JP6762925B2 - 影響評価装置、呼吸誘導装置、影響評価方法、及びそれらのプログラム - Google Patents

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Description

本発明は、コンテンツの再生技術に関し、特に、鑑賞者に対するコンテンツの影響を評価する技術、評価結果を用いて鑑賞者の呼吸周期が長く、あるいは短くなるように誘導する技術に関する。
音楽コンテンツなどの時間軸に沿って進行するコンテンツのテンポに基づいて鑑賞者の呼吸テンポが誘導される(呼吸が引き込まれる)という報告がなされている(例えば、非特許文献1,2等参照)。このコンテンツに呼吸が引き込まれる現象を利用し、例えば、音楽テンポに基づいて鑑賞者の呼吸を誘導する発明や商品開発が行われている。例えば、非特許文献3に開示された装置では、ある目標とする呼吸テンポに誘導、あるいは収束させることを目的として、呈示音の時間長を変化させている。
F. HAAS, S. Distenfeld and K. Axen, "Effects of perceived musical rhythm on respiratory pattern," J. Appl Physiol, 1986, 61, pp. 1185-1191 中村敏枝, "音楽における「間」と呼吸について," 日本音響学会音楽音響研究会資料, 1994, MA94, 16 "RESPeRATE TO LOWER BLOOD PRESSURE", [online], [平成23年2月25日検索], インターネット<http://www.resperate.com/us/discover/resperatedemo>
しかしながら、非特許文献3はユーザー個々人の呼吸がどのように音に引き込まれるかまったく考慮されておらず、ユーザーが意識的に呼吸を音に合わせないと高い効果が得られないという課題がある。また、参考文献1では、呼吸の引き込みは音楽家ほど高いなどユーザーの特性による違いが予見されているが、ユーザーの呼吸がどの程度音楽に反応する感度を持つかを測定する手段は知られていない。
(参考文献1)Bernardi, L.; Porta, C. & Sleight, P., "Cardiovascular, cerebrovascular, and respiratory changes induced by different types of musics in musicians and non-musicians: the importance of silence", Heart, 2006, 92, pp.445-452
他方、参考文献2では呼吸に合わせて音楽を再生する方法は知られているが、どのように呼吸周期を誘導するかは知られていない。
(参考文献2)特開2011−59419号公報
本発明は、鑑賞者の呼吸周期に対するコンテンツの影響を評価する影響評価装置、評価結果を用いて鑑賞者の呼吸周期が長く、あるいは短くなるように誘導する呼吸誘導装置、影響評価方法、及びそれらのプログラムを提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様によれば、影響評価装置は、時間軸に沿った各再生位置にそれぞれ対応するコンテンツ情報と、少なくとも一部の再生位置に対応する、時間軸に沿った第1呼吸目標設定位置に対して定められた呼吸状態を特定する第1呼吸目標情報と、を含む、呼吸分布付きコンテンツの第1呼吸目標情報に対し、N個のシフト操作量に応じてシフト操作を行い、N個の第n呼吸分布情報を作成し、コンテンツ情報と対応付けて、N個の第n呼吸分布付きコンテンツを作成する呼吸分布シフト作成部と、各第n呼吸分布付きコンテンツが含む各再生位置にそれぞれ対応するコンテンツ情報を順次再生するための再生情報を出力するコンテンツ再生制御部と、各第n呼吸分布付きコンテンツに含まれるコンテンツ情報の鑑賞者を計測して得られる呼吸情報に基づき算出される呼吸周期の平均である平均呼吸周期を各第n呼吸分布付きコンテンツについて求め、シフト操作に対する平均呼吸周期の変動の大きさを鑑賞者のコンテンツ情報に対する感度の指標として求める呼吸感度測定部とを含む。
上記の課題を解決するために、本発明の他の態様によれば、影響評価方法は影響評価装置が行うものであり、影響評価方法は、時間軸に沿った各再生位置にそれぞれ対応するコンテンツ情報と、少なくとも一部の再生位置に対応する、時間軸に沿った第1呼吸目標設定位置に対して定められた呼吸状態を特定する第1呼吸目標情報と、を含む、呼吸分布付きコンテンツの第1呼吸目標情報に対し、N個のシフト操作量に応じてシフト操作を行い、N個の第n呼吸分布情報を作成し、コンテンツ情報と対応付けて、N個の第n呼吸分布付きコンテンツを作成する呼吸分布シフト作成ステップと、各第n呼吸分布付きコンテンツが含む各再生位置にそれぞれ対応するコンテンツ情報を順次再生するための再生情報を出力するコンテンツ再生制御ステップと、各第n呼吸分布付きコンテンツに含まれるコンテンツ情報の鑑賞者を計測して得られる呼吸情報に基づき算出される呼吸周期の平均である平均呼吸周期を各第n呼吸分布付きコンテンツについて求め、シフト操作に対する平均呼吸周期の変動の大きさを鑑賞者のコンテンツ情報に対する感度の指標として求める呼吸感度測定ステップとを含む。
本発明によれば、鑑賞者の呼吸周期に対するコンテンツの影響を評価することができるという効果を奏する。
第一実施形態に係る影響評価装置の機能ブロック図。 第一実施形態に係る影響評価装置の処理フローの例を示す図。 呼吸分布付きコンテンツの例を示す図。 図4Aは呼吸指標抽出部が算出する呼吸指標の例を説明するための図、図4Bは呼吸指標と呼吸目標情報との関係を例示する図。 第二実施形態を適用した場合の実験結果を示す図。 第二実施形態に係る影響評価装置の機能ブロック図。 第二実施形態に係る影響評価装置の処理フローの例を示す図。 第三実施形態に係る影響評価装置の機能ブロック図。 第三実施形態に係る影響評価装置の処理フローの例を示す図。 第四実施形態に係る影響評価装置の機能ブロック図。 第四実施形態に係る影響評価装置の処理フローの例を示す図。
以下、本発明の実施形態について、説明する。なお、以下の説明に用いる図面では、同じ機能を持つ構成部や同じ処理を行うステップには同一の符号を記し、重複説明を省略する。以下の説明において、ベクトルや行列の各要素単位で行われる処理は、特に断りが無い限り、そのベクトルやその行列の全ての要素に対して適用されるものとする。
〔用語の定義〕
以下のように用語を定義する。
コンテンツ:音楽、音声若しくは朗読、又は、演劇、映画若しくはテレビ番組その他の動画など、鑑賞目的のための音響情報や映像情報を意味する。
コンテンツ情報:コンテンツを構成し、時間軸に沿って順次再生される情報を意味する。
再生位置:時間軸に沿って順次再生される各コンテンツ情報の再生位置、つまり、コンテンツ再生における時間軸上の進行位置を意味する。より具体的には、例えば、フレーム位置、サンプル点、タイムコード、ソングポジションポインターなどが再生位置に対応する。
呼吸目標設定位置:少なくとも一部の再生位置を意味する。
呼吸状態:周期的に行われる呼吸運動中の各状態を意味する。より具体的には、例えば、呼気運動を開始する時点の状態である呼気開始状態、呼気運動中の各時点での呼気状態、呼気運動を終了する時点の状態である呼気終了状態、吸気運動を開始する時点の状態である吸気開始状態、吸気運動中の各時点での吸気状態、吸気運動を終了する時点の状態である吸気終了状態などが呼吸状態に対応する。
基準状態:所定の呼吸状態を意味する。例えば、呼気開始状態、呼気終了状態、吸気開始状態、吸気終了状態などが基準状態に対応する。
呼吸基準位置:呼吸状態が特定の基準状態となる時間軸上の位置を意味する。
呼吸情報:コンテンツを鑑賞する鑑賞者やコンテンツを演奏又は演ずる演者の呼吸状態を計測して得られる情報を意味する。より具体的には、例えば、胸部回りや腹部回りの長さ、呼吸の気流量、呼気と吸気の温度差などを意味する。
再生速度:ある再生位置Aのコンテンツ情報を再生してから次の再生位置Bのコンテンツ情報を再生するまでに要する時間の逆数を意味する。再生テンポやクロック間隔などに読み替え可能な概念である。
<第一実施形態>
図1は第一実施形態に係る影響評価装置の機能ブロック図を、図2はその処理フローを示す。
影響評価装置は、記憶部2と、入力部11と、呼吸分布シフト作成部3と、記憶部12と、呼吸計測部13と、呼吸指標抽出部14と、再生速度演算部15と、コンテンツ再生制御部16と、再生部17と、制御部19と、呼吸感度測定部4とを含む。
影響評価装置は、例えば、中央演算処理装置(CPU: Central Processing Unit)、主記憶装置(RAM: Random Access Memory)などを有する公知又は専用のコンピュータに特別なプログラムが読み込まれて構成された特別な装置である。影響評価装置は、例えば、中央演算処理装置の制御のもとで各処理を実行する。影響評価装置に入力されたデータや各処理で得られたデータは、例えば、主記憶装置に格納され、主記憶装置に格納されたデータは必要に応じて中央演算処理装置へ読み出されて他の処理に利用される。影響評価装置の各処理部は、少なくとも一部が集積回路等のハードウェアによって構成されていてもよい。影響評価装置が備える各記憶部は、例えば、RAM(Random Access Memory)などの主記憶装置、ハードディスクや光ディスクもしくはフラッシュメモリ(Flash Memory)のような半導体メモリ素子により構成される補助記憶装置、またはリレーショナルデータベースやキーバリューストアなどのミドルウェアにより構成することができる。
影響評価装置は、鑑賞者にコンテンツを再生して提示し、コンテンツを鑑賞している鑑賞者から得られる呼吸に関する情報と、呼吸分布付きコンテンツとを入力とし、コンテンツの鑑賞者のコンテンツに対する感度を評価し、評価結果を感度指標として出力する。なお、影響評価装置は、鑑賞者の呼吸に対するコンテンツの影響を評価しているとも言える。
[入力部11]
入力部11は、呼吸分布付きコンテンツ12aの入力を受け付ける機能部であり、入力部11の例は、入力ポート、入力インタフェース、読み出し装置、受信装置などである。
入力部11に呼吸分布付きコンテンツ12aが入力され、呼吸分布シフト作成部3に出力する。
[呼吸分布付きコンテンツ12a]
本形態の呼吸分布付きコンテンツ12aは、時間軸に沿った各再生位置にそれぞれ対応するコンテンツ情報と、少なくとも一部の再生位置に対応する位置(例えば、当該再生位置や当該再生位置と特定の関係にある位置など)である各呼吸目標設定位置に対して予め定められた呼吸状態を特定するための呼吸目標情報とを含むデータ構造からなるデータである。なお、呼吸目標情報は、周期的な呼吸運動の位相に対応する情報である。
例えば、図3に例示する呼吸分布付きコンテンツ12aは、時間軸に沿った各サンプル点τ(再生位置)にそれぞれ対応する音程や音の強さを示すMIDIデータであるコンテンツ情報d(τ)と、すべてのサンプル点τ(呼吸目標設定位置)に対して定められた、各サンプル点τにおいて望ましい「周期的な呼吸運動の位相」を特定するための情報Φ(τ)(呼吸目標情報)とを含むデータ構造からなるデータである。なお、本形態の呼吸目標情報Φ(τ)の具体例については後述する。呼吸分布付きコンテンツ12aは、さらに同期重要度α(τ)を含むデータ構造からなるデータであってもよい。
なお、簡単のため、呼吸分布付きコンテンツ12aのコンテンツは後述する再生速度の変更を行わない場合に平均的な呼吸周期(3s〜6s)と近い周期Τ(2s〜8sの中で定めることが望ましい)で同じ内容が繰り返されるコンテンツであり、呼吸目標情報Φ(τ)も同じ周期Τで(周期的に現れる同じコンテンツ情報に対応する呼吸目標情報Φ(τ)が同じ値になるように)設定されているとして説明を行う。
[呼吸分布シフト作成部3]
呼吸分布シフト作成部3は、呼吸分布付きコンテンツ12aを入力とし、呼吸分布付きコンテンツ12aに含まれる呼吸目標情報Φ(τ)(以下、第1呼吸目標情報ともいう)に対し、N個のシフト操作量γnに応じて、シフト操作を行い(例えば、Φ1(τ)=Φ(τ-γ1),Φ2(τ)=Φ(τ-γ2), …, Φn(τ)=Φ(τ-γn), …,ΦN(τ)=Φ(τ-γN)となるシフト操作)、N個のあらたな呼吸分布情報(それぞれ第n呼吸分布情報とし、n=1,2,…,N)Φn(τ)を作成し、呼吸分布付きコンテンツ12aに含まれる同じコンテンツ情報にひも付け、記憶部12に格納する。ただし、N個の呼吸分布情報Φn(τ)とコンテンツ情報とは、それぞれを独立したものとし、第n呼吸分布情報Φn(τ)とコンテンツ情報とをひも付けたデータ構造を第n呼吸分布付きコンテンツ12a−nともいう。なお、Nは2以上の整数の何れかであり、例えば、6〜8が望ましい。
このとき、各シフト操作量γnの値は呼吸分布付きコンテンツのコンテンツと呼吸目標情報Φ(τ)の関係が周期Τを上限として網羅的にずれるように設定されるのが良い。例えばγn=(n-1)* Τ/Nと設定すればよい。
また、呼吸分布付きコンテンツ12aとして同期重要度を含む場合には、呼吸目標情報と同様のシフト操作を行って取り扱えば良い。なお、同期重要度を用いた処理内容は、従来技術と同様であるため、説明を省略する。例えば、参考文献3の技術を適用することができる。
(参考文献3)特開2012−190492号公報
[記憶部12]
記憶部12は、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリなどの情報記憶装置である。記憶部12は、呼吸分布シフト作成部3で作成されたN個の第n呼吸分布付きコンテンツ12a−nを格納する。なお、第n呼吸分布付きコンテンツ12a−nは、少なくとも一部の再生位置にそれぞれ対応する係数である第1同期重要度をさらに含むデータ構造であってもよい。例えば、図3の呼吸分布付きコンテンツ12aと同じように、第n呼吸分布付きコンテンツ12a−nは、各サンプル点τ(再生位置)にそれぞれ対応するコンテンツ情報d(τ)と、各サンプル点τ(第1呼吸目標設定位置)に対して定められた呼吸運動にそれぞれ対応する位相に対応する第n呼吸分布情報Φn(τ)と、各サンプル点τにそれぞれ対応する係数である第n同期重要度αn(τ)とを含むデータ構造である。
第一実施形態では、入力部11、及び、呼吸分布シフト作成部3による処理を事前に1回行って、呼吸分布シフト作成部3の出力を記憶部12に記憶しておけばよい。
[呼吸計測部13]
呼吸計測部13は、コンテンツの鑑賞者100の呼吸状態を計測し、それによって得られる呼吸情報を出力する周知の装置である。本形態の例では、胸部回りや腹部回りの長さに対応する情報(呼吸レベル)を呼吸情報とし、胸部や腹部に巻き付けられたゴム管の抵抗変化から呼吸を検出する装置(例えば、日本光電製のTR-753Tや、ADInstruments製のMLT1132)を呼吸計測部13とする。この例の呼吸計測部13は、設定されたある任意の周期で呼吸レベルV(t)を計測して出力する。なお、tは離散的な時刻に対応する整数インデックスであり、「時刻t」とは整数インデックスtに対応する時刻を意味する。また、簡単のためにtは周期Tで1ずつ進行するとして説明を行う。また、V(t)は時刻tでの呼吸レベルを表す。
鑑賞者100に取り付けられた呼吸計測部13が周期Tで鑑賞者100の呼吸状態を計測し、それによって得られた呼吸情報である呼吸レベルV(t1), V(t1-1), V(t1-2),...を出力する。t1は現在の時刻を表す。
[呼吸指標抽出部14]
呼吸指標抽出部14は、例えば、CPUに所定のプログラムが読み込まれることで構成される処理部である。呼吸指標抽出部14は、呼吸情報(本実施形態では呼吸レベルV(t1), V(t1-1), V(t1-2),...)を入力とし、鑑賞者を計測して得られる呼吸情報から当該鑑賞者の周期的な呼吸運動の位相に対応する情報である呼吸指標φ(t)を抽出し、当該呼吸指標を出力する。
図4Aは、本実施形態の呼吸指標抽出部14が算出する呼吸指標の例を説明するための図である。
どのような値を「鑑賞者の周期的な呼吸運動の位相に対応する情報」として用いるかについては特に制限はない。例えば、呼吸レベルV(t)を1次元値とし、その遅延値V(t-Γ)を2次元値としたベクトルを「鑑賞者の周期的な呼吸運動の位相に対応する情報」としてもよいし、呼吸レベルV(t)を1次元値とし、その遅延値V(t-Γ)を2次元値とした直交座標系の空間(相空間)での極座標の偏角を「鑑賞者の周期的な呼吸運動の位相に対応する情報」としてもよい。
以下では呼吸レベルV(t)を1次元値とし、その遅延値V(t-Γ)を2次元値とした直交座標系の空間(相空間)での極座標の偏角を「鑑賞者の周期的な呼吸運動の位相に対応する情報(呼吸指標φ(t))」として用いる。この場合の呼吸指標抽出部14が時刻tに対応する処理は、例えば以下のようになる。
1.呼吸計測部13から出力された時刻tにおける呼吸レベルV(t)を相空間の1次元値とする。
2.呼吸レベルV(t)を時間遅延フィルターに通して得られる呼吸レベルV(t-Γ)を相空間の2次元目の値とする。ここでΓは時間遅延フィルターの遅延幅(定数)であり、呼吸の場合は200msから800ms程度が望ましい。
3.相空間の直交座標系の点(V(t),V(t-Γ))を極座標表示した場合の偏角を、呼吸指標φ(t)として求めて出力する(図4A参照)。
なお、このような値を呼吸指標φ(t)とする場合、予め定められた各サンプル点τにおいて望ましい呼吸指標φ(t)が、当該サンプル点τに対応する呼吸目標情報Φ(τ)(図3参照)として呼吸分布付きコンテンツ12aに設定されている。さらに、本実施形態では呼吸指標抽出部14は、鑑賞者の呼吸周期を算出し、呼吸周期を記憶部2に格納する。呼吸周期は例えば呼吸レベルV(t)のピークから次のピークまでの間隔、または呼吸指標φ(t)が同じ値となる(例えば0)となる時刻の間隔を測ることによって得られる。なお、呼吸周期は、呼吸情報(本実施形態では呼吸レベルV(t1), V(t1-1), V(t1-2),...)、または、呼吸情報から得られる呼吸指標φ(t)から算出することができ、何れの場合も呼吸情報に基づき算出される情報と言える。
[再生速度演算部15]
再生速度演算部15は、例えば、CPUに所定のプログラムが読み込まれることで構成される処理部である。再生速度演算部15は、N個の第n呼吸分布付きコンテンツ12a−nにそれぞれ含まれるN個の第n呼吸分布情報Φn(τ)を記憶部12から取り出し、呼吸指標φ(t)を入力とし、何れかの呼吸目標設定位置に対応する第n呼吸分布情報Φn(τ)によって特定される位相と、当該呼吸目標設定位置に対応するコンテンツ情報が再生される時点での呼吸指標によって特定される位相との差が小さくなるような再生速度を特定する再生速度情報(例えばサンプル更新間隔S(t))を求め、出力する。
図3は、第一実施形態の再生速度演算部15の処理機能を例示するための図である。なお、図3ではΦnをΦとし、αnをαとして表現している。
本形態の再生速度演算部15は、サンプル更新間隔を定めることでコンテンツの再生速度を設定する。また、本形態の再生速度演算部15は、呼吸計測部13で呼吸レベルV(t)が得られるたびに、すなわち、周期Tでサンプル更新間隔S(t)を定め、これを再生速度情報として出力する。
時刻t=t1の時点で、サンプル点τ=p(t1)に対応するコンテンツ情報d(p(t1))までの再生が終了しているとする。このとき呼吸分布付きコンテンツ12aに含まれるサンプル点τ=p(t1)に対応する第n呼吸分布情報がΦn(p(t1))であり、時刻t=t1の時点で呼吸指標抽出部14から出力された呼吸指標(鑑賞者の周期的な呼吸運動の位相に対応する情報)がφ(t1)であったとする。再生速度演算部15は、これらの呼吸指標φ(t1)と呼吸分布情報Φn(p(t1))とを入力とし、これらが図4Aの相空間上でなす角を以下のように符号付きで求める。なお、図4BではΦnをΦとして表現している。
R(t1)=φ(t1)-Φn(p(t1)) (4)
If |R(t1)|>π then L(t1)=R(t1)-Sgn(R(t1))・2π else L(t1)=R(t1) (5)
ただし、Sgn(δ)は符号関数であり、その関数値は、δ<0のときはSgn(δ)=-1となり、δ=0のときはSgn(δ)=0となり、δ>0のときはSgn(δ)=1となる。L(t1)>0の場合、時刻t1において鑑賞者の呼吸が呼吸分布情報の示す呼吸より進んでいることになり、L(t1)<0の場合、時刻t1において鑑賞者の呼吸が呼吸分布情報の示す呼吸より遅れていることになる。図4Bに、呼吸指標φ(t1)と呼吸分布情報Φn(p(t1))とL(t1)との関係を例示する。なお、図4BはL(t1)<0の例である。
そして、再生速度演算部15は、時刻t1でのサンプル更新間隔S(t1)を以下のように算出し、これを再生速度情報として出力する。
S(t1)=S0/{α(p(t1))・C・L(t1)+1} (6)
ここで、S0は予め定められたサンプル更新間隔の標準設定値であり、CはC>0を満たす任意の定数である。例えば、取り得るすべてのα(τ),L(t)に対してα(p(t))・C・L(t)+1>0となるように定数Cが定められた場合、再生速度演算部15は、鑑賞者の呼吸が呼吸分布情報の示す呼吸より進んでいる場合(L(t1)>0)に、S0よりも大きなサンプル更新間隔S(t1)を算出し、鑑賞者の呼吸が呼吸分布情報の示す呼吸に同期している場合(L(t1)=0)に、S0と等しいサンプル更新間隔S(t1)を算出し、鑑賞者の呼吸が呼吸分布情報の示す呼吸より遅れている場合(L(t1)<0)に、S0よりも小さなサンプル更新間隔S(t1)を算出する。
[コンテンツ再生制御部16]
コンテンツ再生制御部16は、例えば、CPUに所定のプログラムが読み込まれることで構成される処理部である。コンテンツ再生制御部16は、再生速度情報とコンテンツ情報とを入力とし、当該再生速度情報で特定される再生速度で各再生位置にそれぞれ対応する各コンテンツ情報を順次再生するための再生情報を出力する。
コンテンツ再生制御部16は、再生速度演算部15から出力されたサンプル更新間隔S(t1)と、記憶部12に格納された第n呼吸分布付きコンテンツ12a−nから抽出されたコンテンツ情報d(τ)とを入力とし、サンプル更新間隔S(t1)で再生対象のサンプル点τを更新しつつ再生対象のサンプル点τに対応するコンテンツ情報d(τ)を再生するための再生情報r(τ)を順次出力する。
[再生部17]
再生部17は、例えば、アンプ、スピーカー、画像表示装置などから構成される周知の呈示装置である。再生部17は、コンテンツ再生制御部16から出力された再生情報r(τ)を入力とし、再生情報r(τ)によって特定される音響情報等のコンテンツを出力する。
[記憶部2]
記憶部2には、再生時において、呼吸指標抽出部14より出力される呼吸周期と、再生する際に使用された第n呼吸分布付きコンテンツ12a−nを作成する際に用いたシフト操作量γnとが対応付けられて保存される。例えば、呼吸分布シフト作成部3によってN個の異なる第n呼吸分布情報Φn(τ)が作成されるが、第n呼吸分布付きコンテンツ12a−nを使って再生した際に得られた呼吸周期をnと対応付けて保存すれば、シフト操作量γnと対応付けることが可能である。なお、シフト操作量γnそのものを第n呼吸分布付きコンテンツ12a−nと対応付けて記憶部2にあらかじめ保存しておき、シフト操作量γnと直接対応付けて記憶部2に保存してももちろんよい。
[呼吸感度測定部4]
呼吸感度測定部4は、記憶部2よりN個の第n呼吸分布付きコンテンツ12a−nを再生した際の呼吸周期を取り出し、第n呼吸分布付きコンテンツ12a−n毎に呼吸周期の平均(平均呼吸周期)を求める。さらに、呼吸感度測定部4は、この平均呼吸周期の変動の大きさを鑑賞者100のコンテンツ情報に対する感度の指標として求める。例えば、呼吸感度測定部4は、平均呼吸周期がシフト操作に応じてどの程度変動したのかを求め、(図5参照、説明は後述を参照)、その変動の大きさを計算し、計算結果を鑑賞者のコンテンツ(例えば音楽)に対する感度の指標として用いる。呼吸周期の変動の大きさは、例えば、(1)最大の平均呼吸周期から最小の平均呼吸周期を割る(つまり、最大の平均呼吸周期と最小平均呼吸周期との比)、または、(2)割るのではなく引き算する(つまり、最大の平均呼吸周期と最小の平均呼吸周期との差分)、または、(3)N個の平均呼吸周期の分散を求める、などで計算できる。上述の比、差分、分散が大きいほど呼吸周期の変動が大きいと判断する。
また、別の例として、コンテンツを再生していない状態で、呼吸計測部13において呼吸状態を計測し、それによって得られる呼吸情報から、呼吸指標抽出部14において呼吸周期を得、記憶部2に格納しておく。これを鑑賞者の安静時の呼吸周期とする。安静時の平均呼吸周期からの変化率((第n呼吸分布付きコンテンツ12a−nのコンテンツを鑑賞している状態の平均呼吸周期)/(安静時の平均呼吸周期))を呼吸周期の変動の大きさとして用いてもよい。なお、図5は安静時の平均呼吸周期からの変化率を表示している。
呼吸感度測定部4は、対象とする鑑賞者の音楽に対する感度の指標値(感度指標)を出力する。
[制御部19]
制御部19は、例えば、CPUに所定のプログラムが読み込まれることで構成される処理部である。制御部19は、影響評価装置の処理全体を制御する。例えば、入力された呼吸分布付きコンテンツ12aから呼吸分布シフト作成部3によって生成されたN個の第n呼吸分布付きコンテンツ12a−nを記憶部12に記憶する。次に、その中の任意の第n呼吸分布付きコンテンツ12a−nを選択し、そのデータに基づき当該影響評価装置によりコンテンツの再生を行いつつ、そのときの呼吸指標抽出部14の出力を記憶部2に保存する。これを生成されたN個全ての呼吸分布付きコンテンツ12a−nの再生が終了するまで行う。次に記憶部2に記憶されたデータを呼吸感度測定部4に送り、鑑賞者のコンテンツ(例えば音楽)に対する感度指標を出力する。以上の一連の処理全体を制御する。
なお、本発明で「再生」という場合は、前述した影響評価装置による再生を意味し、今後特に断りなく用いる。
<方法>
次に、図2を用いて本形態の影響評価方法を例示する。
まず、入力部11に呼吸分布付きコンテンツ12aが入力される(ステップS11)。
呼吸分布シフト作成部3は、呼吸分布付きコンテンツ12aを入力とし、呼吸分布付きコンテンツ12aに含まれる呼吸目標情報Φ(τ)に対し、N個のシフト操作量γnに応じてシフト操作を行い、N個の第n呼吸分布情報Φn(τ)を作成し(ステップS11−2)、呼吸分布付きコンテンツ12aに含まれる同じコンテンツ情報にひも付け、N個の第n呼吸分布付きコンテンツ12a−nを作成し、記憶部12に格納する(ステップS12)。
制御部19が第n呼吸分布付きコンテンツ12a−nを選択する(ステップS12−2)。
第n呼吸分布付きコンテンツ12a−nのコンテンツを鑑賞している鑑賞者100に取り付けられた呼吸計測部13が周期Tで鑑賞者100の呼吸状態を計測し、それによって得られた呼吸情報である呼吸レベルV(t1), V(t1-1), V(t1-2),...を出力する(ステップS13)。呼吸レベルV(t1), V(t1-1), V(t1-2),...は呼吸指標抽出部14に入力され、呼吸指標抽出部14は、鑑賞者を計測して得られる呼吸情報(呼吸レベル)から当該鑑賞者の周期的な呼吸運動の位相に対応する情報である呼吸指標φ(t)を抽出し(ステップS14)、当該呼吸指標を出力する。また、呼吸指標抽出部14は、呼吸レベルV(t)または呼吸指標φ(t)を用いて鑑賞者の呼吸周期を算出し、呼吸周期を記憶部2に格納する(ステップS14−2)。次に、制御部19が、必要時刻までの呼吸レベルが計測されたか否かを判定する(ステップS14−3)。Noの場合はステップS13の処理に戻り、Yesの場合には以下のステップS15に進む。
必要時刻までの呼吸レベルが計測されたと判定された場合、再生速度演算部15は、呼吸指標φ(t1)と第n呼吸分布情報Φn(p(t1))とを入力とし、式(4)-(6)に従ってサンプル更新間隔S(t1)を算出し、これを再生速度情報として出力する(ステップS15)。
コンテンツ再生制御部16は、再生速度演算部15から出力されたサンプル更新間隔S(t1)と、記憶部12に格納された第n呼吸分布付きコンテンツ12a−nから抽出されたコンテンツ情報d(τ)とを入力とし、サンプル更新間隔S(t1)で再生対象のサンプル点τを更新しつつ再生対象のサンプル点τに対応するコンテンツ情報d(τ)を再生するための再生情報r(τ)を順次出力する(ステップS16)。
再生部17は、コンテンツ再生制御部16から出力された再生情報r(τ)を入力とし、再生情報r(τ)によって特定されるコンテンツを出力する(ステップS17)。
次に、呼吸計測部13が新たな呼吸レベルV(t1+1)を計測する時刻t=t1+1であるか否かを判定する(ステップS18)。ここで、新たな呼吸レベルV(t1+1)を計測する時刻t=t1+1でないと判定された場合、ステップS16の処理に戻される。一方、新たな呼吸レベルV(t1+1)を計測する時刻t=t1+1であると判定された場合、次に、制御部19が、第n呼吸分布付きコンテンツ12a−nが含むすべてのコンテンツ情報d(τ)の再生が終了したか否かを判定する(ステップS19)。
ここで、すべてのコンテンツ情報d(τ)の再生が終了していないと判定された場合、t1+1を新たなt1としてステップS13の処理に戻される。一方、コンテンツ情報d(τ)の再生が終了していると判定された場合、制御部19は、N個すべての第n呼吸分布付きコンテンツ12a−nについての再生が終了したか否かを判定する(ステップS20)。
ここで、N個すべての第n呼吸分布付きコンテンツ12a−nの再生が終了していないと判定された場合、ステップS12−2に戻り、制御部19がN個の第n呼吸分布付きコンテンツ12a−nの中からまだ選択されていない第n呼吸分布付きコンテンツ12a−nを選択する(ステップS12−2)。一方、N個の呼吸分布付きコンテンツ12a−nの再生が終了していると判定された場合、呼吸感度測定部4は、記憶部2よりN個の第n呼吸分布付きコンテンツ12a−nを再生した際の呼吸周期を取り出し、第n呼吸分布付きコンテンツ12a−n毎に平均呼吸周期を求め、平均呼吸周期の変動の大きさを鑑賞者100のコンテンツ情報に対する感度の指標として求め、出力し(ステップS21)、処理が終了する。
<効果>
第一実施形態によれば、シフト操作によって作成された複数の呼吸分布付きコンテンツを再生した際の平均呼吸周期の変動の大きさを見ることによって、鑑賞者のコンテンツに対する感度を評価することが出来る。
〔第一実施形態の変形例1〕
第一実施形態では、呼吸レベルV(t)を1次元値にとり、その遅延値V(t-γ)を2次元値にとる相空間表現を用いる例を示した。しかし、第一実施形態においてその他の相空間表現を用いてもよい。例えば、呼吸レベルV(t)を1次元値にとり、V(t)のヒルベルト変換値(一般的に解析信号と呼ばれる)を2次元値にとる相空間での位相を特定する情報を呼吸指標としてもよい(例えば、「K. Kotani, K. Takamasu, Y. Jimbo, Y. Yamamoto, “Postural-induced phase shift of respiratory sinus arrhythmia and blood pressure variations: insight from respiratory-phase domain analysis,” Am. J. Physiol. Heart. Circ. Physiol. , Vol. 294, pp. H1481-H1489, 2008」参照)。また、呼吸レベルV(t)の微分値W(t)が得られる場合には、呼吸レベルV(t)を1次元値にとり、呼吸レベルV(t)の微分値W(t)を2次元値にとってもよい。また、呼吸レベルV(t)の微分値W(t)が得られない場合には、呼吸レベルV(t)を差分フィルターに通した擬似的な微分値(例えばV(t)-V(t-1))/T)を2次元目にとってもよい(例えば、日本光電製のTR-712を用いるとW(t)に相当する値を計測することができる)。
〔第一実施形態の変形例2〕
また、呼吸分布付きコンテンツが同期重要度α(τ)を含まない構成であってもよい。この場合には、同期重要度α(τ)を予め定められた値(例えば1)とみなした第一実施形態と同様な処理がなされればよい。
〔第一実施形態のその他の変形例〕
本実施形態では、記憶部2と、入力部11と、呼吸分布シフト作成部3と、記憶部12と、呼吸計測部13と、呼吸指標抽出部14と、再生速度演算部15と、コンテンツ再生制御部16と、再生部17と、制御部19と、呼吸感度測定部4とを含む構成としているが、影響評価装置は、記憶部2及び記憶部12の少なくとも何れか1つを、例えば、ハードディスクや光ディスクもしくはフラッシュメモリ(Flash Memory)のような半導体メモリ素子により構成される補助記憶装置を用いて、影響評価装置の外部に備える構成としてもよい。
また、呼吸計測部13及び再生部17の少なくとも何れか1つを、影響評価装置の外部に備える構成としてもよい。
また、影響評価装置は、呼吸指標抽出部14及び再生速度演算部15を含まない構成としてもよい。この場合、再生速度を変えずにコンテンツを再生する。このような構成であっても、シフト操作によって作成された複数の呼吸分布付きコンテンツを再生した際の平均呼吸周期の変動の大きさを見ることによって、鑑賞者のコンテンツに対する感度を評価することが出来る。この場合、記憶部2には、呼吸周期に代えて、呼吸情報(呼吸レベル)を保存し、呼吸感度測定部4において、呼吸情報(呼吸レベル)から呼吸周期、さらに、平均呼吸周期を算出すればよい。
<第二実施形態>
第一実施形態と異なる部分を中心に説明する。
本実施形態では音楽に対する感度指標を計算するのではなく、鑑賞者の呼吸が最も影響を受けた呼吸分布付きコンテンツを特定することを可能とする。
図6は第二実施形態に係る影響評価装置の機能ブロック図を、図7はその処理フローを示す。影響評価装置は、記憶部2と、入力部11と、呼吸分布シフト作成部3と、記憶部12と、呼吸計測部13と、呼吸指標抽出部14と、再生速度演算部15と、コンテンツ再生制御部16と、再生部17と、制御部19と、呼吸分布選定部5とを含む。
影響評価装置は、鑑賞者にコンテンツを再生して提示し、コンテンツを鑑賞している鑑賞者から得られる呼吸に関する情報と、呼吸分布付きコンテンツとを入力とし、N個の第n呼吸分布付きコンテンツを作成し、N個の第n呼吸分布付きコンテンツのうちの何れが最も鑑賞者に影響を与えるかを評価し、最も鑑賞者に影響を与える第n呼吸分布付きコンテンツに対応する値(インデックスnやシフト操作量γn)を出力する。
第二実施形態でも、入力部11、及び、呼吸分布シフト作成部3による処理を事前に1回行って、呼吸分布シフト作成部3の出力を記憶部12に記憶しておけばよい。
[呼吸分布選定部5]
呼吸分布選定部5は、記憶部2よりN個の第n呼吸分布付きコンテンツ12a−nを再生した際の呼吸周期を取り出し、第n呼吸分布付きコンテンツ12a−n毎に呼吸周期の平均(平均呼吸周期)を求める。呼吸分布選定部5は、最大または最小の平均呼吸周期となる第n呼吸分布付きコンテンツ12a−nに対応する値を求め、出力する。なお、最大または最小の平均呼吸周期となる第n呼吸分布付きコンテンツ12a−nが、最も鑑賞者に影響を与える第n呼吸分布付きコンテンツに相当する。
呼吸分布選定部5は、後述する制御部19から、平均呼吸周期を長くするシフト操作量を求めたいか、短くするシフト操作量を求めたいかを示す識別情報の入力を受け付け、識別情報に該当する方の第n呼吸分布付きコンテンツ12a−nに対応する値を出力するようにしてもよい。
[制御部19]
制御部19は、第一実施形態と以下の点を除き、第一実施形態と同様の制御を行う。
制御部19は、記憶部2から呼吸周期を呼吸分布選定部5に送り、呼吸分布選定部5が平均呼吸周期を長くする(短くする)第n呼吸分布付きコンテンツ12a−nに対応する値を出力するように制御する。このような構成により、鑑賞者にとって平均呼吸周期を長くする(短くする)呼吸分布付きコンテンツを特定可能とする。
制御部19は、平均呼吸周期を長くするシフト操作量を求めたいか、短くするシフト操作量を求めたいかという入力を受け付け、入力された方に該当する第n呼吸分布付きコンテンツ12a−nに対応する値を出力する構成としてもよい。なお、この場合には、制御部19は、出力する第n呼吸分布付きコンテンツ12a−nに対応する値に関する識別情報を呼吸分布選定部5に対して出力する。
または、制御部19は、入力は受け付けずに、予め定められた最大(及び/または最小)の平均呼吸周期となった第n呼吸分布付きコンテンツ12a−nに対応する値を出力するよう制御してもよい。
<方法>
次に、図7を用いて本形態の影響評価方法を例示する。第一実施形態とは以下の点で異なる。
制御部19は、N個すべての第n呼吸分布付きコンテンツ12a−nについての再生が終了した後(ステップS20)、呼吸分布選定部5は、記憶部2よりN個の第n呼吸分布付きコンテンツ12a−nを再生した際の呼吸周期を取り出し、第n呼吸分布付きコンテンツ12a−n毎に平均呼吸周期を求め、最大または最小の平均呼吸周期となる第n呼吸分布付きコンテンツ12a−nに対応する値(インデックスnやシフト操作量γn)を求め、出力し(ステップS22)、処理が終了する。
<効果>
第二実施形態によれば、鑑賞者の平均呼吸周期を長く、あるいは短くすることの出来る呼吸分布付きコンテンツを選択することを可能とする。なお、本実施形態と第一実施形態及びその変形例とを組合せてもよい。例えば、本実施形態と第一実施形態とを組み合せ、感度指標と最も鑑賞者に影響を与える第n呼吸分布付きコンテンツに対応する値とを求め、出力する構成としてもよい。
<実験結果>
図5に実際の適用例を示す。この実験では入力された元々の呼吸分布付きコンテンツ12aが再生速度の修正を行わずに再生すると6秒周期であり、呼吸分布シフト作成部3ではN=6とし、シフト操作量γnが0秒,1秒,2秒,3秒,4秒,5秒に相当するように(言い換えると、シフト操作量をコンテンツ情報を再生速度の修正なく再生(ふつうに再生)した場合に0,1,…,5秒進む(τのサンプル数)分に相当する量となるように)新たな第n呼吸分布付きコンテンツ12a−nを作成し、それぞれをランダムな順番で被験者に聞かせた。その際の平均呼吸周期の変化を安静時の平均呼吸周期からの変化率として表示している。また最大の平均呼吸周期を最小の平均呼吸周期で割った変動の大きさも載せている。図5ではシフト操作量を変えたことに対する被験者a,dの平均呼吸周期の変動が大きく、鑑賞者の音楽に対する感度が高いと評価できる。なお、この評価結果は第一実施形態に対応する。
また被験者aではシフト操作量が2秒のときに最大(5秒の時の最小)の平均呼吸周期になっていることがわかる。この評価結果は第二実施形態に対応する。
従って被験者aの呼吸をゆっくりさせたい場合はシフト操作量を2秒として作成した第n呼吸分布付きコンテンツ12a−nを用いて再生を行えば平均呼吸周期を長く誘導することが出来る。なお、この誘導処理は、後述する第三実施形態に対応する。
<第三実施形態>
第一実施形態と異なる部分を中心に説明する。
本実施形態では鑑賞者のコンテンツ(例えば音楽)に対する呼吸変化の癖に合わせてN個の呼吸分布付きコンテンツ12a−nから1つを選択し、再生することによって鑑賞者の平均呼吸周期を長く(短く)誘導することを可能とする。
図8は第三実施形態に係る影響評価装置の機能ブロック図を、図9はその処理フローを示す。影響評価装置は、記憶部2と、入力部11と、呼吸分布シフト作成部3と、記憶部12と、呼吸計測部13と、呼吸指標抽出部14と、再生速度演算部15と、コンテンツ再生制御部16と、再生部17とを含む。なお、記憶部2と呼吸感度測定部4とは含まない。
影響評価装置は、第二実施形態を事前に行い、鑑賞者の識別情報と、当該鑑賞者が呼吸周期を長くする第n呼吸分布付きコンテンツ12a−nに対応するシフト操作量と、当該鑑賞者が呼吸周期を短くする第n呼吸分布付きコンテンツ12a−nに対応するシフト操作量とをそれぞれ関連付けて、図示しない記憶部に記憶する。
影響評価装置は、コンテンツを鑑賞している鑑賞者から得られる呼吸に関する情報と、平均呼吸周期を長くするシフト操作量を求めたいか、短くするシフト操作量を求めたいかを示す識別情報とを入力とし、呼吸分布付きコンテンツ12aに対し、識別情報に対応するシフト操作量でシフト操作を行い、あらたな呼吸分布情報Φm(τ)を作成し、呼吸分布付きコンテンツ12aに含まれる同じコンテンツ情報にひも付け、再生する。
[呼吸分布シフト作成部3]
呼吸分布シフト作成部3は、呼吸分布付きコンテンツとシフト操作量が入力されると、呼吸分布付きコンテンツ12aの第1呼吸目標情報に対し、シフト操作量に応じてシフト操作を行い(詳細は第一実施形態と同じ)、第m呼吸分布情報を作成し、呼吸分布付きコンテンツ12aのコンテンツ情報と対応付けて、第m呼吸分布付きコンテンツ12a−mを作成し、記憶部12に出力する。このシフト操作量は第二実施形態により、当該呼吸分布付きコンテンツ12aを再生した際に予め平均呼吸周期を長くする、あるいは短くすると判明しているシフト操作量であり、呼吸分布シフト作成部3は、図示しない記憶部から平均呼吸周期を長くする、あるいは短くすると判明しているシフト操作量を読み込む。
[制御部19]
制御部19は、例えば、入力された呼吸分布付きコンテンツ12aから呼吸分布シフト作成部3によって生成された1個の第m呼吸分布付きコンテンツ12a−mを記憶部12に記憶する。制御部19は、この第m呼吸分布付きコンテンツ12a−mに基づき当該影響評価装置によりコンテンツの再生を行う。
制御部19は、平均呼吸周期を長くするシフト操作量を求めたいか、短くするシフト操作量を求めたいかという入力を受け付け、入力された方に該当するシフト操作量の第m呼吸分布付きコンテンツ12a−mを再生するように、制御する。
<方法>
次に、図2を用いて本形態の影響評価方法を例示する。
まず、入力部11に呼吸分布付きコンテンツ12aが入力される(ステップS31)。
呼吸分布シフト作成部3は、呼吸分布付きコンテンツ12aと平均呼吸周期を長くするシフト操作量を求めたいか、短くするシフト操作量を求めたいかを示す識別情報とを入力とし、識別情報に対応するシフト操作量γmを図示しない記憶部から読み込み、呼吸分布付きコンテンツ12aに含まれる呼吸目標情報Φ(τ)に対し、識別情報に対応するシフト操作量γmに応じてシフト操作を行い、第m呼吸分布情報Φm(τ)を作成し(ステップS31−2)、呼吸分布付きコンテンツ12aに含まれる同じコンテンツ情報にひも付け、第m呼吸分布付きコンテンツ12a−mを作成し、記憶部12に格納する(ステップS32)。
第m呼吸分布付きコンテンツ12a−mのコンテンツを鑑賞している鑑賞者100に取り付けられた呼吸計測部13が周期Tで鑑賞者100の呼吸状態を計測し、それによって得られた呼吸情報である呼吸レベルV(t1), V(t1-1), V(t1-2),...を出力する(ステップS33)。呼吸レベルV(t1), V(t1-1), V(t1-2),...は呼吸指標抽出部14に入力され、呼吸指標抽出部14は、鑑賞者を計測して得られる呼吸情報から当該鑑賞者の周期的な呼吸運動の位相に対応する情報である呼吸指標φ(t)を抽出し(ステップS34)、当該呼吸指標を出力する。次に、制御部19が、必要時刻までの呼吸レベルが計測されたか否かを判定する(ステップS34−3)。Noの場合はステップS33の処理に戻り、Yesの場合には以下のステップS35に進む。
必要時刻までの呼吸レベルが計測されたと判定された場合、再生速度演算部15は、呼吸指標φ(t1)と呼吸分布情報Φn(p(t1))とを入力とし、式(4)-(6)に従ってサンプル更新間隔S(t1)を算出し、これを再生速度情報として出力する(ステップS35)。
コンテンツ再生制御部16は、再生速度演算部15から出力されたサンプル更新間隔S(t1)と、記憶部12に格納された第m呼吸分布付きコンテンツ12a−mから抽出されたコンテンツ情報d(τ)とを入力とし、サンプル更新間隔S(t1)で再生対象のサンプル点τを更新しつつ再生対象のサンプル点τに対応するコンテンツ情報d(τ)を再生するための再生情報r(τ)を順次出力する(ステップS36)。
再生部17は、コンテンツ再生制御部16から出力された再生情報r(τ)を入力とし、再生情報r(τ)によって特定されるコンテンツを出力する(ステップS37)。
次に、呼吸計測部13が新たな呼吸レベルV(t1+1)を計測する時刻t=t1+1であるか否かを判定する(ステップS38)。ここで、新たな呼吸レベルV(t1+1)を計測する時刻t=t1+1でないと判定された場合、ステップS36の処理に戻される。一方、新たな呼吸レベルV(t1+1)を計測する時刻t=t1+1であると判定された場合、次に、制御部19が、第m呼吸分布付きコンテンツ12a−mが含むすべてのコンテンツ情報d(τ)の再生が終了したか否かを判定する(ステップS39)。
ここで、すべてのコンテンツ情報d(τ)の再生が終了していないと判定された場合、t1+1を新たなt1としてステップS33の処理に戻される。一方、コンテンツ情報d(τ)の再生が終了していると判定された場合、処理が終了する。
<効果>
第三実施形態によれば、識別情報に対応する第m呼吸分布付きコンテンツを再生することにより、鑑賞者の呼吸周期を長くしたり、短くしたりすることが出来る。この観点から、本実施形態に係る影響評価装置を呼吸誘導装置ともいう。なお、本実施形態と第一実施形態の変形例とを組合せてもよい。
〔第三実施形態の変形例1〕
鑑賞者が1人の場合で説明したが、鑑賞者ごとに制御を行ってもよい。
影響評価装置は、複数の鑑賞者に対して第二実施形態を事前に行い、鑑賞者の識別子と、平均呼吸周期を長くするシフト操作量を求めたいか、短くするシフト操作量を求めたいかを示す識別情報と、当該鑑賞者が呼吸周期を長くする第n呼吸分布付きコンテンツ12a−nに対応するシフト操作量と、当該鑑賞者が呼吸周期を短くする第n呼吸分布付きコンテンツ12a−nに対応するシフト操作量とを関連付けて、鑑賞者毎に図示しない記憶部に記憶する。
例えば、制御部19は、鑑賞者を識別するためのIDの入力も受け付けて呼吸分布シフト作成部3に渡し、呼吸分布シフト作成部3が入力された鑑賞者のIDと、平均呼吸周期を長くするシフト操作量を求めたいか、短くするシフト操作量を求めたいかを示す識別情報とに基づいて図示しない記憶部から該当する鑑賞者に関する、識別情報に対応するシフト操作量の情報を読み込むように制御する。
<第四実施形態>
第三実施形態と異なる部分を中心に説明する。本実施形態では、第二実施形態と第三実施形態の連携動作させることで、シフト操作量を微調節し、効果の高い呼吸分布付きコンテンツを常に探す。
図10は第四実施形態に係る影響評価装置の機能ブロック図を、図11はその処理フローを示す。影響評価装置は、記憶部2と、入力部11と、呼吸分布シフト作成部43と、記憶部12と、呼吸計測部13と、呼吸指標抽出部14と、再生速度演算部15と、コンテンツ再生制御部16と、再生部17と、制御部19と、呼吸分布選定部5とを含む。
影響評価装置は、一度、第二実施形態を実行し、呼吸分布選定部5の出力(最も鑑賞者に影響を与える第n呼吸分布付きコンテンツに対応する値)を呼吸分布シフト作成部43の入力とする。
影響評価装置は、鑑賞者にコンテンツを再生して提示し、コンテンツを鑑賞している鑑賞者から得られる呼吸に関する情報と、呼吸分布付きコンテンツとを入力とし、N個の第n呼吸分布付きコンテンツを作成し、N個の第n呼吸分布付きコンテンツのうちの何れが最も鑑賞者に影響を与えるかを評価し、最も鑑賞者に影響を与える第n呼吸分布付きコンテンツに対応する値(インデックスnやシフト操作量γn)を求め、そのシフト操作量γnを用いて、Mq個の第mq呼吸分布付きコンテンツを作成する。なお、mq=1q,2q,…,Mqであり、qは繰り返し回数を示すインデックスであり、Mqは1以上の整数の何れかである。Mqはqに応じて異なる値としてもよいし、同じ値としてもよい。
さらに、Mq個の第mq呼吸分布付きコンテンツのうちの何れが最も鑑賞者に影響を与えるかを評価し、最も鑑賞者に影響を与える第mq呼吸分布付きコンテンツに対応する値(インデックスmqやシフト操作量γm_q)を求める。1つ前の繰り返し処理で得たシフト操作量γm_q-1を用いて、Mq個の第mq呼吸分布付きコンテンツを作成するという処理を繰り返す。
[呼吸分布シフト作成部43]
最も鑑賞者に影響を与える呼吸分布付きコンテンツに対応する値(呼吸分布選定部5の出力であり、例えば、インデックスn,mq-1やシフト操作量γnm_q)を入力として受け付けたか否かにより、2種類の動作を行う。
まず、最も鑑賞者に影響を与える呼吸分布付きコンテンツに対応する値(呼吸分布選定部5の出力)を入力として受け付けない(例えば、初期動作の)場合、第二実施形態と同じ動作を行う。
最も鑑賞者に影響を与える第mq-1呼吸分布付きコンテンツ(ただし、最も鑑賞者に影響を与える第m0呼吸分布付きコンテンツとして、最も鑑賞者に影響を与える第n呼吸分布付きコンテンツを利用する)に対応する値を入力として受け付けた場合、第1呼吸目標情報Φ(τ)に対し、最大または最小の平均呼吸周期となる第mq-1呼吸分布付きコンテンツ12a−mq-1に対応するシフト操作量γm_q-1の近傍のMq個の値をシフト操作量γm_qとしてシフト操作を行い、Mq個の新たな第mq呼吸分布情報を作成し、呼吸分布付きコンテンツ12aに含まれる同じコンテンツ情報と対応付けて、Mq個の第mq呼吸分布付きコンテンツ12a−mqを作成し、記憶部12に格納する。入力されたシフト操作量をγn'とすると、シフト操作量γn'の近傍の値は、利用状況に応じて適宜設定すればよい。例えば、シフト操作量γn'に対応する呼吸分布付きコンテンツを選択する際に、シフト操作量γn'に隣接するシフト操作量γn'-1、γn'+1、に挟まれた範囲をシフト操作量γn'の近傍と定義する。ただし、このような範囲に限定されるものではない。
例えばMq=3、入力されたシフト操作量がγ’であれば、Aを定数として、新たな第mq呼吸分布情報をΦ1_q(τ)=Φ(τ-γ’-A)、Φ2_q(τ)=Φ(τ-γ’)、Φ3_q(τ)=Φ(τ-γ’+A)のように作成する。このAの値は、Aの値によるシフト操作の変化に鑑賞者が即座に気づかない程度の値がよく、例えば0.1[s] 程度に相当する量である。
また、Aの値をシフト操作量の入力があるたびに少しずつ小さい値(例えば、前回処理の1/2程度の値)にしても良い。
[制御部19]
制御部19は、呼吸分布選定部5が最初にシフト操作量を出力するまでは第二実施形態と同じ動作を行うように制御する(ステップS200)。
その後も、制御部19は、N個の第n呼吸分布付きコンテンツ12a−nに代えて、M個の第m呼吸分布付きコンテンツ12a−mを用いて、第二実施形態と同様の処理を繰り返すように制御する。このような構成により、シフト操作量を微調節していく。
<方法>
次に、図11を用いて本形態の影響評価方法を例示する。第二実施形態とは以下の点で異なる。
まず、第二実施形態の処理を実行し、呼吸分布選定部5の出力(最も鑑賞者に影響を与える第n呼吸分布付きコンテンツに対応する値)を呼吸分布シフト作成部43の入力とする(ステップS200)。
次に、N個の第n呼吸分布付きコンテンツ12a−nに代えて、Mq個の第mq呼吸分布付きコンテンツ12a−mqを用いて、第二実施形態の処理と同様の処理を行う。ただし、この場合も、呼吸分布選定部5の出力(最も鑑賞者に影響を与える第mq-1呼吸分布付きコンテンツに対応する値)を呼吸分布シフト作成部43の入力とする。
例えば、ステップS200の後、以下のように処理を行う。
呼吸分布シフト作成部43は、呼吸分布付きコンテンツ12aと平均呼吸周期を長くするシフト操作量を求めたいか、短くするシフト操作量を求めたいかを示す識別情報とを入力とし、呼吸分布付きコンテンツ12aに含まれる呼吸目標情報Φ(τ)に対し、識別情報に対応する、最大または最小の平均呼吸周期となる第mq-1呼吸分布付きコンテンツ12a−mq-1に対応するシフト操作量γm_q-1の近傍のMq個の値をシフト操作量γm_qとして、シフト操作を行い、Mq個の第mq呼吸分布情報Φm_q(τ)を作成し(ステップS41−2)、呼吸分布付きコンテンツ12aに含まれる同じコンテンツ情報にひも付け、Mq個の第mq呼吸分布付きコンテンツ12a−mqを作成し、記憶部12に格納する(ステップS42)。
さらに、N個の第n呼吸分布付きコンテンツ12a−nに代えて、Mq個の第mq呼吸分布付きコンテンツ12a−mqを用いて、ステップS12−2〜S22を終了まで繰り返す。
<効果>
第四実施形態によれば、より、鑑賞者の呼吸周期を長くしたり、短くしたりできる呼吸分布付きコンテンツを継続的に探すため、最適なシフト操作量を求めたり、鑑賞者側の変化に対応しながら呼吸周期の変化を生じさせることが出来る。この観点から、本実施形態に係る影響評価装置を呼吸誘導装置ともいう。なお、本実施形態と第一実施形態の変形例とを組合せてもよい。
〔第四実施形態の変形例1〕
呼吸分布選定部5はN個の平均呼吸周期が求まった時点で呼吸分布シフト作成部43に出力を行う説明を行ったが、これに限るものではない。複数(2種類以上)の呼吸分布付きコンテンツをそれぞれ再生した際の平均呼吸周期が得られた際、または所定の時間ごと(例えば、5〜10分程度の間隔)に、呼吸分布選定部5が処理を行い、呼吸分布シフト作成部43で新たな呼吸分布付きコンテンツが出力されるようにしてもよい。
〔第四実施形態の変形例2〕
また、平均呼吸周期を長くする、あるいは短くするシフト操作量は、時間と共に変化することがあり得るため、所定の時間ごと(例えば、30分程度の間隔)に、呼吸分布シフト作成部43で「最も鑑賞者に影響を与える呼吸分布付きコンテンツに対応する値を入力として受け付けない場合」の処理を行うようにしてもよい。つまり、所定の時間が経過する度に、第二実施形態の処理を実行し、繰り返し回数qを初期化し、処理を行う。
<その他の変形例>
本発明は上記の実施形態及び変形例に限定されるものではない。例えば、上述の各種の処理は、記載に従って時系列に実行されるのみならず、処理を実行する装置の処理能力あるいは必要に応じて並列的にあるいは個別に実行されてもよい。その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。
<プログラム及び記録媒体>
また、上記の実施形態及び変形例で説明した各装置における各種の処理機能をコンピュータによって実現してもよい。その場合、各装置が有すべき機能の処理内容はプログラムによって記述される。そして、このプログラムをコンピュータで実行することにより、上記各装置における各種の処理機能がコンピュータ上で実現される。
この処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体としては、例えば、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリ等どのようなものでもよい。
また、このプログラムの流通は、例えば、そのプログラムを記録したDVD、CD−ROM等の可搬型記録媒体を販売、譲渡、貸与等することによって行う。さらに、このプログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することにより、このプログラムを流通させてもよい。
このようなプログラムを実行するコンピュータは、例えば、まず、可搬型記録媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、一旦、自己の記憶部に格納する。そして、処理の実行時、このコンピュータは、自己の記憶部に格納されたプログラムを読み取り、読み取ったプログラムに従った処理を実行する。また、このプログラムの別の実施形態として、コンピュータが可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行することとしてもよい。さらに、このコンピュータにサーバコンピュータからプログラムが転送されるたびに、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行することとしてもよい。また、サーバコンピュータから、このコンピュータへのプログラムの転送は行わず、その実行指示と結果取得のみによって処理機能を実現する、いわゆるASP(Application Service Provider)型のサービスによって、上述の処理を実行する構成としてもよい。なお、プログラムには、電子計算機による処理の用に供する情報であってプログラムに準ずるもの(コンピュータに対する直接の指令ではないがコンピュータの処理を規定する性質を有するデータ等)を含むものとする。
また、コンピュータ上で所定のプログラムを実行させることにより、各装置を構成することとしたが、これらの処理内容の少なくとも一部をハードウェア的に実現することとしてもよい。

Claims (8)

  1. 時間軸に沿った各再生位置にそれぞれ対応するコンテンツ情報と、少なくとも一部の前記再生位置に対応する、前記時間軸に沿った第1呼吸目標設定位置に対して定められた呼吸状態を特定する第1呼吸目標情報と、を含む、呼吸分布付きコンテンツの第1呼吸目標情報に対し、N個のシフト操作量に応じてシフト操作を行い、N個の第n呼吸分布情報を作成し、前記コンテンツ情報と対応付けて、N個の第n呼吸分布付きコンテンツを作成する呼吸分布シフト作成部と、
    各前記第n呼吸分布付きコンテンツが含む各再生位置にそれぞれ対応する前記コンテンツ情報を順次再生するための再生情報を出力するコンテンツ再生制御部と、
    各前記第n呼吸分布付きコンテンツに含まれるコンテンツ情報の鑑賞者を計測して得られる呼吸情報に基づき算出される呼吸周期の平均である平均呼吸周期を各前記第n呼吸分布付きコンテンツについて求め、シフト操作に対する平均呼吸周期の変動の大きさを鑑賞者の前記コンテンツ情報に対する感度の指標として求める呼吸感度測定部とを含む、
    影響評価装置。
  2. 時間軸に沿った各再生位置にそれぞれ対応するコンテンツ情報と、少なくとも一部の前記再生位置に対応する、前記時間軸に沿った第1呼吸目標設定位置に対して定められた呼吸状態を特定する第1呼吸目標情報と、を含む、呼吸分布付きコンテンツの第1呼吸目標情報に対し、N個のシフト操作量に応じてシフト操作を行い、N個の第n呼吸分布情報を作成し、前記コンテンツ情報と対応付けて、N個の第n呼吸分布付きコンテンツを作成する呼吸分布シフト作成部と、
    各前記第n呼吸分布付きコンテンツが含む各再生位置にそれぞれ対応する前記コンテンツ情報を順次再生するための再生情報を出力するコンテンツ再生制御部と、
    各前記第n呼吸分布付きコンテンツに含まれるコンテンツ情報の鑑賞者を計測して得られる呼吸情報に基づき算出される呼吸周期の平均である平均呼吸周期を各前記第n呼吸分布付きコンテンツについて求め、最大または最小の平均呼吸周期となる第n呼吸分布付きコンテンツに対応する値を求める呼吸分布選定部とを含む、
    影響評価装置。
  3. 請求項2の影響評価装置で求めた最大または最小の平均呼吸周期となる第n呼吸分布付きコンテンツに対応する値を用いる呼吸誘導装置であって、
    前記第1呼吸目標情報に対し、最大または最小の平均呼吸周期となる第n呼吸分布付きコンテンツに対応するシフト操作量に応じてシフト操作を行い、第m呼吸分布情報を作成し、前記コンテンツ情報と対応付けて、第m呼吸分布付きコンテンツを作成する第二呼吸分布シフト作成部と、
    前記第m呼吸分布付きコンテンツが含む各再生位置にそれぞれ対応する前記コンテンツ情報を順次再生するための再生情報を出力する第二コンテンツ再生制御部とを含む、
    呼吸誘導装置。
  4. 請求項3の呼吸誘導装置であって、
    mq=1q,2q,…,Mqであり、qは繰り返し回数を示すインデックスであり、Mqは1以上の整数の何れかであり、
    前記第二呼吸分布シフト作成部は、前記第1呼吸目標情報に対し、最大または最小の平均呼吸周期となる第mq-1呼吸分布付きコンテンツに対応するシフト操作量の近傍のMq個の値をシフト操作量としてシフト操作を行い、Mq個の第mq呼吸分布情報を作成し、前記コンテンツ情報と対応付けて、Mq個の第mq呼吸分布付きコンテンツを作成し、
    前記第二コンテンツ再生制御部は、各前記第mq呼吸分布付きコンテンツが含む各再生位置にそれぞれ対応する前記コンテンツ情報を順次再生するための再生情報を出力し、
    各前記第mq呼吸分布付きコンテンツに含まれるコンテンツ情報の鑑賞者を計測して得られる呼吸情報に基づき算出される呼吸周期の平均である平均呼吸周期を各前記第mq呼吸分布付きコンテンツについて求め、最大または最小の平均呼吸周期となる第mq呼吸分布付きコンテンツに対応する値を求める第二呼吸分布選定部を含み、
    前記第二呼吸分布シフト作成部、前記第二コンテンツ再生制御部及び前記第二呼吸分布選定部における処理を1回以上行う、
    呼吸誘導装置。
  5. 請求項4の呼吸誘導装置であって、
    所定の時間が経過する度に、請求項2の影響評価装置で最大または最小の平均呼吸周期となる第n呼吸分布付きコンテンツに対応する値を求め、繰り返し回数qを初期化する、
    呼吸誘導装置。
  6. 影響評価装置が行う影響評価方法であって、
    時間軸に沿った各再生位置にそれぞれ対応するコンテンツ情報と、少なくとも一部の前記再生位置に対応する、前記時間軸に沿った第1呼吸目標設定位置に対して定められた呼吸状態を特定する第1呼吸目標情報と、を含む、呼吸分布付きコンテンツの第1呼吸目標情報に対し、N個のシフト操作量に応じてシフト操作を行い、N個の第n呼吸分布情報を作成し、前記コンテンツ情報と対応付けて、N個の第n呼吸分布付きコンテンツを作成する呼吸分布シフト作成ステップと、
    各前記第n呼吸分布付きコンテンツが含む各再生位置にそれぞれ対応する前記コンテンツ情報を順次再生するための再生情報を出力するコンテンツ再生制御ステップと、
    各前記第n呼吸分布付きコンテンツに含まれるコンテンツ情報の鑑賞者を計測して得られる呼吸情報に基づき算出される呼吸周期の平均である平均呼吸周期を各前記第n呼吸分布付きコンテンツについて求め、シフト操作に対する平均呼吸周期の変動の大きさを鑑賞者の前記コンテンツ情報に対する感度の指標として求める呼吸感度測定ステップとを含む、
    影響評価方法。
  7. 影響評価装置が行う影響評価方法であって、
    時間軸に沿った各再生位置にそれぞれ対応するコンテンツ情報と、少なくとも一部の前記再生位置に対応する、前記時間軸に沿った第1呼吸目標設定位置に対して定められた呼吸状態を特定する第1呼吸目標情報と、を含む、呼吸分布付きコンテンツの第1呼吸目標情報に対し、N個のシフト操作量に応じてシフト操作を行い、N個の第n呼吸分布情報を作成し、前記コンテンツ情報と対応付けて、N個の第n呼吸分布付きコンテンツを作成する呼吸分布シフト作成ステップと、
    各前記第n呼吸分布付きコンテンツが含む各再生位置にそれぞれ対応する前記コンテンツ情報を順次再生するための再生情報を出力するコンテンツ再生制御ステップと、
    各前記第n呼吸分布付きコンテンツに含まれるコンテンツ情報の鑑賞者を計測して得られる呼吸情報に基づき算出される呼吸周期の平均である平均呼吸周期を各前記第n呼吸分布付きコンテンツについて求め、最大または最小の平均呼吸周期となる第n呼吸分布付きコンテンツに対応する値を求める呼吸分布選定ステップとを含む、
    影響評価方法。
  8. 請求項1若しくは請求項2の影響評価装置、または、請求項3から請求項5の何れかの呼吸誘導装置としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
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