JP6769470B2 - 熱処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、熱処理装置及び熱処理方法に関する。
自動車、産業機械等に用いられている転がり軸受を構成する軸受軌道輪は、転動体との間で相対的に転がり接触をする軌道部を有している。上記軌道部は、転動体との転がり接触によって転動体からの衝撃を受けやすい。
そこで、上記軸受軌道輪を製造する際には、上記軸受軌道輪の機械的特性を向上させる種々の手法が提案されている。
例えば、軸受軌道輪の硬さを高硬度にして耐摩耗性や圧壊強度を向上させるために、高炭素クロム軸受鋼からなる鋼材に対して全体焼入れ(ズブ焼入れ)処理及び焼きもどし処理を施すことが実用化されている。
しかしながら、全体焼入れが施された鋼材は、高硬度となるため高い圧壊強度を獲得することができるものの、表面から内部に至る全体が主に焼もどしマルテンサイトから構成される同一組織からなり、鋼材中に低硬度部位が存在しないため、耐衝撃性に劣る傾向にあった。
また、耐衝撃性を向上させるために、肌焼鋼からなる鋼材に対して浸炭焼入れ処理及び焼もどし処理を施すことも実用化されている。
しかしながら、浸炭焼入れ処理及び焼もどし処理が施された鋼材では、耐衝撃性は向上するものの、浸炭により表面の粒界強度が低下するため、圧壊強度に劣る傾向にあった。また、2次焼入れで圧壊強度の向上を図ることができるものの、工程数の増加に伴う高コスト化は避けることができなかった。
また、特許文献1には、SUJ2などの高炭素クロム軸受鋼を調質した後、表面のみ高周波焼入れを行うことにより、表面を700Hv以上の硬さとし、かつ内部硬さを340〜490Hvと低くすることができ、その結果、軸受軌道輪の転がり寿命と耐衝撃性とを向上させる手法が記載されている。
しかしながら、特許文献1に開示された手法では、鋼材(中間素材)の内層部の周囲全体を高硬度層で囲むことができず、低硬度部位が高硬度層でサンドイッチされた構造となるため、圧壊強度の充分な向上を図ることは困難であった。
特開2013−238274号公報
このように、従来の手法では、優れた耐衝撃性と圧壊強度とを両立した軸受軌道輪を提供することは困難であった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、背反の関係にある耐衝撃性と圧壊強度とを良好に両立した軸受軌道輪等の環状部材を得ることができる熱処理装置及び熱処理方法を提供することを目的とする。
本発明の熱処理装置は、鋼材からなる環状のワークを誘導加熱して熱処理する熱処理装置であって、ワークを内部にセットし、当該ワークに熱処理を施す処理槽と、上記ワークを所定の位置に保持する保持部と、上記ワークを包囲して誘導加熱する誘導加熱コイルと、上記ワークの誘導加熱中に当該ワークの表面を冷却する冷却媒体とを備えることを特徴とする。
本発明の熱処理装置は、上記処理槽の内部に設置され、上記ワークを包囲して誘導加熱する誘導加熱コイルと上記誘導加熱コイルによってワークを加熱する際に当該ワークの表面を冷却する冷却媒体とによって、ワークの表面を強制的に冷却しながらワークを誘導加熱することができるので、誘導加熱時にワークの内部温度をワークの表面温度よりも高くすることができる。このため、上記熱処理装置を例えば焼入れ処理を施したワークの焼きもどし処理に用いると、内層部の硬さを表層部の硬さよりも低くすることができる。この結果、耐衝撃性に優れ、高い圧壊強度を有する環状部材を、少ない工数で、かつ低エネルギー消費量で提供することができる。
本発明の熱処理装置において、上記保持部は、前記ワークの下面を点接触で受け止める第1支持部、前記ワークの水平方向への移動を抑制する第2支持部、及び、上方向への移動を抑制する第3支持部を有することが好ましい。
このような構成を備える場合、ワークの下面と保持部との間の熱伝導が抑制され、ワークをより均一に加熱することができる。また、ワークの水平方向や上方向への移動を抑制することができる。その結果、熱処理時のワークの表面温度のバラツキを抑えることができる。
本発明の熱処理装置では、上記処理槽内に上記冷却媒体が貯留されていることが好ましい。
このような構成を備えていると、上記処理槽内に貯留された冷却媒体にワークを浸漬させた状態でワークの加熱を行うことができる。そのため、当該ワークの表面をより効率よく冷却しながらワークの加熱を行うことができ、加熱時のワークの表面温度と内部温度との温度差をより確実に確保することができる。
本発明の熱処理装置は、上記ワークを当該ワークの軸心まわりに回転させる動力を上記保持部に伝達する動力伝達部をさらに備えることが好ましい。
このような構成を備えることにより、ワークの表面に冷却媒体を均一に接触させることができ、熱処理時のワークの表面温度のバラツキを抑えることができる。
本発明の熱処理装置は、上記処理槽内に冷却媒体を噴射する噴射部をさらに備え、上記噴射部から噴射された冷却媒体により、上記処理槽内に貯留された冷却媒体を撹拌することが好ましい。
このような構成を備える場合、ワークの表面に接触する冷却媒体の温度が均一になり、熱処理時のワークの表面温度のバラツキを抑えることができる。
本発明の熱処理装置においては、上記処理槽が、円筒状のアウターケースと、上記アウターケースの内側に配設された円筒状のインナーケースとを有し、上記アウターケースの内周面と上記インナーケースの外周面との間に、上記噴射部から冷却媒体を噴射することが好ましい。
このような構成を備える場合、冷却媒体の流量が少ない流量であっても大きな撹拌効果を享受することができ、ワークの表面を均一に冷却するのにより適している。更に、ワークを回転させない場合や、1方向のみから冷却媒体を噴射する場合等であってもワーク表面を均一に冷却することができるため、装置の構成を簡便にすることができる。
本発明の熱処理方法は、高炭素クロム軸受鋼製のワークに対して熱処理を施す熱処理方法であって、(A)上記ワークに焼入れ処理を施す工程、及び(B)焼入れ処理後のワークに焼もどし処理を施す工程を含み、上記工程(B)では、焼もどし時間20秒以下で、表面温度が内部温度よりも40℃以上低い温度となるように、上記焼入れ処理後のワークを誘導加熱することを特徴とする。
本発明の熱処理方法では、焼入れ処理後の高炭素クロム軸受鋼製のワークに対して、表面温度が内部温度よりも40℃以上低い温度となるようにワークの表面の温度を調節しながら当該ワークを誘導加熱するので、耐衝撃性に優れ、高い圧壊強度を有する環状部材を、少ない工数で、かつ低エネルギー消費量で得ることができる。
また、上記熱処理方法では、焼もどし時間を20秒以下とするため、焼もどし処理が施された環状部材に残留圧縮応力を付与することができる。
よって、本発明の熱処理方法によれば、耐衝撃性及び圧壊強度に優れ、残留圧縮応力を有する環状部材を製造することができ、上記熱処理方法により処理された環状部材は、例えば、軸受軌道輪に好適に使用することができる。
本発明の熱処理方法では、本発明の熱処理装置を用いて上記工程(B)を行うことが好ましい。本発明の熱処理装置を用いることにより、より確実に上記工程(B)を行うことができる。
本発明によれば、耐衝撃性に優れ、高い圧壊強度を有する環状部材を、少ない工数で、かつ低エネルギー消費量で提供することができる。
本発明を適用して得られた玉軸受の要部断面図である。 図1に示した玉軸受の外輪の要部断面図である。 本発明の実施形態に熱処理装置及び熱処理方法を用いることができる軸受軌道輪の製造方法の各工程を示す工程図である。 図3に示した製造方法における熱処理工程を示す工程図である。 本発明の実施形態に係る焼もどし装置の一例を示す概略説明図である。 本発明の実施形態に係る焼もどし装置の別の一例を示す概略説明図であり、(a)は縦断面図、(b)は平面図である。 実施例1における熱処理条件を示す線図である。 実施例2における熱処理条件を示す線図である。 実施例3における熱処理条件を示す線図である。 実施例4における熱処理条件を示す線図である。 実施例5における熱処理条件を示す線図である。 実施例6における熱処理条件を示す線図である。 実施例7における熱処理条件を示す線図である。 実施例8における熱処理条件を示す線図である。 実施例9における熱処理条件を示す線図である。 比較例1における熱処理条件を示す線図である。 比較例2における熱処理条件を示す線図である。 比較例3における熱処理条件を示す線図である。 比較例4における熱処理条件を示す線図である。 比較例5における熱処理条件を示す線図である。 比較例6における熱処理条件を示す線図である。
以下、本発明の熱処理装置及び熱処理方法を用いることにより得ることができる転がり軸受及び軸受軌道輪について先に説明する。
なお、本発明の熱処理装置及び熱処理方法を用いることにより得ることができる環状部材は、これらに限定されるわけではない。
[転がり軸受]
以下においては、転がり軸受の一例として玉軸受を挙げて説明する。図1は、転がり軸受の一例である玉軸受を示す要部断面図である。
図1に示される玉軸受1は、環状の外輪10と、外輪10の内周側に当該外輪10と同心に配置された環状の内輪20と、外輪10と内輪20との間に配列された複数の玉30(転動体)と、これら複数の玉30を保持する保持器40とを備えている。
外輪10は、外輪10の内周面に形成され、複数の玉30が転動する転がり接触面となる外輪軌道部11a、更には端面11b及び外周面11dを有しており、これらの表面は、研磨仕上げがされた研磨部とされている。また、外輪10は、端面11bと外周面11dとにつながる外輪10の外周側の面取り11e、及び、外輪軌道部11aにつながる肩面11cも有しており、これらの表面は、研磨仕上げがされていない非研磨部とされている。
また、内輪20は、内輪20の外周面に形成され、外輪軌道部11aに対向するとともに、複数の玉30が転動する内輪軌道部21a、更には端面21b及び内周面21dを有しており、これらの表面は、研磨仕上げがされた研磨部とされている。また、内輪20は、端面21bと内周面21dとにつながる断面R形状の内輪20の内周側の面取り21e、及び、内輪軌道部21aにつながる片面21cも有しており、これらの表面は、研磨仕上げがされていない非研磨部とされている。
玉30は、相手部材である外輪10と内輪20との間で転がり接触する転がり接触面としての転動面30aを有している。
外輪10、内輪20及び玉30は、高炭素クロム軸受鋼からなる。高炭素クロム軸受鋼としては、例えば、SUJ2、SUJ3等が挙げられる。
玉軸受1では、外輪10及び内輪20のうちの少なくとも一方が、後述する軸受軌道輪で構成されている。これにより、玉軸受1は、耐衝撃性及び圧壊強度に優れ、転がり寿命の長い玉軸受となる。
[軸受軌道輪]
以下においては、軸受軌道輪の一例として外輪を挙げて説明する。
図2は、軸受軌道輪の一例である外輪の要部断面図である。
この軸受軌道輪は、焼入れ処理及び焼もどし処理が施された高炭素クロム軸受鋼からなる軸受軌道輪であって、焼もどしマルテンサイト又はソルバイトからなり、かつビッカース硬さが490HVを超え、710HV以下である内層部と、上記内層部の周囲全体を囲むように形成され、焼もどしマルテンサイトからなり、かつビッカース硬さが上記内層部より硬い表層部とを含むものである。
なお、本明細書において、「ビッカース硬さ」は、軸受軌道輪(例えば、外輪)の研磨部の表面又は当該軸受軌道輪を径方向に沿って切断したときの切断面にビッカース圧子を当てて測定した値をいう。
図2に示す外輪10は、内層部13と、内層部13の周囲全体を囲むように形成された表層部12とを有し、表層部12が内層部13に比べて相対的に高硬度(ビッカース硬さ基準)となるように構成されている。そのため、外輪10は、高い圧壊強度と優れた耐衝撃性とを両立することができる。
ここで、内層部13は、焼もどしマルテンサイトからなる組織又はソルバイトからなる組織を有する。また、内層部13は、ビッカース硬さが490HVを超え、710HV以下である。
外輪10では、高い圧壊強度と優れた耐衝撃性との両立を図るべく、内層部13がこのような構成を有していることが重要である。
上記内層部のビッカース硬さが490HV以下では、圧壊強度が不充分となり、一方、710HVを超えると圧壊強度及び耐衝撃性を向上させることが難しい。内層部13のビッカース硬さは、500HV以上、700HV以下が好ましい。
また、内層部13のビッカース硬さは、軸受軌道輪(外輪10)が特に耐衝撃性が要求される用途で使用される場合には、490HVを超え、620HV以下であることが好ましく、500HV以上、610HV以下であることがより好ましい。
また、内層部13のビッカース硬さは、軸受軌道輪(外輪10)が特に高い圧壊強度が要求される用途で使用される場合には、620HV以上、710HV以下であることが好ましく、630HV以上、700HV以下であることがより好ましい。
表層部12は、内層部13の周囲全体を囲むように形成されており、焼もどしマルテンサイトからなる組織を有する。表層部12のビッカース硬さは、内層部13のビッカース硬さよりも硬ければよく、表層部12の最表面から内層部13に向って、徐々に硬度が低くなっていてもよい。
また、表層部12のビッカース硬さは、内層部13のビッカース硬さよりも硬ければ特に限定されないが表層部12の一部である外輪軌道部11aは、最表面のビッカース硬さが740HV以上、800HV未満であることが好ましい。740HV未満では、外輪(軸受軌道輪)10の転がり寿命が低下してしまうことがあり、一方、800HVを超えると耐衝撃性が低下してしまうことがある。
また、外輪軌道部11aは、その最表面から内層部13に向ってビッカース硬さが700HV以上の領域(以下、高硬度表面層ともいう(図2中、斜線部分))を有していることが好ましく、外輪軌道部11aの高硬度表面層の深さd1は、外輪10を使用する際の最大せん断応力深さZ0に対して、下記不等式(1)
3Z0≦d1<8Z0・・・(1)
を充足することが好ましい。外輪軌道部11aにおける上記深さd1が、最大せん断応力深さZ0の3倍未満では、表面の疲労強度が低下し、外輪10の転がり寿命が低下することがある。一方、外輪軌道部11aおける上記深さd1が、最大せん断応力深さZ0の8倍以上では、外輪10において内層部の占める割合が低下し、外輪10の靱性が不充分になることがある。
なお、上記軸受軌道輪を使用する際の最大せん断応力深さZ0は、定格荷重によって異なるものの、概ね0.1〜0.2mm程度である。
また、表層部12の外輪軌道部11aにおける最表面から最大せん断応力深さZ0までの領域の圧縮残留応力は、50MPa以上であることが好ましい。上記圧縮残留応力が50Mpa未満では、転がり寿命を確保することができないことがある。
表層部12の外輪軌道部11a以外の部分(外輪非軌道部)は、内層部13より硬いビッカース硬さを有しつつ、最表面のビッカース硬さが700HV以上、800HV未満であることが好ましい。外輪非軌道部における最表面のビッカース硬さが700HV未満では、圧壊強度が低下してしまうことがあり、一方、800HVを超えると耐衝撃性が低下してしまうことがある。表層部12の外輪軌道部11a以外の部分の最表面のビッカース硬さは、720HV以上がより好ましい。
表層部12の外輪軌道部11a以外の部分(外輪非軌道部)もまた、その最表面から内層部13に向ってビッカース硬さが700HV以上の領域(高硬度表面層)を有していることが好ましい。外輪10の外輪非軌道部における、外周面11dでの高硬度表面層の深さd2、及び、端面11bでの高硬度表面層の深さd3,d4は、いずれも外輪10の最大厚さtに対する比(d2/t、d3/t及びd4/t)で、下記不等式(2)
0.05<(d2/t、d3/t及びd4/t)≦0.45・・・(2)
を充足することが好ましい。上記高硬度表面層の深さd2〜d4の上記最大厚さtに対する比が、0.05以下では、圧壊強度が不充分になることがあり、一方、0.45を超えると、高硬度表面層の占める割合が多くなり、耐衝撃性が不充分になることがある。
上記外輪10は、焼入れ処理及び焼もどし処理が施された高炭素クロム軸受鋼を用いて製造される。上記高炭素クロム軸受鋼としては、例えば、SUJ2、SUJ3等が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。なお、上記焼入れ処理及び焼もどし処理については後述する。
勿論、上記軸受軌道輪は外輪に限定されるわけではなく、内輪であってもよい。
〔軸受軌道輪の製造方法〕
次に、上記軸受軌道輪の製造方法について外輪10の製造方法を例に説明する。
この軸受軌道輪の製造方法では、焼入れ処理工程及び焼もどし処理工程において、
本発明の熱処理方法を採用することができる。
図3は、軸受軌道輪の製造方法の工程図である。図4は、図3に示した製造方法における熱処理工程(本発明の実施形態に係る熱処理方法)を示す工程図である。
まず、上記高炭素クロム軸受鋼鋼材から形成された環状素材W1〔図3(a)参照〕を製造し、得られた環状素材W1に、切削加工等を施して、所定形状に加工して、外輪軌道部11a、端面11b、肩面11c及び外周面11dに対応する部分を有する外輪の素形材(ワーク)W2を得る〔「前加工工程」、図3(b)参照〕。
次に、得られた素形材W2に対して、焼入れ処理(図3(c)参照)及び焼もどし処理(図3(d))を施す。
上記焼入れ処理、上記焼もどし処理の方法は特に限定されないが、本発明の実施形態に係る熱処理方法により行うことができる。
本発明の実施形態に係る熱処理方法は、高炭素クロム軸受鋼製のワークに対して熱処理を施す熱処理方法であって、(A)上記素形材(ワーク)に焼入れ処理を施す工程、及び(B)焼入れ処理後の素形材(ワーク)に焼もどし処理を施す工程を含み、上記工程(B)では、焼もどし時間20秒以下で、表面温度が内部温度よりも40℃以上低い温度となるように、上記焼入れ処理後のワークを誘導加熱する熱処理方法である。
以下、上記工程(A)、上記工程(B)の順に説明する。
上記工程(A)では、得られた素形材W2に対して、焼入れ処理を施す〔「焼入れ工程」、図3(c)、図4(a)参照〕。
上記焼入れ処理では、内層部13、表層部12ともにマルテンサイトとなり、かつ、不完全焼入れ組織(微細パーライト)が5%以下となるよう全体を均一に加熱し急冷することが好ましい。上記不完全焼入れ組織が5%を超えると、製造した外輪10の硬度が不足し、転がり寿命が短くなることがある。
上記焼入れ処理の方法は特に限定されず、高周波焼入れ、ズブ焼入れ等の方法を採用することができる。
上記焼入れ処理は、例えば、素形材W2を、810〜850℃の焼入れ温度で0.5〜2時間加熱し、急冷する条件で行なうことができる。
焼入れ温度は、十分な焼入性確保の観点から、好ましくは820℃以上であり、結晶粒の粗大化防止の観点から、好ましくは840℃以下である。
加熱時間は、部材の均熱化の観点から、好ましくは0.5時間以上であり、結晶粒の粗大化防止の観点から、好ましくは1.5時間以下である。
急冷は、例えば、冷却油の油浴中における油冷等により行われる。冷却油の油浴温度は、通常、60〜180℃である。
次に、上記工程(B)を行う。
上記工程(B)では、焼入れ処理後の素形材W2に対して、焼きもどし処理を施して、中間素材W3を得る〔「焼もどし処理工程」、図3(d)、図4(b)参照〕。
上記焼きもどし処理は、図4(b)に示されるように、焼入れ処理後の素形材W2の最表面の焼もどし温度(図4中、「表面温度A」参照)が当該素形材W2の内部の焼もどし温度(図4中、「内部温度B」参照)よりも低い温度(すなわち、内部温度B−表面温度A≧40℃)となるように調整しながら当該素形材W2を加熱することによって行なう。
このように、表面温度Aが内部温度Bよりも40℃以上低い温度で焼もどし処理を施すことにより、素形材W2の内部の硬さを充分な耐衝撃性を得るのに適した硬さとすることができる。加えて、上記の条件で焼もどし処理を行うことにより、焼もどし処理時における残留オーステナイト量の減少を抑制し、かつ圧縮応力を増加させることができる。したがって、本処理工程を経て得られた軸受軌道輪は、転がり軸受等の外輪及び/又は内輪として用いた場合、当該軸受における(表面起点剥離に起因する)寿命を向上させることができ、しかも高い静的負荷容量を確保することができる。
また、上記工程(A)及び(B)を含む熱処理方法では、浸炭処理を施した場合と同等の耐衝撃性を有し、しかも高い圧壊強度を有する環状部材を、少ない工数で、かつ低エネルギー消費量で得ることができる。
また、この焼もどし処理の焼もどし時間(図4中、「焼もどし時間T」参照)は、20秒間以下で行う。これにより、素形材W2に十分な圧縮残留応力を付与することができる。なお、本明細書において、「焼もどし時間」とは、加熱開始から所定の焼もどし温度(表面温度及び内部温度)に達するまでの時間をいう。
このような焼もどし処理は、例えば、後述する熱処理装置を用いて行うことができる。
また、上記焼もどし処理における冷却は、例えば、空冷、放冷等によっても行うことができる。
上記焼もどし処理工程において、表面温度と内部温度との差(内部温度−表面温度)は、600℃以下が好ましい。600℃を超えると素形材W2に割れが生じるおそれがある。
また、上記焼もどし時間Tは、温度ムラの発生を抑制して環状部材の品質を安定化させる観点からは、2秒間以上が好ましく、3秒間以上がより好ましい。一方、素形材W2に十分な圧縮残留応力を付与する観点からは、18秒間以下がより好ましい。
上記焼もどし処理の具体的な温度は、表面温度が260〜290℃で、内部温度が320〜715℃となるように調整して行うことが好ましい。
上記表面温度は、転がり寿命を確保する観点から、275℃以下が好ましい。
上記内部温度は、耐衝撃性確保の観点から、365℃以上がより好ましく、450℃以上が更に好ましい。また、圧壊強度確保の観点から、575℃以下がより好ましい。内部温度が450〜575℃である場合、長い転動疲労寿命及び高い耐衝撃性を確保することができ、かつ高い圧壊強度を確保するのに更に好適である。
なお、上記表面温度及び上記内部温度は、Kタイプの熱電対により計測することができる。
上記焼もどし処理工程において、素形材W2の表面全体における表面温度のバラツキは、品質の安定化の観点から、20℃以下であることが好ましい。また、上記表面温度のバラツキを抑える手法としては、例えば、後述する熱処理装置を用いて行う焼もどし処理において、誘導加熱の際に、素形材(ワーク)を回転させたり、冷却媒体を撹拌して冷却媒体の温度を均一化させたりする手法を採用することができる。
誘導加熱の際の周波数及び出力は、素形材(ワーク)W2の肉厚、質量、冷却剤の冷却能等に応じて、上記温度範囲となるように適宜設定することができる。
周波数は、300〜600Hzが好ましい。600Hzを超えると表面温度が高くなり、内部温度との差が小さくなってしまうことがある。
出力は、通常、1〜300kW程度であり、5〜100Kwが好ましい。
次に、焼もどし工程後の中間素材W3について、外輪軌道部11a、端面11b及び外周面11dのそれぞれに対応する部分に対し、研磨仕上げ加工を施す〔「研磨仕上げ加工」、図3(e)〕。
このような工程を経ることにより、外輪10(軸受軌道輪)を作製することができる。
[熱処理装置]
次に、本発明の実施形態に係る熱処理装置について説明する。
本発明の実施形態に係る熱処理装置は、上述した本発明の実施形態に係る熱処理方法を行うのに適している。
上記熱処理装置は、軸受軌道輪の製造方法における焼もどし処理工程のみならず、円環状のワークの表面温度が内部温度よりも低くなるように加熱する各種加熱処理において好適に使用することができる。
以下、熱処理装置の具体的な構成について、2つの実施形態を例示しながら説明する。
(第1実施形態に係る熱処理装置)
図5は、本発明の実施形態に係る熱処理装置の一例を示す要部断面図である。
図5に示す熱処理装置100は、環状のワークW2を内部にセットし、当該ワークW2に熱処理を施す処理槽101と、ワークW2の上方向及び水平方向への移動を抑制しつつ当該ワークW2の軸心まわりに回転可能に保持する保持部102と、ワークW2の内周側からワークW2を誘導加熱する第1の誘導加熱コイル103と、ワークW2の外周側からワークW2を包囲して誘導加熱する第2の誘導加熱コイル104と、処理槽101内に貯留され、ワークW2の表面を冷却する冷却媒体としての冷却剤105と、ワークW2に冷却剤105を噴射して当該ワークの表面を冷却する噴射部106と、保持部102に保持されたワークW2を軸心まわりに回転させる動力を当該保持部102に伝達する動力伝達部107とを備えている。
処理槽101は、冷却剤105を貯留することが可能な有底円筒状の容器からなる。処理槽101を構成する上記容器は、電気絶縁性のセラミックスまたは電気絶縁性の合成樹脂からなる。このように、熱処理装置100は、電気絶縁性のセラミックスまたは電気絶縁性の合成樹脂からなる容器を処理槽101として有するため、熱処理装置100自体の加熱を抑制することができる。
容器の大きさは、熱処理装置100の用途、ワークW2の大きさ等によって適宜設定することができる。
処理槽101内には、冷却剤105が貯留されている。また、処理槽101には、余剰の冷却剤105を処理槽101の外部に排出するための排出口108が設けられている。
かかる処理槽101の内部には、処理槽101内に貯留された冷却剤105中に浸漬するようにワークW2がセットされる。
保持部102は、ワークW2の下面を点接触で受け止める支持部(第1支持部)121cと、ワークW2の上方向への移動を抑制する支持部(第3支持部)121aと、ワークW2の水平方向への移動を抑制する支持部(第2支持部)121bとを有している。これにより、保持部102は、ワークW2を点接触で保持しつつ、ワークW2の上方向及び水平方向への移動を抑制する。このとき、支持部121aはワークW2と接触していても良いし、ワークW2との間に最大1mm程度の隙間が形成されていてもよい。また、支持部121bはワークW2と接触していても良いし、ワークW2との間に最大0.5mm程度の隙間が形成されていてもよい。これらの隙間を設けると、加熱時にワークW2が熱膨張してもワークW2の表面が支持部121a,121bで押圧されることを回避することができる。
支持部121a〜121cは、いずれも球状体である。そのため、各支持部121a〜121cがワークW2と接触する際には、支持部121a〜121cとワークW2との接触は点接触となる。これにより、ワークW2から各支持部121a〜121cへの熱伝導が抑制され、ワークW2の温度が不均一になることを防止することができるとともに、冷却剤105によるワークW2の冷却が各支持部121a〜121cによって阻害され難いので、冷却不足によるワークW2の過熱を防止することができる。
支持部121a〜121cの個数は、それぞれ平面視円周方向に3個以上であればよく、通常、3〜6個程度であり、等間隔に3個設けられていることが好ましい。
保持部102は、電気絶縁性のセラミックスまたは電気絶縁性の合成樹脂からなる。熱処理装置100では、保持部102が電気絶縁性のセラミックスまたは電気絶縁性の合成樹脂からなるため、保持部102自体の加熱及びワークW2の表面温度のバラつきを抑制することができる。
第1及び第2の誘導加熱コイル103,104は、処理槽101の内部に設置されている。第1の誘導加熱コイル103は、ワークW2の内径よりも小さい外径を有する螺旋状のものであり、その外周側にワークW2がセットされる。一方、第2の誘導加熱コイル104は、ワークW2の外径よりも大きい内径を有する螺旋状のものであり、その内周側にワークW2が設置される。これら第1及び第2の誘導加熱コイル103,104は、高周波電流が供給されることにより、ワークW2の内周側及び外周側の双方からワークW2を所望の温度に誘導加熱することができる。
冷却剤105は、ワークW2の表面を冷却可能な液体であればよい。かかる冷却剤105としては特に限定されず、例えば、水、油、水溶性ポリマー等が挙げられる。
上記油としては、例えば、焼入油等が挙げられる。
上記水溶性ポリマーとしては、例えば、PAG(ポリアルキレングリコール)等が挙げられる。上記水溶性ポリマーは、水に溶解させた水溶液として用いることができる。この場合、水への水溶性ポリマーの配合量は、水溶性ポリマーの種類等に応じて適宜設定することができる。
冷却剤105は、ワークW2の表面を効率よく冷却する観点から、熱伝達率が高いものであることが好ましく、かつ取扱いが容易なものがより好ましい。
噴射部106は、ワークの周方向に沿って所定間隔毎に複数個設けられている。各噴射部106は、ワークW2の内周面に冷却剤105を噴射する噴射口106aと、ワークW2の外周面に冷却剤105を噴射する噴射口106bとを有している。これら噴射口106a,106bから冷却剤105を噴射させることにより、ワークW2の表面を均一に冷却することができる。
また、噴射口106a,106bは貯留された冷却剤105に浸かった位置に配設されている。このような位置に噴射口106a,106bを配設することにより、冷却剤105を供給する際の気泡の巻き込みを防止することができる。
なお、噴射部106の流路には、流量調整弁及び圧力調整弁(ともに図示せず)が設けられている。これにより、冷却剤の供給条件を調製することができる。
熱処理装置100では、噴射部106から噴射された冷却剤105が処理槽101内に貯留され、余剰の冷却剤105は、排出口108から処理槽101の外部に排出される。
なお、必要に応じて、排出された冷却剤105を噴射部106を介して再供給するための流路(図示せず)が構成されていてもよい。
動力伝達部107は、保持部102に動力伝達可能に連結されている。これにより、保持部102は、動力伝達部107から伝達される動力により軸心回りに回転することができ、これに伴って保持部102に保持されたワークW2を当該ワークW2の軸心まわりに回転させることができる。したがって、熱処理装置100によれば、ワークW2の誘導加熱を均一に行なうことができる。
その他、熱処理装置100は、図示していないものの、誘導加熱に必要な電源、整合器、冷却剤の温度を制御するための温調部材等、必要な部材を備えている。
(第2実施形態に係る熱処理装置)
図6は、本発明の実施形態に係る熱処理装置の別の一例を示し、(a)は要部断面図であり、(b)は平面図である。
図6に示す熱処理装置200は、環状のワークW2を内部にセットし、当該ワークW2に熱処理を施す処理槽201と、ワークW2を処理槽201内で保持する保持部としての固定治具202と、ワークW2の内周側からワークW2を誘導加熱する第1の誘導加熱コイル203と、ワークW2の外周側からワークW2を包囲して誘導加熱する第2の誘導加熱コイル204と、処理槽201内に貯留され、ワークW2の表面を冷却する冷却媒体としての冷却剤205と、ワークW2に冷却剤205を噴射する噴射部206とを備えている。
処理槽201は、冷却剤205を貯留することが可能な有底円環状の容器であり、円筒状のインナーケース201Aと円筒状のアウターケース201Bとからなる。アウターケース201Bの底部には、アウターケース201B内に、底部を浮かせた状態でインナーケース201Aを支持するための複数の支持部材209が周方向に沿って所定間隔毎に設置されている。
処理槽201を構成するインナーケース201A及びアウターケース201Bは、電気絶縁性のセラミックスまたは電気絶縁性の合成樹脂からなる。このように、熱処理装置200は、電気絶縁性のセラミックスまたは電気絶縁性の合成樹脂からなる容器を処理槽201として有するため、熱処理装置200自体の加熱を抑制することができる。
容器の大きさは、熱処理装置200の用途、ワークW2の大きさ等によって適宜設定することができる。
処理槽201内には、液状の冷却剤205が貯留されている。また、処理槽201の底部には、余剰の冷却剤205を処理槽201の外部に排出するための排出口208が設けられている。
処理槽201の内部には、処理槽201内に貯留された冷却剤205中に浸漬するようにワークW2がセットされる。
熱処理装置200は、ワークW2を処理槽201内で保持する保持部として、固定治具202を備える。
固定治具202は、ワークW2を所定の高さで保持するための下側固定治具202Aと、ワークW2の上方向への移動を抑制するための上側固定治具202Bとからなる。
下側固定治具202Aは、ワークW2を保持するため円環状に底部212aと、底部212aの外周部に設けられた壁部212bとを含み、ボルト213でアウターケース201Bに固定されている。
また、底部212aには、ワークW2の下面を点接触で受け止める支持部(第1支持部)221cが設けられ、壁部212bの内周面には、ワークW2の水平方向への移動を抑制する支持部(第2支持部)221bが設けられている。ここで、ワークW2と支持部221bとは、接触していても良いし、両者の間に最大0.5mm程度の隙間が形成されていてもよい。この理由は既に説明した通りである。
従って、下側固定治具202Aは、ワークW2を点接触で保持しつつ、ワークW2の水平方向への移動を抑制する。
また、支持部221b,221cはいずれも球状体である。そのため、支持部221b,221cがワークW2と接触する際には、支持部とワークとの接触は点接触となる。これにより、ワークW2から支持部221b、221cへの熱伝導が抑制され、ワークの温度が不均一になることを防止することができるとともに、冷却剤205によるワークW2の冷却が支持部221b、221cによって阻害され難いので、冷却不足によるワークW2の過熱を防止することができる。
支持部221b,221cの個数は、それぞれ平面視円周方向に3個以上であればよく、通常、3〜6個程度であり、等間隔に3個設けられていることが好ましい。
一方、上側固定治具202Bは所定の間隔で配置された複数個の柱状の部材であり、その下面には、ワークW2を上方向への移動を抑制する支持部(第3支持部)221aが設けられている。ここで、ワークW2と支持部221aとは、接触していても良いし、両者の間に最大1mm程度の隙間が形成されていてもよい。この理由は既に説明した通りである。従って、上側固定治具202Bは、ワークW2の上方向への移動を抑制する。また、上側固定治具202Bは、離間して配置された複数個の柱状部材からなり、柱状部材同士の間には隙間が存在するため、上方から冷却剤205を注入した際に水流を阻害し難く、冷却剤205の撹拌が阻害されにくい。
支持部221aもまた球状体である。そのため、ワークとの接触が点接触となり、支持部221b,221cが球状体であることと同様の作用効果を奏する。支持部221aの個数は、平面視円周方向に3個以上であればよく、通常、3〜6個程度であり、等間隔に3個設けられていることが好ましい。
なお、上側固定治具202Bは所定の高さに位置するように、後述する蓋部211と一体化されている。
下側固定治具202A及び上側固定治具202B(支持部221a〜221cを含む)は、電気絶縁性のセラミックスまたは電気絶縁性の合成樹脂からなる。熱処理装置200では、固定治具202が電気絶縁性のセラミックスまたは電気絶縁性の合成樹脂からなるため、固定治具202自体の加熱及びワークW2の表面温度のバラつきを抑制することができる。
第1の誘導加熱コイル203はインナーケース201Aの内側に、第2の誘導加熱コイル204はアウターケース201Bの外側に、それぞれ設置されている。
第1の誘導加熱コイル203は、インナーケース201Aの内径よりも小さい外径を有する螺旋状のものであり、一方、第2の誘導加熱コイル204は、アウターケース201Bの外径よりも大きい内径を有する螺旋状のものである。これら第1及び第2の誘導加熱コイル203,204は、高周波電流が供給されることにより、ワークW2の内周側及び外周側の双方からワークW2を所望の温度に誘導加熱することができる。
なお、第1及び第2の誘導加熱コイル203,204は、処理槽201内に設置されていてもよい。
処理槽201の上部には、周方向に沿って、等間隔で複数箇所に、冷却剤205を処理槽201内に注入するための噴射部206が取り付けられている。噴射部206は、その先端に冷却剤205を噴射する噴射ノズル206aを有している。
熱処理装置200では、噴射ノズル206aから処理槽201内(アウターケース201Bの内周面とインナーケース201Aの外周面との間)に冷却剤205を噴射することにより、ワークW2の表面を冷却することができる。また、噴射ノズル206aから冷却剤205を噴射することにより、貯留されている冷却剤205の温度を全体に均一にすることができる。これは、アウターケース201Bとインナーケース201Aとの間に冷却剤205が貯留されるため、処理槽201内に貯留される冷却剤の全容量が少なく、噴射ノズル206aから噴射された冷却剤205の流れにより処理槽201内に貯留されている液状の冷却剤205が確実に撹拌されるからである。そのため、熱処理装置200では、ワークW2を回転させなくても、ワークの表面を均一に冷却することができる。
また、噴射部206には、流量調整弁及び圧力調整弁(ともに図示せず)が設けられている。これにより、冷却剤の供給条件を調整することができる。
ここで、貯留されている冷却剤205を均一に撹拌するための噴射ノズル206aからの冷却剤の供給条件は、処理槽201の容積にもよるが、概ね、噴射量が8〜80リットル/分程度である。
また、噴射部206は、噴射ノズル206aが貯留された冷却剤205の上面より低い位置に位置するように(噴射ノズル206aが冷却剤205内に浸漬するように)取り付けられている。このような位置に噴射部206を取り付けることにより、噴射ノズル206aからの冷却剤205の噴射に伴って、処理槽201に貯留されている冷却剤205はより均一に撹拌されやすくなる。また、冷却剤を供給する際の気流の巻き込み防止することができる。
処理槽201の上部には、円環状で、噴射部206の取り付け箇所に対応する位置に貫通孔211aが形成された蓋部211が配設されている。
このような蓋部211を配設することにより、冷却剤205が撹拌された際に、処理槽201の上部から溢れることを防止することができる。
また、蓋部211、噴射部206及び上側固定治具202Bは一体化されていてもよい。この場合、ワークのセットや、処理後のワークの取り出しなどの作業が行いやすくなる。
熱処理装置200では、噴射部206から噴射された冷却剤205が処理槽201内に貯留され、余剰の冷却剤205は、排出口208から処理槽201の外部に排出される。
なお、必要に応じて、排出された冷却剤205を噴射部206を介して再供給するための流路(図示せず)が構成されていてもよい。
また、熱処理装置200では、冷却剤205として、第1実施形態に係る熱処理装置100で使用する冷却剤205と同様の冷却剤を用いることができる。
その他、熱処理装置200は、図示していないものの、誘導加熱に必要な電源、整合器、冷却剤の温度を制御するための温調部材等、必要な部材を備えている。
第2実施形態に係る熱処理装置200は、ワークW2に熱処理を施す際に、ワークW2を回転させない点で、第1実施形態に係る熱処理装置100とは相違する。
そのため、熱処理装置200は、ワークを回転させるための機構を備える必要がなく、熱処理装置の全体構成を簡略化することができる。その上で、熱処理装置200では、熱処理装置100と同様、加熱時にワークW2の表面を均一に冷却することができる。
(その他の実施形態に係る熱処理装置)
第1及び第2の実施形態に係る熱処理装置100,200では、ワークW2に内側(熱処理装置200では、更にインナーケース201Aの内側)に誘導加熱コイル103,203が設置されていたが、本発明に係る熱処理装置では、この誘導加熱コイル103,203の代わりに、ケイ素鋼からなるセンターコア(図示せず)を設けてもよい。この場合、コイル103,203を用いた場合と同様に、ワークW2の表面全体を加熱することができるため、コイル103,203を用いた場合と同様の効果を得ることができる。
次に、実施例等により、本発明の熱処理装置及び熱処理方法の作用効果を検証する。
(実施例1)
SUJ2からなる鋼材から環状素材を製造し、得られた環状素材に切削加工を施して、所定形状に加工して、外輪用のワーク(外径:62mm、肉厚:3mm)を得た。次に、得られたワークに、表1及び図7に示した熱処理条件による焼入れ処理及び焼もどし処理を施した後、研磨仕上げを施し、軸受(型番6206)用の外輪の試験片を得た。
ここで、焼入れ処理は、雰囲気熱処理炉を用いて行い、焼もどし処理は、図6に示した熱処理装置200を用いて行った。
図7は、実施例1における熱処理条件を示す線図であり、実施例1では、ワークを、830℃で0.5時間加熱して全体焼入れを行なった後、80℃に油冷し、その後、ワークを図6に示した熱処理装置200内にセットし、当該ワークの表面を冷却しながら当該ワークの表面温度が275℃、内部温度が365℃となるように周波数480Hz及び出力47kWで5秒間誘導加熱して焼もどしを行った。
(実施例2〜9)
焼もどし条件を、表1及び図8〜15に示した条件に変更した以外は、実施例1と同様にして、外輪の試験片を得た。
図8は、実施例2における熱処理条件を示す線図であり、実施例2では、実施例1と同様にして焼入れ処理を行った後、ワークを熱処理装置200内にセットし、当該ワークの表面を冷却しながら当該ワークの表面温度が265℃、内部温度が325℃となるように周波数430Hz及び出力35kWで5秒間誘導加熱して焼もどしを行った。
図9は、実施例3における熱処理条件を示す線図であり、実施例3では、実施例1と同様にして焼入れ処理を行った後、ワークを熱処理装置200内にセットし、当該ワークの表面を冷却しながら当該ワークの表面温度が270℃、内部温度が420℃となるように周波数480Hz及び出力54kWで5秒間誘導加熱して焼もどしを行った。
図10は、実施例4における熱処理条件を示す線図であり、実施例4では、実施例1と同様にして焼入れ処理を行った後、ワークを熱処理装置200内にセットし、当該ワークの表面を冷却しながら当該ワークの表面温度が290℃、内部温度が335℃となるように周波数380Hz及び出力43kWで3秒間誘導加熱して焼もどしを行った。
図11は、実施例5における熱処理条件を示す線図であり、実施例5では、実施例1と同様にして焼入れ処理を行った後、ワークを熱処理装置200内にセットし、当該ワークの表面を冷却しながら当該ワークの表面温度が286℃、内部温度が328℃となるように周波数480Hz及び出力40kWで3秒間誘導加熱して焼もどしを行った。
図12は、実施例6における熱処理条件を示す線図であり、実施例6では、実施例1と同様にして焼入れ処理を行った後、ワークを熱処理装置200内にセットし、当該ワークの表面を冷却しながら当該ワークの表面温度が260℃、内部温度が450℃となるように周波数430Hz及び出力58kWで5秒間誘導加熱して焼もどしを行った。
図13は、実施例7における熱処理条件を示す線図であり、実施例7では、実施例1と同様にして焼入れ処理を行った後、ワークを熱処理装置200内にセットし、当該ワークの表面を冷却しながら当該ワークの表面温度が270℃、内部温度が575℃となるように周波数430Hz及び出力72kWで5秒間誘導加熱して焼もどしを行った。
図14は、実施例8における熱処理条件を示す線図であり、実施例8では、実施例1と同様にして焼入れ処理を行った後、ワークを熱処理装置200内にセットし、当該ワークの表面を冷却しながら当該ワークの表面温度が260℃、内部温度が715℃となるように周波数380Hz及び出力95kWで5秒間誘導加熱して焼もどしを行った。
図15は、実施例9における熱処理条件を示す線図であり、実施例9では、実施例1と同様にして焼入れ処理を行った後、ワークを熱処理装置200内にセットし、当該ワークの表面を冷却しながら当該ワークの表面温度が265℃、内部温度が535℃となるように周波数430Hz及び出力68kWで5秒間誘導加熱して焼もどしを行った。
(比較例1、3)
焼もどし処理を焼もどし炉を用いて行い、その条件を表1及び図16、18に示した条件とした以外は、実施例1と同様にして、外輪の試験片を得た。
図16は、比較例1における熱処理条件を示す線図であり、比較例1では、ワークを、830℃で0.5時間加熱して全体焼入れを行なった後、80℃に油冷し、その後、ワークを180℃(表面温度及び内部温度ともに180℃)で1.5時間加熱して焼もどしを行った。
図18は、比較例3における熱処理条件を示す線図であり、比較例3では、ワークを、830℃で0.5時間加熱して全体焼入れを行なった後、80℃に油冷し、その後、ワークを250℃(表面温度及び内部温度ともに250℃)で1.5時間加熱して焼もどしを行った。
(比較例2,4)
焼もどし条件を、表1及び図17、19に示した条件に変更した以外は、実施例1と同様にして、外輪の試験片を得た。
図17は、比較例2における熱処理条件を示す線図であり、比較例2では、実施例1と同様にして焼入れ処理を行った後、ワークを熱処理装置200内にセットし、当該ワークの表面を冷却しながら当該ワークの表面温度が220℃、内部温度が600℃となるように周波数605Hz及び出力83kWで40秒間誘導加熱して焼もどしを行った。
図19は、比較例4における熱処理条件を示す線図であり、比較例4では、実施例1と同様にして焼入れ処理を行った後、ワークを熱処理装置200内にセットし、当該ワークの表面を冷却しながら当該ワークの表面温度が255℃、内部温度が285℃となるように周波数430Hz及び出力29kWで5秒間誘導加熱して焼もどしを行った。
(比較例5)
焼入れ処理を下記の方法で行った以外は、比較例1と同様にして、外輪の試験片を得た。
即ち、雰囲気熱処理炉、焼もどし炉、高周波焼入れ機を用いて、表1及び図20の条件で調質及び高周波焼入れを行った。
図20は、比較例5における熱処理条件を示す線図であり、比較例5では、まず、ワークに、830℃で0.5時間の焼入れ、及び、600℃で1.5時間の焼もどしからなる調質を行った。その後、温度が950℃となるように0.32秒間の高周波焼入れ(200kHz、250kW)を行い、その後、比較例1と同様の条件で焼もどしを行った。
本比較例5では、外輪の外輪軌道部、肩面及び外周面の表層部に高硬度領域が形成されることとなる。
(比較例6)
SAE5120からなる鋼材から環状素材を製造し、得られた環状素材に切削加工を施して、所定形状に加工して、外輪用のワーク(外径:62mm、肉厚:5mm)を得た。次に、得られたワークをカーボンポテンシャル1.1の雰囲気中で表1及び図21に示した熱処理条件による焼入れ処理を行い、その後、表1及び図21に示した熱処理条件による焼もどし処理を施した後、研磨仕上げを施し、軸受(型番6206)用の外輪の試験片を得た。
ここで、焼入れ処理は、雰囲気熱処理炉を用いて浸炭焼入れを行い、焼もどし処理は、比較例1と同様にして行った。
図21は、比較例6における熱処理条件を示す線図であり、比較例6では、ワークを、930℃で5時間加熱して浸炭焼入れを行なった後、80℃に油冷し、その後、比較例1と同様の条件で焼もどしを行った。
(試験片の評価)
ビッカース硬さ試験機を用いて実施例1〜9及び比較例1〜6の外輪の試験片における断面の硬さの分布を求めた。この分布に基づき、高硬度表面層の深さ(図2におけるd1〜d4)を算出した。また、この断面の硬さの分布の測定において、実施例の試験片では、表面部の断面のビッカース硬さが、最表面から内層部に向って徐々に低硬度となっていることが明らかとなった。
また、実施例1〜9及び比較例1〜6の外輪の試験片の表面部の硬さ(高硬度表面層の最表面の硬さ)、内層部の硬さ、最大せん断応力深さ、圧縮残留応力、転がり寿命、圧壊強度、シャルピー衝撃値及び製造コストを調べた。さらに、実施例1〜9及び比較例1〜6の外輪の試験片の表面部及び内層部それぞれの組織を光学顕微鏡にて観察した。
なお、表面部の硬さは、各外輪の試験片の表面にビッカース圧子をあてて測定した。
内層部の硬さは、各外輪の試験片の断面において、軌道部の底部から深さ方向に1.5mmの位置にビッカース圧子をあてて測定した。
最大せん断応力深さは、ヘルツ接触理論により算出した。
圧縮残留応力は、残留応力測定装置によって、X線回折法を行なうことによって測定した。
転がり寿命は、ラジアル型転動疲労寿命試験を行なうことによって測定した。
圧壊強度は、外輪の試験片の周方向の第1の箇所と、上記周方向の第1の箇所とは180℃周方向に移動した箇所である第2の箇所とを、アムスラー試験機で径方向に挟み、第1の箇所と第2の箇所とを結ぶ試験片の軸線と垂直な方向に沿って、第1の箇所と第2の箇所とが0.5mm/minの速度で近接するよう移動させることで試験片を変形させ、破壊させ、破壊した時のラジアル荷重を評価することによって測定した。
シャルピー衝撃値は、JIS K7111−1にしたがって測定した。
これらの結果を表2に示す。なお、転がり寿命、圧壊強度及びシャルピー衝撃値についは、比較例1の測定値に対する相対値として算出した。また、表中、コストにおける丸印は、比較例1の外輪の評価数値の0.8倍以下の数値であることを意味する。
表2に示した結果から、焼き戻し時間20秒以下でワークの表面温度を内部温度よりも40℃以上低い温度となるようにワークの表面を冷却しながら焼もどしを行なうことによって得られた試験片(実施例1〜9)は、従来の手法で作製した試験片(比較例1)と比べて、圧壊強度、シャルピー衝撃値、圧縮残留応力及び製造コストのいずれもが優れ、しかも転がり寿命が同等以上であることがわかる。
このことから、本発明に係る熱処理装置及び熱処理方法を用いることにより、耐衝撃性に優れ、高い圧壊強度を有する環状部材を、少ない工数で、かつ低エネルギー消費量で提供することができることが明らかとなった。
1:玉軸受、10:外輪、11a:外輪軌道部、12:表層部、13:内層部、20:内輪、21a:内輪軌道部、30:玉、30a:転動面、40保持器、100,200:熱処理装置、101,201:処理槽、102,202:保持部、103,203:第1の誘導加熱コイル、104,204:第2の誘導加熱コイル、105,205:冷却剤(冷却媒体)、106,206:噴射部、107:動力伝達部、W2:ワーク(素形材)

Claims (6)

  1. 高炭素クロム軸受鋼製のワークに対して熱処理を施す熱処理方法であって、
    (A)前記ワークに焼入れ処理を施す工程、及び
    (B)焼入れ処理後のワークに焼もどし処理を施す工程
    を含み、
    前記工程(B)では、焼もどし時間20秒以下で、表面温度が内部温度よりも40℃以上低い温度となるように、
    鋼材からなる環状のワークを誘導加熱して熱処理する熱処理装置であって、
    ワークを内部にセットし、当該ワークに熱処理を施す処理槽と、
    前記ワークを所定の位置に保持する保持部と、
    前記ワークを包囲して誘導加熱する誘導加熱コイルと、
    前記ワークの誘導加熱中に当該ワークの表面全体を冷却する冷却媒体と
    を備える熱処理装置、を用いて
    前記焼入れ処理後のワークを誘導加熱することを特徴とする熱処理方法。
  2. 前記保持部は、前記ワークの下面を点接触で受け止める第1支持部、前記ワークの水平方向への移動を抑制する第2支持部、及び、上方向への移動を抑制する第3支持部を有する請求項に記載の熱処理方法。
  3. 前記処理槽内に前記冷却媒体が貯留されている請求項1又は2に記載の熱処理方法。
  4. 前記処理槽内に冷却媒体を噴射する噴射部をさらに備え、
    前記噴射部から噴射された冷却媒体により、前記処理槽内に貯留された冷却媒体を撹拌する請求項に記載の熱処理方法。
  5. 前記処理槽は、円筒状のアウターケースと、前記アウターケースの内側に配設された円筒状のインナーケースとを有し、
    前記アウターケースの内周面と前記インナーケースの外周面との間に、前記噴射部から冷却媒体を噴射する請求項に記載の熱処理方法。
  6. 前記ワークを当該ワークの軸心まわりに回転させる動力を前記保持部に伝達する動力伝達部をさらに備える請求項1〜5のいずれかに記載の熱処理方法。
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