JP6763061B2 - プラズマ処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体装置の製造の技術に関する。また本発明は、半導体装置の製造に好適
なプラズマ処理装置に関する。
半導体装置の製造におけるプラズマ処理方法の一つにプラズマエッチングがある。プラ
ズマエッチングは、プラズマ処理室内の載置台上に搬入された半導体基板であるウェハの
積層膜をプラズマに暴露することにより、ウェハに微細な回路パターンを形成する。この
際、プラズマ処理の対象の膜の種類によって、プラズマ処理の諸条件、即ちガス種、圧力
、およびプラズマ発生のための電力値、等が異なる。そのため、ある膜の処理が終了した
後、次の膜の処理のために、プラズマ処理の条件を切り替える必要がある。このプラズマ
処理の条件および対応する処理の切り替えの間は、安定しないため、意図しないエッチン
グの進行を防止するために、プラズマ放電を中断することが一般的である。
上記プラズマ放電の中断を伴うプラズマ処理および条件の切り替えに関して、プラズマ
の消失により処理室内の塵埃がウェハに付着することが指摘されている。以下、塵埃を異
物と記載する。特にウェハに電位が与えられている場合、異物がクーロン力によりウェハ
に引き寄せられ付着することがある。ウェハに異物が付着すると、異物がエッチングを阻
害し、歩留まりの悪化を招く。
上記プラズマ処理におけるウェハへ付着する異物の低減に関する先行技術例として、以
下が挙げられる。
特開2001−15581号公報(特許文献1)には、プラズマ処理室の内部の異物の
多くが負に帯電しているとし、単極型吸着電極を用いてウェハを処理室内の保持台に吸着
する際、電極に負の電位を与えて吸着することで、ウェハに負の電位を付与する旨が開示
されている。
一方、特開2003−100720号公報(特許文献2)には、異物が正に帯電してい
るとし、負の電位が付与される異物除去電極により異物を吸着する旨が開示されている。
また、特開2002−270576号公報(特許文献3)には、プラズマ処理を行って
いない間には、単極型吸着用電極の電源出力を遮断し、ウェハに電位を与えないことで、
異物がウェハに引き寄せられることを防止する旨が開示されている。
特開2001−15581号公報 特開2003−100720号公報 特開2002−270576号公報
特許文献1および特許文献2の技術は、異物の大半が正極性もしくは負極性に帯電して
いる状況を想定している。そのため、処理室内に正負の両方の異物が存在する場合には、
異物のウェハへの付着の低減効果が期待できない。
また特許文献3の技術は、異物源となる処理室の内壁面の電位について考慮されていな
い。プラズマ処理を行う処理室の内壁面は、プラズマにさらされることになるため、プラ
ズマからの荷電粒子の流入により帯電し、電位を持つ場合がある。処理室の内壁面に電位
を持つ場合、ウェハと内壁面との間に電位差が発生することになるため、帯電した異物が
ウェハへ引き寄せられる可能性がある。
さらに、ウェハと処理室の内壁面との間に意図しない電位差を発生させる要因として、
ウェハを載置台上に吸着するための電極である静電吸着電極の構造や経年劣化が挙げられ
る。クーロン力によるウェハへの異物の付着に関して、静電吸着電極の動作等は、大きな
影響を及ぼす。
本発明の目的は、上記プラズマ処理に関して、処理および条件の切り替えに伴うプラズ
マ放電の中断中に、ウェハと処理室の内壁面との間に意図しない電位差が発生することを
抑制し、帯電した異物のウェハへの付着を低減できる技術を提供することである。
本発明は、プラズマを用いて試料がプラズマ処理される処理室と、前記プラズマを生成するための高周波電力を供給する高周波電源と、前記試料を静電吸着させるための電極が内部に配置され前記試料が載置される試料台と、前記電極に直流電圧を印加する直流電源と、前記プラズマ処理前におけるプラズマが不存在の時またはステップ間におけるプラズマが不存在の時、前記プラズマが不存在である場合における前記試料の電位の絶対値を低減させる電圧値を前記電極に印加するように前記直流電源を制御する制御装置とを備え、前記ステップは、前記プラズマ処理のパラメータの設定値が規定されたものであり、前記プラズマが不存在である場合における、プラスとマイナスの符号を含めた前記直流電圧の数値は、前記プラズマが存在する場合における、プラスとマイナスの符号を含めた前記直流電圧の数値より大きいことを特徴とするプラズマ処理装置である。
また、本発明は、プラズマを用いて試料がプラズマ処理される処理室と、前記プラズマを生成するための高周波電力を供給する高周波電源と、前記試料を静電吸着させるための電極が内部に配置され前記試料が載置される試料台と、前記電極に直流電圧を印加する直流電源と、前記プラズマ処理前におけるプラズマが不存在の時またはステップ間におけるプラズマが不存在の時、前記プラズマが不存在である場合における前記試料の電位と前記処理室の内壁の電位との電位差の絶対値を低減させる電圧値を前記電極に印加するように前記直流電源を制御する制御装置とを備え、前記ステップは、前記プラズマ処理のパラメータの設定値が規定されたものであり、前記プラズマが不存在である場合における、プラスとマイナスの符号を含めた前記直流電圧の数値は、前記プラズマが存在する場合における、プラスとマイナスの符号を含めた前記直流電圧の数値より大きいことを特徴とするプラズマ処理装置である。
さらに本発明は、プラズマを用いて試料がプラズマ処理される処理室と、前記プラズマを生成するための高周波電力を供給する高周波電源と、前記試料を静電吸着させるための電極が内部に配置され前記試料が載置される試料台と、前記電極に直流電圧を印加する直流電源と、前記プラズマ処理前におけるプラズマが不存在の時またはステップ間におけるプラズマが不存在の時、前記プラズマが不存在である場合における前記試料の電位の絶対値を低減させる電圧値を前記電極に印加するように前記直流電源を制御する制御装置とを備え、前記ステップは、前記プラズマ処理のパラメータの設定値が規定されたものであり、前記電圧値は、前記試料の電位と前記直流電圧との予め求められた相関データに基づいて求められることを特徴とするプラズマ処理装置である。
また、本発明は、プラズマを用いて試料がプラズマ処理される処理室と、前記プラズマを生成するための高周波電力を供給する高周波電源と、前記試料を静電吸着させるための電極が内部に配置され前記試料が載置される試料台と、前記電極に直流電圧を印加する直流電源と、前記プラズマ処理前におけるプラズマが不存在の時またはステップ間におけるプラズマが不存在の時、前記プラズマが不存在である場合における前記試料の電位と前記処理室の内壁の電位との電位差の絶対値を低減させる電圧値を前記電極に印加するように前記直流電源を制御する制御装置とを備え、前記ステップは、前記プラズマ処理のパラメータの設定値が規定されたものであり、前記電圧値は、前記電位差と前記直流電圧との予め求められた相関データに基づいて求められることを特徴とするプラズマ処理装置である。
本発明のうち代表的な実施の形態によれば、上記プラズマ処理に関して、処理の切り替
えに伴うプラズマ放電の中断中に、ウェハと処理室内壁面との間に意図しない電位差が発
生することを抑制し、帯電した異物のウェハへの付着を低減できる。
本発明の実施の形態1のプラズマ処理装置の要部断面の構成を示す図である。 実施の形態1における、可変直流電源、静電吸着電極、誘電体層、およびウェハをモデル化した等価回路を示す図である。 一実施の形態のプラズマ処理装置における処理の様子を示すタイムチャートである。 実施の形態1、実施の形態2、および実施の形態3のプラズマ処理装置における処理の様子を示すタイムチャートである。 実施の形態1のプラズマ処理装置における、異物のウェハへの付着の低減効果についての見積もりの計算の結果のグラフである。 実施の形態2のプラズマ処理装置における、可変直流電源の出力電圧に対するウェハ電位の検定の結果のグラフである。 実施の形態2のプラズマ処理装置における、放電中断中に可変直流電源の出力電圧を変化させた際のウェハに付着した異物数の変化を表すグラフである。 実施の形態3のプラズマ処理装置の要部断面の構成を示す図である。 実施の形態3のプラズマ処理装置における、可変直流電源、静電吸着電極、誘電体層、ウェハ、検定用プラズマ、および処理室をモデル化した等価回路を示す図である。 実施の形態4のプラズマ処理装置の要部断面の構成を示す図である。 実施の形態4のプラズマ処理装置における処理の様子を示すタイムチャートである。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお実施の形態を説明す
るための全図において同一部には原則として同一符号を付しその繰り返しの説明は省略す
る。また、各実施形態の説明において、「放電」と「プラズマ」が混在しているが、同義
語として「放電」と「プラズマ」を使用している。
<概要等>
背景技術および課題について補足説明しつつ、本実施の形態の概要等を説明する。従来
、プラズマ処理および条件の切り替えの際には、例えば数秒から十数秒の時間がかかる。
使用するガスの切り替えの場合、前処理で使用されたガスを処理室から排気し、次処理で
使用するガスを処理室内に充填するための時間が必要とされる。
処理室における静電吸着電極とウェハとは、その間に存在する誘電体層によって有限の
抵抗値および静電容量値を持って電気的に接続される。静電吸着電極は、クーロン力によ
ってウェハを吸着する。静電吸着電極は、単極型のものと多極型のものとがある。多極型
のもののうち、電極が二枚のものを、特に双極型と記載する。
単極型の電極は、電極に与えられた電位がウェハの電位に影響する。単極型の電極は、
例えば正の電位が与えられてウェハを吸着すると、プラズマ放電を行っていない場合、ウ
ェハには正の電位が現れる。
一方、双極型の電極は、各々の電極に逆極性の電位が付与されてウェハを吸着する。そ
の際、ウェハの電位は、理想的には両電極に付与された電位の平均値となるように設計さ
れる場合が多い。例えば一方の電極に+500V、他方の電極に−500Vの電位が付与
された場合、ウェハの電位は0Vになる。一方の電極に+600V、他方の電極に−40
0Vの電位が付与された場合、ウェハの電位は+100Vになる。
ウェハと処理室の内壁面との間に意図しない電位差を発生させる要因として、静電吸着
電極の構造上の問題や経年劣化が挙げられる。例えば、双極型電極での吸着の場合、二枚
の電極の面積が異なる場合や、ウェハの載置台上に異物等が付着することによって二枚の
各電極とウェハとの間のそれぞれの抵抗値に差が生じる場合がある。これらの場合、二枚
の静電吸着電極に付与される電位の平均値を0Vにしても、互いの電極状態の不均一から
、ウェハに電位が発生することがあり得る。
上記静電吸着電極を含む影響により、プラズマ放電の中断中に、ウェハと処理室の内壁
面との間に、ある程度以上に大きな電位差が発生する。これにより、処理室内の帯電した
異物がクーロン力によりウェハへ引き寄せられて付着することがある。
本発明の実施の形態のプラズマ処理装置は、プラズマ処理および条件の切り替えに伴う
プラズマ放電の中断中に、上記静電吸着電極を含む影響により、ウェハと処理室の内壁面
との間に意図しない電位差が発生することを抑制する仕組みを有する。これにより、処理
室内の帯電した異物がクーロン力によりウェハへ引き寄せられて付着することを低減する
<実施の形態1>
図1〜図5を用いて、本発明の実施の形態1のプラズマ処理装置について説明する。
[プラズマ処理装置]
図1は、実施の形態1のプラズマ処理装置の要部断面の構成を示す。図1の実施の形態
1のプラズマ処理装置は、電子サイクロトロン共鳴型エッチング装置である。以下、電子
サイクロトロン共鳴をECRと記載する。本発明に係るプラズマ処理装置は、ECR型エ
ッチング装置に限らず適用可能である。
図1のECR型エッチング装置であるプラズマ処理装置は、真空処理室である処理室1
01の内部の試料台である載置台102上に、試料となる半導体基板であるウェハ103
が載置され、処理室101の内部にプラズマを発生させる。
プラズマ処理装置は、プラズマ発生後、載置台102の内部に設置された高周波電極1
04に、高周波電源105から電力を供給する。当該電力の供給により、ウェハ103に
は、自己バイアスと呼ばれる負の電位が発生する。この負の電位によってイオンをウェハ
103に引き込むことにより、いわゆる反応性イオンエッチングが起こり、エッチング処
理が進行する。
処理室101の内壁基材は、接地された導体が含まれている。実施の形態1では、上記
接地された導体が含まれる内壁基材である導体内壁基材は、プラズマに暴露されていても
よい。また当該導体内壁基材は、プラズマ消失後に当該内壁表面が速やかにおおよそ0V
となる程度の薄い誘電体の膜があってもよい。101aは、処理室101の内壁面、およ
び上記導体内壁基材を示す。101bは、内壁面101aに関する接地を示す。
プラズマ処理装置は、プラズマを発生させる機構として、μ波発振源106およびソレ
ノイドコイル107を備える。μ波発振源106で発生させたμ波は、導波管108を介
して処理室101に導入される。μ波は、ソレノイドコイル107で発生させた磁場中で
ECRによって電子にエネルギーを与える。その電子が、図示しないガス供給源から供給
されたガスを電離させることによって、プラズマを発生させる。
上記プラズマ処理を行う間、ウェハ103の裏面には、当該ウェハ103の温度の調整
のための冷却ガスが供給される。冷却ガスによるウェハ103のずれを防ぐために、ウェ
ハ103は、双極型の静電吸着電極109,110によって、載置台102上に吸着され
る。静電吸着電極109,110は、同心円状に、一方の電極である静電吸着電極109
が内側、他方の電極である静電吸着電極110が外側に配置されている。静電吸着電極1
09,110とウェハ103との間には、誘電体層111が存在している。静電吸着電極
109,110とウェハ103は、有限の抵抗値と静電容量を持って電気的に接続される
静電吸着用電極109,110は、それぞれ、独立した直流電源である可変直流電源1
12,113が接続される。内側の静電吸着用電極109には、一方の可変直流電源11
2が接続され、外側の静電吸着用電極110には、他方の可変直流電源113が接続され
る。
静電吸着用電極109,110には、それぞれの電源により、逆極性の電位が付与される
。例えば内側の静電吸着電極109には、可変直流電源112により+500Vの電位が
付与され、外側の静電吸着電極110には、可変直流電源113により−500Vの電位
が付与される。
また、実施の形態1のプラズマ処理装置は、上記可変直流電源112,113の出力電
圧値を制御するための制御装置115および記憶装置114を備える。可変直流電源11
2,113は、制御装置115と接続され、制御装置115から出力電圧値が制御される
実施の形態1において、静電吸着電極109,110とウェハ103との間の誘電体層
111は、ある程度のリーク電流が流れる程度の抵抗率となっている。例えば、誘電体層
111が、Johnsen−Rahbek効果によって吸着を行うための溶射膜である場
合、上記のようなリーク電流が流れる。なお、Johnsen−Rahbek効果とは、
金属表面と半導体表面との間に電位差を付与することで吸着力が発生する現象であり、静
電吸着の一方式としてしばしば用いられる。
[等価回路]
図2は、実施の形態1のプラズマ処理装置における、可変直流電源112,113、静
電吸着電極109,110、誘電体層111、およびウェハ103を簡単にモデル化した
等価回路を示す。なお、この等価回路では、ウェハ103の抵抗は無視できるほど小さい
とする。図2の等価回路で、Vは可変直流電源112の電圧、Vは可変直流電源11
3の電圧である。R,Rは、誘電体層111の抵抗、C,Cは、誘電体層111
の容量である。R,Cは、一方の静電吸着電極109側の抵抗と容量、R,C
、他方の静電吸着電極110側の抵抗と容量である。
プラズマ放電が行われていない時の定常状態におけるウェハ103の電位であるVwafを、下記の式1に示す。式1で、R,Rは上記誘電体層111の抵抗の抵抗値、V
,Vは、上記可変直流電源112,113の出力電圧値を示す。
Figure 0006763061
従って、式1でR=Rの場合、ウェハ103の電位は、両電源である可変直流電源
112,113の出力電圧値であるV,Vの平均値となる。
一方、何らかの理由で抵抗値にずれが生じ、式1でR≠Rとなった場合、ウェハ1
03の電位は、両電源の出力電圧値の平均値とならず、ウェハ103には、意図しない電
位が付与されることとなる。ウェハ103に意図しない電位が付与される場合、ウェハ1
03と処理室101の内壁面101aとの間の電位差によって帯電した異物が、ウェハ1
03に誘引される恐れがある。処理室101の内壁面101aは、異物の発生源の一つで
ある。
ウェハ103に意図しない電位を発生させないために、実施の形態1のプラズマ処理装
置は、ウェハ103に付与される電位が所望の値となるように、上記抵抗値であるR
の値に応じて、可変直流電源112,113の出力電圧値であるV,Vを制御す
る。
実施の形態1では、処理室101の内壁面101aの基材は接地された導体であり、そ
の表面の接地抵抗値および対地静電容量が十分小さいとしている。従って、プラズマ放電
中断中の処理室101の内壁面101aの電位は、放電終了後、比較的速やかにおよそ0
Vになる。そのため、ウェハ103と処理室101の内壁面101aとの間に電位差を発
生させないためには、ウェハ103の電位を0V程度にすればよい。
ウェハ103の電位が0Vになる可変直流電源112と可変直流電源113との出力電
圧の比は、式1から、以下の式2となる。
Figure 0006763061
実施の形態1のプラズマ処理装置は、プラズマ処理および条件の切り替えに伴うプラズ
マ放電中断中に、静電吸着用電極109,110に接続される可変直流電源112,11
3の出力電圧であるV,Vを、上記式2を満たすように変化させる。これにより、実
施の形態1のプラズマ処理装置は、ウェハ103の電位を0Vにし、ウェハ103と処理
室101の内壁面101aとの電位差を発生させないようにする。
[処理タイムチャート]
図3は、プラズマ処理装置におけるプラズマ処理を含む従来の処理の様子を示すタイム
チャートである。このプラズマ処理装置は、処理室101の構成は図1と同様とするが、
実施の形態1の制御装置115によりプラズマ放電中断中に静電吸着用電極109,11
0への出力電圧を制御する仕組みを持たない構成の場合である。
図3の(a)は、μ波入射パワーを示し、μ波発振源106からのμ波電力である。(
b)は、高周波バイアス入射パワーを示し、高周波電源105からの高周波電極104へ
の電力である。(c)は、可変直流電源出力電圧を示す。実線の301は内側の静電吸着
電極109への可変直流電源112の出力電圧、破線の302は外側の静電吸着電極11
0への可変直流電源113の出力電圧を示す。この一実施の形態では、当該出力電圧は、
可変の制御はされずに一定である。(d)は、ウェハ電位および内壁面電位を示す。実線
の311はウェハ103の電位、破線の312は処理室101の内壁面101aの電位を
示す。時刻t0からt1の時間T1は、プラズマ放電中の時間を示す。時刻t1からt2
の時間T2は、プラズマ放電中断中の時間を示す。
図3の従来の形態での処理の場合、(d)の放電中断中の時間T2に、ウェハ電位であ
る311aと内壁面電位である312aとの間に、313に示すような電位差が発生する
。この電位差により、異物がウェハ103へ引き寄せられて付着する可能性がある。
図4は、実施の形態1のプラズマ処理装置におけるプラズマ処理を含む処理の様子を図
3と同様に示すタイムチャートである。図4の(a)は、μ波入射パワーを示し、μ波発
振源106からのμ波電力である。(b)は、高周波バイアス入射パワーを示し、高周波
電源105からの高周波電極104への電力である。(c)は、可変直流電源出力電圧を
示す。実線の401は内側の静電吸着電極109への可変直流電源112の出力電圧、破
線の402は外側の静電吸着電極110への可変直流電源113の出力電圧を示す。実施
の形態1では、当該出力電圧は、可変に制御される。(d)は、ウェハ電位および内壁面
電位を示す。実線の411はウェハ103の電位、破線の412は処理室101の内壁面
101aの電位を示す。
実施の形態1のプラズマ処理装置において、ウェハ103が試料台である載置台102
上に載置された後、制御装置115からの制御に基づいて、可変直流電源112および可
変直流電源113は、ウェハ103の吸着のための所定の電圧を出力する。プラズマ処理
装置は、その後、処理室101の内部の圧力調整等の処理の準備を行う。当該準備につい
ては図示を省略する。
上記準備が終了した後、(a)のように、時刻t0から、プラズマ発生のための所定の
μ波電力が印加される。これによりプラズマが発生した後、放電中の時間T1において、
(b)のように、高周波バイアスが印加されて、エッチング処理が行われる。所望のエッ
チング処理が終了すると、(b)で、まず高周波バイアス入射パワーが遮断される。当該
遮断により、(d)で、時刻t1に示すように、ウェハ103の電位である411と、内
壁面101aの電位である412とは、ほぼ同程度となる。
その後、(a)で、放電中断中の時間T2において、μ波入射パワーの供給が停止し、
次の処理の準備のためにプラズマ放電が中断される。
時刻t1で示すプラズマ放電終了の瞬間には、処理室101の内壁面101aは、プラ
ズマからの電子流入により帯電しており、(d)の412のように、ある程度の電位を持
っている。この電位は、処理室101の内壁面101aに溜まった電荷がアースへと抜け
る時定数に従って変化していく。実施の形態1では、この時定数は短く、処理室101の
内壁面101aの電位は、412aに示すように、比較的速やかに0Vになるとする。
また時刻t1で、ウェハ103の電位に関しても、ある程度のリーク電流が流れるため
、プラズマからの荷電粒子の流入による帯電で発生した電位は比較的速く消失し、抵抗値
の内外差等によって現れる電極個別の特性に応じた電位となる。
このため、例えば前述のR≠Rの場合、図3の一実施の形態のプラズマ処理装置の
処理の場合では、(d)に示すように、放電中断中の時間T2では、時間T2で、内壁面
101aの電位は、312aのように0Vになるが、ウェハ103の電位は、311aの
ように、0Vにはならない。即ち、ウェハ103と内壁面101aとの間に、313に示
す電位差が発生することになる。
これに対して、図4の実施の形態1のプラズマ処理装置の処理では、制御装置115に
よる、(c)の可変直流電源112および可変直流電源113の出力電圧の可変の制御を
行う。(c)の400は、この可変直流電源112および可変直流電源113の出力電圧
の変化およびその時間を示す。
制御装置115は、(c)の出力電圧の制御により、(d)のように、ウェハ103の
電位を変化させる。即ち、制御装置115は、(d)で、放電中の時間T1のウェハ10
3の電位である411が、放電中断中の時間T2に、411aのように0Vになるように
、当該出力電圧を、式2を満たすように変化させる。
(c)で、放電中の時間T1では、可変直流電源112の出力電圧である401は、所
定の正の電圧であり、可変直流電源113の出力電圧である402は、所定の負の電圧で
ある。制御装置115は、放電中断中の時間T2で、400の時間において、それぞれの
所定の出力電圧値に維持する制御を行う。即ち、制御装置115は、可変直流電源112
の出力電圧である401を、400の時間に、所定電圧高くなるように変化させて、40
1aの電圧の状態を維持する。同様に、制御装置115は、可変直流電源113の出力電
圧である402を、400の時間に、所定電圧高くなるように変化させて、402aの電
圧の状態を維持する。これにより、(d)で、400の時間に、ウェハ103の電位であ
る411aは、内壁面101aの電位である412aと同様に0Vに近付く。
実施の形態1のプラズマ処理装置において、上記静電吸着電極109,110への可変
直流電源112,113の出力電圧値の変化は、以下により達成される。即ち、記憶装置
114は、プラズマ放電中断中の時間T2に出力すべき可変直流電源112,113の出
力電圧値を記憶する。制御装置115は、放電中断中の時間T2に、記憶装置114に記
憶された出力電圧値になるように、可変直流電源112,113の出力電圧値を可変に制
御する。
なお、プラズマ処理装置は、ユーザの操作に基づいて記憶装置114に上記制御の出力
電圧値を設定するためのユーザインタフェースを備えてもよい。
実施の形態1のプラズマ処理装置は、上記制御を含む動作によって、放電中断中の時間
T2に、ウェハ103と内壁面101aとの間の電位差を解消する。(d)の400の時
間では、411aおよび412aのように、当該電位差がほぼ0Vとなる。これにより、
異物がウェハ103に誘引されて付着することが防止される。
プラズマ処理装置は、上記制御装置115による制御により時間T2の400で所定の
出力電圧を維持したまま、処理室101内の圧力調整等の、次の放電処理のための準備を
行う。当該準備が終了した後、プラズマ処理装置は、制御装置115による400での制
御を停止する。これにより可変直流電源112,113は、次の放電処理のための所定の
電圧、即ち401,402と同じ電圧を出力する。その後、時刻t2から、μ波入射パワ
ーの供給が開始され、次の放電処理が実施される。
プラズマ処理装置は、以上のようなプラズマ放電処理および放電中断を含む制御を、最
終の放電処理が終了するまで繰り返し、最終の放電処理の終了後には、所定のウェハ除電
シーケンスを経て、可変直流電源112,113の電圧を遮断する。
[効果等]
上記プラズマ放電中断中にウェハ103と処理室101の内壁面101aとの間の電位
差を解消するにあたり、どの程度まで電位差を小さくすれば、異物の付着の低減効果を得
るために十分であるかについて、以下のように検討した。
図5は、実施の形態1のプラズマ処理装置における、帯電した異物のウェハ103への
付着の低減効果について、計算によって見積もりを行った結果のグラフである。グラフの
横軸はウェハ103と処理室101の内壁面101aとの電位差[V]を示す。グラフの
縦軸は異物のウェハ103への付着率[%]を示す。
この見積りの計算は、以下の条件で行われた。処理室101内の圧力を0.6Paとし
、処理室101内には平均3m/s程度の排気口へ向かうガスの流れがあるものとした。
異物は、真空の処理室101の内壁面101aのうちの側面から1000個発生するもの
とした。異物の発生位置は、大まかな範囲で指定され、1000個の個々の異物の夫々の
発生場所については、指定の範囲内でランダムに決定された。異物の粒径は、1000個
の異物の夫々について、15nm以上120nm以下の値がランダムに与えられた。異物
の初速に関しても、1000個の異物のそれぞれについて、5m/s以下の値がランダム
に与えられた。本計算では、帯電した異物をウェハ103に引き寄せる効果について見積
もるため、異物の帯電は、1000個の全ての異物で、−1.6×10−19[C]とし
た。
上記条件で異物のウェハ103への付着率を計算した。その結果、図5に示すように、
ウェハ103と処理室101の内壁面101aとの間の電位差が+10Vである場合、ウ
ェハ103へ付着する異物は2%程度であった。この付着率は、電位差が0Vである場合
の付着率との差はあまり無い。しかしながら、ウェハ103と処理室101の内壁面10
1aとの電位差が+20Vである場合は、付着率が、8%程度まで上昇するという結果が
得られた。
上記結果から、実施の形態1のプラズマ処理装置は、十分な異物の付着の低減効果が得
られる、プラズマ放電中断中のウェハ103と内壁面101aとの電位差の目安を、±1
0V以内とした。図4の(d)で、放電中断中の時間T2の電位差を0Vで示しているが
、当該電位差が±10V以内であれば、相応の十分な効果が得られる。
上述のように、実施の形態1のプラズマ処理装置およびそのプラズマ処理方法によれば
、プラズマ処理および条件の切り替えに伴うプラズマ放電の中断中に、ウェハ103と処
理室101の内壁面101aとの間に意図しない電位差が発生することを抑制し、帯電し
た異物のウェハ103への付着を低減することができる。
<実施の形態2>
図6,図7を用いて、本発明の実施の形態2のプラズマ処理装置について説明する。以
下、実施の形態2における実施の形態1とは異なる構成の部分について説明する。実施の
形態2のプラズマ処理装置は、実施の形態1のプラズマ処理装置における放電中断中の可
変直流電源112,113の出力電圧を、ウェハ103の電位と可変直流電源112,1
13の出力電圧との間の関係を把握するための計測を基に決定する。
前述の実施の形態1では、ウェハ103の電位を、ウェハ103と静電吸着電極109
,110との間の誘電体層111の抵抗値を基に決定する構成を示した。しかしながら、
この抵抗値が正確に把握できない場合や、意図しない電位がその他の要因によって発生し
ている場合は、実施の形態1の構成を適用することができない。
その場合、実施の形態2の構成を適用することが有効である。実施の形態2では、ウェ
ハ103の電位であるVwafと、可変直流電源112,113の出力電圧値であるV,Vとの間の関係を計測によって把握しておく。これにより、プラズマ放電中断中にウ
ェハ103と処理室101の内壁面101aとの間の電位差を低減させる制御を行うこと
ができる。上記計測による把握を含む作業を、以下、検定と記載する。
実施の形態2のプラズマ処理装置は、実施の形態1のプラズマ処理装置と同様の構成要
素に加え、上記検定を行うための手段として、実験装置を含む機構を備える。実施の形態
2のプラズマ処理装置におけるプラズマ処理方法は、実施の形態1と同様のプラズマ処理
装置の構成において、まず上記検定を行う。
上記検定は、例えば以下のような手段および手順により実現される。実施の形態2のプ
ラズマ処理装置は、ウェハ103の電位の計測が可能な機構を設ける。この機構は、処理
室101を大気開放してウェハ103に電位計測プローブを貼り付けること等により実現
される。実施の形態2のプラズマ処理装置は、この計測の機構を用いて、制御装置115
により可変直流電源112,113の出力電圧を様々に変化させた場合の、ウェハ103
の電位を計測する。
[検定]
図6は、実施の形態2のプラズマ処理装置における、上記実験装置および計測の機構を
含む検定の手段を用いて、ウェハ103の電位と、可変直流電源112,113の出力電
圧とに関する検定を行った結果の例であるグラフを示す。グラフの横軸は、可変直流電源
112,113の出力電圧の平均値[V]である。グラフの縦軸は、ウェハ103の電位
[V]である。また、この検定はプラズマを生成しない状態で行った。
なお、この検定の際、以下の条件とした。出力電圧は、内側の静電吸着電極109の可
変直流電源112が+500V、外側の静電吸着電極110の可変直流電源113が−5
00Vを基準とした。この出力電圧の変化は、可変直流電源112および可変直流電源1
13の両方で、等しい量で変化させることとした。例えば図6の横軸の可変直流電源の出
力電圧の平均値を+10V変化させる場合には、可変直流電源112と可変直流電源11
3との両方の出力電圧を+10V変化させた。その場合、可変直流電源112の出力電圧
は+510V、可変直流電源113の出力電圧は−490Vになる。
実施の形態2のプラズマ処理装置は、上記検定の結果、図6のように、可変直流電源1
12,113の出力電圧の平均値が0Vである場合には、ウェハ103に−40V程度の
電位が付与されていた。当該出力電圧の平均値を変化させると、ウェハ103の電位も、
当該平均値の変化量とほぼ同量変化した。ウェハ103の電位が0Vになる当該出力電圧
の平均値は、+40V程度であった。
実施の形態2のプラズマ処理装置は、実施の形態1と同様に、プラズマ放電中断中の処
理室101の内壁面101aの電位は、放電終了後に比較的速やかにおよそ0Vになる。
そのため、実施の形態2のプラズマ処理装置は、制御装置115により、放電中断中、可
変直流電源112,113の出力電圧の平均値が+40Vになるように設定する。これに
より、図4の(d)のように、ウェハ103と内壁面101aとの電位差を解消できる。
上記検定によって決定された、プラズマ放電中断中の可変直流電源112,113の出
力電圧値を、V1ctrl,V2ctrlとする。図4の401aがV1ctrl,402aがV2ctrlに対応する。記憶装置114は、このV1ctrl,V2ctrlの値を記憶する。プラズマ処
理装置は、図4の(c)と同様に、プラズマ放電中断中の時間T2において、制御装置1
15により、400の時間に、可変直流電源112,113の出力電圧値を、V1ctrl
2ctrlとなるように制御する。
[効果等]
図7は、実施の形態2のプラズマ処理装置における、異物の付着の低減効果として、放
電中断中に可変直流電源112,113の出力電圧を様々に変化させた際の、ウェハ10
3に付着した異物数の変化を表すグラフである。グラフの横軸は、可変直流電源112,
113の出力電圧の平均値[V]、およびそれに対応付けられたウェハ103の電位[V
]を示す。グラフの縦軸は、ウェハ103に付着した異物数を示す。この異物数は、可変
直流電源112,113の出力電圧の平均値が0Vの場合の異物数によって規格化された
値を示す。
図7に示すように、可変直流電源112,113の出力電圧の平均値が+40V付近、
つまりウェハ103の電位が0V付近になっている場合、従来の通常の運用である可変直
流電源112,113の出力電圧の平均値が0Vの場合と比較して、40%程度の異物低
減効果が得られた。また、ウェハ103の電位が負極性になる場合には、ウェハ103の
電位の絶対値が大きくなる程、ウェハ103に付着する異物数が増加する。一方、ウェハ
103の電位が正極性になる場合には、ウェハ103の電位の絶対値が大きくなっても、
ウェハ103に付着する異物数は大きくは変化しない。
上記結果から、以下の二点が推測される。一点は、処理室101内の帯電した異物の多
くが正極性に帯電しているということである。ウェハ103の電位が負極性の場合の付着
する異物の増加は、正極性に帯電した異物がウェハ103の電位に引き寄せられたことの
結果であると考えられる。
もう一点は、ウェハ103に異物の帯電と同極性の電位を印加して、ウェハ103に飛
来する帯電異物を跳ね返して異物の低減を図るという手法の効果は小さいということであ
る。これは、前述の結果より正極性に帯電した異物の存在が示唆されているにも関わらず
、ウェハ103に正極性の電位を付与しても異物の低減効果が得られなかったことから判
断される。このことに関しては、放電中断中に発生する異物は、処理室101の内壁面1
01aから発生する際の初速度が十分小さく、ウェハ103と内壁面101aとの間に電
位差が無い場合、ウェハ103まで飛来できる異物が少ない状況であると考えることで説
明できる。従って、放電中断中には帯電した異物を不要にウェハ103へ引き寄せること
が無いように電位を制御することが肝要であると言える。
実施の形態2のプラズマ処理装置は、上記二点を含めて考慮し、放電中断中、帯電した
異物を不要にウェハ103へ引き寄せることが無いように、制御装置115により可変直
流電源112,113の出力電圧を制御して、ウェハ103の電位を制御する。
以上の結果から、実施の形態2のプラズマ処理装置によれば、放電中断中にウェハ10
3と処理室101の内壁面101aとの間に意図しない電位差が発生することを抑制する
ことで、帯電した異物のウェハ103への付着を低減できることが確認された。
<実施の形態3>
図8,図9を用いて、本発明の実施の形態3のプラズマ処理装置について説明する。以
下、実施の形態3における実施の形態1および実施の形態2とは異なる構成の部分につい
て説明する。
[プラズマ処理装置]
図8は、実施の形態3のプラズマ処理装置の要部断面の構成を示す。図8の実施の形態
3のプラズマ処理装置も、ECR型エッチング装置であるが、ECR型に限らず適用可能
である。実施の形態3のプラズマ処理装置は、実施の形態1および実施の形態2のプラズ
マ処理装置の構成要素に加え、実施の形態2とは異なる検定の手段を備える。実施の形態
3における検定の手段は、当該プラズマ処理装置の検定を、処理室101の大気開放を行
うこと無く実施するための機構を含む。実施の形態3のプラズマ処理装置におけるプラズ
マ処理方法は、当該検定の手段を用いて検定を行う手順を含む。
図8で、実施の形態3のプラズマ処理装置は、上記検定の手段の構成要素として、電流
計801,802と、制御装置803とを備える。電流計801,802は、可変直流電
源112,113からウェハ103に流れる電流を測定する電流計であり、制御装置80
3と接続される。制御装置803は、前述の制御装置115の代わりに設けられ、検定の
制御の機能を含む。制御装置803は、電流計801,802で測定した電流が互いに等
しくなるように、可変直流電源112,113の出力電圧値を制御する。
電流計801,802は、特に、載置台102における静電吸着電極109,110か
ら誘電体層111を介してウェハ103へ流れる電流を検出する電流計としてもよい。
実施の形態3のプラズマ処理装置は、検定を行う際、処理室101内に、検定のための
プラズマである検定用プラズマ804を発生させる。この検定用プラズマ804のプラズ
マ放電を、以下、検定放電と記載する。
[等価回路]
図9は、実施の形態3のプラズマ処理装置における、検定放電中における、可変直流電
源112,113、静電吸着電極109,110、誘電体層111、ウェハ103、検定
用プラズマ804、および真空の処理室101を簡単にモデル化した等価回路を示す。I
は電流計801の電流、Iは電流計802の電流である。Iは、ウェハ103から
検定用プラズマ804への電流である。Rは、検定用プラズマ804の抵抗値、C
、検定用プラズマ804の静電容量値である。Rは、処理室101の内壁面101aの
接地抵抗、Cは、処理室101の内壁面101aの対地静電容量である。
検定放電中は、ウェハ103と処理室101の内壁面101aとが、検定用プラズマ8
04によって電気的に接続される。この際、ウェハ103と処理室101の内壁面101
aとの間の当該プラズマを介した抵抗値Rおよび静電容量値Cは、ウェハ103と静
電吸着電極109,110との間の抵抗値R,R、および静電容量値C,Cに比
べて、それぞれ十分に小さい。
また、実施の形態3のプラズマ処理装置では、処理室101の内壁面101aの接地抵
抗Rおよび対地静電容量Cも、上記抵抗値R,Rおよび静電容量値C,C
比べて十分小さい。そのため、ウェハ103の電位は、検定放電中、ほぼ0Vとなる。
また、検定用プラズマ804に電流Iが流れることにより、電流計801と電流計8
02には、異なる電流であるIとIが流れる。実施の形態3のプラズマ処理装置は、
制御装置803により、これらの両電流の値が等しくなるように、出力電圧値であるVおよびVを設定する。当該設定により、検定用プラズマ804には、電流Iが流れな
くなる。即ち、プラズマ放電が無い場合の等価回路と等しい状態となる。上記のように決
まる可変直流電源112,113の出力電圧値であるVおよびVが、プラズマ放電が
無い時もウェハ103の電位が0Vになるような出力電圧であるV1ctrlおよびV2ctrlとなる。
実施の形態3のプラズマ処理装置は、ウェハ1枚の処理ごと、あるいは1ロットごと等
、必要な単位およびタイミングで、検定放電を行う。検定放電の際、まずウェハ103が
真空の処理室101内の載置台102に搬入される。ウェハ103は、静電吸着電極10
9,110によって載置台102に吸着される。この際の吸着電圧は、製品ウェハの処理
を行う際に一般的に使用される値に設定される。
プラズマ処理装置は、その後、処理室101内の圧力調整等、検定放電のための準備を
行う。当該準備が終了した後、プラズマ処理装置は、プラズマ発生のための所定のμ波電
力の印加によりプラズマを発生させる。プラズマ発生後、電流計801,802で電流が
計測される。制御装置803は、上記電流計801,802の両電流値であるI,Iを監視する。制御装置803は、互いの電流値であるI,Iの差が、当該電流値の絶
対値の和に対して、±1%以内になるように、可変直流電源112,113の出力電圧で
あるV,Vを制御する。なお当該可変直流電源112,113の出力電圧の変化は、
前述と同様に、等しい量で変化させることとする。
制御装置803は、上記制御において、上記電流値の差が当該電流値の絶対値の和の±
1%以内になった場合、可変直流電源112,113の出力電圧の制御を停止し、その際
の出力電圧値であるV,Vの値を、記憶装置114に記憶させる。ここで記憶された
,Vの値が、上述のV1ctrl,V2ctrlとなる。
なお、上記検定放電中の可変直流電源112,113の出力電圧の制御を停止する際の
条件である、上記電流値の差は、当該電流値の絶対値の和の±1%以内でなくても構わな
い。ただし、前述のように、ウェハ103と内壁面101aとの電位差を、異物の低減効
果が得られるように十分小さくできることが望まれる。
実施の形態3において、上記制御の停止の条件を、上記電流値の差が当該電流値の絶対
値の和の±1%以内であることとしたのは、以下の理由による。実施の形態1における静
電吸着電極109と静電吸着電極110との間の電位差が1000Vである。この100
0Vの電位差に対して、異物の低減効果が得られるウェハ103と内壁面101aとの間
の許容される電位差が±10Vである。上記許容される電位差である±10Vは、上記静
電吸着電極109と静電吸着電極110との間の電位差である1000Vの±1%である
。よって、上記制御の停止の条件として、上記電流値の差が当該電流値の絶対値の和の±
1%以内であることとする。
プラズマ処理装置は、検定後、製品ウェハの処理を行う。プラズマ処理装置は、製品ウ
ェハの処理の際、制御装置803により、プラズマ放電中断中に、可変直流電源112,
113の出力電圧値を、前述の図4の(c)と同様に、V1ctrl,V2ctrlとなるように
制御する。
[効果等]
上述のように、実施の形態3のプラズマ処理装置のプラズマ処理方法によれば、処理室
101の大気開放を行うこと無く検定を実施する。そして本プラズマ処理方法によれば、
製品ウェハの処理において、プラズマ放電中断中にウェハ103と処理室101の内壁面
101aとの間に意図しない電位差が発生することを抑制する。これにより、帯電した異
物のウェハ103への付着を低減することができる。
<実施の形態4>
図10,図11を用いて、本発明の実施の形態4のプラズマ処理装置について説明する
。以下、実施の形態4における前述の形態とは異なる構成の部分について説明する。
[プラズマ処理装置]
図10は、実施の形態4のプラズマ処理装置の要部断面の構成を示す。図10の実施の
形態4のプラズマ処理装置も、ECR型エッチング装置であるが、ECR型エッチング装
置に限らず適用可能である。実施の形態4のプラズマ処理装置は、前述の構成要素に加え
、ウェハ電位計測プローブ1001と、内壁面電位計測プローブ1002と、制御装置1
003とを有する。
ウェハ電位計測プローブ1001は、処理室101内のウェハ103の電位を計測する
プローブである。内壁面電位計測プローブ1002は、処理室101の内壁面101aの
電位を計測するプローブである。
制御装置1003は、制御装置115の代わりに設けられ、両プローブであるウェハ電
位計測プローブ1001および内壁面電位計測プローブ1002の電位計測結果を監視し
て、当該結果を基に可変直流電源112,113の出力電圧を制御する機能を持つ。
実施の形態4において、処理室101の内壁面101aの基材は、例えば前述と同様に
接地された導体である。これに限らず、実施の形態4は、当該内壁面101aの基材が接
地されていない場合や、当該基材の素材が導体ではない場合等にも、好適に適用可能であ
る。
上記内壁面101aの基材は、プラズマに暴露されていてもよい。当該基材は、接地さ
れている場合には、プラズマ消失後に内壁面101aの表面が速やかにおおよそ0Vとな
る程度の薄い誘電体の膜があってもよい。さらに実施の形態4は、内壁面101aの基材
の誘電体の膜が厚く、電位の変化の時定数が数秒から数十秒、もしくはより長い時間に及
ぶ場合にも、好適に適用可能である。
実施の形態4において、静電吸着電極109,110とウェハ103との間の誘電体層
111は、ある程度のリーク電流が流れる程度の抵抗率となっていてもよいし、リーク電
流がほとんど流れないような抵抗率となっていてもよい。例えば、誘電体層111は、前
述のJohnsen−Rahbek効果によって吸着を行うための溶射膜であってもよい
し、それよりも抵抗率が10〜10倍程度になる焼結体であってもよい。
実施の形態4のプラズマ処理装置におけるプラズマ処理方法では、プラズマ放電中断中
、ウェハ電位計測プローブ1001と内壁面電位計測プローブ1002とを用いて、ウェ
ハ103の電位と内壁面101aの電位との計測が行われる。制御装置1003は、これ
らの両プローブの計測結果を監視する。制御装置1003は、計測結果であるウェハ10
3の電位および内壁面101aの電位を基に、ウェハ103と内壁面101aとの電位差
が小さくなるように、可変直流電源112,113の出力電圧を制御する。なお実施の形
態4で、可変直流電源112,113の出力電圧の変化は、前述と同様に、等しい量で変
化させることとする。
実施の形態4のプラズマ処理装置は、制御装置1003により上記制御を行うことによ
り、プラズマ放電中断中に、ウェハ103と処理室101の内壁面101aとの間の電位
差を解消する。これにより、帯電した異物がウェハ103に引き寄せられて付着すること
を防止する。
[処理タイムチャート]
図11は、実施の形態4のプラズマ処理装置におけるプラズマ処理を含む処理のタイム
チャートを前述と同様に示す。図11の処理は、前述の図4とは異なる内容として、プラ
ズマ放電中断中の時間T2における(c)および(d)の形が異なる。
(c)の可変直流電源出力電圧において、1101は、内側の静電吸着電極109への
可変直流電源112の出力電圧として、基準である所定の正の電圧である。1102は、
外側の静電吸着電極110への可変直流電源113の出力電圧として、基準である所定の
負の電圧である。1100は、放電中断中の時間T2における、制御装置1003の制御
による出力電圧の変化およびその時間を示す。制御装置1003は、1100の時間に、
可変直流電源112および可変直流電源113の出力電圧値を変化させる制御を行う。
1100の時間において、可変直流電源112の出力電圧である1101は、1101
aのように変化し、可変直流電源113の出力電圧である1102は、1102aのよう
に変化する。1101aは、1101の電圧値に対して所定電圧低い状態から、次第に電
位が高くなり、1101の電圧値に対して所定電圧高い状態へと至るように変化する。同
様に、1102aは、1102の電圧値に対して所定電圧低い状態から、次第に電位が高
くなり、1102の電圧値に対して所定電圧高い状態へと至るように変化する。
(d)のウェハ電位および内壁面電位において、1111は、ウェハ103の電位、1
112は、内壁面101aの電位を示す。時間T1の放電終了の時刻t1では、1111
,1112は、前述と同様の電位である。時間T2において、ウェハ103の電位である
1111は、1111aのように変化する。1111aは、1100の時間に、一旦少し
電位が低くなってから次第に0Vに近付く形である。同様に、内壁面101aの電位であ
る1112は、1112aのように変化する。1112aは、1100の時間に、次第に
0Vに近付く形である。時刻t1の直後は、1111と1112との電位差があるが、そ
の後、当該電位差がほぼ0Vになる。1100の時間では、1111aと1112aとの
電位差がほぼ0Vである。
実施の形態4のプラズマ処理装置は、上記放電中断中の時間T2に、制御装置1003
により、可変直流電源112,113の出力電圧の制御を行いながら、前述と同様に、処
理室101内の圧力調整等、次の放電処理のための準備を行う。当該準備が終了した後、
プラズマ処理装置は、制御装置1003による1100のような制御を停止する。これに
より、可変直流電源112,113は、次の放電処理のための所定の電圧を出力する。そ
の後、μ波電力の供給が開始され、次の放電処理が同様に実施される。
実施の形態4のプラズマ処理装置は、ウェハ103と内壁面101aとの電位差が小さ
くなるように、可変直流電源112,113の出力電圧の制御を行い続ける構成である。
これに限らず、ウェハ103と内壁面101aとの電位差が所定の値以内になるように
上記出力電圧の制御を行う形態としても構わない。この形態の場合、例えば前述の実施の
形態1で異物の低減効果が得られる目安とした値を用いて、ウェハ103と内壁面101
aとの電位差を±10V以内になるように制御してもよい。
[効果等]
上述のように、実施の形態4のプラズマ処理装置におけるプラズマ処理方法によれば、
製品ウェハの処理において、プラズマ放電中断中にウェハ103と内壁面101aとの間
に意図しない電位差が発生することを抑制し、異物のウェハ103への付着を低減するこ
とができる。
以上、本発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は、ウェハ載置台上に
ウェハが載置されており、かつプラズマが発生していない場合に、ウェハと処理室内壁面
の電位差を低減するように、ウェハ吸着電極用の可変直流電源の出力電圧を制御するプラ
ズマ処理装置に関するものである。
尚、本発明は上述した各実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない
範囲で様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明す
るために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定さ
れるものではない。また、一方の実施例の構成の一部を他方の実施例の構成に置き換える
ことが可能であり、また、一方の実施例の構成に他方の実施例の構成を加えることも可能
である。さらに各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすること
が可能である。
例えば、上述した「試料台上にウェハが載置されており、かつプラズマが発生していな
い場合」は、実施形態1〜4における放電中断中のみならず、ウェハが処理室に搬入され
、最初のプラズマ放電が開始されるまでの間の期間も含む。
また、各実施の形態においては、可変直流電源112および可変直流電源113の出力
電圧の平均値を変化させる際、可変直流電源112および可変直流電源113の両方で、
等しい量を変化させることとした。この電圧の変化は、可変直流電源112および可変直
流電源113のそれぞれで異なる量を変化させても構わない。例えば、可変直流電源11
2の出力電圧が+500V、可変直流電源113の出力電圧が−500Vの状態から、可
変直流電源112および113の出力電圧の平均値を+10V変化させる場合には、可変
直流電源112の出力電圧を+520V、可変直流電源113の出力電圧を−500Vと
してもよい。
さらに各実施例において、可変直流電源112および可変直流電源113のそれぞれの
出力の電圧値をそれぞれ変化させた場合で説明したが、必ずしもそれぞれの電圧値を両方
とも変化させる必要はなく、少なくとも、可変直流電源112または可変直流電源113
の出力の電圧値により処理室の内壁面とウェハとの電位差が0となるように制御しても良
い。尚、可変直流電源112および可変直流電源113のそれぞれの出力の電圧値をそれ
ぞれ変化させた場合の方が可変直流電源112または可変直流電源113の一方の出力の
電圧値だけを変化させる場合よりウェハを試料台に安定的に静電吸着させることができる
効果がある。
また、例えば、実施形態4におけるプラズマ処理装置は、壁面電位を計測する内壁面電
位計測プローブを備えるが、本発明は、実施例1ないし3に記載したように内壁面の電位
がプラズマ中断中、速やかに0Vになることが推察される場合には、内壁面電位計測プロ
ーブを備えない構成でも良い。また、本発明は、例えば、プラズマ中断中の内壁面電位を
予め計測して把握している場合にも、内壁面電位計測プローブを備えない構成でも良い。
さらに、例えば、内壁面がプラズマによって帯電し、かつ、プラズマパラメータからそ
の電位が確実に推測可能な場合には、本発明は、内壁面電位計測プローブを備えない構成
でも良い。また、本発明は、上述した例以外にも種々の要因で内壁面に電位が発生する場
合に、内壁面電位の直接計測以外の方法でその電位が確実に推測可能な場合にも内壁面電
位計測プローブを備えない構成でも良い。
以上、本発明の技術的思想は、「プラズマが不存在の場合における、前記試料の電位と
前記プラズマ処理室の内壁の電位との電位差を低減させる」ことである。また、プラズマ
処理室の内壁の電位が略0である場合は、本発明の技術的思想は、「プラズマが不存在で
ある場合の前記試料の電位を低減させる」ことであると表現することができる。さらに本
発明は、上記の本発明の技術的思想の要旨を逸脱しない範囲で種々に変更可能である。
また、本発明は、プラズマが不存在の場合における、試料の電位とプラズマ処理室の内
壁の電位との電位差を低減させる直流電源の電圧値として予め求められた直流電源の電圧
値をプラズマが不存在の場合に直流電源の出力値として出力する形態も含む。さらに本発
明は、プラズマが不存在である場合の試料の電位を低減させる直流電源の電圧値として予
め求められた直流電源の電圧値をプラズマが不存在の場合に直流電源の出力値として出力
する形態も含む。
101…処理室、101a…内壁面、102…載置台、103…ウェハ、104…高周波
電極、105…高周波電源、106…μ波発振源、107…ソレノイドコイル、108…
導波管、109,110…静電吸着電極、111…誘電体層、112,113…可変直流
電源、114…記憶装置、115,803,1003…制御装置、801,802…電流
計、804…検定用プラズマ、1001…ウェハ電位計測プローブ、1002…内壁面電
位計測プローブ。

Claims (9)

  1. プラズマを用いて試料がプラズマ処理される処理室と、
    前記プラズマを生成するための高周波電力を供給する高周波電源と、
    前記試料を静電吸着させるための電極が内部に配置され前記試料が載置される試料台と、
    前記電極に直流電圧を印加する直流電源と、
    前記プラズマ処理前におけるプラズマが不存在の時またはステップ間におけるプラズマが不存在の時、前記プラズマが不存在である場合における前記試料の電位の絶対値を低減させる電圧値を前記電極に印加するように前記直流電源を制御する制御装置とを備え、
    前記ステップは、前記プラズマ処理のパラメータの設定値が規定されたものであり、
    前記プラズマが不存在である場合における、プラスとマイナスの符号を含めた前記直流電圧の数値は、前記プラズマが存在する場合における、プラスとマイナスの符号を含めた前記直流電圧の数値より大きいことを特徴とするプラズマ処理装置。
  2. プラズマを用いて試料がプラズマ処理される処理室と、
    前記プラズマを生成するための高周波電力を供給する高周波電源と、
    前記試料を静電吸着させるための電極が内部に配置され前記試料が載置される試料台と、
    前記電極に直流電圧を印加する直流電源と、
    前記プラズマ処理前におけるプラズマが不存在の時またはステップ間におけるプラズマが不存在の時、前記プラズマが不存在である場合における前記試料の電位と前記処理室の内壁の電位との電位差の絶対値を低減させる電圧値を前記電極に印加するように前記直流電源を制御する制御装置とを備え、
    前記ステップは、前記プラズマ処理のパラメータの設定値が規定されたものであり、
    前記プラズマが不存在である場合における、プラスとマイナスの符号を含めた前記直流電圧の数値は、前記プラズマが存在する場合における、プラスとマイナスの符号を含めた前記直流電圧の数値より大きいことを特徴とするプラズマ処理装置。
  3. プラズマを用いて試料がプラズマ処理される処理室と、
    前記プラズマを生成するための高周波電力を供給する高周波電源と、
    前記試料を静電吸着させるための電極が内部に配置され前記試料が載置される試料台と、
    前記電極に直流電圧を印加する直流電源と、
    前記プラズマ処理前におけるプラズマが不存在の時またはステップ間におけるプラズマが不存在の時、前記プラズマが不存在である場合における前記試料の電位の絶対値を低減させる電圧値を前記電極に印加するように前記直流電源を制御する制御装置とを備え、
    前記ステップは、前記プラズマ処理のパラメータの設定値が規定されたものであり、
    前記電圧値は、前記試料の電位と前記直流電圧との予め求められた相関データに基づいて求められることを特徴とするプラズマ処理装置。
  4. プラズマを用いて試料がプラズマ処理される処理室と、
    前記プラズマを生成するための高周波電力を供給する高周波電源と、
    前記試料を静電吸着させるための電極が内部に配置され前記試料が載置される試料台と、
    前記電極に直流電圧を印加する直流電源と、
    前記プラズマ処理前におけるプラズマが不存在の時またはステップ間におけるプラズマが不存在の時、前記プラズマが不存在である場合における前記試料の電位と前記処理室の内壁の電位との電位差の絶対値を低減させる電圧値を前記電極に印加するように前記直流電源を制御する制御装置とを備え、
    前記ステップは、前記プラズマ処理のパラメータの設定値が規定されたものであり、
    前記電圧値は、前記電位差と前記直流電圧との予め求められた相関データに基づいて求められることを特徴とするプラズマ処理装置。
  5. 請求項1または請求項2に記載のプラズマ処理装置において、
    前記電圧値は、前記試料と前記電極との間の抵抗値に基づいて求められることを特徴とするプラズマ処理装置。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載のプラズマ処理装置において、
    前記電圧値は、前記試料の電位が−10ないし+10Vの範囲内の値となる電圧値であることを特徴とするプラズマ処理装置。
  7. 請求項1または請求項2に記載のプラズマ処理装置において、
    前記プラズマが不存在である場合における、プラスとマイナスの符号を含めた前記直流電圧の数値は、前記プラズマが存在する場合における、プラスとマイナスの符号を含めた前記直流電圧の数値より漸次的に大きくされることを特徴とするプラズマ処理装置。
  8. 請求項1、請求項2、請求項6または請求項7に記載のプラズマ処理装置において、
    前記電圧値は、前記試料に流れる電流の値に基づいて求められることを特徴とするプラズマ処理装置。
  9. 請求項1ないし請求項8のいずれか一項に記載のプラズマ処理装置において、
    前記プラズマ処理前におけるプラズマが不存在の時またはステップ間におけるプラズマが不存在の時は、前記高周波電源から高周波電力が供給されていないことを特徴とするプラズマ処理装置。
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