JP6761435B2 - 医用装置およびプログラム - Google Patents

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Description

本発明は、ガントリの振動を抑制するための制振器を備えた医用装置、およびこの医用装置に適用されるプログラムに関する。
被検体を診断する装置として、X線CT装置が知られている。CT装置は、被検体を短時間で非侵襲的に撮影することができので、広く用いられている。一般に、CT装置はガントリを有している。ガントリの内部には、X線管及び検出器を回転自在に支持する回転部が備えられている。被検体をスキャンする場合、X線管からX線を照射しながら回転部が被検体の周りを回転し、X線が検出される。そして、検出されたX線のデータに基づいて、画像が生成される。
特開平09−313474号公報
ガントリの回転部が回転すると、その回転によって、ガントリが振動する。ガントリの振動は画像の劣化の原因となるので、ガントリの振動はできるだけ低減することが要求される。ガントリの振動を軽減する方法の一例が特許文献1に開示されている。
特許文献1では、振動を検出するための第1の圧電素子と、振動を打ち消すための第2の圧電素子とを設けることで、CT装置の振動を制御している。しかし、特許文献1の方法では、第2の圧電素子の動作により振動が抑制されると、振動が抑制された直後は、第1の圧電素子による振動の検出は行われない。したがって、第1の圧電素子が振動を再検出するまでは、第2の圧電素子は振動を打ち消すための動作をしない。したがって、ガントリの振動が抑制された直後から一定期間の間、第2の圧電素子が振動を打ち消すための動作が行われない期間が発生する。しかし、第2の圧電素子が振動を打ち消すための動作が行われない間も、ガントリの回転部は回転し続けている。したがって、ガントリが振動していても、第2の圧電素子による振動の打ち消し動作が実行されないので、第1の圧電素子が振動を再検出するまでは、ガントリの振動を抑制することができない。このため、ガントリの振動を十分に抑制できる期間とガントリの振動が十分に抑制されない期間が交互に現れてしまい、ガントリの振動を十分に抑制することができないという問題がある。
したがって、ガントリの振動を十分に抑制できる技術が要求されている。
本発明の第1の観点は、放射線を照射する照射部を回転させるための回転部を有するガントリを備えた医用装置であって、
前記被検体をスキャンする前に取得された前記ガントリの振動を表す振動データに対して逆相のデータに基づいて、前記被検体のスキャン中における前記ガントリの振動を低減するための力を前記ガントリに付与する制振器を有する医用装置である。
本発明の第2の観点は、放射線を照射する照射部を回転させるための回転部を有するガントリと、被検体のスキャン中における前記ガントリの振動を低減するための力を前記ガントリに付与する制振器とを備えた医用装置に適用されるプログラムであって、
前記被検体をスキャンする前に取得された前記ガントリの振動を表す振動データに対して逆相のデータに基づいて、前記制振器を制御する制御処理と、
をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
本発明では、被検体をスキャンする前に取得されたガントリの振動データに基づいて、ガントリの振動を低減するための力を前記ガントリに付与する。したがって、本発明の医用装置は、スキャン前に、スキャン中のガントリの振動特性を既知の情報として認識することができるので、スキャン中にガントリの振動を検出するための圧電素子を設けなくても、スキャンの開始から終了までの間、振動を抑制するために必要な力をガントリに付与することができる。
本形態におけるX線CT装置の外観図である。 本形態に係るX線CT装置1のハードウェアの構成を概略的に示す図である。 X線CT装置の主な機能ブロック図である。 ガントリ2に内蔵された支持構造を概略的に示す図である。 ガントリの振動の説明図である。 ガントリの振動の説明図である。 ガントリの振動の説明図である。 ガントリの振動の説明図である。 ガントリの振動の説明図である。 波形Pに対して逆相の波形Qを示す図である。 支持構造20を支柱111側から見た斜視図である。 支持構造20を支柱112側から見た斜視図である。 支持構造20の正面図である。 支持構造20の背面図である。 制振器15〜18が発生する力の説明図である。 被検体をスキャンするために実行されるフローの一例を示す図である。 時点t1−t2における制振器の動作の説明図である。 時点t2−t3における制振器の動作の説明図である。 時点t3−t4における制振器の動作の説明図である。 時点t4−t5における制振器の動作の説明図である。 ガントリに2つの制振器のみを備えた例を示す図である。 制振器の構造の一例の説明図である。 各制振器が2個の受け部を有している例を示す図である。 制振器と補強部材とを組み合わせた一例を示す図である。 制振器と補強部材とを組み合わせた他の例を示す図である。 ガントリのz方向の振動を抑制する例を示す図である。
以下、発明を実施するための形態について説明するが、本発明は、以下の形態に限定されることはない。
図1は、本形態におけるX線CT装置の外観図である。
図1に示すように、X線CT装置1は、ガントリ(gantry)2、テーブル(table)4、及び操作コンソール(console)6を備えている。
ガントリ2及びテーブル4は、スキャンルームR1に設置されている。操作コンソール6は、スキャンルームR1とは異なる操作ルームR2に設置されている。
図2は、本形態に係るX線CT装置1のハードウェアの構成を概略的に示す図である。
ガントリ2は、X線管21、アパーチャ(aperture)22、コリメータ装置(collimator device)23、X線検出器24、データ収集部(data acquisition system)25、回転部26、高電圧電源27、アパーチャ駆動装置28、回転駆動装置29、ガントリ・テーブル制御部30を有している。
X線管21、アパーチャ22、コリメータ装置23、X線検出器24、およびデータ収集部25は、回転部26に搭載されている。
X線管21及びX線検出器24は、被検体5が載置される撮影空間、すなわちガントリ2の空洞部Bを挟んで互いに対向して配置されている。
アパーチャ22は、X線管21と空洞部Bとの間に配置されている。アパーチャ22は、X線管21のX線焦点からX線検出器24に向けて放射されるX線をファンビーム(fan beam)やコーンビーム(cone beam)に成形する。
コリメータ装置23は、空洞部BとX線検出器24との間に配置されている。コリメータ装置23は、X線検出器24に入射する散乱線を除去する。
X線検出器24は、X線管21から放射される扇状のX線ビームの広がり方向および厚み方向に、2次元的に配列された複数のX線検出素子を有している。各X線検出素子は、空洞部Bに配された被検体5の透過X線をそれぞれ検出し、その強度に応じた電気信号を出力する。
データ収集部25は、X線検出器24の各X線検出素子から出力される電気信号を受信し、X線データに変換して収集する。
テーブル4は、クレードル(cradle)41および駆動装置42を有している。被検体5は、クレードル41の上に載置される。駆動装置42は、クレードル41がy方向およびz方向に移動することができるように、テーブル4およびクレードル41を駆動する。
高電圧電源27は、X線管21に高電圧及び電流を供給する。
アパーチャ駆動装置28はアパーチャ22を駆動しその開口を変形させる。
回転駆動装置29は回転部26を回転駆動する。
ガントリ・テーブル制御部30は、ガントリ2内の各装置・各部、および駆動装置42等を制御する。
操作コンソール6は、撮影技師からの各種操作を受け付ける。操作コンソール6は、入力装置61、表示装置62、記憶装置63、及び演算処理装置64を有している。
なお、ここでは、被検体5の体軸方向をz方向とする。また、クレードル41の昇降方向をy方向、y方向およびz方向に直交する水平方向をx方向とする。
図3は、X線CT装置の主な機能ブロック図(block diagram)である。尚、実際には、X線CT装置は、多数の機能ブロックを有しているが、ここでは、本形態の説明に必要な機能ブロックのみが示されている。
本形態において、X線CT装置は、主な機能ブロックとして、制御信号計算部101および制振器制御部102を有している。
制御信号計算部101は、後述する制振器を制御するための制御信号を計算する。制振器制御部102は、制御信号計算部101が計算した制御信号に基づいて制振器を制御する。
各機能ブロックを実行させるためのプログラムは、操作コンソール6の記憶装置63に記憶させておくことができ、また、ガントリ2内の記憶部、およびテーブル4内の記憶部のうちの少なくともいずれか一つの記憶部に記憶させておくこともできる。ガントリ2、テーブル4、および操作コンソール6は、記憶装置又は記憶部に記憶されたプログラムを実行するためのコンピュータ(computer)としての役割を有しており、当該コンピュータは、記憶装置又は記憶部に記憶されたプログラムを実行することにより、各機能ブロックとして機能する。尚、プログラムの少なくとも一部を、操作コンソール6に外部接続された記憶部又は記憶媒体90(図1参照)に記憶させることも可能である。図3に示す機能の詳細は、X線CT装置における処理の流れを説明する際に併せて説明する。
次に、ガントリ2の回転部26を支持する支持構造について説明する。
図4は、ガントリ2に内蔵された支持構造を概略的に示す図である。
ガントリ2に内蔵された支持構造20は、固定フレーム11、ピボット12、およびベアリングブラケット13を有している。
固定フレーム11は、ベース110、支柱111、および支柱112を有している。固定フレーム11は、ピボット12を介して、ベアリングブラケット13を支持している。ベアリングブラケット13は、回転部26(図2参照)を回転自在に支持するベアリング(図示せず)を支持するためのブラケットである。ピボット12(結合部の一例)は、固定フレーム11の支柱111および112に対してベアリングブラケット13が回転可能に支持されるように、固定フレーム11とベアリングブラケット13とを結合する。
回転部26の回転は、支持構造を振動させる原因、即ち、ガントリ全体を振動させる原因となる。このような振動は、画像劣化の原因となるので、ガントリの振動を軽減させることが重要となる。そこで、本形態では、後述するように、ガントリの振動を抑制するための制振器を備えている。以下、本形態において、制振器によりガントリの振動をどのようにして抑制するかについて説明する。なお、本形態における振動の抑制方法を明確にするため、以下では、先ず、本形態の制振器がない場合にガントリがどのように振動するのかを説明する。そして、ガントリの振動を説明した後で、制振器を用いてどのようにしてガントリの振動を軽減しているかについて説明する。
図5〜図9は、本形態の制振器がない場合にガントリがどのように振動するのかを説明するための図である。
図5には、ガントリに内蔵された支持構造20の正面図が示されている。
尚、以下では、ガントリの振動を理解しやすくするため、固定フレーム11が以下の(1)および(2)のような往復運動することを考える。
(1)固定フレーム11の支柱111が、支柱111の下端部e1を通りz方向に平行な軸A1を中心して、角度範囲RA内で往復運動する。
(2)固定フレーム11の支柱112が、支柱112の下端部e2を通りz方向に平行な軸A2を中心して、角度範囲RA内で往復運動する。
図5の上側には、支柱111および112の往復運動による振動を表す振動データが波形Pによって概略的に示されている。尚、ここでは、説明の便宜上、支柱111および112の往復運動は、同じ波形Pで表されるとする。したがって、支柱111および112のうち、一方の支柱111を取り上げて、波形Pについて説明する。
波形Pの横軸は時間を表し、縦軸は支柱111のxy面内における角度θを表す。一般に、回転部の回転による振動は周期性があり、ここでは、波形Pは、周期Tを有しているとする。尚、支柱111の動きを理解しやすくするため、波形Pは、sin波形で表されるとする。図5には、ガントリが振動する前の支柱111の長手方向の軸が符号「B1」で示されている。ここでは、ガントリが振動する前の支柱111の角度θを、θ=0とする。時点t0〜t1の間、ガントリは振動していないので、支柱111の角度θはθ=0である。
以下、ガントリの振動について、時点t1〜t2、時点t2〜t3、時点t3〜t4、および時点t4〜t5に分けて説明する。
(時点t1〜t2)
図6は、時点t1〜t2の間の支持構造20の振動を説明するための図である。図6では、時点t2における支持構造20が概略的に示されている。また、時点t1における支柱111の角度θ(=0)と時点t2における支柱111の角度θ(=θm1)との違いを視覚的に認識しやすくするため、時点t1における支柱111の軸B1が破線で示されている。
回転部26が回転する前は、ガントリは静止した状態である。しかし、回転部26が回転を始めるとガントリが時点t1において振動し始める。回転部26の回転により支柱111には、x方向とは反対方向(−x方向)の力F1が加わるので、支柱111の角度θがθ=0から次第に大きくなり、時点t2において、支柱111の角度θが最大値θm1に到達する。
(時点t2〜t3)
図7は、時点t2〜t3の間の支持構造20の振動を説明するための図である。図7では、時点t3における支持構造20が概略的に示されている。また、時点t2における支柱111の角度θ(=θm1)と時点t3における支柱111の角度θ(=0)との違いを視覚的に認識しやすくするため、時点t2における支柱111の軸B1が破線で示されている。
時点t2〜t3の間、支柱111には、x方向の力F2が加わる。したがって、支柱111の角度θがθ=θm1から次第に小さくなり、時点t3において、支柱111の角度θがθ=0に戻る。
(時点t3〜t4)
図8は、時点t3〜t4の間の支持構造20の振動を説明するための図である。図8では、時点t4における支持構造20概略的に示されている。また、時点t3における支柱111の角度θ(=0)と時点t4における支柱111の角度θ(=θm2)との違いを視覚的に認識しやすくするため、時点t3における支柱111の軸B1が破線で示されている。
時点t3〜t4の間、支柱111には、x方向の力F3が加わる。したがって、支柱111の角度θがθ=0から次第に大きくなり、時点t4において、支柱111の角度θがθ=θm2に到達する。
(時点t4〜t5)
図9は、時点t4〜t5の間の支持構造20の振動を説明するための図である。図9では、時点t5における支持構造20が概略的に示されている。また、時点t4における支柱111の角度θ(=θm2)と時点t5における支柱111の角度θ(=0)との違いを視覚的に認識しやすくするため、時点t4における支柱111の軸B1が破線で示されている。
時点t4〜t5の間、支柱111には、x方向とは反対方向(−x方向)の力F4が加わる。したがって、支柱111の角度θがθ=θm2から次第に小さくなり、時点t5において、支柱111の角度θがθ=0に戻る。
以下同様に、支持構造20は、所定の角度範囲RA内において往復運動する。したがって、回転部26の回転により、ガントリが振動し、CT画像が劣化するという問題がある。
そこで、本形態では、ガントリの振動を抑制するために、波形Pが表す振動データに対して逆相のデータを考えている(図10参照)。
図10は、波形Pが表す振動データに対して逆相のデータを示す図である。
図10では、波形Pが表す振動データに対して逆相のデータが波形Qで示されている。
波形Qは波形Pの逆相の波形である。したがって、波形Qの振動に対応した力を支柱111および112に加えることができれば、各支柱に作用する力は相殺され、時点t1〜t5の間のガントリの振動を抑えることができる。
そこで、本形態では、ガントリに、波形Qの振動に対応した力を発生するための制振器を設け、この制振器を用いて、ガントリの振動を抑制している。以下、本形態における制振器について説明する。
図11〜図14は、本形態における制振器の固定場所の説明図である。
図11はガントリ内の支持構造20を支柱111側から見た斜視図、図12はガントリ内の支持構造20を支柱112側から見た斜視図、図13はガントリ内の支持構造20の正面図、図14はガントリの支持構造20の背面図である。
本形態では、固定フレーム11の2つの支柱111および112に制振器が固定されている。以下では、支柱111に固定された制振器と、支柱112に固定された制振器に分けて、各制振器の固定場所を具体的に説明する。
先ず、支柱111に固定される制振器について説明する。
支柱111は、前面111a、背面111b、第1の側面111c、および第2の側面111dを有している。前面111aは、z方向(テーブル4が設置された側)を向く面であり(図13参照)、背面111bは、z方向とは反対方向(テーブル4の設置側とは反対側)を向く面である(図14参照)。また、第1の側面111cは、x方向(もう一方の支柱112が固定された側)を向く側面であり(図13参照)、第2の側面111dは、x方向とは反対方向(支柱112が固定された側とは反対側)を向く側面である(図13参照)。
本形態では、支柱111には、2つの制振器15および16(図13参照)が固定されている。制振器15は支柱111の第1の側面111cに固定され、制振器16は支柱111の第2の側面111dに固定されている。
次に、もう一方の支柱112に固定された制振器について説明する。
支柱112は、前面112a、背面112b、第1の側面112c、および第2の側面112dを有している。前面112aは、z方向(テーブル4が設置された側)を向く面であり、背面112bは、z方向とは反対方向(テーブル4の設置側とは反対側)を向く面である。また、第1の側面112cは、x方向(支柱111が固定された側)を向く側面であり、第2の側面112dは、x方向とは反対方向(支柱111が固定された側とは反対側)を向く側面である。
支柱112には、2つの制振器17および18が固定されている。制振器17は支柱112の第1の側面112cに固定され、制振器18は支柱112の第2の側面112dに固定されている。
このように、本形態では、支柱111の側面111cおよび111dに制振器15および16が固定され、もう一方の支柱112の側面112cおよび112dに制振器17および18が固定されている。
次に、ガントリの振動を抑制するために制振器15、16、17、および18が発生する力について説明する(図15参照)。
図15は、制振器15〜18が発生する力の説明図である。
本形態では、制振器15〜18の各々は圧電素子を含んでいる。X線CT装置は、各制振器の圧電素子に電圧を供給するための電源(図示せず)を備えている。電源は、ガントリの外部に備えてもよいし、ガントリに内蔵してもよい。各制振器は、電源から圧電素子に供給される電圧に応じて圧電素子を伸縮させることにより、ガントリの振動を抑制するための力を発生するように構成されている。
先ず、支柱111に固定されている制振器15および16が発生する力について説明する。
制振器15は、圧電素子に印加する電圧に応じて圧電素子を伸縮させることにより、x方向とは逆方向(−x方向)に支柱111を押す力F15を発生するように構成されている。一方、制振器16は、圧電素子に印加する電圧に応じて圧電素子を伸縮させることにより、x方向に支柱111を押す力F16を発生するように構成されている。したがって、制振器15および16は、支柱111に互いに反対方向の力を印加することができる。
次に、支柱112に固定されている制振器17および18が発生する力について説明する。
制振器17は、圧電素子に印加する電圧に応じて圧電素子を伸縮させることにより、x方向に支柱112を押す力F17を発生するように構成されている。一方、制振器18は、圧電素子に印加する電圧に応じて圧電素子を伸縮させることにより、x方向とは反対方向に支柱112を押す力F18を発生するように構成されている。したがって、制振器17および18は、支柱111に互いに反対方向の力を印加することができる。
これらの制振器15〜18としては、例えば、特開平09−313474の段落[0020]に開示されているようなバイモルフ型圧電素子を有する制振器を使用することができる。
上記のように、制振器16および17は、x方向の力を発生することができ、一方、制振器15および18は、x方向とは反対方向(−x方向)の力を発生することができる。したがって、4つの制振器15〜18を制御することにより、波形Pに対して逆相の波形Qの振動に対応した力を支柱111および112に加えることができるので、ガントリの振動を抑制しながら被検体をスキャンすることが可能となる。以下、本形態において被検体をスキャンするために実行される処理について説明する。
図16は、本形態において被検体をスキャンするために実行されるフローの一例を示す図である。以下、各ステップについて説明する。
ステップS1では、被検体のスキャンを実行する前に、ガントリの振動を表す波形Pを計測する。
先に説明したように、本形態では、ガントリの振動を表す波形Pとは逆相の波形Qを考え、この逆相の波形Qが表す振動に対応する力を支柱111および112に加えることでガントリの振動を抑制する。したがって、逆相の波形Qを得るためには、ガントリの振動を表す波形Pを予め取得しておく必要がある。そこで、本形態では、被検体のスキャンを行う前に、ガントリの振動を表す波形Pのデータを取得する。波形Wのデータは、回転部26を実際に回転させ、振動計測器を用いて、回転部26の回転により生じるガントリの振動を計測することにより取得することができる。ガントリの振動は、公知の振動計測器を用いて計測することができる。尚、振動計測器を、ガントリの一部分を構成する装置としてガントリに内蔵してもよい。この場合、X線CT装置の機能ブロックとして、振動計測器により計測された計測データに基づいてガントリの振動を表す振動データを生成する振動データ生成部を備えておくことにより、振動計測器を外部装置として準備しなくても、X線CT装置が振動データを生成することができる。
このようにして計測された波形Pのデータは記憶部に記憶される。尚、病院などのように、1日に多数の人数の検査を行う施設では、被検体の検査ごとに波形Pを取得する作業を行うのは、時間的な観点から必ずしも適切は方法ではないと考えられる。そこで、波形Pの計測は、例えば、X線管などの校正を行うためのキャリブレーションを実行するときに行うことが好ましい。波形Pを計測した後、ステップS2に進む。
ステップS2では、制御信号計算部101(図3参照)が、波形Pに基づいて、ガントリの振動が抑制されるように各制振器を制御するための制御信号を計算する。具体的には、制御信号計算部101は、各制振器が波形Pに対する逆相の波形Qが表す振動に対応した力を発生するために、各制振器に供給すべき制御信号を計算する。制御信号は、例えば、波形Pのデータに基づいて、波形Pに対して逆相の波形Qのデータを求め、波形Qを圧電素子に印加すべき電圧を表す電圧信号に変換することにより生成することができる。この電圧信号への変換は、例えば、波形Qと電圧信号との関係を規定する関係式を用いて行うことができる。この関係式は、被検体のスキャン前に予め用意しておき、記憶部に記憶させておくことができる。制御信号計算部101は記憶部に記憶された関係式に基づいて、波形Qから電圧信号を求めることができる。制御信号を計算した後、ステップS3に進む。
ステップS3では、被検体のスキャンが実行される。被検体のスキャンの間、制振器制御部102(図3参照)は、ステップS2で求めた制御信号に基づいて4つの制振器15〜18を制御する。以下に、スキャン中における制振器15〜18の動作について説明する。尚、以下では、説明の便宜上、制振器15〜18の動作について、時点t1−t2、時点t2−t3、時点t3−t4、時点t4−t5に分けて説明する。
図17は、時点t1−t2における制振器の動作の説明図である。
時点t1−t2の間は、4つの制振器15〜18のうち、2つの制振器16および17を用いて振動の制御を行う。以下、制振器16および17の動作について説明する。尚、制振器16および17の動作は同じであるので、以下では、代表して制振器16の動作について説明する。
時点t1−t2の間、支柱111には、回転部26の回転により、波形Pの波形部分p1に対応した力F1が作用する。しかし、制振器制御部102は、時点t1−t2の間、制振器16が波形Qの波形部分q1が表す振動に対応する力F16を発生するように、制振器16を制御する。したがって、制振器16は、波形Pの波形部分p1に対応した力F1を打ち消すための力F16を発生するので、時点t1−t2の間、力F1およびF16は相殺され、支柱111の角度θをθ=0に保持することができる。
尚、図17では、制振器16の制御方法について説明したが、制振器17も制振器16と同様に制御される。したがって、制振器17は、支柱112の振動を抑制するための力F17を発生するので、支柱112の角度θもθ=0に保持することができる。
図18は、時点t2−t3における制振器の動作の説明図である。
時点t2−t3の間、制振器制御部102は、制振器16および17が発生する力F16およびF17がゼロになるように制振器16および17を制御する。したがって、時点t2−t3の間、支柱111および112は制振器16および17から力を受けない。しかし、制振器制御部102は、時点t2−t3の間、制振器15および18が発生する力により振動が抑制されるように、2つの制振器15および18を制御する。以下、制振器15および18の動作について説明する。尚、制振器15および18の動作は同じであるので、以下では、代表して制振器15の動作について説明する。
時点t2−t3の間、支柱111には、回転部26の回転により、波形Pの波形部分p2に対応した力F2が作用する。しかし、制振器制御部102は、時点t2−t3の間、制振器15が波形Qの波形部分q2が表す振動に対応する力F15を発生するように、制振器15を制御する。したがって、制振器15は、波形Pの波形部分p2に対応した力F2を打ち消すための力F15を発生するので、時点t2−t3の間、力F2およびF15は相殺され、支柱111の角度θをθ=0に保持することができる。
尚、図18では、制振器15の制御方法について説明したが、制振器18も制振器15と同様に制御される。したがって、制振器18は、支柱112の振動を抑制するための力F18を発生するので、支柱112の角度θもθ=0に保持することができる。
図19は、時点t3−t4における制振器の動作の説明図である。
時点t3−t4では、時点t2−t3と同様に、2つの制振器15および18を用いてガントリの振動を制御する。以下、制振器15および18の動作について説明する。尚、制振器15および18の動作は同じであるので、以下では、代表して制振器15の動作について説明する。
時点t3−t4の間、支柱111には、回転部26の回転により、波形Pの波形部分p3に対応した力F3が作用する。しかし、制振器制御部102は、時点t3−t4の間、制振器15が波形Qの波形部分q3が表す振動に対応する力F15を発生するように、制振器15を制御する。したがって、制振器15は、波形Pの波形部分p3に対応した力F3を打ち消すための力F15を発生するので、時点t3−t4の間、力F3およびF15は相殺され、支柱111の角度θをθ=0に保持することができる。
尚、図19では、制振器15の制御方法について説明したが、制振器18も制振器15と同様に制御される。したがって、制振器18は、支柱112の振動を抑制するための力F18を発生するので、支柱112の角度θもθ=0に保持することができる。
図20は、時点t4−t5における制振器の動作の説明図である。
時点t4−t5では、時点t1−t2と同様に、2つの制振器16および17を用いてガントリの振動を制御する。以下、制振器16および17の動作について説明する。尚、制振器16および17の動作は同じであるので、以下では、代表して制振器16の動作について説明する。
時点t4−t5の間、支柱111には、回転部26の回転により、波形Pの波形部分p4に対応した力F4が作用する。しかし、制振器制御部102は、時点t4−t5の間、制振器16が波形Qの波形部分q4が表す振動に対応する力F16を発生するように、制振器16を制御する。したがって、制振器16は、波形Pの波形部分p4に対応した力F4を打ち消すための力F16を発生するので、時点t4−t5の間、力F4およびF16は相殺され、支柱111の角度θをθ=0に保持することができる。
尚、図20では、制振器16の制御方法について説明したが、制振器17も制振器16と同様に制御される。したがって、制振器17は、支柱112の振動を抑制するための力F17を発生するので、支柱112の角度θもθ=0に保持することができる。
以下同様に、制振器制御部102は、スキャンが実行されている間、波形Pに対して逆相の波形Qに対応する力が支柱111および112に印加されるように、制振器15−18を制御する。そして、被検体のスキャンが完了したら、図16のフローが終了する。
本形態では、被検体のスキャン前に、ガントリの振動を表す波形Pを取得し、各制振器が波形Pに対して逆相の波形Qが表す振動に対応する力を発生するために必要な制御信号を計算する。そして、被検体のスキャン中は、制振器制御部102が、波形Pに対して逆相の波形Qの振動に対応する力が発生するように、制振器を制御する。したがって、被検体のスキャン中におけるガントリの振動を抑制することができる。
また、本形態では、被検体のスキャン中にガントリの振動を検出するのではなく、被検体のスキャン前にガントリの振動を検出し、ガントリの振動を表す波形Pを取得しているので、被検体のスキャン前に、ガントリの振動を表す波形Pに対して逆相の波形Qを求めることができる。したがって、スキャン中に振動を検出する必要がないので、特開平09-313474号公報において生じ得るようなスキャン中に振動を打ち消す力が発生されないという欠点を解決することもできる。
尚、本形態では、支柱111に作用する力F1(図17参照)および力F4(図20参照)を打ち消す場合、制振器15を使用せずに、制振器16のみを用いている。しかし、制振器15と制振器16との両方を用いて、支柱111に作用する力F1およびF4を打ち消してもよい。制振器15と制振器16との両方を用いて支柱111に作用する力F1を打ち消す場合は、制振器15が発生する力F15と制振器16が発生する力F16との合力が、支柱111に作用する力F1(又はF4)に対して逆向きとなり、且つ力F1(又はF4)と同じ大きさを有するように、制振器15および16を制御すればよい。同様に、制御器15および16の両方を用いて、支柱111に作用する力F2(図18参照)および力F3(図19参照)を打ち消してもよい。更に、支柱112に作用する力F1、F2、F3、およびF4の各々を、制御器17および18の両方を用いて打ち消してもよい。
また、本形態では、ガントリの振動を抑制するために4つの制振器15〜18が使用されている。しかし、ガントリに固定される制振器の数を少なくすることも可能である(図21参照)。
図21は、ガントリに2つの制振器のみを備えた例を示す図である。
図21では、支柱111に制振器16のみが固定され、支柱112に制振器17のみが固定されたが示されている。
先に説明したように、制振器16は、支柱111をx方向に押す力F16を発生している。しかし、作用反作用の原理により、制振器16には、力F16とは逆方向の力F16’が働いている。したがって、力FをF>0の状態から急激にF=0の状態に変化させると、力F16’は、支柱111をx方向とは反対方向に傾ける力として作用する。したがって、制振器16は、x方向の力F16だけでなく、x方向とは反対方向の力F16’を発生させることができるので、制振器16のみで支柱111の振動を抑制することが可能である。
同様の理由から、制振器17は、x方向の力F17だけでなく、x方向とは反対方向の力F17’を発生させることができるので、制振器17のみで支柱112の振動を抑制することが可能である。
尚、図21では、支柱111に制振器16のみが固定され、支柱112に制振器17のみが固定された例が示されている。しかし、制振器15および18も、作用反作用の原理から、x方向の力およびx方向とは反対方向の力を発生することができる。したがって、支柱111に制振器15のみを固定し、支柱112に制振器18のみを固定してもよい。更に、支柱111に制振器15のみを固定し、支柱112に制振器17のみを固定してもよいし、支柱111に制振器16のみを固定し、支柱112に制振器18のみを固定してもよい。
尚、上記のように、制振器15−18の各々は、x方向の力だけでなく、x方向とは反対方向の力を発生することができる。したがって、制振器15−18のうちのいずれか1個の制振器のみを備えても、ガントリの振動を抑制することが可能である。
また、制振器はガントリの振動を抑制するための力を発生することができるのであれば、任意の構造を備えることができる。図22は、制振器の構造の一例の説明図である。以下では、制振器15−18のうち、代表して制振器15および16を取り上げて、制振器の構造について説明する。
制振器15は、圧電部材15aおよび受け部15bを有している。
圧電部材15aは圧電素子を含んでいる。圧電部材15aは、圧電素子に印加される電圧に応じて、圧電部材15aの長手方向(支柱111の軸B1に沿う方向)における長さを変更することができる構造を有している。
受け部15bは、圧電部材15aの上側の端部に接触するように支柱111の側面111cに固定されている。
圧電部材15aの圧電素子に印加される電圧を大きくしていくと、圧電部材15aが伸長する。圧電部材15aが伸長すると、圧電部材15aが受け部15bを押すので、受け部15bには、圧電部材15aから押し付けられる力が作用する。受け部15bは、圧電部材15aから受けた力により、支柱111をx方向に押す力F15を発生する。したがって、制振器15は、x方向とは反対方向に支柱111を押す力F15を発生することができる。
制振器16は、圧電部材16aおよび受け部16bを有している。
圧電部材16aは圧電素子を含んでいる。圧電部材16aは、圧電素子に印加される電圧に応じて、圧電部材16aの長手方向(支柱111の軸B1に沿う方向)における長さを変更することができる構造を有している。
受け部16bは、圧電部材16aの上側の端部に接触するように支柱111の側面111dに固定されている。
圧電部材16aの圧電素子に印加される電圧を大きくしていくと、圧電部材16aが伸長する。圧電部材16aが伸長すると、圧電部材16aが受け部16bを押すので、受け部16bには、圧電部材16aから押し付けられる力が作用する。受け部16bは、圧電部材16aから受けた力により、支柱111をx方向に押す力F16を発生する。したがって、制振器16は、x方向に支柱111を押す力F16を発生することができる。
したがって、制振器15および16は、互いに反対方向の力を発生することができる。
制振器17および18は、制振器15および16と同様の構造を有している。したがって、制振器17および18にも互いに異なる方向の力を発生することができる。
また、図21では、各制振器は1個の受け部を有しているが、各制振器に対して複数個の受け部を備えることも可能である(図23参照)。
図23は、各制振器が2個の受け部を有している例を示す図である。 以下では、制振器15−18のうち、代表して制振器15および16を取り上げて、制振器の構造について説明する。
制振器15は、圧電部材15aおよび受け部15bおよび15cを有している。受け部15bは圧電部材15aの上側の端部に接触するように支柱111の側面111cに固定されている。一方、受け部15cは圧電部材15aの下側の端部に接触するように支柱111の側面111cに固定されている。
圧電部材15aの圧電素子に印加される電圧を大きくしていくと、圧電部材15aが軸B1に沿って伸長する。圧電部材15aが伸長すると、圧電部材15aが受け部15bおよび15cを押すので、受け部15bおよび15cの各々に、圧電部材15aから押し付けられる力が作用する。受け部15bは、圧電部材15aから受けた力により、支柱111をx方向とは反対方向に押す力F15を発生し、一方、受け部15cは、圧電部材15aから受けた力により、支柱111をx方向とは反対方向に押す力F151を発生する。このため、制振器15は、支柱111をx方向とは反対方向に2つの力F15および151の合力で押す力(F15+F151)を発生することができる。
制振器16は、圧電部材16aおよび受け部16bおよび16cを有している。受け部16bは圧電部材16aの上側の端部に接触するように支柱111の側面111dに固定されている。一方、受け部16cは圧電部材16aの下側の端部に接触するように支柱111の側面111dに固定されている。
圧電部材16aの圧電素子に印加される電圧を大きくしていくと、圧電部材16aが軸B1に沿って伸長する。圧電部材16aが伸長すると、圧電部材16aが受け部16bおよび16cを押すので、受け部16bおよび16cの各々に、圧電部材16aから押し付けられる力が作用する。受け部16bは、圧電部材16aから受けた力により、支柱111をx方向も押す力F16を発生し、一方、受け部16cは、圧電部材16aから受けた力により、支柱111をx方向とは反対方向に押す力F161を発生する。このため、制振器16は、支柱111をx方向に2つの力F16および161の合力で押す力(F16+F161)を発生することができる。
したがって、制振器15および16は、互いに反対方向の力を発生することができる。
制振器17および18は、制振器15および16と同様の構造を有している。したがって、制振器17および18にも互いに異なる方向の力を発生することができる。
図23に示すように、各制振器に複数の受け部を備えることにより、各制振器は受け部が発生する力の合力を支柱に印加することができる。したがって、圧電部材から押される受け部の数を増やすことにより、制振器の発生する力を更に大きくすることができる。
また、ガントリの振動を抑制するために、制振器と補強部材とを組み合わせてもよい(図24参照)。
図24は、制振器と補強部材とを組み合わせた一例を示す図である。
支持構造20は、固定フレーム11の耐振性を強化するための補強部材113および114を有している。補強部材113は、固定フレーム11のベース110と支柱111との交差部分に固定されており、補強部材114は、固定フレーム11のベース110と支柱112との交差部分に固定されている。
補強部材を設けることにより、ガントリの振動を小さくすることができる。したがって、ガントリの振動を抑制するために必要な力が小さくて済むので、制振器の小型化を図ることが可能となる。
図25は、制振器と補強部材とを組み合わせた他の例を示す図である。
図25では、支柱111の側面111dには制振器16が備えられるとともに、支柱112の側面111dには制振器18が備えられている。しかし、支柱111の補強部材113が固定された側の側面111cには制振器は備えられておらず、更に、支柱112の補強部材114が固定された側の側面112cにも制振器が備えられていない。
また、制振器16は、支柱111の補強部材113が固定された位置とは反対側の位置に固定されており、制振器18は、支柱112の補強部材114が固定された位置とは反対側の位置に固定されている。したがって、制振器を補強部材の近傍に配置することができるので、ガントリの振動を効率よく抑制することができる。
また、本形態では、支持構造20がx方向に振動する例を取り上げて、ガントリの振動の抑制方法について説明した。しかし、本発明は、ガントリのx方向の振動を抑制する例に限定されることはなく、ガントリに生じる他の振動を抑制するのに適用することができる。図26は、ガントリに生じる他の振動を抑制する例の説明図である。
図26では、固定フレーム11の支柱111が、支柱111の下端部e1を通りx方向に平行な軸A3を中心として、角度範囲RB内で往復運動することにより生じるガントリのz方向の振動を抑制する例を示している。
図26では、ガントリの振動を抑制するために、支柱111の背面111bに制振器151が固定され、支柱111の前面111aに制振器16が固定された例が示されている。
制振器151はz方向の成分を有する力F151を発生し、制振器161はz方向とは反対方向の成分を有する力F161を発生することができる。したがって、
ガントリのxy面内における角度範囲RAの振動を抑制することができる。尚、制振器151又は161を、制振器15〜18のうちの少なくともいずれか一つの制振器と組み合わせて使用してもよい。このように制振器を組み合わせて使用すると、ガントリの異なる方向の振動を抑制することができる。
また、本形態では、ステップS1において、ガントリの振動の波形Pを計測している。ステップS1において波形Pを計測する場合、回転部の回転速度を変化させ、回転部の回転速度ごとに波形Pを計測してもよい。この場合、ステップS2では、回転部の回転速度ごとに得られた各波形Pに対して逆相の波形Qが求められる。したがって、ステップS3では、スキャン中の回転部の回転速度に対応した波形Qに基づいて制振器を制御することができるので、ガントリの振動を更に軽減することが可能となる。尚、回転部の回転速度によっては、ガントリの振動がそれほど問題にならないことがある。したがって、ガントリの振動が問題になる場合の回転部の回転速度に対してのみ、ガントリの振動を表す波形Pを計測し、この波形Pに対する逆相の波形Qを求めてもよい。
尚、本形態では、ステップS1において、回転部を回転させることにより、ガントリの振動データを取得している。しかし、回転部を回転させない状態で、制振器で支柱を加振することによってガントリを振動させ、ガントリの振動データを取得してもよい。また、制振器による加振時に支柱に加える力を変化させて、ガントリの振動を表す複数の波形Pを計測し、計測された波形Pごとに、逆相の波形Qの振動データを求めてもよい。この場合、複数の波形Qが得られるので、複数の波形Qの中から、回転部の回転特性に対応した波形Qを選択し、ガントリの振動を制御することが可能となる。
また、本形態では、ステップS2において、波形Pに対して逆相の波形Qを計算している。しかし、ステップS2を省略し、ステップS3において、制振器制御部102が、ステップS1で求めた波形Pに基づいて、各制振器が波形Pに対して逆相の波形Qに対応した力を発生するための制御信号を生成し、この制御信号を各制振器に供給するようにしてもよい。
また、本形態では、制振器はガントリ2の支持構造20の支柱111又は112に備えられている。しかし、ガントリ2の振動を抑制することができるのであれば、支持構造20の支柱以外の部分(例えば、ベアリングブラケット)に備えてもよい。また、制振器をガントリの内部ではなく、ガントリの外壁面に固定し、ガントリの外壁面に固定された制振器でガントリの振動を抑制してもよい。
また、本形態では、X線CT装置を取り上げて本発明について説明したが、X線とは別の放射線(例えば、ガンマ線)を照射する照射源を回転させる構造を備えた医用装置に対しても本発明を適用することができる。
1 X線CT装置
2 ガントリ
4 テーブル
5 被検体
6 操作コンソール
21 X線管
22 アパーチャ
23 コリメータ装置
24 X線検出器
25 データ収集部
27 高電圧電源
28 アパーチャ駆動装置
29 回転駆動装置
30 ガントリ・テーブル制御部
41 クレードル
42 駆動装置
61 入力装置
62 表示装置
63 記憶装置
64 演算処理装置

Claims (15)

  1. 放射線を照射する照射部を回転させるための回転部を有するガントリを備えた医用装置であって、
    被検体をスキャンする前に取得された前記ガントリの振動を表す振動データに対して逆相のデータに基づいて、前記被検体のスキャン中における前記ガントリの振動を低減するための力を前記ガントリに付与する第1の制振器であって、圧電素子を有する第1の制振器と、
    前記逆相のデータに基づいて、前記第1の制振器が前記ガントリに付与する力とは異なる方向の力を前記ガントリに付与する第2の制振器であって、圧電素子を有する第2の制振器と、
    を有する医用装置。
  2. 前記ガントリは、前記回転部を回転自在に支持するための支持構造を有し、
    前記第1の制振器および第2の制振器のうちの少なくとも一方の制振器は前記支持構造に設けられている、請求項1に記載の医用装置。
  3. 前記支持構造は、
    前記回転部を回転自在に支持するベアリングを支持するためのベアリングブラケットと、前記ガントリ内に固定された固定フレームと、前記固定フレームに対して前記ベアリングブラケットが回転可能に支持されるように、前記固定フレームと前記ベアリングブラケットとを結合する結合部とを有し、
    前記少なくとも一方の制振器は前記固定フレームに設けられている、請求項2に記載の医用装置。
  4. 前記固定フレームは、ベースと、前記ベースと前記結合部との間に設けられた第1の支柱とを有し、
    前記少なくとも一方の制振器は、前記第1の支柱に設けられている、請求項3に記載の医用装置。
  5. 前記支持構造は、前記固定フレームの耐振性を強化するための第1の補強部材を有している、請求項4に記載の医用装置。
  6. 前記第1の補強部材は、前記ベースと前記第1の支柱との交差部分に固定されており、
    前記少なくとも一方の制振器は、前記第1の支柱の前記第1の補強部材が固定された位置とは反対側の位置に固定されている、請求項5に記載の医用装置。
  7. 前記第1の支柱は、前面、背面、第1の側面、および第2の側面を有し、
    前記少なくとも一方の制振器は、前記第1の支柱の前面、背面、第1の側面、および第2の側面のうちの少なくとも一つの面に設けられている、請求項4〜6のうちのいずれか一項に記載の医用装置。
  8. 前記固定フレームは、前記ベースと前記結合部との間に設けられた第2の支柱を有し、
    第3の制振器が、前記第2の支柱に設けられている、請求項4〜7のうちのいずれか一項に記載の医用装置。
  9. 前記支持構造は、前記固定フレームの耐振性を強化するための第2の補強部材を有している、請求項8に記載の医用装置。
  10. 前記第2の補強部材は、前記ベースと前記第2の支柱との交差部分に固定されており、
    前記第3の制振器は、前記第2の支柱の前記第2の補強部材が固定された位置とは反対側の位置に固定されている、請求項9に記載の医用装置。
  11. 前記第2の支柱は、前面、背面、第1の側面、および第2の側面を有し、
    前記第3の制振器が、前記第2の支柱の前面、背面、第1の側面、および第2の側面のうちの少なくとも一つの面に設けられている、請求項8〜10のうちのいずれか一項に記載の医用装置。
  12. 前記ガントリの振動を表す振動データは、前記被検体をスキャンする前に前記回転部を回転させることにより計測される、請求項1〜11のうちのいずれか一項に記載の医用装置。
  13. 前記ガントリの振動を表す振動データは、前記被検体をスキャンする前に前記少なくとも一方の制振器で前記ガントリを加振することにより計測される、請求項1〜11のうちのいずれか一項に記載の医用装置。
  14. 前記ガントリの振動を計測するための振動計測器と、
    前記振動計測器により計測された計測データに基づいて前記ガントリの振動を表す振動データを生成する振動データ生成部と、を有する、請求項1〜13のうちのいずれか一項に記載の医用装置。
  15. 放射線を照射する照射部を回転させるための回転部を有するガントリと、被検体のスキャン中における前記ガントリの振動を低減するための力を前記ガントリに付与する第1の制振器であって、圧電素子を有する第1の制振器と、前記第1の制振器が前記ガントリに付与する力とは異なる方向の力を前記ガントリに付与する第2の制振器であって、圧電素子を有する第2の制振器とを備えた医用装置に適用されるプログラムであって、
    前記被検体をスキャンする前に取得された前記ガントリの振動を表す振動データに対して逆相のデータに基づいて、前記第1および第2の制振器を制御する制御処理と、をコンピュータに実行させるためのプログラム。
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