JP6766277B1 - 反射光学素子 - Google Patents

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Abstract

反射光学素子(1)は、絶縁層(3)、格子群(5)、裏面電極(21)および電圧印加部(23)を備えている。格子群(5)は、格子(7i)と格子(7j)とを含む複数の格子(7)からなる。複数の格子(7)のそれぞれは、誘電体層(11)とグラフェン層(13)とが積層された構造を有している。電圧印加部(23)は、格子群(5)のそれぞれに個別に電圧を印加する機能を有する。電圧印加部(23)は、格子(7i)に第1電圧を印加する電圧印加部(23i)と、格子(7j)に第2電圧を印加する電圧印加部(23j)とを含む。

Description

本発明は、反射光学素子に関する。
LiDAR(Light Detection and Ranging)は、リモートセンシング技術の一つであり、対象物にレーザ光を照射し、その反射光を検出器によって測定することで距離が測定される。自動車の自動運転化に向けた取り組みが進む近年では、LiDARは、高度運転支援システム(ADAS:Advanced Driver Assistance System)または距離測定などの用途において、重要度が高くなっている。
LiDARは、主に、レーザ光源、機械駆動式ミラーおよび検出器から構成される。機械駆動式ミラーは、動作速度が遅いこと、また、反射角度の範囲が狭いことに課題がある。さらに、ミラーと別に、検出器が必要であり、システムが大型化するという課題がある。このため、機械駆動式ミラーを用いない手法が提案されている。たとえば、特許文献1では、金属−絶縁体−金属(MIM)構造を備えた光変調素子が提案されている。この光変調素子では、絶縁膜に電圧を印加することによって屈折率を変調し、反射する光の位相をトポロジカルに制御することで、反射光の反射角度が変えられる。
特表2018−509643号公報
Zhaona Wang, Yanyan Sun, Lu Han, Dahe Liu "General laws of reflection and refraction for subwavelength phase grating", arXiv: 1312.3855.
金属−絶縁体−金属(MIM)構造を備えた光変調素子では、絶縁体の構造に起因して高次の回折光が生じやすくなる。その結果、反射光の強度が低下するおそれがある。
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、反射光の強度が弱められることなく、反射光の反射角度を変えることができる反射光学素子を提供することである。
本発明に係る反射光学素子は、入射する電磁波の反射方向を変更可能とする反射光学素子であって、絶縁体と積層構造部と電極部と反射板とを有している。絶縁体は、互いに対向する第1主面および第2主面を有する。積層構造部は、絶縁体に対して第1主面の側に配置されている。電極部は、積層構造部に電気的に接続され、電圧が印加される。反射板は、絶縁体に対して第2主面の側に配置されている。積層構造部は、一つ以上の第1積層構造体と、一つ以上の第2積層構造体とを含む複数の積層構造体を備えている。第1積層構造体は、第1方向に第1幅を有し、第1方向と交差する第2方向に延在する。第2積層構造体は、第1積層構造体とは第1方向に間隔を隔てて配置され、第1方向に第2幅を有し、第2方向に延在する。複数の積層構造体のそれぞれでは、誘電体層と第1二次元材料層とが積層されている。電極部は、第1電極と第2電極とを含む複数の電極を備えている。第1電極は、第1積層構造体における第1二次元材料層に電気的に接続され、第1電圧が印加される。第2電極は、第2積層構造体における第1二次元材料層に電気的に接続され、第2電圧が印加される。第1電圧によって第1積層構造体における第1二次元材料層の屈折率を変化させる。第2電圧によって第2積層構造体における第1二次元材料層の屈折率を変化させる。
本発明に係る反射光学素子によれば、第1積層構造体と第2積層構造体とは間隔を隔てて配置されている。第1積層構造体における第1二次元材料層に第1電圧が印加され、第2積層構造体における第1二次元材料層に第2電圧が印加される。これにより、回折光が生じて反射する電磁波の強度が弱められることはなく、第1積層構造体および第2積層構造体のそれぞれにおける第1二次元材料層の屈折率が変化することで、第1積層構造体および第2積層構造体のそれぞれにおいて反射する電磁波の位相が変化し、電磁波の反射角度を変えることができる。
各実施の形態に係る反射光学素子の原理を説明するための図。 実施の形態1に係る反射光学素子の一例を示す平面図。 同実施の形態において、図2に示す断面線III−IIIにおける断面図。 同実施の形態において、反射光学素子の形状を説明するための斜視図。 同実施の形態において、反射光学素子の製造方法の一工程を示す断面図。 同実施の形態において、図5に示す工程の後に行われる工程を示す断面図。 同実施の形態において、図6に示す工程の後に行われる工程を示す断面図。 同実施の形態において、図7に示す工程の後に行われる工程を示す断面図。 同実施の形態において、反射光学素子の動作を模式的に示す図。 同実施の形態において、一変形例に係る反射光学素子を示す部分断面図。 同実施の形態において、他の変形例に係る反射光学素子を示す部分断面図。 実施の形態2に係る反射光学素子の一例を示す断面図。 同実施の形態において、反射光学素子の他の例を示す断面図。 同実施の形態において、反射光学素子のさらに他の例を示す断面図。 同実施の形態において、反射光学素子のさらに他の例を示す部分斜視図。 実施の形態3に係る反射光学素子の一例を示す断面図。 同実施の形態において、反射光学素子の効果を説明するためのグラフを含む図。 実施の形態4に係る反射光学素子の一例を示す平面図。 実施の形態5に係る反射光学素子の一例を示す平面図。 同実施の形態において、図19に示す断面線XX−XXにおける断面図。 同実施の形態において、反射光学素子の他の例を示す断面図。 同実施の形態において、反射光学素子のさらに他の例を示す断面図。 同実施の形態において、図22に示す反射光学素子の製造方法の一工程を示す断面図。 同実施の形態において、図23に示す工程の後に行われる工程を示す断面図。 同実施の形態において、図24に示す工程の後に行われる工程を示す断面図。 実施の形態6に係る反射光学素子の一例を示す平面図。 同実施の形態において、図26に示す断面線XXVII−XXVIIにおける断面図。 同実施の形態において、反射光学素子の他の例における電磁波検出部を示す部分平面図。 同実施の形態において、図28に示す電磁波検出部の分解部分平面図。
はじめに、各実施の形態に係る反射光学素子の基本構造と、反射の原理について説明する。ここでは、可視光または赤外光(赤外線)を用いて説明するが、反射光学素子では、この可視光および赤外光に加えて、たとえば、X線、紫外光、近赤外光、テラヘルツ(THz)波、マイクロ波等の領域の電波の検出器としても有効である。この明細書では、このような光および電波を総称して電磁波と記載する。
反射光学素子では、二次元材料層の一つとしてグラフェン層を用いて説明するが、二次元材料層のバリエーションについては後述する。
また、反射光学素子では共鳴現象を利用して電磁波の反射が行われる。共鳴現象には、プラズモン共鳴現象、擬似表面プラズモン共鳴現象、メタマテリアルまたはプラズモニックメタマテリアルによる現象がある。これらの共鳴現象については、特に、名称による区別をせず、その現象が及ぼす効果の観点から同じ扱いとする。これらの現象を、表面プラズモン共鳴、プラズモン共鳴、または、単に共鳴と呼ぶ。
なお、プラズモン共鳴現象とは、金属表面と光との相互作用である表面プラズモン共鳴現象等である。擬似表面プラズモン共鳴現象とは、可視光および赤外光以外の、特に、テラヘルツ近傍の波長を有する電磁波による、金属表面に係る共鳴現象である。メタマテリアルまたはプラズモニックメタマテリアルによる現象とは、電磁波の波長以下のサイズを有する構造によって特定の波長の電磁波を操作することによる共鳴現象である。
さらに、反射光学素子として、ソース電極とドレイン電極とを有する電磁波検出部を備えた構造と、反射板をバックゲートとして適用する構造とを用いて説明するが、4端子電極構造またはトップゲート構造等の電極構造を備えた反射光学素子にも適用することができる。
図1の上段に、反射光学素子1の基本的な構造を模式的に示す。反射光学素子1は、絶縁体としての絶縁層3、積層構造部としての格子群5、反射板21および格子群5に電圧を印加する電圧印加部23を備えている。
格子群5は、絶縁層3に対して、一方の主面の側に形成されている。格子群5は、格子7iと格子7jとを含む複数の格子7からなる。複数の格子7のそれぞれは、積層構造体として、誘電体層11と、二次元材料層としてのグラフェン層13とが積層された構造を有している。
電圧印加部23は、格子群5のそれぞれに個別に電圧を印加する機能を有する。電圧印加部23は、たとえば、格子7iに第1電圧を印加する電圧印加部23iと、格子7jに第2電圧を印加する電圧印加部23jとを含む。反射板21は、絶縁層3に対して、他方の主面の側に配置されている。
次に、反射光学素子1の動作原理として、電磁波(入射光)が、格子群5に入射する場合について、さらに、図2および図3を含めて説明する。格子群5では、入射した電磁波が、グラフェン層13とグラフェン層9との間、および、グラフェン層13等と反射板21との間で強め合う共鳴と呼ばれる現象が生じる。また、グラフェン層13の周囲においては、特に、プラズモン共鳴と呼ばれる現象が生じる。
一つの格子7に入射した電磁波が共鳴すると、反射する電磁波の位相は、入射する電磁波の位相よりも遅れることになる。共鳴が強いほど、位相の変化量が大きくなる。位相の変化は、格子群5を含む物理的な形状によっても決定されることになるが、グラフェン層13に印加する電圧によって、グラフェン層13の屈折率を変化させることができる。このため、反射する電磁波の位相を電気的に制御することが可能になる。
そうすると、反射光学素子1では、入射する電磁波のスポット内に位置する格子群5において、各格子7において反射する電磁波の位相が、各格子7のグラフェン層13に印加する電圧によって変化することになる。ホイヘンスの原理から、反射する電磁波の波面の向きは、各格子7において反射する電磁波の位相によって決定される。すなわち、所望の反射角度に波面が向くように、反射する電磁波の位相を各格子7に印加する電圧によって制御することで、反射角度を電気的に変化させることができる。
次に、電磁波の入射角度および反射角度と電磁波の位相とについて、一般化されたスネルの法則に基づいて説明する。図1に示すように、媒質Iから媒質Iと媒質Rとの界面に向かって電磁波が入射する場合を想定する。反射光学素子1の格子群5等のサイズは、入射する電磁波の波長よりも短く設定されている。このため、電磁波からみると、各格子7は、それぞれ点として捉えることができ、反射光学素子1は、界面に位置していると考えて差支えない。
ここで、電磁波の光路として、2つの光路ACEと光路ADEとを考える。光路ACEは、電磁波が、点Aから点Cに到達し、点Cにおいて反射されて点Eに到達する光路である。光路ADEは、電磁波が、点Aから点Dに到達し、点Dにおいて反射されて点Eに到達する光路である。反射光学素子1が配置されている界面をX軸とする(非特許文献1参照)。
入射光(電磁波)の波長をλ、入射角度をθ、反射角度をθ、媒質Iの屈折率をn、媒質Rの屈折率をn、点Cにおける電磁波の位相をφ、点Dにおける電磁波の位相をφ+dφ、点Cと点Dとの間の距離をdx、波数をk(=2π/λ)とする。
光路ADEと光路ACEとが無限に接近すると位相差は0になる。このことは、以下の式(1)、
{k・n・dx・sinθ+(φ+dφ)}−(k・n・dx・sinθ+φ)=0 … (1)
によって表される。
式(1)から、以下の式(2)、
sinθ−sinθ=λ/(2・π・n)・dφ/dx … (2)
が導かれる。
さらに、式(2)から、以下の式(3)、
dφ/dx=2・π/λ・n・(sinθ−sinθ) … (3)
が導かれる。
入射角度と反射角度とが決まれば、式(3)の関係を満たすように、位相の変化を設定すればよい。X軸上において、電磁波の位相を変化させることができれば、屈折率n、nとは独立に、反射角度θを変化させることができる。
X軸上に配置された格子群5の各格子7が位置する座標において、式(2)により、位相が連続的に変化すれば、ホイヘンスの原理により、各格子7(座標)における位相の変化によって、回折した電磁波の波面の進行方向を変化させることができる。すなわち、電磁波の反射角度を変化させることができることになる。以下、各実施の形態において、反射光学素子の構造について具体的に説明する。
実施の形態1.
実施の形態1に係る反射光学素子の一例について説明する。図2および図3に示すように、反射光学素子1では、絶縁体としての絶縁層3が、基板19の一方の表面を覆うように形成されている。絶縁層3の一方の主面(第1主面)に接するように、複数の積層構造体を備えた積層構造部としての格子群5が形成されている。基板19の他方の表面を覆うように、反射板21が形成されている。
基板19は、反射光学素子1の全体を保持する機能を有する。基板19は、たとえば、シリコン(Si)等の半導体材料からなる。具体的には、高抵抗のシリコン基板を適用することができる。また、たとえば、シリコン基板の表面に熱酸化膜を形成することで絶縁性を高めた基板等を用いてもよい。熱酸化膜が形成された基板では、その熱酸化膜が絶縁層3を兼ねるようにしてもよい。さらに、反射板21を形成するために、不純物を添加したシリコン基板を用いてもよい。
また、基板19として、II−V族半導体を適用してもよい。さらに、基板19の材料として、テルル化カドミウム水銀(HgCdTe)、インジウムアンチモン(InSb)、TypeII超格子等の材料を適用してもよい。このような材料を適用した基板は、固有のバンドギャップを有することになる。基板が、固有のバンドギャップを有することで、光ゲート効果を生じさせることができる。これについては、後述する。
絶縁層3として、たとえば、酸化シリコン(SiO)、窒化シリコン(SiN)、酸化ハフニウム(HfO)、酸化アルミニウム、酸化ニッケル、酸化タンタル、または、ボロンナイトライド(BN)等を適用することができる。特に、ボロンナイトライド(BN)は、原子配列がグラフェン層の原子配列と似ているため、ボロンナイトライドがグラフェン層と接触しても、電荷の移動を妨げない。したがって、ボロンナイトライドは、電子移動度等のグラフェン層の性能を阻害することはほとんどなく、グラフェン層9の下地膜として好ましい。
反射板21は、金、銀またはアルミニウム等の金属によって形成されている。この反射光学素子1では、反射板21は、電磁波を反射させる機能をもたせるために、金属としては、入射する電磁波の波長に対して反射率が高い金属を用いることが望ましい。たとえば、入射する電磁波が赤外線の波長域の電磁波であれば、アルミニウムまたは金を用いることが望ましい。
複数の積層構造体を備えた積層構造部としての格子群5は、格子7aと格子7nとを含む三以上の格子7を含む。ここで、nを3以上の自然数とすると、積層構造部は、第1積層構造体から第n積層構造体までの複数の積層構造体を備えている。具体的に、複数の積層構造体を備えた積層構造部としての格子群5は、第1格子としての格子7aおよび第2格子としての格子7nを含む複数のストライプ状の格子7を備えている。格子7のそれぞれは、X軸に方向に互いに間隔を隔てて配置されている。格子7のそれぞれは、積層構造体として、グラフェン層9、誘電体層11およびグラフェン層13を積層させた構造を備えている。なお、この明細書において、参照符号(たとえば、7、23など)に付されている「n」は、参照符号の一部であり、自然数nとは区別される。
グラフェン層9、11は、単層であってもよいし、二層以上であってもよい。単層のグラフェン層は、炭素原子が六角形状に結合した格子構造を有する原子一層のシート状の物質であり、代表的な二次元原子層材料である。その厚さは、原子一層であり極めて薄い。電荷移動度は、たとえば、シリコンの電荷移動度の100倍程度であり、電荷移動度が高いことが知られている。
原子層が二層以上に積層されたグラフェン層の場合、そのグラフェン層に含まれる任意の2つの原子層では、一方の原子層における六方格子の格子ベクトルの向きと他方の原子層における六方格子の格子ベクトルの向きとが一致しておらず、一方の格子ベクトルの向きと他方の格子ベクトルの向きとにずれがあってもよい。また、一方の格子ベクトルの向きと他方の格子ベクトルの向きとが、完全に一致しているグラフェン層でもよい。
グラフェン層として、ナノリボン状のグラフェンを用いる場合には、グラフェン層は、単層のグラフェンナノリボン層からなる構造、または、二層以上のグラフェンナノリボン層を積層した構造となる。また、グラフェン層として、平面上にグラフェンナノリボンを周期的に配置した構造としてもよい。
グラフェンナノリボンを周期的に配置した構造では、グラフェンナノリボンにおいてプラズモン共鳴が発生し、特定の波長において共鳴が生じ、反射する電磁波の位相の変化量を大きくすることができる。さらに、グラフェン層としては、不純物が添加されていないノンドープのグラフェン層でもよいし、p型またはn型の不純物がドープされたグラフェン層でもよい。
複数の積層構造体を備えた積層構造部としての格子群5には、その格子群5に電気的に接続される、複数の電極15を有する電極部が形成されている。複数の電極15として、第1積層構造体から第n積層構造体までの積層構造体に、順に、第1電極から第n電極までの電極15が形成されている。具体的に、複数の格子7のそれぞれに、上層のグラフェン層13に接触するように、電極15が形成されている。複数の格子7のそれぞれに対して、個々に電圧を印加する電圧印加部23が設けられている。たとえば、格子7aには電極15aが形成されている。その電極15aに電圧印加部23aが電気的に接続されている。格子7nには電極15nが形成されている。その電極15nに電圧印加部23nが電気的に接続されている。
上述したように、格子7のそれぞれに対して、電圧印加部23から電極15を介して個々に電圧を印加することで、格子7のそれぞれのグラフェン層13の導電率および屈折率が変化し、グラフェン層13の光学特性を電気的に変化させることができる。
格子7(グラフェン層13)のそれぞれに電気的に接続される電圧印加部23には、所望の電圧を印加するための電子回路(図示せず)が設けられている。電子回路としては、各格子7に対して、反射角度を制御するために必要とされる位相の変化を生じさせるのに十分な電圧を印加させることができれば、回路構成に制限はない。
図4に示すように、各格子7において、第1方向としてのX軸方向の長さを幅WG、第2方向としてのY軸方向の長さを延在長さL、格子7のX軸方向の周期(ピッチ)を周期PG、格子7の厚さ(Z軸方向)を厚さTG、電極15の厚さを厚さTE、誘電体層11の厚さを厚さTIとする。
第1幅および第2幅としての幅WG、厚さTG、周期PGおよび長さLは、対象とする電磁波の波長よりも短く設定されている。ここでは、各格子7について、格子の構造として、幅WG、厚さTG、周期PGおよび長さLのそれぞれは、同じ値に設定されている。幅WGは、たとえば、数十nm程度に設定されている。厚さTGは、数十nm程度に設定されている。周期PGは、たとえば、数百nm程度に設定されている。厚さTEは、数十nm程度に設定されている。格子群5は、入射する電磁波のスポット径内に位置するように配置されている。
幅WG、長さL、周期PG等を変えることで、共鳴波長を変えることができる。一般的に、多層構造の格子7(格子群5)では、幅WGが共鳴波長を制御する主パラメータとなる。幅WGが狭い方が、共鳴波長は短波長にシフトすることになる。
また、誘電体層11の厚さTIを変えることで、共鳴波長を制御することができる。誘電体層11を挟み込むグラフェン層13とグラフェン層9との間で共鳴(または導波モード)が生じるため、誘電体層11の厚さTIが厚い方が、入射する電磁波の波長は長波長になる。さらに、隣り合う格子7と格子7との間隔(周期PG−幅WG)は、狭い方が共鳴が強くなり、反射する電磁波の位相変化量を大きくすることができる。これは、隣り合う格子7と格子7との間において、ギャップ共鳴が生じるためである。
なお、格子群5として複数の格子7を一次元的に一方向に配置させる場合において、入射する電磁波が偏光を有する場合では、格子7の幅方向に対して、電磁波の電界の向きが平行になるように、反射光学素子と電磁波とを配置することで、電磁波の位相を効率的に変えることができる。したがって、この場合には、格子7の長さLを電磁波の波長よりも長く設定することが望ましい。実施の形態1に係る反射光学素子1は、上記のように構成される。
次に、上述した反射光学素子1の製造方法の一例について説明する。図5に示すように、たとえば、シリコンからなる基板19を用意する。基板19には、対向する表面と裏面とを有する。次に、基板19の表面に絶縁層3を形成する。基板19がシリコンからなる場合、絶縁層3は、基板19に熱酸化処理を行うことによって形成された酸化シリコン(SiO)でもよい。熱酸化処理の他に、たとえば、CVD(Chemical Vapor Deposition)法またはスパッタ法用いて絶縁層3を形成してもよい。
次に、基板19の裏面に、たとえば、スパッタ法または蒸着法等によって、反射板21を形成する。反射板21は、たとえば、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)またはクロム(Cr)等から形成される。基板19と反射板21との密着性を上げるために、基板19と反射板21との間に、クロム(Cr)またはチタン(Ti)等の密着膜(図示せず)を形成するようにしてもよい。
次に、図6に示すように、絶縁層3の表面を覆うように、たとえば、エピタキシャル成長法によってグラフェン層9が形成される。エピタキシャル成長法の他に、たとえば、あらかじめ、CVD法によって形成したグラフェン層を転写して、絶縁層3に貼り付けるようにしてもよい。また、機械剥離等によって剥離されたグラフェン層を転写して貼り付けてもよい。
次に、グラフェン層9を覆うように、たとえば、蒸着法または原子層堆積法(ALD:Atomic Layer Deposition)等によって、誘電体層11が形成される。誘電体層11として、たとえば、酸化シリコン膜(SiO)、窒化シリコン膜(SiN)、アルミナ膜、酸化タンタル膜、ITO膜、フッ化マグネシウム(MgF)、酸化マグネシム(MgO)、または、酸化ハフニウム(HfO)等が形成される。次に、誘電体層11を覆うようにグラフェン層13が形成される。
次に、図7に示すように、電極15が形成される。電極15は、たとえば、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)またはクロム(Cr)等から形成される。グラフェン層13と電極15との密着性を上げるために、グラフェン層13と電極15との間に、クロム(Cr)またはチタン(Ti)等の密着膜(図示せず)を形成するようにしてもよい。
写真製版処理またはEB(Electron Beam)描画等を用いることによって、電極を配置する領域を開口したレジストマスク(図示せず)が形成される。レジストマスクを形成した後、金(Au)等の金属膜が、たとえば、蒸着法またはスパッタ法によって形成される。その後、レジストマスクを除去することで、電極15が形成される。
次に、写真製版処理を行うことによって、格子群をパターニングするためのレジストマスク(図示せず)が形成される。次に、レジストマスクをエッチングマスクとして、酸素プラズマまたはメタン等のガスを用いることによって、グラフェン層と誘電体層とにエッチング処理が行われる。これにより、図8に示すように、複数の格子7からなる格子群5がパターニングされる。こうして、反射光学素子1の主要部分が完成する。
上述した反射光学素子1では、格子7のそれぞれに対して、電圧印加部23から電極15を介して個々に電圧を印加することで、格子7のそれぞれのグラフェン層13の導電率および屈折率が変化し、グラフェン層13の光学特性を電気的に変化させることができる。
ここで、図9に示すように、たとえば、格子群5として、格子7a、7i、7j、7nを含む複数の格子7が、X軸に沿って一次元に配置されている反射光学素子を想定する。複数の格子7に対して、格子7aから格子7nへ向かって、それぞれのグラフェン層13に印加する電圧を段階的に変化させることで、格子7のそれぞれのグラフェン層13の導電率および屈折率が変化する。これにより、格子群5に入射した電磁波(矢印Y0)が反射する際に、電磁波の位相がX軸に沿って段階的に変化する。
各格子7のグラフェン層13に対して、格子7aから格子7nへ向かって、たとえば、0.1Vずつ徐々に増加(または減少)する一連の直流電圧を同時に印加することで、電磁波を反射させる方向が変えられる。また、その一連の直流電圧とは異なる他の一連の直流電圧を同時に印加することで、一連の直流電圧を印加した場合の電磁波が反射する方向とは異なる方向に電磁波を反射させることができ、各格子7のグラフェン層13に印加する電圧によって、電磁波を反射させる方向を制御することができる。
このため、それぞれの格子7において反射する電磁波(71、71a、71i、71j、71n)の、たとえば、山と山とを結んだ線は、反射光学素子1が配置されているX軸に対して傾きを有することになる。これにより、それぞれの格子7において反射する電磁波の全体としては、その傾いた方向(矢印Y1)へ向かって反射することになる。こうして、複数の格子7のそれぞれに印加する電圧を変えることによって、グラフェン層13の導電率および屈折率がその電圧に応じて変化する結果、反射光学素子1では、電圧によって電磁波の位相が変わり、電磁波を反射させる方向を制御することができる。
また、上述した反射光学素子1では、特に、格子7の一部を成す誘電体層11が、複数の格子7において、互いに間隔を隔てて形成されている。これにより、複数の格子において誘電体層が連続的に繋がっている構造と比べると、格子と格子との間に位置する誘電体層の部分において反射する電磁波の位相には変化が生じない。これにより、反射波は格子における位相変化のみが支配的となる。格子と、格子と格子の間に位置する誘電体とにおいては位相差が生じない。このため、電磁波の干渉が防止されて、高次の回折光がなくなるか、極めて小さくなる。これにより、反射する電磁波は主モードのみとなり、高次の回折光がなくなるため、反射する電磁波の強度が低下するのを抑制することができる。
なお、上述した反射光学素子1では、電極15に繋がっていない電気的にフローティングなグラフェン層9は、複数の格子7に個々に形成されている場合について説明した。図10に示すように、電気的にフローティングなグラフェン層9としては、隣り合う格子7間において互いに繋がるように形成されていてもよい。また、図11に示すように、グラフェン層9、誘電体層11およびグラフェン層13の三層構造の格子7の他に、グラフェン層13を覆うように、さらに、誘電体層17が形成された多層構造の格子7でもよい。また、電気的にフローティングなグラフェン層9が形成されていない反射光学素子であっても、冒頭で説明したように、反射する電磁波の強度を弱めることなく、反射角度を変えることができる。
実施の形態2.
実施の形態1では、各格子7について、幅WG、厚さTG、周期PGおよび長さLのそれぞれが、同じ値に設定されている反射光学素子1について説明した。ここでは、格子のストライプ形状が異なる格子を含む反射光学素子について説明する。なお、図2および図3に示す反射光学素子1と同一部材については同じ符号を付し、必要である場合を除き、その説明を繰り返さないこととする。
ここで、iおよびjを、互いに異なる1以上n以下の自然数とし、第1積層構造体から第n積層構造体までの三以上の積層構造体のうち、一の積層構造体を第i積層構造体とし、他の積層構造体を第j積層構造体とする。格子群5は、第i積層構造体を第i格子として含み、第j積層構造体を第j格子として含む。第i格子は、第3幅および第3長さを有し、第3ピッチをもって配置された、複数の第i積層構造体を含む。第j格子は、第4幅および第4長さを有し、第4ピッチをもって配置された、複数の第j積層構造体を含む。なお、この明細書において、参照符号(たとえば、7、23)に付されている「i」、「j」は、参照符号の一部であり、自然数i、jとは区別される。
第i格子と第j格子とでは、第3幅と第4幅とが異なっていてもよい。具体的に、図12に、幅WGが異なる格子7を備えた反射光学素子1の一例を示す。図12に示すように、反射光学素子1は、格子群5として、幅WG1を有する格子7aと、幅WG2を有する格子7iとを含む。幅WG2は幅WG1よりも大きい。
第i格子と第j格子とでは、第3ピッチ(周期)と第4ピッチ(周期)とが異なっていてもよい。具体的に、図13に、周期PGが異なる格子7を備えた反射光学素子1の一例を示す。図13に示すように、反射光学素子1は、格子群5として、周期PG1を有する格子7aと、周期PG2を有する格子7iとを含む。周期PG2は周期PG1よりも長い。
第i格子と第j格子とでは、誘電体層11の厚さが異なっていてもよい。具体的に、図14に、厚さTIが異なる誘電体層を含む格子7を備えた反射光学素子1の一例を示す。図14に示すように、反射光学素子1は、格子群5として、厚さTI1を有する格子7aと、厚さTI2を有する格子7iとを含む。厚さTI1は、厚さTI2よりも厚い。
第i格子と第j格子とでは、第3長さと第4長さとが異なっていてもよい。具体的に、図15に、長さLが異なる格子7を備えた反射光学素子1の一例を示す。図15に示すように、反射光学素子1は、格子群5として、長さL1を有する格子7aと、長さL2を有する格子7iとを含む。長さL2は長さL1よりも長い。
実施の形態1では、格子7において反射する電磁波の位相は、基本的には、グラフェン層13に印加する電圧によって制御されることを述べた。また、グラフェン層13とグラフェン層9との間などにおいて、電磁波が強め合う共鳴と呼ばれる現象が生じ、反射する電磁波の位相が変化することを述べた。さらに、グラフェン層13の周囲において生じるプラズモン共鳴によっても、電磁波の位相が変化することを述べた。
このことから、反射光学素子1では、グラフェン層13に印加する電圧の他に、格子7の物理的形状を変えることで、共鳴する電磁波の波長を変えることができ、その共鳴に対応した波長を有する電磁波の位相を変化させることができることになる。また、共鳴する波長を変えることができることで、複数の波長を有する電磁波について、反射対象とすることができる。
具体的には、図12に示される反射光学素子1では、幅WG1を有する格子7aに共鳴する波長を有する電磁波と、幅WG2を有する格子7iに共鳴する波長を有する電磁波とを、反射対象とすることができる。後者の波長は、前者の波長よりも長い。
図13に示される反射光学素子1では、周期PG1を有する格子7aに共鳴する波長を有する電磁波と、周期PG2を有する格子7iに共鳴する波長を有する電磁波とを、反射対象とすることができる。後者の波長は、前者の波長よりも長い。
図14に示される反射光学素子1では、厚さTI1を有する格子7aに共鳴する波長を有する電磁波と、厚さTI2を有する格子7iに共鳴する波長を有する電磁波とを、反射対象とすることができる。後者の波長は、前者の波長よりも短い。
図15に示される反射光学素子1では、長さL1を有する格子7aに共鳴する波長を有する電磁波と、長さL2を有する格子7iに共鳴する波長を有する電磁波とを、反射の対象とすることができる。後者の波長は、前者の波長よりも長い。
このように、反射対象となる電磁波としては、単一の波長を有する電磁波に限られず、複数の波長を有する電磁波を反射対象にすることができ、複数の波長を有する電磁波を含む広い波長域の電磁波について、その反射角度を制御することができる。
一方、たとえば、反射対象とされる電磁波の波長があらかじめ決められているような場合においては、幅WG、厚さTG、周期PGおよび長さLを含む格子7の物理的形状を調整することによって、最適な共鳴を生じさせることができる。また、幅WG、厚さTG、周期PGおよび長さLを含む格子7の物理的形状を周期的に変化させて、各格子に印加する電圧として、たとえば、すべて同じ電圧を印加することによって、電磁波の反射角度を制御することができる。この場合には、各格子7に印加するすべての電圧を一つの電圧印加部23によって制御することができ、電圧印加部23によって制御する電圧値の数を少なくすることもできる。
実施の形態3.
ここでは、基板に光電変換を生じさせ、その光電変換に伴う電気変化によってグラフェン層に光ゲート効果を生じさせる反射光学素子について説明する。図16に示すように、反射光学素子1では、入射する電磁波によって光電変換が生じる基板19が適用されている。基板19の裏面に形成された反射板21は裏面電極として使用され、反射板21にはバックゲート電圧Vbgが印加される。なお、これ以外の構成については、図2および図3に示す反射光学素子1の構成と同様なので、同一部材には同一符号を付し、必要である場合を除きその説明を繰り返さないこととする。
光電変換が生じる基板19は、たとえば、反射対象とする電磁波の有するエネルギー(hν)以下のバンドギャップを有する。ここで、光電変換に伴うグラフェン層の光ゲート効果について、グラフェン層をチャネルとしたグラフェントランジスタを例に挙げて説明する。
図17に示すように、グラフェントランジスタは、基板19の上に絶縁層3を介在させて形成されたソース電極53、ドレイン電極55およびグラフェン層9を含む。ソース電極53とドレイン電極55とは、距離を隔てて配置されている。グラフェン層9は、ソース電極53とドレイン電極55と間に介在するように形成されている。グラフェン層9には、チャネルが形成される。反射板21には、バックゲート電圧Vbgが印加される。
図17に、併せて、ソース電極53とドレイン電極55間に流れる電流Idと、バックゲート電圧Vbgとの関係をグラフに示す。横軸はバックゲート電圧Vbgであり、縦軸は電流Idである。点線のグラフは、電磁波が照射されていない状態での関係である。実線のグラフは、電磁波が照射されている状態での関係である。
電磁波が照射されていない場合の点線のグラフに注目すると、バックゲート電圧Vbgを変化させた場合、通常のグラフェン層における両極性のトランジスタ動作となる。このとき、ディラックポイントを与えるバックゲート電圧VbgをVDPとし、この電圧をディラックポイント電圧と呼ぶ。なお、ディラックポイントとは、グラフェン層9中の価電子帯と伝導帯(バンド構造)とが交差する点をいう。
電磁波が照射されている場合の実線のグラフに注目すると、実線のグラフは点線のグラフに対して、ディラックポイント電圧がVDPよりも高い電圧へシフトする。基板19に電磁波が入射すると、基板19には光電変換によってホールと電子とが発生する。発生したホールおよび電子のうちの一方(電荷)が反射板21へ向かい、他方(電荷)が絶縁層3へ向かう。
たとえば、基板19がp型シリコンであり、バックゲート電圧Vbgとしてマイナスの電圧を印加している場合を想定する。発生したホールは反射板21ヘ向かい、電子は絶縁層3へ向かう。グラフェン層9の直下の基板19の部分に電子が溜まると、グラフェン層9は、その影響を受けて、グラフェン層9に印加される電圧が変化する。
グラフェン層9には、反射板21から印加されているバックゲート電圧Vbgと、その光電変換に伴う電圧変化分との双方の電圧が印加されることになる。この電圧変化分は、Vphで表される。このため、電磁波が照射されている場合では、ディラックポイント電圧は、VDPからVDP+Vphへシフトすることになる。
このシフトによって、電磁波が照射されていない場合と電磁波が照射されている場合とでは、同じバックゲート電圧Vbgに対して、電流Idに差分電流(ΔIph)が生じることになる。この電流(Iph)の変化量は、通常の半導体の場合と比較して、移動度と膜厚とから見積もると、数百〜数千倍程度大きくなる。
グラフェン層9は、原子1層の非常に薄い層であり、また、電荷移動度が高い。このため、光電変換に伴うわずかな電圧変化によっても、グラフェン層9中の電子密度が変わり、グラフェン層9の導電率が変わることになる。すなわち、基板19に生じる光電変換に伴うわずかな電圧変化によって、グラフェン層9の屈折率が変えられることになる。
これにより、上述した反射光学素子1では、グラフェン層13に印加される電圧によってグラフェン層13の屈折率が変化するのに加えて、基板19における光電変換によって、基板19側のグラフェン層9の屈折率が変化する。このため、反射光学素子1では、電磁波が照射されたときにだけ、反射する電磁波の位相の変化を、光電変換が生じない場合よりも大きくすることができる。
見方を変えると、電磁波の反射角度が同じであれば、光電変換に起因する分、反射光学素子の消費電力を下げることができることになる。一方、同じ電力であれば、光電変換に起因する分、電磁波の反射角度をより広げることができることになる。
光ゲート効果によって光電変換が生じる基板19の材料としては、次のような材料が挙げられる。可視光から近赤外線では、たとえば、シリコンがある。長波長域の赤外線では、たとえば、テルル化カドミウム水銀(HgCdTe)またはニオブ酸リチウム(LiNbO)等の強誘電体材料がある。中波長域の赤外線では、たとえば、インジウムアンチモン(InSb)がある。
光電変換が生じる基板19の材料としては、これらに限られるものではなく、反射対象とされる電磁波の有するエネルギー以下のバンドギャップを有する材料(基板)であればよい。また、基板19に入射した電磁波によって、グラフェン層9に電圧変化を与えることができる基板19であればよい。たとえば、基板19中にpn接合が形成されていてもよい。また、量子ドットまたはナノワイヤ等を材料として用いてもよい。
実施の形態4.
ここでは、格子が二次元的に配置された反射光学素子の一例について説明する。図18に示すように、反射光学素子1では、格子7a、7i、7j、7nを含む複数の格子7(格子群5)が、マトリクス状に二次元的に配置されている。各格子7は、たとえば、X軸方向に幅をそれぞれ有し、Y軸方向にそれぞれ延在する。各格子7の幅WG、長さL、周期PG、厚さTG等(図4参照)は、電磁波の波長よりも短く設定されている。格子群5の各格子7は、平面視的に同じ形状を有する。
格子7aには、電圧印加部23aによって電圧が印加される。格子7iには、電圧印加部23iによって電圧が印加される。格子7jには、電圧印加部23jによって電圧が印加される。格子7nには、電圧印加部23nによって電圧が印加される。各格子7の断面構造は、図3に示される断面構造と実質的に同じである。
反射対象とされる電磁波がレーザ光の場合には、偏光を有する場合が多い。この場合に、反射する電磁波の位相を効率的に変化させるには、各格子7の幅の方向と電磁波の電界の方向とが、同じ方向(平行)になるように、反射光学素子を配置させることが望ましい。したがって、偏光の方向が決定している電磁波を反射対象とする場合には、複数の格子を一次元に配置するとともに、格子が延在する長さを電磁波の波長よりも長く設定することが望ましい。
一方、反射対象の電磁波の電界の方向がすべての方向に均一に分布している無偏光(または非偏光)の場合には、複数の格子が一次元に配置された反射光学素子では、電磁波の位相を変化させる効率が悪くなる。つまり、複数の格子を一次元に配置させた場合に、直交する二方向に代表される偏光を想定すると、電磁波の位相を変化させる効率的な作用を生じるのは、いずれか一方の偏光に対してだけになってしまう。
これに対して、図18に示すように、複数の格子を二次元的に配置させた場合には、いずれの偏光に対しても、電磁波の位相を変化させる効率的な作用を生じさせることができる。このことから、上述した反射光学素子1では、無偏光な電磁波に対しても、電磁波の位相を制御することができることになる。
なお、図18に示す反射光学素子1では、複数の格子7のそれぞれは、X軸方向に幅を有し、Y軸方向に延在する場合について説明した。各格子7の幅WGおよび長さL(図4参照)等は、電磁波の波長よりも短く設定されていることから、たとえば、格子7iおよび格子7nを、それぞれの幅をY軸方向に平行にし、X軸方向に延在するように配置させても、電磁波の位相の制御が影響を受けることはない。また、格子群5の各格子7として、平面視的に同じ形状を有する格子7からなる格子群5を例に挙げたが、格子群5には、平面視的に異なる形状を有する格子7が含まれていてもよい。
実施の形態5.
ここでは、電磁波が入射したことを検出する電磁波検出部を備えた反射光学素子の一例について説明する。
実施の形態3において、光ゲート効果を生じる基板を適用した反射光学素子では、基板における光電変換によって、差分電流(ΔIph)が生じることを述べた。電磁波検出部では、この差分電流(ΔIph)が検出される。
図19および図20に示すように、反射光学素子1では、格子群5に加えて、電磁波検出部51が形成されている。電磁波検出部51は、第1検出電極および第2検出電極としてのソース電極53およびドレイン電極55とグラフェン層57とを含む。ソース電極53およびドレイン電極55は、絶縁層3に接するように、互いに距離を隔てて配置されている。グラフェン層57は、ソース電極53とドレイン電極55との間に介在し、ソース電極53とドレイン電極55とに接触している。
ソース電極53は接地電位に電気的に接続されている。ドレイン電極55には、電流検知部59とバイアス電源(バイアス電圧Vd)とが電気的に直列に接続されている。なお、これ以外の構成については、図2および図3に示す反射光学素子の構成と同様なので、同一部材には同一符号を付し、必要である場合を除きその説明を繰り返さないこととする。
次に、上述した反射光学素子1の製造方法の一例について簡単に説明する。絶縁層3に接するように、ソース電極53とドレイン電極55とが形成される。ソース電極53およびドレイン電極55は、たとえば、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)またはパラジウム(Pd)等から形成される。
ソース電極53およびドレイン電極55と絶縁層3との密着性を上げるために、ソース電極53およびドレイン電極55と絶縁層3との間に、クロム(Cr)またはチタン(Ti)等の密着膜(図示せず)を形成するようにしてもよい。また、ソース電極53およびドレイン電極55のサイズ(厚さ、大きさ)としては、電気信号を出力することができるサイズであれば、特に制限はない。
次に、ソース電極53とドレイン電極55を覆うように、グラフェン層9と誘電体層11とが積層される。次に、電磁波検出部が形成される領域に位置する誘電体層11の部分およびグラフェン層9の部分が除去されて、ソース電極53とドレイン電極55とを露出させる。
次に、ソース電極53、ドレイン電極55および誘電体層11等を覆うように、グラフェン層13が形成される。次に、グラフェン層13の上に電極15が形成される。次に、写真製版処理およびエッチング処理を行うことによって、電磁波検出部51のグラフェン層57がパターニングされる。また、複数の格子7を含む格子群5が形成される。こうして、反射光学素子1の主要部分が完成する。
上述した反射光学素子1では、実施の形態3において説明したのと同様に、グラフェン層57には、反射板21から印加されているバックゲート電圧Vbgと、電磁波の入射に伴う光電変換に起因する電圧変化分との双方の電圧が印加される。このため、電磁波が照射されている場合では、ディラックポイント電圧は、VDPからVDP+Vphへシフトする(図17参照)。これにより、この電圧のシフトが差分電流(ΔIph)として、電流検知部59によって検知されることになる。その結果、反射光学素子1に電磁波が入射しことを検知することができる。
また、反射光学素子1に配置する電磁波検出部51の数としては、1つだけに限られず、複数配置させてもよい。この場合、電磁波検出部51をアレイ状に配置することで、電磁波が検出された位置を判別することができる。また、画像センサとして使用することも可能である。
次に、反射光学素子1の一変形例について説明する。図21に示すように、電磁波検出部51では、グラフェン層57の上にソース電極53およびドレイン電極55が形成されている。グラフェン層57は、格子7を形成するグラフェン層13と同じ層から形成されている。ソース電極53およびドレイン電極55は、電極15(図19参照)と同じ層から形成されている。
次に、この反射光学素子1の製造方法の一例について簡単に説明する。基板19上に絶縁層3が形成される。その絶縁層3を覆うように、グラフェン層9と誘電体層11とが積層される。次に、電磁波検出部が形成される領域に位置する誘電体層11の部分およびグラフェン層9の部分が除去されて、絶縁層3を露出させる。
次に、絶縁層3および誘電体層11を覆うように、グラフェン層13が形成される。次に、格子群5が形成される領域では、グラフェン層13の上に電極15が形成される。電磁波検出部51が形成される領域では、ソース電極53およびドレイン電極55が形成される。
次に、写真製版処理およびエッチング処理を行うことによって、格子群5が形成される領域では、複数の格子7を含む格子群5が形成される。電磁波検出部51が形成される領域では、グラフェン層13がパターニングされて、グラフェン層57形成される。こうして、反射光学素子1の主要部分が完成する。
反射光学素子1の他の変形例について説明する。図22に示すように、電磁波検出部51では、グラフェン層57の上に誘電体層11とグラフェン層13とが積層されている。グラフェン層57、誘電体層11およびグラフェン層13は、格子7を形成するグラフェン層9、誘電体層11およびグラフェン層13とそれぞれ同じ層から形成されている。
次に、この反射光学素子1の製造方法の一例について簡単に説明する。図23に示すように、絶縁層3に接するように、ソース電極53とドレイン電極55とが形成される。次に、図24に示すように、ソース電極53とドレイン電極55を覆うように、グラフェン層9、誘電体層11およびグラフェン層13が順次積層される。
次に、図25に示すように、写真製版処理およびエッチング処理が行われる。これにより、格子群5が形成される領域では、複数の格子7を含む格子群5が形成される。電磁波検出部51が形成される領域では、グラフェン層13、誘電体層11およびグラフェン層9がパターニングされて、グラフェン層57を含む構造が形成される。
次に、電極(図示せず)等が形成されて、反射光学素子1の主要部分が完成する。なお、この反射光学素子1では、電磁波検出部51におけるグラフェン層13は、電気的にフローティングとされる。この製造方法では、ソース電極53およびドレイン電極55を形成する工程以外は、格子群5を形成する工程と並行して電磁波検出部51を形成することができる。
実施の形態6.
ここでは、変形例に係る電磁波検出部を備えた反射光学素子について説明する。図26および図27に示すように、反射光学素子1における電磁波検出部51では、グラフェン層57が基板19と接触している。絶縁層3には開口部3aが形成されている。グラフェン層57は、開口部3aを介して基板19に接触している。グラフェン層57と基板19とが接触すれば、開口部3aの開口形状に制約はない。
基板19の材料として、たとえば、シリコンが適用されている。基板19には、バックゲート電圧Vbgが印加される。ドレイン電極55には、バイアス電圧Vdが印加される。ソース電極53は、接地電位に電気的に接続されている。ドレイン電極55とソース電極53との間に流れる電流が、電流検知部59によって検知される。
なお、これ以外の構成については、図19および図20に示す反射光学素子1と同様なので、同一部材には同一符号を付し、必要である場合を除きその説明を繰り返さないこととする。
次に、上述した反射光学素子1における電磁波検出部51の動作について説明する。基板19に電磁波が入射すると、基板19には光電変換によってホールと電子とが発生する。発生したホールおよび電子のうちの一方(電荷)が反射板21へ向かい、他方(電荷)がグラフェン層57へ向かう。グラフェン層57へ向かった電荷(電子またはホール)は、グラフェン層57に注入される。
ドレイン電極55とソース電極53との間では、バイアス電圧Vdが印加されている。このため、基板19において発生した電荷がグラフェン層57に注入されると、注入された電荷はグラフェン層57からドレイン電極55へ向かって流れるか、または、グラフェン層57からソース電極53へ向かって流れることになる。このグラフェン層57に流れる電荷を検知することで、電磁波を検出することができる。
次に、変形例に係る反射光学素子について説明する。グラフェン層では、バンド構造に起因して、グラフェン層の一方側と他方側との間にバイアス電圧が印加されている状態では、電磁波が照射されていない状態であってもグラフェン層の一方側と他方側との間で電流が流れることになる。このため、図17における電磁波が照射されていない場合のグラフに示されているように、電流Idの最小値が0よりも高い値になる。この電流は、暗電流と呼ばれている。
図28および図29に示すように、変形例に係る反射光学素子の電磁波検出部51では、絶縁層3の開口部3aを取り囲むように、第1(2)検出電極としての電極61が形成されている。その電極61に接触するとともに、開口部3aに充填される態様で、グラフェン層57が形成されている。電極61に接触するグラフェン層57は基板19に接触し、基板19は反射板21に接触している。
このため、光電変換によって基板19に電荷(電子とホール)が生じ、基板19とグラフェン層57との間に電流が流れると、電磁波検出部51は、反射板21と電極61との間で、一種のダイオードとして機能することになる。また、この電磁波検出部51では、電極61にはバイアス電圧は印加されていない。
これにより、光電変換によって基板19に電荷(電子とホール)が生じない限り、基板19とグラフェン層57との間に電流が流れることはなくなる。その結果、暗電流を抑えることができ、ノイズを抑えて電磁波の検出性能を向上させることができる。
上述した反射光学素子1の基板19の材料の一例として、シリコンを挙げた。光電変換が生じる基板19の材料としては、シリコンの他に、次のような材料が挙げられる。
ゲルマニウム、III−V族半導体またはII−V族半導体等の化合物半導体が挙げられる。また、テルル化カドミウム水銀(HgCdTe)、インジウムアンチモン(InSb)、鉛セレン(PbSe)、鉛硫黄(PbS)、カドミウム硫黄(CdS)、ガリウム窒素(GaN)、シリコンカーバイト(SiC)、トポロジカル絶縁体が挙げられる。さらに、量子井戸または量子ドットを含む基板が挙げられる。さらに、TypeII超格子等の材料の単体またはそれらの材料を組み合わせた基板が挙げられる。
たとえば、インジウムアンチモン(InSb)では、赤外線の波長域において光電変換が可能になる。このため、赤外線の波長域において、電磁波検出部51による電磁波の検知を高感度で行うことができる。基板19の材料を、反射対象とする電磁波の波長に応じて変えることで、特定の波長の電磁波を高感度に検出することができる。
実施の形態7.
実施の形態5または実施の形態6では、反射光学素子1における電磁波検出部51に適用される二次元材料層の材料の一例として、グラフェン(グラフェン層57)を挙げた。ここでは、その電磁波検出部51に適用される二次元材料層の材料のバリエーションについて説明する。
電磁波検出部の二次元材料層の材料としては、遷移金属ダイカルコゲナイド(TMD:Transition Metal Dichalcogenide)、黒リン(Black Phosphorus)、シリセン(シリコン原子による二次元ハニカム構造)、ゲルマネン(ゲルマニウム原子による二次元ハニカム構造)等の材料を適用することができる。遷移金属ダイカルコゲナイドとしては、たとえば、MoS、WS、WSe等の遷移金属ダイカルコゲナイドが挙げられる。
これらの材料は、グラフェンと類似の構造を有しており、原子を二次元面内に単層で配列することが可能な材料である。したがって、これらの材料を適用した場合においても、グラフェン層を適用した場合と同様の作用効果を得ることができる。
遷移金属ダイカルコゲナイドまたは黒リン等の材料は、バンドギャップを有する。このため、暗電流(オフ電流)はほぼなくなり、反射光学素子(電磁波検出部)のノイズを抑えることができる。これにより、電磁波を検出する感度が向上し、反射光学素子としての性能を向上させることができる。
また、これらの材料では、材料を積層する層数によって、バンドギャップの大きさを調整することができる。このため、検出する電磁波の波長を、その層数によって選択することができる。たとえば、MoS、WS、WSe等の遷移金属ダイカルコゲナイドでは、可視光の波長域に相当するバンドギャップを有する。黒リンは、中赤外線の波長域に相当するバンドギャップを有する。これにより、特定の波長の電磁波のみを検出することができる波長選択型の電磁波検出部を備えた反射光学素子を得ることができる。
これらの材料を適用することで、従来の半導体検出器のように、半導体材料の組成によってバンドギャップをコントロールする必要がなくなり、製造工程を簡略化することができる。また、典型的な波長選択法とされる光学フィルタを用いる必要もない。このため、光学部品の点数を削減することができるとともに、電磁波が光学フィルタを通過することに伴う電磁波の損失も低減することができる。
遷移金属ダイカルコゲナイドまたは黒リン等の材料では、複数の層からなる積層構造とし、さらに、その積層方向を制御することで、電磁波の偏光依存性を得ることができる。これにより、特定の偏光を有する電磁波だけを選択的に検出する電磁波検出部を備えた反射光学素子を実現することができる。
さらに、これらの材料の中から異なる2つの材料を組み合わせて、ヘテロ接合を形成するようにしてもよい。また、遷移金属ダイカルコゲナイドとグラフェンとを組み合わせてヘテロ接合を形成してもよい。黒リンとグラフェンとを組み合わせてヘテロ接合を形成してもよい。
ヘテロ接合を形成することで、異なる材料間において、従来の半導体材料における量子井戸効果またはトンネル効果と同じ効果を得ることができる。これにより、反射光学素子(電磁波検出部)のノイズを抑えることができるとともに、再結合を低減することができる。その結果、電磁波を検出する感度が向上し、反射光学素子としての性能を向上させることができる。
特に、熱雑音が支配的となる赤外線の波長域においては、トンネル効果を利用した熱雑音の低減は大きな効果を奏する。また、ヘテロ接合により常温動作も可能となる。また、トンネル電流が流れない構造であっても、グラフェンと2次元材料とを積層することによって、暗電流を抑制する効果が生じる。特に、グラフェンは原子層材料でるため、グラフェンと他の2次元材料とを積層することで、結果に起因する暗電流を抑制する効果があり、電磁波検出部の感度を向上させることができる。
また、接合として、プロベスカイトとグラフェンとの接合、異なる2次元材料の接合を用いてもよい。
なお、各実施の形態において説明した、電磁波検出部を含む反射光学素子については、必要に応じて種々組み合わせることが可能である。
今回開示された実施の形態は例示であってこれに制限されるものではない。本発明は上記で説明した範囲ではなく、請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明は、二次元材料層を適用した反射光学素子に有効に利用される。
1 反射光学素子、3 絶縁層、3a 開口部、5 格子群、7、7a、7i、7j、7n 格子、9 グラフェン層、11 誘電体層、13 グラフェン層、15、15a、15i、15n 電極、17 誘電体層、19 基板、21 反射板、23、23a、23i、23j、23n 電圧印加部、31 金属膜、51 電磁波検出部、53 ソース電極、55 ドレイン電極、57 グラフェン層、59 電流検知部、61 電極、71 71a、71i、71j、71n 電磁波。

Claims (17)

  1. 入射する電磁波の反射方向を変更可能とする反射光学素子であって、
    互いに対向する第1主面および第2主面を有する絶縁体と、
    前記絶縁体に対して前記第1主面の側に配置された積層構造部と、
    前記積層構造部に電気的に接続され、電圧が印加される電極部と、
    前記絶縁体に対して前記第2主面の側に配置された反射板とを有し、
    前記積層構造部は、
    第1方向に第1幅を有し、前記第1方向と交差する第2方向に延在する、二つ以上の第1積層構造体と、
    前記第1積層構造体とは前記第1方向に間隔を隔てて配置され、前記第1方向に第2幅を有し、前記第2方向に延在する、二つ以上の第2積層構造体とを含む複数の積層構造体を備え、
    複数の前記積層構造体のそれぞれでは、誘電体層と第1二次元材料層とが積層されており、
    前記電極部は、
    前記第1積層構造体における前記第1二次元材料層に電気的に接続され、第1電圧が印加される第1電極と、
    前記第2積層構造体における前記第1二次元材料層に電気的に接続され、第2電圧が印加される第2電極とを含む複数の電極を備え、
    前記第1積層構造体および前記第2積層構造体のそれぞれは、第2二次元材料層を含み、
    前記第2二次元材料層の上に、前記誘電体層を介在させて前記第1二次元材料層が積層配置され、
    前記第1積層構造体間において、前記第1二次元材料層、前記誘電体層および前記第2二次元材料層が互いに分離されており、
    前記第2積層構造体間において、前記第1二次元材料層、前記誘電体層および前記第2二次元材料層が互いに分離されており、
    前記第1電圧によって前記第1積層構造体における前記第1二次元材料層の屈折率を変化させ、
    前記第2電圧によって前記第2積層構造体における前記第1二次元材料層の屈折率を変化させ、
    前記積層構造部は、前記第1積層構造体を複数の格子とする格子群である第1格子と、前記第2積層構造体を複数の格子とする格子群である第2格子とを含み、
    前記絶縁体と前記反射板との間には、前記電磁波が入射することによって光電変換が生じる基板が配置された、反射光学素子。
  2. 前記第1積層構造体と前記第2積層構造体とは同じ構造である、請求項1記載の反射光学素子。
  3. 前記第1格子は、前記第1方向に前記第1幅を有し、前記第2方向に第1長さを有し、前記第1方向に第1ピッチをもって配置された、複数の前記第1積層構造体を含み、
    前記第2格子は、前記第1方向に前記第2幅を有し、前記第2方向に第2長さを有し、前記第1方向に第2ピッチをもって配置された、複数の前記第2積層構造体を含む、請求項1記載の反射光学素子。
  4. 前記第1格子および前記第2格子では、前記第1幅と前記第2幅とが異なる第1条件、前記第1長さと前記第2長さとが異なる第2条件、前記第1ピッチと前記第2ピッチとが異なる第3条件、前記第1格子における前記誘電体層の厚さと前記第2格子における前記誘電体層の厚さとが異なる第4条のうちの少なくともいずれかの条件が設定された、請求項3記載の反射光学素子。
  5. 前記第1格子および前記第2格子では、前記第1条件が設定された、請求項4記載の反射光学素子。
  6. 複数の前記積層構造体は、
    nを3以上の自然数とすると、
    前記第1積層構造体および前記第2積層構造体を含む、前記第1積層構造体から第n積層構造体までの三以上の積層構造体を含み、
    複数の前記電極は、前記第1電極および前記第2電極を含む、前記第1積層構造体から前記第n積層構造体までの三以上の前記積層構造体に形成された、前記第1電極から第n電極までの三以上の電極を含む、請求項1記載の反射光学素子。
  7. 前記積層構造部は、三以上の前記積層構造体のそれぞれを複数の格子として含み、
    iおよびjを、互いに異なる1以上n以下の自然数とし、前記第1積層構造体から前記第n積層構造体までの三以上の前記積層構造体のうち、一の積層構造体を第i積層構造体とし、他の積層構造体を第j積層構造体とすると、
    前記積層構造部は、
    前記第i積層構造体を第i格子として含み、
    前記第j積層構造体を第j格子として含み、
    前記第i格子は、前記第1方向に第3幅を有し、前記第2方向に第3長さを有し、前記第1方向に第3ピッチをもって配置された、複数の前記第i積層構造体を含み、
    前記第j格子は、前記第1方向に第4幅を有し、前記第2方向に第4長さを有し、前記第1方向に第4ピッチをもって配置された、複数の前記第j積層構造体を含む、請求項6記載の反射光学素子。
  8. 前記第i格子および前記第j格子では、前記第3幅と前記第4幅とが異なる第5条件、前記第3長さと前記第4長さとが異なる第6条件、前記第3ピッチと前記第4ピッチとが異なる第7条件、前記第i格子における前記誘電体層の厚さと前記第j格子における前記誘電体層の厚さとが異なる第8条のうちの少なくともいずれかの条件が設定された、請求項7記載の反射光学素子。
  9. 前記積層構造部は、一次元および二次元のいずれかの態様で複数配置された、請求項1〜8のいずれか1項に記載の反射光学素子。
  10. 前記第1二次元材料層および前記第2二次元材料層のいずれかは、単層および二層以上のいずれかの原子層からなる、請求項1記載の反射光学素子。
  11. 入射する電磁波の反射方向を変更可能とする反射光学素子であって、
    互いに対向する第1主面および第2主面を有する絶縁体と、
    前記絶縁体に対して前記第1主面の側に配置された積層構造部と、
    前記積層構造部に電気的に接続され、電圧が印加される電極部と、
    前記絶縁体に対して前記第2主面の側に配置された反射板とを有し、
    前記積層構造部は、
    第1方向に第1幅を有し、前記第1方向と交差する第2方向に延在する、一つ以上の第1積層構造体と、
    前記第1積層構造体とは前記第1方向に間隔を隔てて配置され、前記第1方向に第2幅を有し、前記第2方向に延在する、一つ以上の第2積層構造体とを含む複数の積層構造体を備え、
    複数の前記積層構造体のそれぞれでは、誘電体層と第1二次元材料層とが積層されており、
    前記電極部は、
    前記第1積層構造体における前記第1二次元材料層に電気的に接続され、第1電圧が印加される第1電極と、
    前記第2積層構造体における前記第1二次元材料層に電気的に接続され、第2電圧が印加される第2電極とを含む複数の電極を備え、
    前記第1電圧によって前記第1積層構造体における前記第1二次元材料層の屈折率を変化させ、
    前記第2電圧によって前記第2積層構造体における前記第1二次元材料層の屈折率を変化させ、
    前記絶縁体と前記反射板との間には、前記電磁波が入射することによって光電変換が生じる基板が配置された、反射光学素子。
  12. 前記第1二次元材料層および前記第2二次元材料層のいずれかは、グラフェン、遷移金属ダイカルゴゲナイト、黒リン、シリセン、グラフェンナノポリンおよびボロフェンからなる群から選ばれるいずれかの材料を含む、請求項1〜10のいずれか1項に記載の反射光学素子。
  13. 前記第1二次元材料層は、グラフェン、遷移金属ダイカルゴゲナイト、黒リン、シリセン、グラフェンナノポリンおよびボロフェンからなる群から選ばれるいずれかの材料を含む、請求項11に記載の反射光学素子
  14. 前記電磁波を検出する電磁波検出部を備え、
    前記電磁波検出部は、
    前記基板上に形成された第1検出電極および第2検出電極と、
    前記第1検出電極と前記第2検出電極との間に介在するように形成された第3二次元材料層とを含む、請求項または11に記載の反射光学素子。
  15. 前記第3二次元材料層は前記基板に接触している、請求項14記載の反射光学素子。
  16. 前記電磁波検出部は、前記基板における複数の箇所に配置された、請求項14または15に記載の反射光学素子。
  17. 前記積層構造部は、前記電磁波の波長よりも短いサイズをもって形成された、請求項1〜16のいずれか1項に記載の反射光学素子。
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