JP6757755B2 - 活性エネルギー線硬化型樹脂組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物に関する。
活性エネルギー線硬化型樹脂組成物は、コーティング材料として幅広い用途で使用されている。なかでも多官能(メタ)アクリレートは、ハードコート用に用いられている(例えば、特許文献1)。
しかしながら、上記の技術でも、コーディング材料に用いた場合、基材密着性が問題になる場合があった。
特開昭56−135526号公報
本発明の課題は、基材密着性に優れる活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を提供することにある。
本発明者は前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。即ち本発明は、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート(A6)と、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート(A5)と、トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート(A7)とを含有してなり、前記(A6)の重量に基づいて、(A5)と(A7)との合計重量が5〜35重量%であるハードコート用活性エネルギー線硬化型樹脂組成物(X)である。
本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物(X)は以下の効果を奏する。
(1)硬化物の耐傷付き性と基材密着性とに優れる。
<ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート(A6)>
本発明におけるジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート(A6)は、ジペンタエリスリトールヘキサメタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、それらの混合物が挙げられる。
上記(A6)のうち、耐傷付き性の観点から、好ましいのはジペンタエリスリトールヘキサアクリレートである。
<ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート(A5)>
本発明におけるジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート(A5)は、ジペンタエリスリトールペンタメタアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、それらの混合物が挙げられる。
上記(A5)のうち、耐傷付き性の観点から、好ましいのはジペンタエリスリトールペンタアクリレートである。
<トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート(A7)>
本発明におけるトリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート(A7)は、トリペンタエリスリトールヘプタメタアクリレート、トリペンタエリスリトールヘプタアクリレート、それらの混合物が挙げられる。
上記(A7)のうち、耐傷付き性の観点から、好ましいのはトリペンタエリスリトールヘプタアクリレートである。
<活性エネルギー線硬化型樹脂組成物(X)>
本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物(X)は、前記(A6)と、(A5)と、(A7)とを含有してなり、前記(A6)の重量に基づいて、(A5)と(A7)との合計重量が5〜35重量%、好ましくは10〜30重量%、さらに好ましくは15〜25重量%である。
該合計重量が5重量%未満または35重量%を超えると、基材密着性が不十分である。
なお、本発明における耐傷付き性、基材密着性は、後述の方法で評価できる。
また、(X)中の前記(A5)と(A7)との重量比[(A5)/(A7)]は、耐傷付き性のバランスの観点から、好ましくは50/50〜99/1、さらに好ましくは60/40〜98/2、とくに好ましくは70/30〜97/3である。
活性エネルギー線硬化型樹脂組成物(X)は、例えば、前記(A6)、(A5)、(A7)を混合することにより製造できる。なお、前記(A6)、(A5)、(A7)の各成分は、市販品であってもよいし、公知の方法で製造してもよい。
上記活性エネルギー線硬化型樹脂組成物(X)は、種々のコーティング用として用いられ、とりわけ、ハードコート用に好適に用いられる。
また、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(X)には、本発明の効果を阻害しない範囲で、必要により、光重合開始剤、レベリング剤、酸化防止剤等の添加剤を含有してもよい。
本発明の組成物(X)は、塗工の際に、塗工に適した粘度に調整するために、必要に応じて溶剤で希釈してもよい。
該溶剤の使用量は、溶剤を加える前の該組成物の重量に基づいて、好ましくは2,000%以下、塗工性および生産性の観点から好ましくは10〜500%である。
また、塗工料粘度は、使用時の温度(好ましくは5〜60℃)で、好ましくは5〜500,000mPa・s、安定塗工の観点から好ましくは50〜10,000mPa・sである。
上記溶剤としては、芳香族炭化水素(例えばトルエン、キシレンおよびエチルベンゼン)、エステルまたはエーテルエステル(例えば酢酸エチル、酢酸ブチルおよびメトキシブチルアセテート)、エーテル(例えばジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールのモノエチルエーテル、エチレングリコールのモノブチルエーテル、プロピレングリコールのモノメチルエーテルおよびジエチレングリコールのモノエチルエーテル)、ケトン(例えばアセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)、ジ−n−ブチルケトンおよびシクロヘキサノン)、アルコール(例えばメタノール、エタノール、n−およびi−プロパノール(IPA)、n−、i−、sec−およびt−ブタノール、2−エチルヘキシルアルコールおよびベンジルアルコール)、アミド(例えばジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等)、スルホキシド(例えばジメチルスルホキシド)、およびこれらの2種以上の混合溶剤が挙げられる。
これらのうち塗工性、工業上の観点から、好ましいのは沸点が70〜100℃のエステル、ケトンおよびアルコール、さらに好ましいのは酢酸エチル、MEK、MIBK、IPAおよびこれらの混合物である。
<硬化物>
本発明の硬化物は、前記活性エネルギー線硬化型樹脂組成物(X)が硬化したものである。
該活性エネルギー線硬化型樹脂組成物は、活性エネルギー線により硬化されて硬化物となる。該活性エネルギー線としては、例えば、紫外線、電子線が挙げられる。
該紫外線を照射する場合、高圧水銀灯、メタルハライドランプ等を備えた公知の紫外線照射装置を使用することができる。紫外線の照射量は、好ましくは、30〜2,000mJ/cm2である。
該電子線を照射する場合、公知の電子線照射装置を使用することができる。電子線の照射量は、好ましくは1〜10Mradである。
活性エネルギー線硬化型樹脂組成物(X)、その硬化物は、種々の用途、コーティング用などに用いられる。
なお、本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物(X)が、耐傷付きと基材密着性とに優れるのは、仮説ではあるが、特定量の(A5)および(A7)[両者は1個の水酸基を有するもの]を含有することによると考えられる。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下において部および%はそれぞれ重量部および重量%を示す。
<実施例1〜6、比較例1〜4>
表1に示す、配合組成(部)にしたがって、容器に、仕込み、混合して、各活性エネルギー線硬化型樹脂組成物(X)を得た。
次に、得られた各活性エネルギー線硬化型樹脂組成物(X)100部と、MEK(メチルエチルケトン)100部と、光重合開始剤[2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、商品名「LUCIRIN TPO」、BASF(株)製]1.5部とを混合して、その混合液を、各基材に、アプリケーターを用いて硬化後の膜厚が25μmとなるように塗布して、60℃、1分間で溶剤を乾燥させ、窒素雰囲気下で、ベルトコンベア式UV照射装置[アイグラフィックス(株)製「ECS−151U」、以下の評価にも同じ装置を用いた。]にて露光量450mJ/cm2で硬化し、硬化物を得た。得られた硬化物について後述の評価を行った。評価結果を表1に示す。
なお、基材は、<1>ポリメチルメタクリレート(PMMA)板[厚さ3mm]、<2>ガラス板[厚さ3mm]を使用した。
(1)耐傷付き性
スチールウール#0000を用いて、150g/cm2の荷重にて20往復擦傷後、外観を目視により以下の基準で評価した。
<評価基準>
◎:全く傷がない
○:ほとんど傷がない
△:わずかに傷がある
×:傷が明らかにある。
(2)基材密着性
基材上の硬化塗膜を2mm×2mmの碁盤目(100個)にクロスカットし、この上にセロファンテープを張り付けて、引き剥し、目視で以下の基準で評価した。例えば、97/100は、100個中、97個が密着していたことを示す。
<評価基準>
◎:100/100
○:97/100〜99/100
△:50/100〜96/100
×:0/100〜49/100
Figure 0006757755
表1の結果から、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物(X)は、比較のものと比べて、硬化物の耐傷付き性と基材密着性とに優れることがわかる。
本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物(X)は、種々のコーティング用途、とりわけハードコート用に好適に用いられるため、きわめて有用である。

Claims (3)

  1. ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート(A6)と、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート(A5)と、トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート(A7)とを含有してなり、前記(A6)の重量に基づいて、(A5)と(A7)との合計重量が5〜35重量%であるハードコート用活性エネルギー線硬化型樹脂組成物(X)。
  2. 前記(A5)と(A7)との重量比[(A5)/(A7)]が50/50〜99/1である請求項1記載の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物。
  3. 請求項1又は2記載の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物(X)が硬化した硬化物。
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