JP6757674B2 - トリガー式液体噴出器 - Google Patents
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Description
また、第2弁体が、縦供給筒部内を通して、シリンダ内から容器体内への液体の流通を許容するとき、つまり第2弁体が開くときの、シリンダ内の圧力(以下、作動圧という)が、トリガー部の後方への揺動時に上昇したシリンダ内の圧力に起因して、トリガー式液体噴出器が破損するときの、シリンダ内の圧力より小さいので、トリガー部が後方に向けて勢いよく牽引された場合等に、シリンダ内の圧力が急激に上昇し、シリンダ内の圧力が第2弁体の作動圧より大きくなった場合には、第2弁体が開く。これにより、加圧された液体をシリンダ内から容器体内へ流通させることができ、急激に上昇したシリンダ内の圧力を低下させることで、トリガー式液体噴出器が破損するのを抑えることができる。
この場合には、第1弁体が第2弁体の内側に収容されているので、第1弁体および第2弁体が、それぞれ異なる位置に配設されているような構成と比べて、噴出器本体をコンパクトな構成とすることができる。
この場合には、シリンダ内の圧力が第2弁体の作動圧を超えた際に、第2弁体が開位置に向けて移動し、シリンダ内と容器体内とが連通することで、シリンダ内の圧力が開放される。そしてこの際、第2弁体が、付勢手段により閉位置に向けて復帰させられることとなり、再び第2弁体が、容器体内からシリンダ内への液体の流通を遮断することができる。このように、シリンダ内の圧力により閉位置から開位置に移動した第2弁体を、閉位置に向けて付勢する付勢手段を備えているので、簡易な構成で開位置に位置する第2弁体を、閉位置に向けて復帰させることができ、噴出器本体に優れた操作性を具備させることができる。
この場合には、シリンダ内の圧力が急激に上昇する過程において、ノズル部が装着部に対して前後方向に位置ずれするのに先立って、第2弁体が開くことで、シリンダ内の圧力を低下させることが可能になる。これにより、例えば急激に上昇したシリンダ内の圧力により、ノズル部が装着部に対して前後方向に位置ずれし、このように生じた隙間から、液体が漏れること等を防ぐことができる。
この場合には、トリガー部の操作により、ピストンとシリンダとの間の液体が加圧された際に、シリンダ内の圧力が上昇する過程において、第2弁体が、縦供給筒部内を通してシリンダ内から容器体内へ液体が流通するのを許容するのに先立って、蓄圧弁が、シリンダ内と噴出孔とを連通することが可能になる。これにより、通常使用時において、確実に噴出孔から液体を噴射することができる。
以下、図1および図2を参照して、本発明の第1実施形態に係るトリガー式液体噴出器1について説明する。なお、以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能な大きさとするために縮尺を適宜変更している。
外筒12は、大径部12aと、大径部12aの上方に配設され、かつ大径部12aよりも縮径した小径部12bと、大径部12aの上端部と小径部12bの下端部とを連結する環状連結部12cと、小径部12bの上端部を閉塞する天壁部12dと、を備えている。
天壁部12dは、後述する第1弁体36の上方を覆っている。小径部12bの下端部は、環状連結部12cよりも下方に突出している。
内筒13のフランジ部13cは、外筒12の環状連結部12cとの間に隙間S1を確保した状態で、外筒12の環状連結部12cよりも下方に位置している。
なお、外筒12および内筒13で構成される縦供給筒部10の中心軸線O1は、容器体Aの容器軸に対して後側に偏心している。
シリンダ用筒部40は、前方に向けて開口しているとともに、外筒12における環状連結部12cと一体に形成されている。
トリガー機構50は、トリガー部51の揺動に連動して前後方向に移動するピストン52と、ピストン52の移動に伴って内部が加圧および減圧し、かつ内部が縦供給筒部10内に連通したシリンダ53と、を有している。
トリガー機構50はさらに、トリガー部51を前方に付勢する弾性板部54と、縦供給筒部10および射出筒部11の全体を、少なくとも上方および左右方向から覆うカバー体55と、を備えている。
シリンダ53は、前方に向けて開口する外筒部60と、外筒部60の後方開口部を塞ぐ後壁部61と、シリンダ53の内側に配置され、前後方向に延びる筒状のピストンガイド62と、を備えている。
ピストンガイド62の外周面における後端部には、環状の窪み部62bが形成されている。
なお、回収通路43としては、このような態様に限られず、例えばシリンダ53に形成される等、縦供給筒部10とは異なる部分に形成されてもよい。
これにより、シリンダ53内において、摺動筒部73よりも後側に位置する部分に、縦供給筒部10における連絡通路L2から連通孔66を通して液体が流入される貯留室53aが形成されている。
摺動筒部73のうち、前後方向の両端部に位置するリップ部73aが、シリンダ53の外筒部60の内周面に当接している。
これにより、貯留室53a内が、ピストン本体部72の内周面と、ピストンガイド62の外周面と、の間、ピストン本体部72内、連通開口部62a、ピストンガイド62内、および回収通路43を通して容器体A内に連通する。以上により、トリガー部51を最初に操作する場合に、貯留室53a内の空気を容器体A内に効率よく排出することができる。
連結筒85の内周面のうち後方側に位置する部分には、連結筒85の内側に向けて左右方向に沿って突出した一対の連結軸86が形成されている。これら連結軸86は、ピストン52の連結部70に形成された連結孔内に挿入されている。これにより、トリガー部51とピストン52とは、互いに連結されている。
これら主板ばね54aおよび副板ばね54bの下端部は、円弧状の折返し部54cを介して一体的に接続されている。折返し部54cには、下方に向けて係止片54dが突設されており、この係止片54dがトリガー部51における側板部材81に形成されたポケット部81aに上方から差し込まれて係合している。
これにより、弾性板部54は、係止片54dおよびポケット部81aを介してトリガー部51を前方に向けて付勢している。
なお、最前方揺動位置からトリガー部51が後方に引かれると、弾性板部54が係止片54dを介して折返し部54cを後方に移動させるように弾性変形する。このとき、弾性板部54は、主板ばね54aよりも副板ばね54bが大きく弾性変形する。
連結部材20は、射出筒部11の前端開口部よりも前側に位置し、前端開口部に対して対向配置された対向板部21と、対向板部21から後方に向けて延び、射出筒部11に外嵌された第1筒部22と、対向板部21から前方に向けて延びる第2筒部23(装着部)と、を備えている。
第2筒部23は、射出筒部11の中心軸線に対して下方に偏心した位置に配置されている。対向板部21のうち、第2筒部23の内側に位置する部分には、射出孔25が形成されている。射出孔25は、対向板部21を前後方向に貫通している。また、第2筒部23の内側には、射出孔25と噴出孔4とを連通する連通路237が形成されている。これにより、第2筒部23の内部は、連通路237および射出孔25を通して射出筒部11の内部に連通している。
第2弁体90は、第1弁体36を内側に収容する筒状をなし、上下方向に沿って延びている。第2弁体90は、縦供給筒部10内に配設されている。図示の例では、第2弁体90は、縦供給筒部10における内筒13の内側に、中心軸線O1と同軸上に配設されている。
第1弁体36は、シリンダ53内の負圧により、弁座面93aから離反して開くことで、縦供給筒部10内を通して、容器体A内からシリンダ53内へ液体が流通するのを許容する。第1弁体36が開く際のシリンダ53内の負圧は、ピストン52がシリンダ53内の最後方移動位置から、弾性板部54の弾性復元力で最前方移動位置に移動させられる際のシリンダ内の圧力となっている。
第1弁体36は、弁座面93aに着座することで、縦供給筒部10内を通して、シリンダ53内から容器体A内へ液体が流通するのを遮断する。図示の例では、第1弁体36は供給通路L1内のうち、弁座面93aよりも上方に位置する空間と、弁座面93aよりも下方に位置する空間と、を連通および遮断する。
大径部91の上端部は、内筒13の縮径部13gから上方に向けて突出している。大径部91の上端部のうち、前側の部分には、大径部91を前後方向に貫く切り欠き部91aが形成されている。
小径部92の下端部には、軸径方向の外側に向けて突出し、縮径部13gにおける後述する第2周面13qに上下摺動自在に当接した当接部95が全周にわたって形成されている。
接続部93は、上方に向かうに従い漸次、拡径している。接続部93の内周面が、弁座面93aとなっている。
第1周面13pと第2周面13qとの間には、上方に向かうに従い漸次、軸径方向の外側に向けて延びる傾斜面が形成されている。第2周面13qと第3周面13rとの間には、上方を向く段差が形成されている。
内筒13の内側において、第3周面13rの下方に位置する部分には、軸径方向に延びる台座部13sが配設されている。台座部13sは、軸周方向に間隔をあけて複数配設されている。
突上げ突部13tは、第2弁体90の後述する開位置において、第1弁体36を突上げることで、第1弁体36を弁座面93aから離反させる。これにより第2弁体90は、縦供給筒部10内を通して、シリンダ53内から容器体A内へ液体が流通するのを許容する。
台座部13sは、突上げ突部13tの下端部における外周面と、縮径部13gの内周面と、を接続している。突上げ突部13tおよび台座部13sは、内筒13と一体に形成されている。なお、突上げ突部13tおよび台座部13sはそれぞれ、内筒13と別体に形成されてもよい。
また、シリンダ53内が過剰に加圧される態様としては、閉塞手段により噴出孔4を通した外部と射出筒部11内との連通が遮断された状態で、前述した通常使用時の速度でトリガー部51が後方へ充分な距離、揺動された場合等も含まれる。閉塞手段としては、蓋部226の他、例えばノズル部3を、噴出孔4の中心軸線回りに回動させることにより、噴出孔4を通した外部と射出筒部11内との連通および遮断を切替えるような構成等も含まれる。
また、第2弁体90の小径部92の下端部は、第2弁体90が開位置に位置する際に、第3周面13rの上端部と上下方向に近接する。
なお、第2弁体90が閉位置に位置する際に、大径部91の上端開口縁は、外筒12の天壁部12dの下面と隙間をあけて対向してもよい。
付勢手段99は、第2弁体90における張出部94の下端部に、張出部94の下方から当接することで、第2弁体90を上方に向けて付勢する。図示の例では、付勢手段99は、図2に示すような第2弁体90の閉位置において上下方向に圧縮されている。なお、付勢手段99は、第2弁体90の閉位置において、上下方向に圧縮されていない自然長であってもよい。
トリガー部51を弾性板部54の付勢力に抗して後方に引くと、トリガー部51の後方への揺動に伴ってピストン52が後退するので、シリンダ53の貯留室53a内の液体が、連通孔66内、および連絡通路L2、を通して射出筒部11内に導入される。このとき、第1弁体36が閉弁され、射出筒部11内と容器体A内との供給通路L1を通した連通が遮断されるとともに、射出筒部11内が加圧され、射出孔25を通して蓄圧弁124における小径ピストン部124aおよび大径ピストン部124bの各内部も加圧される。
そして、弾性板部54の弾性復元力によってトリガー部51が前方に付勢されて最前方移動位置に復帰するので、これに伴ってピストン52が前進する。そのため、貯留室53a内に負圧が生じ、この負圧によって第1弁体36が開き、パイプ15を通じて容器体A内の液体を縦供給筒部10の供給通路L1に吸い上げることができる。
すると、新たに吸い上げられた液体は、供給通路L1から連絡通路L2を通して貯留室53a内に導入される。これにより、次の噴射に備えることができる。
次に、図3を参照して、本発明の第2実施形態に係るトリガー式液体噴出器1Bについて説明する。なお、この第2実施形態においては、第1実施形態における構成要素と同一の部分については同一の符号を付し、その説明を省略する。
また本実施形態では、第2弁体90の開位置は、小径部92の下端部および第2周面13qの下端部それぞれの上下方向の位置が、互いに同等となる位置である。第2弁体90が開位置に位置した際に、凹部13uにおける軸径方向の内側を向く内面は、当接部95と軸径方向に隙間をあけて対向する。これにより、第2弁体90は縦供給筒部10内を通して、シリンダ53内から容器体A内へ液体が流通するのを許容する。なお、凹部13uは、第2周面13qの下端部に全周にわたって形成されることなく、軸周方向に間隔をあけて複数形成されてもよい。
また本実施形態では、縮径部13g内には、突上げ突部に代えて、案内突部13vが配設されている。案内突部13vの上端部は、第2周面13qの下端部よりも下方に位置している。案内突部13vは、付勢手段99を上下方向に案内している。
次に、図4を参照して、本発明の第3実施形態に係るトリガー式液体噴出器1Cについて説明する。なお、この第3実施形態においては、第1実施形態における構成要素と同一の部分については同一の符号を付し、その説明を省略する。
また本実施形態では、第2弁体90Bにおける張出部94Bは、大径部91の下端部から、軸径方向の外側に向けて張出している。
台座部13sは縮径部13gの内側のうち、第2周面13qの上端部に位置する部分に配設されている。第2弁体90Bが閉位置に位置する際に、突上げ突部13tの上端部、および第2弁体90Bにおける小径部92の下端部それぞれの上下方向の位置が、互いに同等となっている。
また本実施形態では、小径部92の下端部には、当接部が形成されていない。
次に、図5を参照して、本発明の第4実施形態に係るトリガー式液体噴出器1Dについて説明する。なお、この第4実施形態においては、第3実施形態における構成要素と同一の部分については同一の符号を付し、その説明を省略する。
また本実施形態では、第2弁体90Bの開位置は、小径部92の下端部および第1周面13pの下端部それぞれの上下方向の位置が、互いに同等となる位置である。第2弁体90Bが開位置に位置した際に、凹部13uにおける軸径方向の内側を向く内面は、小径部92の下端部と軸径方向に隙間をあけて対向する。これにより、第2弁体90Bは縦供給筒部10内を通して、シリンダ53内から容器体A内へ液体が流通するのを許容する。
なお、凹部13uは、第1周面13pの下端部に全周にわたって形成されることなく、軸周方向に間隔をあけて複数形成されてもよい。
また、上記各実施形態においては、噴出器本体2が、開位置に位置する第2弁体90、90Bを、閉位置に向けて付勢する付勢手段99を備えている構成を示したが、このような態様に限られない。噴出器本体2は、付勢手段99を備えなくてもよい。
また、上記各実施形態においては、第2弁体90、90Bの作動圧は、ノズル部3が第2筒部23に対して前後方向に位置ずれするのに要する、シリンダ53内の圧力よりも小さい構成を示したが、このような態様に限られない。第2弁体90、90Bの作動圧は、ノズル部3が第2筒部23に対して前後方向に位置ずれするのに要する、シリンダ53内の圧力以上であってもよい。
また、トリガー式液体噴出器1の破損の箇所として、ノズル部3およびトリガー部51の破損について説明したが、このような態様に限られない。例えばトリガー式液体噴出器1のうち、縦供給筒部10およびシリンダ53といった、ノズル部3およびトリガー部51以外の部分における破損等も含まれる。
2 噴出器本体
4 噴出孔
3 ノズル部
10 縦供給筒部
11 射出筒部
36 第1弁体
50 トリガー機構
51 トリガー部
52 ピストン
53 シリンダ
90 第2弁体
93a 弁座面
99 付勢手段
A 容器体
Claims (4)
- 液体が収容された容器体に装着される噴出器本体と、
前記噴出器本体の前方側に配設され、液体を噴射する噴出孔が形成されたノズル部と、を備え、
前記噴出器本体は、上下方向に延在し、前記容器体内の液体を吸上げる縦供給筒部と、
前記縦供給筒部の前方に配設され、前記縦供給筒部内の液体を前記噴出孔に導く射出筒部と、
前記縦供給筒部の前方に前方付勢状態で後方に揺動自在に配設されたトリガー部を有し、前記トリガー部の後方への揺動によって、液体を前記縦供給筒部内から前記射出筒部内を通じて前記噴出孔側に向けて流通させるトリガー機構と、を備えたトリガー式液体噴出器であって、
前記トリガー機構は、前記トリガー部の揺動に連動して前後方向に移動するピストンと、
前記ピストンの移動に伴って内部が加圧および減圧し、かつ内部が前記縦供給筒部内に連通したシリンダと、を有し、
前記噴出器本体は、前記シリンダ内が減圧された際に、前記縦供給筒部内を通して、前記容器体内から前記シリンダ内へ液体が流通するのを許容し、かつ前記シリンダ内が加圧された際に、前記縦供給筒部内を通して、前記シリンダ内から前記容器体内へ液体が流通するのを遮断する第1弁体と、
前記シリンダ内が過剰に加圧された際に、前記縦供給筒部内を通して、前記シリンダ内から前記容器体内へ液体が流通するのを許容し、かつ前記シリンダ内が減圧された際に、前記縦供給筒部内を通して、前記容器体内から前記シリンダ内へ液体が流通するのを遮断する第2弁体と、を備え、
前記第2弁体が、前記縦供給筒部内を通して、前記シリンダ内から前記容器体内への液体の流通を許容するときの、前記シリンダ内の圧力は、前記トリガー部の後方への揺動時に上昇した前記シリンダ内の圧力に起因して、前記トリガー式液体噴出器が破損するときの、前記シリンダ内の圧力より小さいことを特徴とするトリガー式液体噴出器。 - 前記第2弁体は、前記第1弁体を内側に収容する筒状をなし、
前記第2弁体の内周面には、前記第1弁体が着座する弁座面が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のトリガー式液体噴出器。 - 前記第2弁体は、前記縦供給筒部内を通して、前記シリンダ内から前記容器体内へ液体が流通するのを許容する開位置と、前記縦供給筒部内を通して、前記容器体内から前記シリンダ内へ液体が流通するのを遮断する閉位置と、の間を移動可能に配設され、
前記噴出器本体は、前記開位置に位置する前記第2弁体を、前記閉位置に向けて付勢する付勢手段を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載のトリガー式液体噴出器。 - 前記ノズル部は、前記噴出器本体の装着部に嵌合され、
前記第2弁体が、前記縦供給筒部内を通して、前記シリンダ内から前記容器体内への液体の流通を許容するときの、前記シリンダ内の圧力は、前記ノズル部が前記装着部に対して前後方向に位置ずれするのに要する、前記シリンダ内の圧力よりも小さいことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のトリガー式液体噴出器。
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