JP6762825B2 - 電動機制御装置およびドライブシステム - Google Patents

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本発明の実施形態は、電動機制御装置およびドライブシステムに関する。
現在、在来線の鉄道車両は、電動機として誘導モータ(IM)を採用したものが用いられている。誘導モータは、安価であるが、永久磁石同期モータ(PMSM)やシンクロナスリラクタンスモータ(SynRM)に比べてエネルギー損失が高く電力変換効率が低い。鉄道車両は、車体の慣性力のみで推進する惰行運転を行うことがある。惰行運転を行う間、永久磁石同期モータでは永久磁石による回転磁界により鉄損が生じ、運動エネルギーが消費される。一方、回転子が鉄心のみで構成されるシンクロナスリラクタンスモータでは、惰行運転中に鉄損が発生しない。そのため、惰行運転の期間の長い運用がなされる路線において、電動機としてシンクロナスリラクタンスモータの適用することで、車両全体の低消費電力化を実現することが期待される。
また、回転子が鉄心のみで構成されるシンクロナスリラクタンスモータと、鉄心と永久磁石から構成される永久磁石同期モータとを比較すると、シンクロナスリラクタンスモータの方が部品価格は安価であり、シンクロナスリラクタンスモータを適用することで車両の低コスト化を実現することが容易である。
そこで、鉄道車両の主電動機として、シンクロナスリラクタンスモータを採用して、車両全体の消費電力を低減しつつ、低コスト化を図ることが検討されている。
特許第3455017号公報
近藤 圭一郎他著「鉄道車両駆動時のIM速度センサレス制御系の磁束に関する考察」、電気学会半導体電力変換研究会資料、SPC−03−100、2003年、第69〜74頁
しかしながら、シンクロナスリラクタンスモータは、永久磁石による励磁が無いため、同程度の体格の永久磁石同期モータに比べて力率が低いという特徴がある。そのため、車両が要求する最大出力を、永久磁石同期モータと同程度の体格のシンクロナスリラクタンスモータにより得るためには、モータ自体の性能限界出力を制御によって引き出すことが望ましく、シンクロナスリラクタンスモータを駆動するインバータの出力を最大電圧とすることが要求される。インバータの出力を最大電圧とするためには、電圧振幅を最大で固定して位相のみを制御する電圧位相制御をすることが必要となる。
例えば、シンクロナスリラクタンスモータを搭載した車両において、一定の制御ゲインを用いて電圧位相制御を行うと、トルクの応答速度が運転状態(トルク、回転数)によって変動し、トルク指令の急変に対して所定の応答速度を満足できない場合があった。同様の現象は、永久磁石同期モータを搭載した車両でも生じるが、特に、磁石量が少なく、リラクタンストルクが大きく作用するモータにおいて顕著であった。
直流き電方式の鉄道車両の場合、架線から受電する受電部とインバータ装置(電動機制御装置)の直流入力部の間に、コンデンサとリアクトルを用いたLCフィルタ回路が挿入されている。架線電圧の急変や電動機の負荷の急変によって、LCフィルタ回路で共振が発生すると、コンデンサ端子電圧の振動によってインバータ装置(電動機制御装置)の制御性能が低下することが知られている。
そこで、一般的に、LCフィルタ回路の共振を抑制するためにダンピング制御が適用される。非特許文献1では、ダンピング制御の結果としてトルク指令を生成して、後段の制御系の指令値とすることで、LCフィルタ回路の共振を抑制する方法が示されている。この場合、ダンピング制御が効果的に作用する補償ゲインおよびカットオフ周波数は、トルクの応答速度によって定められる。そのため、電動機のトルクの応答速度は運転状態(トルク、回転数)によらず一定である必要がある。
本発明の実施形態は上記事情を鑑みて成されたものであって、車両の低消費電力化および低コスト化を実現する電動機制御装置およびドライブシステムを提供することを目的とする。
実施形態による電動機制御装置は、電動機と接続可能なインバータ主回路と、前記電動機の出力トルクを検出してトルク検出値を出力するトルク検出器と、トルク指令値と前記トルク検出値との差分であるトルク偏差がゼロとなるように、前記電動機の電圧位相角を演算する比例積分制御器と、前記インバータ主回路から出力される前記電動機の駆動電流と、前記電動機の回転速度と、前記電圧位相角と、前記インバータ主回路の直流電圧と、のいずれかに基づいて、前記比例積分制御器のゲインを変更するゲイン変更部と、前記電圧位相角に基づいて、前記インバータ主回路の駆動信号を出力する極座標変換器と、を備え、前記比例積分制御器のゲインは、低次のトルク応答を周波数−ゲイン特性のピークより低い周波数に設定し、制御対象の伝達関数のゲインであるトルク応答定数に反比例する項を含む積分ゲインを備える。
図1は、第1実施形態のドライブシステムおよび電動機制御装置の構成を概略的に示すブロック図である。 図2は、第1実施形態の電動機制御装置の電圧位相制御器の構成例を概略的に示すブロック図である。 図3は、プラントの伝達関数G(s)の周波数−ゲイン特性を示す一例である。 図4は、機械回転数Nの変化に対して、シンクロナスリラクタンスモータ1を一定のパワーで駆動したときの、式(15)によって求めたトルク応答定数Glfの変化の一例を示す図である。 図5は、第2実施形態のドライブシステムおよび電動機制御装置の構成を概略的に示すブロック図である。 図6は、図4で示したトルク応答定数Glfと、同条件のもとで式(19)により求めたトルク応答定数の近似値Glfsを比較したものである。
以下に、本実施形態のドライブシステムおよび電動機制御装置について図面を参照して詳細に説明する。
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態のドライブシステムおよび電動機制御装置の構成を概略的に示すブロック図である。
本実施形態のドライブシステムは、電動機としてのシンクロナスリラクタンスモータ1と、電動機制御装置と、を備えている。本実施形態の電動機制御装置は、シンクロナスリラクタンスモータ1の動作を制御する電動機制御装置であって、シンクロナスリラクタンスモータ1と接続可能なインバータ主回路INVと、位相/速度演算器2と、dq/3相座標変換器3と、極座標変換器4と、トルク検出器5と、電流検出器6aおよび6bと、電圧位相制御器7と、を備えている。
位相/速度演算器2は、シンクロナスリラクタンスモータ1の機械回転位相角θmから、機械回転速度ωmと、電気回転位相角θeと、電気回転速度ωeと、を演算して出力する。
dq/3相座標変換器3は、インバータ主回路INVからシンクロナスリラクタンスモータ1へ出力される駆動電流のうちのU相電流iuおよびW相電流iwと、回転位相角θeと、を用いて、UVWの3相座標系の電流を、dq軸座標系の電流id、iqへ変換する。なお、d軸は、シンクロナスリラクタンスモータ1の回転子において静的インダクタンスが最も小さくなるベクトル軸であり、q軸は電気角でd軸と直交するベクトル軸である。
極座標変換器4は、直流電源から供給された直流電圧Vdcと、q軸に対する電圧位相角γおよび回転位相角θeに基づいて、3相電圧指令vu*、vv*、vw*をインバータ主回路INVへ出力する。
インバータ主回路INVは、直流電源と接続している。インバータ主回路INVは、3相電圧指令vu*、vv*、vw*を受信し、直流電源から供給される直流電力を、3相交流電力に変換してシンクロナスリラクタンスモータ1へ出力する。
トルク検出器5は、シンクロナスリラクタンスモータ1の出力トルクを検出し、トルク検出値Tを出力する。
電流検出器6aおよび6bは、シンクロナスリラクタンスモータ1に流れるU相電流iuおよびW相電流iwを検出する。
電圧位相制御器7はPI(比例積分)制御器を含み、トルク指令値Trefとトルク検出値Tとの差分であるトルク偏差ΔT(=Tref‐T)がゼロとなる、電圧位相角γを演算する。
図2は、第1実施形態の電動機制御装置の電圧位相制御器の構成例を概略的に示すブロック図である。
電圧位相制御器7は、ゲイン変更部71と、比例ゲイン乗算器74と、積分ゲイン乗算器75と、積分器72と、加算器73と、を備えている。
比例ゲイン乗算器74は、入力されたトルク偏差ΔTに比例ゲインKPを乗算して出力する。
積分ゲイン乗算器75は、入力されたトルク偏差ΔTに比例ゲインKIを乗算して出力する。
積分器72は、積分ゲイン乗算器75から出力された値を積分して(1/sを乗算して)出力する。
加算器73は、比例ゲイン乗算器74から出力された値と、積分器72から出力された値とを加算した値を、電圧位相角γ(=(KP+KI/s)・ΔT)として出力する。
ゲイン変更部71は、シンクロナスリラクタンスモータ1の運転状態を示す値に基づいて、上記比例ゲインKPの値と積分ゲインKIの値とを変更する。
以下に、トルク指令Trefからトルク検出値Tまでの伝達関数を用いて、電圧位相制御系のゲインKP、KIとトルク応答との関係を示し、ゲインKP、KIの変更方法を説明する。
シンクロナスリラクタンスモータ1の電圧方程式は、基本波電流に対するインダクタンスと、高調波電流に対するインダクタンスとの振る舞いが異なることに着目し、基本波電流に対するインダクタンス(静的インダクタンス)をLd、Lqとし、高調波電流に対するインダクタンス(動的インダクタンス)をLdh、Lqhとすると、下記式(1)により表される。
なお、右辺第3項に含まれるインダクタンスLdqとLqdは、それぞれLqとLdに対して十分に小さく、省略可能とする。
ここで、d軸およびq軸電圧Vd、Vqは、電圧ベクトルの振幅Vaとq軸から電圧ベクトルまでの電圧位相角γを用いて、下記式で表される。
ここで、電圧ベクトルの初期振幅をVa0、q軸から電圧ベクトルまでの初期電圧位相角をγとして、電圧ベクトルの振幅に微小変化量ΔVa、電圧位相角に微小変化量Δγが生じたときの、d軸およびq軸電圧Vd、Vqの変化量ΔVd、ΔVqを求めると、下記式のようになる。
電圧位相制御では、定常的には電圧ベクトルの振幅は変化しないと考えると、d軸およびq軸電圧Vd、Vqの微小変化ΔVd、ΔVqは、電圧位相角の微小変化量Δγによって、下記式のように決定される。
前記式(3)および式(4)より、電圧位相角の微小変化量Δγによって生じるd軸およびq軸電流の変化量Δid、Δiqは、x=[Δid Δiq]とおくと、下記式のように求められる。
ただし、上記式(5)において、Den(s)は下記式(6)で表すことができる。
次に、電圧位相角の変化量Δγに対するトルク変化量ΔTについて検討する。
上記式(5)で求めたdq軸電流の変化量Δid、Δiqを記述した状態量X(s)を用いて、電圧位相角の微小変化量Δγからトルク変化量ΔTまでの伝達関数を求めることで、制御対象(プラント)の特性を表すことができる。シンクロナスリラクタンスモータ1のトルク方程式は、極対数をPpとすると、下記式(7)で表される。
ここで、初期条件として、d軸およびq軸電流id0、iq0とし、d軸およびq軸電流がそれぞれΔid、Δiqだけ変化した場合、下記式(8)で示すようなトルク変動ΔTを生じる。
上記式(8)の右辺第3項は微小量として無視すると、トルク変動ΔTは次式(9)で近似される。
ここで、式(9)に式(5)を代入することで、電圧位相角の微小変化量Δγに対するトルク変化量ΔTを表す伝達関数G(s)が求まる。以後、これをプラントの伝達関数G(s)と呼ぶこととする。
ただし、上記式(10)の各係数は次式となる。
上記式(10)から、プラントの伝達関数G(s)は、2次遅れ系と微分要素で構成されることがわかる。2次遅れ系の共振周波数ωと減衰係数ξは、それぞれ式(12)と式(13)のようになる。
上記式(10)で表されるプラントの伝達関数G(s)を用いることで、シンクロナスリラクタンスモータ1の運転状態によらず、一定のトルク応答速度をえるための、電圧位相制御器のゲインを決定することができる。
例えば、以下のように、要求されるトルク応答速度(低次のトルク応答)ωTrq、および、要求されるトルク応答速度に比べて高い周波数のトルク応答(2次遅れ系の共振周波数ω相当)の安定性に基づいて、ゲインを設計することができる。
ここで、電圧位相制御器(PI制御器)7のゲインKP、KIによって決まる周波数1/TPI(=KI/KP)は、2次遅れ系の共振周波数ωより低い周波数領域に設定するものとする。
まず、高い周波数のトルク応答の安定性の観点から、電圧位相制御器の比例ゲインKPを求める。ゲインKP、KIによって決まる周波数1/TPIより高い周波数領域に関しては、電圧位相制御器のゲインは比例ゲインKPが支配的となる。そこで、比例ゲインKPと、式(10)で表されるプラントの伝達関数G(s)との閉ループ伝達関数から、下記式(14)により比例ゲインKPを決定する。
次に、低次のトルク応答の観点からみた、ゲインKP、KIの設定について説明する。
図3は、プラントの伝達関数G(s)の周波数−ゲイン特性を示す一例である。
トルク応答速度ωTrqを、周波数−ゲイン特性のピークより低い周波数に設定すると、トルク応答速度ωTrq近傍の周波数領域において、プラントの伝達関数G(s)をほぼ一定とみなすことができる。そのときのプラントの伝達関数G(s)のゲインは下記式のように表すことができる。これ以降、これをトルク応答定数Glfと呼ぶ。
上記式(15)を用いることで、低次のトルク応答を表す閉ループ伝達関数Gclf(s)が得られる。
式(16)より、低次のトルク応答速度ωTrqは下記式で表される。
つまり、目標のトルク応答速度ωTrqを得るために設定すべき電圧位相制御系のゲインKP、KIは次式(18)で与えられる。
以上のように、式(15)のトルク応答定数Glfを逐次演算し、その結果を用いて、式(18)に従って電圧位相制御系のゲインKP、KIを決定することで、シンクロナスリラクタンスモータ1の運転状態によらず、一定のトルク応答速度ωTrqを得ることができる。
(作用)
図4は、機械回転数Nの変化に対して、シンクロナスリラクタンスモータ1を一定のパワーで駆動したときの、前記式(15)によって求めたトルク応答定数Glfの変化の一例を示めす図である。
図4に示すように、トルク応答定数Glfは、回転速度などの運転状態によって変化する。そのため、式(17)に示すように、電圧位相制御系のゲインKP、KIが一定のままでは、回転速度などの運転状態に応じてトルク応答速度ωTrqが変動してしまう。
そこで、本実施形態では、低次のトルク応答速度ωTrqに影響するトルク応答定数Glfを、式(15)に従って逐次演算し、その結果を式(18)に従って、トルク応答定数Glfの変化を相殺するように、電圧位相制御系のゲインKP、KIに反映している。
(効果)
電圧位相制御器のゲインKP、KIによって決まる周波数1/TPIより低い周波数領域に関しては、電圧位相制御器のゲインは積分ゲインKIが支配的となる。式(18)に示すように、積分ゲインKIはトルク応答定数Glfに反比例する項を有するため、トルク応答定数Glfの変化を打ち消すようにはたらき、トルク応答速度ωTrqを一定に保つことができる。これによって、シンクロナスリラクタンスモータ1の運転状態によらず、一定のトルク応答速度を得られるようにしている。
<第2実施形態>
図5は、第2実施形態のドライブシステムおよび電動機制御装置の構成を概略的に示すブロック図である。
以下の説明において、上述の第1実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。なお、本実施形態の電動機制御装置は、上述の第1実施形態の電動機制御装置の構成と比べて、dq/3相座標変換器3と、電流検出器6a、6bと、を除いた構成となっている点で異なっている。本実施形態の電動機制御装置では、トルク指令Trefとトルク検出値Tとが電圧位相制御器7のゲイン変更部71に入力される。
シンクロナスリラクタンスモータは突極比(Lq/Ld)が大きいため、仕様最大出力で運転する場合、力行運転では(正のq軸からの)電圧位相角は約90度、回生運転では約−90度となる。そこで、sinγ>>cosγ、|sinγ|=1と近似し、また、回転数が高いときは巻線抵抗Raに比べてインピーダンスωeLd、ωeLqが十分に大きいとみなすと、低次のトルク応答定数Glfを下記式(19)のように近似して表現できる。
さらに、電圧位相制御によって、トルク検出値Tがトルク指令Trefと一致しているとすれば、前記式(19)は、下記式(20)に置き換えることができる。
(作用)
図6は、図4で示したトルク応答定数Glfと、同条件のもとで式(19)により求めたトルク応答定数の近似値Glfsを比較したものである。
図6によれば、機械回転数Nに対するトルク応答定数Glfとトルク応答定数の近似値Glfsとの両者がほぼ一致することから、上記式(19)に従って、トルク検出値Tと電圧位相角γ0を用いることで、トルク応答定数の近似値Glfsを求め、トルク応答定数Glfとして用いたときに生じる誤差はほぼゼロであると言える。
さらに、電圧位相制御によって、トルク検出値Tがトルク指令Trefと一致しているとすれば、トルク検出値Tの代わりにトルク指令Trefを用いることができる。
(効果)
前記式(15)に従ってトルク応答定数Glfを求める場合、dq軸電流id0、iq0を使用するため、電流検出器6a、6bが必要であった。それに対して、上記式(19)、または、式(20)に従ってトルク応答定数の近似値Glfsを求める場合は、dq軸電流id0、iq0が不要となるため、電流検出器6a、6bを構成から取り除くことができる。
上記の方法により、ゲイン変更部71にてシンクロナスリラクタンスモータ1の電圧位相制御系のゲインKp、KIを設定し、トルク応答のシミュレーションを行ったところ、力行運転および回生運転のどちらにおいても、回転数によらず目標トルク応答速度を達成することができた。
すなわち、本実施形態によれば、車両の低消費電力化および低コスト化を実現する電動機制御装置を提供することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
なお、上述の実施形態の電動機制御装置では、シンクロナスリラクタンスモータ1の回転角θmより回転角θeと回転速度ωeとを演算していたが、シンクロナスリラクタンスモータ1の電流検出値あるいは電圧検出値に基づいて回転速度ωeと回転角θeの推定値を演算し、回転速度ωeおよび回転角θeに代えて推定値を用いる回転角センサレス手法を利用することも可能である。
また、トルク検出器5によってシンクロナスリラクタンスモータ1のトルク検出値Tを求める手段に代えて、シンクロナスリラクタンスモータ1のトルクを推定する手段(トルク推定器)を有する場合、第1実施形態および第2実施形態にて使用されるトルク検出値Tをトルク推定値Testに置き換えることも可能である。
シンクロナスリラクタンスモータ1のトルクを推定する手段としては、例えば、シンクロナスリラクタンスモータ1に入力される電圧と電流の検出値から求めることが可能である。図1において、直流電圧Vdcと電圧位相角γとから、下記式により、dq軸座標系の電圧vd、vqを演算する。
シンクロナスリラクタンスモータ1のトルク推定値Testは、前記dq軸電圧vd、vqと、dq/3相座標変換器3から出力されたdq軸座標系の電流id、iqと、機械回転速度ωmと、を用いて、下記式によって推定できる。なお、下記式において、Pはシンクロナスリラクタンスモータ1の有効電力であり、Raはシンクロナスリラクタンスモータ1の巻線抵抗である。
また、シンクロナスリラクタンスモータ1のトルクを推定する別の手段として、シンクロナスリラクタンスモータ1のインダクタンスLd、Lqと、dq/3相座標変換器3から出力されたdq軸座標系の電流id、iqと、シンクロナスリラクタンスモータ1の極対数Ppと、を用いて、下記式によって推定することも可能である。
なお、上述の実施形態では、電動機としてシンクロナスリラクタンスモータ1を制御する電動機制御装置について説明したが、電動機として永久磁石同期モータを採用した車両にも適用可能である。
1…シンクロナスリラクタンスモータ、2…位相/速度演算器、3…相座標変換器、4…極座標変換器、5…トルク検出器、6a、6b…電流検出器、7…電圧位相制御器、71…ゲイン変更部、72…積分器、73…加算器、74…比例ゲイン乗算器、75…積分ゲイン乗算器。

Claims (6)

  1. 電動機と接続可能なインバータ主回路と、
    前記電動機の出力トルクを検出してトルク検出値を出力するトルク検出器と、
    トルク指令値と前記トルク検出値との差分であるトルク偏差がゼロとなるように、前記電動機の電圧位相角を演算する比例積分制御器と、
    前記インバータ主回路から出力される前記電動機の駆動電流と、前記電動機の回転速度と、前記電圧位相角と、前記インバータ主回路の直流電圧と、のいずれかに基づいて、前記比例積分制御器のゲインを変更するゲイン変更部と、
    前記電圧位相角に基づいて、前記インバータ主回路の駆動信号を出力する極座標変換器と、を備え
    前記比例積分制御器のゲインは、低次のトルク応答速度を周波数−ゲイン特性のピークより低い周波数に設定し、前記トルク応答速度近傍の周波数領域における制御対象の伝達関数のゲインであるトルク応答定数に反比例する項を含む積分ゲインを備える電動機制御装置。
  2. 電動機と接続可能なインバータ主回路と、
    前記電動機の出力トルクを検出してトルク検出値を出力するトルク検出器と、
    トルク指令値と前記トルク検出値との差分であるトルク偏差がゼロとなるように、前記電動機の電圧位相角を演算する比例積分制御器と、
    前記トルク検出値、あるいは、トルク指令値と、前記電圧位相角と、に基づいて、前記比例積分制御器のゲインを変更するゲイン変更部と、
    前記電圧位相角に基づいて、前記インバータ主回路の駆動信号を出力する極座標変換器と、を備え
    前記比例積分制御器のゲインは、低次のトルク応答速度を周波数−ゲイン特性のピークより低い周波数に設定し、前記トルク応答速度近傍の周波数領域における制御対象の伝達関数のゲインであるトルク応答定数に反比例する項を含む積分ゲインを備える電動機制御装置。
  3. 前記トルク検出器の代わりに、前記電動機の駆動電流と、電圧と、回転速度と、に基づいて、前記電動機の出力トルクの推定値を演算するトルク推定器を備えた請求項1又は請求項2記載の電動機制御装置。
  4. 前記トルク検出器の代わりに、前記電動機の駆動電流に基づいて、前記電動機の出力トルクの推定値を演算するトルク推定器を備えた請求項1又は請求項2記載の電動機制御装置。
  5. 前記請求項1または請求項2の電動機制御装置と、
    前記電動機と、を備えたことを特徴とするドライブシステム。
  6. 前記電動機はシンクロナスリラクタンスモータであることを特徴とする請求項5記載のドライブシステム。
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