームメモリ309において出力対象データ(処理画像データ277の画素データ)が蓄積されやすい状況となる。この場合に、第1読出要求、及び書込要求の優先度を、第2読出要求の優先度よりも高くすると、フレームメモリ309に記憶された処理画像データ277はいつまでも画像処理回路273から出力されない可能性がある。そこで、このような場合には、フレームメモリ309から処理画像データ277を読み出すための第2読出要求の優先度を、第1読出要求、及び書込要求の優先度よりも高く設定し、これによって、制御LSI234全体での処理速度を向上させることができる。
また、例えば、DMAC252がバッファを備える場合であって、制御LSI234のバスの使用率が常に高く、DMAC252からSRAM243に対してデータを転送しにくく、その結果、DMAC252のバッファに空きが生じにくい場合には、フレームメモリ309において出力対象データ(処理画像データ277の画素データ)が蓄積されやすい状況となる。この場合に、第1読出要求、及び書込要求の優先度を、第2読出要求の優先度よりも高くすると、フレームメモリ309に記憶された処理画像データ277はいつまでも画像処理回路273から出力されない可能性がある。そこで、このような場合には、フレームメモリ309から処理画像データ277を読み出すための第2読出要求の優先度を、第1読出要求、及び書込要求の優先度よりも高く設定し、これによって、制御LSI234全体での処理速度を向上することができる。
このように、記憶制御部300では、第1読出要求、書込要求、及び第2読出要求の少なくとも2つの要求が競合する場合には、当該少なくとも2つの要求が調停される。そのため、第1読出要求出力部301、書込要求出力部302、及び第2読出要求出力部303は互いに独立して動作することができる。よって、第1読出要求出力部301、書込要求出力部302、及び第2読出要求出力部303のうちの特定の出力部での処理がボトルネックになることを抑制することができる。その結果、制御LSI234全体の処理速度を向上させることができる。
なお、処理の優先度は変更できるように構成することができる。例えば、ユーザの操作により、または自動的に処理の優先度を変更できるように制御LSI234を構成してもよい。また、画像処理回路273は、制御LSI234の動作状況に応じて処理の優先度を変更してもよい。例えば、バスの使用率を求めるバス使用率算出回路を制御LSI234に設け、画像処理回路273が、当該バス使用率算出回路で得られるバスの使用率に基づいて処理の優先度を変更するように構成してもよい。具体的には、バスの使用率が所定値よりも大きい場合には、第2読出要求の優先度を、第1読出要求、及び書込要求の優先度よりも高くし、バスの使用率が所定値以下の場合には、第1読出要求、及び書込要求の優先度を、第2読出要求の優先度よりも高くする。このように、処理の優先度を動的に変更することにより、画像処理回路273全体の処理速度をさらに向上させることができる。
[制御LSI234による正規メダル判別処理のフロー]
次に、図31ないし図33を参照して、制御LSI234が行う、メダルレール210上を移動する物体が正規メダルか否かを判別するための処理(以下、「正規メダル判別処理」と称する場合がある)について説明する。
図31、及び図32は、制御LSI234の正規メダル判別処理を説明するための図である。図31、及び図32は、制御LSI234を構成する各デバイスにおける処理の関係を時系列的に示しており、各デバイス名の下方に延在する垂直線における比較的太線の部分は、そのデバイスが上述した各種処理を行っている状態であることを示している。また、各デバイスに対応する線からホストコントローラにおける「IN」の下方に延在する垂直線に向かって延びる破線矢印は、各デバイスからホストコントローラ241へ出力される割込信号を示している。
また、ホストコントローラにおける「OUT」の下方に延在する垂直線から各デバイスに対応する線に向かって延びる破線矢印は、ホストコントローラ241から各デバイスに出力される信号を示している。また、ホストコントローラにおける「IN」の下方に延在する垂直線と「OUT」の下方に延在する垂直線との間の実線矢印は、ホストコントローラ241が検知した割込信号とホストコントローラ241から出力される信号との対応関係を示している。
なお、図31は、メダル投入口21(図2参照)に6枚のメダルが連続して投入された場合の正規メダル判別処理に関し、最初のメダルに関する判別処理を抜き出して示しており、図32は、6枚のメダルが連続して投入された場合の正規メダル判別処理の全体を(最初のメダルに関する判別処理を含んで)示している。また、何枚目のメダルに係る信号なのかが明確になるように、各信号に付した符号の先頭には、メダルの投入順を表す数字を付している。例えば、1枚目のメダルに係る後述するISP回路245からホストコントローラ241に出力されるVSYNC割込信号には、「1IH」という符号を付し、2枚目のメダルに係る同様のVSYNC割込信号には、「2IH」という符号を付した。
まず、CMOSイメージセンサ232(図17参照)がメダルレール210上を移動する物体(本例では1枚目のメダル)を撮像し、画像データを制御LSI234に出力すると、ISP回路245は、ISI回路251を介して画像データを取得(受信)し、VSYNC(Vertical Synchronization)割込信号を、ホストコントローラ241に出力する(1IH)。また、ISP回路245は、RGBベイヤ画像を各種フォーマットに変換する変換処理を行う。そして、変換後の画像データ及び画像データに係る色相及び彩度や輝度のデータをSRAM243、メダルカウント回路246、カラー認識回路247に出力する。なお、変換処理の詳細な説明については上述したため省略する。
カラー認識回路247は、ISP回路245からデータを受信すると色判定処理を行い、判定結果をSRAM243に記憶させ、また、ホストコントローラ241に色判定割込信号を出力する(1CH)。なお、色判定処理の詳細な説明については上述したため省略する。
メダルカウント回路246は、ISP回路245からデータを受信するとカウント処理を行い、判定結果をSRAM243に記憶させ、また、ホストコントローラ241にメダルカウント割込信号を出力する(1MH)。なお、カウント処理の詳細な説明については上述したため省略する。
ホストコントローラ241は、色判定割込信号を検知すると、SRAM243から色判定処理の判定結果を取得し、GPIO250の割り付けPORTに出力する(1HG1)。すなわちホストコントローラ241は、色判定処理の判定結果を、GPIO250を介して主制御基板71(主制御回路91)に出力する。
ホストコントローラ241は、カウント割込信号を検知すると、SRAM243からカウント処理の判定結果を取得し、GPIO250の割り付けPORTに出力する(1HG2)。すなわちホストコントローラ241は、カウント処理の判定結果を、GPIO250を介して主制御基板71(主制御回路91)に出力する。なお、カウント処理の判定結果が「メダルが通過した」である場合、主制御回路91は、投入されたメダルの枚数をメインCPU93が計数するために設けられたカウンタである投入枚数カウンタの値に1加算する。なお、投入枚数カウンタの値が最大値(例えば、3)の場合は、クレジットされているメダルの枚数をメインCPU93が計数するために設けられたカウンタであるクレジットカウンタの値に1加算する。クレジットカウンタが最大値(例えば、50)の場合は、主制御回路91は、メダルセレクタ201のメダルソレノイド208をOFF状態に設定する。これによって、セレクトプレート207が「排出位置」に位置付けされ、クレジットカウンタが最大値となった後で投入されたメダルをメダルシュート202に案内してメダル払出口32からメダルトレイユニット34に排出する。本実施形態では、投入枚数カウンタの値が規定値(例えば、2または3)のときに、スタートレバーが操作されると、メインCPU93は上述の内部抽籤処理を行う。
魚眼補正スケーラ回路248は、ISP回路245が変換した画像データがSRAM243に記憶されると魚眼補正処理を行い、作成した縮小画像データをSRAM243に記憶させ、また、ホストコントローラ241に縮小終了割込信号を送信する(1SH)。なお、魚眼補正処理の詳細な説明については上述したため省略する。
ホストコントローラ241は、縮小終了割込信号を検知すると、SRAM243を参照し、カウント処理の判定結果が「メダルが通過した」であり、また、色判定処理の判定結果が「正規メダルの色と一致する」であることを条件に、画像認識DSP回路242に前処理の開始を指示する(1HD)。
画像認識DSP回路242は、ホストコントローラ241からの指示に応じて前処理を行い、エッジ画像データをSRAM243に記憶させ、ホストコントローラ241に前処理終了割込信号を出力する(1DH1)。なお、前処理の詳細な説明については上述したため省略する。また、本実施形態の画像認識DSP回路242は、SRAM243から縮小画像データを、DMA転送によって取得し、さらに、前処理の結果生成したエッジ画像データをDMA転送によりSRAM243に記憶させるため、このようなDMA転送を用いない同回路と比べて、前処理の処理時間が短縮される。
ホストコントローラ241は、前処理完了割込信号を検知すると、画像認識アクセラレータ回路249に、画像処理(例えば、ここでは回転積算処理)の開始を指示する(1HA)。
画像認識アクセラレータ回路249は、ホストコントローラ241の指示に応じて画像処理を行い、処理画像データをSRAM243に記憶させ、画像認識DSP回路242に画像処理終了割込信号を出力する(1AD)。なお、画像処理の一例である回転積算処理の詳細な説明については上述したため省略する。また、本実施形態の画像認識アクセラレータ回路249は、SRAM243からエッジ画像データを、DMA転送によって取得し、生成した処理画像データをDMA転送によりSRAM243に記憶させるため、このようなDMA転送を用いない同回路と比べて、画像処理の処理時間が短縮される。
画像認識DSP回路242は、画像処理終了割込信号を検知すると、SRAM243に記憶されている処理画像データを取得し、刻印判定処理を行い、判定結果をSRAM243に記憶させる。そして、画像認識DSP回路242は、刻印判定終了割込信号をホストコントローラ241に出力する(1DH2)。また、本実施形態の画像認識DSP回路242は、画像処理で作成した処理画像データを、例えば、DMA転送によってSRAM243から取得するため、このようなDMA転送を用いない同回路と比べて、刻印判定処理の処理時間が短縮される。
ホストコントローラ241は、刻印判定終了割込信号を検知すると、SRAM243に記憶されている刻印判定処理の判定結果を取得し、GPIOの割り付けPORTに出力する(1HG3)。すなわちホストコントローラ241は、刻印判定処理の判定結果を、GPIO250を介して主制御基板71(主制御回路91)に出力する。
図31に示すように、本実施形態においては、画像認識DSP回路242による前処理及び刻印判定処理、並びに画像認識アクセラレータ回路249による画像処理は、上記のように、DMA転送によって時間短縮が図られているものの、比較的時間がかかる。このため、メダルが連続して投入された場合、ホストコントローラ241は、縮小終了割込信号(1SH等)を検知すると、このときに、画像認識DSP回路242または画像認識アクセラレータ回路249が処理中(ビジー状態)か否かを確認し、いずれも処理中でない場合に、画像認識DSP回路242による前処理及び刻印判定処理並びに画像認識アクセラレータ回路249による画像処理の開始の指示を行うよう制御する。
次に、図32を参照して、6枚のメダルが連続して投入された場合の正規メダル判別処理の全体を説明する。図32には、図31に示した、最初のメダルに関する判別処理がすべて含まれている。
図32に示す例では、連続的に投入されるメダルについて正規メダル判別処理を連続して行うため、2枚目、及び4枚目のメダルに係る縮小終了割込信号(2SH及び4SH)をホストコントローラ241が検知する時、画像認識DSP回路242または画像認識アクセラレータ回路249が処理中(ビジー状態)であるため、ホストコントローラ241は、上述した画像処理の開始の指示(前処理、画像処理、及び刻印判定処理の開始の指示)を行わない。したがって、2枚目及び4枚目のメダルについては、カウント処理、色判定処理、及び魚眼補正処理は行われるが、前処理、画像処理、及び刻印判定処理は行われない。一方、3枚目のメダルに係る縮小終了割込信号(3SH)をホストコントローラ241が検知する時、画像認識DSP回路242及び画像認識アクセラレータ回路249は処理中(ビジー状態)ではない。したがって、3枚目のメダルについては、カウント処理、色判定処理、魚眼補正処理に加え、前処理、画像処理、及び刻印判定処理が行われる。
またここで、ホストコントローラ241によるカウント処理の判定結果のGPIO250への出力(1HG2)と、画像認識DSP回路242による前処理終了割込信号の送信(1DH1)との間には、ISP回路245による2枚目のメダルに係るVSYNC割込信号の出力(2IH)が発生している。しかし、各メダルに係る各種処理(カウント処理、色判定処理、刻印判定処理など)の判定結果などを記憶するためのSRAM243の記憶領域は個別に設定されているため、データの上書きなどは発生しない。このような状況は、3枚目以降のメダルの処理においても同様である。
なお、画像認識DSP回路242による前処理及び刻印判定処理、並びに画像認識アクセラレータ回路249による画像処理をより高速化することで、投入されるすべてのメダルについて、カウント処理、色判定処理及び刻印判定処理が行われるようにしてもよい。
図32に示す2枚目、3枚目、4枚目、5枚目、及び6枚目のメダルに係る各種信号(符号の先頭が「2」、「3」、「4」、「5」、「6」の各信号)については、先頭の数字のみが異なる上述した1枚目のメダルに係る各種信号(符号の先頭が「1」)と同様のため、詳細な説明を省略する。なお、図32に示した、制御LSI234の正規メダル判別処理における各デバイスの処理タイミングは例示に過ぎない。各デバイスの処理能力や処理内容・処理手順に応じて、様々な処理タイミングで正規メダル判別処理が行われうる。
次に、図33を参照して、画像認識アクセラレータ回路249による画像処理の流れをより詳細に説明する。
図33は、ホストコントローラ241と画像認識アクセラレータ回路249の動作フローを示す図であり、基本的に、上述した図32の処理の一部に対応するものである。最初に、(図32では省略されているが)パチスロ1の電源が投入されると、ホストコントローラ241は、画像認識アクセラレータ回路249をはじめとする各回路の初期設定を行う(ステップS0)。
画像認識アクセラレータ回路249には、図示しない各種設定レジスタが設けられている。初期設定において、ホストコントローラ241は、画像認識アクセラレータ回路249の各種設定レジスタにデータを設定する。例えば、ホストコントローラ241は、対象画像データ275が記憶されるSRAM243上の記憶領域のアドレスを第1設定レジスタに設定したり、画像認識アクセラレータ回路249で得られる処理画像データ277の書き込み先であるSRAM243の記憶領域のアドレスを第2設定レジスタに設定したり、画像認識アクセラレータ回路249が処理する対象画像データ275の画像サイズを第3設定レジスタに設定する。
さらに、画像認識アクセラレータ回路249の初期設定では、ホストコントローラ241は、変換パラメータ280を、画像認識アクセラレータ回路249のメモリ274に設定する。ホストコントローラ241は、例えば、SRAM243から変換パラメータ280を読み出し、これらの変換パラメータ280をメモリ274に書き込む。なお、ホストコントローラ241は、初期設定時に、変換パラメータ280を作成し、こうして作成された変換パラメータ280を、画像認識アクセラレータ回路249のメモリ274に書き込んでもよい。
初期設定が終了した後、ホストコントローラ241は、画像認識アクセラレータ回路249に対して最初の対象画像データ275に関する画像処理の開始を指示する(ステップS1)。この指示により、図32に示した信号(1HA)が画像認識アクセラレータ回路249に送信される。ここでホストコントローラ241は、最初の対象画像データ275に関する画像処理において使用される特定情報290を、画像認識アクセラレータ回路249の制御回路282が有するレジスタ283に設定する。
画像認識アクセラレータ回路249は、レジスタ283に特定情報290が設定されると、DMAC252の制御に基づいて、上述の第1設定レジスタに設定されているアドレス(SRAM243のアドレス)から最初の対象画像データ275を、DMA転送により読み出し、入力フレームバッファ271に書き込む(ステップS1−1)。座標変換回路272は、レジスタ283内の特定情報290に基づいて、メモリ274から最初に使用する変換パラメータ280を読み出し、読み出した変換パラメータ280に基づいて入力フレームバッファ271に記憶された対象画像データ275に対して1回目の座標変換を行う(ステップS1−1)。これにより、最初の変換後画像データ276−1が得られる。この最初の変換後画像データ276−1は、画像処理回路273のフレームメモリ309に記憶される。
座標変換回路272は、最初の変換後画像データ276−1を生成すると、特定情報290に基づいて、メモリ274から2番目に使用する変換パラメータ280を読み出し、読み出した変換パラメータ280に基づいて、入力フレームバッファ271に記憶された対象画像データ275に対して2回目の座標変換を行う(ステップS1−2)。これにより、2番目の変換後画像データ276−2が得られる。一方で、画像処理回路273は、最初の変換後画像データ276−1に対して、2番目の変換後画像データ276−2を加算する画像処理を行い、1回処理画像データ277−1を生成する(ステップS1−2)。
ここで、座標変換回路272は、変換後画像データ276の画素データを生成するたびに、生成した画素データを画像処理回路273に出力する。また、画像処理回路273は、座標変換回路272から画素データが入力されると、入力された画素データを、リードバッファ307から読み出した加算対象の画素データに加算する。したがって、画像認識アクセラレータ回路249では、変換後画像データ276−2が生成された後に、1回処理画像データ277−1が生成されるのではなく、座標変換回路272での変換後画像データ276−2の生成処理と、画像処理回路273での1回処理画像データ277−1の生成処理とが並行して実行される。
座標変換回路272は、2番目の変換後画像データ276−2を生成すると、特定情報290に基づいて、メモリ274から3番目に使用する変換パラメータ280を読み出し、読み出した変換パラメータ280に基づいて、入力フレームバッファ271に記憶された対象画像データ275に対して3回目の座標変換を行う。これにより、3番目の変換後画像データ276−3が得られる。一方で、画像処理回路273は、1回処理画像データ277−1に対して、3番目の変換後画像データ276−3を加算する画像処理を行い、2回処理画像データ277−2を生成する。
以後、画像認識アクセラレータ回路249は同様に動作して、座標変換回路272は、N番目の変換後画像データ276−Nを生成する(ステップS1−N)。一方で、画像処理回路273は、(N−2)回処理画像データ277−(N−2)に対して、N番目の変換後画像データ276−Nを加算する画像処理を行い、(N−1)回処理画像データ277−(N−1)、すなわち、処理画像データ277を生成する(ステップS1−N)。その後、画像処理回路273は、処理画像データ277を、DMAC252の制御によってSRAM243に出力する(ステップS1−N)。
処理画像データ277は、上述の第2設定レジスタに設定されているアドレスの記憶領域に対して書き込まれる(ステップS1−N)。上述のように、第1読出要求出力部301、書込要求出力部302、及び第2読出要求出力部303は互いに独立して動作するため、画像処理回路273において、加算処理部305での加算処理と、出力制御部308での出力処理とは並行して実行される。したがって、画像処理回路273では、処理画像データ277を構成するすべての画素データが生成された後に、処理画像データ277の画素データが出力されるのではなく、処理画像データ277の画素データの生成処理と、処理画像データ277の画素データの出力処理とは並行して実行される。
画像認識アクセラレータ回路249は、処理画像データ277のSRAM243への書き込みが終了すると、ホストコントローラ241に対して、最初の対象画像データ275に対する画像処理が完了したことを通知する完了通知を行う(ステップS1−e)。画像認識アクセラレータ回路249からのホストコントローラ241に対する完了通知は、例えば、ホストコントローラ241の割り込み機能が利用される。
ホストコントローラ241は、完了通知を受け取ると、画像認識アクセラレータ回路249に対して2つ目の対象画像データ275に関する指示を行う(ステップS2)。具体的には、ホストコントローラ241は、2つ目の対象画像データ275に対する処理で使用される特定情報290を、画像認識アクセラレータ回路249の制御回路282が有するレジスタ283に設定する。画像認識アクセラレータ回路249は、最初の対象画像データ275に対する処理と同様に動作して、2つ目の対象画像データ275に基づいて処理画像データ277を生成し、処理画像データ277をSRAM243に書き込む。以後、画像認識アクセラレータ回路249は、3つ目以降の対象画像データ275に対しても同様に処理を行う。
なお、p個目(pは変数で、p≧2)の対象画像データ275に対する処理で使用される特定情報290が、(p−1)個目の対象画像データ275に対する処理で使用される特定情報290と同じである場合、(p−1)個目の対象画像データ275についての完了通知を受け取ったホストコントローラ241は、p個目の対象画像データ275に対する処理で使用する特定情報290をレジスタ283に設定せずに、p個目の対象画像データ275に対する処理を開始するように画像認識アクセラレータ回路249に指示してもよい。
なお、本実施形態では、図31、及び図32に示すように、画像認識アクセラレータ回路249によって、1つの対象画像データ275に関する画像処理が終了すると、画像認識DSP回路242に画像処理終了割込信号(1AD等)を出力し、画像認識DSP回路242は、当該画像処理終了割込信号を検知すると、SRAM243に記憶されている処理画像データ277を取得し、その後、刻印判定処理を行うように構成されているが、図33に示した例では、このような処理とは異なるものとなっている。すなわち、画像認識アクセラレータ回路249が画像処理を終了すると、ホストコントローラ241に対して、完了通知を行う(ステップS1−e)ように構成される。このように、画像認識アクセラレータ回路249が1つの対象画像データ275に関する画像処理を終了した場合には、様々な動作パターンによって次の処理が開始されるように構成されうる。
上述のように、座標変換回路272は、複数の変換パラメータ280に基づいて、1つの対象画像データ275を用いた複数の座標変換を連続的に行っている。すなわち、座標変換回路272は、複数の変換パラメータ280に基づいて、ホストコントローラ241とデータのやり取りを行わずに1つの対象画像データ275から、複数の変換後画像データ276を生成する。したがって、座標変換回路272が、座標変換を行うたびに、その座標変換で使用する変換パラメータ280をホストコントローラ241から受け取る場合と比較して、複数の座標変換の処理時間を短縮することができる。
また、座標変換回路272が、複数の変換パラメータ280に基づいて、ホストコントローラ241とデータのやり取りを行わずに1つの対象画像データ275から複数の変換後画像データ276を生成することによって、ホストコントローラ241の処理負荷を低減することができる。また、本実施形態のように、ホストコントローラ241と画像認識アクセラレータ回路249とがバスで接続されている場合には、当該バスに関してより大きな帯域を確保することが可能となる。
またさらに、本実施形態では、画像認識アクセラレータ回路249の初期設定の際に、ホストコントローラ241が変換パラメータ280を、画像認識アクセラレータ回路249のメモリ274に設定するため、座標変換回路272は、初期設定の後、メモリ274から変換パラメータ280を読み出すことができる。よって、座標変換回路272は、変換パラメータ280を使用するたびに、ホストコントローラ241から、当該使用する変換パラメータ280を受け取る必要がなく、そのため、座標変換回路272での処理時間を短縮させることができる。
なお、SRAM243には、その制御LSI234の画像認識アクセラレータ回路249が使用する変換パラメータ280だけが含まれてもよい。例えば、座標変換回路272が、どの対象画像データ275に対しても、2°から360°まで2°ずつ回転させる座標変換を行う場合には、回転角度が偶数の変換パラメータ280だけが記憶されるように構成することができる。またこのとき、SRAM243には、すべての回転角度に関する変換パラメータ280が記憶され、画像認識アクセラレータ回路249の初期設定の際に、実際に使用する変換パラメータ280(すなわち、回転角度が偶数の変換パラメータ280)のみが、メモリ274に記憶されるように構成することもできる。
さらに、対象画像データ275に対して互いに異なる座標変換を行う複数の画像認識アクセラレータ回路249のそれぞれにおいて、共通の変換パラメータ280を記憶させてもよい。例えば、第1の画像認識アクセラレータ回路249が対象画像データ275を1°から90°まで1°ずつ回転させる処理を行い、第2の画像認識アクセラレータ回路249が、対象画像データ275を91°から180°まで1°ずつ回転させる処理を行い、第3の画像認識アクセラレータ回路249が、対象画像110を181°から270°まで1°ずつ回転させる処理を行い、第4の画像認識アクセラレータ回路249が、対象画像データ275を271°から360°まで1°ずつ回転させる処理を行う場合には、第1〜第4の画像認識アクセラレータ回路249のそれぞれに、同一の変換パラメータ280(すなわち、上記の例と同様に、対象画像データ275を1°から360°まで回転するための360種類の変換パラメータ280)を記憶させる。これにより、画像認識アクセラレータ回路249ごとに個別に変換パラメータ280を用意する必要がなくなるため、誤った変換パラメータ280が記憶されることを抑制することができる。
なお、ここでは、複数の画像認識アクセラレータ回路249において共通の変換パラメータ280を記憶させる例を示したが、パチスロ1にそれぞれ組み込まれる(異なった仕様の)複数の制御LSI234やメダルセレクタ201に関しても同様に、共通の変換パラメータ280を記憶させることができる。
また、上記の例では、画像処理回路273は、DMAC252の制御によって、処理画像データ277を出力しているが、座標変換回路272で得られる変換後画像データ276を出力してもよい。この場合、画像処理回路273では、加算処理部305、リードバッファ307、及び第1読出要求出力部301が不要となる。そして、座標変換回路272から出力される変換後画像データ276の画素データは、ライトバッファ306に一旦記憶され、ライトバッファ306に記憶された変換後画像データ276の画素データがフレームメモリ309に書き込まれる。フレームメモリ309に記憶された当該画素データが、出力制御部308からDMAC252の制御によって、SRAM243に出力(DMA転送)される。
また、変換パラメータ280には、回転角度を指定するパラメータの代わりに、あるいは回転角度を指定するパラメータに加えて、回転以外の座標変換を指示する変換パラメータを含むように構成することもできる。
例えば、変換パラメータ280には、画像の拡大を行うための座標変換に関して必要な拡大用の変換パラメータが含まれてもよい。この場合、変換パラメータ280には、拡大率が互いに異なる複数の座標変換に関してそれぞれ必要な複数の変換パラメータ280が含まれてもよい。座標変換回路272は、このような画像の拡大に関する変換パラメータ280に基づいて、対象画像データ275に対し座標変換を行うことにより、変換パラメータ280に応じた拡大率で対象画像データ275を拡大することができる。
例えば、座標変換回路272が、拡大率1.1倍の画像の拡大を行うよう指示する変換パラメータ280に基づいて、対象画像データ275に対して座標変換を行うことにより、1.1倍に拡大された変換後画像データ276が得られる。ここで、画像の拡大とは、対象画像データ275によって表される画像(被写体)の拡大であって、画像の縦横の画素数を増大させるものではない。
変換パラメータ280に、画像の回転に関する変換パラメータと画像の拡大に関する変換パラメータが含まれる場合、座標変換回路272は、対象画像データ275を回転させることによって得られる回転画像と、対象画像データ275を拡大することによって得られる拡大画像を、変換後画像データ276として生成することができる。画像の拡大に関する変換パラメータ280には、画像の回転に関する変換パラメータ280と同様に、例えば、拡大画像における4隅の画素に対応する、対象画像データ275における4つの画素の座標(すなわち、写像元の4つの画素の座標)が含まれている。
また、変換パラメータ280には、画像の縮小を行うための座標変換に関して必要な縮小用の変換パラメータが含まれてもよい。この場合、変換パラメータ280には、縮小率が互いに異なる複数の座標変換に関してそれぞれ必要な複数の変換パラメータ280が含まれてもよい。座標変換回路272は、このような画像の縮小に関する変換パラメータ280に基づいて、対象画像データ275に対し座標変換を行うことにより、変換パラメータ280に応じた縮小率で対象画像データ275を縮小することができる。
例えば、座標変換回路272が、縮小率0.9倍の画像の縮小を行うよう指示する変換パラメータ280に基づいて、対象画像データ275に対して座標変換を行うことにより、0.9倍に縮小された変換後画像データ276が得られる。ここで、画像の縮小とは、対象画像データ275によって表される画像(被写体)の縮小であって、画像の縦横の画素数を減少させるものではない。
変換パラメータ280に、画像の回転に関する変換パラメータと画像の縮小に関する変換パラメータ280が含まれる場合、座標変換回路272は、対象画像データ275を回転させることによって得られる回転画像と、対象画像データ275を縮小することによって得られる縮小画像を、変換後画像データ276として生成することができる。画像の縮小に関する変換パラメータ280には、画像の回転に関する変換パラメータ280と同様に、例えば、縮小画像における4隅の画素に対応する、対象画像データ275における4つの画素の座標(すなわち、写像元の4つの画素の座標)が含まれている。
またさらに、変換パラメータ280には、画像の平行移動を行うための座標変換に関して必要な変換パラメータが含まれてもよい。この場合、変換パラメータ280には、移動方向が互いに異なる複数の座標変換に関してそれぞれ必要な複数の変換パラメータ280が含まれてもよい。また、変換パラメータ280には、平行移動の移動量が互いに異なる複数の座標変換においてそれぞれ必要な複数の変換パラメータが含まれてもよい。
座標変換回路272は、このような平行移動に関する変換パラメータ280に基づいて、対象画像データ275に対し座標変換を行うことにより、変換パラメータ280に応じた移動方向に、対象画像データ275を移動させることができ、さらに、変換パラメータ280に平行移動の移動量について指定がある場合は、その指定された移動量だけ、対象画像データ275を平行移動させることができる。
例えば、座標変換回路272が、移動方向を「右」、移動量を「1画素」とする平行移動を行うよう指示する変換パラメータ280に基づいて、対象画像データ275に対して座標変換を行うことにより、右に1画素分平行移動された変換後画像データ276が得られる。ここで、画像の平行移動とは、対象画像データ275によって表される画像(被写体)の平行移動である。
変換パラメータ280に、画像の回転に関する変換パラメータと画像の平行移動に関する変換パラメータ280が含まれる場合、座標変換回路272は、対象画像データ275を回転させることによって得られる回転画像と、対象画像データ275を平行移動することによって得られる平行移動画像を、変換後画像データ276として生成することができる。平行移動に関する変換パラメータ280には、画像の回転に関する変換パラメータ280と同様に、例えば、平行移動画像における4隅の画素に対応する、対象画像データ275における4つの画素の座標(すなわち、写像元の4つの画素の座標)が含まれている。
[不正メダルの検知]
本実施形態に係る遊技機(パチスロ1)では、メダルセレクタ201の制御LSI234が色判定処理、カウント処理、及び刻印判定処理を含む正規メダル判別処理を行う。メダルレール210上をメダルでない不正器具が移動した場合、色判定処理において「正規メダルの色と一致しない」と判定され、また、カウント処理において「メダルが通過していない」と判定される。したがって、パチスロ1に正規メダルが用いられていると誤認させて遊技を行う不正行為を検知することができる。
また、メダルレール210上を、図34Aに示す不正のメダル310(正規メダル400(図19A参照)と同径及び同色で、メダルの表面に施されている刻印(模様)のみ異なるメダル)が移動した場合、色判定処理においては、「正規メダルの色と一致する」と判定される。しかし、カウント処理においては、図34Bに示す不正メダルの画像データ312のカウント領域(点線で囲まれている領域313)における刻印(模様)と正規メダルの画像データのカウント領域(図19Bにおいて点線で囲まれている領域403)における刻印(模様)とが著しく異なることから、「メダルが通過していない」と判定される。したがって、パチスロ1に正規メダルが用いられていると誤認させて遊技を行う不正行為を検知することができる。
また、メダルレール210上を、図35Aに示す不正メダル315(正規メダル400(図19A参照)と同径及び同色で、メダルの表面に施されている刻印(模様)のみ異なる他のメダル)が移動した場合、色判定処理においては、「正規メダルの色と一致する」と判定される。また、カウント処理においては、図35Bに示す不正メダルの画像データ317のカウント領域(点線で囲まれている領域318)における刻印(模様)と正規メダルの画像データのカウント領域(図19Bにおいて点線で囲まれている領域403)における刻印(模様)との差分が小さいことから「メダルが通過した」と判定される。しかし、刻印判定処理において、図35Cに示すこの不正メダルの処理画像データ319と正規メダル400の処理画像データ405(図20参照)とは大きく異なるので、「メダルの刻印(模様)が正規メダルの刻印と一致しない」と判定される。したがって、パチスロ1に正規メダルが用いられていると誤認させて遊技を行う不正行為を検知することができる。
また、メダルレール210上を、正規メダル400(図19A参照)と異径(正規メダルの径よりもわずかに小さくまたは大きく、且つ、セレクトプレート207によって案内可能な径)及び同色のメダルが移動した場合、色判定処理においては、「正規メダルの色と一致する」と判定される。しかし、このメダルの画像データにおいて、このメダルが正規メダルの径よりもわずかに小さく、カウント領域にメダルの外縁と背景の境界があるような場合はカウント処理において、「メダルが通過していない」と判定される。また、たとえカウント処理において「メダルが通過した」と判定されたとしても、このメダルと正規メダル400の径の差から、このメダルの処理画像データと正規メダル400の処理画像データ405(図20参照)とは大きく異なることになる。このため、刻印判定処理では、「メダルの刻印(模様)が正規メダルの刻印と一致しない」と判定される。したがって、パチスロ1に正規メダルが用いられていると誤認させて遊技を行う不正行為を検知することができる。
また、メダルレール210上を、正規メダル400(図19A参照)と同径及び異色のメダルが移動した場合、色判定処理において、「正規メダルの色と一致しない」と判定される。したがって、パチスロ1に正規メダルが用いられていると誤認させて遊技を行う不正行為を検知することができる。
また、制御LSI234は、色判定処理、カウント処理及び刻印判定処理の判定結果にGPIOを介して主制御基板71からなる主制御回路91に出力する。したがって、主制御回路91に不正行為があった場合の種々の処理を行わせることができる。ここで、不正行為があった場合の種々の処理とは、例えば、主制御回路91が遊技を強制的に中断させ、副制御回路101を介して、不正行為があった旨を報知する(例えば、液晶表示装置11に不正行為が発生した旨を表示する)処理である。
また、色判定処理及びカウント処理の判定結果によって不正行為を検知した場合、主制御回路91は、メダルセレクタ201のメダルソレノイド208をOFF状態に設定してもよい。これによって、セレクトプレート207が「排出位置」に位置付けされるので、この不正メダルをメダルシュート202に案内してメダル払出口32から排出することができる。なお、主制御回路91は、色判定処理及びカウント処理による不正行為の検知によってOFF状態に設定したメダルソレノイド208を、この不正行為に係る不正メダルをメダルシュート202に案内後に、ON状態に設定してもよい。
また、刻印判定処理によって不正行為を検知した場合も、主制御回路91は、メダルセレクタ201のメダルソレノイド208をOFF状態に設定してもよい。本実施形態では、図32に示すように、ISP回路245から主制御回路91へ3枚目のメダルに係るVSYNC割込信号(3IH)が出力されてから4枚目のメダルに係るVSYNC割込信号(4IH)が出力されるまでの間に1枚目のメダルに係る刻印判定処理の判定結果が主制御回路へ出力される(1HG3)。したがって、不正なメダルが連続して投入される場合は、4枚目以降に投入された不正メダルをメダルシュート202に案内してメダル払出口32から排出することができる。
これによって、不正行為による被害の拡大を抑えることができる。なお、刻印判定処理をより高速化することで、カメラユニット209で撮像されたメダルがアフタメダルプレッシャ218またはメダルストッパ部227上を通過するまでに、刻印判定処理によって不正行為を検知可能な場合は、主制御回路91が即座にメダルソレノイド208をOFF状態に設定することで、不正行為による被害の発生を防止できる。また、主制御回路91は、刻印判定処理による不正行為の検知によってOFF状態に設定したメダルソレノイド208を、次の刻印判定処理の判定結果が「メダルの刻印(模様)が正規メダルの刻印と一致する」である場合、ON状態に設定してもよい。これによって、不正メダルが偶然に混入していたため、遊技者が不正行為を意図せずに不正メダルを投入し、メダルソレノイド208がOFF状態に設定され遊技不能になった場合、遊技者は、正規メダルを投入すれば、遊技を再開することができる。
以上、本発明の一実施形態に係る遊技機について、その作用効果も含めて説明した。しかし、本発明の遊技機は、上述の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の要旨を逸脱しない限り、種々の変形実施が可能である。
例えば、上記説明においては、遊技媒体として両面に同一の刻印(模様)が施されているメダルを用いる例を説明したが、これに代えて、メダルの一方の面と他方の面で異なる刻印が施されているメダルを用いてもよい。この場合、カウント処理、色判定処理、刻印判定処理におけるしきい値に係るデータとして、メダルのそれぞれの面に係るデータを予め用意すればよい。
また、しきい値に係るデータの設定方法としては、一定の単位遊技期間(例えば、100ゲーム)の間をしきい値に係るデータの収集期間とし、この単位遊技期間中にカメラユニット209で撮像したメダルの画像データに基づいて設定する方法を採用してもよい。
上述した本実施形態に係る遊技機は、CMOSイメージセンサ232等を含む撮像部261によって取得された撮像画像に基づいて行われる画像変換や画像認識の各処理により、メダル等の判定が可能となるため、メダル等の模様の相違を判定することができる。また、カメラユニット209の制御LSI234は、ASIC等として構成されるため、製造コストを効果的に抑制することができる。さらに、制御LSI234が、ASIC等のようなパッケージ化された状態で提供されるため、外部からの不正行為(例えば、正規メダル判別処理を無効化させたり、正規メダル判別処理の処理ロジックを窃取しようとしたりする行為)を阻止することができ、セキュリティー面でも顕著な利点を有している。
<本実施形態に係るカメラユニットの構成と正規メダル判別処理の概要>
図36は、本実施形態のカメラユニット209の撮像装置(CMOSイメージセンサ232)を介して得られる撮像画像362Aの一例を模式的に示す図である。図36に示される撮像画像362Aには、撮像されたメダル410の画像が含まれている。また、背景であるメダルレール351a、351bが撮像され、その画像が撮像画像362Aに含まれている。なお、メダルレール351a、351bは、上述のメダルレール210に対応するものであるが、ここでは、レールの形状を簡略化して示している。
メダル410の一方主面410aには、例えばアルファベット「A」の模様が示されている。これは、正規メダルの模様を示すものであるが、これ以外の模様であってもよい。また、正規メダルの両主面に模様が付されていてもよい。
本実施形態では、メダル410は、その両主面の中心を通る、厚み方向に沿った回転軸の周りに回転しながらメダルレール351a、351bに沿って移動する。そして、後述する撮像部361は、メダル410の一方主面410a側からメダル410を撮像する。したがって、撮像画像362Aには、メダル410の一方主面410aの画像が含まれることになる。また、本実施形態では、撮像部361で生成される撮像画像362Aはカラー画像であるが、グレースケール画像であってもよい。
図37は、このようなカメラユニット209の機能ブロック図であり、図18に示した機能ブロック図に対応するものである。
図37に示すように、本実施形態に係るカメラユニット209は、撮像部361、変換部363、特徴画像生成部364、判定部365、及び入出力部366を備えている。なお、カメラユニット209は、LED等からなる発光部を備えるが、図37では図示を省略する。
撮像部361は、CMOSイメージセンサ232を含み、このCMOSイメージセンサ232により撮像された画像データを(必要に応じて所定の変換を行って)、撮像画像362Aとして出力する。
変換部363(例えば、ISP回路245に対応)は、撮像部361から入力される撮像画像362Aをカラー画像からグレースケール画像に変換し、変換後の撮像画像を撮像画像362Bとして出力する。
特徴画像生成部364(例えば、画像認識アクセラレータ回路249、及び画像認識DSP回路242に対応)は、メダル410が撮像されている撮像画像362Bに基づいて、メダル410の特徴を示す特徴画像362Cを生成する。判定部365は、特徴画像生成部364で生成された特徴画像362Cに基づいて、撮像画像362Bに映るメダル410(すなわち、撮像画像362Bに含まれるメダル410の画像に対応するメダル410)が正規のものか否かを判定し、その判定結果368を、入出力部366(例えば、GPIO250に対応)を介して出力する。
判定部365(例えば、画像認識DSP回路242に対応)は、特徴画像生成部364が撮像画像362Bから生成した特徴画像362Cと、正規メダルの特徴を示すテンプレートデータ(テンプレート特徴画像)367とを比較し、その比較結果に基づいて、撮像画像362Bに係るメダル410が正規のものか否かを判定する。なお、テンプレートデータ367は、SRAM243またはフラッシュメモリ244に記憶されている。
図38は、特徴画像生成部364の構成をより詳細に示す図である。図38に示すように、特徴画像生成部364は、第1画像生成部370、及び第2画像生成部380を備えている。第1画像生成部370は、撮像画像362Bに基づいて、メダル410を示す第1画像374を生成する。第2画像生成部380は、第1画像生成部370で生成された第1画像374を回転して得られる複数の回転画像(上述した変換後画像データ276に対応)を積算(合成)した回転合成画像(上述した処理画像データ277に対応)の少なくとも一部を特徴画像362C(第2画像)として生成する。
第1画像生成部370は、抽出部371、及びエッジ画像生成部372を備えている。抽出部371は、撮像画像362Bからメダル410が示されるメダル領域373を抽出する。エッジ画像生成部372は、抽出部371で抽出されたメダル領域373に対してエッジ検出を行って、エッジ画像(第1画像374)を生成する。
本実施形態では、第1画像生成部370が、例えば、画像認識DSP回路242によって実現され、第2画像生成部380が、例えば、画像認識アクセラレータ回路249によって実現される。
本実施形態に係る遊技機の電源が投入されると、ホストコントローラ241は画像認識DSP回路242や画像認識アクセラレータ回路249の初期設定を行う。当該初期設定において、上述のように、ホストコントローラ241は、画像認識アクセラレータ回路249のメモリ274に変換パラメータ280を設定する。なお、特定情報290は、例えば、対象画像データ275ごとに、ホストコントローラ241によって座標変換回路272のレジスタ283に設定される。
初期設定が完了すると、撮像部361が撮像を開始し、所定のフレームレートで撮像を行う。撮像部361で順次生成される撮像画像362Aは、SRAM243に記憶され、SRAM243から読み出された撮像画像362Aに基づいて、変換部363、特徴画像生成部364、及び判定部365により、正規メダル判別処理が行われる。
<カメラユニットにおける正規メダル判別処理のフロー>
次に、図39を参照して、本実施形態におけるカメラユニット209で実施される正規メダル判別処理の一連の動作について説明する。
最初に、変換部363は、撮像部361によりSRAM243に記憶された撮像画像362AをSRAM243から読み出し、読み出した撮像画像362Aをカラー画像からグレースケール画像に変換し、それよって得られた撮像画像362Bを判別処理の対象としてSRAM243に記憶する(ステップS11)。
次に、ステップS12において、抽出部371が、判別処理の対象である撮像画像362Bから、メダル410が映るメダル領域373を抽出する(図40参照)。その後、ステップS13において、エッジ画像生成部372が、抽出部371で抽出されたメダル領域373に対してエッジ検出を行って、メダル410を示す第1画像374としてのエッジ画像を生成する。
次に、ステップS14において、第2画像生成部380が、エッジ画像生成部372で生成されたエッジ画像(第1画像374)を回転して得られる複数の回転画像を合成した回転合成画像(処理画像データ277)の少なくとも一部を特徴画像362Cとして生成する。
次に、ステップS15において、判定部365が、第2画像生成部380で生成された特徴画像362Cと、テンプレートデータ367に含まれる特徴画像とを比較し、その比較結果に基づいて、処理対象の撮像画像362Bに示されるメダル410が正規のものであるか否かを判定する。言い換えれば、判定部365は、特徴画像362Cとテンプレートデータ367に含まれる特徴画像との比較結果に基づいて、撮像部261で生成された撮像画像362Aに示されるメダル310が正規のものであるか否かを判定する。
そして、ステップS16において、判定部365が、判定結果368を、入出力部366(上記実施形態のGPIO250に対応)を介して、主制御回路(上記実施形態の遊技機における主制御回路91に対応)に出力する。このようにして、主制御回路は、撮像画像362Aに示されるメダル410が正規のものでない場合、例えば、遊技を強制的に中断させ、副制御回路(上記実施形態の遊技機における副制御回路101に対応)を介して、不正行為があった旨を報知することができる。例えば、スピーカから警告音を出力したり、液晶表示装置であるディプレイに警告情報を表示したりするなどして、外部に警告を発することができる。
その後、新たな撮像画像362Aが入力されると、その撮像画像362Aから得られる撮像画像362Bを新たな判別処理の対象として、上述した正規メダル判別処理を実行する。以後、撮像画像362Aが入力されるたびに、同様の正規メダル判別処理が実行される。
<カメラユニットの各構成要素に関する詳細な説明>
次に、第1画像生成部370の抽出部371とエッジ画像生成部372、第2画像生成部380、及び判定部365の動作についてさらに詳細に説明する。
[抽出部]
図40は、抽出部371が撮像画像362Bから抽出するメダル領域373の一例を模式的に示す図である。撮像画像362Bからメダル領域373を抽出する方法としては様々な方法がある。
例えば、メダル410の外形が円形であることを利用した第1の抽出方法がある。この第1の抽出方法では、まず、撮像画像362Bに対してエッジ検出が行われてエッジ画像が生成される。エッジ画像の生成方法としては、例えば、Sobel法、Laplacian法、Canny法などが使用される。次に、生成されたエッジ画像から円形領域が抽出される。円形領域の抽出方法としては、例えばハフ変換が使用される。そして、エッジ画像における当該円形領域の位置と同じ位置に存在する撮像画像362Bでの円形領域が、メダル領域373とされる。
別の方法としては、背景差分法とラベリングを用いて撮像画像362Bからメダル領域373を抽出する第2の抽出方法がある。この第2の抽出方法では、まず、撮像画像362Bと背景画像(撮像画像362Bの背景だけが映る画像)との差分を示す背景差分画像が生成され、生成された背景差分画像が2値化される。そして、2値の背景差分画像に対して4連結等のラベリングが行われる。そして、2値の背景差分画像における、ラベリングの結果得られた連結領域(独立領域)の位置と同じ位置に存在する撮像画像362Bでの部分領域が、メダル領域373とされる。
本実施形態では、抽出部371は、上記の2つの方法とは異なる方法で、撮像画像362Bからメダル領域373を抽出する。以下に本実施形態に係る抽出部371の動作について説明する。なお、抽出部371は、上記の2つの方法のどちらか一方を用いて撮像画像362Bからメダル領域373を抽出してもよい。
まず、抽出部371は、撮像画像362Bと背景画像375(撮像画像362Bの背景だけが映る画像)との差分を示す背景差分画像を生成し、生成した背景差分画像を2値化する。図41は、背景画像375を模式的に示す図であって、図42は、2値の背景差分画像376を模式的に示す図である。なお、図42、及び本実施形態における後述の図において模式的に示される2値の画像では、画素値が「1」の領域(高輝度領域)は黒色で示され、画素値が「0」の領域(低輝度領域)は白色で示される。また、背景画像375は、例えば、SRAM243等に記憶しておくことができる。
次に、抽出部371は、2値の背景差分画像376に対して、メダル410の外形を示す2値の外形テンプレート377を用いたテンプレートマッチングを行う。つまり、抽出部371は、背景差分画像376において、外形テンプレート377と類似する領域がどこに存在するかを特定する。言い換えると、抽出部371は、背景差分画像376において、外形テンプレート377が示すメダル410の外形と一致する領域がどこに存在するかを特定する。図43は、外形テンプレート377を模式的に示す図である。外形テンプレート377は、例えば、SRAM243等に記憶しておくことができる。
テンプレートマッチングでは、抽出部371は、図44に示すように、背景差分画像376上で外形テンプレート377をラスタスキャン方向に少しずつ(例えば、1画素(ピクセル)ずつ)移動させる。言い換えれば、抽出部371は、背景差分画像376上で外形テンプレート377をラスタスキャンさせる。このとき、抽出部371は、外形テンプレート377の各位置において、外形テンプレート377と、それに重なる、背景差分画像376の部分領域とのAND画像を生成する。これにより、複数の2値のAND画像が生成される。そして、抽出部371は、生成した複数のAND画像のうち、画素値が「1」の画素(高輝度画素)の数が最も多いAND画像の生成で使用された外形テンプレート377の背景差分画像376上の位置を特定する。この位置は、背景差分画像376において、外形テンプレート377と類似した領域が存在する位置である。
そして、抽出部371は、図45に示すように、特定した位置と同じ位置に存在する撮像画像362Bでの部分領域378を、メダル領域373として抽出する。言い換えれば、抽出部371は、特定した位置と同じ位置に外形テンプレート377を撮像画像362Bに配置した際に、外形テンプレート377と重なる、撮像画像362Bでの部分領域378を、メダル領域373として抽出する。このとき、部分領域378において、その上の外形テンプレート377が示す円形よりも外側の各画素の画素値を零としたものをメダル領域373としてもよい。抽出部371で抽出されるメダル領域373はグレースケール画像である。本実施形態では、メダル領域373の外形は四角形であるが、円形等の他の形状であってもよい。
[エッジ画像生成部]
エッジ画像生成部372は、例えば、Sobel法、Laplacian法、Canny法などを使用して、抽出部371で抽出されたメダル領域373に対してエッジ検出を行ってエッジ画像(第1画像374)を生成する。本実施形態では、エッジ画像生成部372は、例えば、処理が軽いSobel法を使用する。エッジ画像は2値の画像である。図46は、エッジ画像を模式的に示す図である。
[第2画像生成部]
第2画像生成部380は、エッジ画像生成部372で生成された第1画像(エッジ画像)374を回転して得られる複数の回転画像を合成した回転合成画像の少なくとも一部を特徴画像362Cとして生成する。本実施形態では、第2画像生成部380は、例えば、第1画像(エッジ画像)374を回転して得られる複数の回転画像を合成した回転合成画像(すなわち、上述した処理画像データ277)を特徴画像362Cとして生成する。ここで、第1画像(エッジ画像)374の回転には、回転角度が0°の場合も含むものとする。以下に、当該回転合成画像の生成方法について説明する。
図47は、第2画像生成部380が回転合成画像381を生成する方法を説明するための図であり、上述の図20、及び図28に対応する。第2画像生成部380は、第1画像(エッジ画像)374を所定の角度αずつ回転させて、図47に示すように、複数個の回転画像374aを生成する。ここで、第2画像生成部380は、第1画像(エッジ画像)374を所定の角度αずつ回転させる。本実施形態では、第2画像生成部380は例えば、第1画像(エッジ画像)374を、図26に示すように2°ずつ回転させて(α=2°)、180個の回転画像374aを生成する。なお、上述の角度αは、例えば、1°や4°など、様々な角度に調整することができる。
そして、第2画像生成部380は、生成した複数個の回転画像374aを合成して回転合成画像381を生成する。具体的には、第2画像生成部380は、複数個の回転画像374aを、それらの中心を一致させて加算平均し、それによって得られる加算平均画像を回転合成画像381とする。第2画像生成部380は、生成した回転合成画像381を、撮像画像362Bに示されるメダル310の特徴を示す特徴画像362Cとして使用する。
なお、第2画像生成部380は、複数個の回転画像374aを合成する際に、各回転画像374aにおいて、トータルの回転角度が0°の回転画像374a(つまり、回転していない第1画像(エッジ画像)374)の外形からはみ出る領域を使用しないようにすることができる。したがって、この場合、回転合成画像381は、第1画像(エッジ画像)374と同じ大きさのグレースケール画像となる。
上述のように、撮像部361は、回転するメダル410を撮像し、メダル410が映る撮像画像362Aを生成する。したがって、変換部363が生成する撮像画像362Bのメダル410の回転角度(メダル410に付された模様の回転角度)が常に同じであるとは限らない。一方で、回転合成画像381は、撮像画像362Bのメダル410を示す第1画像(エッジ画像)374を回転して得られる複数の回転画像374aを合成したものであることから、撮像画像362Bのメダル410の回転角度にばらつきがあるとしても、メダル410が正規のものであれば、撮像画像362Bから得られる回転合成画像381はほとんど変化しない。よって、回転合成画像381は、撮像画像362Bのメダル410の回転角度の影響を受けにくい、メダル410の特徴を示す特徴画像362Cであると言える。
[判定部]
判定部365は、第2画像生成部380で生成された回転合成画像381(特徴画像362C)と、正規のメダル410の特徴を示すテンプレートデータ267の特徴画像とを比較し、その比較結果に基づいて、当該撮像画像362Bに含まれるメダル410が正規のものか否かを判定する。テンプレートデータ267の特徴画像としては、正規のメダル410の画像が含まれる撮像画像362Bから上記と同様にして特徴画像生成部364で生成された、正規のメダル410の特徴を示す特徴画像362C(回転合成画像381)が使用される。
テンプレートデータ367の特徴画像は、遊技機にメダル310を投入することによって得ることができる。例えば、本実施形態のカメラユニット209が搭載された遊技機に正規のメダル410が投入されると、撮像画像362B(この撮像画像362Bを「標準画像391」と呼ぶ)が撮像され、次に、特徴画像生成部364が、標準画像391に基づいて、標準画像391に含まれる正規のメダル410の特徴を示す特徴画像362C(回転合成画像381)を生成する。この特徴画像362Cを「標準特徴画像392」と呼ぶ。本実施形態では、標準特徴画像392がテンプレートデータ367の特徴画像となる。このようなテンプレートデータ367は、上述のように、カメラユニット209のSRAM243等に記憶される。以後、遊技機が実稼働中に生成する特徴画像362C(正規メダルを判別するために生成された特徴画像362C)を、標準特徴画像392と区別するために、「対象特徴画像362C」と呼ぶことがある。
判定部365は、例えば、回転合成画像381(対象特徴画像362C)とテンプレートデータ367の特徴画像との間の類似度(相違度)を求めることによって、両者を比較する。本実施形態では、判定部365は、例えば、類似度を示す値として、SAD(Sum of Absolute Difference)を使用する。SADが大きいことは類似度が低いことを意味し、SADが小さいことは類似度が高いことを意味する。類似度を示す値として、SSD(Sum of Squared Difference)あるいはNCC(Normalized Correlation Coffiecient)などの他の値を使用してもよい。
判定部365は、回転合成画像381とテンプレートデータ367の特徴画像との間の類似度が高い場合には、撮像画像362Bに含まれるメダル410が正規のものであると判定し、当該類似度が低い場合には、撮像画像362Bに含まれるメダル410が正規のものではないと判定する。具体的には、判定部365は、回転合成画像381とテンプレートデータ367の特徴画像との間のSADがしきい値以下の場合には、撮像画像362Bのメダル410が正規のものであると判定し、当該SADが当該しきい値よりも大きい場合には、撮像画像362Bのメダル410が正規のものではないと判定する。そして、判定部365は判定結果368を出力する。
判定部365で使用されるしきい値は、例えば、複数のメダル410が使用されて決定される。具体的には、遊技機が実稼働していないときに、遊技機に対して複数の正規メダルが順次投入される。そして、投入された複数の正規メダルがそれぞれ撮像された複数の撮像画像362Bが生成される。判定部365は、生成された複数の撮像画像362Bのそれぞれについて、撮像画像362Bから特徴画像生成部364で生成された回転合成画像381と、テンプレートデータ367の特徴画像との間のSADを求める。そして、判定部365が求めた複数のSADのうちの最大値がしきい値に決定される。決定されたしきい値は、例えば、SRAM243等に記憶される。
なお、このような遊技機によるしきい値の決定は、遊技機において所定のモードが選択された場合に行うようにすることができる。また、遊技機または他の装置によって事前にしきい値を決定し、各遊技機のSRAM等に記憶させるようにしてもよい。
判定部365で使用されるしきい値がこのように決定されることにより、正規のメダル410の種類が変更された場合には、変更後のメダル410が、実稼働していない遊技機に投入されることによって、変更後のメダル410に応じたしきい値が決定される。よって、メダル410の種類が変更された場合であっても、遊技機に投入されたメダル410が正規のものであるか否かを適切に判定することができる。
なお、上記の例では、2値の第1画像(エッジ画像)374が、撮像画像362Bのメダル310を示す第1画像374として第2画像生成部380に入力されたが、グレースケール画像のメダル領域373を示す画像が第1画像として第2画像生成部380に入力されるようにしてもよい。この場合には、メダル領域373を回転して得られる複数の回転画像を合成した回転合成画像が特徴画像362Cとされる。
以上のように、本実施形態に係る遊技機であるパチスロ1では、メダル410を示す第1画像(エッジ画像)374を回転して得られる複数の回転画像を合成した回転合成画像381の少なくとも一部を第2画像(特徴画像362C)として生成している。この特徴画像362Cは、撮像画像362Bに含まれるメダル410の回転角度の影響を受けにくい。したがって、撮像画像362Bに含まれるメダル410の回転角度(回転姿勢)がばらつく場合であっても、特徴画像362C(対象特徴画像362C、標準特徴画像392)を用いて撮像画像362Bに含まれるメダル410が正規のものであるか否かをより正確に判定することができ、判定精度が向上する。
また、本実施形態では、2値のエッジ画像を第1画像374としているため、グレースケール画像のメダル領域373を第1画像374とする場合と比較して、撮像部361での撮像領域の明るさの変化の影響を第1画像374が受けることを抑制することができる。よって、特徴画像362Cが、メダル410が撮像される撮像領域の明るさの変化の影響を受けることを抑制することができ、その結果、正規メダルの判別精度が向上する。
また、本実施形態では、抽出部371は、テンプレートマッチングを用いて、撮像画像362Bからメダル領域373を抽出しているため、ハフ変換が使用される上述の第1の抽出方法や、ラベリングが使用される第2の抽出方法と比較して、抽出処理が簡素化される。
また、本実施形態では、判定部365は、撮像画像362Bから生成された特徴画像362Cと、テンプレートデータ367の特徴画像とをSAD等を用いて比較し、その比較結果に基づいて当該撮像画像362Bに係るメダル410が正規のものか否かを判定しているため、判定処理が簡素化される。
なお、第2画像生成部380は、特徴画像362C(回転合成画像381)を生成する際に使用する回転画像の数(例えば、図29に示すNの値)を、本実施形態のカメラユニット209が組み込まれる遊技機の動作状況に応じて変化させてもよい。例えば、メダルレール210上を移動するメダル410の速度が遊技機等によって異なる場合を想定する。このような状況において、メダル410の移動速度が速い場合には、第2画像生成部380は、処理時間を判定精度よりも優先させて、特徴画像362Cを生成する際に使用する回転画像の数を少なくするよう構成することができる。例えば、第2画像生成部380は、エッジ画像(第1画像374)を0°から350°まで10°ずつ回転させて、36個の回転画像374aを生成し、これらの回転画像374aを合成して特徴画像362Cを生成する。
一方、メダル410の移動速度が速い場合には、第2画像生成部380は、処理時間よりも判定精度を優先させて、特徴画像362Cを生成する際に使用する回転画像の数を多くするよう構成することができる。例えば、第2画像生成部380は、エッジ画像(第1画像374)を0°から359°まで1°ずつ回転させて、360個の回転画像374aを生成し、これらの回転画像374aを合成して特徴画像362Cを生成する。
また、図32に示すように、ホストコントローラ241が、魚眼補正スケーラ回路248による魚眼補正処理の終了を示す縮小終了割込信号(2SH、4SH等)を検知したときに、画像認識DSP回路242または画像認識アクセラレータ回路249が処理中(ビジー状態)であって、刻印判定処理(正規メダル判別処理)をスキップする状況が発生するような場合においても、より多くのメダル410についての正規メダル判別処理が行えるように、特徴画像362Cを生成する際に使用する回転画像の数を少なくして、処理時間を短縮するよう構成することができる。
また、本実施形態のカメラユニット209が組み込まれる遊技機において、メダル410が、その姿勢を変化させずにメダルレール210上を移動する等して当該遊技機に投入される場合、撮像画像362Bに映るメダル410の姿勢は一定であるものの、それに映るメダル410の左右方向の位置がばらつくことがある。例えば、ある撮像画像362Bではメダル410が左側に映っており、別の撮像画像362Bではメダル410が中央に映っており、さらに別の撮像画像362Bではメダル410が右側に映っていることがある。
このような場合には、変換パラメータ280に複数の平行移動パラメータ(上述した、平行移動に関する変換パラメータ280)を含めて、エッジ画像(第1画像374)ではなく、撮像画像362B等を第2画像生成部380に入力する。そこで、第2画像生成部380は、複数の平行移動パラメータに基づいて、撮像画像362B等に対して座標変換を個別に行い、複数の平行移動画像を生成する。例えば、第2画像生成部380は、撮像画像362Bを、右方向に2画素ずつ移動させた複数枚の右平行移動画像を生成するとともに、撮像画像362Bを、左方向に2画素ずつ移動させた複数の左平行移動画像を生成する。そして、第2画像生成部380は、こうして生成された複数の右平行移動画像、及び複数の左平行移動画像から成る複数の平行移動画像を合成して合成画像を生成する。また、エッジ画像(第1画像374)について、このような複数の平行移動画像を生成し、これらの平行移動画像を合成して合成画像を生成することもできる。
判定部365は、この合成画像を特徴画像として、メダル410が正規メダルか否かを判定する。これにより、撮像画像362Bにおいて、それに映るメダル410の左右方向の位置がばらつく場合であっても、メダル410が正規メダルか否かを適切に判定することができる。
また、本実施形態のカメラユニット209が組み込まれる遊技機において、メダル410が撮像される場合、撮像画像362Bに映るメダル410の大きさがばらつくことがある。例えば、メダル410の通過経路のわずかな余裕等により、メダル410とCMOSイメージセンサ232との間の距離が一定に保たれていない場合には、撮像画像362Bに映るメダル410の大きさが多少ばらつくことがある。
このような場合には、変換パラメータ280に複数の拡大パラメータ(上述した、画像の拡大に関する変換パラメータ280)、及び複数の縮小パラメータ(上述した、画像の縮小に関する変換パラメータ280)を含める。そして、第2画像生成部380は、複数の拡大パラメータに基づいて、エッジ画像(第1画像374)に対して複数の座標変換を個別に行い、複数の拡大画像を生成する。さらに、第2画像生成部380は、複数の縮小パラメータに基づいて、エッジ画像(第1画像374)に対して複数の座標変換を個別に行って、複数の縮小画像を生成する。そして、第2画像生成部380は、複数の拡大画像、及び複数の縮小画像から成る複数の画像を合成して合成画像を生成する。
判定部365は、この合成画像を特徴画像として、メダル410が正規メダルか否かを判定する。これにより、撮像画像362Bにおいて、それに映るメダル410の大きさがばらつく場合であっても、メダル410が正規メダルか否かを適切に判定することができる。
また、本実施形態のカメラユニット209が組み込まれる遊技機において、複数種類のメダル410が使用される場合には、メダル410の種類に応じて、第2画像生成部380で使用される複数の変換パラメータ280の組を変化させてもよい。例えば、ある種類のメダル410が使用され、CMOSイメージセンサ232により撮像された場合、第2画像生成部380は、変換パラメータ280に含まれる複数の回転パラメータを使用して、エッジ画像(第1画像374)等に対して複数の座標変換を個別に行う。一方で、別の種類のメダル410が使用される場合、第2画像生成部380は、変換パラメータ280に含まれる複数の平行移動パラメータを使用して、エッジ画像(第1画像374)等に対して複数の座標変換を個別に行う。
<本実施形態の変形例>
以下に、本発明の一実施形態に係るカメラユニット209(特に、画像認識アクセラレータ回路249)に関する各種変形例について説明する。
[変形例1]
図48は、本変形例に係る画像認識アクセラレータ回路449についての構成を示す図である。画像認識アクセラレータ回路449は、図23に示す画像認識アクセラレータ回路249に対応するものであり、少なくとも、座標変換回路272が座標変換回路472に変更されている。入力フレームバッファ471は、図23の入力フレームバッファ271に対応し、画像処理回路473は、図23の画像処理回路273に対応し、メモリ474は、図23のメモリ274に対応する。
座標変換回路472は、図47に示す第1画像(エッジ画像)374を回転させて回転画像(374a)を得る場合に、第1画像(エッジ画像)374に含まれる被写体のうちの特定の被写体(以後、「特定被写体」と呼ぶ)の位置を調整することが可能である。以下、本変形例に係る座標変換回路472について、図23に示した座標変換回路272との相違点を中心に説明する。
本変形例に係る座標変換回路472は、座標変換を行う変換回路481、制御回路482、及び加算回路485を備えている。制御回路482は、図23に示す制御回路282と比較すると、レジスタ283に対応するレジスタ483を備え、そのなかに、特定情報290に対応する特定情報490を記憶する。加算回路485は、制御回路482によって、画像認識アクセラレータ回路449のメモリ474から読み出された変換パラメータ280に対して、パラメータオフセット495を加算する。そして、加算回路485は、パラメータオフセット495が加算された変換パラメータ280を変換回路481に出力する。
パラメータオフセット495は、制御回路482のレジスタ483に記憶される。パラメータオフセット495は、例えば、第1画像(エッジ画像)374により表される四角形の画像の重心(すなわち、当該四角形の対角線の交点)の位置に対する、第1画像(エッジ画像)374に表される特定被写体の重心の位置のずれ量を示している。本実施形態に係る遊技機の場合、特定被写体は、第1画像(エッジ画像)374に表されるメダル410となる。この場合、特定被写体の重心は、メダル410の重心、つまり円形のメダル410の中心となる。
パラメータオフセット495は、第1画像(エッジ画像)374により表される四角形の重心の位置に対する、第1画像(エッジ画像)374により表される特定被写体の重心の位置のx方向(例えば画像の左右方向)のずれ量xoffと、第1画像(エッジ画像)374により表される四角形の重心の位置に対する、第1画像(エッジ画像)374により表される特定被写体の重心の位置のy方向(例えば画像の上下方向)のずれ量yoffとで構成されている。以後、ずれ量xoffを「xオフセットxoff」と呼ぶ。また、ずれ量yoffを「yオフセットyoff」と呼ぶ。
ここで、第1画像(エッジ画像)374により表される四角形の重心の座標を(x1,y1)とし、第1画像(エッジ画像)374により表される特定被写体の重心の座標を(x2,y2)とする。このとき、xオフセットxoff=x2−x1となり、yオフセットyoff=y2−y1となる。なお、図46に示す第1画像(エッジ画像)374の例では、第1画像(エッジ画像)374により表される四角形の各辺は、正円であるメダル410の円周に接しているため、xoff=0、yoff=0となる。
加算回路485は、変換パラメータ280に対してパラメータオフセット495を加算する際に、変換パラメータ280を構成する4つの座標のそれぞれのx座標に対して、パラメータオフセット495のxオフセットxoffを加算する。そして、加算回路485は、変換パラメータ280を構成する4つの座標のそれぞれのy座標に対して、パラメータオフセット495のyオフセットyoffを加算する。
変換回路481は、パラメータオフセット495が加算された変換パラメータ280に基づいて、対象画像データ275(第1画像374)に対して座標変換を行う。変換パラメータ280が、画像の回転に関する変換パラメータ280である場合には、変換回路481は、パラメータオフセット495が加算された変換パラメータ280に基づいて、対象画像データ275の座標変換を行う。これにより、対象画像データ275により表される特定被写体の重心の位置が、対象画像データ275により表される四角形の重心の位置からずれている場合であっても、両者の重心の位置が一致するようになる。本実施形態に係る遊技機においては、対象画像データ275である第1画像(エッジ画像)374により表されるメダル410の重心の位置が、第1画像374により表される四角形の重心の位置からずれている場合であっても、両者の重心の位置が一致するようになる。
パラメータオフセット495は、ホストコントローラ241が、画像認識アクセラレータ回路449に対して対象画像データ275に関する画像処理(回転積算処理)の開始を指示する際に(図33のステップS1等)、ホストコントローラ241によって、特定情報290とともに、制御回路482のレジスタ483に設定される。ホストコントローラ241は、画像認識アクセラレータ回路249に対して、処理対象の対象画像データ275ごとに、当該対象画像データ275に応じた特定情報290、及びパラメータオフセット495をSRAM243等から読み出し、読み出した特定情報290、及びパラメータオフセット495を、制御回路482のレジスタ483に設定する。
制御回路482は、加算回路485にレジスタ483に記憶されているパラメータオフセット495を出力するとともに、レジスタ483に記憶されている特定情報290に基づいて、メモリ274から変換パラメータ280を読み出す。加算回路485は、メモリ274から読み出された変換パラメータ280に対してパラメータオフセット495を加算し、パラメータオフセット495が加算された変換パラメータ280が、変換回路481に提供される。
本実施形態に係る遊技機においては、パラメータオフセット495は、例えば、第1画像生成部370として機能する画像認識DSP回路242によって生成される。第1画像生成部370は、撮像画像362Bに基づいて第1画像(エッジ画像)374を生成する際に、パラメータオフセット495を生成することができる。
第1画像生成部370は、第1画像(エッジ画像)374を生成する際に求めたパラメータオフセット495を、当該第1画像374に対応付けてSRAM243に記憶する。
このように、本変形例に係る座標変換回路472では、変換回路481が、パラメータオフセット495の加算された変換パラメータ280に基づいて、第1画像(エッジ画像)374に対する座標変換を行う。そのため、第1画像(エッジ画像)374ごとにパラメータオフセット495を調整することによって、変換回路481で得られる回転画像374a(変換後画像データ276)または、特徴画像362C(処理画像データ277)での特定被写体の位置が調整される。
本実施形態に係る遊技機においては、回転画像374aでのメダル410の位置がばらつく場合には、合成画像にばらつきが生じ、その結果、特徴画像362Cにばらつきが生じる。特徴画像362Cがばらつくと、遊技機に投入されたメダル410が正規メダルであっても、テンプレートデータ367と大きく異なる可能性があり、その結果、判定部365での判定精度が低下する可能性がある。したがって、本変形例のように、第1画像(エッジ画像)374により表されるメダル410の重心の位置を、第1画像374により表される四角形の重心の位置に一致させることによって、特徴画像362Cのばらつきが低減され、その結果、判定部365での判定精度を向上させることができる。
[変形例2]
本変形例では、図49に示すように、画像認識アクセラレータ回路549が、入力フレームバッファに記憶された対象画像データ575に対して座標変換を複数回実行して、1つの処理画像データ577を生成する。
図50は、本変形例に係る画像認識アクセラレータ回路549の構成を示す図である。画像認識アクセラレータ回路549は、図23に示す画像認識アクセラレータ回路249に対応するものであり、少なくとも、座標変換回路272が座標変換回路572に変更され、画像処理回路273は、画像処理回路573に変更されている。入力フレームバッファ571は、図23の入力フレームバッファ271に対応し、メモリ574は、図23のメモリ274に対応する。
図51は、本変形例に係る画像処理回路573の構成を示す図である。図51に示すように、本変形例に係る画像処理回路573は、上述の図30に示す画像処理回路273と比較して、加算処理部を備えていない。また、画像処理回路573は、画像処理回路273と比較して、第1読出要求出力部301に対応する第1読出要求出力部601、書込要求出力部302に対応する書込要求出力部602、及び第2読出要求出力部303に対応する第2読出要求出力部603を記憶制御部600に備えている。また、図51の画像処理回路573は、画像処理回路273の調停部304に対応する調停部604を備え、さらに、ライトバッファ306に対応するライトバッファ606、リードバッファ307に対応するリードバッファ607、フレームメモリ309に対応するフレームメモリ609を備える。ライトバッファ606には、上述の座標変換回路572から、変換後画像データ576が出力される。
こうした画像処理回路573において、画像認識アクセラレータ回路549の座標変換回路572の変換回路581から出力される(変換後画像データ576の)画素データがそのままライトバッファ606に書き込まれる。また、リードバッファ607に記憶された画素データは、座標変換回路572の選択回路585に出力される。
図50に示すように、本変形例に係る座標変換回路572は、上述の図23に示す座標変換回路272と比較して、選択回路585をさらに備える。選択回路585は、制御回路582から出力される制御信号CNT1に基づいて、入力フレームバッファ571の出力、及び画像処理回路573の出力のどちらか一方を選択し、選択した出力が変換回路581に入力されるように、変換回路581に接続される。
本変形例では、制御回路582から出力される制御信号CNT1が第1状態のとき(例えば、「1」を示すとき)、選択回路585は入力フレームバッファ571の出力を選択する。選択回路585が入力フレームバッファ571の出力を選択する場合には、変換回路581は、入力フレームバッファ571に記憶された対象画像データ575にアクセスすることができる。
一方で、制御回路582から出力される制御信号CNT1が第2状態のとき(例えば、「0」を示すとき)、選択回路585は、画像処理回路573の出力を選択する。選択回路585が画像処理回路573の出力を選択する場合には、変換回路581は、画像処理回路573のリードバッファ607と接続され、リードバッファ607から画素データを読み出すことができる。
図52は、本変形例に係る変換パラメータ580の一例を示す図である。本変形例に係る変換パラメータ580では、複数の変換パラメータ580のそれぞれに対して固有のパラメータ番号(識別情報)が対応付けられている。図52に示す例では、パラメータ番号が「1」〜「360」に対応付けられた変換パラメータは、画像の回転に関する変換パラメータ(580−1〜580−360)であり、これらは、画像を1°から360°まで回転するための360の変換パラメータ580である。また、パラメータ番号が「361」〜「360」に対応付けられた変換パラメータは、画像の拡大に関する変換パラメータ(580−361〜580−390)であり、これらは、画像を1.1倍から4.0倍まで拡大するための30の変換パラメータ580である。
さらに、パラメータ番号が「391」〜「399」に対応付けられた変換パラメータは、画像の縮小に関する変換パラメータ(580−391〜580−399)であり、これらは、画像を0.9倍から0.1倍まで縮小するための9の変換パラメータ580である。また、パラメータ番号が「400」、「401」に対応付けられた変換パラメータは、画像の平行移動に関する変換パラメータ(580−400〜580−401)であり、これらはそれぞれ、画像を1画素右に平行移動するための変換パラメータ580、画像を2画素右に平行移動するための変換パラメータ580に対応する。
図53は、本変形例に係る特定情報590の一例を示す図である。図53に示すように、本変形例に係る特定情報590には、参照態様情報591とルックアップテーブル(LUT)592が含まれている。
参照態様情報591には、参照回数591a、参照開始位置591b、及び参照間隔591cが含まれる。参照回数591aは、LUT592に記憶されたパラメータ番号を参照する回数を示している。参照開始位置591bは、LUT592において、最初に参照するパラメータ番号の位置を示している。参照間隔591cは、あるタイミングで変換パラメータ580を参照する場合に、LUT592において、前回参照した変換パラメータ580から何個離れた変換パラメータ580を参照するかを示している。
LUT592には、複数のパラメータ番号が記述されている。参照態様情報591は、上述のように、LUT592に記述された複数のパラメータ番号をどのように参照するかを示す情報である。制御回路582は、参照態様情報591にしたがって、LUT592のパラメータ番号を1つずつ参照し、パラメータ番号を参照するたびに、参照したパラメータ番号に対応する変換パラメータ580を読み出す。読み出された変換パラメータ580は変換回路581に入力される。
制御回路582は、LUT592の複数のパラメータ番号を、LUT592の先頭側から末尾側にかけて(例えば、LUT592を構成する記憶領域の先頭記憶位置(先頭アドレス)から最終記憶位置(最終アドレス)にかけて)順に参照する。座標変換回路572において、対象画像データ575に対してM(≧2)個の座標変換が重ねて行われる場合、制御回路582は、まず、参照態様情報591の参照開始位置591bに基づいて、LUT592の、対応する参照開始位置のパラメータ番号を参照する。次に、制御回路582は、参照したパラメータ番号に対応する変換パラメータ580をメモリ574から読み出して変換回路581に入力する。
次に、制御回路582は、参照態様情報591の参照間隔591cに基づき、LUT592において、前回参照したパラメータ番号から、参照間隔591cが示す個数だけ末尾側に離れたパラメータ番号を参照する。そして、制御回路582は、参照したパラメータ番号に対応する変換パラメータ580をメモリ574から読み出して変換回路581に入力する。
以後、制御回路582は、同様の動作を繰り返し、参照態様情報591の参照回数591aが示す回数(M回)だけパラメータ番号を参照し、それぞれ、参照したパラメータ番号に対応する変換パラメータ580をメモリ574から読み出して変換回路581に入力する。これにより、メモリ574に記憶されている複数の変換パラメータ580のうち、変換回路581が入力フレームバッファ571に記憶された対象画像データ575に対する座標変換で使用するM個の変換パラメータ580が、順に変換回路581に入力される。
図52、及び図53の例において、例えば、参照態様情報591の参照回数591aが「3」、参照開始位置591bが先頭アドレスを示す「0000h」、参照間隔591cが「1」を示す場合、制御回路582は、LUT592に記憶される複数のパラメータ番号のうち、「1」、「361」、及び「400」を順に参照する。これにより、変換回路581には、パラメータ番号=「1」に対応する、画像を1°回転するための回転に関する変換パラメータ580−1と、パラメータ番号=「361」に対応する、画像を1.1倍に拡大するための拡大に関する変換パラメータ580−361と、パラメータ番号=「400」に対応する、画像を右方向に1画素分だけ平行移動させるための平行移動に関する変換パラメータ580−400とが順に入力される。
[変形例2における画像認識アクセラレータ回路の動作]
図54は、本変形例に係る画像認識アクセラレータ回路549の動作を説明するための図である。入力フレームバッファ571に対象画像データ575が書き込まれると、制御回路582は、制御信号CNT1を第1状態に設定し、これによって、入力フレームバッファ571の対象画像データ575が、選択回路585を介して変換回路581に入力される。また、制御回路582は、このような制御信号CNT1の設定とともに、メモリ574から、最初に使用される変換パラメータ580を読み出して変換回路581に出力する。変換回路581は、入力フレームバッファ571に記憶された対象画像データ575に対し、入力された変換パラメータ580に基づいて座標変換を行い、第1変換後画像データ576−1を生成する。制御回路582は、変換回路581で第1変換後画像データ576−1が生成されると、制御信号CNT1を第2状態に設定する。これにより、画像処理回路573のリードバッファ607は、選択回路585を介して変換回路581に接続される。
変換回路581は、対象画像データ575に対して、変換パラメータ580に基づいた座標変換を行うと、第1変換後画像データ576−1の画素データを、画像処理回路573のライトバッファ606に書き込む。ライトバッファ606に書き込まれた画素データはフレームメモリ609に書き込まれる。これにより、フレームメモリ609に第1変換後画像データ576−1が記憶される。
画像処理回路573は、フレームメモリ609に記憶された第1変換後画像データ576−1の画素データを、リードバッファ607に書き込む。ここで、変換回路581は、リードバッファ607の第1変換後画像データ576−1の画素データを読み出し、これにより、変換回路581には、画像処理回路573から第1変換後画像データ576−1が入力される。
次に、変換回路581は、第1変換後画像データ576−1に対して、制御回路582によってメモリ574から読み出された、2番目に使用される変換パラメータ580に基づく座標変換を行って、第2変換後画像データ576−2を生成する。変換回路581は、第2変換後画像データ576−2の画素データを、画像処理回路573のライトバッファ606に書き込み、こうしてライトバッファ606に書き込まれた画素データは、フレームメモリ609に書き込まれる。これにより、フレームメモリ609に、第2変換後画像データ576−2が記憶される。
画像処理回路573は、フレームメモリ609に記憶された第2変換後画像データ576−2の画素データをリードバッファ607に書き込み、変換回路581は、このリードバッファ607から第2変換後画像データ576−2の画素データを読み出す。これにより、変換回路581には、画像処理回路573から第2変換後画像データ576−2が入力される。変換回路581は、第2変換後画像データ576−2に対して、制御回路582によってメモリ574から読み出された、3番目に使用される変換パラメータ580に基づく座標変換を行って、第3変換後画像データ576−3を生成する。変換回路581は、第3変換後画像データ576−3の画素データを、画像処理回路573のライトバッファ606に書き込み、こうして書き込まれたライトバッファ606の画素データは、フレームメモリ609に書き込まれる。これにより、フレームメモリ609に、第3変換後画像データ576−3が記憶される。
以後、画像認識アクセラレータ回路549は、同様の動作を繰り返して、座標変換回路572の変換回路581が、第(M−1)変換後画像データ576−(M−1)に対し、制御回路582によってメモリ574から読み出された、M番目に使用される変換パラメータ580に基づいて座標変換を行い、第M変換後画像データ576−Mを生成する。そして、この第M変換後画像データ576−Mが、処理画像データ577としてフレームメモリ609に書き込まれる。
図52、及び図53の例において、例えば、特定情報590の参照態様情報591における参照回数591aが「3」、参照開始位置591bが先頭アドレスを示す「0000h」、参照間隔591cが「1」を示す場合には、上述のようにLUT592を参照することによって、変換回路581には、画像を1°回転するための回転に関する変換パラメータ580−1と、画像を1.1倍に拡大するための拡大に関する変換パラメータ580−361と、画像を右方向に1画素分だけ平行移動するための平行移動に関する変換パラメータ580−400とが順に入力される。したがって、この場合には、変換回路581は、1つの対象画像データ575に対して、画像を1°回転するための座標変換、画像を1.1倍に拡大するための座標変換、及び画像を右方向に1画素分だけ平行移動するための座標変換をこの順で実行する。つまり、変換回路581は、1つの対象画像データ575に係る画像を1°回転し、それによって得られた回転画像を1.1倍に拡大し、それによって得られた拡大画像を右方向に1画素分だけ平行移動することによって、1つの処理画像データ577を生成する。
画像処理回路573の出力制御部608は、処理画像データ577を出力画像として、上記と同様に、DMA転送により、SRAM243に出力する。また、出力制御部608は、記憶制御部600によるフレームメモリ609に対する制御によって、フレームメモリ609から、最終的な処理画像データ577の4画素分の画素データが読み出されると、読み出された4画素分の画素データを、DMA転送によりSRAM243に出力する。DMAC252は、処理画像データ577が、フレームメモリ609からSRAM243にDMA転送されるように制御する。
DMAC252がバッファを備える場合、出力制御部608は、フレームメモリ609から、最終的な処理画像データ577の4画素分の画素データを読み出し、読み出された4画素分の画素データを、DMAC252のバッファに出力し、その後、ホストコントローラ241が、4画素分の画素データ、または処理画像データ577の全体を、SRAM243に書き込む。
変換回路581は、画素データを生成するたびに、生成した画素データをライトバッファ606に書き込み、書込要求出力部602と第2読出要求出力部603は独立して動作する。したがって、処理画像データ577が生成された後に、この全体のデータがSRAM243やDMAC252に出力されるのではなく、変換回路581での、処理画像データ577を生成するための画素データ単位の座標変換の処理と、出力制御部608での処理画像データ577の画素データの出力処理とは並行して実行される。
このように、本変形例に係る座標変換回路572は、複数の変換パラメータ580に基づいて、ホストコントローラ241とデータのやり取りを行わずに1つの対象画像データ575に対して複数の座標変換を重ねて行う。したがって、上記と同様に、座標変換回路572が座標変換を行うたびに、その座標変換で使用する変換パラメータ580をホストコントローラ241から受け取る場合と比較して、複数の座標変換の処理時間を短縮することができる。
また、上記と同様に、記憶制御部600では、第1読出要求、書込要求、及び第2読出要求の少なくとも2つの要求が競合する場合には、当該少なくとも2つの要求が、調停部604によって調停される。そのため、第1読出要求出力部601、書込要求出力部602、及び第2読出要求出力部603は、互いに独立して動作することができ、第1読出要求出力部601、書込要求出力部602、及び第2読出要求出力部603のうちのある出力部での処理がボトルネックになることを抑制することができる。その結果、画像認識アクセラレータ回路549の全体における処理速度を向上させることができる。
また、本変形例では、特定情報590は、変換パラメータ580に対応するパラメータ番号が記述されたLUT592と、LUT592に記述された複数のパラメータ番号をどのように参照するかを示す参照態様情報591とで構成されている。このため、変換回路581で使用される変換パラメータ580が、パラメータ番号によって指定される。よって、メモリ574において、複数の変換パラメータ580がどのような位置や順序で記憶されていたとしても、変換回路581で使用される変換パラメータ580を指定することができる。
例えば、上述の図24のように、複数の回転に関する変換パラメータ280がメモリ574に記憶されている場合を考える。ここで、上述の図25に示すように、特定情報290が使用パラメータ数291、使用開始位置292、及び使用間隔293で構成されている場合には、特定情報290によって、画像を1°回転するための変換パラメータ280−1、画像を2°回転するための変換パラメータ280−2、画像を4°回転するための変換パラメータ280−4、及び画像を7°回転するための変換パラメータ280−7(不図示)だけを指定することができない。
これに対して、本変形例では、LUT592に、画像を1°回転するための変換パラメータ580−1に対応するパラメータ番号、画像を2°回転するための変換パラメータ580−2に対応するパラメータ番号、画像を4°回転するための変換パラメータ580−4に対応するパラメータ番号、及び画像を7°回転するための変換パラメータ580−7に対応するパラメータ番号を個々に記述することによって、これらの変換パラメータ580を指定することが可能となる。
なお、特定情報590は、参照態様情報591、及びLUT592で構成されているが、LUT592のみで構成してもよい。この場合、制御回路582は、LUT592に記憶された複数のパラメータ番号を、例えば、LUT592の先頭から順に参照する。このような場合であっても、変換回路581で使用される変換パラメータ580がパラメータ番号で指定されることから、メモリ574において、複数の変換パラメータ580がどのように記憶されていても、当該複数の変換パラメータ580から、変換回路581で使用される変換パラメータ580を自由に指定することができる。また、本変形例に係る画像認識アクセラレータ回路549において、上述の図25に示す特定情報290が使用されてもよい。
図51に示すように、画像処理回路573は、加算処理部を備えておらず、図50に示す座標変換回路572との間で変換後画像データ576をやりとりすることによって、最終的な処理画像データ577を生成する(図54参照)。本明細書では、このような画像処理回路573における処理(データのハンドリング)も、画像処理の一形態であるとして捉えることとする。
[変形例3]
本変形例に係る画像認識アクセラレータ回路749は、動作モードとして、それぞれの対象画像データ775に対して個別の変換処理を行い合成画像を生成する個別変換処理モードと、1つの対象画像データ775に対して複数回の変換処理を行う複数回変換処理モードを備えている。図55、及び図56は、本変形例に係る画像認識アクセラレータ回路749、及び画像処理回路773の構成をそれぞれ示す図である。
図55は、本変形例に係る画像認識アクセラレータ回路749の構成を示す図である。画像認識アクセラレータ回路749は、図50に示す画像認識アクセラレータ回路549に対応するものであり、少なくとも、座標変換回路572が座標変換回路772に変更され、画像処理回路573は、画像処理回路773に変更されている。入力フレームバッファ771は、図50の入力フレームバッファ771に対応し、メモリ774は、図50のメモリ774に対応する。図55の座標変換回路772において、選択回路785は図50の座標変換回路572の選択回路585に対応し、変換回路781は座標変換回路572の変換回路581に対応し、制御回路782は座標変換回路572の制御回路582に対応する。
図55に示すように、本変形例に係る座標変換回路772は、上述の図50に示す座標変換回路572と類似の構成を有しているが、本変形例では、制御回路782のレジスタ783には、画像認識アクセラレータ回路749が動作すべき動作モードを示す動作モード情報795が記憶され、この動作モード情報795に基づいて、画像処理回路773に制御信号CNT2が提供される。
動作モード情報795は、例えば、ホストコントローラ241によってレジスタ783に設定される。ホストコントローラ241は、特定情報790をレジスタ783に設定する際に、動作モード情報795もレジスタ783に設定する。
制御回路782は、動作モード情報795に基づいて制御信号CNT1を制御する。また、制御回路782は、画像処理回路773が有する後述の選択回路806を制御するための制御信号CNT2を出力する。こうした制御信号CNT2は、動作モード情報795に基づいて決定される。
図56に示すように、本変形例に係る画像処理回路773は、上述の図30に示した画像処理回路273と比較して、選択回路806をさらに備える。また、本変形例に係る画像処理回路773は、画像処理回路273と比較して、第1読出要求出力部301に対応する第1読出要求出力部801、書込要求出力部302に対応する書込要求出力部802、及び第2読出要求出力部303に対応する第2読出要求出力部803を記憶制御部800に備えている。また、図56の画像処理回路773は、画像処理回路273の調停部304に対応する調停部804を備え、さらに、加算処理部305に対応する加算処理部805、ライトバッファ306に対応するライトバッファ706、リードバッファ307に対応するリードバッファ707、フレームメモリ309に対応するフレームメモリ709、出力制御部308に対応する出力制御部708を備える。加算処理部805には、上述の座標変換回路772から、変換後画像データ776が出力される。
ここで、選択回路806は、画像認識アクセラレータ回路749の座標変換回路772の制御回路782から制御信号CNT2を受信し、この制御信号CNT2に基づいて、座標変換回路772の変換回路781の出力、及び座標変換回路772の変換回路781の出力が加算処理部805に入力された結果得られる出力の一方を選択し、選択した出力をライトバッファ706に出力する。本変形例では、制御信号CNT2が第1状態(例えば、「1」を示す状態)のとき、選択回路806は、加算処理部805の出力を選択し、選択した出力(画素データ)をライトバッファ706に出力する。一方、制御信号CNT2が第2状態(例えば、「0」を示す状態)のとき、選択回路806は、変換回路781の出力を選択し、選択した出力(画素データ)をライトバッファ706に出力する。
[変形例3における画像認識アクセラレータ回路の動作]
制御回路782は、動作モード情報795が個別変換処理モードを示す場合には、制御信号CNT1、及び制御信号CNT2をともに第1状態に設定する。これにより、本変形例に係る画像認識アクセラレータ回路749の動作モードは個別変換処理モードとなり、その構成は、上述の図23に示す画像認識アクセラレータ回路249、及び図30に示す画像処理回路273と同様の構成となり、個別変換処理モードでの画像認識アクセラレータ回路749の動作も、これらの回路と同様の動作となる。
個別変換処理モードでは、例えば、1つの対象画像データ775について、変換パラメータ780に基づき、1度単位で回転させて生成した360個(360度分)の変換後画像データ776をすべて積算して、1つの処理画像データ777を生成する(図29参照)。
一方、制御回路782は、動作モード情報795が複数回変換処理モードを示す場合には、制御信号CNT2を第2状態に設定する。これにより、本変形例に係る画像認識アクセラレータ回路749の動作モードは複数回変換処理モードとなり、その構成は、上述の図50に示す画像認識アクセラレータ回路549、及び図51に示す画像処理回路573と同様の構成となり、複数回変換処理モードでの画像認識アクセラレータ回路749の動作も、これらの回路と同様の動作となる。
複数回変換処理モードでは、例えば、1つの対象画像データ775について、変換パラメータ780に基づいた座標変換を行い、その後、生成された変換後画像データ776について順次、変換パラメータ780に基づいた座標変換を行い、1つの処理画像データ777を生成する(図54参照)。
本変形例に係る画像認識アクセラレータ回路749を備えるカメラユニット209が起動した後、ホストコントローラ241が、画像認識アクセラレータ回路749に対して、q個目(qは変数で、q≧1)の対象画像データ775に関する設定を行う場合(上述した図33のステップS1、ステップS2等における設定)、ホストコントローラ241は、q個目の対象画像データ775に対する処理で使用される特定情報790と、q個目の対象画像データ775に対する処理に関する画像認識アクセラレータ回路749の動作モードを示す動作モード情報795を、画像認識アクセラレータ回路749の制御回路782が有するレジスタ783に設定する。
画像認識アクセラレータ回路749では、レジスタ783に特定情報790、及び動作モード情報795が設定されると、q個目の対象画像データ775が、SRAM243からDMA転送によって、入力フレームバッファ771に書き込まれる。また、座標変換回路772では、制御回路782が、制御信号CNT1、及び制御信号CNT2を制御して、画像認識アクセラレータ回路749の動作モードを、レジスタ783の動作モード情報795が示す動作モードに設定する。そして、画像認識アクセラレータ回路749は、入力フレームバッファ771に記憶されたq個目の対象画像データ775に対し、設定された動作モードに応じた処理を行う。
ホストコントローラ241が、画像認識アクセラレータ回路749に対して、(q+1)個目の対象画像データ775に関する設定を行う場合は、同様にして、(q+1)個目の対象画像データ775に対する処理で使用される特定情報790と、(q+1)個目の対象画像データ775に対する処理に関する画像認識アクセラレータ回路749の動作モードを示す動作モード情報795を、画像認識アクセラレータ回路749の制御回路782が有するレジスタ783に設定する。
このように、本変形例に係る画像認識アクセラレータ回路749は、動作モードとして、個別変換処理モードと複数回変換処理モードとを備えていることから、一つのカメラユニット209において、2つの処理、すなわち、個別変換処理と複数回変換処理の両方を実行させることができる。
また、同じ構成を有する2つのカメラユニット209や遊技機において、一方では個別変換処理だけを実行させ、他方では複数回変換処理だけを実行させるように構成することもできる。
[変形例4]
本変形例に係る画像認識アクセラレータ回路949(不図示)の構成は、図23に示す画像認識アクセラレータ回路249に対応するものであり、少なくとも、画像処理回路273が画像処理回路973に変更されている。その他、画像認識アクセラレータ回路949は、図23に示す画像認識アクセラレータ回路249の入力フレームバッファ271に対応する入力フレームバッファ971、座標変換回路272に対応する座標変換回路972、及びメモリ274に対応するメモリ974を備えている。
図57は、本変形例に係る画像認識アクセラレータ回路949の画像処理回路973の構成を示す図である。本変形例に係る画像処理回路973は、上述の図30に示す画像処理回路273と比較して、第1読出要求出力部301に対応する第1読出要求出力部1001、及び書込要求出力部302に対応する書込要求出力部1002を記憶制御部1000に備えているが、第2読出要求出力部を備えていない。また、図57の画像処理回路973は、画像処理回路273の調停部304に対応する調停部1004を備え、この調停部1004は、第1読出要求出力部1001から出力される第1読出要求と、書込要求出力部1002から出力される書込要求を調停して、第1読出要求、及び書込要求のいずれか一方を選択し、選択した要求に応じた処理を行う。
さらに、図57の画像処理回路973は、図30に示す画像処理回路273と比較して、加算処理部305に対応する加算処理部1005、ライトバッファ306に対応するライトバッファ1006、リードバッファ307に対応するリードバッファ1007、フレームメモリ309に対応するフレームメモリ909を備える。加算処理部1005には、上述の座標変換回路972から、変換後画像データ976が出力される。
また、本変形例に係る画像処理回路973は出力制御部1008を備えるが、この出力制御部1008は、図30に示す画像処理回路273の出力制御部308とは異なり、フレームメモリ909から読み出された処理画像データ977の画素データを出力するのではなく、ライトバッファ1006に記憶された処理画像データ977の画素データを出力する。ライトバッファ1006に、出力対象の画像データである処理画像データ977の4画素分の画素データが記憶されると、出力制御部1008は、ライトバッファ1006から4画素分の画素データを読み出し、DMA転送によってSRAM243に出力する。DMAC252は、処理画像データ977が、ライトバッファ1006からSRAM243にDMA転送されるように制御する。
また、DMAC252がバッファを備える場合、出力制御部1008は、ライトバッファ1006から、処理画像データ977の4画素分の画素データを読み出し、読み出された4画素分の画素データを、DMAC252のバッファに出力し、その後、ホストコントローラ241が、4画素分の画素データ、または処理画像データ577の全体を、SRAM243に書き込む。
本変形例では、書込要求出力部1002は、ライトバッファ1006に出力対象の処理画像データ977の画素データが記憶されているときには、ライトバッファ1006が一杯なったとしても例外的に書込要求を出力しない。
このように、本変形例に係る画像処理回路973では、第1読出要求、及び書込要求が競合する場合には、その2つの要求が調停されるため、第1読出要求出力部1001、及び書込要求出力部1002は、互いに独立して動作することができる。よって、第1読出要求出力部1001、及び書込要求出力部1002のうちの一方の出力部での処理がボトルネックになることを抑制することができる。その結果、画像認識アクセラレータ回路949の全体の処理速度を向上させることができる。
さらに、出力制御部1008は、フレームメモリ909に書き込まれていない、処理画像データ977の画素データを、DMA転送により、SRAM243に出力する。したがって、出力制御部1008が、フレームメモリ909から読み出された処理画像データ977の画素データを出力する場合と比較して、DMAC252は、加算処理部1005から出力された出力対象データ(処理画像データ977)をすぐに受け取ることができる。よって、この出力対象データが生成されてから、それがSRAM243に書き込まれるまでの時間を短縮することができる。
[その他の変形例]
上記の例において、座標変換回路272等は、1つ(1フレーム分)の対象画像データを用いて複数の座標変換を行っていたが、1枚の対象画像110に対して1の座標変換だけを行ってもよい。また、座標変換回路272等は、1つの対象画像データに対して1の座標変換を繰り返し重ねて行ってもよい。例えば、上記の変形例2において、座標変換回路472は、画像を2°回転するための変換パラメータ480に基づいて、1つの対象画像データ475に対して座標変換を行い、その後、当該座標変換(すなわち、回転角度が2°の座標変換)を89回、重ねて行うことにより、対象画像データ475を180°回転させた画像が変換後画像データ476として得られる。
また、座標変換回路272等の全部、あるいは一部の機能がプロセッサ(CPUあるいはDSPなど)によって実現されてもよい。また、画像処理回路273等の全部、あるいは一部の機能が、プロセッサによって実現されてもよい。
また、画像認識アクセラレータ回路249等には、画像処理回路273等が設けられていなくてもよい。この場合には、座標変換回路272等から出力されるデータが、DMA転送により、SRAM243に書き込まれる。また、画像処理回路273は、画像データ以外のデータを処理してもよい。また、画像処理回路273等においては、加算処理部の代わりに、加算処理以外の処理を行う処理部が設けられてもよい。
以上のように、カメラユニット209の画像認識アクセラレータ回路249、及びその変形例について詳細に説明したが、上記の説明は例示に過ぎず、本願発明がこのような例示の構成に限定されるものではない。また、上述した各種変形例は、相互に矛盾しない限り、互いに組み合わせて適用可能である。
また、上記実施形態及び変形例では、遊技機としてパチスロを例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されず、「パチンコ」と呼ばれる遊技機にも本発明は適用可能であり、同様の効果が得られる。
以上、本発明の一実施形態に係る遊技機、及びその変形例について説明した。上述した遊技機は、基本的に、以下の特徴及び作用効果を有することを付記として開示する。
[付記1−1]
本発明の実施態様1−1では、以下のような構成の遊技機を提供する。
遊技媒体(例えば、メダル)を投入する投入口(例えば、メダル投入口21)と、
前記投入口から投入された遊技媒体を検出する遊技媒体検出手段(例えば、カメラユニット209を含むメダルセレクタ201)と、を備え、
前記遊技媒体検出手段は、
前記遊技媒体が通過する通路となる遊技媒体通過部(例えば、メダルレール210)と、
前記通路を通過する物体である通過物体を撮像する撮像手段(例えば、CMOSイメージセンサ232を含む手段)と、
前記撮像手段を介して得られた画像データ(例えば、撮像部361によって取得された撮像画像362A)に基づいた画像処理を行うことにより、前記遊技媒体が正規のものであるか否かを判定する遊技媒体判定手段(例えば、制御LSI234)と、を含み、
前記遊技媒体判定手段は、
前記遊技媒体を判定する専用集積回路として構成され、
データの直接転送を制御する直接転送制御手段(例えば、DMAC252)と、
データを記憶する第1記憶手段(例えば、SRAM243)と、
前記撮像手段を介して得られた前記画像データに所定のフォーマット変換を行い、前記フォーマット変換後の画像データ(例えば、対象画像データ275、撮像画像362B)を前記直接転送によって前記第1記憶手段に記憶する変換手段(例えば、変換部363、ISP回路245等)と、
前記フォーマット変換後の画像データに基づいて、前記遊技媒体の特徴を示す特徴画像を生成する特徴画像生成手段(例えば、特徴画像生成部364、画像認識アクセラレータ回路249等)と、を備え、
前記特徴画像生成手段は、
前記第1記憶手段から、前記フォーマット変換後の画像データに係る画像データを取得し、当該取得した画像データに対して座標変換を含む画像処理(例えば、図形の回転処理)を行い、前記画像処理後の画像データ(例えば、処理画像データ277、特徴画像362C)を前記直接転送によって前記第1記憶手段に記憶する。
本発明のこのような構成によって、撮像手段において取得された画像データを利用して、正規メダル判別処理を実行することができる。撮像画像に基づいて行われる画像変換や画像認識の各処理により、メダル等の判定が可能となるため、メダル等の模様の相違を判定することができる。また、遊技媒体判定手段は、遊技媒体を判定する専用集積回路として構成されるため、製造コストを効果的に抑制することができる。さらに、遊技媒体判定手段が、ASIC等のようなパッケージ化された状態で提供されるため、外部からの不正行為(例えば、正規メダル判別処理を無効化させたり、正規メダル判別処理の処理ロジックを窃取しようとしたりする行為)を阻止することができ、セキュリティー面でも顕著な利点を有している。また、遊技媒体判定手段の記憶手段(SRAM等)に対する画像データの書き込みや読み出しが、データの直接転送を制御する直接転送制御手段で実現されるため、データ転送において遊技媒体判定手段のホストコントローラ(プロセッサ)が関与せず、遊技媒体判定手段に含まれる各回路(ハードウエア)の並列処理が可能となり、その結果、処理効率が向上し、遊技媒体の判定に関する処理時間が短縮される。
[付記1−2]
本発明の実施態様1−2は、実施態様1−1において、以下のような構成を有する。
前記特徴画像生成手段は、
前記遊技媒体判定手段内の回路として構成され、
変換パラメータ(例えば、変換パラメータ280)を記憶する第2記憶手段(例えば、メモリ274)を備え、
前記第2記憶手段から取得された前記変換パラメータに基づいて前記座標変換を行うよう構成される。
本発明のこのような構成によって、変換パラメータを変更することで、座標変換の処理内容を適宜変更することができる。また、特徴画像生成手段において座標変換を含む画像処理を行う場合に、回路内のメモリにアクセスすることで変換パラメータを取得することができ、バスを介したアクセスが回避され、バス帯域の確保、処理効率の一層の向上が図られる。
[付記1−3]
本発明の実施態様1−3は、実施態様1−2において、以下のような構成を有する。
前記特徴画像生成手段は、
特定情報(例えば、特定情報290)を記憶する第3記憶手段(例えば、レジスタ283)を備え、
前記第3記憶手段から取得された前記特定情報に基づいて前記座標変換に使用する変換パラメータを特定するよう構成される。
本発明のこのような構成によって、特定情報を変更することで、座標変換に使用する変換パラメータを適宜変更することができ、結果的に、座標変換の処理内容を変更することができる。
[付記2−1]
本発明の実施態様2−1では、以下のような構成の遊技機を提供する。
遊技媒体(例えば、メダル)を投入する投入口(例えば、メダル投入口21)と、
前記投入口から投入された遊技媒体を検出する遊技媒体検出手段(例えば、カメラユニット209を含むメダルセレクタ201)と、を備え、
前記遊技媒体検出手段は、
前記遊技媒体が通過する通路となる遊技媒体通過部(例えば、メダルレール210)と、
前記通路を通過する物体である通過物体を撮像する撮像手段(例えば、CMOSイメージセンサ232を含む手段)と、
前記撮像手段を介して得られた画像データ(例えば、撮像部361によって取得された撮像画像362A)に基づいた画像処理を行うことにより、前記遊技媒体が正規のものであるか否かを判定する遊技媒体判定手段(例えば、制御LSI234)と、を含み、
前記遊技媒体判定手段は、
前記遊技媒体を判定する専用集積回路として構成され、
データを記憶する第1記憶手段(例えば、SRAM243)と、
前記撮像手段を介して得られた前記画像データに所定のフォーマット変換を行い、前記フォーマット変換後の画像データ(例えば、対象画像データ775、撮像画像362B)を前記第1記憶手段に記憶する変換手段(例えば、変換部363、ISP回路245等)と、
前記フォーマット変換後の画像データに基づいて、前記遊技媒体の特徴を示す特徴画像を生成する特徴画像生成手段(例えば、特徴画像生成部364、画像認識アクセラレータ回路749等)と、を備え、
前記特徴画像生成手段は、
前記第1記憶手段から、前記フォーマット変換後の画像データに係る画像データを取得し、当該取得した1つの画像データに対して座標変換を含む画像処理(例えば、図形の回転処理)を行い、前記画像処理後の画像データ(例えば、処理画像データ777、特徴画像362C)を前記第1記憶手段に記憶し、
前記画像処理に関して少なくとも2つの変換処理モードを含み、
第1の変換処理モードは、前記1つの画像データに対してそれぞれ異なる座標変換を個別に行うことにより変換後画像データを複数生成し、当該複数の変換後画像データを合成して1つの処理画像データを得る画像処理を行う変換処理モードであり、
第2の変換処理モードは、前記1つの画像データに対して複数の座標変換を順次連続的に重ねて行い、1つの処理画像データを得る画像処理を行う変換処理モードであり、
前記遊技媒体判定手段はさらに、
データの直接転送を制御する直接転送制御手段(例えば、DMAC252)を備え、
前記変換手段における前記フォーマット変換後の画像データの前記第1記憶手段への記憶、及び前記特徴画像生成手段における前記画像処理後の画像データの前記第1記憶手段への記憶の少なくともいずれかが、前記直接転送によって行われる。
本発明のこのような構成によって、撮像手段において取得された画像データを利用して、正規メダル判別処理を実行することができる。撮像画像に基づいて行われる画像変換や画像認識の各処理により、メダル等の判定が可能となるため、メダル等の模様の相違を判定することができる。また、遊技媒体判定手段は、遊技媒体を判定する専用集積回路として構成されるため、製造コストを効果的に抑制することができる。さらに、遊技媒体判定手段が、ASIC等のようなパッケージ化された状態で提供されるため、外部からの不正行為(例えば、正規メダル判別処理を無効化させたり、正規メダル判別処理の処理ロジックを窃取しようとしたりする行為)を阻止することができ、セキュリティー面でも顕著な利点を有している。また、遊技媒体の判定に用いる遊技媒体の特徴画像を生成するための画像処理に関して、少なくとも2つの変換処理モードを有するため、遊技媒体の特性や状況等に応じて当該変換処理モードを切り替えることができる。さらに、遊技媒体判定手段の記憶手段(SRAM等)に対する画像データの書き込みや読み出しが、データの直接転送を制御する直接転送制御手段で実現されるため、データ転送において遊技媒体判定手段のホストコントローラ(プロセッサ)が関与せず、遊技媒体判定手段に含まれる各回路(ハードウエア)の並列処理が可能となり、その結果、処理効率が向上し、遊技媒体の判定に関する処理時間が短縮される。
[付記2−2]
本発明の実施態様2−2は、実施態様2−1において、以下のような構成を有する。
前記特徴画像生成手段は、
前記遊技媒体判定手段内の回路として構成され、
変換パラメータ(例えば、変換パラメータ780)を記憶する第2記憶手段(例えば、メモリ774)を備え、
前記第2記憶手段から取得された前記変換パラメータに基づいて前記座標変換を行うよう構成される。
本発明のこのような構成によって、変換パラメータを変更することで、座標変換の処理内容を適宜変更することができる。また、特徴画像生成手段において座標変換を含む画像処理を行う場合に、回路内のメモリにアクセスすることで変換パラメータを取得することができ、バスを介したアクセスが回避され、バス帯域の確保、処理効率の一層の向上が図られる。
[付記2−3]
本発明の実施態様2−3は、実施態様2−2において、以下のような構成を有する。
前記変換パラメータは、所定角度の回転に関する座標変換を指定するパラメータであるよう構成される。
本発明のこのような構成によって、変換パラメータにより、画像データで表される図形を所定角度だけ回転させるように設定することができる。
[付記2−4]
本発明の実施態様2−4は、実施態様2−1ないし実施態様2−3のいずれかにおいて、以下のような構成を有する。
前記特徴画像生成手段は、
前記遊技媒体判定手段内の回路として構成され、
動作モード情報(例えば、動作モード情報795)を記憶する第3記憶手段(例えば、メモリ774)を備え、
前記変換処理モードは、前記動作モード情報に基づいて決定されるよう構成される。
本発明のこのような構成によって、動作モード情報を変更することにより、変換処理モードを切り替えることができる。
[付記2−5]
本発明の実施態様2−5は、実施態様2−4において、以下のような構成を有する。
前記動作モード情報は、前記撮像手段を介して得られた前記画像データごとに設定することができるよう構成される。
本発明のこのような構成によって、変換処理モードを遊技媒体の撮像映像ごとに切り替えることができ、状況に応じた特徴画像を得ることができる。
[付記3−1]
本発明の実施態様3−1では、以下のような構成の遊技機を提供する。
遊技媒体(例えば、メダル)を投入する投入口(例えば、メダル投入口21)と、
前記投入口から投入された遊技媒体を検出する遊技媒体検出手段(例えば、カメラユニット209を含むメダルセレクタ201)と、を備え、
前記遊技媒体検出手段は、
前記遊技媒体が通過する通路となる遊技媒体通過部(例えば、メダルレール210)と、
前記通路を通過する物体である通過物体を撮像する撮像手段(例えば、CMOSイメージセンサ232を含む手段)と、
前記撮像手段を介して得られた画像データ(例えば、撮像部361によって取得された撮像画像362A)に基づいた画像処理を行うことにより、前記遊技媒体が正規のものであるか否かを判定する遊技媒体判定手段(例えば、制御LSI234)と、を含み、
前記遊技媒体判定手段は、
前記遊技媒体を判定する専用集積回路として構成され、
データを記憶する第1記憶手段(例えば、SRAM243)と、
前記撮像手段を介して得られた前記画像データに所定のフォーマット変換を行い、前記フォーマット変換後の画像データ(例えば、対象画像データ275、撮像画像362B)を前記第1記憶手段に記憶する変換手段(例えば、変換部363、ISP回路245等)と、
前記フォーマット変換後の画像データに基づいて、前記遊技媒体の特徴を示す特徴画像を生成する特徴画像生成手段(例えば、特徴画像生成部364、画像認識アクセラレータ回路249等)と、を備え、
前記特徴画像生成手段は、
前記第1記憶手段から、前記フォーマット変換後の画像データに係る画像データを取得し、当該取得した画像データに対して座標変換を含む画像処理を行い、前記画像処理後の画像データを前記第1記憶手段に記憶し、
前記座標変換の処理内容は、変換パラメータ(例えば、変換パラメータ280)によって指定され、
前記遊技媒体判定手段はさらに、
データの直接転送を制御する直接転送制御手段(例えば、DMAC252)を備え、
前記変換手段における前記フォーマット変換後の画像データの前記第1記憶手段への記憶、及び前記特徴画像生成手段における前記画像処理後の画像データの前記第1記憶手段への記憶の少なくともいずれかが、前記直接転送によって行われる。
本発明のこのような構成によって、撮像手段において取得された画像データを利用して、正規メダル判別処理を実行することができる。撮像画像に基づいて行われる画像変換や画像認識の各処理により、メダル等の判定が可能となるため、メダル等の模様の相違を判定することができる。また、遊技媒体判定手段は、前記遊技媒体を判定する専用集積回路として構成されるため、製造コストを効果的に抑制することができる。さらに、遊技媒体判定手段が、ASIC等のようなパッケージ化された状態で提供されるため、外部からの不正行為(例えば、正規メダル判別処理を無効化させたり、正規メダル判別処理の処理ロジックを窃取しようとしたりする行為)を阻止することができ、セキュリティー面でも顕著な利点を有している。また、変換パラメータを変更することで、座標変換の処理内容を適宜変更することができる。さらに、遊技媒体判定手段の記憶手段(SRAM等)に対する画像データの書き込みや読み出しが、データの直接転送を制御する直接転送制御手段で実現されるため、データ転送において遊技媒体判定手段のホストコントローラ(プロセッサ)が関与せず、遊技媒体判定手段に含まれる各回路(ハードウエア)の並列処理が可能となり、その結果、処理効率が向上し、遊技媒体の判定に関する処理時間が短縮される。
[付記3−2]
本発明の実施態様3−2は、実施態様3−1において、以下のような構成を有する。
前記特徴画像生成手段は、
前記遊技媒体判定手段内の回路として構成され、
前記変換パラメータを記憶する第2記憶手段(例えば、メモリ274)を備え、
前記第2記憶手段から取得された前記変換パラメータに基づいて前記座標変換を行うよう構成される。
本発明のこのような構成によって、特徴画像生成手段において座標変換を含む画像処理を行う場合に、回路内のメモリにアクセスすることで変換パラメータを取得することができ、バスを介したアクセスが回避され、バス帯域の確保、処理効率の一層の向上が図られる。
[付記3−3]
本発明の実施態様3−3は、実施態様3−1または実施態様3−2において、以下のような構成を有する。
前記変換パラメータは、回転に関する座標変換、拡大に関する座標変換、縮小に関する座標変換、及び平行移動に関する座標変換の少なくともいずれかを指示するパラメータであるよう構成される。
本発明のこのような構成によって、変換パラメータにより、回転に関する座標変換、拡大に関する座標変換、縮小に関する座標変換、及び平行移動に関する座標変換を指示することができる。
[付記4−1]
本発明の実施態様4−1では、以下のような構成の遊技機を提供する。
遊技媒体(例えば、メダル)を投入する投入口(例えば、メダル投入口21)と、
前記投入口から投入された遊技媒体を検出する遊技媒体検出手段(例えば、カメラユニット209を含むメダルセレクタ201)と、を備え、
前記遊技媒体検出手段は、
前記遊技媒体が通過する通路となる遊技媒体通過部(例えば、メダルレール210)と、
前記通路を通過する物体である通過物体を撮像する撮像手段(例えば、CMOSイメージセンサ232を含む手段)と、
前記撮像手段を介して得られた画像データ(例えば、撮像部361によって取得された撮像画像362A)に基づいた画像処理を行うことにより、前記遊技媒体が正規のものであるか否かを判定する遊技媒体判定手段(例えば、制御LSI234)と、を含み、
前記遊技媒体判定手段は、
前記遊技媒体を判定する専用集積回路として構成され、
データを記憶する第1記憶手段(例えば、SRAM243)と、
前記撮像手段を介して得られた前記画像データに所定のフォーマット変換を行い、前記フォーマット変換後の画像データ(例えば、対象画像データ275、撮像画像362B)を前記第1記憶手段に記憶する変換手段(例えば、変換部363、ISP回路245等)と、
前記フォーマット変換後の画像データに基づいて、前記遊技媒体の特徴を示す特徴画像を生成する特徴画像生成手段(例えば、特徴画像生成部364、画像認識アクセラレータ回路449等)と、を備え、
前記特徴画像生成手段は、
前記遊技媒体判定手段内の回路として構成され、
変換パラメータ(例えば、変換パラメータ480)を記憶する第2記憶手段(例えば、メモリ474)と、
前記第1記憶手段から、前記フォーマット変換後の画像データに係る画像データを取得し、当該取得した画像データに対して座標変換を含む画像処理を行う変換回路(例えば、変換回路481)と、
パラメータオフセット(例えば、パラメータオフセット495)を記憶する制御回路(例えば、制御回路482)と、
前記制御回路の制御によって、前記変換パラメータと前記パラメータオフセットとを加算し、加算結果を前記変換回路に出力する加算回路(例えば、加算回路485)と、を備え、
前記変換回路は、前記加算回路による前記加算結果に基づいて、前記座標変換を行い、
前記遊技媒体判定手段はさらに、
データの直接転送を制御する直接転送制御手段(例えば、DMAC252)を備え、
前記変換手段における前記フォーマット変換後の画像データの前記第1記憶手段への記憶、及び前記変換回路により得られた前記画像処理後の画像データに係る画像データの前記第1記憶手段への記憶の少なくともいずれかが、前記直接転送によって行われる。
本発明のこのような構成によって、撮像手段において取得された画像データを利用して、正規メダル判別処理を実行することができる。撮像画像に基づいて行われる画像変換や画像認識の各処理により、メダル等の判定が可能となるため、メダル等の模様の相違を判定することができる。また、遊技媒体判定手段は、前記遊技媒体を判定する専用集積回路として構成されるため、製造コストを効果的に抑制することができる。さらに、遊技媒体判定手段が、ASIC等のようなパッケージ化された状態で提供されるため、外部からの不正行為(例えば、正規メダル判別処理を無効化させたり、正規メダル判別処理の処理ロジックを窃取しようとしたりする行為)を阻止することができ、セキュリティー面でも顕著な利点を有している。また、変換パラメータとパラメータオフセットを加算することで、変換パラメータに基づいて行われる座標変換を、パラメータオフセットの内容を加味して変更することができる。さらに、遊技媒体判定手段の記憶手段(SRAM等)に対する画像データの書き込みや読み出しが、データの直接転送を制御する直接転送制御手段で実現されるため、データ転送において遊技媒体判定手段のホストコントローラ(プロセッサ)が関与せず、遊技媒体判定手段に含まれる各回路(ハードウエア)の並列処理が可能となり、その結果、処理効率が向上し、遊技媒体の判定に関する処理時間が短縮される。
[付記4−2]
本発明の実施態様4−2は、実施態様4−1において、以下のような構成を有する。
前記変換パラメータは、変換後の所定の座標にそれぞれ対応する変換前の複数の座標を含み、
前記パラメータオフセットは、前記変換前の複数の座標に対するオフセットを含むよう構成される。
本発明のこのような構成によって、変換パラメータとパラメータオフセットを加算することで、変換パラメータに基づいて行われる座標変換を、パラメータオフセットで指定した分だけずらすよう制御することができる。
[付記5−1]
本発明の実施態様5−1では、以下のような構成の遊技機を提供する。
遊技媒体(例えば、メダル)を投入する投入口(例えば、メダル投入口21)と、
前記投入口から投入された遊技媒体を検出する遊技媒体検出手段(例えば、カメラユニット209を含むメダルセレクタ201)と、を備え、
前記遊技媒体検出手段は、
前記遊技媒体が通過する通路となる遊技媒体通過部(例えば、メダルレール210)と、
前記通路を通過する物体である通過物体を撮像する撮像手段(例えば、CMOSイメージセンサ232を含む手段)と、
前記撮像手段を介して得られた画像データ(例えば、撮像部361によって取得された撮像画像362A)に基づいた画像処理を行うことにより、前記遊技媒体が正規のものであるか否かを判定する遊技媒体判定手段(例えば、制御LSI234)と、を含み、
前記遊技媒体判定手段は、
前記遊技媒体を判定する専用集積回路として構成され、
プロセッサ(例えば、ホストコントローラ241)と、
データを記憶する第1記憶手段(例えば、SRAM243)と、
前記撮像手段を介して得られた前記画像データに所定のフォーマット変換を行い、前記フォーマット変換後の画像データ(例えば、対象画像データ275、撮像画像362B)を前記第1記憶手段に記憶する変換手段(例えば、変換部363、ISP回路245等)と、
前記フォーマット変換後の画像データに基づいて、前記遊技媒体の特徴を示す特徴画像を生成する特徴画像生成手段(例えば、特徴画像生成部364、画像認識アクセラレータ回路249等)と、を備え、
前記特徴画像生成手段は、
前記遊技媒体判定手段内の回路として構成され、
変換パラメータ(例えば、変換パラメータ280)を記憶する第2記憶手段(例えば、メモリ274)と、
前記第1記憶手段から、前記フォーマット変換後の画像データに係る画像データを取得し、当該取得した画像データに対して座標変換を含む画像処理を行う変換回路(例えば、変換回路281)と、
前記変換パラメータを前記第2記憶手段から取得し、前記変換回路に出力するよう制御する制御回路(例えば、制御回路282)と、を備え、
前記変換回路は、前記変換パラメータに基づいて前記座標変換を行い、
前記プロセッサは、前記変換パラメータを、所定タイミングで前記第2記憶手段に記憶するよう制御し、
前記遊技媒体判定手段はさらに、
データの直接転送を制御する直接転送制御手段(例えば、DMAC252)を備え、
前記変換手段における前記フォーマット変換後の画像データの前記第1記憶手段への記憶、及び前記変換回路における前記画像処理後の画像データに係る画像データの前記第1記憶手段への記憶の少なくともいずれかが、前記直接転送によって行われる。
本発明のこのような構成によって、撮像手段において取得された画像データを利用して、正規メダル判別処理を実行することができる。撮像画像に基づいて行われる画像変換や画像認識の各処理により、メダル等の判定が可能となるため、メダル等の模様の相違を判定することができる。また、遊技媒体判定手段は、前記遊技媒体を判定する専用集積回路として構成されるため、製造コストを効果的に抑制することができる。さらに、遊技媒体判定手段が、ASIC等のようなパッケージ化された状態で提供されるため、外部からの不正行為(例えば、正規メダル判別処理を無効化させたり、正規メダル判別処理の処理ロジックを窃取しようとしたりする行為)を阻止することができ、セキュリティー面でも顕著な利点を有している。また、変換パラメータを特徴画像生成手段の回路内に記憶し、この変換パラメータを変更することで、座標変換の処理内容を適宜変更することができる。さらに、遊技媒体判定手段の記憶手段(SRAM等)に対する画像データの書き込みや読み出しが、データの直接転送を制御する直接転送制御手段で実現されるため、データ転送において遊技媒体判定手段のホストコントローラ(プロセッサ)が関与せず、遊技媒体判定手段に含まれる各回路(ハードウエア)の並列処理が可能となり、その結果、処理効率が向上し、遊技媒体の判定に関する処理時間が短縮される。
[付記5−2]
本発明の実施態様5−2は、実施態様5−1において、以下のような構成を有する。
前記所定タイミングは、前記遊技媒体判定手段の初期設定のタイミングであるよう構成される。
本発明のこのような構成によって、変換パラメータが所定のタイミングで回路内にコピーされ、座標変換の際に変換パラメータを参照する場合、バスへのアクセスが抑止される。
[付記5−3]
本発明の実施態様5−3は、実施態様5−1または実施態様5−2において、以下のような構成を有する。
前記プロセッサは、前記第1記憶手段に記憶されている変換パラメータのうち、前記特徴画像生成手段における座標変換のために使用される変換パラメータのみをコピーして前記第2記憶手段に記憶するよう構成される。
本発明のこのような構成によって、第1記憶手段に共通的な変換パラメータが用意されるとともに、回路内のメモリーには必要な変換パラメータのみがコピーされることで、制御LSIを共通的に製造することができ、回路内のメモリーが有効に利用される。
[付記6−1]
本発明の実施態様6−1では、以下のような構成の遊技機を提供する。
遊技媒体(例えば、メダル)を投入する投入口(例えば、メダル投入口21)と、
前記投入口から投入された遊技媒体を検出する遊技媒体検出手段(例えば、カメラユニット209を含むメダルセレクタ201)と、を備え、
前記遊技媒体検出手段は、
前記遊技媒体が通過する通路となる遊技媒体通過部(例えば、メダルレール210)と、
前記通路を通過する物体である通過物体を撮像する撮像手段(例えば、CMOSイメージセンサ232を含む手段)と、
前記撮像手段を介して得られた画像データ(例えば、撮像部361によって取得された撮像画像362A)に基づいた画像処理を行うことにより、前記遊技媒体が正規のものであるか否かを判定する遊技媒体判定手段(例えば、制御LSI234)と、を含み、
前記遊技媒体判定手段は、
前記遊技媒体を判定する専用集積回路として構成され、
データを記憶する第1記憶手段(例えば、SRAM243)と、
前記撮像手段を介して得られた前記画像データに所定のフォーマット変換を行い、前記フォーマット変換後の画像データ(例えば、対象画像データ275、撮像画像362B)を前記第1記憶手段に記憶する変換手段(例えば、変換部363、ISP回路245等)と、
前記フォーマット変換後の画像データに基づいて、前記遊技媒体の特徴を示す特徴画像(例えば、特徴画像362C)を生成する特徴画像生成手段(例えば、特徴画像生成部364、画像認識アクセラレータ回路249等)と、を備え、
前記特徴画像生成手段は、
前記遊技媒体判定手段内の回路として構成され、
変換パラメータ(例えば、変換パラメータ280)を記憶する第2記憶手段(例えば、メモリ274)と、
前記第1記憶手段から取得した、前記フォーマット変換後の画像データに係る画像データに対して、座標変換を行う変換回路(例えば、変換回路281)と、
前記変換パラメータを前記第2記憶手段から取得し、前記変換回路に出力するよう制御する制御回路(例えば、制御回路282)と、
前記変換回路から前記座標変換後の画像データを取得して画像処理を行い、出力対象の画像データ(例えば、処理画像データ277)を前記第1記憶手段に記憶する画像処理回路(例えば、画像処理回路273)と、を備え、
前記変換回路は、前記変換パラメータに基づいて前記座標変換を行い、
前記画像処理回路は、
前記画像処理のために、前記座標変換後の画像データに係る画像データを一時的に記憶する第3記憶手段(例えば、フレームメモリ309)と、
前記画像処理の対象となる画像データを前記第3記憶手段から読み出す要求を出力する第1読出要求出力部(例えば、第1読出要求出力部301)と、
前記画像処理後の画像データを前記第3記憶手段に書き込む要求を出力する書込要求出力部(例えば、書込要求出力部302)と、
前記画像処理後の画像データが、前記出力対象の画像データである場合に、前記第3記憶手段から前記画像処理後の画像データを読み出す要求を出力する第2読出要求出力部(例えば、第2読出要求出力部303)と、
前記第1読出要求出力部、前記書込要求出力部、及び前記第2読出要求出力部から出力される前記各要求が競合しないように調停を行う調停部(例えば、調停部304)と、を備える。
本発明のこのような構成によって、撮像手段において取得された画像データを利用して、正規メダル判別処理を実行することができる。撮像画像に基づいて行われる画像変換や画像認識の各処理により、メダル等の判定が可能となるため、メダル等の模様の相違を判定することができる。また、遊技媒体判定手段は、前記遊技媒体を判定する専用集積回路として構成されるため、製造コストを効果的に抑制することができる。さらに、遊技媒体判定手段が、ASIC等のようなパッケージ化された状態で提供されるため、外部からの不正行為(例えば、正規メダル判別処理を無効化させたり、正規メダル判別処理の処理ロジックを窃取しようとしたりする行為)を阻止することができ、セキュリティー面でも顕著な利点を有している。また、調停部を備えることにより、画像処理のための第3記憶手段に対するアクセス要求が競合することを回避することができる。
[付記6−2]
本発明の実施態様6−2は、実施態様6−1において、以下のような構成を有する。
前記遊技媒体判定手段はさらに、データの直接転送を制御する直接転送制御手段(例えば、DMAC252)を備え、
前記変換手段における前記フォーマット変換後の画像データの前記第1記憶手段への記憶、及び前記画像処理回路における前記出力対象の画像データの前記第1記憶手段への記憶の少なくともいずれかが、前記直接転送によって行われるよう構成される。
本発明のこのような構成によって、遊技媒体判定手段の記憶手段(SRAM等)に対する画像データの書き込みや読み出しが、データの直接転送を制御する直接転送制御手段で実現されるため、データ転送において遊技媒体判定手段のホストコントローラ(プロセッサ)が関与せず、遊技媒体判定手段に含まれる各回路(ハードウエア)の並列処理が可能となり、その結果、処理効率が向上し、遊技媒体の判定に関する処理時間が短縮される。
[付記7−1]
本発明の実施態様7−1では、以下のような構成の遊技機を提供する。
遊技媒体(例えば、メダル)を投入する投入口(例えば、メダル投入口21)と、
前記投入口から投入された遊技媒体を検出する遊技媒体検出手段(例えば、カメラユニット209を含むメダルセレクタ201)と、を備え、
前記遊技媒体検出手段は、
前記遊技媒体が通過する通路となる遊技媒体通過部(例えば、メダルレール210)と、
前記通路を通過する物体である通過物体を撮像する撮像手段(例えば、CMOSイメージセンサ232を含む手段)と、
前記撮像手段を介して得られた画像データ(例えば、撮像部361によって取得された撮像画像362A)に基づいた画像処理を行うことにより、前記遊技媒体が正規のものであるか否かを判定する遊技媒体判定手段(例えば、制御LSI234)と、を含み、
前記遊技媒体判定手段は、
前記遊技媒体を判定する専用集積回路として構成され、
データを記憶する第1記憶手段(例えば、SRAM243)と、
前記撮像手段を介して得られた前記画像データに所定のフォーマット変換を行い、前記フォーマット変換後の画像データ(例えば、対象画像データ275、撮像画像362B)を前記第1記憶手段に記憶する変換手段(例えば、変換部363、ISP回路245等)と、
前記フォーマット変換後の画像データに基づいて、前記遊技媒体の特徴を示す特徴画像(例えば、特徴画像362C)を生成する特徴画像生成手段(例えば、特徴画像生成部364、画像認識アクセラレータ回路949等)と、を備え、
前記特徴画像生成手段は、
前記遊技媒体判定手段内の回路として構成され、
変換パラメータ(例えば、変換パラメータ280)を記憶する第2記憶手段(例えば、メモリ274)と、
前記第1記憶手段から取得した、前記フォーマット変換後の画像データに係る画像データに対して、座標変換を行う変換回路(例えば、変換回路281)と、
前記変換パラメータを前記第2記憶手段から取得し、前記変換回路に出力するよう制御する制御回路(例えば、制御回路282)と、
前記変換回路から前記座標変換後の画像データを取得して画像処理を行い、出力対象の画像データ(例えば、処理画像データ977)を前記第1記憶手段に記憶する画像処理回路(例えば、画像処理回路973)と、を備え、
前記変換回路は、前記変換パラメータに基づいて前記座標変換を行い、
前記画像処理回路は、
前記画像処理のために、前記座標変換後の画像データに係る画像データを一時的に記憶する第3記憶手段(例えば、フレームメモリ909)と、
前記画像処理の対象となる画像データを前記第3記憶手段から読み出す要求を出力する第1読出要求出力部(例えば、第1読出要求出力部1001)と、
前記画像処理後の画像データを前記第3記憶手段に書き込む要求を出力する書込要求出力部(例えば、書込要求出力部1002)と、
前記第1読出要求出力部、及び前記書込要求出力部から出力される前記各要求が競合しないように調停を行う調停部(例えば、調停部1004)と、
前記画像処理後の画像データが、前記出力対象の画像データである場合に、前記画像処理後の画像データを前記第1記憶手段に記憶するよう制御する出力制御部(例えば、出力制御部1008)と、を備える。
本発明のこのような構成によって、撮像手段において取得された画像データを利用して、正規メダル判別処理を実行することができる。撮像画像に基づいて行われる画像変換や画像認識の各処理により、メダル等の判定が可能となるため、メダル等の模様の相違を判定することができる。また、遊技媒体判定手段は、前記遊技媒体を判定する専用集積回路として構成されるため、製造コストを効果的に抑制することができる。さらに、遊技媒体判定手段が、ASIC等のようなパッケージ化された状態で提供されるため、外部からの不正行為(例えば、正規メダル判別処理を無効化させたり、正規メダル判別処理の処理ロジックを窃取しようとしたりする行為)を阻止することができ、セキュリティー面でも顕著な利点を有している。また、調停部を備えることにより、画像処理のための第3記憶手段に対するアクセス要求が競合することを回避することができる。
[付記7−2]
本発明の実施態様7−2は、実施態様7−1において、以下のような構成を有する。
前記遊技媒体判定手段はさらに、データの直接転送を制御する直接転送制御手段(例えば、DMAC252)を備え、
前記変換手段における前記フォーマット変換後の画像データの前記第1記憶手段への記憶、及び前記出力制御部における前記画像処理後の画像データの前記第1記憶手段への記憶の少なくともいずれかが、前記直接転送によって行われるよう構成される。
本発明のこのような構成によって、遊技媒体判定手段の記憶手段(SRAM等)に対する画像データの書き込みや読み出しが、データの直接転送を制御する直接転送制御手段で実現されるため、データ転送において遊技媒体判定手段のホストコントローラ(プロセッサ)が関与せず、遊技媒体判定手段に含まれる各回路(ハードウエア)の並列処理が可能となり、その結果、処理効率が向上し、遊技媒体の判定に関する処理時間が短縮される。
[付記8−1]
本発明の実施態様8−1では、以下のような構成の遊技機を提供する。
遊技媒体(例えば、メダル)を投入する投入口(例えば、メダル投入口21)と、
前記投入口から投入された遊技媒体を検出する遊技媒体検出手段(例えば、カメラユニット209を含むメダルセレクタ201)と、を備え、
前記遊技媒体検出手段は、
前記遊技媒体が通過する通路となる遊技媒体通過部(例えば、メダルレール210)と、
前記通路を通過する物体である通過物体を撮像する撮像手段(例えば、CMOSイメージセンサ232を含む手段)と、
前記撮像手段を介して得られた画像データ(例えば、撮像部361によって取得された撮像画像362A)に基づいた画像処理を行うことにより、前記遊技媒体が正規のものであるか否かを判定する遊技媒体判定手段(例えば、制御LSI234)と、を含み、
前記遊技媒体判定手段は、
前記遊技媒体を判定する専用集積回路として構成され、
データを記憶する第1記憶手段(例えば、SRAM243)と、
前記撮像手段を介して得られた前記画像データに所定のフォーマット変換を行い、前記フォーマット変換後の画像データ(例えば、対象画像データ275、撮像画像362B)を前記第1記憶手段に記憶する変換手段(例えば、変換部363、ISP回路245等)と、
前記フォーマット変換後の画像データに基づいて、前記遊技媒体の特徴を示す特徴画像(例えば、特徴画像362C)を生成する特徴画像生成手段(例えば、特徴画像生成部364、画像認識アクセラレータ回路249等)と、を備え、
前記特徴画像生成手段は、
前記遊技媒体判定手段内の回路として構成され、
変換パラメータ(例えば、変換パラメータ280)を記憶する第2記憶手段(例えば、メモリ274)と、
前記第1記憶手段から取得した、前記フォーマット変換後の画像データに係る画像データに対して、座標変換を行う変換回路(例えば、変換回路281)と、
前記変換パラメータを前記第2記憶手段から取得し、前記変換回路に出力するよう制御する制御回路(例えば、制御回路282)と、
前記変換回路から前記座標変換後の画像データを取得して画像処理を行い、出力対象の画像データ(例えば、処理画像データ277)を前記第1記憶手段に記憶する画像処理回路(例えば、画像処理回路273)と、を備え、
前記変換回路は、前記変換パラメータに基づいて前記座標変換を行い、
前記画像処理回路は、
前記画像処理のために、前記座標変換後の画像データに係る画像データを一時的に記憶する第3記憶手段(例えば、フレームメモリ309)と、
前記画像処理の対象となる画像データを前記第3記憶手段から読み出す要求を出力する第1読出要求出力部(例えば、第1読出要求出力部301)と、
前記画像処理後の画像データを前記第3記憶手段に書き込む要求を出力する書込要求出力部(例えば、書込要求出力部302)と、
前記画像処理後の画像データが、前記出力対象の画像データである場合に、前記第3記憶手段から前記画像処理後の画像データを読み出す要求を出力する第2読出要求出力部(例えば、第2読出要求出力部303)と、
前記第1読出要求出力部、前記書込要求出力部、及び前記第2読出要求出力部から出力される前記各要求が競合しないように調停を行う調停部(例えば、調停部304)と、を備え、
前記調停部は、前記第1読出要求出力部、前記書込要求出力部、及び前記第2読出要求出力部の各出力部に関して、または、前記第1読出要求出力部、前記書込要求出力部、及び前記第2読出要求出力部から出力される前記各要求に関して割り当てられる優先度に基づいて行われる。
本発明のこのような構成によって、撮像手段において取得された画像データを利用して、正規メダル判別処理を実行することができる。撮像画像に基づいて行われる画像変換や画像認識の各処理により、メダル等の判定が可能となるため、メダル等の模様の相違を判定することができる。また、遊技媒体判定手段は、前記遊技媒体を判定する専用集積回路として構成されるため、製造コストを効果的に抑制することができる。さらに、遊技媒体判定手段が、ASIC等のようなパッケージ化された状態で提供されるため、外部からの不正行為(例えば、正規メダル判別処理を無効化させたり、正規メダル判別処理の処理ロジックを窃取しようとしたりする行為)を阻止することができ、セキュリティー面でも顕著な利点を有している。また、調停部を備えることにより、画像処理のための第3記憶手段に対するアクセス要求が競合することを回避することができ、この調停部による調停は、優先度に基づいて行われる。
[付記8−2]
本発明の実施態様8−2は、実施態様8−1において、以下のような構成を有する。
前記遊技媒体判定手段はさらに、データの直接転送を制御する直接転送制御手段(例えば、DMAC252)を備え、
前記変換手段における前記フォーマット変換後の画像データの前記第1記憶手段への記憶、及び前記画像処理回路における前記出力対象の画像データの前記第1記憶手段への記憶の少なくともいずれかが、前記直接転送によって行われるよう構成される。
本発明のこのような構成によって、遊技媒体判定手段の記憶手段(SRAM等)に対する画像データの書き込みや読み出しが、データの直接転送を制御する直接転送制御手段で実現されるため、データ転送において遊技媒体判定手段のホストコントローラ(プロセッサ)が関与せず、遊技媒体判定手段に含まれる各回路(ハードウエア)の並列処理が可能となり、その結果、処理効率が向上し、遊技媒体の判定に関する処理時間が短縮される。
[付記8−3]
本発明の実施態様8−3は、実施態様8−1または実施態様8−2において、以下のような構成を有する。
前記優先度は、ユーザの操作によって、または前記遊技媒体判定手段の動作状況に応じて変更されるよう構成される。
本発明のこのような構成によって、優先度を、例えば、ユーザの設定に応じたものとしたり、遊技媒体判定手段のバス使用率に応じて設定したりすることができ、このように設定された優先度により、遊技媒体の判定に関する処理時間が効果的に短縮される。
[付記9−1]
本発明の実施態様9−1では、以下のような構成の遊技機を提供する。
遊技媒体(例えば、メダル)を投入する投入口(例えば、メダル投入口21)と、
前記投入口から投入された遊技媒体を検出する遊技媒体検出手段(例えば、カメラユニット209を含むメダルセレクタ201)と、を備え、
前記遊技媒体検出手段は、
前記遊技媒体が通過する通路となる遊技媒体通過部(例えば、メダルレール210)と、
前記通路を通過する物体である通過物体を撮像する撮像手段(例えば、CMOSイメージセンサ232を含む手段)と、
前記撮像手段を介して得られた画像データ(例えば、撮像部361によって取得された撮像画像362A)に基づいた画像処理を行うことにより、前記遊技媒体が正規のものであるか否かを判定する遊技媒体判定手段(例えば、制御LSI234)と、を含み、
前記遊技媒体判定手段は、
前記遊技媒体を判定する専用集積回路として構成され、
データを記憶する第1記憶手段(例えば、SRAM243)と、
前記撮像手段を介して得られた前記画像データに所定のフォーマット変換を行い、前記フォーマット変換後の画像データ(例えば、対象画像データ275、撮像画像362B)を前記第1記憶手段に記憶する変換手段(例えば、変換部363、ISP回路245等)と、
前記フォーマット変換後の画像データに基づいて、前記遊技媒体の特徴を示す特徴画像(例えば、特徴画像362C)を生成する特徴画像生成手段(例えば、特徴画像生成部364、画像認識アクセラレータ回路249等)と、を備え、
前記特徴画像生成手段は、
前記遊技媒体判定手段内の回路として構成され、
変換パラメータ(例えば、変換パラメータ280)を記憶する第2記憶手段(例えば、メモリ274)と、
前記第1記憶手段から取得した、前記フォーマット変換後の画像データに係る画像データに対して、座標変換を行う変換回路(例えば、変換回路281)と、
前記変換パラメータを前記第2記憶手段から取得し、前記変換回路に出力するよう制御する制御回路(例えば、制御回路282)と、
前記変換回路から前記座標変換後の画像データを取得して画像処理を行い、出力対象の画像データ(例えば、処理画像データ277)を前記第1記憶手段に記憶する画像処理回路(例えば、画像処理回路273)と、を備え、
前記変換回路は、前記変換パラメータに基づいて前記座標変換を行い、
前記画像処理回路は、
前記画像処理のために、前記座標変換後の画像データに係る画像データを一時的に記憶する第3記憶手段(例えば、フレームメモリ309)と、
前記画像処理の対象となる画像データを前記第3記憶手段から読み出す要求を出力する第1読出要求出力部(例えば、第1読出要求出力部301)と、
前記画像処理後の画像データを前記第3記憶手段に書き込む要求を出力する書込要求出力部(例えば、書込要求出力部302)と、
前記画像処理後の画像データが、前記出力対象の画像データである場合に、前記第3記憶手段から前記画像処理後の画像データを読み出す要求を出力する第2読出要求出力部(例えば、第2読出要求出力部303)と、を備え、
前記第3記憶手段は1ポートメモリであり、
前記画像処理後の画像データが、前記書込要求出力部による要求に基づいて前記第3記憶手段の所定位置に書き込まれ、
前記所定位置が、前記第1読出要求出力部による要求に基づいて読み出された画像データであって、前記画像処理後の画像データに対応する画像データが記憶されている前記第3記憶手段の位置である。
本発明のこのような構成によって、撮像手段において取得された画像データを利用して、正規メダル判別処理を実行することができる。撮像画像に基づいて行われる画像変換や画像認識の各処理により、メダル等の判定が可能となるため、メダル等の模様の相違を判定することができる。また、遊技媒体判定手段は、前記遊技媒体を判定する専用集積回路として構成されるため、製造コストを効果的に抑制することができる。さらに、遊技媒体判定手段が、ASIC等のようなパッケージ化された状態で提供されるため、外部からの不正行為(例えば、正規メダル判別処理を無効化させたり、正規メダル判別処理の処理ロジックを窃取しようとしたりする行為)を阻止することができ、セキュリティー面でも顕著な利点を有している。また、画像処理後の画像データが、第3記憶手段に書き込まれる場合、当該処理画像データの画素データが画像処理前に記憶されていた第3記憶手段の記憶位置と同じ位置に記憶(リードモディファイライト)されるため、第3記憶手段の回路規模を小さくすることができる。
[付記9−2]
本発明の実施態様9−2は、実施態様9−1において、以下のような構成を有する。
前記遊技媒体判定手段はさらに、データの直接転送を制御する直接転送制御手段(例えば、DMAC252)を備え、
前記変換手段における前記フォーマット変換後の画像データの前記第1記憶手段への記憶、及び前記画像処理回路における前記出力対象の画像データの前記第1記憶手段への記憶の少なくともいずれかが、前記直接転送によって行われるよう構成される。
本発明のこのような構成によって、遊技媒体判定手段の記憶手段(SRAM等)に対する画像データの書き込みや読み出しが、データの直接転送を制御する直接転送制御手段で実現されるため、データ転送において遊技媒体判定手段のホストコントローラ(プロセッサ)が関与せず、遊技媒体判定手段に含まれる各回路(ハードウエア)の並列処理が可能となり、その結果、処理効率が向上し、遊技媒体の判定に関する処理時間が短縮される。
[付記9−3]
本発明の実施態様9−3は、実施態様9−1または実施態様9−2において、以下のような構成を有する。
前記書込要求出力部による要求に基づいて前記第3記憶手段に書き込まれた前記画像処理後の画像データが、前記第1読出要求出力部による要求に基づいて、前記画像処理の対象となる画像データとして前記第3記憶手段から読み出される。
本発明のこのような構成によって、第3記憶手段に書き込まれた画像処理後の画像データが、再び、画像処理の対象として第3記憶手段から読み出されるため、第3記憶手段の回路規模を小さくすることができる。
[付記10−1]
本発明の実施態様10−1では、以下のような構成の遊技機を提供する。
遊技媒体(例えば、メダル)を投入する投入口(例えば、メダル投入口21)と、
前記投入口から投入された遊技媒体を検出する遊技媒体検出手段(例えば、カメラユニット209を含むメダルセレクタ201)と、を備え、
前記遊技媒体検出手段は、
前記遊技媒体が通過する通路となる遊技媒体通過部(例えば、メダルレール210)と、
前記通路を通過する物体である通過物体を撮像する撮像手段(例えば、CMOSイメージセンサ232を含む手段)と、
前記撮像手段を介して得られた画像データ(例えば、撮像部361によって取得された撮像画像362A)に基づいた画像処理を行うことにより、前記遊技媒体が正規のものであるか否かを判定する遊技媒体判定手段(例えば、制御LSI234)と、を含み、
前記遊技媒体判定手段は、
前記遊技媒体を判定する専用集積回路として構成され、
データを記憶する第1記憶手段(例えば、SRAM243)と、
前記撮像手段を介して得られた前記画像データに所定のフォーマット変換を行い、前記フォーマット変換後の画像データ(例えば、対象画像データ275、撮像画像362B)を前記第1記憶手段に記憶する変換手段(例えば、変換部363、ISP回路245等)と、
前記フォーマット変換後の画像データに基づいて、前記遊技媒体の特徴を示す特徴画像(例えば、特徴画像362C)を生成する特徴画像生成手段(例えば、特徴画像生成部364、画像認識アクセラレータ回路249等)と、を備え、
前記特徴画像生成手段は、
前記遊技媒体判定手段内の回路として構成され、
変換パラメータ(例えば、変換パラメータ280)を記憶する第2記憶手段(例えば、メモリ274)と、
前記第1記憶手段から取得した、前記フォーマット変換後の画像データに係る画像データに対して、座標変換を行う変換回路(例えば、変換回路281)と、
前記変換パラメータを前記第2記憶手段から取得し、前記変換回路に出力するよう制御する制御回路(例えば、制御回路282)と、
前記変換回路から前記座標変換後の画像データを取得して画像処理を行い、出力対象の画像データ(例えば、処理画像データ277)を前記第1記憶手段に記憶する画像処理回路(例えば、画像処理回路273)と、を備え、
前記変換回路は、前記変換パラメータに基づいて前記座標変換を行い、
前記画像処理回路は、
前記画像処理のために、前記座標変換後の画像データに係る画像データを一時的に記憶する第3記憶手段(例えば、フレームメモリ309)と、
前記画像処理の対象となる画像データを前記第3記憶手段から読み出す要求を出力する第1読出要求出力部(例えば、第1読出要求出力部301)と、
前記画像処理後の画像データを前記第3記憶手段に書き込む要求を出力する書込要求出力部(例えば、書込要求出力部302)と、
前記画像処理後の画像データが、前記出力対象の画像データである場合に、前記第3記憶手段から前記画像処理後の画像データを読み出す要求を出力する第2読出要求出力部(例えば、第2読出要求出力部303)と、
前記第1読出要求出力部の要求に基づいて前記第3記憶手段から読み出された前記画像処理の対象となる画像データを一時的に記憶するバッファ(例えば、リードバッファ307)と、を備え、
前記第1読出要求出力部は、前記バッファが空の場合に、前記画像処理の対象となる画像データを前記第3記憶手段から読み出す要求を出力する。
本発明のこのような構成によって、撮像手段において取得された画像データを利用して、正規メダル判別処理を実行することができる。撮像画像に基づいて行われる画像変換や画像認識の各処理により、メダル等の判定が可能となるため、メダル等の模様の相違を判定することができる。また、遊技媒体判定手段は、前記遊技媒体を判定する専用集積回路として構成されるため、製造コストを効果的に抑制することができる。さらに、遊技媒体判定手段が、ASIC等のようなパッケージ化された状態で提供されるため、外部からの不正行為(例えば、正規メダル判別処理を無効化させたり、正規メダル判別処理の処理ロジックを窃取しようとしたりする行為)を阻止することができ、セキュリティー面でも顕著な利点を有している。また、第1読出要求出力部が、リードバッファが空の場合に、画像処理の対象となる画像データを第3記憶手段から読み出す要求を出力するため、当該リードバッファの回路規模を小さくすることができ、独立した効果的な基準により、画像データの読み出しタイミングが決定される。
[付記10−2]
本発明の実施態様10−2は、実施態様10−1において、以下のような構成を有する。
前記遊技媒体判定手段はさらに、データの直接転送を制御する直接転送制御手段(例えば、DMAC252)を備え、
前記変換手段における前記フォーマット変換後の画像データの前記第1記憶手段への記憶、及び前記画像処理回路における前記出力対象の画像データの前記第1記憶手段への記憶の少なくともいずれかが、前記直接転送によって行われるよう構成される。
本発明のこのような構成によって、遊技媒体判定手段の記憶手段(SRAM等)に対する画像データの書き込みや読み出しが、データの直接転送を制御する直接転送制御手段で実現されるため、データ転送において遊技媒体判定手段のホストコントローラ(プロセッサ)が関与せず、遊技媒体判定手段に含まれる各回路(ハードウエア)の並列処理が可能となり、その結果、処理効率が向上し、遊技媒体の判定に関する処理時間が短縮される。
[付記10−3]
本発明の実施態様10−3は、実施態様10−1または実施態様10−2において、以下のような構成を有する。
前記バッファに記憶された前記画像処理の対象となる画像データが、前記画像処理のために読み出された場合、前記画像処理の対象となる画像データが前記バッファから消去されるよう構成される。
本発明のこのような構成によって、画像処理の対象となる画像データが、画像処理のために読み出された場合、当該画像データがリードバッファから消去されるため、画像データが読み出されてすぐに、第1読出要求出力部からの要求が可能となり、結果的に、画像データの効率的なリードバッファへの読み出しが順次行われる。
[付記11−1]
本発明の実施態様11−1では、以下のような構成の遊技機を提供する。
遊技媒体(例えば、メダル)を投入する投入口(例えば、メダル投入口21)と、
前記投入口から投入された遊技媒体を検出する遊技媒体検出手段(例えば、カメラユニット209を含むメダルセレクタ201)と、を備え、
前記遊技媒体検出手段は、
前記遊技媒体が通過する通路となる遊技媒体通過部(例えば、メダルレール210)と、
前記通路を通過する物体である通過物体を撮像する撮像手段(例えば、CMOSイメージセンサ232を含む手段)と、
前記撮像手段を介して得られた画像データ(例えば、撮像部361によって取得された撮像画像362A)に基づいた画像処理を行うことにより、前記遊技媒体が正規のものであるか否かを判定する遊技媒体判定手段(例えば、制御LSI234)と、を含み、
前記遊技媒体判定手段は、
前記遊技媒体を判定する専用集積回路として構成され、
データを記憶する第1記憶手段(例えば、SRAM243)と、
前記撮像手段を介して得られた前記画像データに所定のフォーマット変換を行い、前記フォーマット変換後の画像データ(例えば、対象画像データ275、撮像画像362B)を前記第1記憶手段に記憶する変換手段(例えば、変換部363、ISP回路245等)と、
前記フォーマット変換後の画像データに基づいて、前記遊技媒体の特徴を示す特徴画像(例えば、特徴画像362C)を生成する特徴画像生成手段(例えば、特徴画像生成部364、画像認識アクセラレータ回路249等)と、を備え、
前記特徴画像生成手段は、
前記遊技媒体判定手段内の回路として構成され、
変換パラメータ(例えば、変換パラメータ280)を記憶する第2記憶手段(例えば、メモリ274)と、
前記第1記憶手段から取得した、前記フォーマット変換後の画像データに係る画像データに対して、座標変換を行う変換回路(例えば、変換回路281)と、
前記変換パラメータを前記第2記憶手段から取得し、前記変換回路に出力するよう制御する制御回路(例えば、制御回路282)と、
前記変換回路から前記座標変換後の画像データを取得して画像処理を行い、出力対象の画像データ(例えば、処理画像データ277)を前記第1記憶手段に記憶する画像処理回路(例えば、画像処理回路273)と、を備え、
前記変換回路は、前記変換パラメータに基づいて前記座標変換を行い、
前記画像処理回路は、
前記画像処理のために、前記座標変換後の画像データに係る画像データを一時的に記憶する第3記憶手段(例えば、フレームメモリ309)と、
前記画像処理の対象となる画像データを前記第3記憶手段から読み出す要求を出力する第1読出要求出力部(例えば、第1読出要求出力部301)と、
前記画像処理後の画像データを前記第3記憶手段に書き込む要求を出力する書込要求出力部(例えば、書込要求出力部302)と、
前記画像処理後の画像データが、前記出力対象の画像データである場合に、前記第3記憶手段から前記画像処理後の画像データを読み出す要求を出力する第2読出要求出力部(例えば、第2読出要求出力部303)と、
前記画像処理後の画像データを一時的に記憶するバッファ(例えば、ライトバッファ306)と、を備え、
前記書込要求出力部は、前記バッファに所定量の画像データが記憶された場合(例えば、ライトバッファ306が一杯になった場合)に、前記画像処理後の画像データを前記バッファから前記第3記憶手段に書き込む要求を出力する。
本発明のこのような構成によって、撮像手段において取得された画像データを利用して、正規メダル判別処理を実行することができる。撮像画像に基づいて行われる画像変換や画像認識の各処理により、メダル等の判定が可能となるため、メダル等の模様の相違を判定することができる。また、遊技媒体判定手段は、前記遊技媒体を判定する専用集積回路として構成されるため、製造コストを効果的に抑制することができる。さらに、遊技媒体判定手段が、ASIC等のようなパッケージ化された状態で提供されるため、外部からの不正行為(例えば、正規メダル判別処理を無効化させたり、正規メダル判別処理の処理ロジックを窃取しようとしたりする行為)を阻止することができ、セキュリティー面でも顕著な利点を有している。また、書込要求出力部が、ライトバッファが一杯になった場合に、画像処理後の画像データを第3記憶手段に書き込む要求を出力するため、当該ライトバッファの回路規模を小さくすることができ、独立した効果的な基準により、画像データの書き込みタイミングが決定される。
[付記11−2]
本発明の実施態様11−2は、実施態様11−1において、以下のような構成を有する。
前記遊技媒体判定手段はさらに、データの直接転送を制御する直接転送制御手段(例えば、DMAC252)を備え、
前記変換手段における前記フォーマット変換後の画像データの前記第1記憶手段への記憶、及び前記画像処理回路における前記出力対象の画像データの前記第1記憶手段への記憶の少なくともいずれかが、前記直接転送によって行われるよう構成される。
本発明のこのような構成によって、遊技媒体判定手段の記憶手段(SRAM等)に対する画像データの書き込みや読み出しが、データの直接転送を制御する直接転送制御手段で実現されるため、データ転送において遊技媒体判定手段のホストコントローラ(プロセッサ)が関与せず、遊技媒体判定手段に含まれる各回路(ハードウエア)の並列処理が可能となり、その結果、処理効率が向上し、遊技媒体の判定に関する処理時間が短縮される。
[付記11−3]
本発明の実施態様11−3は、実施態様11−1または実施態様11−2において、以下のような構成を有する。
前記バッファに記憶された前記画像処理後の画像データが前記第3記憶手段に書き込まれた場合に、前記画像処理後の画像データが前記バッファから消去されるよう構成される。
本発明のこのような構成によって、画像処理の対象となる画像データが、第3記憶手段に書き込まれた場合、当該画像データがライトバッファから消去されるため、画像データが書き込まれてすぐに、書込要求出力部からの要求が可能となり、結果的に、画像データの効率的なライトバッファへの書き込みが順次行われる。