本発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。また、開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
(実施形態1)
図1は、実施形態1に係る表示装置の構成例を示すブロック図である。図2は、検出部の構成例を示すブロック図である。図1に示すように、表示装置1は、表示パネル10と、制御部11と、検出部40とを備えている。表示パネル10は、画像を表示する表示部20と、タッチ入力を検出する検出装置であるタッチセンサ30とを含む。
表示パネル10は、表示部20とタッチセンサ30とが一体化された表示装置である。具体的には、表示パネル10は、表示部20に静電容量型のタッチセンサ30を内蔵して一体化した、いわゆるインセルタイプあるいはハイブリッドタイプの装置である。表示部20に静電容量型のタッチセンサ30を内蔵して一体化するとは、例えば、表示部20として使用される基板や電極などの一部の部材と、タッチセンサ30として使用される基板や電極などの一部の部材とを兼用することを含む。なお、表示パネル10は、表示部20の上にタッチセンサ30を装着した、いわゆるオンセルタイプの装置であってもよい。オンセルタイプの装置の場合、表示部20の直上にタッチセンサ30が設けられていてもよいし、表示部20の直上ではなく他の層を介して上方にタッチセンサ30が設けられていてもよい。
また、本構成例では、表示部20として液晶表示素子を用いた液晶表示デバイスが採用されているが、表示部20は有機エレクトロルミネッセンス(有機EL)素子を用いた構成であってもよい。この場合、有機EL素子を形成するアノード及びカソードのうち一方を、後述する駆動電極COMLとしてもよい。
表示部20は、表示素子を有する複数の画素を備えるとともに、複数の画素に対向する表示面を有している。表示部20は、後述するように、ゲートドライバ12から供給される走査信号Vscanに従って、1水平ラインずつ順次走査して表示を行う。
制御部11は、ゲートドライバ12、ソースドライバ13及び駆動電極ドライバ14を備える。制御部11は、外部より供給された映像信号Vdispに基づいて、ゲートドライバ12、接続回路18及び検出部40に制御信号を供給して、表示動作と検出動作を制御する回路である。
ゲートドライバ12は、制御部11から供給される制御信号に基づいて、表示パネル10の表示駆動の対象となる1水平ラインを順次選択する機能を有している。
ソースドライバ13は、表示部20の、各副画素SPixに画素信号Vpixを供給する回路である。ソースドライバ13の機能の一部は、表示パネル10に搭載されていてもよい。この場合、制御部11が画素信号Vpixを生成し、この画素信号Vpixをソースドライバ13に供給してもよい。
駆動電極ドライバ14は、接続回路18を介して、表示パネル10の駆動電極COMLに表示用の駆動信号Vcomdc又は検出用の駆動信号Vcomを供給する。また、駆動電極ドライバ14は、ホバー検出の際にタッチ検出電極TDL等にガード信号Vgdを供給する。
制御部11は、タッチセンサ30による検出モードとして、タッチ検出とホバー検出の2つの検出モードを有する。本明細書において、タッチ検出は、被検出体が表示面に接触した状態又は接触と同視し得るほど近接した状態(以下、「接触状態」と表す)において、被検出体の位置を検出することを表す。また、ホバー検出は、被検出体が表示面に接触していない状態又は接触と同視し得るほどには近接していない状態(以下、「非接触状態」と表す)において、被検出体の位置や動きを検出することを表す。また、表示面に対向する位置に被検出体が存在しない場合、又はホバー検出において被検出体を検出できない程度に被検出体が表示面から離れている状態を「非存在状態」と表す。
タッチセンサ30は、相互静電容量方式によるタッチ検出の基本原理に基づいて、表示パネル10の表示面にタッチした被検出体の位置を検出する機能を有する。タッチセンサ30は、相互静電容量方式のタッチ検出において、被検出体のタッチを検出した場合、検出信号Vdet1を検出部40に出力する。また、タッチセンサ30は、自己静電容量方式によるタッチ検出の基本原理に基づいて、表示パネル10の表示面にホバーした被検出体の位置を検出する機能を有する。タッチセンサ30は、自己静電容量方式のタッチ検出において、被検出体のホバーを検出した場合、検出信号Vdet2を検出部40に出力する。
接続回路18は、複数の駆動電極COMLの各々を配線51(後述の図13参照)を介して互いに接続させる。これにより、タッチ検出では後述する駆動電極ブロックCOMLAが検出電極として形成され、ホバー検出では後述する駆動電極ブロックCOMLB又はCOMLCが検出電極として形成される。また、駆動電極ブロックCOMLB又はCOMLCから出力される検出信号Vdet2は、接続回路18を介して検出部40に供給される。
検出部40は、相互静電容量方式のタッチ検出において、制御部11から供給される制御信号と、表示パネル10から出力される検出信号Vdet1とに基づいて、表示パネル10の表示面への被検出体のタッチの有無を検出する回路である。また、検出部40は、自己静電容量方式のホバー検出において、制御部11から供給される制御信号と、表示パネル10から出力される検出信号Vdet2とに基づいて、表示パネル10の表示面への被検出体のホバーの有無を検出する回路でもある。検出部40は、タッチがある場合においてタッチ入力が行われた座標などを求める。また、検出部40は、ホバー検出で被検出体が検出された場合において、ホバー入力が行われた座標などを求める。
図2に示すように、検出部40は、検出信号増幅部42と、A/D変換部43と、信号処理部44と、座標抽出部45と、検出タイミング制御部46と、を備える。検出タイミング制御部46は、制御部11から供給される制御信号に基づいて、検出信号増幅部42と、A/D変換部43と、信号処理部44と、座標抽出部45とが同期して動作するように制御する。
検出信号増幅部42は、表示パネル10から供給される検出信号Vdet1、Vdet2を増幅する。A/D変換部43は、駆動信号Vcomに同期したタイミングで、検出信号増幅部42から出力されるアナログ信号をそれぞれサンプリングしてデジタル信号に変換する。
信号処理部44は、A/D変換部43の出力信号に基づいて、表示パネル10に対するタッチの有無や、ホバーの有無を検出する論理回路である。例えば、信号処理部44は、指による検出信号の差分の信号(絶対値|ΔV|)を取り出す処理を行う。信号処理部44は、絶対値|ΔV|を所定の閾値電圧と比較し、この絶対値|ΔV|が閾値電圧未満であれば、被検出体が非接触状態であると判断する。一方、信号処理部44は、絶対値|ΔV|が閾値電圧以上であれば、被検出体の接触状態と判断する。このようにして、検出部40はタッチ検出やホバー検出が可能となる。
座標抽出部45は、信号処理部44においてタッチ検出又はホバー検出で被検出体が検出されたときに、その検出された位置のパネル座標を求める論理回路である。座標抽出部45は、求めたパネル座標を出力信号Voutとして出力する。座標抽出部45は、出力信号Voutを制御部11に出力してもよい。制御部11は出力信号Voutに基づいて、所定の表示動作又は検出動作を実行することができる。
なお、検出部40の検出信号増幅部42と、A/D変換部43と、信号処理部44と、座標抽出部45と、検出タイミング制御部46とは、表示装置1に搭載される。ただし、これに限定されず、検出部40の全部又は一部の機能は外部のプロセッサ等に搭載されてもよい。例えば、座標抽出部45は、表示装置1とは別の外部プロセッサに搭載されており、検出部40は、信号処理部44が信号処理した信号を出力信号Voutとして出力してもよい。
表示パネル10は、静電容量型のタッチ検出の基本原理に基づいた、ホバー制御がなされる。ここで、図3から図7を参照して、本実施形態の表示装置1の相互静電容量方式によるタッチ検出の基本原理について説明する。図3は、相互静電容量方式のタッチ検出の基本原理を説明するための、指がタッチしていない状態を表す説明図である。図4は、図3に示す指がタッチしていない状態の等価回路の例を示す説明図である。図5は、相互静電容量方式のタッチ検出の基本原理を説明するための、指がタッチした状態を表す説明図である。図6は、図5に示す指がタッチした状態の等価回路の例を示す説明図である。図7は、相互静電容量方式のタッチ検出の駆動信号及び検出信号の波形の一例を表す図である。なお、図6は、検出回路を併せて示している。また、以下の説明では、被検出体として指がタッチする場合を説明するが、被検出体は指に限られず、例えばスタイラスペン等の導体を含む物体であってもよい。
例えば、図3に示すように、容量素子C1は、誘電体Dを挟んで互いに対向配置された一対の電極、駆動電極E1及び検出電極E2を備えている。図4に示すように、容量素子C1は、その一端が交流信号源(駆動信号源)Sに接続され、他端は電圧検出器DETに接続される。電圧検出器DETは、例えば図2に示す検出信号増幅部42に含まれる積分回路である。
交流信号源Sから駆動電極E1(容量素子C1の一端)に所定の周波数(例えば数kHzから数百kHz程度)の交流矩形波Sgが印加されると、検出電極E2(容量素子C1の他端)側に接続された電圧検出器DETを介して、図7に示すような出力波形(検出信号Vdet1)が現れる。なお、この交流矩形波Sgは、駆動電極ドライバ14から入力される駆動信号Vcomに相当するものである。
表示面に対向する位置に指が存在しない場合、又はホバー検出において指を検出できない程度に指が表示面から離れている状態(非存在状態)では、図3及び図4に示すように、容量素子C1に対する充放電に伴って、容量素子C1の容量値に応じた電流I0が流れる。図4に示す電圧検出器DETは、交流矩形波Sgに応じた電流I0の変動を電圧の変動(実線の波形V0(図7参照))に変換する。
一方、指が接触又は近接した状態(接触状態)では、図5に示すように、指によって形成される静電容量C2が、検出電極E2と接触している又は近傍にあることにより、駆動電極E1及び検出電極E2の間にあるフリンジ分の静電容量が遮られる。このため、容量素子C1は、図6に示すように、非存在状態での容量値よりも容量値の小さい容量素子C11として作用する。そして、図6に示す等価回路でみると、容量素子C11に電流I1が流れる。
図7に示すように、電圧検出器DETは、交流矩形波Sgに応じた電流I1の変動を電圧の変動(点線の波形V1)に変換する。この場合、波形V1は、上述した波形V0と比べて振幅が小さくなる。これにより、波形V0と波形V1との電圧差分の絶対値|ΔV|は、指などの外部から接触又は近接する導体の影響に応じて変化することになる。なお、電圧検出器DETは、波形V0と波形V1との電圧差分の絶対値|ΔV|を精度よく検出するため、回路内のスイッチングにより、交流矩形波Sgの周波数に合わせて、コンデンサの充放電をリセットする期間Resetを設けた動作とすることがより好ましい。
図1に示すタッチセンサ30は、駆動電極ドライバ14から供給される駆動信号Vcomに従って、1検出ブロックずつ順次走査して、相互静電容量方式によるタッチ検出を行う。また、タッチセンサ30は、後述する複数のタッチ検出電極TDLから、図4又は図6に示した電圧検出器DETを介して、検出ブロック毎に検出信号Vdet1を出力する。検出信号Vdet1は、検出部40の検出信号増幅部42に供給される。
次に、図8から図11を参照して、自己静電容量方式のタッチ検出の基本原理について説明する。図8は、自己静電容量方式のタッチ検出の基本原理を説明するための、指がタッチしていない状態を表す説明図である。図9は、自己静電容量方式のタッチ検出の基本原理を説明するための、指がタッチした状態を表す説明図である。図10は、自己静電容量方式のタッチ検出の等価回路の例を示す説明図である。図11は、自己静電容量方式のタッチ検出の駆動信号及び検出信号の波形の一例を表す図である。
自己静電容量方式では、上述の駆動電極E1が検出電極となる。図8左図は、指がタッチしていない状態において、スイッチング素子SW1により電源Vddと検出電極E1とが接続され、スイッチング素子SW2により検出電極E1がコンデンサCcrに接続されていない状態を示している。この状態では、検出電極E1が有する静電容量Cx1が充電される。図8右図は、スイッチング素子SW1により、電源Vddと検出電極E1との接続がオフされ、スイッチング素子SW2により、検出電極E1とコンデンサCcrとが接続された状態を示している。この状態では、静電容量Cx1の電荷はコンデンサCcrを介して放電される。
図9左図は、指がタッチした状態において、スイッチング素子SW1により電源Vddと検出電極E1とが接続され、スイッチング素子SW2により検出電極E1がコンデンサCcrに接続されていない状態を示している。この状態では、検出電極E1が有する静電容量Cx1に加え、検出電極E1に近接している指により生じる静電容量Cx2も充電される。図9右図は、スイッチング素子SW1により、電源Vddと検出電極E1との接続がオフされ、スイッチング素子SW2により検出電極E1とコンデンサCcrとが接続された状態を示している。この状態では、静電容量Cx1の電荷と静電容量Cx2の電荷とがコンデンサCcrを介して放電される。
ここで、図8右図に示す放電時(指がタッチしていない状態)におけるコンデンサCcrの電圧変化特性に対して、図9右図に示す放電時(指がタッチした状態)におけるコンデンサCcrの電圧変化特性は、静電容量Cx2が存在するために、明らかに異なる。したがって、自己静電容量方式では、コンデンサCcrの電圧変化特性が、静電容量Cx2の有無により、異なることを利用して、指などの操作入力の有無を判断している。
具体的には、検出電極E1に所定の周波数(例えば数kHzから数百kHz程度)の交流矩形波Sg(図11参照)が印加される。図10に示す電圧検出器DETは、交流矩形波Sgに応じた電流の変動を電圧の変動(波形V4、V5)に変換する。
上述のように、検出電極E1はスイッチング素子SW1及びスイッチング素子SW2によって電源Vdd及びコンデンサCcrから切り離すことが可能な構成となっている。図11において、時刻T01のタイミングで交流矩形波Sgは電圧V0に相当する電圧レベルを上昇させる。このときスイッチング素子SW1はオンしておりスイッチング素子SW2はオフしている。このため検出電極E1の電圧も電圧V0に上昇する。次に時刻T11のタイミングの前にスイッチング素子SW1をオフとする。このとき検出電極E1は、電気的にどことも接続されていない状態であるが、検出電極E1の静電容量Cx1(図8参照)、あるいは検出電極E1の静電容量Cx1に指等のタッチによる静電容量Cx2を加えた容量(Cx1+Cx2、図9参照)によって、検出電極E1の電位はV0が維持される。さらに、時刻T11のタイミングの前にスイッチング素子SW3をオンさせ所定の時間経過後にオフさせ電圧検出器DETをリセットさせる。このリセット動作により出力電圧は基準電圧Vrefと略等しい電圧となる。
続いて、時刻T11のタイミングでスイッチング素子SW2をオンさせると、電圧検出器DETの反転入力部が検出電極E1の電圧V0となり、その後、検出電極E1の静電容量Cx1(または、Cx1+Cx2)と電圧検出器DET内の静電容量C5の時定数に従って電圧検出器DETの反転入力部は基準電圧Vrefまで低下する。このとき、検出電極E1の静電容量Cx1(または、Cx1+Cx2)に蓄積されていた電荷が電圧検出器DET内の静電容量C5に移動するため、電圧検出器DETの出力が上昇する(Vdet2)。電圧検出器DETの出力(Vdet2)は、検出電極E1に指等がタッチしていないときは、実線で示す波形V4となり、Vdet2=Cx1×V0/C5となる。指等の影響による容量が付加されたときは、点線で示す波形V5となり、Vdet2=(Cx1+Cx2)×V0/C5となる。
その後、検出電極E1の静電容量Cx1(または、Cx1+Cx2)の電荷が静電容量C5に十分移動した後の時刻T31のタイミングでスイッチング素子SW2をオフさせ、スイッチング素子SW1及びスイッチング素子SW3をオンさせることにより、検出電極E1の電位を交流矩形波Sgと同電位のローレベルにするとともに電圧検出器DETをリセットさせる。なお、このとき、スイッチング素子SW1をオンさせるタイミングは、スイッチング素子SW2をオフさせた後、時刻T02以前であればいずれのタイミングでもよい。また、電圧検出器DETをリセットさせるタイミングは、スイッチング素子SW2をオフさせた後、時刻T12以前であればいずれのタイミングとしてもよい。以上の動作を所定の周波数(例えば数kHzから数百kHz程度)で繰り返す。波形V4と波形V5との差分の絶対値|ΔV|に基づいて、外部近接物体の有無(タッチの有無)を測定することができる。なお、検出電極E1の電位は、図11に示すように、指等がタッチしていないときはV2の波形となり、指等の影響による静電容量Cx2が付加されるときはV3の波形となる。波形V1と波形V2とが、それぞれ所定の閾値電圧VTHまで下がる時間を測定することにより外部近接物体の有無(タッチの有無)を測定することも可能である。
図1に示すタッチセンサ30は、駆動電極ドライバ14から供給される駆動信号Vcomに従って、自己静電容量方式によるホバー検出を行う。また、タッチセンサ30は、後述する駆動電極ブロックCOMLB又はCOMLCから、図10に示す電圧検出器DETを介して、検出信号Vdet2を出力し、検出部40の検出信号増幅部42に供給するようになっている。
次に、表示装置1の構成例を詳細に説明する。図12は、表示装置の概略断面構造を表す断面図である。図13は、表示装置を構成するTFT基板を模式的に示す平面図である。図12に示すように、表示装置1は、画素基板2と、画素基板2の表面に垂直な方向に対向して配置された対向基板3と、画素基板2と対向基板3との間に挿設された液晶層6とを備える。
図12に示すように、画素基板2は、回路基板としてのTFT(Thin Film Transistor)基板21と、TFT基板21の上方に行列状(マトリクス状)に配設された複数の画素電極22と、TFT基板21と画素電極22との間に設けられた複数の駆動電極COMLと、画素電極22と駆動電極COMLとを絶縁する絶縁層24と、を含む。TFT基板21の下側には、接着層(図示しない)を介して偏光板35Bが設けられている。なお、本明細書において、TFT基板21に垂直な方向において、TFT基板21から対向基板31に向かう方向を「上側」とする。また、対向基板31からTFT基板21に向かう方向を「下側」とする。
図13に示すように、TFT基板21は、画像を表示させるための表示領域10aと、表示領域10aの周囲に設けられた額縁領域10bとを有する。表示領域10aは、一対の長辺と短辺とを有する矩形状である。額縁領域10bは、表示領域10aの4辺を囲む枠状となっている。
複数の駆動電極COMLは、TFT基板21の表示領域10aに設けられており、表示領域10aの長辺に沿った方向及び短辺に沿った方向に、行列状に複数配列されている。それぞれの駆動電極COMLは、平面視で矩形状、又は正方形状である。駆動電極COMLは、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)等の透光性を有する導電性材料で構成されている。1つの駆動電極COMLに対応する位置に、複数の画素電極22が行列状に配置される。画素電極22は、駆動電極COMLよりも小さい面積を有している。なお、図13では一部の駆動電極COML及び画素電極22について示しているが、駆動電極COML及び画素電極22は表示領域10aの全域に亘って配置される。本実施形態では、表示動作、又は、相互静電容量方式によるタッチ検出の際に、行方向に複数配列された駆動電極COMLが接続回路18により互いに接続されて、ライン状の駆動電極ブロックCOMLAが構成される。また、本明細書では、行方向をX方向ともいい、列方向をY方向ともいう。
TFT基板21の額縁領域10bには、表示用IC19が配置されている。表示用IC19は、TFT基板21にCOG(Chip On Glass)実装されたチップである。表示用IC19は、例えば、制御部11(図1参照)を内蔵している。表示用IC19は、外部のホストIC(図示しない)から供給された映像信号Vdisp(図1参照)に基づいて、後述するゲート線GCL及びデータ線SGL等に制御信号を出力する。
また、TFT基板21の額縁領域10bには、後述のフレキシブル基板41(図22参照)が接続されて、表示用IC19と接続されている。配線51は、表示領域10aに配置された駆動電極COMLのそれぞれに接続され、額縁領域10bまで引き出されている。例えば、表示用IC19に内蔵された駆動電極ドライバ14(図1参照)は、額縁領域10bに配置された接続回路18と、配線51とを介して、複数の駆動電極COMLにそれぞれ接続される。
なお、図13に示すように、表示用IC19は、例えば、額縁領域10bの短辺側に配置されていてもよい。これによれば、額縁領域10bの長辺側に表示用IC19を設ける必要がなく、額縁領域10bの長辺側の幅を小さくすることができる。また、図13では、配線51が絶縁膜(図示しない)を介して駆動電極COMLの上側に配置されている場合を示しているが、本実施形態はこれに限定されない。本実施形態では、配線51は絶縁膜を介して駆動電極COMLの下側に配置されていてもよい。
図12に示すように、対向基板3は、対向基板31と、この対向基板31の一方の面に形成されたカラーフィルタ32とを含む。対向基板31の他方の面には、タッチセンサ30のタッチ検出電極TDLが設けられている。さらに、タッチ検出電極TDLの上方には、接着層(図示しない)を介して偏光板35Aが設けられている。また、対向基板31には図示しないフレキシブル基板が接続されている。フレキシブル基板は額縁配線を介してタッチ検出電極TDLと接続される。
図12に示すように、TFT基板21と対向基板31とは、所定の間隔を設けて対向して配置される。TFT基板21と対向基板31との間の空間に、表示機能層として液晶層6が設けられる。液晶層6は、電界の状態に応じてそこを通過する光を変調するものであり、例えば、FFS(フリンジフィールドスイッチング)を含むIPS(インプレーンスイッチング)等の横電界モードの液晶が用いられる。なお、図12に示す液晶層6と画素基板2との間、及び液晶層6と対向基板3との間には、それぞれ配向膜が配設されてもよい。
図14は、実施形態1に係る表示部の画素配列を表す回路図である。図15は、副画素の構成例を示す平面図である。図16は、図15のA1−A2線に沿う断面図である。図12に示すTFT基板21には、図14に示す各副画素SPixのスイッチング素子TrD、各画素電極22に画素信号Vpixを供給するデータ線SGL、各スイッチング素子TrDを駆動する駆動信号を供給するゲート線GCL等の配線が形成されている。データ線SGL及びゲート線GCLは、TFT基板21の表面と平行な平面に延在する。
図14に示す表示部20は、行列状に配列された複数の副画素SPixを有している。副画素SPixは、それぞれスイッチング素子TrD及び液晶素子LCを備えている。スイッチング素子TrDは、薄膜トランジスタにより構成されるものであり、この例では、nチャネルのMOS(Metal Oxide Semiconductor)型のTFTで構成されている。スイッチング素子TrDのソースはデータ線SGLに接続され、ゲートはゲート線GCLに接続され、ドレインは液晶素子LCの一端に接続されている。液晶素子LCの他端は、駆動電極ブロックCOMLAに含まれる駆動電極COMLに接続されている。また、画素電極22と駆動電極COMLとの間に絶縁層24(図11参照)が設けられ、これによって図14に示す保持容量Csが形成される。
副画素SPixは、ゲート線GCLにより、表示部20の同じ行に属する他の副画素SPixと互いに接続されている。ゲート線GCLは、ゲートドライバ12(図1参照)と接続され、ゲートドライバ12より走査信号Vscanが供給される。また、副画素SPixは、データ線SGLにより、表示部20の同じ列に属する他の副画素SPixと互いに接続されている。データ線SGLは、ソースドライバ13(図1参照)と接続され、ソースドライバ13より画素信号Vpixが供給される。駆動電極ブロックCOMLAに含まれる各駆動電極COMLは、駆動電極ドライバ14(図1参照)と接続され、駆動電極ドライバ14より駆動信号Vcomが供給される。
図15に示すように、ゲート線GCLとデータ線SGLとで囲まれた領域が副画素SPixである。副画素SPixは、画素電極22と駆動電極COMLとが重なる領域を含んで設けられる。複数の画素電極22は、それぞれスイッチング素子TrDを介してデータ線SGLと接続される。
図15に示すように、画素電極22は、複数の帯状電極22aと、連結部22bとを有する。帯状電極22aは、データ線SGLに沿って設けられ、ゲート線GCLに沿った方向に複数配列されている。連結部22bは帯状電極22aの端部同士を連結する。なお、画素電極22は、5本の帯状電極22aを有しているが、これに限定されず、4本以下又は6本以上の帯状電極22aを有していてもよい。例えば、画素電極22は、2本の帯状電極22aを有していてもよい。
図15に示すように、スイッチング素子TrDは、半導体層61、ソース電極62、ドレイン電極63及びゲート電極64を含む。また、半導体層61の下側に遮光層65が設けられている。
図16に示すように、遮光層65は基板121の上に設けられている。絶縁層58aは、遮光層65を覆って基板121の上に設けられている。絶縁層58aの上には半導体層61が設けられている。半導体層61の上側に絶縁層58bを介して、ゲート電極64(ゲート線GCL)が設けられている。ゲート電極64(ゲート線GCL)の上側に絶縁層58cを介してドレイン電極63及びソース電極62(データ線SGL)が設けられる。ドレイン電極63及びソース電極62(データ線SGL)の上側に絶縁層58dを介して配線51(図13参照)が設けられる。配線51の上側に絶縁層58eを介して、駆動電極COMLが設けられる。上述のように駆動電極COMLの上側に絶縁層24を介して画素電極22が設けられる。画素電極22の上には配向膜34が設けられる。また、配向膜33は、液晶層6を挟んで配向膜34と対向する。
図15及び図16に示すように、画素電極22は、コンタクトホールH11を介してスイッチング素子TrDのドレイン電極63と接続されている。半導体層61は、コンタクトホールH12を介してドレイン電極63に接続される。半導体層61は、平面視でゲート電極64と交差する。ゲート電極64はゲート線GCLに接続され、ゲート線GCLの一辺から突出して設けられている。半導体層61は、ソース電極62と重畳する位置まで延びて、コンタクトホールH13を介してソース電極62と電気的に接続される。ソース電極62は、データ線SGLに接続され、データ線SGLの一辺から突出している。なお、配線51は、データ線SGL及びゲート線GCLと異なる層に設けられ、スイッチング素子TrDと電気的に接続されていない。
半導体層61の材料としては、ポリシリコンや酸化物半導体などの公知の材料を用いることができる。例えばTAOS(Transparent Amorphous Oxide Semiconductor、透明アモルファス酸化物半導体)を用いることで、映像表示用の電圧を長時間保持する能力(保持率)が良く、表示品位を向上させることができる。
半導体層61において、ゲート電極64と重畳する部分にチャネル部(図示しない)が設けられている。遮光層65は、チャネル部と重なる位置に設けられ、チャネル部よりも大きい面積を有していることが好ましい。遮光層65を設けているので、例えばバックライトから半導体層61に入射する光が遮光される。
図1に示すゲートドライバ12は、ゲート線GCLを順次走査するように駆動する。ゲートドライバ12は、ゲート線GCLを介して、走査信号Vscan(図1参照)を副画素SPixのTFT素子Trのゲートに印加することにより、副画素SPixのうちの1行(1水平ライン)を表示駆動の対象として順次選択する。また、ソースドライバ13は、ゲートドライバ12によって選択された1水平ラインに属する副画素SPixに対して、図14に示すデータ線SGLを介して、画素信号Vpixを供給する。そして、副画素SPixでは、供給される画素信号Vpixに応じて1水平ラインずつ表示が行われる。この表示動作を行う際、駆動電極ドライバ14は、駆動電極COMLに表示用の駆動信号Vcomdcを印加する。これにより、各駆動電極COMLは、表示時には画素電極22に対する共通電極として機能する。
図12に示すカラーフィルタ32は、例えば、赤(R)、緑(G)、青(B)の3色に着色されたカラーフィルタの色領域が周期的に配列されている。上述した図14に示す各副画素SPixに、R、G、Bの3色の色領域32R、32G、32Bが1組として対応付けられ、3色の色領域32R、32G、32Bに対応する副画素SPixを1組として画素Pixが構成される。図12に示すように、カラーフィルタ32は、TFT基板21と垂直な方向において、液晶層6と対向する。なお、カラーフィルタ32は、異なる色に着色されていれば、他の色の組み合わせであってもよい。また、カラーフィルタ32は、3色の組み合わせに限定されず、4色以上の組み合わせであってもよい。
図14に示すように、本実施形態では、複数の駆動電極COMLを含む駆動電極ブロックCOMLAがゲート線GCLの延在方向と平行な方向に延在し、データ線SGLの延在方向と交差する方向に延びている。なお、駆動電極ブロックCOMLAはこれに限定されず、例えばデータ線SGLと平行な方向に延びていてもよい。
図12及び図13に示す駆動電極COMLは、表示部20の複数の画素電極22に対し共通の電位(基準電位)を与える共通電極として機能する。また、駆動電極COMLは、タッチセンサ30の相互静電容量方式によるタッチ検出を行う際の駆動電極としても機能する。また、駆動電極COMLは、タッチセンサ30の自己静電容量方式によるホバー検出を行う際の検出電極としても機能する。
図17は、実施形態1に係る表示パネルの駆動電極及びタッチ検出電極の構成例を表す斜視図である。タッチセンサ30は、画素基板2に設けられた駆動電極COMLと、対向基板3に設けられたタッチ検出電極TDLにより構成されている。複数の駆動電極COMLを含む駆動電極ブロックCOMLAは、図17の左右方向に延在する複数のストライプ状の電極パターンとして機能する。タッチ検出電極TDLは、駆動電極ブロックCOMLAの延在方向と交差する方向に延びる複数の電極パターンを含む。そして、タッチ検出電極TDLは、TFT基板21(図7参照)の表面に対する垂直な方向において、駆動電極ブロックCOMLAと対向している。タッチ検出電極TDLの各電極パターンは、検出部40の検出信号増幅部42の入力にそれぞれ接続される(図2参照)。駆動電極ブロックCOMLAの各駆動電極COMLとタッチ検出電極TDLの各電極パターンとの交差部分に、それぞれ静電容量が形成される。
タッチ検出電極TDL及び駆動電極ブロックCOMLAは、ストライプ状に複数に分割される形状に限られない。例えば、タッチ検出電極TDLは櫛歯形状等であってもよい。あるいはタッチ検出電極TDLは、複数に分割されていればよく、駆動電極COMLを分割するスリットの形状は直線であっても、曲線であってもよい。
タッチセンサ30では、相互静電容量方式のタッチ検出を行う際、駆動電極ドライバ14が駆動電極ブロックCOMLAごとに時分割的に順次走査するように駆動することにより、駆動電極ブロックCOMLAの駆動電極COMLが順次選択される。そして、タッチ検出電極TDLから検出信号Vdet1が出力されることにより、駆動電極ブロックCOMLAのタッチ検出が行われる。つまり、駆動電極ブロックCOMLAは、上述した相互静電容量方式のタッチ検出の基本原理における駆動電極E1に対応し、タッチ検出電極TDLは検出電極E2に対応する。タッチセンサ30は、この基本原理に従ってタッチ検出を行う。図17に示すように、互いに交差したタッチ検出電極TDL及び駆動電極ブロックCOMLAは、タッチ検出面を行列状に構成している。タッチセンサ30では、行列状に構成されたタッチ検出面が全体に亘って走査されることにより、外部からの導体の接触又は近接が生じた位置の検出が可能である。
表示装置1の動作方法の一例として、表示装置1は、検出動作(検出動作期間)と表示動作(表示動作期間)とを時分割に行う。表示装置1は、検出動作と表示動作とをどのように分けて行ってもよい。以下では、表示装置1が、表示部20の1フレーム期間(1F期間)、すなわち、一画面分の映像情報が表示されるのに要する時間の中において、検出動作と表示動作とをそれぞれ複数回に分割して行う方法について説明する。
図18は、1フレーム期間における表示動作期間と検出動作期間の配置の一例を表す模式図である。1フレーム期間(1F)は、2つの表示動作期間Pd1、Pd2及び2つの検出動作期間Pt1、Pt2からなる。これらの各期間は、時間軸上において、表示動作期間Pd1、検出動作期間Pt1、表示動作期間Pd2、検出動作期間Pt2のように交互に配置されている。
制御部11(図1参照)は、ゲートドライバ12とソースドライバ13とを介して、各表示動作期間Pd1、Pd2に選択される複数行の画素Pix(図14参照)に画素信号Vpixを供給する。なお、本実施形態において、駆動電極COMLは表示部20の共通電極を兼用する。このため、制御部11は、各表示動作期間Pd1、Pd2においては、駆動電極ドライバ14を介して選択される駆動電極COMLに、表示用の共通電極電位である表示用の駆動信号Vcomdcを供給する。
また、各検出動作期間Pt1、Pt2は、タッチ検出電極TDLと駆動電極COMLとの間の相互静電容量の変化に基づいてタッチ検出を行うタッチ検出期間、及び、駆動電極COMLの自己静電容量の変化に基づいてホバー検出を行うホバー検出期間、をそれぞれ有する。タッチ検出期間では、制御部11(図1参照)は、駆動電極ドライバ14を介して、各タッチ検出期間に選択される駆動電極COML(駆動電極ブロックCOMLA)(図17参照)に、検出用の駆動信号Vcomを供給する。検出部40は、タッチ検出電極TDLから供給される検出信号Vdet1に基づいて、タッチの有無及びタッチ入力位置の座標の演算を行う。
ホバー検出期間では、制御部11は、駆動電極ドライバ14を介して、各駆動電極COMLに検出用の駆動信号Vcomを供給する。検出部40は、各駆動電極COMLから供給される検出信号Vdet2に基づいて、ホバーの有無及びホバー入力位置の座標の演算を行う。
図18に示す例では、表示装置1は、1フレーム期間(1F)において1画面分の映像表示を2回に分けて行うが、1フレーム期間(1F)内の表示動作期間はさらに多くの回数に分けられていてもよい。検出動作期間についても、1フレーム期間(1F)中にさらに多くの回数が設けられていてもよい。
表示装置1は、検出動作期間Pt1、Pt2において、それぞれ一画面の半分ずつのタッチ検出を行ってもよく、また、それぞれ一画面分のタッチ検出を行ってもよい。また、表示装置1は、検出動作期間Pt1、Pt2において、必要に応じて間引き検出等を行ってもよい。また、表示装置1は、1フレーム期間(1F)中の表示動作とタッチ検出とを複数回に分けずに一回ずつ行ってもよい。
表示装置1は、検出動作期間Pt1、Pt2において、ゲート線GCL及びデータ線SGL(図14参照)を、電圧信号が供給されず、電気的にどことも接続されていない状態(ハイインピーダンス)としてもよい。また、後述するように、ゲート線GCL及びデータ線SGLには、検出用の駆動信号Vcomと同じ波形で、かつ駆動信号Vcomに同期したガード信号Vgdが供給されてもよい。これによれば、ゲート線GCL及びデータ線SGLと、検出用の駆動信号Vcomが供給される駆動電極COMLとの間に静電容量が生じることを防ぐことができるので、ホバー検出の感度を高めることができる。
図19及び図20は、表示装置が検出するホバーの一例を示す模式図である。図19及び図20では、被検出体CQとして、ユーザの手を例示している。表示装置1は、検出動作期間Pt1、Pt2のホバー検出期間において、表示面1aの上方に位置する被検出体CQの位置や高さを検出することが可能である。図19及び図20において、被検出体CQは、表示装置1の表示面1aに対して非存在状態又は非接触状態である。被検出体CQと表示面1aとの間は距離(高さ)D1離れている。また、表示面1a側に配置された駆動電極COML(図示しない)と被検出体CQとの間には静電容量C2が形成される。検出部40(図1参照)は、静電容量C2が形成される駆動電極COMLに検出用の駆動信号Vcomを供給する。そして、検出部40は、駆動電極COMLから出力される検出信号Vdet2に基づいて、被検出体CQの有無を検出する。
非接触状態では、被検出体CQと表示面1aとの距離D1が小さいほど、静電容量C2は大きくなる。そして、静電容量C2が大きいほど、検出信号Vdet2の差分の絶対値|ΔV|は大きくなる。このため、検出部40は、絶対値|ΔV|の大きさから距離D1を検出することができる。また、検出部40は、絶対値|ΔV|が所定の閾値以上である駆動電極COMLを特定することで、表示面1aにおいて、被検出体CQと対向する位置R1を検出することができる。これにより、表示装置1は、図20に示すように、表示面1aに沿って手を移動させるスワイプや、手によるジェスチャ等を検出することができる。
図21は、タッチ検出電極及び駆動電極の配置例を示す斜視図である。図21に示すように、タッチ検出電極TDLは、対向基板31の一方の面31a側の表示領域10aに設けられている。一方の面31aは、TFT基板21と対向する面の反対側である。タッチ検出電極TDLは、表示領域10aの列方向(Y方向)に延在し、表示領域10aの行方向(X方向)に複数配列されている。
タッチ検出電極TDLは、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)等の透光性を有する導電性材料で構成されている。また、タッチ検出電極TDLは、ITOに限定されず、例えば、金属材料を用いた金属細線等により構成されていてもよい。タッチ検出電極TDLの端部は、対向基板31の額縁領域10bの短辺側に設けられたフレキシブル基板41(後述の図22参照)に接続されている。
また、図21に示すように、対向基板31の一方の面31a側の額縁領域10bには、ガード電極TDL−Gが設けられている。例えば、ガード電極TDL−Gは、表示領域10aの長辺と短辺とに沿って連続して設けられている。表示装置1が自己静電容量方式でホバー検出を行う際に、ガード電極TDL−Gには、検出用の駆動信号Vcomと同じ波形で、かつ駆動信号Vcomと同期したガード信号Vgdが供給されてもよい。または、ガード電極TDL−Gは、ガード信号Vgdが供給される代わりに、電気的にどことも接続されていない状態(ハイインピーダンス)に設定されてもよい。これによれば、ガード電極TDL−Gと、検出用の駆動信号Vcomが供給される駆動電極COMLとの間に静電容量が生じることを防ぐことができるので、ホバー検出の感度を高めることができる。
複数の駆動電極COMLは、TFT基板21の一方の面21a側の表示領域10aに設けられている。例えば、一方の面21aは、対向基板31と対向する面の反対側である。表示装置1が相互静電容量方式によるタッチ検出を行う場合には、複数の駆動電極COMLが行方向に互いに接続されて、複数の駆動電極ブロックCOMLAが構成される。また、表示装置1が自己静電容量方式によるホバー検出を行う場合には、複数の駆動電極COMLが行方向(X方向)及び列方向(Y方向)に互いに接続されて、複数の駆動電極ブロックCOMLBが構成される。
また、図21に示すように、TFT基板21の一方の面21a側の額縁領域10bには、ガード電極COML−Gが設けられている。例えば、ガード電極COML−Gは、表示領域10aの長辺と短辺とに沿って連続して設けられており、表示領域10aを囲んでいる。表示装置1が自己静電容量方式でホバー検出を行う際に、ガード電極COML−Gには、検出用の駆動信号Vcomと同じ波形で、かつ駆動信号Vcomと同期したガード信号Vgdが供給されてもよい。または、ガード電極COML−Gは、電気的にどことも接続されていない状態(ハイインピーダンス)に設定されてもよい。これによれば、ガード電極TDL−Gと、駆動信号Vcomが供給される駆動電極COMLとの間に静電容量が生じることを防ぐことができるので、ホバー検出の感度を高めることができる。
なお、本実施形態では、TFT基板21の他方の面21b側に、裏面ガード電極29が設けられていてもよい。裏面ガード電極29は、TFT基板21の他方の面21bの一部を覆っていてもよいし、他方の面21bの全体を覆っていてもよい。また、裏面ガード電極29は、例えば、ITO等の透光性を有する導電性材料で構成されていてもよいし、図示しない金属フレーム等で構成されていてもよい。表示装置1が自己静電容量方式でホバー検出を行う際に、裏面ガード電極29には、検出用の駆動信号Vcomと同じ波形で、かつ駆動信号Vcomと同期したガード信号Vgdが供給されてもよい。または、裏面ガード電極29は、電気的にどことも接続されていない状態(ハイインピーダンス)に設定されてもよい。これによれば、裏面ガード電極29と、駆動信号Vcomが供給される駆動電極COMLとの間に静電容量が生じることを防ぐことができるので、ホバー検出の感度を高めることができる。
また、本実施形態では、表示装置1が自己静電容量方式でホバー検出を行う際に、検出用の駆動信号Vcomと同じ波形で、かつ駆動信号Vcomと同期したガード信号Vgdが、タッチ検出電極TDLに供給されてもよい。または、タッチ検出電極TDLは、電気的にどことも接続されていない状態(ハイインピーダンス)に設定されてもよい。これによれば、タッチ検出電極TDLと、駆動信号Vcomが供給される駆動電極COMLとの間に静電容量が生じることを防ぐことができるので、ホバー検出の感度を高めることができる。
図22は、駆動電極と配線との接続の一例を示す図である。図23は、図22をA3−A4線で切断した断面図である。図24は、ライン状の駆動電極ブロックの構成例を示す図である。図25は、正方形状の駆動電極ブロックの構成例を示す図である。図22に示すように、複数の駆動電極COMLは、行方向(X方向)及び列方向(Y方向)にそれぞれ並んで配置されており、複数の行と、複数の列とを構成している。図22は、複数の駆動電極COMLが、8行8列を構成するように配置されている場合を例示している。
複数の配線51の各々は行方向に延設されており、複数の駆動電極COMLの各行にそれぞれ接続されている。例えば、1本の配線51は、行方向に延設された4本の配線51aから51dを含む。4本の配線51aから51dは、絶縁層24(図16参照)に設けられたコンタクトホールH1を介して、各行の駆動電極COMLにそれぞれ接続されている。具体的には、1行目の駆動電極COMLでは、接続回路18側から見て、1番目と2番目の駆動電極COMLは配線51aにそれぞれ接続され、3番目と4番目の駆動電極COMLは配線51bにそれぞれ接続され、5番目と6番目の駆動電極COMLは配線51cにそれぞれ接続され、7番目と8番目の駆動電極COMLは配線51dに接続されている。他の行の駆動電極COMLでも、配線51aから51dは1行目と同様に接続されている。
配線51aから51dは、同一の導電材で構成されており、同一の膜厚を有する。例えば、配線51aから51dは、同一プロセスで同時に形成されたものであり、図23に示すように、同一の絶縁層58d上(図16参照)に形成されている。
図22に示すように、複数の配線51は接続回路18にそれぞれ接続されている。接続回路18は、例えば、入出力可能なチャネル数が16以上であるマルチプレクサを含む。接続回路18は、検出用データ線SL1からSL16を有する。検出用データ線SL1からSL16は、検出用IC49に接続されている。接続回路18は、TFT基板21の額縁領域10b(図13参照)に形成されている。または、接続回路18は、表示用IC19に内蔵されていてもよい。
接続回路18は、駆動電極ドライバ14から送信される制御信号に基づいて、駆動電極COMLと配線51との接続を切り替える。これにより、接続回路18は、図24に示すように、複数の駆動電極COMLを行方向に接続して駆動電極ブロックCOMLAを構成したり、図25に示すように、複数の駆動電極COMLを行方向及び列方向に接続して駆動電極ブロックCOMLBを構成したりすることができる。なお、図25では複数の駆動電極COMLを行方向及び列方向の両方で接続して駆動電極ブロックCOMLBを構成したが、これに限定されない。例えば、複数の駆動電極COMLを列方向に接続して駆動電極ブロックCOMLBを構成してもよい。駆動電極ブロックCOMLAを構成する際は、行方向に複数の駆動電極COMLを接続し、駆動電極ブロックCOMLBを構成する際は、列方向に複数の駆動電極COMLを接続してもよい。
図26は、接続回路の構成例を示す図である。図26に示すように、接続回路18は、複数のスイッチング素子SW11からSW18、SW21からSW24を備える。スイッチング素子SW11からSW18、SW21からSW24は、複数の配線51にそれぞれ接続されており、複数の配線51のうちの一方の配線と他方の配線との間を接続し、又は遮断する。駆動電極COML間の接続は、スイッチング素子SW11からSW18、SW21からSW24により、接続又は非接続のいずれかに切り替え可能になっている。
スイッチング素子SW11からSW18がオンで、スイッチング素子SW21からSW24がオフのとき、複数の駆動電極COMLは行方向で互いに接続されて、駆動電極ブロックCOMLA(図24参照)が構成される。例えば、隣り合う8個の駆動電極ブロックCOMLAが行方向に接続されて、1本の駆動電極ブロックCOMLAが構成される。図24は、本実施形態の一例として、行方向及び列方向にそれぞれ等間隔で並ぶ64個の駆動電極COMLから、8本の駆動電極ブロックCOMLAが構成される場合を示している。8本の駆動電極ブロックCOMLAは、列方向に等間隔で並んでいる。8本の駆動電極ブロックCOMLAは、スイッチング素子SW11からSW18を介して、検出用データ線SL1からSL8にそれぞれ接続される。
一方、スイッチング素子SW11からSW18がオフで、スイッチング素子SW21からSW24がオンのとき、複数の駆動電極COMLは行方向及び列方向で互いに接続されて、駆動電極ブロックCOMLB(図25参照)が構成される。例えば、行方向及び列方向で隣り合う駆動電極COMLが互いに接続されて、4個の駆動電極COMLから1個の駆動電極ブロックCOMLBが構成される。図25では、64個の駆動電極COMLから、16個の駆動電極ブロックCOMLBが構成される。駆動電極ブロックCOMLBの平面視による形状は、矩形又は正方形である。16個の駆動電極ブロックCOMLBは、行方向及び列方向にそれぞれ等間隔で並んでいる。16個の駆動電極ブロックCOMLBは、スイッチング素子SW21からSW24を介して、検出用データ線SL1からSL16にそれぞれ接続される。
次に、実施形態1に係る検出動作の具体例について説明する。図27は、実施形態1に係る検出動作の手順を示すフローチャートである。図28は、表示装置の動作例を示すタイミング波形図である。図29は、実施形態1に係る閾値の一例を示す図である。図29の横軸は、駆動電極ブロックCOMLBの位置を示す。図29の縦軸は、信号強度を示す。信号強度は、駆動電極ブロックCOMLBから出力される検出信号Vdet2の差分(絶対値|ΔVB|)である。また、図29の縦軸のCL1は、駆動電極ブロックCOMLBを検出電極とするホバー検出の閾値である。図29の縦軸のCLAは、相互静電容量方式によるタッチ検出を行う必要があるかどうかを判断するための閾値である。閾値CLAの値は、閾値CL1の値と同じ又は閾値CL1よりも大きい(CLA≧CL1)。図30は、ホバー検出による被検出体の検出位置の一例を示す図である。図30は、複数の駆動電極ブロックCOMLB(B11からB14、B21からB24、B31からB34、B41からB44)のうち、駆動電極ブロックCOMLB(B22)から出力される検出信号Vdet2の差分|ΔVB|が、閾値CL1以上で、かつ、閾値CLA以上ある場合を例示している。
図28に示すように、本実施形態では、検出動作期間Pt1及びPt2は、自己静電容量方式によるホバー検出期間と、相互静電容量方式によるタッチ検出期間とをそれぞれ含む。図27に示すステップST1は表示動作期間Pd1又はPd2に対応し、ステップST2、ST3は検出動作期間Pt1又はPt2におけるホバー検出期間に対応し、ステップST4は検出動作期間Pt1又はPt2におけるタッチ検出期間に対応している。
図27のステップST1では、制御部11(図1参照)が、ゲートドライバ12(図1参照)、ソースドライバ13(図1参照)及び駆動電極ドライバ14(図1参照)を介して、表示部20(図1参照)に表示データの書き込みを行う。具体的には、駆動電極ドライバ14は、接続回路18(図26参照)に制御信号を送信して、スイッチング素子SW11からSW18をオンにし、スイッチング素子SW21からSW24をオフにする。これにより、複数の駆動電極COMLは、複数の駆動電極ブロックCOMLAを構成する。また、駆動電極ドライバ14は、接続回路18の検出用データ線SL1からSL16に、表示用の共通電極電位である表示用の駆動信号Vcomdcを供給する。これにより、駆動電極ブロックCOMLAの電位は、表示用の駆動信号Vcomdcに固定される。この状態で、ゲートドライバ12はゲート線GCL1、GCL2、GCL3、…に制御信号を順次出力し、ソースドライバ13はデータ線SGL1、SGL2、SGL3、…に画素信号Vpixを順次出力する。このようにして、制御部11は、表示動作期間Pd1に選択される複数行の画素Pix(図14参照)に画素信号Vpixを順次供給して、表示データの書き込みを行う。
次に、図27のステップST2では、駆動電極ドライバ14及び検出部40(図1参照)が、ホバー検出を行う。ホバー検出は、駆動電極ブロックCOMLBを検出電極とする自己静電容量方式で行われる。具体的には、駆動電極ドライバ14は、接続回路18(図26参照)に制御信号を送信して、スイッチング素子SW11からSW18をオフにし、スイッチング素子SW21からSW24をオンにする。これにより、図25に示したように、複数の駆動電極COMLは、複数の駆動電極ブロックCOMLB(B11からB14、B21からB24、B31からB34、B41からB44)を構成する。この状態で、駆動電極ドライバ14は、接続回路18の検出用データ線SL1からSL16に、検出用の駆動信号Vcomを供給する。例えば、駆動電極ドライバ14は、検出用データ線SL1からSL16に、検出用の駆動信号Vcomを同じ波形で且つ同期して供給する。これにより、各駆動電極ブロックCOMLBの静電容量変化に基づく検出信号Vdet2が、各駆動電極ブロックCOMLBから同時に出力される。
検出部40は、複数の駆動電極COMLBから出力される検出信号Vdet2を、検出用データ線SL1からSL16を介してそれぞれ取得する。そして、検出部40は、取得した検出信号Vdet2に基づく演算処理を行い、演算処理の結果から、ホバー検出における被検出体の有無を判断する。例えば、図27に示したステップST2において、複数の駆動電極ブロックCOMLB(B11からB14、B21からB24、B31からB34、B41からB44)から出力される検出信号Vdet2の差分|ΔVB|が、図29に示す閾値CL1とそれぞれ比較される。この比較は、例えば、検出部40の信号処理部44(図2参照)が行う。
複数の駆動電極ブロックCOMLBからそれぞれ出力される検出信号Vdet2の1つ以上について、検出信号Vdet2の差分|ΔVB|が閾値CL1以上であれば、信号処理部44は、ホバー検出において被検出体が検出されたと判断する。その場合、検出部40の座標抽出部45(図2参照)は、閾値CL1以上の差分|ΔVB|を出力した駆動電極ブロックCOMLBの位置を、被検出体の位置として検出する。図29及び図30に示す例では、信号処理部44は、駆動電極ブロックCOMLB(B22)において、被検出体が検出されたと判断する。座標抽出部45は、表示パネル10における駆動電極ブロックCOMLB(B22)の位置を、ホバー検出における被検出体の位置として検出する。一方、複数の駆動電極ブロックCOMLBから出力される各検出信号Vdet2の差分|ΔVB|が全て閾値CL1未満であれば、信号処理部44は、ホバー検出において被検出体は検出されないと判断する。
次に、図27のステップST3では、検出部40は、ホバー検出(ステップST2)で取得した検出信号Vdet2に基づいて、相互静電容量方式によるタッチ検出を行う必要があるかどうかを判断する。つまり、検出部40は、相互静電容量方式によるタッチ検出を行った場合に被検出体を検出できるかどうかを、ホバー検出の検出結果に基づいて予測する。そして、検出部40は、タッチ検出で被検出体を検出できると予測される場合に、タッチ検出を行う。
具体的には、検出部40の信号処理部44(図2参照)は、複数の駆動電極ブロックCOMLBごとに、検出信号Vdet2の差分|ΔVB|を閾値CLAと比較する。そして、複数の駆動電極ブロックCOMLBからそれぞれ出力される検出信号Vdet2の1つ以上について、検出信号Vdet2の差分|ΔVB|が閾値CLA以上であれば、信号処理部44は、相互静電容量方式によるタッチ検出を行う必要があると判断する。図29及び図30に示す例では、駆動電極ブロックCOMLB(B22)において被検出体が閾値CLA以上の強度で検出されているため、信号処理部44は、相互静電容量方式によるタッチ検出を行う必要があると判断する。一方、全ての駆動電極ブロックCOMLBから出力される各検出信号Vdet2の差分|ΔVB|が閾値CLA未満であれば、信号処理部44は、相互静電容量方式によるタッチ検出を行う必要はないと判断する。
信号処理部44が相互静電容量方式によるタッチ検出を行う必要があると判断する場合(ステップST3;Yes)は、図27のステップST4へ進む。また、信号処理部44が相互静電容量方式によるタッチ検出を行う必要はないと判断する場合(ステップST3;No)は、ステップST1へ戻る。このように、信号処理部44は、ステップST3において、相互静電容量方式によるタッチ検出(ステップST4)の要、不要を予め判断する。これにより、タッチ検出が不要と判断されるときは、検出部40は、ステップST4の検出動作を省くことができ、タッチ検出に要する電力使用量を削減することができる。また、検出部40は、ステップST4を省いた分だけ、ホバー検出(ステップST2)の実行回数を増やすことができる。
図27のステップST4では、駆動電極ドライバ14及び検出部40が、相互静電容量方式によるタッチ検出を行う。具体的には、駆動電極ドライバ14は、接続回路18のスイッチング素子SW11からSW18をオンにし、スイッチング素子SW21からSW24をオフにする。これにより、複数の駆動電極COMLは、複数の駆動電極ブロックCOMLAを構成する。この状態で、駆動電極ドライバ14は、接続回路18の検出用データ線SL1からSL16に、検出用の駆動信号Vcomを供給する。例えば、駆動電極ドライバ14は、検出用データ線SL1からSL16に同じ波形の検出用の駆動信号Vcomをそれぞれ異なるタイミングで供給する。これにより、各駆動電極ブロックCOMLAとタッチ検出電極TDLとの間の静電容量変化に基づいて、タッチ検出電極TDLから検出信号Vdet1が順次出力される。検出部40は、複数のタッチ検出電極TDLからそれぞれ出力される検出信号Vdet1を、検出用データ線SL1からSL16を介して取得する。そして、検出部40は、取得した検出信号Vdet1に基づく演算処理を行い、演算処理の結果から、タッチ検出における被検出体の有無を判断する。図28は、複数のタッチ検出電極TDL1、TDL2、…のうち、タッチ検出電極TDL1から検出信号Vdet1が出力された場合を例示している。
ステップST4の後は、ステップST1に戻り、表示動作期間Pd2となる。また、表示動作期間Pd2の後に、検出動作期間Pt2が続く。
なお、図18において、1フレーム期間の検出動作期間Pt1でホバー検出又はタッチ検出により被検出体が検出された場合、その検出結果を反映した表示データが、例えば次の1フレーム期間の表示動作期間Pd2で、表示部20に書き込まれる。同様に、1フレーム期間の検出動作期間Pt2でホバー検出又はタッチ検出により被検出体が検出された場合、その検出結果を反映した表示データが、例えば次の1フレーム期間の表示動作期間Pd1で表示部20に書き込まれる。
以上説明したように、実施形態1に係る表示装置1は、行方向と列方向とにそれぞれ並んで配置された複数の駆動電極COMLと、駆動電極COMLと対向する側に配置され、列方向に延設された複数のタッチ検出電極TDLと、駆動電極COMLとタッチ検出電極TDLとの間の容量変化に応じてタッチ検出電極TDLから出力される検出信号Vdet1、又は、駆動電極COMLの容量変化に応じて駆動電極COMLから出力される検出信号Vdet2を受け取る検出部40と、接続回路18と、を備える。接続回路18は、検出部40が検出信号Vdet1を受け取る期間において、複数の駆動電極COMLの各々を行方向で互いに接続させて駆動電極ブロックCOMLAを形成する。また、接続回路18は、検出部40が検出信号Vdet2を受け取る期間において、少なくとも2つ以上の駆動電極COMLの各々を少なくとも列方向で互いに接続させて、第2駆動電極ブロックCOMLBを形成する。例えば、接続回路18は、少なくとも2つ以上の駆動電極COMLの各々を行方向及び列方向で互いに接続させて、第2駆動電極ブロックCOMLBを形成する。第2駆動電極ブロックCOMLBは、列方向に並ぶ駆動電極COMLの数が駆動電極ブロックCOMLAよりも多い。
これによれば、タッチ検出の際に、駆動電極ドライバ14は駆動電極ブロックCOMLAに含まれる複数の駆動電極COMLに駆動信号Vcomを順次供給し、検出部40はタッチ検出電極TDLから出力される検出信号Vdet1に基づいてタッチ入力を検出する。これにより、駆動電極ブロックCOMLAの配列ピッチに応じた検出精度でタッチ検出を実行できる。一方、ホバー検出において、駆動電極ドライバ14は、検出電極ブロックCOMLBに含まれる複数の駆動電極COMLに同時にまとめて駆動信号Vcomを供給する。検出部40は、1つの検出電極ブロックCOMLBからまとめて出力された検出信号Vdet2に基づいて、ホバー検出を行うことができる。これにより、検出電極ブロックCOMLBから発生する電界の電気力線が、表示面からより離れた位置まで到達する。したがって、表示装置1は、ホバー検出における検出感度を高めることができ、非接触状態における被検出体を良好に検出することができる。
これにより、表示装置1は、タッチ検出とホバー検出とで駆動電極COMLを共用しつつ、精度よくタッチ検出を行うとともに、良好にホバー検出を行うことができる。
また、駆動電極ドライバ14は、接続回路18を介して、選択された配線51に検出用の駆動信号Vcomを供給する。また、駆動電極COMLから出力される検出信号Vdet2は、接続回路18を介して検出部40に出力される。接続回路18が複数の配線51と検出用データ線SL1からSL16との間に介在することで、複数の駆動電極COML間の接続の切り換えを簡便にすることができる。
実施形態1では、行方向が本発明の「第1方向」に対応し、列方向が本発明の「第2方向」に対応している。また、駆動電極COMLが本発明の「第1電極」に対応し、タッチ検出電極TDLが本発明の「第2電極」に対応している。また、検出信号Vdet1が本発明の「第1検出信号」に対応し、検出信号Vdet2が本発明の「第2検出信号」に対応している。また、駆動電極ブロックCOMLAが本発明の「第1駆動電極ブロック」に対応し、駆動電極ブロックCOMLBが本発明の「第2駆動電極ブロック」に対応している。また、駆動電極ドライバ14が本発明の「駆動回路」に対応している。また、画素基板2が本発明の「基板」に対応している。また、駆動電極COMLと、タッチ検出電極TDLと、検出部40と、接続回路18とを備える装置が、本発明の「検出装置」に対応している。本発明の「表示装置」は、検出装置と、表示領域10aと額縁領域10bとを有する画素基板2と、表示領域10aに画像を表示するための液晶層6と、を備え、表示領域10aに駆動電極COMLが形成されている。
(実施形態1の変形例)
実施形態1では、ホバーを検出するために、駆動電極ブロックCOMLBから出力される検出信号Vdet2の差分|ΔVB|に対して、閾値CL1(図29参照)が設定されることについて説明した。しかしながら、実施形態1において、差分|ΔVB|に対する閾値は1つに限定されるものではなく、2つ以上あってもよい。実施形態1の変形例では、差分|ΔVB|に対する閾値が2つ以上設定される場合について説明する。
図31は、実施形態1の変形例に係るホバー検出の閾値の一例を示す図である。図32は、表示パネルに表示される画像の一例を示す図である。図31に示す2つのグラフgr11、gr12において、横軸は駆動電極ブロックCOMLBの位置を示し、縦軸は信号強度を示す。信号強度は、駆動電極ブロックCOMLBから出力される検出信号Vdet2の差分(絶対値|ΔVB|)である。図31の縦軸に示すように、実施形態1の変形例では、ホバー検出の閾値として、閾値CL1と、閾値CL1よりも値が小さい閾値CL2とが設定されている(CL1>CL2)。
以下、実施形態1の変形例について、具体的に説明する。実施形態1の変形例では、図27に示したステップST2において、複数の駆動電極ブロックCOMLB(B11からB14、B21からB24、B31からB34、B41からB44)から出力される検出信号Vdet2の差分|ΔVB|が、閾値CL1及び閾値CL2とそれぞれ比較される。この比較は、例えば、検出部40の信号処理部44(図2参照)が行う。複数の駆動電極ブロックCOMLBからそれぞれ出力される検出信号Vdet2の1つ以上について、検出信号Vdet2の差分|ΔVB|が閾値CL1以上であれば、信号処理部44は、ホバー検出において被検出体CQが検出されたと判断する。また、検出部40の座標抽出部45(図2参照)は、閾値CL1以上の差分|ΔVB|を出力した駆動電極ブロックCOMLBの位置を、被検出体CQの位置として検出する。一方、複数の駆動電極ブロックCOMLBから出力される各検出信号Vdet2の差分|ΔVB|が全て閾値CL2未満であれば、信号処理部44は、ホバー検出において被検出体CQは検出されないと判断する。
図31のグラフgr11に示すように、複数の駆動電極ブロックCOMLBから出力される各検出信号Vdet2の差分|ΔVB|が全て閾値CL1未満で、且つ、各差分|ΔVB|のうちの1つ以上が閾値CL2以上である場合も、信号処理部44はホバー検出において被検出体CQは検出されないと判断する。図31のグラフgr11は、駆動電極ブロックCOMLB(B22)から出力される検出信号Vdet2の差分|ΔVB|が、閾値CL1未満で、且つ閾値CL2以上である場合を例示している。
図31のグラフgr11で示す場合は、制御部11(図1参照)は、図32の画像dim1に示すように、ユーザに手を近づけるよう誘導する案内(例えば、Bring hand closer)を表示パネル10に表示させる。この案内は、画像ではなく、表示装置1(図1参照)に内蔵されたスピーカ等からの音声でもよく、画像と音声の両方でもよい。この案内を受けて、ユーザは手をタッチセンサ30に近づける可能性がある。手がタッチセンサ30に近づき、図31のgr12に示すように、駆動電極ブロックCOMLBから出力される検出信号Vdet2の差分|ΔVB|の強度が閾値CL1以上となれば、信号処理部44は、ホバー検出において被検出体CQが検出されたと判断する。その結果、ホバー入力が可能となる。図32の画像dim2は、ホバー入力の一例として、ユーザが手を表示パネル10に接触させることなく上下左右方向に動かすと、表示パネル10に表示されている地図が手の動きに応じて上下左右方向にスクロールする場合を示している。
なお、本変形例においても、図27に示したステップST2からステップST3へ進んでよい。図27に示したステップST3では、駆動電極ブロックCOMLBから出力される検出信号Vdet2の差分|ΔVB|が、閾値CLAと比較される。図31のgr12に示す例では、ホバー検出において被検出体は検出されているが、各駆動電極ブロックCOMLBから出力される検出信号Vdet2の差分|ΔVB|はいずれも閾値CLA未満である。このため、図31のgr12に示す例では、信号処理部44は、相互静電容量方式によるタッチ検出を行う必要はないと判断する。
(実施形態2)
実施形態1では、制御部11がホバー検出を行う際に、行方向及び列方向にそれぞれ2個ずつ、計4個の駆動電極COMLを接続して、駆動電極ブロックCOMLBを構成することについて説明した。しかしながら、本実施形態において、ホバー検出を行う際の駆動電極COMLの接続数は4個に限定されるものではない。本実施形態は、ホバー検出を行う際に5個以上の駆動電極COMLを接続して1個の駆動電極ブロックを構成してもよい。
また、本実施形態では、制御部11がホバー検出を行う際に、1個の駆動電極ブロックを構成する駆動電極COMLの数を変更してもよい。これにより、駆動電極ブロックの電極サイズが変更される。例えば、制御部11は、接続回路18Aを介して、複数個の駆動電極COML間の接続を切り替えることによって、1個の駆動電極ブロックを構成する駆動電極COMLの数を変更してもよい。
図33及び図34は、実施形態2に係る駆動電極ブロックの構成例を示す図である。本発明の実施形態2では、制御部11が自己静電容量方式でホバー検出を行う際に、制御部11が行方向及び列方向にそれぞれ4個ずつ、計16個の駆動電極COMLを互いに接続して、図33及び図34に示すように、駆動電極ブロックCを構成する。駆動電極ブロックCの平面視による形状は、例えば正方形又は矩形である。駆動電極ブロックCOMLBよりも、駆動電極ブロックCOMLCの方が、駆動電極COMLの構成数が多く、構成数の多さに応じて電極サイズも大きい。例えば、駆動電極ブロックCOMLCは、4個の駆動電極ブロックCOMLBを有し、駆動電極ブロックCOMLBの4倍の電極サイズである。このため、駆動電極ブロックCOMLCは、駆動電極ブロックCOMLBよりも、検出信号Vdet2の差分|ΔV|が大きく、検出感度が高いため、表示パネル10から見てより高い位置にある被検出体をホバー検出で検出することができる。
図35は、実施形態2に係る接続回路の構成例を示す図である。図35に示すように、実施形態2に係る接続回路18Aは、複数のスイッチング素子SW11からSW18、SW21からSW24、SW31からSW34を備える。スイッチング素子SW11からSW18、SW21からSW24、SW31からSW34は、配線51にそれぞれ接続されている。駆動電極COML間の接続は、スイッチング素子SW11からSW18、SW21からSW24、SW31からSW34により切り替え可能になっている。
実施形態1で説明したように、スイッチング素子SW11からSW18がオンで、スイッチング素子SW21からSW24がオフのとき、複数の駆動電極COMLは行方向で互いに接続されて、駆動電極ブロックCOMLA(図24参照)が構成される。また、スイッチング素子SW11からSW18がオフで、スイッチング素子SW21からSW24がオンのとき、複数の駆動電極COMLは行方向及び列方向で互いに接続されて、駆動電極ブロックCOMLB(図25参照)が構成される。
また、実施形態2では、スイッチング素子SW11からSW18がオフで、スイッチング素子SW21からSW24、SW31からSW34がオンのとき、複数の駆動電極COMLは行方向及び列方向で互いに接続されて、駆動電極ブロックCOMLC(図34参照)が構成される。例えば、行方向及び列方向で隣り合う駆動電極COMLが互いに接続されて、16個の駆動電極COMLから1個の駆動電極ブロックCOMLCが構成される。図35では、64個の駆動電極COMLから、4個の駆動電極ブロックCOMLCが構成される。駆動電極ブロックCOMLCの平面視による形状は、矩形又は正方形である。4個の駆動電極ブロックCOMLCは、スイッチング素子SW21からSW24、SW31からSW34を介して、例えば、検出用データ線SL1、SL3、SL9及びSL10にそれぞれ接続される。
次に、実施形態2に係る検出動作の具体例について説明する。図36は、実施形態2に係る検出動作の手順を示すフローチャートである。図37は、第1ホバー検出、第2ホバー検出及びタッチ検出における表示装置と被検出体との関係を模式的に示す説明図である。図28に示したように、実施形態2においても、検出動作期間Pt1及びPt2は、自己静電容量方式によるホバー検出期間と、相互静電容量方式によるタッチ検出期間とを含む。ステップST11は表示動作期間Pd1又はPd2に対応し、ステップST12、ST13は検出動作期間Pt1又はPt2における第1ホバー検出期間に対応し、ステップST14、ST15は検出動作期間Pt1又はPt2における第2ホバー検出期間に対応し、ステップST16は検出動作期間Pt1又はPt2におけるタッチ検出期間に対応している。
図36に示すステップST11では、実施形態1のステップST1と同様に、制御部11(図1参照)が、ゲートドライバ12(図1参照)、ソースドライバ13(図1参照)及び駆動電極ドライバ14(図1参照)を介して、表示パネル10(図1参照)に表示データの書き込みを行う。
次に、ステップST12では、駆動電極ドライバ14及び検出部40(図1参照)が、第1ホバー検出を行う。図37に示すように、第1ホバー検出(ステップST12)において、被検出体CQは、表示装置1の表示面1aに対して非存在状態又は非接触状態である。被検出体CQと表示面1aとは距離D11離れて配置される。また、被検出体CQと駆動電極COML(図示しない)との間に静電容量C2aが形成される。
第1ホバー検出は、駆動電極ブロックCOMLCを検出電極とする自己静電容量方式で行われる。具体的には、駆動電極ドライバ14は、接続回路18A(図35参照)に制御信号を送信して、スイッチング素子SW11からSW18をオフにし、スイッチング素子SW21からSW24、SW31からSW34をオンにする。これにより、図34に示したように、複数の駆動電極COMLは、複数の駆動電極ブロックC(C11、C12、C21、C22)を構成する。この状態で、駆動電極ドライバ14は、接続回路18の検出用データ線SL1、SL3、SL9及びSL10に、検出用の駆動信号Vcomを供給する。
例えば、駆動電極ドライバ14は、検出用データ線SL1、SL3、SL9及びSL10に、検出用の駆動信号Vcomを同じ波形で且つ同期して供給する。これにより、各駆動電極COMLCの静電容量変化に基づく検出信号Vdet2が、各駆動電極ブロックCOMLCから同時に出力される。
検出部40は、複数の駆動電極COMLCから出力される検出信号Vdet2を、検出用データ線SL1、SL3、SL9及びSL10を介してそれぞれ取得する。ステップST12では、検出部40は、取得した検出信号Vdet2に基づく演算処理を行い、演算処理の結果から第1ホバー検出における被検出体の有無を判断する。
図38は、実施形態2に係る閾値の一例を示す図である。図38の横軸は、駆動電極ブロックCOMLCの位置を示す。図38の縦軸は、信号強度を示す。信号強度は、駆動電極ブロックCOMLCから出力される検出信号Vdet2の差分(絶対値|ΔVC|)である。図38の縦軸のCL3が、駆動電極ブロックCOMLCを検出電極とする第1ホバー検出の閾値である。また、図38の縦軸のCLBは、駆動電極ブロックCOMLBを検出電極とする第2ホバー検出を行う必要があるかどうかを判断するための閾値である。閾値CLBの値は、閾値CL3の値と同じ又は閾値CL3の値よりも大きい(CLB≧CL3)。図39は、第1ホバー検出による被検出体の検出位置の一例を示す図である。図38及び図39に示す第1ホバー検出では、複数の駆動電極ブロックCOMLC(C11、C12、C21、C22)のうち、駆動電極ブロックCOMLC(C11)から出力される検出信号Vdet2の差分|ΔVC|に基づいて、被検出体が検出された場合を例示している。
検出部40の信号処理部44(図2参照)は、複数の駆動電極ブロックCOMLCごとに、検出信号Vdet2の差分|ΔVC|を所定の閾値CL3と比較する。例えば、図38及び図39に示すように、複数の駆動電極ブロックCOMLCからそれぞれ出力される検出信号Vdet2の1つ以上について、検出信号Vdet2の差分|ΔVC|が閾値CL3以上であれば、信号処理部44は、第1ホバー検出において被検出体が検出されたと判断する。図38及び図39に示す例では、信号処理部44は、駆動電極ブロックCOMLC(C11)において被検出体が検出されたと判断する。この場合、検出部40の座標抽出部45(図2参照)は、表示パネル10における駆動電極ブロックCOMLC(C11)の位置を、第1ホバー検出における被検出体CQの位置として検出する。一方、全ての駆動電極ブロックCOMLCから出力される各検出信号Vdet2の差分|ΔVB|が閾値CL3未満であれば、信号処理部44は第1ホバー検出において被検出体は検出されないと判断する。
次に、図27のステップST13では、検出部40は、第1ホバー検出(ステップST12)で取得した検出信号Vdet2に基づいて、第2ホバー検出を行う必要があるかどうかを判断する。つまり、検出部40は、第2ホバー検出を行った場合に被検出体を検出できるかどうかを、第1ホバー検出の検出結果に基づいて予測する。そして、検出部40は、第2ホバー検出で被検出体を検出できると予測される場合に、第2ホバー検出を行う。
具体的には、検出部40の信号処理部44(図2参照)は、複数の駆動電極ブロックCOMLCごとに、検出信号Vdet2の差分|ΔVC|を閾値CLBと比較する。そして、複数の駆動電極ブロックCOMLCからそれぞれ出力される検出信号Vdet2の1つ以上について、検出信号Vdet2の差分|ΔVC|が閾値CLB以上であれば、信号処理部44は、第2ホバー検出を行う必要があると判断する。図38及び図39に示す例では、駆動電極ブロックCOMLC(C11)において被検出体CQが閾値CLB以上の強度で検出されているため、信号処理部44は、相互静電容量方式による第2ホバー検出を行う必要があると判断する。一方、全ての駆動電極ブロックCOMLBから出力される各検出信号Vdet2の差分|ΔVC|が閾値CLB未満であれば、信号処理部44は、第2ホバー検出を行う必要はないと判断する。
信号処理部44が第2ホバー検出を行う必要があると判断する場合(ステップST13;Yes)は、ステップST14へ進む。また、信号処理部44が第2ホバー検出を行う必要はないと判断する場合(ステップST13;No)は、ステップST11へ戻る。
ステップST14では、駆動電極ドライバ14及び検出部40(図1参照)が第2ホバー検出を行う。図37に示すように、第2ホバー検出(ステップST14)において、被検出体CQは、表示装置1の表示面1aに対して非接触状態であるが、第1ホバー検出の場合よりも表示面1aに対して近づいている。被検出体CQと表示面1aとは距離D12離れて配置される。距離D12は距離D11よりも小さい。また、被検出体CQと駆動電極COML(図示しない)との間に静電容量C2bが形成される。静電容量C2bは、静電容量C2aよりも大きい値となる。
第2ホバー検出は、実施形態1のステップST2と同様に、駆動電極ブロックCOMLBを検出電極とする自己静電容量方式で行われる。具体的には、駆動電極ドライバ14は、接続回路18A(図35参照)に制御信号を送信して、スイッチング素子SW11からSW18をオフにし、スイッチング素子SW21からSW24をオンにし、スイッチング素子SW31からSW34をオフにする。これにより、1個の駆動電極ブロックCOMLCは、電気的に互いに分離した、4個の駆動電極ブロックCOMLBに分割される。この状態で、駆動電極ドライバ14は、接続回路18Aの検出用データ線SL1からSL16に、検出用の駆動信号Vcomを供給する。これにより、各駆動電極ブロックCOMLBの静電容量変化に基づく検出信号Vdet2が、各駆動電極ブロックCOMLBから同時に出力される。
検出部40は、複数の駆動電極COMLBから出力される検出信号Vdet2を、検出用データ線SL1からSL16を介してそれぞれ取得する。そして、ステップST15では、検出部40は、取得した検出信号Vdet2に基づく演算処理を行い、演算処理の結果から第2ホバー検出における被検出体の有無を判断する。また、検出部40は、第2ホバー検出で被検出体が検出された場合は、被検出体の位置を検出する。第2ホバー検出における被検出体の有無の判断方法と、位置の検出方法は、実施形態1のステップST2と同様である。
次に、検出部40は、第2ホバー検出(ステップST14)で取得した検出信号Vdet2に基づいて、相互静電容量方式によるタッチ検出を行う必要があるかどうかを判断する(ステップST15)。ステップST15における判断方法は、実施形態1のステップST3と同様である。検出部40が相互静電容量方式によるタッチ検出を行う必要があると判断する場合(ステップST15;Yes)は、ステップST16へ進む。また、検出部40が相互静電容量方式によるタッチ検出を行う必要はないと判断する場合(ステップST15;No)は、ステップST11へ戻る。
ステップST16では、駆動電極ドライバ14及び検出部40がタッチ検出を行う。図37に示すように、タッチ検出(ステップST16)において、被検出体CQは、表示装置1の表示面1aに対して接触状態にある。被検出体CQと駆動電極COML(図示しない)との間に形成される静電容量は、静電容量C2a、C2bの各値よりも大きい値となる。
タッチ検出は、実施形態1のステップST4と同様に、駆動電極ブロックCOMLAを検出電極とする相互静電容量方式で行われる。具体的には、駆動電極ドライバ14は、接続回路18Aのスイッチング素子SW11からSW18をオンにし、スイッチング素子SW21からSW24、SW31からSW34をオフにする。これにより、複数の駆動電極COMLは、複数の駆動電極ブロックCOMLAを構成する。これ以降は、実施形態1のステップST4と同様である。駆動電極ドライバ14が検出用データ線SL1からSL16に同じ波形の検出用の駆動信号Vcomをそれぞれ異なるタイミングで供給すると、各駆動電極ブロックCOMLAとタッチ検出電極TDLとの間の静電容量変化に基づいて、タッチ検出電極TDLから検出信号Vdet1が順次出力される。検出部40は、複数のタッチ検出電極TDLからそれぞれ出力される検出信号Vdet1を、検出用データ線SL1からSL16を介して取得し、取得した検出信号Vdet1に基づいて、タッチ検出における被検出体の有無を判断する。ステップST16の後は、ステップST11に戻る。
本発明の実施形態2によれば、制御部11は、検出信号Vdet2に基づいて、1個の駆動電極ブロックCOMLに含まれる駆動電極COMLの数を変更する。例えば、駆動電極ブロックCOMLCを用いた第1ホバー検出(ステップST12)で検出信号Vdet2の差分|ΔVC|が閾値CLB以上であれば(ステップST13;Yes)、駆動電極ドライバ14及び検出部40は、駆動電極ブロックCOMLCよりも電極数が少ない駆動電極ブロックCOMLBを用いて、第2ホバー検出(ステップST14)を行う。これによれば、第1ホバー検出では、第2ホバー検出と比較して、駆動電極ブロックの1個当たりの電極サイズが大きいため、被検出部CQとの距離D1(図19参照)が大きい場合でも、検出部40は被検出体CQを高感度に検出することができる。また、第2ホバー検出では、第1ホバー検出と比較して、単位面積当たりの駆動電極ブロックの数が多いため、検出の解像度が高い。
なお、実施形態2においても、実施形態1で説明した変形例を適用してよい。具体的には、第1ホバー検出(ステップST12)において、駆動電極ブロックCOMLCから出力される検出信号Vdet2の差分|ΔVC|が閾値CL3未満であるときは、次のステップST11で、表示パネル10はユーザに手を近づけるよう誘導する案内を表示してもよい。これにより、ユーザが手をタッチセンサ30に近づける可能性がある。手がタッチセンサ30に近づき、駆動電極ブロックCOMLCから出力される検出信号Vdet2の差分|ΔVC|の強度が閾値CL3以上となれば、信号処理部44は、第1ホバー検出において被検出体CQが検出されたと判断する。その結果、ホバー入力が可能となる。
実施形態2では、駆動電極ブロックCOMLB、COMLCがそれぞれ本発明の「第2駆動電極ブロック」に対応している。また、駆動電極COMLと、タッチ検出電極TDLと、検出部40と、接続回路18Aとを備える装置が、本発明の「検出装置」に対応している。
以上、本発明の好適な実施の形態を説明したが、本発明はこのような実施の形態に限定されるものではない。実施の形態で開示された内容はあくまで一例にすぎず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、実施形態1では、カラー表示可能な液晶表示装置を示したが、本発明はカラー表示対応の液晶表示装置に限定されず、モノクロ表示対応の液晶表示装置であってもよい。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で行われた適宜の変更についても、当然に本発明の技術的範囲に属する。
例えば、本態様の検出装置及び表示装置は、以下の態様をとることができる。
(1)第1方向と、前記第1方向と交差する第2方向とにそれぞれ並んで配置された複数の第1電極と、
前記第1電極と対向する側に配置され、前記第2方向に延設された複数の第2電極と、
前記第1電極と前記第2電極との間の容量変化に応じて前記第2電極から出力される第1検出信号、又は、前記第1電極の容量変化に応じて前記第1電極から出力される第2検出信号を受け取る検出部と、
前記検出部が前記第1検出信号を受け取る期間において、前記複数の第1電極の各々を前記第1方向で互いに接続させて第1駆動電極ブロックを形成し、前記検出部が前記第2検出信号を受け取る期間において、少なくとも2つ以上の前記第1電極の各々を少なくとも及び前記第2方向で互いに接続させて、第2駆動電極ブロックを形成する接続回路と、を備える検出装置。
(2)前記接続回路は、少なくとも2つ以上の前記第1電極の各々を前記第1方向及び前記第2方向で互いに接続させて、前記第2駆動電極ブロックを形成し、
前記第2駆動電極ブロックは、前記第2方向に並ぶ前記第1電極の数が前記第1駆動電極ブロックよりも多い、上記(1)に記載の検出装置。
(3)前記第1電極に駆動信号を供給する駆動回路、をさらに備え、
前記第1検出信号は、前記駆動信号が前記第1電極に供給されると前記第2電極から出力され、
前記第2検出信号は、前記駆動信号が前記第1電極に供給されると前記第1電極から出力される、上記(1)又は(2)に記載の検出装置。
(4)前記検出部が前記第2検出信号を受け取る期間において、前記駆動回路は、前記駆動信号と同じ波形で、かつ前記駆動信号と同期したガード信号を、前記第2電極に供給する、上記(3)に記載の検出装置。
(5)前記検出部が前記第2検出信号を受け取る期間において、前記第2電極は電気的にどことも接続されていない状態に設定される上記(1)乃至上記(3)のいずれか1項に記載の検出装置。
(6)前記複数の第1電極に接続された複数の配線、をさらに備え、前記接続回路は、前記複数の配線のうちの一方の配線と他方の配線との間を接続し、又は遮断するスイッチング素子を有する、上記(1)乃至上記(5)のいずれか1項に記載の検出装置。
(7)前記接続回路を制御する制御部、をさらに備え、前記制御部は、前記第2検出信号に基づいて、1個の前記第2駆動電極ブロックに含まれる前記第1電極の数を変更する、上記(1)乃至上記(6)のいずれか1項に記載の検出装置。
(8)上記(1)乃至上記(7)のいずれか1項に記載の検出装置と、表示領域と、前記表示領域を囲む額縁領域とを有する基板と、前記表示領域に画像を表示するための表示機能層と、を備え、前記表示領域に前記第1電極が形成されている、表示装置。
(9)前記接続回路は前記額縁領域に配置されている、上記(8)に記載の表示装置。