JP6756791B2 - タンパク質検出装置およびタンパク質検出方法 - Google Patents
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Description
ELISA法を実施する装置では、通例、多数(例えば96個)のウェルを設けたマルチウェルプレートが用いられている。すなわち、各ウェルに固相化されたキャプチャー抗体に、抗原を含む測定試料を加え、固相化されたキャプチャー抗体に抗原が結合するまで所定時間、放置している。
また、請求項2のように、前記磁気吸引機構は、オンオフされる電磁コイル(6)を含んでいてもよい。
図1は本発明の一実施形態のタンパク質検出装置1の断面図であり、図2はカートリッジ60の平面図である。まず、図2を参照して、カートリッジ60は、抗原抗体反応を行わせるための透光可能な一対の反応容器61と、各反応容器61に一次抗体(キャプチャー抗体)を含む一次抗体含有液をそれぞれ供給する一対の一次抗体含有液供給路62と、各反応容器61に第1洗浄液をそれぞれ供給する一対の第1洗浄液供路63と、各反応容器61に二次抗体(酵素標識抗体)を含む二次抗体含有液をそれぞれ供給する二次抗体含有液供給路64とを備えている。
本実施形態では、各反応容器61に、検出対象タンパク質である抗原を含むであろう各別の試料液を投入した状態で、カートリッジ60をタンパク質検出装置1にセットする例に則して説明する。したがって、本実施形態では、試料供給路67は利用されない。
図2および図3に示すように、各供給路62,63,64,65,66,67の一端に、それぞれ対応する液体を挿入する液体挿入孔62a,63a,64a,65a,66a,67aが設けられている。
本実施形態では、試料供給路67を利用しないが、試料供給路67を利用する場合(カートリッジ60のセット後に反応容器61に試料を供給する場合)には、一方の反応容器61に通ずる試料供給路67と他方の反応容器61に通ずる試料供給路67とは、互いに別のタンク306,307から各別のポンプ106,107により各別のチューブ72を介して各別の試料が供給されることになる。各供給路62〜67の他端は、対応する反応容器61にそれぞれ連通する共通供給路75に接続している。
青色LED14(第1発光素子)の発する青色光B(第1照射光)は、後述する酵素反応による発色基質(の反応物)の色変化により吸光度が変化する。
また、光学機構4は、ベース7に固定されたアーム30により支持された光路形成ブロック17を備えている。アーム30は、光路形成ブロック17の下面17aとベース7のとの間に介在している。また、光路形成ブロック17の上面17bは、第2支持板10の下面10aに沿わされている。光路形成ブロック17内の光路形成孔に、光路形成筒31が嵌合されている。光路形成ブロック17の上面17bから、第2支持板10の挿通孔を挿通して光路形成筒31の一部が突出している。
光路形成ブロック17には、透過光路TK上に配置されて、青色LED14(第1発光素子)からの青色光B(第1照射光)を透過させ、且つ赤色LED18(第2発光素子)から透過光路TKに対して直交する方向から入射する赤色光R(第2照射光)を透過光路TKの下流側に導くダイクロイックミラー19が固定されている。
図4を参照して、加振機構5は、ホルダ22により保持された加振源としての超音波発振子23と、超音波発振子23に固定され超音波発振子23からの超音波を伝達する超音波ホーン24とを備えている。超音波ホーン24は、透過光路TKの一部を通過させる中心孔24aを有する筒状部材からなり、透過光路TKの一部を取り囲む環状をなしている。超音波ホーン24の端部には、カートリッジ60の反応容器61の円錐テーパ状の周側壁77に沿う円錐テーパ状の伝達面24bが形成されている。
圧縮コイルばね25の固定端25aは、第2支持板10の上面10bの例えば凸部からなる係止部に固定されている。圧縮コイルばね25の可動端25bは、ホルダ22の下面22cの例えば凹部からなる係止部27に係止されている。
ホルダ22の中心孔は、透過光路TKを形成する光路形成筒31の上端に光路形成筒31の長手方向に摺動可能に嵌合されている。
ECU40は、超音波発振子23を駆動する駆動部45と、電磁コイル6を駆動する駆動部46と、表示部44を駆動する駆動部47と、青色LED14を駆動する駆動部48と、赤色LED18を駆動する駆動部49と、各ポンプモータ201〜207をそれぞれ駆動する駆動部401〜407とを備えている。
ECU40は、操作部43からの信号を入力して検査工程を制御する工程制御部51を備えている。工程制御部51は、操作部43からの信号に応じて対応する駆動部45〜47を介して超音波発振子23、電磁コイル6および表示部44を制御する。また、ECU40は、工程制御部51からの信号に応じて色変化検出部50を動作させる。色変化検出部50は、色変化検出段階において、青色LED14と赤色LED18とをそれぞれ駆動するように対応する駆動部48,49に駆動信号を出力する。
ステップS1では、一方の反応容器61に抗原(検出対象タンパク質)を含む試料液が投入され、他方の反応容器61に抗原を含まないブランク液が投入されたカートリッジ60を装置本体3の保持部2にセットすることを要求する内容のメッセージと、セット後にYESスイッチ43aをオンすることを要求する内容のメッセージとを表示部44に表示させる。そのメッセージは、例えば、「カートリッジをセットし、セット後、YESスイッチを押して下さい。」である。
ステップS2では、操作者によるYESスイッチ43aの押下を待ち、ステップS2において、YESスイッチ43aのオンの入力が確認されると(ステップS2においてYES)、ステップS3に進む。
ステップS4では、第1ポンプ101が駆動されて、第1タンク301に収容された一次抗体含有液82が、図7(a)に示すように、反応容器61に供給される(一次抗体供給工程に相当)。一次抗体81は、一次抗体含有液82に含まれる多数の磁性ビーズ83の表面に予め固相化されている。
次いで、ステップS8では、第3ポンプ103(第3ポンプモータ203)を駆動し、酵素で標識された酵素標識抗体である二次抗体を含む二次抗体含有液を反応容器61に供給する(二次抗体含有液供給工程に相当)。
すなわち、加振により、反応容器61内で二次抗体(酵素標識抗体)が、一次抗体81(キャプチャー抗体)に結合した抗原を認識し、認識した抗原に結合することが促進される(抗原認識工程に相当)。
次いで、ステップS11では、第5ポンプ105(第5ポンプモータ205)を駆動し、第5タンク305から、前記標識酵素の酵素基質である発色基質を含む発色基質含有液を反応容器61に供給する(発色基質供給工程に相当)。
次いで、ステップS13において、光学機構4を駆動し、発色後の各照射光B,Lの受光量を検出する。具体的には、磁気吸引機構としての電磁コイル6をオンし、磁気吸引力により、図8に示すように、磁性ビーズ83を反応容器61の底壁76(第1部分)から退避させて(すなわち透過光路TKから退避させて)周側壁77(第2部分)に保持した状態で、光学機構4を駆動する。
次いで、ステップS14において、測定n回目における色変化の程度An(吸光度の変化に相当)を、下記式(1)に基づいて算出する。
次いで、ステップS15において、検出した色変化の程度Anを閾値F1と比較する。ステップS15において、検出した色変化の程度Anが閾値F1を以上である(An≧F1)と判断された場合(ステップS15においてYESの場合)には、ステップS16に進んで、表示部44に、例えば「抗原が検出されました」等、抗原検出の旨を表示した後、処理を終了する。
本実施形態によれば、カートリッジ60を装置本体3の保持部2に保持したままで、抗原抗体反応の促進や洗浄の促進のために反応容器61を加振することができるので、検査効率が格段に向上する。また、加振機構5が、透過光路TKを取り囲む環状をなして配置されるので、小型化を達成することができる。
また、反応容器61の円錐テーパ状の周側壁77に、加振機構5の超音波ホーン24の円錐テーパ状の伝達面24bを沿わせることで、小型でも広い面積の伝達面24bを得て強力な加振を行うことができる。
また、光学機構4において、第1発光素子(青色LED14)と第2発光素子(赤色LED18)とを交互に間欠的に発光させて、第1照射光(青色光B)および第2照射光(赤色光R)を共通の検出用受光素子15と共通の補正用受光素子20とで受光するので、構造を簡素化して装置を小型化することができる。
次いで、図9および図10は本発明の参考形態を示している。図9および図10に示す本参考形態が、図4の第1実施形態と主に異なるのは、図4の実施形態では、磁気吸引機構としてオンオフ制御される電磁コイル6を用いるのに対して、本参考形態では、図9および図10に示すように、環状の永久磁石6Aと永久磁石6Aを変位させる駆動部材としてのソレノイド94とを含む磁気吸引機構を用いている点にある。
また、永久磁石6Aを図12に示すように第2部分(環状部762)に対して近接する位置と、図9に示すように第2部分(環状部762)から離隔させる位置とに移動させせるように、ECU40が、ソレノイド94を駆動制御する。
図9および図10の参考形態の構成要素において、図4の実施形態と同じ構成要素には、図4の実施形態の構成要素の参照符号と同じ参照符号を付してある。
また、色変化の程度An’(吸光度の変化に相当)を常用対数の式である下記式(2)に基づいて算出してもよい。
また、前記実施形態では、各工程が自動で実施されたが、各種の液を供給する工程において、表示部の表示される指示にしたがって、操作者が、手動で液を供給した後、送りスイッチを押下して、次の指示を待つものであってもよい。
また、表示部の少なくとも一部として、抗原が検出された場合に、その旨を点灯により表示するランプを用いてもよい。
Claims (3)
- ELISA法を用いるタンパク質検出装置であって、
表面に一次抗体が固相化された多数の磁性ビーズが分散された液が収容される反応容器であって透光可能な上下方向に延びる透過光路が中央部を通過する底壁と前記底壁を取り囲み上方に向かって前記透過光路を中心とする円錐テーパ状に拡がる周側壁とを有する反応容器の、前記透過光路に沿って照射光を照射する発光部と、前記透過光路を介して前記照射光を受光する受光部と、を含み、前記受光部の受光量に基づいて液吸光度を測定するための光学機構と、
前記磁性ビーズを磁気吸引することにより前記磁性ビーズを前記反応容器において前記透過光路から退避させて前記反応容器において退避させる部分としての前記周側壁に保持する磁気吸引機構と、を備え、
前記磁気吸引機構が、前記周側壁の外側方の下方に配置され、
上方に向かって前記円錐テーパ状に拡がる前記周側壁の傾斜によって、前記周側壁の上部と前記磁気吸引機構との距離が、前記周側壁の下部と前記磁気吸引機構との距離に近づけられた状態で、前記磁気吸引機構が、磁気吸引した前記磁性ビーズを、前記周側壁の下部から上部にわたる部分に退避させて保持する、タンパク質検出装置。 - 請求項1に記載のタンパク質検出装置において、前記磁気吸引機構は、オンオフされる電磁コイルを含むタンパク質検出装置。
- ELISA法を用いるタンパク質検出方法であって、
表面に一次抗体が固相化された多数の磁性ビーズが分散された液が収容される反応容器であって透光可能な上下方向に延びる透過光路が中央部を通過する底壁と前記底壁を取り囲み上方に向かって前記透過光路を中心とする円錐テーパ状に拡がる周側壁とを有する反応容器の、前記透過光路に沿って光学機構の発光部から照射された照射光を前記透過光路を介して光学機構の受光部で受光し、前記受光部の受光量に基づいて液吸光度を測定する工程を含み、
該工程では、前記磁性ビーズを前記周側壁の外側方の下方に配置される磁気吸引機構によって磁気吸引することにより前記磁性ビーズを前記反応容器において前記透過光路から退避させて前記反応容器において退避させる部分としての前記周側壁の下部から上部にわたる部分に保持するように構成されている、タンパク質検出方法。
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