以下、本発明の実施の形態に係る建設機械の代表例として、クローラ式の小型の油圧ショベル、所謂、ミニショベルを例に挙げ、添付図面に従って詳細に説明する。
図1ないし図15は本発明の第1の実施の形態を示している。建設機械としての油圧ショベル1は、後述のキャノピ44を備えたキャノピ仕様のミニショベルを構成している。この油圧ショベル1は、左,右のクローラ2Aを有する自走可能なクローラ式の下部走行体2と、下部走行体2上に旋回装置3を介して旋回可能に搭載された上部旋回体4と、上部旋回体4の前側に配置されたフロント装置5とにより構成されている。
フロント装置5は、例えば、土砂の掘削作業、建物の解体作業を行うものである。フロント装置5は、後述する旋回フレーム6のフロント支持部材7にフロント取付装置8を介して取付けられている。フロント装置5は、フロント取付装置8を構成するアダプタ24の各ブラケット9,15の上側部位に、基端側のフート部5A1が俯仰動可能に取付けられたブーム5Aと、ブーム5Aの先端部に回動可能に取付けられたアーム5Bと、アーム5Bの先端部に回動可能に取付けられたバケット5Cと、これらを駆動するブームシリンダ5D、アームシリンダ5E、バケットシリンダ5Fとにより構成されている。なお、フロント装置5では、バケット5Cに交換して、グラップル、ブレーカ等(いずれも図示せず)の他の作業具を取付けることができる。また、ブームシリンダ5Dは、基端側がアダプタ24の前側部位に取付けられ、先端側がブーム5Aの途中部位に取付けられている。
ここで、フロント装置5は、旋回フレーム6のフロント支持部材7にフロント取付装置8を介して左,右方向に揺動可能に取付けられている。また、図4に示すように、フロント装置5は、フロント取付装置8のアダプタ24と一緒にフロント支持部材7から簡単な作業で取外す(切離す)ことができる。
旋回フレーム6は、上部旋回体4の支持構造体を構成している。図3に示すように、旋回フレーム6は、前,後方向に延びた底板6Aと、底板6A上に左,右方向に間隔をもって前,後方向に延びつつ、前側に向けて互いに接近して立設された左縦板6B,右縦板6Cと、左縦板6B,右縦板6Cの前側に位置して各縦板6B,6C上を覆うように延びた上面板6Dと、前側に設けられた後述のフロント支持部材7とにより構成されている。
フロント支持部材7は、フロント取付装置8を支持するもので、前方に突出して設けられている。フロント支持部材7は、旋回フレーム6の底板6A、左,右の縦板6B,6Cおよび上面板6Dの前側部位を含んでいる。即ち、図2、図3に示すように、フロント支持部材7は、上面板6Dの前側部分からなる舌片状の上板7Aと、上板7Aと上,下方向で対面するように、底板6Aの前側部分からなる舌片状の下板7Bと、上板7Aの下面側に設けられた上ボス7Cと、下板7Bの上面側に設けられた下ボス7Dとを備えている。
また、フロント支持部材7は、上板7Aと上ボス7Cに亘って上,下方向に貫通した上ピン孔7Eと、上ピン孔7Eと同軸となるように下板7Bと下ボス7Dに亘って上,下方向に貫通した下ピン孔7Fとを有している。図9に示すように、上ピン孔7Eには、後述の上支持ピン22が挿着され、下ピン孔7Fには、後述の下支持ピン23が挿着されている。これにより、フロント支持部材7は、各支持ピン22,23を介してフロント取付装置8(フロント装置5)を左,右方向に揺動可能に支持することができる。
次に、本発明の特徴部分をなすフロント取付装置8の構成およびフロント装置5の脱着作業について説明する。
フロント取付装置8は、上部旋回体4とフロント装置5との間に設けられている。フロント取付装置8は、フロント装置5を支持しつつ、フロント支持部材7に対して各支持ピン22,23を介して左,右方向に揺動可能に取付けられている。図3ないし図10に示すように、フロント取付装置8は、後述の左ブラケット9、左前ブラケット側位置決め部位13、左上ブラケット側位置決め部位14、右ブラケット15、右前ブラケット側位置決め部位20、右上ブラケット側位置決め部位21、アダプタ24、左前アダプタ側位置決め部位29、左上アダプタ側位置決め部位30、右前アダプタ側位置決め部位31、右上アダプタ側位置決め部位32、左固定部材33、右固定部材35および揺動規制部材36を備えている。
左ブラケット9は、上部旋回体4を構成する旋回フレーム6のフロント支持部材7に対し、上,下方向に延びる各支持ピン22,23を介して左,右方向に揺動可能に設けられている。一方で、図6に示すように、左ブラケット9とフロント支持部材7との間に後述の揺動規制部材36を取付けることにより、左ブラケット9は、揺動を規制することができる。この左ブラケット9の揺動規制状態でアダプタ24(フロント装置5)の脱着作業が行われる。また、左ブラケット9は、左前ブラケット側位置決め部位13と左上ブラケット側位置決め部位14とを有している。
図11に示すように、左ブラケット9は、上,下方向の上側に位置して水平方向に延びた左横面板10と、上,下方向の下側に位置して水平方向に延びた左横面板11と、左横面板10および左横面板11の左側に上,下方向に延びて取付けられた左縦面板12とにより構成されている。
図9に示すように、左横面板10と左横面板11とは、左横面板10がフロント支持部材7の上板7Aに上側から対面し、左横面板11がフロント支持部材7の下板7Bに下側から対面するように、上,下方向に間隔をもって平行に配置されている。そして、上側の左横面板10には、上支持ピン22が挿着されるピン孔10Aが上,下方向に貫通して設けられている。また、下側の左横面板11には、下支持ピン23が挿着されるピン孔11Aがピン孔10Aと同軸に上,下方向に貫通して設けられている。
左縦面板12は、上,下方向に長尺な長方形状の板体からなり、その前側の上側寄り位置には、前側に突出した長方形状の前突出部12Aが設けられている。また、左縦面板12の上側位置には、上側に突出した長方形状の上突出部12Bが設けられている。前突出部12Aには、アダプタ24側となる内側面(右側面)に位置して後述の左前ブラケット側位置決め部位13が設けられている。上突出部12Bには、内側面(右側面)に位置して後述の左上ブラケット側位置決め部位14が設けられている。
さらに、左縦面板12の上,下方向の中間部には、前,後方向に間隔をもって2個のねじ孔12Cが板厚方向に貫通して設けられている。この2個のねじ孔12Cは、左ブラケット9の揺動を規制するときに、左固定部材33または右固定部材35を取付けるためのもので、固定部材33(35)に設けられた2個の中央側ボルト挿通孔33B(35B)に対応している。
左前ブラケット側位置決め部位13は、左ブラケット側位置決め部位を構成するもので、左縦面板12の前突出部12Aに、右ブラケット15の右縦面板18に対面する内側面に位置して設けられている。左前ブラケット側位置決め部位13は、上,下方向に延びる円弧状の凹溝として形成されている。図10に示すように、凹円弧形状の左前ブラケット側位置決め部位13は、アダプタ24側に円柱として設けられた左前アダプタ側位置決め部位29に左,右方向の左側から係合(嵌合)するものである。上,下方向に延びた左前ブラケット側位置決め部位13と左前アダプタ側位置決め部位29との凹凸による係合によって、アダプタ24を前,後方向に位置決め(固定)することができる。
ここで、左前ブラケット側位置決め部位13は、凹円弧形状とすることにより、円柱状の左前アダプタ側位置決め部位29を正規位置に誘導するように嵌合することができる。これにより、左前ブラケット側位置決め部位13と左前アダプタ側位置決め部位29との位置ずれを吸収することができ、アダプタ24を左ブラケット9に取付けるときの位置合せ作業を簡略化することができる。
左上ブラケット側位置決め部位14は、左前ブラケット側位置決め部位13と一緒に左ブラケット側位置決め部位を構成するもので、左縦面板12の上突出部12Bの内側面に位置して設けられている。左上ブラケット側位置決め部位14は、前,後方向に延びる円弧状の凹溝として形成されている。左上ブラケット側位置決め部位14の凹円弧形状は、アダプタ24側に円柱として設けられた左上アダプタ側位置決め部位30に左,右方向の左側から係合(嵌合)するものである。前,後方向に延びた左上ブラケット側位置決め部位14と左上アダプタ側位置決め部位30との凹凸による係合によって、アダプタ24を上,下方向に位置決めすることができる。
ここで、左上ブラケット側位置決め部位14は、左前ブラケット側位置決め部位13と同様に凹円弧形状としたことにより、円柱状の左上アダプタ側位置決め部位30を正規位置に誘導するように嵌合することができる。これにより、左上ブラケット側位置決め部位14と左上アダプタ側位置決め部位30との位置ずれを吸収でき、位置合せ作業を簡略化することができる。
右ブラケット15は、左ブラケット9と左,右方向で対面する位置に、各支持ピン22,23を介してフロント支持部材7に左,右方向に揺動可能に設けられている。また、右ブラケット15は、右前ブラケット側位置決め部位20と右上ブラケット側位置決め部位21とを有している。右ブラケット15は、上,下方向の上側に位置して水平方向に延びた右横面板16と、上,下方向の下側に位置して水平方向に延びた右横面板17と、左ブラケット9の左縦面板12と対面するように右横面板16および右横面板17の右側に上,下方向に延びて取付けられた右縦面板18と、右縦面板18の外側面(右側面)の下側寄り位置から右側に延びた上,下方向に離間した2枚の平行板からなるシリンダ取付板19とにより構成されている。
図9に示すように、右横面板16と右横面板17とは、上側の右横面板16がフロント支持部材7の上ボス7Cに下側から対面し、下側の右横面板17がフロント支持部材7の下ボス7Dに上側から対面するように、上,下方向に間隔をもって平行に配置されている。そして、上側の右横面板16には、上支持ピン22が挿着されるピン孔16Aが上,下方向に貫通して設けられている。また、下側の右横面板17には、下支持ピン23が挿着されるピン孔17Aがピン孔16Aと同軸に上,下方向に貫通して設けられている。
右縦面板18は、左縦面板12と同様に、上,下方向に長尺な長方形状の板体からなり、その前側の上側寄り位置には、前側に突出した長方形状の前突出部18Aが設けられている。また、右縦面板18の上側位置には、上側に突出した長方形状の上突出部18Bが設けられている。前突出部18Aには、アダプタ24側となる内側面(左側面)に位置して後述の右前ブラケット側位置決め部位20が設けられている。上突出部18Bには、内側面(左側面)に位置して後述の右上ブラケット側位置決め部位21が設けられている。
さらに、シリンダ取付板19には、上,下方向に貫通してピン孔19Aが設けられている。ピン孔19Aには、後述する揺動シリンダ38のロッドを取付けるための取付ピン38Aが挿着される。
右前ブラケット側位置決め部位20は、右ブラケット側位置決め部位を構成するもので、左前ブラケット側位置決め部位13と同様に、右縦面板18の前突出部18Aに、左ブラケット9の左縦面板12に対面する内側面に位置して設けられている。右前ブラケット側位置決め部位20は、上,下方向に延びる円弧状の凹溝として形成されている。図10に示すように、右前ブラケット側位置決め部位20の凹円弧形状は、アダプタ24側に円柱として設けられた右前アダプタ側位置決め部位31に左,右方向の右側から係合(嵌合)するものである。上,下方向に延びた右前ブラケット側位置決め部位20と右前アダプタ側位置決め部位31との凹凸による係合によって、アダプタ24を前,後方向に位置決め(固定)することができる。
ここで、右前ブラケット側位置決め部位20は、凹円弧形状とすることにより、円柱状の右前アダプタ側位置決め部位31を正規位置に誘導するように嵌合することができる。これにより、右前ブラケット側位置決め部位20と右前アダプタ側位置決め部位31との位置ずれを吸収することができ、アダプタ24を右ブラケット15に取付けるときの位置合せ作業を簡略化することができる。
右上ブラケット側位置決め部位21は、右前ブラケット側位置決め部位20と一緒に右ブラケット側位置決め部位を構成するもので、右縦面板18の上突出部18Bの内側面に位置して設けられている。右上ブラケット側位置決め部位21は、前,後方向に延びる円弧状の凹溝として形成されている。右上ブラケット側位置決め部位21の凹円弧形状は、アダプタ24側に円柱として設けられた右上アダプタ側位置決め部位32に左,右方向の右側から係合(嵌合)するものである。前,後方向に延びた右上ブラケット側位置決め部位21と右上アダプタ側位置決め部位32との凹凸による係合によって、アダプタ24を上,下方向に位置決めすることができる。
ここで、右上ブラケット側位置決め部位21は、右前ブラケット側位置決め部位20と同様に凹円弧形状としたことにより、円柱状の右上アダプタ側位置決め部位32を正規位置に誘導するように嵌合することができる。これにより、右上ブラケット側位置決め部位21と右上アダプタ側位置決め部位32との位置ずれを吸収して位置合せ作業を簡略化することができる。
図9に示すように、上支持ピン22および下支持ピン23は、フロント支持部材7に対してフロント取付装置8を左,右方向に揺動可能に支持するものである。上支持ピン22は、フロント支持部材7の上ピン孔7E、左ブラケット9を構成する左横面板10のピン孔10Aおよび右ブラケット15を構成する右横面板16のピン孔16Aに挿着されている。また、下支持ピン23は、フロント支持部材7の下ピン孔7F、左ブラケット9を構成する左横面板11のピン孔11Aおよび右ブラケット15を構成する右横面板17のピン孔17Aに挿着されている。
アダプタ24は、左ブラケット9と右ブラケット15との間に挟まれることにより、各ブラケット9,15と一体化(図5、図7参照)することができる。アダプタ24には、フロント装置5のブーム5Aとブームシリンダ5Dが回動可能に取付けられている。図13、図14に示すように、アダプタ24は、左挟持板25、右挟持板26、上連結部材27、下連結部材28、左前アダプタ側位置決め部位29、左上アダプタ側位置決め部位30、右前アダプタ側位置決め部位31および右上アダプタ側位置決め部位32により構成されている。
左挟持板25は、前板部25Aと上板部25Bとを有する逆L字形状の厚肉な板体として形成されている。前板部25Aの後側位置には、左ブラケット9を構成する左縦面板12の前突出部12Aが入り込む前切欠部25Cが形成されている。前切欠部25Cには、後述の左前アダプタ側位置決め部位29が設けられている。また、上板部25Bの下側位置には、左ブラケット9を構成する左縦面板12の上突出部12Bが入り込む上切欠部25Dが形成されている。上切欠部25Dには、後述の左上アダプタ側位置決め部位30が設けられている。前板部25Aの後側位置には、前切欠部25Cの上側位置と下側位置とに前,後方向に間隔をもって2個のねじ孔25Eがそれぞれ設けられている。各ねじ孔25Eには、後述する左固定部材33を取付けるための固定ボルト34が螺着される。
さらに、前板部25Aの前側位置には、右挟持板26と対面する内側面(右側面)に位置してシリンダ取付ボス25Fが設けられている。この上で、前板部25Aの前側位置には、後述のシリンダ取付ピン40が挿着されるシリンダ用ピン孔25Gがシリンダ取付ボス25Fを貫通して設けられている。上板部25Bの上側位置には、後述のブーム取付ピン39が挿着されるブーム用ピン孔25Hが板厚方向に貫通して設けられている。
右挟持板26は、フロント装置5を構成するブーム5Aのフート部5A1を挟んで左挟持板25と対面するものである。右挟持板26は、基本的な構成が左挟持板25と同様となっている。即ち、右挟持板26は、前板部26A、上板部26B、前切欠部26C、上切欠部26D、ねじ孔26E、シリンダ取付ボス26F、シリンダ用ピン孔26Gおよびブーム用ピン孔26Hを備えている。
上連結部材27と下連結部材28は、左挟持板25と右挟持板26とを間隔をもって連結する連結部材を構成している。上連結部材27は、例えば、左,右方向に延びる円柱体からなっている。上連結部材27は、左端部が左挟持板25の前板部25Aと上板部25Bとの境界位置に取付けられ、右端部が右挟持板26の前板部26Aと上板部26Bとの境界位置に取付けられている。
また、図14に示すように、下連結部材28は、例えば、左,右方向に延びる長方形状の板体からなっている。下連結部材28は、左端部が左挟持板25の前板部25Aの下部に取付けられ、右端部が右挟持板26の前板部26Aの下部に取付けられている。
左前アダプタ側位置決め部位29は、左挟持板25の前切欠部25Cを上,下方向に延びる円柱体からなり、その両端部が前板部25Aに一体的に固着されている。左前アダプタ側位置決め部位29には、左ブラケット9を構成する左縦面板12の前突出部12Aに設けられた凹溝状の左前ブラケット側位置決め部位13を左側から嵌合することができる。
左上アダプタ側位置決め部位30は、左挟持板25の上切欠部25Dを前,後方向に延びる円柱体からなり、その両端部が上板部25Bに一体的に固着されている。左上アダプタ側位置決め部位30には、左縦面板12の上突出部12Bに設けられた凹溝状の左上ブラケット側位置決め部位14を左側から嵌合することができる。
右前アダプタ側位置決め部位31は、右挟持板26の前切欠部26Cを上,下方向に延びる円柱体からなり、その両端部が前板部26Aに一体的に固着されている。右前アダプタ側位置決め部位31には、右ブラケット15を構成する右縦面板18の前突出部18Aに設けられた凹溝状の右前ブラケット側位置決め部位20を右側から嵌合することができる。
右上アダプタ側位置決め部位32は、右挟持板26の上切欠部26Dを前,後方向に延びる円柱体からなり、その両端部が上板部26Bに一体的に固着されている。右上アダプタ側位置決め部位32には、右縦面板18の上突出部18Bに設けられた凹溝状の右上ブラケット側位置決め部位21を右側から嵌合することができる。
図5に示すように、左固定部材33は、左前ブラケット側位置決め部位13と左前アダプタ側位置決め部位29とを互いに係合させると共に、左上ブラケット側位置決め部位14と左上アダプタ側位置決め部位30とを互いに係合させた状態で、左ブラケット9をアダプタ24の左挟持板25に取付け、取外し可能に固定する固定部材を構成している。ここで、左固定部材33は、後述の右固定部材35と組合されることにより後述の揺動規制部材36の一部も構成している。
左固定部材33は、左挟持板25の前切欠部25Cよりも上,下方向に長尺な板体として形成されている。図15に示すように、左固定部材33には、上端部と下端部にそれぞれねじ孔25Eに対応して端部側ボルト挿通孔33Aが合計4個設けられている。また、左固定部材33の長さ方向の中間部には、長さ方向に間隔をもって2個の中央側ボルト挿通孔33Bが設けられている。この2個の中央側ボルト挿通孔33Bの間隔寸法は、左ブラケット9を構成する左縦面板12の各ねじ孔12Cに対応している。
左固定部材33によって左ブラケット9とアダプタ24の左挟持板25とを一体的に固定する場合には、アダプタ24の左挟持板25に設けた左前アダプタ側位置決め部位29に対して左ブラケット9の左縦面板12に設けた左前ブラケット側位置決め部位13を左側から係合させると共に、左挟持板25に設けた左上アダプタ側位置決め部位30に対して左縦面板12に設けた左上ブラケット側位置決め部位14を左側から係合させる。この状態で、左前アダプタ側位置決め部位29との間に左縦面板12の前突出部12Aを挟むように、左固定部材33を上,下方向に延びて配置する。そして、各端部側ボルト挿通孔33Aに挿通した締結部材としての固定ボルト34を左挟持板25のねじ孔25Eに螺着することにより、左固定部材33は、左ブラケット9とアダプタ24の左挟持板25とを一体的に固定することができる。
図7に示すように、右固定部材35は、右前ブラケット側位置決め部位20と右前アダプタ側位置決め部位31とを互いに係合させると共に、右上ブラケット側位置決め部位21と右上アダプタ側位置決め部位32とを互いに係合させた状態で、右ブラケット15をアダプタ24の右挟持板26に取付け、取外し可能に固定する固定部材を構成している。ここで、右固定部材35は、前述した左固定部材33と組合されることにより後述の揺動規制部材36の一部も構成している。
右固定部材35は、左固定部材33と同様に、右挟持板26の前切欠部26Cよりも上,下方向に長尺な板体として形成されている。右固定部材35には、4個の端部側ボルト挿通孔35Aと2個の中央側ボルト挿通孔35Bが設けられている。
右固定部材35によって右ブラケット15とアダプタ24の右挟持板26とを一体的に固定する場合には、アダプタ24の右挟持板26に設けた右前アダプタ側位置決め部位31に対して右ブラケット15の右縦面板18に設けた右前ブラケット側位置決め部位20を右側から係合させると共に、右挟持板26に設けた右上アダプタ側位置決め部位32に対して右縦面板18に設けた右上ブラケット側位置決め部位21を右側から係合させる。この状態で、右前アダプタ側位置決め部位31との間に右縦面板18の前突出部18Aを挟むように、右固定部材35を上,下方向に延びて配置する。そして、各端部側ボルト挿通孔35Aに挿通した固定ボルト34を右挟持板26のねじ孔26Eに螺着することにより、右固定部材35は、右ブラケット15とアダプタ24の右挟持板26とを一体的に固定することができる。
図6に示すように、揺動規制部材36は、フロント装置5(アダプタ24)の取付け、取外し作業時に、他方のブラケットとなる左ブラケット9の揺動を規制するものである。揺動規制部材36は、前述した左固定部材33、各固定ボルト34、右固定部材35および後述のねじ座37により構成されている。
図3、図4に示すように、ねじ座37は、フロント支持部材7の上ピン孔7Eよりも後側に位置して上板7Aの左側に一体的に固定されている。ねじ座37は、上,下方向に扁平な台形状のブロック体として形成されている。ねじ座37には、左側に開口するように2個のねじ孔37Aが前,後方向に間隔をもって設けられている。各ねじ孔37Aは、各固定部材33,35に設けられた各端部側ボルト挿通孔33A,35Aの間隔寸法に対応している。
ここで、揺動規制部材36を組立てて、左ブラケット9の揺動を規制する場合の作業手順の一例について述べる。各固定ボルト34を緩めてアダプタ24から左固定部材33と右固定部材35を取外す。各固定部材33,35を取外したら、例えば、左固定部材33を縦長に配置し、その上部をねじ座37に左側から押し当て、この状態で上部側に位置する2個の端部側ボルト挿通孔33Aに挿通した固定ボルト34をねじ孔37Aにそれぞれ螺着する。また、右固定部材35を横長に配置して後部を、ねじ座37に取付けた左固定部材33の中央部に押し当てる。この状態で、右固定部材35後部側に位置する2個の端部側ボルト挿通孔35Aと左固定部材33の2個の中央側ボルト挿通孔33Bにそれぞれ固定ボルト34を挿通し、各固定ボルト34にナット(図示せず)を螺着する。さらに、右固定部材35の各中央側ボルト挿通孔35Bに挿通した固定ボルト34を左ブラケット9を構成する左縦面板12の各ねじ孔12Cに螺着する。これにより、揺動規制部材36は、左ブラケット9の揺動を規制することができる。
揺動シリンダ38は、右ブラケット15と上部旋回体4の旋回フレーム6との間に前,後方向に延びて設けられている。揺動シリンダ38は、基端側(チューブ側)が旋回フレーム6に取付けられ、先端側(ロッド側)が右ブラケット15のシリンダ取付板19に取付ピン38Aを介して取付けられている。揺動シリンダ38は、フロント取付装置8を介してフロント装置5を左,右方向に揺動するものである。また、揺動シリンダ38は、左,右のブラケット9,15に対してアダプタ24を脱着するときに、右ブラケット15を揺動する動力源としても用いられる。
ブーム取付ピン39は、アダプタ24の各挟持板25に設けたブーム用ピン孔25H,26Hに挿着されることにより、各挟持板25間に配置されたフロント装置5を構成するブーム5Aのフート部5A1を俯仰動可能に支持するものである。
シリンダ取付ピン40は、アダプタ24の各挟持板25に設けたシリンダ用ピン孔25G,26Gに挿着されることにより、各挟持板25間に配置されたフロント装置5のブームシリンダ5Dの基端側を回動可能に支持するものである。
なお、上部旋回体4には、オペレータが着座する運転席41が設けられている。運転席41の左,右両側には、旋回装置3とフロント装置5を操作する作業用の操作レバー42(左側のみ図示)が設けられている。また、運転席41の前側には、走行用の操作レバー・ペダル43が設けられている。さらに、上部旋回体4には、運転席41の上方を覆うキャノピ44が設けられている。
本実施の形態による油圧ショベル1は、上述の如き構成を有するもので、次に、その動作について説明する。
オペレータは、上部旋回体4上に搭乗し、運転席41に着座する。この状態で、走行用の操作レバー・ペダル43を操作することにより、下部走行体2を走行させることができる。一方、オペレータが左,右の作業用の操作レバー42を操作することにより、上部旋回体4の旋回動作、フロント装置5による土砂の掘削作業等を行うことができる。
次に、油圧ショベル1は、高層住宅の上層階の解体作業に用いる場合には、エレベータに載せて移送できるように、上部旋回体4からフロント装置5を取外す。そこで、フロント装置5の取外し作業の一例について述べる。
フロント装置5の取外し作業では、アーム5Bとバケット5Cを折畳んだ状態でブーム5Aを前側に倒し、アーム5Bの一部を接地させる。これがフロント装置5を取外したり、取付けたりするときの脱着姿勢の一例となる。
フロント装置5を脱着姿勢としたら、フロント取付装置8のアダプタ24を支持台(図示せず)を用いて下側から支持する。また、上部旋回体4の制御弁群とフロント装置5の各シリンダ5D,5E,5Fとを接続している複数本の油圧管路(いずれも図示せず)を切離す。
次に、各固定ボルト34を緩めてアダプタ24から左固定部材33と右固定部材35を取外すことにより、左ブラケット9および右ブラケット15とアダプタ24との連結を解除する。
各固定部材33,35を取外したら、図6に示すように、各固定部材33,35を組立ててねじ座37と左ブラケット9とを連結することにより、揺動規制部材36によって左ブラケット9の揺動を規制する。この後に、図8に示すように、揺動シリンダ38を縮小し、右ブラケット15側の各ブラケット側位置決め部位20,21を、アダプタ24の右挟持板26側の各アダプタ側位置決め部位31,32から切離す。
右ブラケット15をアダプタ24の右挟持板26から切離したら、図4に示すように、上部旋回体4を左回り(反時計回り)に僅かに回転させ、左ブラケット9側の各ブラケット側位置決め部位13,14を、アダプタ24の左挟持板25側の各アダプタ側位置決め部位29,30から切離す。左,右のブラケット9,15とアダプタ24とを切離したら、油圧ショベル1を後側に移動することにより、上部旋回体4からフロント装置5を取外すことができる。そして、油圧ショベル1とフロント装置5を別々にエレベータで移動したら、前述した作業手順と逆の手順で作業を行うことにより、フロント装置5を上部旋回体4に取付けることができる。
かくして、本実施の形態によれば、フロント取付装置8は、上部旋回体4のフロント支持部材7に対して上,下方向に延びる支持ピン22,23を介して左,右方向に揺動可能に設けられ、左前ブラケット側位置決め部位13および左上ブラケット側位置決め部位14を有する左ブラケット9と、左ブラケット9と左,右方向で対面する位置に支持ピン22,23を介してフロント支持部材7に左,右方向に揺動可能に設けられ、右前ブラケット側位置決め部位20および右上ブラケット側位置決め部位21を有する右ブラケット15と、左ブラケット9と右ブラケット15との間に挟まれると共にフロント装置5が回動可能に取付けられるアダプタ24と、アダプタ24の左,右両側に設けられ左,右のブラケット側位置決め部位13,14,20,21にそれぞれ係合される左,右のアダプタ側位置決め部位29,30,31,32と、左,右のブラケット側位置決め部位13,14,20,21と左,右のアダプタ側位置決め部位29,30,31,32とを互いに係合させた状態で、左ブラケット9、右ブラケット15をアダプタ24にそれぞれ取付け、取外し可能に固定する左固定部材33、右固定部材35とを備えている。
従って、上部旋回体4からフロント装置5を取外す場合には、例えばアダプタ24を所定の高さ位置に支持する支持台(図示せず)に載せる。次に、各ブラケット9,15から各固定部材33,35を取外した後、左ブラケット9と右ブラケット15をアダプタ24から離れる方向に回動させる。これにより、上部旋回体4からフロント装置5を取外すことができる。一方、フロント装置5の取外し手順と逆の手順で作業を行うことにより、フロント装置5を上部旋回体4に取付けることができる。
この結果、クレーン等の昇降装置が無い作業現場でも、上部旋回体4のフロント取付装置7に対するフロント装置5の脱着作業を容易に行うことができる。特に、アダプタ24を左,右のブラケット9,15によって挟むことにより、アダプタ24と左,右のブラケット9,15とを連結する構成としている。これにより、ピン孔に対するピンの抜き差しによって脱着する場合に比較し、フロント装置5の正確な位置決めや安定的な姿勢の保持を必要としない。このため、短時間で簡単にフロント装置5を脱着することができる。
また、フロント取付装置8は、左ブラケット9をアダプタ24に固定する左固定部材33と、右ブラケット15をアダプタ24に固定する右固定部材35とを備えている。これにより、フロント装置5を上部旋回体4に対して確実に取付けることができ、作業時の信頼性を高めることができる。
右ブラケット15と上部旋回体4との間には、フロント装置5を左,右方向に揺動するための揺動シリンダ38が設けられている。この上で、左ブラケット9と上部旋回体4との間には、フロント装置5の取付け、取外し作業時に、左ブラケット9の揺動を規制する揺動規制部材36が設けられている。従って、右ブラケット15は、揺動シリンダ38を動力源として、左ブラケット9と独立して揺動することができる。これにより、揺動シリンダ38を用いてフロント装置5の脱着作業を容易に行うことができる。
左ブラケット9は、水平方向に延びて各支持ピン22,23に接続された左横面板10,11と、左横面板10,11に上,下方向に延びて取付けられた左縦面板12とからなる。また、右ブラケット15は、水平方向に延びて支持ピン22,23に接続された右横面板16,17と、左ブラケット9の左縦面板12と対面するように右横面板16,17に上,下方向に延びて取付けられた右縦面板18とからなる。さらに、左縦面板12と右縦面板18とには、互いに対面する内側面に位置して各ブラケット側位置決め部位13,14,20,21がそれぞれ設けられている。これにより、左,右のブラケット9,15は、簡単な構成でフロント支持部材7に揺動可能に取付けることができる。
アダプタ24は、フロント装置5を構成するブーム5Aのフート部5A1を挟んで対面する左挟持板25および右挟持板26と、左,右の挟持板25,26を間隔をもって連結する連結部材27,28と、左挟持板25および右挟持板26にそれぞれ設けられた左,右のアダプタ側位置決め部位29,30,31,32とを備えている。これにより、アダプタ24を、強固に、かつ簡単な構成で設けることができる。
さらに、左,右の固定部材33,35は、上,下方向に長尺な板体からなり、左,右のアダプタ側位置決め部位29,31との間に左,右のブラケット9,15を挟んだ状態でアダプタ24に対して固定ボルト34を用いて取付け、取外し可能に取付けられる構成となっている。これにより、固定部材33,35を、簡単に設けることができ、固定ボルト34によって容易に取付け、取外しすることができる。
次に、図16および図17は本発明の第2の実施の形態を示している。本実施の形態の特徴は、左,右の固定部材は、左,右のブラケットにそれぞれ一体的に設けられ、かつ左,右の固定部材は、アダプタに対して締結部材を用いてそれぞれ取付け、取外し可能に取付けられる構成としたことにある。なお、本実施の形態では、前述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
図16、図17において、第2の実施の形態によるフロント取付装置51は、第1の実施の形態によるフロント取付装置8とほぼ同様に構成されている。第2の実施の形態によるフロント取付装置51は、後述する左上固定部材52、左下固定部材53、右上固定部材54、右下固定部材55を備えている。
図16に示すように、左上固定部材52は、後述の左下固定部材53と共に左固定部材を構成している。左上固定部材52は、左ブラケット9を構成する左縦面板12の前突出部12Aの上部に、当該前突出部12Aから上側に突出して設けられている。左上固定部材52は、長方形状の板体からなり、その下側部位が例えば溶接、ねじ止め等の手段を用いて前突出部12Aに一体的に固着されている。また、左上固定部材52の上側部位には、アダプタ24を構成する左挟持板25のねじ孔25Eに対応して2個のボルト挿通孔(図示せず)が設けられている。なお、第2の実施の形態では、溶接手段を用いて一体的に固着した場合を図示している。
左下固定部材53は、左上固定部材52と上,下方向で対称形状をなしている。左下固定部材53は、左縦面板12の前突出部12Aの下部から下側に突出した長方形状の板体として形成されている。左下固定部材53は、その上側部位が例えば溶接、ねじ止め等の手段を用いて前突出部12Aに一体的に固着され、下側部位に2個のボルト挿通孔(図示せず)が設けられている。
左上固定部材52と左下固定部材53によって左ブラケット9とアダプタ24の左挟持板25とを一体的に固定する場合には、アダプタ24の左挟持板25に設けた左前アダプタ側位置決め部位29に対して左ブラケット9の左縦面板12に設けた左前ブラケット側位置決め部位13を左側から係合させると共に、左挟持板25に設けた左上アダプタ側位置決め部位30に対して左縦面板12に設けた左上ブラケット側位置決め部位14を左側から係合させる。この状態で、各固定部材52,53のボルト挿通孔に挿通した固定ボルト34を左挟持板25の各ねじ孔25Eに螺着する。これにより、各固定部材52,53は、左ブラケット9とアダプタ24の左挟持板25とを一体的に固定することができる。
図17に示すように、右上固定部材54と右下固定部材55は、左上固定部材52と左下固定部材53と同様に構成されている。即ち、右上固定部材54と右下固定部材55によって右ブラケット15とアダプタ24の右挟持板26とを一体的に固定する場合には、アダプタ24の右挟持板26に設けた右前アダプタ側位置決め部位31に対して右ブラケット15の右縦面板18に設けた右前ブラケット側位置決め部位20を右側から係合させると共に、右挟持板26に設けた右上アダプタ側位置決め部位32に対して右縦面板18に設けた右上ブラケット側位置決め部位21を右側から係合させる。この状態で、各固定部材54,55は、固定ボルト34を用いて左ブラケット9とアダプタ24の左挟持板25とを一体的に固定することができる。
かくして、このように構成された第2の実施の形態でも、前述した第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。特に、第2の実施の形態によれば、各固定部材52〜55は、各ブラケット9,15に一体的に固着しているから、各ブラケット9,15とアダプタ24とを簡単な作業で一体的に固定することができる。また、各固定部材52〜55の紛失や損傷を抑制することができる。
次に、図18は本発明の第3の実施の形態を示している。本実施の形態の特徴は、揺動規制部材を、旋回フレーム側に設けられた取付部と、左ブラケット側に設けられた係合部と、基端側が取付部に取付けられ、先端側が係合部に係合可能なフックとにより構成したことにある。なお、本実施の形態では、前述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
図18において、第3の実施の形態によるフロント取付装置61は、第1の実施の形態によるフロント取付装置8とほぼ同様に構成されている。第3の実施の形態によるフロント取付装置61は、後述する揺動規制部材62を備えている。
第3の実施の形態による揺動規制部材62は、フロント支持部材7の上ピン孔7Eよりも後側に位置して旋回フレーム6の上面板6Dの左側に設けられた取付部63と、取付部63から後述するフック66の長さ寸法だけ右側に離れた上面板6Dの右側に設けられた待機部64と、左ブラケット9の左横面板10に設けられたピン孔10Aの左側に位置して左横面板10に設けられた係合部65と、基端側が取付部63の取付穴63Aに取付けられ、先端側が係合部65の係合穴65Aに係合可能な棒状のフック66とにより構成されている。また、待機部64には、左ブラケット9の揺動を規制していない揺動規制部材62の待機時に、フック66ががたつかないように、先端側が係合される待機穴64Aが設けられている。
揺動規制部材62は、例えば、揺動可能なフロント装置5をブーム5Aが前側を向くように配置した状態で、フック66の先端側を待機部64の待機穴64Aから取外し、二点鎖線で示すように、フック66の先端側を係合部65の係合穴65Aに差し込んで係合させる。これにより、揺動規制部材62は、左ブラケット9の揺動を規制することができる。
かくして、このように構成された第3の実施の形態でも、前述した第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。特に、第3の実施の形態によれば、棒状のフック66の先端側を係合部65の係合穴65Aに差し込むという簡単な構成で左ブラケット9の揺動を規制することができる。
なお、第1の実施の形態では、各ブラケット側位置決め部位13,14,20,21を、上,下方向に延びる円弧状の凹溝として形成し、各ブラケット側位置決め部位13,14,20,21に係合する各アダプタ側位置決め部位29,30,31,32を、上,下方向に延びる円柱体として形成した場合を例示している。しかし、本発明はこれに限らず、例えば、各ブラケット側位置決め部位を円柱体として形成し、各アダプタ側位置決め部位29,30,31,32を円弧状の凹溝として形成する構成としてもよい。これ以外にも、三角形状の凹溝からなる位置決め部位に、角柱からなる位置決め部位を係合させる構成としてもよい。即ち、前,後方向ないし上,下方向に位置決め状態で固定できる凹凸嵌合構造であれば、各位置決め部位の形状は、上述したものに限定されるものではない。これらの構成は、他の実施の形態にも同様に適用することができる。
第1の実施の形態では、揺動シリンダ38を、フロント支持部材7の右側に設け、揺動シリンダ38をフロント取付装置8の右ブラケット15のシリンダ取付板19に取付けた場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限るものではなく、揺動シリンダを、フロント支持部材の左側に設け、揺動シリンダをフロント取付装置の左ブラケットのシリンダ取付板に取付ける構成としてもよい。この場合、揺動規制部材は、右ブラケットの揺動を規制する構成とすればよい。これらの構成は、他の実施の形態にも同様に適用することができる。
各実施の形態では、運転席41の上方を覆うキャノピ44を備えたキャノピ仕様の油圧ショベル1を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限るものではなく、運転席41の周囲と上方を覆うキャブボックスが設けられたキャブ仕様の油圧ショベル1に適用してもよい。
さらに、各実施の形態では、クローラ式の下部走行体2を備えた小型の油圧ショベル1を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えば、ホイール式の油圧ショベルに適用してもよい。また、フロント装置が揺動可能に設けられた中型の油圧ショベルに適用してもよい。