JP6766274B2 - Ror−ガンマ−tを阻害するのに有用な化合物 - Google Patents

Ror−ガンマ−tを阻害するのに有用な化合物 Download PDF

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Description

本発明は、レチノイン酸受容体関連オーファン受容体ガンマ−t(RORγt)を阻害するのに有用な化合物、薬学的組成物、およびRORγ活性に関連する疾患を治療する方法に関する。
レチノイン酸受容体関連オーファン受容体(ROR)は、多くの疾患において重要な病理学的調節因子として同定されている核内受容体(NR)スーパーファミリーのメンバーである。RORサブファミリーは、RORα、RORβ、およびRORγからなる。マウスおよびヒトのRORγ遺伝子は、γ1およびγ2という2つのアイソフォームを生成し、後者は最も一般的にはγtと呼ばれる。多くの場合にIL−23/IL−23受容体シグナル伝達に応答して生じるRORγtシグナル伝達は、未感作CD4+T細胞が、古典的なTh1およびTh2細胞とは異なるTh17と命名されているT細胞のサブセットに分化するのに必要であり、それらの維持を支援するものである。Th17細胞は、インターロイキン−17A(IL−17)およびIL−17Fを産生する。加えて、Th17細胞は、腫瘍壊死因子−アルファ(TNF−α)、インターロイキン−6(IL−6)、GM−CSF、CXCL1、およびCCL20を含む、炎症応答を駆動することが知られている様々な他の因子を産生する。リンパ組織誘導因子(LTi)様細胞などのNK細胞および自然リンパ系細胞は、IL−23受容体およびRORγtを発現し、刺激およびIL−23に応答してIL−17を産生する。IL−23応答性細胞、RORγt細胞、およびIL−17発現細胞が、自己免疫疾患(AI)、炎症性疾患、および癌と関連しているという強固な証拠がある。このため、RORγtの標的阻害は、これらの疾患の病因を減少させるために重要であり得る。
AI疾患は、現在のところ治療法が存在しない慢性状態である。AI疾患の治療には、典型的には、抗炎症薬、抗疼痛薬、または免疫抑制薬を投与することによって疾患の過程を制御し症状を軽減する試みが伴う。残念なことに、抗炎症薬および抗疼痛薬の使用は効果がないときがあり、免疫抑制剤の使用は深刻な長期の副作用をもたらすことが多い。免疫抑制薬の最も重大な副作用は、感染の危険性の増加および癌のリスクの上昇である。
RORγtに対する天然および合成のリガンドが同定されている。RORγtに対する小分子阻害剤は、AIに関する文献に報告されている。WO2015/017335およびWO2014/179564を参照されたい。しかしながら、現在の治療の無効性または深刻な副作用と相まったAI疾患の罹患率により、患者が利用可能な治療選択肢がより多くあることが必要となる。RORγtの標的化は、宿主防御の抑制のリスクを最小にしながら病原性免疫細胞を標的とすることによって治療上の利益を最大にすることで、現在のAI療法を超える利点を提示し得る。
本発明は、RORγt阻害剤である新規の化合物を提供する。そのような新しい化合物は、ブドウ膜炎、多発性硬化症、リウマチ性関節炎、移植片対宿主病、クローン病、他の炎症性腸疾患、癌、乾癬、ならびに体軸性脊椎関節炎、強直性脊椎炎、または乾癬性関節炎などの血清反応陰性脊椎関節症の強力かつ有効な治療の必要性に対処し得る。
本発明は、以下の式の化合物であって、

式中、
Xが、独立して、−N−または−CH−であり、
およびRが、ともにCHであるか、
あるいは、RおよびRが、一緒になって結合して、3員炭素環式環を形成することができ、
が、−CNまたは−CFである、
化合物またはその薬学的に許容される塩を提供する。
本発明はまた、本発明の化合物またはその薬学的に許容される塩を、それを必要とする患者に投与することを含む、患者の乾癬の治療のための方法を提供する。さらに、本発明は、本発明の化合物またはその薬学的に許容される塩を、それを必要とする患者に投与することを含む、患者の血清反応陰性脊椎関節症の治療のための方法を提供する。該実施形態では、血清反応陰性脊椎関節症は、体軸性脊椎関節炎、強直性脊椎炎、または乾癬性関節炎である。
本発明は、1つ以上の薬学的に許容される担体、希釈剤、または賦形剤と組み合わせた、本発明の化合物またはその薬学的に許容される塩を含む薬学的組成物を提供する。さらなる実施形態では、本組成物は、1つ以上の他の治療剤をさらに含む。さらなる実施形態では、本発明は、1つ以上の薬学的に許容される担体、希釈剤、または賦形剤と組み合わせた、本発明の化合物またはその薬学的に許容される塩を含む乾癬の治療のための薬学的組成物を提供する。なおさらなる実施形態では、本発明は、1つ以上の薬学的に許容される担体、希釈剤、または賦形剤と組み合わせた、本発明の化合物またはその薬学的に許容される塩を含む、血清反応陰性脊椎関節症の治療のための薬学的組成物を提供する。該実施形態では、血清反応陰性脊椎関節症は、体軸性脊椎関節炎、強直性脊椎炎、または乾癬性関節炎である。
さらに、本発明は、療法、特に乾癬の治療に使用するための本発明の化合物またはその薬学的に許容される塩を提供する。またさらに、本発明は、乾癬の治療に使用するための本発明の化合物またはその薬学的に許容される塩を提供する。さらなる実施形態では、本発明は、乾癬治療用の薬剤を製造するための、本発明の化合物またはその薬学的に許容される塩の使用を提供する。
さらに、本発明は、療法、特に血清反応陰性脊椎関節症の治療に使用するための本発明の化合物またはその薬学的に許容される塩を提供する。またさらに、本発明は、血清反応陰性脊椎関節症の治療に使用するための本発明の化合物またはその薬学的に許容される塩を提供する。さらなる実施形態では、本発明は、血清反応陰性脊椎関節症治療用の薬剤を製造するための、本発明の化合物またはその薬学的に許容される塩の使用を提供する。該実施形態では、血清反応陰性脊椎関節症は、体軸性脊椎関節炎、強直性脊椎炎、または乾癬性関節炎である。
本発明はまた、本発明の化合物の合成に有用な中間体およびプロセスを含む。
本明細書で使用される場合、「治療すること」(または「治療する」もしくは「治療」)という用語は、既存の症状、状態、または障害の進行または重症度を抑制すること、遅延させること、停止させること、または回復させることを指す。
「脊椎関節症」という用語は、一般に脊柱と、靭帯および腱が骨に付着する領域とが関与するある数の慢性関節疾患を指す。脊椎関節症は、脊椎関節症(spondyloarthropathy)または脊椎関節炎(spondyloarthritis)とも呼ばれることがある。
「血清反応陰性」という用語は、リウマチ因子について陰性である疾患を指す。
本発明の化合物は、反応して薬学的に許容される塩を形成してもよい。薬学的に許容される塩およびそれらを調製するための一般的な方法論は、当該技術分野において周知である。例えば、P.Stahl,et al.Handbook of Pharmaceutical Salts:Properties,Selection and Use,2nd Revised Edition(Wiley−VCH,2011)、S.M.Berge,et al.,“Pharmaceutical Salts,”Journal of Pharmaceutical Sciences,Vol.66,No.1,January 1977を参照されたい。
当業者であれば、(I)に示される本発明の化合物またはその薬学的に許容される塩が、下記の*によって表される少なくとも1つのキラル中心を含むコアで構成されることを理解することになる。
本発明は、全ての個々のエナンチオマーおよびジアステレオマー、ならびに全ての個々のエナンチオマー、およびラセミ体を含む該化合物のエナンチオマーの混合物を企図するが、以下の(II)によって表される本発明の化合物

またはその薬学的に許容される塩が好ましい。
また、当業者であれば、全てのキラル中心に対するCahn−Ingold−Prelog(R)または(S)の指定が特定の化合物の置換パターンに応じて変わることを理解するであろう。単一のエナンチオマーまたはジアステレオマーは、キラル試薬から始めるか、または立体選択的もしくは立体特異的合成技法によって調製してもよい。あるいは、単一のエナンチオマーまたはジアステレオマーは、本発明の化合物の合成における任意の都合のよい時点で、標準的なキラルクロマトグラフィーまたは結晶化技法によって混合物から単離してもよい。本発明の化合物の単一のエナンチオマーが本発明の好ましい態様である。
本発明の化合物は、好ましくは、様々な経路で投与される薬学的組成物として製剤化される。そのような薬学的組成物およびそれらを調製するためのプロセスは、当該技術分野において周知である。例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy(A.Gennaro,et al.,eds.,22nd ed.,Pharmaceutical Press,2012)を参照されたい。より特に好ましいのは、以下の式の化合物であって、

式中、
Xが、独立して、−N−または−CH−であり、
およびRが、ともにCHであるか、
あるいは、RおよびRが、一緒になって結合して、3員炭素環式環を形成することができ、
が、−CNまたは−CFである、
化合物、またはその薬学的に許容される塩、および
1つ以上の薬学的に許容される担体または希釈剤を含む、薬学的組成物である。
本発明の化合物の好ましい実施形態は、以下の式の化合物であって、

Xが、独立して、−N−または−CH−であり、
およびRが、ともにCHであるか、
あるいは、RおよびRが、一緒になって結合して、3員炭素環式環を形成することができ、
が、−CNまたは−CFである、
化合物、またはその薬学的に許容される塩に関する。
本発明の化合物の別の好ましい実施形態は、以下の式の化合物であって、

Xが、独立して、−N−または−CH−であり、
およびRが、ともにCHであるか、
あるいは、RおよびRが、一緒になって結合して、3員炭素環式環を形成することができ、
が、−CNまたは−CFである、
化合物、またはその薬学的に許容される塩に関する。
本発明の化合物の好ましい実施形態は、以下の式の化合物であって、

およびRが、ともにCHであるか、
あるいは、RおよびRが、一緒になって結合して、3員炭素環式環を形成することができる、
化合物またはその薬学的に許容される塩に関する。
本発明の化合物の別の好ましい実施形態は、以下の式の化合物

またはその薬学的に許容される塩に関する。
本発明の化合物の別の好ましい実施形態は、以下の式の化合物

またはその薬学的に許容される塩に関する。
本発明の化合物の別の好ましい実施形態は、以下の式の化合物

またはその薬学的に許容される塩に関する。
本発明の特に好ましい実施形態は、化合物N−{[5−(エチルスルホニル)ピリジン−2−イル]メチル}−5’,5’−ジメチル−1−{(1R)−1−[2−(トリフルオロメチル)ピリミジン−5−イル]エチル}−4’,5’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−チエノ[2,3−c]ピラン]−2’−カルボキサミド

またはその薬学的に許容される塩に関する。
本発明の別の特に好ましい実施形態は、化合物N−{[5−(エチルスルホニル)ピリジン−2−イル]メチル}−1”−{(1R)−1−[2−(トリフルオロメチル)ピリミジン−5−イル]エチル}−4’H−ジスピロ[シクロプロパン−1,5’−チエノ[2,3−c]ピラン−7’,4 ”−ピペリジン]−2’−カルボキサミド

またはその薬学的に許容される塩に関する。
本発明の化合物は、概して、幅広い投薬量範囲にわたって有効である。例えば、1日当たりの投薬量は約1mg〜1gの範囲内である。ある場合には、前述の範囲の下限よりも低い投薬量レベルが十二分分である場合があり、他の場合には、優れたリスク対効果プロファイルを維持しながら、さらに多い用量を用いてもよく、したがって、上記の投薬量範囲は、決して本発明の範囲を限定することを意図するものではない。実際に投与される化合物の量は、治療される状態、選択された投与経路、投与される実際の化合物(単数または複数)、個々の患者の年齢、体重、および応答、ならびに患者の症状の重症度を含む関連する状況を考慮して、医師によって決定されることが理解される。
本発明の化合物またはその塩は、当業者に既知の様々な手順によって調製されてもよく、そのうちのいくつかが、以下のスキーム、調製物、および実施例で説明されている。本発明の化合物または塩を調製するために、記載される経路の各々についての特定の合成ステップを、異なる様式で組み合わせるか、または異なるスキームのステップと併せてもよい。以下のスキームにおける各ステップの生成物は、抽出、蒸発、沈殿、クロマトグラフィー、濾過、磨砕、および結晶化を含む、当該技術分野で周知の従来の方法によって回収することできる。以下のスキームにおいて、全ての置換基は、別途指示のない限り、すでに定義されたとおりである。試薬および出発材料は、当業者であれば容易に入手可能なものである。
加えて、以下のスキームに記載のある特定の中間体は、1つ以上の窒素または酸素保護基を含んでもよい。可変保護基は、実施される特定の反応条件および特定の変換に応じて、出現ごとに同じでも異なっていてもよい。保護および脱保護条件は、当業者に周知であり、文献に記載されている(例えば、“Greene’s Protective Groups in Organic Synthesis”,Fourth Edition,by Peter G.M.Wuts and Theodora W.Greene,John Wiley and Sons,Inc.2007を参照されたい)。
明確にするために、以下のスキームにおいて、特定の立体化学中心は特定しないままであり、ある特定の置換基は排除してあるが、決して本スキームの範囲を限定することを意図するものではない。単一のエナンチオマーまたはジアステレオマーは、キラル試薬から始めるか、または立体選択的もしくは立体特異的合成技法によって調製してもよい。あるいは、単一のエナンチオマーまたはラセミ体は、選択的結晶化技法またはキラルクロマトグラフィーなどの方法によって、本発明の化合物の合成における任意の都合のよい時点で、標準的なキラルクロマトグラフィーまたは結晶化技法によって、混合物から単離してもよい(例えば、J.Jacques,et al.,”Enantiomers,Racemates,and Resolutions”,John Wiley and Sons,Inc.,1981,and E.L.Eliel and S.H.Wilen,”Stereochemistry of Organic Compounds”,Wiley−Interscience,1994を参照されたい)。
本発明のいくつかの中間体または化合物は、1つ以上のキラル中心を有してもよい。本発明は、全ての個々のエナンチオマーまたはジアステレオマー、ならびにラセミ体を含む該化合物のエナンチオマーおよびジアステレオマーの混合物を企図する。少なくとも1つのキラル中心を含む本発明の化合物は単一のエナンチオマーまたはジアステレオマーとして存在することが好ましい。単一のエナンチオマーまたはジアステレオマーは、キラル試薬から始めるか、または立体選択的もしくは立体特異的合成技法によって調製してもよい。あるいは、単一のエナンチオマーまたはジアステレオマーは、標準的なキラルクロマトグラフィーまたは結晶化技法によって混合物から単離してもよい。当業者であれば、状況によっては、クロマトグラフィーカラムおよび移動相が異なるためにエナンチオマーまたはジアステレオマーの溶出順序が異なり得ることを理解するであろう。「異性体1」および「異性体2」という名称は、それぞれキラルクロマトグラフィーから1番目および2番目に溶出する化合物を指し、キラルクロマトグラフィーが合成の早い段階で開始される場合、同じ名称が後続の中間体および実施例に適用される。
ある特定の略語は以下のように定義される。「ACN」はアセトニトリルを指す。「AUC」は曲線下面積を指す。「BPR」は背圧調整器を指す。「BSA」はウシ血清アルブミンを指す。「DBA」は、薄茶色の非アグーチを指す。「DCC」は1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミドを指す。「DCM」はジクロロメタンを指す。「de」はジアステレオマー過剰を指す。「DFT」は密度汎関数理論を指す。「DIC」はジイソプロピルカルボジイミドを指す。「DIPEA」は、ジイソプロピルエチルアミン、N−エチル−N−イソプロピル−プロパン−2−アミン、またはN,N−ジイソプロピルエチルアミンを指す。「DMAP」は4−ジメチルアミノピリジンを指す。「DMEM」はダルベッコ改質イーグル培地を指す。「DMF」はジメチルホルムアミドを指す。「DMSO」はジメチルスルホキシドを指す。「DNA」はデオキシリボ核酸を指す。「DPBS」はダルベッコリン酸緩衝食塩水を指す。「EDCI」は1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩を指す。「EC50」は最大応答の半分における有効濃度を指す。「ee」はエナンチオマー過剰を指す。「ELISA」は酵素結合免疫アッセイを指す。「EtOAc」は酢酸エチルを指す。「EtOH」はエタノールまたはエチルアルコールを指す。「EtO」はエチルエーテルを指す。「Ex」は実施例を指す。「FBS」はウシ胎仔血清を指す。「G」は重力を指す。「GAL」はベータ−ガラクトシダーゼDNA結合ドメインを指す。「GPI」はグルコース−6−リン酸イソメラーゼを指す。「HBTU」は(2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート)を指す。「HEC」はヒドロキシエチルセルロースを指す。「HEK」はヒト胎児腎臓を指す。「HEPES」は4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジンエタンスルホン酸を指す。「HOAt」は、1−ヒドロキシ−7−アゾベンゾトリアゾールを指す。「HOBt」は1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物を指す。「IC50」は、その薬剤について可能な最大阻害応答の50%を生じる薬剤の濃度を指す。「IL」はインターロイキンを指す。「イオン交換クロマトグラフィー」は、MeOH中2MのNHで溶出するISOLUTE(登録商標)Flash SCX−2イオン交換クロマトグラフィーを用いる精製を指す。「IPA」はイソプロピルアルコールまたはイソプロパノールを指す。「IPAm」はイソプロピルアミンを指す。「Kd」は解離定数を指す。「Ki」は阻害定数を指す。「分」は分(単数または複数)を指す。「MEM」は最小必須培地を指す。「MeOH」はメタノールまたはメチルアルコールを指す。「MS」は質量分析を指す。「MTBE」はメチルt−ブチルエーテルを指す。「NBS」はN−ブロモスクシンイミドを指す。「PBMC」は末梢血単核細胞を指す。「PBS」はリン酸緩衝食塩水を指し、「PEM」は光弾性変調器を指す。「Prep」は調製物を指す。「RAR」はレチノイン酸受容体を指す。「RPMI」はRoswell Park Memorial Instituteを指す。「RT」は室温を指す。「R」は保持時間を指す。「SCX」は強陽イオン交換を指す。「SFC」は超臨界液体クロマトグラフィーを指す。「T3P(登録商標)」は1−プロパンホスホン酸無水物溶液、2,4,6−トリプロピル−1,3,5,2,4,6−トリオキサトリホスホリナン−2,4,6−三酸化物溶液またはPPACAを指す。「TEA」はトリエチルアミンを指す。「THF」はテトラヒドロフランを指す。「VCD」は振動円二色性を指し、「XRD」はX線粉末回折を指す。
以下のスキームにおいて、全ての置換基は、別途指示のない限り、すでに定義されたとおりである。試薬および出発材料は、当業者であれば容易に入手可能なものである。他のものは、任意の新規な方法を含む以下の調製物および実施例に記載される方法および既知の構造的に同様の化合物の合成に類似する有機および複素環化学の標準的な技法によって製造することができる。
スキーム1において、PGは適切なアミン保護基である。アミン保護基は、当該技術分野で周知かつ理解されており、カルバメートおよびアミドを含んでもよい。当業者であれば、該保護基を付加および除去するための代替の試薬および手順を認識するであろう。当業者であれば、置換ヒドロキシエチルチオフェンを調製するための様々な方法があることを認識するであろう。例えば、化合物(1)は、sec−ブチルリチウムまたはn−ブチルリチウムなどの強塩基の存在下、−78〜−60℃などの温度で、置換エポキシドを用い、続いて三フッ化ホウ素ジエチルエーテラートのようなルイス酸による開環によって、置換2−(3−チエニル)アセテートから調製してもよい。ステップ1において、置換ヒドロキシエチルチオフェン(1)および保護されたまたは保護されていない4−ケトピペリジン(2)をトリフルオロ酢酸などの酸の存在下で混合して、スピロチエニルピラノピペリジン(3)を得てもよい。保護基PGがステップ1の間に除去される場合、化合物(3)中のアミンは、tert−ブチルオキシカルボニルのような標準的なアミン保護基を使用して保護され得る。ステップ2において、化合物(3)はハロゲン化されていてもよい。例えば、化合物(3)をNBSおよびジメチルアミノピリジンなどの触媒で臭素化して、化合物(4)を得てもよい。
ステップ3において、化合物(4)を、一酸化炭素およびアミン(5)と、4,5−ビス−(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチルキサンテンなどの有機金属リガンド、および酢酸パラジウム(II)などの触媒、およびDIPEAなどの塩基の存在下で反応させて、化合物(6)を得てもよい。当業者であれば、代替のリガンドおよび触媒があることを理解するであろう。あるいは、ステップ3において、化合物(4)の臭化物を、カルボン酸に変換し、標準的なカップリング条件下でアミン(5)とカップリングしてもよい。カルボン酸とアミン(5)とのカップリングは、T3P(登録商標)などの好適なカップリング剤およびDIPEAなどの好適なアミン塩基の存在下で作用し得る。代替のカップリング剤としては、HOBt、HBTU、およびHOAt、ならびにカルボジイミド、例えば、DCC、DIC、EDCIが挙げられる。代替の塩基としては、トリメチルアミンおよびTEAが挙げられる。当業者であれば、カルボン酸とアミンとの反応から生じるアミド形成のための他の方法および試薬が多数あることを認識するであろう。反応を促進するためにDMAPなどの添加剤を使用してもよい。あるいは、TEAまたはピリジンなどの塩基の存在下でカルボン酸化合物の置換アシルクロリドを使用して、化合物(5)をアシル化することができる。
ステップ4において、化合物(6)を、当該技術分野で既知の適切な条件に従って脱保護してもよい。例えば、tert−ブチルオキシカルボニル保護基をHClによって除去してもよい。遊離アミンを、DIPEAなどの有機塩基または炭酸カリウムなどの無機塩基の存在下で、適切に置換されたメチルピリミジン(7)(ここで、Brなどのハロゲンまたはスルホネートは脱離基である)でアルキル化して、式(I)の化合物を得てもよい。
塩酸塩などの本発明の化合物の薬学的に許容される塩は、例えば、本発明の化合物、塩酸などの適切な薬学的に許容される酸を、ジエチルエーテルなどの好適な溶媒中で当該技術分野で周知の標準的な条件下で反応させることによって、形成させることができる。加えて、そのような塩の形成は、窒素保護基の脱保護と同時に起こり得る。そのような塩の形成は、当該技術分野で周知であり、また理解されている。例えば、Gould,P.L.,“Salt selection for basic drugs,”International Journal of Pharmaceutics,33:201−217(1986)、Bastin,R.J.,et al.“Salt Selection and Optimization Procedures for Pharmaceutical New Chemical Entities,”Organic Process Research and Development,4:427−435(2000)、およびBerge,S.M.,et al.,“Pharmaceutical Salts,”Journal of Pharmaceutical Sciences,66:1−19,(1977)を参照されたい。
本発明の化合物またはその塩は、当業者に既知の様々な手順によって調製されてもよく、そのうちのいくつかが、以下のスキーム、調製物、および実施例で説明されている。本発明の化合物またはその塩を調製するために、記載される経路の各々についての特定の合成ステップを異なる様式で組み合わせてもよい。各ステップの生成物は、抽出、蒸発、沈殿、クロマトグラフィー、濾過、磨砕、および結晶化を含む、当該技術分野で周知の従来の方法によって回収することできる。試薬および出発材料は、当業者であれば容易に入手可能なものである。
以下の調製物および実施例は、本発明をさらに説明するものであり、本発明の化合物の典型的な合成を表す。
調製物および実施例
調製物1
1−(チオフェン−3−イルメチル)シクロプロパノール

THF(100mL)中の2−(3−チエニル)酢酸エチル(10g、58.74mmol)の溶液に、チタン(IV)イソプロポキシド(25mL、84.4mmol)、続いて氷浴で0℃に冷却したEtO(3.0mol/L、55mL、170mmol)中の臭化エチルマグネシウムを滴下添加する。反応混合物を0℃で5時間撹拌した後、反応混合物を氷でクエンチする。反応混合物を、珪藻土を通して濾過し、DCMで洗浄する。水層をDCM(2×)で抽出し、有機抽出物を合わせ、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮乾固する。EtOAc/イソヘキサン(0:100から30:70)の勾配で溶出するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、標題生成物(7.34g、77%)を得る。質量スペクトル(m/z):155(M+H)。
調製物2
2−メチル−1−(チオフェン−3−イル)プロパン−2−オール

THF(0.6mol/L、60mL、38.412mmol)中の三塩化ランタン塩化リチウム錯体を、THF(60mL)中の2−(3−チエニル)酢酸メチル(6g、38.41mmol)の溶液に添加する。混合物を40分間撹拌した後、EtO中の臭化メチルマグネシウム(3.0mol/L、38mL、115.24mmol)を滴下添加し、1時間加熱還流する。0℃に冷却し、氷冷水とブラインとの1/1混合物(100mL)を添加してクエンチする。混合物をDCM(3×100mL)で抽出し、有機抽出物を合わせ、相分離器カートリッジを通して濾過し、濃縮乾固して、標題化合物(5.07g、84%)を黄色液体として得る。質量スペクトル(m/z):139(M−OH)。
調製物3
5,5−ジメチルスピロ[4H−チエノ[2,3−c]ピラン−7,4’−ピペリジン]

トルエン(20mL)中の4−オキソピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(2.23g、11.2mmol)および2−メチル−1−(チオフェン−3−イル)プロパン−2−オール(1.75g、11.2mmol)の溶液に、0℃の三フッ化ホウ素ジエチルエーテラート(1.51mL、5.60mmol)を添加する。0℃で1時間、次いで周囲温度で18時間撹拌する。反応物を50℃で1時間加熱した後、周囲温度に冷却し、濃縮乾固する。残渣を最少量のMeOHに溶解する。粗製物質をSCXカラムにロードし、MeOHで洗浄し、2Nアンモニア/MeOHで生成物を溶出した後、濃縮乾固する。粗物質を逆相クロマトグラフィーで精製して、標題化合物(0.54g、16%)を得る。質量スペクトル(m/z):238(M+H)。
調製物4
5,5−シクロプロピルスピロ[4H−チエノ[2,3−c]ピラン−7,4’−ピペリジン

トルエン(52mL)中の4−オキソピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(2.23g、11.2mmol)および1−(チオフェン−3−イルメチル)シクロプロパノール(5.2g、34mmol)の溶液に、0℃の三フッ化ホウ素ジエチルエーテラート(4.6mL、17mmol)を添加する。0℃で1時間、周囲温度で1時間、次いで50℃で1時間撹拌する。50℃でHCl(ジオキサン中4M、2.1mL、8.4mmol)を添加し、50℃で1時間撹拌した後、周囲温度に冷却し、濃縮乾固する。残渣を最少量のMeOHに溶解する。粗製物質をSCXカラムにロードし、MeOHで洗浄し、2Nアンモニア/MeOHで生成物を溶出した後、濃縮乾固して、標題化合物(6.10g、70%)を得る。質量スペクトル(m/z):236(M+H)。
調製物5
[5,1’−シクロプロパン][スピロ[4,5−ジヒドロチエノ[2,3−c]ピラン−7,4’−ピペリジン]−1−カルボン酸tert−ブチル

[5,1’−シクロプロパン][スピロ[4,5−ジヒドロチエノ[2,3−c]ピラン−7,4’−ピペリジン(5.81g、22.23mmol)をDCM(45mL)中に溶解し、0℃に冷却した後、トリメチルアミン(15.5mL、111.2mmol)、続いて二炭酸ジ−tert−ブチル(7.35g、33.35mmol)を添加する。反応物を周囲温度に温め、18時間撹拌する。水でクエンチし、層を分離し、DCMで洗浄する。有機層を合わせ、ブラインで洗浄し、相分離器に通し、濃縮乾固する。ヘキサン中0〜15%のEtOAcを用いるシリカゲルクロマトグラフィーで精製して、標題化合物(4.00g、51%)を淡黄色油状物質として得る。質量スペクトル(m/z):358(M+Na)。
調製物6
5,5−ジメチルスピロ[4H−チエノ[2,3−c]ピラン−7,4’−ピペリジン]−1’−カルボン酸tert−ブチル

5,5−ジメチルスピロ[4H−チエノ[2,3−c]ピラン−7,4’−ピペリジン](0.54g、1.79mmol)をDCM(10mL)中に溶解し、0℃に冷却した後、トリメチルアミン(0.50mL、3.58mmol)、続いて二炭酸ジ−tert−ブチル(0.48g、2.15mmol)を添加する。反応物を周囲温度に温め、18時間撹拌する。水でクエンチし、層を分離し、DCMで洗浄する。有機層を合わせ、1NのHCl、続いてブラインで洗浄する。物質を相分離器に通し、濃縮乾固して、標題化合物(0.34g、53%)を淡黄色油として得る。質量スペクトル(m/z):238(M−BOC+H)
調製物7
2−ブロモ−5,5−シクロプロピル−スピロ[4H−チエノ[2,3−c]ピラン−7,4’−ピペリジン]−1’−カルボン酸tert−ブチル

ACN(24mL)中の[5,1’−シクロプロパン][スピロ[4,5−ジヒドロチエノ[2,3−c]ピラン−7,4’−ピペリジン]−1−カルボン酸tert−ブチル(1.2g、3.4mmol)の溶液を0℃に冷却し、DMAP(0.042g、0.34mmol)およびNBS(1.0g、5.8mmol)を添加し、1時間撹拌する。周囲温度に温め、30分間撹拌した後、MTBE/イソヘキサン(1:2、45mL)の混合物を反応混合物に加え、30分間撹拌する。固体を濾別する。濾液を濃縮乾固して、標題化合物(1.55g、77%)を黄色油として得る。質量スペクトル(m/z):(79Br/81Br)436/438(M+Na)。
調製物8
2−ブロモ−5,5−ジメチル−スピロ[4H−チエノ[2,3−c]ピラン−7,4’−ピペリジン]−1’−カルボン酸tert−ブチル

ACN(3.4mL)中の5,5−ジメチルスピロ[4H−チエノ[2,3−c]ピラン−7,4’−ピペリジン]−1’−カルボン酸tert−ブチル(0.34g、0.95mmol)の溶液を0℃に冷却し、DMAP(0.012g、0.095mmol)およびNBS(0.19g、1.05mmol)を添加し、1時間撹拌する。周囲温度に温め、濃縮乾固する。残渣をDCMに溶解し、飽和NaSO水溶液で洗浄し、有機層を相分離器で濾過し、濾液を濃縮乾固して、標題化合物(0.41g、78%)を褐色油として得る。質量スペクトル(m/z):(79Br/81Br)316/318(M−BOC)。
調製物9
5−(エチルスルファニル)ピリジン−2−カルボニトリル

5−ブロモピリジン−2−カルボニトリル(49.42g、270.1mmol)および炭酸カリウム(113.5g、821.2mmol)を1−メチル−2−ピロリジノン(280mL)に溶解し、エタンチオール(26.4mL、356mmol)を、温度が50℃未満に留まるように30分かけて少しずつ加える。反応物を室温に冷却し、一晩撹拌する。EtOAc(1200mL)および水(2200mL)で希釈する。有機層を収集し、ブライン(3×300mL)で洗浄し、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、標題化合物(44.87g、100%)を灰白色固体として得る。H NMR(400.13MHz,d−DMSO)δ 8.63(s,1H),7.93(s,2H),3.17(q,J=7.3,2H),1.29(t,J=7.3,3H)。
調製物10
5−(エチルスルホニル)ピリジン−2−カルボニトリル

5−(エチルスルファニル)ピリジン−2−カルボニトリル(44.36g、270.1mmol)を無水DCM(540mL)に溶解し、−20℃に冷却する。内部温度を0℃〜−10℃に維持しながら、3−クロロペルオキシ安息香酸(130g、565.0mmol)を10〜12グラムずつ1時間かけて添加する。反応混合物を冷浴中で撹拌し、一晩で室温に温める。1NのNaOH(1L)、水、1NのNaOH(2×500mL)、およびブラインで洗浄する。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、標題化合物(49.52g、93%)を白色固体として得る。H NMR(400.13MHz,d−DMSO)δ 9.20(d,J=1.9,1H),8.56(dd,J=2.0,8.1,1H),8.36(d,J=8.1,1H),3.52(q,J=7.3,2H),1.16(t,J=7.5,3H)。
調製物11
1−[5−(エチルスルホニル)ピリジン−2−イル]メタンアミン塩酸塩

5−(エチルスルホニル)ピリジン−2−カルボニトリル(49.52g、252.4mmol)を16.5gずつ3つに分割する。2250mLのParrボトル中、N下で、10%Pd/C(1.65g、15.5mmol)容器に加え、MeOH(750mL)で湿潤する。MeOH(750mL)に溶解した5−(エチルスルホニル)ピリジン−2−カルボニトリル(16.5g、84.09mmol)を添加する。HCl(6N水溶液、17.1ml、102.6mmol)を添加する。ボトルを密閉し、Nでパージし、Hでパージし、3時間室温で68.9kPaまで水素下で加圧する。Nでパージした後、混合物を濾過する。5−(エチルスルホニル)ピリジン−2−カルボニトリルの残りの部分について繰り返す。全ての濾液を合わせ、減圧下で濃縮して、標題化合物(59.61g、99%)をベージュ色固体として得る。質量スペクトル(m/z):201(M+H−HCl)。
調製物12
1−[2−(トリフルオロメチル)ピリミジン−5−イル]エタノール

2−(トリフルオロメチル)ピリミジン−5−カルバルデヒド(11.31mmol、1.992g)をTHF(56.56mL)に溶解し、0℃に冷却し、臭化メチルマグネシウム(EtO中3M)(33.94mmol、11.31mL)をゆっくり添加する。反応物を室温に温め、2.5時間撹拌する。反応を1NのHClでクエンチする。EtOAcを添加し、1NのHClで洗浄する。有機物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、標題化合物(1.66g、76.5%)を得る。質量スペクトル(m/z):193.0(M+H)。
調製物13
5−(1−ブロモエチル)−2−(トリフルオロメチル)ピリミジン

1−[2−(トリフルオロメチル)ピリミジン−5−イル]エタノール(1.663g、8.655mmol)およびトリフェニルホスフィン(3.405g、12.98mmol)をDCM(86.55mL)に溶解し、室温でNBS(12.98mmol、2.311g)を添加する。3時間後、反応物を減圧下で濃縮する。得られた残渣を10%EtOAc/ヘキサンで溶出するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、標題化合物(1.641g、74.34%)を得る。H NMR(400.13MHz,d−DMSO)δ 9.26(s,2H),5.63(q,J=7.0Hz,1H),2.09(d,J=7.0Hz,3H)。
調製物14
2’−({[5−(エチルスルホニル)ピリジン−2−イル]メチル}カルバモイル)−5’,5’−ジメチル−4’,5’−ジヒドロ−1H−スピロ[ピペリジン−4,7’−チエノ[2,3−c]ピラン]−1−カルボン酸tert−ブチル

2−ブロモ−5,5−ジメチル−スピロ[4H−チエノ[2,3−c]ピラン−7,4’−ピペリジン]−1’−カルボン酸tert−ブチル(0.41g、0.74mmol)、(5−エチルスルホニル−2−ピリジル)メタンアミン;トルエン(4.9mL)中の塩酸塩(0.26g、1.11mmol)およびDIPEA(0.39mL、2.21mmol)、続いて酢酸パラジウム(II)(8.3mg、0.036mmol)および4,5−ビス−(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチルキサンテン(0.043g、0.074mmol)を添加する。反応物を脱気し、CO(60psi)を補充した後、90℃に一晩加熱する。周囲温度に冷却する。珪藻土のパッドを通して濾過し、DCM(2×20mL)で洗浄し、溶媒を濃縮して、褐色泡状物質を得る。DCM/MeOH(100:0から95:5)で溶出するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、標題生成物(0.29g、52%)を得る。質量スペクトル(m/z):586(M+Na)。
調製物15
2’−({[5−(エチルスルホニル)ピリジン−2−イル]メチル}カルバモイル)−1”H,4’H−ジスピロ[シクロプロパン−1,5’−チエノ[2,3−c]ピラン−7’,4”−ピペリジン]−1”−カルボン酸tert−ブチル

2−ブロモ−5,5−シクロプロピル−スピロ[4H−チエノ[2,3−c]ピラン−7,4’−ピペリジン]−1’−カルボン酸tert−ブチル(2.38g、4.19mmol)、(5−エチルスルホニル−2−ピリジル)メタンアミン;トルエン(29mL)中の塩酸塩(1.49g、6.29mmol)およびDIPEA(2.21mL、12.6mmol)、続いて酢酸パラジウム(II)(48mg、0.21mmol)および4,5−ビス−(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチルキサンテン(0.25g、0.42mmol)を添加する。反応物を脱気し、CO(60psi)を補充した後、90℃に一晩加熱する。周囲温度に冷却する。セライトパッドを通して濾過し、DCM(2×20mL)で洗浄し、溶媒を濃縮して、褐色泡状物を得る。DCM/MeOH(100:0から95:5)で溶出するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、標題生成物(1.29g、49%)を黄褐色固体として得る。質量スペクトル(m/z):584(M+Na)。
本質的に調製物15の方法により以下の化合物を調製する。
調製物17
N−{[5−(エチルスルホニル)ピリジン−2−イル]メチル}−5’,5’−ジメチル−4’,5’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−チエノ[2,3−c]ピラン]−2’−カルボキサミド

1,4−ジオキサン(4mol/L、0.74mL、2.95mmol)中のHClを、MeOH(10mL)中の2’−({[5−(エチルスルホニル)ピリジン−2−イル]メチル}カルバモイル)−5’,5’−ジメチル−4’,5’−ジヒドロ−1H−スピロ[ピペリジン−4,7’−チエノ[2,3−c]ピラン]−1−カルボン酸tert−ブチル(0.291g、0.38mmol)溶液に添加し、1時間50℃で加熱する。濃縮乾固し、SCXイオン交換カラムにロードし、MeOHで洗浄し、2Nアンモニア/MeOHで溶出して、標題生成物(0.188g、38%)を得る。質量スペクトル(m/z):464(M+H)。
調製物18
N−{[5−(エチルスルホニル)ピリジン−2−イル]メチル}−4’H−ジスピロ[シクロプロパン−1,5’−チエノ[2,3−c]ピラン−7’,4”−ピペリジン]−2’−カルボキサミド塩酸塩

1,4−ジオキサン(4mol/L、0.86mL、3.43mmol)中のHClを、MeOH(5mL)中の2’−({[5−(エチルスルホニル)ピリジン−2−イル]メチル}カルバモイル)−1”H,4’H−ジスピロ[シクロプロパン−1,5’−チエノ[2,3−c]ピラン−7’,4”−ピペリジン]−1”−カルボン酸tert−ブチル(0.43g、0.68mmol)溶液に添加し、30分間50℃で加熱する。濃縮乾固して、標題生成物(0.34g、100%)を得る。質量スペクトル(m/z):462(M+H−HCl)
本質的に調製物18の方法により以下の化合物を調製する。
実施例1
N−{[5−(エチルスルホニル)ピリジン−2−イル]メチル}−5’,5’−ジメチル−1−{1−[2−(トリフルオロメチル)ピリミジン−5−イル]エチル}−4’,5’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−チエノ[2,3−c]ピラン]−2’−カルボキサミド

マイクロ波容器中、N−{[5−(エチルスルホニル)ピリジン−2−イル]メチル}−5’,5’−ジメチル−4’,5’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−チエノ[2,3−c]ピラン]−2’−カルボキサミド(0.19g、0.28mmol)をアセトニトリル(10mL)に溶解し、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.64mL、3.69
mmol)、続いて5−(1−ブロモエチル)−2−(トリフルオロメチル)ピリミジン(0.24g、0.96mmol)を添加する。容器を密封し、60℃で1時間加熱した後、周囲温度に冷却し、濃縮乾固する。残渣をDCMに溶解し、水で洗浄し、相分離器を通して濾過し、有機層を濃縮乾固する。DCM/MeOH(100:0から95:5)で溶出するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより残渣を精製する。逆相クロマトグラフィーで精製して、標題生成物(0.14g、49%)を得る。質量スペクトル(m/z):638(M+H)。
実施例2
N−{[5−(エチルスルホニル)ピリジン−2−イル]メチル}−1”−{1−[2−(トリフルオロメチル)ピリミジン−5−イル]エチル}−4’H−ジスピロ[シクロプロパン−1,5’−チエノ[2,3−c]ピラン−7’,4”−ピペリジン]−2’−カルボキサミド

マイクロ波容器中、N−{[5−(エチルスルホニル)ピリジン−2−イル]メチル}−4’H−ジスピロ[シクロプロパン−1,5’−チエノ[2,3−c]ピラン−7’,4”−ピペリジン]−2’−カルボキサミド塩酸塩(0.34g、0.69mmol)をアセトニトリル(5mL)に溶解し、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.72mL、4.12mmol)、続いて5−(1−ブロモエチル)−2−(トリフルオロメチル)ピリミジン(0.22g、0.86mmol)を添加する。容器を密封し、60℃で1時間加熱した後、周囲温度に冷却し、濃縮乾固する。残渣をMeOHに溶解し、SCXカラムにロードし、MeOHで洗浄した後、MeOH中2Nのアンモニアで溶出する。アンモニア層を濃縮乾固し、DCM/MeOH(100:0から95:5)で溶出するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、標題生成物(0.37g、86%)を得る。質量スペクトル(m/z):636(M+H)。
本質的に実施例2の方法により以下の化合物を調製する。
実施例4
N−{[5−(エチルスルホニル)ピリジン−2−イル]メチル}−5’,5’−ジメチル−1−{(1S)−1−[2−(トリフルオロメチル)ピリミジン−5−イル]エチル}−4’,5’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−チエノ[2,3−c]ピラン]−2’−カルボキサミド

実施例5
N−{[5−(エチルスルホニル)ピリジン−2−イル]メチル}−5’,5’−ジメチル−1−{(1R)−1−[2−(トリフルオロメチル)ピリミジン−5−イル]エチル}−4’,5’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−チエノ[2,3−c]ピラン]−2’−カルボキサミド

N−{[5−(エチルスルホニル)ピリジン−2−イル]メチル}−5’,5’−ジメチル−1−{1−[2−(トリフルオロメチル)ピリミジン−5−イル]エチル}−4’,5’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−チエノ[2,3−c]ピラン]−2’−カルボキサミド(138mg、0.217mmol)をMeOH(10.5mL)に可溶化する。HPLCによるキラルクロマトグラフィー[68mL/分で50%ACN:50%IPA(0.2%IPAmを含む)を有するキラルパックIAカラム(30×250mm)、225nmでのUV検出(225nmでモニタリング)]によって異性体を分離する。分析条件:ACN中45%IPA(0.2%IPAm)5.0mL/分、Chiralpakカラム[IA(4.6×150mm)]204nmでの検出。純粋な画分を合わせ、濃縮乾固し、凍結乾燥して、淡黄色の固形物を得る。実施例4、(47mg、収率34%、de>99%、R=2.01分)、質量スペクトル(m/z):638(M+H)。実施例5、(45mg、収率32%、de>99%、R=2.97分)、質量スペクトル(m/z):638(M+H)。これらの物質の絶対配置をVCDによって割り当てる。VCD−分光計=DualPEMを有するChirallR−X、4.0mg/100μL、分解能=4cm−1、PEM=1400cm−1、72000スキャン、24時間、BaFセル、経路長=100μm。MolMec計算で使用される力場=MMF94S、MMFF、SYBYL。DFT計算のための方法論および基底系=SCRF−B3LYP/6−31G(d)、SCRF−B3PW91/6−31G(d)。信頼度=99%。
実施例6
N−{[5−(エチルスルホニル)ピリジン−2−イル]メチル}−1”−{(1S)−1−[2−(トリフルオロメチル)ピリミジン−5−イル]エチル}−4’H−ジスピロ[シクロプロパン−1,5’−チエノ[2,3−c]ピラン−7’,4”−ピペリジン]−2’−カルボキサミド

実施例7
N−{[5−(エチルスルホニル)ピリジン−2−イル]メチル}−1”−{(1R)−1−[2−(トリフルオロメチル)ピリミジン−5−イル]エチル}−4’H−ジスピロ[シクロプロパン−1,5’−チエノ[2,3−c]ピラン−7’,4”−ピペリジン]−2’−カルボキサミド

N−{[5−(エチルスルホニル)ピリジン−2−イル]メチル}−1”−{1−[2−(トリフルオロメチル)ピリミジン−5−イル]エチル}−4’H−ジスピロ[シクロプロパン−1,5’−チエノ[2,3−c]ピラン−7’,4”−ピペリジン]−2’−カルボキサミド(369mg、0.581mmol)をMeOH(22mL)に可溶化し、溶液を濾過する。HPLCによるキラルクロマトグラフィー[130mL/分で50%ACN:50%IPA(0.2%IPAmを含む)を有するキラルパックICカラム(30×250mm)、9.7分ごとに2.0mLを注入、225nmでのUV検出]によって異性体を分離する。分析条件:ACN中45%IPA(0.2%IPAm)5.0mL/分、Chiralpakカラム[IA(4.6×150mm)]204nmでの検出。純粋な画分を合わせ、濃縮乾固し、凍結乾燥して、淡黄色の固形物を得る。実施例6、(146mg、収率39%、de>99%、R=1.61分)、質量スペクトル(m/z):636(M+H)。実施例7、(143mg、収率37%、de>98%、R=2.02分)、質量スペクトル(m/z):636(M+H)。これらの物質の絶対配置をVCDによって割り当てる。VCD−分光計=DualPEMを有するChirallR−X、4.0mg/100μL、分解能=4cm−1、PEM=1400cm−1、72000スキャン、24時間、BaFセル、経路長=100μm。MolMec計算で使用される力場=MMF94S、MMFF、SYBYL。DFT計算のための方法論および基底系=SCRF−B3LYP/6−31G(d)、SCRF−B3PW91/6−31G(d)。信頼度=99%。
HPLCキラルを使用して、本質的に実施例6および7の方法により以下の化合物を精製する。
生物学的アッセイ
RORa、b、およびg結合阻害剤
Hisタグ付きヒトRAR関連オーファン受容体アルファ(hRORa)、ヒトRAR関連オーファン受容体ベータ(hRORb)、およびヒトRAR関連オーファン受容体ガンマ(hRORg)を受容体−リガンド競合結合アッセイに使用して、K値を決定する。典型的な手順を以下に提供する。
受容体競合結合アッセイを、DPBS(1L)(Hyclone#SH30028.03)、2.2gのBSA Fraction v(Roche #9048−46−8)、100mLのグリセロール(Fischer #56−81−5)、および40mLのDMSO(試薬グレード)からなる緩衝液中で行う。最終ウェルは、20μg/mLのアプロチニンおよび20μg/mLのロイペプチンおよび10μMのPefablocを含有する。典型的には、受容体結合アッセイは、ウェル当たり、アルファ結合用の7nMの[H]−25−ヒドロキシコレステロール、ベータ結合用の20nMの[H]−3−[[4−[[3−(2,6−ジクロロフェニル)−5−イソプロピル−イソキサゾール−4−イル]メトキシ]−N,2−ジメチル−アニリノ]メチル]安息香酸、およびガンマ結合用の6nMの[H]−25−ヒドロキシコレステロール、ならびに0.5μgのRORa受容体、0.03μgのRORb受容体、または0.13μgのRORg受容体が含まれる。アッセイは、典型的には、96ウェル形式で行う。競合する試験化合物を約0.4nMから25μMの範囲の様々な濃度で添加する。非特異的結合を、RORaおよびRORgの結合については250nMの25−ヒドロキシコレステロール、RORb結合については250nMの3−[[4−[[3−(2,6−ジクロロフェニル)−5−イソプロピル−イソキサゾール−4−イル]メトキシ]−N,2−ジメチル−アニリノ]メチル]安息香酸の存在下で決定する。試料、標識、および受容体の溶液を、96ウェルアッセイプレート(Costar 3632)中で組み合わせ、室温で一晩インキュベートした後、最終ビーズ濃度1mg/ウェルの25μlのビーズ(Amersham YSi(2〜5ミクロン)copper His−tag Spa Beads、#RPNQ0096)を各反応物に添加する。プレートをオービタルシェーカー上で室温で30分間混合する。4時間インキュベートした後、プレートをWallac MICROBETA(登録商標)計数器で読み取る。
このデータは、4パラメータロジスティック適合を使用して推定IC50を計算するために使用する。RORaおよびRORgについての[H]−25−ヒドロキシコレステロール、ならびにRORbについての[H]−3−[[4−[[3−(2,6−ジクロロフェニル)−5−イソプロピル−イソキサゾール−4−イル]メトキシ]−N,2−ジメチル−アニリノ]メチル]安息香酸のKdを、飽和結合によって決定する。化合物のIC50値を、Cheng−Prushoff式を使用してKiに変換する。
次の例示化合物の結果を以下の表5に示す。
これらの結果により、表5の化合物が、RORaおよびRORbに対してRORgに選択的であることが示される。
HEK293 RORg GAL4受容体−レポーターアッセイ
逆作動薬活性の指標として、RAR関連オーファン受容体ガンマ(RORg)受容体−受容体アッセイ(RORg−GAL4/pGL4.31)をHEK293細胞において実施する。HEK293細胞を、Fugene(登録商標)試薬を使用して同時トランスフェクトする。GAL4結合ドメインおよび蛍ルシフェラーゼ遺伝子の上流の最小アデノウイルスプロモーターを含有するレポータープラスミドを、酵母GAL4 DNA結合ドメインに融合したヒトRORgリガンド結合ドメインを構成的に発現するプラスミドと同時トランスフェクトする。細胞を、FBSを含まないMEM培地においてT150cmフラスコ中でトランスフェクトする。18時間インキュベートした後、トランスフェクトした細胞をトリプシン処理し、10%FBSを含有する3:1のDMEM−F12培地中の96ウェルマイクロタイタープレートにプレーティングし、4時間インキュベートした後、約0.05nM〜10μMの範囲の様々な濃度の試験化合物に暴露する。化合物と共に18時間インキュベートした後、細胞を溶解し、標準的な技法を用いてルシフェラーゼ活性を定量する。データを4パラメータ適合ロジスティクスに適合させて、IC50値を決定する。
次の例示化合物の結果を以下の表6に示す。
これらの結果により、表6の化合物がヒトRORg受容体に対する逆作動薬であることが実証される。
PBMC IL−17分泌ELISAおよびCell TiterGlo生存性アッセイ
最初に新鮮なバフィーコートを等量のリン酸緩衝食塩水と組み合わせることによって、PBMCを全血バフィーコートから単離する。次に、35mLのPBS/バフィーコート溶液を50mLのコニカルチューブ中の15mLのFicoll上に静かに重層する。500×gで30分間遠心した後(緩徐な加速および減速による)、血漿の最上層を破棄し、Ficoll界面に沿った細胞の層を収集し、プールする。各250mLチューブを室温のRPMI−1640培地で最上部まで満たす。チューブを500×Gで10分間回転させ(緩徐な加速および減速による)、培地を吸引により除去し、そして洗浄ステップを繰り返す。細胞を、氷上でLife Technologies製の氷冷Recovery Cell Culture Freezing Medium(カタログ番号12648−010)に再懸濁する。細胞濃度を6670万細胞/mLに調整する。細胞を、1億個の細胞を含むバイアル中で−1℃/分で緩徐に凍結し、液体窒素中で保存する。
IL−17分泌および化合物添加の刺激
PBMCを、1mLの完全培地(30mMのHEPES、100単位/mLのペニシリン、100μg/mLのストレプトマイシン、3.25mMのL−グルタミン、0.2μMのベータ−メルカプトエタノール、および10%のFBSを含有する、RPMI−1640)を用いて再懸濁し、続いて2mL、4mL、8mL、および16mLの完全培地を穏やかに渦状に混ぜながら滴下添加することによって、解凍する。細胞を5分間遠沈し、細胞ペレットを完全培地に再懸濁する。細胞溶液を23ゲージの注射針および40μMの細胞濾過器に通すことによって、細胞の塊を粉砕する。1ウェル当たり10万個の細胞を384ウェルのポリスチレン組織培養処理平底プレートに合計30μLで添加する。完全培地中で調製された、抗ヒトCD3抗体、抗ヒトCD28抗体、IL−23、および化合物を含有する刺激カクテルを、総体積30μLで同時に細胞に添加する。添加した刺激剤の最終濃度は、抗CD3抗体、抗CD28抗体、およびIL−23について、それぞれ160ng/mL、500ng/mL、および5ng/mL、ならびにDMSOについては0.3%である。プレートをAERASEAL(登録商標)シーリングフィルムで密閉し、37℃、湿度95%、および5%COで48時間インキュベートする。
インキュベーション期間後、プレートを200×gで5分間回転させる。上清を等量の1%BSA/PBSで1:1に希釈し、キットに入っている基質の代わりに発色基質OPD(o−フェニレンジアミン二塩酸塩、Sigmaカタログ#P6912)を使用するという1つの例外を除き、キットと共に提供されるプロトコルに従って、R&D systemからのヒトIL−17 ELISAキット(カタログ#D317E)を用いてIL−17について試験する。492nmでの吸光度をEnvisionマルチラベルプレートリーダーで測定する。A492値は、以下に示すとおりに、IL−17標準曲線に基づいてIL−17の濃度に変換する。
pg/mL IL−17=EC50*[[(上方−下方)/(A492−下方)]−1](1/−傾斜)。IL−17分泌の阻害についてのIC50は、刺激剤も化合物も添加していないウェルの平均値から決定した最大阻害と、刺激剤のみを添加し化合物は添加していないウェルの平均値からの最小阻害とによる標準的な4パラメータ適合を使用して、変換した値に基づいて計算する。
等量のCell TITERGLO(登録商標)細胞生存性試験試薬(Promegaカタログ#G7573)をプレートに残っている細胞に添加し、室温で穏やかに振盪しながら15分間インキュベートした後、Envisionマルチラベルプレートリーダーで測定する。細胞死のパーセントを、100%活性(細胞死)をゼロ発光単位に、最小活性(最大生細胞数)を刺激剤のみを含み化合物を添加していないウェルの平均発光単位として設定することによって計算する。IC50を、標準的な4パラメータ適合を使用して計算する。
次の例示化合物の結果を以下の表7に示す。
これらの結果により、表7の化合物が、測定可能な細胞傷害効果なしに、PBMCにおける抗CD3/抗CD28/IL−23刺激によるIL−17分泌を阻害することが示される。

Claims (12)

  1. 以下の式の化合物であって、

    式中、
    Xが、独立して、−N−または−CH−であり、
    およびRが、両方ともCHである、またはRおよびRが、一緒になって結合して、3員炭素環式環を形成することができ、
    が、−CNまたは−CFである、化合物、
    またはその薬学的に許容される塩。
  2. N−{[5−(エチルスルホニル)ピリジン−2−イル]メチル}−5’,5’−ジメチル−1−{(1R)−1−[2−(トリフルオロメチル)ピリミジン−5−イル]エチル}−4’,5’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−チエノ[2,3−c]ピラン]−2’−カルボキサミド

    である、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
  3. N−{[5−(エチルスルホニル)ピリジン−2−イル]メチル}−1”−{(1R)−1−[2−(トリフルオロメチル)ピリミジン−5−イル]エチル}−4’H−ジスピロ[シクロプロパン−1,5’−チエノ[2,3−c]ピラン−7’,4”−ピペリジン]−2’−カルボキサミド

    である、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
  4. 1つ以上の薬学的に許容される担体、希釈剤、または賦形剤と組み合わせた、請求項1〜3のいずれかに記載の化合物またはその薬学的に許容される塩を含む、薬学的組成物。
  5. 1つ以上の他の治療剤を含む、請求項4に記載の薬学的組成物。
  6. 請求項1〜3のいずれかに記載の化合物またはその薬学的に許容される塩を含む、乾癬を治療するための薬学的組成物
  7. 請求項1〜3のいずれかに記載の化合物またはその薬学的に許容される塩を含む、血清反応陰性脊椎関節症を治療するための薬学的組成物
  8. 体軸性脊椎関節炎、強直性脊椎炎、または乾癬性関節炎を治療するための請求項7に記載の薬学的組成物
  9. 療法に使用するための請求項1〜3のいずれかに記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
  10. 乾癬の治療に使用するための請求項1〜3のいずれかに記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
  11. 血清反応陰性脊椎関節症の治療に使用するための請求項1〜3のいずれかに記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
  12. 体軸性脊椎関節炎、強直性脊椎炎、または乾癬性関節炎の治療における使用のための請求項11に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
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