JP7095196B2 - イオン加速方法 - Google Patents

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本発明は、イオンを高エネルギーに加速して出力するイオン加速方法に関する。
イオン(プロトン:陽子を含む)を加速したイオンビームを試料に照射して加工、成膜、分析、医療行為等を行う各種の技術が知られている。こうした技術においては、高エネルギー、高強度のイオンビームを安定して発生させることが必要である。一般に高エネルギーのイオンビームを発生して照射する装置においては、特にイオンを高エネルギーに加速する機構にシンクロトロンやサイクロトロン等の大規模な設備を必要とするため、装置全体が大型化する。従って、特に医療用途等にはこうしたイオンビーム照射装置は有効であることは明らかであるにもかかわらず、充分に普及しているとは言い難い状況にある。
こうした状況の中で、小型化の可能なイオンビーム照射装置の一種として、レーザー駆動型の加速機構(レーザープラズマ加速)を用いたものが知られている。レーザー駆動型のイオンビーム照射装置は、例えば特許文献1、2に記載されているように、プロトンや所望のイオンを多く発生することのできるターゲットを高強度の超短パルスレーザー光で照射し、これを蒸発させてプラズマ化する。このプラズマ中では、まず質量の軽い電子が加速されて高エネルギーとなり、この加速された電子の作る電界によって質量の重いプロトンやイオンが加速される。このプロトンやイオンが高エネルギーのビームとなって試料に照射される。従来の加速器で用いられる加速電界は材料の絶縁耐圧等で制限されるために上限値が小さくなるのに対し、このプラズマ中で得られる加速電界はこれよりも桁違いに強くなるため、短い距離で高エネルギーの加速をすることができる。このため、このレーザー駆動型のイオンビーム照射装置は、従来より用いられている大型の加速器等と比べて装置全体を大幅にコンパクト化でき、医療用等、様々な分野への応用が期待されている。
例えば医療用においては、特定の位置、深さに存在する患部に対してのみ集中的に高エネルギーのイオンビームを照射することが要求される。特定の位置にイオンビームを照射するためには、これを指向性の高いビームとして生成することが必要である。また、特定の深さの患部に対して効果を及ぼすためには、そのエネルギーを単色(エネルギースペクトルがデルタ関数的である)とすることが必要である。このため、レーザー駆動型のイオンビーム照射装置におけるこれらの特性を従来の大型の加速器と同等に近づけるための努力がなされている。
このために有効な技術として、レーザーで照射されてプラズマ発生源となるターゲットを、通常の気体や固体ではなく、クラスターガスとする技術が非特許文献1、特許文献3、4に記載されている。クラスターガスは、粒子状の塊となった原子・分子の集合体(クラスター)が気体中に分散した構成のガスであり、通常の気体と固体の中間的な性質をもつ。このクラスターガスは、ノズルからこれらの混合ガスを真空中に噴出させ、断熱膨張させることによって得られる。
特に、非特許文献1、特許文献3、4に記載の技術においては、レーザー光の照射条件を調整することにより、クラスターガス中におけるプラズマ密度分布を最適化し、イオンビームのエネルギー、指向性を高めている。また、非特許文献2においては、80Jのエネルギーのレーザー光をマイクロコーンターゲットに照射することによって水素イオン(陽子)を67.5MeVまで加速する技術が記載されている。
このようなイオン加速装置(イオンビーム照射装置)によって、指向性が高く、高強度のイオンビームを得ることができる。
「Energy Increase in Multi-MeV Ion Accelleration in the Interaction of a Short Pulse Laser with a Cluster-Gas Target」、Y.Fukuda、A.Ya.Faenov、M.Tampo、T.A.Pikuz、T.Nakamura、M.Kando、Y.Hayashi、A.Yogo、H.Sakaki、T.Kameshuma、A.S.Pirozhkov、K.Ogura、M.Mori、T.Zh.Esirkepov、J.Koga、A.S.Boldarev、V.A.Gasilov、A.I.Magunov、T.Yamauchi、R.Kodama、P.R.Bolton、Y.Kato、T.Tajima、H.Daido and S.V.Bulanov、Physical Review Letters、103巻、165002頁(2009年) 「Increased Laser-Accelerated Proton Enegies Via Direct Laser-Light-Pressure Acceleration of Electrons in Microcone Targets」、S.A.Gaillard、T.Kluge、K.A.Flippo、M.Bussmann、B.Gall、T.Lockard、M.Geissel、D.T.Offermann、M.Schollmeier、Y.Sentoku、 and T.E.Cowan、Physics of Plasmas、18巻、056710頁(2011年)
特開2006-244863号公報 特開2008-198566号公報 特開2012-119065号公報 特開2014-22350号公報
特に単色性に関しては、従来の大型の加速器においては、原理的に単色のイオン(プロトン)ビームしか得られないために問題がないのに対して、レーザープラズマ加速によるイオンビームの単色性は低かった。すなわち、このイオンビームにおいては、エネルギースペクトルにおける広がりが大きく、例えば医療用に用いるためには、この広がりを更に小さくすることが要求された。
すなわち、レーザー駆動型の加速機構を用いて、充分に高い単色性のイオンビームを得ることは困難であった。
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、上記問題点を解決する発明を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決すべく、以下に掲げる構成とした。
本発明のイオン加速方法は、ガス中において前記ガスの分子からなる粒子状のクラスターが分散されたクラスターガスを噴出させ、前記クラスターガスに対し、パルスレーザー光を照射することによって前記クラスターガスをプラズマ化し、前記クラスターを構成する原子をイオン化して加速するイオン加速方法であって、前記クラスター中において、前記クラスターに前記パルスレーザー光が照射された際に前記クラスター内に生じる衝撃波による圧縮によって前記クラスターの中心でイオン密度が高まった第1領域と、前記クラスターにおける前記第1領域の外側において前記クラスターのクーロン爆発による前記イオン密度が前記第1領域よりも小さくなった第2領域とを形成し、前記第1領域が圧縮されて前記第1領域における前記イオン密度が高まるタイミングと、前記第1領域における電子の相対論的効果によって前記パルスレーザー光に対する前記第1領域の光透過率が低下するタイミングと、
を一致させるように前記パルスレーザー光を前記クラスターガスに照射することを特徴とする。
本発明のイオン加速方法は、前記ガスを水素とし、前記パルスレーザー光の波長を650nm~1100nmの範囲、前記クラスターの平均粒径を800nm~3000nmの範囲、前記パルスレーザー光のピークパワーを3.0×1021W/cm以上かつ1.0×1024W/cm以下、パルス長を15fs~200fsの範囲とすることを特徴とする。
本発明のイオン加速方法は、前記パルスレーザー光の発振と前記クラスターガスの形成を同期させ、かつ前記パルスレーザー光の発振周波数と前記クラスターガスの形成の繰り返し周波数を一致させることを特徴とする。
本発明のイオン加速方法は、冷却された前記ガスをノズルから真空中に噴出させることによって前記クラスターガスを生成することを特徴とする。
本発明のイオン加速方法は、前記ノズルに至るまでの前記ガスの流れのオン・オフの制御を行うバルブの動作を前記パルスレーザー光の発振と同期させることを特徴とする。
本発明は以上のように構成されているので、レーザー駆動型の加速機構を用いて、単色性の高いイオンビームを得ることができる。
本発明の実施の形態に係るイオン加速装置の構成の概要を示す図である。 本発明の実施の形態に係るイオン加速装置における水素クラスターガス生成装置の構成を示す断面図である。 本発明の実施の形態に係るイオン加速装置においてパルスレーザー光照射後の水素クラスター中のイオン密度の空間分布を計算した結果である。 本発明の実施の形態に係るイオン加速装置においてパルスレーザー光照射後の水素クラスター中のイオンエネルギーの空間分布を計算した結果である。 本発明の実施の形態に係るイオン加速装置によって得られたプロトンビームのエネルギースペクトルを計算した結果である。 パルスレーザー光のパルス長、ピークパワーを一定とし、水素クラスターの半径を変えた場合において算出されたプロトンビームのエネルギースペクトルである。 パルスレーザー光のパルス長、水素クラスターの半径を一定とし、パルスレーザー光のピークパワーを変えた場合において算出されたプロトンビームのエネルギースペクトルである。
以下、本発明の実施の形態に係るイオン加速方法において用いられるイオン加速装置について説明する。図1は、このイオン加速装置10の構成を示す図である。この図において、左はその全体を示す構成図であり、右はその一部(点線で囲まれた部分)の拡大図である。この構成は、特許文献3、4に記載された構成と同様であり、クラスターガスの組成とレーザー光の照射条件が異なる。
レーザー光(パルスレーザー光)20は、レーザー光源から発せられ、水素クラスターガス30中のクラスターや分子をプラズマ化する。このため、レーザー光20は、水素クラスターガス30内やその近傍で集光するような構成とされる。レーザー光源としては、集光光学系21によって集光された状態で水素クラスターガス30をプラズマ化できるだけの高強度の超短パルスレーザー光を発するものを用いることができる。この点は特許文献3、4、非特許文献1に記載のものと同様である。具体的には、レーザー光源として、チタンサファイアレーザー、ガラスレーザー等を用いることができる。チタンサファイアレーザーの場合、波長が650nm~1100nmの範囲のレーザー光20を得ることができる。ガラスレーザーの場合、波長が900nm~1100nmの範囲のレーザー光20を得ることができる。集光光学系21としては、軸外し放物面鏡等の非球面の集光鏡等を用いることができる。レーザー光20は短いパルス長、短い間隔で繰り返し発せられ、後述するように、その照射(発振)タイミングは水素クラスターガス30の生成と同期して制御される。
水素クラスターガス生成装置40から真空中にガスが噴出される。このガスは、純水素であり、これが真空中に噴出される際の断熱膨張による急激な温度低下によりHが固体化し、H分子31からなる気体中に微小な粒子状の水素クラスター(クラスター)32が分散された柱状の形態の水素クラスターガス30となる。このガスが噴出される空間は真空ポンプ(図示せず)によって排気されるため、ガスが噴出された状態においても、安定して水素クラスターガス30が生成される程度の真空度は維持される。ここでは、特に水素クラスター32に高強度のレーザー光20が照射されることによって、水素クラスター32でレーザープラズマ加速が起こり、水素原子のイオン(プロトン)がイオンビーム50としてレーザー光20の進行方向に発生する。この点については、水素クラスターガス生成装置40を除き、非特許文献1、特許文献3、4と同様である。
図2は、この水素クラスターガス30を生成する水素クラスターガス生成装置40の構成を模式的に示す図である。図2に示されるように、冷凍機41が連結され、かつ伝熱式のヒーター42が設けられ、温度センサ43が装着された水素ガス導入部44中に、原料ガス(水素ガス)が導入される。冷凍機41とヒーター42によって水素ガス導入部44、ノズル45、電磁バルブ(バルブ)47の温度を低温で制御することができ、これによって、内部の原料ガスの温度を低温(3.5K~300K)で制御することができる。
真空排気される減圧雰囲気中において、円錐形状の内面をもつノズル45が、図2中の下側において、開口径Dであり水素ガスを噴出する水素クラスター噴出口46を囲むように設けられる。水素ガス導入部44から水素クラスター噴出口46までの原料ガスの流れは、図2における破線矢印で示され、この流れのオン・オフは、開閉動作の繰り返し制御が可能な電磁バルブ(バルブ)47によって制御される。この構成によって、H分子31からなるガス中に多数のH分子が凝集してナノ粒子化した水素クラスター32が分散した水素クラスターガス30が形成され、図2における上側に噴射される。特に、レーザー光20が一定の繰り返し周波数で超短パルスとして発振されるのに対応して、水素クラスターガス30の形成もレーザー光20の照射と同期させて行うことができる。
この構成において、原料ガスの圧力、水素ガス導入部44の温度、水素クラスター噴出口46の径D、ノズル45のテーパ角θを調整することによって、水素クラスターガス30の特性を制御することができる。特に、後述するように、本発明においては水素クラスター32の粒径の制御が重要となる。これに対して、この構成では、この粒径の分布を制御し、特にその粒径分布を制御することができる。具体的には、水素ガスの圧力を6MPa、温度25K、D=60μm、θ=45度で、半径が100~900nm中の範囲内の3点をピークとする粒径分布をもつ水素クラスター32を得ることができることが、水素クラスターガス30に対するMie散乱法による測定によって確認された。この際、電磁バルブ47の開閉動作は最大1kHzの応答周波数で制御することができるため、この周波数以下の繰り返し周波数で水素クラスターガス30(水素クラスター32)を生成することができる。この際、図1において水素クラスターガス30が生成される減圧雰囲気の排気速度を高めることによって、電磁バルブ47の応答周波数を上限として水素クラスターガス30(水素クラスター32)生成の繰り返し周波数を高めることができる。
上記の構成により、レーザー光20が照射されると、水素クラスターガス30中の特に水素クラスター32がプラズマ化することにより電子が生成され、電子は相対論効果により前方に加速される。水素クラスター32は正に帯電するためクーロン爆発を起こすが、この前方加速された電子によってプラズマ中に前方方向に強度の片寄りを持つ加速電場構造が形成され、イオン(プロトン)は非等方的なクーロン爆発を起こし加速される。これによって、高エネルギーのイオン(プロトン)はやや前方に放出される。しかし、この際、加速されるイオン(プロトン)は水素クラスター32の表面に存在していたのか、それとも水素クラスター32の中心付近に存在していたのかにより加速電場から受ける電場強度が異なるため、イオン(プロトン)のエネルギー分布はブロードになる。従って、加速されるイオン(プロトン)の単色性を高めるためには、水素クラスター32中においてレーザープラズマ加速に寄与するイオン(プロトン)を空間的に狭い範囲に集中させることが有効である。
この際、水素クラスター32にレーザー光20が照射された際の水素クラスター32中のイオン密度の分布、イオン(プロトン)エネルギーの空間分布を、プラズマの三次元シミュレータEPIC3D(「A Paradigm of Kinetic Simulation Including Atomic and Relaxation Processes:a Sudden Event in a Lightning Process」、Y.Kishimoto and T.Masaki、Journal of Plasma Physics、72巻、971頁(2006年))によって調べた。図3は、この場合のレーザー光20照射後の半径800nmの水素クラスター32中のイオン密度の空間分布を示す図である。ここでは、レーザー光20は、波長が810nm(チタンサファイアレーザーに相当)、直線偏光、パルス長40fs、パルスのピークパワー(尖頭エネルギー面密度)は1.0×1022W/cmとされた。ここで、レーザー光20は超短パルスレーザー光であるため、パルスが尖頭エネルギーに達するまでの立ち上がり時間はパルス長の約1/2であり、ここでは、パルス状のレーザー光20の強度が水素クラスター32の中心で最大となる時刻の約4fs前における状態が示されている。レーザー光20の伝搬方向は図における縦軸方向上向きである。この結果より、水素クラスター32の中心近くには水素クラスター32内に生じる衝撃波による圧縮によってイオン密度の高い領域(第1領域32A)が生成され、この領域を取り囲んで水素クラスター32のクーロン爆発によるこれよりもイオン密度の低い領域(第2領域32B)が形成されることが明らかである。
この理由は、以下のように説明できる。まず、水素クラスター32は、レーザー光20の照射によってパルス状のレーザー光20のピークに達するよりもだいぶ早い時点でプラズマ化される。周知のように、プラズマ中にレーザー光が侵入する場合、プラズマ中においては電磁波(レーザー光)の伝搬を抑制するように電子が運動し、このプラズマの電子密度nがレーザー光20の波長で決まる臨界密度nc以上であると、レーザー光20はプラズマの内部に侵入することができない。しかし、そのプラズマ最表面のスキン長100nm程度の薄い領域まではレーザー光20の侵入は許される。このため、少なくとも上記の大きさの水素クラスター32においては、レーザー光20は中心部付近までは侵入できない。
ただし、この照射によって、水素クラスター32の内部においては、内向きの衝撃波が発生する。衝撃波は電子とイオンで構成されており、これによって、水素クラスター32の中心近くに電子密度とイオン密度の双方の高い領域が生成される。図3では、水素クラスター32の中心近くにイオン密度の高い第1領域32Aが生成されていることが確認できる。一方、水素クラスター32内で最表面のスキン長程度の深さでレーザー光20による電場によって電子が剥ぎ取られた領域では、イオン(プロトン)は斥力によってクーロン爆発を起こし、この向きは前記の衝撃波とは逆に外向きとなる。このため、外側のイオン密度の低い第2領域32Bが生成される。なお、クーロン爆発によってもイオンは加速されるが、そのエネルギーは本発明によるレーザープラズマ加速によるものと比べて低く、イオン(プロトン)のエネルギー分布はブロードであり、かつ指向性はほとんどない。水素クラスター32全体としての圧縮(イオン圧縮)の度合いは、内向きの衝撃波と外向きのクーロン爆発の程度で定まる。また、このように第1領域32A、第2領域32Bが形成されるタイムスケール、あるいは衝撃波による圧縮、クーロン爆発の起こるタイムスケールは、長短パルスレーザー光である前記のレーザー光20におけるパルス長(40fs)と同様の短いタームスケールとなる。
図4は、レーザー光20の強度が水素クラスター32の中心で最大となる時刻の約33fs後における、図3に対応したプロトンエネルギーの空間分布である。前記の通り、水素クラスター32の前方側(レーザー光20の進行方向側)において、レーザープラズマ加速によって特に高いエネルギーをもったプロトンが生成されることが確認できる(点線で囲んだ領域)。また、水素クラスター32の外側の表皮全体において生成され、前方側よりも低いエネルギーをもった領域は、クーロン爆発により生成される。
ここで、レーザー光20の強度が低い場合には前記の通りレーザー光20のプラズマ中の伝搬は抑制されるものの、高強度の超短パルスレーザー光であるレーザー光20が照射される場合、プラズマ中の電子の速度は光速に近づき相対論的効果が発生するため、異なる状況が発生する。この場合、電子の速度上昇が光速を上限として抑制され、電子の質量が増加し、プラズマ中の電磁波の伝搬を抑制できる程度に電子が運動することが不可能となるため、プラズマ中の電磁波の伝搬が抑制されなくなる。このため、前記の臨界密度ncに代わり、この場合の臨界密度は電子のローレンツ因子をγとしてγnc(γ>>1)に上昇する。すなわち、パルスの立ち上がり時においてレーザー光20のパワーが上昇して臨界密度が相対論的なγncまで上昇するため、レーザー光20はプラズマ中を透過することができる、すなわち、プラズマが透明化する。このため、レーザー光20は水素クラスター32の中心部にまで侵入する。
このため、レーザー光20の照射による水素クラスター32内のイオン圧縮によって 第1領域32Aが中心付近で圧縮されそのイオン密度が高まるタイミングと、その第1領域32Aにおけるプラズマが透明化するタイミングとを一致させた場合には、中心付近に圧縮されて集中した第1領域32Aにおける電子、イオン(プロトン)が、レーザー光20の強い電場に曝され、このうち電子は相対論効果により前方に加速される。この前方加速された電子によって第1領域32Aには前方方向に局在した加速電場構造が形成され、特に効率的にレーザープラズマ加速を起こすことができる。この際、水素クラスター32の中心付近の第1領域32Aに局在した電子、イオンのみがレーザープラズマ加速に寄与するため、発生するイオン(プロトン)ビームの単色性を高めることができる。上記の原理より、こうした現象は、クラスターターゲットを用いたレーザープラズマ加速に特有である。
図5は、前記のEPIC3Dを用いて、こうした場合に得られるプロトンのエネルギースペクトルを算出した結果の一例である。約110MeV以下のエネルギーをもつ広い分布は、前記の水素クラスター32中におけるクーロン爆発に対応する。一方、220MeVのエネルギーにおいては、鋭いピークが見られる。このピークの半値幅は、例えば特許文献4の図5に記載されたイオンのピークと比べて、大幅に小さくなっていることが明らかである。すなわち、単色性が大幅に向上する。
このような、第1領域32Aにおけるイオン密度が高まるタイミングと、第1領域32Aにおけるプラズマの透明化のタイミングは、レーザー光20の照射条件と、水素クラスター32の大きさ(平均粒径)で調整することができる。後者は、前記の通り、クラスターガス生成装置70を用いて調整可能である。レーザー光20の照射条件としては、レーザー光20(パルス)の出力、立ち上がり時間がある。ここで、レーザー光20の出力としては、パルス(超短パルス)のピークパワー(尖頭値)をとることができる。また、前記の通り、このパルスは超短パルスであるために、立ち上がり時間は実質的にパルス長の1/2とすることができる。すなわち、このタイミングは、水素クラスター32の粒径、レーザー光20のピークパワー、パルス長によって制御することができる。
このタイミング制御において最も影響が大きいのは、水素クラスター32の大きさ(粒径)である。図2の水素クラスターガス生成装置40によって生成される水素クラスター32の粒径は実際には一様ではなく分布をもつが、その分布のピークとなる粒径を制御することができる。図6は、前記のEPIC3Dを用いて、レーザー光20のパルス長を40fs、ピークパワーを1.0×1022W/cmとした場合において、水素クラスター32の半径Rを400nm、600nm、800nm、1000nmとした場合において得られる、図5に対応したエネルギースペクトルである。これ以外のパラメータは上記と同様である。この結果より、Rが800nmの場合において220MeV付近で鋭いピークが観測され。Rがこれより小さな場合、大きな場合共に、こうしたピークは観測されない。これは、前記の通り、レーザー光20の照射に際して、水素クラスター32においては内向きの衝撃波と外向きのクーロン爆発が同時に発生することを考慮して、以下の通りに説明できる。
まず、Rが最適な範囲よりも小さな場合には、外向きのクーロン爆発の影響が内向きの衝撃波の影響よりも大きくなる。このため、前記のように、水素クラスター32の中心付近でイオン密度が高い第1領域32Aは形成されにくくなる。このため、第1の領域32Aにおけるレーザープラズマ加速は発生しにくくなり、その代わりに、クーロン爆発によるエネルギースペクトル中の低エネルギー側の成分が顕著となる。なお、この場合のプロトンのエネルギーは、「High Energy Ions Generated by Laser Driven Coulomb Explosion of Cluster」、K.Nishihara、H.Amitani、M.Murakami、S.V.Bulanobv and T.Zh.Esirkepovc、Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A、464巻、98頁(2001年)と矛盾しない範囲である。
一方、Rが最適な範囲よりも大きな場合には、逆に、内向きの衝撃波の影響が外向きのクーロン爆発の影響よりも大きくなる。ただし、第1領域32Aにおけるプラズマの透明化が起こるタイミングと第1領域32Aが最圧縮されるタイミングとがずれ、充分に圧縮されていない第1領域32Aに対してレーザー光20が照射される。このため、前記のように、エネルギースペクトルにおけるレーザープラズマ加速による高エネルギー側の成分は存在しているが、その広がりは大きい。すなわち、レーザープラズマ加速は発生するが、単色性が悪い。このため、Rは800nmをほぼその中心とした400~1500nmの範囲(平均粒径は、その2倍である800nm~3000nm)の範囲)が好ましい。
このような最適範囲が存在するという点については、レーザー光20のピークパワーについても同様である。図7は、Rを800nmと固定し、レーザー光20のピークパワーを2×1021W/cm、3×1021W/cm、4×1021W/cm、1×1022W/cmとした場合の図6と同様の結果を示す。ただし、このシミュレーションは二次元で行ったため、ピークパワーが1×1022W/cmの場合においても高エネルギー側成分の単色性は低くなっている。
この結果より、前記のRが大きな場合と同様に、ピークパワーが小さい場合にも、単色性は劣化することが確認できる。これは、前記のRが大きな場合と同様に、第1領域32A中におけるプラズマの透明化が起こるタイミングと第1領域32Aが最圧縮されるタイミングとがずれるために、レーザープラズマ加速による高エネルギー成分は生成されても、その単色性は低くなっている。この結果より、ピークパワーは、水素クラスター32においてプラズマの透明化が起こる閾値である3×1021W/cm以上とすることが好ましい。また、ピークパワーが1×1024W/cmを超えると、放射減衰の効果が顕著となり、イオンがレーザー光で直接加速される効果が現れ始める。このため、ピークパワーは1×1024W/cm以下であることが好ましい。
レーザー光20の立ち上がり時間についても、同様に考えることができる。すなわち、ピークパワーが一定で立ち上がり時間が最適な範囲の下限よりも短くなった場合、水素クラスター32に吸収されるエネルギーは小さくなるため、前記のピークパワーが低い場合と同様である。また、上記のような超短パルスレーザー光を用いることによって第1領域32A、第2領域32Bが形成されるため、図3のような状態を実現するためには、立ち上がり時間の上限値も存在する。前記の通り、超短パルスレーザー光においては、立ち上がり時間はパルス長の1/2とすることができ、こうした最適な立ち上がり時間は、7.5fs~100fsであり、これに対応した最適なパルス長の範囲はその2倍の15fs~200fs程度となる。
すなわち、水素で構成されたクラスターに対して超短パルスレーザー光を照射してプロトンビームを生成する際に、上記の条件とすることが、図5に示されたような単色性の高いプロトンビームを得るためには好ましい。図4に示されるように、図5における220MeVのピークの成分はレーザー光20の進行方向に沿った強い指向性をもつのに対して、図5におけるクーロン爆発による低エネルギー側の成分は指向性がない。また、この低エネルギー側の成分はレーザープラズマ加速による220MeVのピークから低エネルギー側で明確に分離されているため、分離は容易である。また、一般に、粒子線癌治療において用いられるプロトンビームのエネルギーは60~250MeVの範囲内であるため、図5の特性はこうした用途には特に好ましい。
また、図5の特性において、E=220MeVのピークの半値幅をΔEとすると、単色化率ΔE/Eの値は、約0.07となる。従来の加速器(シンクロトロン、サイクロトロン等)における同程度のエネルギーのプロトンビームのΔE/Eは通常は0.01程度であるため、上記の構成により、単色性を従来の加速器に近づけることができる。
また、上記においては、単一の水素クラスター32に対してレーザー光20が1回照射された場合について説明された。この際の220MeVのピークに対応したイオン(プロトン)数は10個程度となる。プロトンビームを癌治療に用いる場合に必要な吸収線量を1Gyとすると、このプロセスを10Hzで286秒間行うことにより、この吸収線量が得られる。前記の通り、クラスターガス生成装置70においては、電磁バルブ47を用いて水素クラスター32の生成のオン・オフを、超短パルスレーザー光の発振の繰り返し周波数に同期させることができる。この条件は、レーザー光源の発振周波数と、クラスターガス生成装置70による水素クラスターガス30の繰り返し生成可能な周波数を、それぞれ上記の値とすることによって実現できる。
上記においては、ガスとして水素を使用し、プロトンビームを生成する場合について説明した。しかしながら、クラスター中で同様のメカニズムを発生させることによって、他の原子からなるガスを用いて、この原子のイオンビームを単色性の高い状態で生成することができることは明らかである。すなわち、上記のイオン加速方法は、プロトンビームを生成する場合だけでなく、他のイオンビームを生成する場合においても有効である。この際、前記の通り、単色性を高めることは、特に医療用途(癌治療等)においては有効である。
また、特許文献4に記載されるような、パルスレーザー光の集光位置(集光光学系)やクラスターガスの生成タイミングの調整も同時に行うことができる。
10 イオン加速装置
20 レーザー光(パルスレーザー光)
21 集光光学系
30 水素クラスターガス
31 水素(H)分子
32 水素クラスター(クラスター)
40 水素クラスターガス生成装置
41 冷凍機
42 ヒーター
43 温度センサ
44 水素ガス導入部
45 ノズル
46 水素クラスター噴出口
47 電磁バルブ(バルブ)
50 イオンビーム(プロトンビーム)

Claims (4)

  1. 粒子状のクラスターが分散されたクラスターガスに対してパルスレーザー光を照射し、前記クラスターをプラズマ化し、前記クラスターを構成する原子をイオン化して加速するイオン加速方法であって、
    前記クラスターガスは、冷却されたガスをノズルから真空中に噴出させることによって生成されたものであり、
    前記パルスレーザーの照射により、
    前記クラスター内に、前記パルスレーザー光の照射によりクラスター内に生じる衝撃波による圧縮によってクラスター中心でイオン密度が高まった第1領域と、
    前記第1領域の外側において前記クラスターのクーロン爆発により前記イオン密度が前記第1領域よりも小さくなった第2領域と、を形成し、且つ、
    前記第1領域のプラズマを透明化し、
    前記第1領域で前記パルスレーザー光の照射によりクラスター内に生じる衝撃波による圧縮によってクラスター中心でイオン密度が高まるタイミングと前記第1領域のプラズマを透明化するタイミングとを一致させることを特徴とするイオン加速方法。
  2. 前記ガスを水素とし、前記パルスレーザー光の波長を650nm~1100nmの範囲、前記クラスターの平均粒径を800nm~3000nmの範囲、前記パルスレーザー光のピークパワーを3.0×1021W/cm以上かつ1.0×1024W/cm以下、パルス長を15fs~200fsの範囲とすることを特徴とする請求項1に記載のイオン加速方法。
  3. 前記パルスレーザー光の発振と前記クラスターガスの形成を同期させ、かつ前記パルスレーザー光の発振周波数と前記クラスターガスの形成の繰り返し周波数を一致させることを特徴とする請求項1又は2に記載のイオン加速方法。
  4. 前記ノズルに至るまでの前記ガスの流れのオン・オフの制御を行うバルブの動作を前記パルスレーザー光の発振と同期させることを特徴とする請求項3に記載のイオン加速方法。
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