JP6757586B2 - 異常報知装置 - Google Patents
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Description
例えば、先行車両の有無や、先行車両との車間距離等を検出し、自車両の車速を制御するアダプティブクルーズコントロール(ACC)が普及している。
また、自車両が走行する車線の形状を検出して操舵力を付与する車線維持支援制御や、さらに運転操作を完全に自動化した自動運転制御を行う車両も実用化されつつある。
このような場合には自動運転から手動運転に切り替えて乗員が運転操作を引き継ぐ必要がある。
自動運転制御においては、このような環境認識手段の認識結果に基づいて、走行ラインや加減速といった走行制御の内容を確定させるとともに、確定した走行制御内容に基づいて駆動力、制動力、転舵量などを制御している。
しかし、環境認識手段が有するセンサの検知範囲限界近傍での異常検知では、異常自体を検知した際に、走行制御内容の確定に必要なだけの十分な情報を取得できない場合があり得る。
異常の検出に対して自動運転の走行制御内容が直ちに確定する場合には乗員等のユーザへの報知は不要であるが、確定しない場合には、手動運転時のドライバへの運転引き継ぎの可能性が発生する。
本発明の課題は、自動運転から手動運転への切り替えに先立ちユーザに十分な予告を与えることが可能な異常報知装置を提供することである。
請求項1に係る発明は、自車両前方の環境をセンサにより認識する環境認識手段と、前記環境認識手段の認識結果に基づいて自車両を自動的に走行するよう制御する自動運転制御手段とを有する車両に設けられる異常報知装置であって、前記環境認識手段の認識結果に基づいて自車両前方の前記センサの検知範囲限界付近の交通状況における原因不明の異常を検出する異常検出手段と、前記異常検出手段が前記異常を検出しかつ前記自動運転制御手段が走行制御内容を確定できない状況となった場合に、手動運転への切替可能性があることを走行制御の終了よりも先に報知する報知手段とを備えることを特徴とする異常報知装置である。
これによれば、自動運転制御の続行が不可能となり、手動運転への引き継ぎが行われることに先立ち、走行制御内容を確定できなくなった時点でユーザ(乗員)に手動運転への切替可能性があることを報知することによって、ユーザに対して手動運転による運転操作引継ぎが生じ得る可能性を事前に予告することができる。
また、異常の検出後に自動運転が続行している場合であっても、異常自体は車両が検知していることをユーザに知らしめることによって、自動運転制御に対するユーザの信頼を向上できる。
さらに、異常を検出した場合であっても、自動運転制御手段が走行制御内容を確定可能である場合には報知を行わないことによって、不要な報知によりユーザが煩わしさを感じることを防止できる。
これによれば、一時的に走行制御内容が確定不能となっても、その後時間閾値以内に走行制御内容が確定可能となった場合には手動運転への切替可能性があることを報知しないことによって、ユーザが対処することが不要な報知が頻繁になされることを防止できる。
図1は、本発明を適用した異常報知装置の実施例が設けられる車両の構成を模式的に示すブロック図である。
実施例の異常報知装置は、例えば、自動運転機能を有する乗用車等の自動車である車両1に設けられる。
上述した各ユニットは、例えば、CPU等の情報処理手段、RAMやROM等の記憶手段、入出力インターフェイス、及び、これらを接続するバス等を有するユニットとして構成される。これらの各ユニットは、例えばCAN通信システム等の車載LANシステムを介して相互に通信が可能となっている。
エンジンとして、例えば、4ストロークガソリンエンジンが用いられる。
エンジン制御ユニット(ECU)10は、エンジンのスロットルバルブ開度、燃料噴射量及び噴射時期、点火時期等を制御することによって、エンジンの出力トルクを制御することが可能である。
車両1がドライバの運転操作に応じて運転される状態においては、エンジン制御ユニット10は、アクセルペダルの操作量等に基いて設定されるドライバ要求トルクに、エンジンの実際のトルクが近づくようエンジンの出力を制御する。
また、車両1が自動運転を行う場合には、エンジン制御ユニット10は、自動運転制御ユニット50からの指令に応じてエンジンの出力を制御する。
車両1が自動運転を行う場合には、トランスミッション制御ユニット20は、自動運転制御ユニット50からの指令に応じて、前後進等のレンジ切替や変速比の設定を行う。
変速機として、例えば、チェーン式、ベルト式、トロイダル式等のCVTや、複数のプラネタリギヤセットを有するステップAT、DCT、AMT等の各種自動変速機を用いることができる。
変速機は、バリエータ等の変速機構部のほか、例えばトルクコンバータ、乾式クラッチ、湿式クラッチ等の発進デバイスや、前進走行レンジと後退走行レンジとを切替える前後進切替機構等を有して構成されている。
前後進切替アクチュエータ21は、前後進切替機構に油圧を供給する油路を切り替える前後進切替バルブを駆動し、車両の前後進を切替えるものである。
前後進切替アクチュエータ21は、例えば、ソレノイド等の電動アクチュエータである。
レンジ検出センサ22は、変速機において現在選択されているレンジが前進用のものであるか、後退用のものであるかを判別するセンサ(スイッチ)である。
挙動制御ユニット30には、ハイドロリックコントロールユニット(HCU)31、車速センサ32等が接続されている。
車両1が自動運転を行う場合には、HCU31は、自動運転制御ユニット50からの制動指令に応じて、各車輪のホイルシリンダに制動力を発生させる。
車速センサ32は、各車輪のハブ部に設けられ、車輪の回転速度に比例する周波数の車速パルス信号を発生するものである。
車速パルス信号の周波数を検出し、所定の演算処理を施すことによって、車両の走行速度(車速)を算出することが可能である。
EPS制御ユニット40には、モータ41、舵角センサ42等が接続されている。
車両1が自動運転を行う場合には、モータ41は、自動運転制御ユニット50からの操舵指令に応じて、操舵系の舵角が所定の目標舵角に近づくように操舵系にトルクを付与して転舵を行わせる。
舵角センサ42は、車両の操舵系における現在の舵角を検出するものである。
舵角センサ42は、例えば、ステアリングシャフトの角度位置を検出する位置エンコーダを備えている。
自動運転制御ユニット50は、本発明にいう自動運転制御手段、及び、走行ライン設定手段として機能する。
また、自動運転モードは、ユーザが手動運転を希望する場合、あるいは、自動運転の続行が困難である場合等に、ユーザからの所定の解除操作に応じて中止され、ドライバによる手動運転を行う手動運転モードへの復帰が可能となっている。
入出力装置51は、自動運転制御ユニット50からユーザへの警報や各種メッセージ等の情報を出力するとともに、ユーザからの各種操作の入力を受け付けるものである。
入出力装置51は、例えば、LCD等の画像表示装置、スピーカ等の音声出力装置、タッチパネル等の操作入力装置等を有して構成されている。
環境認識ユニット60は、ステレオカメラ制御ユニット70、レーザスキャナ制御ユニット80、後側方レーダ制御ユニット90、ナビゲーション装置100、路車間通信装置110、車車間通信装置120等からそれぞれ提供される情報に基づいて、自車両周辺の駐車車両、走行車両、建築物、地形、歩行者、サイクリスト等の障害物や、自車両が走行する道路の車線形状等を認識するものである。
また、環境認識ユニット60は、自車両前方の交通状況における原因不明の異常を検出する異常検出手段としても機能する。この点については、後に詳しく説明する。
個々のステレオカメラ71は、例えば、レンズ等の撮像用光学系、CMOS等の固体撮像素子、駆動回路、及び、信号処理装置等からなるカメラユニットを、並列に例えば一対配列して構成されている。
ステレオカメラ制御ユニット70は、公知のステレオ画像処理技術を利用した画像処理結果に基づいて、ステレオカメラ71によって撮像された被写体の形状及び自車両に対する相対位置を認識する。
ステレオカメラ制御ユニット70は、例えば、自車両前方の車線両端部の白線を検出し、車線形状を認識することが可能である。
レーザスキャナ制御ユニット80は、レーザスキャナ81を制御するとともに、レーザスキャナ81の出力に基づいて車両周囲の車両や障害物等の各種物体を3D点群データとして認識するものである。
後側方レーダ91は、例えば、自車両の後側方から接近する他車両を検知可能となっている。
後側方レーダ91として、例えば、レーザレーダ、ミリ波レーダ等のレーダが用いられる。
ステレオカメラ71は、車両1の前部、後部、左右側部にそれぞれ設けられている。
レーザスキャナ81は、車両1の周囲に実質的に死角が生じないよう分布して複数設けられている
後側方レーダ91は、例えば、車両1の車体左右側部に配置され、検知範囲を車両後方側かつ車幅方向外側に向けて配置されている。
地図データは、道路、交差点、インターチェンジ等の道路情報を車線レベルで有する。
道路情報は、3次元の車線形状データのほか、各車線(レーン)の右左折可否や、一時停止位置、制限速度等の走行上の制約となる情報も含む。
ナビゲーション装置100は、インストルメントパネルに組み込まれたディスプレイ101を有する。
ディスプレイ101は、ナビゲーション装置100がドライバに対して出力する各種情報が表示される画像表示装置である。
ディスプレイ101は、タッチパネルを有して構成され、ドライバからの各種操作入力が行われる入力部としても機能する。
画像生成ユニット200は、ディスプレイ210と協働して、本発明の異常報知装置における報知手段を構成する。
ディスプレイ210は、例えば、インストルメントパネル等の内装部材に組み込まれたLCDを有する。
図3は、実施例の異常報知装置の動作を示すフローチャートである。
以下説明する動作は、車両1が例えば高速道路、自動車専用道などの高規格道路を、自動走行によって走行中に行われるものである。
以下、ステップ毎に順を追って説明する。
環境認識ユニット60は、自車両周囲の環境を認識し、特に、自車両前方の車線形状、他車両等に関する情報を取得する。
他車両に関する情報は、例えば、自車両に対する相対位置、相対速度等に関する情報を含む。
その後、ステップS02に進む。
環境認識ユニット60は、ステップS01における認識結果に基づいて、自車両の前方の交通状況において、原因不明の異常状態がないか検出する。
例えば、異常状態として、原因は不明だが前方で交通の流れが悪化している(他車両群の走行速度低下が所定の閾値以上である)場合や、複数車線を有する道路において、一部の車線の交通量(例えば、他車両の分布密度)が他の車線の交通量に対して所定の閾値以上多い場合等があげられる。
なお、上記と同様の事象が発生している場合であっても、例えば路車間通信等によって原因(例えば事故等)が特定可能である場合は、ここでいう原因不明の異常状態とはされない。
このような原因不明の異常状態は、典型的には、自車両に搭載されたセンサ類(ステレオカメラ71等)の検知範囲限界付近において発生することが多い。
原因不明の異常状態を検出した場合はステップS03に進み、その他の場合はステップS06に進む。
自動運転制御ユニット50は、ステップS02において検出した原因不明の異常により、自動運転の走行制御内容を確定不能となっているか否かを判別する。
確定不能である場合はステップS04に進み、その他の場合はステップS05に進む。
画像生成ユニット200は、ステップS02、ステップS03でともに「Y」となっている状態の経過時間を計時するタイマ手段(経過時間タイマ)のタイマ値(経過時間)を、予め設定された時間閾値と比較する。
タイマ値が閾値以上である場合はステップS07に進み、その他の場合はステップS05に進む。
画像生成ユニット200は、経過時間タイマのタイマ値をカウントアップ(インクリメント)する。
その後、一連の処理を終了(リターン)し、ステップS01以降の処理を繰り返す。
画像生成ユニット200は、経過時間タイマのタイマ値をリセットする。
その後、一連の処理を終了(リターン)し、ステップS01以降の処理を繰り返す。
画像生成ユニット200は、例えば、自車両前方の車線形状や、他車両等の障害物に関する情報を含む画像の一部に、異常状態を報知する表示を、ディスプレイ210に出力させ、ユーザ(乗員・手動運転時のドライバ)に対して提示する。
その後、一連の処理を終了(リターン)し、ステップS01以降の処理を繰り返す。
ディスプレイ210に表示される表示画像211は、自車両1、及び、道路Dの画像を含む。
道路Dは、右側車線LR、及び、左側車線LLの片側2車線を有する例えば高速道路等の高規格道路である。
自車両1は、左側車線LLに沿って走行している。
他車両V1、V2は、左側走行車線LLにおける自車両1の前方側を走行している。
上述したステップS02において、左側走行車線LLのみに他車両が集中している状態が原因不明の異常状態であると判定され、これによって自動運転制御ユニット50が他車両が集中している領域以遠における走行制御内容を確定不可能となると、表示画像211の一部には、異常状態を報知する表示I1が設けられている。
表示I1には、例えば文字により、「前方で異常発生中 手動運転へ切替可能性有」と表示されるが、これに限らず、他の文言や絵文字等であってもよい。
このような表示は、例えば原因不明の異常状態が解消し、自動運転による走行制御内容を再度確定可能となった場合には非表示とされる。
また、走行制御内容が確定されない状態が継続し、最終的に自動運転の続行が不可能となった場合には、ユーザ(手動運転時のドライバ)に対して、手動運転による運転操作の引き継ぎを促す表示が出力され、その後自動運転は終了する。
(1)自動運転制御の続行が不可能となり、手動運転への引き継ぎが行われることに先立ち、走行制御内容を確定できなくなった時点でユーザ(乗員)に異常状態を報知することによって、ユーザに対して手動運転による運転操作引継ぎが生じ得る可能性を事前に予告することができる。
また、異常の検出後に自動運転が続行している場合であっても、異常自体は環境認識手段60が検知していることをユーザに知らしめることによって、自動運転制御に対するユーザの信頼を向上できる。
さらに、異常を検出した場合であっても、自動運転制御ユニット50が走行制御内容を確定可能である場合には報知を行わないことによって、不要な報知によりユーザが煩わしさを感じることを防止できる。
(2)一時的に走行制御内容が確定不能となっても、その後時間閾値以内に走行制御内容が確定可能となった場合には異常状態を報知しないことによって、ユーザが対処することが不要な報知が頻繁になされることを防止できる。
本発明は、以上説明した実施例に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の技術的範囲内である。
本発明は、以上説明した実施例に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の技術的範囲内である。
(1)異常報知装置の構成や、車両の構成は、上述した実施例に限定されず適宜変更することが可能である。また、実施例において車両は乗用車であるが、本発明は貨物車等の商用車、トラック、バス、自動二輪車、その他各種特殊車両などにも適用することが可能である。
(2)実施例において、車両はエンジンを走行用動力源とするものであったが、本発明はこれに限らず、電動モータや、エンジンと電動モータとを組み合わせたハイブリッドシステムを走行用動力源として用いることも可能である。
(3)自車両周辺の環境認識を行うセンサの種類や配置は、上述した実施例には限定されず、適宜変更することが可能である。例えば、実施例におけるセンサ類と併用あるいは代用して、ミリ波レーザ、レーザレーダ、単眼カメラ、超音波ソナー等の各種センサを用いることが可能である。
(4)実施例においては、例えば画像表示装置を用いて異常報知を行っているが、本発明はこれに限らず、例えば音声や、警告灯の点灯、点滅、乗員が触れる箇所に設けられた部材の振動など、他の手法によって異常状態を報知するものであってもよい。
また、複数種類の報知手段を併用してもよい。
20 トランスミッション制御ユニット 21 前後進切替アクチュエータ
22 レンジ検出センサ 30 挙動制御ユニット
31 ハイドロリックコントロールユニット(HCU)
32 車速センサ
40 電動パワーステアリング(EPS)制御ユニット
41 モータ 42 舵角センサ
50 自動運転制御ユニット 51 入出力装置
60 環境認識ユニット 70 カメラ制御ユニット
71 ステレオカメラ
80 レーザスキャナ制御ユニット
81 レーザスキャナ 90 後側方レーダ制御ユニット
91 後側方レーダ 100 ナビゲーション装置
101 ディスプレイ
110 路車間通信装置 120 車車間通信装置
200 画像生成ユニット 210 ディスプレイ
211 表示画像
R 道路 LR 右側走行車線
LL 左側走行車線 V1,V2 他車両
I1 表示
Claims (2)
- 自車両前方の環境をセンサにより認識する環境認識手段と、
前記環境認識手段の認識結果に基づいて自車両を自動的に走行するよう制御する自動運転制御手段と
を有する車両に設けられる異常報知装置であって、
前記環境認識手段の認識結果に基づいて自車両前方の前記センサの検知範囲限界付近の交通状況における原因不明の異常を検出する異常検出手段と、
前記異常検出手段が前記異常を検出しかつ前記自動運転制御手段が走行制御内容を確定できない状況となった場合に、手動運転への切替可能性があることを走行制御の終了よりも先に報知する報知手段とを備えること
を特徴とする異常報知装置。 - 前記報知手段は、前記環境認識手段が前記異常を検出した後、所定の時間閾値以内に前記自動運転制御手段が前記走行制御内容を確定できない場合にのみ前記手動運転への切替可能性があることを報知すること
を特徴とする請求項1に記載の異常報知装置。
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