JP6771943B2 - 建具 - Google Patents

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Description

本発明は、建具に関する。
非特許文献1には、扉(戸体)を閉じる際に、ダンパで扉の急激な動きを抑制するドア(建具)が開示されている。
第11頁「三協アルミ 住宅建材 インテリア 総合カタログ ウッデリアVS/収納 室内ドア・室内引戸・クローゼット・可動間仕切 2015→2016」カタログNo.STJ1086B 三協立山株式会社 三協アルミ社 2015年 5月発行
これに対して、戸体を閉じる際に、戸体の急激な動きを抑制しつつ戸体を確実に閉じ切る建具が求められていた。
そこで、本発明は、戸体を閉じる際に、戸体の急激な動きを抑制しつつ戸体を確実に閉じ切ることができる建具の提供を目的とする。
請求項1に記載の発明は、枠と、枠に開閉自在に取り付けた戸体と、開閉補助具とを備え、開閉補助具は、一方側端を枠に取り付けたベースと、ベースに対してスライド自在に設けてあり且つ他方側端を戸体に取り付けた摺動部材を有し、摺動部材は、ばねと、ダンパを有し、ばねは、戸体が全開と全閉との間の所定位置から閉じ切るまでの状態で、蓄積した付勢力を解放して摺動部材を付勢することで、戸体を枠に引き寄せるものであり、ダンパは、伸縮する部材であり、縮むことでばねの付勢に抗して戸体を閉じる際の衝撃を吸収するものであり、戸体を閉じ切る直前から閉じ切るまでは、縮んだ状態で保持されることで作用しないことを特徴とする建具である。
請求項1に記載の発明によれば、戸体が全開と全閉との間の所定位置から閉じ切るまでは、開閉補助具のばねが蓄積した付勢力を解放して、戸体を枠に引き寄せると共に、閉じ切る直前状態から閉じ切るまでの状態では、ダンパが作用しないでばねの付勢力のみが作用して戸体を枠に引き寄せるから、戸体を確実に閉じ切ることができる。
一方、ばねが蓄積した付勢力を解放して戸体を枠に引き寄せているときには、戸体を閉じ切る直前まではばねの付勢に対してダンパが作用するから、戸体の急激な動きを抑制することができる。
本発明の第1実施の形態にかかる建具の横断面図であり、戸体が全閉状態と、半開状態と、全開状態にあるときをそれぞれ示す図である。 図1に示す戸体が全閉状態にあるときの開閉補助具を拡大して示した横断面図である。 図1に示す開閉補助具の横断面図であり、(a)は戸体の全閉状態、(b)は戸体の半開状態、(c)は戸体の全開状態である。 図1に示す開閉補助具の横断面図であり、半開状態から全閉状態までの開閉補助具の状態を(a)〜(d)に経時変化ごとに示す図である。 第1実施の形態にかかる建具を室内側から見た正面図である。 第2実施の形態にかかる建具を室内側から見た正面図であり、(a)は戸体の全閉状態を示し、(b)は戸体の全開状態を示す図である。
以下に、添付図面を参照して本発明の実施の形態について説明するが、まず、図1〜図5を参照して本発明の第1実施の形態について説明する。
図1及び図5に示すように、本実施の形態にかかる建具1は、ドアであり、枠3と、戸体5と、開閉補助具7とを備えている。戸体5は扉である。
図5に示すように、枠3は、戸先枠9と、戸尻枠11と、上枠13と、下枠15とを枠組みしてあり、戸尻枠11には戸体5に連結したヒンジ17(図1参照)が設けてある。
戸体5は、戸先框19と、戸尻框21と、上框23及び下框25をガラス28の四周に組んであり、上框23は及び下框25は見付寸法を戸先框19や戸尻框21よりも小さくしていわゆるスリム框である。
開閉補助具7は、上枠13と上框25との間に取り付けてあり、ベース27と、ベース27に対してスライド自在に設けた摺動部材29とを備えている。ベース27は中空部材であり、戸尻側端(一方側端)を取付金具31で上枠13に取り付けてある。
摺動部材29はベース27の中空内を摺動自在な摺動部35(図1参照)と、戸先側端(他方側端)を取付金具33で上框23に取り付けたアーム37とを備えている。
ベース27及び摺動部材29は、上框23の見付け寸法内に収まって配置してある。
図2に示すように、ベース27の中空内部には、その戸尻側(一方側)に閉トリガ36が設けてあり、戸先側(他方側)に開トリガ38が設けてある。
摺動部材29において、摺動部35には、ばね39と、ダンパ41と、閉スライダ43と、開スライダ45と、閉ラッチ47、開ラッチ49が設けてある。閉スライダ43と開スライダ45とは、ベース27の長手方向に間隔をあけて配置してあり且つ互いに独立してベース27内を摺動自在としてある。
ばね39は、引張ばねであり、一端を閉スライダ43に、他端を開スライダ45に固定してある。
ダンパ41は、油圧ダンパであり、ダンパ本体41aとピストン41bとで構成してあり、ピストン41bがダンパ本体41aに対して往復動するようにしてあり、ピストン41bの往復動をダンパ本体41aで緩衝している。ダンパ本体41aはダンパ取付部品40でベース27にその長手方向にスライド自在に取り付けてある。ピストン41bの戸尻側端はカム51を介して閉スライダ43に当接自在に設けてある。ピストン41bの戸尻側端はカム51との当接面42が円弧状を成している。
閉ラッチ47は支持軸47aで閉スライダ43に回動自在に軸支されていると共に係合軸47bが閉ラッチ案内部材53の閉ラッチ案内溝55に係合している。閉ラッチ案内溝55は、閉ラッチ47を傾斜した状態(図3(b)参照)で保持する垂直溝部55aと、閉ラッチ47を水平方向にスライド自在な水平溝部55bとを連続して備えている。尚、閉ラッチ案内部材53は摺動部35の戸尻側端に設けあり、閉スライダ43に対してスライド自在としてある。
一方、開ラッチ49は、支持軸49aで開スライダ45に回動自在に軸支されていると共に係合軸49bが摺動部35の戸先側端部57に設けた開ラッチ案内溝59に係合している。開ラッチ案内溝59は開ラッチ49を傾斜した状態で保持する垂直溝部59aと、開ラッチ49を水平方向にスライド自在な水平溝部59bとを連続して備えている。
カム51は支持軸51aで閉スライダ43に回動自在に軸支されていると共に係合軸51bが閉ラッチ案内部材53に設けたカム案内溝61に係合している。カム案内溝61はカム51を傾斜位置に案内する傾斜溝部61aと、カム51を水平方向にスライド自在な水平溝部61bとを連続して備えている。また、カム51のピストン側面はピストン41bのカム当接面42と略一致する円弧面に形成してあり、カム51の係合軸51bがカム案内溝61の水平溝部61bから傾斜溝部61aを移動するときにピストン41bは閉スライダ43に対して相対的に停止して、ダンパ41の抵抗を受けないようにしてカム51が傾動し、ピストン41bと閉スライダ43とが当接するようにしてある。
次に、本実施の形態にかかる建具の開閉動作について説明するが、まず、戸体5の全開状態について説明する。
図1及び図3(c)に示すように、戸体5が全開状態にあるときには、アーム37はベース27から最も引き出されて戸先側に位置した状態にあり、開ラッチ49は開トリガ38に係合している。一方、閉ラッチ47ではその係合軸47bが、閉ラッチ案内溝55の垂直溝部55aに位置しており、閉ラッチ47は閉スライダ43に固定した状態にある。一端を閉スライダ43に他端を開スライダ45に固定してあるばね39は、最も縮んだ状態にある。この全開状態では、ばね39の一方側端を固定している閉スライダ43とダンパ41のピストン41bとの間にはカム51が介在されている。
図1に示す全開状態から開側所定位置M2へ向けて戸体を閉じていくと、開閉補助具7では、図3(c)に示す状態から、アーム37がベース27へ押し込まれていく(図3(c)中右側から左側へ移動してく)。これに伴い、開ラッチ49の係合軸49bは、開ラッチ案内溝59の水平溝部59bを相対的に左側から右側へ移動していく。
戸体5が開側所定位置M2の手前に到達すると、開ラッチ49の係合軸49bが案内溝59の垂直溝部59aとの交差位置に位置し、その位置で更に戸体5が開くことで、ばね39が引き伸ばされていく。
そして、戸体5が開側所定位置M2に到達すると、ばね39が最大に引き伸ばされ、この状態で、開ラッチ49の係合軸49bが垂直溝部59aに移動して、開ラッチ49が図3(b)に示すように、傾斜した状態になり、開トリガ38から外れて、開ラッチ49は傾斜した状態のまま開スライダ45に保持される。これにより、開閉補助具7は、図3(b)に示す半開状態になる。
更に、図1に示す半開状態の開側所定位置M2から閉側所定位置M1の手前まで、戸体5を閉じていくと、この間では、開閉補助具7は、図3(b)に示すように、ばね39は、その一端を固定した開スライダ43と、他端を固定した閉スライダ45との間で引っ張った状態が保持されており、その状態のままアーム37がベース27に押し込まれていく(図3(b)中右側から左側へ移動してく)。
次に、図4を参照して、半開状態の閉側所定位置M1から閉じ切り(全閉)操作について説明する。図1に示すように、閉側所定位置M1から全閉状態まで、戸体5は領域R1を移動する。
図4(a)は、図1に示す閉側所定位置M1の状態である。この状態では、閉ラッチ47が閉トリガ36に近接して、係合する直前の位置にある。ばね39は、伸びた状態が保持されており、付勢力を蓄積した状態にある。また、閉ラッチ47の係合軸47bは閉ラッチ案内溝55の垂直溝部55aに位置している。
尚、図4(a)に示すS1は、ダンパ41が作用して戸体5を閉じるときの衝撃を吸収している間の距離であり、本実施の形態では、S1は25mmである。
図4(b)に示すように、更に、戸体5が閉じられると、閉ラッチ47が閉トリガ36に係合して、ばね39の付勢力により、ベース27に対して摺動部35を戸尻側に引き寄せるため、戸体を閉じる際の補助的な作用が働く。また、閉ラッチ47の係合軸47bは閉ラッチ案内溝55の垂直溝部55aから水平溝部55bに移動し、水平溝部55bを移動することで、閉ラッチ47は閉ラッチ案内部材53に対して相対的に移動する。
また、ばね39は伸びた状態から付勢力を解放して縮み始めるが、ばね39の付勢力に対してダンパ41が作用し、ばね39が付勢力を急激に解放するのを緩衝する。したがって、ばね39はゆっくりと縮む。また、ダンパ41の作用により、戸体5の動きが緩衝され、急激に閉じられる衝撃を吸収する。
更に、カム51は、ピストン41bのカム当接面42に当接した状態で閉スライダ43と共にカム案内溝61の水平溝部61bを移動する。
この図4(a)の半開状態から図4(c)の閉じ切る直前状態(図1のM3)までは、アーム37が図中左側へ移動し、閉ラッチ47が閉トリガ36に係合した後は、相対的に閉スライダ43がピストン41bを図中左側から右側へ押し付ける力が働き、ダンパ本体41aに対してピストン41が縮む。
図4(c)に示すように、閉じ切る直前状態(図1のM3)では、カム51の係合軸51bはカム案内溝61の水平溝部61bから傾斜溝部61aとの交差位置にある。この位置ではまだピストン41bと閉スライダ43との間にはカム51が介在しており、ピストン41bと閉スライダ43との間は所定間隔をあけた状態で保持される。一方、ばね39は縮んだ状態にあるが、縮み切るまで(閉じ切り状態まで)にはまだS2の縮み代が残っている。S2は約5mmである。
一方、ダンパ41では、ピストン41bはダンパ本体41aに対してS1(図4(a)参照)縮むが、僅かな縮代を残して縮んだ状態にあり、カム51によりその状態が保持され、その状態から図4(d)に示す閉じ切り状態までのS2分では下記するようにダンパ41は作用しない。
次に、図4(c)から図4(d)に示すように、カム51では、カム51の係合軸51bが、カム案内溝61の傾斜溝部61aを移動することで、カム51が傾斜して下がり、ピストン41bが閉スライダ43に当接するまで移動が可能になる。
閉じ動作している戸体5が閉じ切り直前状態(図1のM3)を過ぎると、カム51は傾斜溝部61aを移動しつつ、ばね39が付勢力を解放しつつ縮んでアーム37を一方側へ引き寄せることで、戸体5を枠3に引き寄せ、ばね39がS2だけ縮んだところで、閉スライダ43がピストン41bに当接して戸体5を枠3に閉じ切る。
このように、図4(c)から図4(d)の閉じ切り動作時の距離S2では、ばね39のみが作用し、ダンパ41の抵抗は作用しない。
次に、戸体5の全閉状態について説明する。
図1及び図3(a)に示すように、戸体5が全閉状態(閉じ切り状態)にあるときには開閉補助具7では、摺動部材29はベース27の内部に最も押し込まれた位置にある。図3(a)に示すように、この状態において、閉ラッチ47は閉トリガ36に係合していると共に閉ラッチ47の係合軸47bは閉ラッチ案内溝55の水平溝部55bに位置している。ダンパ41ではピストン41bがダンパ本体41aに対して縮んだ位置にある。尚、開ラッチ49では係合軸49bがラッチ案内溝59の垂直溝部59aに位置し、開ラッチ49は傾斜した状態になっている。
次は、全閉状態から戸体5を開く動作を説明する。
戸体5の全閉状態(図3(a)参照)から戸体5を開いて、図1に示す半開状態の閉側所定位置M1の角度(図1に示す領域R1)まで開いていくときには、開閉補助具7は、図3(a)に示す全閉状態において、アーム37が戸先側(他方側)に引き出される。これにより、閉ラッチ47は閉トリガ36に係合した状態のまま、摺動部35がベース27内を戸先側へ移動し、閉ラッチ47の係合軸47bは閉ラッチ案内溝55の水平溝部55bを移動した後に、図3(b)に示すように、垂直溝部55aに入り込み、閉スライダ43に対して閉ラッチ47が保持される。
一方、図3(a)に示すように、戸体5の全閉状態から戸体5を開いていくときには、閉スライダ43は開トリガ36bに係合した状態にあり、開スライダ45がダンパ本体41aと共に戸先側へ移動し、一端を閉スライダ43に、他端を開スライダ45に固定されているばね39が引き伸ばされると共に、閉ラッチ47の係合軸47bが水平溝部55bを移動した後垂直溝部55aに移動し、図3(b)に示すように、閉ラッチ47が傾斜した状態になって閉トリガ36から外れて、その位置で閉スライダ43が保持されて、半開状態となる。即ち、図3(b)に示す半開状態では、ばね39は最も引き伸ばされた状態で保持され、ばね39は付勢力が蓄積された状態になる。ダンパ41では、ピストン41bがダンパ本体41aに対して最も引き伸ばされた状態で保持されるので、ダンパ41は作用しない。尚、この半開状態では、摺動部35はベース27内を摺動自在である。
図3(a)に示す全閉状態から図3(b)に示す半開状態の閉側所定位置M1(図1参照)に至る角度(領域R1)は、0°〜20°である。
図3(b)に示す半開状態は、図1に示す閉側所定位置M1〜開側所定位置M2の間(領域R3)における状態であり、領域R3の角度は20°〜70°である。
戸体5を開く操作において、図1に示す閉側所定位置M1から開側所定位置M2までの半開状態では、図3(b)において、アーム37がベース27から引き出される方向(図中右側)へ移動していく。
そして、図1に示す半開状態の開側所定位置M2を越えて戸体5が更に開いていくと、図3(b)(c)に示すように、開ラッチ49が開トリガ38に係合して、ばね39の付勢力により、摺動部35がベース27内を戸先側へ移動して、戸体を開ける際の補助的な作用が働く。また、開ラッチ49の係合軸49bは、開ラッチ案内溝59の垂直溝部59aから水平溝部59bに移動し、更に戸体5を開くと、図3(c)に示すように、摺動部35の移動と共に係合軸49bが水平溝部59bを移動して、全開状態となる。
一方、開ラッチ49が開トリガ38に係合した後、開ラッチ49の係合軸49bが水平溝部59bを移動していくときには、ばね39は蓄積した付勢力を解放しつつ次第に縮む。ダンパ41では、ばね39の付勢力に抗してダンパ本体41aに対してピストン41bが緩衝されつつダンパ本体41a側へ移動する。この図3(b)の半開状態から図3(c)の全開状態までは、アーム37が図中右側(他方側)へ移動し、開ラッチ49が開トリガ38に係合した後は、相対的に開スライダ45がダンパ本体41aを図中右側から左側へ押し付ける力が働き、ダンパ本体41aに対してピストン41が縮む。そして、図3(c)に示す全開状態ではばね39及びダンパ41は最も縮んだ状態になる。
図1に示す半開状態の開側所定位置M2から全開状態までの間(領域R2)の角度は、70°〜90°である。この間の開き操作では、戸体5の開き操作に対してダンパ41が作用しているので、急激な開き操作に対して緩衝することができると共にばね39が蓄積した付勢力を解放するので開き力を軽減できる。
本実施の形態の作用効果について説明する。
図4(a)から(d)及び図1の閉側所定位置M1から全閉状態で示すように、戸体5を半開状態の閉側所定位置M1から閉じ切る(全閉)までは、開閉補助具7では、ばね39が蓄積した付勢力を解放して、戸体5を枠3に引き寄せると共に、図4(c)(d)及び図1の閉じ切る直前状態M3から全閉状態で示すように、戸体5を閉じ切る直前からは、ダンパ41が作用しないでばね39の付勢力のみが作用して戸体5を枠3に引き寄せるから、戸体5を確実に閉じ切ることができる。
一方、図4(a)から(c)で示すように、図1の閉側所定位置M1から閉じ切る直前状態M3までは、ダンパ41が摺動部材29の動きを緩衝することで戸体5の急激な動きを抑制できる。
換言すれば、本実施の形態では、摺動部材35がばね39と、ばね39に抗するダンパ41とを有しており、戸体5を閉じるときには、ばね39と、ダンパ41が同時に縮み、閉じ切る直前からばね39のみが縮むことで戸体5を枠3に引き寄せているのである。
また、図1の半開状態の閉側所定位置M1〜開側所定位置M2の間では、図3(b)に示すように、ばね39やダンパ41が作用しないから、軽い力で戸体5の開閉ができる。
図1に示すように、戸体5が半開状態の閉側所定位置M1から閉じ切る直前状態M3に至る操作及び戸体5が半開状態の開側所定位置M2から全開状態にするときでは、いずれもダンパ41が作用して、戸体5の閉じ動作時及び開き動作時の衝撃を緩衝することができる。
図1及び図2に示すように、開閉補助具7は、中空部を有するベース27と、摺動部35がベース27の中空部内を摺動する摺動部材29とからなる構成とし、ベース27からはアーム37のみが突出して、ベース27内にある摺動部35にばね39とダンパ41を設ける構成としているから、摺動部35の内部構造が外から見えないので外観が良い。更に、図5に示すように、開閉補助具7はベース27の一方側端を上枠13に取り付け、摺動部材29の他方側端を上框23に取り付けて、上框23や上枠13の見付け寸法内に納める構成としているので、意匠性が良い。
図3(c)及び図1に示すように、全開状態では戸体5が閉じ側へ移動しようとするとダンパ41が作用して、開いた状態を保持すると共に衝撃を吸収できるので開き状態にある戸体5の煽りを防止できる。
以下に本発明の他の実施の形態を説明するが、以下に説明する実施の形態において、上述した第1実施の形態と同一の作用効果を奏する部分には同一の符号を付することによりその部分の詳細な説明を省略し、以下の説明では第1実施の形態と主に異なる点を説明する。
図6に、本発明の第2実施の形態にかかる建具1を示す。この第2実施の形態にかかる建具1は引戸であり、戸体5は引戸障子である。開閉補助具7は、ベース27をその戸先側端(一方側端)と共に全体を上枠13の長手方向に取り付け、摺動部材29は召合せ側端(他方側端)を戸体5の召合せ側に位置する上框23に取り付けている。
図6(a)に示すように、戸体5の全閉状態では、戸体5の戸先框19が戸先枠(枠)9に引き寄せられた状態で閉じてあり、摺動部材29のアーム37はベース27に深く入り込んで、開閉補助具7は図3(a)示す状態となる。一方、図6(b)に示すように、戸体5の全開状態では、アーム37はベース27から引き出された状態であり、開閉補助具7は図3(c)に示す状態となる。尚、図6(b)には、第1実施の形態における戸体5の所定位置M1、M2及び閉じ切る直前状態M3に対応する位置の符号をそれぞれ示している。
そして、図6(a)に示す戸体5が半開状態の閉側所定位置M1と開側所定位置M2との間では、図3(b)に示すように、ばね39は付勢力を蓄積すると共にダンパ41が作用しない状態になる。
この第2実施の形態にかかる建具(引戸)1においても、第1実施の形態にかかる建具(ドア)1と同様の作用効果を奏することができる。
本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形可能である。
例えば、ダンパ41はオイルダンパに限らず、ガスダンパーであっても良く、ダンパ41の種類は限定されない。
本発明において、開閉補助具7は、全開操作と全閉操作の両方の操作を補助することに限らず、全閉操作のみを補助するものであっても良い。例えば、第1及び第2実施の形態において、開トリガ38や開ラッチ49を設けないで、開スライダ45を摺動部材35に固定した構成とし、戸体5を半開状態の開側所定位置M2から全開状態にするときにはばね39が蓄積した付勢力を解放しないで、閉側所定位置M1から全閉状態にするときにのみばね39が蓄積した付勢力を解放する構成としても良い。
第1実施の形態において、開閉補助具のベース27は上枠13に限らず戸尻枠11の上部に取り付け、摺動部材29の他方側端は、上框25に限らず、戸先框19の上部に取り付けるものであっても良い。
第2実施の形態において、開閉補助具7は、上枠13の室内側見付け面に配置しても良い。
1 建具
3 枠
5 戸体
7 開閉補助具
27 ベース
29 摺動部材
39 ばね
41 ダンパ
M1 閉側所定位置(所定位置)

Claims (1)

  1. 枠と、枠に開閉自在に取り付けた戸体と、開閉補助具とを備え、開閉補助具は、一方側端を枠に取り付けたベースと、ベースに対してスライド自在に設けてあり且つ他方側端を戸体に取り付けた摺動部材を有し、摺動部材は、ばねと、ダンパを有し、
    ばねは、戸体が全開と全閉との間の所定位置から閉じ切るまでの状態で、蓄積した付勢力を解放して摺動部材を付勢することで、戸体を枠に引き寄せるものであり、ダンパは、伸縮する部材であり、縮むことでばねの付勢に抗して戸体を閉じる際の衝撃を吸収するものであり、戸体を閉じ切る直前から閉じ切るまでは、縮んだ状態で保持されることで作用しないことを特徴とする建具。
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