JP6766273B2 - Ror−ガンマ−tを阻害するのに有用な化合物 - Google Patents

Ror−ガンマ−tを阻害するのに有用な化合物 Download PDF

Info

Publication number
JP6766273B2
JP6766273B2 JP2019547499A JP2019547499A JP6766273B2 JP 6766273 B2 JP6766273 B2 JP 6766273B2 JP 2019547499 A JP2019547499 A JP 2019547499A JP 2019547499 A JP2019547499 A JP 2019547499A JP 6766273 B2 JP6766273 B2 JP 6766273B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mmol
methyl
pharmaceutically acceptable
piperidine
pyran
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019547499A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2020509049A (ja
Inventor
アレキサンダー クラーク,クリスチャン
アレキサンダー クラーク,クリスチャン
サード,チャールズ ウィリス ルガー
サード,チャールズ ウィリス ルガー
リチャード モルフィー,ジョン
リチャード モルフィー,ジョン
イーヴォ リチャードソン,ティモシー
イーヴォ リチャードソン,ティモシー
ルディク,ヘレン
サプマズ,セルマ
エドワード スティテス,ライアン
エドワード スティテス,ライアン
マシューズ ヴォート,グラント
マシューズ ヴォート,グラント
Original Assignee
イーライ リリー アンド カンパニー
イーライ リリー アンド カンパニー
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by イーライ リリー アンド カンパニー, イーライ リリー アンド カンパニー filed Critical イーライ リリー アンド カンパニー
Publication of JP2020509049A publication Critical patent/JP2020509049A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6766273B2 publication Critical patent/JP6766273B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D495/00Heterocyclic compounds containing in the condensed system at least one hetero ring having sulfur atoms as the only ring hetero atoms
    • C07D495/12Heterocyclic compounds containing in the condensed system at least one hetero ring having sulfur atoms as the only ring hetero atoms in which the condensed system contains three hetero rings
    • C07D495/20Spiro-condensed systems
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P29/00Non-central analgesic, antipyretic or antiinflammatory agents, e.g. antirheumatic agents; Non-steroidal antiinflammatory drugs [NSAID]
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P37/00Drugs for immunological or allergic disorders
    • A61P37/02Immunomodulators
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K45/00Medicinal preparations containing active ingredients not provided for in groups A61K31/00 - A61K41/00
    • A61K45/06Mixtures of active ingredients without chemical characterisation, e.g. antiphlogistics and cardiaca

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Rheumatology (AREA)
  • Pain & Pain Management (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Heterocyclic Carbon Compounds Containing A Hetero Ring Having Oxygen Or Sulfur (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)

Description

本発明は、レチノイン酸受容体関連オーファン受容体ガンマ−t(RORγt)を阻害するのに有用な化合物、薬学的組成物、およびRORγ活性に関連する疾患を治療する方法に関する。
レチノイン酸受容体関連オーファン受容体(ROR)は、多くの疾患において重要な病理学的調節因子として同定されている核内受容体(NR)スーパーファミリーのメンバーである。RORサブファミリーは、RORα、RORβ、およびRORγからなる。マウスおよびヒトのRORγ遺伝子は、γ1およびγ2という2つのアイソフォームを生成し、後者は最も一般的にはγtと呼ばれる。多くの場合にIL−23/IL−23受容体シグナル伝達に応答して生じるRORγtシグナル伝達は、未感作CD4+ T細胞が、古典的なTh1およびTh2細胞とは異なるTh17と命名されているT細胞のサブセットに分化するのに必要であり、それらの維持を支援するものである。Th17細胞は、インターロイキン−17A(IL−17)およびIL−17Fを産生する。加えて、Th17細胞は、腫瘍壊死因子−アルファ(TNF−α)、インターロイキン−6(IL−6)、GM−CSF、CXCL1、およびCCL20を含む、炎症応答を駆動することが知られている様々な他の因子を産生する。リンパ組織誘導因子(LTi)様細胞などのNK細胞および自然リンパ系細胞は、IL−23受容体およびRORγtを発現し、刺激およびIL−23に応答してIL−17を産生する。IL−23応答性細胞、RORγt細胞、およびIL−17発現細胞が、自己免疫疾患(AI)、炎症性疾患、および癌と関連しているという強固な証拠がある。このため、RORγtの標的阻害は、これらの疾患の病因を減少させるために重要であり得る。
AI疾患は、現在のところ治療法が存在しない慢性状態である。AI疾患の治療には、典型的には、抗炎症薬、抗疼痛薬、または免疫抑制薬を投与することによって疾患の過程を制御し症状を軽減する試みが伴う。残念なことに、抗炎症薬および抗疼痛薬の使用は効果がないときがあり、免疫抑制剤の使用は深刻な長期の副作用をもたらすことが多い。免疫抑制薬の最も重大な副作用は、感染の危険性の増加および癌のリスクの上昇である。
RORγtに対する天然および合成のリガンドが同定されている。RORγtに対する小分子阻害剤は、AIに関する文献に報告されている。WO2015/017335およびWO2014/179564を参照されたい。しかしながら、現在の治療の無効性または深刻な副作用と相まったAI疾患の罹患率により、患者が利用可能な治療選択肢がより多くあることが必要となる。RORγtの標的化は、宿主防御の抑制のリスクを最小にしながら病原性免疫細胞を標的とすることによって治療上の利益を最大にすることで、現在のAI療法を超える利点を提示し得る。
本発明は、RORγt阻害剤である新規の化合物を提供する。そのような新しい化合物は、ブドウ膜炎、多発性硬化症、リウマチ性関節炎、移植片対宿主病、クローン病、他の炎症性腸疾患、癌、乾癬、ならびに体軸性脊椎関節炎、強直性脊椎炎、または乾癬性関節炎などの血清反応陰性脊椎関節症の強力かつ有効な治療の必要性に対処し得る。
本発明は、以下の式の化合物であって、
式中、
nが、0、1、または2であり、
Xが独立して、−N−または−CH−であり、
1が、−C1-3アルキルであり、
2が、−Hまたは−CH3であり、
3aおよびR3bが独立して、−H、−CH3、または−CH2CH3であり、
4が、
、または−CF3で任意に置換されたチアゾリルであり、
5が、ハロ、−CN、−CF3、オキサジアゾリル、またはCH3で任意に置換されたオキサジアゾリルであり、
6が、−H、−OMe、ハロ、−CH3、または−CF3であり、
ただし、nが0であり、Xが−Nであり、−R1が、−CH2CH3であり、R2が、−O−に隣接する位置にある−CH3であり、R3aおよびR3bが、−Hおよび−CH3である場合、R5は、−CF3であってはならない、化合物、
またはその薬学的に許容される塩を提供する。
本発明はまた、本発明の化合物またはその薬学的に許容される塩を、それを必要とする患者に投与することを含む、患者の乾癬の治療のための方法を提供する。さらに、本発明は、本発明の化合物またはその薬学的に許容される塩を、それを必要とする患者に投与することを含む、患者の血清反応陰性脊椎関節症の治療のための方法を提供する。該実施形態では、血清反応陰性脊椎関節症は、体軸性脊椎関節炎、強直性脊椎炎、または乾癬性関節炎である。
本発明は、1つ以上の薬学的に許容される担体、希釈剤、または賦形剤と組み合わせた、本発明の化合物またはその薬学的に許容される塩を含む薬学的組成物を提供する。さらなる実施形態では、本組成物は、1つ以上の他の治療剤をさらに含む。さらなる実施形態では、本発明は、1つ以上の薬学的に許容される担体、希釈剤、または賦形剤と組み合わせた、本発明の化合物またはその薬学的に許容される塩を含む乾癬の治療のための薬学的組成物を提供する。なおさらなる実施形態では、本発明は、1つ以上の薬学的に許容される担体、希釈剤、または賦形剤と組み合わせた、本発明の化合物またはその薬学的に許容される塩を含む、血清反応陰性脊椎関節症の治療のための薬学的組成物を提供する。該実施形態では、血清反応陰性脊椎関節症は、体軸性脊椎関節炎、強直性脊椎炎、または乾癬性関節炎である。
さらに、本発明は、療法、特に乾癬の治療に使用するための本発明の化合物またはその薬学的に許容される塩を提供する。またさらに、本発明は、乾癬の治療に使用するための本発明の化合物またはその薬学的に許容される塩を提供する。さらなる実施形態では、本発明は、乾癬治療用の薬剤を製造するための、本発明の化合物またはその薬学的に許容される塩の使用を提供する。
さらに、本発明は、療法、特に血清反応陰性脊椎関節症の治療に使用するための本発明の化合物またはその薬学的に許容される塩を提供する。またさらに、本発明は、血清反応陰性脊椎関節症の治療に使用するための本発明の化合物またはその薬学的に許容される塩を提供する。さらなる実施形態では、本発明は、血清反応陰性脊椎関節症治療用の薬剤を製造するための、本発明の化合物またはその薬学的に許容される塩の使用を提供する。該実施形態では、血清反応陰性脊椎関節症は、体軸性脊椎関節炎、強直性脊椎炎、または乾癬性関節炎である。
本発明はまた、本発明の化合物の合成に有用な中間体およびプロセスを含む。
本明細書で使用される場合、「治療すること」(または「治療する」もしくは「治療」)という用語は、既存の症状、状態、または障害の進行または重症度を抑制すること、遅延させること、停止させること、または回復させることを含む。
「脊椎関節症」という用語は、一般に脊柱と、靭帯および腱が骨に付着する領域とが関与するある数の慢性関節疾患を指す。脊椎関節症は、脊椎関節症(spondyloarthropathy)または脊椎関節炎(spondyloarthritis)とも呼ばれることがある。
「血清反応陰性」という用語は、リウマチ因子について陰性である疾患を指す。
本発明の化合物は、反応して薬学的に許容される塩を形成してもよい。薬学的に許容される塩およびそれらを調製するための一般的な方法論は、当該技術分野において周知である。例えば、P.Stahl,et al.Handbook of Pharmaceutical Salts:Properties,Selection and Use,2nd Revised Edition(Wiley−VCH,2011)、S.M.Berge,et al.,“Pharmaceutical Salts,”Journal of Pharmaceutical Sciences,Vol.66,No.1,January 1977を参照されたい。
当業者であれば、(I)に示される本発明の化合物またはその薬学的に許容される塩が、下記の*によって表される少なくとも2つのキラル中心を含むコアで構成されることを理解することになる。
本発明は、全ての個々のエナンチオマーおよびジアステレオマー、ならびに全ての個々のエナンチオマー、およびラセミ体を含む該化合物のエナンチオマーの混合物を企図するが、以下の(II)によって表される本発明の化合物
またはその薬学的に許容される塩が好ましい。
また、当業者であれば、全てのキラル中心に対するCahn−Ingold−Prelog(R)または(S)の指定が特定の化合物の置換パターンに応じて変わることを理解するであろう。単一のエナンチオマーまたはジアステレオマーは、キラル試薬から始めるか、または立体選択的もしくは立体特異的合成技法によって調製してもよい。あるいは、単一のエナンチオマーまたはジアステレオマーは、本発明の化合物の合成における任意の都合のよい時点で、標準的なキラルクロマトグラフィーまたは結晶化技法によって混合物から単離してもよい。本発明の化合物の単一のエナンチオマーが本発明の好ましい態様である。
本発明の化合物は、好ましくは、様々な経路で投与される薬学的組成物として製剤化される。そのような医薬組成物およびそれを調製するためのプロセスは、当該技術分野において周知である。例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy(A.Gennaro,et al.,eds.,22nd ed.,Pharmaceutical Press,2012)を参照されたい。より特に好ましいのは、式
の化合物、またはその薬学的に許容される塩、および1つ以上の薬学的に許容される担体または希釈剤を含む、薬学的組成物である。
本発明の化合物の全てはRORγtの有用な阻害剤であるが、ある種のクラスの化合物が好ましい。以下の段落では、このような好ましいクラスについて説明する:
a)R1が、エチルである;
b)R1が、メチルである;
c)R2が、−CH3である;
d)R2が、酸素に隣接する炭素上の−CH3である;
e)R3aおよびR3bが独立して−Hまたは−CH3である;
f)R3aおよびR3bが、−Hおよび−Hである;
g)R3aおよびR3bが、−Hおよび−CH3である;
h)nが、0である;
i)nが、1である;
j)R4が、
であり、式中、R5が、−CH3または−CF3である;
k)R4が、
であり、式中、R5が、−CH3または−CF3であり、nが1であり、R6が、−CH3である;
l)R4が、
であり、式中、R5が、−CF3である;
m)R4が、
であり、式中、R5が、−CF3であり、nが1であり、R6が、ハロまたは−CH3である;
n)R4が、
であり、式中、R5が、ハロ、シアノ、−CF3、オキサジアゾリル、または−CH3で任意に置換されたオキサジアゾリルである;
o)R4が、
であり、式中、R5が、ハロ、シアノ、−CF3、オキサジアゾリル、または−CH3で任意に置換されたオキサジアゾリルであり、nが1であり、R6が、−H、−OCH3、ハロ、−CH3、または−CF3である;
p)R4が、
であり、式中、R5が、ハロ、シアノ、−CF3、オキサジアゾリル、または−CH3で任意に置換されたオキサジアゾリルであり、nが2であり、R6が、−H、−OCH3、ハロ、−CH3、または−CF3である;
q)R4が、−CF3で任意に置換されたチアゾリルである。
本発明の化合物の好ましい一実施形態は、以下の式の化合物であって、
式中、
nが、0、1、または2であり、
Xが独立して、−N−または−CH−であり、
1が、−C1-3アルキルであり、
2が、−Hまたは−CH3であり、
3aおよびR3bが独立して、−H、−CH3、または−CH2CH3であり、
4が、
、または−CF3で任意に置換されたチアゾリルであり、
5が、ハロ、−CN、−CF3、オキサジアゾリル、またはCH3で任意に置換されたオキサジアゾリルであり、
6が、−H、−OMe、ハロ、−CH3、または−CF3であり、
ただし、nが0であり、Xが−Nであり、−R1が、−CH2CH3であり、R2が、−O−に隣接する位置にある−CH3であり、R3aおよびR3bが、−Hおよび−CH3である場合、R5は、−CF3であってはならない、化合物、
またはその薬学的に許容される塩に関する。
本発明の化合物の別の好ましい実施形態は、以下の式の化合物であって、
式中、
nが、0または1であり、
Xが独立して、−N−または−CH−であり、
1が、−C1-3アルキルであり、
2が、−Hまたは−CH3であり、
3aおよびR3bが独立して、−H、−CH3、または−CH2CH3であり、
6が、ハロまたは−CH3であり、
ただし、nが0であり、Xが−Nであり、−R1が、−CH2CH3であり、R2が、−O−に隣接する位置にある−CH3である場合、R3aおよびR3bは、−Hおよび−CH3であってはならない、化合物、
またはその薬学的に許容される塩に関する。
本発明の化合物の別の好ましい実施形態は、以下の式の化合物であって、
式中、
nが、0または1であり、
Xが、−N−または−CH−であり、
1が、−C1-3アルキルであり、
2が、−Hまたは−CH3であり、
3aおよびR3bが独立して−Hまたは−CH3であり、
6が、−CH3であり、
ただし、nが0であり、Xが−Nであり、−R1が、−CH2CH3であり、R2が、−O−に隣接する位置にある−CH3である場合、R3aおよびR3bは、−Hおよび−CH3であってはならない、化合物、
またはその薬学的に許容される塩に関する。
本発明の化合物のさらなる別の好ましい実施形態は、以下の式の化合物であって、
式中、
nが、0または1であり、
Xが、−N−または−CH−であり、
1が、−C1-3アルキルであり、
2が、−Hまたは−CH3であり、
3aおよびR3bが独立して、−H、−CH3、または−CH2CH3であり、
6が、ハロまたは−CH3である、化合物、
またはその薬学的に許容される塩に関する。
本発明の化合物の別の好ましい実施形態は、以下の式の化合物であって、
式中、
nが、0、1、または2であり、
Xが、−N−または−CH−であり、
1が、−C1-3アルキルであり、
2が、−Hまたは−CH3であり、
3aおよびR3bが独立して−Hまたは−CH3であり、
5が、ハロ、−CN、−CF3、オキサジアゾリル、またはCH3で任意に置換されたオキサジアゾリルであり、
6が、−OMe、ハロ、−CH3、または−CF3である、化合物、
またはその薬学的に許容される塩に関する。
本発明の化合物の別の好ましい実施形態は、以下の式の化合物であって、
式中、
Xが、−N−または−CH−であり、
2が、−Hまたは−CH3であり、
3aおよびR3bが独立して−Hまたは−CH3である、化合物、
またはその薬学的に許容される塩に関する。
本発明の化合物の別の好ましい実施形態は、以下の式の化合物であって、
式中、
Xが、−N−または−CH−であり、
2が、−Hまたは−CH3であり、
3aおよびR3bが独立して−Hまたは−CH3である、化合物、
またはその薬学的に許容される塩に関する。
本発明の特に好ましい一実施形態は、化合物(5’S)−N−[4−(エチルスルホニル)ベンジル]−5’−メチル−1−{(1R)−1−[2−(トリフルオロメチル)ピリミジン−5−イル]エチル}−4’,5’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−チエノ[2,3−c]ピラン]−2’−カルボキサミド
、またはその薬学的に許容される塩に関する。
本発明の別の特に好ましい実施形態は、以下の化合物に関する。
本発明の別の特に好ましい実施形態は、化合物(5’S)−N−{[5−(エチルスルホニル)ピリジン−2−イル]メチル}−5’−メチル−1−{1−[2−(トリフルオロメチル)−1,3−チアゾール−5−イル]エチル}−4’,5’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−チエノ[2,3−c]ピラン]−2’−カルボキサミド
、またはその薬学的に許容される塩に関する。
本発明の別の特に好ましい実施形態は、以下の化合物に関する。
本発明の化合物は、概して、投薬量が幅広い範囲にわたって有効である。例えば、1日当たりの投薬量は約1mg〜1gの範囲内である。ある場合には、前述の範囲の下限よりも低い投薬量レベルが十二分である場合があり、他の場合には、優れたリスク対効果プロファイルを維持しながら、さらに多い用量を用いてもよく、したがって、上記の投薬量範囲は、決して本発明の範囲を限定することを意図するものではない。実際に投与される化合物の量は、治療される状態、選択された投与経路、投与される実際の化合物(単数または複数)、個々の患者の年齢、体重、および応答、ならびに患者の症状の重症度を含む関連する状況を考慮して、医師によって決定されることが理解される。
本発明の化合物またはその塩は、当業者に既知の様々な手順によって調製されてもよく、そのうちのいくつかが、以下のスキーム、調製物、および実施例で説明されている。本発明の化合物または塩を調製するために、記載される経路の各々についての特定の合成ステップを、異なる様式で組み合わせるか、または異なるスキームのステップと併せてもよい。以下のスキームにおける各ステップの生成物は、抽出、蒸発、沈殿、クロマトグラフィー、濾過、磨砕、および結晶化を含む、当該技術分野で周知の従来の方法によって回収することできる。以下のスキームにおいて、全ての置換基は、別途指示のない限り、すでに定義されたとおりである。試薬および出発材料は、当業者にとって容易に入手可能である。
加えて、以下のスキームに記載のある特定の中間体は、1つ以上の窒素または酸素保護基を含んでもよい。可変保護基は、実施される特定の反応条件および特定の変換に応じて、出現ごとに同じでも異なっていてもよい。保護および脱保護条件は、当業者に周知であり、文献に記載されている(例えば、“Greene’s Protective Groups in Organic Synthesis”,Fourth Edition,by Peter G.M. Wuts and Theodora W.Greene,John Wiley and Sons,Inc.2007を参照されたい)。
明確にするために、以下のスキームにおいて、特定の立体化学中心は特定しないままであり、ある特定の置換基は排除してあるが、決して本スキームの範囲を限定することを意図するものではない。単一のエナンチオマーまたはジアステレオマーは、キラル試薬から始めるか、または立体選択的もしくは立体特異的合成技法によって調製してもよい。あるいは、単一のエナンチオマーまたはラセミ体は、選択的結晶化技法またはキラルクロマトグラフィーなどの方法によって、本発明の化合物の合成における任意の都合のよい時点で、標準的なキラルクロマトグラフィーまたは結晶化技法によって、混合物から単離してもよい(例えば、J.Jacques,et al.,“Enantiomers,Racemates,and Resolutions”,John Wiley and Sons,Inc.,1981,and E.L.Eliel and S.H.Wilen,”Stereochemistry of Organic Compounds”,Wiley−Interscience,1994を参照されたい)。
本発明のいくつかの中間体または化合物は、1つ以上のキラル中心を有してもよい。本発明は、全ての個々のエナンチオマーまたはジアステレオマー、ならびにラセミ体を含む該化合物のエナンチオマーおよびジアステレオマーの混合物を企図する。少なくとも1つのキラル中心を含む本発明の化合物は単一のエナンチオマーまたはジアステレオマーとして存在することが好ましい。単一のエナンチオマーまたはジアステレオマーは、キラル試薬から始めるか、または立体選択的もしくは立体特異的合成技法によって調製してもよい。あるいは、単一のエナンチオマーまたはジアステレオマーは、標準的なキラルクロマトグラフィーまたは結晶化技法によって混合物から単離してもよい。当業者であれば、状況によっては、クロマトグラフィーカラムおよび移動相が異なるためにエナンチオマーまたはジアステレオマーの溶出順序が異なり得ることを理解するであろう。「異性体1」および「異性体2」という名称は、それぞれキラルクロマトグラフィーから1番目および2番目に溶出する化合物を指し、キラルクロマトグラフィーが合成の早い段階で開始される場合、同じ名称が後続の中間体および実施例に適用される。
ある特定の略語は以下のように定義される。「ACN」はアセトニトリルを指す。「AUC」は曲線下面積を指す。「BPR」は背圧調整器を指す。「BSA」はウシ血清アルブミンを指す。「DBA」は、薄茶色の非アグーチを指す。「DCC」は1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミドを指す。「DCM」はジクロロメタンを指す。「de」はジアステレオマー過剰を指す。「DFT」は密度汎関数理論を指す。「DIC」はジイソプロピルカルボジイミドを指す。「DIPEA」は、ジイソプロピルエチルアミン、N−エチル−N−イソプロピル−プロパン−2−アミン、またはN,N−ジイソプロピルエチルアミンを指す。「DMAP」は4−ジメチルアミノピリジンを指す。「DMEM」はダルベッコ改質イーグル培地を指す。「DMF」はジメチルホルムアミドを指す。「DMSO」はジメチルスルホキシドを指す。「DNA」はデオキシリボ核酸を指す。「DPBS」はダルベッコリン酸緩衝食塩水を指す。「EDCI」は1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩を指す。「EC50」は最大応答の半分における有効濃度を指す。「ee」はエナンチオマー過剰を指す。「ELISA」は酵素結合免疫アッセイを指す。「EtOAc」は酢酸エチルを指す。「EtOH」はエタノールまたはエチルアルコールを指す。「Et2O」はエチルエーテルを指す。「Ex」は実施例を指す。「FBS」はウシ胎仔血清を指す。「G」は重力を指す。「GAL」はベータ−ガラクトシダーゼDNA結合ドメインを指す。「GPI」はグルコース−6−リン酸イソメラーゼを指す。「HBTU」は(2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート)を指す。「HEC」はヒドロキシエチルセルロースを指す。「HEK」はヒト胎児腎臓を指す。「HEPES」は4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジンエタンスルホン酸を指す。「HOAt」は、1−ヒドロキシ−7−アゾベンゾトリアゾールを指す。「HOBt」は1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物を指す。「IC50」は、その薬剤について可能な最大阻害応答の50%を生じる薬剤の濃度を指す。「IL」はインターロイキンを指す。「イオン交換クロマトグラフィー」は、MeOH中2MのNH3で溶出するISOLUTE(登録商標)Flash SCX−2イオン交換クロマトグラフィーを用いる精製を指す。「IPA」はイソプロピルアルコールまたはイソプロパノールを指す。「IPAm」はイソプロピルアミンを指す。「Kd」は解離定数を指す。「Ki」は阻害定数を指す。「分」は分(単数または複数)を指す。「MEM」は最小必須培地を指す。「MeOH」はメタノールまたはメチルアルコールを指す。「MS」は質量分析を指す。「MTBE」はメチルt−ブチルエーテルを指す。「NBS」はN−ブロモスクシンイミドを指す。「PBMC」は末梢血単核細胞を指す。「PBS」はリン酸緩衝食塩水を指し、「PEM」は光弾性変調器を指す。「Prep」は調製物を指す。「RAR」はレチノイン酸受容体を指す。「RPMI」はRoswell Park Memorial Instituteを指す。「RT」は室温を指す。「Rt」は保持時間を指す。「SCX」は強陽イオン交換を指す。「SFC」は超臨界液体クロマトグラフィーを指す。「T3P(登録商標)」は1−プロパンホスホン酸無水物溶液、2,4,6−トリプロピル−1,3,5,2,4,6−トリオキサトリホスホリナン−2,4,6−三酸化物溶液またはPPACAを指す。「TEA」はトリエチルアミンを指す。「THF」はテトラヒドロフランを指す。「VCD」は振動円二色性を指し、「XRD」はX線粉末回折を指す。
以下のスキームにおいて、全ての置換基は、別途指示のない限り、すでに定義されたとおりである。試薬および出発材料は、当業者にとって容易に入手可能である。他のものは、任意の新規な方法を含む以下の調製物および実施例に記載される方法および既知の構造的に同様の化合物の合成に類似する有機および複素環化学の標準的な技法によって製造することができる。
スキーム1において、Rxは適切なアミン保護基であり、Ryは適切なアミン保護基または水素のいずれかである。アミン保護基は、当該技術分野で周知かつ理解されており、カルバメートおよびアミドを含んでもよい。当業者であれば、該保護基を付加および除去するための代替の試薬および手順を認識するであろう。Rzは、臭素または塩素などのハロゲンである。当業者は、ハロゲンを導入するための代替の試薬および手順があることを認識するであろう。
当業者であれば、置換ヒドロキシエチルチオフェンを調製するための様々な方法があることを認識するであろう。例えば、化合物(1)は、sec−ブチルリチウムまたはn−ブチルリチウムなどの強塩基の存在下、−78〜−60℃などの温度で、置換エポキシドを用いるブロミドの転置により、続いて三フッ化ホウ素ジエチルエーテラートのようなルイス酸による開環によって、3−ブロモチオフェンから調製してもよい。ステップ1において、置換ヒドロキシエチルチオフェン(1)および保護されたまたは保護されていない4−ケトピペリジン(2)をトリフルオロ酢酸などの酸の存在下で混合して、スピロチエニルピラノピペリジン(3)を得てもよい。保護基Rxがステップ1の間に除去される場合、またはRyが水素である場合、化合物(3)中のアミンは、tert−ブチルオキシカルボニルのような標準的なアミン保護基を使用して保護され得る。ステップ2aにおいて、化合物(3)はハロゲン化されていてもよい。例えば、化合物(3)をNBSおよびジメチルアミノピリジンなどの触媒で臭素化して、化合物(4)を得てもよい。あるいは、工程2bにおいて、化合物(3)をブチルリチウムなどの強塩基の存在下で二酸化炭素によってカルボキシル化して、化合物(5)を得ることができる。
ステップ3において、化合物(4)を、一酸化炭素およびアミン(6)と、4,5−ビス−(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチルキサンテンなどの有機金属リガンド、酢酸パラジウム(II)などの触媒、およびDIPEAなどの塩基の存在下で反応させて、化合物(7)を得てもよい。当業者であれば、代替のリガンドおよび触媒があることを理解するであろう。あるいは、ステップ3において、化合物(5)を、標準的なカップリング条件下でアミン(7)に変換してもよい。カルボン酸(5)とアミン(6)とのカップリングは、T3P(登録商標)などの好適なカップリング剤およびDIPEAなどの好適なアミン塩基の存在下で作用し得る。代替のカップリング剤としては、HOBt、HBTU、およびHOAt、ならびにカルボジイミド、例えば、DCC、DIC、EDCIが挙げられる。代替の塩基としては、トリメチルアミンおよびTEAが挙げられる。当業者であれば、カルボン酸とアミンとの反応から生じるアミド形成のための他の方法および試薬が多数あることを認識するであろう。反応を促進するためにDMAPなどの添加剤を使用してもよい。あるいは、TEAまたはピリジンなどの塩基の存在下で化合物(5)の置換アシルクロリドを使用して、化合物(6)をアシル化することができる。
ステップ4において、化合物(7)を、当該技術分野で既知の適切な条件に従って脱保護してもよい。例えば、tert−ブチルオキシカルボニル保護基をHClによって除去してもよい。遊離アミンを、DIPEAなどの有機塩基または炭酸カリウムなどの無機塩基の存在下で、適切に置換されたR4基(式中、Ryは、ハロゲンまたはスルホネートなどの脱離基である)でアルキル化して、式(I)の化合物を得てもよい。
塩酸塩などの本発明の化合物の薬学的に許容される塩は、例えば、本発明の化合物の好適な遊離塩基、塩酸などの適切な薬学的に許容される酸を、Et2Oなどの好適な溶媒中、当該技術分野で周知の標準的な条件下で反応させることによって、形成させることができる。加えて、そのような塩の形成は、窒素保護基の脱保護と同時に起こり得る。そのような塩の形成は、当該技術分野で周知であり、また理解されている。例えば、Gould,P.L.,“Salt selection for basic drugs,”International Journal of Pharmaceutics,33:201−217(1986)、Bastin,R.J.,et al.“Salt Selection and Optimization Procedures for Pharmaceutical New Chemical Entities,”Organic Process Research and Development,4:427−435(2000)、およびBerge,S.M.,et al.,“Pharmaceutical Salts,”Journal of Pharmaceutical Sciences,66:1−19,(1977)を参照されたい。
本発明の化合物またはその塩は、当業者に既知の様々な手順によって調製されてもよく、そのうちのいくつかが、以下のスキーム、調製物、および実施例で説明されている。本発明の化合物またはその塩を調製するために、記載される経路の各々についての特定の合成ステップを異なる様式で組み合わせてもよい。以下の各ステップの生成物は、抽出、蒸発、沈殿、クロマトグラフィー、濾過、磨砕、および結晶化を含む、当該技術分野で周知の従来の方法によって回収することできる。試薬および出発材料は、当業者にとって容易に入手可能である。
以下の調製物および実施例は、本発明をさらに説明するものであり、本発明の化合物の典型的な合成を表す。
調製物および実施例
調製物1
1−(3−チエニル)プロパン−2−オン
2−(3−チエニル)酢酸(26.5g、146.5mmol)を無水酢酸(87.9mL、913mmol)中に懸濁し、1−メチルイミダゾール(7.57g、91.3mmol)を加える。窒素下、反応混合物を室温で4時間撹拌する。反応混合物を0℃に冷却し、水(150mL)を加え、1時間撹拌する。溶液をEtOAc(300mL)で希釈し、2MのNaOH(2×200mL)、水(200mL)およびブライン(200mL)で連続して洗浄する。有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮乾燥し、黄色の油状物として表題化合物(28.16g、77%)を得る。1H NMR(400.13MHz、CDCl3)δ2.14(s 3H)、3.7(s、2H)、6.94(d、J=5.1Hz、1H)、7.08(bs、1H)、7.29−7.26(m、1H)。
調製物2
1−(3−チエニル)プロパン−2−オール
水素化ホウ素ナトリウム(1.61g、41.67mmol)および乾燥MeOH(63mL)を一緒に加え、MeOHを加えながら、反応混合物を−10℃に冷却する。さらに−20℃に冷却し、乾燥MeOH(26.7mL)中の1−(3−チエニル)プロパン−2−オン(4.92g、33.34mmol)の溶液を40分かけて滴下して加え、−20℃で1.5時間撹拌し、次いで、室温で17時間攪拌する。溶液を−5℃(内部温度)に冷却し、塩化アンモニウムの飽和溶液(15mL)で、次いで1NのHCl(15mL)でクエンチする。水(30mL)およびEtOAc(100mL)を加える。混合物を減圧下で全容量の1/3に濃縮する。混合物をEtOAc(2×100mL)で抽出する。有機抽出物を合わせ、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮乾燥し、表題化合物(4.74g、100%)を得る。質量スペクトル(m/z):125(M−OH+H)、164.8(M+Na)。
代替的調製物2a
0℃で30分かけて、水素化ホウ素ナトリウム(7.06g、182.8mmol)を、MeOH(282mL)中の1−(3−チエニル)プロパン−2−オン(28.16g、140.6mmol)の溶液に少しずつ加え、室温で一晩撹拌する。濃縮乾固し、EtOAc(200mL)で希釈し、塩化アンモニウムの飽和溶液(150mL)で洗浄する。水層をEtOAc(2×200mL)で抽出する。有機抽出物を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮する。残渣を、MeOH:DCM(0:100〜5:95)で溶離するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、薄い赤色の油状物として表題化合物(12.85g、64%)を得る。質量スペクトル(m/z):125(M−OH+H)。
調製物3
(2S)−1−(3−チエニル)プロパン−2−オール
3−ブロモチオフェン(6.88g、42.2mmol)を無水THF(10mL)およびトルエン(100mL)中に溶解する。−78℃に冷却する。これに、シリンジを介して15分かけてsec−ブチルリチウム(シクロヘキサン中1.3mol/L、34mL、44mmol)を加える。温度を−60℃未満に維持し、10分間撹拌し、次いで、(2S)−2−メチルオキシラン(4.9g、84.4mmol)を滴下して加える。5分後、滴下漏斗を介して三フッ化ホウ素ジエチルエーテラート(5.3mL、42mmol)を15分かけて加える。温度を−55℃未満に維持する。添加が完了した後、−78℃で2時間撹拌する。飽和重炭酸ナトリウムで−78℃でクエンチし、Et2Oを加え、周囲温度に温める。飽和重炭酸ナトリウム(2×)、続いて飽和ブラインで洗浄する。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮する。15%のEtOAc/ヘキサンで溶離するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、表題化合物(3.85g、64.2%)を得る。混合画分を再精製して、無色の液体として総量の表題化合物(4.29g、71.5%)を得る。1H NMR(400.13MHz、CDCl3)δ7.28−7.26(dd、J=2.9、5.0、1H)、7.03−7.01(m、1H)、6.96(dd、J=1.2、4.9、1H)、4.04−3.95(m、1H)、2.83−2.68(m、2H)、1.63(s、1H)、1.22(d、J=6.2、3H)、または[α]20D+25.50(c 1.00,CHCl3)。
本質的に調製物3の方法によって、以下の化合物を調製する。
調製物5
(4S)−4−ベンジル−3−[(2S)−2−(3−チエニル)プロパノイル]オキサゾリジン−2−オン
窒素雰囲気下、−78℃で、THF中のナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド(1mol/L、40mL、40.0mmol)を、THF(75mL)中の(4S)−4−ベンジル−3−[2−(3−チエニル)アセチル]オキサゾリジン−2−オン(10.20g、33.86mmol)の溶液に加え、1時間撹拌する。反応混合物に純ヨードメタン(2.5mL、40mmol)を加え、−78℃で1.5時間攪拌し、その後、室温まで昇温させておく。1時間後、飽和水性塩化アンモニウム(75mL)でクエンチし、濃縮乾燥させる。残渣をEtOAc中に溶解し、有機相を0.5Nの水性HCl、飽和水性NaHCO3、水、およびブラインで連続して洗浄する。塩基性層をEtOAcで再抽出し、有機抽出物を集め、ブライン洗浄液と合わせる。有機層を分け、全ての有機抽出物を合わせる。この材料を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮乾燥させる。EtOAc/イソヘキサンの勾配(0:100〜50:50)で溶離するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより、粗材料を精製し、表題化合物(8.62g、69%)を得る。質量スペクトル(m/z):316(M+H)、338(M+Na)。
調製物6
(5’S)−5’−メチル−4’,5’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−チエノ[2,3−c]ピラン]
tert−ブチル4−オキソピペリジン−1−カルボキシレート(6.50g、32.6mmol)および(2S)−1−(3−チエニル)プロパン−2−オール(4.64g、32.6mmol)をDCM(100mL)中に溶解する。トリフルオロ酢酸(20mL、264.5mmol)を加える。混合物を周囲温度で18時間撹拌する。混合物を減圧下で濃縮し、次いで、水およびEt2Oを加える。有機層を水で洗浄し、水性洗浄液を合わせ、固体炭酸ナトリウムでpHを塩基性に調整する。水層を固体塩化ナトリウムで飽和させ、次いで、水層をEtOAc(5×)で洗浄する。EtOAc層を合わせ、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、表題化合物(4.61g、63%)を淡黄色油状物として得る。質量スペクトル(m/z):224.2(M+H)。
本質的に調製物6の方法によって、以下の化合物を調製する。
調製物8
tert−ブチル(5’S)−5’−メチル−4’,5’−ジヒドロ−1H−スピロ[ピペリジン−4,7’−チエノ[2,3−c]ピラン]−1−カルボキシレート
(5’S)−5’−メチル−4’,5’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−チエノ[2,3−c]ピラン](10.39g、46.53mmol)を、DCM(100mL)中に溶解する。ジ−tert−ブチルジカーボネート(11.52mL、51.18mmol)を滴下して加え、混合物を周囲温度で1.5時間撹拌する。追加のジ−tert−ブチルジカーボネート(2.00mL、9.17mmol)を加え、30分間撹拌し、次いで、減圧下で濃縮する。イミダゾール(2.21g、32.5mmol)を加えて、過剰のジ−tert−ブチルジカーボネートを破壊する(Synthesis、2001、No.4,550)。Et2Oを加え、ブラインで洗浄する。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮する。10%のEtOAc/ヘキサンで溶離するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製する。15%のEtOAc/ヘキサンで溶離するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより、再度精製し、無色の油状物として表題化合物(12.92g、86%)を得る。1H NMR(400.13MHz、d6−DMSO)δ7.33(d、J=5.1、1H)、6.77(d、J=5.1、1H)、3.92〜3.72(m、3H)、3.15〜2.91(s、2H)、2.62(dd、J=15.8、3.0、1H)、2.30(dd、J=15.8、10.6、1H)、2.1(m、1H)、1.76〜1.63(m、2H)、1.51〜1.40(m、1H)、1.38(s、9H)、1.24(d、J=6.2、3H)、SFCクロマトグラフィー、Luxアミロース−2、5mL/分、225nm、Rt=1.75分、または[α]20 D+82.1(c 1.00、CHCl3)に基づいて100%ee。
本質的に調製物8の方法によって、以下の化合物を調製する。
調製物10
tert−ブチル−5’−メチル−4’,5’−ジヒドロ−1H−スピロ[ピペリジン−4,7’−チエノ[2,3−c]ピラン]−1−カルボキシレート
トリフルオロ酢酸(34.16mL、451.8mmol)を0℃で、1−(3−チエニル)プロパン−2−オール(12.85g、90.35mmol)およびtert−ブチル4−オキソピペリジン−1−カルボキシレート(23.40g、117.5mmol)の乾燥DCM(135mL)中の溶液に滴下して加え、室温で17時間撹拌を続ける。混合物を濃縮乾固し、残渣をMeOHで希釈し、次いで、溶媒を減圧下で除去する。残渣をMeOH中に溶解し、イオン交換クロマトグラフィーにより精製する。所望の生成物を含有する画分を合わせ、減圧下でトルエン(3×)と共蒸発させて濃縮することで、粗5−メチルスピロ[4,5−ジヒドロチエノ[2,3−c]ピラン−7,4’−ピペリジン]の淡橙色固体を得る。DMAP(2.23g、18.07mmol)およびTEA(37.8mL、271.1mmol)を、0℃に冷却した、5−メチルスピロ[4,5−ジヒドロチエノ[2,3−c]ピラン−7,4’−ピペリジン](20.18g、90.35mmol)の乾燥DCM(90.35mL)中の溶液に滴下して加える。これに、乾燥DCM(27.1mL)中のジ−tert−ブチルジカーボネート(30.49g、135.5mmol)の溶液を滴下して加える。室温で一晩撹拌する。水(100mL)を加え、水層をDCM(3×100mL)で抽出し、ブライン(100mL)で洗浄し、減圧下で濃縮する。EtOAc:イソヘキサン(0:100〜20:80)で溶離するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製する。残渣をDCM(3×)で共蒸発させて、白色固体として表題化合物(27.64g、92.7%)を得る。質量スペクトル(m/z):346(M+Na)。
代替的調製物10a
tert−ブチル−5’−メチル−4’,5’−ジヒドロ−1H−スピロ[ピペリジン−4,7’−チエノ[2,3−c]ピラン]−1−カルボキシレート
トリフルオロ酢酸(20.17mL、266.72mmol)を0℃で、1−(3−チエニル)プロパン−2−オール(4.74g、33.34mmol)およびtert−ブチル4−オキソピペリジン−1−カルボキシレート(7.80g、38.34mmol)の乾燥DCM(100mL)中の溶液に滴下して加え、室温で一晩撹拌する。混合物を濃縮乾固し、残渣をMeOHで希釈する。粗物質をイオン交換クロマトグラフィーにより精製する。所望の生成物を含有する層を合わせ、減圧下でDCM(3×)と共蒸発させて濃縮することで、粗5−メチルスピロ[4,5−ジヒドロチエノ[2,3−c]ピラン−7,4’−ピペリジン](8.17g)を得る。DMAP(0.831g、6.67mmol)およびTEA(9.29mL、66.68mmol)を、0℃に冷却した、5−メチルスピロ[4,5−ジヒドロチエノ[2,3−c]ピラン−7,4’−ピペリジン](8.17g)の乾燥DCM(66.7mL)中の溶液に滴下して加える。これに、乾燥DCM(16.7mL)中のジ−tert−ブチルジカーボネート(18.19g、83.35mmol)の溶液を滴下して加える。室温で3日間撹拌する。水(60mL)を加え、水層をDCM(3×50mL)で抽出し、ブライン(20mL)で洗浄し、相分離器により濾過し、減圧下で濃縮する。EtOAc:イソヘキサン(0:100〜20:80)で溶離するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより、残渣を精製する。残渣をDCM(2×)で共蒸発させて、表題化合物(9.41g、80%)を得る。質量スペクトル(m/z):346(M+Na)。
本質的に代替的調製物10aの方法によって、以下の化合物を調製する。
調製物13
tert−ブチル2−ブロモ−4−メチル−スピロ[4,5−ジヒドロチエノ[2,3−c]ピラン−7,4’−ピペリジン]−1’−カルボキシレート
tert−ブチル4’−メチル−4’,5’−ジヒドロ−1H−スピロ[ピペリジン−4,7’−チエノ[2,3−c]ピラン]−1−カルボキシレート(4.73g、13.2mmol)のACN(112mL)中の溶液を0℃に冷却し、次いで、DMAP(0.162g、1.32mmol)およびNBS(2.60g、14.5mmol)を少しずつ加え、2.5時間攪拌を続けた。MTBE/イソヘキサン(1:1、100mL)の混合物を反応混合物に加え、50分間撹拌し、次いで、濃縮乾固する。残渣をDCM(100mL)中に溶解し、飽和水性Na223(45mL)、次いで、ブライン(25mL)で洗浄する。相分離カートリッジを通して濾過し、濃縮乾固させて、黄色油状物として表題化合物(5.69g、88.1%)を得る。質量スペクトル(m/z):424/426(M+Na)。
本質的に調製物13の方法によって、以下の化合物を調製する。
調製物15
1−(tert−ブトキシカルボニル)−5’−メチル−4’,5’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−チエノ[2,3−c]ピラン]−2’−カルボン酸
tert−ブチル−5’−メチル−4’,5’−ジヒドロ−1H−スピロ[ピペリジン−4,7’−チエノ[2,3−c]ピラン]−1−カルボキシレート(7.16g、21.71mmol)をTHF(108.5mL)中に溶解し、−78℃に冷却する。これにブチルリチウム(ヘキサン中2.5M、13mL、32.56mmol)を20分かけて滴下して加え、添加が完了した後さらに30分混合物を撹拌する。カニューレを介してCO2の気泡を添加し、連続的にCO2を添加しながら、この温度で撹拌を続ける。CO2を連続的に添加しながら反応物を2時間かけて0℃に温め、水(80mL)で注意深くクエンチする。反応混合物を水に注ぎ、水層をEt2O(100mL)で抽出する。有機相を、2NのNaOH(3×15mL)および水(50mL)で洗浄する。水層を2NのHCl(3×)でpH=6に酸性化し、EtOAcで抽出する。有機抽出物を合わせ、ブライン(50mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、表題化合物(7.89g、97%)をオフホワイト色固体として得る。質量スペクトル(m/z):390(M+Na)。
調製物16
1−(tert−ブトキシカルボニル)−4’,5’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−チエノ[2,3−c]ピラン]−2’−カルボン酸
tert−ブチル−4’,5’−ジヒドロ−1H−スピロ[ピペリジン−4,7’−チエノ[2,3−c]ピラン]−1−カルボキシレート(J.Med.Chem.、2011、54、(8)、pp2687−2700およびWO2011/060035に記載されているように調製する)(10g、32.32mmol)をTHF(100mL)中に溶解し、−78℃に冷却する。これにブチルリチウム(22.22mL、35.55mmol)を15分かけて滴下して加え、添加が完了した後さらに15分間混合物を撹拌する。カニューレを介してCO2の気泡を添加し、連続的にCO2を添加しながら、混合物を室温まで温めておく。2時間後、混合物を0℃に冷却し、水、次いで、Et2Oを加える。水層のpHを1NのNaOHで塩基性pHに調整し、有機層を1NのNaOHで洗浄する(3×)。塩基洗浄液を合わせ、5NのHClでpH2に酸性化する。水層をEtOAc(3×)で抽出し、有機抽出物を合わせ、ブラインで洗浄する。硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、表題化合物(11.11g、97.27%)を白色の固体として得る。質量スペクトル(m/z):352.2(M−H)。
本質的に調製物16の方法によって、以下の化合物を調製する。
調製物18
(5’S)−1−tert−ブトキシカルボニル)−5’−メチル−4’,5’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−チエノ[2,3−c]ピラン]−2’−カルボン酸
tert−ブチル(5’S)−5’−メチル−4’,5’−ジヒドロ−1H−スピロ[ピペリジン−4,7’−チエノ[2,3−c]ピラン]−1−カルボキシレート(11.19g、34.60mmol)を、無水THF(200mL)中に溶解し、−78℃に冷却する。n−ブチルリチウム(21mL、34.64mmol)を20分かけて滴下して加える。添加が完了した後、−78℃で20分間撹拌し、次いで、カニューレを介して60分間CO2ガスの気泡を添加する。CO2を連続的に添加しながら、混合物を室温に温める。室温で1時間撹拌した後、水(3mL)でクエンチし、減圧下で25%の容量まで濃縮する。Et2Oおよび水を加える。水で洗浄し(2×)、水性洗浄液を合わせる。1NのHClでpHを酸性pHに調整する。水層を塩化ナトリウムで飽和させ、EtOAc(2×)で抽出する。EtOAc抽出物を合わせ、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、表題化合物(13.40g、100%)を白色の泡状物質として得る。質量スペクトル(m/z):366(M−H)。
調製物19
O1’−tert−ブチルO2−メチル−スピロ[4,5−ジヒドロチエノ[2,3−c]ピラン−7,4’−ピペリジン]−1’,2−ジカルボキシレート
1−(tert−ブトキシカルボニル)−4’,5’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−チエノ[2,3−c]ピラン]−2’−カルボン酸(40.0g、129.27mL)をTHF(750mL)中に溶解し、−78℃に冷却する。T<−60℃になるように、45分間かけてn−ブチルリチウム(ヘキサン中1.6M、88.8mL、142.2mmol)を滴下して加える。添加後、15分間撹拌し、−78℃に冷却する。T<−50℃になるように、クロロギ酸メチル(15.0mL、193.9mmol)を15分かけて滴下して加える。添加後、60分間撹拌し、−78℃に冷却する。飽和水性重炭酸ナトリウム(100mL)でゆっくりクエンチし、周囲温度に温める。減圧下で約25%の容量まで濃縮し、Et2Oおよび水を加える。層を分離し、有機層を飽和水性重炭酸ナトリウム、次いで、ブラインで洗浄する。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮する。ヘキサン中0〜100%のEtOAcで溶離するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより、残渣を精製し、無色の泡状物質として表題化合物(37.39g、79%)を得る。1H NMR(400.13MHz、CDCl3)δ7.46(s、1H)、3.97(m、2H)、3.91(t、J=5.5Hz、2H)、3.84(s、3H)、3.12(m、2H)、2.69(t、J=5.5Hz、2H)、1.97(m、2H)、1.76(m、2H)、1.46(s、9H)。
調製物20
4’,5’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−チエノ[2,3−c]ピラン]−2’−カルボン酸メチル塩酸塩
1,4−ジオキサン(70mL、280mmol)中、O1’−tert−ブチルO2−メチル−スピロ[4,5−ジヒドロチエノ[2,3−c]ピラン−7,4’−ピペリジン]−1’,2−ジカルボキシレート(5.0g、13mmol)、1,4−ジオキサン(50mL)、MeOH(70mL)、およびHCl(4mol/L)を合わせる。45分間撹拌する。反応物を減圧下で濃縮して、オフホワイト色の固体として表題化合物(4.25g、100%粗製)を得、これをさらに精製することなく用いる。質量スペクトル(m/z):268(M−HCl+H)。
調製物21
1−(2,4−ジクロロベンジル)−4’,5’−ジヒドロベンジル)−4’,5’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−チエノ[2,3−c]ピラン]−2’−カルボン酸メチル
4’,5’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−チエノ[2,3−c]ピラン]−2’−カルボン酸メチル塩酸塩(4.25g、14.0mmol)、アセトニトリル(70mL)、2,4−ジクロロベンジルクロリド(2.2mL、16mmol)、およびDIPEA(10mL、57.3mmol)を合わせる。反応物を75℃に温め、1.75時間攪拌する。反応物を周囲温度に冷却し、減圧下で濃縮する。ヘキサン中0〜35%のEtOAcで溶離するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、薄い茶色の泡状物質として表題化合物(5.5g、92%)を得る。質量スペクトル(m/z):426/428/430(M+H)。
調製物22
1’−[(2,4−ジクロロフェニル)メチル]スピロ[4,5−ジヒドロチエノ[2,3−c]ピラン−7,4’−ピペリジン]−2−カルボン酸
1−(2,4−ジクロロベンジル)−4’,5’−ジヒドロベンジル)−4’,5’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−チエノ[2,3−c]ピラン]−2’−カルボン酸メチル(5.5g、13mmol)、MeOH(22mL)、THF(45mL)、および水(13mL)を合わせる。水酸化リチウム(1g、41.76mmol)を反応物に加え、周囲温度で6時間撹拌する。1NのHClでpHを4に調整する。水およびEtOAcを加えて、白色固体を濾別する。真空オーブン中、50℃で2日間乾燥して、表題生成物(5.25g、99%)を白色の固体として得る。質量スペクトル(m/z):412/414/416(M+H)。
調製物23
5−(エチルスルファニル)ピリジン−2−カルボニトリル
5−ブロモピリジン−2−カルボニトリル(49.42g、270.1mmol)および炭酸カリウム(113.5g、821.2mmol)を1−メチル−2−ピロリジノン(280mL)中に溶解し、温度が50℃未満になるように、エタンチオール(26.4mL、356mmol)を30分かけて少しずつ加える。反応物を室温に冷却し、一晩撹拌する。EtOAc(1200mL)および水(2200mL)で希釈する。有機層を収集し、ブライン(3×300mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで有機層を乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、表題化合物(44.87g、100%)をオフホワイト色固体として得る。1H NMR(400.13MHz、d6−DMSO)δ8.63(s、1H)、7.93(s、2H)、3.17(q、J=7.3、2H)、1.29(t、J=7.3、3H)。
調製物24
5−(エチルスルホニル)ピリジン−2−カルボニトリル
5−(エチルスルファニル)ピリジン−2−カルボニトリル(44.36g、270.1mmol)を無水DCM(540mL)中に溶解し、−20℃に冷却する。内部温度を0℃〜−10℃に維持しながら、3−クロロペルオキシ安息香酸(130g、565.0mmol)を10〜12gずつ1時間かけて加える。反応混合物を冷浴中で撹拌し、一晩で室温に温める。1NのNaOH(1L)、水、1NのNaOH(2x500mL)、およびブラインで洗浄する。硫酸ナトリウムで有機層を乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、表題化合物(49.52g、93%)を白色の固体として得る。1H NMR(400.13MHz、d6−DMSO)δ9.20(d、J=1.9,1H)、8.56(dd、J=2.0、8.1、1H)、8.36(d、J=8.1、1H)、3.52(q、J=7.3、2H)、1.16(t、J=7.5、3H)。
調製物24
1−[5−(エチルスルホニル)ピリジン−2−イル]メタンアミン塩酸塩
5−(エチルスルホニル)ピリジン−2−カルボニトリル(49.52g、252.4mmol)を16.5gずつ3つに分割する。2250mLのParrボトル中のN2下で、この容器に10%のPd/C(1.65g、15.5mmol)を加え、MeOH(750mL)で湿らせる。MeOH(750mL)中に溶解した5−(エチルスルホニル)ピリジン−2−カルボニトリル(16.5g、84.09mmol)を加える。HCl(6N水溶液、17.1mL、102.6mmol)を添加する。ボトルを密閉し、N2でパージし、H2でパージし、3時間室温で水素下で68.9kPaに加圧する。N2でパージし、次いで、混合物を濾過する。5−(エチルスルホニル)ピリジン−2−カルボニトリルの残りの部分について繰り返す。全ての濾液を合わせ、減圧下で濃縮して、表題化合物(59.61g、99%)をベージュ色の固体として得る。質量スペクトル(m/z):201(M+H−HCl)。
調製物25
1−[2−(トリフルオロメチル)ピリミジン−5−イル]エタノール
2−(トリフルオロメチル)ピリミジン−5−カルバルデヒド(11.31mmol、1.992g)をTHF(56.56mL)中に溶解し、0℃に冷却し、臭化メチルマグネシウム(Et2O中3M)(33.94mmol、11.31mL)をゆっくり加える。反応物を室温に温め、2.5時間撹拌する。1NのHClで反応をクエンチする。EtOAcを加え、1NのHClで洗浄する。硫酸ナトリウムで有機層を乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、表題化合物(1.663g、76.5%)を得る。質量スペクトル(m/z):193.0(M+H)。
調製物26
5−(1−ブロモエチル)−2−(トリフルオロメチル)ピリミジン
1−[2−(トリフルオロメチル)ピリミジン−5−イル]エタノール(1.663g、8.655mmol)およびトリフェニルホスフィン(3.405g、12.98mmol)をDCM(86.55mL)中に溶解し、室温でNBS(12.98mmol、2.311g)を加える。3時間後、反応液を減圧下で濃縮する。10%のEtOAc/ヘキサンで溶離するシリカゲルクロマトグラフィーにより残存する残渣を精製し、表題化合物(1.641g、74.34%)を得る。1H NMR(400.13MHz、d6−DMSO)δ9.26(s、2H)、5.63(q、J=7.0Hz、1H)、2.09(d、J=7.0Hz、3H)。
調製物27
3−(1−ブロモプロピル)−2−メチル−6−(トリフルオロメチル)ピリジン
2−メチル−6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−カルバルデヒド(0.25g、1.32mmol)をTHF(6mL)中に溶解し、0℃に冷却する。臭化エチルマグネシウム(Et2O中3.0M、1.32mL、3.96mmol)をゆっくり加える。混合物を0℃で90分間撹拌し、周囲温度に温める。混合物を1NのHClで洗浄し、有機物を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮する。得られた残渣を、30%のEtOAc/ヘキサンで溶離するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、1−[6−(トリフルオロメチル)−3−ピリジル]プロパン−1−オールの中間体(0.13g、0.61mmol)を得る。DCM(6mL)中に、1−[6−(トリフルオロメチル)−3−ピリジル]プロパン−1−オール(0.13g、0.61mmol)およびトリフェニルホスフィン(0.27g、1.03mmol)を溶解し、次いで、N−ブロモスクシンアミド(0.18g、0.18mmol)を加える。周囲温度で16時間撹拌する。減圧下で濃縮し、30%のEtOAc/ヘキサンで溶離するシリカゲルクロマトグラフィーにより得られた残渣を精製し、表題化合物(0.13g、76%)を得る。1H NMR(400.13MHz、CDCl3)δ7.96(d、J=8.2Hz、1H)、7.58(d、J=8.2Hz、1H)、5.09(m、1H)、2.70(s、3H)、2.34(m、1H)、2.21(m、1H)、1.09(t、J=7.3,3H)。
調製物28
1−[2−(トリフルオロメチル)チアゾール−5−イル]エタノール
2−(トリフルオロメチル)チアゾール−5−カルバルデヒド(2.00g、11.0mmol)をTHF(55mL)中に溶解し、0℃に冷却し、次いで、臭化メチルマグネシウム(Et2O中3.0M、5.50mL、17.0mmol)をゆっくり加える。周囲温度に温め、2時間撹拌する。1NのHClでクエンチする。EtOAcを加え、1NのHClで洗浄する。有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して、表題化合物(2.24g、100%)を油状物として得る。1H NMR(400.13MHz、d6−DMSO)δ7.97(s、1H)、6.08(d、J=4.8Hz、1H)、5.12(m、1H)、1.48(d、J=6.4、3H)。
調製物29
5−[1−ブロモエチル]−2−(トリフルオロメチル)−1,3−チアゾール
1−[2−(トリフルオロメチル)チアゾール−5−イル]エタノール(2.24g、11.39mmol)およびトリフェニルホスフィン(4.79g、17.08mmol)をDCM(113mL)中に溶解し、次いで、N−ブロモスクシンアミド(3.04g、17.08mmol)を加える。周囲温度で18時間撹拌する。減圧下で濃縮し、0〜20%のEtOAc/ヘキサンで溶離するシリカゲルクロマトグラフィーにより得られた残渣を精製し、表題化合物(2.35g、79%)を黄色油状物として得る。1H NMR(400.13MHz、d6−DMSO)δ8.26(s、1H)、5.98(q、J=6.8Hz、1H)、2.10(d、J=6.8、3H)。
調製物30
[4−メチル−2−(トリフルオロメチル)ピリミジン−5−イル]メタノール
4−メチル−2−(トリフルオロメチル)ピリミジン−5−カルボン酸エチル(4.05g、17.32mmol)を乾燥トルエン(87mL)中に溶解する。混合物を−10℃に冷却し、水素化ジイソブチルアルミニウム(ヘキサン中1.0M、39.8mL)を滴下して加える。混合物を一晩撹拌し、混合物を室温に温める。反応液を0℃に冷却し、硫酸ナトリウム十水和物(17.75g、121.2mmol)を少しずつ加える。混合物を室温に温め、3時間撹拌し、混合物を珪藻土を通して濾過し、トルエンですすぐ。全ての濾液を減圧下で濃縮して、表題化合物(2.55g、69%)を黄色油状物として得る。1H NMR(400.13MHz、CDCl3)δ8.82(s、1H)、4.83(s、2H)、2.62(s、3H)。
調製物31
[4−メチル−2−(トリフルオロメチル)ピリミジン−5−イル]メチルメタンスルホネート
[4−メチル−2−(トリフルオロメチル)ピリミジン−5−イル]メタノール(1.25g、5.86mmol)をDCM(12.5mL)中に溶解し、塩化メタンスルホニル(0.2mL、3mmol)、続いてトリメチルアミン(1mL、7.10mmol)を加える。2.5時間後、追加の塩化メタンスルホニル(0.2mL、3mmol)およびトリメチルアミン(1mL、7.10mmol)を加え、次いで、30分間撹拌する。DCM(30mL)で希釈し、水、次いで、ブラインで洗浄する。有機層を乾燥し、減圧下で濃縮して、表題化合物(1.76g、100%)を得る。質量スペクトル(m/z):271(M+H)。
調製物32
4−(ヒドロキシメチル)−2−メトキシ−5−メチル−ベンゾニトリル
4−ホルミル−2−メトキシ−5−メチル−ベンゾニトリル(204mg、1.16mmol)をEtOH(6mL)中に溶解し、水素化ホウ素ナトリウムを少しずつ加える(135mg、3.49mmol)。周囲温度で1時間撹拌し、減圧下で濃縮する。EtOAcを加え、飽和水性塩化アンモニウムで洗浄する。水層をEtOAcで洗浄し、有機層を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮して、表題化合物(186mg、1.05mmol)を得る。質量スペクトル(m/z):178(M+H)。
調製物33
(4−シアノ−5−メトキシ−2−メチル−フェニル)メチルメタンスルホネート
4−(ヒドロキシメチル)−2−メトキシ−5−メチル−ベンゾニトリル(0.19g、1.05mmol)およびトリメチルアミン(0.4mL、3.0mmol)をTHF(3.5mL)中に溶解し、塩化メタンスルホニル(0.1mL、1.0mmol)を加え、周囲温度で2時間撹拌する。混合物を減圧下で濃縮し、EtOAc中に再溶解する。水で洗浄し、硫酸ナトリウムで有機層を乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、表題化合物(0.25g、78%)を得、これをさらに精製することなく用いる。質量スペクトル(m/z):271(M+H+H2O)。
調製物34
[2−メチル−6−(トリフルオロメチル)−3−ピリジル]メチルメタンスルホネート
[2−メチル−6−(トリフルオロメチル)−3−ピリジル]メタノール(170mg、0.82mmol)をDCM(2.5mL)中に溶解し、0℃に冷却する。トリメチルアミン(0.23mL、1.64mmol)、続いてメタンスルホニルクロリド(0.076mL、0.98mmol)を滴下して加え、周囲温度に温め、30分間撹拌する。水およびDCMを加える。有機層を水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、表題化合物(0.17g、77%)を得、これをさらに精製することなく用いる。この物質は表題化合物と3−(クロロメチル)−2−メチル−6−(トリフルオロメチル)ピリジンとの混合物である。質量スペクトル(m/z):270(M+H)。
調製物35
1−[5−フルオロ−6−(トリフルオロメチル)−3−ピリジル]エタノン
5−ブロモ−3−フルオロ−2−(トリフルオロメチル)ピリジン(0.84mL、6.1mmol)を1,4−ジオキサン(31mL)中に溶解し、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.36g、0.31mmol)、続いてトリメチルアミン(1.3mL、9.3mmol)を加える。N2中で10分間バブリングすることによって混合物を脱気し、次いで、トリブチル(1−エトキシビニル)スタンナン(2.7mL、8.0mmol)を加え、4時間にわたって100℃に加熱する。反応物を周囲温度に冷却し、1NのHCl(25mL、25mmol)を加え、一晩撹拌する。水性飽和重炭酸ナトリウムで混合物をクエンチし、次いでEtOAcで抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮する。EtOAcおよびヘキサンで溶離するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーを用いて精製する。この物質をDCM中に再溶解し、飽和水性フッ化カリウム(25mL)を加えて、1時間撹拌する。層を分け、有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、表題化合物(1.3g、100%)を得る。1H NMR(400.13MHz、d6−DMSO)δ9.05(s、1H)、8.49(d、J=10.8Hz、1H)、2.69(s、3H)。
調製物36
1−[5−フルオロ−6−(トリフルオロメチル)−3−ピリジル]エタノール
1−[5−フルオロ−6−(トリフルオロメチル)−3−ピリジル]エタノン(1.4g、6.8mmol)をMeOH(35mL)中に溶解し、水素化ホウ素ナトリウム(100mg、2.6mmol)を15分かけて少しずつ加え、次いで、周囲温度で1時間撹拌する。飽和塩化アンモニウム(50mL)および水(50mL)を加え、次いで、DCM(2×100mL)で抽出する。有機層を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、表題化合物(1.2g、88%)を得る。質量スペクトル(m/z):210(M+H)。
調製物37
1‐[5‐フルオロ‐6‐(トリフルオロメチル)‐3‐ピリジル]エチルメタンスルホナート
1−[5−フルオロ−6−(トリフルオロメチル)−3−ピリジル]エタノール(1.3g、6.2mmol)をTHF(31mL)およびトリメチルアミン(2.2mL、16mmol)中に溶解する。メタンスルホニルクロリド(0.54mL、6.8mmol)のTHF(31mL)中溶液を加え、周囲温度で2時間撹拌する。減圧下で濃縮して、表題化合物(4.4g、77%)を得るが、これは、依然としてトリエチルアミン塩を含有している。さらに精製することなく、この材料を使用する。質量スペクトル(m/z):288(M+H)。
調製物38
5−フルオロ−6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−カルボン酸メチル
5−ブロモ−3−フルオロ−2−(トリフルオロメチル)ピリジン(1.00g、3.97mmol)を、無水MeOH(12mL)/ACN(18mL)中に溶解する。トリメチルアミン(1.5mL、11mmol)、酢酸パラジウム(II)(93mg、0.39mmol)、および1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(276mg、0.48mmol)を加え、次いで、密封し、CO(ガス)でパージする。COで689kPaに加圧し、1.5時間85℃に加熱し、周囲温度に冷却する。珪藻土を通して濾過し、減圧下で濾液を濃縮する。ヘキサン中の0〜100%のEtOAcで溶離するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーを用いて精製して、白色の固体として表題化合物(0.67g、73%)を得る。1H NMR(400.13MHz、d6−DMSO)δ9.05(s、1H)、8.50(d、J=10.5Hz、1H)、3.93(s、3H)。
調製物39
[5−フルオロ−6−(トリフルオロメチル)−3−ピリジル]メタノール
5−フルオロ−6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−カルボン酸メチル(0.60g、2.69mmol)をトルエン(30mL)中に溶解し、0℃に冷却し、水素化ジイソブチルアルミニウム(ヘキサン中1.0M、5.4mL、5.40mmol)を加える。0℃で2時間撹拌し、次いで、周囲温度に温めて、16時間撹拌する。混合物を0℃に冷却し、追加の水素化ジイソブチルアルミニウム(ヘキサン中1.0M、5.4mL、5.40mmol)を加える。4時間後、反応物を周囲温度に温め、硫酸ナトリウム(300mg、2.11mmol)を加える。1時間攪拌し、減圧下で濃縮して、表題化合物(0.27g、51%)を白色の固体として得る。質量スペクトル(m/z):196(M+H)。
調製物40
[5−フルオロ−6−(トリフルオロメチル)−3−ピリジル]メチルメタンスルホネート
[5−フルオロ−6−(トリフルオロメチル)−3−ピリジル]メタノール(268mg、1.37mmol)およびトリメチルアミン(0.35mL、2.50mmol)をTHF(15mL)中に溶解し、塩化メタンスルホニル(0.12mL、2.30mmol)を加える。2時間周囲温度で攪拌し、減圧下で濃縮して、粗製表題化合物(987mg、99%)を白色の固体として得る。質量スペクトル(m/z):274(M+H)。
調製物41
4−(1−ブロモエチル)−2−フルオロ−ベンゾニトリル
DCM(37mL)中に、2−フルオロ−4−(1−ヒドロキシエチル)ベンゾニトリル(0.62g、3.77mmol)およびトリフェニルホスフィン(1.48g、5.66mmol)を溶解し、NBS(1.01g、5.66mmol)を加える。混合物を周囲温度で一晩攪拌し、減圧下で濃縮し、ヘキサン中0〜40%のEtOAcの勾配で溶離するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーを用いて精製し、淡黄色の油状物として表題化合物(0.63g、73%)を得る。1H NMR(400.13MHz、d6−DMSO)δ7.95(m、1H)、7.73(d、J=10.6Hz、1H)、7.57(d、J=8.1Hz、1H)、5.54(q、J=6.8Hz、1H)、1.99(d、J=6.8hz,3H)。
調製物42
4−[(Z)−N’−ヒドロキシカルバムイミドイル]−2−メチル−安息香酸メチル
4−シアノ−2−メチル−安息香酸メチル(1.00g、5.71mmol)および塩酸ヒドロキシルアミン(0.59g、8.56mmol)を、MeOH(29mL)中で合わせ、DIPEA(1.6mL、9.13mmol)を加え、70℃で一晩加熱する。周囲温度に冷却し、減圧下で濃縮し、水を加え、1NのHClでpHを5に調整する。10%のイソプロピルアルコール/DCM(2×)で抽出する。有機層を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、表題化合物(1.19g、100%)を得る。質量スペクトル(m/z):209(M+H)。
調製物43
2−メチル−4−(5−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)安息香酸メチル
スクリューキャップバイアル中で、4−[(Z)−N’−ヒドロキシカルバムイミドイル]−2−メチル−安息香酸メチル(0.34g、1.66mmol)および無水酢酸(5.4g、51.10mmol)を合わせ、密封し、100℃に一晩加熱する。周囲温度に冷却し、Et2Oを加え、水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮する。ヘキサン中20〜50%のEtOAcの勾配で溶離する残渣をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーを用いて精製し、表題化合物(0.37g、97%)を得る。質量スペクトル(m/z):233(M+H)。
調製物44
[2−メチル−4−(5−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)フェニル]メタノール
2−メチル−4−(5−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)安息香酸メチル(0.37g、1.61mmol)をDCM(16mL)中で合わせ、0℃に冷却し、水素化ジイソブチルアルミニウム(THF中1.0M、6.2mL、6.2mmol)を加える。0℃で10分間撹拌し、周囲温度に温め、一晩撹拌する。飽和塩化アンモニウムでクエンチし、1NのHClを加え、EtOAc(2×)で抽出する。有機抽出物を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、表題化合物(0.13g、40%)を得る。質量スペクトル(m/z):205(M+H)。
調製物45
[2−メチル−4−(5−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)フェニル]メチルメタンスルホナート
THF(2.5mL)中で、[2−メチル−4−(5−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)フェニル]メタノール(0.13g、0.64mmol)およびトリメチルアミン(0.18mL、1.28mmol)を合わせ、0℃に冷却し、無水メタンスルホン酸(0.14g、0.77mmol)を加える。一晩撹拌して、反応物を周囲温度に温める。Et2Oを加え、水、続いてブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、表題化合物(0.18g、51%)を得る。質量スペクトル(m/z):283(M+H)。
調製物46
[4−メチル−2−(トリフルオロメチル)ピリミジン−5−イル]メタノール
4−メチル−2−(トリフルオロメチル)ピリミジン−5−カルボン酸(1.5g、7.3mmol)を1,2−ジメトキシエタン(36mL)中に溶解し、−15℃に冷却する。4−メチルモルホリン(0.81mL、7.3mmol)、続いてクロロギ酸イソブチル(0.95mL、7.3mmol)を加え、15分間撹拌する。溶液を濾過し、濾液を0℃に冷却する。水(5mL)中の水素化ホウ素ナトリウム(0.41g、10.8mmol)の溶液を加える。5分間撹拌し、水(35mL)およびEtOAcを加える。分離させ、有機層を収集し、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮乾固させて、表題化合物(1.16g、83%)を黄色油状物として得る。質量スペクトル(m/z):193(M+H)。
調製物47
4−メチル−2−(トリフルオロメチル)ピリミジン−5−カルバルデヒド
[4−メチル−2−(トリフルオロメチル)−5−ピリジル]メタノール(1.16g、6.04mmol)をDCM(60mL)中に溶解し、0℃に冷却する。二酸化マンガン(2.67g、30.7mmol)を加え、周囲温度に温め、18時間撹拌する。得られた混合物を珪藻土を通して濾過し、濾液を減圧下で濃縮する。DCM中0〜5%のMeOHの勾配で溶離するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、透明な油状物として表題化合物(0.26g、22%)を得る。1H NMR(400.13MHz、d6−DMSO)δ10.32(s、1H)、9.31(s、1H)、2.87(s、3H)。
調製物48
1−[4−メチル−2−(トリフルオロメチル)ピリミジン−5−イル]エタノール
4−メチル−2−(トリフルオロメチル)ピリミジン−5−カルバルデヒド(700mg、3.68mmol)をEt2O(37mL)中に溶解し、0℃に冷却する。臭化メチルマグネシウム溶液(Et2O中3.0M、1.2mL、3.6mmol)を滴下して加え、0℃で2時間撹拌する。飽和塩化アンモニウムでクエンチし、水を加える。水層をEt2O(4×)で抽出し、有機抽出物を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、表題化合物(0.68g、89%)を黄色油状物として得る。質量スペクトル(m/z):207(M+H)。
調製物49
1−[4−メチル−2−(トリフルオロメチル)ピリミジン−5−イル]エチルメタンスルホネート
1−[4−メチル−2−(トリフルオロメチル)ピリミジン−5−イル]エタノール(0.68g、3.3mmol)およびTEA(1.2mL、8.6mmol)をTHF(17mL)中に溶解する。塩化メタンスルホニルを加え、周囲温度で1時間撹拌する。混合物を減圧下で濃縮し、粗製表題化合物(2.2g、30%の純度、71%の収率)を得、これをさらに精製することなく用いる。質量スペクトル(m/z):285(M+H)。
調製物50
tert−ブチル(5’S)−2’−{[4−(エチルスルホニル)ベンジル)カルバモイル}−5’−メチル−4’,5’−ジヒドロ−1H−スピロ[ピペリジン−4,7’−チエノ[2,3−c]ピラン]−1−カルボキシレート
DIPEA(7.4mL、42mmol)、HOBT(1.80g、13mmol)、およびEDCI(3.13g、16.3mmol)を、(5’S)−1−tert−ブトキシカルボニル)−5’−メチル−4’,5’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−チエノ[2,3−c]ピラン]−2’−カルボン酸(4.44g、12.1mmol)および4−(エチルスルホニルフェニル)メタンアミン(3.42g、14.5mmol))のDCM(100mL)中スラリーに加え、周囲温度で16時間撹拌する。水を加え、DCM(3×100mL)で抽出する。DCM抽出物を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮する。ヘキサン中50〜100%のEtOAcで溶離するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより、残渣を精製し、白色固体として表題化合物(4.24g、64%)を得る。質量スペクトル(m/z):548(M+H)、571(M+Na)。
適切なアミンを用いて、本質的に調製物50の方法によって、以下の化合物を調製する。
調製物54
tert−ブチル(5’S)−2’−({[5−(エチルスルホニル)ピリジン−2−イル]メチル}カルバモイル)−5’−メチル−4’,5’−ジヒドロ−1H−スピロ[ピペリジン−4,7’−チエノ[2,3−c]ピラン]−1−カルボキシレート
1−[5−(エチルスルホニル)ピリジン−2−イル]メタンアミン塩酸塩(2.86g、10.5mmol)、(5’S)−1−tert−ブトキシカルボニル)−5’−メチル−4’,5’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−チエノ[2,3−c]ピラン]−2’−カルボン酸(3.50g、9.52mmol)、およびHOBt(1.44g、10.5mmol)を、無水THF(100mL)およびDMF(50mL)中に溶解する。DIPEA(4.98mL、28.6mmol)、続いてEDCI(2.01g、10.5mmol)を加え、室温で一晩撹拌しておく。減圧下で濃縮して、約40%の容量にし、次いで、EtOAcを加える。飽和重炭酸ナトリウム(2×)、水(2×)、ブライン(2×)で洗浄し、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮する。80%のEtOAc/ヘキサンを用いるシリカゲル上のクロマトグラフィーにより、灰色の泡状物質として表題化合物(4.51g、86%)を得る。質量スペクトル(m/z):550(M+H)。
調製物55
tert−ブチル2’−{[4−(エチルスルホニル)ベンジル)カルバモイル}−5’−メチル−4’,5’−ジヒドロ−1H−スピロ[ピペリジン−4,7’−チエノ[2,3−c]ピラン]−1−カルボキシレート
(4−エチルスルホニルフェニル)メタンアミン塩酸塩(4.8g、20mmol)1−(tert−ブトキシカルボニル)−5’−メチル−4’,5’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−チエノ[2,3−c]ピラン]−2’−カルボン酸(6.6g、17mmol)、およびTEA(9.5mL、68mmol)のDCM(66mL)中の溶液に、0℃で、T3P(登録商標)(1.67mol/L/EtOAc、15mL、26mmol)を加え、室温で16時間撹拌する。過剰の(4−エチルスルホニルフェニル)メタンアミン塩酸塩(0.80g、3.4mmol)およびT3P(登録商標)(EtOAc中1.67mol/L、2.0mL、3.4mmol)を反応混合物に加え、0℃に冷却し、室温で30分間撹拌する。DCM(100mL)で希釈し、NaHCO3の飽和溶液(100mL)でクエンチする。15分間撹拌し、次いで、有機層を相分離器を通して濾過し、減圧下で濃縮する。残渣を、MeOH:DCM(0:100〜5:95)で溶離するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、オフホワイト色の固体として表題化合物(7.45g、76%)を得る。質量スペクトル(m/z):548(M+H)、571(M+Na)。
調製物56
tert−ブチル2’−{[5−(エチルスルホニル)ピリジン−2−イル]メチル}カルバモイル)−5’−メチル−4’,5’−ジヒドロ−1H−スピロ[ピペリジン−4,7’−チエノ[2,3−c]ピラン]−1−カルボキシレート
1−[5−(エチルスルホニル)ピリジン−2−イル]メタンアミン塩酸塩(3.1g、13mmol)、1−(tert−ブトキシカルボニル)−5’−メチル−4’,5’−ジヒドロスピロピペリジン−4,7’−チエノ[2,3−c]ピラン]−2’−カルボン酸(3.9g、10mmol)を、無水DCM(52mL)中に溶解する。0℃に冷却し、トリメチルアミン(10mL、73mmol)、続いてEtOAc中のT3P(登録商標)(8.6g、14mmol)の1.67M溶液を滴下して加える。混合物を室温に温め、一晩撹拌する。注意深く水(50mL)を加え、室温で10分間撹拌する。水層をDCM(2×)で抽出し、次いで、有機層を合わせる。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮する。50%〜100%のEtOAc/ヘキサンの勾配で溶離するシリカゲルクロマトグラフィーにより粗製材料を精製し、表題化合物(4.89g、83%)を黄色の泡状物質として得る。質量スペクトル(m/z):550(M+H)。
調製物57
tert−ブチル(5’S)−2’−{[5−(エチルスルホニル)ピリジン−2−イル]メチル}カルバモイル)−5’−メチル−4’,5’−ジヒドロ−1H−スピロ[ピペリジン−4,7’−チエノ[2,3−c]ピラン]−1−カルボキシレート
1−[5−(エチルスルホニル)ピリジン−2−イル]メタンアミン塩酸塩(2.86g、10.5mmol)、(5’S)−1−tert−ブトキシカルボニル)−5’−メチル−4’,5’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−チエノ[2,3−c]ピラン]−2’−カルボン酸(3.50g、9.52mmol)、およびHOBT(1.44g、10.5mmol)を、無水THF(100mL)およびジメチルホルムアミド(50mL)中に溶解する。DIPEA(4.98mL、28.6mmol)、続いて1−(3−ジメチルアミノプロピ)−3−エチルカルボジイミデ塩酸塩を加え、室温で一晩撹拌しておく。減圧下で濃縮して、約40%の容量にし、次いで、EtOAcを加える。飽和重炭酸ナトリウム(2×)、水(2×)、ブライン(2×)で洗浄し、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮する。80%のEtOAc/ヘキサンを用いるシリカゲル上のクロマトグラフィーにより、灰色の泡状物質として表題化合物(4.51g、86%)を得る。質量スペクトル(m/z):550(M+H)。
調製物58
tert−ブチル2−[(5−エチルスルホニル−2−ピリジル)メチルカルバモイル]−4−メチル−スピロ[4,5−ジヒドロチエノ[2,3−c]ピラン−7,4’−ピペリジン]−1’−カルボキシレート
トルエン(56.8mL)中、tert−ブチル2−ブロモ−4−メチル−スピロ[4,5−ジヒドロチエノ[2,3−c]ピラン−7,4’−ピペリジン]−1’−カルボキシレート(5.68g、11.6mmol)、1−[5−(エチルスルホニル)ピリジン−2−イル]メタンアミン塩酸塩(3.29g、13.9mmol)、およびDIPEA(5.05mL、28.9mmol)を一緒に加え、続いて酢酸パラジウム(II)(85.8mg、0.382mmol)、および4,5−ビス−(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチルキサンテン(0.429g、0.741mmol)を加える。反応物を脱気し、CO(434kPa)を補充し、次いで、一晩90℃に加熱する。珪藻土のパッドを通して濾過し、EtOAc(2×120mL)で洗浄し、溶媒を濃縮して、茶色の泡状物質を得る。DCM/MeOH(100:0〜95:5)で溶離するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、茶色の泡状物質として表題化合物(5.33g、71%)を得る。質量スペクトル(m/z):572(M+Na)。
適切なアミンを用いて、本質的に調製物58の方法によって、以下の化合物を調製する。
調製物60
tert−ブチル(4’S)−2’−{[5−(エチルスルホニル)ピリジン−2−イル]メチル}カルバモイル)−4’−メチル−4’,5’−ジヒドロ−1H−スピロ[ピペリジン−4,7’−チエノ[2,3−c]ピラン]−1−カルボキシレート
tert−ブチル(4’S)−4’−メチル−4’,5’−ジヒドロ−1H−スピロ[ピペリジン−4,7’−チエノ[2,3−c]ピラン]−1−カルボキシレート(2.78g、8.59mmol)のACN(56mL)中の溶液を0℃に冷却し、次いで、NBS(2.2g、12.35mmol)およびDMAP(107mg、0.865mmol)を加え、室温で攪拌する。1時間後、濃縮乾固し、残渣をDCM中に溶解する。チオ硫酸ナトリウムの飽和水溶液、次いで、ブラインで洗浄する。有機物を集め、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮乾固させて、粗tert−ブチル(4S)−2−ブロモ−4−メチル−スピロ[4,5−ジヒドロチエノ[2,3−c]ピラン−7,4’−ピペリジン]−1’−カルボキシレートを得る。質量スペクトル424/426(M+Na)。圧力容器に、トルエン(34.6mL)中のtert−ブチル(4S)−2−ブロモ−4−メチル−スピロ[4,5−ジヒドロチエノ[2,3−c]ピラン−7,4’−ピペリジン]−1’−カルボキシレート(3.46g、8.59mmol)、(5−エチルスルホニル−2−ピリジル)メタンアミン塩酸塩(2.44g、10.3mmol)、およびDIPEA(3.75mL、21.5mmol)、続いて酢酸パラジウム(II)(63.6mg、0.283mmol)および4,5−ビス−(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチルキサンテン(0.328g、0.55mmol)を充填する。反応物を脱気し、一酸化炭素(434kPa)を補充し、次いで、一晩85℃に加熱する。珪藻土のパッドを通して濾過し、EtOAc(2×120mL)で洗浄し、溶媒を減圧下で濃縮する。DCM/MeOH(100:0〜95:5)で溶離するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、茶色の泡状物質として表題化合物(2.64g、56%)を得る。質量スペクトル(m/z):494(M−t−ブチル)、572(M+Na)。
調製物61
N−{[5−(エチルスルホニル)ピリジン−2−イル]メチル}−5’−メチル−4’,5’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−チエノ[2,3−c]ピラン]−2’−カルボキサミド二塩酸塩
tert−ブチル2’−{[5−(エチルスルホニル)ピリジン−2−イル]メチル}カルバモイル)−5’−メチル−4’,5’−ジヒドロ−1H−スピロ[ピペリジン−4,7’−チエノ[2,3−c]ピラン]−1−カルボキシレート(0.95g、1.68mmol)をMeOH(10mL)中に溶解し、ジオキサン(4.5mL、18mmol)中の4MのHClを加える。室温で1時間撹拌し、次いで、減圧下で濃縮して、表題化合物(0.86g、100%)を白色の固体として得る。質量スペクトル(m/z):450(M+H−2HCl))。
調製物62
(5’S)−N−{[5−(エチルスルホニル)ピリジン−2−イル]メチル}−5’−メチル−4’,5’,ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−チエノ[2,3,c]ピラン]−2’−カルボキサミド二塩酸塩
tert−ブチル(5’S)−2’−{[5−(エチルスルホニル)ピリジン−2−イル]メチル}カルバモイル)−5’−メチル−4’,5’−ジヒドロ−1H−スピロ[ピペリジン−4,7’−チエノ[2,3−c]ピラン]−1−カルボキシレート(1.14g、2.0mmol)を、1,4ジオキサン(10mL)およびMeOH(5mL)中に溶解する。ジオキサン(5.0mL、20mmol)中4MのHClを加え、室温で2時間撹拌する。約10mLに濃縮し、次いで、Et2Oを加え、一晩激しく撹拌する。ヘキサンを加え、濾過し、ヘキサンですすぎ、表題化合物(0.99g、91%)を淡黄色の固体として得る。質量スペクトル(m/z):450(M+H−2HCl))。
調製物63
(5’S)−N−{[4−(エチルスルホニル)ベンジル]−−5’−メチル−4’,5’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−チエノ[2,3−c]ピラン]−2’−カルボキサミド塩酸塩
tert−ブチル(5’S)−2’−{[4−(エチルスルホニル)ベンジル)カルバモイル}−5’−メチル−4’,5’−ジヒドロ−1H−スピロ[ピペリジン−4,7’−チエノ[2,3−c]ピラン]−1−カルボキシレート(8.54g、15.57mmol)の乾燥DCM(50mL)中の溶液へ、HCl(1,4−ジオキサン中4mol/L、15.6mL、62.4mmol)を加え、混合物を周囲温度で1.5時間撹拌する。得られた固体を濾過し、DCMですすぐ。固体を真空下で乾燥させて、表題化合物(6.57g、87%粗製)を得る。質量スペクトル(m/z):449(M+H−HCl)。
本質的に調製物63の方法によって、以下の化合物を調製する。
調製物71
(5S)−N−[(4−エチルスルホニルフェニル)メチル]−1’−[1−[3−フルオロ−4−[(E)−N’−ヒドロキシカルバムイミドイル]フェニル]エチル]−5−メチル−スピロ[4,5−ジヒドロチエノ[2,3−c]ピラン−7,4’−ピペリジン]−2−カルボキサミド
(5’S)−1−[1−(4−シアノ−3−フルオロフェニル)エチル]−N−[4−(エチルスルホニル)ベンジル]−5’−メチル−4’,5’−ジヒドロスピロピペリジン−4,7’−チエノ[2,3−c]ピラン]−2’−カルボキサミド(0.17g、0.28mmol)および塩酸ヒドロキシルアミン(0.029g、0.42mmol)をMeOH(1.5mL)中に懸濁させて、DIPEA(0.079mL、0.45mmol)を加え、次いで、60℃に15時間加熱する。周囲温度に冷却し、追加の塩酸ヒドロキシルアミン(0.029g、0.42mmol)およびDIPEA(0.079mL、0.45mmol)を加え、次いで、60℃で3時間加熱を再開する。周囲温度に冷却し、減圧下で濃縮する。残渣をEtOAc中に再溶解し、水で洗浄する。得られた固体をMeOHで溶解し、次いで、減圧下で濃縮して、スクシンアミド塩が混入した表題化合物(0.25g、138%)を得る。さらに精製することなく、この材料を使用する。質量スペクトル(m/z):629(M+H)。
調製物72
1−[1−(4−シアノフェニル)エチル]−N−[4−(メチルスルホニル)ベンジル]−4’,5’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−チエノ[2,3−c]ピラン]−2’−カルボキサミド
N−[4−(メチルスルホニル)ベンジル]−4’,5’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−チエノ[2,3−c]ピラン]−2’−カルボキサミド塩酸塩(1g、2.19mmol)およびDIPEA(0.68g、4.81mmol)を一緒にACN(25mL)中に加え、4−(1−ブロモエチル)ベンゾニトリル(0.59g、2.41mmol)を加え、混合物を室温で一晩撹拌する。溶液をEtOAcで希釈し、水(2×)、重炭酸塩(2×)、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮乾固する。0%〜5%のMeOH/DCMの勾配で溶離するシリカゲルクロマトグラフィーにより残渣を精製し、表題化合物(1.05g、100%粗製)を得る。
実施例1
(5’S)−N−{[5−(エチルスルホニル)ピリジン−2−イル]メチル}−5’−メチル−1−{[4−メチル−2−(トリフルオロメチル)ピリミジン−5−イル]メチル}−4’,5’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−チエノ[2,3,c]ピラン]−2’−カルボキサミド
実施例2
(5’R)−N−{[5−(エチルスルホニル)ピリジン−2−イル]メチル}−5’−メチル−1−{[4−メチル−2−(トリフルオロメチル)ピリミジン−5−イル]メチル}−4’,5’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−チエノ[2,3,c]ピラン]−2’−カルボキサミド
[4−メチル−2−(トリフルオロメチル)ピリミジン−5−イル]メタノール(0.53g、2.22mmol)をDCM(5mL)中に溶解し、TEA(1.0mLmL、7.10mmol)、続いてメタンスルホニルクロリド(0.2mL、3mmol)を加える。混合物を45分間撹拌する。DCMで希釈し、水で洗浄し、次いで、反応混合物を相分離器に通して、減圧下で濃縮し、[4−メチル−2−(トリフルオロメチル)ピリミジン−5−イル]メチルメタンスルホネートの中間体を得る。分離容器にて、N−{[5−(エチルスルホニル)ピリジン−2−イル]メチル}−5’−メチル−4’,5’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−チエノ[2,3−c]ピラン]−2’−カルボキサミド二塩酸塩(1.08g、2.23mmol)にACN(20mL)を加え、DIPEA(2.0mL、11.5mmol)を加え、混合物が全て溶解するまで撹拌する。[4−メチル−2−(トリフルオロメチル)ピリミジン−5−イル]メチルメタンスルホネートを加え、混合物を50℃で1.5時間加熱し、次いで、室温に冷却し、減圧下で濃縮する。DCMを加え、飽和重炭酸ナトリウムで洗浄し、次いで、混合物を相分離器に通過させる。有機層を減圧下で濃縮し、0%〜10%のEtOH/クロロホルムの勾配で溶離するシリカゲル上のクロマトグラフに付して、ラセミ表題化合物を得る。ラセミ混合物を、SFC[AD−ICカラム(30×250mm、5μ)、および50%のIPA(20mMのNH3)で溶離、125mL/分、16分毎に8.5mL(200mg)の注入;温度=35℃、背圧=100バール、260nmでのUV検出]によるキラルクロマトグラフィーにより分離する。分析条件:SFC(220nm UV)、カラム:AD−IC 30×250mm、5μ、移動相:50%のIPA(20mMのNH3)。分離した生成物をACN(0.6mL)中に溶解し、次いで、室温で結晶化させる。過剰の溶媒をN2流下で除去して、0.41g、44%、>99%ee、Rt=1.85分、質量スペクトル(m/z):624(M+H)の実施例1の表題化合物、および0.41g、44%、97.9%ee、Rt=2.59分、質量スペクトル(m/z):624(M+H))の実施例2の表題化合物を得る。
本質的に実施例1の方法によって、以下の化合物を調製する。反応温度は、約50℃〜65℃の範囲であり得る。
代替的合成例1
(5’S)−N−{[5−(エチルスルホニル)ピリジン−2−イル]メチル}−5’−メチル−1−{[4−メチル−2−(トリフルオロメチル)ピリミジン−5−イル]メチル}−4’,5’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−チエノ[2,3、c]ピラン]−2’−カルボキサミド
(5’S)−N−{[5−(エチルスルホニル)ピリジン−2−イル]メチル}−5’−メチル−4’,5’,ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−チエノ[2,3,c]ピラン]−2’−カルボキサミド二塩酸塩(3.0g、4.9mmol)および[4−メチル−2−(トリフルオロメチル)ピリミジン−5−イル]メチルメタンスルホネート(1.58g、5.86mmol)を無水ACN(65mL)中に溶解し、次いで、DIPEA(5.1mL、29mmol)を加え、65℃で1.75時間加熱する。室温に冷却し、減圧下で濃縮する。DCMを加え、水で、続いてブラインで洗浄し、混合物を相分離器に通過させる。有機層を減圧下で濃縮し、0%〜5%のMeOH/DCMの勾配で溶離するシリカゲル上のクロマトグラフに付す。ACNから材料を再結晶し、濾過し、Et2Oですすぎ、得られた固体を真空オーブン中で乾燥させて、表題化合物(1.65g、54%)を得る。質量スペクトル(m/z):624(M+H)。
本質的に代替的実施例1の方法により、以下の化合物を調製する。反応温度は室温から約40〜70℃まで変化し、反応時間は約1時間から3日間まで変化し得る。
実施例13
(5’R)−N−[4−(エチルスルホニル)ベンジル]−5’−メチル−1−{(1S)−1−[2−(トリフルオロメチル)ピリミジン−5−イル]エチル}−4’,5’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−チエノ[2,3−c]ピラン]−2’−カルボキサミド
実施例14
(5’S)−N−[4−(エチルスルホニル)ベンジル]−5’−メチル−1−{(1S)−1−[2−(トリフルオロメチル)ピリミジン−5−イル]エチル}−4’,5’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−チエノ[2,3−c]ピラン]−2’−カルボキサミド
実施例15
(5’R)−N−[4−(エチルスルホニル)ベンジル]−5’−メチル−1−{(1R)−1−[2−(トリフルオロメチル)ピリミジン−5−イル]エチル}−4’,5’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−チエノ[2,3−c]ピラン]−2’−カルボキサミド
実施例16
(5’S)−N−[4−(エチルスルホニル)ベンジル]−5’−メチル−1−{(1R)−1−[2−(トリフルオロメチル)ピリミジン−5−イル]エチル}−4’,5’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−チエノ[2,3−c]ピラン]−2’−カルボキサミド
N−{[4−(エチルスルホニル)ベンジル]−5’−メチル−4’,5’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−チエノ[2,3−c]ピラン]−2’−カルボキサミド塩酸塩(14.09g,26.44mmol)および5−(1−ブロモエチル)−2−(トリフルオロメチル)ピリミジン(8.767g、34.37mmol)をACN(5mL/g、55.2g、1340mmol、70.47mL)中に懸濁し、DIPEA(27.7mL、158.6mmol)を加え、次いで、反応混合物を60℃で75分間加熱する。混合物を濃縮乾固させ、DCM(200mL)で希釈し、水(200mL)およびブライン(200mL)で洗浄する。硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、残渣を減圧下で濃縮する。残渣を、MeOH:DCM(0:100〜5:95)で溶離するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、ラセミ混合物(11.1g)を得る。エナンチオマーを、SFC[AD−Hカラム(30×250mm、5μ)、および35%のIPA(20mMのNH3)を用いる、280mL/分、8分毎に8mL(175mg)の注入;温度=35℃、背圧=100バール、260nmでのUV検出]によるキラルクロマトグラフィーにより分離する。ACN/水(1:2)中で凍結乾燥して、表題化合物を得る。分析条件:SFC(220nmUV)、カラム:AD−H100×4.6mm、5μ、移動相:27%のIPA(1%のMeOH中2MのNH3)/73%のCO2、均一溶媒、カラム温度35℃、流速=5mL/分、背圧=100バール]。実施例13の表題化合物(2.66g、15%、100%ee、Rt=1.70分)、質量スペクトル(m/z):623(M+H)、実施例14の表題化合物(2.78g、16%、98.64%ee、97.3%de、Rt=2.10分)、質量スペクトル(m/z):623(M+H)、および実施例15の表題化合物(2.74g、16%、98%ee、96.5%de、Rt=2.60分)、質量スペクトル(m/z):623(M+H)。同じ条件を用いるSFCによるキラルクロマトグラフィーを用いて実施例16を再度精製して、マイナーな異性体を除去し、ACN/水中で凍結乾燥し、実施例16の表題化合物(2.60g、16%、100%ee)、Rt=4.02分、質量スペクトル(m/z):623(M+H)を得る。
VCDにより、これらの材料の絶対配置を割り当てる。VCD分光計=DualPEMを備えたChiralIR−2X;8.9mg/100μL、4.6mg/100μL;解像度=cm−1;PEM=1400cm−1;72000スキャン、24時間;BaF2セル、経路長=100μm。MolMec計算で使用される力場=MMF94S、MMFF、SYBYL。DFT計算のための方法論と基底設定=SCRF−B3LYP/6−31G(d)。信頼度=99%。
実施例14の代替的調製:
(5’S)−N−[4−(エチルスルホニル)ベンジル]−5’−メチル−1−{(1S)−1−[2−(トリフルオロメチル)ピリミジン−5−イル]エチル}−4’,5’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−チエノ[2,3−c]ピラン]−2’−カルボキサミド
代替調製実施例16
(5’S)−N−[4−(エチルスルホニル)ベンジル]−5’−メチル−1−{(1R)−1−[2−(トリフルオロメチル)ピリミジン−5−イル]エチル}−4’,5’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−チエノ[2,3−c]ピラン]−2’−カルボキサミド
(5’S)−N−[4−(エチルスルホニル)ベンジル]−5’−メチル−4’,5’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−チエノ[2,3−c]ピラン]−2’−カルボキサミド塩酸塩(10.73g、22.11mmol)および5−(1−ブロモエチル)−2−(トリフルオロメチル)ピリミジン(6.85g、26.85mmol)を、ACN(100mL)中に懸濁し、炭酸カリウム(5.00g、36.17mmol)を加える。反応混合物を2時間還流しながら加熱する。混合物を周囲温度に冷却し、炭酸カリウム(10.00g、72.34mmol)を加え、18時間撹拌する。炭酸カリウム(2.50g、18.08mmol)を加え、1時間加熱還流し、次いで、周囲温度に冷却する。混合物を濾過し、EtOAcですすぎ、次いで、混合物を減圧下で濃縮する。混合物をEtOAc(100mL)で希釈し、水(100mL)およびブライン(100mL)で洗浄する。硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、残渣を減圧下で濃縮して、粗生成物(14.74g)を得る。エナンチオマーを、SFC[AD−Hカラム(5×15cm、27%のIPA(20mMのNH3)を用いる、300mL/分、8分毎に8mL(175mg)の注入;温度=35℃、背圧=100バール、280nmでのUV検出]によるキラルクロマトグラフィーにより分離する。分析条件:SFC(220nm UV)、カラム:AD−H 100×4.6mm、5μ、移動相:40%のIPA/60%のCO2、均一溶媒。分離した生成物をACN(5mL)中に溶解し、次いで、室温で結晶化させる。過剰の溶媒をN2流下で除去して、実施例14の表題化合物(5.35g、39%、>99%ee、>99%de、Rt=0.95分)、質量スペクトル(m/z):623(M+H)、および実施例16の表題化合物(5.49g、40%、>99%ee、>99%de、Rt=1.68分)、質量スペクトル(m/z):623(M+H)を得る。
実施例17
N−[4−(メチルスルホニル)ベンジル]−1−[4−(トリフルオロメチル)ベンジル]−4’,5’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−チエノ[2,3−c]ピラン]−2’−カルボキサミド
N−[4−(メチルスルホニル)ベンジル]−4’,5’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−チエノ[2,3−c]ピラン]−2’−カルボキサミド塩酸塩(0.95g、2.08mmol)および4−トリフルオロメチルベンジルブロミド(0.55g、2.29mmol)をACN(42mL/g、40mL)中に懸濁し、DIPEA(0.80mL、4.57mmol)を加え、次いで、周囲温度で18時間撹拌する。混合物を濃縮乾固し、EtOAcで希釈し、水性飽和重炭酸ナトリウムおよびブラインで洗浄する。硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、残渣を減圧下で濃縮する。残渣を、MeOH:DCM(0:100〜5:95)で溶離するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、凍結乾燥して、白色の固体として表題化合物(0.84g、70%の収率)を得る。質量スペクトル(m/z):579(M+H)。
適切な臭化ベンジルまたは塩化ベンジル出発物質を使用して、室温〜約75℃の範囲の温度で、かつ1〜23時間または適切な場合は23時間以上撹拌して、本質的に実施例17の方法により、以下の化合物を調製する。
実施例37
(5’R)−N−{[5−(エチルスルホニル)ピリジン−2−イル]メチル}−5’−メチル−1−{1−[2−(トリフルオロメチル)−1,3−チアゾール−5−イル]]エチル}−4’,5’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−チエノ[2,3−c]ピラン]−2’−カルボキサミド異性体1
および実施例38
(5’R)−N−{[5−(エチルスルホニル)ピリジン−2−イル]メチル}−5’−メチル−1−{1−[2−(トリフルオロメチル)−1,3−チアゾール−5−イル]]エチル}−4’,5’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−チエノ[2,3−c]ピラン]−2’−カルボキサミド異性体2
(5’R)−N−{[5−(エチルスルホニル)ピリジン−2−イル]メチル}−5’−メチル−1−{1−[2−(トリフルオロメチル)−1,3−チアゾール−5−イル]]エチル}−4’,5’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−チエノ[2,3−c]ピラン]−2’−カルボキサミド(137mg)を、MeOH(1.5mL)、DCM(0.2mL)の混合物中に溶解し、MeOH(1mL)ですすぐ。(5’R)−N−{[5−(エチルスルホニル)ピリジン−2−イル]メチル}−5’−メチル−1−{1−[2−(トリフルオロメチル)−1,3−チアゾール−5−イル]]エチル}−4’,5’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−チエノ[2,3−c]ピラン]−2’−カルボキサミドの異性体を、HPLCによるキラルクロマトグラフィー[ChiralpakIAカラム(30×250mm)、20mL/分で、20%のACN:80%のIPA(w/0.2%IPAm)を用いる、2.7mLの総容量、0.2mLの注入(注入あたり約10.1mg)、225nmにてUV検出(250nmにてモニター)]を用いて分離する。分析条件:4/1のIPA(0.2%のIPAm)/ACN1.0mL/分、225nmで検出するChiralpakカラム[IA(4.6×150mm)]。実施例37、異性体1(47.78mg、de>99%、Rt=3.22分)および実施例38、異性体2(42mg)を得る。同じ条件を用いて実施例38、異性体2を再処理し、実施例38、異性体2(26.23mg、de91.4%、Rt=4.24分)を得る。凍結乾燥して、実施例37、異性体1の表題化合物(43mg、30.7%)、質量スペクトル(m/z):629.2(M+H)、および実施例38、異性体2(23mg、16.4%)、質量スペクトル(m/z):629.2(M+H)をオフホワイト色の固体として得る。
HPLCキラルクロマトグラフィーまたはSFCキラルクロマトグラフィーを使用して、本質的に実施例37および38の方法により、以下の化合物を精製する。典型的なSFCシステムは、カラム:ChiralpakAD−H、20×150mm。移動相:40%のEtOH(w/0.2%のIPAm):60%のCO2;流速:80mL/分;BPR設定点:100バール;BPR温度:20℃;カラム温度:40℃;検出:280nm、である。
実施例70
1−(2,4−ジクロロベンジル)−N−[4−(エチルスルホニル)ベンジル]−4’,5’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−チエノ[2,3−c]ピラン]−2’−カルボキサミド
1’−[(2,4−ジクロロフェニル)メチル]スピロ[4,5−ジヒドロチエノ[2,3−c]ピラン−7,4’−ピペリジン]−2−カルボン酸(600mg、1.455mmol)、(4−エチルスルホニルフェニル)メタンアミン塩酸塩(0.377g、1.60mmol)、HBTU(686mg、1.75mmol)、TEA(1mL、7.17mmol)、およびDCM(15mL)を合わせ、4時間撹拌する。反応を水でクエンチし、EtOAc(3×)で抽出する。有機抽出物を合わせ、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、無色の残渣を得る。残渣にアセトニトリルを加えて、超音波処理する。残渣を濾過し、真空オーブン中50℃で一晩乾燥させて、表題化合物(627mg、72.6%)を得る。質量スペクトル(m/z):593.2/595.2(M+H)。
実施例71
1−(3−ブロモ−2,4−ジフルオロベンジル)−N−[4−(メチルスルホニル)ベンジル]−4’,5’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−チエノ[2,3−c]ピラン]−2’−カルボキサミド
N−{[4−(メチルスルホニル)ベンジル]−4’,5’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−チエノ[2,3−c]ピラン]−2’−カルボキサミド塩酸塩(0.30g、0.66mmol)、および3−ブロモ−2,4−ジフルオロ−ベンズアルデヒド(0.43g、1.97mmol)をDCM(0.05M、13mL)中に溶解し、DIPEA(0.34mL、1.97mmol)、続いてトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(0.69g、3.28mmol)を加え、容器を密閉し、40℃で18時間加熱する。周囲温度に冷却し、水を加える。水層をDCM(3×)で抽出し、有機抽出物を合わせる。減圧下で材料を濃縮し、MeOH:DCM(3:97〜5:95)中の2Mのアンモニアで溶離する回転式シリカゲルクロマトグラフィーにより残渣を精製し、表題化合物(0.368g、90%)を白色の泡状物質として得る。質量スペクトル(m/z):627(M+H)。
本質的に実施例71の方法によって、以下の化合物を調製する。反応時間は、約3時間から一晩まで変動し得る。
実施例75
1−(4−シアノ−3−メチルベンジル)−N−[4−(エチルスルホニル)ベンジル]−4’,5’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−チエノ[2,3−c]ピラン]−2’−カルボキサミド
マイクロ波バイアル中、N−{[4−(エチルスルホニル)ベンジル]−4’,5’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−チエノ[2,3−c]ピラン]−2’−カルボキサミド塩酸塩(0.25g,0.53mmol)、および4−ホルミル−2−メチル−ベンゾニトリル(0.12g、0.83mmol)を、DMF(8mL)および水(2mL)中に溶解する。容器を密封し、マイクロ波で100℃に5分間加熱する。周囲温度に冷却し、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(0.23g、1.06mmol)のDMF(5mL)中溶液に加える。反応物を12時間撹拌し、DCMで抽出する。有機層を窒素流下で濃縮し、EtOAc/ヘキサンを使用するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(0.14g、47%)を白色の泡状物質として得る。質量スペクトル(m/z):564(M+H)。
実施例76
1−[1−(4−シアノフェニル)エチル]−N−{[5−(エチルスルホニル)ピリジン−2−イル]メチル}−4’−メチル−4’,5’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’]−チエノ[2,3−c]ピラン]−2’−カルボキサミド
実施例77
(4’S)−1−[(1S)−1−(4−シアノフェニル)エチル]−N−{[5−(エチルスルホニル)ピリジン−2−イル]メチル}−4’−メチル−4’,5’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−チエノ[2,3−c]ピラン]−2’−カルボキサミド
実施例78
1−[1−(4−シアノフェニル)エチル]−N−{[5−(エチルスルホニル)ピリジン−2−イル]メチル}−4’−メチル−4’,5’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−チエノ[2,3−c]ピラン]−2’−カルボキサミド異性体4
N−[(5−エチルスルホニル−2−ピリジル)メチル]−4−メチル−スピロ[4,5−ジヒドロチエノ[2,3−c]ピラン−7,4’−ピペリジン]−2−カルボキサミド塩酸塩(1.02g、1.57mmol)、および4−(1−ブロモエチル)ベンゾニトリル(0.439g、1.98mmol)を、乾燥ACN(11mL)中に懸濁し、DIPEA(2.75mL、15.7mmol)を加え、次いで、反応混合物を60℃で2.5時間加熱する。過剰な4−(1−ブロモエチル)ベンゾニトリル(0.226g、1.02mmol)を加え、50℃で一晩加熱する。濃縮乾固し、SCXカートリッジを使用して、MeOH(150mL)、続いてMeOH(150mL)中2NのNH3で溶離することにより、残渣を精製する。MeOH/DCM(0:100〜10:90)で溶離するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーによりさらに精製し、橙色の泡状物質として実施例76の表題化合物(0.898mg、91%)を得る。異性体を、SFC、AD−Hカラム(30×250mm、5μ)、および60%のIPA(20mMのNH3)を用いる、100mL/分、8分毎に2mLの注入;温度=35℃、背圧=100バール、260nmでのUV検出]によるキラルクロマトグラフィーにより分離して、実施例78、異性体4と、実施例77の不純な混合物とを得る。実施例77を、SFC、OD−Hカラム(21.2×250mm、5μ)、35%のMeOH(20mMのNH3)を70mL/分で用いる、384秒毎に2.4mLの注入、温度=35℃、背圧=100バール、260nmでのUV検出、によるキラルクロマトグラフィーにより分離する。ACN/水(1:2)中で凍結乾燥して、実施例77の表題化合物を得る。分析条件:SFC(220nmUV)、カラム:AD−H100×4.6mm、5μ、移動相:40%のIPA(1%のMeOH中2MのNH3)/73%のCO2、均一溶媒、カラム温度35℃、流速=5mL/分、背圧=100バール。実施例77の表題化合物(0.144g、18%、Rt=2.66分)、質量スペクトル(m/z):579(M+H)、および実施例78の表題化合物(0.173g、20%、100%ee、Rt=6.58分)、質量スペクトル(m/z):579(M+H)。
代替調製実施例77
(4’S)−1−[(1S)−1−(4−シアノフェニル)エチル]−N−{[5−(エチルスルホニル)ピリジン−2−イル]メチル}−4’−メチル−4’、5’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−チエノ[2,3−c]ピラン]−2’−カルボキサミド
(4’S)−N−{[5−(エチルスルホニル)ピリジン−2−イル]メチル}−4’−メチル−4’,5’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−チエノ[2,3−c]ピラン]−2’−カルボキサミド(1.28g、2.672mmol)を、[(1R)−1−(4−シアノフェニル)エチル]メタンスルホネート(1.34g、4.94mmol)および炭酸カリウム(1.48g、10.69mmol)ACN(12.8mL)中懸濁液へ加え、室温で攪拌する。おおよそ22時間後に過剰の炭酸カリウム(0.369g、2.67mmol)を加え、24時間にわたり撹拌を維持する。MeOHで希釈し、無機物を濾過し、濃縮乾固する。イオン交換クロマトグラフィーおよびシリカ上のフラッシュクロマトグラフィー(DCM/MeOH:0:100〜5:95)により残渣を精製する。残渣を凍結乾燥して、表題化合物(649.75mg、42%)を得る。残りの残渣をDCM中に溶解し、溶媒を除去し、凍結乾燥して、表題化合物の第二のバッチを得、合わせた収量は(810.13mg、52%)である。分析条件:SFC(220nmUV)、カラム:OD−H100×4.6mm、5μ、移動相:27%のMeOH(MeOH中1%の2MのNH3)/73%のCO2、均一溶媒、カラム温度35℃、流速=5mL/分、背圧=100バール]、100%ee、Rt=3.86分。質量スペクトル(m/z):579(M+H)、601(M+Na)。
実施例79
(5’S)−N−[4−(エチルスルホニル)ベンジル]−1−{1−[3−フルオロ−4−(1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)フェニル]エチル}−5’−メチル−4’,5’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−チエノ[2,3−c]ピラン]−2’−カルボキサミド
(5S)−N−[(4−エチルスルホニルフェニル)メチル]−1’−[1−[3−フルオロ−4−[(E)−N’−ヒドロキシカルバムイミドイル]フェニル]エチル]−5−メチル−スピロ[4],5−ジヒドロチエノ[2,3−c]ピラン−7,4’−ピペリジン]−2−カルボキサミド(0.24g、0.39mmol)、およびオルトギ酸トリメチル(0.95g、9.0mmol)を含有するスクリューキャップバイアル中に、三フッ化ホウ素ジエチルエーテラート(0.005g、0.039mmol)を加え、次いで、バイアルを密封し、一晩100℃に加熱する。周囲温度に冷却し、MeOH(3%)/EtOAc(50〜80%)/ヘキサンで溶離するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより得られた残渣を精製し、表題化合物(0.11g、44%)を得る。質量スペクトル(m/z):639(M+1)。
実施例80
(5’S)−N−[4−(エチルスルホニル)ベンジル]−1−{1−[3−フルオロ−4−(1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)フェニル]エチル}−5’−メチル−4’,5’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−チエノ[2,3−c]ピラン]−2’−カルボキサミド異性体1
実施例81
(5’S)−N−[4−(エチルスルホニル)ベンジル]−1−{1−[3−フルオロ−4−(1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)フェニル]エチル}−5’−メチル−4’,5’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−チエノ[2,3−c]ピラン]−2’−カルボキサミド異性体2
キラルクロマトグラフィー:キラルパックIAカラム(30×250mm、30mL/分で20mMのNH3を含む40%のACN/60%のEtOHを用いて、0.3mLの注入(1回の注入につき70mg)により、(5’S)−N−[4−(エチルスルホニル)ベンジル]−1−{1−[3−フルオロ−4−(1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)フェニル]エチル}−5’−メチル−4’,5’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−チエノ[2,3−c]ピラン]−2’−カルボキサミド、実施例67のエナンチオマーを分離する。分析条件:キラルパックIA(4.6×150mm、225nm)、3/2のEtOH/ACN0.2%のIPAmで溶離、流速1.0mL/分、ならびに実施例80の表題化合物(39mg、37%、Rt=2.35、100%de)、質量スペクトル(m/z):639(M+1)、および実施例81(33mg、31%、Rt=4.25、>99%de)、質量スペクトル(m/z):639(M+1)。
生物学的アッセイ
RORα、β、およびγ結合阻害剤
Hisタグ付きヒトRAR関連オーファン受容体アルファ(hRORα)、ヒトRAR関連オーファン受容体ベータ(hRORβ)、およびヒトRAR関連オーファン受容体ガンマ(hRORγ)を受容体−リガンド競合結合アッセイに使用して、Ki値を決定する。典型的な手順を以下に提供する。
受容体競合結合アッセイを、DPBS(1L)(Hyclone #SH30028.03)、2.2gのBSA Fraction v(Roche #9048−46−8)、100mLのグリセロール(Fischer #56−81−5)、および40mLのDMSO(試薬グレード)からなる緩衝液中で行う。最終ウェルは、20μg/mLのアプロチニンおよび20μg/mLのロイペプチンおよび10μMのPefablocを含有する。典型的には、受容体結合アッセイは、ウェル当たり、アルファ結合用の7nMの[3H]−25−ヒドロキシコレステロール、ベータ結合用の20nMの[3H]−3−[[4−[[3−(2,6−ジクロロフェニル)−5−イソプロピル−イソキサゾール−4−イル]メトキシ]−N,2−ジメチル−アニリノ]メチル]安息香酸、およびガンマ結合用の6nMの[3H]−25−ヒドロキシコレステロール、ならびに0.5μgのRORα受容体、0.03μgのRORβ受容体、または0.13μgのRORγ受容体が含まれる。アッセイは、典型的には、96ウェル形式で行う。競合する試験化合物を約0.4nMから25μMの範囲の様々な濃度で添加する。非特異的結合を、RORαおよびRORγの結合については250nMの25−ヒドロキシコレステロール、RORβ結合については250nMの3−[[4−[[3−(2,6−ジクロロフェニル)−5−イソプロピル−イソキサゾール−4−イル]メトキシ]−N,2−ジメチル−アニリノ]メチル]安息香酸の存在下で決定する。試料、標識、および受容体の溶液を、96ウェルアッセイプレート(Costar 3632)中で組み合わせ、室温で一晩インキュベートした後、最終ビーズ濃度1mg/ウェルの25μlのビーズ(Amersham YSi(2〜5ミクロン)copper His−tag Spa Beads、#RPNQ0096)を各反応物に添加する。プレートをオービタルシェーカー上で室温で30分間混合する。4時間インキュベートした後、プレートをWallac MICROBETA(登録商標)計数器で読み取る。
このデータは、4パラメータロジスティック適合を使用して推定IC50を計算するために使用する。RORaおよびRORgについての[3H]−25−ヒドロキシコレステロール、ならびにRORbについての[3H]−3−[[4−[[3−(2,6−ジクロロフェニル)−5−イソプロピル−イソキサゾール−4−イル]メトキシ]−N,2−ジメチル−アニリノ]メチル]安息香酸のKdを、飽和結合によって決定する。化合物のIC50値を、Cheng−Prushoff式を使用してKiに変換する。
次の例示化合物の結果を以下の表15に示す。
これらの結果により、表15の化合物が、RORαおよびRORβに対してRORγに選択的であることが示される。
HEK293 RORg GAL4受容体−レポーターアッセイ
逆作動薬活性の指標として、RAR関連オーファン受容体ガンマ(RORg)受容体−受容体アッセイ(RORg−GAL4/pGL4.31)をHEK293細胞において実施する。HEK293細胞を、Fugene(登録商標)試薬を使用して同時トランスフェクトする。GAL4結合ドメインおよび蛍ルシフェラーゼ遺伝子の上流の最小アデノウイルスプロモーターを含有するレポータープラスミドを、酵母GAL4 DNA結合ドメインに融合したヒトRORgリガンド結合ドメインを構成的に発現するプラスミドと同時トランスフェクトする。細胞を、FBSを含まないMEM培地においてT150cm2フラスコ中でトランスフェクトする。18時間インキュベートした後、トランスフェクトした細胞をトリプシン処理し、10%FBSを含有する3:1のDMEM−F12培地中の96ウェルマイクロタイタープレートにプレーティングし、4時間インキュベートした後、約0.05nM〜10μMの範囲の様々な濃度の試験化合物に暴露する。化合物と共に18時間インキュベートした後、細胞を溶解し、標準的な技法を用いてルシフェラーゼ活性を定量する。データを4パラメータ適合ロジスティクスに適合させて、IC50値を決定する。
次の例示化合物の結果を以下の表16に示す。
これらの結果により、表16の化合物がヒトRORg受容体に対する逆作動薬であることが実証される。
PBMC IL−17分泌ELISAおよびCell TiterGlo生存性アッセイ
最初に新鮮なバフィーコートを等量のリン酸緩衝食塩水と組み合わせることによって、PBMCを全血バフィーコートから単離する。次に、35mLのPBS/バフィーコート溶液を50mLのコニカルチューブ中の15mLのFicoll上に静かに重層する。500×gで30分間遠心した後(緩徐な加速および減速による)、血漿の最上層を破棄し、Ficoll界面に沿った細胞の層を収集し、プールする。各250mLチューブを室温のRPMI−1640培地で最上部まで満たす。チューブを500×Gで10分間回転させ(緩徐な加速および減速による)、培地を吸引により除去し、そして洗浄ステップを繰り返す。細胞を、氷上でLife Technologies製の氷冷Recovery Cell Culture Freezing Medium(カタログ番号12648−010)に再懸濁する。細胞濃度を6670万細胞/mLに調整する。細胞を、1億個の細胞を含むバイアル中で−1℃/分で緩徐に凍結し、液体窒素中で保存する。
IL−17分泌および化合物添加の刺激
PBMCを、1mLの完全培地(30mMのHEPES、100単位/mLのペニシリン、100μg/mLのストレプトマイシン、3.25mMのL−グルタミン、0.2μMのベータ−メルカプトエタノール、および10%のFBSを含有する、RPMI−1640)を用いて再懸濁し、続いて2mL、4mL、8mL、および16mLの完全培地を穏やかに渦状に混ぜながら滴下添加することによって、解凍する。細胞を5分間遠沈し、細胞ペレットを完全培地に再懸濁する。細胞溶液を23ゲージの注射針および40μMの細胞濾過器に通すことによって、細胞の塊を粉砕する。1ウェル当たり10万個の細胞を384ウェルのポリスチレン組織培養処理平底プレートに合計30μLで添加する。完全培地中で調製された、抗ヒトCD3抗体、抗ヒトCD28抗体、IL−23、および化合物を含有する刺激カクテルを、総体積30μLで同時に細胞に添加する。添加した刺激剤の最終濃度は、抗CD3抗体、抗CD28抗体、およびIL−23について、それぞれ160ng/mL、500ng/mL、および5ng/mL、ならびにDMSOについては0.3%である。プレートをAERASEAL(登録商標)シーリングフィルムで密閉し、37℃、湿度95%、および5%CO2で48時間インキュベートする。
インキュベーション期間後、プレートを200×gで5分間回転させる。上清を等量の1%BSA/PBSで1:1に希釈し、キットに入っている基質の代わりに発色基質OPD(o−フェニレンジアミン二塩酸塩、Sigmaカタログ#P6912)を使用するという1つの例外を除き、キットと共に提供されるプロトコルに従って、R&D systemからのヒトIL−17 ELISAキット(カタログ#D317E)を用いてIL−17について試験する。492nmでの吸光度をEnvisionマルチラベルプレートリーダーで測定する。A492値は、以下に示すとおりに、IL−17標準曲線に基づいてIL−17の濃度に変換する。
pg/mL IL−17=EC50*[[(上方−下方)/(A492−下方)]−1](1/−傾斜)。IL−17分泌の阻害についてのIC50は、刺激剤も化合物も添加していないウェルの平均値から決定した最大阻害と、刺激剤のみを添加し化合物は添加していないウェルの平均値からの最小阻害とによる標準的な4パラメータ適合を使用して、変換した値に基づいて計算する。
等量のCell TITERGLO(登録商標)細胞生存性試験試薬(Promegaカタログ#G7573)をプレートに残っている細胞に添加し、室温で穏やかに振盪しながら15分間インキュベートした後、Envisionマルチラベルプレートリーダーで測定する。細胞死のパーセントを、100%活性(細胞死)をゼロ発光単位に、最小活性(最大生細胞数)を刺激剤のみを含み化合物を添加していないウェルの平均発光単位として設定することによって計算する。IC50を、標準的な4パラメータ適合を使用して計算する。
次の例示化合物の結果を以下の表17に示す。
これらの結果により、表17の化合物が、測定可能な細胞傷害効果なしに、PBMCにおける抗CD3/抗CD28/IL−23刺激によるIL−17分泌を阻害することが示される。
グルコース−6−リン酸イソメラーゼ(GPI)誘発関節炎モデル:
GPI誘発関節炎モデルは、K.Iwanamiら、Arthritis Rheumatism 58、754〜763、2008およびD.Schubertら、J Immunology 172、4503〜4509、2004から適合されている。マウス(8〜9週齢の雄DBA/1マウス)(Harlan)を、免疫化日(0日目)に収集した体重に基づいて無作為に処置群に割り当てる。免疫化の日(0日目)に、組換えヒトGPI(PBS、Gibco中で4mg/mLに希釈)と完全フロイントアジュバント(CFA、Sigma)との1:1(v:v)混合物を、低温室で40分間、高速ホモジナイザー(Omni)にて混合する。エマルジョン中で2mg/mLのGPIの最終濃度が達成される。マウスの尾の付け根にGPIエマルジョンを注射する(2箇所の注射部位、皮下に、各部位100μL)。試験化合物は、免疫化と同日(0日目)に経口投与を開始される。0日目に開始して、各足を、0〜3のスコアリングシステムに基づいて関節腫脹の重症度についてスコア付けする(K.Iwanamiら、Arthritis Rheumatism 58、754〜763、2008を参照のこと)。臨床スコアは、全4足の合計スコアを表す(最大スコア=12)。臨床スコアは、0、2、4、7、8、9、10、11、12、14、16、18、および21日目に評価される。
AUCは、免疫化日(0日目)〜21日目までの経時的な臨床スコアについて台形法によって計算される。検定のp値は、スチューデントのt検定から導き出された。
実施例55(100mg/Kg)およびビヒクル(精製水中、1%のHEC、0.25%のポリソルベート80、および0.05%の消泡剤)処理(n=8/群)を0日目に開始し、1日1回経口投与する。実施例55は、ビヒクル群と比較して、足の腫脹の重症度を軽減し、かつ疾患の経過を通してより低い平均臨床スコアを維持する。この効果は、臨床スコアAUC、すなわち経時的な足の腫脹の累積測定値において94%の減少をもたらし、それは表18に示すようにビヒクル群と比較して統計的に有意である。

Claims (16)

  1. 以下の式の化合物であって、
    式中、
    nが、0、1、または2であり、
    Xが、独立して、−N−または−CH−であり、
    1が、−C1-3アルキルであり、
    2が、−Hまたは−CH3であり、
    3aおよびR3bが独立して、−H、−CH3、または−CH2CH3であり、
    4が、
    、または−CF3で任意選択に置換されたチアゾリルであり、
    5が、ハロ、−CN、−CF3、オキサジアゾリル、またはCH3で任意選択に置換されたオキサジアゾリルであり、
    6が、−H、−OMe、ハロ、−CH3、または−CF3であり、
    ただし、nが0であり、Xが−Nであり、R1が、−CH2CH3であり、R2が、−O−に隣接する位置にある−CH3であり、R3aおよびR3bが、−Hおよび−CH3である場合、R5は、−CF3であってはならない、化合物、
    またはその薬学的に許容される塩。
  2. 以下の式の請求項1に記載の化合物であって、
    式中、
    nが、0または1であり、
    Xが独立して、−N−または−CH−であり、
    1が、−C1-3アルキルであり、
    2が、−Hまたは−CH3であり、
    3aおよびR3bが独立して、−H、−CH3、または−CH2CH3であり、
    6が、ハロまたは−CH3であり、
    ただし、nが0であり、Xが−Nであり、R1が、−CH2CH3であり、R2が、−O−に隣接する位置にある−CH3である場合、R3aおよびR3bは、−Hおよび−CH3であってはならない、化合物、
    またはその薬学的に許容される塩。
  3. 以下の式の請求項1に記載の化合物であって、
    式中、
    Xが、−N−または−CH−であり、
    2が、−Hまたは−CH3であり、
    3aおよびR3bが独立して−Hまたは−CH3である、化合物、
    またはその薬学的に許容される塩。
  4. (5’S)−N−[4−(エチルスルホニル)ベンジル]−5’−メチル−1−{(1R)−1−[2−(トリフルオロメチル)ピリミジン−5−イル]エチル}−4’,5’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−チエノ[2,3−c]ピラン]−2’−カルボキサミド:
    である、請求項1または2に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
  5. (5’S)−N−{[5−(エチルスルホニル)ピリジン−2−イル]メチル}−5’−メチル−1−{1−[2−(トリフルオロメチル)−1,3−チアゾール−5−イル]エチル}−4’,5’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−チエノ[2,3−c]ピラン]−2’−カルボキサミド:
    である、請求項1または3に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
  6. 1−[(1S)−1−(4−シアノフェニル)エチル]−N−[4−(メチルスルホニル)ベンジル]−4’,5’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−チエノ[2,3−c]ピラン]−2’−カルボキサミド:
    である、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
  7. 1−[(1S)−1−(4−シアノフェニル)エチル]−N−[4−(エチルスルホニル)ベンジル]−4’,5’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,7’−チエノ[2,3−c]ピラン]−2’−カルボキサミド:
    である、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
  8. 1つ以上の薬学的に許容される担体、希釈剤、または賦形剤と組み合わせた、請求項1〜7のいずれかに記載の化合物またはその薬学的に許容される塩を含む、薬学的組成物。
  9. 1つ以上の他の治療剤を含む、請求項8に記載の薬学的組成物。
  10. 請求項1〜7のいずれかに記載の化合物またはその薬学的に許容される塩を含む、乾癬を治療するための薬学的組成物。
  11. 請求項1〜7のいずれかに記載の化合物またはその薬学的に許容される塩を含む、血清反応陰性脊椎関節症を治療するための薬学的組成物。
  12. 体軸性脊椎関節炎、強直性脊椎炎、または乾癬性関節炎を治療するための請求項11に記載の薬学的組成物。
  13. 療法に使用するための請求項1〜7のいずれかに記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
  14. 乾癬の治療に使用するための請求項1〜7のいずれかに記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
  15. 血清反応陰性脊椎関節症の治療に使用するための請求項1〜7のいずれかに記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
  16. 体軸性脊椎関節炎、強直性脊椎炎、または乾癬性関節炎の治療における請求項15に記載の使用のための化合物またはその薬学的に許容される塩。

JP2019547499A 2017-03-02 2018-02-27 Ror−ガンマ−tを阻害するのに有用な化合物 Active JP6766273B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US201762466117P 2017-03-02 2017-03-02
US62/466,117 2017-03-02
PCT/US2018/019920 WO2018160550A1 (en) 2017-03-02 2018-02-27 Compounds useful for inhibiting ror-gamma-t

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020509049A JP2020509049A (ja) 2020-03-26
JP6766273B2 true JP6766273B2 (ja) 2020-10-07

Family

ID=61622740

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019547499A Active JP6766273B2 (ja) 2017-03-02 2018-02-27 Ror−ガンマ−tを阻害するのに有用な化合物

Country Status (15)

Country Link
US (1) US11008336B2 (ja)
EP (1) EP3589638B1 (ja)
JP (1) JP6766273B2 (ja)
CN (1) CN110337440B (ja)
CY (1) CY1124177T1 (ja)
DK (1) DK3589638T3 (ja)
ES (1) ES2871911T3 (ja)
HR (1) HRP20210898T1 (ja)
HU (1) HUE054483T2 (ja)
LT (1) LT3589638T (ja)
PL (1) PL3589638T3 (ja)
PT (1) PT3589638T (ja)
RS (1) RS61788B1 (ja)
SI (1) SI3589638T1 (ja)
WO (1) WO2018160550A1 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20240051969A1 (en) 2020-12-07 2024-02-15 Diaccurate Ror-gamma inhibitors for the treatment of ror-gamma-dependent cancer

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
BR0312727A (pt) * 2002-07-17 2005-04-19 Warner Lambert Co Combinação de um inibidor alostérico da metaloproteinase-13 de matriz com celecoxib ou valdecoxib
UA107943C2 (en) 2009-11-16 2015-03-10 Lilly Co Eli Compounds of spiropiperidines as antagonists of the orl-1 receptors
SI2501704T1 (sl) 2009-11-16 2013-11-29 Eli Lilly Company Spojine spiropiperidina kot antagonisti oral-1 receptorja
TWI582096B (zh) 2011-12-06 2017-05-11 美國禮來大藥廠 用於酒精依賴及濫用處理之4',5'-二氫螺[哌啶-4,7'-噻吩并[2,3-c]哌喃]化合物
US9868748B2 (en) 2013-05-01 2018-01-16 Vitae Pharmaceuticals, Inc. Thiazolopyrrolidine inhibitors of ROR- γ
EP3027616B1 (en) * 2013-07-30 2018-01-10 Boehringer Ingelheim International GmbH Azaindole compounds as modulators of rorc
WO2015101928A1 (en) 2013-12-31 2015-07-09 Aurigene Discovery Technologies Limited Fused thiophene and thiazole derivatives as ror gamma modulators
CA2937074A1 (en) * 2014-01-24 2015-07-30 Abbvie Inc. Furo-3-carboxamide derivatives and methods of use
JO3638B1 (ar) 2015-09-09 2020-08-27 Lilly Co Eli مركبات مفيدة في تثبيط ror - جاما- t
SI3589637T1 (sl) * 2017-03-02 2021-08-31 Eli Lilly And Company Spojine uporabne pri inhibiciji ROR-GAMMA-T

Also Published As

Publication number Publication date
HRP20210898T1 (hr) 2021-08-20
LT3589638T (lt) 2021-06-10
CN110337440A (zh) 2019-10-15
HUE054483T2 (hu) 2021-09-28
WO2018160550A1 (en) 2018-09-07
ES2871911T3 (es) 2021-11-02
EP3589638B1 (en) 2021-04-07
US11008336B2 (en) 2021-05-18
CN110337440B (zh) 2021-08-03
SI3589638T1 (sl) 2021-08-31
JP2020509049A (ja) 2020-03-26
PT3589638T (pt) 2021-05-27
PL3589638T3 (pl) 2021-09-27
CY1124177T1 (el) 2022-05-27
RS61788B1 (sr) 2021-06-30
EP3589638A1 (en) 2020-01-08
DK3589638T3 (da) 2021-06-07
US20200048279A1 (en) 2020-02-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7372255B2 (ja) 免疫調節剤としての複素環式化合物
KR102048780B1 (ko) Ror-감마-t를 억제하는데 유용한 화합물
JP2019528301A (ja) インドールアミン2,3−ジオキシゲナーゼの阻害剤およびその使用方法
US11066392B2 (en) Inhibitors of indoleamine 2,3-dioxygenase and methods of their use
JP2021515773A (ja) PI3K−γ阻害剤としてのアミノピラジンジオール化合物
TW202102501A (zh) 用於發炎疾病之治療之新穎化合物及其醫藥組合物
JP6766274B2 (ja) Ror−ガンマ−tを阻害するのに有用な化合物
JP2022116233A (ja) Tnf活性のモジュレーターとしての縮合五環式イミダゾール誘導体
JP6766273B2 (ja) Ror−ガンマ−tを阻害するのに有用な化合物
WO2018028491A1 (zh) 吲哚胺2,3-双加氧酶抑制剂及其在药学中的用途
TW201843161A (zh) 作為抗菌劑之三環2-喹啉酮
ES2708965T3 (es) Compuestos tricíclicos como ligandos del receptor de alfa-7 nicotínico de acetilcolina

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190920

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190920

TRDD Decision of grant or rejection written
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200827

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200901

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200916

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6766273

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250