実施の形態1.
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。本実施形態においては、画像処理装置の例として、MFP(Multi Function Peripheral:複合機)に搭載された制御装置について説明する。
また、本実施形態に係るMFPは、外部ネットワークに接続され、MFP1全体の動作を制御する第一の制御装置と、内部ネットワークにより第一の制御装置と接続され、MFP1全体の動作を補完的に制御するデバイスである第二の制御装置とを備える。
そして、本実施形態に係るMFPにおいて、第二の制御装置は、上記内部ネットワークを介して第一の制御装置によるネットワーク制御により上記外部ネットワークに接続される。したがって、本実施形態に係るMFPによれば、外部ネットワーク用のネットワークケーブルを1本に集約することが可能となり、外部ネットワーク側の通信網に接続されているデバイスは、外部IPアドレスを一つで、MFP内の複数の制御装置を制御することが可能である。
ところが、このように構成されたMFPにおいて、第二の制御装置は、第一の制御装置が省エネモードに移行したり、再起動したりした場合、第一の制御装置によるネットワーク制御が行われなくなってしまい、外部ネットワークに接続することができなくなってしまう。
そこで、本実施形態に係るMFPにおいて、第二の制御装置は、第一の制御装置が省エネモードに移行したり、再起動したりする場合、外部ネットワークの通信経路を自身に切り替えるように構成されている。
本実施形態に係るMFPは、このように構成されることで、第一の制御装置が省エネモードに移行したり、再起動したりした場合であっても、第二の制御装置が外部ネットワークに接続することができなくなることを防ぐことが可能となる。
まず、本実施形態に係るMFP1のハードウェア構成について、図1を参照して説明する。図1は、本実施形態に係るMFP1のハードウェア構成を模式的に示すブロック図である。
図1に示すように、本実施形態に係るMFP1は、第一の制御装置100、第二の制御装置200を備える。
第一の制御装置100は、情報処理装置であり、MFP1全体の動作を制御する制御部として機能し、主制御部110、ネットワーク制御部120、ネットワーク切替部130を備える。
主制御部110は、Main−CPU(Central Processing Unit)111、電源112を備え、第一の制御装置100全体を制御する制御部として機能する。Main−CPU111は、演算手段であり、主制御部110全体を制御する。電源112は、主制御部110に電力を供給するための電源である。
ネットワーク制御部120は、Sub−CPU121、MAC(Media Access Controller)122a、MAC122b、PHY(Physical Layer:物理層)123a、PHY123b、SW124を備え、主制御部110と独立して、ネットワーク切替部130のネットワーク切替動作を制御し、若しくは、ネットワークの接続制御、通信制御を行う。即ち、本実施形態においては、ネットワーク制御部120がネットワーク切替部130における接続態様の切り替えを制御するネットワーク切替制御部、ネットワーク接続制御部として機能する。
Sub−CPU121は、演算手段であり、ネットワーク制御部120全体を制御する。MAC122a、MAC122bはそれぞれ、Sub−CPU121のMACである。PHY123a、PHY123bはそれぞれ、MFP1のデータとネットワークを流れる信号を変換する第一の制御装置100のネットワークPHYである。
SW124は、主制御部110の電源112の電源ONと電源OFFとを切り替えるためのスイッチである。電源125は、ネットワーク制御部120に電力を供給するための電源である。
ネットワーク切替部130は、RJ45コネクタ131a、RJ45コネクタ131b、SW132a、SW132b、バイパス経路133、切替制御部134を備え、外部ネットワーク140に接続され、その外部ネットワーク140との通信経路を第一の制御装置100側と第二の制御装置200側とのどちらかに切り替える。
RJ45コネクタ131aは、第一の制御装置100を外部ネットワーク140に接続するための通信用コネクタである。即ち、本実施形態においては、RJ45コネクタ131aが外部ネットワーク接続部として機能する。RJ45コネクタ131bは、第一の制御装置100を内部ネットワーク150に接続するための通信用コネクタである。即ち、本実施形態においては、RJ45コネクタ131bが内部ネットワーク接続部として機能する。
SW132aは、外部ネットワーク140との通信経路をPHY123aへ接続するか、バイパス経路133を介してSW132bに接続するかを切り替えるためのスイッチである。SW132bは、内部ネットワーク150との通信経路をPHY123bに接続するか、バイパス経路133に接続するかを切り替えるためのスイッチである。
切替制御部134は、SW132a、SW132bの切り替え動作を制御する。切替制御部134は、Sub−CPU121により制御され、若しくは、内部ネットワーク150や信号線160、電源・信号線170を介して第二の制御装置200により制御される。
なお、切替制御部134は、SW132aを外部ネットワーク140との通信経路をPHY123aへ接続するように切り替えた場合、SW132bを内部ネットワーク150との通信経路をPHY123bに接続するように切り替える。なお、SW132aを外部ネットワーク140との通信経路をPHY123aへ接続するように切り替えた場合に、SW132bを内部ネットワーク150との通信経路をPHY123bに接続するようにする通信経路を第一通信経路とする。
また、切替制御部134は、SW132aを外部ネットワーク140との通信経路をバイパス経路133を介してSW132bに接続するように切り替えた場合、SW132bを内部ネットワーク150との通信経路をバイパス経路133に接続するように切り替える。なお、SW132aを外部ネットワーク140との通信経路をバイパス経路133を介してSW132bに接続するように切り替えた場合に、SW132bを内部ネットワーク150との通信経路をバイパス経路133に接続するようにする通信経路を第二通信経路とする。
電源135は、ネットワーク切替部130に電力を供給するための電源である。
第二の制御装置200は、MFP1全体の動作を補完的に制御する制御部として機能し、主制御部210、ネットワーク制御部220、ネットワーク接続部230を備える。
主制御部210は、Main−CPU211、電源212を備え、第二の制御装置200全体を制御する制御部として機能する。Main−CPU211は、演算手段であり、主制御部210全体を制御する。電源212は、主制御部210に電力を供給するための電源である。
ネットワーク制御部220は、Sub−CPU221、MAC222、PHY223、SW224を備え、ネットワークの接続制御、通信制御を行う。
Sub−CPU221は、演算手段であり、ネットワーク制御部220全体を制御する。MAC222は、Sub−CPU221のMACである。PHY223は、MFP1のデータとネットワークを流れる信号を変換する第二の制御装置200のネットワークPHYである。SW224は、主制御部210の電源212の電源ONと電源OFFとを切り替えるためのスイッチである。電源225は、ネットワーク制御部220に電力を供給するための電源である。
ネットワーク接続部230は、RJ45コネクタ231を備え、内部ネットワーク150に接続され、その内部ネットワーク150と第二の制御装置200とを接続する。RJ45コネクタ231は、第一の制御装置100を外部ネットワーク140に接続するための通信用コネクタである。電源235は、ネットワーク接続部230に電力を供給するための電源である。
このように、本実施形態に係るMFP1において、第二の制御装置200は、内部ネットワーク150を介して第一の制御装置100によるネットワーク制御により外部ネットワーク140に接続される。したがって、本実施形態に係るMFP1によれば、外部ネットワーク用のネットワークケーブルを1本に集約することが可能となり、外部ネットワーク側の通信網に接続されているデバイスは、外部IPアドレスを一つで、MFP1内の複数の制御装置を制御することが可能である。
ところが、このように構成されたMFPにおいて、第二の制御装置は、第一の制御装置が省エネモードに移行したり、再起動したりした場合、第一の制御装置によるネットワーク制御が行われなくなってしまい、外部ネットワークに接続することができなくなってしまう。
そこで、本実施形態に係るMFP1において、第二の制御装置200は、第一の制御装置100が省エネモードに移行したり、再起動したりする場合、外部ネットワーク140の通信経路を自身に切り替えるように構成されている。
本実施形態に係るMFP1は、このように構成されることで、第一の制御装置100が省エネモードに移行したり、再起動したりした場合であっても、第二の制御装置200が外部ネットワーク140に接続することができなくなることを防ぐことが可能となる。
次に、本実施形態に係るMFP1が電源OFF状態から電源ON状態に移行する際の処理について、図2を参照して説明する。図2は、本実施形態に係るMFP1が電源OFF状態から電源ON状態に移行する際の処理を説明するためのフローチャートである。
図2に示すように、本実施形態に係るMFP1が電源OFF状態から電源ON状態に移行する際はまず、電源ON操作を受け付けると(S201)、第一の制御装置100、第二の制御装置200において、各電源は、各部に電力を供給する(S202)。
そして、第一の制御装置100、第二の制御装置200において、Main−CPU111、Main−CPU211、Sub−CPU121、Sub−CPU221は、起動を開始する(S203)。
このとき、システムによって起動完了までの時間にはバラつきがあり、Sub−CPU121、Sub−CPU221はそれぞれ、Main−CPU111、Main−CPU211よりも早く起動完了する。
例えば、Main−CPU111、Main−CPU211がHDD(Hard Disc Drive)から起動するOSによって動作し、Sub−CPU121、Sub−CPU221がネットワーク接続制御に特化したフラッシュメモリから起動するOSによって動作する場合などである。
そのため、本実施形態に係るMFP1は、主制御部110、主制御部210の起動完了を待つことなく、ネットワーク接続制御を開始することが可能となる。本実施形態に係るMFP1は、このように構成されることで、システムとして起動時間を短縮することが可能となる。
そして、第一の制御装置100において、Sub−CPU121は、ネットワーク制御を開始し、外部ネットワーク140と接続して通信を確立すると共に(S205)、第二の制御装置200に内部IPアドレスを割り当て(S206)、内部ネットワーク150と接続して通信を確立する(S207)。
一方、第二の制御装置200において、Sub−CPU221は、起動を完了すると(S204)、ネットワーク制御を開始し、内部ネットワーク150と接続して通信を確立する(S207)。
そして、MFP1は、第一の制御装置100、第二の制御装置200においてそれぞれ、Main−CPU111、Main−CPU211が起動する(S208)と、待機状態となる(S209)。
次に、本実施形態に係る第一の制御装置100が電源ON状態から電源OFF状態に移行する際の処理について、図3を参照して説明する。図3は、本実施形態に係る第一の制御装置100が電源ON状態から電源OFF状態に移行する際の処理を説明するためのフローチャートである。
図3に示すように、本実施形態に係る第一の制御装置100が電源ON状態から電源OFF状態に移行する際にはまず、第一の制御装置の電源OFF移行操作を受け付けると(S301)、第一の制御装置100は、第二の制御装置200に電源OFFを通知する(S302)。
そして、第一の制御装置100において、電源112、電源125はそれぞれ、主制御部110、ネットワーク制御部120への電力供給を停止する(S303)。
このとき、本実施形態に係るMFP1は、第一の制御装置100において、電源135もネットワーク切替部130への電力供給を停止し、その代わりに、電源・信号線170を介して第二の制御装置200からネットワーク切替部130へ電力を供給するように構成されていても良い。
本実施形態に係るMFP1は、このように構成されることで、第一の制御装置100と第二の制御装置200との電源制御を連動させることが可能となる。その結果、本実施形態に係るMFP1は、ソフトウェアによる電源制御を必要とせず、外部ネットワーク140の通信経路を第二の制御装置200へ切り替えるための切替制御を行うことが可能となる。
そして、第二の制御装置200は、内部ネットワーク150、信号線160、電源・信号線170のいずれかを介して、切替制御部134を制御することにより、外部ネットワーク140の通信経路を第二の制御装置200へ切り替える(S304)。これにより、外部ネットワーク140との通信経路が、第一の制御装置100の内部側から内部ネットワーク150側、即ち、第二の制御装置200側に切り替えられる。
そして、第二の制御装置200は、外部ネットワーク140と接続して通信を確立すると(S305)、待機状態となる(S306)。
このように、本実施形態に係るMFP1において、第二の制御装置200は、第一の制御装置100が電源ON状態から電源OFF状態に移行する場合、外部ネットワーク140の通信経路を自身に切り替えるように構成されている。
したがって、本実施形態に係るMFP1は、第一の制御装置100が電源ON状態から電源OFF状態に移行することによって、第一の制御装置100によるネットワーク接続制御の機能は停止するが、外部ネットワーク140の通信経路を第二の制御装置200へ切り替えることが可能となる。
これにより、本実施形態に係るMFP1は、第一の制御装置が省エネモードに移行したり、再起動したりした場合であっても、第二の制御装置が外部ネットワークに接続することができなくなることを防ぐことが可能となる。
なお、図3においては、第一の制御装置100が電源ON状態から電源OFF状態に移行する際の処理について説明したが、第一の制御装置100が再起動したり、リセットしたり、リブートしたりする際にも同様の制御が可能である。
また、図3においては、第一の制御装置100が電源ON状態から電源OFF状態に移行する際、第二の制御装置200が外部ネットワーク140の通信経路を第二の制御装置200へ切り替える例について説明した。この他、本実施形態に係るMFP1は、第一の制御装置100が電源ON状態から電源OFF状態に移行する前に、外部ネットワーク140の通信経路を第二の制御装置200へ切り替えるように構成されていても良い。
そこで、本実施形態に係るMFP1において、第一の制御装置100が電源ON状態から電源OFF状態に移行する前に、外部ネットワーク140の通信経路を第二の制御装置200へ切り替える際の処理について、図4を参照して説明する。図4は、本実施形態に係る第一の制御装置100が電源ON状態から電源OFF状態に移行する際の処理を説明するためのフローチャートである。
図4に示すように、本実施形態に係る第一の制御装置100が電源ON状態から電源OFF状態に移行する際にはまず、第一の制御装置の電源OFF操作を受け付けると(S401)、ネットワーク制御部120は、切替制御部134を制御することにより、外部ネットワーク140の通信経路を第二の制御装置へ切り替える(S402)。
そして、第一の制御装置100において、電源112、電源125はそれぞれ、主制御部110、ネットワーク制御部120への電力供給を停止する(S403)。
このとき、本実施形態に係るMFP1は、第一の制御装置100において、電源135もネットワーク切替部130への電力供給を停止し、その代わりに、電源・信号線170を介して第二の制御装置200からネットワーク切替部130へ電力を供給するように構成されていても良い。
本実施形態に係るMFP1は、このように構成されることで、第一の制御装置100と第二の制御装置200との電源制御を連動させることが可能となる。その結果、本実施形態に係るMFP1は、ソフトウェアによる電源制御を必要とせず、外部ネットワーク140の通信経路を第二の制御装置へ切り替えるための切替制御を行うことが可能となる。
そして、第二の制御装置200は、外部ネットワーク140と接続して通信を確立すると(S404)、待機状態となる(S405)。
次に、本実施形態に係る第一の制御装置100が電源OFF状態から電源ON状態移行する際の処理について、図5を参照して説明する。図5は、本実施形態に係る第一の制御装置100が電源OFF状態から電源ON状態に移行する際の処理を説明するためのフローチャートである。
図5に示すように、本実施形態に係る第一の制御装置100が電源OFF状態から電源ON状態移行する際にはまず、第一の制御装置の電源ON操作を受け付けると(S501)、第一の制御装置100は、第二の制御装置200に電源ONを通知する(S502)。
そして、第一の制御装置100において、電源112、電源125はそれぞれ、主制御部110、ネットワーク制御部120への電力供給を開始する(S503)。
このとき、本実施形態に係るMFP1は、電源・信号線170を介して第二の制御装置200からネットワーク切替部130へ電力を供給するように構成されていても良い。
本実施形態に係るMFP1は、このように構成されることで、第一の制御装置100と第二の制御装置200との電源制御を連動させることが可能となる。その結果、本実施形態に係るMFP1は、ソフトウェアによる電源制御を必要とせず、外部ネットワーク140の通信経路を第二の制御装置へ切り替えるための切替制御を行うことが可能となる。
そして、第一の制御装置100において、Main−CPU111、Sub−CPU121は、起動を開始する(S504)。
このとき、Sub−CPU121は、Main−CPU111よりも早く起動完了する。そのため、本実施形態に係るMFP1は、主制御部110の起動完了を待つことなく、ネットワーク接続制御を開始することが可能となる。本実施形態に係るMFP1は、このように構成されることで、システムとして起動時間を短縮することが可能となる。
そして、第二の制御装置200は、内部ネットワーク150、信号線160、電源・信号線170のいずれかを介して、切替制御部134を制御することにより、外部ネットワーク140の通信経路を第一の制御装置へ切り替える(S505)。これにより、第二の制御装置200は、第一の制御装置100から見てローカル側のデバイスとなる。即ち、これにより、外部ネットワーク140との通信経路が、内部ネットワーク150側、即ち、第二の制御装置200側から第一の制御装置100の内部側に切り替えられる。
そして、第一の制御装置100は、外部ネットワーク140と接続して通信を確立し(S506)、Main−CPU111が起動すると(S507)、待機状態となる(S508)。
このように、本実施形態に係るMFP1において、第二の制御装置200は、第一の制御装置100が電源OFF状態から電源ON状態に移行する場合、外部ネットワーク140の通信経路を第一の制御装置100に切り替えるように構成されている。
したがって、本実施形態に係るMFP1は、第一の制御装置100が電源OFF状態から電源ON状態に移行することで、第一の制御装置100によるネットワーク接続制御の機能が復帰する。
次に、本実施形態に係る第二の制御装置200が省エネモードに移行する際の処理について、図6を参照して説明する。図6は、本実施形態に係る第二の制御装置200が省エネモードに移行する際の処理を説明するための図である。
図6に示すように、本実施形態に係る第二の制御装置200が省エネモードに移行する際にはまず、第二の制御装置200は、第一の制御装置100に省エネモードへ移行する旨を通知し(S601)、電源212による主制御部210への電力供給を停止する(S602)。
そして、第二の制御装置200において、Sub−CPU221は、省エネ復帰要因の監視を開始する(S603)。このとき、第一の制御装置100のSub−CPU121がSub−CPU221による省エネ復帰要因の監視を補助するようにしても良い。
そして、第二の制御装置200において、Sub−CPU221は、省エネ復帰要因を検知すると(S604)、第一の制御装置100に省エネモードから復帰する旨を通知し(S605)、Main−CPU211を起動させ(S606)、待機状態となる(S607)。
次に、本実施形態に係る第一の制御装置100が省エネモードに移行する際の処理について、図7を参照して説明する。図7は、本実施形態に係る第一の制御装置100が省エネモードに移行する際の処理を説明するための図である。
図7に示すように、本実施形態に係る第一の制御装置100が省エネモードに移行する際にはまず、第一の制御装置100は、第二の制御装置200に省エネモードへ移行する旨を通知し(S701)、電源112による主制御部110への電力供給を停止する(S702)。
そして、第一の制御装置100において、Sub−CPU121は、省エネ復帰要因の監視を開始する(S703)。このとき、第二の制御装置200のSub−CPU221がSub−CPU121による省エネ復帰要因の監視を補助するようにしても良い。
そして、第一の制御装置100において、Sub−CPU121は、省エネ復帰要因を検知すると(S704)、第二の制御装置200に省エネモードから復帰する旨を通知し(S705)、Main−CPU111を起動させ(S706)、待機状態となる(S707)。
本実施形態に係るMFP1は、このように構成されることで、第一の制御装置100による電力消費を低減させることが可能となると共に、第二の制御装置200が外部ネットワーク140に接続することができなくなることを防ぐことが可能となる。
なお、本実施形態においては、図1を参照して説明したように、第一の制御装置100に1個の第二の制御装置200が接続されて構成されるMFP1について説明した。この他、本実施形態に係るMFP1は、図8に示すように、第一の制御装置100に複数個の第二の制御装置200が接続されて構成されても良い。MFP1は、このように構成された場合、第一の制御装置100の内部若しくは外部にHUB機能を持たせても良い。
なお、図8においては、第二の制御装置200−1〜第二の制御装置200−N(N:1以上の自然数)のN個の第二の制御装置200が第一の制御装置100に接続されている例について示している。
実施の形態2.
本実施形態に係るMFP1は、図1に示すようなハードウェア構成のほかに図9に示すように、Sub−CPU121およびSub−CPU221の内部にパケット自動応答部126、226、パケット検知部127、227を含む構成であってもよい。
図9は、本実施形態に係るMFP1のハードウェア構成を示す図である。以下、図9に示すMFP1のハードウェア構成の説明において、図1に示すMFP1のハードウェア構成と重複する箇所には同じ符号を付し、重複する説明を省略する。
パケット自動応答部126は、第一の制御装置100のネットワーク接続において用いられるネットワークプロトコルにおける自動応答の制御やルータの制御をおこなう。ここで用いられるネットワークプロトコルの例としては、ARP(Address Resolution Protocol)、NBNS(Net BIOS Name Service)、LLMNR(Link−local Multicast Name Resolution)、SSDP(Simple Service Discovery Protocol)などがある。
ARPを用いる自動応答においてパケット自動応答部126は、IPアドレスから物理層のネットワークアドレス(MACアドレス)を求める。また、NBNSを用いる自動応答においてパケット自動応答部126は、コンピュータ名をネットワーク上に登録・取得する。
LLMNRを用いる自動応答においてパケット自動応答部126は、DNSサーバを持たないネットワーク環境において、近隣コンピュータの名前を解決する。SSDPを用いる自動応答においてパケット自動応答部126は、ネットワーク上のPlug and Playデバイスを探索・発見する。なお、Plug and Playデバイスとは、MFP1に接続されたデバイスのうち、ハードウェア、ファームウェア、ドライバ、オペレーティングシステム、アプリケーションなどが自動的に協調し、MFP1に対して、機器の組み込みと設定を自動的に行う機能を備えたデバイスである。
また、パケット自動応答部126は、上述したパケットのほかにも、不要なパケットの破棄を行う。なお、パケット自動応答部226も、パケット自動応答部126と同様に、第二の制御装置200のネットワーク切替動作において用いられるネットワークプロトコルに対しての自動応答の制御やルータの制御をおこなう。
パケット検知部127は、MFP1が省エネ状態から復帰するための要因となるパケットを検知する。MFP1が省エネ状態から復帰するための要因となるパケットとしては、MDNS(Multicast Domain Name System)に基づくパケット、ICMPv6(Internet Control Message Protocol for IPv6)に基づくパケット、または、BROWSERに基づくパケットなどがある。
パケット検知部127は、MDNSのパケットを検知することによって、ホスト名の探索を行う。また、パケット検知部127は、ICMPv6のパケットを検知することによって、近隣探索を行う。なお、パケット検知部227も、パケット検知部127と同様に、MFP1が省エネ状態から復帰するための要因となるパケットを検知する。
このように、本実施形態に係るMFP1において、第二の制御装置200は、内部ネットワーク150を介して第一の制御装置100によるネットワーク制御により外部ネットワーク140に接続される。したがって、本実施形態に係るMFP1によれば、外部ネットワーク用のネットワークケーブルを1本に集約することが可能となり、外部ネットワーク側の通信網に接続されているデバイスは、外部IPアドレスを一つで、MFP1内の複数の制御装置を制御することが可能である。
また、本実施形態に係るMFP1においては、ネットワークプロトコルに対して上述したような条件のパケットを検知することによって、自動応答の制御やルータの制御をおこなうことができる。本実施形態に係るMFP1は、第一の制御装置100が省エネモードに移行したり、再起動したりする場合に、外部ネットワーク140の通信経路を通じて、検知したパケットの種類に基づいて自動応答を行う。
このように、第二の制御装置200は、第一の制御装置100が省エネモードに移行したり、再起動したりする場合、ネットワークプロトコルに対しての自動応答の制御やルータの制御をおこなうことによって外部ネットワーク140の通信経路を自身に切り替えることができる。したがって、本実施形態に係るMFP1は、第一の制御装置100が省エネモードに移行したり、再起動したりした場合であっても、第二の制御装置200が外部ネットワーク140に接続することができなくなることを防ぐことが可能となる。
実施の形態3.
本実施形態の係るMFP1は、図10に示すように、第一の制御装置100と第二の制御装置200とが、無線通信によって接続され、連動した電源制御を行う。以下、図10に示すMFP1のハードウェア構成について説明する。図10は、第一の制御装置100と第二の制御装置200とが無線通信によって接続されたMFP1のハードウェア構成を示す図である。
図10に示すMFP1のハードウェア構成の説明において、図9に示すMFP1のハードウェア構成と重複する箇所には同じ符号を付し、重複する説明を省略する。本実施形態に係る第一の情報処理部である第一の制御装置100は、RF(Radio Frequency)インタフェース136、MAC/BB(Base Band)モジュール137、ANT(アンテナ)180を含む。
RFインタフェース136は、無線通信に使用される周波数帯の電磁波や電気信号によって通信を行うためのインタフェースである。MAC/BBモジュール137は、MACもしくは、ベースバンドを扱うためのBBモジュールである。ANT180は、無線通信用のアンテナである。これらの構成を含むネットワーク切替部130は、第一の外部ネットワーク接続部として機能する。
また、本実施形態に係る第二の情報処理部である第二の制御装置200は、RFインタフェース236、MAC/BBモジュール237、ANT280を含む。なお、RFインタフェース236は、RFインタフェース136と、MAC/BBモジュール237は、MAC/BBモジュール137と、ANT280は、ANT180とそれぞれ同様の動作を行うため、重複する説明を省略する。また、これらの構成を含むネットワーク接続部230は、第二の外部ネットワーク接続部として機能する。
本実施形態に係る第一の制御装置100と第二の制御装置200は、電源・信号線170によって接続される。電源・信号線170は、PCI Expressなどの高速シリアルインタフェースであってもよい。本実施形態に係るMFP1は、このように構成されることで、第一の制御装置100と第二の制御装置200との間で分散処理を行う場合に、ネットワークのトラフィックを増やすことなく、高速なデータの送受信を行うことができる。
また、本実施形態に係る第二の制御装置200は、このように構成されることで、第一の制御装置100が省エネモードに移行したり、再起動したりする場合、すなわち、第一の制御装置100の電力状態に応じて、ネットワークプロトコルに対しての自動応答の制御やルータの制御をおこなう。
第二の制御装置200は、ネットワークプロトコルに対しての自動応答の制御やルータの制御を行い、ANT180およびANT280を介した無線通信による外部ネットワークとの通信経路を第二の制御装置200側に切り替えることができる。
すでに説明したとおり、第一の制御装置100は、複数の電力状態を切り替えることができる。例えば、省エネモードに移行していない場合や再起動を行わない場合を第一の電力状態とする。また、省エネモードへの移行や再起動をする場合を第二の電力状態とする。したがって、第一の制御装置100の消費電力は、第二の電力状態である場合に、第一の電力状態の場合と比較して小さくなる。
したがって、本実施形態に係るMFP1は、第一の制御装置100が第二の電力状態であっても、第二の制御装置200が外部ネットワークに接続することができなくなることを防ぐことができる。
次に、本実施形態に係るMFP1が電源OFF状態から電源ON状態に移行する際の処理について、図11を参照して説明する。図11は、本実施形態に係るMFP1が電源OFF状態から電源ON状態に移行する際の処理を説明するためのフローチャートである。
図11に示すように、本実施形態に係るMFP1が電源OFF状態から電源ON状態に移行する際はまず、電源ON操作を受け付けると(S1101)、第一の制御装置100、第二の制御装置200において、各電源は、各部に電力を供給する(S1102)。
そして、第一の制御装置100、第二の制御装置200において、Main−CPU111、Main−CPU211、Sub−CPU121、Sub−CPU221は、起動を開始する(S1103)。
このとき、システムによって起動完了までの時間にはバラつきがあり、Sub−CPU121、Sub−CPU221はそれぞれ、Main−CPU111、Main−CPU211よりも早く起動完了する。
例えば、Main−CPU111、Main−CPU211がHDDから起動するOSによって動作し、Sub−CPU121、Sub−CPU221がネットワーク接続制御に特化したフラッシュメモリから起動するOSによって動作する場合などである。
そのため、本実施形態に係るMFP1は、主制御部110、主制御部210の起動完了を待つことなく、ANT180およびANT280を介した無線通信による外部ネットワークとの接続制御を開始することが可能となる。本実施形態に係るMFP1は、このように構成されることで、システムとして起動時間を短縮することが可能となる。
そして、第一の制御装置100において、Sub−CPU121は、ネットワーク制御を開始し、ANT180と接続して通信を確立すると共に(S1105)、第二の制御装置200に内部IPアドレスを割り当て(S1106)、ANT280を介して第二の制御装置200と通信を確立する(S1107)。
一方、第二の制御装置200において、Sub−CPU221は、起動を完了すると(S1104)、ネットワーク制御を開始し、ANT280およびANT180を介して第一の制御装置100と通信を確立する(S1107)。
そして、MFP1は、第一の制御装置100、第二の制御装置200においてそれぞれ、Main−CPU111、Main−CPU211が起動する(S1108)と、待機状態となる(S1109)。
次に、本実施形態に係る第一の制御装置100が電源ON状態から電源OFF状態に移行する際の処理について、図12を参照して説明する。図12は、本実施形態に係る第一の制御装置100が電源ON状態から電源OFF状態に移行する際の処理を説明するためのフローチャートである。
図12に示すように、本実施形態に係る第一の制御装置100が電源ON状態から電源OFF状態に移行する際にはまず、第一の制御装置の電源OFF移行操作を受け付けると(S1201)、第一の制御装置100は、第二の制御装置200に電源OFFを通知する(S1202)。
そして、第一の制御装置100において、電源112、電源125はそれぞれ、主制御部110、ネットワーク制御部120への電力供給を停止する(S1203)。
このとき、本実施形態に係るMFP1は、第一の制御装置100において、電源135もネットワーク切替部130への電力供給を停止し、その代わりに、電源・信号線170を介して第二の制御装置200からネットワーク切替部130へ電力を供給するように構成されていても良い。
本実施形態に係るMFP1は、このように構成されることで、第一の制御装置100と第二の制御装置200との電源制御を連動させることが可能となる。その結果、本実施形態に係るMFP1は、ソフトウェアによる電源制御を必要とせず、ANT180およびANT280を介した無線通信による外部ネットワークとの通信経路を、第一の制御装置100の内部側から第二の制御装置200へ切り替えるための切替制御を行うことが可能となる。
そして、第二の制御装置200は、ANT180およびANT280を介した無線通信によって、ネットワーク制御部120を制御することにより、ANT180およびANT280を介した無線通信の経路を第二の制御装置200へ切り替える(S1204)。これにより、ANT180およびANT280を介した無線通信による外部ネットワークとの通信経路が、第一の制御装置100の内部側から第二の制御装置200側に切り替えられる。
そして、第二の制御装置200は、ANT280を介してANT180との間の無線通信の経路と接続して通信を確立すると(S1205)、待機状態となる(S1206)。
このように、本実施形態に係るMFP1において、第二の制御装置200は、第一の制御装置100が電源ON状態から電源OFF状態に移行する場合、ANT180およびANT280を介した無線通信による外部ネットワークとの通信経路を自身に切り替えるように構成されている。
次に、本実施形態に係る第一の制御装置100が電源OFF状態から電源ON状態移行する際の処理について、図13を参照して説明する。図13は、本実施形態に係る第一の制御装置100が電源OFF状態から電源ON状態に移行する際の処理を説明するためのフローチャートである。
図13に示すように、本実施形態に係る第一の制御装置100が電源OFF状態から電源ON状態移行する際にはまず、第一の制御装置の電源ON操作を受け付けると(S1301)、第一の制御装置100は、第二の制御装置200に電源ONを通知する(S1302)。
そして、第一の制御装置100において、電源112、電源125はそれぞれ、主制御部110、ネットワーク制御部120への電力供給を開始する(S1303)。
このとき、本実施形態に係るMFP1は、電源・信号線170を介して第二の制御装置200からネットワーク切替部130へ電力を供給するように構成されていても良い。
本実施形態に係るMFP1は、このように構成されることで、第一の制御装置100と第二の制御装置200との電源制御を連動させることが可能となる。その結果、本実施形態に係るMFP1は、ソフトウェアによる電源制御を必要とせず、ANT180およびANT280を介した無線通信による外部ネットワークとの通信経路を第二の制御装置へ切り替えるための切替制御を行うことが可能となる。
そして、第一の制御装置100において、Main−CPU111、Sub−CPU121は、起動を開始する(S1304)。
このとき、Sub−CPU121は、Main−CPU111よりも早く起動完了する。そのため、本実施形態に係るMFP1は、主制御部110の起動完了を待つことなく、ネットワーク接続制御を開始することが可能となる。本実施形態に係るMFP1は、このように構成されることで、システムとして起動時間を短縮することが可能となる。
そして、第二の制御装置200は、ANT180およびANT280を介した無線通信、電源・信号線170のいずれかを介して、ネットワーク制御部120を制御することにより、ANT180およびANT280を介した無線通信による外部ネットワークとの通信経路を第一の制御装置100側へ切り替える(S1305)。これにより、第二の制御装置200は、第一の制御装置100から見てローカル側のデバイスとなる。
即ち、これにより、ANT180およびANT280を介した無線通信による外部ネットワークとの通信経路が、第二の制御装置200側から第一の制御装置100の内部側に切り替えられる。
そして、第一の制御装置100は、ANT180およびANT280を介して外部ネットワークと接続して通信を確立し(S1306)、Main−CPU111が起動すると(S1307)、待機状態となる(S508)。
このように、本実施形態に係るMFP1において、第二の制御装置200は、第一の制御装置100が電源OFF状態から電源ON状態に移行する場合、ANT180およびANT280を介した無線通信による外部ネットワークとの通信経路を第一の制御装置100に切り替えるように構成されている。
したがって、本実施形態に係るMFP1は、第一の制御装置100が電源OFF状態から電源ON状態に移行することで、第一の制御装置100によるネットワーク接続制御の機能が復帰する。
なお、本実施形態においては、図10を参照して説明したように、第一の制御装置100に1個の第二の制御装置200が、無線通信によって接続されて構成されるMFP1について説明した。この他、本実施形態に係るMFP1は、図14に示すように、第一の制御装置100に複数個の第二の制御装置200が、無線通信によって接続されて構成されても良い。MFP1は、このように構成された場合、第一の制御装置100の内部若しくは外部にHUB機能を持たせても良い。
なお、図14においては、第二の制御装置200−1〜第二の制御装置200−N(N:1以上の自然数)のN個の第二の制御装置200が、それぞれのANT280−1〜ANT280−Nを介して、第一の制御装置100と、無線通信によって接続されているMFP1について示している。
MFP1が図14に示すように構成される場合、パケット自動応答部226、パケット検知部227は、最も外部ネットワークに近い側の第二の制御装置200である第二の制御装置200−1に搭載される。このとき、第二の制御装置200−1に搭載されたパケット自動応答部226、パケット検知部227は、第二の制御装置200−2〜200−Nの復帰要因を検知する。
また、図15に示すように、第二の制御装置200−1〜第二の制御装置200−Nのうち、いずれか2個の第二の制御装置200同士を電源・信号線170によって接続する構成であってもよい。このとき、図14と同様に、第二の制御装置200−1に搭載されたパケット自動応答部226、パケット検知部227は、第二の制御装置200−2〜200−Nの復帰要因を検知する。
また、第一の制御装置100に複数個の第二の制御装置200が無線通信によって接続されているMFP1において、第一の制御装置100が、ANT180を介した無線通信および外部ネットワーク140の通信経路に接続可能なように構成されてもよい。
このような場合、図16に示すように、パケット自動応答部226、パケット検知部227は、最も外部ネットワークに近い側の第二の制御装置200である第二の制御装置200−1に搭載される。このとき、第二の制御装置200−1に搭載されたパケット自動応答部226、パケット検知部227は、第二の制御装置200−2〜200−Nの復帰要因を検知する。
さらに、図17に示すように、第二の制御装置200−1〜第二の制御装置200−Nのうち、いずれか2個の第二の制御装置200同士を電源・信号線170によって接続する構成であってもよい。このとき、図16と同様に、第二の制御装置200−1に搭載されたパケット自動応答部226、パケット検知部227は、第二の制御装置200−2〜200−Nの復帰要因を検知する。