以下、本発明を実施するための例示的な実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。ただし、以下の実施形態において説明する寸法、材料、形状及び構成要素の相対的な位置は任意に設定でき、本発明が適用される装置の構成又は様々な条件に応じて変更できる。また、特別な記載がない限り、本発明の範囲は、以下に具体的に記載された実施形態に限定されない。
図1に示すように、遊技価値交換システム100は、計測手段として機能する計数機34と、発行手段として機能する発行機44と、付与手段を含むチャージ機45とを備えている。計数機34は、遊技機35が設置された遊技場30と同一の遊技場30内に設置される。そして、遊技機35は、パチンコ、的当てゲーム、及びメダルゲーム等を提供する。また、遊技機35は、その他のゲームを提供するアーケードゲーム機であってもよい。ユーザは、遊技機35が提供するゲームをプレイして、遊技媒体である鋼球、メダル、点数、及びゲーム評価等の遊技価値を獲得する。以下では、遊技機35がパチンコを提供して、ユーザが遊技価値として鋼球(持ち球)を獲得する場合を例に説明する。
遊技機35からは、個別の遊技結果の情報(例えば出玉情報)が、遊技結果を管理する店舗サーバ31に送信される。なお、遊技機35と店舗サーバ31との間には適宜中継するための装置が設けられていてもよい。また、店舗サーバ31は、遊技場30の会員となったユーザを管理する管理サービスを提供してもよい。一例として、店舗サーバ31は、ユーザ毎の会員情報を、会員に提供される会員カード(例えばICカード)に記録されたユーザIDと関連付けて記憶している。また、店舗サーバ31は、持ち球の預かりサービスを提供してもよい。一例として、預かりサービスにおいては、ユーザは、獲得した持ち球を景品に交換せずに預けて、預けた持ち球を引き出してパチンコをプレイできる。店舗サーバ31は、会員情報に紐づけて預け入れた持ち球の球数(貯玉数)を記憶する。
計数機34は、遊技機35にてユーザが獲得した持ち球の球数を、定量化した獲得量として計測する。例えば、ユーザが球箱内の持ち球を計数機34のカウンター上の投入口(ホッパー)に流し入れると、計数機34は、投入された持ち球の数を計測する。そして、計数機34は、獲得量が印刷されたレシート又は獲得量が記録されたカードを発行する。代替的に、計数機34は、獲得量をネットワーク接続が可能なユーザ端末(タブレット型のコンピュータ、及び携帯電話(スマートフォンを含む)のようなモバイル端末装置)に送信してもよい。また、計数機34は、遊技機35のそれぞれに対応するように設けられていてもよい。この場合、ユーザが遊技機35または遊技機35と隣接して設けられる台間機(不図示)の返却ボタンを押すと、計数機34または台間機は、獲得量が記載されたレシート、又は獲得量が記録されたカード等の電子媒体を発行する。あるいは、計数機34または台間機は、ユーザにより挿入されていた会員カードなどの電子媒体に獲得量を記録して排出する。なお、ユーザがゲーム評価(例えば、五つの星等)を遊技価値として獲得した場合、計数機34は、ゲーム評価に応じた獲得量を数値で計測し、当該数値が記載されたレシートを発行してもよい。
発行機44は、遊技機35が設置された遊技場30と同一の遊技場30内に設置されている。例えば、管理業者40は、遊技場30内に発行機44を設置する。そして、発行機44は、計数機34によって計測された獲得量の少なくとも一部の交換対象量を、所定の交換条件に従って電子通貨の数量に換算するための交換情報を生成する。ここで、電子通貨は、パチンコの景品に相当し、代用貨幣、暗号資産、及び電子マネー等の現金に代替可能な電子決済媒体を含んでいる。交換情報は、光学的に読取可能なコードを含み、一例としてQRコード(登録商標)等の二次元コードである。代替的に、交換情報は、バーコード等の一次元コード、及び所定の文字又は記号によって構成される識別コード等であってもよい。なお、図1において、計数機34と発行機44は別体であるが、計数機34は発行機44と一体的に構成されていてもよい。
交換情報は、電子通貨の付与量を示す情報として交換によって付与される電子通貨の付与量(例えば金額)を含んでいてもよい。代替的に、交換情報は、交換対象量に対応する球数を示す情報を含んでいてもよい。さらに、交換情報は、チャージ機45に記憶された交換テーブルを用いて電子通貨の額を算出可能なID及び数字等の情報であってもよい。また、交換情報は、発行日、発行店舗、交換期限、及びユーザ情報等の他の情報をさらに含んでいてもよい。そして、発行機44は、二次元コードが記録された仲介媒体をユーザに発行する。仲介媒体は、二次元コードが印刷されたチケット等の紙媒体、カード、及び物品の他に、二次元コードが記録されたICカードを含む。以下では、発行機44が、電子通貨の額を示す情報を含む二次元コードを生成して、チケットに二次元コードを印刷する場合を例に説明する。
発行機44は、電子通貨の額を示す情報を含む二次元コードを生成して紙に印刷する。ここで、発行機44は、交換対象量に対応する電子通貨の額から、管理業者40等の手数料を差し引いた金額が電子通貨の額として換算されるように、交換情報を生成してもよい。例えば、交換対象量に対応する電子通貨の額が500ポイントである場合、発行機44は、管理業者40の発行手数料として100ポイントを差し引いて、残額の400ポイントとして換算されるように交換情報を生成してもよい。
代替的に、交換可能な電子通貨の単位、又は交換可能な最小球数が予め定められている場合、発行機44は、定額の電子通貨(例えば、100ポイント)、又は定量の遊技価値(例えば、100玉)を示す二次元コードが印刷された紙を発行してもよい。この場合、発行機44は、予め記憶している二次元コードの中から選択することによって、二次元コードを生成できる。例えば、交換可能な電子通貨の単位が500ポイントであり、交換対象量に対応する電子通貨の額が650ポイントである場合、発行機44は、交換可能な単位である500ポイントとして換算されるように交換情報を生成する。なお、残額の150ポイントは切り捨てられてもよい。
チャージ機45は、遊技機35が設置された遊技場30と同一の遊技場30内に設置される。そして、チャージ機45は、二次元コードが印刷されたチケットから、二次元コードを読み取って電子通貨の額を取得する。また、チャージ機45は、取得した電子通貨の額に基づいて、交換対象量に対応した数量の電子通貨をユーザに付与するための付与処理を実行する。当該付与処理は、一例として、電子通貨の発行者である電子通貨業者20が保有及び管理するチャージサーバ21に対してチャージされる電子通貨の額、又は後述する加算要求を送信する処理を含む。さらに、付与処理は、ユーザに固有のユーザ情報(例えばユーザID及びパスワード)に基づいてユーザ認証を行う処理を含んでいてもよい。なお、図1において、チャージ機45と発行機44は別体であるが、チャージ機45は発行機44と一体的に構成されていてもよい。
さらに、遊技価値交換システム100は、遊技機35と、不図示の台コンピュータ及び島コンピュータとを制御する店舗サーバ31を備えている。また、遊技価値交換システム100は、電子通貨業者20が保有及び管理するチャージサーバ21と、管理業者40が保有及び管理する発行サーバ41とをさらに備えている。店舗サーバ31、チャージサーバ21及び発行サーバ41は、それぞれ複数のコンピュータとしてのサーバユニットが組み合わされることにより一台の論理的なサーバ装置として構成されている。ただし、いずれも、単一のサーバユニットにより構成されてもよく、クラウドコンピューティングを利用して論理的に構成されてもよい。
また、店舗サーバ31、チャージサーバ21及び発行サーバ41は、所定のネットワーク50を介して相互に接続可能である。一例として、ネットワーク50は、TCP/IPプロトコルを利用してネットワーク通信を実現するように構成されている。そして、店舗サーバ31、チャージサーバ21及び発行サーバ41のそれぞれと接続されたLAN52が、WANとしてのインターネット51とをルータ53を介して接続されている。さらに、計数機34、及び発行機44は、店舗サーバ31とLAN52を介して接続されている。なお、遊技機35がアーケードゲーム機である場合、遊技機35は、店舗サーバ31とLAN52を介して接続されていてもよい。
発行機44及びチャージ機45は、ネットワーク50を介して発行サーバ41と接続されている。また、チャージ機45は、ネットワーク50を介してチャージサーバ21と接続されている。店舗サーバ31、チャージサーバ21及び発行サーバ41を構成するサーバユニットは、それぞれLAN52に代えて又は加えてインターネット51により、相互に接続されていてもよい。なお、発行機44は、発行サーバ41と接続されずに単独で機能してもよい。
[遊技価値交換システムの制御系]
続いて、図2のブロック図を参照して遊技価値交換システム100の制御系について説明する。一例として、チャージ制御部22、サーバ制御部32、発行制御部42、チャージ機制御部454は、所定のプログラムに従って各種の演算処理及び動作制御を実行するプロセッサと、その他の周辺装置とを組み合わせたコンピュータとして構成されている。また、当該プロセッサは、CPU(Central Processing Unit)、又はMPU(Micro-Processing Unit)であり、チャージ記憶部23、サーバ記憶部33、及び発行記憶部43、又は不図示のメモリに記憶されたプログラムに基づいて、装置全体を制御すると共に、各種処理についても統括的に制御する。また、チャージ記憶部23、サーバ記憶部33、及び発行記憶部43は、プロセッサが動作するためのシステムワークメモリであるRAM(Random Access Memory)、並びにプログラム及びシステムソフトウェアを格納するROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disc Drive)及びSSD(Solid State Drive)等の記憶装置を含む。
本実施形態では、CPUが、ROM又はHDDに記憶された制御プログラムに従って、種々の演算、制御、及び判別等の処理動作を実行する。また、チャージ制御部22、サーバ制御部32、発行制御部42には、所定の指令及びデータを入力するキーボード若しくは各種スイッチを含む操作部が、有線接続又は無線接続されている。さらに、チャージ制御部22、サーバ制御部32、発行制御部42には、装置の入力状態、設定状態、計測結果、及び各種情報を表示する表示部が、有線接続又は無線接続されている。なお、チャージ制御部22、サーバ制御部32、発行制御部42、チャージ機制御部454は、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、CF(Compact Flash)カード、及びUSB(Universal Serial Bus)メモリ等の可搬記録媒体、又はインターネット上のサーバ等の外部記憶媒体に記憶されたプログラムに従って制御を行うこともできる。
チャージ記憶部23、サーバ記憶部33、及び発行記憶部43は、ハードディスク及び半導体記憶装置等の不揮発性記憶媒体(コンピュータ読み取り可能な非一時的記憶媒体)を含んだ外部記憶装置である。チャージ機45も、同様の外部記憶装置を備えている。また、チャージ記憶部23、サーバ記憶部33、及び発行記憶部43は、一つの記憶ユニット上に全てのデータを保持してもよいし、複数の記憶ユニットにデータを分散して記憶してもよい。また、チャージ機制御部454は、論理的装置として、付与手段の一例である付与部61と、集計手段の一例である集計部62と、演算手段の一例である演算部63とを備えている。これらの論理的装置は、チャージ機制御部454のハードウェア資源と、ソフトウェア資源としてのプログラム(例えば遊技価値交換プログラム)との組合せによって実現される。代替的に、発行機44又は店舗サーバ31のサーバ制御部32が、集計部62及び/又は演算部63を備えていてもよい。
遊技場30においてユーザがパチンコをプレイする場合、ユーザはまず対価を支払って遊技場30の台間機(不図示)から鋼球を借りて、遊技機35にてパチンコをプレイする。その結果、鋼球の残数が0より大きい場合、ユーザは、遊技場30に設置されている計数機34において獲得量(例えば持ち球の数量)を計測する。その後、計数機34は、内蔵プリンタ又は外付けプリンタによって、レシートに獲得量とともにバーコードを印刷して排出する。
ユーザは、排出されたレシートを遊技場30のカウンターの店員に手渡す。店員は、発行機44の読取装置によって、レシートに印字されたバーコードを読み取る。これにより、発行機44は獲得量を取得し、獲得量として例えば球数を表示する。発行機44は、入力手段としての入力部441を備えている。そして、ユーザが獲得量を電子通貨に交換する場合、ユーザ又は店員は、獲得量の全部又は少なくとも一部の交換対象量を入力部441に入力する。当該入力部441は、一例としてタッチパネルである。代替的に、発行機44は、テンキー等の入力装置と、入力結果を表示するディスプレイとを有していてもよい。交換対象量以外の残りの持ち玉は、端玉となるか、又は特殊景品を含む他の景品と交換できる。
発行機44の生成部442は、入力された交換対象量を取得して、電子通貨の額を示す情報を含む二次元コードを生成する。一例として、生成部442は、所定のプログラムに従って各種の演算処理及び動作制御を実行するプロセッサと、その他の周辺装置とを組み合わせたコンピュータとして構成されている。そして、発行機44の発行部443は、チケットに二次元コードを印刷して排出する。店員は、発行部443が排出したチケットをユーザに手渡す。なお、獲得量がICカードに記録されている場合、発行機44の読取装置(ICリーダ)は、ICカードから獲得量を読み出して取得する。さらに、カウンターには、レシートに印字されたバーコードを読み取って、交換可能な景品を特定する不図示の景品処理装置が設置されていてもよい。この場合、発行機44は、景品処理装置から交換可能量(例えば、景品交換後に残った持ち球の数量)を取得してもよい。
チケットを取得したユーザは、遊技場30内に設置されたチャージ機45を操作して、所望の電子通貨と交換する。チャージ機45は、例えばタッチパネル式の入力表示部451と、二次元コードを読み取る撮像部452と、ICカード又は携帯電話等の電子媒体から情報を読み取る読取部453とを備えている。また、チャージ機45は、提携する電子通貨業者20のチャージサーバ21と通信可能である。一例として、撮像部452はカメラであり、読取部453はICカードリーダである。また、入力表示部451は、タッチパネルに代えて、テンキー等の入力装置と、入力結果を表示するディプレイとを有していてもよい。
具体的に、ユーザは、撮像部452によってチケットに印刷された二次元コードを撮影し、撮像部452に二次元コードを読み取らせる。チャージ機45のチャージ機制御部454は、撮像部452から二次元コードを取得し、取得した二次元コードから各種類の電子通貨の額を取得する。そして、チャージ機制御部454は、交換可能な電子通貨の種類を示す画像(例えば、電子通貨のロゴ)と、交換によって付与される電子通貨の額とを入力表示部451に表示させる。
ここで、電子通貨の額(電子通貨の付与量)は、発行機44の生成部442によって、所定の交換条件に従って換算されることによって算出される。一例として、所定の交換条件は、遊技場30の手数料、管理業者40の手数料、及び電子通貨業者20の少なくとも一つに相当する割合が加算された換算レートである。当該換算レートは、遊技場30において任意のレートに設定されてもよい。例えば、球数と電子通貨との交換比率が1.0:1.0である場合に、加算後の交換比率は1.1:1.0となる。また、換算レートは、電子通貨の種類ごとに異なっていてもよい。すなわち、電子通貨の種類ごとに、それぞれの換算レートが定められていてもよい。付与される電子通貨の額が異なる場合、ユーザは、より額が大きい電子通貨を選択することもできる。代替的に、所定の交換条件は、所定の交換比率に従って球数を電子通貨の額に変換した後に、遊技場30の手数料、管理業者40の手数料、及び電子通貨業者20の少なくとも一つを差し引くことであってもよい。
ユーザは、入力表示部451から交換を望む電子通貨の種類を入力する。そして、チャージ機制御部454の付与部61は、ユーザから電子通貨の種類の操作を受け付けると、対応するICカード又は電子媒体を所定位置にかざす指示を入力表示部451に表示させる。そして、不図示の検出部によってICカード又は電子媒体がかざされたことを検出すると、付与部61は、チャージを許可する旨の指示ボタンを入力表示部451に表示させる。また、付与部61は、ICカード又は電子媒体に対応するユーザID及びパスワード等のユーザ情報の入力指示を入力表示部451に表示させてもよい。代替的に、付与部61は、ICカード又は電子媒体からユーザ情報を取得してもよい。
チャージすることがユーザにより選択されると、付与部61は、選択された電子通貨を発行する電子通貨業者20のチャージサーバ21と通信を行い、ユーザ情報に紐づけられた口座情報の電子通貨の額に付与量を加算する加算要求を送信する。さらに、付与部61は、加算要求前に、チャージサーバ21からユーザが所有する電子通貨の残額を取得し、当該残高、加算する電子通貨の額、及び加算後の電子通貨の額を入力表示部451に表示させてもよい。
加算要求を受信すると、チャージサーバ21のチャージ制御部22は、加算処理を行う。具体的に、チャージ制御部22は、チャージ機45から取得したユーザ情報に対応する電子通貨の残額が記録された口座情報を参照する。当該口座情報は、チャージサーバ21のチャージ記憶部23に記憶されている。そして、チャージ制御部22は、ユーザが所有する電子通貨の残額に、チャージ機45から取得した電子通貨の額を加算する。また、チャージ制御部22は、加算した電子通貨の額をチャージ記憶部23に記憶させる。代替的に、チャージ制御部22は、ユーザが所有しているカードのユーザID及びパスワード、若しくはユーザが所有している携帯電話の電話番号又は端末IDを取得して、これらの情報を用いて加算処理を行ってもよい。
チャージ制御部22は、加算処理が完了すると、チャージ機45に電子通貨の残高を含む加算完了通知を送信する。そして、付与部61は、加算が完了したこと、及び加算後の電子通貨の残高を入力表示部451に表示させる。集計部62は、チャージ機45によって付与された電子通貨の額を、遊技場30における電子通貨の仕入量として集計する集計処理を行う。ここで、集計部62は、例えば、一時間毎、一日毎、又は一週間毎等の予め設定されたタイミングに集計処理を行う。その後、集計部62は、集計した仕入量として付与した電子通貨の額の合計を店舗サーバ31に送信する。店舗サーバ31のサーバ制御部32は、サーバ記憶部33に記憶されている電子通貨の仕入残高から、集計した仕入量に対応する電子通貨の額を減算する減算処理を行う。代替的に、集計部62は、電子通貨が付与される度に電子通貨の仕入量を集計してもよい。
チャージ機45の演算部63は、集計部62が集計した仕入量に基づいて、電子通貨業者20に対して支払うべき仕入額を演算する演算処理を行う。例えば、演算部63は、所定期間毎に予め設定されたタイミングで、当該期間において集計部62が集計した仕入量の合計を算出する。そして、演算部63は、算出して得られた電子通貨の合計額を仕入額として演算する。代替的に、演算部63は、保有しておくべき電子通貨の額から電子通貨の仕入残高を減算した額を仕入額として演算してもよい。例えば、保有しておくべき電子通貨の額は、遊技場30において予め定められており、演算部63は、演算時の電子通貨の残高をサーバ記憶部33から取得する。
そして、演算部63は、演算して得られた仕入額を店舗サーバ31に送信する。仕入額を受信すると、店舗サーバ31のサーバ制御部32は、サーバ記憶部33に仕入額を記憶させる。一方、電子通貨業者20のチャージサーバ21では、チャージ記憶部23が記憶している加算した電子通貨の額に基づいて、所定期間内にチャージされた電子通貨の合計額が算出される。そして、チャージサーバ21は、所定期間内にチャージされた電子通貨の合計額に応じて、店舗サーバ31に対して、相当する金銭の支払いを請求するために請求額を送信する。店舗サーバ31では、店舗サーバ31のサーバ記憶部33に記憶された仕入額と請求額とを比較する比較処理が行われる。そして、請求額と仕入額とが一致していれば、電子通貨業者20への支払が行われる。
例えば、遊技場30からの支払は、予め電子通貨業者20と遊技場30との間で定められた銀行口座からの引き落としによって行われる。この場合、店舗サーバ31は、チャージサーバ21へ引き落としを許可する旨の通知を送信してもよい。なお、電子通貨業者20からの請求は、郵送又は集金人の訪問等の方法による請求であってもよい。この場合、遊技場30からの支払は、郵送、手渡し又は口座振込等の方法によって行われてもよい。
[遊技価値交換の流れ]
続いて、図3及び図4を参照して遊技価値交換システム100における遊技価値交換の流れを説明する。まず、パチンコのプレイを終了すると、ユーザは、計数機34において獲得量(例えば持ち球の数量)を計測する。その後、計数機34は、獲得量が記載されたレシートを排出する。ユーザは、排出されたレシートを遊技場30のカウンターの店員に手渡して、発行機44の読取装置によって、レシートに印字されたバーコードを読み取る。これにより、発行機44は獲得量を取得し、獲得量として球数を表示する。獲得量を確認したユーザ(又は店員)は、獲得量の全部又は少なくとも一部の交換対象量を発行機44の入力部441から入力する。
発行機44の生成部442は、入力された交換対象量を取得して、電子通貨の額を示す情報を含む二次元コードを生成する。そして、発行機44の発行部443は、チケットに二次元コードを印刷して排出する。ユーザは、チャージ機45まで移動して、チャージ機45の撮像部452によってチケットの二次元コードを撮影し、撮像部452に二次元コードを読み取らせる。そして、チャージ機45のチャージ機制御部454は、交換可能な電子通貨の種類と、交換によって付与される電子通貨の額とを入力表示部451に表示させる。
ユーザは、入力表示部451から交換を望む電子通貨の種類を入力する。そして、チャージ機制御部454の付与部61は、ユーザから電子通貨の種類の操作を受け付けると、対応するICカード又は電子媒体を所定位置にかざす指示を入力表示部451に表示させる。そして、ICカード又は電子媒体がかざされたことを検出すると、付与部61は、チャージを許可する旨の選択ボタンを入力表示部451に表示させる。
図4に示すように、チャージすることがユーザにより選択されると、付与部61は、選択された電子通貨に対応するチャージサーバ21へ加算要求を送信する。そして、加算要求を受信すると、チャージサーバ21のチャージ制御部22は加算処理を行う。加算処理が完了すると、チャージ制御部22は、チャージ機45に電子通貨の残高を含む加算完了通知を送信する。加算完了通知を受信すると、付与部61は、加算が完了したこと、及び加算後の電子通貨の残高を入力表示部451に表示させる。これにより、電子通貨への交換が終了し、ユーザは、入力表示部451に表示された残高を確認する。
その後、予め設定されたタイミングで、チャージ機45の集計部62は、遊技場30における電子通貨の仕入量を集計する。そして、集計部62は、集計した仕入量を店舗サーバ31に送信する。その後、店舗サーバ31のサーバ制御部32は、サーバ記憶部33に記憶されている電子通貨の仕入残高から、集計した仕入量に対応する電子通貨の額を減算する減算処理を行う。
さらに、所定期間毎に予め設定されたタイミングで、チャージ機45の演算部63は、電子通貨業者20に対して支払うべき仕入額を演算する演算処理を行う。すなわち、演算部63は、算出して得られた電子通貨の合計額を仕入額として演算し、演算して得られた仕入額を店舗サーバ31に送信する。一方、電子通貨業者20のチャージサーバ21では、所定期間内にチャージされた電子通貨の合計額が算出される。そして、チャージサーバ21は、店舗サーバ31に請求額を送信する。請求額を受信すると、店舗サーバ31は、サーバ記憶部33に記憶された仕入額と請求額とを比較する比較処理を行う。その後、遊技場30から電子通貨業者20への支払が完了すると、支払処理が終了する。集計部62による集計処理と、演算部63による演算処理とが行われることにより、遊技場30における電子通貨の管理を容易化することができる。
なお、集計部62は、仕入量を発行サーバ41にも送信してもよい。この場合、発行サーバ41の発行制御部42は、発行記憶部43に仕入量を記憶させる。これにより、管理業者40は、仕入量に基づいて、自らが遊技場30に請求すべき手数料を算出できる。また、発行機44の発行部443は、発行されたチケットの発行枚数を発行サーバ41に送信してもよい。この場合、発行サーバ41の発行制御部42は、発行記憶部43に発行枚数を記憶させる。これにより、管理業者40は、発行枚数に基づいて、自らが遊技場30に請求すべき手数料を算出できる。当該手数料は、例えば、発行枚数に一枚当たりの手数料を乗じた額となる。
以上、説明した実施形態に係る遊技価値交換システム100によれば、ユーザは、遊技機35が提供するゲームをプレイして遊技価値を獲得した後に、当該遊技機35が設置されている遊技場30内において、獲得した遊技価値を電子通貨と交換できる。そのため、ユーザは、遊技場30の外部に移動する必要がなく、簡単に遊技価値を電子通貨と交換できる。さらに、計数後の玉数を電子通貨に交換可能とすることにより、遊技場30では景品を並べるスペースを削減できる。また、遊技場30における景品の管理負担を削減できる。ユーザは、菓子等の景品に交換すること無く電子通貨に交換することにより、受け取った景品を持ち歩く手間を無くすことができる。さらに、集計部62による集計処理によって、遊技場30における電子通貨の管理を容易化することができる。
以上、各実施形態を参照して本発明について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明に反しない範囲で変更された発明、及び本発明と均等な発明も本発明に含まれる。また、各実施形態及び各変形形態は、本発明に反しない範囲で適宜組み合わせることができる。
例えば、計数機34と発行機44が一体的に構成されている装置が用いられる場合、当該装置が球数を計数した後に、獲得量と、交換情報としての二次元コードとが記録されたレシートを発行してもよい。当該レシートは、チケットと同様にチャージ機45における電子通貨の付与に用いることができる。例えば、ユーザが電子通貨への交換を希望する場合、交換対象量を上記装置に入力する。そして、当該装置は、交換対象量を所定の交換条件に従って電子通貨の数量に換算するための二次元コードを生成して、獲得量及び残りの玉数とともにレシートに印刷する。これにより、発行機44を別途設置する必要がなくなるため、設置スペース、設置費用、及び発行機44を操作する時間並びに人件費を削減できる。
また、チャージ機45からチャージサーバ21への加算要求は、複数回のチャージごとにまとめて送信してもよい。例えば、チャージ機45は、電子通貨の付与を行うとともに、電子通貨の付与量を記憶する。そして、定期的に、例えば一時間毎に、加算要求をチャージサーバ21へ送信する。さらに、チャージ機45が有線又は無線接続されている場合、チャージ機45は、通信不能状態から回復した時に、加算要求をチャージサーバ21へ送信してもよい。これらの場合、電子通貨の残高は、ICカード又は電子媒体に記録されていてもよい。代替的に、チャージ機45は、電子通貨を付与する際に、遊技場30に予め仕入れられている電子通貨の残高から電子通貨を付与してもよい。この場合、チャージ機45は、付与量を店舗サーバ31に送信し、店舗サーバ31が付与量を記録する。そして、店舗サーバ31は、仕入れられている電子通貨の残高から受信した付与量を減算させる。
また、複数種類の電子通貨を扱う場合、チャージ機45は、電子通貨の種類ごとの付与量を記憶していてもよい。また、チャージサーバ21とチャージ機45との間に、他のサーバ(例えば管理業者40のサーバ)を介在させてもよい。この場合、チャージ機45は、他のサーバと送受信を行い、チャージサーバ21は他のサーバから付与量を受信する。他のサーバは、チャージされた電子通貨の額を管理及び記憶する。そして、チャージサーバ21は他のサーバから定期的に蓄積された付与量を受信する。
また、ユーザは、発行されたチケットを使用して、発行日後にチャージをすることもできる。特に、チャージ対象として仮想通貨を選択する場合、ユーザは、仮想通貨の価値が高い時期にチャージすることもできる。なお、チャージ機45は、遊技場30の外部にも設置されていてもよい。この場合、ユーザは、遊技場30の外部においてもチャージすることができる。
また、交換情報は、電子通貨に交換可能なポイント数を示す情報であってもよい。一例として、遊技場30において管理業者40から購入されたポイントが貯められており、遊技場30において当該貯められたポイントの一部が景品としてユーザに提供される。ここで、発行機44は、チケットに提供されたポイント数を記録する。そして、ユーザがチャージ機45にポイント数を読み取らせると、ポイントが電子通貨に交換されて、ユーザに電子通貨が付与される。電子通貨業者20は、管理業者40に対して電子通貨の付与量に対応する金銭を請求する。
以下、上述した各実施形態及び各変形例から導き出される各種の態様を記載する。なお、各態様の理解を容易にするため、添付図面に図示された参照符号を付記する。ただし、参照符号は、本発明を図示の形態に限定する意図で付記するものではない。
遊技機35と、前記遊技機35にてユーザが獲得した遊技価値を定量化した獲得量を計測する計測手段34とが設置された遊技場30における遊技価値交換システム100は、前記遊技機35が設置された前記遊技場30と同一の遊技場30内に設置され、計測された前記獲得量の少なくとも一部の交換対象量を、所定の交換条件に従って電子通貨の数量に換算するための交換情報を生成し、前記交換情報が記録された仲介媒体を前記ユーザに発行する発行手段44と、前記遊技機35が設置された前記遊技場30と同一の遊技場30内に設置され、前記仲介媒体から読み取って取得した前記交換情報に基づいて、前記交換対象量に対応した数量の電子通貨を前記ユーザに付与するための付与処理を実行する付与手段61と、前記付与手段61によって付与された前記電子通貨の付与量を、前記遊技場30における前記電子通貨の仕入量として集計する集計手段62とを備える。また、遊技価値交換プログラムは、前記遊技価値交換システム100が備えるコンピュータ454,442を、上記各手段として機能させる。
遊技価値交換方法においては、遊技機35にてユーザが獲得した遊技価値を定量化した獲得量の少なくとも一部の交換対象量を、所定の交換条件に従って電子通貨の数量に換算するための交換情報を生成し、前記交換情報が記録された仲介媒体を発行し、前記仲介媒体から読み取って取得した前記交換情報に基づいて、前記交換対象量に対応した数量の電子通貨を前記ユーザに付与するための付与処理を実行し、付与された前記電子通貨の付与量を、前記電子通貨の仕入量として集計する。
これにより、ユーザは、遊技場30の外部に移動する必要がなく、簡単に遊技価値を電子通貨と交換できる。さらに、計数後の玉数を電子通貨に交換可能とすることにより、遊技場30では景品を並べるスペースを削減できる。また、遊技場30における景品の管理負担を削減できる。ユーザは、菓子等の景品に交換すること無く電子通貨に交換することにより、受け取った景品を持ち歩く手間を無くすことができる。さらに、集計手段62による集計処理によって、遊技場30における電子通貨の管理を容易化することができる。
前記交換情報は、前記電子通貨の前記付与量を示す情報を含んでいる。また、遊技価値交換システム100は、前記交換対象量を入力する入力手段441をさらに備える。これにより、ユーザは、獲得量の中から、所望の量を電子通貨に交換できる。
前記交換情報は、光学的に読取可能なコードである。また、前記コードは、二次元コードである。これにより、付与手段61は、読み取られた交換情報に基づいて、電子通貨を付与できる。
遊技価値交換システム100は、前記仕入量に基づいて、前記電子通貨の発行者20に対して支払うべき仕入額を演算する演算手段63をさらに備える。これにより、遊技場30における電子通貨の管理を容易化することができる。
前記計測手段34は、前記発行手段44と別体又は一体である。計測手段34と発行手段44とが別体であれば、装置の管理が容易になる。また、計測手段34と発行手段44とが一体であれば、発行手段44を別途設置する必要がなくなる。そのため、設置スペース、設置費用、及び発行手段44を操作する時間並びに人件費を削減できる。
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)
遊技機にてユーザが獲得した遊技価値の少なくとも一部を含む交換対象量を、所定の交換条件に従って電子通貨の数量に換算するための交換情報を生成する生成部と、
前記交換情報が記録された仲介媒体を発行する発行部と、
前記仲介媒体から読み取って取得した前記交換情報に基づいて、前記交換対象量に対応した数量の電子通貨を付与する処理を実行する付与部と、を備える、遊技価値交換システム。
(付記2)
前記付与部によって付与された前記電子通貨の付与量を集計する集計部をさらに備える、付記1に記載の遊技価値交換システム。
(付記3)
集計された前記付与量に基づいて、前記電子通貨の発行者に対して支払うべき仕入額を演算する演算部をさらに備える、付記2に記載の遊技価値交換システム。