JP7433533B1 - 電磁波検出器および電磁波検出器アレイ - Google Patents

電磁波検出器および電磁波検出器アレイ Download PDF

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Abstract

電磁波検出器(100)は、熱吸収層(HA)と、絶縁膜(3)と、二次元材料層(1)と、第1電極(2a)とを備えている。熱吸収層(HA)は、熱電材料層(5)と相転移材料層(6)とを含む。絶縁膜(3)は、熱吸収層(HA)上の一部に配置されている。二次元材料層(1)は、熱吸収層(HA)上および絶縁膜(3)上に配置され、熱吸収層(HA)と電気的に接続されている。第1電極部(2a)は、絶縁膜(3)上に配置され、二次元材料層(1)を介して熱吸収層(HA)と電気的に接続されている。

Description

本開示は、電磁波検出器および電磁波検出器アレイに関するものである。
次世代の電磁波検出器に用いられる電磁波検出層の材料として、二次元材料層の一例であるグラフェンが知られている。グラフェンは、極めて高い移動度を有している。グラフェンの吸収率は、2.3%と低い。このため、二次元材料層としてグラフェンが用いられた電磁波検出器における高感度化手法が提案されている。
例えば、米国特許出願公開2015/0243826号明細書(特許文献1)では、下記のような構造を有する検出器が提案されている。すなわち、米国特許出願公開2015/0243826号明細書では、n型半導体層上に2つ以上の誘電体層が設けられている。2つの誘電体層上および当該2つの誘電体層の間に位置するn型半導体層の表面部分上にグラフェン層が形成されている。グラフェン層の両端に接続されたソース・ドレイン電極が誘電体層上に配置されている。ゲート電極がn型半導体層に接続されている。
上記検出器では、チャネルとしてのグラフェン層にソース・ドレイン電極を介して電圧が印加される。この結果、n型半導体層で発生した光キャリアが増幅されるため検出器の感度が向上する。また、ゲート電極とソース電極またはドレイン電極とに電圧が印加された場合は、グラフェンとn型半導体層とのショットキー接続によってOFF動作が可能となる。
米国特許出願公開2015/0243826号明細書
上記公報に記載された検出器(電磁波検出器)では、半導体層に電磁波が照射されることによって生じた光キャリアによって電磁波が検出される。このため、検出器の感度は半導体層の量子効率に依存する。半導体層の量子効率は、電磁波の波長によっては十分に高くない。したがって、電磁波検出器の検出感度は、不十分である。
本開示は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、感度を向上させることができる電磁波検出器および電磁波検出器アレイを提供することである。
本開示の電磁波検出器は、熱吸収層と、絶縁膜と、二次元材料層と、第1電極とを備えている。熱吸収層は、熱電材料層と相転移材料層とを含む。絶縁膜は、熱吸収層上の一部に配置されている。二次元材料層は、熱吸収層上および絶縁膜上に配置され、熱吸収層と電気的に接続されている。第1電極部は、絶縁膜上に配置され、二次元材料層を介して熱吸収層と電気的に接続されている。熱電材料層は、電磁波が照射されることで熱電変換が生じるように構成されている。相転移材料層は、電磁波が照射されることで相転移を生じ抵抗が変化するように構成されている。熱電材料層は、相転移材料層に電気的に接続されている。
本開示の電磁波検出器によれば、熱吸収層により感度を向上させることができる。
実施の形態1に係る電磁波検出器の構成を概略的に示す断面図である。 実施の形態1に係る電磁波検出器の構成を概略的に示す上面図である。 実施の形態1の第1の変形例に係る電磁波検出器の構成を概略的に示す断面図である。 実施の形態1の第2の変形例に係る電磁波検出器の構成を概略的に示す断面図である。 実施の形態1の第3の変形例に係る電磁波検出器の構成を概略的に示す断面図である。 実施の形態2に係る電磁波検出器の構成を概略的に示す断面図である。 実施の形態3に係る電磁波検出器の構成を概略的に示す断面図である。 実施の形態3の第1の変形例に係る電磁波検出器の構成を概略的に示す断面図である。 実施の形態4に係る電磁波検出器の構成を概略的に示す断面図である。 実施の形態4の第1の変形例に係る電磁波検出器の構成を概略的に示す断面図である。 実施の形態4の第2の変形例に係る電磁波検出器の構成を概略的に示す断面図である。 実施の形態4の第2の変形例に係る電磁波検出器の構成を概略的に示す上面図である。 実施の形態4の第3の変形例に係る電磁波検出器の構成を概略的に示す上面図である。 実施の形態5に係る電磁波検出器の構成を概略的に示す断面図である。 実施の形態6に係る電磁波検出器の構成を概略的に示す断面図である。 実施の形態6の第1の変形例に係る電磁波検出器の構成を概略的に示す断面図である。 実施の形態7に係る電磁波検出器の構成を概略的に示す断面図である。 実施の形態7の第1の変形例に係る電磁波検出器の構成を概略的に示す断面図である。 実施の形態8に係る電磁波検出器の構成を概略的に示す断面図である。 実施の形態9に係る電磁波検出器の構成を概略的に示す断面図である。 実施の形態9の第1の変形例に係る電磁波検出器の構成を概略的に示す断面図である。 実施の形態9の第2の変形例に係る電磁波検出器の構成を概略的に示す断面図である。 実施の形態9の第3の変形例に係る電磁波検出器の構成を概略的に示す断面図である。 実施の形態10に係る電磁波検出器の構成を概略的に示す断面図である。 実施の形態10の第1の変形例に係る電磁波検出器の構成を概略的に示す断面図である。 実施の形態10の第2の変形例に係る電磁波検出器の構成を概略的に示す断面図である。 実施の形態10の第2の変形例に係る電磁波検出器の構成を概略的に示す上面図である。 実施の形態11に係る電磁波検出器アレイの構成を概略的に示す上面図である。 実施の形態11の第1の変形例に係る電磁波検出器の構成を概略的に示す断面図である。 実施の形態12に係る電磁波検出器の構成を概略的に示す断面図である。 実施の形態13に係る電磁波検出器の構成を概略的に示す断面図である。
以下、実施の形態について図に基づいて説明する。なお、以下では、同一または相当する部分に同一の符号を付すものとし、重複する説明は繰り返さない。
以下に説明される実施の形態において、図は模式的なものであり、機能または構造を概念的に説明するものである。また、以下に説明される実施の形態により本開示が限定されるものではない。特記される場合を除いて、電磁波検出器の基本構成は全ての実施の形態において共通である。また、同一の符号が付されたものは、上述のように同一またはこれに相当するものである。これは明細書の全文において共通する。
以下に説明される実施の形態では、可視光または赤外光を検出する場合の電磁波検出器の構成が説明されるが、本開示の電磁波検出器が検出する光は可視光および赤外光に限定されない。以下に説明される実施の形態は、可視光および赤外光に加えて、例えば、X線、紫外光、近赤外光、テラヘルツ(THz)波、マイクロ波などの電波を検出する検出器としても有効である。なお、本開示の実施の形態において、これらの光および電波を総称して電磁波と記載する。
また、本実施の形態では、グラフェンとしてp型グラフェンおよびn型グラフェンの用語が用いられる場合がある。以下の実施の形態では、真性状態のグラフェンよりも正孔が多いものがp型グラフェンと呼ばれ、真性状態のグラフェンよりも電子が多いものがn型グラフェンと呼ばれる。つまり、n型の材料は、電子供与性を有する材料である。また、p型の材料は、電子求引性を有する材料である。
また、分子全体において電荷に偏りが見られる場合に電子が支配的になるものがn型と呼ばれる場合もある。分子全体において電荷に偏りが見られる場合に正孔が支配的になるものがp型と呼ばれる場合もある。二次元材料層の一例であるグラフェンに接触する部材の材料には、有機物および無機物のいずれか一方または有機物および無機物の混合物が用いられてもよい。
また、金属表面と光との相互作用である表面プラズモン共鳴現象等のプラズモン共鳴現象、可視光域および近赤外光域以外での金属表面にかかる共鳴という意味での擬似表面プラズモン共鳴と呼ばれる現象、または、波長以下の寸法の構造により波長を操作するという意味でのメタマテリアルまたはプラズモニックメタマテリアルと呼ばれる現象については、特にこれらを名称により区別せず、現象が及ぼす効果の面からは同等の扱いとする。ここでは、これらの共鳴を、表面プラズモン共鳴、プラズモン共鳴、または、単に共鳴と呼ぶ。
また、以下に説明する実施の形態では、二次元材料層の材料として、グラフェンを例に説明が行われているが、二次元材料層の材料はグラフェンに限られない。例えば、二次元材料層の材料としては、遷移金属ダイカルコゲナイド(TMD:Transition Metal Dichalcogenide)、黒リン(Black Phosphorus)、シリセン(シリコン原子による二次元ハニカム構造)、ゲルマネン(ゲルマニウム原子による二次元ハニカム構造)等の材料が適用され得る。遷移金属ダイカルコゲナイドとしては、例えば、二硫化モリブデン(MoS)、二硫化タングステン(WS)、二セレン化タングステン(WSe)等の遷移金属ダイカルコゲナイドが挙げられる。
より好ましくは、二次元材料層は、グラフェン、遷移金属ダイカルゴゲナイト(TMD:Transition Metal Dichalcogenide)、黒リン(Black Phosphorus)、シリセン(シリコン原子による二次元ハニカム構造)、グラフェンナノリボンおよびボロフェンからなる群から選択されるいずれかの材料を含んでいる。
これらの材料は、グラフェンと類似の構造を有している。これらの材料では、原子が二次元面内に単層で配列されている。したがって、これらの材料が二次元材料層に適用された場合においても、二次元材料層にグラフェンが適用された場合と同様の作用効果が得られる。
また、本実施の形態において、絶縁層と表記されるものは、トンネル電流が生じない厚さを有する絶縁物の層である。
実施の形態1.
<電磁波検出器100の構成>
図1~図5を用いて、実施の形態1に係る電磁波検出器100の構成を説明する。図1は、図2のI-I線における断面図である。
図1および図2に示されるように、電磁波検出器100は、二次元材料層1と、第1電極部2aと、第2電極部2bと、絶縁膜3と、熱吸収層HAとを含んでいる。熱吸収層HAは、熱電材料層5と、相転移材料層6とを含んでいる。二次元材料層1、第1電極部2a、第2電極部2b、熱電材料層5および相転移材料層6は、第1電極部2a、二次元材料層1、相転移材料層6、熱電材料層5および第2電極部2bの順に電気的に接続されている。また、電磁波検出器100は、電流計Iまたは電圧計の少なくともいずれかをさらに含んでいる。図1に示される電磁波検出器100は、電流計Iをさらに含んでいる。
二次元材料層1は、熱吸収層HAと電気的に接続されている。二次元材料層1は、相転移材料層6に電気的に接続されている。二次元材料層1は、熱吸収層HAおよび絶縁膜3上に配置されている。二次元材料層1は、第1電極部2a、絶縁膜3および相転移材料層6上に配置されている。すなわち、二次元材料層1は、第1電極部2a、絶縁膜3および相転移材料層6に接触している。二次元材料層1は、第1部分1aと、第2部分1bと、第3部分1cとを含んでいる。第1部分1aは、相転移材料層6上に配置されている。第1部分1aは、相転移材料層6に電気的に接続されている。第2部分1bは、第1電極部2a上に配置されている。第2部分1bは、第1電極部2aに電気的に接続されている。第3部分1cは、第1部分1aおよび第2部分1bを電気的に接続している。第1部分1aおよび第2部分1bは、第3部分1cによって繋がっている。本実施の形態において、第3部分1cは、絶縁膜3上に配置されている。
第1部分1a、第2部分1bおよび第3部分1cの厚みは、互いに等しくてもよい。二次元材料層1が相転移材料層6に重ねられた方向に沿って、第1部分1aの天面側の表面と相転移材料層6の天面側の表面との距離は、第2部分1bの天面側の表面と相転移材料層6の天面側の表面との距離より近い。図示されないが、二次元材料層1の表面には、第1部分1a、第2部分1bおよび第3部分1cに起因した凹凸が形成されている。
第1電極部2aは、二次元材料層1に電気的に接続されている。第1電極部2aは、相転移材料層6を介さずに二次元材料層1に電気的に接続されている。本実施の形態において、第1電極部2aは、二次元材料層1に直接接続されている。第1電極部2aは、二次元材料層1の底面側に配置されている。また、図示されないが、第1電極部2aは、二次元材料層1の天面側に配置されていてもよい。第1電極部2aは、二次元材料層1を介して熱吸収層HAと電気的に接続されている。
第2電極部2bは、熱電材料層5および相転移材料層6を介して二次元材料層1に電気的に接続されている。第2電極部2bは、熱吸収層HAと電気的に接続されている。第2電極部2bは、熱電材料層5に接触している。図1に示された電磁波検出器100では、第2電極部2bは、熱電材料層5の底面の全面を覆っている。第2電極部2bが底面の全面を覆っている電磁波検出器100は、検出対象である電磁波が天面側のみから電磁波検出器100に入射する場合に好適である。また、天面側から電磁波検出器100に入射した電磁波は、熱電材料層5および相転移材料層6を透過した後、第2電極部2bによって反射する。第2電極部2bによって反射した電磁波は、底面側から再び熱電材料層5および相転移材料層6に入射する。このため、熱電材料層5および相転移材料層6には、天面側、底面側の各々から電磁波が入射する。これにより、熱電材料層5および相転移材料層6の電磁波の吸収率が向上する。
また、図示されないが、第2電極部2bは、熱電材料層5の全面を覆ってなくてもよい。すなわち、第2電極部2bは、熱電材料層5の一部に接触していればよい。例えば、第2電極部2bは、熱電材料層5の一部と接触していればよい。熱電材料層5の底面が第2電極部2bから露出している場合、電磁波検出器100は、底面側から入射した電磁波を検出可能である。
絶縁膜3は、熱吸収層HA上の一部に配置されている。絶縁膜3は、相転移材料層6上に配置されている。絶縁膜3は、相転移材料層6の天面側に配置されている。絶縁膜3には、開口部OPが形成されている。開口部OPは、絶縁膜3を貫通している。相転移材料層6は、開口部OPにおいて絶縁膜3から露出している。すなわち、相転移材料層6は、開口部OPにおいて絶縁膜3に覆われていない。相転移材料層6の一部は、開口部OPにおいて絶縁膜3に覆われていない。
二次元材料層1は、開口部OPにおいて相転移材料層6に電気的に接続されている。二次元材料層1は、開口部OP上から絶縁膜3まで延在している。本実施の形態において、二次元材料層1は、開口部OP上から絶縁膜3上まで延在している。二次元材料層1の第1部分1aは、開口部OP内において、相転移材料層6上に配置されている。好ましくは、二次元材料層1は、開口部OPにおいてショットキー接合によって相転移材料層6に接合されている。二次元材料層1の第1部分1aは、開口部OPにおいて相転移材料層6に接合されている。絶縁膜3は、二次元材料層1の第2部分1bおよび第3部分1cと相転移材料層6とを隔てている。
二次元材料層1の第1端は、開口部OP内に配置されている。二次元材料層1の第2端は、第2電極部2b上に配置されている。なお、二次元材料層1の第1端および第2端は、二次元材料層1の長手方向における端部である。図1において、二次元材料層1の第1端は、相転移材料層6の面内方向における開口部OPの中央に対して第1電極部2aとは反対側に配置されており、かつ二次元材料層1の第2端は、開口部OPの中央に対して第1電極部2a側に配置されている。図示されないが、二次元材料層1の第1端および第2端の各々が開口部OPの中央に対して第1電極部2a側に配置されてもよい。
また、図示されないが、二次元材料層1は、開口部OPにおいて相転移材料層6の天面側の表面の一部を露出するように配置されていてもよい。図1のように二次元材料層1は、開口部OPにおいて相転移材料層6の天面側の表面の全面を覆うように配置されていてもよい。
絶縁膜3の底面は相転移材料層6の上面に接触している。相転移材料層6の上面の一部は、二次元材料層1に接触している。すなわち、絶縁膜3は、二次元材料層1に対して底面側に配置されている。第1電極部2aは、絶縁膜3上に配置されている。第1電極部2aは、開口部OPから離れた位置に配置されている。
相転移材料層6は、第1電極部2a、第2電極部2b、二次元材料層1および熱電材料層5の少なくともいずれかと電気的に接続されている。本実施の形態において、相転移材料層6は、第1電極部2a、第2電極部2bおよび熱電材料層5に電気的に接続されている。図1では、相転移材料層6上には、絶縁膜3が配置されている。すなわち、相転移材料層6は、絶縁膜3によって覆われている。相転移材料層6は、熱電材料層5上に配置されている。相転移材料層6は、熱電材料層5に接触している。相転移材料層6は、第1電極部2aと第2電極部2bとの間に配置されている。
相転移材料層6は、電磁波検出器100の検出対象となる電磁波の波長(検出波長)に感度を有している。このため、相転移材料層6に検出波長を有する電磁波が照射された場合には、相転移材料層6において抵抗が変化する。すなわち、相転移材料層6に検出波長を有する電磁波が照射された場合には、相転移材料層6に相転移が生じる。
本実施の形態において、相転移材料層6は、電磁波照射により相転移材料層6の抵抗が変化したときに第1電極部2aと第2電極部2bとの間の抵抗が変化するように配置されている。
熱電材料層5は、第1電極部2a、第2電極部2b、二次元材料層1および相転移材料層6の少なくともいずれかと電気的に接続されている。本実施の形態において、熱電材料層5は、第1電極部2a、第2電極部2bおよび相転移材料層6に電気的に接続されている。図1では、熱電材料層5下には第2電極部2bが形成されており、熱電材料層5上には相転移材料層6が形成されている。熱電材料層5は相転移材料層6に接触している。熱電材料層5は相転移材料層6に電気的に接続されていてもよい。熱電材料層5は相転移材料層6に面するように配置されていてもよい。熱電材料層5は、第1電極部2aと第2電極部2bとの間に配置されている。
熱電材料層5は、電磁波検出器100の検出対象となる電磁波の波長(検出波長)に感度を有していてもよい。このため、熱電材料層5に検出波長を有する電磁波が照射された場合には、熱電材料層5において温度差が生じることで抵抗が変化する。すなわち、熱電材料層5に検出波長を有する電磁波が照射された場合には、熱電材料層5に電圧が生じる。これはゼーベック効果と呼ばれる。熱電材料層5は、相転移材料層6から熱電材料層5に電荷が注入されることにより熱電材料層5に電流が流れるように構成されていることが好ましい。
また、相転移材料層6の抵抗が変化し熱電材料層5に電流が流れた場合、熱電材料層5に温度変化が生じる。これはペルチェ効果と呼ばれる。熱電材料層5は、ペルチェ効果により発熱する発熱部が相転移材料層6に熱的に接触するように配置されていることが好ましい。熱電材料層5は、ペルチェ効果により発熱する発熱部が相転移材料層6に直接接触するように配置されていることがさらに好ましい。相転移材料層6は、電磁波が照射されることにより相転移材料層6の抵抗値が低下するように構成されていることが好ましい。生じた温度変化により相転移材料層6の抵抗がさらに変化するように熱電材料層5を配置することが望ましい。具体的には、温度上昇により抵抗が低下する相転移材料層6が用いられている場合、電磁波照射により熱電材料層5に電流が流れ、熱電材料層5の相転移材料層6と接触する側が発熱し、その反対側が冷却されるように構成されていることが望ましい。このような構成であれば相転移材料層6と熱電材料層5の配置は逆でもよく、図3のような構造でも良い。
また、これらの構造は図4および図5のように半導体層4上に配置されていても良い。この場合、電磁波検出器100は、半導体層4をさらに備えている。熱吸収層HAは、半導体層4上に配置されている。また、図4のように、導電率の高い半導体層4、熱電材料層5、相転移材料層6が用いられる場合、電磁波を検出するための電流または電圧を取り出すことが可能であれば第2電極部2bは無くても良い。図5では、半導体層4の底面側に第2電極部2bが配置されている。第2電極部2bは半導体層4と電気的に接続されている。
電流計Iは、第1電極部2aと第2電極部2bとの間に電気的に接続されている。電流計Iは、電磁波が電磁波検出器100に照射されることによって生じた電流変化を検出するための電流計Iである。電磁波検出器100は、電流計Iが第1電極部2aと第2電極部2bとの間に流れる電流の変化を検出することで電磁波を検出するように構成されている。ここで、電流計Iの代わりに電圧計が用いられてもよく、その場合、電磁波検出器100は、電圧計が第1電極部2aと第2電極部2bとの間に発生する電圧の変化を検出することで電磁波を検出するように構成されている。
図2に示されるように、平面視における二次元材料層1の端部の形状は、矩形状である。二次元材料層1の端部の形状は、矩形状に限られず、三角形状、櫛形形状等であってもよい。また、図示されないが、二次元材料層1の端部の形状が櫛形形状である場合には、第1部分1aは、相転移材料層6に電気的に接続された複数の端部を有していてもよい。図2では、二次元材料層1の端部の全体が相転移材料層6に接触している。このため、二次元材料層1の端部の全体が第1部分1aとして構成されている。図示されないが、二次元材料層1の端部の一部が相転移材料層6に接触し、二次元材料層1の端部の他の部分が絶縁膜3に接触していてもよい。すなわち、二次元材料層1の端部の一部が第1部分1aとして構成され、二次元材料層1の端部の他の部分が第3部分1cとして構成されていてもよい。また、図示されないが、二次元材料層1の一部が第1部分1aにおいて相転移材料層6と接触していれば、二次元材料層1の端部は第1部分1aとして構成されていなくとも良い。
次に、二次元材料層1、第1電極部2a、第2電極部2b、絶縁膜3、半導体層4、熱電材料層5および相転移材料層6の構成について詳細に説明する。
<二次元材料層1の構成>
二次元材料層1は、例えば、単層のグラフェンである。単層のグラフェンは、二次元炭素結晶の単原子層である。グラフェンは、六角形状に配置された複数の連鎖の各々にそれぞれ配置された複数の炭素原子を有している。グラフェンの吸収率は、2.3%と低い。具体的には、グラフェンの吸収率は、2.3%である。また、二次元材料層1は、複数のグラフェン層が積層された多層グラフェンであってもよい。多層グラフェン中のグラフェンのそれぞれの六方格子の格子ベクトルの向きは、一致していてもよいし、異なっていてもよい。また、多層グラフェン中のグラフェンのそれぞれの六方格子の格子ベクトルの向きは、完全に一致していてもよい。また、二次元材料層1は、p型またはn型の不純物がドープされたグラフェンであってもよい。
例えば、2層以上のグラフェン層が積層されることによって、二次元材料層1にバンドギャップが形成される。すなわち、積層されたグラフェン層の数を変更することによって、バンドギャップの大きさを調整することができる。これにより、二次元材料層1は、光電変換の対象となる電磁波(検出波長)を選択する波長選択効果を有することができる。また、例えば、多層グラフェンのグラフェン層の数が増加すると、チャネル領域での移動度が低下する。一方で、多層グラフェンのグラフェン層の数が増加すると、基板からの光キャリア散乱の影響が抑制されるため、電磁波検出器100のノイズが低下する。このため、多層グラフェンが用いられた二次元材料層1を有する電磁波検出器100では、光吸収が増加されるため、電磁波の検出感度が向上する。あるいは、多層グラフェンは、乱層積層と呼ばれる、積層方位角度がランダムに配置された多層グラフェンであってもよい。乱層積層グラフェンはグラフェンの層間相互作用が弱いため、移動度が単層グラフェンと同等程度であり、かつグラフェン下地の電気的な外乱が抑制されるため、通常の単層グラフェンよりも移動度が高く保たれるといった効果がある。
また、二次元材料層1としてナノリボン状のグラフェン(グラフェンナノリボン)が用いられてもよい。二次元材料層1は、グラフェンナノリボン単体であってもよい。二次元材料層1の構造は、複数のグラフェンナノリボンが積層された構造であってもよい。二次元材料層1の構造は、グラフェンナノリボンが平面上に周期的に配列された構造であってもよい。二次元材料層1の構造がグラフェンナノリボンが周期的に配列された構造である場合、グラフェンナノリボンにおいてプラズモン共鳴を発生するため、電磁波検出器100の感度が向上する。グラフェンナノリボンが周期的に配列された構造は、グラフェンメタマテリアルと呼ばれることもある。つまり、二次元材料層1としてグラフェンメタマテリアルが用いられた電磁波検出器100では、上述の効果が得られる。あるいは、グラフェンに周期的に穴が形成されてもよい。この場合にも穴の大きさ、周期によってプラズモン共鳴が生じるため、特定波長において吸収が増加し、電磁波検出器100の感度が向上する。穴の形状は真円、楕円、正方形、長方形などが挙げられる。周期は、1次元周期、2次元周期、二重周期、非対称性を含む周期であってもよい。
二次元材料層1の端部はグラフェンナノリボンであってもよい。この場合、グラフェンナノリボンはバンドギャップを有するため、グラフェンナノリボンと相転移材料層6との接合領域においてショットキー接合が形成される。
二次元材料層1の第2部分1bが第1電極部2aに接触することによって、第1電極部2aから二次元材料層1にキャリアがドープされる。例えば、二次元材料層1がグラフェンであり第1電極部2aが金(Au)である場合、キャリアは正孔である。グラフェンの仕事関数と金(Au)の仕事関数との差によって、第1電極部2aに接している第2部分1bに正孔がドープされる。第2部分1bに正孔がドープされた状態において、電磁波検出器100が電子伝導状態で駆動すると、正孔の影響によって、チャネル内に流れる電子の移動度が低下する。このため、二次元材料層1と第1電極部2aとのコンタクト抵抗が増加する。特に、二次元材料層1の全ての領域が単層グラフェンによって形成されている場合、第1電極部2aから二次元材料層1に注入されるキャリアの量(ドープ量)が大きい。このため、電磁波検出器100の電界効果の移動度の低下は、顕著である。したがって、二次元材料層1の全ての領域が単層グラフェンによって形成されている場合、電磁波検出器100の性能は低下する。
また、多層グラフェンに第1電極部2aからドープされるキャリアの量は、単層グラフェンに第1電極部2aからドープされるキャリアの量よりも小さい。このため、キャリアがドープされやすい第1部分1aおよび第2部分1bが多層グラフェンから形成されることによって、二次元材料層1と第1電極部2aとの間のコンタクト抵抗の増加を抑制することができる。これにより、電磁波検出器100の電界効果の移動度の低下を抑制することができるため、電磁波検出器100の性能を向上させることができる。
<第1電極部2aおよび第2電極部2bの構成>
第1電極部2aおよび第2電極部2bの材料は、導電体であれば任意の材料であってよい。第1電極部2aおよび第2電極部2bの材料は、例えば、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)およびパラジウム(Pd)の少なくともいずれかを含んでいてもよい。第1電極部2aと絶縁膜3との間または第2電極部2bと半導体層4との間に、図示されない密着層が設けられていてもよい。密着層は、密着性を高めるように構成されている。密着層の材料は、例えば、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)またはチタン(Ti)等の金属材料を含んでいる。
<絶縁膜3の構成>
絶縁膜3の材料は、例えば、酸化ケイ素(SiO2)である。絶縁膜3の材料は、酸化ケイ素に限られず、例えば、オルトケイ酸テトラエチル(Si(OC254)、窒化ケイ素(Si34)、酸化ハフニウム(HfO2)、酸化アルミニウム(Al23)、酸化ニッケル(NiO)、窒化ボロン(BN)(ボロンナイトライド)、シロキサン系のポリマー材料であってもよい。例えば、窒化ボロン(BN)の原子配列は、グラフェンの原子配列と似ている。このため、窒化ボロン(BN)がグラフェンからなる二次元材料層1に接触する場合、二次元材料層1の電子移動度の低下が抑制される。よって、窒化ボロン(BN)は、二次元材料層1の下に配置される下地膜としての絶縁膜3に好適である。
絶縁膜3の厚さは、第1電極部2aが相転移材料層6に対して電気的に絶縁され、かつトンネル電流が第1電極部2aと相転移材料層6との間に生じない限りにおいて、特に制限されない。また、絶縁層は、二次元材料層1の下方に配置されていなくてもよい。
<半導体層4の構成>
半導体層4の材料は、例えば、珪素(Si)等の半導体材料である。具体的には、半導体層4は、不純物がドープされたシリコン基板等である。
半導体層4は、多層構造であってもよい。また、半導体層4は、pn接合フォトダイオード、pinフォトダイオード、ショットキーフォトダイオード、アバランシェフォトダイオードであってもよい。また、半導体層4は、フォトトランジスタであってもよい。
本実施の形態においては半導体層4を構成する材料がシリコン基板である場合が説明されたが、半導体層4の材料は他の材料であってもよい。半導体層4の材料は、例えば、ケイ素(Si)、ゲルマニウム(Ge)、III-V族半導体またはII-V族半導体などの化合物半導体、テルル化カドミウム水銀(HgCdTe)、アンチモン化イリジウム(InSb)、鉛セレン(PbSe)、鉛硫黄(PbS)、カドミウム硫黄(CdS)、窒化ガリウム(GaN)、シリコンカーバイド(SiC)、リン化ガリウム(GaP)、ヒ化インジウムガリウム(InGaAs)、ヒ化インジウム(InAs)、アンチモン化ガリウム(GaSb)、インジウムガリウムヒ素(InGaAs)である。半導体層4は、量子井戸または量子ドットを含む基板であってもよい。半導体層4の材料は、TypeII超格子であってもよい。半導体層4の材料は、上記の材料の単体であってもよいし、上記の材料を組み合わせた材料であってもよい。
半導体層4は、抵抗率が100Ω・cm以下になるように不純物がドーピングされていることが望ましい。半導体層4が高濃度にドーピングされることで半導体層4内における光キャリアの読み出し速度(移動速度)が向上するため、電磁波検出器100の応答速度が向上する。
半導体層4の厚みは、10μm以下であることが望ましい。半導体層4の厚みが小さくなることで、光キャリアの失活が小さくなる。
本実施の形態では、熱吸収層は熱電材料層5と相転移材料層6により構成される。熱電材料層5と相転移材料層6は互いに直列に接続され、電磁波照射時において接続された二次元材料層1および第2電極部2bに電流が流れるように構成されていることが好ましい。熱電材料層5のゼーベック効果を利用する場合は必ずしも電流が流れるように構成されていなくてもよい。
<熱電材料層5の構成>
熱電材料層5の材料は、温度差が付与されることにより生じる熱エネルギーを電気エネルギーに変換する材料であれば適宜に決められてもよい。熱電材料層5の材料は、例えばp型ビスマステルライド、n型ビスマステルライド、ビスマス-テルル系熱電半導体材料、テルライド系熱電半導体材料、アンチモン-テルル系熱電半導体材料、亜鉛-アンチモン系熱電半導体材料、シリコン-ゲルマニウム系熱電半導体材料、セレナイド系熱電半導体材料、シリサイド系熱電半導体材料、酸化物系熱電半導体材料、ホイスラー材料、酸化物材料、硫化物系材料、スクッテルダイト系材料、カルコゲナイド系材料などの少なくともいずれかを含む。ビスマス-テルル系熱電半導体材料は、例えば、テルル化ビスマス(Bi2Te3)等である。テルライド系熱電半導体材料は、例えば、テルル化ゲルマニウム(GeTe)、テルル化マグネシウム(MgTe)およびテルル化鉛(PbTe)等である。アンチモン-テルル系熱電半導体材料は、例えば、アンチモン・テルル化合物(Sb2Te3)等である。亜鉛-アンチモン系熱電半導体材料は、例えば、アンチモン化亜鉛(ZnSb、Zn3Sb2およびZn4Sb3)等である。シリコン-ゲルマニウム系熱電半導体材料は、例えば、シリコンゲルマニウム(SiGe)等である。セレナイド系熱電半導体材料は、セレン化ビスマス(III)(Bi2Se3)、Cu2Se、SnSe等である。シリサイド系熱電半導体材料は、鉄シリサイド(β―FeSi2)、ケイ化クロム(CrSi2)、ケイ化マンガン(MnSi1.73)、ケイ化マグネシウム(Mg2Si)等である。ホイスラー材料は、例えば、FeVAl、FeVAlSiおよびFeVTiAl等である。酸化物系熱電半導体材料は例えば、BiCuSeO、Co:BiCuSeO等である。望ましくは、熱電材料層5の材料は、p型ビスマステルライド、n型ビスマステルライド、ビスマス-テルル系熱電半導体材料ならびにシリサイド系熱電半導体材料のいずれかである。望ましくは、p型ビスマステルライドのキャリアは正孔であり、p型ビスマステルライドのゼーベック係数は正値であり、p型ビスマステルライドの構成はBiTe3Sb2-X(0<X≦0.6)で示される。望ましくは、n型ビスマステルライドのキャリアは電子であり、n型ビスマステルライドのゼーベック係数は負値であり、n型ビスマステルライドの構成はBi2Te3-YSe(0<Y≦3)で示される。上記のp型ビスマステルライドおよびn型ビスマステルライドは、一対で使用されることが望ましい。上記のp型ビスマステルライドおよびn型ビスマステルライドは、互いに直列接続によって接続された複数対で使用されてもよい。この場合、熱電変換によって発生する電圧を増加させることができるため、電磁波検出器100の感度が向上する。また、熱電材料層5は、異なる熱電材料を積層または混合したものでもよい。また、上記の材料に不純物が加えられてp型、n型の極性が制御されてもよく、また電気伝導率が制御されてもよい。材料の粒径が制御されることで熱伝導率が制御されてもよい。
なお、熱電材料層5を構成する材料は、上記熱電材料に限られるものではなく、熱電発電効果を奏する任意の物質であればよい。具体的には、熱電材料層5を構成する材料は、物質間の温度差によって電位差が生じるか、電流が流れることで物体間に温度差が生じる任意の熱電材料であればよい。熱電変換効果において電磁波は単に熱源として作用するために、熱電変換効果には基本的に波長依存性はない。そのため、熱電材料層5は、広帯域の電磁波に感度を有する。
また、熱電材料層5は温度差が生じやすいように発熱部と冷却部が互いの温度に干渉されない程度に離れていることが好ましい。
<相転移材料層6の構成>
相転移材料層6の材料は、検出波長の電磁波(温度)に対して相転移を生じ抵抗が変化する材料を用いることが望ましい。具体的には、放射率可変素子、Mott絶縁体、金属-半導体相転移材料、金属-絶縁体相転移材料、結晶構造相転移または磁気相転移等に伴い熱を吸収するセラミック材料、光誘起相転移を有する酸化チタンナノ粒子、ゲルマニウム(Ge)、アンチモン(Sb)、テルル(Te)のカルコゲナイド合金(Ge2Sb2Te5:GST)、Ge2Sb2Se4Te1(GSST)、TaS二次元材料層などが用いられる。
これらは主として遷移金属の酸化物から構成され、ペロブスカイト構造を有するものが特に望ましい。遷移金属の酸化物としては、ReNiO3(Reは希土類元素)、M1(1-(x+y))M2M3MnO3(M1はLa、Pr、Sc、In、NdまたはSm、M2はアルカリ土類金属、M3はM2と同一ではないアルカリ土類金属、0≦x≦1,0≦y≦1)、La1-x-ySrCaMnO3(0≦x≦1,0≦y≦1)、Ca2Ru1-x4(MはMnまたはFe、0≦x≦1)、VO2等が挙げられる。遷移金属の酸化物はある特定の温度領域を境に放射率が変化する材料である。温度領域の温度やその温度幅は用途によって適切なものを選択する必要がある。
結晶構造相転移または磁気相転移等に伴い熱を吸収するセラミック材料として、二酸化バナジウム(VO2)、リチウムバナジウム複合酸化物(LiVO2)等が挙げられる。
相転移材料層6の厚さは任意に設定できるが、相転移材料層6は、電磁波非照射時において高抵抗となり、電磁波照射時に低抵抗となるように配置されることが望ましい。
<電磁波検出器100の製造方法>
次に、図5を用いて、実施の形態1に係る電磁波検出器100の製造方法を説明する。
電磁波検出器100の製造方法は、準備工程、第2電極部形成工程、熱電材料層形成工程、相転移材料層形成工程、絶縁膜形成工程、第1電極部形成工程、開口部形成工程、二次元材料層形成工程を含んでいる。
まず、準備工程が実施される。準備工程では、図5に示されるように、ケイ素(Si)等を含む平坦な半導体基板が半導体層4として準備される。半導体基板の材料は、予め定められた検出波長に感度を有している材料であってもよい。
続いて、第2電極部形成工程が実施される。第2電極部形成工程では、半導体層4の第1面に保護膜が形成される。保護膜は、例えば、レジストである。半導体層4の第1面が保護膜によって保護された状態で、半導体層4の第2面に第2電極部2bが成膜される。第2電極部2bが成膜される前に、第2電極部2bが成膜される半導体層4の第2面の領域に図示されない密着層が形成されてもよい。
続いて、熱電材料層形成工程が実施される。熱電材料層形成工程では、半導体層4の第1面上に熱電材料層5が形成される。熱電材料層を形成する方法は、適宜に決められてもよい。例えば、熱電材料層5がポリマー系材料によって形成される場合、スピンコート法等によってポリマー膜が形成された後にフォトリソグラフィ法によってポリマー膜が加工されることで、熱電材料層5が形成される。熱電材料層5の材料がポリマー系材料とは異なる材料である場合には、エピタキシャル成長法、分子線エピタキシャル成長法(MBE)、スパッタ、蒸着または金属有機物分解法(MODコート法、MOD:Metal Organic Composition)、ALD(Atomic Layer Deposition)法等によって熱電材料層5が形成された後に、フォトリソグラフィ法によって熱電材料層5がパターニングされる。また、リフトオフと呼ばれる方法が用いられてもよい。リフトオフと呼ばれる方法では、レジストマスクがマスクとして用いられることで熱電材料層5が成膜された後に、レジストマスクが除去される。
続いて、相転移材料層6が形成される。相転移材料層形成工程では、熱電材料層5上に相転移材料層6が形成される。相転移材料層6を形成する方法は適宜に決められても良い。例えば、相転移材料層6がポリマー系材料によって形成される場合、スピンコート法等によってポリマー膜が形成された後にフォトリソグラフィ法によってポリマー膜が加工されることで、相転移材料層6が形成される。相転移材料層6の材料がポリマー系材料とは異なる材料である場合には、エピタキシャル成長法、分子線エピタキシャル成長法(MBE)、スパッタ、蒸着または金属有機物分解法(MODコート法、MOD:Metal Organic Composition)、ALD(Atomic Layer Deposition)法等によって相転移材料層6が形成された後に、フォトリソグラフィ法によって相転移材料層6がパターニングされる。また、リフトオフと呼ばれる方法が用いられてもよい。リフトオフと呼ばれる方法では、レジストマスクがマスクとして用いられることで相転移材料層6が成膜された後に、レジストマスクが除去される。
続いて、絶縁膜形成工程が実施される。絶縁膜形成工程では、相転移材料層6の表面上に絶縁膜3が形成される。例えば、絶縁膜3の成膜方法は、CVD(Chemical Vapor Deposition)法またはスパッタリング法であってもよい。
続いて、第1電極部形成工程が実施される。第1電極部形成工程では、絶縁膜3上に第1電極部2aが形成される。第1電極部2aが形成される前に、第1電極部2aが形成される絶縁膜3の領域に密着層が形成されてもよい。
第1電極部2aの形成方法として、例えば、以下のプロセスが用いられる。まず、絶縁膜3上に写真製版または電子線(EB:Electron Beam)描画などによってレジストマスクが形成される。第1電極部2aが形成されるレジストマスクの領域には、開口した部分が形成される。その後、レジストマスク上に、第1電極部2aとなる金属などの膜が形成される。当該膜の形成には、蒸着法またはスパッタリング法などが用いられる。このとき、当該膜はレジストマスクの開口領域の内部から当該レジストマスクの上部表面にまで延在するように形成される。その後、レジストマスクが当該膜の一部と共に除去される。レジストマスクの開口領域に配置されていた膜の他の一部が絶縁膜3上に残存し、第1電極部2aとなる。上述した方法は、一般的にはリフトオフと呼ばれる方法である。
第1電極部2aの形成方法として、他の方法が用いられてもよい。例えば、絶縁膜3上に第1電極部2aとなる金属膜などの膜が先に成膜される。その後、フォトリソグラフィ法によって当該膜上にレジストマスクが形成される。レジストマスクは、第1電極部2aが形成される領域を覆うように形成される一方、第1電極部2aが形成される領域以外の領域には形成されない。その後、ウェットエッチングまたはドライエッチングにより、レジストマスクをマスクとして当該膜が部分的に除去される。この結果、レジストマスク下に膜の一部が残存する。この膜の一部が第1電極部2aとなる。その後、レジストマスクが除去される。このようにして、第1電極部2aが形成されてもよい。
続いて、開口部形成工程が実施される。開口部形成工程では、絶縁膜3に開口部OPが形成される。具体的には、絶縁膜3上に写真製版または電子線描画などによって図示されないレジストマスクが形成される。絶縁膜3の開口部OPが形成されるレジストマスクの領域に開口した部分が形成されている。その後、レジストマスクをエッチングマスクとして絶縁膜3がエッチングされる。エッチングの手法は、上記ウェットエッチングおよび上記ドライエッチングのいずれかから適宜に選択され得る。エッチング後に、レジストマスクが除去される。なお、開口部形成工程は、第1電極部形成工程よりも前に実施されてもよい。
続いて、二次元材料層形成工程が実施される。二次元材料層形成工程では、第1電極部2a、絶縁膜3および開口部OPの内部において露出する相転移材料層6が二次元材料層1によって覆われるように二次元材料層1が形成される。二次元材料層1の形成方法は、特に制限されない。二次元材料層1は、例えばエピタキシャル成長によって形成されてもよいし、スクリーン印刷法によって形成されてもよい。また、二次元材料層1は、予めCVD法により成膜された二次元材料膜が転写されて貼り付けられることによって形成されてもよい。二次元材料層1は、機械剥離等により剥離されたフィルム状の二次元材料膜が転写されて貼り付けられることによって形成されてもよい。
二次元材料層1が形成された後、写真製版などによって二次元材料層1の上にレジストマスクが形成される。レジストマスクは、二次元材料層1が形成される領域を覆うとともに、それ以外の領域を露出するように形成される。その後、レジストマスクをエッチングマスクとして二次元材料層1がエッチングされる。エッチングの手法は、例えば酸素プラズマによるドライエッチングである。その後、レジストマスクが除去される。これにより、図1に示される二次元材料層1が形成される。
以上の工程によって、電磁波検出器100が製造される。
なお、上述された製造方法では第1電極部2aの上に二次元材料層1が形成されたが、絶縁膜3上に二次元材料層1が形成された後に当該二次元材料層1の一部上に重なるように第1電極部2aが形成されてもよい。ただし、第1電極部2aの形成時に、二次元材料層1が第1電極部2aの形成プロセスによって損傷しないように注意する必要がある。例えば、二次元材料層1において第1電極部2aが重ねられる領域の他の領域が保護膜等によって予め覆われた状態で第1電極部2aが形成されることで、第1電極部2aの形成プロセスによって損傷することが抑制される。
<電磁波検出器100の動作原理>
次に、図1を用いて、実施の形態1に係る電磁波検出器100の動作原理を説明する。
図1に示されるように、まず、第1電極部2aと第2電極部2bとの間に電流計Iまたは図示しない電流計が電気的に接続される。第1電極部2a、二次元材料層1、相転移材料層6、熱電材料層5および第2電極部2bが順に電気的に接続される。電流計Iまたは図示しない電圧計によって二次元材料層1に流れる電流の電圧または電流が計測される。このとき、バイアス電圧Vが二次元材料層1に印加される。また、バイアス電圧Vが二次元材料層1に印加されない場合、電圧が印加されていないため暗電流がゼロになる。すなわち、電磁波検出器100は、OFF動作を行う。また、二次元材料層1と相転移材料層6の界面、相転移材料層6と熱電材料層5の界面、あるいは熱電材料層5内においてショットキー接合またはpn接合を形成することで、バイアス電圧Vが印加されても暗電流をゼロにしてOFF動作させることが可能である。
次に、相転移材料層6に電磁波が照射される。電磁波の熱により相転移材料層6の温度が上昇し、相転移材料に相転移が生じることによって、相転移材料層6の抵抗値が低下する。これにより、相転移材料層6から熱電材料層5に電荷が注入される。これにより熱電材料層5に電流が流れることで、ペルチェ効果により熱電材料層5の上部と下部に温度差が発生する。熱電材料層5の上部は発熱、下部は冷却される。熱電材料層5の上部は相転移材料層6と接触しているため相転移材料層6はさらに加熱され抵抗値が低下し、さらに熱電材料層5に電流が流れる。この現象が平衡状態になるまで繰り返されることで大きな電流変化が生じる。さらに、相転移材料層6は絶縁膜3を介して二次元材料層1と接続されており、相転移材料層6の抵抗値が変化することで二次元材料層1に擬似的なゲート電圧の変化が生じる。これにより二次元材料層1のフェルミレベルが変調され、二次元材料層1の抵抗値が変化する。これは光ゲート効果と呼ばれる。このように、第1電極部2aと第2電極部2bとの間の抵抗の変化によって、第1電極部2aと第2電極部2bとの間の電圧および電流が変化する。電圧および電流の変化のいずれかが検出されることによって、電磁波検出器100に照射された電磁波を検出することができる。
また、電磁波が熱電材料層5の一面に照射されることで、熱電材料層5内に温度変化が生じ、ゼーベック効果によって熱電材料層5に電圧が発生する。バイアス電圧Vを印加せずに代わりにこの電圧を用いて素子が駆動されても良い。また、バイアス電圧Vを印加する場合でも発生した電圧は各層に追加で印加されるため、抵抗変化がさらに大きくなる。このとき、発生した電圧による光ゲート効果が発生し、二次元材料層1のフェルミレベルが変調され、二次元材料層1の抵抗値も変化する。これにより、光電流が増加し、更に電磁波検出器100の感度が高くなる。
また、電磁波検出器100は、上記のような電流の変化が検出される構成に限定されない。例えば、第1電極部2aと第2電極部2bとの間に一定の電流が流された状態で、電磁波検出器100に電磁波が照射されたときの第1電極部2aと第2電極部2bとの間の電圧の変化が検出されてもよい。なお、電磁波検出器100に電磁波が照射されたときの第1電極部2aと第2電極部2bとの間の電圧の変化は、二次元材料層1での電圧の変化である。
また、上述された電磁波検出器100が第1の電磁波検出器として配置され、第1の電磁波検出器と同じ構成を有する第2の電磁波検出器がさらに配置されてもよい。第1の電磁波検出器は、電磁波が照射される空間に配置される。第2の電磁波検出器は、電磁波が遮蔽された空間に配置される。第1の電磁波検出器の電流と第2の電磁波検出器の電流との差分が検出されることで電磁波が検出されてもよい。第1の電磁波検出器の電圧と第2の電磁波検出器の電圧との差分が検出されることで電磁波が検出されてもよい。
<電磁波検出器100の動作>
次に、図1を用いて、実施の形態1に係る電磁波検出器100の具体的な動作について説明する。
二次元材料層1と、相転移材料層6および熱電材料層5により構成された熱吸収層HAとの接合に対して電流計Iが接続される。電磁波検出器100の検出波長は、熱吸収層HAの吸収波長に応じて定まる。
電磁波が照射されていない状態のとき、グラフェンおよび熱吸収層HA間あるいは熱吸収層HA内にショットキー接合またはpn接合が形成されていると、暗電流が抑制され、OFF動作が可能となる。検出波長を有する電磁波が熱吸収層HAに入射することで、相転移材料層6に温度変化が発生し、抵抗変化が生じる。また、熱電材料層5に温度差が発生しゼーベック効果により電圧が発生する。熱吸収層HAが相転移材料層6と熱電材料層5の直列接続により構成されている場合、グラフェンおよび熱吸収層HA間に電圧が印加されると、相転移材料層6の抵抗値が変化したことで熱電材料層5に電流が流れる。これによりペルチェ効果が発生し熱電材料層5の温度差が増加する。このとき、熱電材料層5の高温側を相転移材料層6と接触するように構成することで、相転移材料層6の抵抗値を更に低下させることができる。これにより大きな電流が発生する。また、相転移材料層6の抵抗変化および熱電材料層5の電圧変化が光ゲート効果により絶縁膜3を介してグラフェンのフェルミレベルを変化させ、二次元材料層1の抵抗値が変化する。これらの効果を組み合わせることで大きな電流変化を発生させることが出来る。
さらに、熱電材料層5の温度変化および相転移材料層6の抵抗変化の変化速度が可能な限り短く設定されている場合には、電磁波が電磁波検出器100に入射してから二次元材料層1において抵抗の変化が生じるまでの時間が短くなる。これにより、光キャリアの増幅の遅延が抑制されるため、電磁波検出器100の応答速度が大きくなる。
なお、本実施の形態に係る電磁波検出器100の構成は、他の実施の形態にも適用することができる。
<作用効果>
続いて、本実施の形態の作用効果を説明する。
本実施の形態に係る電磁波検出器100によれば、図1に示されるように、熱電材料層5および相転移材料層6により構成される熱吸収層HAは、二次元材料層1と電気的に接続されている。熱吸収層HAは電磁波照射による発熱により相転移材料層6の抵抗値が低下し、熱電材料層5は温度差が生じることで電圧が発生する。また、相転移材料層6の抵抗低下により熱電材料層5に流れる電流が増加し、熱電材料層5の温度差が拡大する。これにより熱電材料層5の発熱部と接触する相転移材料層6はさらに加熱され、さらに抵抗値が低下する。以上が平衡状態になるまで繰り返される。これにより熱吸収層HAの抵抗値が変化し、絶縁膜3を介して接続された二次元材料層1のフェルミレベルが変調されることで、二次元材料層1の抵抗値も変化する。以上より、電磁波検出器100において電圧変化および電流変化が生じる。相転移材料層6の抵抗変化および熱電材料層5の温度差による電圧変化は温度変化によるものであり、電磁波の波長に依存しない。このため、電磁波検出器100の感度は、従来の半導体を用いた検出器と比較して半導体の量子効率に依存しない。よって、半導体層の量子効率が低下する波長であっても、電磁波検出器100の感度が低下することが抑制される。したがって、電磁波検出器100の感度が向上する。具体的には、量子効率100%を超える高感度化が可能となる。
より詳細には、熱吸収層HAの抵抗変化に起因した光ゲート効果による二次元材料層1における電流の変化量は、通常の半導体における電流の変化量よりも大きい。特に、二次元材料層1では、通常の半導体と比較して、小さなゲート電圧変化に対して大きな電流変化が生じる。例えば、二次元材料層1として単層のグラフェンが用いられた場合、二次元材料層1の厚みは原子層1層分であるため極めて薄い。また、単層のグラフェンにおける電子の移動度は大きい。この場合、二次元材料層1における電子の移動度および厚み等から算出される二次元材料層1での電流の変化量は、通常の半導体における電流の変化量の数百倍から数千倍程度である。なお、上記の熱吸収層HAの抵抗変化により二次元材料層1に印加されるバイアス電圧の変化も生じる。電磁波検出器100に擬似的にバイアス電圧が印加されることで二次元材料層1のフェルミレベルが大きく変化し、二次元材料層1と熱吸収層HAとのエネルギー障壁が変化する効果は、光バイアス効果と呼ばれる。
光バイアス効果によって、二次元材料層1における検出電流の取り出し効率は大幅に向上する。光バイアス効果は、通常の半導体のように光電変換材料の量子効率を直接的に増強するものではなく、電磁波の入射による電流の変化量を大きくするものである。このため、電磁波の入射による差分電流から算出された電磁波検出器100の量子効率は、100%を超えることができる。よって、本実施の形態に係る電磁波検出器100による電磁波の検出感度は、半導体電磁波検出器または光バイアス効果が適用されていないグラフェン電磁波検出器と比較して、高い。
つまり、本実施の形態に係る電磁波検出器100では、熱吸収層HAの抵抗変化に起因した絶縁膜3を介したゲート電圧変化による光ゲート効果と、二次元材料層1に印加されるバイアス電圧の変化による光バイアス効果が同時に発生する。
図1に示されるように、二次元材料層1は、開口部OPにおいて相転移材料層6に電気的に接続されている。二次元材料層1は、開口部OPにおいて相転移材料層6にショットキー接合によって接合されていてもよい。また、相転移材料層6と熱電材料層5、あるいは熱電材料層5内においてショットキー接合またはpn接合が形成されてもよい。このとき、電磁波検出器100に逆バイアスが印加された際には二次元材料層1に電流が流れない。すなわち、二次元材料層1に暗電流が流れることを抑制することができる。よって、電磁波検出器100は、OFF動作が可能となる。また、二次元材料層1に順バイアスが印加された際には、小さな電圧変化で大きな電流変化を得ることができる。このため、電磁波検出器100の感度が向上する。これにより、電磁波検出器100の感度の向上と電磁波検出器100のOFF動作とを両立することができる。
図4および図5に示されるように、半導体層4が設けられている場合、電磁波検出器100は、絶縁膜3および熱吸収層HAを透過した電磁波も同時に検出することができる。半導体層4に電磁波が入射することで、半導体層4に光キャリアが生じる。光キャリアは、二次元材料層1を通って第1電極部2aに出力される。二次元材料層1は、絶縁膜3に配置された部分を有している。このため、半導体層4で生じた光キャリアによる電界変化が絶縁膜3を介して二次元材料層1に印加される。二次元材料層1が絶縁膜3上に配置されている部分を有していない場合と比べて、光ゲート効果による二次元材料層1の導電率がさらに大きく変調されやすい。このため、電磁波検出器100の感度が向上する。
また、電磁波検出器100に電磁波が照射された際の電流の変化量は、二次元材料層1における光電変換によって生じた光電電流による変化を含んでいる。このため、電磁波検出器100に電磁波が照射されることで、上記の光バイアス効果、光ゲート効果および光電変換が生じる。よって、電磁波検出器100は、光バイアス効果、光ゲート効果および光電変換による電流の変化を検出することができる。したがって、電磁波検出器100の感度が向上する。
図1に示されるように、電磁波検出器100は、電流計Iおよび電圧計の少なくともいずれかが第1電極部2aと第2電極部2bとの間に流れる電流の電圧および電流の少なくともいずれかの変化を検出することで電磁波を検出するように構成されている。このため、電流計Iおよび電圧計の少なくともいずれかを用いて電磁波を検出することができる。
二次元材料層1は、グラフェン、遷移金属ダイカルゴゲナイト、黒リン、シリセン、グラフェンナノリボンおよびボロフェンからなる群から選択されるいずれかの材料を含んでいる。このため、本実施の形態の作用効果を確実に得ることができる。
熱電材料層5は、電流が流れることで発熱し、相転移材料層6を加熱するように設けられている。これにより小さな抵抗変化に対して大きな光電流を得ることができる。このため、電磁波検出器100の感度が向上する。
半導体層4に珪素(Si)が用いられてもよい。このため、半導体層4中に読出回路を形成することができる。これにより、電磁波検出器100の外部に他の回路をさらに形成する必要をなくすことができる。
第2電極部2bは、熱吸収層HAまたは半導体層4と電気的に接続されている。このため、第1電極部2aと第2電極部2bとの間に流れる電流または電圧の変化を検出することで電磁波を検出することができる。
熱電材料層5は、ビスマス-テルル系熱電半導体材料、テルライド系熱電半導体材料およびシリコン-ゲルマニウム系熱電半導体材料の少なくともいずれかを含んでいる。これらを使用することで大きな温度差を得ることができる。
二次元材料層1は、単層グラフェン、多層グラフェン、乱層積層グラフェン、または複数の二次元材料層からなり、これらの群より2種類以上選択された多層構造であってもよい。多層の場合、吸収率が高くなる。乱層積層グラフェンの場合、移動度が高くなるため、感度が向上する。
実施の形態2.
次に、図6を用いて、実施の形態2に係る電磁波検出器100の構成を説明する。実施の形態2は、特に説明しない限り、上記の実施の形態1と同一の構成および作用効果を有している。したがって、上記の実施の形態1と同一の構成には同一の符号を付し、説明を繰り返さない。
図6に示されるように、本実施の形態に係る電磁波検出器100では、半導体層4は、二次元材料層1と熱吸収層HAとの間に配置されている。本実施の形態に係る電磁波検出器100は、半導体層4が二次元材料層1と接合するように配置されている点で実施の形態1に係る電磁波検出器100とは異なっている。
半導体層4は絶縁膜3の下に存在していなくても良いが、絶縁膜3の下に存在している場合、半導体層4が電磁波を吸収した際に発生した光キャリアは絶縁膜3を介して光ゲート効果を生じさせる。
半導体層4は、熱吸収層HAの吸収を妨げない波長に感度を有することが望ましい。また、熱吸収層HAの吸収を妨げない厚さであることが好ましい。
なお、本実施の形態に係る電磁波検出器100の構成は、他の実施の形態にも適用することができる。
<作用効果>
続いて、本実施の形態の作用効果を説明する。
本実施の形態に係る電磁波検出器100によれば、図6に示されるように、半導体層4は、熱吸収層HAと二次元材料層1との間に配置されている。このため、二次元材料層1と半導体層4によりショットキー接合が形成される。すなわち、二次元材料層1に流れる暗電流を抑制することができる。このため、電磁波検出器100の暗電流が低下することでノイズが抑制されるため、電磁波検出器100は高感度化される。また、半導体層4が絶縁膜3の下に配置されている場合、半導体層4が吸収した光により生じた光キャリアは二次元材料層1に絶縁膜3を介して光ゲート効果を生じさせる。そのため、電磁波検出器100の感度が向上する。
実施の形態3.
次に、図7を用いて、実施の形態3に係る電磁波検出器100の構成を説明する。実施の形態3は、特に説明しない限り、上記の実施の形態1と同一の構成および作用効果を有している。したがって、上記の実施の形態1と同一の構成には同一の符号を付し、説明を繰り返さない。
図7に示されるように、本実施の形態に係る電磁波検出器100では、二次元材料層1の下に空隙GPが設けられている。絶縁膜3と二次元材料層1との間に空隙GPが設けられている。二次元材料層1は、空隙GPに面した表面を有している。つまり、二次元材料層1は、実施の形態1に係る電磁波検出器100とは異なり、絶縁膜3から離れて配置された部分を有している。第1電極部2aおよび熱吸収層HAとの接合部以外の二次元材料層1は可能な限り空隙GPに面していることが好ましい。なお、二次元材料層1と絶縁層膜との間に空隙GPが設けられていれば、他の構成が採用されてもよい。また、図8に示されるように、二次元材料層1と絶縁膜3または熱吸収層HAとの間に空隙GPを形成するための支柱PRが挿入されていても良い。
空隙GPの厚さは、二次元材料層1または絶縁膜3表面のキャリア散乱の影響を抑制できれば特に規定されない。ただし、熱吸収層HAの抵抗変化による光ゲート効果の影響を最大限に受けるためには空隙GPの厚さは可能な限り薄い方が好ましい。空隙GPの厚さが薄いほど光ゲート効果の影響が大きくなり、二次元材料層1の抵抗変化が大きくなる。
なお、本実施の形態に係る電磁波検出器100の構成は、他の実施の形態にも適用することができる。
<作用効果>
続いて、本実施の形態の作用効果を説明する。
本実施の形態に係る電磁波検出器100によれば、図7に示されるように、二次元材料層1の下に空隙GPが設けられている。絶縁膜3と二次元材料層1との間に空隙GPが設けられている。このため、絶縁膜3と二次元材料層1との接触に伴うキャリアの散乱の影響を無くすことができる。この結果、二次元材料層1におけるキャリアの移動度の低下を抑制することができる。したがって、電磁波検出器100の感度を向上させることができる。
実施の形態4.
次に、図9および図10を用いて、実施の形態4に係る電磁波検出器100の構成を説明する。実施の形態5は、特に説明しない限り、上記の実施の形態1と同一の構成および作用効果を有している。したがって、上記の実施の形態1と同一の構成には同一の符号を付し、説明を繰り返さない。
図9に示されるように、本実施の形態に係る電磁波検出器100では、熱吸収層HAの下に空隙GPが設けられている。熱吸収層HAは、空隙GPに面した表面を有している。つまり、熱吸収層HAは、実施の形態1に係る電磁波検出器100とは異なり、半導体層4から離れて配置された部分を有している。半導体層4が用いられない場合は、絶縁層などを使って支柱が形成されてもよい。この絶縁層の材料は、例えば酸化ケイ素(SiO2)である。空隙GPは、熱電材料層5の下に設けられている。図9では、空隙GPは、熱電材料層5の下に設けられているが、相転移材料層6の下に設けられていても良い。第2電極部2b以外の熱吸収層HAの下には可能な限り空隙GPが存在していることが好ましい。なお、熱吸収層HAに空隙GPが設けられていれば、他の構成が採用されてもよい。また、熱吸収層HAの下に空隙GPを形成するための支柱が挿入されていても良い。
なお、図10のように別の基板10上に空隙GPを介して熱吸収層HAが形成されてもよい。このとき、熱吸収層HAから信号が読み出せれば第2電極部2bは図10の構成でなくともよい。
図11および図12では、熱吸収層HAが中空14上に形成されている。熱電材料層5は支柱として相転移材料層6などを支えている。熱電材料層5は、相転移材料層6および第2電極部2bに接続されている。熱電材料層5の下に中空14が設けられている。電磁波検出器100は中空構造を有している。相転移材料層6の下にも中空14が設けられている。熱電材料層5は、相転移材料層6と接触する領域を発熱部とし、第2電極部2b側を冷却部とする。熱電材料層5は可能な限り長い方が好ましい。
また、図12では、第2電極部2bが2つあるが、別々に電圧が印加されても良いし、同一電圧が印加されてもよい。図13のように第2電極部2bの両端が接続されて同電位とされてもよい。
なお、本実施の形態に係る電磁波検出器100の構成は、他の実施の形態にも適用することができる。
<作用効果>
続いて、本実施の形態の作用効果を説明する。
本実施の形態に係る電磁波検出器100によれば、図9および図10に示されるように、熱吸収層HAの下に空隙GPが設けられている。このため、熱吸収層HAの断熱性能が向上することにより、電磁波照射後の熱の散逸を抑制することができる。この結果、熱吸収層HAの温度変化に伴う抵抗変化を大きくすることができる。したがって、電磁波検出器100の感度を向上させることができる。
図11~図13では、熱電材料層5が平面視において蛇行するように構成されているため、薄膜状態(直線状態)と比較して、熱電材料層5の相転移材料層6に接続された部分と第2電極部2bに接続された部分との距離が長くなる。このため、熱電材料層5の相転移材料層6に接続された部分と第2電極部2bに接続された部分との温度差が生じやすくなる。この結果、熱吸収層HAの温度変化に伴う抵抗変化を大きくすることができる。したがって、電磁波検出器100の感度を向上させることができる。
実施の形態5.
次に、図14を用いて、実施の形態5に係る電磁波検出器100の構成を説明する。実施の形態5は、特に説明しない限り、上記の実施の形態1と同一の構成および作用効果を有している。したがって、上記の実施の形態1と同一の構成には同一の符号を付し、説明を繰り返さない。
図14に示されるように、本実施の形態に係る電磁波検出器100は、第1電極部2aを2つ含んでいる。本実施の形態に係る電磁波検出器100は、電磁波検出器100が一対の第1電極部2aをさらに含んでいる点で実施の形態1に係る電磁波検出器100とは異なっている。一対の第1電極部2aは二次元材料層1の両端部に配置されている。電磁波検出器100は、一対の第1電極部2aの端子間に電圧Vdを印加し、出力された検出信号Idを検出するように構成されている。すなわち、本実施の形態に係る電磁波検出器100は、トランジスタ型の構成となっている。
第1電極部2aは、第1部2a1および第2部2a2を含んでいる。第2部2a2は第1部2a1から離れて配置されている。第1部2a1は、二次元材料層1の一端に接続されている。第1部2a1は、ソース電極を構成している。第2部2a2は、二次元材料層1の他端に接続されている。第2部2a2は、ドレイン電極を構成している。
なお、本実施の形態に係る電磁波検出器100の構成は、他の実施の形態にも適用することができる。
<作用効果>
続いて、本実施の形態の作用効果を説明する。
本実施の形態に係る電磁波検出器100によれば、図14に示されるように、一対の第1電極部2a間に二次元材料層1が配置されている。このため、電磁波検出器100は、一対の第1電極部2a間から電気信号を取り出すことを特徴としている。よって、熱吸収層HAの抵抗変化により生じた光ゲート効果による二次元材料層1の抵抗変化を、電圧Vdを印加することで増幅することができる。増幅した電荷は第1電極部2aを介して効率的に取り出すことができる。よって、電磁波検出器100の感度が向上する。また、検出信号には、熱吸収層HAおよび半導体層4にて生じた抵抗変化も出力される。このため、電磁波検出器100の感度が向上する。
実施の形態6.
次に、図15を用いて、実施の形態6に係る電磁波検出器100の構成を説明する。実施の形態6は、特に説明しない限り、上記の実施の形態1と同一の構成および作用効果を有している。したがって、上記の実施の形態1と同一の構成には同一の符号を付し、説明を繰り返さない。
図15に示されるように、本実施の形態に係る電磁波検出器100は、トンネル絶縁層7をさらに含んでいる。本実施の形態に係る電磁波検出器100は、電磁波検出器100がトンネル絶縁層7をさらに含んでいる点で実施の形態1に係る電磁波検出器100とは異なっている。トンネル絶縁層7は、二次元材料層1と熱吸収層HAとの間に挟み込まれている。図16に示されるように、トンネル絶縁層7は、二次元材料層1と半導体層4との間に挟み込まれていてもよい。トンネル絶縁層7が二次元材料層1と半導体層4の間に挟み込まれた場合でも同様の効果が得られる。トンネル絶縁層7は、熱吸収層HAと二次元材料層1とを電気的に接続している。このため、本実施の形態において、二次元材料層1は、トンネル絶縁層7を介して熱吸収層HAに接続されている。トンネル絶縁層7は、開口部OPの内部に配置されている。
トンネル絶縁層7は、検出波長を有する電磁波が二次元材料層1および熱吸収層HAに入射した際に二次元材料層1と熱吸収層HAとの間にトンネル電流を形成することが可能な厚さを有している。トンネル絶縁層7は、例えば、1nm以上10nm以下の厚さを有する絶縁層である。トンネル絶縁層7は、例えば、アルミナ(酸化アルミニウム)または酸化ハフニウム(HfO2)などの金属酸化物、酸化ケイ素(SiO2)または窒化ケイ素(Si34)などの半導体を含む酸化物、窒化ホウ素(BN)等の窒化物の少なくともいずれか1つを含む。
トンネル絶縁層7の作製方法は、適宜に決められてもよいが、例えばALD(Atomic Layer Deposition)法、真空蒸着法、およびスパッタ法などから選択され得る。また、トンネル絶縁層7は、熱吸収層HAまたは半導体層4の表面を酸化または窒化またはフッ化させることにより形成されてもよい。また、トンネル絶縁層7は、半導体層4の表面に形成される自然酸化膜であってもよい。
なお、本実施の形態に係る電磁波検出器100の構成は、他の実施の形態にも適用することができる。
<作用効果>
続いて、本実施の形態の作用効果を説明する。
本実施の形態に係る電磁波検出器100によれば、図15に示されるように、トンネル絶縁層7は、二次元材料層1と熱吸収層HAとに挟み込まれている。トンネル絶縁層7は、検出波長を有する電磁波が二次元材料層1および熱吸収層HAに入射した際に二次元材料層1と熱吸収層HAとの間にトンネル電流を形成することが可能な厚さを有している。このため、電磁波の入射によってトンネル電流が生じる。よって、熱吸収層HAおよびトンネル絶縁層7を通って二次元材料層1に注入される光電流の注入効率が向上する。これにより、二次元材料層1に大きな光電流が注入される。したがって、電磁波検出器100の感度が向上する。また、トンネル絶縁層7によって、二次元材料層1と熱吸収層HAとの接合界面における漏れ電流を抑制することができる。これにより、暗電流を低減することができる。
実施の形態7.
次に、図17を用いて、実施の形態7に係る電磁波検出器100の構成を説明する。実施の形態7は、特に説明しない限り、上記の実施の形態1と同一の構成および作用効果を有している。したがって、上記の実施の形態1と同一の構成には同一の符号を付し、説明を繰り返さない。
図17に示されるように、本実施の形態に係る電磁波検出器100は、接続導電体2cをさらに含んでいる。本実施の形態に係る電磁波検出器100は、電磁波検出器100が接続導電体2cをさらに含んでいる点で実施の形態1に係る電磁波検出器100とは異なっている。二次元材料層1は、接続導電体2cを介して熱吸収層HAに電気的に接続されている。接続導電体2cは、開口部OPの内部に配置されている。図18に示されるように、二次元材料層1は、接続導電体2cを介して半導体層4に電気的に接続されていてもよい。二次元材料層1が接続導電体2cを介して半導体層4に電気的に接続されていている場合でも同様に効果が得られる。
接続導電体2cの上面には、二次元材料層1が重ねられている。接続導電体2cの下面は、熱吸収層HAに電気的に接続されている。二次元材料層1は、接続導電体2cの上面に電気的に接続されている。接続導電体2cの上面の位置は、絶縁膜3の上面の位置と同じであることが好ましい。二次元材料層1は、絶縁膜3の上面から接続導電体2cの上面上にまで、屈曲することなく平面状に延びていることが好ましい。
接続導電体2cと二次元材料層1とのコンタクト抵抗は、二次元材料層1と熱吸収層HAとのコンタクト抵抗よりも小さい。接続導電体2cと熱吸収層HAとのコンタクト抵抗は、二次元材料層1と熱吸収層HAとのコンタクト抵抗よりも小さい。接続導電体2cと二次元材料層1とのコンタクト抵抗および接続導電体2cと熱吸収層HAとのコンタクト抵抗の和は、二次元材料層1と熱吸収層HAとのコンタクト抵抗よりも小さい。
電磁波が接続導電体2cを通って熱吸収層HAに入射する場合には、接続導電体2cは、電磁波検出器100が検出する電磁波の波長(検出波長)において高い透過率を有していることが望ましい。
ここで、熱吸収層HAが半導体層4と入れ替わっている場合、つまり、二次元材料層1が接続導電体2cを介して半導体層4と接合している場合でも同様の効果が得られる。
なお、本実施の形態に係る電磁波検出器100の構成は、他の実施の形態にも適用することができる。
<作用効果>
続いて、本実施の形態の作用効果を説明する。
本実施の形態に係る電磁波検出器100によれば、図17に示されるように、二次元材料層1は、接続導電体2cを介して熱吸収層HAに電気的に接続されている。接続導電体2cと二次元材料層1とのコンタクト抵抗および接続導電体2cと熱吸収層HAとのコンタクト抵抗の和は、二次元材料層1と熱吸収層HAとのコンタクト抵抗よりも小さい。このため、二次元材料層1と熱吸収層HAとが直接接合される場合よりも、コンタクト抵抗を低減することができる。よって、電磁波の検出信号の減衰を抑制することができる。したがって、電磁波検出器100の感度が向上する。また、接続導電体2cと熱吸収層HA、あるいは接続導電体2cと二次元材料層1がショットキー接合によって接合されるため、暗電流を抑制することができる。
接続導電体2cの上面の位置は、絶縁膜3の上面の位置と同じであることが好ましい。この場合、二次元材料層1が折れ曲がることなく水平に形成されるため、二次元材料層1のキャリア移動度が向上する。このため、電磁波検出器100の検出感度を向上させることができる。
実施の形態8.
次に、図19を用いて、実施の形態8に係る電磁波検出器100の構成を説明する。実施の形態8は、特に説明しない限り、上記の実施の形態1と同一の構成および作用効果を有している。したがって、上記の実施の形態1と同一の構成には同一の符号を付し、説明を繰り返さない。
図19に示されるように、本実施の形態に係る電磁波検出器100では、半導体層4は、第1半導体部4aと、第2半導体部4bと含んでいる。本実施の形態に係る電磁波検出器100は、半導体層4が第1半導体部4aおよび第2半導体部4bを含んでいる点で実施の形態1に係る電磁波検出器100とは異なっている。なお、半導体層4は、図示されない第3半導体部をさらに含んでいてもよい。第1半導体部4aは、第2半導体部4bに接合されている。第1半導体部4aは、第2半導体部4bにpn接合によって接合されている。このため、半導体層4の内部には、pn接合が形成されている。
第1半導体部4aは、第2電極部2bに電気的に接続されている。第2半導体部4bは、熱吸収層HAに接触している。第1半導体部4aは、第2半導体部4bに対して二次元材料層1とは反対側に配置されている。なお、図19では、第2半導体部4bは、第1半導体部4aに積層されているが、第1半導体部4aと第2半導体部4bとの位置関係はこれに限られない。
第2半導体部4bは、第1半導体部4aとは異なる導電型を有している。第1半導体部4aは、第1導電型を有している。第2半導体部4bは、第2導電型を有している。第1導電型は、第2導電型とは逆の導電型である。例えば、第1半導体部4aの導電型がn型である場合、第2半導体部4bの導電型はp型である。これにより、半導体層4は、ダイオードとして構成されている。
第2半導体部4bは、第1半導体部4aとは異なる吸収波長を有していてもよい。半導体層4は、熱吸収層HAとは異なる波長に感度を有するダイオードとして構成されていてもよい。また、第1半導体部4aおよび第2半導体部4bは、熱吸収層HAとは異なる波長に感度を有するダイオードとして構成されていてもよい。第1半導体部4aおよび第2半導体部4bは実施の形態2のように熱吸収層HAと二次元材料層1の間に形成されていても良い。
なお、本実施の形態に係る電磁波検出器100の構成は、他の実施の形態にも適用することができる。
<作用効果>
続いて、本実施の形態の作用効果を説明する。
本実施の形態に係る電磁波検出器100によれば、図19に示されるように、第1半導体部4aは、第2半導体部4bに接合されている。このため、半導体層4の内部にはpn接合が形成されている。これにより、半導体層4がダイオードとして構成されている。よって、半導体層4に暗電流が流れることを抑制することができる。
第1半導体部4aおよび第2半導体部4bは、熱吸収層HAとは異なる波長に感度を有するダイオードとして構成されている場合、電磁波検出器100が検出可能な波長は、第1半導体部4a、第2半導体部4bおよび熱吸収層HAの各々がそれぞれ検出可能な波長である。よって、電磁波検出器100は広帯域の波長を検出することができる。
実施の形態9.
次に、図20~図23を用いて、実施の形態9に係る電磁波検出器100の構成を説明する。実施の形態9は、特に説明しない限り、上記の実施の形態1と同一の構成および作用効果を有している。したがって、上記の実施の形態1と同一の構成には同一の符号を付し、説明を繰り返さない。
図20および図21に示されるように、本実施の形態に係る電磁波検出器100は、熱吸収層HAの表面に複数の凹凸部UPが設けられている。図20および図21では熱電材料層5の表面に凹凸部UPが設けられているが、相転移材料層6の表面に凹凸部UPが設けられていても良い。本実施の形態に係る電磁波検出器100は、電磁波検出器100の熱吸収層HAにおいて凹凸部UPをさらに含んでいる点で実施の形態1に係る電磁波検出器100とは異なっている。
また図22では複数のフローティング電極2dが形成されている。図22では熱電材料層5にフローティング電極2dが形成されているが、相転移材料層6にフローティング電極2dが形成されていても良い。フローティング電極2dは、電源回路等に接続されていない。すなわち、フローティング電極2dは、フローティング電極として構成されている。フローティング電極2dの材料は、電気が通る材料であれば適宜に決められてもよい。フローティング電極2dの材料は、例えば、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)、パラジウム(Pd)等の金属材料である。フローティング電極2dの材料は、好ましくは、フローティング電極2dに表面プラズモン共鳴が生じる材料である。
凹凸部UPの形成方法は、適宜に決められてもよい。凹凸部UPは、例えば熱吸収層HAをドライエッチングまたはウェットエッチングにより加工して形成されてもよい。
フローティング電極2dの形成方法は、適宜に決められてもよい。フローティング電極2dの形成方法は、例えば、実施の形態1において説明された第1電極部2aの製造方法と同じであってもよい。
本実施の形態において、複数の凹凸部UPの各々および複数のフローティング電極2dの各々は、互いに間隔を空けて配置されている。
本実施の形態において、複数の凹凸部UPおよび複数のフローティング電極2dは、一次元または二次元の周期構造を有している。複数の凹凸部UPおよび複数のフローティング電極2dのうち隣り合う凹凸部UP同士および隣り合うフローティング電極2d同士は、好ましくは、複数の凹凸部UPおよび複数のフローティング電極2dの各々に表面プラズモン共鳴が生じる間隔を空けて配置されている。熱吸収層HAの表面に表面プラズモン共鳴の生じるパターンが設けられている。
複数の凹凸部UPおよび複数のフローティング電極2dは一次元の周期構造を有していてもよい。複数の凹凸部UPおよび複数のフローティング電極2dのうち隣り合う凹凸部UPおよびフローティング電極2d同士は、第1方向に沿って等間隔に配置されている。
複数の凹凸部UPおよび複数のフローティング電極2dは二次元の周期構造を有していてもよい。複数の凹凸部UPおよび複数のフローティング電極2dのうち隣り合う凹凸部UPおよびフローティング電極2d同士は、第1方向および第2方向に沿って等間隔に配置されている。第2方向は、第1方向に交差している。複数の凹凸部UPおよび複数のフローティング電極2dは、正方格子の格子点に対応する位置に配置されていてもよい。複数の凹凸部UPおよび複数のフローティング電極2dは、例えば、三角格子の格子点に対応する位置に配置されていてもよい。なお、図示されないが、複数の凹凸部UPおよび複数のフローティング電極2dの配置は、周期的な対称性を有する配列に限られない。また、複数の凹凸部UPおよび複数のフローティング電極2dの配置は、平面視において、非対称性を有する配列であってもよい。複数の凹凸部UPおよび複数のフローティング電極2dの平面形状は四角形状、円形状、三角形状等の多角形状であってもよいし、楕円形状等であってもよい。
なお、本実施の形態に係る電磁波検出器100の構成は、他の実施の形態にも適用することができる。
<作用効果>
続いて、本実施の形態の作用効果を説明する。
本実施の形態に係る電磁波検出器100によれば、図20および図21に示されるように熱吸収層HAの表面に複数の凹凸部UPが設けられている。また、図22示されるように、複数のフローティング電極2dは、熱吸収層HAに接触するように配置されている。熱吸収層HAの表面に表面プラズモン共鳴の生じるパターンが設けられている。複数の凹凸部UPおよび複数のフローティング電極2dは、互いに間隔を空けて配置されている。さらに、複数の凹凸部UPのうち隣り合う凹凸部UP同士および複数のフローティング電極2dのうち隣り合うフローティング電極2d同士は、第1方向に沿って等間隔に配置されている。また、凹凸部UPおよびフローティング電極2dの材料は、フローティング電極2dに表面プラズモン共鳴が生じる材料である。このため、電磁波検出器100は、凹凸部UPおよびフローティング電極2dに表面プラズモン共鳴が生じる偏光を有する波長の電磁波を増幅して検出することができる。すなわち、電磁波照射による吸収が増加し、表面の温度が上昇する。これにより熱吸収層HAで吸収される熱が増加し、電磁波検出器100の感度が向上する。また、熱電材料層5の発熱部にのみ複数の凹凸部UPおよび複数のフローティング電極2dを配置することで、熱電材料層5の温度差を増加させることができ、電磁波検出器100の感度が向上する。また、電磁波検出器100に照射される電磁波に応じて複数の凹凸部UPおよび複数のフローティング電極2dに偏光依存性が生じる。
複数の凹凸部UPのうち隣り合う凹凸部UP同士および複数のフローティング電極2dのうち隣り合うフローティング電極2d同士は、第1方向および第2方向に沿って等間隔に配置されている。また、凹凸部UPおよびフローティング電極2dの材料は、凹凸部UPおよびフローティング電極2dに表面プラズモン共鳴が生じる材料である。このため、電磁波検出器100は、凹凸部UPおよびフローティング電極2dに表面プラズモン共鳴が生じる波長を有する電磁波のみを高い感度で検出することができる。
図示されないが、複数の凹凸部UPおよび複数のフローティング電極2dの配置は、平面視において非対性を有する配列であってもよい。この場合、電磁波検出器100は、凹凸部UPおよびフローティング電極2dに表面プラズモン共鳴が生じる偏光を有する電磁波のみを検出することができる。
図示されないが、二次元材料層1は、複数の凹部または凸部を含んでいてもよい。複数の凹部または凸部は、表面プラズモン共鳴が生じる間隔を空けて配置されている。二次元材料層1は高い導電率を有しているため、二次元材料層1において表面プラズモン共鳴が生じる。このため、上述された複数の凹凸部UPおよび複数のフローティング電極2dによる表面プラズモン共鳴と同様に、複数の凹部または凸部によって二次元材料層1に表面プラズモン共鳴が生じる。これにより、電磁波検出器100は、二次元材料層1に表面プラズモン共鳴が生じる偏光または周波数を有する電磁波のみを検出することができる。
さらに、複数の凹凸部UPおよび複数のフローティング電極2dは、電磁波照射により発生した熱を放射冷却しても良い。このとき、複数の凹凸部UPおよび複数のフローティング電極2dは熱電材料層5の冷却側に設けられていることが好ましい。放射冷却を利用することで熱電材料層5の温度差を増加させることができるため、電磁波検出器100の感度が向上する。
また、図23のように熱吸収層HAに吸熱材料または冷却材料9が設けられていても良い。熱吸収層HAは吸熱材料または冷却材料9を含んでいる。吸熱材料または冷却材料9は、熱吸収層HAの表面に設けられている。材料を設けることで電磁波から吸収される熱量が増加する。熱電材料層5の発熱部に吸熱材料を設けることで、熱電材料層5の温度差が上昇する。また、熱電材料層5の冷却部に冷却材料を設けることで温度差が増加する。これらにより電磁波検出器100の感度を向上することができる。
実施の形態10.
次に、図24および図25を用いて、実施の形態10に係る電磁波検出器100の構成を説明する。実施の形態10は、特に説明しない限り、上記の実施の形態1と同一の構成および作用効果を有している。したがって、上記の実施の形態1と同一の構成には同一の符号を付し、説明を繰り返さない。
図24に示されるように、本実施の形態に係る電磁波検出器100では、熱電材料層5は、第1熱電材料層5aおよび第2熱電材料層5bを含んでいる。本実施の形態に係る電磁波検出器100は、熱電材料層5が第1熱電材料層5aおよび第2熱電材料層5bを含んでいる点で実施の形態1に係る電磁波検出器100とは異なっている。第1熱電材料層5aおよび第2熱電材料層5bの各々は、直列に配列されており、相転移材料層6に電気的に接続されている。第1熱電材料層5aは、第2熱電材料層5bに電気的に接続されている。
第2電極部2bは、第1電極2ba、第2電極2bbおよび第3電極2bcを含んでいる。第1電極2ba、第2熱電材料層5b、第2電極2bb、第1熱電材料層5a、第3電極2bc、相転移材料層6は、この順で直列接続されており、第2電極2bbが相転移材料層6側に配置されており、第1電極2baおよび第3電極2bcが相転移材料層6とは反対側に配置されている。第1熱電材料層5aと第2熱電材料層5bは異なる導電型であることが望ましい。第1熱電材料層5aは、第2熱電材料層5bに接合されていることが好ましい。つまり、第1熱電材料層5aと第2熱電材料層5bはpn接合を形成することが好ましい。これにより、第2電極2bb面と第1電極2ba、第3電極2bc面に温度差が発生し、より効率的に相転移材料層6に温度変化を与えることができる。なお、埋め込み絶縁膜EIが埋め込まれているが、各層から相転移材料層6へリーク電流が発生しないよう絶縁されていれば埋め込み絶縁膜EIを用いなくとも良い。例えば空隙が設けられていても良い。
次に、図25を用いて、実施の形態10に係る電磁波検出器100の第1の変形例の構成を説明する。
図25に示されるように、本実施の形態に係る電磁波検出器100では、第1熱電材料層5aおよび第2熱電材料層5bは2個以上複数設けられている。この際、第1熱電材料層5aおよび第2熱電材料層5bは交互に接続されていることが好ましい。具体的には、pnp接合あるいはnpn接合になっていることが好ましい。図25では、第1熱電材料層5aおよび第2熱電材料層5bは3個であるが、これ以上設けられていてもよく、数が増えるほど発熱部と冷却部の温度差がさらに増加する。この場合も、第1熱電材料層5aおよび第2熱電材料層5bが交互に接続されていることが好ましい。
次に、図26および図27を用いて、実施の形態10に係る電磁波検出器100の第2の変形例の構成を説明する。
図26および図27に示されるように、本実施の形態に係る電磁波検出器100では、複数の熱電材料層5が、直列に接続された状態で、中空構造の支柱として設けられている。具体的には、第1電極2ba、第2電極2bb、第3電極2bc、第4電極2bd、第5電極2beの順で第1熱電材料層5aと第2熱電材料層5bが交互に直列で接続されている。つまり、中空構造の中央部の素子領域を発熱部、中空構造の外周部を冷却部とすることで支柱として長距離で設けられた熱電材料層5により温度差が増加する。さらに、各熱電材料層5がpn接合を有しているため、温度差はさらに増加する。
なお、本実施の形態に係る電磁波検出器100の構成は、他の実施の形態にも適用することができる。
<作用効果>
続いて、本実施の形態の作用効果を説明する。
本実施の形態に係る電磁波検出器100によれば、図24~図27に示されるように、導電型の異なる熱電材料層5を複数交互に直列に接続されるように含んでいる。このため、熱電材料層5が1つの熱電材料層のみからなる場合よりも熱電材料層5により発生する温度差を増加することができる。したがって、電磁波検出器100の感度が向上する。
第1熱電材料層5aが吸収可能な電磁波の波長は、第2熱電材料層5bが吸収可能な電磁波の波長とは異なっている場合、電磁波検出器100は、第1熱電材料層5aおよび第2熱電材料層5bが吸収可能な電磁波の波長が同じである場合よりも、広帯域の波長を検出することができる。
本実施の形態の第2の変形例に係る電磁波検出器100によれば、図26および図27に示されるように、熱電材料層5は、中空14上に設けられている。これにより実施の形態4の効果に加えて、各支柱がpn接合で形成されていることで、素子側(中空14の中央部)と外周部の温度差が増加し、電磁波検出器100の感度がさらに向上する。さらに、相転移材料層6も中空14上に設けられていることから、断熱性能が向上し、電磁波検出器100の感度がさらに向上する。
実施の形態11.
次に、図28を用いて、実施の形態11に係る電磁波検出器アレイ200の構成を説明する。
図28に示されるように、本実施の形態に係る電磁波検出器アレイ200は、実施の形態1~10に係る電磁波検出器100を複数備えている。
図28に図示された電磁波検出器アレイ200では、4つの電磁波検出器100が2×2のアレイ状に配置されているが、配置される電磁波検出器100の数はこれに限定されない。例えば、9つの電磁波検出器100が3×3のアレイ状に配置されてもよい。また、図28に示される電磁波検出器アレイ200は、複数の電磁波検出器100が二次元に周期的に配列されているが、複数の電磁波検出器100は1つの方向に沿って周期的に配列されていてもよい。また、複数の電磁波検出器100のうち隣り合う電磁波検出器100同士の間隔は等間隔であってもよいし、異なる間隔であってもよい。
複数の電磁波検出器100の各々の熱吸収層が互いに分離されていれば、複数の電磁波検出器100において1つの第2電極部2b(図1参照)が共通電極として用いられてもよい。これにより、複数の第2電極部2bが独立している場合よりも電磁波検出器アレイ200の配線を少なくすることができるため、電磁波検出器アレイ200の解像度を高めることができる。
図29は、電磁波検出器アレイ200のうちの1つの電磁波検出器100と読み出し回路13との接続構造を説明するための断面図である。図29に示されるように、電磁波検出器100は、二次元材料層1を覆うように配置された絶縁層11と、絶縁層11上に引き出された第1電極部2aとをさらに備えていてもよい。二次元材料層1は、第1電極部2aと電気的に接続されている。第1電極部2aの表面は、バンプ12を介して読み出し回路13と電気的に接続されている。言い換えると、電磁波検出器100と読み出し回路13とは、いわゆるハイブリッド接合されている。図29に示される接続構造は、半導体層4(図5参照)を構成する材料がSi以外の材料である場合、半導体層4を用いない場合に、好適である。
この場合、バンプ12を構成する材料は、導電性材料であればよい。導電性材料の一例としてインジウムが挙げられるが、これに制限されない。第1電極部2aを構成する材料は、アルミニウムシリコン、ニッケル、金などの導電性材料である。読み出し回路13はCTIA (Capacitive Transimpedance Amplifier)型などが用いられるが、この方式には限定されず、量子型赤外線検出器およびボロメータなどの熱型赤外線センサで用いられる他の読み出し方式でもよい。
また、図示されないが電磁波検出器アレイ200に含まれる複数の電磁波検出器100は、互いに異なる種類の電磁波検出器であってもよい。複数の電磁波検出器100の各々は、互いに異なる検出波長をそれぞれ有していてもよい。具体的には、複数の電磁波検出器100の各々は、互いに異なる検出波長選択性を有していてもよい。
複数の電磁波検出器100の各々の熱吸収層HAまたは半導体層4を構成する材料がそれぞれ互いに異なる検出波長を有している場合、例えば、検出波長が可視光の波長である半導体材料と、検出波長が赤外線の波長である半導体材料または熱吸収層HAとが用いられてもよい。例えば、当該電磁波検出器アレイ200が車載センサに適用された場合、電磁波検出器アレイ200は、昼間は可視光画像用カメラとして使用され得る。さらに、電磁波検出器アレイ200は、夜間は赤外線カメラとしても使用され得る。このようにすれば、電磁波の検出波長に応じて複数のカメラを使い分ける必要がない。
続いて、本実施の形態の作用効果を説明する。
本実施の形態に係る電磁波検出器アレイ200によれば、図28に示されるように、電磁波検出器アレイ200は、実施の形態1~10に係る電磁波検出器100を複数備えている。このため、複数の電磁波検出器100の各々を検出素子とすることによって、電磁波検出器アレイ200に画像センサとしての機能を持たせることができる。
本実施の形態に係る電磁波検出器アレイ200の変形例によれば、複数の電磁波検出器の各々は、互いに異なる検出波長をそれぞれ有している。このため、電磁波検出器アレイ200は、少なくとも2つ以上の異なる波長の電磁波を検出することができる。
これにより、電磁波検出器アレイ200は、可視光域で用いられるイメージセンサと同様に、例えば、紫外光、赤外光、テラヘルツ波、電波の波長域などの任意の波長域において、電磁波の波長を識別できる。この結果、例えば波長の相違を色の相違として示した、カラー化された画像を得ることができる。
また、電磁波検出器アレイ200は、画像センサ以外のセンサとして用いられてもよい。電磁波検出器アレイ200は、例えば、少ない画素数であっても物体の位置を検出できる位置検出用センサとして用いられ得る。また、例えば、電磁波検出器アレイ200は、複数の波長において電磁波の強度を検出できる画像センサとして用いられ得る。これにより、従来、CMOS(Complementary MOS:相補型MOS)センサ等で必要とされていたカラーフィルタを用いることなく、複数の電磁波を検出し、カラー化された画像を得ることができる。
複数の電磁波検出器100の各々は、互いに異なる偏光を有する電磁波を検出するように構成されている。これにより、電磁波検出器アレイ200に偏光識別イメージセンサとしての機能を持たせることができる。例えば、検知する偏光角度が0°、90°、45°、135°である4つの画素を一単位として、当該一単位の電磁波検出器100を複数配置することで偏光イメージングが可能になる。偏光識別イメージセンサによって、例えば、人工物と自然物の識別、材料の識別、赤外波長域においてそれぞれ同一温度を有する複数の物体の識別、複数の物体間の境界の識別、または、等価的な分解能の向上などが可能になる。
以上のように、電磁波検出器アレイ200は、広い波長域の電磁波を検出することができる。また、電磁波検出器アレイ200は、異なる波長の電磁波を検出することができる。
電磁波検出器100は、読み出し回路13を含んでいる。このため、読み出し回路13を用いて検出信号を読み出すことができる。
実施の形態12.
次に、図30を用いて、実施の形態12に係る電磁波検出器100の構成を説明する。実施の形態12は、特に説明しない限り、上記の実施の形態2と同一の構成および作用効果を有している。したがって、上記の実施の形態2と同一の構成には同一の符号を付し、説明を繰り返さない。
図30に示されるように、本実施の形態に係る電磁波検出器100では、半導体層4と熱吸収層HAとの間に共通電極2eが配置されている。本実施の形態に係る電磁波検出器100は、半導体層4と熱吸収層HAとの間に共通電極2eが配置されている点で実施の形態2に係る電磁波検出器100とは異なっている。
第1電極部2a-共通電極2e間および第2電極部2b-共通電極2e間にはそれぞれ別の電圧が印加されている。
共通電極2eは熱伝導率が良く、吸収波長の電磁波を透過する材料であることが好ましい。
なお、本実施の形態に係る電磁波検出器100の構成は、他の実施の形態にも適用することができる。
<作用効果>
続いて、本実施の形態の作用効果を説明する。
本実施の形態に係る電磁波検出器100によれば、図30に示されるように、共通電極2eは、熱吸収層HAと半導体層4との間に配置されている。
第1電極部2a-共通電極2e間および第2電極部2b-共通電極2e間にはそれぞれ別の電圧が印加されている。このため、第1電極部2a-共通電極2e間はグラフェン-半導体のショットキーダイオード、第2電極部2b-共通電極2e間は熱吸収層HAに電圧が印加されることになる。
熱吸収層HAに電圧を印加することで、熱電材料層5において発生する温度差を増加させることができる。これにより、相転移材料層6における電磁波照射による抵抗変化を適切に制御することが可能となる。よって、検出波長の温度に応じて電磁波検出器100の感度を増加させることができる。
熱電材料層5とグラフェン-半導体のショットキーダイオードが共通電極2eを介して接続されていることで、グラフェン-半導体のショットキーダイオードに温度変化を生じさせることができる。グラフェン-半導体のショットキーダイオードは一般的なダイオードと同様に温度により電気特性が変化する。グラフェン-半導体のショットキーダイオードには熱吸収層HAとは別の電圧が印加されており、この電圧を制御することで温度変化による電流変化を制御することが可能となる。よって、熱吸収層HAによる温度変化をグラフェン-半導体のショットキーダイオードに与えることで、光電流を取り出すことができる。
例えば、電磁波検出器100の上部から検出波長の電磁波を照射させた場合、相転移材料層6において電磁波が吸収され、熱電材料層5にて温度変化が生じる。この温度変化をグラフェン-半導体のショットキーダイオードに与えることで、ダイオード特性に変化が生じ、第1電極部2a-共通電極2e間の抵抗が変化することから電磁波を検出することができる。
また、電磁波検出器100の下部から電磁波を照射させた場合も同様の効果を得ることができる。このとき第2電極部2bは検出波長の電磁波を透過させる材料であることが好ましい。
実施の形態13.
次に、図31を用いて、実施の形態13に係る電磁波検出器100の構成を説明する。実施の形態13は、特に説明しない限り、上記の実施の形態1と同一の構成および作用効果を有している。したがって、上記の実施の形態1と同一の構成には同一の符号を付し、説明を繰り返さない。
図31に示されるように、本実施の形態に係る電磁波検出器100では、半導体層4は、第1半導体部4aと、第2半導体部4bと含んでいる。第1半導体部4aと、第2半導体部4bは検出波長に感度を有するフォトダイオードである。本実施の形態に係る電磁波検出器100は、半導体層4が第1半導体部4aおよび第2半導体部4bを含んでおり、検出波長に感度を有するフォトダイオードである点で実施の形態1に係る電磁波検出器100とは異なっている。なお、半導体層4は、図示されない第3半導体部をさらに含んでいてもよい。第1半導体部4aは、第2半導体部4bに接合されている。第1半導体部4aは、第2半導体部4bにpn接合によって接合されている。このため、半導体層4の内部には、pn接合が形成されている。
第1半導体部4aは、熱吸収層HAに電気的に接続されている。第2半導体部4bは、二次元材料層1と電気的に接続されている。第1半導体部4aは、第2半導体部4bに対して二次元材料層1とは反対側に配置されている。なお、図30では、第2半導体部4bは、第1半導体部4aに積層されているが、第1半導体部4aと第2半導体部4bとの位置関係はこれに限られない。
第2半導体部4bは、第1半導体部4aとは異なる導電型を有している。第1半導体部4aは、第1導電型を有している。第2半導体部4bは、第2導電型を有している。第1導電型は、第2導電型とは逆の導電型である。例えば、第1半導体部4aの導電型がn型である場合、第2半導体部4bの導電型はp型である。これにより、半導体層4は、ダイオードとして構成されている。
半導体層4は、検出波長に感度を有するフォトダイオードとして構成されている。また、第1半導体部4aおよび第2半導体部4bは、熱吸収層HAとは同一波長に感度を有するフォトダイオードとして構成されていてもよい。
なお、本実施の形態に係る電磁波検出器100の構成は、他の実施の形態にも適用することができる。
<作用効果>
続いて、本実施の形態の作用効果を説明する。
本実施の形態に係る電磁波検出器100によれば、図31に示されるように、第1半導体部4aは、第2半導体部4bに接合されている。このため、半導体層4の内部にはpn接合が形成されている。これにより、半導体層4がダイオードとして構成されている。よって、半導体層4に暗電流が流れることを抑制することができる。
第1半導体部4aおよび第2半導体部4bは、検出波長に感度を有するフォトダイオードとして構成されており、電磁波が照射されるとフォトダイオードから光電流が発生する。光電流が熱吸収層HAに流れることで熱電材料層5に温度変化が生じ、相転移材料層6に抵抗変化が生じる。これにより電磁波検出器100の感度を増強することが可能となる。本実施の形態では必ずしも熱吸収層HAで検出波長の電磁波を吸収する必要はないが、検出波長の電磁波を吸収する場合は、電磁波の熱的な応答と光子的な応答の両方を同時に検出することが可能となる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は上記した説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
以下、本開示の諸形態を付記としてまとめて記載する。
(付記1)
熱電材料層と相転移材料層とを含む熱吸収層と、
前記熱吸収層上の一部に配置された絶縁膜と、
前記熱吸収層および前記絶縁膜上に配置され、前記熱吸収層と電気的に接続された二次元材料層と、
前記絶縁膜上に配置され、前記二次元材料層を介して前記熱吸収層と電気的に接続された第1電極部とを備えた、電磁波検出器。
(付記2)
前記熱電材料層は、ペルチェ効果により発熱する発熱部が前記相転移材料層に熱的に接触するように配置されている、付記1に記載の電磁波検出器。
(付記3)
前記相転移材料層は、電磁波が照射されることにより前記相転移材料層の抵抗値が低下するように構成されており、
前記熱電材料層は、前記相転移材料層から前記熱電材料層に電荷が注入されることにより前記熱電材料層に電流が流れるように構成されている、付記2に記載の電磁波検出器。
(付記4)
半導体層をさらに備え、
前記熱吸収層は、前記半導体層上に配置されている、付記3に記載の電磁波検出器。
(付記5)
半導体層をさらに備え、
前記半導体層は、前記二次元材料層と前記熱吸収層との間に配置されている、付記3に記載の電磁波検出器。
(付記6)
第2電極部をさらに備え、
前記第2電極部は、前記熱吸収層または前記半導体層と電気的に接続されている、付記4または5に記載の電磁波検出器。
(付記7)
前記二次元材料層の下に空隙が設けられている、付記1~6のいずれか1項に記載の電磁波検出器。
(付記8)
前記熱吸収層の下に空隙が設けられている、付記1~6のいずれか1項に記載の電磁波検出器。
(付記9)
前記第1電極部は、第1部と、前記第1部から離れて配置された第2部とを含み、
前記第1部は、前記二次元材料層の一端に接続されており、かつソース電極を構成しており、
前記第2部は、前記二次元材料層の他端に接続されており、かつドレイン電極を構成している、付記1~6のいずれか1項に記載の電磁波検出器。
(付記10)
トンネル絶縁層をさらに備え、
前記トンネル絶縁層は、前記二次元材料層と前記熱吸収層との間に挟み込まれている、付記1~6のいずれか1項に記載の電磁波検出器。
(付記11)
トンネル絶縁層をさらに備え、
前記トンネル絶縁層は、前記二次元材料層と前記半導体層との間に挟み込まれている、付記1~6のいずれか1項に記載の電磁波検出器。
(付記12)
接続導電体をさらに備え、
前記二次元材料層は、前記接続導電体を介して前記熱吸収層に電気的に接続されている、付記1~6のいずれか1項に記載の電磁波検出器。
(付記13)
接続導電体をさらに備え、
前記二次元材料層は、前記接続導電体を介して前記半導体層に電気的に接続されている、付記1~6のいずれか1項に記載の電磁波検出器。
(付記14)
前記半導体層は、第1半導体部と、前記第1半導体部とは異なる導電型を有する第2半導体部とを含み、
前記第1半導体部は、前記第2半導体部に接合されている、付記4~6のいずれか1項に記載の電磁波検出器。
(付記15)
前記熱吸収層の表面に複数の凹凸部が設けられている、付記1~6のいずれか1項に記載の電磁波検出器。
(付記16)
前記熱吸収層の表面に表面プラズモン共鳴の生じるパターンが設けられている、付記1~15のいずれか1項に記載の電磁波検出器。
(付記17)
前記熱吸収層は、吸熱材料または冷却材料を含み、
前記吸熱材料または前記冷却材料は、前記熱吸収層の表面に設けられている、付記1~6のいずれか1項に記載の電磁波検出器。
(付記18)
前記熱電材料層は、第1熱電材料層と、前記第1熱電材料層とは異なる導電型を有する第2熱電材料層とを含み、
前記第1熱電材料層は、前記第2熱電材料層に電気的に接続されている、付記1~6のいずれか1項に記載の電磁波検出器。
(付記19)
前記第1熱電材料層および前記第2熱電材料層は、2個以上複数設けられている、付記18に記載の電磁波検出器。
(付記20)
前記熱電材料層は、ビスマス-テルル系熱電半導体材料、テルライド系熱電半導体材料およびシリコン-ゲルマニウム系熱電半導体材料の少なくともいずれかを含む、付記1~19のいずれか1項に記載の電磁波検出器。
(付記21)
前記二次元材料層は、単層グラフェン、多層グラフェン、乱層積層グラフェン、または複数の二次元材料層からなり、これらの群より2種類以上選択された多層構造である、付記1~20のいずれか1項に記載の電磁波検出器。
(付記22)
付記1~21のいずれか1項に記載の前記電磁波検出器を複数備えた、電磁波検出器アレイ。
(付記23)
前記電磁波検出器は、読み出し回路を含む、付記22に記載の電磁波検出器アレイ。
1 二次元材料層、2a 第1電極部、2b 第2電極部、2c 接続導電体、2d フローティング電極、2e 共通電極、3 絶縁膜、4 半導体層、4a 第1半導体部、4b 第2半導体部、5 熱電材料層、5a 第1熱電材料層、5b 第2熱電材料層、6 相転移材料層、7 トンネル絶縁層、9 吸熱材料または冷却材料、10 基板、11 絶縁層、12 バンプ、13 読み出し回路、14 中空、100 電磁波検出器、200 電磁波検出器アレイ、GP 空隙、HA 熱吸収層、OP 開口部、UP 凹凸部。

Claims (25)

  1. 熱電材料層と相転移材料層とを含む熱吸収層と、
    前記熱吸収層上の一部に配置された絶縁膜と、
    前記熱吸収層および前記絶縁膜上に配置され、前記熱吸収層と電気的に接続された二次元材料層と、
    前記絶縁膜上に配置され、前記二次元材料層を介して前記熱吸収層と電気的に接続された第1電極部とを備え
    前記熱電材料層は、電磁波が照射されることで熱電変換が生じるように構成されており、
    前記相転移材料層は、電磁波が照射されることで相転移を生じ抵抗が変化するように構成されており、
    前記熱電材料層は、前記相転移材料層に電気的に接続されている、電磁波検出器。
  2. 前記熱電材料層は、ペルチェ効果により発熱する発熱部が前記相転移材料層に熱的に接触するように配置されている、請求項1に記載の電磁波検出器。
  3. 前記相転移材料層は、電磁波が照射されることにより前記相転移材料層の抵抗値が低下するように構成されており、
    前記熱電材料層は、前記相転移材料層から前記熱電材料層に電荷が注入されることにより前記熱電材料層に電流が流れるように構成されている、請求項2に記載の電磁波検出器。
  4. 半導体層をさらに備え、
    前記熱吸収層は、前記半導体層上に配置されている、請求項3に記載の電磁波検出器。
  5. 半導体層をさらに備え、
    前記半導体層は、前記二次元材料層と前記熱吸収層との間に配置されている、請求項3に記載の電磁波検出器。
  6. 第2電極部をさらに備え、
    前記第2電極部は、前記熱吸収層または前記半導体層と電気的に接続されている、請求項4に記載の電磁波検出器。
  7. 前記二次元材料層の下に空隙が設けられている、請求項1に記載の電磁波検出器。
  8. 前記熱吸収層の下に空隙が設けられている、請求項1に記載の電磁波検出器。
  9. 前記第1電極部は、第1部と、前記第1部から離れて配置された第2部とを含み、
    前記第1部は、前記二次元材料層の一端に接続されており、かつソース電極を構成しており、
    前記第2部は、前記二次元材料層の他端に接続されており、かつドレイン電極を構成している、請求項1に記載の電磁波検出器。
  10. トンネル絶縁層をさらに備え、
    前記トンネル絶縁層は、前記二次元材料層と前記熱吸収層との間に挟み込まれている、請求項1に記載の電磁波検出器。
  11. トンネル絶縁層をさらに備え、
    前記トンネル絶縁層は、前記二次元材料層と前記半導体層との間に挟み込まれている、請求項5に記載の電磁波検出器。
  12. 接続導電体をさらに備え、
    前記二次元材料層は、前記接続導電体を介して前記熱吸収層に電気的に接続されている、請求項1に記載の電磁波検出器。
  13. 接続導電体をさらに備え、
    前記二次元材料層は、前記接続導電体を介して前記半導体層に電気的に接続されている、請求項5に記載の電磁波検出器。
  14. 前記半導体層は、第1半導体部と、前記第1半導体部とは異なる導電型を有する第2半導体部とを含み、
    前記第1半導体部は、前記第2半導体部に接合されている、請求項4に記載の電磁波検出器。
  15. 前記熱吸収層の表面に複数の凹凸部が設けられている、請求項1に記載の電磁波検出器。
  16. 前記熱吸収層の表面に表面プラズモン共鳴の生じるパターンが設けられている、請求項15に記載の電磁波検出器。
  17. 前記熱吸収層は、吸熱材料または冷却材料を含み、
    前記吸熱材料または前記冷却材料は、前記熱吸収層の表面に設けられている、請求項1に記載の電磁波検出器。
  18. 前記熱電材料層は、第1熱電材料層と、前記第1熱電材料層とは異なる導電型を有する第2熱電材料層とを含み、
    前記第1熱電材料層は、前記第2熱電材料層に電気的に接続されている、請求項1に記載の電磁波検出器。
  19. 前記第1熱電材料層および前記第2熱電材料層は、2個以上複数設けられている、請求項18に記載の電磁波検出器。
  20. 前記熱電材料層は、ビスマス-テルル系熱電半導体材料、テルライド系熱電半導体材料およびシリコン-ゲルマニウム系熱電半導体材料の少なくともいずれかを含む、請求項1に記載の電磁波検出器。
  21. 前記二次元材料層は、単層グラフェン、多層グラフェン、乱層積層グラフェン、または複数の二次元材料層からなり、これらの群より2種類以上選択された多層構造である、請求項1に記載の電磁波検出器。
  22. 共通電極をさらに備え、
    前記共通電極は、前記熱吸収層と前記半導体層との間に配置されている、請求項5に記載の電磁波検出器。
  23. 前記半導体層は、第1半導体部と、前記第1半導体部とは異なる導電型を有する第2半導体部とを含み、検出波長に感度を有するフォトダイオードであり、
    前記第1半導体部は、前記第2半導体部に接合されている、請求項5に記載の電磁波検出器。
  24. 請求項1~23のいずれか1項に記載の前記電磁波検出器を複数備えた、電磁波検出器アレイ。
  25. 前記電磁波検出器は、読み出し回路を含む、請求項24に記載の電磁波検出器アレイ。
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