JP6765803B2 - 遺伝子組換えカイコ作出方法 - Google Patents
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(2)前記休眠ホルモン阻害剤が休眠ホルモン若しくは休眠ホルモン受容体を標的対象とするペプチド性阻害剤又は核酸性阻害剤である、(1)に記載の産生方法。
(3)前記ペプチド性阻害剤が抗休眠ホルモン抗体、抗休眠ホルモン受容体抗体、又はその断片である、(2)に記載の生産方法。
(4)前記抗休眠ホルモン抗体が配列番号2で示すアミノ酸配列をエピトープとして認識する、(3)に記載の生産方法。
(5)前記抗休眠ホルモン抗体が配列番号3で示すアミノ酸配列を含むペプチドを抗原として認識する、(3)に記載の生産方法。
(6)前記抗休眠ホルモン抗体が配列番号4で示すアミノ酸配列を含むペプチドを抗原として認識する、(3)に記載の生産方法。
(7)前記休眠ホルモンが配列番号5〜15のいずれか一で示すアミノ酸配列を含むペプチドを抗原として認識する、(3)に記載の生産方法。
(8)前記ペプチド性阻害剤が不活性型休眠ホルモンである、(2)に記載の生産方法。
(9)前記不活性型休眠ホルモンが、配列番号4で示すアミノ酸配列において1又は複数のアミノ酸配列の付加、欠失、置換、又はそれらの組み合わせを含むアミノ酸配列からなる、(8)に記載の生産方法。
(10)前記核酸性阻害剤が、核酸アプタマー、RNAi分子、アンチセンス核酸又はリボザイムである、(2)に記載の産生方法。
(11)単為発生系統以外の休眠性系統カイコを用いた遺伝子組換えカイコ作出方法であって、(1)〜(10)のいずれかに記載の遺伝子組換えカイコ作出用非休眠卵の生産方法で得られた非休眠卵に所望の核酸を導入する核酸導入工程、及び孵化したカイコから遺伝子組換えカイコを選択する選択工程を含む前記方法。
(12)単為発生系統以外の休眠性系統の雌親カイコにおける幼虫又は蛹に配列番号1で示すアミノ酸配列からなる休眠ホルモンの機能を阻害又は抑制する休眠ホルモン阻害剤を導入し、前記休眠ホルモン阻害剤の導入によって得た雌親カイコを雄親カイコと交配させ、交配後の雌親カイコに産卵させて卵を得る方法によって生産されるマイクロインジェクション法を用いる遺伝子組換えカイコ作出用非休眠卵。
1−1.概要
本発明の第1の態様は、遺伝子組換えカイコ作出用非休眠卵の生産方法である。本発明は、遺伝子組換えカイコの作出において使用されるマイクロインジェクション用非休眠卵を生産する方法で、あらゆる休眠性系統カイコから非休眠卵を生産することができる。また、単為発生系統以外の休眠性系統カイコから当該生産方法で得られる非休眠卵は、マイクロインジェクション後も高い孵化率を維持できるので、遺伝子組換えカイコを効率的に作出することが可能となる。
本明細書で頻用する以下の用語について定義する。
「遺伝子組換えカイコ」とは、遺伝子組換え技術を用いて作製した外来DNAを保有するカイコの遺伝子組換え体又はその後代をいう。本明細書の遺伝子組換えカイコは、特に、マイクロインジェクション法により外来DNAをカイコ卵に導入して得られる遺伝子組換え体を意味する。したがって、本発明の遺伝子組換えカイコ作出用非休眠卵の生産方法で得られる非休眠卵は、マイクロインジェクション法を用いた遺伝子組換えカイコの作出用であって、他の用途に使用されるものではない。
本発明は、図1に示すように阻害剤導入工程(S101)、交配工程(S102)、及び卵取得工程(S103)を必須工程として含む。以下、各工程について具体的に説明をする。
「阻害剤導入工程」(S101)とは、単為発生系統以外の休眠性系統の雌親カイコ幼虫又は蛹に、休眠ホルモンの機能を阻害又は抑制する休眠ホルモン阻害剤を導入する工程である。カイコの場合、卵期における休眠性は、胚子の形質ではなく、雌親の体内で卵細胞として発育している段階で環境要因等により決定される。つまり、カイコ卵の休眠性は雌親の形質であり、狭義の非休眠卵を得るためには休眠性系統の雌親カイコを処理して、非休眠卵を産卵するように調製する必要がある。本工程は、休眠ホルモン阻害剤を雌親カイコに導入することによって、雌親カイコが休眠卵を産卵できない状態にすることを目的とする。
本明細書において「ペプチド性阻害剤」とは、ペプチドで構成されるDH阻害剤である。ペプチド性阻害剤には、例えば、標的物質に対する抗体、その断片(抗体断片)、又は不活性型休眠ホルモンが挙げられる。以下、それぞれについて具体的に説明をする。
本明細書において「標的物質に対する抗体」とは、標的物質に対して免疫応答性を示す抗体である。より好ましくは、標的物質に結合して、その機能を抑制又は阻害する中和抗体である。ここでいう標的物質には、休眠ホルモン又は休眠ホルモン受容体等が挙げられる。したがって、ここでいう抗体は、具体的には、抗休眠ホルモン抗体(抗DH抗体)、又は抗休眠ホルモン受容体抗体(抗DHR抗体)が該当する。
DH阻害剤は、前記抗体の一部からなり、かつその抗体と同様に抗原に対して免疫応答性を示す抗体断片であってもよい。そのような抗体断片として、例えば、Fab、F(ab')2、Fab'等が挙げられる。Fabは、IgG分子がパパインによってヒンジ部のジスルフィド結合よりもN末端側で切断されて生じる抗体断片であって、H鎖定常領域(重鎖定常領域:以下CHと表記する)を構成する3つのドメイン(CH1、CH2、CH3)のうちVHに隣接するCH1とVH、及び完全長のL鎖から構成される。F(ab')2は、IgG分子がペプシンによってヒンジ部のジスルフィド結合よりもC末端側で切断されて生じるFab'の二量体である。Fab'は、Fabよりもヒンジ部を含む分だけH鎖が若干長いが実質的にはFabと同等の構造を有する。Fab'は、F(ab')2をマイルドな条件下で還元し、ヒンジ領域のジスルフィド連結を切断することによって得ることができる。これらの抗体断片は、いずれも抗原結合部位を包含していることから、抗原エピトープと特異的に結合する能力を有している。
本明細書において「不活性型休眠ホルモン」(以下、しばしば「不活性型DH」と称する)とは、休眠ホルモン受容体(DHR)との結合性を保持し、かつ休眠ホルモン(DH)の活性が失われた変異型休眠ホルモン(変異型DH)をいう。不活性型DHは、DHRに結合することによってDHを競合的に阻害し、その結果、休眠ホルモンの機能を抑制することができる。すなわち、不活性型DHは、休眠ホルモンのアンタゴニストとして機能する。
本明細書において「核酸性阻害剤」とは、核酸で構成されたDH阻害剤である。例えば、休眠ホルモン又は休眠ホルモン受容体を標的物質とする核酸アプタマー、RNAi分子、アンチセンス核酸、リボザイム等が該当する。核酸性阻害剤を構成する核酸には、DNA及び/又はRNAのような天然型核酸の他、非天然型核酸が含まれる。本明細書において「非天然型核酸」とは、天然型核酸に類似の構造及び/又は性質を有する人工的に構築された核酸類似体をいう。例えば、ペプチド核酸(PNA:Peptide Nucleic Acid)、ホスフェート基ペプチド核酸(PHONA)、架橋化核酸(BNA/LNA:Bridged Nucleic Acid/Locked Nucleic Acid)、モルホリノ核酸等が挙げられる。以下、各核酸性阻害剤について具体的に説明をする。
「アプタマー」とは、標的物質と特異的に結合する能力を持ったリガンド分子である。アプタマーは、自身の立体構造によって標的物質と強固、かつ特異的に結合し、標的物質の機能を特異的に抑制することができる。
「RNAi分子」とは、生体内においてRNA干渉(RNA inteference:RNAi)を誘導する物質をいう。RNA干渉とは、標的遺伝子の転写産物の分解を介してその遺伝子の発現を抑制する配列特異的な転写後遺伝子サイレンシングである。本明細書におけるRNAi分子は、標的遺伝子の転写産物(例えば、カイコDH mRNA)に対して特異的なRNA干渉を誘導することのできるRNAで構成された分子であって、具体的にはsiRNA又はshRNAが挙げられる。RNA干渉については、例えば、Bass B.L., 2000, Cell, 101, 235-238;Sharp P.A., 2001, Genes Dev., 15 ,485-490;Zamore P.D., 2002, Science, 296, 1265-1269;Dernburg ,A.F. & Karpen, G.H., 2002, Cell, 111,159-162に詳述されている。以下、各RNAi分子について詳細に説明をする。
「siRNA」(短分子干渉RNA:small interference RNA)とは、標的遺伝子の一部に相当する塩基配列を有するセンス鎖(パッセンジャー鎖)、及びそのアンチセンス鎖(ガイド鎖)からなる小分子二本鎖RNAである。siRNAは、生体内又は細胞内へ導入することによって配列特異的な転写後遺伝子サイレンシング(いわゆる、RNA干渉)を誘導することができる(Fire A. et al.,1998,Nature,391, 806-811)。
「shRNA」(short hairpin RNA)とは、前記siRNAを構成する二本鎖RNAの各一末端がスペーサ配列で連結されて一本鎖となったRNAi分子をいう。したがって、shRNAは、分子内でセンス領域とアンチセンス領域が互いに塩基対合してステム構造を形成し、さらにスペーサ配列がループ構造をとることによって、分子全体としてヘアピン型のステム−ループ構造を有する。shRNAが細胞内に導入されると、ループ構造部分が切断されて二本鎖RNA分子、すなわちsiRNAが生成される。生じたsiRNAは、前項で述べたsiRNAと同様のRNA干渉機構によって標的遺伝子の発現を抑制することができる。
「アンチセンス核酸」とは、標的遺伝子の転写産物(例えば、カイコDH mRNA)を標的とし、その塩基配列の全部又は一部に対して相補的な塩基配列を有し、標的mRNAにハイブリダイズしてその翻訳を阻害する核酸分子である。核酸は、主としてDNAで構成されるが、例えば、PNAやLNAのような核酸類似体やRNAも含むことができる。アンチセンス核酸の塩基長は、特に限定はしないが、通常は15〜40塩基、好ましくは17〜25塩基の長さで足りる。
「リボザイム」は、核酸酵素とも呼ばれる触媒活性を有する核酸分子であって、標的遺伝子の転写産物(例えば、カイコDH mRNA)を基質として、その特定部位を切断する触媒機能を有する。核酸酵素には、DNAで構成されるデオキシリボザイム、及びリボ酵素とも呼ばれRNAで構成されるリボザイムが知られているが、本明細書における核酸酵素は、いずれであってもよい。デオキシリボザイム及びリボザイムは、いずれも構成塩基に化学修飾核酸、人工核酸及び/又は核酸類似体を一部に含むことができる。
本明細書において「低分子化合物阻害剤」とは、分子量10000以下の低分子化合物で構成されたDH阻害剤である。主に休眠ホルモン受容体への結合を休眠ホルモンと競合するアンタゴニスト分子が挙げられる。
DH阻害剤の導入は、雌親カイコへのインジェクションによって行う。使用する雌親カイコの系統は、所望の遺伝子組み換えカイコを作出する上で必要な遺伝子、又は形質を有する系統であれば特に限定はしない。原則として、あらゆる系統を使用することができる。ただし、本発明の主旨を鑑みれば、休眠性系統のカイコを前提とすることが望ましい。また、単為発生系統は好ましくない。これは、Zabelinaら(2015年;前述)が示すように、単為発生系統の休眠性系統カイコを用いて本態様の方法により非休眠卵を作製しても、その非休眠卵にマイクロインジェクションを行った場合、本発明の効果である顕著に高い孵化率が期待できないためである。カイコの雌雄の区別は、幼虫期であれば脱皮直後の石渡腺の有無(雌では4個存在する)、蛹期であれば大きさ(一般に雌の方が一回り大きい)と腹板尾部の形状により可能である。
「交配工程」(S102)とは、休眠ホルモン阻害剤の導入によって得た雌親カイコ成虫と雄親カイコ成虫を交配させる工程である。雄親カイコの系統は、所望の遺伝子組み換えカイコを作出する上で必要な遺伝子、又は形質を有する系統であれば特に限定はなく、雌親カイコのように休眠性系統である必要もない。原則として、あらゆる系統を使用することができる。交尾は、常法に従って行えばよい。雌は、羽化して蛾尿を排泄した後に交尾が可能となる。交尾時間は、2〜3時間でよい。また、交尾回数は、同一ペアで数回行わせてもよい。
「卵取得工程」(S103)とは、交配工程後の雌親カイコ成虫に産卵させて卵を得る工程である。
本発明の遺伝子組換えカイコ作出用非休眠卵の生産方法によれば、従来方法で得られる非休眠卵には見られない、マイクロインジェクション後の孵化率が顕著に高い遺伝子組換えカイコ作出用非休眠卵を生産することができる。また、当該生産方法によれば、低温暗催青法のように系統を選ばす、原則としてあらゆる休眠性系統から非休眠卵を生産することができる。
2−1.概要
本発明の第2の態様は、遺伝子組み換えカイコの作出方法である。本発明は、第1態様に記載の遺伝子組換えカイコ作出用非休眠卵の生産方法で得られた非休眠卵を用いて、マイクロインジェクションを用いた当該分野で公知の遺伝子組換えカイコ作出方法により目的の遺伝子組換えカイコを作出する方法である。本発明の作出方法を用いることで、休眠性系統からも遺伝子組換えカイコを短期間に、かつ効率的に得ることができる。
本発明の遺伝子組換えカイコ作出方法は、図3で示すように阻害剤導入工程(S301)、交配工程(S302)、及び卵取得工程(S303)、核酸導入工程(S304)、及び遺伝子組換えカイコ選択工程(S305)を必須の工程として含む。しかし、阻害剤導入工程(S301)、交配工程(S302)、及び卵取得工程(S303)については、第1態様の対応する各工程と同一である。つまり、本発明の作出方法は、実質的に第1態様の遺伝子組換えカイコ作出用非休眠卵の生産方法を用いて非休眠卵を得た後、その非休眠卵に対して核酸導入工程以降の工程を実施する方法である。したがって、ここでは、本発明の作出方法に特有の核酸導入工程(S304)、及び遺伝子組換えカイコ選択工程(S305)のみを以下で具体的に説明する。
「核酸導入工程」(S304)とは、遺伝子組換えカイコ作出用非休眠卵産生方法で得られた非休眠卵に所望の核酸を導入する工程である。
「遺伝子組換えカイコ選択工程」(S305)とは、孵化したカイコから遺伝子組換えカイコを選択する工程である。
本発明の休眠性系統カイコを用いた遺伝子組換えカイコ作出方法によれば、遺伝子組換えカイコ作出用非休眠卵の生産方法で生産された非休眠卵を用いることで、休眠性系統をベースとする場合であっても、効率的に遺伝子組換えカイコを作出することが可能となる。また、それによってタンパク質の大量生産系として、カイコの産業上の利用価値を向上させることができる。
(目的)
休眠性系統のカイコから従来法の低温暗催青法を用いて非休眠卵を作製し、得られた卵の非休眠性を検証した。
休眠性系統のカイコには、Kosetsu及びc515を用いた。掃立ては、10頭前後の同系統の雌カイコが産卵した卵を混合して15℃及び25℃に保持して孵化させた。孵化した幼虫は、羽箒を用いてカイコ卵台紙から蚕座である容器内に移した。1〜3齢の稚蚕幼虫時の飼育には、プラスチック製弁当箱(DX-HS8:222×143×35 mm;又はDX-HS10:256×189×35 mm;いずれも中央化学)又はスチロール製ケース内に防乾紙(パラフィン加工紙)を敷いた容器を用いた。餌は、シルクメイト原種1〜3齡S(日本農産工業)を防乾紙上に並べて与えた。餌の交換は、原則として1〜2齢では各1回、3齢では1〜3回行ったが、餌が不足した場合や乾燥した場合等は、適宜交換を行った。古い餌は食べ残しが多い場合には取り除いたが、僅かな場合にはそのままにして、新しい人工飼料を追加した。
表1に結果を示す。
(目的)
休眠性系統のカイコに対して本発明の遺伝子組換えカイコ作出用非休眠卵の生産方法を行い、得られる卵の非休眠性を検証した。
休眠性系統のカイコには、実施例1と同じKosetsu及びc515を用いた。掃立てから上蔟までの基本操作は、比較例1に準じた。
表2に結果を示す。
(目的)
休眠性系統のカイコから従来法の低温暗催青法を用いて作製した非休眠卵に対して、遺伝子組換えカイコを作出するためのマイクロインジェクションを行い、その後の孵化率について検証した。
休眠性系統のカイコとして、p50及びDH5を用いた。p50については低温暗催青法により非休眠卵を産卵することが知られている(Zhao A., et al., 2012, Insecta Science, 19: 172-182)。また、DH5についても、本発明者らが低温暗催青法により非休眠卵を産卵することを確認している(未発表)。掃立てから上蔟までの基本操作は、比較例1に準じた。低温暗催青法は、雌親卵を15℃の低温下で発生させることによって実行した。羽化した雌親カイコを交配用の同系統雄親カイコと3時間交尾させた。交尾後、雌親カイコを直ちに冷蔵庫(4℃)に保存し、その間、遺伝子組換えカイコを作出するための準備を行った。
マイクロインジェクションを行った場合の結果を表3に、行わなかった場合の結果を表4に示す。
(目的)
本発明の遺伝子組換えカイコ作出用非休眠卵の生産方法を用いて作製した非休眠卵に対して、遺伝子組換えカイコを作出するためのマイクロインジェクションを行い、その後の孵化率について検証した。
休眠性系統のカイコとして、比較例2と同じp50及びDH5を用いた。両系統とも、掃立てからDH阻害剤注入までの基本操作は、実施例1に準じた。
表5に結果を示す。
Claims (3)
- マイクロインジェクション法を用いる遺伝子組換えカイコ作出用非休眠卵の生産方法であって、
単為発生系統以外の休眠性系統の雌親カイコにおける幼虫又は蛹に配列番号1で示すアミノ酸配列からなる休眠ホルモンの機能を阻害又は抑制する休眠ホルモン阻害剤を導入する阻害剤導入工程、
前記阻害剤導入工程によって得た雌親カイコを雄親カイコと交配させる交配工程、及び
交配後の雌親カイコに産卵させて卵を得る卵取得工程
を含み、
前記休眠ホルモン阻害剤が前記休眠ホルモン若しくは配列番号16で示すアミノ酸配列からなる休眠ホルモン受容体を標的対象とするペプチド性阻害剤又は核酸性阻害剤であり、
前記ペプチド性阻害剤が抗休眠ホルモン抗体、抗休眠ホルモン受容体抗体、又は前記休眠ホルモン若しくは前記休眠ホルモン受容体に対して免疫応答性を示すその断片であり、
前記核酸性阻害剤が核酸アプタマー、RNAi分子、アンチセンス核酸、又はリボザイムである、
前記生産方法。 - 単為発生系統以外の休眠性系統カイコを用いた遺伝子組換えカイコ作出方法であって、
請求項1に記載の遺伝子組換えカイコ作出用非休眠卵生産方法で得られた非休眠卵に所望の核酸を導入する核酸導入工程、及び
孵化したカイコから遺伝子組換えカイコを選択する選択工程
を含む前記方法。 - 単為発生系統以外の休眠性系統の雌親カイコにおける幼虫又は蛹に配列番号1で示すアミノ酸配列からなる休眠ホルモンの機能を阻害又は抑制する休眠ホルモン阻害剤を導入し、前記休眠ホルモン阻害剤の導入によって得た雌親カイコを雄親カイコと交配させ、交配後の雌親カイコに産卵させて卵を得ることを含んでなる方法によって生産され、
前記休眠ホルモン阻害剤が前記休眠ホルモン若しくは配列番号16で示すアミノ酸配列からなる休眠ホルモン受容体を標的対象とするペプチド性阻害剤又は核酸性阻害剤であり、
前記ペプチド性阻害剤が抗休眠ホルモン抗体、抗休眠ホルモン受容体抗体、又は前記休眠ホルモン若しくは前記休眠ホルモン受容体に対して免疫応答性を示すその断片であり、
前記核酸性阻害剤が核酸アプタマー、RNAi分子、アンチセンス核酸、又はリボザイムである、
マイクロインジェクション法を用いる遺伝子組換えカイコ作出用非休眠卵。
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