JP6760688B2 - 段成形検査方法 - Google Patents

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Description

本発明は、段ボールシートの製造ラインにおいて、中芯が適正な波形に成形されているか否かを検査するための段成形検査方法に関するものである。
段ボールシートの製造においては、中芯原紙が波形に成形されてから裏ライナと貼合されるまでの過程で、波形の山がつぶれて低くなる「段つぶれ」や、中芯が部分的にライナから剥がれる等により山が突出して高くなる「段とび」等の不良が生じることがある。本出願人は過去に、製造ラインを走行している途中の段ボールシートについて、このような段成形の不良を検出する方法及び装置を提案している(特許文献1,2参照)。
この特許文献1,2の技術の基本的な原理は、製造ラインを走行している段ボールシートに対して、シートの走行方向、つまり波形が連続する方向に平行で、且つ、シート面に対して傾斜させた光を投射し、波形における山の部分で反射された光のうち、高さが許容範囲にある山から反射された光のみを受光器で受光するように、光の投射条件または受光条件を調整するというものである。許容範囲から外れて高い山、或いは、許容範囲から外れて低い山によって反射された光は、受光器には入光しない。従って、受光器が光を検知したか否か、換言すれば「光の有無」によって、段成形の不良を簡易に検出することができる。そして、特許文献2の技術は更に、受光器で受ける光の範囲をシフトすることにより、波形における山の高さの許容範囲を変更することができる。
本出願人は、上記の技術に引き続き、製造ラインを走行している途中の段ボールシートについて、中芯が適正な波形に成形されているか否かを、簡易に検査することができる他の手段についての検討を続けてきている。本発明は、その検討の過程でなされたものである。
特許第2571520号公報 特許第4857382号公報
上記のように、本発明は、製造ラインを走行している途中の段ボールシートについて、中芯が適正な波形に成形されているか否かを、簡易に検査することができる段成形検査方法の提供を、課題とするものである。
上記の課題を解決するため、本発明にかかる段成形検査方法(以下、単に「検査方法」と称することがある)は、
「中芯が波形に成形された後で、前記波形が連続する方向を走行方向に一致させて製造ラインを走行している途中の段ボールシートにおいて、
成形後の前記中芯である波形中芯の山部の高さとして許容される上限値に基づき第一閾値を設定すると共に、前記山部の高さとして許容される下限値に基づき第二閾値を設定し、
変位センサによる前記波形中芯までの距離の計測を、前記段ボールシートの単位走行距離ごとに行い、
前記変位センサの計測に基づく検出結果値それぞれを前記第一閾値と対比することにより、前記山部を識別することなく前記波形中芯の高さの実際値を前記上限値との対比により二値化された第一信号に変換すると共に、
前記検出結果値それぞれを前記第二閾値と対比することにより、前記山部を識別することなく前記波形中芯の高さの実際値を前記下限値との対比により二値化された第二信号に変換し、
前記段ボールシートの走行距離に対して前記第一信号をプロットしたときのパターンの変化、または前記段ボールシートの走行距離に対して前記第二信号をプロットしたときのパターンの変化に基づいて、前記波形中芯の波形が適正であるか否かの判定を行う」ものである。
変位センサの計測に基づく「検出結果値」と「第一閾値」との対比は、「波形中芯の高さの実際値」と「山部の高さとして許容される上限値」(以下、「山部上限値」と称する)とを対比したこととなるように行われる。すなわち、「第一閾値」を山部上限値そのものとした場合、これと対比される「検出結果値」は、段ボールシートの走行面または段ボールシートにおける裏ライナの裏面と変位センサとの間の距離から、変位センサによる計測値、すなわち変位センサから波形中芯までの距離を減算した、波形中芯の高さの実際値である。一方、「第一閾値」を、段ボールシートの走行面または段ボールシートにおける裏ライナの裏面と変位センサとの間の距離から、山部上限値を減算した値とした場合、これと対比される「検出結果値」は、変位センサにより検出された、変位センサから波形中芯までの距離である。
同様に、変位センサの計測に基づく「検出結果値」と「第二閾値」との対比は、「波形中芯の高さの実際値」と「山部の高さとして許容される下限値」(以下、「山部下限値」と称する)とを対比したこととなるように行われる。すなわち、「第二閾値」を山部下限値そのものとした場合、これと対比される「検出結果値」は、段ボールシートの走行面または段ボールシートにおける裏ライナの裏面と変位センサとの間の距離から、変位センサによる計測値、すなわち変位センサから波形中芯までの距離を減算した、波形中芯の高さの実際値である。一方、「第二閾値」を、段ボールシートの走行面または段ボールシートにおける裏ライナの裏面と変位センサとの間の距離から、山部下限値を減算した値とした場合、これと対比される「検出結果値」は、変位センサにより検出された、変位センサから波形中芯までの距離である。
「波形中芯の高さの実際値を山部上限値と対比することによる二値化」は、検出結果値が第一閾値を超えている場合と、第一閾値以下である場合とに分ける二値化とすることも、検出結果値が第一閾値以上である場合と、第一閾値未満である場合とに分ける二値化とすることもできる。同様に、「波形中芯の高さの実際値を山部下限値と対比することによる二値化」は、検出結果値が第二閾値を超えている場合と、第二閾値以下である場合とに分ける二値化とすることも、検出結果値が第二閾値以上である場合と、第二閾値未満である場合とに分ける二値化とすることもできる。
「二値化」としては、ON信号とOFF信号に分ける二値化、「1」と「0(ゼロ)」に分ける二値化を例示することができる。
変位センサによる波形中芯までの距離の測定を、「段ボールシートの単位走行距離ごとに行う方法としては、製造ラインの機械的な構成において段ボールシートの走行の駆動部と同期している回転部、例えば、段ボールシートを送るローラの回転機構部に取り付けられたロータリーエンコーダから送出されるパルス信号の所定数ごとに、変位センサによる測定を行う方法を例示することができる。また、段ボールシートの走行速度が一定の場合は、一定の時間間隔で変位センサによる測定を行えば、波形中芯までの距離の定が「段ボールシートの単位走行距離ごと」となる。
変位センサによる波形中芯までの距離の測定から波形中芯の高さの実際値を把握し、これを波形中芯の山部上限値及び山部下限値と対比することによって波形が適正であるか否かの判定を行おうとした場合、図7に示すように、波形中芯S1の高さの実際値が、山部上限値(T)と山部下限値(T)との間の範囲(図示、範囲N)内に含まれるか否かによって判定を行うことが想到される。しかしながら、そのような判定処理を行うと、波形中芯S1の高さの実際値が山部下限値(T)未満または山部下限値(T)以下の部分(図示、範囲M)は、正常な波形の部分であるにも関わらず、不良として判定されてしまう不具合がある。
これに対し、本発明では、山部上限値と山部下限値との間の範囲を問題とすることなく、波形中芯の高さの実際値を、山部上限値及び山部下限値の“それぞれ”と対比して二値化する。二値化された信号(第一信号、第二信号)は、詳細は後述するように、波形中芯が適正な波形に成形されている場合は、一定パターン、または、一定パターンの繰り返しとなるため、二値化された信号にパターン変化が生じたときに、波形中芯の波形に不良が生じたことを検出することができる。従って、本発明では、波形中芯の高さの実際値が山部下限値未満または山部下限値以下である部分が、適正な波形の部分でありながら不良と判定される不具合なく、波形中芯の波形が適正であるか否かを検査することができる。
また、波形中芯までの距離を変位センサで測定する場合、変位センサにより距離が測定されるラインは、段ボールシートの走行面に対して垂直であっても傾斜していても良い。先行技術として上述した特許文献1,2の検査方法では、段ボールシートに対して光を投射する方向を、波形中芯の山部の高さの許容範囲と対応させて傾斜させる必要があるため、光の投射装置の設置に際して光の投射方向の傾斜角度を調整する作業や、段ボールシートの製造ラインにおける他の装置との干渉を避けつつ光の投射装置の設置位置を定める作業に手間がかかることがあった。これに対し、波形中芯までの距離を測定するため変位センサは、上記のように段ボールシートの走行面に対する設置位置の自由度が高いため、設置作業が容易である。
加えて、何らかのセンサを段ボールシートの走行面に対して垂直に設置する場合と、所定の傾斜角度で設置する場合とでは、設置作業は垂直に設置する場合の方が容易である。従って、変位センサにより距離が測定されるラインを段ボールシートの走行面に対して垂直とする構成を採用可能な本検査方法は、この点でも利点がある。特に、波形中芯の波形が適正であるか否かの検査は、段ボールシートの幅方向(段ボールシートの走行方向に直交する方向)において複数箇所で行うことが望ましいため、その場合に複数を設置することとなる変位センサの設置作業が容易である利点は大きい。
本発明にかかる段成形検査方法は、
中芯が波形に成形された後で、前記波形が連続する方向を走行方向に一致させて製造ラインを走行している途中の段ボールシートにおいて、
成形後の前記中芯である波形中芯の山部の高さとして許容される上限値に基づき第一閾値を設定し、前記山部の高さとして許容される下限値に基づき第二閾値を設定すると共に、前記波形中芯の谷部の高さとして許容される上限値である谷部上限値に基づき第三閾値を設定し、
変位センサによる前記波形中芯までの距離の計測を、前記段ボールシートの単位走行距離ごとに行い、
前記変位センサの計測に基づく検出結果値それぞれを前記第一閾値と対比することにより、前記山部を識別することなく前記波形中芯の高さの実際値を前記上限値との対比により二値化された第一信号に変換し、
前記検出結果値それぞれを前記第二閾値と対比することにより、前記山部を識別することなく前記波形中芯の高さの実際値を前記下限値との対比により二値化された第二信号に変換すると共に、
前記検出結果値それぞれを前記第三閾値と対比することにより、前記谷部を識別することなく前記波形中芯の高さの実際値を前記谷部上限値との対比により二値化された第三信号に変換し、
前記段ボールシートの走行距離に対して前記第一信号をプロットしたときのパターンの変化、前記段ボールシートの走行距離に対して前記第二信号をプロットしたときのパターンの変化、または前記段ボールシートの走行距離に対して前記第三信号をプロットしたときのパターンの変化に基づいて、前記波形中芯の波形が適正であるか否かの判定を行う」ものとすることができる。
変位センサの計測に基づく「検出結果値」と「第三閾値」との対比は、「波形中芯の高さの実際値」と「谷部上限値」とを対比したこととなるように行われる。すなわち、「第三閾値」を谷部上限値そのものとした場合、これと対比される「検出結果値」は、段ボールシートの走行面または段ボールシートにおける裏ライナの裏面と変位センサとの間の距離から、変位センサによる計測値、すなわち変位センサから波形中芯までの距離を減算した、波形中芯の高さの実際値である。一方、「第三閾値」を、段ボールシートの走行面または段ボールシートにおける裏ライナの裏面と変位センサとの間の距離から、谷部上限値を減算した値とした場合、これと対比される「検出結果値」は、変位センサにより検出された、変位センサから波形中芯までの距離である。
「波形中芯の高さの実際値を谷部上限値と対比することによる二値化」は、検出結果値が第三閾値を超えている場合と、第三閾値以下である場合とに分ける二値化とすることも、検出結果値が第三閾値以上である場合と、第三閾値未満である場合とに分ける二値化とすることもできる。「二値化」として、ON信号とOFF信号に分ける二値化、「1」と「0(ゼロ)」に分ける二値化を例示することができることは、第一閾値及び第二閾値それぞれに基づく上記の二値化と同様である。
第一閾値及び第二閾値を用いる上記の検査方法は、波形中芯の波形が適正であるか否かの判定を、波形中芯における山部について行うものである。これに加え、本構成の検査方法では、波形中芯における谷部についても、波形中芯の波形が適正であるか否かの判定を行うことができる。すなわち、波形中芯において谷部が適正な波形に成形されている場合は、第三信号は一定パターンの繰り返しとなるため、第三信号にパターン変化が生じたときに、波形中芯の波形において谷部に不良が生じたことを検出することができる。
先行技術として上述した特許文献1,2の検査方法では、波形中芯の波形における山部の高さが許容範囲にあるか否かを検出することはできたが、谷部の高さが適正な範囲にあるか否かを検出することはできなかった。これに対し、本構成の検査方法では、谷部も含めた波形中芯の全体について、適正な波形に成形されているか否かの判定を行うことができる。
以上のように、本発明によれば、製造ラインを走行している途中の段ボールシートについて、中芯が適正な波形に成形されているか否かを、簡易に検査することができる段成形検査方法を提供することができる。
本発明の一実施形態である段成形検査方法における第一閾値及び第二閾値の設定の説明図である。 第一閾値及び第二閾値に加えて、第三閾値を設定する場合の説明図である。 (a),(b)第一信号を使用した、波形中芯の波形が適正であるか否かの判定の説明図である。 (a),(b)第二信号を使用した、波形中芯の波形が適正であるか否かの判定の説明図である。 (a),(b)第三信号を使用した、波形中芯の波形が適正であるか否かの判定の説明図である。 第一信号、第二信号、及び第三信号を使用した、波形中芯の波形が適正であるか否かの判定の説明図である。 山部上限値と山部下限値とを用いて行う検査方法として想到される本発明と異なる検査方法における問題点を説明する図である。
以下、本発明の具体的な実施形態である段成形検査方法について、図1乃至図6を用いて説明する。本検査方法は、中芯が波形に成形された波形中芯S1が裏ライナS2と貼合された後の片面段ボールシートである段ボールシートSが、波形が連続する方向を走行方向Yに一致させて製造ラインを走行している途中で、波形中芯S1の波形が適正であるか否かの判定を行うものである。
本検査方法では、図1に示すように、波形中芯S1の山部上限値L1に基づき第一閾値T1を設定すると共に、山部下限値L2に基づき第二閾値T2を設定する。そして、変位センサ10を使用して、変位センサ10から波形中芯S1までの距離を計測し、その計測に基づく検出結果値を第一閾値T1と対比することにより、波形中芯S1の高さの実際値を山部上限値L1との対比により二値化された第一信号に変換すると共に、検出結果値を第二閾値T2と対比することにより、波形中芯S1の高さの実際値を山部下限値L2との対比により二値化された第二信号に変換する。
変位センサ10は、センサと対象物との間の距離を検出できるものであれば特に限定されないが、光源から対象物に光を照射し、対象物からの反射光を受光素子(PSD、CCD、CMOS等)で受光し、三角測距式で距離を計測する光学式変位センサや、対象物に向けて超音波を発信し、対象物からの反射波を受波器で受信し、発信から受信までの時間と音速とから対象物までの距離を計測する超音波式変位センサ、を使用することができる。ここでは、変位センサ10として光学式変位センサを使用し、段ボールシートSの走行面に対して垂直に光を投射する場合を図示している。なお、段ボールシートSの走行面は、段ボールシートSにおける裏ライナS2の裏面と同視することができる。
本実施形態では、第一閾値T1は、段ボールシートSの走行面または裏ライナS2の裏面から変位センサ10までの距離Lから、山部上限値L1を減算した値である。また、第二閾値T2は、上記の距離Lから山部下限値L2を減算した値である。従って、変位センサ10の計測に基づく検出結果値であって、第一閾値T1及び第二閾値T2のそれぞれと対比される値は、変位センサ10から波形中芯S1までの距離の計測値そのものである。なお、山部上限値L1及び山部下限値L2は、何れも裏ライナS2の裏面からの高さである。
変位センサ10を使用して行う、変位センサ10から波形中芯S1までの距離の計測は、段ボールシートSの単位走行距離ごとに行う。具体的には、段ボールシートSの製造ラインの機械的な構成において、段ボールシートSを走行させる駆動部と同期している送りローラの回転機構部に取り付けられたロータリーエンコーダから送出されるパルス信号の所定数ごとに、変位センサ10による測定を行うことができる。また、段ボールシートSの走行速度が一定の場合は、一定の時間間隔で変位センサ10による測定を行えば、段ボールシートSの単位走行距離ごとの測定となる。
そして、変位センサ10による検出結果値を第一閾値T1と対比し、検出結果値が第一閾値T1を超えた場合、すなわち、波形中芯S1の高さの実際値が山部上限値L1未満である場合を「ON信号」に変換すると共に、検出結果値が第一閾値T1以下である場合、すなわち、波形中芯S1の高さの実際値が山部上限値L1以上である場合を「OFF信号」に変換することによって、ON/OFF信号に二値化された第一信号とする。なお、「ON信号」及び「OFF信号」という名称は、二値化された値の一方と他方を区別するためのものに過ぎないから、逆の関係であっても良いし、「1信号」と「0(ゼロ)信号」であっても良い。
このように変換された第一信号は、図3(a)に示すように、波形中芯S1の波形が適正である条件の一つを満たしている状態である、波形中芯S1の高さが山部上限値L1未満である状態では、“ON信号のみ”という“一定パターン”である。一方、図3(b)に示すように、波形中芯S1の高さに山部上限値L1以上となる不良が生じると(図示、矢印A)、第一信号にOFF信号が現れる。従って、第一信号にOFF信号が検出されるというパターン変化が生じたときに、波形中芯S1の波形が適正ではない(不良が生じている)との判定を行うことができる。このとき、予めOFF信号の長さ(図示、長さa)に許容範囲を定めておき、許容範囲を超える長さでOFF信号が現れたときに波形中芯S1の波形に不良が生じていると判定することとすれば、ノイズによるOFF信号に基づく誤判定を防ぐことができる。
同様に、変位センサ10による検出結果値を第二閾値T2と対比し、検出結果値が第二閾値T2を超えた場合、すなわち、波形中芯S1の高さの実際値が山部下限値L2未満である場合を「ON信号」に変換すると共に、検出結果値が第二閾値T2以下である場合、すなわち、波形中芯S1の高さの実際値が山部下限値L2以上である場合を「OFF信号」に変換することによって、ON/OFF信号に二値化された第二信号とする。
図4(a)に示すように、波形中芯S1の波形が適正である条件の一つを満たしている状態である、波形中芯S1の高さが山部下限値L2以上である状態では、第二信号はON信号とOFF信号がそれぞれ一定の間隔で現れる“一定パターンの繰り返し”である。一方、図4(b)に示すように、波形中芯S1において山部の高さが低い“段つぶれ”(図示、矢印B)や、破れ等による中芯の損失(図示、矢印C)など、波形中芯S1の高さが山部下限値L2未満となる不良が生じると、第二信号にパターン変化が生じる。従って、第二信号においてパターン変化が検出されたときに、波形中芯S1の波形が適正ではないとの判定を行うことができる。このとき、予めON信号の間隔(図示、長さb)の変化量、及び、OFF信号の間隔(図示、長さc)の変化量にそれぞれ許容範囲を求めておき、許容範囲を超える変化量でパターン変化が検出されたときに波形中芯S1の波形に不良が生じていると判定することとすれば、ノイズ信号に基づく誤判定を防ぐことができる。
また、第二信号におけるパターン変化を検出する場合に、移動値を基準とすることができる。例えば、エンコーダからの送出パルスn個分の過去の検出に基づく第二信号において、ON信号の間隔やOFF信号の間隔について移動平均値、或いは移動中央値を求め、これに閾値をプラスマイナスした範囲を基準として、パターン変化が生じたか否かの検出を行うことができる。このように、実際に検出される値をもとに基準値を変動させることにより、製造ラインを走行する段ボールシートの段種が変更された場合であっても、新たな基準値を設定し直す手間を要することなく、基準値を適切な値に修正することができる。
第一閾値T1及び第二閾値T2を使用した上記の判定により、波形中芯S1の波形における山部の高さが適正であるか否かを検出することができる。これに加え、図2に示すように、更に第三閾値T3を設定すれば、波形中芯S1の波形が適正であるか否かを、より精度高く検査することができる。
第三閾値T3は、波形中芯S1の谷部の高さとして許容される上限値である谷部上限値L3に基づいて設定される。ここでは、第三閾値T3は、段ボールシートSの走行面または裏ライナS2の裏面と変位センサ10との距離Lから、谷部上限値L3を減算した値であり、谷部上限値L3は裏ライナS2の裏面からの高さである。
そして、上記と同様に、変位センサ10から波形中芯S1までの距離を計測し、その計測に基づく検出結果値(ここでは、変位センサ10から波形中芯S1までの距離の計測値そのもの)を第三閾値T3と対比することにより、波形中芯S1の高さの実際値を谷部上限値L3との対比により二値化された第三信号に変換する。具体的には、検出結果値が第三閾値T3を超えた場合、すなわち、波形中芯S1の高さの実際値が谷部上限値L3未満である場合を「ON信号」に変換すると共に、検出結果値が第三閾値T3以下である場合、すなわち、波形中芯S1の高さの実際値が谷部上限値L3以上である場合を「OFF信号」に変換することによって、ON/OFF信号に二値化された第三信号とする。
図5(a)に示すように、波形中芯S1の波形が適正である条件の一つを満たしている状態である、波形中芯S1における谷部の高さが谷部上限値L3未満である状態では、第三信号はON信号とOFF信号がそれぞれ一定の間隔で現れる“一定パターンの繰り返し”である。一方、図5(b)に示すように、波形中芯S1において中芯が裏ライナS2から剥がれる等により谷部に浮きが生じたり(図示、矢印D)や、谷部に異物が存在したり(図示、矢印E)など、谷部の高さが谷部上限値L3以上となる不良が生じると、第三信号にパターン変化が生じる。従って、第三信号においてパターン変化が検出されたときに、波形中芯S1の波形が適正ではないとの判定を行うことができる。このとき、予めON信号の間隔(図示、長さd)の変化量、及び、OFF信号の間隔(図示、長さe)の変化量にそれぞれ許容範囲を求めておき、許容範囲を超える変化量でパターン変化が検出されたときに波形中芯S1の波形に不良が生じていると判定することとすれば、ノイズ信号に基づく誤判定を防ぐことができる。また、第三信号におけるパターン変化を検出する場合、第二信号におけるパターン変化の検出に関して上述した処理と同様に、移動値を基準とすることができる。
以上のように、山部上限値L1に基づく第一閾値T1、山部下限値L2に基づく第二閾値T2、及び、谷部上限値L3に基づく第三閾値T3を使用し、変位センサ10から波形中芯S1までの距離の計測に基づく検出結果値と対比することにより、図6にまとめて示すように、波形中芯S1の成形において生じ得る種々の不良を検出することができる。変位センサ10から波形中芯S1までの距離の計測は、段ボールシートSの走行距離を単位として行われるため、走行方向に同じ形状の波が反復する波形に成形されるべき波形中芯S1の波形が適正である場合は、変位センサ10の計測に基づく検出結果値が第一閾値T1、第二閾値T2、及び第三閾値T3それぞれとの対比により二値化された第一信号、第二信号、及び第三信号は、一定パターン、または、一定の繰り返しパターンとなる。従って、第一信号、第二信号、及び第三信号の何れかにパターン変化が生じた場合に、波形中芯S1の波形が適正ではないと判定し、第一信号、第二信号、及び第三信号の何れにおいてもパターン変化が生じていない場合、すなわち、第一信号がON信号のみの一定パターンであり、且つ、第二信号及び第三信号がそれぞれON信号とOFF信号とがある間隔で現れる一定パターンの繰り返しである場合に、波形中芯S1の波形が適正であると判定することができる。
なお、波形中芯S1の波形が適正ではないと判定されたとき、ロータリーエンコーダと変位センサ10との位置関係、及び、ロータリーエンコーダから送出されるパルス信号の間隔と段ボールシートSの走行距離との関係から、走行する段ボールシートSにおいて波形に不良が生じている具体的な位置を、特定することができる。
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
例えば、上記では、第一閾値T1、第二閾値T2、及び第三閾値T3を、段ボールシートSの走行面または裏ライナS2の裏面と変位センサ10と変位センサ10との距離から、山部上限値L1、山部下限値L2、及び谷部上限値L3をそれぞれ減算した値とし、変位センサ10による検出結果値であってこれらの閾値と対比される値を、変位センサ10から波形中芯S1までの距離の計測値そのものとした場合を例示した。これに代替して、第一閾値T1、第二閾値T2、及び第三閾値T3を、それぞれ山部上限値L1、山部下限値L2、及び谷部上限値L3そのものとし、これらの閾値と対比される検出結果値を、段ボールシートSの走行面または裏ライナS2の裏面と変位センサ10との距離から、変位センサ10と波形中芯S1との距離の計測値を減算した値、すなわち、段ボールシートSの走行面または裏ライナS2の裏面を基準とした波形中芯S1の高さの実際値としても、上記と同様の判定処理で、波形中芯S1の波形が適正であるか否かの判定を行うことができる。
また、上記では、段ボールシートSの走行面に対して垂直な線上に変位センサ10を設置する場合を例示した。このような変位センサ10の設置は、段ボールシートSの走行面に対して傾斜させた線上に変位センサを設置する場合に比べて、設置作業が容易である利点がある。ただし、段ボールシートSの走行面に対して傾斜している線上に変位センサを設置したとしても、変位センサから波形中芯S1までの距離を計測することができれば、同じ原理で、波形中芯S1の波形が適正であるか否かの判定を行うことができる。
10 変位センサ
S 段ボールシート
S1 波形中芯
L1 山部上限値(波形中芯の山部の高さとして許容される上限値)
L2 山部下限値(波形中芯の山部の高さとして許容される下限値)
L3 谷部上限値(波形中芯の谷部の高さとして許容される上限値)
T1 第一閾値
T2 第二閾値
T3 第三閾値

Claims (2)

  1. 中芯が波形に成形された後で、前記波形が連続する方向を走行方向に一致させて製造ラインを走行している途中の段ボールシートにおいて、
    成形後の前記中芯である波形中芯の山部の高さとして許容される上限値に基づき第一閾値を設定すると共に、前記山部の高さとして許容される下限値に基づき第二閾値を設定し、
    変位センサによる前記波形中芯までの距離の計測を、前記段ボールシートの単位走行距離ごとに行い、
    前記変位センサの計測に基づく検出結果値それぞれを前記第一閾値と対比することにより、前記山部を識別することなく前記波形中芯の高さの実際値を前記上限値との対比により二値化された第一信号に変換すると共に、
    前記検出結果値それぞれを前記第二閾値と対比することにより、前記山部を識別することなく前記波形中芯の高さの実際値を前記下限値との対比により二値化された第二信号に変換し、
    前記段ボールシートの走行距離に対して前記第一信号をプロットしたときのパターンの変化、または前記段ボールシートの走行距離に対して前記第二信号をプロットしたときのパターンの変化に基づいて、前記波形中芯の波形が適正であるか否かの判定を行う
    ことを特徴とする段成形検査方法。
  2. 中芯が波形に成形された後で、前記波形が連続する方向を走行方向に一致させて製造ラインを走行している途中の段ボールシートにおいて、
    成形後の前記中芯である波形中芯の山部の高さとして許容される上限値に基づき第一閾値を設定し、前記山部の高さとして許容される下限値に基づき第二閾値を設定すると共に、前記波形中芯の谷部の高さとして許容される上限値である谷部上限値に基づき第三閾値を設定し、
    変位センサによる前記波形中芯までの距離の計測を、前記段ボールシートの単位走行距離ごとに行い、
    前記変位センサの計測に基づく検出結果値それぞれを前記第一閾値と対比することにより、前記山部を識別することなく前記波形中芯の高さの実際値を前記上限値との対比により二値化された第一信号に変換し、
    前記検出結果値それぞれを前記第二閾値と対比することにより、前記山部を識別することなく前記波形中芯の高さの実際値を前記下限値との対比により二値化された第二信号に変換すると共に、
    前記検出結果値それぞれを前記第三閾値と対比することにより、前記谷部を識別することなく前記波形中芯の高さの実際値を前記谷部上限値との対比により二値化された第三信号に変換し、
    前記段ボールシートの走行距離に対して前記第一信号をプロットしたときのパターンの変化、前記段ボールシートの走行距離に対して前記第二信号をプロットしたときのパターンの変化、または前記段ボールシートの走行距離に対して前記第三信号をプロットしたときのパターンの変化に基づいて、前記波形中芯の波形が適正であるか否かの判定を行う
    ことを特徴とする段成形検査方法。
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