JP6762822B2 - レーザ記録装置、方法及びプログラム - Google Patents
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Description
制御部は、第1スポット径を有するレーザ光の予熱用スポットを用いて記録媒体の感熱記録層における温度がそれぞれ対応する閾値温度以下の所定の予熱温度となるように記録媒体にレーザ光を照射して予熱を行うとともに、予熱がなされた感熱記録層に第1スポット径よりも小さい第2スポット径を有するレーザ光の記録用スポットを用いて記録対象の感熱記録層における温度がそれぞれ対応する閾値温度以上となるようにレーザ光を照射して記録対象の感熱記録層に対する記録を行う。
[1]第1実施形態
まず、第1実施形態の原理説明を行う。
第1実施形態のレーザ記録方法は、レーザ照射によって少なくとも保護層上で発生した熱が各層に伝導して各層の温度が変化するのを、レーザによる熱の与え方、つまりレーザの照射条件によって制御することにより選択的に各層を発色させる記録方法である。
記録媒体10は、図1に示すように、基材12上に、低温発色層13、第1スペーサ層14、中温発色層15、第2スペーサ層16、高温発色層17、機能層18及び保護層19がこの順番で積層されている。ここで、低温発色層13、中温発色層15及び高温発色層17は、画像記録がなされる感熱記録層(低温感熱記録層、中温感熱記録層、高温感熱記録層)を構成し、第1スペーサ層14、第2スペーサ層16は、断熱および伝熱を行う中間層を構成している。
低温発色層13は、その温度が第1閾値温度Tl以上となると発色する感熱材料としての示温材料を含む層である。
中温発色層15は、その温度が第2閾値温度Tm(>Tl)以上となると発色する感熱材料としての示温材料を含む層である。
高温発色層17は、その温度が第3閾値温度Th(>Tm)以上となると発色する感熱材料としての示温材料を含む層である。
保護層19は、低温発色層13、第1スペーサ層14、中温発色層15、第2スペーサ層16、高温発色層17及び機能層18を保護するための層である。
ここでは、理解の容易のため、高温発色層17の単色発色を行う場合について説明する。
実施形態においては、単一のレーザ照射装置により予熱処理及び発色処理を行って、記録を行っている。
図2においては、理解の容易のため、保護層19及び機能層18と、高温発色層17と、を分離して図示している。
これにより、保護層19に供給された光エネルギーは、機能層18を介して、熱エネルギーとして、高温発色層17に伝達されるが、予熱用スポットSHの照射時には、高温発色層17の予熱領域AHの温度は、第3閾値温度Thの近傍の温度となるが、未だ第3閾値温度Th未満であるので、発色は起こらない。
これにより、保護層19に供給された光エネルギーは、熱エネルギーとして、高温発色層17に伝達される。
この場合において、予熱用スポットSHのスポット径D1と記録用スポットSRのスポット径D2とは、以下の関係を満たしており、かつ、発色領域ARの径D3が所望の径を満たしている限り、任意に設定可能である。
D1>D2
図3においては、縦軸は温度であり、横軸は、処理開始からの経過時間である。また、図3においては、発色層として高温発色層17を例として説明している。
レーザ記録装置100は、記録用のレーザ光LBを記録ステージ101上に載置された記録媒体10に対して出射するレーザヘッド部102と、レーザヘッド部102の出射したレーザ光LBを実効的に走査するために記録ステージ101を駆動するための駆動部103と、外部より入力された記録画像データに基づいて、レーザヘッド部102及び駆動部103を制御するマイクロコンピュータとして構成された制御部104と、レーザヘッド部102,駆動部103及び制御部104を支持あるいは収納する筐体105と、を備えている。
図5は、第1態様のスポット径の変更方法の説明図である。
第1態様は、レーザ光LBを集光するレンズを通過後の記録媒体までの光路長を変更することでスポット径を変更する場合のものである。
より具体的には、予熱用スポットSHの照射時には、スポット制御部102Dは、図5(a)に示すように、記録媒体10に近い位置(離間距離が短い位置)に集光レンズ102Cを移動させる。この結果、図5(a)に示すように、記録媒体10の表面におけるスポット径が大きくなる(スポット径D1に相当)。
第2態様は、記録媒体を載置しているステージを移動し、レーザ光LBを集光するレンズを通過後の記録媒体までの光路長を変更することでスポット径を変更する場合のものである。
すなわち、本第2態様では、ステージを移動することで、実効的にレンズの位置を記録媒体に入射するレーザ光LBの光軸に沿って移動してスポット径を変更している。
第2態様のスポット径の変更方法に対応するレーザ記録装置100は、第1態様のレーザヘッド部102のスポット制御部102Dに代えて、記録ステージ101に記録ステージ101をレーザ光LBの光軸方向に駆動するステージ駆動部101Aを設けた点である。
より具体的には、予熱用スポットSHの照射時には、ステージ駆動部101Aは、図6(a)に示すように、記録媒体10を集光レンズ102Cに近い位置に記録ステージ101を移動させる。この結果、図6(a)に示すように、スポット径が大きくなる(スポット径D1に相当)。
一方、記録用スポットSRの照射時には、ステージ駆動部101Aは、図6(b)に示すように、記録媒体10が集光レンズ102Cから遠い位置となるようにステージを移動させる。この結果、図6(b)に示すように、スポット径が小さくなる(スポット径D2に相当)。
第3態様は、焦点距離が同一であり、レーザ光LBを集光する二個の集光レンズ102C1、102C2を備え、集光レンズ102C1をレーザ光LBの光路中に挿入する位置と、集光レンズ102C2をレーザ光LBの光路中に挿入する位置と、を切り換えることでスポット径を変更する場合のものである。
第4態様は、焦点距離が異なる二種類のレーザ光LBを集光する集光レンズ102C3、102C4を備え、集光レンズ102C3、102C4を切り換えることでスポット径を変更する場合のものである。
より具体的には、予熱用スポットSHの照射時には、レンズ切替部102Eは、図8(a)に示すように、焦点距離が長い集光レンズ102C3に切り換える。この結果、図8(a)に示すように、スポット径が大きくなる(スポット径D1に相当)。
一方、記録用スポットSRの照射時には、レンズ切替部102Eは、図8(b)に示すように、焦点距離が短い集光レンズ103C4に切り換える。この結果、図8(b)に示すように、スポット径が小さくなる(スポット径D2に相当)。
図9(a)は、側面図、図9(b)は、平面図である。
図9に示すレンズホルダ102Fは、上述した第3態様又は第4態様において、2個の集光レンズを保持するものである。
図10は、基本的な記録動作の処理フローチャートである。
以下の説明においては、スポット径の変更(予熱用スポットSHと記録用スポットSRとの切換)として上述した第4態様の変更方法を使うものとする。
そしてレーザ光源102Aのレーザダイオードを駆動し、レーザ光LBを記録媒体10に照射し、予熱処理を行う(ステップS12)。
この場合において、記録媒体10の低温発色層13、中温発色層15及び高温発色層17のそれぞれにおいて発色しない温度であり、かつ、なるべく高い温度となるように制御する。
そしてレーザ光源102Aのレーザダイオードを駆動し、ステップS12において予熱がなされた領域に対応する高温発色層17の領域内であって、高温発色層17に対応する記録画像パターン及び記録濃度に応じて、レーザ光LBを記録媒体10に照射し、高温発色層17の発色領域(記録位置;ドット形成位置)において温度が第3閾値温度Th以上の状態が記録濃度に応じた時間継続するように制御する(ステップS14)。
これらの結果、所望の画像(文字も含む)をカラーで形成し、記録することが可能となる。
図11に示すように、予熱用スポットSHに対応するレーザ光LBの走査を複数回行うように構成し、所望の画像(文字も含む)を形成するようにすることも可能である。
また、図11の下部は、黒四角「■」という文字を形成するためにレーザ光LBを走査して記録用スポットSRを走査し、「■」という文字に対応する発色領域ARを形成した場合である。
ここで、レーザ光LBの走査を複数階行う構成を採った場合、レーザとしてCW(Continuous wave)レーザを用いた場合であってもレーザ光LBが照射されている時間及びレーザ光LBが照射されていない時間が発生するため、実効的に熱エネルギーの付与をパルス的に行うことが可能である。
図12に示すように、記録用スポットSRの走査のみならず、予熱用スポットSHを走査して、広範囲の予熱走査領域SHTを予熱して、広域予熱領域AHTを構成するようにレーザ光LBを走査するように構成することも可能である。
この結果、発色層においては、予熱走査領域SHTに対応する予熱領域AH、ひいては、広域予熱領域AHTが形成される。
したがって、図12(b)に示すように広域予熱領域AHTに対応する領域で、記録用スポットSRを矢印BX方向に複数回走査し、図12(c)に示すように、複数の発色領域ARを形成して、画像の記録を行う。
以上の第1実施形態においては、階調制御については詳細に述べなかったが、本第2実施形態は、予熱用スポットSHのレーザ照射終了から、記録用スポットSRのレーザ開始までの時間(待機時間)を制御することにより、発色させる画素の階調制御を行う実施形態である。
図13において、発色層としては、高温発色層17を例として説明する。
図13中、温度制御曲線L21は、例えば、最大発色濃度(最大階調)の場合の温度制御曲線であり、温度制御曲線L22は、例えば、最小発色濃度(最小階調)の場合の温度制御曲線である。
また時刻t1〜時刻t2の期間は、第1回目の予熱用スポットSHの走査と第2回目の予熱用スポットSHの走査の間のレーザ光LBが照射されていない期間であり、記録媒体10の発色層(ここでは、高温発色層17)の温度が低下している状態である。
本第2実施形態においては、予熱期間の処理については、最大発色濃度から最小発色濃度の濃度範囲のいずれであっても同じである。
図14は、予熱終了から記録開始までの時間(待機時間)と濃度との対応関係説明図である。
具体的には、図13の時刻t3からの経過時間、すなわち、図14に示す予熱終了から記録開始までの待機時間で階調が定まることとなる。
そして、時刻t4〜時刻t6の期間は、記録用スポットSRのレーザ光LBの走査により温度が上昇している期間である。そして時刻t5において、発色層である高温発色層17の温度が第3閾値温度Thを超えて発色を開始することとなる。
この結果、時刻t5〜時刻t10において照射されたレーザ光LBのエネルギーは、最大発色濃度に相当するものとなる。
上述したように、記録用スポットSRのレーザ光LBの照射開始から照射終了までの時間は、発色濃度にかかわらず一定であるので、最小発色濃度で発色させる場合には、時刻t7に記録用スポットSRのレーザ光LBの照射を開始し、時刻t9に照射を終了する。
この結果、発色層の温度が閾値を超えている期間は、時刻t8〜時刻t10の期間となり、この期間において照射されたレーザ光LBのエネルギーは、最小発色濃度に相当するものとなる。
本第3実施形態は、記録用のレーザのパワー密度を制御することにより、発色させる画素の階調制御を行う実施形態である。
図15は、第3実施形態における発色層の温度制御の一例の説明図である。
なお、図15においては、発色層として高温発色層17を用いた場合のものを示している。
また時刻t1〜時刻t2の期間は、第1回目の予熱用スポットSHのレーザ光LBの走査と第2回目の予熱用スポットSHのレーザ光LBの走査の間のレーザ光LBが照射されていない待機期間であり、記録媒体10の温度が低下している状態である。
本第3実施形態においては、予熱期間(=t0〜t3)の処理については、最大発色濃度から最小発色濃度の濃度範囲のいずれであっても同じである。
図16は、記録用スポットSRのレーザのパワー密度と濃度との対応関係説明図である。
具体的には、図15の時刻t4から所定時間照射する記録用スポットSRのレーザ光LBのパワー密度により階調が定まることとなる。
この結果、時刻t5〜時刻t9において照射されたレーザ光LBのエネルギーは、最大発色濃度に相当するものとなる。
上述したように、記録用スポットSRのレーザ光LBのパワー密度は発色濃度に応じて変更されるが、予熱が終了し所定の待機時間が経過した時刻t4から記録用スポットSRのレーザ光LBを照射する時間(t7−t4)は、発色濃度に関わらず一定である。
したがって、記録用スポットSRに対応するレーザ光LBのパワー密度が最小の最小発色濃度に対応する記録用スポットSRのレーザ光LBの照射時間では、時刻t6に閾値温度を超えるが、時刻t7に記録用スポットSRのレーザ光LBの照射が終了した直後の時刻t8を過ぎると、発色層の温度が閾値温度未満となる。
この結果、時刻t6〜時刻t8において照射されたレーザ光LBのエネルギーは、最小発色濃度に相当するものとなる。
本第4実施形態は、記録用スポットSRのレーザの予熱終了後の照射時間を制御することにより、発色させる画素の階調制御を行う実施形態である。
図17は、第4実施形態における発色層の温度制御の一例の説明図である。
図17中、温度制御曲線L41は、例えば、最大発色濃度(最大階調)の場合の温度制御曲線であり、温度制御曲線L42は、例えば、最小発色濃度(最小階調)の場合の温度制御曲線である。
なお、図17においては、発色層として高温発色層17を用いた場合のものを示している。
図17の場合、時刻t0〜時刻t1の期間は、第1回目の予熱用スポットSHの走査により温度が上昇している期間である。
また時刻t1〜時刻t2の期間は、第1回目の予熱用スポットSHの走査と第2回目の予熱用スポットSHの走査の間のレーザ光LBが照射されていない待機期間であり、記録媒体の温度が低下している状態である。
さらに、時刻t2〜時刻t3の期間は、第2回目の予熱用スポットSHの走査により温度が上昇している期間であり、時刻t3において、予熱期間は終了となっている。
本第4実施形態においては、予熱期間(=時刻t0〜t3)の処理については、最大発色濃度から最小発色濃度の濃度範囲のいずれであっても同じである。
まず最大発色濃度で発色させる場合について説明する。
図18は、記録用スポットSRの照射時間と濃度との対応関係説明図である。
具体的には、図17の時刻t4から発色濃度に応じて定められた記録用スポットSRの照射時間により階調が定まることとなる。
予熱が終了し所定の待機時間が経過した時刻t4から照射する記録用スポットSRのレーザ光LBのパワー密度を一定とした場合、図18に示すように、閾値温度を超えた後にレーザ光LBの照射時間が長いほど発色のために供給されるエネルギー量が多く発色濃度が高く、時間が短いほど閾値温度以上となっている時間に供給されるエネルギー量が少なく発色濃度が低くなることが分かる。
そして、時刻t4〜時刻t8の期間が最大発色濃度に対応する記録用スポットSRの照射時間である。そして時刻t5において、発色層の温度が閾値を超えて発色を開始することとなる。
そして時刻t8において、記録用スポットSRの照射を終了すると徐々に温度が下がって、時刻t9において閾値温度以下となる。
この結果、時刻t5〜時刻t9において照射されたレーザ光LBのエネルギーは、最大発色濃度に相当するものとなる。
上述したように、予熱が終了した時刻t4から記録用スポットSRの照射時間は発色濃度に応じて変更されるので、記録用スポットSRのレーザ光LBのパワー密度が最小の最小発色濃度に対応する記録用スポットSRのレーザ光LBの照射時間では、時刻t5に閾値温度を超えるが、時刻t6には記録用スポットSRのレーザ光LBの照射が終了される。
この結果、直後の時刻t7を過ぎると、発色層の温度が閾値温度未満となる。
この結果、時刻t5〜時刻t7において照射されたレーザ光LBのエネルギーは、最小発色濃度に相当するものとなる。
図19は、記録用スポットSRの走査速度と発色濃度との関係説明図である。
ところで、記録用スポットSRのある照射位置に着目すれば、記録用スポットSRの照射時間は、記録用スポットSRのレーザ光LBの走査速度に反比例する。
したがって、発色濃度と記録用スポットSRの走査速度との関係は、図19に示すように、図18の記録用スポットSRの照射時間と発色濃度との対応関係を反転させたものとなる。
そこで、第4実施形態の記録用スポットSRの照射時間に代えて、走査速度を適用し、走査速度を遅くすれば、実質的にレーザ光LBの照射時間が長くなり、より発色濃度の高い側とすることができる。
逆に走査速度を速くすれば、実質的にレーザ光LBの照射時間が短くなり、より発色濃度の低い側とすることができる。
従って、本第4実施形態の変形例においても第4実施形態と同様に記録濃度に階調を持たせることが可能となる。
本第5実施形態は、同一周期でパルス的に記録用スポットSRのレーザの照射及び停止を繰り返すとともに、記録用スポットSRのレーザ照射回数で階調制御を行う場合の実施形態である。
図20中、温度制御曲線L51は、例えば、最大発色濃度(最大階調)の場合の温度制御曲線であり、温度制御曲線L52は、例えば、最小発色濃度(最小階調)の場合の温度制御曲線である。
なお、図20においては、発色層として高温発色層17を用いた場合のものを示している。
また時刻t1〜時刻t2の期間は、予熱用スポットSHの照射と、記録用スポットSRの照射との間のレーザ光LBが照射されていない待機期間であり、記録媒体10の温度が低下している状態である。
なお、レーザ光LBのパワー密度が一定の場合、時刻t0〜時刻t2の期間は、発色濃度にかかわらず一定となっている。
そして、図20の時刻t2から発色濃度に応じて定められた記録用スポットSRの照射回数により階調が定まることとなる。
本第5実施形態においては、予熱期間(=t0〜t1)の処理については、最大発色濃度から最小発色濃度の濃度範囲のいずれであっても同じである。
この結果、時刻t2〜時刻t6において照射されたレーザ光LBのエネルギーは、最大発色濃度に相当するものとなる。
上述したように、予熱が終了した時刻t2から記録用スポットSRのレーザ光LBの照射回数は発色濃度に応じて変更されるので、記録用スポットSRのパワー密度が最小の最小発色濃度に対応する記録用スポットSRの照射時間では、時刻t3に閾値温度を超えるが、その後の記録用スポットSRの照射はないので、直後の時刻t4を過ぎると、発色層の温度が閾値温度未満となる。
この結果、時刻t2〜時刻t4において照射されたレーザ光LBのエネルギーは、最小発色濃度に相当するものとなる。
上記各実施形態においては、記録用スポットSRの径は一定のものとしていたが、本第6実施形態は、記録用スポットSRの径を制御することにより階調制御を行う場合の実施形態である。
図22は、第6実施形態の階調制御の説明図である。
また、図23は、記録用スポットSRの径と濃度との対応関係説明図である。
また、図22(c)は低濃度領域を四角形状に形成した場合にユーザが視認した状態のイメージ図であり、図22(d)側は低濃度領域を構成している画素の拡大図である。
より具体的には、図22(b)及び図22(d)に示すように、各画素には、それぞれ五個の記録用スポットSRが配置可能とされており、図22(b)に示すように高濃度領域の記録用スポットSRの径は、図22(d)に示す低濃度領域の記録用スポットSRの径より大きく形成されており、発色領域の面積が背景の非発色領域の面積よりも相対的に大きくなっており、高濃度領域であると認識される。
以上の説明のように、本第6実施形態によれば、記録用スポットSRの径を発色濃度に応じて変化させるので、記録濃度に階調を持たせることが可能となる。
上記各実施形態は、原則的に単色発色の場合について説明したが、本第7実施形態は、C(シアン)、Y(イエロー)及びM(マゼンタ)の各発色層について、発色用加熱と予熱用加熱を並行して行って発色させる場合の実施形態である。
この場合において、図1に示した記録媒体においてC(シアン)が低温発色層13、M(マゼンタ)が中温発色層15、Y(イエロー)が高温発色層17に対応しているものとして説明する。
図24は、第7実施形態の記録動作の処理フローチャートである。
図25は、第7実施形態における発色層の最大発色濃度(最大階調)における温度制御の一例の説明図である。
図26は、第7実施形態における発色層の最小発色濃度(最小階調)における温度制御の一例の説明図である。
そしてレーザダイオードを駆動し、レーザ光LBを記録媒体10に照射し、予熱処理を行う(ステップS22)。
具体的には、図25及び図26に示す時刻t0〜時刻t1の期間が予熱処理期間である。
続いて、印字濃度に対応する待機時間が経過したか否かを判別する(ステップS24)。
これにより、低温発色層13において、C(シアン)が発色状態となる。
[8.1]第1変形例
上記レーザ光LBの照射制御に加えて、送風、記録ステージ101の加温、冷却による記録媒体10自体、あるいは、周辺の環境温度制御を行ってさらなる記録速度の向上を図ることも可能である。
以上の説明においては、発色層が3層の場合について説明したが、2層の場合および4層以上の場合も同様に適用が可能である。
本実施形態のレーザ記録装置100の制御部104は、CPUなどの制御装置と、ROM(Read Only Memory)やRAMなどの記憶装置と、HDD、CDドライブ装置などの外部記憶装置と、ディスプレイ装置などの表示装置と、キーボードやマウスなどの入力装置を備えており、通常のコンピュータを利用したハードウェア構成となっている。
12 基材
13 低温発色層
14 第1スペーサ層
15 中温発色層
16 第2スペーサ層
17 高温発色層
18 機能層
19 保護層
LB レーザ光LB
SH 予熱用スポット
SR 記録用スポット
Claims (9)
- 発色の閾値温度が異なる感熱材料がそれぞれ含まれるとともに、レーザ光が照射される表層側から下層に向かって前記感熱材料の前記閾値温度が順次低くなるように積層された複数の感熱記録層を備えた記録媒体に前記レーザ光を照射して記録を行うレーザ記録装置であって、
第1スポット径を有する前記レーザ光の予熱用スポットを用いて前記記録媒体の前記感熱記録層における温度がそれぞれ対応する前記閾値温度以下の所定の予熱温度となるように前記記録媒体に前記レーザ光を照射して予熱を行うとともに、前記予熱がなされた前記感熱記録層に前記第1スポット径よりも小さい第2スポット径を有する前記レーザ光の記録用スポットを用いて記録対象の前記感熱記録層における温度がそれぞれ対応する前記閾値温度以上となるように前記レーザ光を照射して記録対象の前記感熱記録層に対する記録を行う制御部を備えたレーザ記録装置。 - 前記制御部は、前記予熱用スポットを複数回走査することにより前記予熱を行う、
請求項1記載のレーザ記録装置。 - 前記制御部は、前記記録用スポットを複数回走査することにより前記記録対象の前記感熱記録層に対する記録を行う、
請求項1または請求項2記載のレーザ記録装置。 - 前記制御部は、前記予熱用スポットの照射完了から前記記録用スポットの照射開始までの時間を制御することにより前記感熱記録層における記録画素の濃度を変更して階調制御を行う
請求項1乃至請求項3のいずれか一項記載のレーザ記録装置。 - 前記制御部は、前記記録用スポットのレーザーパワー密度を制御することにより前記感熱記録層における記録画素の濃度を変更して階調制御を行う、
請求項1乃至請求項3のいずれか一項記載のレーザ記録装置。 - 前記制御部は、前記記録用スポットのレーザ照射時間またはレーザ走査速度を制御することにより前記感熱記録層における記録画素の濃度を変更して階調制御を行う、
請求項1乃至請求項3のいずれか一項記載のレーザ記録装置。 - 前記制御部は、前記記録用スポットの走査を行うことにより、前記記録対象の前記感熱記録層に対する記録を行うに際し、前記記録用スポットの照射回数を制御することにより前記感熱記録層における記録画素の濃度を変更して階調制御を行う、
請求項1乃至請求項3のいずれか一項記載のレーザ記録装置。 - 発色の閾値温度が異なる感熱材料がそれぞれ含まれるとともに、レーザ光が照射される表層側から下層に向かって前記感熱材料の前記閾値温度が順次低くなるように積層された複数の感熱記録層を備えた記録媒体に前記レーザ光を照射して記録を行うレーザ記録装置で実行される方法であって、
第1スポット径を有する前記レーザ光の予熱用スポットを用いて前記記録媒体の前記感熱記録層における温度がそれぞれ対応する前記閾値温度以下の所定の予熱温度となるように前記記録媒体に前記レーザ光を照射して予熱を行う過程と、
前記予熱がなされた前記感熱記録層に前記第1スポット径よりも小さい第2スポット径を有する前記レーザ光の記録用スポットを用いて記録対象の前記感熱記録層における温度がそれぞれ対応する前記閾値温度以上となるように前記レーザ光を照射して記録対象の前記感熱記録層に対する記録を行う過程と、
を備えた方法。 - レーザ光を出射するレーザ光源と、前記レーザ光を集光する光学系と、を有し、発色の閾値温度が異なる感熱材料がそれぞれ含まれるとともに、レーザ光が照射される表層側から下層に向かって前記感熱材料の前記閾値温度が順次低くなるように積層された複数の感熱記録層を備えた記録媒体に前記レーザ光を照射して記録を行うレーザ記録装置をコンピュータにより制御するためのプログラムであって、
前記コンピュータを、
前記レーザ光源及び前記光学系を制御し、第1スポット径を有する前記レーザ光の予熱用スポットを用いて前記記録媒体の前記感熱記録層における温度がそれぞれ対応する前記閾値温度以下の所定の予熱温度となるように前記記録媒体に前記レーザ光を照射させて予熱を行わせる手段と、
前記予熱がなされた前記感熱記録層に前記第1スポット径よりも小さい第2スポット径を有する前記レーザ光の記録用スポットを用いて記録対象の前記感熱記録層における温度がそれぞれ対応する前記閾値温度以上となるように前記レーザ光を照射させて記録対象の前記感熱記録層に対する記録を行わせる手段と、
して機能させるプログラム。
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