JP6757650B2 - ナノファイバ製造装置及びナノファイバの製造方法 - Google Patents

ナノファイバ製造装置及びナノファイバの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ナノファイバの製造装置に関する。また本発明は、この装置を用いたナノファイバの製造方法に関する。
電界紡糸法は、機械力や熱力を使わずにナノサイズの粒子やファイバなどを比較的簡単に製造できる技術として注目を浴びている。これまで行われてきた電界紡糸法では、針状のノズルと、これに対向する捕集用電極との間に直流高電圧を印加した状態下に、該ノズルの先端からナノファイバの原料となる物質の溶液又は溶融液を吐出する操作を行う。吐出された原料は凝固しながらクーロン力で延伸されてナノファイバが形成される。そしてナノファイバは捕集用電極の表面に堆積する。
しかし上述の電界紡糸法では、1本のノズルから1本ないし数本程度のナノファイバしか製造できない。そこで特許文献1においては、電界紡糸法に用いられる装置を二次元状に複数配置し、各装置に備えられた各ノズルから原料を吐出することで、ナノファイバの生産性を向上させることが提案されている。
特開2014−95174号公報
しかし、複数のノズルを用いると、ノズル間での相互作用に起因して、ノズルの先端での紡糸性が悪化することがある。したがって本発明の課題は、ナノファイバの製造の改良にあり、更に詳しくは複数のノズルを用いてナノファイバの製造を行う場合に生じ得る不都合を解消し得することにある。
本発明は、ナノファイバ生成部及びナノファイバ捕集部を備えたナノファイバ製造装置であって、
前記ナノファイバ生成部は、
ナノファイバの原料液を紡出するノズルと、
前記原料液に電荷を付与して帯電させる帯電電極と、
紡出されたナノファイバを搬送する気体流を噴出させる気体流噴出部と、
を有するナノファイバ生成ユニットが複数並べて配置されたものであり、
前記ナノファイバ捕集部は、前記気体流噴出部に対向するように配置されており、
前記ナノファイバ製造装置は、前記ナノファイバ生成部と前記ナノファイバ捕集部との間の空間に、前記ナノファイバ及び前記気体流を案内する整流体と、該整流体の外方の位置に、該ノズルに印加される電圧と該ナノファイバ捕集部に印加される電圧との間の電圧が印加される電極体とを有する、ナノファイバ製造装置を提供することによって前記の課題を解決したものである。
本発明によれば、複数のノズルを用いてナノファイバを製造する場合に、各ノズルからの原料の吐出が安定化する。したがってノズルからの原料の吐出量を増加させることができ、それによってナノファイバの生産性が向上する。
図1(a)は、本発明のナノファイバ製造装置の一実施形態を模式的に示す斜視図であり、図1(b)は、図1(a)に示す製造装置を模式的に示す平面図である。 図2は、図1に示すナノファイバ製造装置におけるナノファイバ生成ユニットの一実施形態を示す斜視図である。 図3は、図2に示すナノファイバ生成ユニットの断面構造を示す模式図である。 図4は、本発明のナノファイバ製造装置の別の実施形態を模式的に示す平面図(図1(b)相当図)である。 図5は、実施例1で用いたナノファイバ製造装置の各部の寸法を示す平面図である。 図6は、比較例1で用いたナノファイバ製造装置を示す平面図である。
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。図1(a)及び(b)には、本発明のナノファイバ製造装置の一実施形態が模式的に示されている。これらの図に示すナノファイバ製造装置10は、ナノファイバ生成部20及びナノファイバ捕集部30に大別される。
ナノファイバ生成部20は、複数のナノファイバ生成ユニット21,21,・・を備えている。ナノファイバ生成ユニット21は、その複数個が並べて配置されている。
一方、ナノファイバ捕集部30は、ナノファイバの捕集用電極31を備えている。またナノファイバ捕集部30は、捕集用電極31に隣接するように、該捕集用電極31とナノファイバ生成部20との間に、ナノファイバが捕集される捕集体32が配置されている。
図2及び図3には、ナノファイバ生成部20を構成するナノファイバ生成ユニット21の詳細が示されている。ナノファイバ生成ユニット21は、ナノファイバの原料液を紡出するノズル22を備えている。またナノファイバ生成ユニット21は、原料液に電荷を付与して帯電させる帯電電極23を備えている。帯電電極23はノズル22を囲う形状になっている。具体的には、帯電電極23は全体として略椀形をしており、その内面に凹曲面24を備えている。帯電電極23は、その内面が凹曲面24となっている限りにおいて、その全体の形状は略椀形になっていることを要せず、その他の形状となっていてもよい。凹曲面24は導電性材料から構成されており、一般には金属製である。帯電電極23は、電気絶縁性材料からなる基台25に固定されている。また帯電電極23は、図3に示すとおり接地されている。
各ナノファイバ生成ユニット21は基台25の板面の面内方向にわたり一方向に延びるように隙間なく配置されている。これに代えて、各ナノファイバ生成ユニット21を、基台25の板面の面内方向にわたり二次元状に並べて配置することもできる。いずれの配置形態であっても、各電界紡糸装置1は、ノズル22がいずれも同方向を向くように配置されている。
凹曲面24をその開口端側から見たとき、該開口端は円形をしている。この円形は、真円形でもよく、あるいは楕円形でもよい。ノズル22の先端に電荷を集中させる観点からは、凹曲面24の開口端は真円形であることが好ましい。凹曲面24は、そのいずれの位置においても曲面になっていることが好ましい。ここで言う曲面とは、(イ)平面部を全く有していない曲面のことであるか、(ロ)平面部を有する複数のセグメントを繋ぎ合わせて全体として凹曲面とみなせる形状となっていることであるか、又は(ハ)互いに直交する三軸のうち一軸が曲率を有さない帯状部を有する複数の環状セグメントを繋ぎ合わせて全体として凹曲面とみなせる形状となっていることのいずれかを言う。(ロ)の場合は、例えば縦及び横の長さが0.5〜5mm程度の矩形となっている、同一の又は異なる大きさの平面部を有するセグメントを繋ぎ合わせて凹曲面24を形成することが好ましい。(ハ)の場合は、例えば半径が種々異なり、かつ高さが0.001〜5mmである扁平な複数種類の円筒からなる環状セグメントを繋ぎ合わせて凹曲面24を形成することが好ましい。この環状セグメントにおいては、互いに直交する三軸、すなわちX軸、Y軸及びZ軸のうち、円筒の横断面を含むX軸及びY軸が曲率を有し、かつ円筒の高さ方向であるZ軸が曲率を有していない。
凹曲面24は、その任意の位置における法線がノズル22の先端又はその近傍を通るような値となっていることが好ましい。この観点から、凹曲面24は、真球の球殻の内面と同じ形状をしていることが特に好ましい。
図2及び図3に示すとおり、凹曲面24の最底部は開口しており、その開口部にノズルアセンブリ27が取り付けられている。ノズルアセンブリ27は、先に述べたノズル22と、該ノズル22を支持する支持部28とを有している。ノズル22は導電性材料から構成されており、一般には金属から構成されている。一方、支持部28は電気絶縁性材料から構成されている。したがって、先に述べた電極23とノズル22とは、支持部28によって電気的に絶縁されている。ノズル22は支持部28を貫通しており、ノズル22の先端22aは凹曲面24からなる帯電電極23内に露出している。ノズル22の後端22bは、帯電電極23の背面側(すなわち、凹曲面24と反対側)において露出している。ノズル22の後端22bは、原料液の供給源(図示せず)に接続されている。
導電性材料からなるノズル22は、針状の直管から構成されている。ノズル22内には、原料液が流通可能になっている。ノズル22の内径は、その下限値を好ましくは200μm以上、更に好ましくは300μm以上に設定することができる。一方、その上限値を好ましくは3000μm以下、更に好ましくは2000μm以下に設定することができる。好ましくは200μm以上3000μm以下、更に好ましくは300μm以上2000μm以下に設定することができる。ノズルの内径をこの範囲内に設定することで、高分子である原料液を容易に、かつ定量的に送液できるとともに、原料液を効率よく帯電させられるので好ましい。
ノズル22が導電性材料から構成されていることは先に述べたとおりであるところ、該ノズル22は図3に示すとおり直流高圧電源26に接続され、正電圧が印加されている。これに対して帯電電極23は先に述べたとおり接地されており、電位がゼロになっている。したがって、帯電電極23とノズル22との間には電界が生じる。ノズル22及び帯電電極23に印加される電圧はこれに限らず、ノズル22が接地され、帯電電極23に正電圧又は負電圧が印加されていてもよく、ノズル22と帯電電極23との間に電位差が生じていればよい。帯電電極23とノズル22との間に加わる電位差は、1kV以上、特に10kV以上とすることが、原料液を十分に帯電させる点から好ましい。一方、この電位差は100kV以下、特に50kV以下とすることが、ノズル22と帯電電極23間における放電を防止する点から好ましい。電位差は例えば1kV以上100kV以下、特に10kV以上50kV以下とすることが好ましい。
ノズル22の先端に電荷が一層集中するようにするために、該ノズル22は、その延びる方向が、帯電電極23の凹曲面24における開口端によって画成される円の中心か、又はその中心の近傍を通り、かつ該ノズル22の先端22aが、該開口端によって画成される円を含む平面内に位置するか、又は該平面の近傍に位置するように配置されることが有利である。
特にノズル22は、その延びる方向が、帯電電極23の凹曲面24における開口端によって画成される円の中心か、又はその中心の近傍と、該凹曲面24における最底部とを通るように配置されることが好ましい。とりわけ、凹曲面24の開口端によって画成される円を含む平面と、ノズル22の延びる方向とが直交していることが好ましい。このようにノズル22を配置することで、ノズル22の先端に電荷が更に一層集中するようになる。この観点から、帯電電極23の凹曲面24は、真球の球殻の略半球面の形状をしていることが特に好ましい。
特に、帯電電極23の凹曲面24における開口端によって画成される円の半径をrとしたとき、該円を含む平面上に中心を同じくして描かれる、半径がr/5である仮想円を考えた場合、ノズル22は、その延びる方向が、該仮想円の内側と、凹曲面24における最底部とを通るように配置されることが好ましい。とりわけ、前記仮想円として、半径がr/10であるものを考えた場合、ノズル22は、その延びる方向が、半径がr/10である該仮想円の内側と、凹曲面24における最底部とを通るように配置されることが好ましい。更に好ましい形態として、ノズル22は、その延びる方向が、帯電電極23の凹曲面24における開口端によって画成される円の中心と、該凹曲面24における最底部とを通るように配置される形態が挙げられる。
ノズル22の先端22aの位置に関しては、該先端22aが、帯電電極23の凹曲面24における開口端によって画成される円を含む平面内に位置するか、又は該平面よりも該凹曲面24の内側に位置するように該ノズル22を配置することが好ましい。具体的には該平面よりも1〜10mm内側に配置することが好ましい。ノズル22の先端22aの位置をこのようにすることで、ノズル22の先端22aから吐出された原料液が、帯電電極23の凹曲面24に引き寄せられにくくなり、該凹曲面24が該原料液によって汚染されづらくなる。
ナノファイバ生成ユニット21においては、図2及び図3に示すとおり、ノズルアセンブリ27におけるノズル22の基部の近傍に、貫通孔からなる気体流噴出部29が設けられている。気体流噴出部29は、ノズル22の延びる方向に沿って形成されている。更に気体流噴出部29は、ノズル22の先端22aの方向に向けて気体流を噴出させることが可能なように形成されている。帯電電極23の開口端側から見たとき、気体流噴出部29は、ノズル22を取り囲むように2個設けられている。各気体流噴出部29は、ノズル22を挟んで対称な位置に形成されている。貫通孔からなる気体流噴出部29は、その後端側の開口部が気体流の供給源(図示せず)に接続されている。この供給源から気体が供給されることで、ノズル22の周囲から気体が噴出されるようになっている。噴出した気体は、ノズル22の先端22aから吐出され、かつ電界の作用によって細長く引き伸ばされた原料液を、後述する捕集用電極に向けて搬送する。なお、図2及び図3においては、気体流噴出部29が2個設けられている状態が示されているが、気体流噴出部29を設ける個数はこれに限られず、1個又は3個以上であってもよい。更に気体流噴出部29の形状は円形に限られず(矩形、楕円、二重円環、三角、ハニカム)、均一な気体流を得る観点からはノズルを囲む環状が望ましい。また、気体流噴出部29から噴出させる気体としては、空気を用いることが簡便である。
以上は、ナノファイバ製造装置10におけるナノファイバ生成部20のナノファイバ生成ユニット21に関するものであったところ、ナノファイバ捕集部30は、以下の構成となっている。すなわち、ナノファイバ捕集部30は、先に述べたとおりナノファイバの捕集用電極31を備えている。捕集用電極31は金属等の導体から構成されている平板状のものである。捕集用電極31の板面と、ノズル22の延びる方向とは略直交している。捕集用電極31には、ノズル22に印加されている電圧と異なる電圧が印加される。例えばノズルに正の電圧が印加されている場合には、捕集用電極31に負の電圧を印加することができる。
捕集用電極31とノズル22の先端との距離は、その下限値を好ましくは100mm以上、更に好ましくは500mm以上とすることができる。上限値は好ましくは3000mm以下、更に好ましくは1500mm以下とすることができる。例えば好ましくは100mm以上3000mm以下、更に好ましくは500mm以上1500mm以下とすることができる。
ナノファイバ捕集部30においては、捕集用電極31とノズル22との間に、ナノファイバが捕集される捕集体32が配置されている。捕集体32は、搬送コンベア33によって搬送される。捕集体32は例えば長尺帯状のものであり、ロール状の原反(図示せず)から繰り出されるようになっている。繰り出された捕集体32は、ノズル22と対向する位置を通過して、ワインダー(図示せず)に巻き取られるようになっている。捕集体32としては、例えばフィルム、メッシュ、不織布、紙などを用いることができる。
本実施形態のナノファイバ製造装置10は、これまで説明してきたナノファイバ生成部20及びナノファイバ捕集部30を備えることに加えて、整流部40を更に備えている。整流部40は、ナノファイバ生成部20とナノファイバ捕集部30との間に位置している。整流部40は、整流体41及び電極体42を備えている。
整流部40を構成する整流体41は、ナノファイバ生成部20とナノファイバ捕集部30との間の空間に配置されており、ノズル22から紡出されたナノファイバ及び気体流噴出部29から吹き出された気体流をナノファイバ捕集部30に向けて案内するために用いられる。この目的のために、整流体41は、例えばナノファイバ生成部20とナノファイバ捕集部30とを結ぶ仮想軸線の両側の位置に対向して配置された一対の平板からなることが好ましい。一対の平板は同じものであってもよく、あるいは異なるものであってもよい。また、一対の平板は、前記の仮想軸線に対して対称に配置されていることが好ましい。
整流部40における電極体42は、整流体41の外方に位置している。「整流体41の外方」とは、整流体41の面のうち、ナノファイバ生成部20を臨む面と反対側、すなわち背面側の領域のことである。整流体41の外方に位置している限り、電極体42の配置位置に特に制限はない。図1(a)及び(b)には、電極体42が、整流体41の背面側において該整流体41に隣接して配置されている状態が示されているが、電極体42の配置位置はこれに限られない。
整流部40においては一対の整流体41が用いられており、各整流体41に対応して電極体42も一対で配置されている。電極体42は、整流体41と同様に平板からなることが好ましい。尤も、整流体41を構成する平板と、電極体42を構成する平板とは同一の形状・寸法であることを要しない。また、一対の平板からなる電極体42は同じものであってもよく、あるいは異なるものであってもよい。更に電極体42は、前記の仮想軸線に対して対称に配置されていることが好ましい。
本発明者の検討の結果、複数のナノファイバ生成ユニット21を備えたナノファイバ生成部20を用い、複数のノズル22からナノファイバを紡出する場合、整流部40に整流体41及び電極体42を上述の配置状態で設置すると、意外にも各ノズル22からの原料液の吐出性が安定化することが判明した。その結果、各ノズル22からの原料液の吐出量を増加させることができ、それによってナノファイバの生産性が向上する。ここで言うナノファイバの生産性の向上とは、捕集体32に捕集されるナノファイバの量が多くなることをいう。したがって、ノズル22からは多量のナノファイバが紡出されたとしても、該ナノファイバが例えば整流体41に多量に付着してしまい、捕集体32に到達するナノファイバの量が少ない場合には、生産性が向上したことにはならない。
整流体41と電極体42とを組み合わせて用いることで、ノズル22からのナノファイバの紡出が安定化する理由は完全には明確ではない。本発明者は、この理由を、整流体41を用いた気体流の制御と、電極体42を用いた電場の制御との相乗効果によるものではないかと考えている。
気体流を制御する観点からは、整流体41におけるナノファイバ生成部20に臨む面は平滑面であることが望ましいが、気体流を制御し得る範囲において該面は凹凸を有していてもよい。また気体流を制御し得る範囲において、整流体41にその厚み方向を貫通する孔が形成されていてもよい。
ノズル22からのナノファイバの紡出を安定化する観点から、整流体41は少なくとも、ナノファイバ生成部20に臨む面の表面が誘電体から構成されていることが好ましい。誘電体としては、例えば、絶縁材料であるマイカ、アルミナ、ジルコニア、チタン酸バリウム等のセラミックス材料や、アクリル樹脂、ベークライト(フェノール樹脂)、ナイロン(ポリアミド)、塩化ビニル樹脂、ポリスチレン、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリ四フッ化エチレン、ポリフェニレンサルファイド等の樹脂系材料が挙げられる。誘電体には帯電防止剤を含有させることができる。帯電防止剤を含有させることによって、帯電したナノファイバが整流体41に付着したとき、整流体41の帯電を低減することができる。帯電防止剤としては公知の市販品を使用することができ、例えばペレクトロン(登録商標、三洋化成工業(株))、エレクトロストリッパー(登録商標、花王(株))、リケマール(登録商標、理研ビタミン(株))などを用いることができる。
ナノファイバ生成部20の気体流噴出部29から吹き出された気体流の制御を首尾よく行い、ナノファイバを捕集体32に確実に導く観点から、一対の平板からなる整流体41は、ナノファイバ捕集部30に向かうに連れて該平板間の距離が漸減するように配置されていることが好ましい。この場合、平板間の距離は、ナノファイバ捕集部30に向かうに連れて連続的に減少していてもよく、あるいはステップ状に減少していてもよい。
本実施形態においては、電極体42は、整流体41の背面側において、該整流体41に直接に接するように配されているので、整流体41の距離がナノファイバ捕集部30に向かうに連れて漸減することと連動して、一対の電極体42の距離も、ナノファイバ捕集部30に向かうに連れて漸減している。
上述のとおり、電極体42は、ナノファイバ生成部20とナノファイバ捕集部30との間の空間の電場を制御する目的で用いられる。この観点から電極体42は導電性材料から構成されており、一般には金属製である。ナノファイバ製造装置10の運転状態において、各電極体42は、装置10のグラウンドに対してある電位を有している。本発明者の検討の結果、各電極体は、ノズル22に印加される電圧と、ナノファイバ捕集部30に印加される電圧(すなわち捕集用電極31に印加される電圧)との間の電圧が印加されていることが、電場の制御の観点から好ましいことが判明した。ノズル22に印加される電圧とナノファイバ捕集部30に印加される電圧との間の電圧には、ノズル22に印加されている電圧又はナノファイバ捕集部30に印加されている電圧と同電圧も含まれているものとする。更に、帯電電極23と同電位となるよう各電極体に電圧を印加することが、生産性の向上の観点からより好ましい。すなわち、ノズル22の電圧>帯電電極23の電圧≧電極体42の電圧>捕集用電極31の電圧の関係が成立することが好ましい。また、ノズル22の電圧<帯電電極23の電圧≦電極体42の電圧<捕集用電極31の電圧の関係が成立することが好ましい。具体的には、ナノファイバ製造装置10の運転状態において、ノズル22に正の電圧が印加されており、且つナノファイバ捕集部30に負の電圧が印加されている場合、帯電電極23及び電極体42が接地されて、その電圧がゼロであることが好ましい。また、ナノファイバ製造装置10の運転状態において、ノズル22に負の電圧が印加されており、且つナノファイバ捕集部30に正の電圧が印加されている場合、帯電電極23及び電極体42が接地されて、その電圧がゼロであることが好ましい。電極体42の電圧がゼロであることは必須ではなく、例えば電極体42の電圧は、ノズル22印加されている電圧とナノファイバ捕集部30に印加されている電圧との間のいずれかの正又は負の電圧となっていてもよい。尤も、電極体42を接地すればその電圧はゼロになるので、電極体42の電圧をゼロに設定することは容易である。
図4には、本発明のナノファイバ製造装置10の別の実施形態が示されている。なお図4に示す実施形態に関し、特に説明しない点については、先に説明した実施形態に関する説明が適宜適用される。また図4において、図1ないし図3と同じ部材には同じ符号を付してある。同図に示す実施形態においては、電極体42を配置する位置が先の実施形態と相違している。詳細には、電極体42は、整流体41の外方、すなわち背面の位置であって、且つ該整流体41から離間した位置に配置されている。つまり整流体41と電極体42とは直接に接しておらず、両者間には空間が存在している。また、電極体42は、ナノファイバ生成部20とナノファイバ捕集部30とを結ぶ仮想軸線の両側の位置に対向して配置された一対の平板から構成されている。一対の平板からなる電極体42は、前記の仮想軸線に対して対称に配置されていることが好ましい。
図4に示すとおり、各電極体42は、ナノファイバ生成部20とナノファイバ捕集部30とを結ぶ仮想軸線Aと略平行に配置されている。尤も、各電極体42が仮想軸線Aに対して平行であることは要せず、電極体42の面のうち、整流体41と対向する面は、仮想軸線Aに対して傾斜していてもよい。例えば一対の平板からなる電極体42は、ナノファイバ捕集部30に向かうに連れて該平板間の距離が漸減するように傾斜していてもよい。
また図4に示す実施形態においては、仮想軸線Aに沿って見たとき、各電極体42の端部42F,42Rのうち、前側の端部42Fの位置は、各整流体41の前側の端部41Fの位置と略同じになっているが、これに代えて、電極体42の前側の端部42Fが、整流体41の前側の端部41Fの位置を越えてナノファイバ生成部20寄りに位置していてもよく、逆に整流体41の前側の端部41Fが、電極体42の前側の端部42Fの位置を越えてナノファイバ生成部20寄りに位置していてもよい。
同様に、図4に示す実施形態においては、仮想軸線Aに沿って見たとき、各電極体42の端部42F,42Rのうち、後側の端部42Rの位置は、各整流体41の後側の端部41Rの位置と略同じになっているが、これに代えて、電極体42の後側の端部42Rが、整流体41の後側の端部41Rの位置を越えてナノファイバ捕集部30寄りに位置していてもよく、逆に整流体41の後側の端部41Rが、電極体42の後側の端部42Rの位置を越えてナノファイバ捕集部30寄りに位置していてもよい。
以上の構成を有する各実施形態のナノファイバ製造装置10を用いたナノファイバの製造方法においては、まず捕集体32を繰り出して、所定の一方向(図1(a)では上下方向)に搬送する。また、例えば帯電電極23を接地して電圧をゼロに設定するとともに、ノズル22に正の電圧を印加し、且つ捕集用電極31に負の電圧を印加する。これによって帯電電極23とノズル22との間に電界を生じさせた状態下に、ナノファイバ生成部20に設けられた気体流噴出部29から気体流を噴出させつつ、ノズル22の先端22aから原料液を吐出する。原料液はノズル22から吐出されるまでの間に静電誘導によって帯電し、帯電した状態で吐出される。ノズル22の先端22aには電場が集中しているので、原料液の単位質量当たりの帯電量は極めて高くなる。帯電した状態で吐出された原料液は電界の作用によって、その液面が円錐状に変形する。帯電電極23に引き付けられる力が原料液の表面張力を超えると、帯電電極23の方向に原料液が一気に引き寄せられる。このとき、吐出した原料液に向けて気体流噴出部29から気体流を噴出させていることで、原料液の自己反発の連鎖によってファイバはナノサイズにまで細くなる。原料液が溶媒を含む場合には、ファイバの細径化と同時に比表面積が大きくなることで、該溶媒の揮発が進行する。その結果、生成したナノファイバが、ノズル22と対向する位置に配置された捕集体32の表面にランダムに堆積する。ナノファイバ製造装置10には複数のナノファイバ生成ユニット21が配置されているので、多量のナノファイバを製造することができる。しかもナノファイバは、各ナノファイバ生成ユニット21のノズル22から安定的に紡出されるので、原料液の吐出量を従来よりも高めても、従来と同程度の太さを有するナノファイバを多量に製造することができる。
本発明のナノファイバ製造装置を用いてナノファイバを製造するときに使用される原料液としては、繊維形成の可能な高分子化合物が溶媒に溶解した溶液や、熱可塑性樹脂の溶融液などを用いることができる。高分子化合物としては、水溶性高分子化合物及び水不溶性高分子化合物のいずれもが用いられる。本明細書において「水溶性高分子化合物」とは、1気圧・常温(20℃±15℃)の環境下において、高分子化合物を、該高分子化合物に対して10倍以上の質量の水に浸漬し、十分な時間(例えば24時間以上)が経過したときに、浸漬した高分子化合物の50質量%以上が溶解する程度に水に溶解可能な性質を有する高分子化合物をいう。一方、「水不溶性高分子化合物」とは、1気圧・常温(20℃±15℃)の環境下において、高分子化合物を、該高分子化合物に対して10倍以上の質量の水に浸漬し、十分な時間(例えば24時間以上)が経過したときに、浸漬した高分子化合物の80質量%以上が溶解しない程度に水に溶解しづらい性質を有する高分子化合物をいう。
水溶性高分子化合物としては、例えばプルラン、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、ポリ−γ−グルタミン酸、変性コーンスターチ、β−グルカン、グルコオリゴ糖、ヘパリン、ケラト硫酸等のムコ多糖、セルロース、ペクチン、キシラン、リグニン、グルコマンナン、ガラクツロン、サイリウムシードガム、タマリンド種子ガム、アラビアガム、トラガントガム、変性コーンスターチ、大豆水溶性多糖、アルギン酸、カラギーナン、ラミナラン、寒天(アガロース)、フコイダン、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等の天然高分子、部分鹸化ポリビニルアルコール(後述する架橋剤と併用しない場合)、低鹸化ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリエチレンオキサイド、ポリアクリル酸ナトリウム等の合成高分子などが挙げられる。これらの水溶性高分子化合物は単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの水溶性高分子化合物のうち、ナノファイバの製造が容易である観点から、プルラン、並びに部分鹸化ポリビニルアルコール、低鹸化ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン及びポリエチレンオキサイド等の合成高分子を用いることが好ましい。
一方、水不溶性高分子化合物としては、例えばナノファイバ形成後に不溶化処理できる完全鹸化ポリビニルアルコール、架橋剤と併用することでナノファイバ形成後に架橋処理できる部分鹸化ポリビニルアルコール、ポリ(N−プロパノイルエチレンイミン)グラフト−ジメチルシロキサン/γ−アミノプロピルメチルシロキサン共重合体等のオキサゾリン変性シリコーン、ツエイン(とうもろこし蛋白質の主要成分)、ポリエステル、ポリ乳酸(PLA)、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリメタクリル酸樹脂等のアクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエチレンテフタレート樹脂、ポリブチレンテフタレート樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂などが挙げられる。これらの水不溶性高分子化合物は単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明のナノファイバ製造装置によって製造されるナノファイバは、その太さを円相当直径で表した場合、一般に10nm以上3000nm以下、特に100nm以上1000nm以下のものである。ナノファイバの太さは、例えば走査型電子顕微鏡(SEM)観察によって測定することができる。このようなナノファイバをランダムに堆積させることでナノファイバシートが得られる。このナノファイバシートは、例えば高集塵性でかつ低圧損の高性能フィルタ、高電流密度での使用が可能な電池用セパレータ、高空孔構造を有する細胞培養用基材等として好適に用いられる。あるいはナノファイバシートを、ヒトの皮膚、歯、歯茎、毛髪、非ヒト哺乳類の皮膚、歯、歯茎、枝や葉等の植物表面等に付着させて用いることができる。
以上、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明は前記実施形態に制限されない。例えば前記実施形態においては、整流体41と平板を用いた例を挙げたが、整流体41の形状はこれに限られない。例えば整流体41として、円錐台又は角錐台の側面の形状をしているものを用いることができる。この形状の整流体は、ナノファイバ生成部20から噴射される気体流を囲むように配置されることが好ましい。また、この形状の整流体は、円錐台又は角錐台の底面から截頭面に向けて気体流が通過するように配置されることが好ましい。
また前記実施形態においては、帯電電極23は略椀形をしていたが、該電極23の形状はこれに限られず、ノズル22を囲う形状、又は、ノズル22を囲い、且つ凹曲面を有する形状であれば他の形状であってもよい。例えば特許文献1の図9に記載されているとおり、略椀形の帯電電極の対向する2つの側部を、ノズルの延びる方向と平行な面に沿って切断した形状の電極を用いることができる。あるいは帯電電極23は、特許文献1の図10に記載されているとおり、円筒をその中心軸に沿って略二分したうちの一方の形状、換言すれば略半円筒の形状をしていてもよい。
更に前記実施形態では、複数のナノファイバ生成ユニット21を鉛直方向に沿って直列に配置したが、これに代えて複数のナノファイバ生成ユニット21を水平方向に沿って直列に配置してもよい。あるいは、鉛直方向及び水平方向の両方に沿って配置してもよい。更に前記実施形態では、ノズル22が水平方向と平行に配置されていたが、これに代えてノズル22を鉛直方向と平行に配置してもよい。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。しかしながら本発明の範囲は、かかる実施例に制限されない。特に断らない限り、「%」は「質量%」を意味する。
〔実施例1〕
図4に示すナノファイバ製造装置10を用いてナノファイバシートを製造した。装置10における各部の寸法は図5に示すとおりとした。整流体41として、幅500mm、高さ1200mm、厚さ5mmのアクリル樹脂製平板を用いた。電極体42として、幅600mm、高さ1200mm、厚さ0.012mmのアルミニウム箔を用いた。
ナノファイバ生成ユニット21における帯電電極23の凹曲面24は、真球の球殻の半球面の形状とした。凹曲面24の開口端を画成する円の直径は90mmとした。電極の面積は8478mm2とした。ノズル22の内径は300μmとした。ノズル22の先端を、凹曲面24の開口端を画成する円を含む平面から5mm内寄りに位置させた。ノズル22を含むノズルアセンブリ27は、帯電電極23の凹曲面24の最底部に配置した。ノズル22はその延びる方向が、帯電電極23の凹曲面24における開口端によって画成される円の中心を通るように配置した。ナノファイバ生成ユニット21を2基用い、これらを鉛直方向に沿って直列に配置した。
原料液としてポリビニルピロリドン(K30)18%、ポリビニルピロリドン(K90)2%、エタノール40%、及び水40%を含む水性液を用いた。原料液の吐出量は48mL/h/基とした。また、ノズルアセンブリ27の気体流噴出部29から空気を200L/minで噴出させた。周囲環境は23℃、20%RHとした。
ナノファイバ製造装置10における各部の印加電圧は以下のとおりとした。
・ノズル22:+25kV
・帯電電極23:0kV
・捕集用電極31:−30kV
・電極体42:0kV
以上の条件でナノファイバ製造装置10を運転した。捕集体32として幅300mm、厚さ20μmのポリプロピレンフィルムを0.1m/minで走行させ、該フィルムにおけるナノファイバ生成部20の対向面にナノファイバを堆積させた。堆積後に、フィルムを1mの長さに裁断し、その質量W1を測定した。ナノファイバを堆積させる前のフィルムの質量W0を予め測定しておき、W1からW0を減じることでナノファイバの堆積量を求めた。3つのサンプルについてナノファイバの堆積量を求め、その平均値を算出し、これをもってナノファイバの生成量Y1とした。
この操作とは別に、10分間に吐出された原料液の量から算出される理論上のナノファイバ生成量をY0とし、(Y1/Y0)×100の計算式からナノファイバの捕集率を算出した。捕集率はその値が100に近いほど、多量のナノファイバが捕集されたことを意味する。その結果、本実施例での捕集率は89%であった。また、ナノファイバ生成ユニット1基当たりの原料液の吐出量を20mL/h/基から増加させていったところ、60mL/h/基でも安定した紡糸が可能であった。
〔実施例2〕
本実施例では、実施例1において用いた図4に示す装置に代えて、図1(a)及び(b)に示す装置を用いてナノファイバシートを製造した。装置の各部の寸法は実施例1と同様とした。また、ナノファイバ製造装置10の運転条件も実施例1と同様とした。この結果、本実施例での捕集率は78%であった。また、ナノファイバ生成ユニット1基当たりの原料液の吐出量を20mL/h/基から増加させていったところ、60mL/h/基でも安定した紡糸が可能であった。
〔比較例1〕
本比較例では、実施例1において用いた図4に示す装置に代えて、図6に示す装置100を用いてナノファイバシートを製造した。同図に示す装置では、整流体141として幅500mm、高さ1200mm、厚さ3mmのアルミニウム製平板を用いた。装置の各部の寸法は実施例1と同様とした。また、ナノファイバ製造装置100の運転条件も実施例1と同様とした。この結果、本比較例での捕集率は69%であった。また、ナノファイバ生成ユニット1基当たりの原料液の吐出量を20mL/h/基から増加させていったところ、60mL/h/基でも安定した紡糸が可能であった。
〔比較例2〕
本比較例では、実施例1において用いた図4に示す装置に代えて、整流体41と電極体42を取り外したナノファイバ製造装置10を用いてナノファイバシートを製造した。装置の各部の寸法は実施例1と同様とした。また、ナノファイバ製造装置10の運転条件も実施例1と同様とした。この結果、本比較例ではノズル先端において液溜まりが発生し紡糸が安定せず、十分に原料液が乾燥しないまま捕集体に堆積したため捕集率の測定ができなかった。また、ナノファイバ生成ユニット1基当たりの原料液の吐出量を20mL/h/基から増加させていったところ、32mL/h/基までは安定した紡糸が可能であったものの、それ以上に増加させると紡糸が不安定となった。
〔比較例3〕
本比較例では、実施例1において用いた図4に示す装置に代えて、電極体42を取り外したナノファイバ製造装置10を用いてナノファイバシートを製造した。装置の各部の寸法は実施例1と同様とした。また、ナノファイバ製造装置10の運転条件も実施例1と同様とした。この結果、本比較例では比較例2と同様、ノズル先端において液溜まりが発生し紡糸が安定せず、十分に原料液が乾燥しないまま捕集体に堆積したため捕集率の測定ができなかった。また、ナノファイバ生成ユニット1基当たりの原料液の吐出量を20mL/h/基から増加させていったところ、32mL/h/基までは安定した紡糸が可能であったものの、それ以上に増加させると紡糸が不安定となった。
10 ナノファイバ製造装置
20 ナノファイバ生成部
21 ナノファイバ生成ユニット
22 ノズル
23 帯電電極
24 凹曲面
25 基台
26 直流高圧電源
27 ノズルアセンブリ
28 支持部
29 気体流噴出部
30 ナノファイバ捕集部
31 捕集用電極
32 捕集体
40 整流部
41 整流体
42 電極体

Claims (10)

  1. ナノファイバ生成部及びナノファイバ捕集部を備えたナノファイバ製造装置であって、
    前記ナノファイバ生成部は、
    ナノファイバの原料液を紡出するノズルと、
    前記原料液に電荷を付与して帯電させる帯電電極と、
    紡出されたナノファイバを搬送する気体流を噴出させる気体流噴出部と、
    を有するナノファイバ生成ユニットが複数並べて配置されたものであり、
    前記ナノファイバ捕集部は、前記気体流噴出部に対向するように配置されており、
    前記ナノファイバ製造装置は、前記ナノファイバ生成部と前記ナノファイバ捕集部との間の空間に、前記ナノファイバ及び前記気体流を案内する整流体と、該整流体の外方の位置に、該ノズルに印加される電圧と該ナノファイバ捕集部に印加される電圧との間の電圧が印加される電極体とを有する、ナノファイバ製造装置。
  2. 前記ノズルに正の電圧が印加されており、且つ前記ナノファイバ捕集部に負の電圧が印加されているか、又は
    前記ノズルに負の電圧が印加されており、且つ前記ナノファイバ捕集部に正の電圧が印加されており、
    前記電極体が接地されて電圧がゼロになっている請求項1に記載のナノファイバ製造装置。
  3. 前記整流体が誘電体からなる請求項1又は2に記載のナノファイバ製造装置。
  4. 前記整流体が、前記ナノファイバ生成部と前記ナノファイバ捕集部とを結ぶ仮想軸線の両側の位置に対向して配置された一対の平板からなり、
    一対の前記平板は、前記ナノファイバ捕集部に向かうに連れて該平板間の距離が漸減するように配置されている請求項1ないし3のいずれか一項に記載のナノファイバ製造装置。
  5. 前記整流体が、円錐台又は角錐台の側面の形状をしており、
    前記整流体は、前記ナノファイバ生成部から噴射される気体流を囲むように、且つ前記円錐台又は前記角錐台の底面から截頭面に向けて前記気体流が通過するように配置されている請求項1ないし3のいずれか一項に記載のナノファイバ製造装置。
  6. 前記電極体が、前記整流体の背面側において該整流体に隣接して配置されている請求項1ないし5のいずれか一項に記載のナノファイバ製造装置。
  7. 前記電極体が、前記整流体から離間した位置に配置されており、且つ前記ナノファイバ生成部と前記ナノファイバ捕集部とを結ぶ仮想軸線の両側の位置に対向して配置された一対の平板からなる請求項1ないし5のいずれか一項に記載のナノファイバ製造装置。
  8. 前記帯電電極が、前記ノズルを囲う形状になっている請求項1ないし7のいずれか一項に記載のナノファイバ製造装置。
  9. 前記帯電電極が、凹曲面を有する形状になっている請求項8に記載のナノファイバ製造装置。
  10. 請求項1ないし9のいずれか一項に記載のナノファイバ製造装置を用いるナノファイバの製造方法。
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