JP6757641B2 - シート状の繊維堆積体の製造装置及び該繊維堆積体の製造方法 - Google Patents

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本発明は、溶融電界紡糸法により紡糸される繊維からシート状の繊維堆積体を製造する製造装置及び該繊維堆積体の製造方法に関する。
電界紡糸法(エレクトロスピニング法)は、ナノサイズの直径の繊維を比較的簡単に製造できる技術であり、電界紡糸法には、繊維の原料に樹脂の溶液を用いる溶液電界紡糸法(特許文献1,特許文献3)と、樹脂の溶融液を用いる溶融電界紡糸法(特許文献2)とがある。
特許文献1における溶液電界紡糸法の場合、溶媒を揮発させる必要があるので製造効率を高くすることが容易でなく、揮発した溶媒の回収を行う必要があるので製造コストが高くなる傾向がある。
これに対して、特許文献2に記載の溶融電界紡糸法の場合、上述の溶液電界紡糸法の場合に生じる不都合が生じないことから、近年、溶融電界紡糸法に関する検討が盛んに行われている。
特許文献3に記載の溶液電界紡糸法は、繊維(ナノファイバ)を堆積させる領域を調整し、任意の位置に繊維(ナノファイバ)を堆積させるナノファイバ製造装置を用いたものである。
特表2005−534828号公報 特開2015−209601号公報 特開2011−99178号公報
しかしながら、特許文献3に記載のナノファイバ製造装置は、調整電極とカバー部材又は絶縁部材とを用いて電界を発生させ、発生させた電界でナノファイバの飛来経路を制御しており、複雑な構成であった。
したがって本発明の課題は、前述した従来技術が有する欠点を解消し得る捕集装置及び該捕集装置を用いた繊維堆積体の製造方法を提供することにある。
本発明は、溶融した樹脂を紡糸して帯電した繊維を空間中に形成する溶融電界紡糸装置と、空間中に形成された繊維をシート状に堆積させて捕集する捕集装置とを備えるシート状の繊維堆積体の製造装置であって、前記捕集装置は、導電性を有し接地された第1捕集体と、絶縁部材により形成される第2捕集体とを備え、前記第1捕集体は、前記溶融電界紡糸装置に対向して配され、前記第2捕集体は、前記溶融電界紡糸装置と前記第1捕集体との間に配されており、前記溶融電界紡糸装置から視て、前記第1捕集体の両側部それぞれに配され、各該第2捕集体の一部が前記第1捕集体の側部と重なっており、前記第2捕集体は、前記溶融電界紡糸装置側の面と前記第1捕集体側の面とに連通する貫通穴を複数有する、製造装置を提供するものである。
また本発明は、前記製造装置を用いたシート状の繊維堆積体の製造方法であって、前記溶融電界紡糸装置により紡糸され帯電した状態で飛来する繊維を、該溶融電界紡糸装置と前記第1捕集体との間に配された前記第2捕集体で捕集して該第2捕集体の表面を帯電させ、その後帯電した該第2捕集体の表面で飛来する繊維を跳ね返し、跳ね返った繊維を、該溶融電界紡糸装置に対向して配され接地した前記第1捕集体に堆積させる、シート状の繊維堆積体の製造方法を提供するものである。
本発明のシート状の繊維堆積体の製造装置によれば、簡単な構成で、シート状に堆積させて捕集する繊維堆積体の横方向の長さを容易に調整することができる。
また、本発明のシート状の繊維堆積体の製造方法によれば、簡単な構成で、横方向の長さが調整されたシート状の繊維堆積体を容易に製造することができる。
図1は、本発明の好ましい一実施形態の製造装置を模式的に示す断面図である。 図2は、図1に示す製造装置の備える捕集装置を示す斜視図である。 図3は、図2に示す捕集装置の備える絶縁板の複数の貫通穴を示す部分拡大図である。 図4は、ベルトコンベアにおける無端ベルトと絶縁板との位置関係を模式的に示す断面図である。
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき図面を参照して説明する。図1には、本発明の好ましい一実施形態の製造装置100を模式的に示す断面図が示されており、図2には、図1に示す製造装置100の備える捕集装置1の斜視図が示されている。図3には、図2に示す捕集装置の備える絶縁板4の複数の貫通穴を示す部分拡大図が示されており、図4には、図2に示す捕集装置1におけるベルトコンベア3の無端ベルト32と絶縁板4との位置関係が模式的に示されている。
シート状の繊維堆積体11の製造装置100は、図1に示すように、溶融した樹脂を紡糸して帯電した繊維10を形成する溶融電界紡糸装置2と、形成された繊維10をシート状に堆積させて捕集する捕集装置1とを備えている。
溶融電界紡糸装置2は、図1に示すように、帯電電極20と、ノズル先端部21aを有する吐出用ノズル21と、搬送用エアーの噴射部22とを備えている。溶融電界紡糸装置2においては、帯電電極20とノズル先端部21aとの間に静電誘導によって電界を生じさせた状態下に、ノズル先端部21aの先端より吐出させた溶融した樹脂から繊維を形成するようになっている。
帯電電極20は、導電性材料から構成されており、一般には金属製である。図1に示すように、帯電電極20には、接地された直流高圧電源23が接続されている。また帯電電極20は、全体として円筒形状をしており、その内面に凹曲面24を有している。凹曲面24は、その開口端側から視たとき該開口端が円形をしており、その表面が誘電体で被覆されている。帯電電極20が凹曲面24を有することで、帯電電極20に電圧を印加した時に生じる電場が一点に集中するようになる。
凹曲面24を被覆する誘電体としては、絶縁材料であるマイカ、アルミナ、ジルコニア、チタン酸バリウム等のセラミック材料や、ベークライト(フェノール樹脂)、ナイロン(ポリアミド)、塩化ビニル樹脂、ポリスチレン、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリ四フッ化エチレン、ポリフェニレンサルファイド等の樹脂系材料が挙げられる。これらのうち、アルミナ、ベークライト、ナイロン、塩化ビニル樹脂の中から選ばれる少なくとも1種以上の絶縁材料を用いることが好ましく、特にナイロンを用いることが好ましい。ナイロンとしては、6ナイロンや66ナイロンなどの各種のポリアミドを用いることができる。またナイロンとして市販品を用いることもできる。そのような市販品としては、例えばMCナイロン(登録商標)が挙げられる。
凹曲面24の開口部には、図1に示すように、ノズルアッセンブリ26が取り付けられている。ノズルアッセンブリ26は、先に述べた吐出用ノズル21と、該吐出用ノズル21を支持する支持部25とを有している。吐出用ノズル21は、導電性材料から構成されており、一般には金属である。一方、支持部25は電気絶縁材料から構成されている。したがって、先に述べた帯電電極20と吐出用ノズル21とは、支持部25によって電気的に絶縁されている。
吐出用ノズル21は、図1に示すように、針状の直管から構成されており、その内部は紡糸する原料である樹脂溶融液が流通可能になっている。吐出用ノズル21は、支持部25を貫通しており、吐出用ノズル21のノズル先端部21aは帯電電極20の凹曲面24内に露出している。吐出用ノズル21の後端21bは、帯電電極20の凹曲面24側と反対側において露出しており、紡糸する原料となる樹脂溶融液の供給源(図示せず)に接続されている。
繊維10の原料となる樹脂としては、熱可塑性のものが好適である。例えばポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレート等のポリエステル繊維、ポリアクリル酸エステルやポリメタクリル酸エステルなどのアクリル系樹脂、ポリ塩化ビニルやポリスチレンなどのビニル系樹脂などが挙げられる。これらの樹脂には、該樹脂に帯電させる帯電添加剤が練り込まれており、樹脂に練り込まれた帯電添加剤としては、例えば各種の界面活性剤、などが挙げられる。
前記の各種樹脂を原料として製造される繊維10は、溶融電界紡糸法を実施する条件に応じて様々な太さのものとすることができる。特に、ナノファイバと呼ばれる極細繊維を製造することができる。ナノファイバとは、その太さを円相当直径で表した場合、一般に10nm以上3000nm以下、特に10nm以上1000nm以下のものである。ナノファイバの太さは、例えば走査型電子顕微鏡(SEM)観察によって、繊維を10000倍に拡大して観察し、その二次元画像から欠陥(ナノ繊維の塊、ナノ繊維の交差部分、ポリマー液滴)を除いた繊維を任意に10本選び出し、繊維の長手方向に直交する線を引き繊維径を直接読み取ることで測定することができる。
吐出用ノズル21は、図1に示すように、接地されている。これに対して帯電電極20には、先に述べた直流高圧電源23により負電圧が印加されているので、帯電電極20と吐出用ノズル21との間には電界が生じる。なお、帯電電極20と吐出用ノズル21との間に電界を生じさせるためには、図1に示す電圧の印加に替えて、吐出用ノズル21に正電圧を印加すると共に、帯電電極20を接地してもよい。吐出用ノズル21を接地する方が、絶縁対策を簡便にできる。
帯電電極20と吐出用ノズル21との間に加わる電位差は、1kV以上、特に10kV以上とすることが、溶融した樹脂を十分に帯電させる点から好ましい。一方、この電位差は、100kV以下、特に50kV以下とすることが、吐出用ノズル21と帯電電極20との間における放電を防止する観点から好ましい。
紡糸される繊維10の帯電量としては、好ましくは1000nC/g以上、より好ましくは2000nC/g以上、好ましくは40000nC/g以下、より好ましくは8000nC/g以下、好ましくは1000nC/g以上40000nC/g以下、より好ましくは2000nC/g以上8000nC/g以下である。帯電量は、春日電機製ファラデーケージKQ1400内に帯電した溶融状態の原料樹脂を捕集し、該ファラデーケージに接続した春日電機製クーロンメーターMK−1002により測定することができる。
噴射部22は、図1に示すように、ノズルアッセンブリ26の支持部25の近傍に設けられており、吐出用ノズル21の外壁と支持部25の内壁からなる空間により構成されている。噴射部22の貫通穴は、吐出用ノズル21の延びる方向に沿って形成されており、吐出用ノズル21のノズル先端部21aの方向に向けて空気を噴出させることが可能となっている。噴射部22は、その後端側の開口部が空気の供給源(図示せず)に接続されており、この供給源から空気が供給されることで、支持部25の近傍から空気を噴射する。吐出用ノズル21のノズル先端部21aから吐出され、電界の作用によって細長く引き伸ばされた溶融した樹脂を紡糸して形成された帯電した繊維10を、噴射した空気は、捕集装置1に向けて搬送する。
噴射部22が噴射する空気の流量は、50L/min以上、特に150L/min以上であることが好ましく、350L/min以下、特に250L/min以下であることが好ましい。例えば空気の流量は、50L/min以上350L/min以下であることが好ましく、150L/min以上250L/min以下であることが更に好ましい。
捕集装置は、導電性を有し接地された第1捕集体と、絶縁部材により形成される第2捕集体とを備えており、本実施形態の捕集装置1では、図1及び図2に示すように、第1捕集体であるベルトコンベア3と、第2捕集体である絶縁板4とを備えている。また、捕集装置1は、捕集したシート状の繊維堆積体11を回収する回収部5を備えている。
ベルトコンベア3は、図1及び図4に示すように、溶融電界紡糸装置2に対向して配されている。好適に、ベルトコンベア3は、無端ベルト32の後述する捕集面32sが溶融電界紡糸装置2に対向して配されている。なお、「無端ベルト32の捕集面32s」とは、無端ベルト32を溶融電界紡糸装置2側から平面視した際の無端ベルト32の対向面の全面を意味しており、無端ベルト32における溶融電界紡糸装置2と対向しない側の面は含まない。
ベルトコンベア3は、回転軸が互いに平行になるように配置された複数のローラ31と、複数のローラ31間に架け渡された無端ベルト32とを有しており、図1及び図2に示すように、本実施形態では、2つのローラ31、31と、2つのローラ31、31間に架け渡された無端ベルト32とを有している。
2つのローラ31、31は、本実施形態では、図1及び図2に示すように、無端ベルト32の横方向Yと直交する縦方向Xの両端それぞれに配されており、フレーム(図示せず)により回転自在に支持されている。言い換えると、2つのローラ31、31は、図2に示す上下方向の端部それぞれに配されている。また各ローラ31は、該ローラ31に駆動力を供給する駆動源(図示せず)に接続されており、駆動源から供給される駆動力により回転するようになっている。無端ベルト32は、ローラ31が回転することで、図1中、矢印M方向(反時計方向)に周回するようになされている。
捕集装置1は、無端ベルト32を矢印M方向に周回させることで、吐出用ノズル21から飛来する繊維10をシート状に堆積してなる繊維堆積体11を、矢印M方向(図1中、上下方向)に連続して搬送することができる。つまり、ベルトコンベア3を用いることで矢印M方向に連続した繊維堆積体11を製造することができる。
無端ベルト32は、図1に示すように、導電性を有する材料により形成されると共に、接地されている。無端ベルト32が導電性を有し接地されることで、溶融電界紡糸装置2から飛来する帯電した繊維10を無端ベルト32の捕集面32sで捕集した場合においても、繊維10の電荷を無端ベルト32から逃がし、無端ベルト32の捕集面32sが帯電することが防止される。
無端ベルト32の接地の方法は、特に限定されないが、本実施形態では、導電性の接地ブラシを用いて無端ベルト32を接地している。
導電性を有する無端ベルト32を形成する導電性材料としては、導電性カーボン入りフッ素樹脂製ベルト、金属製ベルトが挙げられる。これらの導電性材料の内、無端ベルト32とローラ31の摩耗を防ぐ観点から、導電性カーボン入りフッ素樹脂製ベルトを用いることが好ましい。
なお、本実施形態では、図1に示すように、導電性を有する無端ベルト32を接地しているが、例えば、ローラ31及び無端ベルト32を、導電性を有する材料で形成し、該ローラ31を接地させることで、無端ベルト32の捕集面32sで捕集した繊維10の電荷を、ローラ31を介して無端ベルト32から逃がしてもよい。
絶縁板4は、図2及び図3に示すように、溶融電界紡糸装置2とベルトコンベア3との間に配されており、溶融電界紡糸装置2から視て、ベルトコンベア3の縦方向Xに沿った側部それぞれに配され、該絶縁板4の一部がベルトコンベア3の側部と重なっている。好適に、本実施形態では、絶縁板4は矩形状の一対の絶縁板4R及び絶縁板4Lにより構成されている。
一方の絶縁板4Rは、溶融電界紡糸装置2から視て、図2に示すように、上述した無端ベルト32の捕集面32sにおける縦方向Xに沿った一方の側部と対面して配され、かつ該一方の側部に沿って延在して配されている。また、一方の絶縁板4Rは、その一部が該一方の側部と重なって配されている。更に、一方の絶縁板4Rは、図4に示すように、該一方側の側部に対して、溶融電界紡糸装置2側に、所定距離離間して配されている。
同様に、他方の絶縁板4Lは、溶融電界紡糸装置2から視て、上述した無端ベルト32の捕集面32sにおける縦方向Xに沿った他方の側部と対面して配され、かつ該他方の側部に沿って延在して配されている。また、他方の絶縁板4Lは、その一部が該他方の側部と重なって配されている。更に、他方の絶縁板4Lは、図4に示すように、該他方の側部に対して、溶融電界紡糸装置2側に、所定距離離間して配されている。
絶縁板4が、捕集面32sに対して溶融電界紡糸装置2側に、所定距離離間して配されることで、絶縁板4が捕集面32sに接触し、捕集面32sが摩耗することを防ぐことができる。
一方の絶縁板4Rと無端ベルト32の捕集面32sにおける一方の側部との重なり幅、及び他方の絶縁板4Lと無端ベルト32の捕集面32sにおける他方の側部との重なり幅は、同じでもよいし、任意に変更して異なるようにしてもよい。
また、一方の絶縁板4Rと無端ベルト32の捕集面32sとの離間距離、及び他方の絶縁板4Lと無端ベルト32の捕集面32sとの離間距離は、同じでもよいし、任意に変更して異なるようにしてもよい。
更に、絶縁板4は、第1面41と無端ベルト32の捕集面32sとが平行になるように配されてもよいし、第1面41と無端ベルト32の捕集面32sとが所定角度をなすように配されてもよい。絶縁板4の第1面41と無端ベルト32の捕集面32sとが所定角度をなすように配される場合、一方の絶縁板4Rと無端ベルト32の捕集面32sとのなす角度、及び他方の絶縁板4Lと無端ベルト32の捕集面32sとのなす角度は、同じでもよいし、任意に変更して異なるようにしてもよい。
なお、絶縁板4は、その一部が無端ベルト32の側部の全体に亘って重なっていることが好ましい。好適に、一方の絶縁板4Rは、無端ベルト32の捕集面32sにおける縦方向Xに沿う一方の側部の全体に亘って重なっていることが好ましく、他方の絶縁板4Lは、無端ベルト32の捕集面32sにおける縦方向Xに沿う他方の側部の全体に亘って重なっていることが好ましい。ここで、「無端ベルト32の側部の全体」とは、上述した捕集面32sにおける縦方向Xに沿う側部の全体を意味しており、無端ベルト32における溶融電界紡糸装置2と対向しない側の面は含まない。絶縁板4の一部が無端ベルト32の捕集面32sにおける縦方向Xに沿う側部の全体に亘って重なることで、捕集面32sにおける縦方向Xの全体に飛来した繊維10も所定の幅内に堆積させることができる。従って、例えばシート状の繊維堆積体11を連続して製造する際等に、飛来する繊維10を無駄なく堆積させることができる。
また、一方の絶縁板4Rと他方の絶縁板4Lとは、図2に示すように、無端ベルト32の横方向Yの中心を通り、縦方向Xに延びる縦中心線CLに対して、非対称に配してもよいが、該縦中心線CLに対して線対称に配されることが好ましい。
絶縁板4は、図2及び図3に示すように、溶融電界紡糸装置2側の第1面41とベルトコンベア3側の第2面42とに連通する貫通穴43を複数有している。本実施形態では、絶縁板4に形成される複数の貫通穴43は、矩形状に形成されており、絶縁板4の全面に設けられている。複数の貫通穴43は、同じ大きさに形成されており、縦方向X及び横方向Yに等間隔で並んで配されている。絶縁板4にこのような複数の貫通穴43を形成することで、溶融電界紡糸装置2によって紡糸され捕集装置1に向かって飛来する帯電した繊維10を複数の貫通穴43で絡め、その表面に帯電した繊維10による薄い層を形成することができる。特に、絶縁板4が溶融電界紡糸装置2と対面し、かつ絶縁板4に貫通穴43が複数形成されることで、絶縁板4の表面に帯電した繊維10が絡みやすくなり、絶縁板4の表面に帯電した繊維10による薄い層を形成し易くなる。絶縁板4の表面に帯電した繊維10による薄い層が形成されると、繊維10に付着した電荷による帯電層が形成され、その後に飛来する同じ電荷に帯電した繊維10が跳ね返され易くなる。
上述の観点から、絶縁板4に形成される複数の貫通穴43は、溶融電界紡糸装置2から飛来する繊維10が該複数の貫通穴43を通過することなく該貫通穴43に絡まる大きさに形成されることが好ましい。
なお、本実施形態では、図3に示すように、複数の貫通穴43を同じ大きさ及び形状に形成したが、複数の貫通穴43を異なる大きさ及び形状に形成してもよい。また、本実施形態では、複数の貫通穴43を矩形状に形成したが、繊維10が絡みやすい形状であれば、円形、楕円形、多角形等にしてもよい。更に、本実施形態では、複数の貫通穴43を縦方向X及び横方向Yに等間隔で並んで配したが、複数の貫通穴43をランダムに配してもよい。さらに本実施形態では絶縁板4の全面に亘って複数の貫通穴43が存在しているが、無端ベルト32の縦方向Xに沿った側部と重なっている絶縁板4の部分のみに貫通穴43が存在していてもよい。
絶縁板4を形成する絶縁材料としては、ベークライト(フェノール樹脂)、ナイロン(ポリアミド)、塩化ビニル樹脂、ポリスチレン、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリ四フッ化エチレン、ポリフェニレンサルファイド等の樹脂系材料や、マイカ、アルミナ、ジルコニア、チタン酸バリウム等のセラミック材料が挙げられる。これらのうち、ベークライト(フェノール樹脂)、ナイロン(ポリアミド)、塩化ビニル樹脂、ポリプロピレンの中から選ばれる少なくとも1種以上の絶縁材料を用いることが好ましく、特にポリプロピレンを用いることが好ましい。
また無端ベルト32の捕集面32sにおける縦方向Xに沿って配された一対の絶縁板4R,4Lは、互いの間隔を調整可能な間隔調整機構47を有している。絶縁板4が間隔調整機構47を有することで、一方の絶縁板4Rと他方の絶縁板4Lとの互いの間隔を容易に調整することができる。
間隔調整機構47は、本実施形態では、図4に示すように、絶縁板4を支持する支持フレーム44と、支持フレーム44に絶縁板4を固定する固定ボルト45と、絶縁板4に形成される複数のボルト穴46とを有している。
支持フレーム44は、図4に示すように、無端ベルト32の捕集面32sに対して絶縁板4が配される側と反対側に所定間隔離間して配され、且つ無端ベルト32の縦方向Xに沿った側部に沿って延在して配されている。支持フレーム44は、絶縁材料により形成されている。支持フレーム44を形成する絶縁材料としては特に限定されないが、本実施形態では、MCナイロン(登録商標)により形成されている。
固定ボルト45は、絶縁材料により形成されている。固定ボルト45を形成する絶縁材料としては特に限定されないが、本実施形態では、PEEK材(ポリエーテル・エーテル・ケトン)により形成されている。
支持フレーム44及び固定ボルト45を絶縁材料で形成することで、例えば、絶縁板4に帯電した電荷が、支持フレーム44及び固定ボルト45を介して絶縁板4から逃げることを防止できる。
複数のボルト穴46は、固定ボルト45を挿通可能な大きさで、横方向Yに並んで形成されている。複数のボルト穴46は、10mmピッチで形成されている。即ち一方の絶縁板4Rと他方の絶縁板4Lとは、10mmピッチで横方向Yの距離を調整可能になっている。
前述した一又は二以上の効果がより好適に得られるようにする観点から、ベルトコンベア3は、以下の構成の一又は二以上を有することが好ましい。
図2に示すように、無端ベルト32の横方向Yの長さL1yとしては、好ましくは200mm以上、より好ましくは300mm以上、好ましくは600mm以下、より好ましくは450mm以下、好ましくは200mm以上600mm以下、より好ましくは300mm以上450mm以下である。
図2に示すように、無端ベルト32の捕集面32sの縦方向Xの長さL1xとしては、好ましくは200mm以上、より好ましくは300mm以上、好ましくは1500mm以下、より好ましくは1100mm以下、好ましくは200mm以上1500mm以下、より好ましくは300mm以上1100mm以下である。
図2に示すように、絶縁板4の縦方向Xの長さL2としては、好ましくは200mm以上、より好ましくは300mm以上、好ましくは1500mm以下、より好ましくは1100mm以下、好ましくは200mm以上1500mm以下、より好ましくは300mm以上1100mm以下である。
図2に示すように、絶縁板4の横方向Yの長さL3としては、好ましくは20mm以上、より好ましくは150mm以上、好ましくは350mm以下、より好ましくは300mm以下、好ましくは20mm以上350mm以下、より好ましくは150mm以上300mm以下である。
図2に示すように、無端ベルト32の捕集面32sの縦方向Xの長さL1xに対する絶縁板4の縦方向Xの長さL2の比率((L2/L1x)×100)としては、好ましくは15%以上、より好ましくは35%以上、好ましくは100%以下、より好ましくは75%以下、好ましくは15%以上100%以下、より好ましくは35%以上75%以下である。
図3に示すように、絶縁板4の貫通穴43の縦方向Xの長さL4としては、好ましくは1mm以上、より好ましくは2mm以上、好ましくは10mm以下、より好ましくは5mm以下、好ましくは1mm以上10mm以下、より好ましくは2mm以上5mm以下である。同様に、絶縁板4の貫通穴43の横方向Yの長さL5としては、好ましくは1mm以上、より好ましくは2mm以上、好ましくは10mm以下、より好ましくは5mm以下、好ましくは1mm以上10mm以下、より好ましくは2mm以上5mm以下である。
また、図3に示すように、絶縁板4の貫通穴43同士の間隔d1としては、好ましくは0.1mm以上、より好ましくは1mm以上、好ましくは5mm以下、より好ましくは2以下、好ましくは0.1mm以上5mm以下、より好ましくは1mm以上2mm以下である。
図4に示すように、絶縁板4の厚み(厚さ方向Zの長さ)L6としては、好ましくは0.1mm以上、より好ましくは1mm以上、好ましくは5mm以下、より好ましくは2mm以下、好ましくは0.1mm以上5mm以下、より好ましくは1mm以上2mm以下である。
また図4に示すように、絶縁板4の第2面42と無端ベルト32の捕集面32sとの厚さ方向Zの離間距離L7は、好ましくは1mm以上、より好ましくは5mm以上、好ましくは30mm以下、より好ましくは15mm以下、好ましくは1mm以上30mm以下、より好ましくは5mm以上15mm以下である。
ベルトコンベア3の搬送速度(無端ベルト32の周回速度)としては、好ましくは0.5m/min以上、より好ましくは1m/min以上、好ましくは30m/min以下、より好ましくは15m/min以下、好ましくは0.5m/min以上30m/min以下、より好ましくは1m/min以上15m/min以下である。
次に、上述した製造装置100を用いたシート状の繊維堆積体11の製造方法について、図1を参照して説明する。
本実施形態の製造装置100を用いた製造方法においては、先ず、図1に示すとおり、溶融電界紡糸装置2の吐出用ノズル21を接地し、帯電電極20に直流高圧電源23によって正の電圧を印加しておく。また、捕集装置1の無端ベルト32を接地し、無端ベルト32の電荷を逃がしておく。
そして、一方の絶縁板4Rと他方の絶縁板4Lとの間隔を間隔調整機構47で調整し、無端ベルト32の捕集面32sにおける捕集部32pの横方向Yの長さを任意の幅(長さ)に調整しておく。例えば、一方の絶縁板4Rから固定ボルト45を取り外し、任意のボルト穴46に固定ボルト45を挿入して支持フレーム44に固定し、他方の絶縁板4Lから固定ボルト45を取り外し、任意のボルト穴46に固定ボルト45を挿入して支持フレーム44に固定する。これにより絶縁板4の間隔が任意の幅となり、捕集部32pにおける横方向Yの長さが調整される。絶縁板4の間隔が任意の間隔となることで、無端ベルト32の捕集面32s上で繊維10が堆積される幅(長さ)を任意の幅とすることができる。なお、捕集部32pとは、捕集面32sにおける一方の絶縁板4Rと他方の絶縁板4Lとで挟まれた任意の範囲であり、繊維10を捕集して堆積させる部分を意味する。即ち、捕集部32pの幅が繊維堆積体11の幅(幅方向の長さ)となる。
上述の準備終了後、図1に示すように、吐出用ノズル21のノズル先端部21aから溶融した樹脂が吐出されると、吐出された樹脂は、帯電電極20に印加された電圧によって、溶融状態のまま帯電電極20の凹曲面24に向けて引き寄せられる。吐出用ノズル21と支持部25の間には、噴射部22が配されており、噴射部22が噴射した気体により、ノズル先端部21aから溶融した樹脂を捕集装置1に向けて搬送する。噴射部22が噴射した気体により溶融した樹脂が搬送されることで、樹脂が引き延ばされて極細化し、帯電した繊維10となる。ノズル先端部21aから吐出した樹脂は、このようにして紡糸され帯電した繊維10となる。このようにして樹脂を紡糸する観点から、噴射部22が噴射する気体には、加熱された空気を用いることが好ましい。
本実施形態では、溶融電界紡糸装置2により紡糸され帯電した状態で飛来する繊維10を、溶融電界紡糸装置2とベルトコンベア3との間に配された絶縁板4で捕集して絶縁板4の表面を帯電させ、その後帯電した絶縁板4の表面で飛来する繊維10を跳ね返し、跳ね返った繊維10を、該溶融電界紡糸装置2に対向して配され接地したベルトコンベア3に堆積させる。好適に、製造装置100を用いた製造方法では、帯電した状態の繊維10を、噴射部22が噴射した気体により捕集装置1に向けて搬送し、絶縁板4と無端ベルト32の捕集部32pとで捕集する。絶縁板4に捕集された繊維10は、絶縁板4の複数の貫通穴43に絡まり、絶縁板4の溶融電界紡糸装置2側の第1面41に薄い膜状の層を形成する。このように形成された薄い膜状の層は、絶縁板4及び間隔調整機構47が絶縁材料により形成されると共に、絶縁板4及び間隔調整機構47が接地されておらず、且つ飛来する繊維10は電荷を有しているため、帯電した層となる。
絶縁板4の第1面41に帯電した薄い膜状の層が形成されると、絶縁板4の第1面41に向けて飛来する繊維10は、同じ電荷に帯電していることから、捕集面32sよりも溶融電界紡糸装置2側の絶縁板4の第1面41の帯電した薄い膜状の層によって跳ね返され易い。跳ね返された繊維10は、噴射部22が噴射した気体により捕集装置1に向けて搬送され、無端ベルト32の捕集部32pに捕集される。このとき、無端ベルト32は接地されており、無端ベルト32の捕集部32pに捕集された繊維10の電荷は接地箇所に逃げるため、無端ベルト32の捕集部32pに帯電した層ができることはない。また無端ベルト32の捕集部32pには、噴射部22により直接捕集部32pに向けて搬送される繊維10も捕集されている。
このように、絶縁板4の第1面41に、繊維10により帯電した薄い膜状の層が形成されると、その後、絶縁板4は繊維10を跳ね返すようになり易い。跳ね返された繊維10は無端ベルト32の捕集部32pに搬送されるため、無端ベルト32の捕集部32pのみに繊維10が堆積され易くなる。これを繰り返すことにより、無端ベルト32の捕集部32pにシート状の繊維堆積体11が形成される。そして、無端ベルト32を周回させることで、図2に示す矢印M方向に連続した繊維堆積体11が形成される。
その後、連続して形成された繊維堆積体11は、回収部5で回収される。
以上説明したように、本実施形態のシート状の繊維堆積体11の製造装置100によれば、導電性を有し接地された無端ベルト32の捕集面32sの縦方向Xに沿った側部それぞれに、任意の間隔で一対の絶縁板4R,4Lを配置することで、横方向Yの長さを任意に調節した繊維堆積体11を容易に製造することができる。即ち、シート状の繊維堆積体11の横方向(幅方向)Yの長さを、容易に任意の長さに調節することができる。
特に、絶縁板4に複数の貫通穴43を形成することで、捕集装置1に向かって飛来する繊維10をその表面に絡めて、繊維10による帯電した薄い膜状の層を形成し易い。そして、絶縁板4の第1面41に繊維10による帯電した薄い膜状の層が形成されることで、その後に飛来する同じ電位に帯電した繊維10を跳ね返すことが可能になる。従って捕集部32pのみに繊維10を捕集させ易く、繊維堆積体11の横方向Yの長さを調整することができる。
このように、本実施形態のシート状の繊維堆積体11の製造装置100によれば、簡単な構成で、シート状に堆積させて捕集する繊維堆積体の横方向Yの長さを容易に調整することができる。
また、本実施形態の製造装置100を用いたシート状の繊維堆積体の製造方法によれば、簡単な構成で、横方向Yの長さが調整されたシート状の繊維堆積体11を容易に連続して製造することができる。
以上、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されない。
例えば、上述の実施形態の製造装置100では、第1捕集体として、飛来する繊維を無端ベルト32に堆積させて捕集するベルトコンベア3を用いて説明したが、第1捕集体は、導電性を有するローラであってもよい。ローラを回転させながら、飛来する繊維10を外周面に堆積させて捕集することで、ベルトコンベア3を用いた場合と同様に、シート状の繊維堆積体11を生産することができる。
また例えば、上述の実施形態の製造装置100では、図2に示すように、2つのローラ31、31を上下方向に配すると共に上下方向に沿う側部に絶縁板4を配し、繊維堆積体11を上下方向に搬送するベルトコンベア3を用いて説明したが、2つのローラ31、31を左右方向に配すると共に上下方向の両端部に絶縁板4を配し、繊維堆積体11を左右方向に搬送するベルトコンベアを用いてもよい。
また例えば、上述の実施形態の製造装置100では、図1に示すように、溶融電界紡糸装置2の備える吐出用ノズル21を、該吐出用ノズル21のノズル先端部21aが帯電電極20の凹曲面24内に露出するように配置したが、それ以外の位置に吐出用ノズル21を配置してもよい。
以下、本発明を実施例を用いて更に詳細に説明するが、本発明は、斯かる実施例によって何ら限定されるものではない。
〔実施例1〕
実施例1の製造装置としては、図1に示す製造装置100と同様の基本構成を有する製造装置を用意した。そして、実施例1の製造装置100を用いて、シート状の繊維堆積体を製造した。
繊維10の原料となる樹脂は、ポリプロピレンであった。ポリプロピレンにはPolyMirae社製のMF650Yを用いた。樹脂に練り込まれた帯電添加剤としては、ステアリン酸亜鉛を用いた。
実施例1の製造装置100の備える溶融電界紡糸装置2の帯電電極20は、ステンレス製の基体の表面にMCナイロンからなる誘電体を厚み10mmで被覆したものを用いた。
実施例1の製造装置100の溶融電界紡糸装置2の吐出用ノズル21を接地し、帯電電極20に30kVの電圧を印加した。この状態下に、250℃に溶融したポリプロピレンを13.3g/minの吐出速度で吐出させ溶融電界紡糸を行った。紡糸条件としては、800g/hであった。このようにして得られた繊維の帯電量を測定したところ6100nC/gであった。帯電量は、春日電機製ファラデーケージKQ1400内に帯電した溶融状態の原料樹脂を捕集し、該ファラデーケージに接続した春日電機製クーロンメーターMK−1002により測定した。
実施例1の製造装置100の備える捕集装置1においては、該捕集装置1の無端ベルト32を形成する導電性の材料は導電性カーボン入りフッ素樹脂製であり、絶縁板4を形成する絶縁材料はポリプロピレンであった。
無端ベルト32の横方向Yの長さL1yは430mmであり、無端ベルト32の縦方向Xの長さL1xは1100mmであった。
絶縁板4の縦方向Xの長さL2は400mm、横方向Yの長さL3は290mmであり、一方の絶縁板4Rと他方の絶縁板4Lとの間隔を350mmに調整した。絶縁板4の厚みL6は2mmであった。
絶縁板4の複数の貫通穴43の縦方向の長さL4、横方向Yの長さL5はそれぞれ4mmであった。絶縁板4の複数の貫通穴43同士の間隔d1は2mmであった。
ベルトコンベア3の搬送速度(無端ベルト32の周回速度)は、1.14m/minであった。
上述のように調整して無端ベルト32を接地し、溶融電界紡糸装置2で紡糸された繊維10を捕集装置1で捕集して、ベルトコンベア3の無端ベルト32の捕集面32sで繊維堆積体11を連続して製造した。
〔比較例1〕
比較例1の製造装置としては、実施例1の製造装置100の備える捕集装置1から絶縁板4を除いたこと以外は、実施例1と同様の基本構成を有する製造装置を用意した。そして、比較例1の製造装置を用いて、実施例1と同じ条件下でシート状の繊維堆積体を製造した。
〔評価〕
実施例1の製造装置100により製造されたシート状の繊維堆積体11及び比較例1の製造装置により製造されたシート状の繊維堆積体について、下記評価基準に基づいて、目視により評価した。
・評価基準:「A 横方向の長さの均一性が非常に優れている」、「B 横方向の長さが均一」、「C 横方向の長さがバラバラ」
Figure 0006757641
表1に示すように、実施例1の製造装置100により製造されたシート状の繊維堆積体11は、比較例1の製造装置により製造されたシート状の繊維堆積体に比べ、横方向の長さの均一性が優れていることが分かった。また実施例1の製造装置100により製造された繊維堆積体11と、比較例1の製造装置により製造された繊維堆積体との横方向Yの長さを比較すると、実施例1の製造装置100により製造された繊維堆積体11の横方向Yの長さは350mmであり、比較例1の製造装置により製造された繊維堆積体の長さが430mmであった。実施例1の製造装置100では、一方の絶縁板4Rと他方の絶縁板4Lとの間隔350mmに従い繊維堆積体11の横方向Yの長さが定まった。このことから、実施例1の製造装置100は、比較例1の製造装置に比べ、簡単な構成で、シート状に堆積させて捕集する繊維堆積体の横方向Yの長さを容易に調整できることが期待できる。
1 捕集装置
2 溶融電界紡糸装置
20 帯電電極
21 吐出用ノズル
22 噴射部
23 直流高圧電源
3 ベルトコンベア
31 ローラ
32 無端ベルト
32s 捕集面
32p 捕集部
4(4R,4L) 絶縁板
41 第1面
42 第2面
44 支持フレーム
45 固定ボルト
46 複数のボルト穴
47 間隔調整機構
10 繊維
11 シート状の繊維堆積体
100 シート状の繊維堆積体の製造装置

Claims (5)

  1. 溶融した樹脂を紡糸して帯電した繊維を空間中に形成する溶融電界紡糸装置と、空間中に形成された繊維をシート状に堆積させて捕集する捕集装置とを備えるシート状の繊維堆積体の製造装置であって、
    前記捕集装置は、導電性を有し接地された第1捕集体と、絶縁部材により形成される第2捕集体とを備え、
    前記第1捕集体は、前記溶融電界紡糸装置に対向して配されたベルトコンベアを具備し
    前記第2捕集体は、前記溶融電界紡糸装置と前記第1捕集体との間に配されており、前記溶融電界紡糸装置から視て、前記第1捕集体の前記ベルトコンベアの搬送方向に沿う両側部それぞれに配され、各該第2捕集体の一部が前記ベルトコンベアの側部と重なっており、
    前記第2捕集体は、前記溶融電界紡糸装置側の面と前記第1捕集体側の面とに連通する貫通穴を複数有する、製造装置。
  2. 各前記第2捕集体は、その一部が前記ベルトコンベアの側部の全体に亘って重なっている、請求項1に記載の製造装置。
  3. 溶融した樹脂を紡糸して帯電した繊維を空間中に形成する溶融電界紡糸装置と、空間中に形成された繊維をシート状に堆積させて捕集する捕集装置とを備えるシート状の繊維堆積体の製造装置であって、
    前記捕集装置は、導電性を有し接地された第1捕集体と、絶縁部材により形成される第2捕集体とを備え、
    前記第1捕集体は、前記溶融電界紡糸装置に対向して配されたローラを具備し、
    前記第2捕集体は、前記溶融電界紡糸装置と前記第1捕集体との間に配されており、前記溶融電界紡糸装置から視て、前記第1捕集体の前記ローラの回転方向に沿う両側部それぞれに配され、各該第2捕集体の一部が前記ローラの側部と重なっており、
    前記第2捕集体は、前記溶融電界紡糸装置側の面と前記第1捕集体側の面とに連通する貫通穴を複数有する、製造装置。
  4. 前記第1捕集体の両側部それぞれに配された前記第2捕集体は、互いの間隔を調整可能な間隔調整機構を有する、請求項1〜3の何れか1項に記載の製造装置。
  5. 請求項1〜4の何れか1項に記載の製造装置を用いたシート状の繊維堆積体の製造方法であって、
    前記溶融電界紡糸装置により紡糸され帯電した状態で飛来する繊維を、該溶融電界紡糸装置と前記第1捕集体との間に配された前記第2捕集体で捕集して該第2捕集体の表面を帯電させ、その後帯電した該第2捕集体の表面で飛来する繊維を跳ね返し、跳ね返った繊維を、該溶融電界紡糸装置に対向して配され接地した前記第1捕集体に堆積させる、シート状の繊維堆積体の製造方法。
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