JP6758958B2 - 重イオンビーム生成装置及び方法 - Google Patents

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Description

本発明の実施形態は、重イオンビームの生成技術に関する。
イオンを発生させる一般的なイオン源として、マイクロ波や電子ビームを利用してガス中に放電を起こしてイオンを発生させる方法や、高エネルギーのレーザ光をターゲットに集光照射してその元素を蒸発・イオン化させる方法等がある。
後者の方法では、発生したイオンは電子と混合したプラズマの状態でイオン源から輸送され、その後加速されて重イオンビームを生成する。
しかしながら、これらのイオン源では、ガスやターゲットに含まれる不可避な不純物に由来して、目的とするイオン種のみならず、目的外のイオンも発生し輸送されてしまう。
そこで、目的外の不純物イオン種が含まれる重イオンビームが出力されないようにするために、イオン源に内部配置又外部接続させたイオン検出器でこの不純物イオン種が検出されたときは、重イオンビームの出力を遮断するインターロック機構を採用する技術が公知となっている。
特開2013−187057号公報
しかし、上述の技術は、原理的に不純物イオン種が重イオンビームに混入することを抑制するものではない。そのため次のような未解決の課題があった。
つまり、重イオンビームの照射中にインターロック機構が動作しても、遮断が間に合わず、ビームが下流に侵入してしまうおそれがある。そのことによりビームラインが不純物イオン種に汚染されてしまうおそれがある。そして、インターロック機構の動作仕様が、イオン検出器の性能に左右されることが避けられない。さらに、インターロック機能の動作により照射中の重イオンビームが遮断されるとビームの利用効率が低下してしまう。
本発明の実施形態はこのような事情を考慮してなされたもので、不純物の混入が少ない高純度の重イオンビームを安定的に生成する重イオンビーム生成技術を提供することを目的とする。
実施形態に係る重イオンビーム生成装置において、イオンを発生させるイオン源と、前記イオンを線形加速して重イオンビームを生成する線形加速器と、前記重イオンビームの軌道を曲げる偏向磁石と、前記線形加速器の内部又は前記線形加速器と前記偏向磁石との間に設けられ、前記重イオンビームが通過する際にエネルギー損失を付与する膜と、を備え、前記イオン源は、レーザ照射によりイオンを発生させるレーザイオン源であり、前記レーザイオン源のターゲットは炭素から構成され、前記膜はグラファイト又はダイヤモンドで構成される、ることを特徴とする。または前記イオン源は、レーザ照射によりイオンを発生させるレーザイオン源であり、前記レーザイオン源のターゲットは炭素から構成され、前記膜はグラファイト又はダイヤモンドで構成される、ことを特徴とする。もしくは前記重イオンビームをさらに加速する加速器に入射させるための入射器として適用されることを特徴とする。
本発明の実施形態により、不純物の混入が少ない高純度の重イオンビームを安定的に生成する重イオンビーム生成技術が提供される。
本発明の実施形態に係る重イオンビーム生成装置の構成図。 実施形態に係る重イオンビーム生成装置を適用した重粒子線治療の全体システム図。 (A)(B)重イオンビームとして炭素イオン、不純物イオンとして窒素イオンを想定したエネルギー損失の差異のシミュレーション結果を示すグラフ。 実施形態に係る重イオンビーム生成方法を説明するフローチャート。
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
図1に示すように重イオンビーム生成装置10は、目的イオン種の他に不純物イオン種を含むイオンを発生させるイオン源11と、イオンを線形加速して重イオンビームを生成する線形加速器12と、重イオンビームの軌道15(15a,15b)を曲げる偏向磁石13(13a,13b)と、線形加速器12の内部又は線形加速器12と偏向磁石13aとの間に設けられ重イオンビームが通過する際に目的イオン種及び不純物イオン種に対しそれぞれ異なるエネルギー損失を付与する膜16と、を備えている。
重イオンビーム生成装置10における上流側の構成要素の出口と下流側の構成要素の入り口とは、真空容器18(18a,18b,18c,18d)により接続されている。これら真空容器18は、重イオンビームを等速で直進させる。
なお図示を省略するが重イオンビーム生成装置10には、図示される構成要素の他に、ビーム整形用の永久磁石又は電磁石、ビーム検出器、ゲートバルブ、もしくはその他の機器等が配置される場合がある。
イオン源11としては、マイクロ波放電プラズマを用いる方式と、レーザを用いる方式とが挙げられる。
レーザを用いたイオン源11は、レーザ光を真空容器内のターゲットの表面に照射し、レーザ光のエネルギーによりターゲットの元素を蒸発・イオン化させてプラズマ(レーザアブレーションプラズマ)を生成する。
レーザを用いたイオン源11では、レーザ光のエネルギーおよび密度を調整することにより、多価イオンを発生させることができる。
そして、レーザアブレーションプラズマに含まれるイオンをイオン源11から引き出し、線形加速器12によりイオンを加速させて重イオンビームを生成する。さらには、この重イオンビームを円形加速器21(図2)によりさらに加速して高エネルギーの重イオンビームを生成する。
生成される重イオンビームの用途は多岐にわたる。がん治療に利用される重粒子線照射装置の用途には、炭素製のターゲットで構成されるイオン源11をレーザアブレーションした重イオンビームが採用される。
この重イオンビームの線形加速器12や円形加速器21における加速性は、イオンの質量電荷比(q/m)[q:価数、m:質量数]が大きい程、優れており、それに合わせて動作条件が設定されている。
炭素イオンは、最外殻電子を全て除去したフルストリップ状態では、価数が6であり、質量電荷比は1/2となる。ちなみに、不純物イオン種として挙げられる酸素(q=8,m=16)及び窒素(q=7,m=14)も共に質量電荷比は1/2となるため、炭素イオンと同一の加速性を有している。
なお炭素製のターゲットで構成されるイオン源11では、レーザ光のエネルギーおよび密度を調整することにより、6価の比率が高い、4価から6価が混在したイオンを発生させることができる。
イオン源11で発生したイオンには、ターゲットを構成している目的イオン種の他に、この目的イオン種とは異なる不純物イオン種が含まれている。
この不純物イオン種は、例えばターゲットに水分が付着している場合、2価の水素イオン及び8価の酸素イオンが該当する。その他に、真空容器内に残留ガス(窒素等)が存在する場合、ターゲットに汚染物が付着している場合も、重イオンビームに不純物イオン種が混入する原因となる。
イオン源11で発生させるイオンとして、炭素(C)を例示したが、特に限定はなく、例えばヘリウム(He),アルゴン(Ar),カルシウム(Ca),キセノン(Xe),ウラン(U)等も挙げられる。
線形加速器12は、イオン源11で発生し真空容器18aで輸送されたイオンを、線形加速して重イオンビームにするものである。
なお線形加速器12の動作条件は、目的イオン種の加速効率が最大となるように設定されているが、一定の割合の不純物イオン種も同時に加速されて重イオンビームに取り込まれる。
線形加速器12として具体的には、高周波四重極線形加速器(RFQ:radio frequency quadruple linac)、ドリフトチューブ加速器(DTL:drift tube linac)、その他線形の高周波加速空洞、静電加速器およびそれらの組み合わせなどが挙げられる。
これら線形加速器12では、導体の壁に囲まれた空洞共振器を励振し、高周波磁場を用いてイオンを加速する。そして、炭素イオンでは、重イオンビームが4.0MeV/u以上のエネルギーで出射される。
線形加速器12から出力された重イオンビームは、線形加速器12と偏向磁石13aとを接続する真空容器18bに内部配置された膜16に、入射する。
重イオンビームが膜16を通過すると、目的イオン種及び不純物イオン種は、膜16の構成元素との親和性の差に起因して、それぞれ異なるエネルギー損失が付与される。
これにより、膜16を通過した目的イオン種及び不純物イオン種は、それぞれ別々の速度に減速する。
この膜16の材質は、特に限定されないが前記目的イオン種と同一元素で構成することが、新たな不純物の混入を回避できるため望ましい。また膜16は、重イオンビームの通過に伴って発生する熱に対して安定性の高い材質であることが望まれるが、常温・常圧下で固体でない場合、冷却して固体膜にして用いる場合もある。
レーザイオン源11のターゲットが炭素から構成される場合は、膜16はグラファイト又はダイヤモンドで構成されることが望ましい。
膜16は、重イオンビームのビーム軸に垂直に配置され、少なくともビーム径の範囲において均一の厚みを持つ平板形状を有している。なお、膜16は、真空容器18bに内部配置される場合の他に、線形加速器12に内部配置される場合もある。
ここで4.0MeV/u以上のエネルギーを持つ炭素イオンの重イオンビームに対し、膜16の通過領域が、0.5mg/cm2から2mg/cm2の範囲、さらに望ましくは1.1mg/cm2から1.5mg/cm2の範囲で構成されていることが望ましい。
ここで、膜16が、0.5mg/cm2以下であると、目的イオン種及び不純物イオン種のエネルギー損失が少なすぎて、両者を分別可能な程度の減速効果が得られない。また、膜16が、2mg/cm2以上であると、目的イオン種及び不純物イオン種のエネルギー損失が大きすぎて、重イオンビームの加速効率が低下してしまう。
なお、膜16は、単一で構成される場合に限定されず、複数を重ねたり間隔をあけて配置させたりすることにより構成される場合もある。
図3を参照して、重イオンビームとして炭素イオン、不純物イオンとして窒素イオンを想定したエネルギー損失の差異のシミュレーション結果を説明する。
図3(A)のグラフは、膜16の厚みを変化させる条件の下、炭素イオンの膜通過後のエネルギーが、4.02MeV/uとなるよう、膜16通過前の炭素イオンのエネルギーを変え、同一エネルギーで窒素イオンを通過させた時、膜16通過後の窒素イオンのエネルギーの、膜16通過後の炭素イオンのエネルギーに対する差異を表す。
図3(B)のグラフは、同様に膜16の厚みを変化させる条件の下、炭素イオンの膜16通過後のエネルギーを4.02MeV/uとなるよう膜16通過前の炭素イオンのエネルギーを変えた場合の膜16通過により生ずるエネルギー損失のシミュレーション結果を示す。
これらの結果から例えば、炭素イオンビームのエネルギー分散を0.4%とするとエネルギー分散の2倍のマージンを持たせるためには1.1mg/cm2以上の膜16の厚みを持たせればよいと分かる。
一方で例えば2mg/cm2以上の膜16の厚みではエネルギー損失が0.45MeV/uとなり同一出射エネルギーとなるようにするためには線形加速器12の出射エネルギーを0.45MeV/u上げる必要があり加速効率の低下を招くことが分かる。
ここで、参考までに次を記載する。
従来より線形加速器の後段に接続される円形加速器の炭素重イオンビーム加速性を向上させるため、線形加速器と円形加速器との間に0.2mg/cm2程度の炭素の薄膜(ストリッパ)を介在させ、炭素イオンのフルストリップ率を向上させることが行われてきた。
しかし、このストリッパは、実施形態に示すような、通過した重イオンビームを目的イオン種及び不純物イオン種をそれぞれ別々に減速する効果を、持ち合わせていない。
図1に戻って説明を続ける。
偏向磁石13(13a,13b)は、発生する直流磁場の作用により、直進する重イオンビームに、速度に比例した向心力を付与し、その軌道15(15a,15b)を円弧状に曲げるものである。採用される偏向磁石13としては、電磁石、永久磁石、静電デフレクター等が挙げられる。
膜16を通過してそれぞれ別々の速度に減速した目的イオン種及び不純物イオン種は、偏向磁石13に入射すると、それぞれ別々の曲率半径の軌道15a,15bを描いて通過する。なお、偏向磁石13で発生させる直流磁場は、目的イオン種が中心軌道15aをとうように調整される。これにより、不純物イオン種は、目的イオン種の重イオンビームの軌道から外れて進行することになる。
スリット17は、真空容器18cの断面を封止するように設けられたプレートに、同心状の孔が形成されている。これにより、中心軌道15aを進行する重イオンビームをスリット17の開口で通過させて後段に導くとともに、この中心軌道15aを外れる軌道15bを進行する重イオンビームをスリット17のプレートでブロックするものである。
このため、目的イオン種を含む重イオンビームは、中心軌道15aを進行してスリット17を通過し後段に導かれ、不純物イオン種を含む重イオンビームは、中心軌道15aを外れた軌道15bを進行してスリット17にトラップされる。
このようにしてスリット17は、軌道15(15a,15b)の曲率半径の違いを利用して、目的イオン種を含む重イオンビームを選択的に透過させる。
なお図1において、スリット17は、二つの偏向磁石13(13a,13b)に挟まれる真空容器18cに配置される実施形態を示している。
なおスリット17の配置位置は、特に限定はなく、膜16を通過した目的イオン種及び不純物イオン種が、それぞれ減速された速度に応じた曲率半径の軌道15(15a,15b)を進行する位置にあればよい。またスリット17の開口の形状も、特に限定はなく、円形、多角形及びその他の形状を取り得る。
さらに、金属製のスリット17を真空容器18cに対し電気的絶縁体で支持するとともに、導線をこのスリット17から外部に引き出して電流検出器に接続してすることで、重イオンビームのうちトラップされたイオンの量を知ることができる。
ところでスリット17は、重イオンビームから不純物イオン種を除去させるうえで必須の構成要素という訳でないが、中心軌道15aを外れて進行する不純物イオン種が後段の真空容器18の内壁を汚染することの防止にも貢献する。
重イオンビーム生成装置10は、図2に示すように、重イオンビームをさらに加速する円形加速器21に入射させるための入射器として適用される。
そのような円形加速器としては、シンクロトロンが挙げられるが、サイクロトロンやその他の加速器とすることもできる、
シンクロトロンとは、イオンの加速にあわせて、磁場と加速電場の周波数をコントロールすることにより、加速イオンの軌道半径を一定に保ちながら加速を行うものである。
このように、実施形態にかかる重イオンビーム生成装置10が円形加速器21の入射器に適用されることにより、不純物イオン種が除かれた目的イオン種のみを円形加速器21に導入して重イオンビームを更に加速することができる。円形加速器21において炭素イオン(C6+)は、光速の70〜80%程度まで加速される。
図2に示すように、円形加速器21の出力部には、加速した重イオンビームを腫瘍部に照射して治療する重粒子線治療装置22(221,222,223)が接続されている。なお、円形加速器21の出力部に接続されるものに、特に限定はない。
重イオンビームは、患者の体内を通過する際に運動エネルギーを失って速度を低下させるとともに、速度の二乗にほぼ反比例する抵抗を受けてある一定の速度まで低下すると急激に停止する。そして、粒子線ビームの停止点近傍では、ブラッグピークと呼ばれる高エネルギーが放出される。
重粒子線治療装置22は、炭素重イオンビームのブラッグピークを患者の患部に合わせることにより、正常な組織の障害を少なくしつつ治療を行うものである。
実施形態に係る重イオンビーム生成装置10を適用することにより、不純物となる水素分子イオン・酸素イオン・窒素イオンを排除して、腫瘍の治療に必要な炭素イオンのみを含む重イオンビームを患者に照射することができ、治療計画通りに腫瘍細胞を破壊することができる。
図4のフローチャートに基づいて実施形態に係る重イオンビーム生成方法を説明する(適宜、図1参照)。
イオン源11において、炭素製のターゲットに対しレーザを照射して、目的イオン種(炭素イオン)を発生させる(S11)。なおこのイオン源11で発生したイオンには、不純物イオン種(水素分子イオン・酸素イオン・窒素イオン等)が含まれる場合がある。
そして、イオン源11で発生したイオンを線形加速器12に入射し加速することにより重イオンビームを生成し出力する(S12)。この線形加速器12で加速する工程において、フルストリップである6価の炭素イオンとともに、質量電荷比が1/2と同一である酸素イオン(q=8,m=16)及び窒素イオン(q=7,m=14)も含まれた重イオンビームが出力される。
次にこの重イオンビームを膜16に通過させて(S13)、目的イオン種(炭素イオン)及び不純物イオン種(酸素イオン,窒素イオン)に対しそれぞれ異なるエネルギー損失を付与する。これにより不純物イオン種は、目的イオン種(炭素イオン)とは異なる速度で進行することとなる。
次に、膜16に通過した重イオンビームは、偏向磁石13を通過することにより軌道15を曲げられる(S14)。目的イオン種(炭素イオン)及びその他の不純物イオン種は、質量電荷比が同じであれば、それぞれの速度に比例した曲率半径の円形軌道15(15a,15b)をとることになる。
不純物イオン種は、中心軌道15aから外れた軌道15bを進行してスリット17でトラップされるが(S15)、目的イオン種(炭素イオン)はスリット17の開口を通過して中心軌道15aを進行して円形加速器21に入射する(S16)。
この円形加速器21に入射した重イオンビームをさらに光速レベルまで加速した後に(S17)、重粒子線治療装置22(221,222,223)のいずれかに入射し、患者の腫瘍領域に照射する(S18)。そして、治療計画に則った所定の線量をビーム照射したところで、一連のフローを終了する(S19、END)。
以上述べた少なくともひとつの実施形態の重イオンビーム生成装置によれば、重イオンビームを膜に通過させた結果、減速速度が目的イオン種と不純物イオン種とで相違することを利用して、両者を分離することにより、不純物の混入が少ない高純度の重イオンビームを安定的に生成することが可能となる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、組み合わせを行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
10…重イオンビーム生成装置、11…イオン源、12…線形加速器、13(13a,13b)…偏向磁石、15a…中心軌道、15(15a,15b)…軌道、16…膜、17…スリット、18(18a,18b,18c)…真空容器、21…円形加速器、22…重粒子線治療装置。

Claims (7)

  1. イオンを発生させるイオン源と、
    前記イオンを線形加速して重イオンビームを生成する線形加速器と、
    前記重イオンビームの軌道を曲げる偏向磁石と、
    前記線形加速器の内部又は前記線形加速器と前記偏向磁石との間に設けられ、前記重イオンビームが通過する際にエネルギー損失を付与する膜と、を備え、
    前記イオンは、目的イオン種の他に不純物イオン種を含むものであって、
    前記膜は、前記重イオンビームが通過する際に前記目的イオン種及び前記不純物イオン種に対しそれぞれ異なるエネルギー損失を付与すものであり、
    前記膜は、前記目的イオン種と同一元素により構成される、ことを特徴とする重イオンビーム生成装置。
  2. イオンを発生させるイオン源と、
    前記イオンを線形加速して重イオンビームを生成する線形加速器と、
    前記重イオンビームの軌道を曲げる偏向磁石と、
    前記線形加速器の内部又は前記線形加速器と前記偏向磁石との間に設けられ、前記重イオンビームが通過する際にエネルギー損失を付与する膜と、を備え、
    前記イオン源は、レーザ照射によりイオンを発生させるレーザイオン源であり、
    前記レーザイオン源のターゲットは炭素から構成され、前記膜はグラファイト又はダイヤモンドで構成される、ことを特徴とする重イオンビーム生成装置。
  3. イオンを発生させるイオン源と、
    前記イオンを線形加速して重イオンビームを生成する線形加速器と、
    前記重イオンビームの軌道を曲げる偏向磁石と、
    前記線形加速器の内部又は前記線形加速器と前記偏向磁石との間に設けられ、前記重イオンビームが通過する際にエネルギー損失を付与する膜と、を備え、
    前記重イオンビームをさらに加速する加速器に入射させるための入射器として適用されることを特徴とする重イオンビーム生成装置。
  4. 前記軌道の曲率半径の違いを利用して、前記目的イオン種を含む前記重イオンビームを選択的に透過させるスリットを、さらに備えることを特徴とする請求項1に記載の重イオンビーム生成装置。
  5. 前記線形加速器は、前記炭素を目的イオン種とする前記重イオンビームを4.0MeV/u以上のエネルギーで出射し、
    前記膜は、0.5mg/cm2から2mg/cm2の範囲で構成されるグラファイト膜であることを特徴とする請求項2に記載の重イオンビーム生成装置。
  6. 前記加速器で加速された前記重イオンビームを腫瘍部に照射して治療する重粒子線治療装置の入射器として適用されることを特徴とする請求項3に記載の重イオンビーム生成装置。
  7. イオン源において、イオンを発生させるステップと、
    線形加速器において、前記イオンを線形加速して重イオンビームを生成するステップと、
    偏向磁石において、前記重イオンビームの軌道を曲げるステップと、
    前記軌道を曲げるステップよりも前に、前記線形加速器の内部又は前記線形加速器と前記偏向磁石との間に設けられた膜において、前記重イオンビームが通過する際にエネルギー損失を付与するステップと、
    前記重イオンビームをさらに加速する加速器に入射させるステップと、を含むことを特徴とする重イオンビーム生成方法。
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