JP6410422B2 - タンパク質検出装置およびタンパク質検出方法 - Google Patents

タンパク質検出装置およびタンパク質検出方法 Download PDF

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Description

本発明はタンパク質検出装置およびタンパク質検出方法に関する。
生物学的試料に特定蛋白質が存在するか否かを測定する方法として、ELISA(Enzyme-Linked Immunosorbent Assay )法が知られている。
ELISA法を実施する装置では、通例、多数(例えば96個)のウェルを設けたマルチウェルプレートが用いられている。すなわち、各ウェルに固相化されたキャプチャー抗体に、抗原を含む測定試料を加え、固相化されたキャプチャー抗体に抗原が結合するまで所定時間、放置している。
一方、少なくとも1つの凹部に抗原または抗体が結合可能な固相がセットされている試薬カートリッジを用いる検査装置であって、試料ホルダと、試薬カートリッジおよび測定キュベットの固定具と、ピペット装置と、測定キュベット内の光学変化を検出する光学ユニットと、ピペット装置のピペットを洗浄する洗浄ユニット等をレイアウトした検査装置が提案されている(例えば特許文献1を参照)。
特表2013−509572号公報
一般に、抗原抗体反応には長時間(例えば1昼夜)を要する。
そこで、検査装置から取り外したマルチウェルプレート等を、検査装置外の加振装置にセットして加振することより、抗原抗体反応の効率を上げることが考えられる。
しかしながら、マルチウェルプレート等を検査装置から取り外して加振装置にセットし、加振後に加振装置から取り外したマルチウェルプレート等を検査装置に再セットするという面倒な作業が必要であり、検査効率が悪くなる。
仮に、加振装置を検査装置に装備する場合、検査装置が大型化するおそれがある。
そこで、本発明の目的は、小型で且つ検査効率の高いタンパク質検出装置を提供することであり、また、装置の小型化に寄与でき検査効率の高いタンパク質検出方法を提供することである。
前記目的を達成するため、請求項1の発明は、透光可能な透過光路(TK)と前記透過光路が通過する第1部分(76;761)と前記第1部分を取り囲む第2部分(77;762)とを有する反応容器(61)であって、表面に一次抗体(81)が固相化された多数の磁性ビーズ(83)が分散された液が収容される反応容器の、前記透過光路を取り囲む環状をなし前記反応容器に超音波を伝達して前記反応容器を加振する加振機構(5)と、前記磁性ビーズを磁気吸引することにより、前記磁性ビーズを前記第1部分から退避させて前記第2部分に保持する磁気吸引機構(6)と、前記透過光路に沿って照射光を発する発光部(14,18)と、前記透過光路の終端に配置され前記透過光路を介して前記照射光を受光する受光部(15)と、を含む光学機構(4)と、前記反応容器内での抗原抗体反応の程度を発色基質による色変化の程度として検出する色変化検出部(50)と、を備え、前記光学機構は、前記色変化により吸光度が変化する第1照射光(B)を発する前記発光部としての第1発光素子(14)と、前記色変化により吸光度が変化しない第2照射光(R)を発する前記発光部としての第2発光素子(18)と、前記透過光路の終端に設けられた前記受光部としての検出用受光素子(15)と、を含み、前記色変化検出部は、(Bn /B0)の値と(Rn/R0)の値との比較に基づいて色変化の程度を算出するタンパク質検出装置(1)を提供する。
ただし、Bnは、色変化後の前記検出用受光素子による第1照射光の検出受光量であり、B0は、色変化前の前記検出用受光素子による第1照射光の検出受光量に相当する基準値であり、Rnは、色変化後の前記検出用受光素子による第2照射光の検出受光量であり、R0は、色変化前の前記検出用受光素子による第1照射光の検出受光量に相当する基準値である。
なお、括弧内の英数字は、後述する実施形態における対応構成要素等を表すが、このことは、むろん、本発明がそれらの実施形態に限定されるべきことを意味するものではない。以下、この項において同じ
また、請求項のように、前記磁気吸引機構は、オンオフされる電磁コイル(6)を含んでいてもよい。
また、請求項のように、前記磁気吸引機構は、前記第2部分に対する距離を変更可能な永久磁石(6A)と、前記永久磁石を前記第2部分に対して遠近させる駆動部材(94)と、を含んでいてもよい。
また、請求項4の発明は、透光可能な反応容器の透過光路を取り囲む環状をなし前記反応容器に超音波を伝達して前記反応容器を加振する加振機構と、前記透過光路に沿って照射光を発する発光部と、前記透過光路の終端に配置され前記透過光路を介して前記照射光を受光する受光部と、を含む光学機構と、前記反応容器内での抗原抗体反応の程度を発色基質による色変化の程度として検出する色変化検出部と、を備え、前記反応容器は、底壁(76;76A)と、前記底壁を取り囲む円錐テーパ状の周側壁(77)と、を有し、前記加振機構は、前記透過光路を取り囲む環状をなす加振源としての超音波発振子(23)と、前記透過光路を取り囲む環状をなし前記超音波発振子からの超音波を伝達する超音波ホーン(24)と、を含み、前記超音波ホーンは、前記周側壁に沿う円錐テーパ状の伝達面(24b)を含み、前記光学機構は、前記色変化により吸光度が変化する第1照射光(B)を発する前記発光部としての第1発光素子(14)と、前記色変化により吸光度が変化しない第2照射光(R)を発する前記発光部としての第2発光素子(18)と、前記透過光路の終端に設けられた前記受光部としての検出用受光素子(15)と、を含み、前記色変化検出部は、(Bn /B0)の値と(Rn/R0)の値との比較に基づいて色変化の程度を算出するタンパク質検出装置(1)を提供する。
ただし、Bnは、色変化後の前記検出用受光素子による第1照射光の検出受光量であり、B0は、色変化前の前記検出用受光素子による第1照射光の検出受光量に相当する基準値であり、Rnは、色変化後の前記検出用受光素子による第2照射光の検出受光量であり、R0は、色変化前の前記検出用受光素子による第1照射光の検出受光量に相当する基準値である。
また、請求項5のように、前記反応容器を有するカートリッジ(60)を取り外し可能に保持する保持部(2)を含む装置本体(3)と、前記装置本体によって支持されて前記加振機構を支持する弾性部材(25)を備えていてもよい。
また、請求項6の発明は、透光可能な反応容器の透過光路を取り囲む環状をなし前記反応容器に超音波を伝達して前記反応容器を加振する加振機構と、前記反応容器の前記透過光路に沿って照射光を発光する発光部と、前記透過光路の終端に配置され前記透過光路を介して前記照射光を受光する受光部と、を含む光学機構と、前記反応容器内での抗原抗体反応の程度を発色基質による色変化の程度として検出する色変化検出部と、前記光学機構および前記加振機構の動作を制御する制御部と、を備え、前記光学機構は、前記色変化により吸光度が変化する第1照射光(B)を発する前記発光部としての第1発光素子(14)と、前記色変化により吸光度が変化しない第2照射光(R)を発する前記発光部としての第2発光素子(18)と、前記透過光路の終端に設けられた前記受光部としての唯一の検出用受光素子(15)と、を含み、前記制御部は第1発光素子と第2発光素子とを交互に発光させ、前記色変化検出部は、(Bn /B0)の値と(Rn/R0)の値との比較に基づいて色変化の程度を算出するタンパク質検出装置を提供する。
ただし、Bnは、色変化後の前記検出用受光素子による第1照射光の検出受光量であり、B0は、色変化前の前記検出用受光素子による第1照射光の検出受光量に相当する基準値であり、Rnは、色変化後の前記検出用受光素子による第2照射光の検出受光量であり、R0は、色変化前の前記検出用受光素子による第1照射光の検出受光量に相当する基準値である。
た、請求項の発明は、発光部からの照射光を透光可能な透過光路と前記透過光路が通過する第1部分と前記第1部分を取り囲む第2部分とを有する反応容器に対して前記透過光路を取り囲む環状をなす加振機構により超音波を伝達して前記反応容器を加振しつつ、前記反応容器内で液中に分散された多数の磁性ビーズの表面に固相化された一次抗体に抗原を結合させる一次抗体結合工程と、前記一次抗体結合工程の後で、前記加振機構により前記反応容器を加振しつつ、前記反応容器内で前記一次抗体に結合された前記抗原に二次抗体を結合させる二次抗体結合工程と、前記二次抗体結合工程の後で、前記加振機構により前記反応容器を加振しつつ、前記抗原に結合された前記二次抗体と発色基質とを反応させる発色工程と、前記発色工程の後で、前記磁性ビーズを磁気吸引することにより、前記磁性ビーズを前記第1部分から退避させた状態で、前記反応容器内での抗原抗体反応の程度を色変化の程度として検出する色変化検出工程と、を含み、前記色変化検出工程では、前記色変化によって吸光度が変化する第1照射光を前記透過光路に沿って発する前記発光部としての第1発光素子と、前記色変化によって吸光度が変化しない第2照射光を前記透過光路に沿って発する前記発光部としての第2発光素子と、前記透過光路の終端に設けられた受光部としての検出用受光素子とが用いられ、(Bn /B0)の値と(Rn/R0)の値との比較に基づいて色変化の程度が算出されるタンパク質検出方法。
ただし、Bnは、色変化後の前記検出用受光素子による第1照射光の検出受光量であり、B0は、色変化前の前記検出用受光素子による第1照射光の検出受光量に相当する基準値であり、Rnは、色変化後の前記検出用受光素子による第2照射光の検出受光量であり、R0は、色変化前の前記検出用受光素子による第1照射光の検出受光量に相当する基準値である。
請求項1の発明によれば、抗原抗体反応の促進や洗浄の促進のために反応容器を超音波で加振することができるので、検査効率が格段に向上する。また、加振機構が、透過光路を取り囲む環状をなして配置されるので、小型化を達成することができる。
また、色変化を検出する段階で、磁気吸引した磁性ビーズを透過光路が通過する第1部分から退避させて第2部分に保持しておくことにより、発光部からの照射光を磁性ビーズに邪魔されることなく受光部で受光して、色変化を精度良く検出することができる。また、洗浄液で反応容器を洗浄をするときに、磁性ビーズを磁気吸引して第2部分に保持しておくことができる。
また、色変化により吸光度が変化する第1照射光の受光量の変化と、色変化により吸光度が変化しない第2照射光の受光量の変化との比較に基づいて、色変化を検出する。したがって、外乱の影響を抑制して、色変化を精度良く検出でき、精度の良い抗原検出が可能となる。
また、請求項の発明によれば、電磁コイルのオンオフにより、容易に、磁性ビーズを第1部分から退避させたり、退避を解除したりすることができる。
また、請求項の発明によれば、第2部分に対して永久磁石による強力な磁場を作用させて、磁性ビーズを確実に第1部分から退避させて第2部分に保持することができる。
また、請求項の発明によれば、反応容器の円錐テーパ状の周側壁に、超音波ホーンの円錐テーパ状の伝達面を沿わせることで、小型でも広い面積の伝達面を得て強力な加振を行うことができる。
また、請求項5の発明によれば、カートリッジを装置本体の保持部に保持したままで、抗原抗体反応の促進や洗浄の促進のために反応容器を加振することができるので、検査効率が格段に向上する。寸法精度のばらつきに拘らず、超音波ホーンの伝達面を反応容器の周側壁に確実に面接触させて十分な加振を行い、確実に反応効率や洗浄効率を向上させて、検査効率を向上することができる。
また、請求項6の発明によれば、第1発光素子と第2発光素子とを交互に発光させて、第1照射光および第2照射光を共通の検出用受光素子で受光するので、構造を簡素化して装置を小型化することができる。
また、色変化により吸光度が変化する第1照射光の受光量の変化と、色変化により吸光度が変化しない第2照射光の受光量の変化との比較に基づいて、色変化を検出する。したがって、外乱の影響を抑制して、色変化を精度良く検出でき、精度の良い抗原検出が可能となる。
請求項の発明方法によれば、抗原抗体反応の促進や洗浄の促進のために、透過光路を取り囲む環状をなして配置される加振機構を用いて反応容器を超音波で加振することで、小型のスペースで検査効率を向上することができる。また、色変化検出工程において、磁気吸引した磁性ビーズを透過光路が通過する第1部分から退避させて第2部分に保持しておくことにより、発光部からの照射光を磁性ビーズに邪魔されることなく受光部で受光して、色変化を精度良く検出することができる。また、色変化により吸光度が変化する第1照射光の受光量の変化と、色変化により吸光度が変化しない第2照射光の受光量の変化との比較に基づいて、色変化を検出する。したがって、外乱の影響を抑制して、色変化を精度良く検出でき、精度の良い抗原検出が可能となる。
本発明の一実施形態のタンパク質検出装置の概略構成の断面図である。 カートリッジの平面図であり、カートリッジの各供給路に対応する液を供給する供給系統が模式的に示されている。 装置本体にセットされたカートリッジの要部の断面と供給系統を示す模式図である。 タンパク質検出装置の要部の拡大断面図である。 タンパク質検出装置の電気的構成を示すブロック図である。 抗原検出のフローチャートである。 (a)は一次抗体含有液が供給された反応容器の模式的断面図であり、(b)は磁性ビーズの要部の拡大模式図である。 磁気吸引状態の反応容器とその周辺の断面図である。 本発明の別の実施形態のタンパク質検出装置の要部の拡大断面図であり、磁気吸引機構に可動の永久磁石を用いる例において、永久磁石が第2部分(環状部)から離隔した状態を示している。 図9の実施形態において、タンパク質検出装置の要部の拡大断面図であり、永久磁石が第2部分(環状部)に近接した状態を示している。
本発明の実施形態を添付図面を参照しつつ説明する。
図1は本発明の一実施形態のタンパク質検出装置1の断面図であり、図2はカートリッジ60の平面図である。まず、図2を参照して、カートリッジ60は、抗原抗体反応を行わせるための透光可能な一対の反応容器61と、各反応容器61に一次抗体(キャプチャー抗体)を含む一次抗体含有液をそれぞれ供給する一対の一次抗体含有液供給路62と、各反応容器61に第1洗浄液をそれぞれ供給する一対の第1洗浄液供路63と、各反応容器61に二次抗体(酵素標識抗体)を含む二次抗体含有液をそれぞれ供給する二次抗体含有液供給路64とを備えている。
また、カートリッジ60は、各反応容器61に第2洗浄液を含む第2洗浄液をそれぞれ供給する第2洗浄液供給路65と、各反応容器61に酵素標識抗体の標識酵素の酵素基質である発色基質を含む発色基質含有液をそれぞれ供給する一対の発色基質含有液供給路66と、各反応容器61に試料を供給する試料供給路67とを備えている。
本実施形態では、各反応容器61に、検出対象タンパク質である抗原を含むであろう各別の試料液を投入した状態で、カートリッジ60をタンパク質検装置1にセットする例に則して説明する。したがって、本実施形態では、試料供給路67は利用されない。
なお、予め、一方の反応容器61に、検出対象タンパク質である抗原を含む試料液を投入し、他方の反応容器61には、検出対象タンパク質である抗原を含む試料液しない状態(すなわち、抗原を含まないブランク液を投入した状態)で、カートリッジ60をタンパク質検出装置1にセットするようにしてもよい。また、カートリッジ60をタンパク質検装置1にセットした後で、各試料供給路67を通して、各別の試料を供給するようにしてもよい。
また、カートリッジ60は、各反応容器61からそれぞれ排出路68を介して排出される廃液を貯蔵する共通の廃液貯蔵部69を有している。廃液貯蔵部69の底部には、排気用バルブ(図示せず)に連通する排気口69aが設けられている。
図2および図3に示すように、各供給路62,63,64,65,66,67の一端に、それぞれ対応する液体を挿入する液体挿入孔62a,63a,64a,65a,66a,67aが設けられている。
図3に示すように、各液体挿入孔62a〜67aは、カートリッジ60の底面から突出する凸部70を挿通して、カートリッジ受け板12を挿通する対応する液路71および対応するチューブ72を介して対応するポンプ(第1ポンプ101、第2ポンプ102、第3ポンプ103、第4ポンプ104、第5ポンプ105、第6ポンプ106および第7ポンプ107)に接続されている。
各ポンプ(第1ポンプ101〜第7ポンプ107)は、制御部としてのECU40(Electronic Control Unit :電子制御ユニット)によって駆動制御される対応するポンプモータ(第1ポンプモータ201〜第7ポンプモータ207)によって駆動されて、対応する液を収容した対応するタンク(第1タンク301〜第6タンク307)から、対応する液を吸入し、対応する供給路62〜67側へ排出する。
図2に示すように、一方の反応容器61に通ずる各供給路62〜65と、他方の反応容器61に通ずる対応する供給路62〜65とに対しては、共通のタンク301〜305から共通のポンプ101〜105から中途で二股に分岐するチューブ72を介して、共通の液が供給される。
本実施形態では、試料供給路67を利用しないが、試料供給路67を利用する場合(カートリッジ60のセット後に反応容器61に試料を供給する場合)には、一方の反応容器61に通ずる試料供給路67と他方の反応容器61に通ずる試料供給路67とは、互いに別のタンク306,307から各別のポンプ106,107により各別のチューブ72を介して各別の試料が供給されることになる。各供給路62〜67の他端は、対応する反応容器61にそれぞれ連通する共通供給路75に接続している。
図3に示すように、凸部70は、カートリッジ受け板12の上面12aに設けられた凹部73に嵌合されている。凸部70の基端の周囲に嵌合されたOリング等のシール部材74によって、カートリッジ60の下面とカートリッジ受け板12の上面12aとの間が封止されている。これにより、各液路71から対応する液挿入孔62a〜67aに漏れなく、対応する液体を挿入できるようになっている。
図7(a),(b)に示すように、一次抗体(キャプチャー抗体)81は、反応容器61内に供給される一次抗体含有液82中に分散された無数の磁性ビーズ83の表面に固相化されている。磁性ビーズ83は、磁性粉を含有する合成樹脂材料により形成されている磁性ビーズ83の表面83aに一次抗体81が固相化されている。磁性ビーズの直径は、例えば直径0.1〜10μmであり、より好ましくは、0.1〜3μmである。図2を参照して、一次抗体含有液82は、第1タンク301からチューブ7、一次抗体含有液供給路62および共通供給路75を介して、反応容器61に供給される。
拡大断面図である図4に示すように、反応容器61は、後述する透過光路TKが通過する第1部分としての底壁76と、底壁76を取り囲む第2部分としての円錐テーパ状の周側壁77とを有している。カートリッジ60は、アクリル樹脂、ポリエチレン樹脂およびポリプロピレン樹脂等の樹脂で全体が透明に形成されている。ただし、反応容器61のみを透光可能としたり、反応容器61の一部(例えば図3の底壁76または底壁76の中央部)のみを透光可能としてもよい。
図1を参照して、タンパク質検出装置1は、カートリッジ60を取り外し可能に載置する例えば凹部である保持部2を有する装置本体3と、装置本体3によって支持された光学機構4と、装置本体3によって支持された加振機構5と、装置本体3によって支持された磁気吸引機構としての電磁コイル6と、光学機構4、加振機構5および電磁コイル6の動作を制御する制御部としてのECU0(Electronic Control Unit :電子制御ユニット)とを備えている。
装置本体3は、ベース7と、ベース7に固定された前後左右の側枠8と、側枠8によって支持された第1支持板9と、第1支持板9の下方に配置されて第1支持板9に対向する第2支持板10と、第1支持板9上に固定され、上面12aにカートリッジ60を収容保持する凹部からなる保持部2を形成したカートリッジ受け板12と、保持部2に保持されたカートリッジ60を押さえるようにカートリッジ受け板12の上面12aに取り外し可能に固定されるカートリッジ押さえ板13とを備えている。
光学機構4は、カートリッジ受け板12の保持部2に保持されたカートリッジ60の反応容器61を透過する透過光路PLに沿って第1照射光B(青色光)を発光する第1発光素子としての青色LED14と、透過光路TKの終端に設けられ第1照射光を受光する唯一の検出用受光素子15とを含む。
青色LED14(第1発光素子)の発する青色光B(第1照射光)は、後述する酵素反応による発色基質(の反応物)の色変化により吸光度が変化する。
検出用受光素子15は、カートリッジ押さえ板13を挿通する挿通孔16の開口(透過光路PLの終端に相当)を塞ぐようにして、カートリッジ押さえ板13の上面13aの取付凹部13bに固定されている。
また、光学機構4は、ベース7に固定されたアーム30により支持された光路形成ブロック17を備えている。アーム30は、光路形成ブロック17の下面17aとベース7のとの間に介在している。また、光路形成ブロック17の上面17bは、第2支持板10の下面10aに沿わされている。光路形成ブロック17内の光路形成孔に、光路形成筒31が嵌合されている。光路形成ブロック17の上面17bから、第2支持板10の挿通孔を挿通して光路形成筒31の一部が突出している。
第1発光素子としての青色LED14は、光路形成ブロック17の下面17aに固定されている。また、光路形成ブロック17の第1側面17cには、後述する酵素反応による発色基質(の反応物)の色変化により吸光度が変化しない赤色光R(第2照射光)を発する第2発光素子としての赤色LED18が固定されている。
光路形成ブロック17には、透過光路TK上に配置されて、青色LED14(第1発光素子)からの青色光B(第1照射光)を透過させ、且つ赤色LED18(第2発光素子)から透過光路TKに対して直交する方向から入射する赤色光R(第2照射光)を透過光路TKの下流側に導くダイロイックミラー19が固定されている。
また、光路形成ブロック17の第2側面17dには、唯一の補正用受光素子20が配置されている。光路形成ブロック17には、透過光路TK上でダイクロイックミラー19よりも下流に配置されたハーフミラー21が固定されている。ハーフミラー21は、青色LED14からの青色光B(第1照射光)の一部および赤色LED18からの赤色光R(第2照射光)の一部を透過光路TKとは別光路である反射光路HKを介して、補正用受光素子20に導く。
ECU40は、検出用受光素子15および補正用受光素子20の検出結果に基づいて、抗原抗体反応の程度を発色基質による色変化の程度として検出する機能を有している。
図4を参照して、加振機構5は、ホルダ22により保持された加振源としての超音波発振子23と、超音波発振子23に固定され超音波発振子23からの超音波を伝達する超音波ホーン24とを備えている。超音波ホーン24は、透過光路TKの一部を通過させる中心孔24aを有する筒状部材からなり、透過光路TKの一部を取り囲む環状をなしている。超音波ホーン24の端部には、カートリッジ60の反応容器61の円錐テーパ状の周側壁77に沿う円錐テーパ状の伝達面24bが形成されている。
ホルダ22の上面22aには、超音波発振子23を保持する保持凹部22bが形成されている。ホルダ22の下面22cとこれに対向する第2支持板10の上面10bとの間には、ホルダ22を弾性支持する弾性部材としての圧縮コイルばね25が介在している。圧縮コイルばね25は、ホルダ22を介して加振機構5を弾性支持している。
圧縮コイルばね25の固定端25aは、第2支持板10の上面10の例えば凸部からなる係止部に固定されている。圧縮コイルばね25の可動端25bは、ホルダ22の下面22cの例えば凹部からなる係止部27に係止されている。
圧縮コイルばね25は、透過光路TKを中心とする円周上に等間隔を隔てて複数(本実施形態では3つ)が設けられることが好ましい。圧縮コイルばね25の伸縮変形および倒れ変形により、各部品の寸法誤差のばらつき等が吸収され、カートリッジ60の反応容器61の周側壁77に、加振機構5の伝達面24bが確実に面接触する。
ホルダ22の中心孔は、透過光路TKを形成する光路形成筒31の上端に光路形成筒31の長手方向に摺動可能に嵌合されている。
磁気吸引機構としての電磁コイル6は、加振機構5の超音波ホーン24を取り囲んで環状に配置されており、ECU0によってオンオフ制御される。オンされた電磁コイル6は、反応容器1内に収容される抗体含有液中に分散した磁性ビーズを磁気吸引することにより、磁性ビーズを底壁76(第1部分)から退避させて周側壁77(第2部分)に保持する。これにより、透過光路TKから磁性ビーズを退避させて、光学機構4による検出の精度を向上させる。また、反応容器61を洗浄液供給路64から供給された洗浄液で洗浄する段階で、磁性ビーズを周側壁77(第2部分)に保持する。
図5は、タンパク質検出装置1の電気的構成を示すブロック図である。図5に示すように、ECU40には、検出用受光素子15および補正用受光素子20が接続されている。ECU40は、各受光素子15,20から入力された検出信号をそれぞれAD変換するAD変換器41,42を備えている。また、ECU40には、操作者が手動で操作するYESスイッチ44a等の操作スイッチを含む操作部43が接続されている。ECU40には、操作部43からの操作信号が入力される。
また、ECU40は、加振源としての超音波発振子23と、磁気吸引機構としての電磁コイル6と、操作者へのメッセージ表示や抗原検出の結果を表示する例えば液晶表示部等の表示部44と、光機構4の青色LED14(第1発光素子)および赤色LED18(第2発光素子)と、各ポンプモータ201〜207とが接続されている。
ECU40は、超音波発振子23を駆動する駆動部45と、電磁コイル6を駆動する駆動部46と、表示部44を駆動する駆動部47と、青色LED1を駆動する駆動部48と、赤色LED18を駆動する駆動部49と、各ポンプモータ201〜207をそれぞれ駆動する駆動部401〜407とを備えている。
ECU40は、各工程に応じて対応するポンプモータ201〜207を駆動する信号を対応する駆動部401〜407に出力する。また、ECU40は、検出用受光素子15および補正用受光素子20からの信号を対応するAD変換器41,42を介して入力して、色変化を検出する色変化検出部50を備えている。
ECU40は、操作部43からの信号を入力して検査工程を制御する工程制御部51を備えている。工程制御部51は、操作部43からの信号に応じて対応する駆動部45〜47を介して超音波発振子23、電磁コイル6および表示部4を制御する。また、ECU40は、工程制御部51からの信号に応じて色変化検出部50を動作させる。色変化検出部50は、色変化検出段階において、青色LED14と赤色LED18とをそれぞれ駆動するように対応する駆動部48,49に駆動信号を出力する。
次いで、ECU40の動作を示す図6のフローチャートに基づいて、タンパク質検出装置1を用いた検出工程を順次に説明する。本実施形態では、検出工程に用いるELISA法が、一次抗体+抗原+二次抗体(酵素標識抗体)のサンドイッチ構造を呈する、いわゆるサンドイッチ法である場合に則して説明するが、いわゆる競合法であってもよい。
ステップS1では、一方の反応容器61に抗原(検出対象タンパク質)を含む試料液が投入され、他方の反応容器61に抗原を含まないブランク液が投入されたカートリッジ60を装置本体3の保持部2にセットすることを要求する内容のメッセージと、セット後にYESスイッチ43aをオンすることを要求する内容のメッセージとを表示部44に表示させる。そのメッセージは、例えば、「カートリッジをセットし、セット後、YESスイッチを押して下さい。」である。
メッセージに応じて、操作者が、カートリッジ押さえ板13を取り外した状態で、カートリッジ受け板12の保持部2に、カートリッジ60をセットする(カートリッジセット工程に相当)。
ステップS2では、操作者によるYESスイッチ43aの押下を待ち、ステップS2において、YESスイッチ43aのオンの入力が確認されると(ステップS2においてYES)、ステップS3に進む。
ステップS3では、光学機構4が駆動される。具体的には、青色LED14(第1発光素子)および赤色LED18(第2発光素子)を交互に駆動する。このとき、青色LED14の駆動時には、検出用受光素子15による青色LED1からの青色光Bの受光量が一定になるようにフィードバック制御が実施される。また、赤色LED18の駆動時には、補正用受光素子20による赤色LED18からの赤色光Rの受光量が一定になるようにフィードバック制御が実施される。
青色LED14の駆動時に、検出用受光素子15による青色LED14からの青色光(第1照射光)Bの検出受光量が基準値B0として記憶される。赤色LED18の駆動時に、補正用受光素子20による赤色LED18からの赤色光(第2照射光)Rの検出受光量が基準値R0として記憶される。
ステップS4では、第1ポンプ101が駆動されて、第1タンク301に収容された一次抗体含有液82が、図7(a)に示すように、反応容器61に供給される(一次抗体供給工程に相当)。一次抗体81は、一次抗体含有液82に含まれる多数の磁性ビーズ83の表面に予め固相化されている。
次いで、ステップS5では、例えば電磁コイル6をオフした状態(或いは電磁コイル6をオンして磁性ビーズ83を磁気吸引して図8に示すように周側壁77に保持した状態でも可)で加振機構5の超音波発振子23を所定時間だけ駆動し、反応容器61を加振する。すなわち、加振機構5の超音波発振子23の超音波振動を超音波ホーン24を介して反応容器61に伝搬させて、反応容器61を加振し、反応容器61内で抗原が抗体81に結合する抗原抗体反応を促進する。
次いで、ステップS6では、電磁コイル6をオンして磁性ビーズ83を磁気吸引して図8に示すように周側壁77に保持した状態で、ステップS7において、第2ポンプ02(第2ポンプモータ02)および加振機構5の超音波発振子23を駆動し、第1洗浄液を反応容器61に送給するとともに、反応容器61を加振する。すなわち、磁気吸引機構としての電磁コイル6をオンして、磁気吸引力により、磁性ビーズを反応容器61の周側壁77(第2部分)に保持した状態で、加振機構5の超音波発振子23の超音波振動を超音波ホーン24を介して反応容器61に伝搬させて、反応容器61を加振し、反応容器61内の洗浄を促進する(第1洗浄工程に相当)。
前記第1洗浄工程の実施により、磁性ビーズ83に固相化された一次抗体81に結合した抗原だけを残す。反応容器61内の第1洗浄液は、反応しなかった抗原とともに廃液として排出路68を介して廃液貯蔵部69に排出される。
次いで、ステップS8では、第3ポンプ103(第3ポンプモータ203)を駆動し、酵素で標識された酵素標識抗体である二次抗体を含む二次抗体含有液を反応容器61に供給する(二次抗体含有液供給工程に相当)。
次いで、ステップS9では、例えば電磁コイル6をオフした状態(オンした状態でも可)で加振機構5の超音波発振子23を所定時間だけ駆動し、反応容器61を加振する。
すなわち、加振により、反応容器61内で二次抗体(酵素標識抗体)が、一次抗体81(キャプチャー抗体)に結合した抗原を認識し、認識した抗原に結合することが促進される(抗原認識工程に相当)。
次いで、ステップS10では、電磁コイル6をオンした状態で、第4ポンプ(第ポンプモータ)および加振機構5の超音波発振子23を駆動し、第2洗浄液を反応容器61に送給するとともに、反応容器61を加振する。すなわち、磁気吸引機構としての電磁コイル6をオンして、磁気吸引力により、図8に示すように磁性ビーズを反応容器61の周側壁77(第2部分)に保持した状態で、加振機構5の超音波発振子23の超音波振動を超音波ホーン24を介して反応容器61に伝搬させて、反応容器61を加振し、反応容器61内の洗浄を促進する(第2洗浄工程に相当)。
前記第2洗浄工程の実施により、磁性ビーズ83に固相化された一次抗体81に結合した抗原に結合した二次抗体だけを残す。反応容器61内の第2洗浄液は、抗原に結合しなかった余分な二次抗体とともに廃液として排出路68を介して廃液貯蔵部69に排出される。
次いで、ステップS11では、第5ポンプ105(第5ポンプモータ205)を駆動し、第5タンク305から、前記標識酵素の酵素基質である発色基質を含む発色基質含有液を反応容器61に供給する(発色基質供給工程に相当)。
次いで、ステップS12では、例えば電磁コイル6をオフした状態(オンした状態でも可)で加振機構5の超音波発振子23を所定時間だけ駆動し、反応容器61を加振する。前記発色基質を用いて、反応容器1内で酵素反応を行わせ、加振により酵素反応を促進する。酵素反応による反応物が例えば黄色に発色する。
次いで、ステップS13において、光学機構4を駆動し、発色後の各照射光B,Lの受光量を検出する。具体的には、磁気吸引機構としての電磁コイル6をオンし、磁気吸引力により、図8に示すように、磁性ビーズ83を反応容器1の底壁76(第1部分)から退避させて(すなわち透過光路TKから退避させて)周側壁77(第2部分)に保持した状態で、光学機構4を駆動する。
青色LED14(第1発光素子)と赤色LED1(第2発光素子)とが、交互に駆動され、各照射光B,Lの受光量が測定する毎に記憶される。そして、測定n( nは予め定められる) 回目における検出用受光素子15による青色LED14からの青色光(第1照射光)Bの検出受光量Bnが記憶される。また、測定n回目における補正用受光素子20による赤色LED18からの赤色光(第2照射光)Rの検出受光量Rnが記憶される。
なお、青色LED14の駆動時には、検出用受光素子15による青色LED14からの青色光Bの受光量が一定になるようにフィードバック制御が実施される。また、赤色LED18の駆動時には、補正用受光素子20による赤色LED18からの赤色光Rの受光量が一定になるようにフィードバック制御が実施される。
次いで、ステップS14において、測定n回目における色変化の程度An(吸光度の変化に相当)を、下記式(1)に基づいて算出する。
An=(Bn /B0)/(Rn/R0) …(1)
次いで、ステップS15において、検出した色変化の程度Anを閾値F1と比較する。ステップS15において、検出した色変化の程度Anが閾値F1を以上である(An≧F1)と判断された場合(ステップS15においてYESの場合)には、ステップS16に進んで、表示部4に、例えば「抗原が検出されました」等、抗原検出の旨を表示した後、処理を終了する。
ステップS15において、検出した色変化の程度Anが閾値F1未満である(An<F1)と判断された場合(ステップS15においてNOの場合)には、ステップS17に進んで、表示部4に、例えば「抗原が検出されませんでした」等、抗原非検出の旨を表示した後、処理を終了する。
本実施形態によれば、カートリッジ60を装置本体3の保持部2に保持したままで、抗原抗体反応の促進や洗浄の促進のために反応容器61を加振することができるので、検査効率が格段に向上する。また、加振機構5が、透過光路TKを取り囲む環状をなして配置されるので、小型化を達成することができる。
また、色変化を検出する段階で、磁気吸引した磁性ビーズ83を透過光路TKが通過する第1部分(底壁76)から退避させて第2部分(周側壁77)に保持しておくことにより、発光部(第1発光素子としての青色LED14、第2発光素子としての赤色LED18)からの照射光を磁性ビーズ83に邪魔されることなく受光部(検出用受光素子15)で受光して、色変化を精度良く検出することができる。また、洗浄液で反応容器61を洗浄をするときに、磁性ビーズ83を磁気吸引して第2部分(周側壁77)に保持しておくことができる。
また、磁気吸引機構としての電磁コイル6のオンオフにより、容易に、磁性ビーズ83を第1部分(底壁76)から退避させたり、退避を解除したりすることができる。
また、反応容器61の円錐テーパ状の周側壁77に、加振機構5の超音波ホーン24の円錐テーパ状の伝達面24bを沿わせることで、小型でも広い面積の伝達面24bを得て強力な加振を行うことができる。
また、加振機構5を弾性部材(圧縮コイルばね25)によって弾性支持することより、寸法精度のばらつきに拘らず、超音波ホーン24の伝達面24bを反応容器61の周側壁77に確実に面接触させて十分な加振を行い、確実に反応効率や洗浄効率を向上させて、検査効率を向上することができる。
また、光学機構4において、第1発光素子(青色LED14)と第2発光素子(赤色LED18)とを交互に間欠的に発光させて、第1照射光(青色光B)および第2照射光(赤色光R)を共通の検出用受光素子15と共通の補正用受光素子20とで受光するので、構造を簡素化して装置を小型化することができる。
また、式(1)を用い、色変化により吸光度が変化する第1照射光(青色光B)の受光量の変化と、色変化により吸光度が変化しない第2照射光(赤色光R)の受光量の変化との比較に基づいて、色変化を検出する。したがって、外乱の影響を抑制して、色変化を精度良く検出でき、精度の良い抗原検出が可能となる。
次いで、図9および図10は本発明の別の実施形態を示している。図9および図10に示す本実施形態が、図4の第1実施形態と主に異なるのは、図4の実施形態では、磁気吸引機構としてオンオフ制御される電磁コイル6を用いるのに対して、本第2実施形態では、図9および図10に示すように、環状の永久磁石6Aと永久磁石6Aを変位させる駆動部材としてのソレノイド94とを含む磁気吸引機構を用いている点にある。
具体的には、底壁76Aの中央部761が、透過光路TKが通過する第1部分を構成し、底壁76Aにおいて中央部761を取り囲む環状部762が、第2部分を構成している。永久磁石6Aは、超音波ホーン24、超音波発振子23およびホルダ22を挿通して底壁76Aの環状部762(第2部分)に対する距離を変更可能である。
また、永久磁石6Aを図12に示すように第2部分(環状部762)に対して近接する位置と、図9に示すように第2部分(環状部762)から離隔させる位置とに移動させせるように、ECU40が、ソレノイド94を駆動制御する。
ソレノイド94は伸縮可能な制御棒95を備えており、制御棒95は、第1連結アーム96および第2連結アーム97を介して永久磁石6Aを一体移動可能に連結している。第1連結アーム96は、光路形成筒31を挿通する長手方向の溝98を挿通しており、第2連結アーム97は、光路形成筒31内およびホルダ22内に配置されている。
図9および図10の実施形態の構成要素において、図4の実施形態と同じ構成要素には、図4の実施形態の構成要素の参照符号と同じ参照符号を付してある。
本実施形態によれば、第2部分(底壁76Aの環状部672)に対して永久磁石6Aによる強力な磁場を作用させて、磁性ビーズ83を確実に第1部分(底壁76Aの中央部761)から退避させて第2部分(底壁76Aの環状部672)に保持することができる。 図9、図10の実施形態の変更例として、図示していないが、駆動部材として、ソレノイドに代えて、ECUにより駆動制御される電動モータを用いてもよい。この場合、電動モータの回転を直線運動に変換する運動変換機構(例えばボールねじ機構)の出力(直線運動)を永久磁石に伝達する。例えば軸方向移動が規制されたねじ軸を電動モータにより回転駆動することにより、回転が規制され且つ軸方向移動が許容されたボールナットを軸方向に移動させて、ボールナットと軸方向に一体移動可能な永久磁石を変位させる。
本発明は各前記実施形態に限定されるものではなく、第1照射光は、色変化により吸光度が変化する照射光であれば青色光以外の色の照射光を用いてもよい。また、第2照射光は、色変化により吸光度が変化しない照射光であれば赤色光以外の色の照射光を用いてもよい。
また、色変化の程度An’(吸光度の変化に相当)を常用対数の式である下記式(2)に基づいて算出してもよい。
An’=−log{(Bn /B0)/(Rn/R0)} …(2)
また、前記実施形態では、各工程が自動で実施されたが、各種の液を供給する工程において、表示部の表示される指示にしたがって、操作者が、手動で液を供給した後、送りスイッチを押下して、次の指示を待つものであってもよい。
また、表示部の少なくとも一部として、抗原が検出された場合に、その旨を点灯により表示するランプを用いてもよい。
1…タンパク質検出装置、2…保持部、3…装置本体、4…光学機構、5…加振機構、6…電磁コイル(磁気吸引機構)、6A…磁気吸引機構、6A1…永久磁石、6A2…ソノレイド(駆動部材)、7ベース、8…側枠、9…第1支持板、10…第2支持板、11…カートリッジ受け板、12…カートリッジ押さえ板、14…青色LED(第1発光素子)、15…検出用受光素子、16…挿通孔、17…光形成ブロック、18…赤色LED(第2発光素子)、19…ダイクロイックミラー、20…補正用受光素子、21…ハーフミラー、22…ホルダ、23…超音波発振子、24…超音波ホーン、24a…中心孔、24b…伝達面、25…圧縮コイルばね(惰性部材)、31…光路形成筒、40…ECU(制御部)、43…操作部、43a…YESスイッチ、44…表示部、50…色変化検出部、51…工程検出部、60…カートリッジ、61…反応容器、62…一次抗体含有液供給路、63…第1洗浄液供給路、64…二次抗体含有液供給路、65…第2洗浄液供給路、66…発色基質含有液供給路、67…試料供給路、62a〜67a…液体挿入孔、68…排出路、69…廃液貯蔵部、70…凸部、71…液路、72…チューブ、75…共通供給路、76…底壁(第1部分)、77…周側壁(第2部分)、76A…底壁、761…中央部(第1部分)、762…環状部(第2部分)、81…一次抗体、82…一次抗体含有液、83…磁性ビーズ、83a…表面、101〜107…第1〜第7ポンプ、201〜207…第1〜第7ポンプモータ、301,307…第1〜第7タンク、B…青色光(第1照射光)、R…赤色光(第2照射光)、TK…透過光路、HK…反射光路

Claims (7)

  1. 透光可能な透過光路と前記透過光路が通過する第1部分と前記第1部分を取り囲む第2部分とを有する反応容器であって、表面に一次抗体が固相化された多数の磁性ビーズが分散された液が収容される反応容器の、前記透過光路を取り囲む環状をなし前記反応容器に超音波を伝達して前記反応容器を加振する加振機構と、
    前記磁性ビーズを磁気吸引することにより、前記磁性ビーズを前記第1部分から退避させて前記第2部分に保持する磁気吸引機構と、
    前記透過光路に沿って照射光を発する発光部と、前記透過光路の終端に配置され前記透過光路を介して前記照射光を受光する受光部と、を含む光学機構と、
    前記反応容器内での抗原抗体反応の程度を発色基質による色変化の程度として検出する色変化検出部と、を備え、
    前記光学機構は、前記色変化により吸光度が変化する第1照射光を発する前記発光部としての第1発光素子と、前記色変化により吸光度が変化しない第2照射光を発する前記発光部としての第2発光素子と、前記透過光路の終端に設けられた前記受光部としての検出用受光素子と、を含み、
    前記色変化検出部は、(Bn /B0)の値と(Rn/R0)の値との比較に基づいて色変化の程度を算出するタンパク質検出装置。
    ただし、Bnは、色変化後の前記検出用受光素子による第1照射光の検出受光量であり、B0は、色変化前の前記検出用受光素子による第1照射光の検出受光量に相当する基準値であり、Rnは、色変化後の前記検出用受光素子による第2照射光の検出受光量であり、R0は、色変化前の前記検出用受光素子による第1照射光の検出受光量に相当する基準値である。
  2. 請求項1記載のタンパク質検出装置において、前記磁気吸引機構は、オンオフされる電磁コイルを含むタンパク質検出装置。
  3. 請求項1記載のタンパク質検出装置において、前記磁気吸引機構は、前記第2部分に対する距離を変更可能な永久磁石と、前記永久磁石を前記第2部分に対して遠近させる駆動部材と、を含むタンパク質検出装置。
  4. 透光可能な反応容器の透過光路を取り囲む環状をなし前記反応容器に超音波を伝達して前記反応容器を加振する加振機構と、
    前記透過光路に沿って照射光を発する発光部と、前記透過光路の終端に配置され前記透過光路を介して前記照射光を受光する受光部と、を含む光学機構と、
    前記反応容器内での抗原抗体反応の程度を発色基質による色変化の程度として検出する色変化検出部と、を備え、
    前記反応容器は、底壁と、前記底壁を取り囲む円錐テーパ状の周側壁と、を有し、
    前記加振機構は、前記透過光路を取り囲む環状をなす加振源としての超音波発振子と、前記透過光路を取り囲む環状をなし前記超音波発振子からの超音波を伝達する超音波ホーンと、を含み、
    前記超音波ホーンは、前記周側壁に沿う円錐テーパ状の伝達面を含み、
    前記光学機構は、前記色変化により吸光度が変化する第1照射光を発する前記発光部としての第1発光素子と、前記色変化により吸光度が変化しない第2照射光を発する前記発光部としての第2発光素子と、前記透過光路の終端に設けられた前記受光部としての検出用受光素子と、を含み、
    前記色変化検出部は、(Bn /B0)の値と(Rn/R0)の値との比較に基づいて色変化の程度を算出するタンパク質検出装置。
    ただし、Bnは、色変化後の前記検出用受光素子による第1照射光の検出受光量であり、B0は、色変化前の前記検出用受光素子による第1照射光の検出受光量に相当する基準値であり、Rnは、色変化後の前記検出用受光素子による第2照射光の検出受光量であり、R0は、色変化前の前記検出用受光素子による第1照射光の検出受光量に相当する基準値である。
  5. 請求項4記載のタンパク質検出装置において、前記反応容器を有するカートリッジを取り外し可能に保持する保持部を含む装置本体と、前記装置本体によって支持されて前記加振機構を支持する弾性部材とを備えるタンパク質検出装置。
  6. 透光可能な反応容器の透過光路を取り囲む環状をなし前記反応容器に超音波を伝達して前記反応容器を加振する加振機構と、
    前記反応容器の前記透過光路に沿って照射光を発光する発光部と、前記透過光路の終端に配置され前記透過光路を介して前記照射光を受光する受光部と、を含む光学機構と、
    前記反応容器内での抗原抗体反応の程度を発色基質による色変化の程度として検出する色変化検出部と、
    前記光学機構および前記加振機構の動作を制御する制御部と、を備え、
    前記光学機構は、前記色変化により吸光度が変化する第1照射光を発する前記発光部としての第1発光素子と、前記色変化により吸光度が変化しない第2照射光を発する前記発光部としての第2発光素子と、前記透過光路の終端に設けられた前記受光部としての唯一の検出用受光素子と、を含み、
    前記制御部は、前記第1発光素子と前記第2発光素子とを交互に発光させ
    前記色変化検出部は、(Bn /B0)の値と(Rn/R0)の値との比較に基づいて色変化の程度を算出するタンパク質検出装置。
    ただし、Bnは、色変化後の前記検出用受光素子による第1照射光の検出受光量であり、B0は、色変化前の前記検出用受光素子による第1照射光の検出受光量に相当する基準値であり、Rnは、色変化後の前記検出用受光素子による第2照射光の検出受光量であり、R0は、色変化前の前記検出用受光素子による第1照射光の検出受光量に相当する基準値である。
  7. 発光部からの照射光を透光可能な透過光路と前記透過光路が通過する第1部分と前記第1部分を取り囲む第2部分とを有する反応容器に対して前記透過光路を取り囲む環状をなす加振機構により超音波を伝達して前記反応容器を加振しつつ、前記反応容器内で液中に分散された多数の磁性ビーズの表面に固相化された一次抗体に抗原を結合させる一次抗体結合工程と、
    前記一次抗体結合工程の後で、前記加振機構により前記反応容器を加振しつつ、前記反応容器内で前記一次抗体に結合された前記抗原に二次抗体を結合させる二次抗体結合工程と、
    前記二次抗体結合工程の後で、前記加振機構により前記反応容器を加振しつつ、前記抗原に結合された前記二次抗体と発色基質とを反応させる発色工程と、
    前記発色工程の後で、前記磁性ビーズを磁気吸引することにより、前記磁性ビーズを前記第1部分から退避させた状態で、前記反応容器内での抗原抗体反応の程度を色変化の程度として検出する色変化検出工程と、を含み、
    前記色変化検出工程では、前記色変化によって吸光度が変化する第1照射光を前記透過光路に沿って発する前記発光部としての第1発光素子と、前記色変化によって吸光度が変化しない第2照射光を前記透過光路に沿って発する前記発光部としての第2発光素子と、前記透過光路の終端に設けられた受光部としての検出用受光素子とが用いられ、(Bn /B0)の値と(Rn/R0)の値との比較に基づいて色変化の程度が算出されるタンパク質検出方法。
    ただし、Bnは、色変化後の前記検出用受光素子による第1照射光の検出受光量であり、B0は、色変化前の前記検出用受光素子による第1照射光の検出受光量に相当する基準値であり、Rnは、色変化後の前記検出用受光素子による第2照射光の検出受光量であり、R0は、色変化前の前記検出用受光素子による第1照射光の検出受光量に相当する基準値である。
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