以下、本発明に係る実施の形態について説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、本実施の形態で説明される構成の全てが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。更に、以下の説明において基本的に「前後」とは、遊技機の前側に遊技者が居る場合に、遊技者側が「前」で、遊技機側が「後」を意味し、「上下」とは遊技機の上面側が「上」で、下面側が「下」を意味し、「左右」とは遊技機で遊技する遊技者の左手側が「左」を意味し、右手側が「右」を意味する。
1.遊技機の全体構成
まず、本発明の実施の形態に係る遊技機としてのスロットマシン1の全体構成について図1及び図2に基づいて説明をする。本実施の形態に係るスロットマシン1は、いわゆる回胴式遊技機と呼ばれるもので、メダルなどの遊技媒体に対して一定の遊技価値を設定し、このような遊技媒体を用いて更なる遊技媒体を遊技者に付与可能な遊技を行う種類の遊技機である。図1に示すように、スロットマシン1は、6面体構造のうち遊技者に対向する前面が開口した筐体10を備えていると共に、この開口した筐体10の前面を開閉可能な前扉50により被覆して構成されている。また、図2に示すように、筐体10の内部には、複数の回転リールとしての第1リールRE1〜第3リールRE3を備えたリールユニットRE、リールユニットREの下部に配置されたメダルの払出装置としてのホッパーユニット20、及びリールユニットREの上部に配置され、遊技を実行するための各種の演算を行うと共にリールユニットREやホッパーユニット20の動作を制御する主制御基板30が収められている。
第1リールRE1〜第3リールRE3は、それぞれの外周面が一定の間隔で21の領域(以下、各領域を「コマ」と記載する)に区画されており、各コマにスロットマシン1の機種固有のデザインとして印刷される複数種類の図柄のいずれかが配列されている。また、第1リールRE1〜第3リールRE3は、それぞれ左右方向に延びるステッピングモータの軸周りに回転駆動され、リールを駆動させるアクチュエータとしてのステッピングモータの、駆動パルスのパルス数やパルス幅などを制御することによって、コマ単位(所定の回転角度単位、所定の回転量単位)で停止可能に設けられている。
前扉50は、上扉ユニット50Uと、下扉ユニット50Lとに上下に分割して構成されており、上扉ユニット50Uは、その中央部から上方部に亘って大型の液晶からなる表示装置52が設けられていると共に、表示装置52の下方には、バックライト基板と略平行となるように前方やや上向きとなるように起立して配置され、第1リールRE1〜第3リールRE3の回転状態及び停止状態を観察可能にする表示窓51が設けられている。第1リールRE1〜第3リールRE3の停止状態では、第1リールRE1〜第3リールRE3それぞれの外周面に一定間隔で配列された複数種類の図柄のうち、外周面上に連続して配列されている3つの図柄(上段図柄、中段図柄、下段図柄)をスロットマシン1の正面から表示窓51を通じて観察できるようになっている。
また、本実施形態のスロットマシン1では、各リールの上段・中段・下段の表示位置の組合せ(例えば中段1列)によって有効ラインLfが設定されている。なお、本実施形態のスロットマシン1では、1回の遊技に関して必要となるメダルの数、いわゆる規定投入数が3枚に設定され、規定投入数に相当するメダルが投入されると第1リールRE1〜第3リールRE3の中段によって構成される有効ラインLfが有効化される。
前扉50の下扉ユニット50Lには、演出用の絵柄などを表示する下パネル55が設けられていると共に、下パネル55の上方には各種の操作手段が設けられている操作部65が配置されている。操作部65は、各種の操作手段と、各種の操作手段を支持する操作ベース66と、を有して、スロットマシン1の左端部から右端部に亘って形成されている。操作部65は、操作ベース66の上面部66aに、操作手段として、クレジット(貯留)されたメダルを投入する操作を行うための投入操作手段としての、1枚のメダルを投入するシングルベットボタンBT及び規定投入数のメダルを投入するマックスベットを実行するマックスベットボタンユニットMBなどが配置されており、操作ベース66の前面部66bに、操作手段として、第1リールRE1〜第3リールRE3を回転させて遊技を開始する契機となる開始操作を遊技者に実行させるための遊技開始操作手段としてのスタートレバーSL、第1ステッピングモータ〜第3ステッピングモータにより回転駆動されている第1リールRE1〜第3リールRE3のそれぞれを停止させる契機となる停止操作を遊技者に実行させるための停止操作手段としてのストップボタンユニットB1〜ストップボタンユニットB3などが配置されている。
更に、下扉ユニット50Lには、遊技者がメダルを投入するメダル投入口56が設けられており、このメダル投入口56から投入されたメダルは、下扉ユニット50Lの裏側に設けられたセレクタ(不図示)によってカウントされてホッパーユニットへと案内されるようになっている。本実施の形態のスロットマシン1では、遊技者がメダルをメダル投入口56に投入するか、メダルが規定投入数以上にクレジットされている場合に、シングルベットボタンBTを規定投入数と同じ回数押下する操作又はマックスベットボタンユニットMBを押下する操作を行うことで、第1リールRE1〜第3リールRE3の回転制御を開始することが可能な準備状態にセットされる。そして、遊技者がスタートレバーSLを押下、つまり遊技者がスタートレバーSLに対して開始操作を実行すると、主制御基板30(図2参照)において乱数値を用いた内部抽選が行われた後に第1リールRE1〜第3リールRE3をステッピングモータの駆動により回転開始させ、第1リールRE1〜第3リールRE3の回転速度が所定の速度まで上昇し定常回転になったことを条件に、ストップボタンユニットB1〜ストップボタンユニットB3の押下操作が許可、即ちストップボタンユニットB1〜ストップボタンユニットB3による停止操作が有効化される。
その後、遊技者が任意のタイミングでストップボタンユニットB1〜ストップボタンユニットB3を押下(以下、「押下タイミング」と記載)し、遊技者が任意のタイミングで押下状態にあるストップボタンユニットB1〜ストップボタンユニットB3を解放状態にすると、ストップボタンユニットB1〜ストップボタンユニットB3のそれぞれに対応するストップスイッチがオフ動作を行い、主制御基板30へ出力するリール停止信号をオン状態からオフ状態に変化させる。
そして、主制御基板30は、ストップボタンユニットB1〜ストップボタンユニットB3の押下タイミング及び解放タイミングに応じて信号状態が変化するリール停止信号のオフ状態からオン状態への変化に基づいて、内部抽選の結果に応じた停止位置で第1リールRE1〜第3リールRE3を停止させる。
また、主制御基板30は、第1リールRE1〜第3リールRE3を停止させた後に、有効ラインLf上に停止している図柄の組合せに応じて、各種処理を実行する。主制御基板30が実行する各種処理としては、例えば、有効ラインLf上に停止している図柄の組合せが複数種類の役のうちメダルの払い出しを伴う小役の図柄組合せである場合、即ち小役が入賞した場合に、入賞した小役に設定されている配当に基づきホッパーユニットからメダルを払い出す払出処理や、有効ラインLf上に停止している図柄の組合せが遊技者にメダルを消費させることなく1回の遊技を実行可能にするリプレイの図柄組合せである場合に、今回の遊技における規定投入数のメダルを投入状態に設定するリプレイ処理等がある。
また、下扉ユニット50Lの下部にはメダル受け皿60が設けられており、遊技の結果に応じた枚数のメダルがメダル払出口からメダル受け皿60へ払い出されるようになっている。更に、例えば、遊技機内にクレジットされたメダルが記憶されている状態で、精算ボタンが押下された場合、精算ボタンの押下に伴ってホッパーユニットからクレジット数(クレジットされたメダルの枚数)に相当する枚数のメダルを払い出す精算処理を実行し、メダル払出口からメダル受け皿60へメダルを払い出す。
上扉ユニット50Uは、正面視において上扉ユニット50Uと略同じ大きさのベース部材53を有している。ベース部材53には、遊技を盛り上げるための音響装置(不図示)、スロットマシン1を装飾すると共に遊技の進行に応じて発光する演出を行う電飾装置75,76L,76R,77,78、演出用の可動役物71、及び上述した表示装置52など、上扉ユニット50Uを構成する複数の装飾部材や演出装置、演出装置を制御する副制御基板(不図示)等が支持されている。具体的には、表示装置52の前面には、可動役物としてシャッタ装置71が設けられており、遊技の進行に応じて左右のシャッタ(可動部材)71L,71Rを移動(開閉)させて表示装置52の画面を遮蔽させたり露出させたりすることができるようになっている。
また、電飾装置として、表示装置52の上方には上部ランプユニット75が設けられていると共に、表示装置52の左右側方には、サイドランプユニット76L,76Rが設けられている。更に、リールユニットREの図柄を観察する表示窓51の左右側方には、演出用の図柄を発光させるランプ装置77及び演出時に発光したり遊技者が操作を行ったりする演出ボタンSBが設けられている。また、表示装置52の下方には、ベース部材53に固定されているナビランプユニット78が設けられている。これら上部ランプユニット75及びサイドランプユニット76L,76R及びナビランプユニット78は、遊技に合わせて点灯して演出用の照明装置として機能したり、遊技に係る情報を遊技者に報知する報知装置として機能したりする。
次に、リールユニットREの詳細について説明をする。図2に示すように、リールユニットREは、リール本体25と、リール本体25に支持される第1ステッピングモータ〜第3ステッピングモータと、第1ステッピングモータ〜第3ステッピングモータにより回転する第1リールRE1〜第3リールRE3と、を有する。
第1リールRE1〜第3リールRE3は、第1ステッピングモータ〜第3ステッピングモータに軸支されている第1リールフレーム〜第3リールフレーム(不図示)と、可視光を透過する合成樹脂製で、それぞれ複数の図柄が印刷されている薄い帯状の第1リールテープT1〜第3リールテープT3と、を有する。第1リールフレーム〜第3リールフレームの各リールフレームは、第1ステッピングモータ〜第3ステッピングモータの回転軸と同心である円環状の1対のリム部と、左右方向に延設されて1対のリム部を複数箇所で互いに接続する接続部と、第1ステッピングモータ〜第3ステッピングモータの回転軸に取付けられるハブ部と、一方のリム部とハブ部とを接続して第1ステッピングモータ〜第3ステッピングモータの回転力をハブ部からリム部へ伝達するスポーク部と、を有して、合成樹脂により一体的に形成されている。第1リールテープT1は第1リールフレームの、第2リールテープT2は第2リールフレームの、第3リールテープT3は第3リールフレームの、それぞれの1対のリム部に対して、巻き掛けるように粘着材で着脱可能に貼り付けて固定されており、第1リールテープT1〜第3リールテープT3の各リールテープは、第1リールフレーム〜第3リールフレームの各リールフレームに固定されている状態において、それぞれ円筒状に形成されるように構成されている。
第1リールテープT1〜第3リールテープT3は、図柄の印刷に使用されている塗料や図柄の形状に応じて、可視光の透過率が低い遮光部(不図示)と、遮光部より可視光の透過率が高い透光部(不図示)と、を有している。遮光部は、例えば可視光の透過率が低いインクで印刷されて、図柄の一部を構成している。
また、リールユニットREは、リール本体25に固定されて第1リールテープT1〜第3リールテープT3を内部から前方へ向けて照明するバックライト基板(不図示)と、リール本体25に固定されて第1リールテープT1〜第3リールテープT3とバックライト基板との間に配置されているバックライトリフレクタ(不図示)と、を有する。なお、バックライト基板はリール本体25に直接固定されているものに限定されない。バックライト基板は、例えば、バックライトリフレクタに直接固定されて、リール本体25に対して間接的に固定されていてもよい。
バックライト基板は、第1リールテープT1の内周面を後方から照明する第1バックライト基板、第2リールテープT2の内周面を後方から照明する第2バックライト基板、及び第3リールテープT3の内周面を後方から照明する第3バックライト基板からなる。第1バックライト基板〜第3バックライト基板は、円筒状に形成されている第1リールテープT1〜第3リールテープT3の内部の空間に表面が前方やや上向きとなるように起立して配置されている。第1バックライト基板〜第3バックライト基板は、発光源として、それぞれ各バックライト基板の表面の上部に設置されて、上段図柄を後方から照明する上段LED、各バックライト基板の表面の下部に設置されて、下段図柄を後方から照明する下段LED、及び各バックライト基板の表面の上段LEDと下段LEDとの間に設置されて、中段図柄を照明する中段LEDと、を有する。
バックライトリフレクタは、第1バックライト基板と第1リールテープT1の内周面との間の空間に、第1バックライト基板の表面に対向して配置されている第1リフレクタと、第2バックライト基板と第2リールテープT2の内周面との間の空間に第2バックライト基板の表面に対向して配置されている第2リフレクタと、第3バックライト基板と第3リールテープT3の内周面との間の空間に、第3バックライト基板の表面に対向して配置されている第3リフレクタと、からなる。第1リフレクタ〜第3リフレクタは、遮光性を有すると共に光を反射しやすい材料製、例えば白色の合成樹脂製で、それぞれ有底で前方が開放する箱状に形成されており、第1バックライト基板〜第3バックライト基板に対向する底板と、底板の周囲から前方に延出して前端が対応する第1リールテープT1〜第3リールテープT3のいずれかの内周面に近接する外壁と、を有している。底板には、上段LED〜下段LEDのそれぞれに対応する位置に配置され、上段LEDを露出させる上段開口、中段LEDを露出させる中段開口、及び下段LEDを露出させる下段開口が形成されている。
底板及び外壁は、上段LED〜下段LEDからの光を第1リールテープT1〜第3リールテープT3の内周面に案内する導光空間(不図示)を形成し、導光空間と周囲の空間とを仕切っている。また、第1リフレクタ〜第3リフレクタは、上段開口と中段開口との間、及び中段開口と下段開口との間の、それぞれに配置されて、導光空間を仕切る仕切り板を有している。導光空間は、仕切り板により、上段LEDからの光を第1リールテープT1〜第3リールテープT3の内周面に案内する上段導光空間、中段LEDからの光を第1リールテープT1〜第3リールテープT3の内周面に案内する中段導光空間、及び下段LEDからの光を第1リールテープT1〜第3リールテープT3の内周面に案内する下段導光空間に、仕切られている。バックライトリフレクタは、上述のように構成されて、バックライト基板に設置されている上段LED〜下段LEDからの光を反射して、上段導光空間〜下段導光空間により前方、即ち第1リールテープT1〜第3リールテープT3の内周面へ向けて上段LED〜下段LEDからの光を案内すると共に、上段導光空間と中段導光空間との間及び中段導光空間と下段導光空間との間における光漏れや、第1リフレクタと第2リフレクタとの間における光漏れ及び第2リフレクタと第3リフレクタとの間における光漏れ、リールユニットREの外部への光漏れ等を低減するように構成されている。
次に、図3を参照して、マックスベットボタンユニットMB及びストップボタンユニットB1〜ストップボタンユニットB3について説明をする。マックスベットボタンユニットMBは、押しボタン部90と、摺動支持部93と、付勢手段としてのボタンばね94と、マックスベットスイッチとしてのスイッチ部95と、を有している。
摺動支持部93は、操作部65(図1参照)に固定されており、押しボタン部90を、押圧されていない状態である初期位置としての解除位置と押圧された押圧位置との間で、上下方向に摺動自在に支持している。ボタンばね94は、押しボタン部90を押圧方向である下方と逆の方向、即ち上方へ付勢している。スイッチ部95は、透過型のフォトインタラプタであり、主制御基板30に電気的に接続されるコネクタ95aと、発光部95bと、図示しない受光部と、を有している。スイッチ部95は、押しボタン部90が押圧方向へ摺動して、押しボタン部90の遮光部91aが発光部95bからの光を遮光した際に、主制御基板30へ検知信号を出力するように構成されている。押しボタン部90は、遮光部91aを有するボタン本体91と、ボタン本体91に固定されてボタン本体91の上部を覆う装飾部92と、を備えており、遊技が行われる際に遊技者により押圧操作されて、スイッチ部95に検知信号を出力させる。なお、以下の記載において、押しボタン部90が解除位置から押圧方向へ摺動して、スイッチ部95に検知信号を出力させない状態から検知信号を出力させる状態となる押しボタン部90の位置を、動作位置とも記載する。マックスベットボタンユニットMBを押圧操作する際に遊技者の指が触れる面、即ち装飾部92の操作面92aは、左右方向の大きさが大人の標準的な指の太さ2本分より十分に大きな値、例えば約40mmとなるように形成されて、遊技者により複数本の指で押圧操作されるように構成されている。
動作位置は、解除位置から押圧位置まで間のいずれかの位置となるように設定されている。仮に、解除位置と動作位置との距離が小さく設定されている場合、ボタンばね94の経年劣化等による付勢力の低下や、埃等の挟み込み、振動、部品寸法のばらつき等により、遊技者の押圧操作によらず、押しボタン部90がスイッチ部95に検知信号を出力させてしまう虞がある。また、動作位置と押圧位置との距離が小さく設定されている場合、埃等の挟み込み、部品寸法のばらつき等により、遊技者が押圧操作を行っても、押しボタン部90がスイッチ部95に検知信号を出力させられない虞がある。このため、動作位置は、解除位置から、遊技者の押圧操作によらず押しボタン部90がスイッチ部95に検知信号を出力させる虞がある位置までの第1の範囲、及び遊技者が押圧操作を行っても押しボタン部90がスイッチ部95に検知信号を出力させられない虞がある位置から、押圧位置までの第2の範囲を除く動作位置設定可能範囲に位置するように設定されている。例えば、第1の範囲は、解除位置から押圧方向へ0.5mm離間する位置までの範囲、第2の範囲は押圧位置から押圧方向とは反対の方向へ0.5mm離間する位置までの範囲となっている。
また、解除位置と押圧位置との距離Lが大きい場合、動作位置設定可能範囲も大きくなり、動作位置を動作位置設定可能範囲内で自由に設定することができるが、一般に、解除位置と押圧位置との距離Lを大きく設定すると、操作性が低下して押圧操作により遊技者が疲労を感じる虞がある。また、設計段階で想定した動作位置と、製品を操作して実際に検知信号が出力される動作位置とは、部品寸法のばらつき等により、例えば、±0.2mmの誤差が生じる。このため、解除位置と押圧位置との距離Lを、第1の範囲及び第2の範囲と比較して十分に大きく確保できない場合は、動作位置は、解除位置と押圧位置との中央位置に設定されていることが望ましい。
具体的には、本実施形態のマックスベットボタンユニットMBは、押しボタン部90が、解除位置から押圧方向へ約1mm摺動した際に押しボタン部90が動作位置に到達し、遮光部91aにより発光部95bからの光を遮光し、解除位置から押圧方向へ約2mm摺動した際に押圧位置に到達して、押しボタン部90が摺動支持部93に形成されている規制面93aに当接して、更なる押圧方向への移動が規制されるように構成されている。
なお、ストップボタンユニットB1〜ストップボタンユニットB3の構成は、マックスベットボタンユニットMBの構成に対して、押圧方向が後方(押しボタン部90の摺動する方向が前後方向)であること、装飾部92の大きさ及び動作に必要な力が異なるのみで、他の構成はマックスベットボタンユニットMBと同様であるため、ストップボタンユニットB1〜ストップボタンユニットB3の構成についての説明を省略する。なお、ストップボタンユニットB1〜ストップボタンユニットB3の装飾部92の操作面92aは、左右方向の大きさがマックスベットボタンユニットMBの装飾部92の操作面92aより小さな値、例えば約30mmとなるように形成されてかつマックスベットボタンユニットMBの装飾部92の操作面92aより小さな面積となるように形成されて、遊技者により1本の指で押圧操作されるように構成されている。
マックスベットボタンユニットMB及びストップボタンユニットB1〜ストップボタンユニットB3は、上述のように構成されていることにより、ボタンばね94の経年劣化や、埃等の挟み込み、振動、それぞれの部品寸法のばらつき等を許容して、遊技者の押圧によって確実にマックスベットスイッチやストップスイッチとしてのスイッチ部95がオン動作、即ち検知信号を出力するように構成されている。
また、マックスベットボタンユニットMBの動作に必要な力、即ちボタンばね94の付勢力に抗してマックスベットボタンユニットMBの押しボタン部90を動作位置に保持する力は、ストップボタンユニットB1〜ストップボタンユニットB3の動作に必要な力、即ちボタンばね94の付勢力に抗してストップボタンユニットB1〜ストップボタンユニットB3の押しボタン部90を動作位置に保持する力より、大きい値となるように設定されている。具体的には、マックスベットボタンユニットMBの押しボタン部90を動作位置に保持するには、マックスベットボタンユニットMBのボタンばね94の付勢力に抗して、約1.0N(ニュートン)の力を要するように構成されている。また、ストップボタンユニットB1〜ストップボタンユニットB3の押しボタン部90を動作位置に保持するには、ストップボタンユニットB1〜ストップボタンユニットB3のボタンばね94の付勢力に抗して、約0.7N(ニュートン)の力を要するように構成されている。
これにより、遊技者が手の重さを利用して複数本の指で押圧可能なマックスベットボタンユニットMBの押しボタン部90を押圧する際には、遊技者に対して適度に大きな操作力を要求し、マックスベットボタンユニットMBを操作したことを遊技者が認識しやすくすると共に、遊技者が手の重さを利用せずに1本の指で押圧するストップボタンユニットB1〜ストップボタンユニットB3の押しボタン部90を押圧する際には、遊技者が比較的に軽い力で操作可能とし、遊技者の疲労を軽減するように構成されている。また、このように構成されている場合、特に遊技者が長時間遊技を行う際における疲労軽減効果が大きい。また、このように、本実施形態のスロットマシン1では、押圧操作されるボタンの装飾部92の操作面92aの、左右方向の大きさや面積が大きいほど、ボタンの動作に必要な力が大きくなるように構成されている。
2.遊技機の制御構成
次に、スロットマシン1の制御構成を説明する。本実施形態のスロットマシン1は、それぞれ独立した基板である主制御基板30と図示しない副制御基板とを有する。図4に示すように、主制御基板30は、表面30a(一方の面)及び裏面にプリント配線が形成されると共に、表面30aに複数の電子部品やコネクタCN1〜コネクタCN5が取付けられている略矩形のプリント配線板である。
主制御基板30の表面30aに取付けられている電子部品には、集積回路を有して平板状に形成されているプロセッサとしてのマイクロコンピュータMCと、集積回路を有して平板状に形成されている複数のICチップIC1〜ICチップIC6と、複数の抵抗器R1〜抵抗器R11と、複数のコンデンサC1〜コンデンサC6と、が含まれる。マイクロコンピュータMCは、CPU(Central Processing Unit)、RAM、ROM、及びI/Oポートなどを備え、CPUがROMに記憶された所定のプログラムを実行することにより、遊技を実行するための各種の演算が行われる。ICチップIC1〜ICチップIC6は、リールユニットREやホッパーユニット20(それぞれ図2参照)を制御するドライバや、電断時に信号を出力する電断監視IC、マイクロコンピュータMCが入出力を行う際のバッファ等として機能している。
主制御基板30の表面30aに取付けられているコネクタCN1〜コネクタCN5は、メダルの投入を検知するメダル投入スイッチ(不図示)や、シングルベットボタンBT、マックスベットボタンユニットMB、スタートレバーSL、ストップボタンユニットB1〜ストップボタンユニットB3(それぞれ図1参照)等に設けられている各スイッチ等の入力手段と、リールユニットRE、ホッパーユニット20(それぞれ図2参照)等の出力手段と、にワイヤハーネス(不図示)を介して電気的に接続されている。
主制御基板30は、表面30aに取付けられている上述した電子部品や図示しない他の電子部品と共に樹脂ケース29(図2参照)に封入されており、下辺30bが左右方向と略一致するように、表面30aを前方に向けて配置されている。樹脂ケース29は、透光性の合成樹脂等により形成されており、主制御基板30を封入した状態で筐体10(図2参照)に固着されている。樹脂ケース29は、主制御基板30に取付けられているコネクタCN1〜コネクタCN5や、コネクタCN1〜コネクタCN5に接続されるワイヤハーネスを挿通させる開口(不図示)を有している。これにより、主制御基板30は、樹脂ケース29に封入されている状態で、各部と電気的に接続可能に構成されている。また、樹脂ケース29は、樹脂ケース29を破壊することによって、筐体10からの主制御基板30の取外しや、樹脂ケース29からの主制御基板30の取出しが可能となるように構成されている。このように構成されて、樹脂ケース29は、主制御基板30や主制御基板30に取付けられている電子部品に対する不正な改造の防止を図っている。主制御基板30及び主制御基板30の表面30aに取付けられている電子部品は、コネクタCN1〜コネクタCN5を介して各入力手段から入力信号を受けて、遊技を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいて各出力手段の動作を制御する。
副制御基板は、表面、裏面及び内部層にプリント配線が形成されると共に、表面に複数の電子部品及びコネクタが、裏面に複数の電子部品が取付けられている多層のプリント配線板である。副制御基板の表面及び裏面に取付けられている電子部品には、RAM、ROM、CPU、その他の複数のICチップ、複数の抵抗器、複数のコンデンサが含まれる。
副制御基板の表面に取付けられているコネクタは、主制御基板30と、演出ボタンSBと、音響装置、電飾装置75,76L,76R,77,78、可動役物71、及び表示装置52等の演出装置(それぞれ図1参照)と、に図示しないワイヤハーネスを介して電気的に接続されている。副制御基板及び副制御基板の表面に取付けられている電子部品は、副制御基板の表面に取付けられているコネクタを介して演出ボタンSB及び主制御基板30から入力信号を受けて、遊技を盛り上げる演出を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいて演出装置の動作を制御する。なお、主制御基板30及び副制御基板は、主制御基板30から副制御基板への単方向通信のみを可能に構成され、副制御基板から主制御基板30へ信号を入力することができないように構成されている。
3.主制御基板及び主制御基板に取付けられる部品の詳細
以下、図4を参照して、主制御基板30や、主制御基板30に取付けられる電子部品及びコネクタCN1〜コネクタCN5の詳細について説明をする。コネクタCN1〜コネクタCN5は、主制御基板30の表面30aに対し、主制御基板30の下辺30bに沿って、左右方向に並べて取付けられている。なお、本実施の形態において、主制御基板30の表面30aには、複数のコネクタCN1〜コネクタCN5が取付けられているが、これに限定されず、取付けられるコネクタは1つであってもよい。
マイクロコンピュータMC及びICチップIC1〜ICチップIC6は、正面視において略矩形の平板状に形成された本体部34と、本体部34の上辺及び下辺のそれぞれに2列に並べて配置され、後方へ向けて延出する複数のリード32と、を有するDIP(Dual In−line Package)型の電子部品である。複数のリード32は、主制御基板30に形成されている複数の貫通孔(不図示)にそれぞれ挿入されて、主制御基板30に取付けられている状態における本体部34の表面34aが主制御基板30の表面30aと平行となるように取付けられて、はんだにより主制御基板30に固定されている。マイクロコンピュータMC及びICチップIC1〜ICチップIC6は、本体部34の表面34aに、文字列(例えば文字列「HDHT1204−A」)からなる管理番号33(文字識別表示)が印刷されている。なお、マイクロコンピュータMC及びICチップIC1〜ICチップIC6は、本実施形態における文字付き電子部品を構成する。マイクロコンピュータMC及びICチップIC1〜ICチップIC6は、作業者が管理番号33を読取ることにより、製品の種類や仕様が識別される。なお、ICチップIC1及びICチップIC2、ICチップIC3及びICチップIC4、並びにICチップIC5及びICチップIC6は、それぞれ同一の管理番号33を有する同一種類のICチップであるように構成されている。
また、本実施形態において「文字列」とは、上述した例に示す通り数字のみに限定されず、英字、仮名、漢字等の文字や記号等を含む。即ち、管理番号33は数字のみから構成されているものに限定されず、管理番号33は読取る向きを特定可能な文字、数字及び記号(具体的には「¥」、「@」、「&」等)を少なくとも一部に含んで、管理番号33全体として読取る向きを特定可能に構成されていればよい。例えば、管理番号33は、数字を含まずに英字、仮名、漢字等の文字のみから構成されていてもよいし、読取る向きを特定できない文字や記号(具体的には「=」、「−」、「I」等)を一部に含んでいてもよいし、文字、数字及び記号等の1字であってもよい。
また、マイクロコンピュータMC及びICチップIC1〜ICチップIC6は、それぞれの管理番号33の文字列が同じ向きとなるように、マイクロコンピュータMC及びICチップIC1〜ICチップIC6が主制御基板30の表面30aに取付けられている。具体的には、マイクロコンピュータMC及びICチップIC1〜ICチップIC6は、主制御基板30を封入する樹脂ケース29(図2参照)が筐体10に取付けられている状態で、マイクロコンピュータMC及びICチップIC1〜ICチップIC6の管理番号33の文字列が、全て正面視で正方向となるように、主制御基板30の表面30aに取付けられている。これにより、本実施形態のスロットマシン1は、主制御基板30を封入する樹脂ケース29が筐体10に取付けられている状態で、作業者がマイクロコンピュータMC及びICチップIC1〜ICチップIC6の管理番号33を容易に目視可能となるように構成されている。
また、マイクロコンピュータMC及びICチップIC1〜ICチップIC4は、本体部34に非対称性を有する切欠部35(目印)を有している。具体的には、マイクロコンピュータMC及びICチップIC1〜ICチップIC4は、正面視で本体部34の左辺の一部を半円状に切欠くように形成されている切欠部35を有している。このように構成されて、切欠部35は、主制御基板30に取付けられているマイクロコンピュータMC及びICチップIC1〜ICチップIC4の向きを作業者が判別可能に構成されている。
また、マイクロコンピュータMC及びICチップIC1〜ICチップIC4のそれぞれが有するn本のリード32には、1番リード32aからn番リードまで順番に番号が与えられており、切欠部35と1番リード32aとの位置関係が予め定められている。具体的には、マイクロコンピュータMC及びICチップIC1〜ICチップIC4は、本体部34の左辺側に切欠部35が配置されている状態において、下辺の左端に1番リード32aが位置するように構成されている。1番リード32aから右方へ2番リード、3番リード、と番号が与えられ、下辺の右端のリード32から上辺の右端のリード32、上辺の右端のリード32から上辺の左端のリード32へ、順番にn番リードまで番号が与えられている。このように、マイクロコンピュータMC及びICチップIC1〜ICチップIC4は、切欠部35によって、複数のリード32のうちから1番リード32aを作業者が識別可能に構成されている。なお、マイクロコンピュータMC及びICチップIC1〜ICチップIC4は、全て本体部34の左辺側に切欠部35が配置されているので、1番リード32aは全て下辺の左端に配置されている。
また、ICチップIC5及びICチップIC6は、本体部34に非対称性を有するリード識別部36(目印)を有している。具体的には、ICチップIC5及びICチップIC6は、本体部34の表面34aにおいて1番リード32aの近傍に形成されている円形の凹みであるリード識別部36を有している。リード識別部36は、ICチップIC5及びICチップIC6の複数のリード32のうちから1番リード32aを作業者が識別可能に構成されていると共に、主制御基板30に取付けられているICチップIC5及びICチップIC6の向きを作業者が判別可能に構成されている。なお、ICチップIC5及びICチップIC6は、1番リード32aが下辺の左端に配置されている。このように、本実施形態のスロットマシン1は、切欠部35やリード識別部36が同じ向きとなるように、マイクロコンピュータMC及びICチップIC1〜ICチップIC6が主制御基板30に取付けられており、作業者がマイクロコンピュータMC及びICチップIC1〜ICチップIC6の取付け方向や1番リード32aの位置を容易に目視可能となるように構成されている。
抵抗器R1〜抵抗器R11及びコンデンサC1〜コンデンサC6は、円筒状の円筒部38と、円筒部38の軸方向の両端に突出するリード37と、を有する円筒型の抵抗器及びコンデンサであり、両端のリード37が、それぞれ主制御基板30に形成されている2箇所の貫通孔に挿入されて、はんだにより主制御基板30に固定されている。抵抗器R1〜抵抗器R11及びコンデンサC1〜コンデンサC6は、それぞれ、方向性を有して抵抗器及びコンデンサの仕様を表示するカラーコード39(方向性識別表示、識別表示)を有する。なお、抵抗器R1〜抵抗器R11及びコンデンサC1〜コンデンサC6は、本実施形態における方向性表示付き電子部品(識別表示付き電子部品)を構成している。カラーコード39は、抵抗器R1〜抵抗器R11及びコンデンサC1〜コンデンサC6の円筒部38の外周面に、円筒部38の軸方向と交差する面に沿って形成されている複数の帯からなり、これら帯の色の違いにより、抵抗器R1〜抵抗器R11においては抵抗値とその精度、コンデンサC1〜コンデンサC6においては静電容量とその精度を表示している。
抵抗器R1〜抵抗器R11及びコンデンサC1〜コンデンサC6は、両端のリード37がそれぞれ主制御基板30に形成されている2箇所の貫通孔のいずれに挿入されても機能上の影響が無いように構成されている。即ち、抵抗器R1〜抵抗器R11及びコンデンサC1〜コンデンサC6は、機能上の方向性は有していないが、カラーコード39により、視覚上の方向性を有している。このため、抵抗器R1〜抵抗器R11及びコンデンサC1〜コンデンサC6のうち、互いに同一のカラーコード39を有していながら、カラーコード39が異なる向きとなるように主制御基板30に取付けられている場合、機能上の問題は発生しないが、正しい抵抗器R1〜抵抗器R11及びコンデンサC1〜コンデンサC6が取付けられているか否かを確認する際の作業性が低下する。例えば、作業者が互いに同一のカラーコード39を有している電子部品を、互いに異なるカラーコード39を有する電子部品であると誤認する虞がある。
このため、本実施形態におけるスロットマシン1は、同一のカラーコード39を有する抵抗器R1〜抵抗器R11及びコンデンサC1〜コンデンサC6は、カラーコード39の向きが同じ向きとなるように主制御基板30の表面30aに取付けられている。具体的には、抵抗器R1及び抵抗器R11、抵抗器R2〜抵抗器R7、抵抗器R8〜抵抗器R10、コンデンサC1〜コンデンサC4、並びにコンデンサC5〜コンデンサC6は、それぞれ同一のカラーコード39を有しており、互いにカラーコード39の向きが同じ向きとなるように取付けられている。また、全ての抵抗器R1〜抵抗器R11及びコンデンサC1〜コンデンサC6は、円筒部38の軸方向が同じ向きとなるように主制御基板30の表面30aに取付けられている。これにより、本実施形態におけるスロットマシン1は、カラーコード39の視認性を向上し、作業者が主制御基板30に正しい抵抗器R1〜抵抗器R11及びコンデンサC1〜コンデンサC6が取付けられているか否かを確認する際における誤認の可能性を低減している。
主制御基板30は、表面30aに、主制御基板30の仕様毎に固有の文字列(例えば文字列「ABCD01−01」)からなる基板管理番号30hが印刷されており、基板管理番号30hにより作業者に主制御基板30を識別させている。また、主制御基板30は、表面30aに、取付けられる電子部品がCPUを有するマイクロコンピュータMCであることを表示する文字列「CPU」からなるCPU識別表示30c、取付けられる電子部品がICチップIC1〜ICチップIC6のいずれであるかを表示する文字列「IC1」〜文字列「IC6」からなるIC識別表示30f、取付けられる電子部品が抵抗器R1〜抵抗器R11のいずれであるかを表示する文字列「R1」〜文字列「R11」からなる抵抗器識別表示30i、取付けられる電子部品がコンデンサC1〜コンデンサC6のいずれであるかを表示する文字列「C1」〜文字列「C6」からなるコンデンサ識別表示30j、及び取付けられるコネクタがコネクタCN1〜コネクタCN5のいずれであるかを表示する文字列「CN1」〜文字列「CN5」からなるコネクタ識別表示30kが、印刷されている。
CPU識別表示30c、IC識別表示30f、抵抗器識別表示30i、コンデンサ識別表示30j、及びコネクタ識別表示30kは、それぞれマイクロコンピュータMC、ICチップIC1〜ICチップIC6、抵抗器R1〜抵抗器R11、コンデンサC1〜コンデンサC6、及びコネクタCN1〜コネクタCN5の、対応する部品の近傍に配置されている。また、基板管理番号30h、CPU識別表示30c、IC識別表示30f、抵抗器識別表示30i、コンデンサ識別表示30j、及びコネクタ識別表示30kの文字列は、各部品が主制御基板30に取付けられている状態において正面視でそれぞれの文字列が読取り可能な位置に配置されている。望ましくは、基板管理番号30h、CPU識別表示30c、IC識別表示30f、抵抗器識別表示30i、コンデンサ識別表示30j、及びコネクタ識別表示30kは、主制御基板30に取付けられている各部品と正面視で重ならない位置に配置されている。
また、基板管理番号30h、CPU識別表示30c、IC識別表示30f、抵抗器識別表示30i、コンデンサ識別表示30j、及びコネクタ識別表示30kの文字列は、同じ向きとなるように、表面30aに配置されている。具体的には、主制御基板30を封入する樹脂ケース29(図2参照)が筐体10に取付けられている状態で、基板管理番号30h、CPU識別表示30c、IC識別表示30f、抵抗器識別表示30i、コンデンサ識別表示30j、及びコネクタ識別表示30kの文字列が、全て正面視で正方向となるように、主制御基板30の表面30aにそれぞれ配置されている。即ち、マイクロコンピュータMC及びICチップIC1〜ICチップIC6に印刷されている管理番号33や、主制御基板30の表面30aに印刷されている文字列は、全て正面視で正方向となるように配置されている。これにより、本実施形態におけるスロットマシン1は、主制御基板30の表面30aに記載されている文字列の内容を作業者が容易に視認可能となるように構成されていると共に、主制御基板30の表面30aに記載されている文字列と、主制御基板30に取付けられている部品、電子部品の管理番号33及びカラーコード39と、を作業者が容易に比較可能となるように構成されている。
また、主制御基板30は、表面30a上の、マイクロコンピュータMC及びICチップIC1〜ICチップIC6の取付け位置の近傍に、マイクロコンピュータMC及びICチップIC1〜ICチップIC6の取付け方向を案内する、切欠き部案内表示30d(案内表示)及びリード識別部案内表示30g(案内表示)が印刷されている。具体的には、切欠き部案内表示30dは、主制御基板30にマイクロコンピュータMC及びICチップIC1〜ICチップIC4が取付けられている状態の切欠部35の近傍に印刷されている、切欠部35の半円に対応する半円弧の線からなる表示である。また、具体的には、リード識別部案内表示30gは、ICチップIC5及びICチップIC6の1番リード32aが挿入される主制御基板30の貫通孔の近傍に印刷されている三角形からなる表示である。
また、切欠き部案内表示30d及びリード識別部案内表示30gは、各部品が主制御基板30に取付けられている状態において正面視で少なくとも一部が視認可能な位置に配置されている。望ましくは、切欠き部案内表示30d及びリード識別部案内表示30gは、主制御基板30に取付けられている各部品と正面視で重ならない位置に配置されている。これにより、切欠き部案内表示30d及びリード識別部案内表示30gは、作業者が主制御基板30にマイクロコンピュータMC及びICチップIC1〜ICチップIC6を取付ける際、マイクロコンピュータMC及びICチップIC1〜ICチップIC4の切欠部35及びICチップIC5及びICチップIC6のリード識別部36に対応して、マイクロコンピュータMC及びICチップIC1〜ICチップIC6の取付け方向を案内している。また、切欠き部案内表示30d及びリード識別部案内表示30gは、マイクロコンピュータMC及びICチップIC1〜ICチップIC6が主制御基板30に取付けられている方向が正しいか否かを作業者が容易に確認可能となるように構成されている。
また、主制御基板30上には、複数の電子部品の集合部分である部品集合部を有している。部品集合部は、同一の又は類似する機能を有する電子部品の集合部分や、同一の又は類似する外観を有する電子部品の集合部分、互いに関連する機能を有する電子部品の集合部分、複数の電子部品により特定の機能を実現する電子部品の集合部分等であり、複数の電子部品が隣接して纏まるように配置されて構成されている。本実施形態におけるスロットマシン1においては、主制御基板30上には、部品集合部として、ICチップIC1〜ICチップIC6及びコンデンサC1〜コンデンサC6が集合している第1集合部と、抵抗器R2〜抵抗器R10が集合している第2集合部と、コネクタCN1〜コネクタCN5が集合している第3集合部と、を有している。これにより、本実施形態におけるスロットマシン1は、主制御基板30に取付けられている、類似する部品や関連する機能を有する部品等の視認性を向上している。なお、本実施形態において、同一の部品集合部に含まれる任意の2つの電子部品の間には、当該部品集合部に含まれない電子部品は配置されないように構成されている。
4.本実施形態のまとめ
以上のように、本実施形態のスロットマシン1は、文字列からなる管理番号33を有するマイクロコンピュータMC及びICチップIC1〜ICチップIC6が、管理番号33の文字列が同じ向きとなるように主制御基板30に取付けられているので、作業者は、管理番号33によりマイクロコンピュータMC及びICチップIC1〜ICチップIC6を目視で容易に識別することができ、主制御基板30や、主制御基板30に取付けられている電子部品の検査時、例えば、スロットマシン1の製造ラインにおける動作検査時、国家公安委員会の指定試験機関である保安通信協会(保通協)の型式試験での検査時、警察等による遊技場への立入検査時、スロットマシン1が故障した際の故障部位を特定する検査時等における作業性の向上を図ることができる。
また、本実施形態のスロットマシン1は、主制御基板30の表面30a上の、マイクロコンピュータMC及びICチップIC1〜ICチップIC6の取付け位置のそれぞれの近傍に、マイクロコンピュータMC及びICチップIC1〜ICチップIC6の取付け方向を案内する切欠き部案内表示30d及びリード識別部案内表示30gを有している。これにより、作業者は、主制御基板30にマイクロコンピュータMC及びICチップIC1〜ICチップIC6が正しい方向に取付けられているか否かを目視で容易に確認することができ、主制御基板30や、主制御基板30に取付けられている電子部品の検査時における作業性の向上を図ることができる。
また、本実施形態のスロットマシン1は、カラーコード39を有する抵抗器R1〜抵抗器R11及びコンデンサC1〜コンデンサC6のうち、同一のカラーコード39を有する電子部品が、カラーコード39が同じ向きとなるように主制御基板30に取付けられているので、作業者によるカラーコード39の誤認の可能性を低減し、主制御基板30や、主制御基板30に取付けられている電子部品の検査時における作業性の向上を図ることができる。
5.変形例
なお、本実施形態において、スロットマシン1は、文字識別表示を有する文字付き電子部品として、管理番号33が印刷されているマイクロコンピュータMC及びICチップIC1〜ICチップIC6を有して構成されているが、これに限定されない。文字付き電子部品は、文字列からなる文字識別表示を有して文字識別表示により識別される電子部品であればよく、例えば、スロットマシン1は、文字付き電子部品として、文字識別表示としての管理番号が印刷されたROMやRAM等を含む多様なICチップ、抵抗器、コンデンサ、ダイオード、トランジスタ、リレー、ヒューズ等を有して構成されていてもよいし、文字付き電子部品としての多様な電子部品を有して構成されていてもよい。また、文字識別表示は電子部品の管理番号に限定されない。文字識別表示は電子部品の特性を示す表示でもよく、例えば、抵抗値、静電容量、定格電圧、定格電流、電圧や電流の制限値、電子部品の機能等を示す表示でもよいし、製造時期、製造者名、生産地名等を示す表示でもよい。
また、本実施形態において、スロットマシン1は、主制御基板30の表面30aに取付けられている管理番号33を有する電子部品が、管理番号33の文字列が全て正面視で正方向となるように主制御基板30に取付けられているが、これに限定されない。スロットマシン1は、主制御基板30の一方の面である表面30aに取付けられた管理番号を有する電子部品のうち、主制御基板30の面と管理番号を有する面とが平行となるように取付けられているものについて、管理番号の文字列が同じ向きとなるように主制御基板30に取付けられていればよい。例えば、スロットマシン1は、主制御基板30の表面30aに取付けられている管理番号33を有する電子部品が、管理番号33の文字列が全て正面視で上下逆方向となるように主制御基板30に取付けられていてもよいし、管理番号33の文字列の向きがいずれかの方向に統一されていればよい。また、例えば、主制御基板30の表面30aに取付けられてはいるが、表面30aと管理番号を有する面とが平行となるように取付けられてはいない電子部品や、主制御基板30の他方の面である裏面に取付けられた電子部品等については、管理番号の文字列が異なる向きとなるように主制御基板30に取付けられていてもよい。主制御基板30の表面30aに取付けられてはいるが、表面30aと管理番号を有する面とが平行となるように取付けられてはいない電子部品としては、具体的には、SIP(Single In−line Package)型のICチップや、円筒型に形成されて円筒面に管理番号を有しているコンデンサ等がある。
また、主制御基板30の面と管理番号を有する面とが平行となるように取付けられている、とは、互いの面が厳密に平行であるものに限定されず、主制御基板30の表面30aの垂直方向視において、主制御基板30の面と管理番号を有する面とが平行であると作業者が認識する程度に、平行に近い角度となるように取付けられていればよい。
また、本実施形態において、スロットマシン1は、非対称性を有する目印として、マイクロコンピュータMC及びICチップIC1〜ICチップIC4を半円状に切欠くように形成されている切欠部35や、ICチップIC5及びICチップIC6の円形の凹みであるリード識別部36を有して構成されているが、これに限定されない。目印は、電子部品の向きの判別や1番リード32aの識別が可能な程度に非対称性を有するものであればよく、例えば、スロットマシン1は、目印として、マイクロコンピュータMC及びICチップIC1〜ICチップIC6の本体部34の角の一部が面取りされている面取り形状を有して構成されていてもよいし、目印として、本体部34の表面34a上の1番リード32aの近傍に印刷されている記号や文字等を有して構成されていてもよい。また、スロットマシン1は、目印を有する文字付き電子部品として、マイクロコンピュータMC及びICチップIC1〜ICチップIC6以外の電子部品、例えば、抵抗器、コンデンサ、ダイオード、トランジスタ、リレー、ヒューズ等を有して構成されていてもよい。
また、本実施形態において、スロットマシン1は、方向性を有する方向性識別表示として、抵抗器R1〜抵抗器R11及びコンデンサC1〜コンデンサC6のカラーコード39を有して構成されているが、これに限定されない。方向性識別表示は、方向性を有して電子部品を識別可能とするものであればよく、例えば、抵抗器、コンデンサ、ダイオード、トランジスタ、リレー、ヒューズ等に印刷されて部品を識別可能とする管理番号が、本実施形態における方向性識別表示を構成してもよいし、マイクロコンピュータMC、ICチップIC1〜ICチップIC6等に印刷されて方向性を有する管理番号33が、本実施形態における方向性識別表示を構成してもよいし、マイクロコンピュータMC及びICチップIC1〜ICチップIC4を半円状に切欠くように形成されている切欠部35や、ICチップIC5及びICチップIC6が有する円形の凹みであるリード識別部36が、本実施形態における方向性識別表示を構成してもよいし、他の多様な形態が考えられる。
また、本実施形態において、スロットマシン1は、マイクロコンピュータMC及びICチップIC1〜ICチップIC6に印刷されている文字識別表示としての管理番号33や、主制御基板30の表面30aに印刷されている文字列が、全て同じ向きとなるように配置されているが、これに限定されない。スロットマシン1は、主制御基板30の表面30aに印刷されている複数の文字列のうち一部が、他の文字列の向きとは異なる例外的な向きとなるように配置されていてもよいし、文字列を有する複数の電子部品のうち一部の電子部品が他の電子部品とは文字列の向きが異なるように配置されていてもよい。また、マイクロコンピュータMC及びICチップIC1〜ICチップIC6は、文字列からなる文字識別表示以外の表示を有するように構成されていてもよいし、1つの電子部品の中に向きが異なる複数の文字列が印刷されており、そのうちの一部の文字列の向きが他の電子部品の文字列や主制御基板30の表面30aに印刷されている文字列と同じ向きとなるように配置されていてもよい。
また、本実施形態において、スロットマシン1は、抵抗器R1〜抵抗器R11及びコンデンサC1〜コンデンサC6が、円筒部38の軸方向が全て同じ向きとなるように主制御基板30の表面30aに取付けられているように構成されているが、これに限定されない。スロットマシン1は、一方の面に取付けられた複数の方向性表示付き電子部品のうち、同一の方向性識別表示を有する方向性表示付き電子部品が、方向性識別表示が同じ向きとなるように基板に取付けられているように構成されていればよく、例えば、異なるカラーコード39を有する抵抗器R1及び抵抗器R11と、抵抗器R2〜抵抗器R7と、は、円筒部38の軸方向が異なる向きとなるように主制御基板30の表面30aに取付けられているように構成されていてもよい。また、例えば、表面30aに取付けられている抵抗器R1と同じカラーコードを有する他の抵抗器が主制御基板30の裏面に取付けられている場合、これらの抵抗器は異なる向きに取付けられているように構成されていてもよい。
また、本実施形態において、スロットマシン1は、主制御基板30の表面30aに取付けられた複数の方向性表示付き電子部品のうち、同一の方向性識別表示を有する全ての方向性表示付き電子部品が、方向性識別表示が同じ向きとなるように主制御基板30に取付けられているように構成されているが、これに限定されない。スロットマシン1は、例えば、同一の部品集合部に含まれる電子部品のうち、同一の方向性識別表示を有する方向性表示付き電子部品が、方向性識別表示が同じ向きとなるように主制御基板30に取付けられていればよい。具体的には、第1集合部に含まれる電子部品のうち、コンデンサC1〜コンデンサC4は、方向性を有する方向性識別表示としてのカラーコード39が同一であり、コンデンサC5及びコンデンサC6は、カラーコード39が同一であり、ICチップIC1及びICチップIC2は、方向性を有する方向性識別表示としての管理番号33が同一であり、ICチップIC3及びICチップIC4は、管理番号33が同一であり、ICチップIC5及びICチップIC6は、管理番号33が同一である。すなわち、第1集合部において、コンデンサC1〜コンデンサC4、コンデンサC5及びコンデンサC6、ICチップIC1及びICチップIC2、ICチップIC3及びICチップIC4、ICチップIC5及びICチップIC6は、それぞれ方向性識別表示が同じ向きとなるように主制御基板30に取付けられていればよい。また、具体的には、第2集合部に含まれる電子部品のうち、抵抗器R2〜抵抗器R7は、方向性を有する方向性識別表示としてのカラーコード39が同一であり、抵抗器R8〜抵抗器R10は、カラーコード39が同一である。すなわち、第2集合部において、抵抗器R2〜抵抗器R7、抵抗器R8〜抵抗器R10は、それぞれ方向性識別表示が同じ向きとなるように主制御基板30に取付けられていればよい。このように構成されて、スロットマシン1は、主制御基板30上に取付けられている、類似する部品や関連する機能を有する部品等の視認性を向上し、主制御基板30や、主制御基板30に取付けられている電子部品の検査時における作業性の向上を図ることができる。
また、本実施形態において、スロットマシン1は、電子部品が取付けられている基板として、遊技を実行するための各種の演算を行う主制御基板30を例に説明をしたが、これに限定されない。電子部品が取付けられている基板は、LED等の発光源が取付けられている発光基板、電流や電気信号を中継する中継基板、遊技を盛り上げる演出を実行するための各種の演算を行う副制御基板、入力電力から必要とされる出力電力を生成する電源基板等でもよいし、基板には表面及び裏面に電子部品が取付けられていてもよい。
また、本実施形態において、スロットマシン1は、マックスベットボタンユニットMBの動作に必要な力が、ストップボタンユニットB1〜ストップボタンユニットB3の動作に必要な力より大きい値となるように構成されているが、これに限定されない。スロットマシン1は、例えば、マックスベットボタンユニットMBの動作に必要な力と、ストップボタンユニットB1〜ストップボタンユニットB3の動作に必要な力と、が同じ値、例えば、マックスベットボタンユニットMBの動作に必要な力と、ストップボタンユニットB1〜ストップボタンユニットB3の動作に必要な力と、が共に、1.0N及び0.7Nのいずれか一方の値となるように構成されていてもよい。このように、遊技を行う際に操作される複数種類のボタンの動作に必要な力が同じ値となるように構成された場合、遊技者に対して押下操作の際に違和感を与えることの防止を図ることができる。また、このように構成された場合、特に遊技者が短時間遊技を行う際において違和感を防止する効果が大きい。
また、スロットマシン1は、前後方向に押下操作可能な演出ボタンSBの動作に必要な力がマックスベットボタンユニットMBの動作に必要な力より大きい値、例えば5N(ニュートン)となるように構成されていてもよい。このように構成されている場合、演出ボタンSBを押圧操作する際に遊技者の指が触れる操作面は、左右方向の大きさ及び面積がいずれもマックスベットボタンユニットMBより大きくなるように構成されていることが望ましい。なお、本実施形態の演出ボタンSBの構成は、マックスベットボタンユニットMBの構成に対して、押圧方向が後方(押しボタン部の摺動する方向が前後方向)であることと、装飾部92の大きさと、動作に必要な力と、解除位置から動作位置及び押圧位置へ到達するまでに摺動する長さと、が異なるのみで、他の構成はマックスベットボタンユニットMBと同様である。本実施形態の演出ボタンSBは、押しボタン部90が、解除位置から押圧方向へ約5mm摺動した際に押しボタン部90が動作位置に到達し、遮光部91aにより発光部95bからの光を遮光し、解除位置から押圧方向へ約10mm摺動した際に押圧位置に到達して、押しボタン部90が摺動支持部93に形成されている規制面93aに当接して、更なる押圧方向への移動が規制されるように構成されている。また、演出ボタンSBの押圧方向は後方であるように構成されているものに限定されない。演出ボタンSBの押圧方向は下方であるように構成されていてもよいし、前方であるように構成されていてもよいし、上述した方向以外の方向であるように構成されていてもよい。
また、本実施形態においては、遊技機の一例である、メダルを遊技媒体として用いた遊技を行うスロットマシンを例にして説明したが、本発明は、遊技球を遊技媒体として用いた遊技を行うスロットマシンや、入賞口への入球を抽選契機とした抽選が実行されるパチンコ機を含む弾球遊技機等の各種の遊技機に適用可能である。