以下、本出願において開示される発明を実施する形態について図面を参照しつつ説明する。下記の実施の形態は、スイッチング素子を用いて直流電源を生成するスイッチング電源回路と、前記スイッチング電源回路を制御する点灯制御ICと、を備える点灯装置に関するものである。下記の実施の形態にかかる点灯制御ICは、デジタル演算回路が設けられたデジタルチップ部と、前記スイッチング素子を駆動するドライブ回路などが設けられたアナログチップ部と、を1つのパッケージに収めたという点で共通している。つまり、実施の形態で共通的に提供される基本的な点灯制御ICはアナログデジタル複合ICパッケージである。下記の実施の形態では、上記基本的な点灯制御ICに対する複数の改良コンセプトが提供されている。これら複数の改良コンセプトは互いに独立に実施されうるものであるが、複数の改良コンセプトを1つの点灯制御ICに同時に適用することもできる。
具体的には、本出願で開示される第1の改良点灯制御ICは、「制御電源回路部の少なくとも一部」、具体的には制御電源用スイッチング回路の少なくとも一部(具体例としては、制御電源を構成するトランジスタ等の能動素子)を上記の基本的な点灯制御ICに内蔵させたものであり、実施の形態1がこれに関するものである。本出願で開示される第2の改良点灯制御ICは、上記の基本的な点灯制御ICにおいてマイクロコンピュータがソフトウェア制御により制御電源を生成する演算処理を実行するものであり、実施の形態2がこれに関するものである。本出願で開示される第3の改良点灯制御ICは、上記の基本的な点灯制御ICにおいて、マイクロコンピュータが外部オプション装置と接続する「デジタル通信端子」を備えたものであり、実施の形態3がこれに関するものである。第3の改良点灯制御ICは、先に記載した第1または第2の改良点灯制御ICと組み合わせることもできる。
[実施の形態1にかかる装置構成]
図1は、実施の形態1にかかる点灯装置150およびこれを備えた照明器具を表す回路ブロック図である。点灯装置150は、商用電源5に接続される入力フィルタ整流部100と、入力フィルタ整流部100から直流電力を受ける点灯用スイッチング電源回路250(以下、「点灯用SW電源回路250」とも称す)と、この点灯用SW電源回路250を制御する点灯制御IC700と、点灯制御IC700の制御電源を生成する制御電源用スイッチング電源回路500(以下、「制御電源用SW電源回路500」とも称す)と、点灯制御IC(集積回路)700の周辺に設けられた抵抗16〜40およびキャパシタ24〜70と、点灯制御IC700と外部機器(すなわち追加ユニット)との電気的接続を仲介する例えばコネクタ等の外部インターフェース620と、を備えている。点灯用SW電源回路250は、MOSFETであるスイッチング素子12、31を用いて直流電源を生成し、その直流電源で光源モジュール400を点灯させる。
入力フィルタ整流部100は、商用電源5からの交流電力を受ける入力フィルタ回路110と、入力フィルタ回路110の後段に接続された整流回路を備える。整流回路はダイオード1〜4で構成されたダイオードブリッジであり、整流された直流電圧は点灯用SW電源回路250に入力される。
点灯用SW電源回路250は、入力フィルタ整流部100と接続した力率改善回路200(以下単に「PFC(power factor correction)回路200」とも称す)と、PFC回路200から供給される直流電圧を降圧するバックコンバータ回路300と、を含んでいる。PFC回路200は、実施の形態1ではチョークコイル11、スイッチング素子12、ダイオード13、およびキャパシタ14を含む昇圧チョッパ回路である。スイッチング素子12のソースは、抵抗15を介して、グランド端子Gmに接続している。ただし、昇圧チョッパ回路以外でもよく、例えばフライバック回路を用いても良い。バックコンバータ回路300は、PFC回路200が出力した直流電圧を降圧するものであり、光源モジュール400に対して一定の直流電流を供給するように制御される。バックコンバータ回路300は、スイッチング素子31、チョークコイル33、ダイオード32、およびキャパシタ34を含む降圧チョッパ回路である。バックコンバータ回路300には、LED電流に応じた電圧を出力する検知抵抗35が設けられている。検知抵抗35の一端がダイオード32のアノードと接続し、検知抵抗35の他端がキャパシタ34の負極側電極に接続する。
光源モジュール400は、複数の固体発光素子60〜63が図示しない実装基板上に実装されたものである。固体発光素子は無機LED素子または有機EL素子(OLEDとも称される)を用いることができる。図1では例示として固体発光素子60〜63を直列接続しているが、接続方式は並列あるいは直並列接続でもよく、また固体発光素子の個数も任意に変更してもよい。
制御電源用SW電源回路500は、スイッチング素子等を内蔵した制御電源IC部510と、制御電源IC部510のスイッチング素子等とともに降圧チョッパ回路を構成する制御電源回路520と、キャパシタ50、70と、を備えている。制御電源用SW電源回路500は、制御電源IC部510が内蔵するスイッチング素子のチョッパ動作により制御電源を生成する降圧コンバータ回路である。制御電源IC部510には、PFC回路200の出力した電力が入力される。この電力を用いて制御電源IC部510および制御電源回路520が一例として10〜20V、具体例としては15Vの制御電源電圧を生成し、この電圧でキャパシタ50、70が充電される。キャパシタ50,70に蓄えられた電荷が、制御電源として点灯制御IC700の内部に設けられた各回路に供給される。
点灯制御IC700は、図1に太線枠で示すように、PFC制御回路210と、バックコンバータ制御回路310と、マイクロコンピュータ610(以下、単に「マイコン610」とも称す)と、制御電源IC部510とを含んでいる。
図2は、実施の形態1にかかる点灯装置150の模式的な構成を表す図である。図2は、装置構成の一例として外形が長尺型の点灯装置150を示している。図2に示す長尺型のプリント回路基板900上に各回路が設けられている。図3は、実施の形態1にかかる点灯制御IC700の模式的な構成を表す図である。点灯制御IC700は、2つのチップがICパッケージに収められたものである。2つのチップはアナログチップ701とデジタルチップ702であり、それぞれに形成された回路が一体となって点灯制御IC700を構成する。便宜上、デジタルチップ702とアナログチップ701は、図1〜図2には図示しておらず、図3に示してある。
アナログチップ701には、PFC制御回路210およびバックコンバータ制御回路310が設けられている。PFC制御回路210およびバックコンバータ制御回路310は、それぞれ、スイッチング素子12、31を駆動するドライブ回路を含んでいる。さらに、アナログチップ701には、図1に示す制御電源用SW電源回路500の少なくとも一部が設けられている。実施の形態1では、具体例として、後述するように、制御電源用SW電源回路500のうち制御電源IC部510がアナログチップ701に設けられている。制御電源用SW電源回路500のうち制御電源IC部510以外の構成は、点灯制御IC700のICパッケージ外部、具体的には点灯装置150の各種部品が実装されたプリント回路基板900(図2参照)上に設けられている。
点灯制御IC700は、アナログチップ701およびデジタルチップ702を「1つのICパッケージ」に収めたものである。実施の形態において、1つのICパッケージに収められた状態とは、ICの構成部品が、共通の封止樹脂で覆われるあるいは単一のケースに収められることで、1つの部品として回路基板等に実装できるようになっている状態を指している。これらの封止樹脂体およびケースはまとめて「外囲体」などと称されることもある。
図1〜図3には、グランドGm〜Gcが図示されている。グランドGmは、入力フィルタ整流部100、点灯用SW電源回路250、および光源モジュール400の共通のグランドである。グランドGpは、PFC制御回路210のグランドである。グランドGbは、バックコンバータ制御回路310のグランドである。グランドGvは、制御電源用SW電源回路500を構成する制御電源IC部510のグランドである。グランドGcは、マイコン610のグランドである。
回路構成の詳細について図1に戻り説明する。PFC制御回路210は、MOFET12のゲートに抵抗21を介してゲート信号を出力する第1ドライブ回路と、ダイオード13のカソード電圧が抵抗22、25で分圧された分圧電圧値が入力される第1電圧検出回路と、抵抗15に生ずる電圧が抵抗23を介して入力される第1電流検出回路と、抵抗18を介してチョークコイル11の電流がゼロになったことを検出するゼロクロス検知回路と、脈流電圧分圧値を検出するマルチプライヤと、キャパシタ50の正極電極と接続して制御電源を受ける第1制御電源電極と、所定の停止信号を受けると回路動作を停止させるための第1停止回路と、上記各回路の回路基準電位(グランドGp)を得るための第1グランド電極と、備えている。上記各回路それぞれは、デジタル回路であるマイコン610とは異なり、アナログチップ701上に構築されたアナログ回路である。上記マルチプライヤで検出される脈流電圧分圧値は、入力フィルタ整流部100からチョークコイル11の入力端に入力される脈流電圧が抵抗16、17で分圧された値である。PFC制御回路210と関連して、点灯制御IC700の周辺にはキャパシタ24〜26が設けられている。抵抗17は、キャパシタ27に並列接続されている。抵抗25は、キャパシタ26に並列接続されている。制御電源電極とキャパシタ50との接続点には、キャパシタ41の一端が接続されており、キャパシタ41の他端はグランドGbに接続される。
バックコンバータ制御回路310は、マイコン610からの動作目標値にしたがってスイッチング素子31のゲートにゲート抵抗36を介してゲート信号を出力する第2ドライブ回路と、抵抗35にLED電流に応じて生ずる電流検知電圧が抵抗37を介して入力される第2電流検出回路と、所定の停止信号を受けると回路動作を停止させるための第2停止回路と、マイコン610から受け取った動作目標値をドライブ回路に伝達する動作目標入力部と、キャパシタ50の正極電極と接続して制御電源を受け取る第2制御電源電極と、上記各回路の回路基準電位(グランドGb)を得るための第2グランド電極と、を備えている。上記各回路それぞれは、デジタル回路であるマイコン610とは異なり、アナログチップ701に構築されたアナログ回路である。バックコンバータ制御回路310と関連して、点灯制御IC700の周辺にはいくつかの受動素子が設けられている。すなわち、抵抗37の一端は抵抗35と光源モジュール400のカソード端との接続点に接続し、抵抗37の他端とキャパシタ38の一端との接続点の電圧が第2電流検出回路に入力され、キャパシタ38の他端はグランドGbに接続される。第2制御電源電極とキャパシタ50との接続点には、キャパシタ41の一端が接続されており、キャパシタ41の他端はグランドGbに接続される。
制御電源用SW電源回路500のうち、制御電源IC部510はICパッケージ内に収められ、その一方で、制御電源回路520およびキャパシタ50、70はICパッケージの外に設けられている。制御電源IC部510はトランジスタおよびダイオードを含んでおり、これらのトランジスタ及びダイオードは、制御電源用SW電源回路500を構成する能動素子、すなわち降圧チョッパ回路を構成する能動素子である。一方、制御電源回路520は、制御電源用SW電源回路500を構成する受動素子として、具体的にはチョークコイルを備えている。上記チョークコイルと制御電源IC部510が含むトランジスタ等の能動素子とによって降圧チョッパ回路が構成される。この降圧チョッパ回路で充電されるキャパシタ50、70は、ICパッケージの外に設けられている。
デジタルチップ702には、マイコン610が設けられている。マイコン610は、外部インターフェース620から入力される指令信号に基づいて、PFC制御回路210およびバックコンバータ制御回路310を制御する。外部インターフェース620には、例えば図示しない調光器から調光信号が入力される。マイコン610には、光源モジュール400の負荷電圧を抵抗39、40で分圧した分圧電圧値も入力される。マイコン610は、内部に演算処理部およびメモリなどを含んでおり、点灯制御に必要な各種デジタル情報および制御プログラムを記憶および実行することができる。制御の具体例として、マイコン610は、スイッチング素子12、31のスイッチング制御に関する動作目標値を出力する。点灯装置150が調光制御を行うのであれば、調光信号が外部インターフェース620からマイコン610に伝達され、マイコン610がその調光信号に応じた調光率で光源モジュール400を点灯させるためのオンデューティ等を演算し、動作目標値として出力する。また、マイコン610は、負荷電圧が所定値以上となった過電圧状態を検知した場合など、PFC制御回路210およびバックコンバータ制御回路310それぞれの停止回路に停止信号を出力する。これにより、点灯用SW電源回路250の異常動作時に、スイッチング素子12、31を停止させるなどの保護動作が行われるようになっている。
なお、マイコン610に代えて、デジタル信号処理装置(Digital Signal Processer:DSP)がデジタルチップ702に形成され且つ点灯制御IC700のICパッケージ内に収められていても良い。いずれの場合も、デジタルチップ702には、マイコンあるいはDSPなどの「デジタル演算回路」が設けられており、このデジタル演算回路が点灯用SW電源回路250の点灯制御に関する演算処理を行う。また、実施の形態1では1つのマイコン610を図示して説明しているが、マイコンおよびDSPなどのデジタル演算回路のデジタルチップ搭載数は2つ以上であってもよく、これら複数のマイコン等が連携して点灯制御を行うようにデジタルチップ702が構築されていても良い。
実施の形態1にかかる点灯制御IC700は、PFC制御回路210、バックコンバータ制御回路310、およびマイコン610に加えて、制御電源IC部510を1つのICパッケージ内に収めたものである。このように、アナログ/デジタル複合ICパッケージに制御電源を構成する制御電源用SW電源回路500の少なくとも一部を統合したことにより、点灯装置150を構成する部品の点数を減らすことができる。
また、実施の形態1によれば、点灯用SW電源回路250が2コンバータ式であり、かつ各コンバータの駆動に関するドライブ回路を1つのICパッケージに収めている。これにより、各コンバータのドライブ回路等を別々のICパッケージに収めた場合と比べて、点灯装置150の部品点数を削減することができる。
なお、実施の形態1では制御電源用SW電源回路500のうち制御電源IC部510のみを、点灯制御IC700のICパッケージに収めている。しかしながら、制御電源回路520およびキャパシタ50、70をICパッケージ外に置かなくともよく、これらのいずれか或いは全てをさらにICパッケージに収めてもよい。つまり、点灯制御IC700が、制御電源用SW電源回路500の全部をICパッケージに納めたものであってもよい。
[グランド配線/給電配線の共用化]
点灯制御IC700は、上述した「PFC制御回路210、バックコンバータ制御回路310、マイコン610、および制御電源IC部510の1パッケージ化」という特徴に加えて、グランド配線または/および制御電源の給電配線についても特徴を有している。以下、実施の形態1にかかる「グランド配線」および「給電配線」の電気接続パターンについて説明する。「グランド配線」は、点灯制御IC700のICパッケージ内外で、点灯制御IC700が内蔵した各回路のグランド(つまり4つのグランドGp〜Gc)を結ぶ。つまり、グランド配線は、点灯装置150および点灯制御IC700の作動時においてグランド電位とされるべき配線パターンおよび電極パターンを含む導電体パターンである。グランド配線は、ICパッケージ内部に設けられる「内部グランド配線」と、ICパッケージ外に設けられる「外部グランド配線」に分けられる。また、「給電配線」は、点灯制御IC700のICパッケージ内外で各回路に制御電源を供給する配線であり、基板上に形成された配線および給電電極を含む。給電配線も、ICパッケージ内部に設けられる「内部給電配線」と、ICパッケージ外に設けられる「外部給電配線」に分けられる。
(実施の形態1にかかる電気接続パターン)
図2および図3に示す回路は、図2および図3に示す点灯制御IC700は、内部グランド配線720、721と、内部給電配線722、723と、を含んでいる。また、点灯制御IC700周辺には、外部グランド配線720cおよび外部給電配線735が設けられている。
まず、グランド配線の電気接続パターンについて説明する。点灯制御IC700は、グランド端子731、733を備えている。グランド端子731、733は、一端がICパッケージの外に露出し、他端がICパッケージの内部において内部グランド配線720、721と接続している。さらに、外部グランド配線720cが、ICパッケージの外において、グランド端子731、733に接続する。
内部グランド配線720は、ICパッケージの内部において、PFC制御回路210のグランドGpおよびバックコンバータ制御回路310のグランドGbに接続し、これらのグランドを共通化している。内部グランド配線721は、ICパッケージの内部において、制御電源IC部510のグランドGvおよびマイコン610のグランドGcに接続し、これらのグランドを共通化している。
内部グランド配線720に接続した回路と内部グランド配線721に接続した回路は、一旦ICパッケージ外の外部グランド配線720cで迂回されてからグランド配線接続がなされる。つまり、内部グランド配線720に接続した回路と内部グランド配線721に接続した回路は、グランド配線上での距離を長くできる。このため、ノイズなどによる回路動作の相互影響を小さくすることができる。外部グランド配線720cは、他の信号線、通信線および電線などの配線と比べて太く短い導電体パターン(いわゆるベタパターン)とすることが好ましい。
図3の例では、点灯制御IC700が長方形状であり、その4辺のうち2つの長辺に複数の端子が並べられている、なお端子の個数は模式的なものであり、実際には図3よりも多い。図3の例ではグランド端子731、733が点灯制御IC700の4辺のうち反対側の2辺に1つずつ設けられている。しかしながら、グランド端子731、733を点灯制御IC700の4辺のうち同じ1つの辺にまとめてもよく、さらにグランド端子731、733を隣接配置しても良い。隣接配置とは、間に他の端子を含むことなく近接させて並べることである。これにより外部グランド配線720cを太く短い大面積の導電体パターン(いわゆるベタパターン)とすることが容易となり、グランドの安定化が図れる。この点は、以後に述べる変形例でも同様である。
次に、制御電源端子732、734および給電配線の電気接続パターンについて説明する。点灯制御IC700は、制御電源端子732、734と、内部給電配線722、723と、を備えている。制御電源端子732は、一端がICパッケージの外に露出し、キャパシタ50の正極電極と接続することで制御電源を受け取る。同様に、制御電源端子734は、一端がICパッケージの外に露出し、キャパシタ70の正極電極と接続することで制御電源を受け取る。外部給電配線735は、ICパッケージの外において、制御電源端子732と制御電源端子734とを接続する。
内部給電配線722は、ICパッケージの内部において、PFC制御回路210およびバックコンバータ制御回路310に制御電源を供給している。その一方で、内部給電配線723は、ICパッケージの内部において、制御電源IC部510およびマイコン610に制御電源を供給している。
内部給電配線723には、レギュレータ522が接続されている。レギュレータ522は、キャパシタ50から取り出される第1制御電源電圧(例えば15V)を、これよりも低い第2制御電源電圧(例えば5V)に降圧する。言い換えると、レギュレータ522は、アナログチップ701に設けられたアナログ回路に給電される電圧を変換して、デジタルチップ702に設けられたデジタル回路に供給する。レギュレータ522により、アナログ回路の電源から、デジタル回路の電源を作り出すことができる。
内部給電配線723について付言すると、内部給電配線723は、制御電源端子732と接続する「合流配線部」と、この合流配線部が途中で二股に分岐した「分岐配線部」と、を含んでいる。分岐配線部の1つがレギュレータ522と接続しており、レギュレータ522の後段にマイコン610が繋がっている。分岐配線部の他の一つは制御電源IC部510に接続しており、制御電源端子732の電圧15Vをそのまま制御電源IC部510に供給する。
内部給電配線722に接続した回路と内部給電配線723に接続した回路とでは、別々のキャパシタ50、70から制御電源が供給されるので、給電配線上での距離を長くできる。つまり制御電源の供給配線を互いに隔てることができ、回路動作の相互影響を小さくすることができる。
(実施の形態に対する比較例)
図14は、実施の形態に対する比較例にかかる点灯装置の模式的な構成を表す図である。図14では、比較例として、4つのICパッケージを備えるように図1〜図3の回路を変形したものである。図14では、PFC制御回路210、バックコンバータ制御回路310、制御電源IC部510、およびマイコン610が、それぞれ別々のICパッケージとして提供されている。一般に、点灯装置の構成部品が実装される実装回路基板の上において、制御回路およびマイコンを制御電源回路に近接配置できるほうがノイズ影響低減の観点から有利である。しかしながら、実装回路基板上に複数のICパッケージが点在していれば、それらを結ぶ給電配線およびグランド配線が煩雑なものとなりやすく、特にグランド配線についてはグランド安定化を阻害するものとなる。特に、プリント回路基板900のように基板全体として細長形状である場合には、図14に示すように給電配線およびグランド配線を実装回路基板の長手方向に渡って非常に長く引き回さざるをえない。
この点、上述した実施の形態1にかかる点灯制御IC700によれば、PFC制御回路210、バックコンバータ制御回路310、マイコン610、および制御電源IC部510を1つのICパッケージ内に収めたうえで、これらのグランド配線および給電配線の共通化を行っている。これにより、グランド配線および給電配線を飛躍的に安定化、簡素化、および効率化することができる。
(実施の形態1の変形例にかかる電気接続パターン)
図4〜図12は、実施の形態1にかかる点灯制御IC700の変形例の模式的構成を表すブロック構成図である。図5、図7、図9、および図11は、実施の形態1にかかる点灯装置150の変形例の模式的構成を表す図である。図4、図6、図8、図10、および図12は、実施の形態1にかかる点灯制御IC700の変形例の模式的構成を表す図である。
図4に示す第1変形例では、キャパシタ50が省略されており、キャパシタ70のみから点灯制御IC700の制御電源を取り出している。点灯制御IC700は、給電配線722aを有している。給電配線722aは、ICパッケージの内部において、制御電源端子734の他端とアナログチップ701およびデジタルチップ702とを接続し、アナログチップ701およびデジタルチップ702の両方に制御電源を供給する。ただし、アナログチップ701に設けられたレギュレータ522が電圧(例えば15V)を降下させマイコン610へ5Vを供給する点は、図3に示した点灯制御IC700と同様である。
ICパッケージ内部で制御電源の給電配線を共通化することができるので、1パッケージ化しない場合(図14の比較例)と比較して給電配線を短くすることができる。また、1つの給電配線722aで点灯制御IC700内部の制御電源をまかなうことで、制御電源電位も統一される。これにより回路動作を安定にすることができる。
内部給電配線722aについてさらに付言すると、内部給電配線722aは、制御電源端子734と接続する「合流配線部」と、この合流配線部が途中で分岐した「分岐配線部」と、を含んでいる。複数の分岐配線部は、PFC制御回路210、バックコンバータ制御回路310、および制御電源IC部510に1つずつ接続している。分岐配線部の他の1つがレギュレータ522と接続しており、レギュレータ522の後段にマイコン610が繋がっている。このように、ICパッケージ内部で給電配線722aを分岐させることで、複数の分岐配線部が設けられている。別々の分岐配線部に接続した回路の間では給電配線上の距離を長くできるので、別々の分岐配線部に接続した回路同士では、回路動作の相互影響を小さくすることができる。
なお、さらなる変形として、ICパッケージ内ではアナログ回路とデジタル回路とで完全にグランドを分けてもよい。内部グランド配線720が、アナログチップ701に含まれる全ての回路のグランドを共通化し、内部グランド配線721が、デジタルチップ702に含まれる全ての回路のグランドを共通化してもよい。これら内部グランド配線720、721を、別々のグランド端子731、733に接続して、ICパッケージ外で外部グランド配線720cを介して接続してもよい。この変形を加えた場合には、アナログ回路で発生するスイッチングノイズなどによる影響をさらにデジタル回路に与えにくくすることができ、ノイズ等によるマイコンの誤動作も有効に抑制することができる。
図5および図6に示す第2変形例では、点灯制御IC700のICパッケージ内部において、PFC制御回路210、バックコンバータ制御回路310、制御電源IC部510、およびマイコン610を1つのグループにまとめて、グランド配線および給電配線を両方とも共通化したものである。点灯制御IC700は、グランド端子731と接続する内部グランド配線724を備えている。内部グランド配線724は、複数の分岐配線部を介してグランドGp、Gb、Gv、およびGcの全てと接続することでこれらを共通化しつつ、合流配線部でグランド端子731に繋がっている。ICパッケージ内部でグランドを共通化することができるので、1パッケージ化しない場合(図14の比較例)と比較してグランド配線を短くすることができ、ノイズの影響を抑制することができる。また、回路基準電位も統一される。これにより回路動作を安定にすることができる。また、点灯制御IC700は、制御電源端子732と接続した内部給電配線726を備えている。内部給電配線726は、1つの制御電源端子732から分岐して複数の回路に制御電源を供給しつつ、さらに分岐配線部の1つにレギュレータ522を備える点で、内部給電配線722aと同様である。
図7〜図10に示す変形例では、点灯制御IC700のICパッケージ内部において、PFC制御回路210、バックコンバータ制御回路310、制御電源IC部510、およびマイコン610を1つのグループにまとめて、グランド配線および制御電源給電配線をそれぞれ一本化したものである。図7〜図10における給電配線の回路構成は、図4で述べたものと同様である。このため、図7〜図10に示す変形例は、グランド端子と制御電源端子とが1本ずつとなっている。
図7および図8に示す第3変形例では、点灯制御IC700が内部給電配線726および内部グランド配線727を備えている。内部グランド配線727は、グランド端子731の他端と接続する合流配線部(符号を付さず)と、合流配線部から分岐した複数の分岐配線部727a、727bとを含む。分岐配線部727aには、グランドGp〜Gvが接続している。分岐配線部727bには、グランドGcが接続している。
ICパッケージ内部の共通グランド配線を分岐させて複数の分岐配線部727a、727bを設けているので、別々の分岐配線部727a、727bに接続した回路の間ではグランド配線上の距離を長くできる。別々の分岐配線部727a、727bに接続した回路同士では、回路動作の相互影響を小さくすることができる。特に、図7および図8に示す変形例では、アナログチップ701の回路は分岐配線部727aにまとめるとともに、これとは別にデジタルチップ702の回路は分岐配線部727bに接続している。このようにアナログ回路とデジタル回路とを別々の分岐配線部に接続することで、アナログ回路で発生するスイッチングノイズなどによる影響をデジタル回路に与えにくくすることができる。したがって、ノイズによるマイコンの誤動作を確実に抑制することができる。
図9および図10に示す第4変形例では、点灯制御IC700が、内部給電配線726および内部グランド配線728を備えている。内部グランド配線728は、グランド端子731の他端と接続する合流配線部(符号を付さず)と、合流配線部から分岐した複数の分岐配線部728a、728bとを含む。分岐配線部728aには、グランドGp、Gbが接続している。一方、分岐配線部728bには、グランドGv、Gcが接続している。グランドGp、GbをグランドGc、Gvとは別の分岐配線部に接続することで、これらを電気的な意味で遠ざけることができる。これにより、PFC制御回路210およびバックコンバータ制御回路310に含まれるドライブ回路のスイッチングノイズがマイコン610および制御電源IC部510に伝わることを抑制することができる。
図11および図12に示す第5変形例では、点灯制御IC700が、内部給電配線726および内部グランド配線729a、729bを備えている。内部グランド配線729bは、グランド端子731の他端を、マイコン610のグランドGcに接続している。その一方で、内部グランド配線729aは、グランド端子733と接続する合流配線部と、合流配線部から分岐した複数の分岐配線部を含む。分岐配線部は、それぞれグランドGp、Gb、Gvに接続している。これは、アナログチップ701とデジタルチップ702とでグランド端子を分けたものである。グランド端子731とグランド端子733とが、外部グランド配線720cを介してICパッケージ外で接続されている。
図13は、実施の形態1の変形例(第6変形例)にかかる点灯装置151およびこれを備えた照明器具を表す回路ブロック図である。点灯装置151では点灯制御全般がデジタル制御によって行われる。このような点灯装置は、フルデジタル電源装置とも呼ばれる。この第6変形例にかかる点灯装置151は、点灯用SW電源回路250を点灯用SW電源回路251に置換し、点灯制御IC700を点灯制御IC760に置換した点を除き、図1に示した点灯装置150と同様の回路構成を備えている。したがって、以下の説明では実施の形態1と同一または相当する構成については同一の符号を付して説明を行うとともに、実施の形態1との相違点を中心に説明し、共通事項は説明を簡略化ないしは省略する。
点灯用SW電源回路251は、PFC回路200をPFC回路201に置換し、バックコンバータ回路300をバックコンバータ回路301に置換したものである。PFC回路201は、図1のPFC回路200のチョークコイル11に二次巻線11aを追加したものである。バックコンバータ回路301は、図1のバックコンバータ回路300のチョークコイル33に二次巻線33aを追加したものである。点灯制御IC760は、図1に示したPFC制御回路210およびバックコンバータ制御回路310における「ドライブ回路以外の機能」がマイコン710に統合されている点で、図1の点灯制御IC700とは異なっている。点灯制御IC760が備えるアナログチップ761には、ドライブ回路764および制御電源IC部510が設けられている。点灯制御IC760が備えるデジタルチップ762には、マイコン710が形成されている。
ドライブ回路764とマイコン710は、内部グランド配線770を介して共通のグランドに接続されている。内部グランド配線770はGND1(SIG)端子と接続する。図示しないが、この第6変形例では、制御電源IC部510のグランドも同じくGND1(SIG)端子と接続しており、1つのグランド端子(GND1(SIG)端子)から分岐した内部グランド配線がドライブ回路764、マイコン710、および制御電源IC部510に接続するものとする。また、制御電源の供給について説明すると、まず、制御電源端子であるVcc1端子を介してキャパシタ50から得られる制御電源電圧(例えば15V)が、図13には図示していない第1内部給電配線を経由して、ドライブ回路764および制御電源IC部510に供給される。また、制御電源端子であるVcc1端子に印加される例えば15Vの制御電源電圧がレギュレータ522により例えば5Vに降圧され、この降圧後の電圧が図示しない第2内部給電配線を経由してマイコン710に供給される。なお、図13の点灯装置151が備えるグランド配線および給電配線については様々な変形が可能である。上記の実施の形態1およびその第2〜第5変形例(図1〜図12参照)で説明したのと同様に、複数のグランド端子/制御電源端子が外部グランド配線/外部給電配線で接続されてもよく、内部グランド配線/内部給電配線の分岐の仕方や回路のグループ分けも様々に変形されてもよい。
制御電源IC部510の回路構成は、図1よりも詳細に図示されている。具体的には、制御電源IC部510は、定電流回路766と、ダイオードD1、D2、D10、D11と、スイッチング素子(例えばMOSFET)を内蔵した定電圧生成回路部511(例えば、IPD:インテリジェント・パワーデバイス)とを備えている。定電流回路766は、PFCV端子を介してPFC回路201の出力電力を取得し、取得した電力から定電流を生成し、その定電流でダイオードD10およびVB端子を通じてブートストラップコンデンサCBSを充電する。ブートストラップコンデンサCBSには、ツェナーダイオードDz1が並列接続されている。PFCV端子は、チャージポンプを行う端子と言う意味でCP端子とも呼べる。
マイコン710は、配線W1〜W6を介してアナログチップ761と接続している。配線W1は、PFC回路201の出力電圧を抵抗分圧により降圧し、マイコン710で検出するための経路である。配線W2は、マイコン710が配線W1で検出した第1検出電圧値に応じたドライブ信号(動作目標値)をドライブ回路764へと出力するための経路である。配線W3は、マイコン710から出力されたドライブ信号に基づいてドライブ回路764がPFC回路201のスイッチング素子12を駆動させるための経路である。配線W4は、LED電流の経路に設けられた抵抗35に発生する電圧を、マイコン710により検出するため経路である。配線W5は、マイコン710が配線W4で検出した第2検出電圧値に応じたドライブ信号(動作目標値)をドライブ回路764へと出力するための経路である。配線W6は、マイコン710から出力されたドライブ信号に基づいてドライブ回路764がバックコンバータ回路301のスイッチング素子31を駆動させるための経路である。図13に示す第6変形例ではマイコン710およびドライブ回路764が単一のICパッケージ内に収められているので、それらが別々のICパッケージとして点灯装置内に点在する場合(図14の比較例参照)と比べて、配線W1〜W6を飛躍的に短くすることができる。
点灯制御IC760は、下記に述べる様々な端子を備えており、これらの端子を介した電気信号の授受によって点灯制御を実現する。Vin端子は、マイコン710と接続されており、点灯用SW電源回路251の入力電圧検出に用いられる。PFCZCD端子は、マイコン710と接続されており、チョークコイル11の二次巻線11aに接続し、PFC回路201に流れる電流のゼロクロス検出に用いられる。PFCI端子は、マイコン710と接続されており、スイッチング素子12のソースと抵抗15の接続点に接続されており、PFC回路201の過電流検出に用いられる。PFCDR端子は、ドライブ回路764と接続されており、PFC回路201のスイッチング素子12を駆動するためのゲート信号を出力する。PFCV端子は、マイコン710と接続されており、PFC回路201のフィードバック制御、PFC回路の過電圧検出、およびPFCフィードバックループ異常検出に用いられる。
VB端子は、ハイサイド駆動のスイッチング素子31を駆動するためにブートストラップコンデンサCBSを充電する。LEDDR端子は、ドライブ回路764と接続されており、バックコンバータ回路301のスイッチング素子31を駆動するためのゲート信号を出力する。VS端子は、ドライブ回路764と接続されており、ハイサイド駆動するスイッチング素子31の基準電位を与える端子である。LEDZCD端子は、マイコン710と接続されており、チョークコイル33の二次巻線33aに接続し、バックコンバータ回路301に流れる電流のゼロクロス検出に用いられる。LEDI端子は、マイコン710と接続されており、LED電流をフィードバック制御するためのLED電流検出、および出力過電流検出に用いられる端子である。LEDV端子は、マイコン710と接続されており、出力過電圧の検出、および光源モジュール400の接続有無を検出する端子である。
DimIn端子は、調光インターフェース回路を介して、点灯装置151の外部に設けられた調光器と接続している。DimIn端子は、この調光器から調光信号(PWM信号)が入力されるものであり、UART (Universal Asynchronous Receiver Transmitter)通信用のシリアル通信端子である。UARTは、調歩同期方式によるシリアル信号とパラレル信号の相互変換を行う回路であり、デジタルチップ762に形成されている。GND1(SIG)端子は、グランド電位に接続される端子であり、小信号グランド用のものである。GND2(PW)端子は、グランド電位に接続される端子であり、パワーグランド用のものである。DCDCS端子は、定電圧生成回路部511のソースSと接続している。DCDCFB1端子およびDCDCFB2端子は、制御電源IC部510のフィードバック用端子である。Vcc1端子は、キャパシタ50と接続されており、第1制御電源電圧として例えば15Vが印加される端子である。Vcc2端子には、第2制御電源電圧として例えば5Vが印加される。この5Vがデジタルチップ762上のマイコン710を作動させる電源電圧として用いられる。
図13には、制御電源回路520の詳細な回路構成が示されている。定電圧生成回路部511のドレインDは、PFCV端子を介して、PFC回路201の出力側と繋がっている。受動素子であるチョークコイルL1の一端が定電圧生成回路部511のソースSに接続し、チョークコイルL1の他端はキャパシタ50の正極電極と接続する。ダイオードD1のカソードが定電圧生成回路部511のソースSに接続し、ダイオードD1のアノードがキャパシタ50の負極電極と接続する。定電圧生成回路部511が含むスイッチング素子、ダイオードD1、およびチョークコイルL1により構成された降圧チョッパ回路が、キャパシタ50を充電するようになっている。なお、定電圧生成回路部511のソースSと後述するDCDCFB1端子は、抵抗R1、R2の直列回路を介して繋がっている。抵抗R1、R2で分圧された電圧がDCDCFB2端子から定電圧生成回路部511のフィードバック端子FBに入力される。抵抗R1、R2の直列回路にはキャパシタC2が並列接続されている。レギュレータ522が、点灯制御IC760のVcc1端子に入力される電圧(例えば15V)を降圧してVcc2端子に5Vを供給する。Vcc1端子の電圧は、ダイオードD2を通じてDCDCFB1端子に伝達される。
点灯制御IC760は、マイコン710の電気保護に用いられる保護素子Cfa、Cfbをさらに備えている。保護素子Cfa、Cfbはアナログチップ761に形成されている。保護素子Cfa、Cfbは、具体的には、ノイズフィルタとして機能するキャパシタである。保護素子Cfaは、配線W1における分圧抵抗に並列接続されている。保護素子Cfbの一端は配線W4に接続され、保護素子Cfbの他端はグランド配線770に接続されている。このように、配線W1、W4は、PFC回路201およびバックコンバータ回路301の出力検出に使用される電圧検出経路である。これらの電圧検出経路に保護素子Cfa、Cfbを設けることにより、外来ノイズなどによる誤動作を防止することができる。また、保護素子Cfa、CfbがICパッケージ内に収められているので、これらの保護素子を点灯制御IC760に外付けする場合と比べて、点灯装置151を構成する部品点数を減らすことができる。なお、配線W2、W3、W5、W6にも保護素子を設けても良い。また、保護素子の構成には限定は無く、RCフィルタあるいは過電圧素子などを用いることができる。過電圧素子は、過電圧からマイコン710を保護する素子であり、具体的にはクリップダイオードあるいはツェナーダイオードなどでもよい。
なお、ここで上述した実施の形態1と上記課題を解決するための手段に記載した上記第1の発明との関係について述べる。上述した実施の形態1においては、点灯用スイッチング電源回路250、251が上記第1の発明における「点灯用スイッチング電源回路」に相当し、制御電源用SW電源回路500が、上記第1の発明における「制御電源回路部」に相当し、制御電源IC部510が、上記第1の発明における「制御電源回路部の少なくとも一部」に相当し、PFC制御回路210が備える第1ドライブ回路およびバックコンバータ制御回路310が備える第2ドライブ回路が、第1の発明における「ドライブ回路」に相当し、マイコン610、710が、上記第1の発明における「デジタル演算回路」に相当している。また、図13に示した第6変形例では、ドライブ回路764が、第1の発明における「ドライブ回路」に相当している。また、実施の形態1およびその変形例により提供される照明器具が、第2の発明における「照明装置」に相当している。
実施の形態2.
実施の形態2にかかる点灯装置152は、制御電源用SW電源回路500を備えておらずその代わりに制御電源生成部501を備えており、更に、点灯制御IC700を点灯制御IC780に置換したものである。また、点灯装置152は、PFC回路200とバックコンバータ回路301とを組み合わせた点灯用SW電源回路252を含んでいる。この点を除いて、実施の形態2にかかる点灯装置152は、実施の形態1にかかる点灯装置150と同様の回路構成を備えている。したがって、以下の説明では実施の形態1と同一または相当する構成については同一の符号を付して説明を行うとともに、実施の形態1との相違点を中心に説明し、共通事項は説明を簡略化ないしは省略する。
図15は、実施の形態2にかかる点灯装置152およびこれを備えた照明器具を表す回路ブロック図である。実施の形態1との主たる相違点は、点灯制御IC780が、制御電源IC部510を備えておらず、且つ起動回路80を備えており、制御電源を生成するための制御プログラムをマイコン610が実行することである。すなわち、実施の形態1では制御電源IC部510が点灯制御IC700に統合されており、いわばハードウェア的な制御電源生成手段が点灯制御IC700に搭載されたものとなっている。その一方で、制御電源を生成するためにハードウェア的に回路を設けなくともマイコン610のソフトウェア制御により制御電源生成を行うこともできるので、実施の形態2ではこのようなソフトウェア的な制御電源生成手段を搭載した点灯制御IC780を提供する。アナログ/デジタル複合ICパッケージにおいてマイコン610にソフトウェア的な制御電源生成手段を統合したことにより、実施の形態2においても点灯装置152を構成する部品の点数を減らすことができる。
図15に示す点灯装置152では、チョークコイル33の二次巻線33aに制御電源生成部501が接続されている。制御電源生成部501は、ダイオード51および抵抗52などの限流素子で構成された取出回路521、およびキャパシタ50、70で構成される。二次巻線33aにダイオード51のアノードが接続し、ダイオード51のカソードが抵抗52を介してキャパシタ50、70の正極側電極に接続する。バックコンバータ回路301のスイッチング素子31が発振動作することで、上記二次巻線33aからダイオード51、抵抗52を通じてキャパシタ50、70を充電することができる。なお、二次巻線33a、ダイオード51および抵抗52は、点灯用SW電源回路252が出力した電気エネルギを取り出す「取出手段」に相当している。
上記構成においてマイコン610が制御プログラムを実行することで、光源モジュール400が消灯する待機モード時などでも、制御電源を生成する。「待機モード」は、具体的には、点灯用SW電源回路252の出力電圧が光源モジュール400の点灯に必要な電圧よりも小さいときであり、かつ光源モジュール400を再点灯させるために点灯制御IC780に通電させているモードのことである。待機モードでは、再点灯の必要があるときに、点灯用SW電源回路252の駆動再開により速やかに電圧上昇させて光源モジュール400を点灯することができる。マイコン610は、内蔵メモリに制御プログラムを記憶しており、演算処理部がこの制御プログラムを実行する。
点灯制御IC780は、抵抗39、40による抵抗分圧値を検出して光源モジュール400に印加する電圧(負荷電圧)をモニタする。マイコン610は、光源モジュール400が消灯して待機モードに移行した場合には、このモニタした負荷電圧に基づき、光源モジュール400が点灯しない程度の電圧に出力を抑制しながらバックコンバータ回路300を制御する。これにより、待機モード中に制御電源として必要な大きさの電圧をキャパシタ50が安定供給できるように、バックコンバータ回路301の低出力動作でキャパシタ50、70を充電する。この動作を実現するために、制御プログラムは、光源モジュール400を消灯させた後の待機モードにおいてキャパシタ50に予め定めた制御電源電圧が印加されるように点灯用SW電源回路252を定電圧制御するように構成されている。マイコン610が制御プログラムを実行することで、点灯用SW電源回路252の出力電圧が一定の目標電圧値に制御される。この目標電圧値は、待機モードにおいて光源モジュール400が点灯する電圧未満であり、かつPFC制御回路210およびバックコンバータ制御回路310の制御電源電圧(例えば15V)以上の値とされる。PFC制御回路210およびバックコンバータ制御回路310の制御電源電圧はマイコン610の制御電源電圧よりも高いので、目標電圧値を上記範囲の値とすればマイコン610の電源も確保できる。キャパシタ50、70は、点灯制御IC780の外部に設けられ、バックコンバータ回路301が出力した電気エネルギで充電される。これにより制御電源生成部501から制御電源電圧を得ることができる。なお、キャパシタ50を設ける位置は点灯制御IC780の内部か外部かに特に限定されるものではなく、点灯制御IC780の内部に設けられてもよい。
起動回路80は、点灯装置152が完全停止状態から起動するに当たって、点灯制御IC780を起動させるための回路である。点灯装置152が完全停止された状態では、キャパシタ50、70には電荷がなく、制御電源が得られない。そこで、起動回路80がキャパシタ14の正電極側から起動電流を得ることで、起動時の電源を作り出すことができる。
図16は、実施の形態2にかかる点灯装置152の模式的な構成を表す図である。図17は、実施の形態2にかかる点灯制御IC780の模式的な構成を表す図である。制御電源IC部510を備えていない点で、実施の形態1(図2および図3を参照)と異なっている。図17に示すように、点灯制御IC780には、グランド端子731、733、内部グランド配線720、721、外部グランド配線720c、制御電源端子732、734、内部給電配線722、723、および外部給電配線735が設けられている。実施の形態2においても、実施の形態1およびその第1〜第5変形例において説明した各種の「グランドまたは/および制御電源給電配線の共用化技術」を適用することができる。制御電源IC部510を取り除いたうえで図2〜図12で説明した回路接続関係を適用すればよいからである。従って、この点については重複説明を避けるためこれ以上の説明は省略する。
図18は、実施の形態2の第1変形例にかかる点灯装置153およびこれを備えた照明器具を表す回路ブロック図である。図18に示す変形例は、制御電源生成部501を制御電源生成部502に置換したものである。また、点灯用SW電源回路250は、二次巻線33aを備えないバックコンバータ回路300を含んでおり、実施の形態1と同じものである。制御電源生成部502では、スイッチング素子31とインダクタ33の接続点にスナバ回路502aを接続している。スナバ回路502aは、コンデンサ53、ダイオード54、および抵抗52で構成されており、バックコンバータ回路300から電力を取り出す。スナバ回路502aは、点灯用SW電源回路250が出力した電気エネルギを取り出す「取出手段」に相当している。
図19は、実施の形態2の第2変形例にかかる点灯装置154およびこれを備えた照明器具を表す回路ブロック図である。図19に示す変形例は、実施の形態2にかかる点灯装置152をフルデジタル電源化した変形例に相当する。この第2変形例は、実施の形態1にかかる点灯装置150をフルデジタル電源化した第6変形例にかかる点灯装置151(図13参照)と類似している。図19と図13とで同一の符号を付した構成については、同様の構成および機能が備えられているものとして、説明を簡略化ないしは省略する。図19に示す点灯制御IC790では、アナログチップ761に制御電源IC部510が設けられておらずそのかわりに起動回路80が設けられている。
実施の形態3.
図20は、実施の形態3にかかる点灯装置155およびこれを備えた照明器具を表す回路ブロック図である。実施の形態3にかかる点灯装置155は、フルデジタル電源装置であるという点で、実施の形態1の第6変形例(図13参照)にかかる点灯装置151と類似する。以下の説明では実施の形態1の第6変形例と同一または相当する構成については同一の符号を付して説明を行うとともに、実施の形態1の第6変形例との相違点を中心に説明し、共通事項は説明を簡略化ないしは省略する。
点灯装置155は、点灯制御IC760を点灯制御IC800に置換し、外部インターフェース620および給電線806を追加した点を除いては、点灯装置151と同様の回路を備えている。
点灯制御IC800は、DimIn2端子〜RESET端子と保護回路804とが点灯制御IC800に追加され、さらにデジタル通信機能が向上されたマイコン710も備えている。DimIn2端子は、マイコン710の図示しない内蔵メモリに記憶されたテーブルを強制選択するために用いられ、UART通信方式のシリアル通信端子である。DATUPDW端子は、回路の動作調整用の端子である。ProW端子は、マイコン710が内蔵する不揮発性メモリ(例えばフラッシュメモリであり、図示せず)の内部データ書き込みに用いる端子である。これによりマイコン710のプログラムを書き換えることができる。RESET端子に所定の信号が入力されると、この所定の信号を受けたマイコン710がリセットされる。点灯制御IC800は、点灯制御IC800と同様にVin端子〜Vcc2端子を備える。これらの端子の詳細は、実施の形態1の第6変形例で説明したとおりなので、ここでは説明を省略する。保護回路804はアナログチップ802に構築されている。
マイコン710は、デジタル通信端子F1を介して、点灯制御IC800の外部に設けられた追加ユニット621とデジタル信号を通信する。デジタル通信端子F1は、DimIn端子〜RESET端子を含んでいる。デジタルチップ762は、デジタル通信端子F1を介してシリアル通信を行うためのシリアル通信回路(具体的にはUART)を含んでいる。デジタル通信端子F1を介して、シリアル通信により、点灯制御IC800の外部との信号のやり取りが行われる。この点を除いては、実施の形態1の第6変形例にかかるマイコン710と同様の構成、機能を有している。なお、マイコン710をDSPなどの他のデジタル演算回路に置換してもよいことは、実施の形態1の第6変形例と同様である。
外部インターフェース620は、ICパッケージの外に設けられたデジタル通信用の端子である。デジタル通信線805は、デジタル通信端子F1と外部インターフェース620とを接続する。給電線806の一端は、Vcc1端子、制御電源回路520およびキャパシタ50が相互に接続した接続点に接続している。給電線806の他端は外部インターフェース620に接続しており、この外部インターフェース620に制御電源を給電する。これにより、デジタル通信端子F1に接続される追加ユニット621に、給電線806を介して電源を供給することができる。外部インターフェース620としては例えばUSB(ユニバーサル・シリアル・バス)コネクタを適用しても良い。
デジタル通信端子F1を構成する端子のいくつかは、機能的に、デジタル信号通信端子F1aとアクセス端子F1bとに分類される。デジタル信号通信端子F1aは、DimIn端子と、DimIn2端子とを含んでいる。デジタル信号通信端子F1aを介して、マイコン710に光源モジュール400の制御に関連する電子データが伝達される。アクセス端子F1bは、マイコン710のプログラム書き換えに用いるProW端子およびマイコン710のリセットに用いるRESET端子を含む。アクセス端子F1bを介して、マイコン710のメモリに対して電子データの消去、書き込み、および読み出しの少なくとも1つが行われる。
点灯制御IC800は、通信線W7〜W11と、この通信線W7〜W11に接続された保護回路804と、をさらに備える。通信線W7〜W11は、ICパッケージの内部において、デジタル通信端子F1とマイコン710とを結んでいる。保護回路804は、ICパッケージの内部において通信線W7〜W11に接続された電気保護用の保護素子Cf1〜Cf5を含んでいる。実施の形態3における保護素子Cf1〜Cf5は、具体的には、保護素子Cfa、Cfbと同様にノイズフィルタとして機能するキャパシタとされている。保護素子Cf1〜Cf5は、様々な変形が可能であり、デジタル通信端子F1の過電圧や外部ノイズによる誤動作を防止するためのフィルタなどが適用される。保護回路804は、アナログチップ802上に形成されている。これにより、点灯制御IC800に外付けで保護素子を接続する場合と比べて、点灯装置155を構成する部品の点数を削減することができる。なお、バリエーションとして想定される保護素子は、過電圧保護素子であってもよく、具体的にはクランプダイオードあるいはツェナーダイオードであってもよく、さらにはRCフィルタなどのノイズフィルタが含まれる。
保護回路804を含むアナログチップ802およびデジタル通信端子F1等の上記構成が点灯制御IC800に設けられているので、点灯制御IC800を少数の周辺部品と合わせるだけで所望機能を有し且つ高品質通信が可能なデジタル通信機能を得ることができる。これにより、点灯装置155の構成部品として点灯制御IC800と保護素子Cf1〜Cf5がばらばらに実装される場合に比べて、部品点数を飛躍的に減らすことができる。これにより、少部品化を行いつつ、点灯制御IC800の外部に設けた追加ユニット621とデジタル通信を行うことができる。
図21は、実施の形態3にかかる照明器具850の斜視図である。照明器具850の筐体851に、点灯装置155および光源モジュール400が設けられている。追加ユニット621は、一例として、点灯装置155の外部インターフェース620と接続する電極と、ユーザからの指令又は外部状態の判断などを行うセンサ部と、センサ部で検出した信号を指令用の制御信号に変換し、この制御信号を電極と接続される外部インターフェース620と配線を介して点灯装置155に送信する制御回路を備えている。外部インターフェース620を介して追加ユニット621が点灯制御IC800のデジタル通信端子F1と電気的に接続するので、追加ユニット621とマイコン710との間でデジタル通信が可能となる。
追加ユニット621は、センサ部および制御回路の仕様を変更することで、例えば無線通信ユニット、赤外線リモコンユニット、人感センサユニット、照度センサユニット、引き紐ユニット、段調光ユニット、PLC(Power Line Communication)ユニット、およびコネクタユニット等として設計することができる。これにより、様々な付加価値を点灯装置155に付属させることができる。
追加ユニット621を「無線通信ユニット」とする場合を説明する。無線通信ユニットは、外部からの信号を送受信する無線通信アンテナと、無線通信アンテナから送受信した信号を変換して、点灯制御IC800と指令用信号の送受信を行う無線通信制御回路を備えている。例えば、無線通信手段を備えるリモコンあるいは調光コントローラ等の外部の照明制御機器(図示せず)から、光源モジュール400の明るさの変更等、用途に合わせた指令用の信号が送信される。無線通信アンテナがその信号を受信し、受信した信号を無線通信制御回路が制御信号に変換する。この制御信号は、最終的に、デジタル通信端子F1を介して点灯制御IC800のマイコン710に送信される。
なお、同一形状かつ異なる機能を備える複数の追加ユニット621をラインナップして、それらを交換可能としても良い。ユーザは機能、仕様を選択して所望の追加ユニットを点灯装置155に交換可能に取り付けることができる。追加ユニット621を交換することにより点灯装置に異なる機能を追加することができ、高い自由度で点灯装置の仕様を変更することができる。
図22は、実施の形態3にかかる他の照明器具860の回路ブロック図である。照明器具860は、追加ユニット621を「制御モジュール」とし、かつ無線通信モジュール622も構成要素としたものである。照明器具860は、光源モジュール400と、点灯装置155と、無線通信モジュール622と、追加ユニット621とを備える。無線通信モジュール622は、図示しない他の照明器具と無線通信する。追加ユニット621はユーザ又は外部状態の指令を受信し、その指令を点灯装置155及び無線通信モジュール622に送信する。
追加ユニット621がユーザ又は外部状態の指令を受信すると点灯装置155に指令を送信し、点灯装置155が光源モジュール400を点灯制御する。また、追加ユニット621は、点灯装置155に指令を送信すると同時に、無線通信モジュール622に同一の指令を送信する。指令を受信した無線通信モジュール622は、追加ユニット621からの指令を他の照明器具に送信する。即ち、照明器具860がマスターとなり、他の照明器具の光源モジュールを照明器具860の光源モジュール400と同様に点灯制御する。
点灯装置155が備える外部インターフェース620は、追加ユニット621と接続される。外部インターフェース620は、電源を供給するVcc端子と、指令を受信するRx端子と、指令に対して回答を返信するTx端子と、回路GND端子とを有する。Vcc端子は、点灯制御IC800における給電線806に接続する。Rx端子はDimIn端子に接続し、Tx端子はDimIn2端子に接続している。GND端子は、点灯制御IC800におけるGND1(SIG)端子に接続されても良い。
無線通信モジュール622は、追加ユニット621と接続された端子622aとして、電源が供給されるVcc端子と、指令または回答を送信するTx端子と、指令または回答を受信するRx端子と、回路GND端子とを有する。
追加ユニット621は、外部インターフェース620と接続された第1の端子621aと、無線通信モジュール622と接続された第2の端子621bとを有する。第1及び第2の端子621a、621bは互いに独立したシリアルポートである。第1及び第2の端子621a、621bは、それぞれ、電源が供給されるVcc端子と、指令を送信するTx端子と、回答を受信するRx端子と、回路GND端子とを有する。追加ユニット621は、共通プロトコルの同一コマンドで点灯装置155及び無線通信モジュール622と通信してもよい。
外部インターフェース620と追加ユニット621の第2の端子621bは、互いに同一のインターフェースで構成されてもよい。追加ユニット621の第1の端子621aと無線通信モジュール622の端子622aは、互いに同一のインターフェースで構成されてもよい。これにより、無線通信モジュール622の端子622aを、追加ユニット621の第2の端子621bに差し込むのと同様に、外部インターフェース620に差し込むこともできる。よって、無線通信モジュール622と点灯装置155を直接接続して通信することも可能である。
通信プロトコルは、STX(スタートコマンド)、CM(コマンド)、2つのFD(フレームデータ)の4バイト構成であってもよい。STX(スタートコマンド)は、指令を送信する合図となるコマンドであり、固定のコマンドを送信する。このコマンドを受信すると残り3バイトの指令に従うことになる。CM(コマンド)は、指令の内容を示すコマンドになり、例えば、光源モジュール400の点灯ON、OFF操作や明るさを可変する調光率操作の指令を示す。FD(フレームデータ)は、指令の具体的な内容を示すコマンドになり、例えば、光源モジュール400の点灯ONや調光率50%等の具体的な指令または数値を示す。
追加ユニット621は、電源回路627を内蔵している。この電源回路627は、点灯装置155から第1の端子621aを介して供給される電力を制御回路621dと第2の端子621bに供給する。制御回路621dは第1及び第2の端子621a、621bを介してそれぞれ双方向のシリアル通信を行う。指令回路626はユーザ又は外部状態の指令を受信して、制御回路621dを介して点灯装置155及び無線通信モジュール622に指令を送信する。追加ユニット621は、独立したシリアルポートを備えているが、共通プロトコルの同一コマンドで点灯装置155及び無線通信モジュール622と通信する。なお、制御回路621dは、メモリに記憶されたプログラムを実行するCPU、システムLSI等の処理回路により実現される。また、複数の処理回路が連携して上記機能を実行してもよい。
以上説明したように、追加ユニット621の指令回路626がユーザ又は外部状態の指令を受信して点灯装置155に指令を送信することで、点灯装置155は指令に応じて光源モジュール400を点灯制御することができる。また、追加ユニット621が共通プロトコルの同一コマンドで点灯装置155及び無線通信モジュール622と通信することで、無線通信モジュール622が他の照明器具と無線通信して他の照明器具の光源モジュールを照明器具860の光源モジュール400と同様に点灯制御することができる。
指令回路626は「人感センサ」で構成されてもよい。人感センサは、人の存在を検出すると在判定の信号を制御回路621dに送信し、人の存在を検出しないと不在判定の信号を制御回路621dに送信する。制御回路621dは、在判定又は不在判定の信号を共通の通信プロトコルによる同一のコマンドで点灯装置155及び無線通信モジュール622に送信する。これにより、人の在、不在に応じて光源モジュール400を点灯制御し、かつ他の照明器具と無線通信して点灯制御することができる。なお、人感センサは、人の存在を検出してから所定の時間、人の存在を検出しなければ人が不在と判定する。
指令回路626は「照度センサ」で構成されてもよい。照度センサは、外部状態の明るさを検出して制御回路621dに信号を送信する。制御回路621dは、明るさに対応する信号を共通の通信プロトコルによる同一のコマンドで点灯装置155及び無線通信モジュール622に送信する。これにより、外部環境の明るさに応じて光源モジュール400を点灯制御し、かつ他の照明器具と無線通信して点灯制御することができる。
指令回路626は「受光素子」で構成されてもよい。ユーザは、リモコン(図示せず)で照明器具860の明るさ、点灯時間、消灯時間の設定値を送信する。受光素子は、この信号を受信して制御回路621dに信号を送信する。制御回路621dは、信号を共通の通信プロトコルによる同一のコマンドで点灯装置155及び無線通信モジュール622に送信する。これにより、ユーザの指令に応じて光源モジュール400を点灯制御し、かつ他の照明器具と無線通信して点灯制御することができる。
指令回路626はユーザが指令を入力する「スイッチ」で構成されてもよい。ユーザがスイッチを操作することで、段階的な信号が制御回路621dに送信される。これにより、ユーザの指令に応じて光源モジュール400を点灯制御し、かつ他の照明器具と無線通信して点灯制御することができる。スイッチの段階的な信号は例えば明るさを段階的に変えるような段調光時等に使用され、点灯装置155はこの信号を受信して光源モジュール400の明るさを段階的に変化させる。
照明器具860をマスターとし、マスターの照明器具と無線通信する他の照明器具をスレーブとした少なくとも2台以上の照明器具を備える照明システムが構築されてもよい。スレーブ照明器具は、照明器具860と同様に、光源モジュール400、無線通信モジュール622および点灯装置155を備える。この照明システムではマスターの照明器具860を設けるため、照明制御機器を取り付ける必要がない。また、照明器具860と複数のスレーブ照明器具が互いに無線通信を行うため、配線工事が不要である。
なお、実施の形態1〜2の特徴と実施の形態3の特徴とを組み合わせることができる。つまり、実施の形態3において、実施の形態1〜2およびその変形例を適用することができる。言い換えると、実施の形態3におけるデジタル通信端子F1、通信線805、保護回路804、給電線806、外部インターフェース620、および追加ユニット621が、実施の形態1〜2およびそれらの各変形例に対して適用されてもよい。また、実施の形態3における点灯制御IC800では、実施の形態1と同様に、制御電源IC部510がICパッケージ内に収められている。しかしながら、実施の形態3においては制御電源IC部510が点灯制御IC800の外側に設けられても良く、この場合にも実施の形態3で説明したデジタル通信端子F1および保護回路804などに関する技術的効果を得ることができる。