JP6756997B2 - 有限要素法解析方法、有限要素法解析装置、解析サービスシステムおよび有限要素法解析プログラムを記録した記録媒体 - Google Patents

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本発明は、解析対象の材料が複合材料であっても初心者にもベテランにも使い易い、有限要素法による解析を行う解析方法、解析装置 、解析サービスシステムおよび有限要素法解析プログラムを記録した記録媒体の提供に関する。
<省エネ・環境負荷低減>
地球規模の温暖化防止対策として輸送機器などの軽量化によるエネルギー消費の低減と地球温暖化ガスの排出量削減が進められており、軽量化材料として複相金属材料やfrp(fiber reinforced plastic、繊維強化複合材料)の使用が有望視されている。
特にfrpは、第二相の高強度材料の体積含有率やその配設(配向)、形態、寸法サイズを製造プロセスの工夫により人工的に制御できる特徴があるので、最終製品の用途に合せた材料開発と同時に製造工程の最適化を図れば、従来の金属、セラミックス、樹脂を単独で使用する場合に比べて、優れた機能や特性を有する新材料の開発も夢ではない。
<繊維強化複合材料>
例えば、frpの場合、第二相の高強度材料としてガラスやカーボンファイバーの微細繊維を長さ数mm以下に切断して樹脂などの母材に混練配合した短繊維強化複合材料が、射出成形工程用に比較的早い時期から利用されてきた。この材料は成形体の繊維の配向が比較的ランダムになるので、等方性に近い特性が得られるため、設計や製造に際して樹脂単独の場合の技術が活用し易く、手軽に利用されてきた。
一方、近年はカーボンファイバーのような高強度で微細な連続繊維を束ねて糸、織物、編物として積層し、これに樹脂などを含浸・固化させた長繊維強化複合材料が実用化されている。この材料は繊維の長手方向引張りや圧縮に高い強度を示すが、負荷方向が長手方向から外れると強度が極端に低下するため、設計の最適化が難しい。即ち、強度に関する異方性材料であり、製品の利用環境で負荷の高い方向を予測して繊維を配向することが重要である。
従来、実機に近い模擬試験を実施して、素材の繊維と樹脂の寸法・形状や繊維の製造工程などの組合せ、中間素材の形態や製品への組立工程など、多くの条件因子の中から、主に実験により最適化が行われてきた。最大限に製品の機能・特性による高付加価値を引き出すためには、多くの時間、労力と費用が必要であるため、実験条件を出来るだけ省略して最適に近い条件を短時間で得る効率的な開発方法が重要である。
非特許文献1はfrpに関する文献であり、材料力学を適用した異方性frpシートの面内引っ張り・圧縮試験の応力およびひずみの予測式が記載されている。これによれば、中間素材であるプリプレグの力学特性を直感的に把握できるだけでなく、定量的にも予測できるため、機械的試験方法として便利である。
但し、実際の複合材料は種々の製法があり、またパラメータが多いので、上記の式では個別対応が困難であり、実用的ではない。従がって、近年はコンピュータを利用した数値解析が盛んにトライされている。
<航空機の構造材料>
一般にプリプレグは複数のシートを交互に繊維方向を変化させつつ積層・接着して製品の強度を確保するため、製品表面を垂直に打撃するような衝撃負荷が作用すると、接着面近傍の樹脂層が破壊・分離して欠陥を生じ易い性質があった。積層構造はプリプレグの接合面近傍に作用する板厚方向の引張り応力に対して、これを補強する高強度材糸が存在しない構造なので、この部分が選択的に最弱リンクとして作用するためである。所謂弁慶の脛であり、そのため、人命の損失などに直結し易い航空機などの一次構造材料への適用は、比較的最近まで実現しなかった。
非特許文献2はcfrp(carbon fiber reinforced plastic、炭素繊維強化複合材料)に関する文献であり、cfrpの開発の歴史や技術の概要および主なブレークスルーのポイントが文章と図解で簡潔に記されている。
また、特許文献1および特許文献2は関連の前記接着面近傍の樹脂層破壊を防止する樹脂材料の製品特許およびその製造工程の方法特許に関する。
通常、高強度が要求される構造材には高延伸したpan系繊維を高温(最高温度3000度)でグラファイト化処理した高強度カーボンファイバーとエポキシ樹脂の組合せによるプリプレグが適用されるが、硬化したエポキシ樹脂はガラス転移点の温度Tgが200度程度と高いため、常温では硬くて脆い性質である。そこで、ガラス転移点の温度Tgが室温よりもかなり低い、サブμmの直径のエラストマー粒子をエポキシ樹脂中に微細分散させることにより、強度と靭性を兼ね備えた特殊なエポキシ樹脂が開発された。
また、ベンゼン環を骨格とする低分子のエポキシ樹脂を加熱により重合させて高分子化する際に、結合の手に適正な官能基、水素基、ハロゲン基を適度に配合することでガラス転移点の温度Tgを低減するとともに、難燃性を付与する。
更に、繊維と樹脂の界面近傍にもガラス転移点の温度Tgが低い粉末樹脂粒子を局部的に集合させることにより、強度と靭性を兼ね備えた樹脂膜を形成する。これにより、繊維の幅方向や厚さ方向の強度と靭性が向上するので、前記の接着界面近傍の樹脂の破壊強度が向上して、航空機の1次構造材料に適合するようになった。
特許文献3は、frp製構造体を成形する際に用いられるrtm(resin transfer molding)成形方法の改良に関する方法特許であり、とくに、成形されるfrp成形体の繊維体積含有率(以下、fと略称することもある。)を向上させ、より強度、軽量性に優れた成形体を得ることが可能なrtm成形方法に関する。
この方法の特徴は、高強度繊維のプリカーサを予め型内で成形し、これに樹脂を注入して含浸・固化により一体化させてfrp製構造体を成形する。そのため、プリプレグを積層する方法に比べて、製品の形状の自由度が高く、自動化により生産性にも優れる特徴があり、総合コストの低減が期待されている。
<振動、伝熱、電気、磁気、耐湿度、耐温度>
一般に樹脂は金属材料に比べて振動、熱、電気、磁気、温度や湿度の環境耐性がかなり異なるため、金属材料からcfrpに変更する際には、これらの特性を製品特性として高付加価値化に活かす設計が重要である。例えば航空機の構造部材の場合には、cfrpの持つ振動減衰効果により不快な振動と騒音の低減で快適性が向上する。また、湿度に弱い金属では制限されていた加湿がcfrpの耐湿性により適用可能となり、更にcfrpの強度向上による機内の与圧向上で耳鼓膜の圧迫が軽減され更に快適性が向上する。
一方、アルミニウム合金は熱、電気の良導体であるため局部的に加熱されても熱が一箇所にこもらず、適温を維持し易い。また、雷などもシールドして落雷の際にも危険が少ない。そのため、cfrpに材料変更をする際に、樹脂が熱と電気の不良導体である特性を改善する必要性がある。cfrpの高強度材カーボンファイバーの成分はグラファイトなので高良導体であり、cfrpの採用により体積比で50%以上部分が高良導体の網目構造に置き換わるので、樹脂中に導電性微粉末を添加するなどで、実用に必要なレベルに改善された。
<素材コスト>
非特許文献2によると、航空機用cfrpは一方向配向性のグラファイト化のため2000度から3000度の超高温熱処理が必要である。従がって、繊維は高価であり、また単位体積当たりの電気エネルギー消費量は電池のように高い。従がって、省エネ・環境負荷低減の目的では、この初期の製造エネルギーの負債を早期に回収できる用途でなければ、目的の達成は困難になる。航空機の場合、燃料の消費量が極めて多く、回収期間が短いので有理である。
<自動車>
自動車は航空機に比べて燃料消費量が相対的に少ないので、回収期間が長くなる。従がって、LCAではリサイクルなどで長期間使用する場合でなければ目的の実現は困難化する。また、素材のグレードなどを低下することでイニシャルコストを低減しなければ、大衆車への適用が制限されるリスクがある。
しかし、自動車は航空機に比べて生産台数が圧倒的に多いため、少しの改善が大きな改善につながる可能性がある。そのため、自動車メーカーとcfrpの素材メーカーが共同でエコカーの開発に着手した。
現状は、世界の大手自動車メーカーの高級車で試行錯誤の段階のようであるが、大衆車用途までは多くの実験データの蓄積とかなりの時間が必要となるかもしれない。特に、自動車は安全性の規則が厳しい上に、リサイクルとコスト低減など、国や地域の法律や文化への依存性も多く、また、強度は勿論のこと、振動、伝熱、電気、磁気、耐湿度、耐温度なども安全や快適性の設計目標が多い。
<その他の適用>
非特許文献2には、cfrpの代表的な適用例として、開発初期のスポーツ用品、特に釣竿、テニスラケット、ゴルフクラブや、最近の自転車車体フレームなどブームを巻き起こし、市場を確立した高負荷価値製品をあげている。また、大型望遠鏡、ロケットや人工衛星の不可欠な材料としてニッチ市場や、水素タンク、燃料電池などエコカーの材料として将来の有望市場が予測された。
今後は、産業用途が急速に展開され、市場が拡大し続けるとの予測である。従がって、各種の製品要求特性のバランスを素材選択、成形方法の選択、プロセス条件の最適化により対応できるfrpは、その適用製品の種類に応じて製造工程が多様化する。産業用途の展開は、素材メーカーと部品や製品の組立メーカーで最適条件の設計への需要が増大することを意味し、これを一般の技術者が短期に低コストで行うシステムの可否が市場拡大のキーテクの一つである。航空機のように着想から実用に半世紀も要するのであれば、大衆自動車などのコモディティー化は絶望的であり、市場拡大は減退する。
<最適設計のための実験代替手法の必要性>
上記したように、複合材料などの人造材料はエコ材料として注目されているが、実用化のためには、具体的な適用製品に必要な付加価値を実現するために個別的な応用開発が必要になる。ところが、従来は適用効果が高い有望製品の分野でも半世紀近い長期間にわたる地道な研究開発が必要であり、多くの企業が開発に失敗した。今後の製品開発では、多くの因子を効率的に最適化するために、強度だけでなく、振動、伝熱、電気、磁気、耐湿度、耐温度などの各種物理的特性を総合的に考慮した最適設計および、その効率的な手法の開発が重要になる。
特に、物理的特性の異方性が顕著である複合材料では、素材の繊維と樹脂を製品形状に成型するための製造工程で、材料開発者と機械設計者など多分野の技術者が共同で技術開発を行う機会が増加し、異分野の境界技術がブレークスルーに繋がる可能性も高い。従がって、最適化手法は入門者でも容易に利用できることが重要である。
<材料力学>
非特許文献12には複合材料の補強材料(高強度材料)の体積分率が指定された場合に、母材マトリックスと補強材料の物性から複合則を用いて複合材としての物性の実行パラメータの上下限を予測する方法が開示された。一般に複合材は最も大きな負荷が作用する方向に最適化されて配設されるので、実効パラメータの上限値が重要である。これは、プリプレグを積層したシートに対して繊維方向に負荷することに対応しており、設計において重要なパラメータであることが判る。
但し、実際の設計では任意の方向の負荷にも対応しなければならないので、そのために以下のコンピュータによるシミュレーションが実施されている。
<シミュレーションによる実験の代替>
特許文献4は、代表的な汎用シミュレーションの手法である有限要素法(以下、FEMと略称することもある)に関する技術である。これによるとFEMを次のように位置付けている。
物理現象を表現する偏微分方程式の初期値、境界値問題を数値的に解くための代表的な離散化方法の一つとしてFEMがある。FEMでは、解析モデルの物体や空間にメッシュを生成して有限要素に分割し、有限要素の中での変数分布として一次式等の単純な変数分布を仮定することにより、問題を線形方程式の求解に帰着させる。この線形方程式の近似解を行列計算により求め、解析モデルの複雑な変数分布を数値シミュレーションすることができる。
FEMを用いたシミュレーションシステムは、解析モデルの形状、メッシュ、材料特性、境界条件等のデータを入力する入力部と、入力部に入力されるデータに基づいてFEMによる解析を行う解析部と、解析部による解析結果を目的に応じた形式で可視化するなどして出力する出力部と、から構成される。シミュレーションシステムにおける計算コストの大部分は、線形方程式の求解に係る行列計算に費やされ、解析モデルの規模の増大に伴って行列計算の計算コストは指数的に増大する。そのため、行列計算を高速化するための種々の技術が開発されている。例えば、解に近づくベクトルを逐次計算する反復法による非対称行列の解法、反復法によるスパース行列の解法の収束性を改善する技術が開発されている。
特許文献5は、有限要素解析用インターフェースとして、塑性加工工程の大ひずみ、非線形変形挙動を効率良く解析するためのFEMを対象にしている。この場合、特許文献4とは異なり、対称行列の直接解法を適用するため、反復法に比べて記憶する行列の変数が格段に増加する。従がって、特許文献4に開示の技術が利用できない問題点があった。そのため、変数の数を低減するために有限要素によるメッシュ生成の際に節点の番号付けの工夫を行っており、通常のプレ処理が適用できないため専用のインターフェースが開発された。
<frpの破壊予測のためのFEM>
特許文献6は、スポーツメーカーと複数の大学によるもので、カーボンファイバーを強度材とする母材樹脂のプリプレグを8層程度積層した板材の各種材料強度試験とその有限要素法によるシミュレーション技術が開示された。繊維、樹脂および接着剤からなる一体構造を各材料の物性や寸法形状および繊維配向を考慮しつつ、剥離欠陥の寸法形状や位置を考慮して、実用的な解析時間で処理できるように、有限要素メッシュモデル化を工夫して、数%程度の誤差で評価する方法を開示した。
即ち、特許文献6の目的は、限られたCPUパフォーマンス下において比較的短時間で三次元変形挙動を精度良くシミュレートすることができる擬三次元モデルを提供すること、およびその擬三次元モデルを用いて複合材料積層板の解析を行う方法を提供することである。
即ち、複合材料積層板中に存在する繊維と樹脂とをそれぞれ独立して把え、繊維部を繊維配向角による強度異方性を考慮したシェル要素で、樹脂部をビーム要素でモデル化し、ビーム要素でシェル要素を拘束するように組み合わせることにより擬三次元化モデルを作成する。この擬三次元モデルを用い、複合材料積層板の引張解析、曲げ解析、固有振動解析、引張損傷解析または残留強度解析を行う。
特許文献7は、プリプレグ等の材料メーカーによるもので、上記の擬三次元モデルを用いた複合材料積層板の解析モデルを改良して、解析の予測精度の向上が図られた。従がって、特許文献6および特許文献7に開示の解析技術が、frp製品を製造する当業者の標準的なFEM解析手法として実用されている。但し、破壊が発生し易いプリプレグの積層界面近傍をビーム(梁)要素でモデル化するので、材料開発に重要な破壊の起点に関する微視的な情報が得られない。
特許文献1および2に開示のように、積層プリプレグの弱点を克服するには、微視的な破壊力学に基づく合理的な樹脂アロイ技術の開発が重要である。そのためには、微視的に応力やひずみの集中を予測する解析手法の開発が重要である。
<frpの物性同定のためのFEM>
特許文献8は、電器通信会社によるもので、特許文献9のタイヤメーカーの開示したマルチスケールモデルによるフィラー複合材料としてのタイヤの構造解析などの解析精度向上に有用な未知の材料定数推定システムが開示された。ラジアルタイヤなど複合材料製品は顕微鏡的な観察では観察位置により柔軟なゴムや硬いフィラーなど種々だが、タイヤの肉眼観察ではゴムやフィラーの平均的な硬さで機能する。マルチスケールモデルは平均的な材料特性による巨視的な製品の有限要素メッシュによる巨視解析と、ゴムやフィラーからなる代表的な単位構造の有限要素メッシュによる微視解析を連成または非連成でシミュレーションする。特許文献8は微視解析に必要だが、一般に不明の材料定数を効率良く予測する。
即ち、第1材料と第2材料とを含む複合材料に対して実行される材料試験の負荷条件を提供する負荷条件提供部と、負荷条件に基づいて複合材料の試験を制御し、試験結果を出力する試験制御部と、第1材料の未知である物性を表す第1材料定数として仮に設定された第1仮材料定数と、第2材料の既知である物性を表す第2材料定数とを提供する材料定数提供部と、負荷条件、第1仮材料定数、及び第2材料定数に基づいて、複合材料のモデルに対して応力解析を実行し、解析結果を出力する応力解析部と、試験結果と解析結果との誤差が予め設定された許容範囲内であるか否かを判定する誤差判定部とを具備する。誤差判定部は、誤差が許容範囲内の場合、第1仮材料定数を第1材料定数に決定する。
<frpの巨視特性と微視特性の関係によるFEM>
非特許文献3および図15はカーボンファイバーと熱可塑性樹脂によるプリプレグ積層板の大変形機構を調査した市販のFEMソフトを用いたマルチスケール解析による、微視解析の単位構造(2本の繊維を含む)の三次元有限要素メッシュが開示され、8節点六面体要素(25x25x20=12500要素)、ソルバーは動的陽解法であった。マルチスケール解析は材料の巨視的な挙動と微視的な挙動の関係を、夫々の寸法による解析モデルとして作成し、両モデルを交互に解析、情報交換することで、両者を擬似連成する手法の総称である。
frpの場合に巨視特性は顕著な異方性を示すが、高強度材糸の直径程度の微視特性は、等方的な樹脂と糸の組合せでモデル化できるので、初歩的な等方性のFEM解析で処理できる。特に非特許文献3ではfrpの糸による升目構造が直方体の周期構造で近似できることに着目して、均質化法を適用したので、両モデルの連成解析を市販のソフトで実施できた。
一般的にマルチスケール解析は計算量が膨大になるので、計算時間とコストが増大する問題点があり、最近の高性能計算機の利用および均質化法の適用で実用の目処が立つとともに、注目されてきた。上記の航空機用途では数μm程度の直径の繊維や同程度の接合界面の剥離欠陥の挙動を予測する潜在ニーズが強いことから、欠陥発生が予測される着目部位の微視解析を精度良く解析する技術は有用である。
<重合メッシュ法による複合FEM解析>
非特許文献4は、材料の一部に欠陥や特性の異なる異種材が存在する場合のグローバルメッシュとローカルメッシュを用いるFEM解析に関する。プリプレグに穴を開けて切り欠き材として強度試験を実施する際に切り欠きを欠陥としてローカルメッシュでモデル化できるので、プリ処理が単純である特徴がある。但し、ソルバーの作成が必要。
<複合メッシュによるコードとその複合体のFEM解析>
特許文献10と図13はコードの撚りによって発生するねじりトルクを考慮して有限要素法解析をすることができるようにした有限要素モデルの作成方法の提供に関する。即ち図13において、コードAを、コードAの実体を形成するソリッド要素1と、コードAに作用する張力に対してコードAの長手方向の伸び量を調整する軸トラス要素2aと、コードAの長手方向に対してコードAの円周方向に傾斜する螺旋状のトラス要素2であって、コードAに作用する張力に対してコードAの外表面上の節点3にコードAの円周方向の分力を生じさせる螺旋トラス要素2bとに分けて、モデル化する。
複合体とは荷重を伝達するコードと形状を形成するエラストマーからなるベルトである。ベルト全体をエラストマーとして5面体立体要素でメッシュ分割し、コードは三次元のトラス要素でメッシュ分割する。両方のメッシュを重ね合わせて一体のメッシュとしてFEM解析を実施するので、重合メッシュ法と同様にプリ処理が単純化される特徴がある。
但し、開示された図面ではビーム要素が異なる5面体立体要素の節点に接合されているため、エラストマーの剛性行列の非零配列変数の構造からはみだすため、ソルバーの処理が複雑化する。また、エラストマーとコードの二つのメッシュ分割を実施するので、プリ処理の作業が増加する問題があった。
特許文献11と図14は(A)のように円柱状の補強コードを複数ゴム板材の中央に有するタイヤのモデルに対して、(B)に示すように補強コードを異方性の強度特性を有する膜要素に置き換えて、コードが無いゴム板のソリッド要素の間に挟んで、近似モデルとした。膜要素とは面内の力のみ、すなわち、引張、圧縮、面に沿った方向のせん断のみを伝える要素であり、本例では四辺形膜要素を例示している。
特許文献10、特許文献11の複合メッシュでは、母材と補強材のメッシュを別々に生成して管理するので、両者の整合性をとるために管理が必要になる。自動化などの対応では、プログラム特に、プリ処理の管理にコストと時間が必要である。
国際公開番号WO2009−119467号公報 国際公開番号WO2012−102201号公報 特許第4104413号公報 特許第4973957号公報 特開2006−164219号公報 特開平6−305105号公報 特開2008−108242号公報 国際公開番号WO2011−108468号公報 特許番号4093994号公報 特開2007−34728号公報 特開2003-094916号公報 特開2015-032295号公報
宮入裕夫,後藤卒土民:強化プラスチック材入門 (2007),日刊工業新聞社. 平松徹:炭素繊維の本(2012),日刊工業新聞社. 神谷隆太,大塚哲朗:第66回塑性加工連合講演会論文集(2015),57. 鈴木克幸、ほか3名:応用力学論文集Vol.7(2004),pp.383-389. 堀辺忠志:やさしい有限要素法の基礎(2008),森北出版. 立野大地、米山猛ほか4名:第66回塑性加工連合講演会論文集(2015),53. 瓜屋裕、大家哲朗、柳本潤:第66回塑性加工連合講演会論文集(2015),55. 瓜屋裕、柳本潤:平成26年度塑性加工春季講演会論文集(2014),207-208. Ferreira. A. J. M: Matlab codes for finite element analysis. Portugal, Springer publication.
解決しようとする問題点は、cfrp製品などの特性向上や高付加価値化のための開発に際して、個々の分野で要求される高度な専門性のため分業的、プロジェクト的な開発体制が一般化するなか、最も基本的な分野共通の製品強度の予測技術が入門者には理解し難いことである。即ち、従来利用されてきた伝統的な材料力学などの初等解析では、複合材料の持つ強い巨視的な異方性と、強度限界の微視的な破壊挙動を合理的に結びつけることが困難化したため、コンピュータによるマルチスケール解析など代替の有限要素解析が提案されている。しかし、マルチスケール解析は入門者だけでなくベテラン当業者にも容易に理解または利用できないという致命的な問題点があった。
一方、開発対象の製品が一部のスポーツ用品などニッチな高価格帯製品であった初期の頃に比べて、昨今はコモディティーと称される低価格帯の大衆製品に拡張適用されつつあり、材料、設計、製造、利用、リサイクルなどの製品ライフサイクルアセスメント(PLA)的視点から総合的な最適化システムの確立が重要視されている。特に、今日の世界的な大競争時代では、価格競争力が重視され、狙った仕様の製品を短時間に安価に安定的に適時に開発、供給できなければ市場は拡大しない。従がって、製品を企画する段階で大略の設計可否を評価・判断することが重要である。そのためには、実験だけに頼らずに、理論とコンユータシミュレーションを援用することが合理的であり、特に、材料強度、熱、流体、電気・磁気、振動、物理、化学、などの所謂マルチサイエンスによる総合的な最適化システムの確立が重要な課題である。しかし、マルチサイエンス解析は入門者だけでなくベテラン当業者にも容易に理解できないという致命的な問題点があった。
近年は、主に海外製の商用FEM解析ソフトの利用が一般化しており、産学官の研究開発機関でも便利なツールとして認識されている。そして、上記のマルチスケール解析やマルチサイエンス解析への対応も行われていることから、複合材料への適用例が増加してきた。但し、一般的に異なる材質の母材と高強度材を独立に扱える有限要素が登録されておらず、そのため、特許文献10、特許文献11、特許文献12に開示のように、母材の材質を付与された要素と高強度材の材質を付与された要素を別々に生成して、解析の途中で両者を組み合わせるメッシュの適用がなされている。
そのため、複合材料の解析では単一の材料の解析に比べて大規模解析、難解な解析になる傾向であり、例えば、マルチスケール解析でも種々の方法が過剰に乱立して、ユーザーはどれを使うべきかに困り、結局は商用FEM解析ソフトのベンダーにモデリングを委託する場合もある。従がって、この場合の課題は製品ソフトに複合材料用の専用要素を定義して計算処理を単純化し、大規模解析を回避することである。しかしながら、市販の製品ソフトには、このような複合有限要素は見当たらない。
また、材料力学など初等解析に代わる方法として、複合有限要素を用いた解析方法を確立するためには、従来の計算機室で解析処理をするのではなく、電卓のように工場や事務所など場所や時間に制限されずに手軽に利用できることが重要である。その対策として、スマートフォンなどのコンピュータと通信装置を兼ねるツールで解析処理を実施できるシステムの開発が重要な課題である。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、初心者にも利用し易い、有限要素法解析方法、有限要素法解析装置、解析サービスシステムおよび有限要素法解析プログラムを記録した記録媒体を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明は、複合材料を高強度材のネットワーク構造を模した糸または繊維の束と樹脂のサンドイッチモデルと見なして、材料力学のように多少の矛盾は許容しつつ、両材料の組み合わせによる新開発の専用複合FE要素で高強度材と母材の自動メッシュ生成を図った点を主要な特徴とする。
即ち、第1の発明は、コンピュータが、解析モデルに対して有限要素法による解析を行う有限要素法解析方法であって、
コンピュータが、ユーザの操作または入力ファイルの読み込みにより解析モデルの形状の定義、有限要素の種類の選択、メッシュ分割条件、要素の諸物性値と寸法、境界条件、ソルバー条件、結果の出力条件および解析条件に関する解析データを入力するデータ入力工程と、
コンピュータが、該入力データにより解析領域を有限要素分割するメッシュ生成工程と、
コンピュータが、生成された該メッシュに基づき各要素の行列を生成するとともに、解析領域全体の行列に組み込む全体行列生成工程と、
コンピュータが、該入力データにより該全体行列に対して境界条件を設定してソルバー用全体行列を生成する境界条件設定工程と、
コンピュータが、該ソルバー用全体行列に対してソルバーにより未知数および派生データを導出する求解工程と、
コンピュータが、該求解工程による解析結果を出力する出力工程と、
を有し、
該有限要素が解析領域をメッシュ分割する親有限要素と、該親有限要素の任意の複数節点を角節点とする単数または複数の子有限要素から構成される複合有限要素であり、
コンピュータが、該データ入力工程で、子要素と親要素の物性値の比率および/または予測誤差を求め、許容できない誤差が予測される場合に警告を出力して所望により解析を中断する機能を有し、
コンピュータが、該入力データに基づき該複合要素を構成する該親要素および該子要素の物性値と該子要素の寸法を該複合要素のローカル要素番号に基づくパターン指定方式および/またはコネクティビティーに基づく検索による要素指定方式で実施する
ことを特徴とする。
また、第2の発明は、コンピュータが、解析モデルに対して有限要素法による解析を行う有限要素法解析装置であって、
コンピュータが、ユーザの操作または入力ファイルの読み込みにより解析モデルの形状の定義、有限要素の種類の選択、メッシュ分割条件、要素の諸物性値と寸法、境界条件、ソルバー条件、結果の出力条件および解析条件に関する解析データを入力するデータ入力手段と、
コンピュータが、該入力データにより解析領域を有限要素分割するメッシュ生成手段と、
コンピュータが、生成された該メッシュに基づき各要素の行列を生成するとともに、解析領域全体の行列に組み込む全体行列生成手段と、
コンピュータが、該入力データにより該全体行列に対して境界条件を設定してソルバー用全体行列を生成する境界条件設定手段と、
コンピュータが、該ソルバー用全体行列に対してソルバーにより未知数および派生データを導出する求解手段と、
コンピュータが、該求解手段による解析結果を出力する出力手段と、
を有し、
該有限要素が解析領域をメッシュ分割する親有限要素と、該親有限要素の任意の複数節点を角節点とする単数または複数の子有限要素から構成される複合有限要素であり、
コンピュータが、該データ入力手段で、子要素と親要素の物性値の比率および/または予測誤差を求め、許容できない誤差が予測される場合に警告を出力して所望により解析を中断する機能を有し、
コンピュータが、該入力データに基づき該複合要素を構成する該親要素および該子要素の物性値と該子要素の寸法を該複合要素のローカル要素番号に基づくパターン指定方式および/またはコネクティビティーに基づく検索による要素指定方式で実施する
ことを特徴とする。
また、第3の発明は、マクロスケールモデル、メソスケールモデル、およびミクロスケールモデルからなる有限要素法解析方法であって、
コンピュータが、該メソスケールモデルを該複合有限要素でモデル化して請求項1に記載の有限要素法解析方法でマクロスケールモデルの解析を実施することによりマクロスケールの結果を得るマクロ解析工程と、
コンピュータが、任意の該複合有限要素を解析領域として定義して所望の個数の有限要素で所望のミクロ構造のメッシュ分割をするミクロメッシュ生成工程と、
該複合有限要素の該子要素に対応する該ミクロメッシュの有限要素節点に該子要素の該マクロスケールの結果を補間して境界条件として設定するミクロ境界条件設定工程と、
コンピュータが、ソルバーにより未知数および派生データを導出するミクロ求解工程と、
コンピュータが、該ミクロ求解工程による解析結果を出力するミクロ出力工程とからなる
ことを特徴とする。
更に、第4の発明は、コンピュータが、請求項1のデータファイルに対してインターネットを介してサーバーに登録および管理および配信を行う解析サービスシステムであって、
請求項1に記載の有限要素解析方法の該データ入力工程、該メッシュ生成工程、該全体行列生成工程、該境界条件設定工程、該求解工程、該出力工程で処理した処理データの一部または全部をコンピュータ読み取り可能な記録媒体に有限要素データファイルとして記録する記録手段と、
コンピュータが、該記録媒体から該有限要素データファイルを入力して識別名を付した電子メールに添付するとともに、インターネットを介してサーバーに送信および登録する登録処理手段と、
コンピュータがインターネットを介して該サーバーに登録の電子メールを検索して該登録の電子メールに添付された該有限要素データファイルを管理する管理手段と、
コンピュータが、送信先のメールアドレスおよび/または該有限要素データファイルおよび/または該登録の電子メールの識別名を記録した配信計画ファイルを読み込んで該管理手段により該有限要素データファイルを添付した該登録の電子メールを検索するとともに、該電子メールを該配信計画ファイルの対応する該送信先のメールアドレスに送信する送信手段と、
該送信先のユーザーが送信された該電子メールに添付の該有限要素データファイルを請求項1および/または請求項3に記載の有限要素解析方法に基づく有限要素法解析装置または請求項2に記載の有限要素法解析装置に入力して、該有限要素解析装置が解析を行う解析手段、
とからなることを特徴とする。
また、第5の発明は、汎用解析ソフトの有限要素を該親有限要素および/または該子要素に流用することにより該複合有限要素の生成および解析処理を実施することを特徴とする。
更に、第6の発明は、請求項1に記載の有限要素法解析プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
本発明の対象とする複合材料の有限要素解析では、比強度特性が優れる点が着目されるので、強度に関する力学解析が主に採用される。従がって、以下の説明では力学解析を対象に説明するが、近年はガラーキン法で定式で工学系一般の解析も可能であるから、当然これらも本発明の対象である。具体的には、伝熱学、振動学、電気伝導など多数ある。
先ず、第1の発明について、図1の有限要素解析の工程に関する説明図を用いて説明する。
工程(1)はデータ入力工程である。この工程では、図8aや図8bの有限要素のメッシュを生成する。一般にfrpは母材マトリックスの強度が小なので補強材料として曲げ剛性を考慮した梁要素(ビーム要素)の採用が、計算の安定のために有理である。また、図8aや図8bのように碁盤目状のメッシュ分割を採用することにより、代表的な複合要素の構成を1個の要素で定義すれば、この構成を各碁盤目状の升目に存在する個々の有限要素に複写することで、自動メッシュが容易化できるので好都合である。
また、市販のFEMソフトは、解析に必要な、解析モデルの形状の定義、有限要素の種類の選択、メッシュ分割条件、要素の諸物性値と寸法、境界条件、ソルバー条件、結果の出力条件および解析条件に関する解析データを入力できる。
これらのデータは、所定の様式でテキスト形式により記入して入力ファイルとすることが出来る。また、解析のモデルが複雑な場合には、市販のCADソフトによりモデルの形状を作図してCADデータとし、これを変換ソフトなどで最終的に有限要素データとして入力ファイルに付加できる。その際、CADソフトで境界条件データを指定する場合もあるが、これも最終的には入力ファイルに付加できる。
複合材料では、少なくとも母材樹脂と高強度材糸の複数の物性値を入力する必要があるので、これも入力ファイルとして読み込むことができる。その際、高強度糸と母材樹脂の各物性の比率を求めて、後述する誤差の予測に利用できる。
工程(2)は物性の比率または予測誤差が許容できない誤差として予測される場合に工程(3)に分岐する。
工程(3)は警告を音、光、振動、やコンピュータに接続されたモニター、プリンターなどに出力して、ユーザーに入力データが適切でない旨を伝達する。ユーザーはこの警告を受けて手動操作で解析を途中停止して、データの修正による再計算が可能である。また、所望によりコンピュータが警告を発生した後に解析を強制中断することもできる。
工程(4)はメッシュ生成工程である。入力ファイルでは母材のメッシュデータを入力したので、これに基づき二次元問題では二次元メッシュ、三次元問題では三次元メッシュを選択された有限要素に基づき生成する。ここでは全体節点番号と要素番号を生成し、節点に関しては各節点座標、要素に関しては各要素に属する節点の全体節点番号(コネクティビティー)を求める。尚、CADソフトなどでは、節点座標と要素の全体節点番号を入力ファイルに付加できる場合もあるので、その際はその妥当性の検証を行う。
次に、高強度材の処理を行うが、複合要素の定義から母材の要素の節点のみで生成できる。従がって、予め要素に関する全ての高強度材の節点座標と局所節点番号は既知であるから、特別に処理は必要ない。
母材と高強度材の要素の物性値と、母材要素の肉厚、および高強度材要素の直径または代表寸法を設定すればよい。
工程(5)は全体行列生成である。コンピュータが、生成されたメッシュデータに基づき各要素の行列を生成するとともに、解析領域全体の行列に組み込むことで全体行列を生成する。ここで、行列とは弾性解析などで剛性行列と呼称される、有限要素解析に必要な行列であり、特許文献5に開示のように全体節点番号を最適化することで対角項の近傍に非零要素が密集するスパース行列となる。
節点番号が最適化されていない場合は、最適化のアルゴリズムに基づく節点番号の再番号付けが可能である。例えば、ツリー構造の探索によるアルゴリズムがよく利用される。
工程(6)は境界条件設定工程である。境界条件とは、付加により節点の変位が既知の場合、または節点に作用する荷重が既知の場合に、全体行列と節点力に関する右辺ベクトルの対応する節点の自由度に対して処理をする。処理方法としては既知変数の消去法やペナルティー法などあるので、適宜選択することが出来る。尚、境界条件設定を行わない場合は、全体行列が特異となって処理できない。そこで、これと区別するために処理後の全体行列をソルバー用全体行列として、区別した。入力データにより該全体行列に対して境界条件を設定してソルバー用全体行列を生成する。
工程(7)は求解工程である。ソルバー用全体行列と右辺ベクトルから未知数ベクトルを求める工程であるが、これも特許文献5に詳しい。従来は直説法または反復法のソルバーで連立方程式を求解することが主流であったが、近年は運動方程式に近似して、時間差分により近似的に求解する動的陽解法が利用されることも多くなった。
一般的に未知数は変位や速度など各節点の自由度に対応するものなので、要素に関係する応力やひずみなどの派生データを導出する。
工程(8)は出力工程である。求解工程で導出した各種の解析結果を、所定の様式の数値データファイルとして出力する。また、膨大な数値データでは直感的な理解が困難なので、所望により図形表示用のデータに変換して出力できる。更に、再利用のために、XMLなどの公知の様式で出力することもできる。
尚、予備検討で開示された複合有限要素は、有限要素が解析領域をメッシュ分割する母材の親有限要素と、親有限要素の任意の複数節点を角節点とする単数または複数の高強度材糸要素の子有限要素から構成される。これは、材料力学的発想によるもので、母材と高強度材糸が同じ空間を共有することを許容する。
市販ソフトでは接触機能として、このように要素が同じ空間を許容することを矛盾として積極的に排除する機能が付与されたものが主流である。従がって、そのような矛盾による解析誤差が発生するのが避けられないことは明白である。従がって、ユーザーはこのことを念頭にして、解析を行う必要性がある。材料力学は、このような矛盾を許容しつつ、コンピュータが無くても直感的に大略の正解を導出することができる。これは、解析誤差が先人により予め検証されているため、現在まで実用されているものに関しては推奨許容範囲内であれば妥当性が認められている。
一方、当該複合要素の場合は、一般的にそのような誤差検証が行われていないので、ユーザーが個別に検証しなければならない。市販ソフトで通常の解析により同じ問題の正解を得て、これを複合要素による解と比較することにより、直接検証できる。
また、材料力学など初等解析で容易に正解が得られる問題を設定して、これを当該複合要素で解析することにより、誤差の発生を確認することができる。発明者は、一方向プリプレグを高強度材糸の軸方向に均一変位で引張りする問題を設定して、これを初等解析で求解したところ、糸の端部に作用する荷重が、次のように表示されることを知見した。
連続長繊維cfrpの糸の体積含有率fはかなり高く50%を上回るので、前記の相互干渉の無視による糸の体積分だけ母材が超過、これが結果の誤差要因として懸念される。縦弾性率EsとEの真直繊維と母材の一方向配向、一様断面Sのcfrp材をひずみeで繊維方向に均一弾性引張りする。初等解析による正解の荷重をF1、複合要素によるの荷重をF2とすると、予測誤差errorは、数(1)に示す式により予測される。尚*は乗算を示す。
連続長繊維cfrpの糸の体積含有率fはかなり高く50%を上回るので、前記の相互干渉の無視による糸の体積分だけ母材が超過、これが結果の誤差要因として懸念される。しかしながら、請求項1および請求項2に開示のように、予測誤差の数式を用いて、凡そのモデル誤差を管理できる。
非特許文献1および非特許文献2に開示の物性値を用いて、下記のように試算を試みた。
Pan系IMはEs=290Gpa、エポキシ樹脂(EP)は3.1Gpa、
(f、e)は(0.5、0.0106)、(0.8、0.0107) 、(0.907、0.0107)
であり、荷重誤差は最大約1%の過大評価なので、許容できることが判明した。
予測誤差eはEs、Emとfの関数であることが明白である。また、Em/Esが約0.01となる上記のcfrpの場合は、Em/Esを求めることにより、誤差を大略予測することができる。誤差が著しい場合には、警告や強制停止を実施すれば、無用の計算処理を未然に防止できて便利である。
従がって、コンピュータが、データ入力工程で、子要素と親要素の物性値の比率および/または予測誤差を求め、許容できない誤差が予測される場合に警告を出力して所望により解析を中断する機能を利用できる。
力学以外にも、一般的な有限要素法の解析では、子要素と親要素の伝導パラメータ(物性値)の比率が小な場合には予測誤差が小であるから、上記の予測誤差の推定が可能である。従がって、解析的に既知の問題などと比較して予測できるか確認することで、この方法が使える場合がある。
積層プリプレグは風呂敷のように格子状に高強度材糸を配設したプリカーサに樹脂を含浸・固化させてシート状に成形したものであるから、縦横糸の囲む最小の四角形(網目)を平面有限要素とすれば、風呂敷の網目の数だけ有限要素が配置される。例えば縦横糸がそれぞれ1000本なら網目は1000000個、即ち複合要素が百万個必要になる。
一方、風呂敷の縦糸と横糸の並びが碁盤目状であれば、網目の形状は正方形になり、どの網目も区別が出来ない。従がって、その中の1個で全体を代表して設計すれば風呂敷全体の構造も唯一に定めることができ、個別に構造設計するよりも格段に省力であり、見通しも良い。
同様に、プリプレグの場合であっても、コンピュータが、入力データに基づき複合要素を構成する親要素および子要素の物性値と子要素の寸法を複合要素のローカル要素番号に基づくパターン指定方式および/またはコネクティビティーに基づく検索による要素指定方式で実施することができる。
更に、積層プリプレグであっても、各層のプリプレグを二次元のメッシュと同様に複合要素分割して、これを厚さ方向に押し出しにより三次元化する。そして、各層の三次元メッシュを厚さ方向に積層することで、容易に積層プリプレグのモデリングが可能になる。
次に第2の発明について、図2を参照して説明する。
図1と図2を比較することで、各手段の内容が容易に理解できるので、詳細説明は省略する。
次に第3の発明について、図3を参照して説明する。
frpでは、材料を遠方から観察すると板形状で金属材と区別がつき難い。この状態をマクロスケールモデルとして通常の方法で解析する。しかしながら、素材を手にとって観察すると高強度繊維の織物を樹脂で固めた構造が確認でき、frp材料の構造的な特徴が明確になる。この状態をメソスケールモデルで記述する。尚、frpでは織物の編目1個に着目すると、これが平面的に周期配置していることが多い。これを単位胞またはユニットセルと呼称し、この力学的な特性を調べて、全体にはこの特性を当てはめることがなされる。特に、有限要素法の均質化法では複雑なユニットセルを記述できるため市販のプログラムでよく採用される。この場合、ユニットセルがミクロスケールモデルを兼ねる。
一方、マクロスケールモデルで解析して、ひずみや応力が集中する部分の要素に着目し、この要素の領域を新たな解析領域としてマクロスケールの解析結果を境界条件にして詳細なモデル化が行われる。これをズーミングと称して比較的容易に近似解を得る。このようなマクロスケール解析とミクロスケール解析を行うマルチスケールの有限要素法解析方法を対象に説明する。
図3のマクロ解析工程では、マクロスケール解析を請求項1に開示の方法で実施し、全ての節点の変位を既知にするとともに、母材のひずみや応力が集中する要素を調べる。cfrpでは母材の剛性が高強度材の百分の一程度と小なので、高強度材の変形に従がって変形し、設計が悪いと容易に応力やひずみの集中が生じて母材が破壊する。母材が破壊して高強度材が剥き出しになると圧縮変位の場合に高強度材が座屈して負荷しないので、終局の破壊に至る。
次に、ミクロメッシュ生成工程では、ズーミングの手法により応力やひずみの集中する要素を解析領域として、新たに詳細な有限要素メッシュを生成する。この場合、マクロスケールの解析では母材の欠陥や塑性変形など考慮せずに、主に高強度材のネットワーク構造の弾性解析を実施した。母材の剛性が小であるだけでなく、体積分率(体積含有率)も20から30%程度と小なので、母材の欠陥や塑性変形が影響し難いからである。一方、ミクロスケール解析では、欠陥や材質変化を考慮して母材の応力やひずみの集中を詳細に観察できるので、破壊の発生の有無を予測できる。少しでも破壊条件に達すると最悪の場合高強度材から剝げ落ちて繊維が剥き出しになる危険性があるので、破壊力学を適用して欠陥を導入したメッシュを生成すると良い。
図4は二次元問題、図5は三次元問題に関して、左側が複合有限要素、右側がそのズーミングによる詳細なミクロスケールのメッシュを示す。ミクロスケールのメッシュには人工的なクラックが導入してあり、例えば応力拡大係数を求めることで母材の破壊靱性(応力拡大係数の閾値など)に達した際に、破壊の開始とするなど、考えられる。
また、ミクロ境界条件設定工程では、解析領域の複合有限要素の子要素、即ち高強度材のマクロ変位が既知であるから、これをミクロメッシュの有限要素節点に子要素のマクロスケールの結果を補間して境界条件として設定する。力学解析の場合には子要素の中心線とミクロメッシュの高強度材の中心線を一致させるとよい。尚、母材要素の周辺を高強度材が額縁状に囲む場合は、ミクロメッシュの高強度材の中心線は解析領域の周辺境界に相当することに注意が必要である。
次に、ミクロ求解工程ではソルバーにより境界条件適用後の剛性行列が求解され、未知数および派生データを導出される。未知数は節点変位や速度であるから、これをひずみや応力に変換して派生データを生成する。
更に、ミクロ出力工程ではミクロ求解工程による解析結果をファイルやディスプレイに出力する。簡単な問題ではこれで終了であるが、母材に塑性変形が生じるような場合には、繰り返し計算で塑性ひずみの発展を時間的に追跡しなければならない。その際は図3の破線で示すように、増分計算となる。厳密には母材の塑性変形はマクロ変形に影響を与えるが、その程度は無視できるから近似的に図3の簡便なズーミング解析が利用できて、便利である。
次に、第4の発明について、図6および図7を参照しながら説明する。
手段(1)は記録手段であり、図1に示す有限要素解析方法の各工程で処理したデータを主にテキストデータとして、有限要素データファイルとして書き出す。例えば、市販の解析ソフトであれば、計算の途中から再開できるようにリスタートファイルを生成することができる。
(2)登録処理手段は有限要素データファイルを入力して識別名を付した電子メールに添付するとともに、インターネットを介してメールサーバーに送信および登録する。このようにすれば、サーバーに有限要素データが蓄積されるので、セキュリティーや停電、などからデータを保護できる。また、クラウドコンピューティングでは、データの安全性は高まるので、好ましい。尚、識別名は日時やデータの内容およびユーザーなど後の管理に適した方法に統一する。
(3)管理手段は、はインターネットを介してメールサーバーに登録の電子メールを検索して登録の電子メールに添付された有限要素データファイルを管理する。ここで管理とは不用なデータは削除し、重要なデータはバックアップするなどの処理である。検索を高速化するためにインデックスなども重要である。尚、一般に記憶できる容量が制限されるので、この範囲でプライオリティーをつけて管理する。
(4)送信手段は送信先のメールアドレスおよび/または有限要素データファイルおよび/または登録の電子メールの識別名を記録した配信計画ファイルを読み込んで管理手段により有限要素データファイルを添付した登録の電子メールを検索するとともに、電子メールを配信計画ファイルの対応する送信先のメールアドレスに送信する。この場合の送信先はインターネットサーバーに登録したメールアドレスである。
(5)解析手段は、送信先のユーザーが送信された電子メールに添付の有限要素データファイルを請求項5に記載の有限要素解析装置に入力して、有限要素解析装置が解析を行う。尚、ユーザーが有限要素解析装置を設定するには、第1の発明の有限要素法解析法プロ不ラムのファイルをダウンロードなどで入手して、これをパソコンなどにインストールする。
複合有限要素では、要素単体でfrpの力学特性を表現することができる。複合有限要素の1個当たりの節点は、母材の有限要素のものと同じであるから、高強度材をトラス要素で近似した場合は両者は同じ未知数、梁で近似した場合は曲げの自由度が追加される。しかし、1万要素以上も三次元メッシュ分割する均質化法などと全体の未知数を比較すると、ゴミみたいなものなので、メールで配信しても負担をかけることは少ない。
次に、第5の発明について、説明する。近年は、世界的に普及した汎用の有限要素解析システムを用いて。種々のシミュレーションを行うことが一般化した。これは、利用者の多い任期製品にユーザーの利用経験や知識だけでなく、解析用の入力データや結果が蓄積して、これらをベンチマークテストとして信頼性が向上したからと考えられる。即ち、市販のソフトで簡単に利用できるロジックやモデルでないと、使ってもらえないことが考えられる。
複合有限要素は親要素と子要素から構成されるので、これらの親子要素を生成できれば、複合有限要素が処理できる。一般に汎用解析ソフトの有限要素はライブラリーとして殆どの要素が選択可能である。例えば、図4の場合は親要素を四角形二次元要素で、子要素を一次元のトラス要素または梁要素で流用することにより複合有限要素の生成および解析処理を実施できる。従がって、大学や企業などだけでなく、個人的に教育用の有限要素プログラムを利用して、簡単に複合材の解析ができる。
次に、第6の発明について、説明する。有限要素法解析法プロ不ラムはパソコンなどのコンピュータを使わなければ利用できない。そのために、コンピュータで読込み可能な電子ファイルとして、記録媒体に格納して配布することが出来る。
第1の発明の有限要素法解析方法は、母材と高強度材糸の各要素を一つの要素に統一することで母材と高強度材を同時に処理する複合有限要素を着想し、これを市販のFEM解析ソフトで利用できるように工夫したので、従来難解であった各種の複合材料の解析が可能になるという利点がある。
第2の発明の有限要素法解析装置は、母材と高強度材糸の各要素を一つの要素に統一することで母材と高強度材を同時に処理する複合有限要素を着想し、これを市販のFEM解析ソフトで利用できるように工夫したので、従来難解であった各種の複合材料の解析が可能になるという利点がある。
第3の発明の有限要素法解析方法は、母材の変形が高強度材の変形に追従するという合理的な仮定に基づき、全体の変形をマクロスケールの弾性解析で予測するとともに、単位要素の境界条件が規定された際のミクロスケール解析を、簡単なズーミング手法で塑性変形や破壊の発生が生じる場合にも解析できる。均質化法ではミクロスケールで非線形現象が発生すると、弾性解析に比べて計算量が格段に増加するので不便であることから、本発明のモデルは便利である。
第4の発明の解析サービスシステムは、複合有限要素による有限要素解析で利用した各種データをインターネットのメールサーバーに登録、管理、配信できるので、ユーザーはスマートフォンやインターネットに接続されたパソコンなどから必要なデータを受信して複合有限要素法による解析を実行できるという利点がある。そのため、教育用途やコンサルティング用途などに適用できるため、解析技術の普及に役立つ。
第5の発明の有限要素法解析方法は、市販ソフトや教育用ソフトなど既存のプログラムを利用して解析できるので、開発コスト、メンテナンスなど殆ど必要なく、合理的である。
第6の発明の有限要素法解析プログラムを記録した記録媒体は、第3の発明の解析サービスシステムを利用して、プログラムとデータをユーザーに配信できるので、手軽に利用できるという利点がある。
図1は有限要素法解析方法の実施方法を示した説明図である。 図2は有限要素法解析装置の実施方法を示した説明図である。 図3は有限要素法解析方法の実施方法を示した説明図である。 図4は有限要素法解析方法の実施方法を示した説明図である。 図5は有限要素法解析方法の実施方法を示した説明図である。 図6は解析サービスシステムの実施方法を示した説明図である。 図7は解析サービスシステムの実施方法を示した説明図である。 図8aは有限要素法解析方法により生成した有限要素メッシュの実施方法を示した説明図で、矢印は引張り方向、太線は子要素を、四角形は親要素を示しており、(1)は引張り方向と子要素に軸方向が0°と90°の場合、(2)は±45°の場合である。 図8bは有限要素法解析方法により生成した有限要素メッシュの実施方法を示した説明図で、矢印は引張り方向、太線は子要素を、四角形は親要素を示しており、(3)は引張り方向と子要素に軸方向が0°と90°の場合、(4)は±45°の場合である。 図9aは図8aに開示の問題に本開発の技術を適用した実施結果を示す説明図である。 図9bは図8aに開示の問題に本開発の技術を適用した実施結果を示す説明図である。図9aの縦軸の目盛り間隔を変更した。 図10aは図8bに開示の問題に本開発の技術を適用した実施結果を示す説明図である。 図10bは図8bに開示の問題に本開発の技術を適用した実施結果を示す説明図である。図10aの縦軸の目盛り間隔を変更した。 図11は3枚の一方向プリプレグを積層したcfrp引張り試験材で、上段が繊維方向をそろえて積層した場合、下段が中央だけを直角方向に積層した場合を示す。中央段は四角形で引張り試験材、矢印で引張り負荷の方向を示し、番号は記載されている側の素材に対する負荷条件番号である。 図12は、図11の条件のcfrpの引張り試験に関して、実験結果と解析結果の無次元負荷を比較して示す。 図13は公知の従来技術の実施方法を示した説明図である。コードAを、コードAの実体を形成するソリッド要素と、コードAに作用する張力に対してコードAの長手方向の伸び量を調整する軸トラス要素2aと、コードAの長手方向に対してコードAの円周方向に傾斜する螺旋状のトラス要素2であって、コードAに作用する張力に対してコードAの外表面上の節点3にコードAの円周方向の分力を生じさせる螺旋トラス要素2bとに分けて、モデル化する。 図14の(A)は複合体であるプライの断面斜視図、(B)はその有限要素モデルの分解斜視図である。 図15は公知の従来技術の実施方法を示した説明図である。マルチスケール有限要素解析のミクロモデルであり、推定で約12500個の有限要素から構成される。
課題をその最上流の発生源で対策するために複合有限要素を考案し、これを産業上の利用性の観点から市販のFEMソフトでの利用が可能な有限要素法解析方法とした。cfrpの強度設計のためには、母材樹脂の単独親有限要素に含まれる全ての2節点を結ぶ線分に高強度材糸のトラス要素またはビーム要素を生成して子有限要素とするとともに、複合要素の各要素の物性値に関して指定形状パターンまたは指定領域に従って高強度材が自動的に配置される。尚、高強度材糸を設定しない子要素は、物性値を零にするか、全体行列生成工程で処理から除外する。
以下に、図8aおよび図8bの実施例により、図9aおよび図9bの解析結果を中心に説明する。
<糸の個別引っ張りによる長繊維材の力学特性>
長手方向と幅方向に繊維を配向した矩形平板状の複合材の両側部を固定し、他の端部で個別に積層糸端部を糸方向に引っ張る。母材を極端に軟化させるとその糸は引っ張り方向に剛体変位し、糸の両側の要素が集中的に面内せん断される。これは非特許文献9に開示のプレス実験で観察の特定糸の剛体変位と近傍横糸のキンク発生の機構を説明する。また、母材シート単体の引張り試験で端部に均一応力と合力零の擾乱応力を負荷した場合に、端部幅と同寸法距離以上離れた位置に発生する応力は擾乱応力の影響を受けず均一応力となる。一方長繊維複合材料の場合、糸の剛体変位の効果でサンブナン原理が妥当し難いことが予測され、経験的にも適合する。
これは、図4左の二次元複合有限要素や図5左の三次元複合有限要素が材料力学的なモデルとして機能することを示唆する。材料力学はこの1世紀の間に殆ど変化はなく、従がって、直近の複合材料などを記述することができない。一方、複合有限要素は単独親要素内の任意の2節点を結ぶサイトが既知であるから、どのサイトに高強度材を配置するかパターン的に分類できる。また、未知数や負荷は有限要素法で規定されるから、これもパターン的に把握しやすい。そもそも、空間的な重複による誤差を無視して複合要素を採用すること自体が材料力学的なモデリングである。従がって、cfrpのように母材の剛性率が高強度材の百分の一という極端な場合は、材料力学的に高精度の近似が予測される。
<パターン選択によるプレ処理>
平織りのクロスを例に、図8aの(1)は繊維方法の引っ張りパターン、図8aの(2)は±45度方向の引張りパターンのFEメッシュを示す。前者は負荷前の糸が緊張状態と同じ直線で高負荷なのに対し、後者は糸の略剛体回転と母材の引っ張り方向伸び変位および直角方向収縮変位を許容するので低負荷を維持し、これらは非特許文献10に開示の実験結果とも整合する。また、キンク生成やサンブナン原理検証なども、図8aや図8bのメッシュで解析できる。
高強度材を円柱状の梁に置換し、梁の直径が一定であると仮定すると、高強度材の配置パターンとその体積分率を指定すれば、簡単な体積の数式から全ての幾何学的な条件が既知となる。これは、例えば配置パターン毎に体積分率と直径の関係が記述されるので、便利である。特に、構造格子状のメッシュでは、公式にすることも可能である。
<ネットワーク構造モデルによる高強度材料および母材の変形形状の予測>
前記したように、実材料の変形場を支配するのは主に高強度材であり、母材はこれに追従すると仮定すると、実材料を模した巨視的モデルやその一部を高精度に抽出した詳細モデルに関してもこの仮定が成立する。従って、実、巨視、詳細の各モデルで高強度材の変形予測精度の向上に留意すれば、高強度材のネットワークに着目してマルチスケール解析を実施できる。即ち、実材料の詳細モデルを巨視モデルの単位要素とし、巨視モデルの梁要素両端点と詳細モデルの高強度材両端部の中心点位置が同じになるように、両モデルの情報交換・変形制御を行う。提案のネットワーク構造モデルによる詳細解析では高強度材の変形に追従して母材が力学的・合理的に変形し、母材の変形誤差が高強度材のそれに収まることで高性能化の可能性が期待される。
<複合材料の各種物性による連成解析>
成形負荷や素材の変形特性は素材温度に依存するので、力学解析と熱応力解析の連成解析が予想され、本発明は計算処理量低減に寄与する。また、航空機の構造部材に求められる熱や電気および磁気の良導体として、親要素と子要素の各種物性を変化させて連成解析が有望である。
これは、実施例2のようにプリプレグを積層する構造の一般的な用途に対して、複合有限要素を自動生成できるので、市販ソフトではその有限要素の対象とする微分方程式の種類を選択するだけで、力学以外のマルチサイエンスが可能である。例えば、航空機は耐雷性が要求されるが、cfrpの場合にはグラファイト繊維は高良導体なので、少しの樹脂の改善で規格に適合させることができる。その改善効果を複合有限要素で概算することは、作業効率化に寄与する。同様に、グラファイト繊維は熱伝導性も良好なので、熱が一部に蓄積することが無く、伝熱設計などの最適化に複合有限要素に利用が好ましい。
図7は、本発明システムの1実施例の説明図であって、解析サービスシステムの装置構成を示す。サーバー62、63、64は典型的なインターネットサービスのコンピュータ構成であり、メールサーバー(アプリケーションサーバー)に機能を実現するとともに、セキュリティーの設定も考慮できる。尚、サーバーはクラウドコンピューティングによるものであっても良い。65は事業所内に設置されたLANであり、これを利用して各サーバーは繋がっている。66はインターネットまたはインターネットに接続されるLANであり、セキュリティーの関係から62のインターネットサーバーのみが接続される。また、インターネット66にはユーザー60の操作するクライアントコンピュータ61が複数繋がっており、61と62は地球の反対側であっても瞬時に情報交換が可能であり、ユーザーは所望の場所や時間に解析サービスを利用できるため、利便性が高い。
図11は、非特許文献11に開示のcfrpプリプレグを3枚積層した複合材引張り試験片を示す説明図であり、上段は一方向に配向した場合、下段は中央を直角方向に配向した場合、(1)から(5)は引張り負荷方向を矢印で示す方向にした。
図12は、横軸に各試験番号、縦軸に条件1番の値で無次元化した応力ひずみ線図の勾配をとり、濃い諧調で実験結果、薄い諧調で図4の左側に示す二次元複合要素を1個だけ用いてパターン指定で各番号の条件を繊維体積含有率と境界条件から自動計算した結果である。線形と仮定すれば、解析結果は合理的であるが、実験では破断荷重まで負荷するから樹脂の破壊の影響が非線形性を生じた可能性がある。
この結果から、通常の積層構造の複合材料には、発明の複合要素の利用が極めて便利であることから、材料力学の教科書に当該複合有限要素モデルを採用することで、工業高校、高専や小企業などにおける、最新の航空機、風車翼や鮎竿、ゴルフシャフト、マウンテンバイクなどの材料設計やその演習などに好適である。
尚、図12の解析は 非特許文献12の平面応力と平面梁のプログラムをサブルーチンとして、利用することで実施したので、簡潔で見通し良く短時間に作成できた。また、図5の三次元複合要素も作成し、二次元複合要素の結果図12と同じ結果を得ることが出来た。何れのプログラムも高強度材(繊維)のパターンと体積分率を入力することで、プリ処理の自動化を図ったので、工業高校の数学的知識があれば十分使いこなすことが可能である。
プリ処理として、図4に示す二次元複合要素の場合、子要素として三角形要素を選択することができる。この場合、母材親要素の物性、特に伝導パラメータを小に、子要素のそれを大に設定すると、各種の伝達量が子要素に集中するため簡易的に異方性を操作できる。また、図5の三次元複合要素の場合は、三角形要素、四角形要素、四面体要素などの子要素が選択できるので、異方性の操作の種類が格段に増加する。
また、これまでの説明では親要素や子要素に等方性としてきたように思われるが、請求項にはそのような制限はなく、当然ながら異方性要素を採用することができる。この場合、上記のように子要素を種々変化させることで、異方性の設定を複雑多様化できる。
更に、マルチスケール解析として簡素なズーミング法を解説したが、複合有限要素を周期配置することで均質化法も容易に利用できる。これは、複合有限要素が単独の要素として機能するので、通常に有限要素で出来る手法にこれを適用することは容易であることに起因する。
誤って母材樹脂の弾性定数を繊維と同程度にしたが、この場合はデータ入力の段階でEs/E=1なのでモデルの近似精度が悪いという警告がでたため、無駄な解析を実施しなくてすんだ。
mainのm-fileに入力用パラメータを直接変数に代入するコマンドを挿入して、実行した直後に記憶変数をsave file_nameで結果のテキストファイルとして出力した。そこでmainのm-fileと結果のテキストファイルをe-maileの添付ファイルとして、クラウドサービスのメールサーバーに自分宛で件名がわかるようにして蓄積した。m-fileはスマートフォンの専用アプリで処理できるので、wifiが繋がる場所でメールを呼び出して添付ファイルを実行することにより、簡単な解析が可能であった。
知人から解析を試してみたいとの希望があったので、m-fileの動作する専用アプリを紹介するとともに、蓄積したメールを転送して対応することができた。また、市販ソフトを有する機関から解析の仕方を問い合わせてきたので、上記と同様にm-fileの動作する専用アプリを紹介するとともに、蓄積したメールを転送して試行してもらった。プログラムのフローが判明したので、同じ問題をベンチマークテストとして、市販ソフトの入力データを工夫することにより、同じ解を再現できた。
高強度材の体積含有率が小でかつ子要素にトラス要素を適用した場合、合理的な変形であったので、体積含有率を大幅に増加させたら物理的に不合理な異常な変形が生じた。そこで、梁要素に変更したところ、合理的な解が得られた。このことから、四角形枠のようなトラス構造は三角形枠のものに比べてせん断変形を負荷し難いため不安定となりやすく、曲げの自由銅の増加という不利な面もあるが、梁要素を常に採用すれば安心である。特に高強度材の体積含有率が50%以上のfrp材では梁要素が不可欠といっても過言でない。
繊維強化複合材料frpは強い異方性を示すために、材料力学による強度評価では信頼性のある結果が得難かったが、本発明により複合材料に好適な複合有限要素による市販FEM解析ソフトを利用できるので、入門者にも使い易いやすいため、設計者や素材開発者にも製品の強度解析が可能になる。
u-nofiber-a 補強材が無い場合の図8aに例を示す繊維方向の引張りにおける引張り方向変位
v-nofiber-a 補強材が無い場合の図8aに例を示す繊維方向の引張りにおける引張り方向と垂直変位
u-woven-a 図8aの(1)に例を示す繊維方向の引張りにおける引張り方向変位
v-woven-a 図8aの(1)に例を示す繊維方向の引張りにおける引張り方向と垂直変位
u-woven2-a 図8aの(2)に例を示す繊維方向の±45°引張りにおける引張り方向変位
v-woven2-a 図8aの(2)に例を示す繊維方向の±45°引張りにおける引張り方向と垂直変位
u-rovingx-a 図8aの境界条件で一方向配行繊維の繊維方向引張りにおける引張り方向変位
v-rovingx-a 図8aの境界条件で一方向配行繊維の繊維方向引張りにおける引張り方向と垂直変位
u-rovingy-a 図8aの境界条件で一方向配行繊維の繊維方向と垂直引張りにおける引張り方向変位
v-rovingy-a 図8aの境界条件で一方向配行繊維の繊維方向と垂直引張りにおける引張り方向と垂直変位
nofiber-c 補強材が無い場合の図8bに例を示す繊維方向の引張りにおける引張り方向変位
woven-c 図8bの(3)に例を示す繊維方向の引張りにおける引張り方向変位
woven2-c 図8bの(4)に例を示す繊維方向の引張りにおける引張り方向変位
rovingx-c 図8bの境界条件で一方向配行繊維の繊維方向引張りにおける引張り方向変位
rovingy-c 図8bの境界条件で一方向配行繊維の繊維方向と主直引張りにおける引張り方向変位
A コード
2a 軸トラス要素
2b 螺旋トラス要素
3 コードAの外表面上の節点
60 ユーザー
61 クライアントのコンピュータまたはスマートフォン
62 インターネットサーバー(62,63,64でメールサーバーの機能、クラウドコンピューティングやレンタルサーバーでも良い)
63 アプリケーションサーバー
64 データベースサーバー
65 ローカルエリアネットワーク
66 インターネット

Claims (6)

  1. コンピュータが、解析モデルに対して有限要素法による解析を行う有限要素法解析方法であって、
    コンピュータが、ユーザの操作または入力ファイルの読み込みにより解析モデルの形状の定義、有限要素の種類の選択、メッシュ分割条件、要素の諸物性値と寸法、境界条件、ソルバー条件、結果の出力条件および解析条件に関する解析データを入力するデータ入力工程と、
    コンピュータが、該入力データにより解析領域を有限要素分割するメッシュ生成工程と、
    コンピュータが、生成された該メッシュに基づき各要素の行列を生成するとともに、解析領域全体の行列に組み込む全体行列生成工程と、
    コンピュータが、該入力データにより該全体行列に対して境界条件を設定してソルバー用全体行列を生成する境界条件設定工程と、
    コンピュータが、該ソルバー用全体行列に対してソルバーにより未知数および派生データを導出する求解工程と、
    コンピュータが、該求解工程による解析結果を出力する出力工程と、
    を有し、
    該有限要素が解析領域をメッシュ分割する親有限要素と、該親有限要素の任意の複数節点を角節点とする単数または複数の子有限要素から構成される複合有限要素であり、
    コンピュータが、該データ入力工程で、子要素と親要素の物性値の比率および/または予測誤差を求め、許容できない誤差が予測される場合に警告を出力して所望により解析を中断する機能を有し、
    コンピュータが、該入力データに基づき該複合要素を構成する該親要素および該子要素の物性値と該子要素の寸法を該複合要素のローカル要素番号に基づくパターン指定方式および/またはコネクティビティーに基づく検索による要素指定方式で実施する
    ことを特徴とする有限要素法解析方法。
  2. コンピュータが、解析モデルに対して有限要素法による解析を行う有限要素法解析装置であって、
    コンピュータが、ユーザの操作または入力ファイルの読み込みにより解析モデルの形状の定義、有限要素の種類の選択、メッシュ分割条件、要素の諸物性値と寸法、境界条件、ソルバー条件、結果の出力条件および解析条件に関する解析データを入力するデータ入力手段と、
    コンピュータが、該入力データにより解析領域を有限要素分割するメッシュ生成手段と、
    コンピュータが、生成された該メッシュに基づき各要素の行列を生成するとともに、解析領域全体の行列に組み込む全体行列生成手段と、
    コンピュータが、該入力データにより該全体行列に対して境界条件を設定してソルバー用全体行列を生成する境界条件設定手段と、
    コンピュータが、該ソルバー用全体行列に対してソルバーにより未知数および派生データを導出する求解手段と、
    コンピュータが、該求解手段による解析結果を出力する出力手段と、
    を有し、
    該有限要素が解析領域をメッシュ分割する親有限要素と、該親有限要素の任意の複数節点を角節点とする単数または複数の子有限要素から構成される複合有限要素であり、
    コンピュータが、該データ入力手段で、子要素と親要素の物性値の比率および/または予測誤差を求め、許容できない誤差が予測される場合に警告を出力して所望により解析を中断する機能を有し、
    コンピュータが、該入力データに基づき該複合要素を構成する該親要素および該子要素の物性値と該子要素の寸法を該複合要素のローカル要素番号に基づくパターン指定方式および/またはコネクティビティーに基づく検索による要素指定方式で実施する
    ことを特徴とする有限要素法解析装置。
  3. マクロスケールモデル、メソスケールモデル、およびミクロスケールモデルからなる有限要素法解析方法であって、
    コンピュータが、該メソスケールモデルを該複合有限要素でモデル化して請求項1に記載の有限要素法解析方法でマクロスケールモデルの解析を実施することによりマクロスケールの結果を得るマクロ解析工程と、
    コンピュータが、任意の該複合有限要素を解析領域として定義して所望の個数の有限要素で所望のミクロ構造のメッシュ分割をするミクロメッシュ生成工程と、
    該複合有限要素の該子要素に対応する該ミクロメッシュの有限要素節点に該子要素の該マクロスケールの結果を補間して境界条件として設定するミクロ境界条件設定工程と、
    コンピュータが、ソルバーにより未知数および派生データを導出するミクロ求解工程と、
    コンピュータが、該ミクロ求解工程による解析結果を出力するミクロ出力工程とからなる
    ことを特徴とする有限要素法解析方法。
  4. コンピュータが、請求項1のデータファイルに対してインターネットを介してサーバーに登録および管理および配信を行う解析サービスシステムであって、
    請求項1に記載の有限要素解析方法の該データ入力工程、該メッシュ生成工程、該全体行列生成工程、該境界条件設定工程、該求解工程、該出力工程で処理した処理データの一部または全部をコンピュータ読み取り可能な記録媒体に有限要素データファイルとして記録する記録手段と、
    コンピュータが、該記録媒体から該有限要素データファイルを入力して識別名を付した電子メールに添付するとともに、インターネットを介してサーバーに送信および登録する登録処理手段と、
    コンピュータがインターネットを介して該サーバーに登録の電子メールを検索して該登録の電子メールに添付された該有限要素データファイルを管理する管理手段と、
    コンピュータが、送信先のメールアドレスおよび/または該有限要素データファイルおよび/または該登録の電子メールの識別名を記録した配信計画ファイルを読み込んで該管理手段により該有限要素データファイルを添付した該登録の電子メールを検索するとともに、該電子メールを該配信計画ファイルの対応する該送信先のメールアドレスに送信する送信手段と、
    該送信先のユーザーが送信された該電子メールに添付の該有限要素データファイルを請求項1および/または請求項3に記載の有限要素解析方法に基づく有限要素法解析装置または請求項2に記載の有限要素法解析装置に入力して、該有限要素解析装置が解析を行う解析手段、
    とからなることを特徴とする解析サービスシステム。
  5. 汎用解析ソフトの有限要素を該親有限要素および/または該子要素に流用することにより該複合有限要素の生成および解析処理を実施することを特徴とする、請求項1および請求項3に記載の有限要素法解析方法。
  6. 請求項1に記載の有限要素法解析プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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