JP6767355B2 - モデル構築システムおよびモデル構築方法 - Google Patents
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また、本願明細書と各図において、既に説明したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
図2および図3は、実施形態に係るモデル構築システム1による処理の一例を説明する図である。
または、ベースモデルおよび変形モデルは、ある製造装置の所定期間に得られた変数データに基づいて構築される。この場合、各モデルを、当該装置の別の期間に得られたデータに適用し、その精度を各モデルの汎化能力として算出しても良い。
汎化能力は、例えば、Mean Square Error(MSE)、Root Mean Square Error(RMSE)、決定係数(R2)、相関係数、Akaike's Information Criterion(AIC)、またはBayesian Information Criterion(BIC)などを用いて算出される。汎化能力算出部112は、各モデルについての汎化能力の算出結果を、外部出力部114に出力する。
例えば、12個の入力変数Xi(i=1〜12の自然数)と出力変数Yとの変数データが変数データベース122に記憶されている。この場合、ベースモデル構築部102は、12個の入力変数の一部を選択する。ベースモデル構築部102は、12個の入力変数の一部と出力変数Yとの間で、例えば以下の式(1)で表されるベースモデルを作成する。ベースモデル構築部102は、このベースモデルを、モデル情報保存部104に保存する。
Y=b1X1+b2X2+b3X3+b0 (1)
図2(b)に表した例では、閾値は80%に設定され、それぞれの選択入力変数に対して類似度の高い非選択入力変数が抽出されている。すなわち、この例では、変数X1に対しては、変数X4、X5、X6が抽出されている。変数X2に対しては、変数X7、X8、X9が抽出され、変数X3に対しては、変数X10、X11、X12が抽出されている。これにより、1つの選択入力変数と、当該1つの選択入力変数と類似度が高い非選択入力変数と、の組が複数作成される。図2(a)に表す例では、非選択入力変数X12の類似度は、選択入力変数X1およびX3の両方に対して80%以上である。この場合、非選択入力変数X12は、例えば、より類似度の高い選択入力変数X3に対して割り当てられる。
Y=b5X1+b6X7+b7X3+b4 (2)
図5は、実施形態に係るモデル構築方法の別の一例を表すフローチャートである。
図4に表したフローチャートは、図2(a)〜図2(c)を用いて説明した1つ目および2つ目の方法に対応する。図5に表したフローチャートは、図3を用いて説明した3つ目の方法に対応する。
取得部100が、規定数データベース120および変数データベース122から、規定数および変数データを取得する(ステップS1)。ベースモデル構築部102が、複数の入力変数の一部を選択し、ベースモデルを構築する(ステップS2)。ベースモデル構築部102は、構築されたベースモデルのモデル情報を、モデル情報保存部104に保存する(ステップS3)。
ステップS1〜S5を、図4に表したフローチャートのステップS1〜S5と同様に実行する。変形モデル構築部110は、類似度情報保存部108に保存された類似度に基づいて、直交表を作成する(ステップS6)。変形モデル構築部110は、直交表に基づいて作成される変形モデルの数が、規定数以下か判定する(ステップS7)。変形モデルの数が規定数を超える場合、実験計画法を用いた変形モデルの構築を終了する。変形モデルの数が規定数以下の場合、変形モデル構築部110は、直交表に基づいて別の変形モデルを構築する(ステップS8)。
モデル構築装置2は、例えば、入力装置200、出力装置202、およびコンピュータ204を備える。コンピュータ204は、例えば、ROM(Read Only Memory)206、RAM(Random Access Memory)208、CPU(Central Processing Unit)210、および記憶装置HDD(Hard Disk Drive)212を有する。
出力装置202は、モデル構築システム1によって得られる出力結果を、ユーザに対して出力するためのものである。出力装置202は、ディスプレイまたはプリンタなどである。
本実施形態に係るモデル構築システム1によれば、まず、ベースモデル構築部102によって、複数の選択入力変数を含む入力変数群を用いて、出力変数を精度良く予測できるベースモデルが構築される。さらに、変形モデル構築部110によって、複数の選択入力変数のそれぞれと複数の非選択入力変数のそれぞれとの間の類似度に基づき、複数の選択入力変数の少なくとも一部が複数の非選択入力変数の少なくとも一部と入れ換えられる。これにより、別の入力変数群が生成される。この別の入力変数群を用いて変形モデルが構築される。類似度を用いて複数の選択入力変数の少なくとも一部と複数の非選択入力変数の少なくとも一部とを入れ換えることで、上記別の入力変数群を用いて構築された変形モデルも、比較的高い精度で出力変数を予測することができる。そして、構築されたベースモデルおよび変形モデルは、汎化能力算出部112によって、汎化能力が算出される。このとき、汎化能力算出部112によって最も高い汎化能力が算出されたモデルは、上述の通り、出力変数を比較的高い精度で予測することが可能である。
すなわち、本実施形態によれば、精度の低下を抑制しつつ、汎化能力の高いモデルを構築することが可能となる。
第1実施例では、電子機器の製造装置において、加工後のワークの出来栄えを出力変数としている。製造装置に設けられた各種センサのデータ(温度や圧力等)を入力変数としている。規定数は、100に設定した。複数の入力変数の選択およびベースモデルの構築は、Adaptive Lassoを用いた。類似度には、選択入力変数と非選択入力変数との間の相関係数を用いた。相関係数が0.5以上の非選択入力変数を抽出し、一様な確率で選択入力変数と入れ換えを行った。選択入力変数と非選択入力変数を入れ換えた後のモデルの構築は、重回帰を用いた。各モデルは、所定の構築期間T0における変数データに基づいて構築された。汎化能力の算出は、同じ製造装置において、構築期間T0の後のテスト期間T1〜T5の各期間の変数データを用いた。
図7(a)は、各期間におけるR2を表している。図7(b)は、各期間におけるMSEを表している。
図7(a)および図7(b)では、ベースモデルと最も汎化能力の高い変形モデルのみを表している。ベースモデルの結果は、〇(白丸)で表されている。最も汎化能力の高い変形モデルの結果は、●(黒丸)で表されている。
第2実施例では、電子機器の製造装置において、加工後のワークの出来栄えを出力変数としている。製造装置に設けられた各種センサのデータ(加工時温度や圧力等)を入力変数としている。出来栄えは、加工後のワークの寸法およびワークの加工レートの少なくともいずれかに基づく。規定数は、1000に設定した。複数の入力変数の選択およびベースモデルの構築は、Adaptive Lassoを用いた。類似度には、選択入力変数と非選択入力変数との間の相関係数を用いた。相関係数が0.5以上の非選択入力変数を抽出し、一様な確率で選択入力変数と入れ換えを行った。選択入力変数と非選択入力変数を入れ換えた後のモデルの構築は、重回帰を用いた。各モデルは、所定の構築期間T0における変数データに基づいて構築された。汎化能力の算出は、同じ製造装置において、構築期間T10の後のテスト期間T11〜T13の各期間の変数データを用いた。
図8(a)は、各期間における各モデルのR2を表している。図8(b)は、各期間における各モデルのMSEを表している。
図8(a)および図8(b)では、ベースモデルと最も汎化能力の高い変形モデルのみを表している。ベースモデルの結果は、〇(白丸)で表されている。最も汎化能力の高い変形モデルの結果は、●(黒丸)で表されている。
そして、ベースモデルについては、時間が経過するほど、R2が低下し、且つMSEが増大している。これに対して、変形モデルについては、R2の低下が期間T12からT13にかけて停止している。また、MSEは、期間T12からT13で低下している。これらの結果は、変形モデルが高い精度を有し、且つ変形モデルの汎化能力が、ベースモデルの汎化能力よりも高いことを示している。
Claims (4)
- 複数の入力変数から選択された選択入力変数と、出力変数と、の関係を表すベースモデルを構築するベースモデル構築部と、
前記複数の入力変数のうち前記選択入力変数以外の非選択入力変数と、前記選択入力変数と、の間の類似度を算出する類似度算出部と、
前記類似度に基づき、前記選択入力変数の少なくとも一部を、前記非選択入力変数と入れ換え、入れ換えた後の入力変数と出力変数との関係を表す変形モデルを構築する変形モデル構築部と、
前記ベースモデルおよび前記変形モデルの汎化能力を算出する汎化能力算出部と、
を備え、
前記変形モデル構築部は、それぞれの前記選択入力変数に対して、所定の閾値以上の前記類似度を有する前記非選択入力変数を抽出し、前記選択入力変数の少なくとも一部を、抽出された前記非選択入力変数と入れ換えて、前記変形モデルを構築するモデル構築システム。 - 前記変形モデル構築部は、前記選択入力変数と抽出された前記非選択入力変数から、実験計画法を用いて直交表を作成し、前記直交表に基づいて複数の前記変形モデルを構築し、
前記汎化能力算出部は、それぞれの前記変形モデルの汎化能力を算出し、
前記変形モデル構築部は、当該汎化能力の算出結果から、変数を入れ換えたことによる主効果を算出し、前記主効果が最も高くなるように、前記選択入力変数の少なくとも一部を前記主効果が最も大きい前記非選択入力変数に入れ換えて前記変形モデルを構築する請求項1記載のモデル構築システム。 - 最も高い前記汎化能力が算出された前記ベースモデルまたは前記変形モデルを外部へ出力する外部出力部をさらに備えた請求項1または2に記載のモデル構築システム。
- 複数の入力変数から選択された選択入力変数と、出力変数と、の関係を表すベースモデルを構築し、
前記複数の入力変数のうち前記選択入力変数以外の非選択入力変数と、前記選択入力変数と、の間の類似度を算出し、
前記類似度に基づき、前記選択入力変数の少なくとも一部を、前記非選択入力変数と入れ換え、入れ換えた後の入力変数と出力変数との関係を表す変形モデルを構築し、
前記ベースモデルおよび前記変形モデルの汎化能力を算出するモデル構築方法であって、
前記変形モデルの構築において、それぞれの前記選択入力変数に対して、所定の閾値以上の前記類似度を有する前記非選択入力変数を抽出し、前記選択入力変数の少なくとも一部を、抽出された前記非選択入力変数と入れ換えて、前記変形モデルを構築するモデル構築方法。
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