以下に添付図面を参照して、実施形態にかかるアンテナ、アンテナモジュール、及び通信装置を詳細に説明する。なお、これらの実施形態により本発明が限定されるものではない。
なお、実施形態に係る構成要素や、当該要素の説明について、複数の表現を併記することがある。当該構成要素及び説明について、記載されていない他の表現がされることは妨げられない。さらに、複数の表現が記載されない構成要素及び説明について、他の表現がされることは妨げられない。
(第1の実施形態)
以下に、第1の実施形態について、図1乃至図4を参照して説明する。図1は、第1の実施形態に係る通信装置10を概略的に示す斜視図である。通信装置10は、例えば、スマートフォンである。通信装置10はこの例に限らず、例えば、携帯電話、ポータブルコンピュータ、タブレット、ウェアラブルデバイス、デジタルカメラ、ゲーム機、プリンタ、コピー機、家庭用電気器具、外部記憶装置、又は他の装置であっても良い。
図1に示すように、通信装置10は、通信モジュール11と、筐体12とを有する。通信モジュール11は、アンテナモジュールの一例である。通信装置10は、例えば、バッテリと、液晶ディスプレイ(LCD)のような表示装置と、をさらに有する。なお、通信装置10は、バッテリ等を搭載せずに他の装置から電力を供給される装置であっても良い。
通信モジュール11は、プリント回路板(PCB)21と、コントローラ22と、複数の部品23と、アンテナ24とを有する。PCB21は、例えば、基板とも称され得る。コントローラ22は、電子部品の一例であり、例えば、制御部とも称され得る。アンテナ24は、例えば、カプラとも称され得る。
筐体12は、図1において二点鎖線により模式的に示される。筐体12は、通信モジュール11と、バッテリ及び表示装置のような種々の部品と、を収容する。筐体12の少なくとも一部は、樹脂のような、電磁波を透過可能な材料によって作られる。
PCB21は、例えば、略矩形の板状に形成される。各図面に示されるように、本明細書において、X軸、Y軸及びZ軸が定義される。X軸とY軸とZ軸とは、互いに直交する。X軸は、PCB21の幅に沿う。Y軸は、PCB21の長さに沿う。Z軸は、PCB21の厚さに沿う。
PCB21は、X‐Y平面上に広がるとともにZ軸に沿う正方向(Z軸の矢印が示す方向)に向く実装面21aを有する。実装面21aは、略平坦に形成されるが、凹凸や開口を有しても良い。実装面21aに、コントローラ22、複数の部品23、及びアンテナ24が実装される。なお、コントローラ22、複数の部品23、及びアンテナ24は、互いに異なる面に実装されても良い。
本実施形態のコントローラ22は、例えば、マイクロプロセッサであり、通信装置10の全体を制御する。コントローラ22は、例えば同軸ケーブル25によってアンテナ24に電気的に接続され、アンテナ24を通じて無線通信可能である。なお、電子部品は、アンテナ24を通じて無線通信可能な部品であれば良く、通信装置10の全体を制御するマイクロプロセッサと別に設けられても良い。
本実施形態において、コントローラ22は、例えば、アンテナ24を用いて近接無線通信を行う。近接無線通信は、例えば、UWBを用いるTransferJet(登録商標)の規格に沿った通信である。なお、アンテナ24はこの例に限らず、他の方式の無線通信を行っても良い。
例えば、通信装置10の通信範囲内に他の通信装置が配置されることで、通信装置10のアンテナ24と、他の通信装置のアンテナとが電磁結合する。これにより、通信装置10と他の通信装置とが信号を無線で送受信可能となる。
コントローラ22は、例えば、アンテナ24を通じて送受信されるデータと高周波信号とを相互変換可能な回路を有する。コントローラ22は、アンテナ24に高周波信号を供給することで、アンテナ24を通じて他の通信装置に情報を送信する。また、コントローラ22は、アンテナ24を通じて他の通信装置から情報を受信する。
図2は、第1の実施形態のアンテナ24を示す斜視図である。図3は、第1の実施形態のアンテナ24の一部を示す平面図である。なお、図3は、図2において部分的に曲げられたアンテナ24を平らにして示す。
図2及び図3に示すように、アンテナ24は、基板31と、グランド32と、給電点33(図3に示す)と、給電素子34と、短絡線35と、第1の無給電素子36と、を有する。給電素子34は、第1のアンテナ素子の一例である。短絡線35は、短絡部の一例である。第1の無給電素子36は、第2のアンテナ素子の一例である。
本実施形態において、基板31は、フレキシブルプリント回路板(FPC)である。なお、基板31は、PCBのような他の基板であっても良い。図2に示すように、基板31は、略矩形状に形成されるとともに部分的に折り曲げられ、第1の部分41と、第2の部分42と、折曲部43とを有する。
第1の部分41は、基板31の一部であり、X‐Y平面上に広がる。第2の部分42は、基板31の一部であり、X‐Z平面上に広がる。折曲部43は、第1の部分41の端と第2の部分42の端とを接続する。第2の部分42は、第1の部分41に対して略90°回動させられた部分である。言い換えると、第2の部分42は、第1の部分41の端に位置する折曲部43から、Z軸に沿う正方向に突出する。なお、第1の部分41と第2の部分42との間の角度はこの例に限らない。
第1の部分41は、第1の形成面41aと、取付面41bとを有する。第1の形成面41aは、第1の面の一例である。第1の形成面41aは、Z軸に沿う正方向に向く。取付面41bは、第1の形成面41aの反対側に設けられる。取付面41bは、PCB21の実装面21aに、例えば半田、接着剤、又は両面テープにより取り付けられる。
アンテナ24は、例えば、グランド32、給電点33、給電素子34、短絡線35、及び第1の無給電素子36がPCB21の導体と重ならない位置で、PCB21の実装面21aに取り付けられる。また、取付面41bに導体が形成される場合、グランド32、給電点33、給電素子34、短絡線35、及び第1の無給電素子36は、取付面41bの導体と重ならない位置に設けられる。
第2の部分42は、第2の形成面42aを有する。第2の形成面42aは、Y軸に沿う負方向(Y軸の矢印の反対方向)に向く。なお、図3のようにアンテナ24が平らにされた場合、第1の形成面41aと第2の形成面42aとは、一つの面を形成する。
グランド32は、第1の部分41の第1の形成面41aに形成される。グランド32は、略矩形に形成された導体パターン(ベタパターン)である。なお、グランド32はこの例に限らない。グランド32は、折曲部43から離間した位置に設けられる。
グランド32は、一つの縁32aを有する。縁32aは、Y軸に沿う正方向(Y軸の矢印が示す方向)におけるグランド32の端であり、X軸に沿う方向に延びる。X軸に沿う方向は、第1の方向の一例であり、X軸に沿う正方向(X軸の矢印が示す方向)とX軸に沿う負方向(X軸の矢印の反対方向)とを含む。縁32aは、折曲部43から離間した位置に配置され、折曲部43に向く。
図3に示すように、給電点33は、第1の部分41の第1の形成面41aに設けられる。給電点33は、例えば、図1の同軸ケーブル25によって、コントローラ22に電気的に接続される。なお、給電点33は、例えば、PCB21に設けられた導体パターンやバイアによってコントローラ22に接続されても良い。
給電点33は、アンテナ側給電点33aと、グランド側給電点33bとを有する。アンテナ側給電点33aは、例えば、同軸ケーブル25の信号線が電気的に接続される部分である。グランド側給電点33bは、例えば、同軸ケーブル25のグランド部が電気的に接続される部分である。グランド側給電点33bは、グランド32に接続される。
給電素子34は、例えば、基板31に設けられた導体パターンによって形成される。なお、給電素子34は他の導体によって形成されても良い。給電素子34は、通信線51と、給電線52とを有する。
通信線51は、第2の形成面42aに設けられる。通信線51は、グランド32の縁32aからY軸に沿う正方向に離間した位置に設けられ、X軸に沿う方向に延びる線状の導体パターンである。なお、通信線51は、他の方向に延びても良い。基板31が折曲部43で折り曲げられることで、通信線51は、グランド32の縁32aからZ軸に沿う正方向にも離間する。
通信線51は、第2の部分42の縁部42bに近接し、当該縁部42bに沿って延びる。第2の部分42の縁部42bは、基板31の縁部を形成し、X軸に沿う方向に延びる。すなわち、通信線51は、基板31の縁部に近接した位置に設けられる。
通信線51は、第1の開放端51aと、第1の接続端51bとを有する。第1の開放端51aは、X軸に沿う正方向における通信線51の端部である。第1の開放端51aは、他の導体に接続されておらず、他の導体から離間する。第1の接続端51bは、第1の開放端51aの反対側に設けられた、X軸に沿う負方向における通信線51の端部である。
給電線52は、通信線51と、給電点33のアンテナ側給電点33aとを接続する。すなわち、給電素子34は、給電点33に接続される。給電線52は、アンテナ側給電点33aに供給された高周波信号を通信線51に伝える。なお、給電線52は導体パターンのみならず、例えば、インダクタやコンデンサを含んでも良い。
給電線52は、第1の開放端51aと第1の接続端51bとの間であって、第1の開放端51a及び第1の接続端51bから離間した位置で、通信線51に接続される。給電線52の幅は、通信線51の幅よりも太い。
給電線52は、第1の部分41の第1の形成面41aと、第2の部分42の第2の形成面42aとに跨って設けられる。すなわち、給電線52は、折曲部43において略90°折り曲げられる。
短絡線35は、グランド32と、給電素子34の通信線51の第1の接続端51bとを接続(短絡)する。すなわち、給電素子34は、短絡線35によって接地される。このように、本実施形態のアンテナ24は、逆F型アンテナである。なお、アンテナ24は他のアンテナであっても良い。短絡線35の幅は、通信線51の幅よりも細い。
第1の無給電素子36は、例えば、基板31の第2の部分42の第2の形成面42aに設けられた導体パターンによって形成される。なお、第1の無給電素子36は他の導体によって形成されても良い。第1の無給電素子36は、給電素子34から離間するとともに、グランド32の縁32aから離間した位置に設けられる。
第1の無給電素子36は、第1の共通部61と、第1の分岐部62と、第2の分岐部63とを有する。第1の共通部61は、第1の延部の一例である。第1の分岐部62は、第2の延部の一例である。第2の分岐部63は、第3の延部の一例である。
第1の共通部61は、X軸に沿う方向に延びる線状の導体パターンである。第1の共通部61は、第2の開放端61aと、第2の接続端61bとを有する。第2の接続端61bは、端部の一例である。第2の開放端61aは、X軸に沿う負方向における第1の共通部61の端部である。第2の開放端61aは、他の導体に接続されておらず、他の導体から離間する。第2の接続端61bは、第2の開放端61aの反対側に設けられた、X軸に沿う正方向における第1の共通部61の端部である。
第1の共通部61は、Y軸に沿う方向において、通信線51と、グランド32の縁32aとの間に位置する。第1の共通部61と通信線51との間の距離は、第1の共通部61とグランド32の縁32aとの間の距離よりも短い。
第1の共通部61は、部分的に通信線51と並んで延びる。言い換えると、第1の共通部61と通信線51とは平行に延び、X軸に沿う方向において重なる部分である第1の結合部51cと第2の結合部61cとを有する。
第1の結合部51cは、X軸に沿う方向に延びる通信線51の一部である。第1の結合部51cは、通信線51の第1の開放端51aを含む。第2の結合部61cは、第1の結合部51cから離間した位置で、第1の結合部51cと並んでX軸に沿う方向に延びる第1の共通部61の一部である。第2の結合部61cは、第2の開放端61aを含む。
第2の結合部61cは、アンテナ24上において、第1の結合部51cとグランド32の縁32aとの間に位置する。なお、第1及び第2の結合部51c,61cの配置はこの例に限らない。例えば、アンテナ24上において、第1の結合部51cが、第2の結合部61cとグランド32の縁32aとの間に位置しても良い。
第1の分岐部62は、第1の共通部61の第2の接続端61bから延びる線状の導体パターンである。第1の分岐部62は、略L字状に形成され、第1の線部62aと、第2の線部62bと、第3の開放端62cと、第3の接続端62dとを有する。
第1の線部62aは、第1の共通部61の第2の接続端61bからY軸に沿う正方向に延びる。言い換えると、第1の線部62aは、グランド32から遠ざかる方向に第1の共通部61の第2の接続端61bから延びる。
第2の線部62bは、第1の線部62aの先端から、X軸に沿う正方向に延びる。言い換えると、第2の線部62bは、通信線51から遠ざかる方向に延びる。第2の線部62bは、第2の部分42の縁部42bに近接し、当該縁部42bに沿って延びる。すなわち、第2の線部62bは、基板31の縁部に近接した位置に設けられる。
第3の開放端62cは、第2の線部62bの端部であり、他の導体に接続されておらず、他の導体から離間する。第3の接続端62dは、第1の線部62aの端部であり、第1の共通部61の第2の接続端61bに接続される。
第2の分岐部63は、第1の共通部61の第2の接続端61bから延びる線状の導体パターンである。第2の分岐部63は、略L字状に形成され、第3の線部63aと、第4の線部63bと、第5の線部63cと、第4の開放端63dと、第4の接続端63eとを有する。
第3の線部63aは、第1の共通部61の第2の接続端61bからX軸に沿う正方向に延びる。言い換えると、第3の線部63aは、第1の共通部61に連続し、通信線51から遠ざかる方向に延びる。
第4の線部63bは、第3の線部63aの先端から、Y軸に沿う正方向に延びる。言い換えると、第4の線部63bは、グランド32から遠ざかる方向に延びる。なお、第4の線部63bは、第3の線部63aに連続してX軸に沿う方向に延びても良い。第4の線部63bがY軸に沿う正方向に延びることで、第1の無給電素子36が小型化される。一方、第4の線部63bがX軸に沿う方向に延びることで、第1の無給電素子36の通信性能が向上する。
第5の線部63cは、第4の線部63bの先端から、X軸に沿う負方向に延びる。第5の線部63cは、第2の線部62bに近づく方向に延びる。なお、第5の線部63cが省略されても良い。
第4の開放端63dは、第5の線部63cの端部であり、他の導体に接続されておらず、他の導体から離間する。第4の接続端63eは、第3の線部63aの端部であり、第1の共通部61の第2の接続端61bに接続される。
第1の無給電素子36は、第2の結合部61cよりもグランド32に近い部分を有さない。すなわち、第1の分岐部62及び第2の分岐部63は、図3におけるY軸に沿う正方向において、第2の結合部61cと同じか、第2の結合部61cよりもグランド32の縁32aから離間した位置に設けられる。図3におけるY軸に沿う正方向は、グランド32の縁32aから第1の結合部51cに向かう方向であり、第2の方向の一例である。なお、第1の無給電素子36はこの例に限らず、第2の結合部61cよりもグランド32に近い部分を有しても良い。
第1の結合部51cと第2の結合部61cとは、第2の部分42の第2の形成面42aに設けられる。Y軸に沿う方向において、第1の結合部51c及び第2の結合部61cは、グランド32から離間した位置に設けられる。また、Y軸に沿う方向において、グランド32の縁32aは、第1の結合部51c及び第2の結合部61cに向く。
図2に示すように、基板31が折り曲げられるため、給電素子34の通信線51と、第1の無給電素子36とは、Z軸に沿う正方向において、第1の部分41の第1の形成面41aから離間する。Z軸に沿う正方向は、第1の形成面41aが向く方向であり、第3の方向の一例である。
以上説明した通信装置10は、アンテナ24に電流を流すことでアンテナ24から電磁波(高周波信号)を放出し、又はアンテナ24が電磁波を受けることで、無線通信を行う。以下、アンテナ24を用いた通信装置10の通信について説明する。
コントローラ22は、図3のアンテナ側給電点33aから給電素子34に高周波信号を入力する。言い換えると、給電素子34は、アンテナ側給電点33aから給電される。この際、第1の結合部51cと第2の結合部61cとの間は絶縁されているが、第1の結合部51cと第2の結合部61cとが近接しているため、第1の結合部51cと第2の結合部61cとの間で容量結合が生じる。すなわち、第2の結合部61cを有する第1の共通部61が、給電素子34と容量結合する。これにより、第1の無給電素子36に電流が流れ、第1の無給電素子36から高周波信号(電磁波)が放出される。本実施形態において容量結合とは、間に静電容量を有する二つの導体がコンデンサとして二つの回路を結合することである。
一方、通信装置10に近接する他の通信装置のアンテナが、第1の無給電素子36に対応する高周波信号を放出すると、当該高周波信号を受けた第1の無給電素子36に電流が流れる。第1の無給電素子36に電流が流れると、第1の結合部51cと第2の結合部61cとの間で容量結合が生じる。これにより、コントローラ22は、容量結合した給電素子34及び第1の無給電素子36を通して、高周波信号を受信する。
第1の無給電素子36において、電流は、第1の電気経路P1と、第2の電気経路P2とを流れることができる。言い換えると、第1の無給電素子36において、複数の経路で電流が流れ得る。
第1の電気経路P1は、第1の共通部61の第2の開放端61aと、第1の分岐部62の第3の開放端62cとの間の電気的な経路である。すなわち、第1の電気経路P1は、第1の共通部61と第1の分岐部62とを含む。
第2の電気経路P2は、第1の共通部61の第2の開放端61aと、第2の分岐部63の第4の開放端63dとの間の電気的な経路である。すなわち、第2の電気経路P2は、第1の共通部61と第2の分岐部63とを含む。
第1の電気経路P1の長さと、第2の電気経路P2の長さとは異なる。本実施形態において、第1の電気経路P1の長さは、第2の電気経路P2の長さよりも短い。なお、第1の電気経路P1の長さが、第2の電気経路P2の長さより長くても良い。
第1の電気経路P1の長さは、第1の共通部61の長さL1と、第1の分岐部62の第1の線部62aの長さL2、及び第2の線部62bの長さL3との合計である。第2の電気経路P2の長さは、第1の共通部61の長さL1と、第2の分岐部63の第3の線部63aの長さL4、第4の線部63bの長さL5、及び第5の線部63cの長さL6との合計である。
図4は、第1の実施形態のアンテナ24の電圧定在波比(VSWR)を示すグラフである。図4において、横軸は周波数を示し、縦軸はVSWRを示す。アンテナ24は、図4に示される第1の電磁波W1と、第2の電磁波W2と、を送受信することで、無線通信を行う。
第1の電磁波W1は、第1の電気経路P1に電流が流れることで放出される電磁波(高周波信号)である。また、第1の無給電素子36が第1の電磁波W1を受けると、第1の電気経路P1に電流が生じる。
第2の電磁波W2は、第2の電気経路P2に電流が流れることで放出される電磁波である。また、第1の無給電素子36が第2の電磁波W2を受けると、第2の電気経路P2に電流が生じる。
第1の電磁波W1の中心周波数f1と波長λ1との関係は、大よそ以下の数式(1)によって求められる。
L1+L2+L3≒λ1/4=c/4f1 …(1)
また、第2の電磁波W2の中心周波数f2と波長λ2との関係は、大よそ以下の数式(2)によって求められる。
L1+L4+L5+L6≒λ2/4=c/4f2 …(2)
上記数式(1)及び数式(2)において、cは光速を示す。また、L1+L2+L3は第1の電気経路P1の長さを示し、L1+L4+L5+L6は第2の電気経路P2の長さを示す。
なお、中心周波数f1,f2及び波長λ1,λ2は、例えば、第1及び第2の結合部51c,61cの長さと、通信線51の長さと、第1の分岐部62及び第2の分岐部63の間の位置関係とによって変動し得る。このため、中心周波数f1,f2及び波長λ1,λ2は、数式(1)及び数式(2)と一致するとは限らない。
図4に示すように、本実施形態は一例として、VSWR≦2、となる周波数帯域を通信可能な周波数帯域と規定する。なお、通信可能な周波数帯域はこの例に限らず、例えば用途に応じて、VSWR≦3となる周波数帯域が通信可能な周波数帯域と規定されても良い。
上述のように、第1の電気経路P1の長さと、第2の電気経路P2の長さとは異なる。このため、第1の電気経路P1に電流が流れることで送受信される第1の電磁波W1の中心周波数f1及び波長λ1は、第2の電気経路P2に電流が流れることで送受信される第2の電磁波W2の中心周波数f2及び波長λ2と異なる。従って、第1の電磁波W1で通信可能な周波数帯域と、第2の電磁波W2で通信可能な周波数帯域とは異なる。
第1の電磁波W1で通信可能な周波数帯域は、第2の電磁波W2で通信可能な周波数帯域と部分的に重ねられる。このため、アンテナ24により通信可能な周波数帯域の幅Bcは、第1の電磁波W1又は第2の電磁波W2で通信可能な周波数帯域の幅Bsよりも広くなる。
例えば、TransferJet(登録商標)の中心周波数(4.48GHz)が、アンテナ24により通信可能な周波数帯域の略中央となるよう設定される。また、アンテナ24により通信可能な周波数帯域の幅Bcが、TransferJet(登録商標)の周波数帯域(560MHz)よりも広くなるよう設定される。なお、アンテナ24により通信可能な周波数帯域の設定は、上記の例に限らない。
第1の実施形態に係る通信装置10において、第1の無給電素子36の第1の共通部61は、給電点33から給電された給電素子34と容量結合する。第1の無給電素子36において、第1の共通部61及び第1の分岐部62を含む第1の電気経路P1の長さL1+L2+L3と、第1の共通部61及び第2の分岐部63を含む第2の電気経路P2の長さL1+L4+L5+L6と、が異なる。このため、第1の無給電素子36は、第1の電気経路P1の長さに対応する周波数f1を中心とする帯域と、第2の電気経路P2の長さに対応する周波数f2を中心とする帯域と、で無線通信可能である。さらに、第1の無給電素子36は、給電素子34から離間し、容量結合により電流が流れる。これにより、第1の電気経路P1及び第2の電気経路P2の長さの自由度が向上する。従って、本実施形態のアンテナ24によれば、所望の周波数帯域で無線通信可能となる。
具体的には、第1の電気経路P1の長さL1+L2+L3及び第2の電気経路P2の長さL1+L4+L5+L6を短くすることで、アンテナ24により通信可能な電磁波の中心周波数を高くすることができる。また、第1の電磁波W1で通信可能な周波数帯域と第2の電磁波W2で通信可能な周波数帯域とが重なる範囲を狭めることで、アンテナ24により通信可能な周波数帯域を広くすることができる。これにより、例えば、アンテナ24の中心周波数及び帯域幅を、TransferJet(登録商標)の中心周波数及び帯域幅に容易に適応させることができる。
給電素子34と第1の無給電素子36とは、線状の給電素子34の一部である第1の結合部51cと、線状の第1の無給電素子36の一部である第2の結合部61cと、において容量結合する。これにより、容量結合のための特別な部分や部品を設ける必要が無く、アンテナ配置の空間的制限があったとしても、給電素子34と第1の無給電素子36とを容量結合させることができる。
給電素子34は、短絡線35によってグランド32に接続される、いわゆる逆F型アンテナである。これにより、アンテナ24のインピーダンスの調整が容易となる。
第2の結合部61cは、第1の結合部51cとグランド32の縁32aとの間に位置する。これにより、アンテナ24の大型化が抑制される。
第1の分岐部62は、グランド32から遠ざかる方向に第1の共通部61の第2の接続端61bから延びる。これにより、第1の分岐部62とグランド32とが近接してアンテナ24の通信性能が低下することが抑制される。
Y軸に沿う方向において、第1の分岐部62及び第2の分岐部63は、第2の結合部61cと同じか第2の結合部61cよりもグランド32の縁32aから離間した位置に設けられる。これにより、第1の分岐部62及び第2の分岐部63とグランド32とが近接してアンテナ24の通信性能が低下することが抑制される。
第1の無給電素子36は、Z軸に沿う正方向において第1の形成面41aから離間する。すなわち、第1の無給電素子36は、給電点33と同一平面に配置されずとも、給電素子34と容量結合可能であれば良い。従って、アンテナ24の設計の自由度が向上する。
図5は、第1の実施形態の変形例に係るアンテナ24を示す平面図である。図5に示すように、グランド32は、延出部32bを有しても良い。延出部32bは、縁32aからY軸に沿う正方向に延びる。
延出部32bは、第2の部分42の縁部42bの近傍まで延びる。延出部32bと、給電素子34、短絡線35、及び第1の無給電素子36とは、X軸に沿う方向に並べられる。なお、延出部32bは、給電素子34、短絡線35、及び第1の無給電素子36から離間した位置に設けられる。延出部32bと、給電素子34、短絡線35、及び第1の無給電素子36と、の間の距離は、アンテナ24により通信可能な周波数やアンテナ24の通信性能に影響するため、例えば用途により調整される。
延出部32bが設けられることで、グランド32の面積がより大きくなる。これにより、例えばアンテナ24が近距離無線通信に用いられる場合、導体の面積がより大きく確保されることで、アンテナ24の通信性能が向上する。例えば、通信の抜けが生じることが抑制される。
アンテナ24が近距離無線通信でない通信に用いられる場合、グランド32は、延出部32bによって1/4波長のアンテナを構成することができる。これにより、給電素子34及び第1の無給電素子36が構成する1/4波長のアンテナと、グランド32が構成する1/4波長のアンテナとにより、アンテナ24は、1/2波長で動作可能なアンテナを構成することができる。当該1/2波長のアンテナと、グランド32が構成する1/4波長のアンテナとが同一周波数で動作することができるため、アンテナ24の通信性能が向上する。延出部32bを有するグランド32の形状は、例えば、アンテナ24により通信可能な周波数に応じて変更され得る。
(第2の実施形態)
以下に、第2の実施形態について、図6及び図7を参照して説明する。なお、以下の複数の実施形態の説明において、既に説明された構成要素と同様の機能を持つ構成要素は、当該既述の構成要素と同じ符号が付され、さらに説明が省略される場合がある。また、同じ符号が付された複数の構成要素は、全ての機能及び性質が共通するとは限らず、各実施形態に応じた異なる機能及び性質を有していても良い。
第2の実施形態において、コントローラ22は、アンテナ24を用いて、TransferJet(登録商標)での通信に加え、WLANでの通信を行うことができる。TransferJet(登録商標)は、第2の規格の一例である。WLANは、第1の規格の一例である。
図6は、第2の実施形態に係るアンテナ24の一部を示す平面図である。図6に示すように、第2の実施形態のアンテナ24は、第2の無給電素子70を有する。第2の無給電素子70は、第3のアンテナ素子の一例である。
第2の無給電素子70は、例えば、基板31の第2の部分42の第2の形成面42aに設けられた導体パターンによって形成される。なお、第2の無給電素子70は他の導体によって形成されても良い。
第2の無給電素子70は、給電素子34から離間するとともに、グランド32の縁32aから離間した位置に設けられる。第2の無給電素子70は、第2の共通部71と、第3の分岐部72と、第4の分岐部73とを有する。第2の共通部71は、第4の延部の一例である。
第2の共通部71は、X軸に沿う方向に延びる線状の導体パターンである。第2の共通部71は、第5の開放端71aと、第5の接続端71bとを有する。第5の開放端71aは、X軸に沿う負方向における第2の共通部71の端部である。第5の開放端71aは、他の導体に接続されておらず、他の導体から離間する。第5の接続端71bは、第5の開放端71aの反対側に設けられた、X軸に沿う正方向における第2の共通部71の端部である。
第2の共通部71は、Y軸に沿う方向において、通信線51と、第2の部分42の縁部42bとの間に位置する。言い換えると、Y軸に沿う方向において、第1の共通部61と第2の共通部71との間に、通信線51が配置される。
第2の共通部71は、部分的に通信線51と並んで延びる。言い換えると、第2の共通部71と通信線51とは平行に延び、X軸に沿う方向において重なる部分である第1の結合部51cと第3の結合部71cとを有する。
第3の結合部71cは、第1の結合部51cから離間した位置で、第1の結合部51cと並んでX軸に沿う方向に延びる第2の共通部71の一部である。第3の結合部71cは、第5の開放端71aを含む。
第3の分岐部72は、第2の共通部71の第5の接続端71bから延びる線状の導体パターンである。第3の分岐部72は、直線状に形成され、第6の線部72aと、第6の開放端72bと、第6の接続端72cとを有する。
第6の線部72aは、第2の共通部71の第5の接続端71bからY軸に沿う負方向に延びる。言い換えると、第6の線部72aは、グランド32に近づく方向に第2の共通部71の第5の接続端71bから延びる。
第6の開放端72bは、第6の線部72aの端部であり、他の導体に接続されておらず、他の導体から離間する。第6の接続端72cは、第6の線部72aの端部であり、第2の共通部71の第5の接続端71bに接続される。
第4の分岐部73は、第2の共通部71の第5の接続端71bから延びる線状の導体パターンである。第4の分岐部73は、略L字状に形成され、第7の線部73aと、第8の線部73bと、第7の開放端73cと、第7の接続端73dとを有する。
第7の線部73aは、第2の共通部71の第5の接続端71bからX軸に沿う正方向に延びる。言い換えると、第7の線部73aは、第2の共通部71に連続し、通信線51から遠ざかる方向に延びる。
第8の線部73bは、第7の線部73aの先端から、Y軸に沿う負方向に延びる。言い換えると、第8の線部73bは、グランド32に近づく方向に延びる。なお、第8の線部73bは、第7の線部73aに連続してX軸に沿う方向に延びても良い。
第7の開放端73cは、第8の線部73bの端部であり、他の導体に接続されておらず、他の導体から離間する。第7の接続端73dは、第7の線部73aの端部であり、第2の共通部71の第5の接続端71bに接続される。
第2の無給電素子70は、第2の結合部61cよりもグランド32に近い部分を有さない。すなわち、第2の無給電素子70は、図6におけるY軸に沿う正方向において、第2の結合部61cと同じか、第2の結合部61cよりもグランド32の縁32aから離間した位置に設けられる。なお、第2の無給電素子70はこの例に限らず、第2の結合部61cよりもグランド32に近い部分を有しても良い。
第2の実施形態の通信装置10において、コントローラ22がアンテナ側給電点33aから給電素子34に給電すると、第1の結合部51cと第3の結合部71cとの間で容量結合が生じる。すなわち、第3の結合部71cを有する第2の共通部71が、給電素子34と容量結合する。これにより、第2の無給電素子70に電流が流れ、第2の無給電素子70から高周波信号(電磁波)が放出される。
一方、通信装置10に近接する他の通信装置のアンテナが、第2の無給電素子70に対応する高周波信号を放出すると、当該高周波信号を受けた第2の無給電素子70に電流が流れる。第2の無給電素子70に電流が流れると、第1の結合部51cと第3の結合部71cとの間で容量結合が生じる。これにより、コントローラ22は、容量結合した給電素子34及び第2の無給電素子70を通して、高周波信号を受信する。
第2の無給電素子70において、電流は、第3の電気経路P3と、第4の電気経路P4とを流れることができる。言い換えると、第2の無給電素子70において、複数の経路で電流が流れ得る。
第3の電気経路P3は、第2の共通部71の第5の開放端71aと、第3の分岐部72の第6の開放端72bとの間の電気的な経路である。すなわち、第3の電気経路P3は、第2の共通部71と第3の分岐部72とを含む。
第4の電気経路P4は、第2の共通部71の第5の開放端71aと、第4の分岐部73の第7の開放端73cとの間の電気的な経路である。すなわち、第4の電気経路P4は、第2の共通部71と第4の分岐部73とを含む。
第3の電気経路P3の長さと、第4の電気経路P4の長さとは異なる。本実施形態において、第3の電気経路P3の長さは、第4の電気経路P4の長さよりも短い。なお、第3の電気経路P3の長さが、第4の電気経路P4の長さより長くても良い。
第3の電気経路P3の長さは、第2の共通部71の長さL7と、第3の分岐部72の第6の線部72aの長さL8との合計である。第4の電気経路P4の長さは、第2の共通部71の長さL7と、第4の分岐部73の第7の線部73aの長さL9、及び第8の線部73bの長さL10との合計である。
また、第3の電気経路P3の長さは、第1の電気経路P1の長さと異なる。さらに、第3の電気経路P3の長さは、第2の電気経路P2の長さとも異なる。同じく、第4の電気経路P4の長さは、第1の電気経路P1の長さと異なり、且つ第2の電気経路P2の長さとも異なる。
図7は、第2の実施形態のアンテナ24の電圧定在波比(VSWR)を示すグラフである。図7において、横軸は周波数を示し、縦軸はVSWRを示す。アンテナ24は、第1及び第2の電磁波W1,W2に加えて、第3の電磁波W3と、第4の電磁波W4とを送受信することで、無線通信を行う。
第3の電磁波W3は、第3の電気経路P3に電流が流れることで放出される電磁波(高周波信号)である。また、第2の無給電素子70が第3の電磁波W3を受けると、第3の電気経路P3に電流が生じる。
第4の電磁波W4は、第4の電気経路P4に電流が流れることで放出される電磁波である。また、第2の無給電素子70が第4の電磁波W4を受けると、第4の電気経路P4に電流が生じる。
第3の電磁波W3の中心周波数f3と波長λ3との関係は、大よそ以下の数式(3)によって求められる。
L7+L8≒λ3/4=c/4f3 …(3)
また、第4の電磁波W4の中心周波数f4と波長λ4との関係は、大よそ以下の数式(4)によって求められる。
L7+L9+L10≒λ4/4=c/4f4 …(4)
上記数式(3)及び数式(4)において、L7+L8は第3の電気経路P3の長さを示し、L7+L9+L10は第4の電気経路P4の長さを示す。
なお、中心周波数f3,f4及び波長λ3,λ4は、例えば、第1及び第3の結合部51c,71cの長さと、通信線51の長さと、第3の分岐部72及び第4の分岐部73の間の位置関係とによって変動し得る。このため、中心周波数f3,f4及び波長λ3,λ4は、数式(3)及び数式(4)と一致するとは限らない。
上述のように、第3の電気経路P3の長さと、第4の電気経路P4の長さとは異なる。このため、第3の電気経路P3に電流が流れることで送受信される第3の電磁波W3の中心周波数f3及び波長λ3は、第4の電気経路P4に電流が流れることで送受信される第4の電磁波W4の中心周波数f4及び波長λ4と異なる。従って、第3の電磁波W3で通信可能な周波数帯域と、第4の電磁波W4で通信可能な周波数帯域とは異なる。
第2の実施形態において、第1の電磁波W1で通信可能な周波数帯域は、第3の電磁波W3で通信可能な周波数帯域と部分的に重ねられる。例えば、WLANの中心周波数(5GHz帯)が、第1及び第3の電磁波W1,W3で通信可能な周波数帯域に含まれるよう設定される。また、第1及び第3の電磁波W1,W3で通信可能な周波数帯域の幅が、WLANの周波数帯域(950MHz程度)よりも広くなるよう設定される。
一方、第2の電磁波W2で通信可能な周波数帯域は、第4の電磁波W4で通信可能な周波数帯域と部分的に重ねられる。例えば、TransferJet(登録商標)の中心周波数(4.48GHz)が、第2及び第4の電磁波W2,W4で通信可能な周波数帯域に含まれるよう設定される。また、第2及び第4の電磁波W2,W4で通信可能な周波数帯域が、TransferJet(登録商標)の周波数帯域(560MHz)よりも広くなるよう設定される。
アンテナ24が上記のように設定されることで、第1及び第2の無給電素子36,70は、WLANでの通信が可能な電磁波を放出及び受信する場合に、第1及び第3の電気経路P1,P3に電流が流れる。一方、第1及び第2の無給電素子36,70は、TransferJet(登録商標)での通信が可能な電磁波を放出及び受信する場合に、第2及び第4の電気経路P2,P4に電流が流れる。
第2の実施形態の通信装置10において、第2の無給電素子70の第2の共通部71は、給電点33から給電された給電素子34と容量結合する。第2の無給電素子70において、第2の共通部71を含む第3の電気経路P3の長さは、第1の電気経路P1の長さと異なり、且つ第2の電気経路P2の長さと異なる。このため、第2の無給電素子70は、第3の電気経路P3の長さに対応する周波数f3を中心とする帯域で無線通信可能である。本実施形態のアンテナ24は、互いに異なる周波数f1,f2,f3,f4を中心とする帯域で無線通信可能であり、所望の周波数帯域で無線通信可能となる。
第1の無給電素子36は、WLANでの通信が可能な電磁波を放出及び受信する場合に第1の電気経路P1に電流が流れ、TransferJet(登録商標)での通信が可能な電磁波を放出及び受信する場合に第2の電気経路P2に電流が流れる。すなわち、本実施形態のアンテナ24により、複数の規格での通信が可能となる。
図7において、WLANに対応する第1及び第3の電磁波W1,W3で通信可能な周波数帯域と、TransferJet(登録商標)に対応する第2及び第4の電磁波W2,W4で中心可能な周波数帯域とは、離間している。しかし、WLANの中心周波数(5GHz帯)とTransferJet(登録商標)の中心周波数(4.48GHz)とは近いため、例えば、第2の無給電素子70が無くとも、第1の無給電素子36によりWLANとTransferJet(登録商標)とでの通信が可能であっても良い。すなわち、第1及び第2の電磁波W1,W2で通信可能な周波数帯域が、WLANの周波数帯域とTransfeJet(登録商標)の周波数帯域をカバーしていても良い。
(第3の実施形態)
以下に、第3の実施形態について、図8を参照して説明する。図8は、第3の実施形態に係るアンテナ24を示す平面図である。図8に示すように、第3の実施形態のアンテナ24は、第1及び第2の実施形態の逆F型アンテナと異なり、ダイポールアンテナである。なお、第3の実施形態の技術的思想に係るアンテナ24はこの例に限らない。
図8に示すように、第3の実施形態のアンテナ24は、二つの給電素子81と、二つの第1の無給電素子82と、二つの第2の無給電素子83と、二つの第3の無給電素子84とを有する。給電素子81は、第1のパッチアンテナ素子と称され得る。第1の無給電素子82は、第2のパッチアンテナ素子と称され得る。第2の無給電素子83は、第3のパッチアンテナ素子と称され得る。
給電素子81と、第1乃至第3の無給電素子82〜84とは、給電点33とともに、基板31の形成面31aに設けられる。給電素子81と、第1乃至第3の無給電素子82〜84とは、導体パターン(ベタパターン)によって形成されたパッチアンテナ(面状アンテナ)である。
一方の給電素子81及び第1乃至第3の無給電素子82〜84は、他方の給電素子81及び第1乃至第3の無給電素子82〜84と、軸Axに対して対称に配置される。軸Axは、Y軸に沿う方向に延びる仮想線である。すなわち、二つの給電素子81、二つの第1の無給電素子82、二つの第2の無給電素子83、及び二つの第3の無給電素子84は、軸対称(線対称、鏡像対称)又は中心対称に配置される。
二つの給電素子81はそれぞれ、略三角形状に形成される。給電素子81はそれぞれ、三つの第1の縁部81a,81b,81cを有する。第1の縁部81a〜81cは、第1の辺と称され得る。なお、給電素子81は他の形状に形成されても良く、第1の縁部81a〜81cの数は給電素子81の形状に応じて変わる。第1の縁部81a〜81cは、略三角形状に形成された給電素子81の辺である。
二つの給電素子81は、接続点86において給電点33に接続される。接続点86は、例えば、略三角形状に形成された給電素子81の一つの頂点である。接続点86から、第1の縁部81a,81bが延びる。二つの給電素子81の接続点86は、給電点33を介して向かい合う。
第1の無給電素子82は、給電素子81から離間した位置に配置され、略三角形状に形成される。第1の無給電素子82は、三つの第2の縁部82a,82b,82cを有する。第2の縁部82aは、第2の辺と称され得る。第2の縁部82bは、第1の縁及び第2の縁と称され得る。
第2の縁部82aは、隙間を介して第1の縁部81aに向く。第2の縁部82bは、Y軸に沿う方向に延びる。一方(図8の左方)の第1の無給電素子82の第2の縁部82bは、他方(図8の右方)の第1の無給電素子82の第2の縁部82bから離間した位置で、当該第2の縁部82bに向く。他方の第1の無給電素子82の第2の縁部82bは、一方の第1の無給電素子82の第2の縁部82bから離間した位置で、当該第2の縁部82bに向く。
第2の無給電素子83は、給電素子81から離間した位置に配置され、略台形状に形成される。第2の無給電素子83は、四つの第3の縁部83a,83b,83c,83dを有する。第3の縁部83aは、第3の辺と称され得る。第3の縁部83bは、第4の辺と称され得る。第3の縁部83aは、隙間を介して第1の縁部81cに向く。第3の縁部83bは、隙間を介して第2の縁部82aに向く。
第3の無給電素子84は、給電素子81から離間した位置に配置され、略三角形状に形成される。第3の無給電素子84は、三つの第4の縁部84a,84b,84cを有する。
第4の縁部84aは、隙間を介して第1の縁部81bに向くとともに、隙間を介し第3の縁部83cに向く。第4の縁部84bは、Y軸に沿う方向に延びる。一方(図8の左方)の第3の無給電素子84の第4の縁部84bは、他方(図8の右方)の第3の無給電素子84の第4の縁部84bから離間した位置で、当該第4の縁部84bに向く。他方の第3の無給電素子84の第4の縁部84bは、一方の第3の無給電素子84の第4の縁部84bから離間した位置で、当該第4の縁部84bに向く。
二つの第1の無給電素子82の第2の縁部82bの間、及び二つの第3の無給電素子84の第4の縁部84bの間、に間隔88が形成される。間隔88の幅は、第1の縁部81aと第2の縁部82aとの間の距離、第1の縁部81bと第4の縁部84aとの間の距離、第1の縁部81cと第3の縁部83aとの間の距離、第2の縁部82aと第3の縁部83bとの間の距離、及び第3の縁部83cと第4の縁部84aとの間の距離、のそれぞれよりも広い。間隔88が設けられることで、対称に配置された給電素子81及び第1乃至第3の無給電素子82〜84が結合することが抑制される。
以上説明した通信装置10は、アンテナ24に電流を流すことでアンテナ24から電磁波(高周波信号)を放出し、又はアンテナ24が電磁波を受けることで、無線通信を行う。以下、アンテナ24を用いた通信装置10の通信について説明する。
コントローラ22は、給電点33から二つの給電素子81に高周波信号を入力する。言い換えると、給電素子81は、給電点33から給電される。この際、第1の縁部81aと第2の縁部82aとの間は絶縁されているが、第1の縁部81aと第2の縁部82aとが近接しているため、第1の縁部81aと第2の縁部82aとの間で容量結合が生じる。すなわち、給電素子81が、第1の無給電素子82と容量結合する。
同様に、第1の縁部81cと第3の縁部83aとの間で容量結合が生じ、給電素子81が第2の無給電素子83と容量結合する。また、第1の縁部81bと第4の縁部84aとの間で容量結合が生じ、給電素子81が第3の無給電素子84と容量結合する。
さらに、第2の縁部82aと第3の縁部83bとの間で容量結合が生じ、第1の無給電素子82が第2の無給電素子83と容量結合する。また、第3の縁部83cと第4の縁部84aとの間で容量結合が生じ、第2の無給電素子83が第3の無給電素子84と容量結合する。
上記のように、給電素子81に電流が流れると、第1乃至第3の無給電素子82〜84にも電流が流れる。これにより、給電素子81と、第1乃至第3の無給電素子82〜84とから、高周波信号(電磁波)が放出される。このように、給電素子81に容量結合される第1乃至第3の無給電素子82〜84は、二次アンテナとして機能する。
一方、通信装置10に近接する他の通信装置のアンテナが、第1乃至第3の無給電素子82〜84に対応する高周波信号を放出すると、当該高周波信号を受けた第1乃至第3の無給電素子82〜84の少なくとも一つに電流が流れる。第1乃至第3の無給電素子82〜84に電流が流れると、第1乃至第3の無給電素子82〜84と給電素子81との間で容量結合が生じる。これにより、コントローラ22は、容量結合した給電素子81及び第1乃至第3の無給電素子82〜84を通して、高周波信号を受信する。
アンテナ24により通信可能な周波数帯域は、例えば、給電素子81の寸法によって変化する。例えば、アンテナ24により通信可能な周波数が低い場合、給電素子81の長さL11が周波数を決める大きな要因となる。例えば、長さL11を長く設定することで、アンテナ24により通信可能な周波数が下がる。一方、アンテナ24により通信可能な周波数が高い場合、例えば表皮効果により、第1の縁部81aの長さL12と第1の縁部81cの長さL13の半分との合計が、周波数を決める大きな要因となる。
アンテナ24により通信可能な周波数は、上記要因に限らず、他の種々の要因により影響を受ける。例えば、結合した給電素子81及び第1乃至第3の無給電素子82〜84の容量や、給電素子81及び第1乃至第3の無給電素子82〜84のそれぞれの寸法に係るインダクタが、アンテナ24により通信可能な周波数を決める要因となる。
例えば、アンテナ24により通信可能な電磁波の中心周波数は、TransferJet(登録商標)の中心周波数(4.48GHz)となるよう設定される。また、アンテナ24により通信可能な周波数帯域の幅が、TransferJet(登録商標)の周波数帯域(560MHz)よりも広くなるよう設定される。なお、アンテナ24により通信可能な周波数帯域の設定は、上記の例に限らない。
第3の実施形態の通信装置10において、第1の無給電素子82は、給電点33から給電された給電素子81と容量結合する。給電素子81の寸法と第1の無給電素子82との寸法とをそれぞれ調整することで、アンテナ24は、当該寸法に対応する周波数帯域で無線通信可能となる。さらに、給電素子81及び第1の無給電素子82がパッチアンテナであるため、アンテナ24の大きさ及び面積がより大きくなる。これにより、アンテナ24の通信性能が向上するとともに、例えば近距離無線通信であっても、アンテナ24と他のアンテナとの間で確実に無線通信が行われる。従って、本実施形態のアンテナ24によれば、より確実に無線通信可能となる。
第2の無給電素子83は、給電点33から給電された給電素子81と容量結合する。すなわち、給電素子81に、複数のパッチアンテナ素子(第1乃至第3の無給電素子82〜84)が容量結合する。これにより、アンテナ24の大きさ及び面積がより大きくなり、アンテナの通信性能が向上する。
給電素子81と容量結合した第1の無給電素子82は、第2の無給電素子83と容量結合する。言い換えると、第1の無給電素子82と第2の無給電素子83とが容量結合するほど、第1乃至第3の無給電素子82〜84は密に配置される。これにより、アンテナ24の面積がより大きくなり、アンテナ24と他のアンテナとの間で確実に無線通信が行われる。
(第4の実施形態)
以下に、第4の実施形態について、図9及び図10を参照して説明する。図9は、第4の実施形態に係るアンテナ24を示す平面図である。図9に示すように、第4の実施形態の一方の第1の無給電素子82及び第3の無給電素子84は、複数の第1の凸部91を有する。他方の第1の無給電素子82及び第3の無給電素子84は、複数の第2の凸部92を有する。
複数の第1の凸部91は、一方の第1の無給電素子82の第2の縁部82bから、他方の第1の無給電素子82の第2の縁部82bに向かって突出する。また、複数の第1の凸部91は、一方の第3の無給電素子84の第4の縁部84bから、他方の第3の無給電素子84の第4の縁部84bに向かって突出する。
複数の第2の凸部92は、他方の第1の無給電素子82の第2の縁部82bから、一方の第1の無給電素子82の第2の縁部82bに向かって突出する。また、複数の第2の凸部92は、他方の第3の無給電素子84の第4の縁部84bから、一方の第3の無給電素子84の第4の縁部84bに向かって突出する。
第1及び第2の凸部91,92はそれぞれ、略矩形状に形成される。なお、第1及び第2の凸部91,92は、他の四角形状、三角形状、半円形状、及び他の幾何学形状に形成されても良い。
複数の第1の凸部91と第2の凸部92とは、互いに離間するとともに、Y軸に沿う方向において、交互に配置される。第1の凸部91と第2の凸部92とが設けられることで、間隔88は、略波形に形成される。
一方の第1及び第3の無給電素子82,84から突出する第1の凸部91の先端は、第2の凸部92の先端よりも、他方の第1及び第3の無給電素子82,84の第2及び第4の縁部82b,84bに近い。また、他方の第1及び第3の無給電素子82,84から突出する第2の凸部92の先端は、第1の凸部91の先端よりも、一方の第1及び第3の無給電素子82,84の第2及び第4の縁部82b,84bに近い。
複数の第1及び第3の無給電素子82,84にそれぞれ、第3の凸部93が設けられても良い。第3の凸部93は、給電点33の近傍に設けられ、第1の無給電素子82の第2の縁部82bと、第3の無給電素子84の第4の縁部84bとから突出する。
一方の第1の無給電素子82から突出する第3の凸部93と、他方の第1の無給電素子82から突出する第3の凸部93とは、隙間を介して向かい合う。また、一方の第3の無給電素子84から突出する第3の凸部93と、他方の第3の無給電素子84から突出する第3の凸部93とは、隙間を介して向かい合う。第3の凸部93により、アンテナ24の面積がより大きくなり、アンテナの通信性能が向上する。
図10は、第4の実施形態の変形例に係るアンテナ24を示す平面図である。図10に示すように、第3の凸部93が設けられず、第1及び第3の無給電素子82,84が給電点33から離間して設けられても良い。これにより、第1及び第3の無給電素子82,84どうしが結合することが抑制される。
第4の実施形態の通信装置10において、二つの第1の無給電素子82は、向かい合う二つの第2の縁部82bと、向かい合って突出する複数の第1及び第2の凸部91,92とを有する。複数の第1の凸部91と複数の第2の凸部92とは、Y軸に沿う方向において交互に配置される。これにより、アンテナ24の面積がより大きくなり、アンテナの通信性能が向上する。
また、Y軸に沿う方向に延びる他のアンテナが、間隔88に接近することがある。この場合、他のアンテナがアンテナ24の導体から外れ、アンテナ24と他のアンテナとの間の通信が滞る可能性がある。しかし、本実施形態のアンテナ24によれば、二つの第1の無給電素子82の間に他のアンテナが位置したとしても、第1及び第2の凸部91,92が当該他のアンテナに面しやすくなり、アンテナ24と他のアンテナとの間で確実に無線通信が行われる。
第1の凸部91の先端は、第2の凸部92の先端よりも他方の第1の無給電素子82の第2の縁部82bに近い。これにより、二つの第1の無給電素子82の間に他のアンテナが位置したとしても、第1及び第2の凸部91,92が当該他のアンテナに面しやすくなり、アンテナ24と他のアンテナとの間で確実に無線通信が行われる。
(第5の実施形態)
以下に、第5の実施形態について、図11を参照して説明する。図11は、第5の実施形態に係るアンテナ24を示す平面図である。第5の実施形態のアンテナ24は、第1乃至第3の無給電素子82〜84に加えて、二つの第4の無給電素子101と、二つの第5の無給電素子102と、二つの第6の無給電素子103とを有する。
第4の無給電素子101は、隙間を介して第1の無給電素子82の第2の縁部82cに面する。第5の無給電素子102は、隙間を介して第2の無給電素子83の第3の縁部83dに面する。第6の無給電素子103は、隙間を介して第3の無給電素子84の第4の縁部84cに面する。
第4の無給電素子101は、第1の無給電素子82と容量結合し得る。第5の無給電素子102は、第2の無給電素子83と容量結合し得る。第6の無給電素子103は、第3の無給電素子84と容量結合し得る。このように、第4乃至第6の無給電素子101〜103は、さらなる結合アンテナとして機能する。給電素子81と、第1乃至第6の無給電素子82〜84,101〜103との複次的な結合により、アンテナ24の大きさを調整することができ、アンテナ24の通信性能が向上し得る。
第5の実施形態のアンテナ24において、第4の無給電素子101は、給電素子81と容量結合する第1の無給電素子82に、容量結合する。これにより、アンテナ24の大きさ及び面積がより大きくなり、アンテナ24の通信性能が向上するとともに、アンテナ24と他のアンテナとの間で確実に無線通信が行われる。従って、本実施形態のアンテナ24によれば、より確実に無線通信可能となる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
例えば、第1及び第2の実施形態において、アンテナ24は逆F型アンテナであるが、アンテナ24はこれに限らず、基板31のサイズや、アンテナ24の用途により、位置や形状を変更可能である。例えば、給電素子34が、X軸に沿う方向におけるグランド32の略中央に接続されるT型アンテナを形成しても良い。
以下に、出願当初の特許請求の範囲の内容を付記する。
[1]
基板と、
前記基板に設けられ、給電点に接続される第1のアンテナ素子と、
前記第1のアンテナ素子から離間した位置で前記基板に設けられ、前記給電点から給電された前記第1のアンテナ素子と容量結合する第1の延部と、前記第1の延部の端部から延びる第2の延部と、前記第1の延部の前記端部から延びる第3の延部と、を有し、前記第1の延部及び前記第2の延部を含む第1の電気経路の長さと、前記第1の延部及び前記第3の延部を含む第2の電気経路の長さと、が異なる、第2のアンテナ素子と、
を具備する、アンテナ。
[2]
前記第1のアンテナ素子は、第1の方向に延びる第1の結合部を有し、
前記第1の延部は、前記第1の結合部から離間した位置で、前記第1の結合部と並んで前記第1の方向に延びる第2の結合部を有し、
前記給電点から給電された前記第1のアンテナ素子の前記第1の結合部は、前記第1の延部の前記第2の結合部と容量結合する、
[1]のアンテナ。
[3]
前記第1の方向に延びるとともに前記第1の結合部に向く縁、を有するグランドと、
前記グランドと前記第1のアンテナ素子とを接続する短絡部と、
をさらに具備し、
前記第1の結合部と前記第2の結合部とは、前記グランドから離間した位置に設けられる、
[2]のアンテナ。
[4]
前記第2の結合部は、前記第1の結合部と前記グランドの前記縁との間に位置する、[3]のアンテナ。
[5]
前記第2の延部は、前記グランドから遠ざかる方向に前記第1の延部の前記端部から延びる、[3]又は[4]のアンテナ。
[6]
前記グランドの前記縁から前記第1の結合部に向かう第2の方向において、前記第2の延部及び前記第3の延部は、前記第2の結合部と同じか前記第2の結合部よりも前記グランドの前記縁から離間した位置に設けられる、[3]又は[4]のアンテナ。
[7]
前記第1のアンテナ素子から離間した位置で前記基板に設けられ、前記給電点から給電された前記第1のアンテナ素子と容量結合する第4の延部を有し、前記第4の延部を含む第3の電気経路の長さが前記第1の電気経路の長さと異なり、且つ前記第3の電気経路の長さが前記第2の電気経路の長さと異なる、第3のアンテナ素子、をさらに具備する[1]乃至[6]のいずれか一つのアンテナ。
[8]
前記給電点が設けられた第1の面、をさらに具備し、
前記第2のアンテナ素子は、前記第1の面が向く第3の方向において、前記第1の面から離間する、
[1]乃至[7]のいずれか一つのアンテナ。
[9]
前記第2のアンテナ素子は、第1の規格での通信が可能な電磁波を放出及び受信する場合に前記第1の電気経路に電流が流れ、前記第1の規格と異なる第2の規格での通信が可能な電磁波を放出及び受信する場合に前記第2の電気経路に電流が流れる、[1]乃至[8]のいずれか一つのアンテナ。
[10]
[1]乃至[9]のいずれか一つのアンテナと、
前記給電点に電気的に接合され、前記アンテナを通じて無線通信が可能な電子部品と、
を具備するアンテナモジュール。
[11]
[10]のアンテナモジュールを具備する通信装置。