JP6771265B2 - プリフォーム、該プリフォームの製造方法、及び上記プリフォームを用いた繊維強化プラスチック。 - Google Patents

プリフォーム、該プリフォームの製造方法、及び上記プリフォームを用いた繊維強化プラスチック。 Download PDF

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Description

本発明は、繊維強化プラスチックの成形品を製造するためのプリフォームに係り、更に詳細には、レジントランスファーモールディング成形(RTM成形)に用いるプリフォーム、該プリフォームの製造方法、及び上記プリフォームを用いた繊維強化プラスチックに関する。
繊維強化プラスチックの成形品(以下、FRPということがある)は、鋼鉄よりも軽く、力学的強度にも優れるものであり、車体等を大幅に軽量化することができ、燃費向上に寄与するため、スチール製部材の代替部材として使用され始めている。
上記FRPは、強化繊維のシートを複数積層し、積層されたシートの強化繊維の間に樹脂を浸透させて固めたものであり、上記繊維とマトリックス樹脂とが相互に影響を及ぼし合うことで優れた力学的特性を発現するものである。
したがって、FRPの力学的性能の向上には、積層するシートの構造だけでなく、上記強化繊維間にマトリックス樹脂が十分に浸透して強化繊維同士を繋ぐことが必要であり、FRPの製造プロセスでは強化繊維間へのマトリックス樹脂の含浸性の良否が重要となる。
加えて、FRPの生産性を上げコストを削減する上で、プリフォーム成形プロセスの短時間化が重要である。
特許文献1には、繊維強化基材の層間に熱可塑性樹脂を有する積層体の厚み方向に貫通孔を設け、上記貫通孔の周囲を圧着し繊維強化基材のズレを防止したプリフォームが開示されている。そして、上記プリフォームは、繊維強化プラスチック作製の際のマトリックス樹脂の含浸性、取扱い性に優れる旨が記載されている。
特許第4821262号公報
上記RTM成形では、金型内にプリフォームが存在するため、プリフォームに含浸させるマトリックス樹脂の流動抵抗が大きく、マトリックス樹脂を金型内に充填するために大きな含浸圧が要求されるものである。
特に、炭素繊維強化シートは面方向に滑り易いものであるため、含浸圧が高いと流動するマトリックス樹脂によりズレやたわみが生じ易い。
しかしながら、特許文献1に記載のものにあっては、繊維強化基材の層間の熱可塑性樹脂によってプリフォームの形状を保持するものであり、上記繊維間の熱可塑性樹脂によってマトリックス樹脂の流動抵抗が増大するため、さらに含浸圧力が高くなる。
そこで、上記プロセス温度を上げて上記含浸させるマトリックス樹脂の粘度を下げると、上記熱可塑性樹脂が軟化して繊維強化基材のズレやたわみが生じ、マトリックス樹脂の未含浸部(ボイド)等の欠陥が生じ易い。
したがって、マトリックス樹脂を充分含浸させることが困難である。
本発明は、このような従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、形状の保持性とマトリックス樹脂の含浸性とを両立させたプリフォーム、作製時間を短縮できるプリフォームの製造方法、及び上記プリフォームを用いた繊維強化プラスチックを提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、形状保持部材によって強化繊維シートの積層ズレを防止すると共に、上記形状保持部材によってプリフォームの形状を保持することで、積層体の形状保持及び強化繊維シートのズレを防止することと、繊維強化プラスチック作製時のマトリックス樹脂の含浸性を向上とを両立できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明のプリフォームは、強化繊維シートを複数積層した積層体と、上記積層体の形状を保持する形状保持部材と、を備えるプリフォームである。
そして、上記形状保持部材が、上記積層体を貫通する貫通部と、上記貫通部の両端に、それぞれ上記積層体の表面又は裏面に当接する形状付与部を有するものであり、上記形状付与部の少なくとも一方が屈曲して上記積層体を賦形したものであることを特徴とする。
また、本発明のプリフォームの製造方法は、強化繊維シートを複数積層した積層体と、
上記積層体の形状を保持する形状保持部材と、を備えるプリフォームの製造方法である。
そして、上記形状保持部材が、上記積層体を貫通する貫通部と、上記貫通部の両端に、それぞれ上記積層体の表面又は裏面に当接する形状付与部を有するものであり、
上記形状付与部の少なくとも一方を屈曲させ、上記積層体を賦形する賦形工程を有することを特徴とする。
さらに、本発明の繊維強化プラスチックは、強化繊維シートを複数積層した積層体と、
上記積層体の形状を保持する形状保持部材と、
上記積層体の強化繊維間にマトリックス樹脂と、を備える繊維強化プラスチックである。
そして、上記形状保持部材が、上記積層体を貫通する貫通部と、上記貫通部の両端に、それぞれ上記積層体の表面又は裏面に当接する形状付与部を有するものであり、
少なくとも上記積層体が屈曲した箇所に上記形状保持部材の形状付与部が配置されたものであることを特徴とする。
本発明によれば、形状保持部材によって強化繊維シートの積層ズレを防止すると共に、上記積層体に当接する形状保持部材の形状付与部によってプリフォームの形状を保持することとしたため、繊維強化プラスチック作製時のマトリックス樹脂の含浸性が向上したプリフォームを提供することができる。
本発明のプリフォームの一例を示す概略図である。 本発明のプリフォームの一例を示す断面図である。 本発明の形状保持部材の一例を示す概略図である。 本発明の形状保持部材の他の一例を示す概略図である。 図4の形状保持部材での賦形状態を示す概略断面である。 本発明のプリフォームを金型で賦形する状態を説明する図である。 実施例1のプリフォームの外観写真である。 比較例1のプリフォームの外観写真である。 比較例2のプリフォームの外観写真である。
本発明のプリフォームについて詳細に説明する。
図1に本発明のプリフォームの概略図、図2に図1中A−A’の断面図を示す。
図1、図2中、1はプリフォーム、2は強化繊維シートの積層体、3は形状保持部材、31は形状保持部材の貫通部、32は形状保持部材の形状付与部、Eは屈曲部である。
本発明のプリフォームは、図1に示すように、強化繊維シートを複数積層した積層体と形状保持部材とを備える。
上記形状保持部材3は、上記積層体2を貫通する貫通部31を有し、該貫通部31により強化繊維シートの面方向のズレを防止する。
また、上記形状保持部材3は上記貫通部31の両端に形状付与部32a、32bを有する。そして、上記形状付与部32a、32bが、それぞれ上記積層体2の表面又は裏面に当接して、形状付与部32a、32bで上記積層体2を挟み、強化繊維シートが積層方向に拡がることを防止する。
上記形状保持部材3は、図2に示すように、少なくとも積層体の屈曲部Eに配置される。上記積層体の表面又は裏面に当接する形状付与部32a、32bを所望の形状に屈曲させることで、上記積層体2が上記形状付与部32の形状に沿って屈曲する。
上記形状保持部材の形状付与部32の形状を、山折り、谷折り、又はこれらを複合した形状等、任意の形状にすることで、プリフォーム1を所望の形状に賦形することができる。
上記積層体を貫通する貫通部と、上記貫通部の両端に、それぞれ上記積層体の表面又は裏面に当接する形状付与部を有する形状保持部材3を、さらに積層体2の外周部に配置することが好ましい。積層体2の外周部に形状保持部材3を配置することで、強化繊維シートの位置ズレや、強化繊維シート端部の繊維ほつれを防止できる。
上記プリフォーム1は、強化繊維間に樹脂材料を付与せずに、上記形状保持部材によって賦形したものであるため、繊維強化プラスチック作製の際、上記樹脂材料によって繊維強化プラスチックを構成するマトリックス樹脂の含浸が妨げられることが防止される。
したがって、繊維強化プラスチック作製の際、マトリックス樹脂の含浸圧力が低く、マトリックス樹脂の流れによる強化繊維シートのたわみ、ズレ等の発生を防止でき、マトリックス樹脂の未含浸部(ボイド)等の欠陥の発生を防止できる。
そして、上記プリフォーム1から作製した繊維強化プラスチックは、成形品の内部に欠陥部、すなわち、マトリックス樹脂が含浸していない箇所が生じ難いため、成形品内部でマトリックス樹脂が不足することによる剥離破損を防止することができ、力学的特性が向上する。
加えて、上記プリフォーム1は上記形状保持部材3により形状を保持するものであるため、プリフォーム成形の際、熱可塑性樹脂を溶融し、凝固させる必要がなく短時間で賦形でき、生産効率が向上する。
<形状保持部材>
上記形状保持部材3は、図3、図4に示すように、積層体を貫通する貫通部31と、上記積層体を拘束する共に積層体に所定の形状を付与し、その形状を保持する形状付与部32とを有するものである。
上記形状保持部材3としては、例えば、ステープル、リベット、割ピン、はとめ等を挙げることができ、ステープルを好ましく使用できる。
図2にステープルで賦形した状態、また、図5にリベットや割ピンで賦形した状態を示す。
上記ステープルは、図3に示すように、コの字型をした、所謂ステープラーの針であり、2本の針状の貫通部31と、該2本の貫通部の一端を繋ぐ形状付与部32aとを有するものである。そして、上記積層体2に上記2本の貫通部を貫通させた後、2本の貫通部31の他端を折り曲げて形状付与部32bを形成するものである。
上記形状保持部材3がステープルであることで、図2に示すように、積層体2の屈曲部Eの両側の平面部に形状保持部材の貫通部31を配置することができ、形状付与部32が屈曲部Eの山折り線又は谷折り線を跨いで積層体2の形状を保持するため賦形性が向上する。
なお、図2では、貫通部31の積層体2から突出した部分を形状付与部32aと同方向に折り曲げて形状付与部32b形成しているが、賦形するプリフォームの形状等に応じて、形状付与部32bを形状付与部32aと反対方向等、形状付与部32aとは異なる方向に折り曲げてもよい。
また、上記貫通部31の太さは、積層体の厚さや、繊維強化プラスチックを構成するマトリックス樹脂等にもよるが0.3mm〜1mmであることが好ましい。
0.3mmではプリフォームの形状保持が充分でない場合があり、1mmを超えると繊維強化プラスチック製造時に含浸させるマトリックス樹脂が大きく分流してウェルドラインが生じることがある。
上記貫通部31の断面は、貫通部31を折り曲げ形状付与部32bを形成しやすいように縦横比が約3:5であることが好ましい。本発明における貫通部31の断面が偏平している場合の貫通部31の太さは、断面の長手方向をいう。
上記形状保持部材3を構成する材料としては、延性を有し破断せずに塑性変形するものを使用することができ、例えば、アルミ、鉄、ステンレス等の金属材料を好ましく使用できる。上記形状保持部材は、表面処理等により耐食性を有するものであることが好ましい。
上記形状保持部材3が金属材料で成ることで、プリフォームにマトリックス樹脂を含浸させる際のプロセス温度を高くすることが可能となる。
したがって、マトリックス樹脂の粘度を下げることが可能となり、含浸圧力による積層ズレ・皺の発生を防止できると共に、マトリックス樹脂の種類が制限されず用途に応じた自由な選択が可能である。
<強化繊維シート>
上記強化繊維シートとしては、織布、不織布のいずれでもよく、織布の織り方としては、平織り、朱子織り、綾織り、ななこ織りの他、長繊維を一定方向に配列させたものであってもよい。
上記強化繊維の種類は、使用する成形品の種類や目的に応じて適宜選択することができ、無機繊維、有機繊維のいずれも使用できる。
上記無機繊維としては、例えば、炭素繊維、活性炭繊維、黒鉛繊維、ガラス繊維、タングステンカーバイド繊維、シリコンカーバイド繊維(炭化ケイ素繊維)、セラミックス繊維、アルミナ繊維、天然繊維、玄武岩などの鉱物繊維、ボロン繊維、窒化ホウ素繊維、炭化ホウ素繊維、及び金属繊維等を挙げることができる。
上記有機繊維としては、例えば、ポリベンザゾール、アラミド、PBO(ポリパラフェニレンベンズオキサゾール)、ポリフェニレンスルフィド、ポリエステル、アクリル、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリビニルアルコール、ポリアリレート等の樹脂材料からなる繊維を挙げることができる。
本発明においては、上記強化繊維として炭素繊維を用いることが好ましい。
炭素繊維は、軽量であり、且つ強度に優れたCFRPを得ることができる。
上記炭素繊維としては、一般的にポリアクリロニトリル(PAN)系炭素繊維、石油・石炭ピッチ系炭素繊維、レーヨン系炭素繊維、セルロース系炭素繊維、リグニン系炭素繊維、フェノール系炭素繊維、気相成長系炭素繊維などを挙げることができる。
上記強化繊維は1種、又は2種以上を併用することができる。2種類以上の強化繊維を用いる場合は、2種以上の強化繊維で形成された強化繊維シートを用いてもよく、また、1種の強化繊維で形成された強化繊維シートを複数種用いてもよい。
<プリフォームの製造方法>
次に、本発明のプリフォームの製造方法について説明する。
上記プリフォームの製造方法は、強化繊維シートを複数積層した積層体2に形状保持部材3を付与する付与工程と、形状保持部材3が付与された積層体2を金型で押圧して賦形する賦形工程とを有する。
上記付与工程は、強化繊維シートを複数積層した積層体2に、針状の貫通部31の一端に形状付与部32aを備える形状保持部材3を貫通させ、上記積層体2から突出した部分の貫通部31を変形させて貫通部31の他端に形状付与部32bを形成する工程である。
具体的には、形状保持部材3の貫通部31を積層体2に貫通させ、上記一端の形状付与部32aが積層体2の一方の面に当接するまで上記形状保持部材3を挿入して、上記貫通部31の先端を上記積層体2の他方の面から突出させて、積層体2の面方向のズレを防止する。
そして、貫通部31の上記突出した部分を、折り曲げたり、押し潰して拡げたり、割り拡げたりする等して変形させ、積層体2の他方の面に当接する形状付与部32bを形成し、形状付与部32a32bで積層体2を挟み拘束する工程である。
上記形状保持部材3を付与する位置は、形状保持部材の形状付与部32がプリフォームの屈曲部Eの上となる位置である。
また、上記形状保持部材3を付与する位置及び間隔は、マトリックス樹脂の含浸圧による強化繊維シートのズレ、たわみ等の変形を防止できるよう、繊維強化プラスチックを成形する金型形状や、成形の際のマトリックス樹脂の流れ等を考慮して付与したものであることが好ましい。
上記賦形工程は、形状保持部材3が付与された積層体を金型4でプレスし賦形する工程である。
上記積層体2をプレスすることで、積層体を挟む両側の形状付与部32a、32bが塑性変形して、積層体2に所定の形状を付与すると共に、その形状を保持することができる。
また、本発明のプリフォームの製造方法は、必要に応じて、上記強化繊維シートに付着するサイジング剤等の樹脂を除去する洗浄工程を設けることができる。
<繊維強化プラスチック>
本発明の繊維強化プラスチックは、上記本発明のプリフォームを用いて成形したものである。
上記繊維強化プラスチックは、強化繊維シートを複数積層した積層体と、形状保持部材と、上記積層体の強化繊維間にマトリックス樹脂を備えるものであり、少なくとも上記積層体が屈曲した箇所に上記形状保持部材の形状付与部が配置されたものである。
本発明の繊維強化プラスチックは、上記プリフォームを金型内に入れマトリックス樹脂を含浸させることで作製することができる。上記金型は上記プリフォームの賦形工程で用いた金型とは別の金型を用いても、同じ金型を用いてもよい。
<樹脂材料>
繊維強化プラスチックを構成するマトリックス樹脂としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂のいずれであってもよい。
上記熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリアミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、熱可塑性ポリエステル樹脂、ポリアセタール樹脂(ポリオキシメチレン樹脂)、ポリカーボネート樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテルニトリル樹脂、フェノキシ樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリケトン樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、熱可塑性ウレタン樹脂、フッ素系樹脂、熱可塑性ポリベンゾイミダゾール樹脂等を挙げることができ、中でも、ポリアミド樹脂であることが好ましい。
上記ポリアミド樹脂としては、例えば、ポリアミド6樹脂(ナイロン6)、ポリアミド11樹脂(ナイロン11)、ポリアミド12樹脂(ナイロン12)、ポリアミド46樹脂(ナイロン46)、ポリアミド66樹脂(ナイロン66)、ポリアミド610樹脂(ナイロン610)等を挙げることができる。
また、上記ポリオレフィン樹脂としては、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂等を挙げることができる。
上記ポリスチレン樹脂としては、例えば、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル−スチレン樹脂(AS樹脂)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂(ABS樹脂)等を挙げることができる。
上記ポリエステル樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ボリブチレンテレフタレート樹脂、ポリトリメチレンテレフタレート樹脂、液晶ポリエステル等を挙げることができる。
これらは、熱可塑性樹脂は1種又は2種以上を混合して用いることができ、相互に軟化点や融点が異なる熱可塑性樹脂を併用してもよく、また、相互に平均分子量が異なる熱可塑性樹脂を併用してもよい。
上記熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、フェノール樹脂、グアナミン樹脂、ポリイミド樹脂、フラン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリジアリルフタレート樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂やアミノ樹脂等を挙げることができ、成形時の熱収縮を抑える観点から、エポキシ樹脂を好ましく使用できる。
繊維強化プラスチックに用いるエポキシ樹脂としては、主剤として、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂等を挙げることができる。また、硬化剤としては、ジシアンジアミドにジクロロフェニルジメチル尿素を組み合わせた硬化剤等を挙げることができる。
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
(プリフォームの作製)
連続した強化炭素繊維シート(トレカクロス:C06343B:東レ社製)を、縦310mm、横130mmに切り取ってクロスを14枚準備した。
次に、上記クロスを純アセトン中に浸漬し、一晩放置した後、新品の純アセトンでよく洗い、クロスを網に載せて風乾させた。乾燥後、縦300mm、横120mmにトリミングした。
上記クロスを14枚積層し、ステープラーを通常の要領で用いて上記クロスの外周部をステープルで固定した。
次に、上記クロスを支持体の上に載せ、プリフォームとしたときに屈曲部Eとなる山折り線又は谷折り線を形状付与部が跨ぐように、貫通部の太さが0.5mmのステープルを貫通させ、上記ステープルの貫通部を折り曲げて形状付与部を形成して拘束した。
上記ステープルを付与した積層体を、賦形する形状の金型に入れた。
上記金型として真空成型に用いられるような下型が多孔質のアルミ製金型を用いた。
金型に入れた上記積層体を真空引きし、位置ずれを防止しながら上型でプレスしてステープラーの形状付与部を屈曲させて賦形し、本発明のプリフォームを作製した。
実施例1のプリフォームを図7に示す。
(繊維強化プラスチックの作製)
RTM金型に上記プリフォームを入れ、上記RTM金型内を真空引きし、しばらく乾燥させた後、触媒および活性剤を含むナイロン6モノマー溶液(ナガセケムテックス製:DENATITE GAP−1R、 DENATITE GAP−1DA)を混合後、を金型内に1.0MPaで液送した。液送終了後、2分後に取り出し、本発明の繊維強化プラスチックを得た。
[比較例1]
実施例1でトリミングした強化炭素繊維シートと、ナイロン不織布を交互に積層した積層体をハット形状型の上に載せた。
上記積層体と上記型とをバギングフィルムに入れて真空引きし、温度140℃で10分保持し、上記ナイロン不織布を融かして、強化炭素繊維シート同士を接着した後、常温まで冷却してプリフォームを作製した。比較例1のプリフォームを図8に示す。
上記プリフォームを上記RTM金型に入れ、実施例1と同様にして繊維強化プラスチックを得た。
[比較例2]
実施例1でトリミングした強化炭素繊維シートの外周部に、幅1cmのナイロン不織布を額縁状に配置して交互に積層する他は比較例1と同様にしてプリフォームを作製した。比較例2のプリフォームを図9に示す。
また、上記プリフォームを上記RTM金型に入れ、実施例1と同様にして維強化プラスチックを得た。
<評価>
上記実施例1、比較例1、2プリフォームの外観および断面を観察し、形状付与性、及び、繊維ズレの有無を確認した。
実施例1及び比較例1は、強化炭素繊維シートの剥がれ、繊維ズレが確認されず、金型の形状が保持されており、取扱いが容易であった。
一方、比較例2は、積層方向で強化炭素繊維シートが浮いており、またプリフォームの端部では繊維ズレが確認された。
また、実施例1、比較例1、2のプリフォームから作製した繊維強化プラスチックの成形品の繊維体積含有率(%)(Fiber volume content:Vf)、曲げ弾性率を測定した。
繊維強化プラスチックの成形品の曲げ弾性率は、ダイヤモンドカッターを用いて成形品を幅15mm長さ100mmに切り出して物性試験片とし、この試験片に対して、スパン距離80mm、試験速度5mm/sにて3点曲げ試験を実施した。
また、上記実施例1、比較例1、2の繊維強化プラスチックの外観および断面を観察し、形状付与性、及び、繊維ズレの有無等の成形性を確認した。評価結果を表1に示す。
Figure 0006771265
1 プリフォーム
2 積層体
3 形状保持部材
31 貫通部
32a 形状付与部
32b 形状付与部
4 金型
E 屈曲部

Claims (9)

  1. 強化繊維シートを複数積層した積層体と、
    上記積層体の形状を保持する形状保持部材と、を備え、
    上記形状保持部材が、上記積層体を貫通する貫通部と、上記貫通部の両端に、それぞれ上記積層体の表面又は裏面に当接する形状付与部を有するものであり、
    上記形状付与部の少なくとも一方が屈曲して上記積層体を賦形したものであることを特徴とするプリフォーム。
  2. 上記積層体を貫通する貫通部と、上記貫通部の両端に、それぞれ上記積層体の表面又は裏面に当接する形状付与部を有する形状保持部材を、上記積層体の外周部に、さらに有することを特徴とする請求項1に記載のプリフォーム。
  3. 上記形状保持部材の構成材料が金属材料を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載のプリフォーム。
  4. 上記形状保持部材がステープルであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つの項に記載のプリフォーム。
  5. 強化繊維シートを複数積層した積層体と、
    上記積層体の形状を保持する形状保持部材と、を備えるプリフォームの製造方法であって、
    上記形状保持部材が、上記積層体を貫通する貫通部と、上記貫通部の両端に、それぞれ上記積層体の表面又は裏面に当接する形状付与部を有するものであり、
    上記形状付与部の少なくとも一方を屈曲させ、上記積層体を賦形する賦形工程を有することを特徴とするプリフォームの製造方法。
  6. 強化繊維シートを複数積層した積層体と、
    上記積層体の形状を保持する形状保持部材と、
    上記積層体の強化繊維間にマトリックス樹脂と、を備える繊維強化プラスチックであって、
    上記形状保持部材が、上記積層体を貫通する貫通部と、上記貫通部の両端に、それぞれ上記積層体の表面又は裏面に当接する形状付与部を有するものであり、
    少なくとも上記積層体が屈曲した箇所に上記形状保持部材の形状付与部が配置されたものであることを特徴とする繊維強化プラスチック。
  7. 上記積層体を貫通する貫通部と、上記貫通部の両端に、それぞれ上記積層体の表面又は裏面に当接する形状付与部を有する形状保持部材を上記積層体の外周部に、さらに有することを特徴とする請求項6に記載の繊維強化プラスチック。
  8. 上記形状保持部材の構成材料が金属材料を含むことを特徴とする請求項6又は7に記載の繊維強化プラスチック。
  9. 上記形状保持部材がステープルであることを特徴とする請求項6〜8のいずれか1つの項に記載の繊維強化プラスチック。
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