図1は、画像投写システム1、及び、画像投写システム1の端末装置10(画像供給装置)の構成を示す図である。
画像投写システム1は、端末装置10と、プロジェクター100(表示装置)とを備える。
端末装置10は、例えば、スマートフォン等の携帯電話や、タブレット端末、PDA(Personal Digital Assistants)等の装置である。端末装置10は、各種画像を表示する表示部90(図3)を備える。端末装置10は、表示部90が表示する画像を示す画像データをプロジェクター100に送信する。
プロジェクター100は、投写対象に画像光を投写して、投写対象の面に画像データに基づく画像を形成する。プロジェクター100が画像を投写する投写対象は、平面であっても曲面や凹凸面であってもよいが、本実施形態では、平面で構成されるスクリーンSC(図3)に投写する場合を例示する。スクリーンSCは、壁面等の固定された平面を利用してもよいし、吊り下げ式や立ち上げ式の幕状のスクリーンであってもよい。プロジェクター100は、画像光を投写する投写開口部114が設けられる。投写開口部114は、プロジェクター100に内蔵される投写光学系113(図3)が光を放射する開口部である。
本実施形態において、プロジェクター100と端末装置10とは、無線通信方式によって各種データを送受信可能に接続される。この無線通信方式には、例えば、無線LAN(Local Area Network)、Bluetooth(登録商標)、UWB(Ultra Wide Band)、赤外線通信等の近距離無線通信方式や、携帯電話回線を利用した無線通信方式を採用できる。
端末装置10、及び、プロジェクター100により構成される画像投写システム1は、端末装置10の表示部90が表示する画像を示す画像データを端末装置10がプロジェクター100に送信し、受信した画像データに基づく画像をプロジェクター100が投写する。つまり、画像投写システム1において、プロジェクター100がスクリーンSCに投写する画像は、端末装置10の表示部90が表示する画像と同じ画像である。
図1に示すように、端末装置10は、プロセッサー20を備える。プロセッサー20には、不揮発性記憶部30、メモリー40、端末画像処理部50、タッチスクリーン70、及び、スイッチ部80が接続する。プロセッサー20は、これらの各部とデータを送受信することにより、端末装置10の各部を制御する。
不揮発性記憶部30は、フラッシュメモリーや、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)等により構成され、プロセッサー20が実行するプログラムや、プロセッサー20がプログラムを実行して処理する各種データを記憶する。
メモリー40は、プロセッサー20がプログラムを実行する場合に、実行されるプログラム、及び、処理されるデータを一時的に記憶するワークエリアを構成する。
端末画像処理部50は、表示部90の表示パネル90aに表示する画像を示す画像データを、後述するビデオメモリー301(図2)に展開する。また、端末画像処理部50は、ビデオメモリー301に展開した画像データに対して、解像度変換処理や、画像の色合いや明るさの調整等の処理を行う。
端末装置10は、表示部90を備える。表示部90は、液晶ディスプレイやEL(Electro Luminescent)ディスプレイ等のパネルにより構成される表示パネル90aを備える。表示部90は、端末画像処理部50によりビデオメモリー301に展開され処理された画像データに基づく画像を表示パネル90aに表示させる。
端末装置10は、タッチスクリーン70と、スイッチ部80とを備える。タッチスクリーン70は、表示パネル90aへの接触操作を検出して、検出した操作位置を示す位置信号をプロセッサー20に出力する。プロセッサー20は、タッチスクリーン70から入力される位置信号に基づいて、タッチスクリーン70上の座標を示す座標情報を生成する。スイッチ部80は、タッチスクリーン70とは別に設けられたスイッチ等の各操作子を備え、これらのスイッチが操作された場合に操作信号をプロセッサー20に出力する。プロセッサー20は、スイッチ部80から入力された操作信号に基づいて、操作された操作子に対応する操作情報を生成する。
端末装置10は、端末通信部60(送信部)を備える。端末通信部60は、アンテナやRF回路等を備え、プロセッサー20に接続される。端末通信部60は、プロセッサー20によって制御され、プロジェクター100との間で上述した無線通信方式に従って各種データを送受信する。
図2は、端末装置10の制御系を構成する端末制御部200(制御部)、及び端末記憶部300の機能ブロック図である。
図2に示す端末記憶部300は、不揮発性記憶部30、及び、メモリー40により構成される論理的な記憶部である。端末制御部200、及び、端末制御部200が有する各機能部は、プロセッサー20がプログラムを実行することによって、ソフトウェアとハードウェアとの協働により形成される。端末制御部200、及び、端末制御部200が有する各機能部は、例えば、プロセッサー20、メモリー40、及び、不揮発性記憶部30により構成される。
端末記憶部300は、ビデオメモリー301と、バーチャルディスプレイ302(メモリー)と、専用プログラム303(プログラム)とを備える。
ビデオメモリー301は、RAM等により構成され、表示パネル90aに表示する画像の画像データが、端末画像処理部50により展開され画像処理される一時記憶領域である。以下の説明において端末画像処理部50により処理された画像データとは、ビデオメモリー301に展開されて画像処理された画像データである。ビデオメモリー301上において端末画像処理部50により処理された画像データは、端末記憶部300等に記憶される。
バーチャルディスプレイ302は、ビデオメモリー301と同様にRAM等により構成され、画像データが展開される一時記憶領域である。バーチャルディスプレイ302には、画像データ生成部204が生成する比較結果画像データが展開される。比較結果画像データについては、後述する。バーチャルディスプレイ302に展開された比較結果画像データは、プロジェクター100に送信される。
専用プログラム303は、端末制御部200が、ソフトウェアとハードウェアとの協働により、表示制御部201、通信制御部202(送信制御部)、操作検出部203、画像データ生成部204、及び、判定部205として機能するためのプログラムである。専用プログラム303は、予めインストールされる。
端末制御部200は、表示制御部201と、通信制御部202と、操作検出部203と、画像データ生成部204と、判定部205とを備える。
表示制御部201は、表示部90を制御して、表示パネル90aに各種画像を表示させる。表示制御部201は、不揮発性記憶部30等から読み出した画像データ、又は、端末通信部60を介して受信した画像データを端末画像処理部50に出力する。端末画像処理部50は、入力された画像データに対して処理を行う。すなわち、端末画像処理部50は、ビデオメモリー301に画像データを展開し画像処理を行う。端末画像処理部50により処理された画像データは、表示部90に出力される。表示部90は、入力された画像データに基づいて、表示パネル90aに画像を表示する。
通信制御部202は、端末通信部60を制御して、プロジェクター100と無線通信を行う。通信制御部202は、プロジェクター100との通信を開始する場合に、プロジェクター100が備える通信部175との間で接続を確立するための所定の処理を実行する。また、通信制御部202は、画像データ生成部204が生成した比較結果画像データを、プロジェクター100に送信する。
操作検出部203は、タッチスクリーン70、及び、スイッチ部80から入力される信号に基づいて情報を生成する。すなわち、操作検出部203は、タッチスクリーン70から入力される位置信号に基づいて、タッチスクリーン70上の座標を示す座標情報を生成する。また、操作検出部203は、スイッチ部80から入力された操作信号に基づいて、操作された操作子に対応する操作情報を生成する。
画像データ生成部204は、比較結果画像データを生成する。画像データ生成部204は、ビデオメモリー301が更新された場合に、比較結果画像データを生成する。ビデオメモリー301の更新とは、ビデオメモリー301上において既に端末画像処理部50により処理された画像データが、ビデオメモリー301上から消去され、消去された画像データに基づく画像の次の画像を示す画像データが、ビデオメモリー301上において端末画像処理部50により処理されたことを示す。以下の説明において、ビデオメモリー301の更新により新たにビデオメモリー301上において端末画像処理部50により処理された画像データを更新後画像データ(第2の画像データ)と表現する。また、更新後画像データの前にビデオメモリー301上において端末画像処理部50により処理された画像データを更新前画像データ(第1の画像データ)と表現する。比較結果画像データとは、更新前画像データと更新後画像データとを比較した結果を表す画像データである。当該比較は、画像データが含む画素のRGB値に基づき、行われる。本実施形態では、比較結果画像データの種類は、黒色画像データと、更新後画像データとの2種類である。黒色画像データは、全ての画素が黒色を示す画素である画像データであり、更新前画像データと更新後画像データとが同一の画像データである場合に画像データ生成部204によって生成される画像データである。
画像データ生成部204は、更新前画像データと更新後画像データとについて対応する画素のRGB値を比較する。具体的には、画像データ生成部204は、更新前画像データと更新後画像データとについて対応する画素のRGB値の差を算出する。そして、画像データ生成部204は、全ての画素について、算出したRGB値の差が、予め設定された条件を満たす場合に、比較結果画像データとして黒色画像データを生成する。予め設定された条件とは、例えば、全ての画素について、算出したRGB値の差がゼロであることである。一方、画像データ生成部204は、RGB値の差がゼロにならない1以上の画素がある場合、比較結果画像データとして更新後画像データを生成する。画像データ生成部204は、生成した比較結果画像データを、バーチャルディスプレイ302に展開する。
判定部205は、バーチャルディスプレイ302に展開された比較結果画像データの種類を判定する。判定部205の判定については、後述する。
次に、プロジェクター100の構成について、説明する。
図3は、プロジェクター100の構成を示す図である。
プロジェクター100は、画像入力部151を備える。画像入力部151は、ケーブルを接続するコネクター及びインターフェース回路(いずれも図示略)を備え、ケーブルを介して接続された装置から供給される画像データが入力される。
プロジェクター100は、光学的な画像の形成を行い、スクリーンSCに画像を投写する投写部110を備える。投写部110は、光源部111、光変調装置112、及び、投写光学系113を備える。
光源部111は、ランプや、LED(Light Emitting Diode)、レーザー光源等の光源を備える。
光源部111は、光源駆動部121により駆動される。光源駆動部121は、内部バス180に接続される。光源駆動部121は、制御部160の制御に従って、光源部111に駆動電力を供給し、光源部111の光源を点灯及び消灯させる。なお、光源部111の光源の輝度は、光源駆動部121が供給する駆動電力によって調整可能に構成されてもよい。
光変調装置112は、例えば、RGBの三原色に対応した3枚の液晶パネルを備える。光源部111が発する光はRGBの3色の色光に分離され、対応する液晶パネルに入射される。3枚の液晶パネルは、透過型の液晶パネルであり、透過する光を変調して画像光を生成する。各液晶パネルを通過して変調された画像光は、クロスダイクロイックプリズム等の合成光学系によって合成され、投写光学系113に射出される。
光変調装置112には、光変調装置112の液晶パネルを駆動する光変調装置駆動部122が接続される。光変調装置駆動部122は、内部バス180に接続される。光変調装置駆動部122は、画像処理部152から入力される画像データに基づいてR、G、Bの画像信号のそれぞれを生成する。光変調装置駆動部122は、生成したR、G、Bの画像信号に基づいて、光変調装置112の対応する液晶パネルを駆動し、各液晶パネルに画像を描画する。
投写光学系113は、光変調装置112により変調された画像光をスクリーンSC方向へ投写して、スクリーンSC上に結像させるレンズ群を備える。投写光学系113は、例えば、投写開口部114(図1)に嵌め込まれるレンズを含む。
プロジェクター100は、操作パネル131、及び、処理部133を備える。処理部133は、内部バス180に接続される。操作パネル131は、ユーザーが操作を行うための各種スイッチ、及び、インジケーターランプを備える。操作パネル131は、処理部133に接続する。処理部133は、制御部160の制御に従って、プロジェクター100の動作状態や設定状態に応じて操作パネル131のインジケーターランプを適時点灯或いは点滅させる。操作パネル131のスイッチが操作されると、操作されたスイッチに対応する操作信号が処理部133から制御部160に出力される。
また、プロジェクター100は、ユーザーが使用するリモコン(不図示)から送信される赤外線信号を受光するリモコン受光部132を備える。リモコン受光部132は、処理部133に接続される。リモコン受光部132は、リモコンから送信される赤外線信号を受光する。処理部133は、リモコン受光部132が受光した赤外線信号をデコードして、リモコンにおける操作内容を示すデータを生成し、制御部160に出力する。
プロジェクター100は、通信部175を備える。通信部175は、図示せぬアンテナやRF(Radio Frequency)回路等を備え、制御部160の制御に従って、端末装置10との間で無線通信規格に従って無線通信する。本実施形態では、通信部175は、端末装置10から送信された画像データを受信する。
プロジェクター100は、画像処理系を備える。画像処理系は、プロジェクター100の全体を統括的に制御する制御部160を中心に構成され、この他に、画像処理部152、フレームメモリー155、及び、記憶部170を備える。制御部160、画像処理部152、及び、記憶部170は、内部バス180に接続される。
画像処理部152は、制御部160の制御に従って、通信部175が受信した画像データ、又は、画像入力部151から入力される画像データをフレームメモリー155に展開する。画像処理部152は、フレームメモリー155に展開された画像データに対して、解像度変換(スケーリング)処理又はリサイズ処理、歪曲収差の補正、形状補正処理、デジタルズーム処理、画像の色合いや明るさの調整等の処理を行う。画像処理部152は、制御部160により指定された処理を実行し、必要に応じて、制御部160から入力されるパラメーターを使用して処理を行う。また、画像処理部152は、上記のうち複数の処理を組み合わせて実行することも勿論可能である。画像処理部152は、処理後の画像データをフレームメモリー155から読み出して光変調装置駆動部122に出力する。
制御部160は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、及び、RAM(Random Access Memory)(いずれも図示略)等のハードウェアを備える。ROMは、フラッシュROM等の半導体記憶素子で構成される不揮発性の記憶装置であり、CPUが実行する制御プログラムや各種データを格納する。RAMは、CPUのワークエリアを構成する。CPUは、ROMや記憶部170から読み出した制御プログラムをRAMに展開し、RAMに展開された制御プログラムを実行してプロジェクター100の各部を制御する。
記憶部170は、不揮発性の記憶装置であり、例えば、フラッシュメモリー、EPROM(Erasable Programmable Rread Only Memory)、EEPROM、HDD(Hard Disc Drive)などの記憶装置により実現される。記憶部170は、例えば、投写部110によりスクリーンSCに投写させる画像データを記憶する。
前述したように、画像データ生成部204は、更新前画像データと更新後画像データとを比較する。そして、画像データ生成部204は、更新前画像データと更新後画像データとが同一の画像データである場合、黒色画像データを比較結果画像データとして生成し、同一でない場合、更新後画像データを比較結果画像データとして生成する。そして、画像データ生成部204は、生成した比較結果画像データをバーチャルディスプレイ302に展開する。バーチャルディスプレイ302に展開される比較結果画像データは、プロジェクター100に送信される画像データの候補となる。ここで、黒色画像データをプロジェクター100に送信すると、プロジェクター100は、スクリーンSCに全面黒色の画像を投写することになる。つまり、端末装置10の表示パネル90aが表示する画像に変化がない場合、プロジェクター100は、全面黒色の画像をスクリーンSCに投写することになる。そこで、端末装置10は、バーチャルディスプレイ302に展開される比較結果画像データが黒色画像データであるか否かを、比較結果画像データの画素について判定する。判定の結果、比較結果画像データが黒色画像データである場合、黒色画像データをプロジェクター100に送信しないことが望ましい。これは、端末装置10が表示する画像とプロジェクター100が投写する画像とを同一の画像にするためである。なお、画像データ生成部204は、更新前画像データと更新後画像データとが同一の画像データである場合に、黒以外の所定色の比較結果画像データを生成する構成であってもよい。この場合、端末装置10は、比較結果画像データが当該所定色のデータであるか否かを判定する。
ここで、バーチャルディスプレイ302に展開された比較結果画像データが黒色画像データであるか否かを判定する際、判定を正確に行うため当該比較結果画像データの全ての画素について判定を行うと、判定の処理速度が低下する。
そこで、本実施形態の端末装置10は、以下の動作を実行する。
図4は、端末装置10の動作を示すフローチャートである。
端末装置10の表示制御部201は、ビデオメモリー301が、更新されたか否かを判別する(ステップSA1)。
次いで、ビデオメモリー301が更新されたと判別した場合(ステップSA1:YES)、端末装置10の画像データ生成部204は、更新前画像データと更新後画像データとを比較し、比較結果画像データを生成する(ステップSA2)。前述した通り、画像データ生成部204は、更新前画像データと更新後画像データとの比較に際し、更新前画像データが含む画素と更新後画像データが含む画素とのRGB値の差を算出する。RGB値の差の算出において、画像データ生成部204は、対応する位置の画素について算出を行う。対応する位置の画素とは、画素が画像データにおいて座標を有する場合、同じ座標に位置する更新前画像データの画素と更新後画像データの画素との画素のことである。
画像データ生成部204は、対応する位置の画素の全てのRGB値の差がゼロである場合、黒色画像データを比較結果画像データとして生成する(ステップSA2)。また、画像データ生成部204は、対応する位置の画素のうち、一つでもRGB値の差がゼロでない画素がある場合、更新後画像データを比較結果画像データとして生成する(ステップSA2)。画像データ生成部204は、生成した比較結果画像データを表示制御部201に出力する。
次いで、端末装置10の表示制御部201は、画像データ生成部204から出力された比較結果画像データをバーチャルディスプレイ302に展開する(ステップSA3)。
次いで、端末装置10の判定部205は、バーチャルディスプレイ302に展開した比較結果画像データの種類を判定する比較結果画像データ判定処理を実行する(ステップSA4)。
図5は、図4のステップSA4に示す比較結果画像データ判定処理を詳細に示すフローチャートである。
判定部205は、バーチャルディスプレイ302に展開された比較結果画像データを複数の領域に分割する(ステップSB1)。
図6は、比較結果画像データ判定処理を説明するための図である。
図6に示すように、比較結果画像データHGは、バーチャルディスプレイ302に展開される。バーチャルディスプレイ302は、所定の座標系を有する記憶領域である。そのため比較結果画像データHGをバーチャルディスプレイ302に展開することにより、比較結果画像データHGの各画素の位置は、座標系における座標によって一意に特定できる。図6において、X軸の矢印方向は、X軸のプラス方向を示す。また、X軸の矢印方向の逆方向は、X軸のマイナス方向を示す。また、図6において、Y軸の矢印方向は、Y軸のプラス方向を示す。また、Y軸の矢印方向の逆方向は、Y軸のマイナス方向を示す。
図6では、比較結果画像データHGが、縦400画素×横500画素により構成される画像データとして例示する。
例えば、判定部205は、図6に示すように、比較結果画像データHGを、縦方向(Y方向)に4分割して4行とし、横方向(X方向)に5分割して5列とする。この場合、比較結果画像データHGは、縦方向に、1行あたり100画素を含む4つの行GY1、GY2、GY3、GY4に分割される。図6において、4つの行GY1、GY2、GY3、GY4は、Y軸のプラス方向から、GY1、GY2、GY3、GY4の順に位置する。また、比較結果画像データHGは、横方向に、1列あたり100画素を含む5つの列に分割される。
このように、図6では、比較結果画像データHGが、縦100画素×横100画素で構成される20個の領域(ブロック)を有するように、分割される。なお、比較結果画像データHGの画素数、判定部205が分割する行及び列の数、分割される領域の数、各領域の画素数、及び各領域の画素数の縦横比は任意であり、ここで説明する数は一具体例に過ぎない。
図5の説明に戻り、判定部205は、比較結果画像データを複数の領域に分割すると、各領域において1の画素を特定し、特定した画素について判定を行う(ステップSB2)。ここで、画素についての判定とは、画素が黒色を示す画素であるか否かの判定を示す。黒色を示す画素であるか否かの判定とは、画素のRGB値のいずれもゼロであるか否か、すなわち(R,G,B)=(0,0,0)であるか否かの判定を示す。判定部205は、比較結果画素データの領域ごとに、予め設定された数の画素を特定して、特定した画素について判定を行う。特定する画素の数は、それぞれの領域が含む画素数より少なく、例えば、領域に含まれる画素数の10%以下とすることができる。本実施形態では、100×100画素を含む領域のうち1画素を特定する。判定部205が、判定の対象とする画素を特定する方法としては、予め設定された位置(座標)の画素を選択して特定する方法が挙げられる。この場合、選択する画素の領域における座標を示すデータが、予め端末記憶部300に記憶され、この記憶されたデータに基づき判定部205が画素を特定する。
また、判定部205は、予め端末記憶部300に記憶された条件や演算式等に基づき、選択する画素の領域における座標を算出して、算出した座標に従って画素を特定してもよい。この方法は、例えば、比較結果画像データの画素数或いは領域の画素数が変動する可能性がある場合に有用である。例えば、更新前画像データ及び更新後画像データの画素数が変動する場合、この変動に伴い比較結果画像データの画素数も変動する。また、例えば、判定部205が、比較結果画像データを複数の領域に分割する場合の領域の数を変動可能な構成であってもよい。これらの場合、判定部205が判定の対象とする画素の、領域全体に対する相対座標も変動可能であるため、領域に含まれる画素数の制約を受けることなく、判定対象の画素を特定できる。また、この場合、例えば、各領域における判定対象の画素の座標がランダムに決定されるようなアルゴリズムを利用して、判定部205が判定対象の画素を特定してもよい。
ここで、判定対象の画素の座標は、判定対象の画素を含む領域を基準とする相対座標であってもよいし、比較結果画像データ全体を基準とする座標であってもよい。本実施形態では、判定対象の画素の座標を、判定対象の画素を含む領域における座標として説明する。
図5のフローチャートのステップSB2の処理について、図6を参照して詳述する。
判定部205は、分割した4つの行のうち、行GY1が含む領域A11〜A15のそれぞれについて、各領域において最もY軸のプラス方向に位置し、最もX軸のマイナス方向に位置する画素を特定する。図6の例では、判定部205は、判定に用いる画素として、領域A11において画素G11を特定する。また、判定部205は、領域A12において画素G12を特定する。また、判定部205は、領域A13において画素G13を特定する。また、判定部205は、領域A14において画素G14を特定する。また、判定部205は、領域A15において画素G15を特定する。
また、判定部205は、分割した4つの行のうち、行GY2が含む領域A21〜領域A25のそれぞれについて、判定に用いる画素を特定する。判定部205は、領域A21〜領域A25のそれぞれについて、領域A11〜領域A15のそれぞれにおいて特定した画素の位置に対応する位置から所定の画素ずつ離れたところに位置する画素を特定する。
図6において、画素TG11は、領域A21において、領域A11における画素G11の位置に対応する位置の画素である。画素TG12は、領域A22において、領域A120における画素G12の位置に対応する位置の画素である。画素TG13は、領域A23において、領域A13における画素G13の位置に対応する位置の画素である。画素TG14は、領域A24において、領域A14における画素G14の位置に対応する位置の画素である。画素TG15は、領域A25において、領域A15における画素G15の位置に対応する位置の画素である。つまり、領域A21における画素TG11の座標は、領域A11における画素G11の座標に等しい。画素TG12、TG13、TG14、TG15についても同様である。
判定部205は、領域A21について、画素TG11から、例えばX軸のプラス方向に100画素、及び、Y軸のマイナス方向に100画素ずつ離れたところ(座標)に位置する画素G21を、判定に用いる画素として特定する。また、判定部205は、領域A22について、画素TG12から、例えば、X軸のプラス方向に100画素、及び、Y軸のマイナス方向に100画素ずつ離れたところに位置する画素G22を、判定に用いる画素として特定する。また、判定部205は、領域A23について、画素TG13から、例えば、X軸のプラス方向に100画素、及び、Y軸のマイナス方向に100画素ずつ離れたところに位置する画素G23を、判定に用いる画素として特定する。また、判定部205は、領域A24について、画素TG14から、例えば、X軸のプラス方向に100画素、及び、Y軸のマイナス方向に100画素ずつ離れたところに位置する画素G24を、判定に用いる画素として特定する。また、判定部205は、領域A25について、画素TG15から、例えば、X軸のプラス方向に100画素、及び、Y軸のマイナス方向に100画素ずつ離れたところに位置する画素G25を、判定に用いる画素として特定する。
このように、判定部205が列GY2の領域A21〜A25において特定する判定対象の画素G21〜G25の座標は、それぞれ、領域A11〜A15における画素G11〜G15の座標とは異なる。
また、判定部205は、分割した4つの行のうち、行GY3が含む領域A31〜領域A35のそれぞれについて、判定に用いる画素を特定する。判定部205は、領域A31〜領域A35のそれぞれについて、領域A21〜領域A25のそれぞれにおいて特定した画素の位置に対応する位置から所定の画素ずつ離れたところに位置する画素を特定する。
図6において、画素TG21は、領域A31において、領域A21における画素G21の位置に対応する位置の画素である。画素TG22は、領域A32において、領域A22における画素G22の位置に対応する位置の画素である。画素TG23は、領域A33において、領域A23における画素G23の位置に対応する位置の画素である。画素TG24は、領域A34において、領域A24における画素G24の位置に対応する位置の画素である。画素TG25は、領域A35において、領域A25における画素G25の位置に対応する位置の画素である。
判定部205は、領域A31について、画素TG21から、例えばX軸のプラス方向に100画素、及び、Y軸のマイナス方向に100画素ずつ離れたところに位置する画素G31を、判定に用いる画素として特定する。また、判定部205は、領域A32について、画素TG22から、例えば、X軸のプラス方向に100画素、及び、Y軸のマイナス方向に100画素ずつ離れたところに位置する画素G32を、判定に用いる画素として特定する。また、判定部205は、領域A33について、画素TG23から、例えば、X軸のプラス方向に100画素、及び、Y軸のマイナス方向に100画素ずつ離れたところに位置する画素G33を、判定に用いる画素として特定する。また、判定部205は、領域A34について、画素TG24から、例えば、X軸のプラス方向に100画素、及び、Y軸のマイナス方向に100画素ずつ離れたところに位置する画素G34を、判定に用いる画素として特定する。また、判定部205は、領域A35について、画素TG25から、例えば、X軸のプラス方向に100画素、及び、Y軸のマイナス方向に100画素ずつ離れたところに位置する画素G35を、判定に用いる画素として特定する。このように、判定部205が行GY3の領域A31〜A35において特定する判定対象の画素G31〜G35の座標は、それぞれ、領域A21〜A25における画素G21〜G25の座標とは異なる。また、領域A31〜A35における画素G31〜G35の座標は、それぞれ、領域A11〜A15における画素G11〜G15の座標とも異なっていてもよい。
また、判定部205は、分割した4つの行のうち、行GY4が含む領域A41〜領域A45のそれぞれについて、判定に用いる画素を特定する。判定部205は、領域A41〜領域A45のそれぞれについて、領域A31〜領域A35のそれぞれにおいて特定した画素の位置に対応する位置から所定の画素ずつ離れたところに位置する画素を特定する。
図6において、画素TG31は、領域A41において、領域A31における画素G31の位置に対応する位置の画素である。画素TG32は、領域A42において、領域A32における画素G32の位置に対応する位置の画素である。画素TG33は、領域A43において、領域A33における画素G33の位置に対応する位置の画素である。画素TG34は、領域A44において、領域A34における画素G34の位置に対応する位置の画素である。画素TG35は、領域A45において、領域A35における画素G35の位置に対応する位置の画素である。
判定部205は、領域A41について、画素TG31から、例えばX軸のプラス方向に100画素、及び、Y軸のマイナス方向に100画素ずつ離れたところに位置する画素G41を、判定に用いる画素として特定する。また、判定部205は、領域A42について、画素TG32から、例えば、X軸のプラス方向に100画素、及び、Y軸のマイナス方向に100画素ずつ離れたところに位置する画素G42を、判定に用いる画素として特定する。また、判定部205は、領域A43について、画素TG33から、例えば、X軸のプラス方向に100画素、及び、Y軸のマイナス方向に100画素ずつ離れたところに位置する画素G43を、判定に用いる画素として特定する。また、判定部205は、領域A44について、画素TG34から、例えば、X軸のプラス方向に100画素、及び、Y軸のマイナス方向に100画素ずつ離れたところに位置する画素G44を、判定に用いる画素として特定する。また、判定部205は、領域A45について、画素TG35から、例えば、X軸のプラス方向に100画素、及び、Y軸のマイナス方向に100画素ずつ離れたところに位置する画素G45を、判定に用いる画素として特定する。このように、判定部205が領域A41〜A45において特定する判定対象の画素G41〜G45の座標は、それぞれ、領域A31〜A35における画素G31〜G35の座標とは異なる。また、領域A41〜A45における画素G41〜G45の座標は、それぞれ、領域A21〜A25における画素G21〜G25の座標とも異なっていてもよく、領域A11〜A15における画素G11〜G15の座標とも異なっていてもよい。
このように、判定部205は、ある行が含む領域(第1の領域)における画素の位置と、他の行が含む領域(第2の領域)における画素の位置とを異ならせて、分割した領域のそれぞれについて、判定に用いる画素を特定する。
詳細には、判定部205が、比較結果画像データを分割した領域において特定する判定対象の画素の座標は、少なくとも、他の1つの行に含まれる領域において特定される判定対象の画素の座標と異なる。より好ましくは、他の全ての行に含まれる領域において特定される判定対象の画素の座標と異なる。また、各々の領域において判定部205が特定する判定対象の画素の座標が、他の全ての領域で特定される判定対象の画素の座標と異なる構成であってもよい。
なお、図6では、行GY1が第1の領域に相当する場合、行GY2、行GY3、及び、行GY4が第2の領域に相当する。また、図6では、行GY2が第1の領域に相当する場合、行GY1、行GY3、及び、行GY4が第2の領域に相当する。また、図6では、行GY3が第1の領域に相当する場合、行GY1、行GY2、及び、行GY4が第2の領域に相当する。また、図6では、行GY4が第1の領域に相当する場合、行GY1、行GY2、及び、行GY3が第2の領域に相当する。
判定部205は、分割した領域のそれぞれにおいて判定に用いる画素を特定すると、特定した画素のそれぞれについて、判定を行う。前述した通り、画素についての判定とは、判定対象の画素の画素データ(例えば、R,G,Bの値)が黒色を示すデータであるか否かを判定する処理を指す。
図5のフローチャートの説明に戻り、判定部205は、ステップSB2において画素について判定を行うと、分割した領域のそれぞれにおいて特定した画素の全てが黒色を示す画素であるか否かを判別する(ステップSB3)。図6の場合、判定部205は、ステップSB2の判定に基づき、画素G11〜画素G45の20の画素全てが黒色を示す画素である否かを判別する。
特定した画素の全てが黒色を示す画素であると判別した場合(ステップSB3:YES)、判定部205は、バーチャルディスプレイ302に展開された比較結果画像データの種類が黒色画像データであると判定する(ステップSB4)。図6の場合、画素G11〜画素G45の20の画素全てが黒色を示す画素であると判別した場合、判定部205は、比較結果画像データHGが黒色画像データであると判定する。
一方、特定した画素の全てが黒色を示す画素でないと判別した場合(ステップSB3:NO)、すなわち、特定した画素のうち、少なくとも一の画素が黒色を示す画素でないと判別した場合、判定部205は、比較結果画像データが黒色画像データでないと判定する(ステップSB5)。つまり、判定部205は、当該場合、バーチャルディスプレイ302に展開された比較結果画像データHGの種類が、更新後画像データであると判定する。
このように、判定部205は、バーチャルディスプレイ302に展開された比較結果画像データを複数の領域に分割し、分割した領域ごとに領域が含む画素のうち一部の画素について判定を行う。本実施形態では、一部の画素とは、分割した領域における1の画素である。図6の場合、判定部205は、分割した領域ごとに、領域が含む1の画素について判定を行う。これにより、判定部205は、比較結果画像データの全ての画素について判定を行う構成と比較して、比較結果画データの種類を判定する処理速度が高まる。
また、判定部205は、判定に用いる画素を特定する際、行ごとに、領域における画素の位置を異ならせて特定する。このことの効果について、以下に説明する。
図7は、比較結果画像データの一例を示す図である。
図7において、X軸の矢印方向は、X軸のプラス方向を示す。また、X軸の矢印方向の逆方向は、X軸のマイナス方向を示す。また、図7において、Y軸の矢印方向は、Y軸のプラス方向を示す。また、Y軸の矢印方向の逆方向は、Y軸のマイナス方向を示す。
図7に示す比較結果画像データHGaは、比較結果画像データHG(図6)の具体例であり、四角の白色の画像を示す画像データと、四角の黒色の画像を示す画像データとが、X軸方向及びY軸方向に沿って交互に並んで構成される画像データである。図7に示す比較結果画像データHGaの種類は、図7に示すように、白色の画像を示す画像データを含むため、黒色画像データでない。つまり、比較結果画像データHGaは、更新前画像データと更新後画像データとが同一である場合に画像データ生成部204が生成する全面黒色の比較結果画像データではない。
図7に示すように、判定部205は、図6の比較結果画像データHGを分割する態様と同じように、比較結果画像データHGaを20の領域に分割する。すなわち、比較結果画像データHGaは、縦400画素×横500画素の画像データであり、判定部205は、比較結果画像データHGaを縦方向に4行、横方向に5列に分割する。比較結果画像データHGaは縦方向に100画素ずつ、横方向に100画素ずつ、分割される。この場合、判定部205が分割した各領域は、黒色の画素および白色の画素を含む。
判定部205が分割する行GZ1〜GZ4は、Y軸のプラス側から、GZ1、GZ2、GZ3、GZ4の順に位置する。
比較結果画像データHGaでは、図7に示すように、白色の画素と黒色の画素とが規則的に配列されている。このため、判定部205が特定する判定対象の画素が規則的に並ぶ場合は、複数の判定対象の画素が、偶然に、比較結果画像データHGaに含まれる黒色の画素と重なる可能性がある。仮に、全ての判定対象の画素が黒色の画素に重なった場合、判定部205は、判定対象の全ての画素について、黒色の画素であることを示す判定結果を出力する。この場合、比較結果画像データHGaが、全体が黒色の画像データであると見なされてしまう。
しかし、上述したように、判定部205は、判定に用いる画素を特定する際に、行ごとに、領域における画素の位置(座標)を異ならせて特定する。これにより、判定対象の画素の位置に関する規則性が、比較結果画像データを分割した行ごとに異なるので、判定対象の全ての画素が偶然に黒色の画素と重なる可能性は、極めて低い。従って、比較結果画像データHGaが全面黒色の画像データであるか否かを的確に判定できる。
具体的には、判定部205は、行GZ1が含む領域のそれぞれについて、最もY軸のプラス方向に位置し、最もX軸のマイナス方向に位置する画素GS11〜画素GS15を、判定対象の画素として特定する。
また、判定部205は、行GZ2が含む領域のそれぞれについて、行GZ1が含む領域のそれぞれにおいて特定した画素の位置に対する位置から、縦横に所定の画素ずつ離れたところに位置する画素GS21〜画素GS25を、判定対象の画素として特定する。判定部205が特定する画素GS21〜画素GS25の座標は、画素GS11〜画素GS15の座標とは異なる。
また、判定部205は、行GZ3が含む領域のそれぞれについて、行GZ2が含む領域のそれぞれにおいて特定した画素の位置に対する位置から、縦横に所定の画素ずつ離れたところに位置する画素GS31〜画素GS35を、判定対象の画素として特定する。判定部205が特定する画素GS31〜GS35の座標は、画素GS21〜画素GS25の座標とは異なり、さらに、画素GS11〜画素GS15の座標とも異なる。
また、判定部205は、行GZ4が含む領域のそれぞれについて、行GZ3が含む領域のそれぞれにおいて特定した画素の位置に対する位置から、縦横に所定の画素ずつ離れたところに位置する画素GS41〜画素GS45を、判定対象の画素として特定する。判定部205が特定する画素GS41〜GS45の座標は、画素GS31〜画素GS35の座標とは異なり、さらに、画素GS21〜画素GS25の座標とも異なる。また、画素GS31〜GS35の座標は画素GS11〜画素GS15の座標とも異なる。
このように、比較結果画像データHGaにおける判定対象の画素を、行ごとに異ならせることにより、判定対象の画素のうち少なくとも一部が、比較結果画像データHGaの黒色の画素に重ならない。このため、判定部205の判定結果に基づき、比較結果画像データHGaが、黒色画像データではないと判定できる。
例えば、判定部205が分割する全ての領域で、判定対象の画素を同じ規則性を有するように特定した場合、比較結果画像データHGaの種類を正確に判定できないことがある。一例として、図7に例示する比較結果画像データHGaを分割した全ての領域で、判定対象の画素を同じ座標に配置した場合、全ての判定対象の画素が比較結果画像データHGaの黒色の画素に重なる。
このような判定対象の画素の配置例を、図7に、符号UG21〜UG25、UG31〜UG35、UG41〜UG45として示す。画素UG21〜画素UG25、画素UG31〜画素UG35、及び、画素UG41〜画素UG45は、それぞれ、各領域において画素GS11〜GS15と同じ座標にある。
この例では、比較結果画像データHGaの種類が黒色画像データでないにも係らず、黒色画像データであると判定される。
本実施形態では、判定に用いる画素の位置を行ごとに異ならせることにより、正確に比較結果画像データの種類を判定できる。特に、バーチャルディスプレイ302に展開された比較結果画像データが、図7に示すように、黒色の画像が規則的に並ぶ画像データであっても、判定部205によって、正確に比較結果画像データの種類を判定できる。
なお、上記の説明では、判定に用いる画素として特定する画素の位置(配置状態)を行ごとに異ならせる構成を説明したが、当該構成に限定されない。例えば、分割した領域ごとに、領域における画素の位置を異ならせる構成としてもよい。図6の場合、判定部205は、領域A11〜領域A45のそれぞれについて、領域における判定に用いる画素の位置を異ならせてもよい。
また、判定対象の画素の位置について、さらに別の条件を与えることによって、判定対象の画素が比較結果画像データに規則的に配置される黒色の画素に重なる事態を、より確実に回避できる。この例について図8及び図9を参照して説明する。
図8は、比較結果画像データのさらに別の具体例として、比較結果画像データHGbを示す。比較結果画像データHGbは、黒色画素が集合した矩形の領域と、黒以外の色の画素で構成される矩形の領域と交互に位置する画像である。比較結果画像データHGbにおいては、黒色の画素の位置に、比較結果画像データHGa(図7)とは異なる規則性がある。例えば、比較結果画像データHGbでは、判定部205が比較結果画像データHGbを分割した各領域のサイズと、黒色画素が集合した矩形のサイズとの整合性が高く、黒色画素が集合した矩形が、各領域のほぼ同じ位置に位置する。また、図6の例では、各領域における判定対象の画素の位置が、各領域の対角線に重なるという規則性がある。
このように、判定部205が特定する判定対象の画素の位置の規則性と、比較結果画像データHGbにおける黒色の画素の位置の規則性との整合性が高い場合、希ではあるが、判定対象の画素の全てが比較結果画像データHGbの黒色の画素に重なる可能性がある。
図9は、比較結果画像データ判定処理を説明するための図であり、比較結果画像データHGにおける判定対象の画素の別の配置例を示す。
図9の例は、図6と同様に、判定部205が、縦400画素×横500画素により構成される比較結果画像データを、縦方向に4行(行GY1〜GY4)及び横方向に5列に分割し、20の領域A11〜A45を形成する例である。図9には、理解の便宜を図るため、各領域A11〜A45の対角線DIを仮想線(二点鎖線)で示す。
図9の例では、それぞれの行GY1、GY2、GY3、GY4において特定される判定対象の画素の位置関係は、図6に示した例と同様である。具体的には、領域における判定対象の画素の位置は、行ごとに異なる。さらに、図9の例では、それぞれの領域で特定される判定対象の画素の位置は、それぞれの領域の対角線から外れた位置である。例えば、行GY2の判定対象の画素G21〜G25、行GY3の画素G31〜G35、及び、行GY4の画素G41〜G45は、いずれも、対角線DIから外れた位置にある。この場合、比較結果画像データの黒色の画素の位置に関する規則性と、判定対象の画素の位置の規則性とが適合する可能性が、より低くなる。従って、より確実に、比較結果画像データを判定できる。
また、図9の例では、行GY1で特定される判定対象の画素G11〜G15が、それぞれ、領域A11〜A15の対角線DI上に位置しているが、行GY1の画素G11〜G15を、行GY2〜GY4と同様に、対角線DIに重ならない位置にしてもよい。例えば、行GY1〜GY4のうち少なくとも1つの行において、判定対象の画素が領域の対角線DIに重ならない位置にあれば、全ての判定対象の画素が比較結果画像データの黒色の画素に重なる可能性をより低くすることができる。さらに、行GY1〜GY4のうち、複数の行において、判定対象の画素が領域の対角線DIに重ならない位置にあれば、より高い効果が期待できる。図9の判定対象の画素の配置は、必須ではなく、上述した偶発的な事象をも確実に回避できる一例であり、図6の例も同様である。
図4のフローチャートの説明に戻り、判定部205は、比較結果画像データ判定処理を実行すると、比較結果画像データ判定処理における判定に基づいて、バーチャルディスプレイ302に展開した比較結果画像データの種類が黒色画像データであるか否かを判別する(ステップSA5)。
バーチャルディスプレイ302に展開された比較結果画像データの種類が黒色画像データでないと判別した場合(ステップSA5:NO)、通信制御部202は、プロジェクター100に比較結果画像データを送信すると判別し、端末通信部60により比較結果画像データをプロジェクター100に送信する(ステップSA6)。前述した通り、バーチャルディスプレイ302に展開される比較結果画像データは、黒色画像データ、又は、更新後画像データのいずれかである。すなわち、判定部205が比較結果画像データの種類を黒色画像データでないと判定した場合、バーチャルディスプレイ302に展開される比較結果画像データは、更新後画像データである。したがって、通信制御部202は、ステップSA6の処理において、更新後画像データを送信する。
比較結果画像データの種類が黒色画像データでないことは、更新前画像データと更新後画像データとが同一の画像データでないことを示す。したがって、通信制御部202は、判定部205が比較結果画像データの種類が黒色画像データでないと判定することにより、更新前画像データと異なる画像データである更新後画像データを送信することができる。本実施形態では、端末装置10の表示部90が表示する画像を示す画像データをプロジェクター100に送信し、プロジェクター100が受信した画像データに基づく画像を投写する。つまり、プロジェクター100が投写する画像は、端末装置10の表示部90が表示する画像と同じ画像である。したがって、比較結果画像データの種類が黒色画像データでない場合、通信制御部202が更新後画像データをプロジェクター100に送信するため、端末装置10の表示部90が表示する画像が変化した場合、プロジェクター100は、当該変化に合わせた画像を投写することができる。
一方、バーチャルディスプレイ302に展開された比較結果画像データの種類が黒色画像データであると判別した場合(ステップSA5:YES)、通信制御部202は、プロジェクター100に比較結果画像データを送信しないと判別し、比較結果画像データを送信しない(ステップSA7)。つまり、判定部205が比較結果画像データの種類を黒色画像データでないと判定した場合、通信制御部202は、バーチャルディスプレイ302に展開された黒色画像データを送信しない。
前述した通り、比較結果画像データの種類が黒色画像データであることは、更新前画像データと更新後画像データとが同一の画像データであることを示す。したがって、通信制御部202は、判定部205が比較結果画像データの種類が黒色画像データでないと判定することにより、更新前画像データと同一の画像データである更新後画像データをプロジェクター100に送信しない。
更新前画像データと更新後画像データとが同一の画像データである態様として、端末装置10の表示部90が表示する画像に変化がない場合が挙げられる。前述した通り、本実施形態では、端末装置10の表示部90が表示する画像と同じ画像をプロジェクター100が投写する。そのため、端末装置10の表示部90が表示する画像に変化がない場合、プロジェクター100が投写する画像は、変化がない。したがって、プロジェクター100は、更新前画像データと更新後画像データとが同一の画像データである場合、更新前画像データに基づく画像を投写していれば、更新後画像データを受信し更新後画像データに基づく画像を投写する必要性が低い。そこで、更新前画像データと更新後画像データとが同一の画像データであると比較結果画像データに基づいて判別した場合、更新後画像データを送信しないため、通信制御部202は、プロジェクター100に画像データを送信する処理の負荷を軽減できる。特に、更新前画像データと更新後画像データとが同一の画像データでも、更新後画像データをプロジェクター100に送信する構成と比較して、通信制御部202は、画像データを送信する処理の負荷を軽減できる。
図4のフローチャートの説明に戻り、表示制御部201は、更新後画像データの後にビデオメモリー301に展開する画像データがあるか否かを判別する(ステップSA8)。更新後画像データの後にビデオメモリー301に展開する画像データがない場合(ステップSA8:NO)、端末装置10は、本処理を終了する。一方、更新後画像データの後にビデオメモリー301に展開する画像データがある場合(ステップSA8:YES)、表示制御部201は、処理をステップSA1に戻す。処理がステップSA1に戻ると、更新後画像データとして図4のフローチャートで処理された画像データは、更新前画像データとして処理される。そして、図4のフローチャートで更新後画像データとして処理された画像データの後にビデオメモリー301に展開される画像データが、更新後画像データとして処理される。
以上、説明したように、端末装置10(画像供給装置)は、プロジェクター100(表示装置)へ画像データを送信する端末通信部60(送信部)と、更新前画像データ(第1の画像データ)、及び、更新後画像データ(第2の画像データ)を比較した結果を表す比較結果画像データを生成する画像データ生成部204と、比較結果画像データの種類を判定する判定部205と、を備える。判定部205は、比較結果画像データを複数の領域に分割し、分割した領域ごとに一部の画素について判定を行う。判定部205は、画素について判定を行う際、ある行が含む領域(第1の領域)において判定に用いられる当該領域における画素の位置と、他の行が含む領域(第2の領域)において判定に用いられる当該領域における画素の位置を異ならせる。例えば、判定部205は、図6の場合、行GY1が含む領域A11〜領域A15において、判定に用いる画素の位置と、行GY2が含む領域A21〜領域A25において判定に用いる画素の位置とを異ならせる。
このように、本発明の画像供給装置、及び、画像供給装置の制御方法を適用した端末装置10によれば、比較結果画像データを分割して領域ごとに一部の画素について判定を行うため、比較結果画像データの種類の判定の処理速度を向上できる。また、判定に用いる画素の位置を行ごとに異ならせるため、判定部205は、正確に比較結果画像データの種類を判定できる。
また、端末装置10は、比較結果画像データを記憶するバーチャルディスプレイ302(メモリー)を備える。判定部205は、バーチャルディスプレイ302に記憶された比較結果画像データを複数の領域に分割し、分割した領域ごとに一部の画素について判定を行う。
これにより、バーチャルディスプレイ302に記憶された比較結果画像データが含む全ての画素について判定を行う構成と比較し、比較結果画像データの種類の判定の処理速度を高めることができる。特に、バーチャルディスプレイ302から展開された比較結果画像データを判定のために所定の記憶領域にコピーを実行する必要がなく、比較結果画像データの種類の判定の処理速度を高めることができる。
また、端末装置10は、端末通信部60により画像データをプロジェクター100へ送信する通信制御部202(送信制御部)を備える。通信制御部202は、判定部205が判定する比較結果画像データの種類に応じて、端末通信部60により画像データをプロジェクター100に送信するか否かを判別する。
これにより、通信制御部202は、比較結果画像データの種類に応じて、プロジェクター100に比較結果画像データを送信するか否かを判別するため、比較結果画像データの種類に応じて、画像データをプロジェクター100に送信できる。前述した通り、比較結果画像データの種類は、黒色画像データか更新後画像データのいずれかである。したがって、通信制御部202は、更新前画像データと更新後画像データとが同一の画像データであるか否かに応じて、比較結果画像データを送信できる。
また、通信制御部202は、比較結果画像データの種類が、更新前画像データと更新後画像データとが同一であることを示す種類であると判定部205が判定した場合、端末通信部により比較結果画像データを送信しない。
これにより、通信制御部202は、比較結果画像データの種類が、更新前画像データと更新後画像データとが同一であることを示す種類であると判別した場合、比較結果画像データを送信しないため、画像データを送信する処理の負荷を軽減できる。特に、更新前画像データと更新後画像データとが同一の画像データでも、更新後画像データをプロジェクター100に送信する構成と比較して、通信制御部202は、画像データを送信する処理の負荷を軽減できる。
また、画像データ生成部204は、更新前画像データと更新後画像データとが同一である場合、全ての画素が黒色を示す画素である黒色画像データを比較結果画像データとして生成する。判定部205は、比較結果画像データの種類が黒色画像データか否かを判定する。
これにより、判定部205は、比較結果画像データの種類が黒色画像データか否かを判定するため、更新前画像データと更新後画像データとが同一であるか否かを判定できる。
また、端末装置10は、画像を表示する表示部90を備える。通信制御部202は、端末通信部60により、表示部90が表示する画像を示す画像データをプロジェクター100へ送信する。
これにより、表示部90に表示する画像を示す画像データをプロジェクター100に送信するため、端末装置10は、表示部90が表示する画像をプロジェクター100に投写させることができる。
なお、上述した各実施形態は、本発明の好適な実施形態の一例を示すものであり、本発明の実施態様はこれに限定されるものでなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形実施が可能である。
例えば、上述した各実施形態では、スクリーンSCの前方から投写するフロントプロジェクション型のプロジェクター100を例示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、スクリーンSCの背面側から投写するリアプロジェクション(背面投写)型のプロジェクター100でもよい。
また、例えば、図4、及び、図5の処理単位は、端末装置10の処理を理解容易にするために、主な処理内容に応じて分割したものであり、処理単位の分割の仕方や名称によって、本発明が限定されることはない。端末装置10の処理は、処理内容に応じて、されに多くの処理単位に分割してもよい。また、1つの処理単位がさらに多くの処理を含むように分割してもよい。
また、図1、図2、及び、図3に示した各機能部は機能的構成を示すものであって、具体的な実装形態は特に限定されない。つまり、必ずしも各機能部に個別に対応するハードウェアが実装される必要はなく、一つのプロセッサーがプログラムを実行することで複数の機能部の機能を実現する構成とすることも勿論可能である。また、上述した実施形態においてソフトウェアで実現される機能の一部をハードウェアとしてもよく、或いは、ハードウェアで実現される機能の一部をハードウェアで実現してもよい。その他、プロジェクター100、及び、端末装置10の他の各部の具体的な細部構成についても、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で任意に変更可能である。