JP2022112309A - グラフェン光センサ - Google Patents

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Abstract

【課題】2つの波長の光を個別に検出するグラフェン光センサを提供する。【解決手段】グラフェン光センサは、基板に形成される第1ゲート電極及び第2ゲート電極と、前記第1ゲート電極及び前記第2ゲート電極を覆う絶縁膜と、前記絶縁膜の上に積層されるグラフェン層と、前記グラフェン層に接続される一対の電極と、前記一対の電極の間で前記グラフェン層の第1領域に積層される第1の周期構造体と、前記グラフェン層の第2領域に積層される第2の周期構造体と、を有し、前記第1の周期構造体と前記第2の周期構造体の繰り返し周期は異なる。【選択図】図1

Description

本開示は、グラフェン光センサに関する。
グラフェンは、炭素原子が2次元ハニカム状に配列された2次元材料であり、特徴的なエネルギーバンド構造を有する。グラフェンは、広い波長範囲の光に対して一定の吸収があるほか、テラヘルツ光の吸収も可能であり、可視光または赤外線の光センサやテラヘルツ光センサの材料として研究開発が進められている。
光吸収特性、低効率、ゼーベック係数などのグラフェンの物性は、グラフェンのキャリア密度に依存する。光センサの好適な物性を得るために、グラフェンのドーピングを制御するゲート電極が設けられることがある。p型およびn型のグラフェンに動作電圧を印加するゲート電極を設け、差分電流を検出する構成が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
国際公開第2018/163496号
光センサにおいて、複数の波長(または波長帯)の光を個別に検出する需要がある。固体赤外線センサでは、3~5μm帯の赤外線と8~12μm帯の赤外線の透過・輻射特性が異なることから、2つの波長帯の赤外線を別々に検出し、検出結果を計算処理で合成して情報を得る場合がある。一般に物質は、その温度に応じた熱輻射により赤外線を放射している。単一波長の赤外線検出では、赤外線の強度が情報として得られるのみであり、遠方の高温物質と近くにある低温物質との区別がつかない。2つの波長帯の赤外線が個別に検出できると、温度に対応した輻射の波長依存性から、対象物質の温度と距離が推定可能になる。
本開示は、2つの波長の光を個別に検出するグラフェン光センサを提供することを課題とする。
本開示の一形態では、グラフェン光センサは、
基板に形成される第1ゲート電極、及び第2ゲート電極と、
前記第1ゲート電極及び前記第2ゲート電極を覆う絶縁膜と、
前記絶縁膜の上に積層されるグラフェン層と、
前記グラフェン層に接続される一対の電極と、
前記一対の電極の間で、前記グラフェン層の第1領域に積層される第1の周期構造体と、前記グラフェン層の第2領域に積層される第2の周期構造体と、
を有し、前記第1の周期構造体と前記第2の周期構造体の繰り返し周期は異なる。
グラフェン光センサで2つの波長の光を個別に検出することができる。
実施形態のグラフェン光センサの平面模式図である。 図1のI-I'ラインに沿った断面模式図である。 プラズモンアンテナを説明する図である。 グラフェンの光吸収を説明する図である。 ゲート電圧の設定を説明する図である。 グラフェン光センサの動作を示すフローチャートである。 グラフェン光センサの別の構成例の断面模式図である。 グラフェン光センサのさらに別の構成例の断面模式図である。
実施形態では、2つの波長または波長帯の光を個別に検出するグラフェン光センサを提供する。グラフェンはその特殊なエネルギーバンド構造から、広い波長範囲の光を吸収する。グラフェン光センサで2波長の光を検出するには、波長選択のための構成が必要である。目的波長の光を選択的に検出するために、グラフェン層に異なる周期の周期構造体を積層し、異なる波長の光に感度を持たせる。異なる波長の検出領域に応じて、個別のゲート電極を設けて、キャリアのドーピングを制御する。
図1は、実施形態のグラフェン光センサ100の平面模式図、図2は、図1のI-I'ラインに沿った断面模式図である。グラフェン光センサ100の積層方向をZ方向、Z軸と直交する面内で互いに直交する2方向をX方向とY方向とする。図1と図2では、デバイス構造に加えて、電気的な接続関係を模式的に描いている。
グラフェン光センサ100は、グラフェン層15と、グラフェン層15に接続される一対の電極13及び14と、電極13と電極14の間のグラフェン層15の光入射面155の第1領域151に積層される第1プラズモンアンテナ17と、グラフェン層15の光入射面155の第2領域152に積層される第2プラズモンアンテナ18とを有する。第1プラズモンアンテナ17は所定の周期構造を有し、「第1の周期構造体」の一例である。第2プラズモンアンテナ18は、第1プラズモンアンテナ17と異なる周期構造を有し、「第2の周期構造体」の一例である。
グラフェン光センサ100は、グラフェン層15の光入射面155と反対側の面に、絶縁膜16を介して設けられた第1ゲート電極21と第2ゲート電極22を有する。第1ゲート電極21は第1領域151に対応する位置に設けられ、第2ゲート電極22は第2領域152に対応する位置に設けられている。
第1ゲート電極21に印加される第1ゲート電圧VGate1と、第2ゲート電極22に印加される第2ゲート電圧VGate2は、制御回路101によって制御される。電極13、14間のバイアス電圧VBIASの印加タイミングも制御回路101によって制御される。
電極13と電極14の一方はソース電極として用いられ、他方はドレイン電極として用いられる。電極13と14の間にバイアス電圧VBIASが印加されると、電極13とグラフェン層15の界面、及び電極14とグラフェン層15の界面で、エネルギーバンドに勾配が生じる。バイアス電圧VBIASは、たとえば、0.1V~0.5Vである。この状態で、グラフェン層15に光が入射すると、光の吸収により抵抗値に変化し、電極13と14の間に流れる光電流が変化する。光電流の変化は、光の入射量と相関する。光電流の変化を電流計102(図中、「A」の記号で表示されている)で読み取ることで、入射光の光量が得られる。
第1プラズモンアンテナ17と第2プラズモンアンテナ18は、グラフェン層15の光入射面155に金属等の導体で形成された周期的なパターンである。第1プラズモンアンテナ17と第2プラズモンアンテナ18のパターンの繰り返し周期は、目的の波長帯に応じて設定されている。第1の周期構造体である第1プラズモンアンテナ17と、第2の周期構造体である第2プラズモンアンテナ18は、それぞれ異なる波長の光に共鳴するプラズモンアンテナである。
図3は、プラズモンアンテナを説明する図である。たとえば、金属パターン171で形成された周期構造に特定の波長の光が入射すると、プラズモン共鳴が誘起される。表面プラズモン(単に「プラズモン」と呼ぶことがある)とは、入射光により引き起こされる電子の集団的な振動である。隣接する2つの金属パターン171の間隔Gは、目的の波長以下に設定されている。波長以下の微小な間隙を透過するエヴァネセント波は、表面プラズモンによって増強される。換言すると、周期的な金属パターン171のエッジ172の近傍で光電界が増大する。
図1及び図2へ戻って、第1領域151と第2領域152で、それぞれ異なる周期の第1プラズモンアンテナ17と第2プラズモンアンテナ18がグラフェン層15の上に設けられているので、プラズモン共鳴波長が異なる。これにより、グラフェン層15の第1領域151と第2領域152で、異なる波長の光を吸収することができる。
第1領域151と第2領域152に対応する位置に、第1ゲート電極21と第2ゲート電極22が設けられている。第1ゲート電極21及び第2ゲート電極22から、グラフェン層15の第1領域151と第2領域152に、それぞれ個別に適切なゲート電圧が個別に印加される。適切なゲート電圧とは、第1領域151と第2領域152のうち、センシング対象の領域でプラズモン共鳴波長の光吸収が生じる条件が満たされ、他方の領域でプラズモン共鳴波長の光吸収が生じない条件が満たされるゲート電圧である。
図4は、グラフェンの光吸収を説明する図である。単層のグラフェンでは、価電子帯の上端と伝導帯の下端が一致するか、または重複するエネルギーバンド構造をもつ。単層グラフェンの場合は、図4のように先端が一致する逆向きの円錐で表される。このエネルギーバンド構造は、ディラックコーンと呼ばれ、円錐の先端で接する点はディラック点と呼ばれる。
グラフェンの光吸収は、主としてグラフェンにおける電子のバンド間遷移にともなって生じる。グラフェンのバンド間遷移に伴う光吸収が生じる波長は、グラフェンのフェルミ準位Eに応じて異なる。グラフェンに入射する光子のエネルギーhωがフェルミ準位Eの2倍の大きさを超えるときに(hω>2|E|)、光はグラフェンに吸収される。グラフェン中の電子が正孔よりも支配的になってフェルミ準位Eが伝導帯にシフトし、入射光のエネルギーhωがフェルミ準位Eの2倍の大きさに満たない場合(hω<2|E|)、パウリの排他律にしたがって光吸収は起きない。
フェルミ準位は、グラフェン中のキャリア、すなわち電子または正孔の量で変化するので、第1ゲート電極21と第2ゲート電極22に印加されるゲート電圧を個別に制御することで、着目する波長で光吸収が起き、他方の波長で光吸収が起きない条件を作り出すことができる。
図5は、ゲート電圧の設定を説明する図である。第1ゲート電極21から絶縁膜16を介してグラフェン層15にゲート電圧を印加する場合を考える。まず、理想的な条件である、ゲート電圧の印加なしでフェルミ準位Eがゼロ、すなわちディラック点にある条件を考える。
ゲート電圧VGateにより、グラフェン層15の界面、及び第1ゲート電極21の界面に電荷Qが蓄積される。電荷Qは、
Figure 2022112309000002

と表される。ここで、Cはゲート容量、εは絶縁膜16の誘電率、Aは第1ゲート電極21の面積、dは絶縁膜16の厚さである。グラフェン層15に誘起されるキャリア密度(面積密度)をnとすると、
Q=enA
となる。ここで、eは素電荷である。キャリア密度nは、式(1)で表される。
Figure 2022112309000003

また、グラフェン層15の状態密度D(E)は、以下のとおりである。
Figure 2022112309000004

フェルミ準位Eにおけるキャリア密度は、式(2)で表される。
Figure 2022112309000005

式(1)と式(2)が等しいことから、式(3)が得られる。
Figure 2022112309000006

ゲート電圧VGateの極性とフェルミ準位Eの符号の関係は、
Gate>0でグラフェン層15に電子が誘起され、E>0
Gate<0でグラフェン層15に正孔が誘起され、E<0
となる。式(3)は、理想的な場合のゲート電圧VGateとフェルミ準位Eの関係を表す。現実には、ゲート電圧の印加なしでフェルミ準位Eはゼロでないことが多い。グラフェン層15に不純物や付着物の影響により電荷がドープされていることが一般的だからである。この場合、フェルミ準位E=0を与えるゲート電圧をVDiracとして、式(3)は式(4)のように修正される。
Figure 2022112309000007
検出波長を選択するゲート電圧は、式(4)に基づいて設定できる。フェルミ準位Eをゼロにする電圧VDiracは、グラフェン層15の抵抗が最大となる電圧、すなわち光入射のない状態でドレイン電流が最小になる電圧として、実験的に求めることができる。
図1及び図2で、たとえば、第1領域151で波長λ1の光を吸収させ、第2領域152で波長λ2の光を吸収しない条件を設定する。第1領域151で、フェルミ準位Eをディラック点の近傍に設定する等して、hω>2|E|を満たすように、第1ゲート電極21に印加される第1ゲート電圧VGate1を設定する。同時に、第2領域152を高ドープ状態にして、hω<2|E|を満たすように第2ゲート電極22に印加される第2ゲート電圧VGate2を設定する。
第2領域152は、第2ゲート電圧VGate2の印加によるドーピングで低抵抗になり、短絡して応答しない。高抵抗の第1領域では、第1プラズモンアンテナ17に共鳴するλ1の光が吸収され、キャリアが生成される。これによって第1領域151の抵抗値が変化し、フォトコンダクタとして動作する。
逆に、第2領域152で波長λ2の光を吸収させ、第1領域151で波長λ1の光を吸収させないときは、第2領域152で、フェルミ準位Eをディラック点の近傍に設定するなどして、hω>2|E|を満たし、第1領域151を高ドープ状態にして、hω<2|E|の条件を満たす。これらの条件が満たされるようように、第1ゲート電極21に印加する第1ゲート電圧VGate1と、第2ゲート電極22に印加する第2ゲート電圧VGate2を設定する。第2領域152では、キャリアのドーピングにより低抵抗になり短絡するため、光電流の変化は検出されない。高抵抗の第2領域では、、第2プラズモンアンテナ18に共鳴するλ2の光が吸収され、キャリアが生成される。これによって第2領域152の抵抗値が変化しフォトコンダクタとして動作する。
図1及び図2の構成により、広い波長範囲で光を吸収するグラフェンを用いつつ、異なる波長を検知することができる。グラフェン光センサ100は、固体の赤外線センサと比較して各段に速い移動度を有する。また、素子サイズも小さく、作製が容易である。高速動作する超小型の2波長赤外線センサが実現される。
グラフェン光センサ100は、すでに確立している半導体プロセスで作製可能である。絶縁性の基板11の表面に、第1ゲート電極21と第2ゲート電極22を所定のパターンで形成する。基板11は、後述するように、アンドープの半絶縁性の半導体基板の表面に酸化膜が形成されている基板であってもよい。第1ゲート電極21と第2ゲート電極22は、一例として、グラフェンを転写、エッチングして形成される。第1ゲート電極21と第2ゲート電極22は、それぞれ個別に引き出される端子によってゲート電圧源103とゲート電圧源104に接続される。
ゲート電圧源103は、第1領域151でグラフェン層15における光吸収が阻害される電位を印加できる出力容量を有する。ゲート電圧源104は、第2領域152でグラフェン層15における光吸収が阻害される電位を印加できる出力容量を有する。
第1ゲート電極21と第2ゲート電極22を含む基板11の全面に絶縁膜16を形成する。第1ゲート電極21と第2ゲート電極22を覆う部分の絶縁膜16は、ゲート絶縁膜となる。絶縁膜16は、たとえば、厚さ20nmの酸化アルミニウム(Al)の膜で形成される。
絶縁膜16上の所定の位置に、グラフェン層15を形成する。グラフェン層15は、機械的剥離法、転写法などで絶縁膜16の上に配置されてもよい。あるいは、絶縁膜16上に触媒金属をスパッタリングで堆積し、CVD法により直接、絶縁膜16にグラフェンを成長してもよい。グラフェン層15は、単層グラフェンであってもよいし、2層以上のグラフェンを含んでいてもよい。グラフェン層15を設けた後に、絶縁膜16とグラフェンの密着性を高めるために、150~200℃の温度でアニールしてもよい。
グラフェン層15上に、電極13及び14と、第1プラズモンアンテナ17及び第2プラズモンアンテナ18を形成する。電極13及び14と、第1プラズモンアンテナ17及び第2プラズモンアンテナ18の形成の順序は問わない。電極13及び14は、Au、Ti、パラジウム(Pd)、クロム(Cr)、白金(Pt)等の良導体、またはこれらの組み合わせで形成される。電極13と電極14はバイアス電圧源105に接続される。
第1プラズモンアンテナと第2プラズモンアンテナ18は、電極13及び14と同じ材料で形成されてもよいし、異なる材料で形成されてもよい。第1プラズモンアンテナ17は、たとえば、950nm×240nmの長方形の金属薄膜が、長軸方向に60nmの間隔で、短軸方向に960nmの間隔で第1領域151に配列されている。第2プラズモンアンテナ18では、2350nm×480nmの長方形の金属薄膜が、長軸方向に50nmの間隔で、短軸方向に1920nmの間隔で第2領域152に配置されている。こうして作製されたグラフェン光センサ100の全体を、透明な保護層で被覆してもよい。
図6は、グラフェン光センサ10の動作のフローチャートである。グラフェン光センサ100の動作が開始されると、制御回路101は、第1ゲート電圧VGate1を、第1領域151での光吸収が許容される電圧に設定し、かつ、第2ゲート電圧VGate2を、第2領域152で光吸収が阻害される電圧に設定する(S11)。
たとえば、第1ゲート電圧VGate1をhω>2|EF1|を満たす電圧に設定し、かつ、第2ゲート電圧VGate2をhω<2|EF2|を満たす電圧に設定する。ここで、EF1は第1領域151のグラフェンのフェルミ準位であり、EF2は第2領域152のグラフェンのフェルミ準位である。その後、所定のタイミングで電極13と14の間にバイアス電圧VBIASを印加して、λ1の光を検出する(S12)。
次に、制御回路101は、第2ゲート電圧VGate2を、第2領域152で光吸収が許容される電圧に設定し、かつ、第1ゲート電圧VGate1を、第1領域151で光吸収が阻害される電圧に設定する(S13)。たとえば、第2ゲート電圧VGate2をhω<2|EF2|を満たす電圧に設定し、かつ、第1ゲート電圧VGate1をhω>2|EF1|を満たす電圧に設定する。その後、所定のタイミングで電極13と14の間にバイアス電圧VBIASを印加して、λ2の光を検出する(S14)。
グラフェン光センサ100の動作終了か否かが判断され(S15)、動作が終了するまで(S15でYes)、ステップS11~S15を繰り返す。図6の動作フローにより、簡単な制御で2波長の赤外線を個別に検知することができる。
図7は、別の構成のグラフェン光センサ100Aの断面模式図である。グラフェン光センサ100Aは、基板11A上に絶縁層19が積層され、絶縁層19の上に第1ゲート電極21と第2ゲート電極22が積層されている。基板11Aは、アンドープのシリコン等の半絶縁性の基板である。絶縁層19は、あらかじめ基板11Aに形成されている熱酸化膜(SiO)でもよいし、基板11A上にスパッタリング等で成膜された層であってもよい。絶縁性の樹脂膜を用いてもよい。絶縁層19と第1ゲート電極21及び第2ゲート電極22の全面を覆ってゲート絶縁膜として用いられる絶縁膜16が設けられる。絶縁膜16の上にグラフェン層15が積層されている。
一対の電極13と14の間で、グラフェン層15の光入射面155の第1領域151に第1の周期構造で第1プラズモンアンテナ17が積層され、第2領域152に第2の周期構造で第2プラズモンアンテナ18が配置される構成は、図1及び図2と同じである。図6の構成でも、第1ゲート電極21に印加されるゲート電圧VGate1と、第2ゲート電極22に印加されるゲート電圧VGate2を個別に制御することで、異なる2波長を検出することができる。
図8は、さらに別の構成のグラフェン光センサ100Bの断面模式図である。グラフェン光センサ100Bでは、基板11Bの内部の所定の領域に、第1ゲート電極21Bと第2ゲート電極22Bが形成されている。基板11Bは、アンドープのシリコン等の半絶縁性の基板である。第1ゲート電極21Bと第2ゲート電極22Bは、基板11Bの所定の領域に高濃度の不純物を添加して形成されており、不純物が注入された領域のみが、バックゲートとなる。基板11Bの裏面から、第1ゲート電圧VGate1と第2ゲート電圧VGate2が、それぞれ個別に第1ゲート電極21Bと第2ゲート電極22Bに印加される。
基板11Bの表面には、絶縁膜16が積層されている。第1ゲート電極21Bと第2ゲート電極22Bを覆う部分の絶縁膜16は、ゲート絶縁膜となる。絶縁膜16の上にグラフェン層15が積層されている。一対の電極13と14の間で、グラフェン層15の光入射面155の第1領域151に第1プラズモンアンテナ17が設けられ、第2領域152に第2プラズモンアンテナ18が設けられている。第1領域151は、基板11Bの第1ゲート電極21Bが形成されている領域に対応する。第2領域152は、基板11Bの第2ゲート電極22Bが形成されている領域に対応する。
図8の構成でも、第1ゲート電極21Bに印加される第1ゲート電圧VGate1と、第2ゲート電極22Bに印加される第2ゲート電圧VGate2を個別に制御することで、異なる2波長を検出することができる。
以上、特定の例に基づいて本開示を説明してきたが、本開示は、上述した例に限定されない。絶縁膜16は、酸化アルミニウムに限定されず、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜、ボロンナイトライド(BN)の膜であってもよい。第1プラズモンアンテナ17と第2プラズモンアンテナ18は、長方形の金属膜の配列に限定されず、隣接パターンとの間隔が所望の波長以下に設定されるならば、六角形、八角形等の多角形や円形パターンであってもよい。グラフェン光センサ100(または100Aまたは100B)を一次元または二次元方向に配列して、グラフェン光センサアレイを形成してもよい。
11、11A、11B 基板
13 電極
14 電極
15 グラフェン層
151 第1領域
152 第2領域
155 光入射面
16 絶縁膜
17 第1プラズモンアンテナ(第1の周期構造体)
18 第2プラズモンアンテナ(第2の周期構造体)
19 絶縁層
21、21B 第1ゲート電極
22、22B 第2ゲート電極
100、100A、100B グラフェン光センサ
101 制御回路
Gate1 第1ゲート電圧
Gate2 第2ゲート電圧

Claims (8)

  1. 基板に設けられる第1ゲート電極、及び第2ゲート電極と、
    前記第1ゲート電極及び前記第2ゲート電極を覆う絶縁膜と、
    前記絶縁膜の上に積層されるグラフェン層と、
    前記グラフェン層に接続される一対の電極と、
    前記一対の電極の間で、前記グラフェン層の第1領域に積層される第1の周期構造体と、前記グラフェン層の第2領域に積層される第2の周期構造体と、
    を有し、前記第1の周期構造体と前記第2の周期構造体の繰り返し周期は異なる、
    グラフェン光センサ。
  2. 前記第1の周期構造体は第1波長の光に共鳴する第1プラズモンアンテナであり、前記第2の周期構造体は前記第1波長と異なる第2波長の光に共鳴する第2プラズモンアンテナである、
    請求項1に記載のグラフェン光センサ。
  3. 前記前記第1波長の光を検出するときに、前記第1ゲート電極に前記第1領域での光吸収を阻害しない第1ゲート電圧が印加され、かつ、前記第2ゲート電極に前記第2領域での光吸収が阻害される第2ゲート電圧が印加される、
    請求項2に記載のグラフェン光センサ。
  4. 前記前記第2波長の光を検出するときに、前記第2ゲート電極に前記第2領域での光吸収を阻害しない第2ゲート電圧が印加され、かつ、前記第1ゲート電極に前記第1領域での光吸収が阻害される第1ゲート電圧が印加される、
    請求項2に記載のグラフェン光センサ。
  5. 前記第1ゲート電極は第1のゲート電圧源に接続され、前記第1のゲート電圧源は前記第1領域で光吸収が阻害される電圧を出力可能である、
    請求項1~4のいずれか1項に記載のグラフェン光センサ。
  6. 前記第2ゲート電極は第2のゲート電圧源に接続され、前記第2のゲート電圧源は前記第2領域で光吸収が阻害される電圧を出力可能である、
    請求項1~4のいずれか1項に記載のグラフェン光センサ。
  7. 前記基板は半導体基板であり、
    前記第1ゲート電極と前記第2ゲート電極は、前記基板の上に積層された絶縁層の上に積層されている、
    請求項1~6のいずれか1項に記載のグラフェン光センサ。
  8. 前記基板はアンドープの基板であり、
    前記第2ゲート電極と前記第2ゲート電極は、前記基板に形成された高濃度の不純物添加領域である、
    請求項1~6のいずれか1項に記載のグラフェン光センサ。
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