以下、本発明の実施形態に係る照明器具について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の実施形態で説明する構成は本発明の一例にすぎない。本発明は、以下の実施形態に限定されず、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
(実施形態1)
本発明の実施形態1に係る照明器具X(以下、照明器具Xという)は、地面に立てられたポール(図示せず)の上端に取り付けられ、ポールの周囲の道路(車道や歩道)などを照明するための道路灯(あるいは街路灯)である。ただし、以下の説明においては、特に断りのない限り、図2において上下、左右、前後の各方向を規定する。つまり、ポールの軸方向(鉛直方向)を上下方向とし、アーム5の側を後、アーム5と反対側を前とする。
照明器具Xは、図1A〜図1E及び図2に示すように、器具本体1、カバー2、点灯ユニット3、グローブ4、アーム5などを備えている。器具本体1は、アルミ又はアルミ合金などの金属材料により、上面(第1面)が開口した箱状に形成されている。より詳細には、器具本体1は、椀(bowl)状に形成されている。また、器具本体1は、図2及び図3に示すように、底面(第2面)に開口した円形の窓孔10と、窓孔10の周囲を全周に渡って囲む周壁11と、周壁11の内周面から内向き、かつ、階段状に突出している第1段部12及び第2段部13とを備えている。第1段部12は、周壁11の上下方向におけるほほ中央に在り、上から見て円環状に形成されている。第2段部13は、第1段部12の内側に在り、上から見て円環状に形成されている。また、第2段部13は、第1段部12の下に配置されている。つまり、第2段部13の内周縁は、上から見て窓孔10の周縁と繋がっている。なお、第1段部12及び第2段部13は、いずれも窓孔10の開口面(窓孔10の周縁を含む仮想の平面)とほぼ平行かつ平坦に形成されている。
第1段部12は、複数(図示例では6つ)の雌ねじ部120が周方向に沿ってほぼ等間隔に並ぶように設けられている。なお、これら6つの雌ねじ部120は、軸方向を上下方向に一致させて上向きに開口するように形成されている。
さらに、器具本体1は、周壁11の上端面に複数(図示例では6つ)のボス14が周方向に沿って等間隔に並ぶように設けられている。これら6つのボス14は、軸方向を上下方向とする円柱状に形成され、軸方向に沿ったねじ孔140をそれぞれ有している。これらのねじ孔140は、ボス14の上底面に上向きに開口している。
また、器具本体1は、アーム取付台座15を備えている。アーム取付台座15は、図4に示すように、周壁11の後部において、周壁11の外周面から突出する角錐台状に形成されている。また、アーム取付台座15は、一対のボルト挿通孔150と、通線孔151とを有している。一対のボルト挿通孔150は、アーム取付台座15及び周壁11を貫通して円筒形状に形成されている。また、通線孔151は、一対のボルト挿通孔150の間において、アーム取付台座15及び周壁11を貫通して長円筒形状に形成されている(図2〜図4参照)。
カバー2は、図1B及び図2に示すように、上下方向から見た形状が円形であるカバー本体20と、カバー本体20の周縁から下向きに突出している突壁21とを有している。また、カバー本体20は、前後方向及び左右方向から見た形状が、上向きに凸となる弧状に形成されている(図1A、図1D及び図1E参照)。なお、カバー2は、例えば、アルミ板などの金属板が絞り加工されることでカバー本体20と突壁21が一体に形成されている。
カバー本体20の周縁近傍には、複数(図示例では6つ)の凹部22が周方向に沿って等間隔に並ぶように設けられている(図1B及び図2参照)。さらに、これら6つの凹部22の底に、それぞれ円形のねじ挿通孔220が設けられている。
カバー2は、突壁21の先端(下端)を周壁11の先端(上端)に向き合わせるようにして器具本体1の上に被せられている(図1A、図1D及び図1E参照)。そして、カバー本体20に設けられている6つのねじ挿通孔220にそれぞれ挿通される6本の固定ねじ23が、器具本体1の6つのボス14に設けられているねじ孔140にそれぞれねじ込まれている(図1B及び図2参照)。つまり、カバー2は、器具本体1の周壁11にねじ止めされて器具本体1の上面(周壁11の上端を含む仮想平面)の開口を覆っている。ただし、器具本体1の周壁11とカバー2の突壁21との間に、シリコーンゴムなどで円環状に形成されている防水パッキン(図示せず)が配置され、周壁11と突壁21の間の隙間から器具本体1内への雨水の浸入が防止されることが好ましい。
グローブ4は、グローブ本体40と外鍔部41を有している。グローブ本体40と外鍔部41は、透光性を有する材料(例えば、ポリカーボネート樹脂)で一体に形成されていることが好ましい(図2参照)。ただし、グローブ4を形成する透光性材料は、アクリル樹脂やガラスなどでも構わない。グローブ本体40は、上下方向から見た形状が円形であり、前後方向及び左右方向から見た形状が下向きに凸となる弧状に形成されている透光部400と、透光部400の周縁から上向きに突出した円筒形状の外周壁401とを有している。外鍔部41は、グローブ本体40の外周壁401の上端から全周に渡って外向きに突出した円環状に形成されている。また、外鍔部41は、シリコーンゴム製の防水パッキン42が装着されている。この防水パッキン42は、上下方向から見て円環状に形成されている。防水パッキン42は、内周面に全周に渡って形成されている溝420(図2参照)に外鍔部41がかん合されている。
点灯ユニット3は、図2及び図5〜図7に示すように、複数(図示例では4つ)のLEDユニット30、取付板31、電源ユニット32などを有している。なお、以下の説明では、図6において、左上のLEDユニット30を第1LEDユニット30Aと呼び、右上のLEDユニット30を第2LEDユニット30Bと呼ぶ場合がある。同じく、左下のLEDユニット30を第3LEDユニット30Cと呼び、右下のLEDユニット30を第4LEDユニット30Dと呼ぶ場合がある。ただし、4つのLEDユニット30(第1LEDユニット30A、第2LEDユニット30B、第3LEDユニット30C及び第4LEDユニット30D)は、全て同一の構造を有している。
LEDユニット30は、図6に示すように、LEDモジュール300、ホルダ301、レンズ302、絶縁カバー303、取付台304などを備えている。ただし、図6においては、第2LEDユニット30B及び第4LEDユニット30Dのレンズ302と、第4LEDユニット30Dのホルダ301の図示が省略されている。
LEDモジュール300は、矩形板状のセラミックス製のパッケージ3000の表面に円板状の発光部3001を備えている(図6における第4LEDユニット30D参照)。発光部3001は、パッケージ3000の表面に実装されている多数のLEDチップ(図示せず)がシリコーン樹脂などの透光性を有する封止樹脂で封止されて構成されている。多数のLEDチップは、例えば、青色光を放射する青色LEDチップである。LEDモジュール300は、これらのLEDチップから放射される青色光の一部を、封止樹脂に混入されている蛍光体で黄色光に波長変換し、青色光と黄色光の混色により、発光部3001から白色光を放射するように構成されている。また、パッケージ3000の端部には一対の端子台3002が実装されている。これら一対の端子台3002は、パッケージ3000の表面に形成されている一対の電極(アノード電極とカソード電極)にそれぞれ各別かつ電気的に接続されている。そして、各端子台3002には、それぞれ給電用の電線305が電気的に接続されている(図6参照)。ただし、電線305は、端子台3002を介さずに、一対の電極(アノード電極とカソード電極)に直接接続されても構わない。
LEDモジュール300は、絶縁カバー303を介して取付台304に取り付けられている。取付台304は、アルミ板又はアルミ合金板によって多角形(図示例では8角形)状に形成されている。絶縁カバー303は、電気絶縁性を有する合成樹脂材料によって矩形の枠状に形成され、内側にLEDモジュール300が嵌め込まれている(図6における第4LEDユニット30D参照)。ホルダ301は、電気絶縁性を有する合成樹脂材料によって、おおよそ5角形の板状に形成されている。ホルダ301は、厚み方向に貫通する貫通孔3010を有している。この貫通孔3010は、内周面が円錐台状に形成されている。ホルダ301は、絶縁カバー303との間でLEDモジュール300を挟み込むようにして、取付台304にねじ止めされている(図6における第2LEDユニット30B参照)。なお、LEDユニット30の発光部3001は、ホルダ301の貫通孔3010を通して露出している。レンズ302は、例えば、ポリカーボネート樹脂やアクリル樹脂などの透光性を有する合成樹脂材料により、おおよそ半楕円体形状に形成されている。また、レンズ302は、長軸方向の両端からL字形の脚3020が外向きに突出している(図5〜図7参照)。これら一対の脚3020には、厚み方向に貫通する挿通孔が形成されている。レンズ302は、LEDユニット30の厚み方向(上下方向)から見て発光部3001を覆うようにして、一対の脚3020の挿通孔に挿通されているねじ306で取付台304にねじ止めされている(図5〜図7参照)。ただし、レンズ302は、短軸方向における後端側(電線305が引き出されている側)に凹み3021が形成されている(図6における第3LEDモジュール30C参照)。この凹み3021により、ホルダ301の貫通孔3010の内周面の一部に反射した発光部3001の光がレンズ302に入射せずに後方へ出射される。
取付板31は、アルミ又はアルミ合金の板材によって、おおよそ円板状に形成されている。なお、以下の説明では、取付板31の2つの表面のうち、LEDユニット30が取り付けられている表面を第1取付面310(図6参照)と呼び、電源ユニット32が取り付けられている表面を第2取付面311(図2参照)と呼ぶ。取付板31の端縁の近傍には、6つのねじ挿通孔313が周方向に沿って間隔を空けて貫通している(図2及び図6参照)。
4つのLEDユニット30は、取付板31の第1取付面310の中央に、縦方向(前後方向)及び横方向(左右方向)にそれぞれ2列ずつに並べて取り付けられている。なお、4つのLEDユニット30は、それぞれ取付台304がねじ止めされて取付板31に固定されている(図6参照)。また、取付板31は、4つのLEDユニット30が有している1対の電線305がそれぞれ各別に挿通される、4つの貫通孔312を備えている(図6参照)。つまり、4対の電線305は、それぞれ取付板31の第1取付面310側から貫通孔312に挿通されて第2取付面311側へ引き出されている。
ここで、取付板31の第1取付面310において、第1LEDユニット30Aと第2LEDユニット30Bの後方、並びに第3LEDユニット30Cと第4LEDユニット30Dの後方に、それぞれ反射部材33が配置されている(図5〜図7参照)。これら2つの反射部材33は、図5〜図7に示すように、長尺の反射板330と、反射板330の長手方向に沿った一方の端から反射板330の厚み方向に沿って突出する固定片331とを有している。反射板330は、短手方向に沿って弧状に湾曲している(図7参照)。また、反射板330は、長手方向の長さを、LEDユニット30の取付台304の長手方向の長さの2倍よりも短くしないように形成されている(図6参照)。なお、反射板330と固定片331は、例えば、アルミ板の打ち抜き加工及び曲げ加工により、一体に形成されることが好ましい。そして、これら2つの反射部材33は、固定片331の長手方向の両端と中央がねじ止めされて取付板31にそれぞれ固定されている(図6参照)。
電源ユニット32は、図2に示すように、電源装置320、制御装置321、固定部材322を有している。電源装置320は、4つのLEDユニット30に直流電力を給電する電源回路(図示せず)と、電源回路を内部に収容している金属製の第1ケース3200とを備えている。電源回路は、例えば、商用の電力系統から供給される交流電圧・交流電流を整流する整流器、整流器で整流された脈流電圧・脈流電流を直流電圧・直流電流に変換するDC/DCコンバータなどを有している。また、電源回路は、交流電圧・交流電流の電路となる電源線(図示せず)と電気的に接続される入力端子台、DC/DCコンバータの出力端を、4つのLEDユニット30の電線305とそれぞれ電気的に接続する出力端子台なども有している。電源回路は、1枚又は複数枚のプリント配線板に、整流器やDC/DCコンバータを構成する回路部品、並びに入力端子台、出力端子台などが実装されて構成されている。なお、電源回路は、外部から交流電圧・交流電流が供給されているときに動作して直流電圧・直流電流を出力し、外部から交流電圧・交流電流が供給されないときに停止している。例えば、電源回路は、光電式自動点滅器(図示せず)を介して電力系統から交流電圧・交流電流が供給され、周囲の明るさが光電式自動点滅器の動作照度の範囲内である時間帯(例えば、日の入りから日の出までの時間帯)に動作するように構成されている。
制御装置321は、電源装置320の電源回路を制御する制御回路(図示せず)と、制御回路を内部に収容している金属製の第2ケース3210とを備えている。制御回路は、例えば、DC/DCコンバータを制御して段調光とタイマ制御を行うように構成されている。つまり、制御回路は、点灯開始時点(外部から交流電圧・交流電流の供給が開始された時点)からの経過時間を内蔵タイマで経時している。そして、経過時間が調光開始時間に達すると、制御回路は、電源回路のDC/DCコンバータを制御して電源装置320の出力電流の電流値を定格値よりも小さくして段調光を行う。なお、制御回路は、外部から交流電圧・交流電流の供給が停止すると電源回路とともに動作を停止し、内蔵タイマによる経過時間の経時もリセット(初期化)される。ただし、上述した制御回路の制御動作は一例に過ぎず、例えば、外付けのタイムスイッチ(図示せず)から入力される制御信号に応じて、制御回路が段調光を行っても構わない。制御回路は、1枚又は複数枚のプリント配線板(図示せず)に、制御用の集積回路や制御電源回路、電源回路への制御信号を出力するための信号端子台、段調光のレベルや調光開始時間を設定するための切替スイッチなどが実装されて構成されている。なお、制御回路は、電源回路と同様に、外部から交流電圧・交流電流が供給されているときに動作し、外部から交流電圧・交流電流が供給されないときに停止している。
固定部材322は、図2、図5及び図7に示すように、第1取付部3220、一対の固定部3221、一対の連結部3222、第2取付部3223並びに立壁部3224を有している。第1取付部3220は、長尺の矩形板状に形成されている。一対の固定部3221は、長手方向の長さが第1取付部3220の短手方向の長さに等しい、幅細の矩形板状にそれぞれ形成されている。なお、一対の固定部3221は、長手方向の両端近くに、それぞれ貫通孔(図示せず)が設けられている。一対の連結部3222は、長手方向の長さが第1取付部3220の短手方向の長さに等しい、幅細の矩形板状にそれぞれ形成されている。そして、一対の連結部3222は、長手方向に沿った一端において、第1取付部3220の短手方向に沿った一端と連結され、長手方向に沿った他端において、一対の固定部3221の長手方向に沿った一端と各別に連結されている。立壁部3224は、長手方向の長さが第1取付部3220の長手方向の長さに等しい、矩形板状に形成されている。立壁部3224は、第1取付部3220の長手方向に沿った一端から、連結部3222と反対の方向へ立ち上がっている。第2取付部3223は、長手方向の長さが第1取付部3220の長手方向の長さに等しい、矩形板状に形成されている。第2取付部3223は、立壁部3224の長手方向に沿った先端から第1取付部3220と反対の方向へ突出している。なお、第1取付部3220、一対の固定部3221、一対の連結部3222、第2取付部3223並びに立壁部3224は、例えば、亜鉛めっき鋼板などの金属板が打ち抜き加工及び曲げ加工されて一体に形成されることが好ましい。
第1取付部3220に電源装置320が取り付けられている。電源装置320は、第1ケース3200に設けられている一対の突片3201が第1取付部3220にねじ止めされている(図2及び図5参照)。ただし、第1ケース3200と第1取付部3220との間には、電気絶縁性を有する熱伝導シート323が挟み込まれている(図2参照)。また、第2取付部3223に制御装置321が取り付けられている。制御装置321は、第2ケース3210に設けられている一対の突片3211が第2取付部3223にねじ止めされている(図2及び図5参照)。
一対の固定部3221は、両端の貫通孔にそれぞれ挿通されるねじが、取付板31に設けられているねじ孔(図示せず)にねじ込まれることにより、取付板31にねじ止めされている。ここで、固定部材322は、取付板31の第2取付面311に取り付けられた状態において、一対の連結部3222により、第1取付部3220と取付板31(の第2取付面311)との間に隙間SSが設けられている(図5参照)。すなわち、第1取付部3220と取付板31との間に隙間SSが設けられていることにより、第1取付部3220と取付板31(の第2取付面311)との間に空気層が形成される。そのため、第1取付面310に取り付けられている4つのLEDユニット30から発せられる熱は、固定部材322(特に第1取付部3220)に伝わり難くなっている。なお、第1取付部3220は、一対の固定部3221及び連結部3222を介して取付板31と熱的に結合されている。しかしながら、固定部材322が、取付板31を形成する金属材料(例えば、アルミ)よりも熱伝導率の十分に小さい金属材料(例えば、鋼板)で形成されていれば、取付板31から第1取付部3220への熱の伝わりを抑制することができる。
また、取付板31に設けられている4つの貫通孔312は、固定部材322の第1取付部3220によって上から覆い隠されている。しかしながら、貫通孔312から第2取付面311側に引き出されている電線305は、第1取付部3220と取付板31との間に設けられている隙間SSに通されて電源装置320(の出力端子台)と電気的に接続されることができる。
アーム5は、器具本体1に固定される第1固定部50と、ポールに固定される第2固定部51とを有している(図1E及び図2参照)。なお、第1固定部50と第2固定部51は、アルミダイカストによって一体に形成されることが好ましい。第2固定部51は、円筒形状に形成されている。第2固定部51は、径方向(厚み方向)に貫通する複数(図示例では4つ)のねじ孔510が設けられている(図1D参照)。第2固定部51は、ポールの先端に設けられている小径部分(図示せず)に上から被せられ、4つのねじ孔510にねじ込まれたねじの先端がポールの小径部分に当たることによってポールに固定されている。ここで、第2固定部51内には、電線固定部材52が収容されている。電線固定部材52は、長尺の矩形平板状に形成されている。電線固定部材52は、図1D及び図1Eに示すように、後面に複数(図示例では4つ)のケーブル固定具520がねじ止めされている。電線固定部材52の上部にねじ止めされている2つのケーブル固定具520のうちの一方のケーブル固定具520には、電源装置320に交流電圧・交流電流を入力するための一対の電線(図示せず)が固定されている。なお、この一対の電線は口出し線と呼ばれる。そして、電線固定部材52の上部にねじ止めされている2つのケーブル固定具520のうちの他方のケーブル固定具520には、制御装置321に外付けのタイムスイッチを接続するための信号線(図示せず)が固定されている。さらに、電線固定部材52の下部にねじ止めされている2つのケーブル固定具520のうちの一方のケーブル固定具520には、ポール内に立上げ配線されている電源線(図示せず)が固定されている。なお、この電源線は、口出し線と電気的に接続されている。また、電線固定部材52の下部にねじ止めされている2つのケーブル固定具520のうちの他方のケーブル固定具520には、外付けのタイムスイッチに接続されている信号線(調光線)が固定されている。なお、この調光線(図示せず)は、信号線と電気的に接続されている。
第1固定部50は、第2固定部51の上部から前方へ突出している。第1固定部50は、概ね三角柱状に形成されている。また、第1固定部50は、上面が開口されている。なお、第1固定部50の上面の開口は、取り外し可能な蓋53によって塞がれている(図1B及び図2参照)。第1固定部50の前端には、器具本体1のアーム取付台座15とかん合する凹所500が設けられている(図2参照)。さらに、凹所500の底には、図2に示すように、複数(図示例では2つ)の雌ねじ部501と、電線挿通孔502とが設けられている。2つの雌ねじ部501は、凹所500の底から前方へ斜め上向きに突出する円筒状の突起(ボス)の内周面に形成されている。なお、これら2つの雌ねじ部501は、凹所500の底において左右方向に間隔を空けて設けられている。電線挿通孔502は、2つの雌ねじ部501の間において、凹所500の底を貫通して長円筒形状に形成されている(図2参照)。
2つの雌ねじ部501は、図8に示すように、器具本体1のアーム取付台座15に第1固定部50がかん合されている状態において、器具本体1の一対のボルト挿通孔150と各別に繋がっている。したがって、一対のボルト挿通孔150に挿通される2つのボルト152が2つの雌ねじ部501に各別にねじ込まれることにより、アーム5の第1固定部50が器具本体1のアーム取付台座15にねじ止めされて固定されている。また、第1固定部50がアーム取付台座15に固定された状態において、アーム取付台座15の通線孔151と第1固定部50の電線挿通孔502とが繋がっている。そして、電源装置320から引き出されている口出し線及び制御装置321から引き出されている信号線は、通線孔151と電線挿通孔502に挿通されて第2固定部51内に引き込まれている。
ここで、ボルト挿通孔150及び雌ねじ部501は、器具本体1(の上部)の上面の法線(上下方向の直線)に対して、ボルト152が差し込まれる向きをゼロより大きく、直角よりも小さい角度φに傾けて設けられている(図8参照)。なお、この角度φは、35°〜45°程度が好ましい。
次に、照明器具Xの組立手順を説明する。まず、組立作業を行う作業者は、取付板31の第1取付面310に4つのLEDユニット30を取り付けるとともに、取付板31の第2取付面311に電源ユニット32を取り付けることで点灯ユニット3を組み立てる。それから、作業者は、防水パッキン42の溝420に外鍔部41を挿入してグローブ4に防水パッキン42を装着する。さらに、作業者は、器具本体1の上からグローブ本体40を窓孔10に挿入し、防水パッキン42で覆われている外鍔部41を第2段部13の上に載せた後、点灯ユニット3の取付板31を第1段部12の上に載せる(図9及び図10参照)。このとき、取付板31に設けられている6つのねじ挿通孔313と、第1段部12に設けられている6つの雌ねじ部120とが、上下方向に沿って各別に繋がる。そして、作業者は、取付板31の6つのねじ挿通孔313に、それぞれ上からねじ(図示せず)を挿通し、それら6本のねじを6つの雌ねじ部120にそれぞれねじ込むことで取付板31を器具本体1に取り付ける。このとき、グローブ4は、外鍔部41が防水パッキン42を介して取付板31と器具本体1の第2段部13との間に挟み込まれて器具本体1に取り付けられる(図10参照)。
続いて、作業者は、上述したように、2本のボルト152を用いて、アーム5の第1固定部50を器具本体1のアーム取付台座15に固定する。ここで、ボルト挿通孔150にボルト152が差し込まれる向きが、器具本体1の上面の法線に対して角度φに傾けられている。そのため、工具を使ってボルトを締め付ける際、器具本体1内に作業者の手を入れる必要がなく、作業性の向上が図られている。なお、角度φがゼロ、つまり、ボルト挿通孔150にボルト152が差し込まれる向きが器具本体1の上面の法線方向に一致する場合、アーム5の雌ねじ部501の長さを確保するために第1固定部50が大きくなってしまう可能性がある。これに対して、角度φがゼロより大きく、直角よりも小さい角度とされていれば、作業性の向上を図りつつ、アーム5の大型化を抑制することができる。
また、器具本体1において、取付板31がねじ止めされる第1段部12がボルト挿通孔150よりも下方に配置されている。そのため、器具本体1にアーム5が取り付けられる前に、器具本体1への点灯ユニット3の取付が可能となっている。したがって、器具本体1への点灯ユニット3の取付作業時にアーム5が邪魔にならず、組立の作業性の向上を図ることができる。
さらに、ボルト挿通孔150から離れた位置(取付板31の中央)に電源ユニット32が取り付けられているため、ボルト152の締め付け作業時に電源ユニット32の電源装置320及び制御装置321が作業の邪魔になり難い。そのため、照明器具Xは、組立の作業性の更なる向上を図ることができる。
アーム5を取り付けた後、作業者は、器具本体1の周壁11の上にカバー2を被せ、カバー本体20の6つのねじ挿通孔220に、6本の固定ねじ23をそれぞれ上から挿通し、器具本体1の6つのボス14のねじ孔140に各別にねじ込んでカバー2を固定する。このようにして、器具本体1にカバー2が取り付けられると、照明器具Xの組立作業が完了する。
上述のように、作業者は、器具本体1に対して、点灯ユニット3、グローブ4及びカバー2の各部材を同一の向き(下向き)に組み立てていくことができる。つまり、作業者は、作業の途中で器具本体1の向きを反転させる必要がないので、例えば、器具本体の下からグローブが取り付けられる構造と比較して、組立の作業性の向上を図ることができる。
照明器具Xは、アーム5の第2固定部51がポールの先端に固定されてポールに取り付けられている。4つのLEDユニット30は、LEDモジュール300から放射される光の配光をレンズ302で制御し、かつ、レンズ302で制御しきれない一部の光(レンズ302の後方に出射する光)を反射板330で反射させている。その結果、照明器具Xは、建物の入り口などを照らすために前方への光量を増大させることができる。ただし、照明器具Xの配光特性は一例であって、ポールの周囲全体にほぼ均一の光量で照射したり、道路に沿ったポールの左右両側の光量を増大させるような配光特性であっても構わない。
上述のように照明器具Xは、第1面(上面)が開口し、かつ、第1面と対向する第2面(下面)に窓孔10を有する箱状に形成された器具本体1と、1つ又は複数の光源(LEDユニット30)とを備えている。また、照明器具Xは、窓孔10と対向する第1取付面310にLEDユニット30が取り付けられて器具本体1内に収容されている取付板31と、器具本体1に取り付けられて第1面を塞ぐカバー2とを備えている。さらに、照明器具Xは、透光性を有し、窓孔10を塞ぐように器具本体1に取り付けられているグローブ4を備えている。グローブ4は、器具本体1内から窓孔10に挿通されているグローブ本体40と、グローブ本体40の縁から突出し、窓孔10と対向する方向から見て器具本体1内における窓孔10の周縁部分(第2段部13)に被さっている外鍔部41とを有している。取付板31は、周縁部分(第2段部13)との間で外鍔部41を挟むようにして器具本体1に取り付けられている。
照明器具Xが上述のように構成されれば、器具本体1に対して、点灯ユニット3、グローブ4及びカバー2の各部材が同一の向き(下向き)に組み立てられることができる。つまり、作業の途中で器具本体1の向きが反転させられる必要がないので、例えば、器具本体の下からグローブが取り付けられる構造と比較して、組立の作業性の向上を図ることができる。
また、照明器具Xにおいて、取付板31は、それぞれに雄ねじが挿通される複数のねじ挿通孔313を有することが好ましい。器具本体1は、複数のねじ挿通孔313にそれぞれ挿通される複数の雄ねじのねじ部が各別にねじ込まれている複数の雌ねじ部120を有していることが好ましい。
照明器具Xが上述のように構成されれば、複数のねじを同じ方向から締め付けるだけで取付板31を器具本体1に容易に取り付けることができる。したがって、照明器具Xは、組立の作業性の更なる向上を図ることができる。
さらに、照明器具Xにおいて、カバー2は、それぞれに固定ねじ23が挿通される複数のねじ挿通孔220を有することが好ましい。器具本体1は、複数のねじ挿通孔220にそれぞれ挿通される複数の固定ねじ23のねじ部が各別にねじ込まれている複数のねじ孔140を有していることが好ましい。
照明器具Xが上述のように構成されれば、複数の固定ねじ23を同じ方向から締め付けるだけでカバー2を器具本体1に容易に取り付けることができる。したがって、照明器具Xは、組立の作業性の更なる向上を図ることができる。
ここで、図11に示すように、器具本体1の周壁11の外周面に雄ねじ110が形成され、カバー2の突壁21の内周面に雌ねじ210が形成されてもよい。そして、周壁11の外周面の雄ねじ110と、突壁21の内周面の雌ねじ210とが嵌まり合い、上から見て時計回りにカバー2が回転されることにより、雌ねじ210に雄ねじ110が締め付けられてカバー2が器具本体1に結合される。つまり、ドライバなどの工具を用いずに、器具本体1にカバー2を取り付けることができる。ただし、器具本体1の周壁11の内周面に雌ねじが形成され、カバー2の突壁21の外周面に雄ねじが形成されても構わない。
上述のように照明器具Xにおいて、器具本体1は、第1面を囲む内周面又は外周面に雄ねじ又雌ねじ(雄ねじ110)が形成されていることが好ましい。カバー2は、器具本体1の方へ突出する筒状の突部(突壁21)を有することが好ましい。突壁21は、器具本体1の雄ねじ又は雌ねじ(雄ねじ110)と嵌まり合う雌ねじ又は雄ねじ(雌ねじ210)が外周面又は内周面に形成されていることが好ましい。
照明器具Xが上述のように構成されれば、器具本体1に対してカバー2を回転させるだけで器具本体1にカバー2を取り付けることができ、組立の作業性の更なる向上を図ることができる。
(実施形態2)
本発明の実施形態2に係る照明器具XX(以下、照明器具XXという)について、図12A〜図12D及び図13を参照して説明する。ただし、照明器具XXは、実施形態1に係る照明器具Xと基本的な構成が共通しているので、若干の形状等の相違があっても、同一の機能を有する構成要素には実施形態1に係る照明器具Xと同一の符号を付して図示及び説明を省略する。
照明器具XXは、器具本体1をポールに取り付けるためのアーム6の構造に特徴がある。アーム6は、3つの第1固定部60と、第2固定部61と、電線固定部材62とを備えている。第2固定部61は、実施形態1における第2固定部51と同様に、円筒形状に形成され、径方向(厚み方向)に貫通する4つのねじ孔610が設けられている(図12A参照)。第2固定部61は、ポールの先端に設けられている小径部分(図示せず)に上から被せられ、4つのねじ孔610にねじ込まれたねじの先端がポールの小径部分に当たることによってポールに固定されている。電線固定部材62は、実施形態1における電線固定部材52と同様に、長尺の矩形平板状に形成され、図12A及び図12Bに示すように、後面に4つのケーブル固定具620がねじ止めされている。
3つの第1固定部60は、第2固定部61の上端から斜め上向きに突出し、かつ、先端(上端)に向かうに連れて互いに離れるように構成されている。また、3つの第1固定部60は、概ね三角柱状に形成されている。ただし、3つの第1固定部60は、口出し線及び信号線が挿通可能な空間を内部に有している。
第1固定部60の先端面(上端面)には、円筒形状の雌ねじ部600と、直方体形状のリブ601と、矩形の電線挿通孔602とが設けられている。雌ねじ部600は、第1固定部60の先端面における外寄りの場所から上向きに突出する円筒状の突起(ボス)の内周面に形成されている。リブ601は、第1固定部60の先端面における内寄りの場所から上向きに突出している。電線挿通孔602は、第1固定部60の先端面におけるボス(雌ねじ部600)とリブ601に挟まれた場所に設けられている。
一方、器具本体1は、アーム取付台座に代えて、3つのアーム固定部16が周壁11に設けられている。これら3つのアーム固定部16は、ボルト挿通孔1600が貫通したボス160と、通線孔161と、凹部(図示せず)とをそれぞれ有している。ボス160は、円筒形状に形成され、器具本体1の周壁11の内周面において、第1段部12の上方にそれぞれ設けられている(図13参照)。ボルト挿通孔1600は、ボス160及び周壁11を上下方向に貫通するようにそれぞれ形成されている。また、通線孔161は、ボス160の真下において、周壁11を貫通するようにそれぞれ形成されている。凹部は、周壁11の外周面において、通線孔161の真下に設けられている。
第1固定部60は、凹部とリブ601がかん合されることで周壁11に位置決めされ、器具本体1のボルト挿通孔1600に挿通されるボルト(図示せず)が雌ねじ部600にねじ込まれることで器具本体1に固定されている(図12A、図12B参照)。
照明器具XXは、実施形態1に係る照明器具Xと同様に、器具本体1に対して、点灯ユニット3、グローブ4及びカバー2の各部材が同一の向き(下向き)に組み立てられることができる。そのため、照明器具XXは、作業の途中で器具本体1の向きが反転させられる必要がないので、組立の作業性の向上を図ることができる。