JP6756532B2 - ステアリングシャフトのグロメット構造 - Google Patents

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Description

本発明は、車両におけるステアリングシャフトのグロメット構造に関し、特にエンジンルームと車室とを隔離するダッシュパネルとステアリングギヤボックスとの間に介装されて、内部をステアリングギヤボックスに連係されるステアリングシャフトが貫通する筒状のグロメットの構造に関する。
この種のステアリングシャフトのグロメット構造として、例えば特許文献1に記載されたものが本出願人により提案されている。なお、この種のグロメットは、ダッシュパネルに形成された穴を貫通するステアリングシャフトを覆う筒状のものでもあるため、ステアリングホールカバーあるいはステアリングシャフトカバー等とも称される。
特許文献1に記載されたグロメットは、ステアリングシャフトに外挿される筒状の胴部の一端にダッシュパネルに圧接するシール部が、筒状の胴部の他端にステアリングギヤボックスに固定される取付基部がそれぞれ形成されているとともに、上記胴部の軸心方向の中間部に変形容易な括れ形状のネック部が形成されていて、このネック部は、胴部の軸心に対し所定角度傾斜したネック部中心線を基準として当該ネック部中心線と同心状に形成されているものである。
特開2015−174508号公報
しかしながら、特許文献1に開示されているようなグロメットの構造では、比較的厚肉に形成された取付基部がステアリングギヤボックスの端部に単に外挿されるかたちで嵌合しているものであるため、ステアリングギヤボックスの水密性の観点からはなおも改善の余地を残している。
例えば、近年の多雨化の傾向に伴って夏期のいわゆるゲリラ豪雨(1時間に80mm以上の猛烈な雨)が頻発する傾向にあり、道路の排水性能が追いつかずに冠水することがあることから、車両が冠水路へ進入してしまった場合のグロメットでの水密対策が求められている。より具体的には、車両が冠水路へ進入すると、エンジンルームの下側からグロメットにおける取付基部の端面に冠水した水が直撃するかたちとなり、その水撃作用による水圧に負けてグロメットの取付基部が瞬間的に撓み変形したり、あるいはめくれる現象が生じ、その結果としてグロメットの内部、ひいてはステアリングギヤボックス内に水が浸入するおそれがある。そのため、上記グロメットでのより一層の水密性能の向上が求められている。
本発明はこのような課題に着目してなされたものであり、グロメットでの水密性能の一層の向上を図り、特に車両が冠水路へ進入してその冠水による水圧を受けた場合でも、グロメット内への水の浸入防止することができ、その一方で、製造性や組付性を悪化させることがないように考慮されたグロメットの構造を提供することを目的としている。
本願の請求項1に係る発明は、エンジンルームと車室とを隔離するダッシュパネルとステアリングギヤボックスとの間に介装されて、内部をステアリングギヤボックスに連係されるステアリングシャフトが貫通する筒状のグロメットの構造であって、上記ステアリングギヤボックスの端部に外挿嵌合される取付基部と、上記取付基部と一体に形成されるとともにダッシュパネルに圧接しつつステアリングシャフトを覆うカバー胴部と、を備えている。
また、上記カバー胴部は、上記取付基部側の筒状の胴部本体と、当該胴部本体の一端に上記ダッシュパネルに当接するカップシール部とを有し、
上記取付基部は、内径が上記胴部本体の内径よりも大きく形成されていると共に、先端部外周面が先細りのテーパ面として形成され、
上記テーパ面を含む取付基部の先端部には、当該取付基部の軸心方向に沿ってスリットが形成され、
上記取付基部はカバー胴部のうち少なくとも取付基部に近い部分よりも大径に形成されていて、上記取付基部とカバー胴部のうち少なくとも取付基部に近い部分との間には、少なくとも二つで一組の隅肉状の補強リブが形成され、
上記取付基部の内周面に、上記取付基部が上記ステアリングギヤボックスの端部に外挿嵌合する際に撓み変形する複数段の微細なシールビード部が上記内周面の全周にわたって形成されているとともに、
上記ステアリングギヤボックスの端部外周面に周方向に沿って凸部が形成されている一方、
上記取付基部の内周面の上記シールビード部よりも開放端側に、上記凸部に凹凸嵌合する凹部が形成されているとともに、上記凹部よりもさらに開放端側であって、上記各補強リブの内周面に上記凹部よりも浅い補助溝が形成されていることを特徴とするものである。
この場合において、所期の目的からして、請求項2に記載のように、上記グロメットは可撓性材料により形成されているとともに、上記取付基部はステアリングギヤボックスの端部に圧入をもって外挿嵌合されることが望ましい。
また、水圧によって取付基部が変形したり、あるいはめくれるのを防止する上では、請求項3に記載のように、上記取付基部はカバー胴部のうち少なくとも取付基部に近い部分よりも大径に形成されていて、上記取付基部とカバー胴部のうち少なくとも取付基部に近い部分との間には、すみ肉状の補強リブが形成されていることが望ましい。
さらに、請求項に記載のように、上記ステアリングギヤボックスの端部外周面のうちグロメット側の取付基部の先端と近接する位置に、環状のフランジ部が形成されていることが望ましい。
したがって、少なくとも請求項1に記載の発明では、グロメットの取付基部が例えば冠水路進入時の水圧を受けた場合に、その取付基部の先端部外周面が先細りのテーパ面として形成されていることにより、取付基部を一層ステアリングギヤボックスに押し付けるような力が作用するとともに、取付基部が受けた水圧を当該取付基部の外側に逸らせるような効果が発揮され、グロメット内部への水浸入対策として効果的なものとなる。また、取付基部の先端部にスリットが形成されていることにより、成形時の金型脱型性とステアリングギヤボックスに対する組付性を両立できるようになる。
請求項1に記載の発明によれば、取付基部の先端部外周面が先細りのテーパ面として形成されていることにより、例えば冠水路進入時に、取付基部を一層ステアリングギヤボックスに押し付けるような力が作用するとともに、取付基部が受けた水圧を当該取付基部の外側に逸らせるような効果が発揮されるため、取付基部での水密性が向上し、水撃作用によってグロメット内部に水が浸入するのを未然に防止することができる。
また、取付基部の先端部にスリットが形成されていることにより、その取付基部を比較的容易に拡径することが可能であり、グロメットを例えば金型注入成形等によって成形する場合の金型脱型性が良好なものとなるほか、ステアリングギヤボックスに対するグロメットの組付性も良好なものとなり、この傾向は、請求項2に記載のように、可撓性材料により形成されたグロメットの取付基部がステアリングギヤボックスの端部に圧入をもって外挿嵌合される場合に顕著となる。
しかも、ステアリングギヤボックスの端部外周面に形成された凸部と、取付基部の内周面に形成された凹部とが、ステアリングギヤボックスとグロメットとの正規組付状態で互いに凹凸嵌合するようになっているため、ステアリングギヤボックスに対するグロメットの保持性が良好なものとなるとともに、水密性が一段と向上して、グロメット内部に水が浸入するのを防止する上でさらに一段と有利となる。
また、本発明によれば、グロメットの取付基部とカバー胴部のうち少なくとも取付基部に近い部分との間に隅肉状の補強リブが形成されていて、実質的に取付基部が補強リブでバックアップされているため、例えば冠水路進入時等の水圧で取付基部が変形したり、めくれるのを抑制することができ、水密性が一段と向上して、グロメット内部に水が浸入するのを防止する上で一段と有利となる。
請求項に記載の発明によれば、ステアリングギヤボックスの端部外周面のうちグロメット側の取付基部の先端と近接する位置に環状のフランジ部が形成されているため、例えば冠水路進入時に取付基部の先端部に直接及ぶ水圧を抑制することができ、グロメット内部に水が浸入するのを防止する上でさらに一段と有利となる。
本発明に係るグロメット構造の第1の実施の形態を示すで、グロメットの正規組付状態での概略説明図。 図1を拡大した断面図。 図1に示したグロメット単独での拡大図。 図3のb方向矢視図。 図3の下面図。 図3のa−a線に沿った拡大断面図。 図5のZ方向矢視図。 図5のc−c線に沿った拡大断面図。 (A)は図5のc−c線断面でのステアリングギヤボックス3との組付状態を示す断面図、(B)は図5のd−d線断面でのステアリングギヤボックス3との組付状態を示す断面図。 本発明に係るグロメット構造の第2の実施の形態を示すで、図9の(A)と同等部位の断面図。 本発明に係るグロメット構造の第3の実施の形態を示すで、図9の(A)と同等部位の断面図。 本発明に係るグロメット構造の第4の実施の形態を示すで、図9の(A)と同等部位の断面図。
図1〜9は本発明に係るステアリングシャフトのグロメット構造を実施するためのより具体的な形態を示し、特に図1はグロメットの正規組付状態での概略説明図を、図2は図1の拡大断面図を示している。
図1,2に示すように、自動車のエンジンルームR1と車室R2とを隔離しているダッシュパネル1よりもエンジンルームR1側においてステアリングシャフト2がグロメット5で覆われている。すなわち、ダッシュパネル1に形成された穴部1aにステアリングシャフト2が貫通するようにして挿通され、そのステアリングシャフト2と連係される円筒状のステアリングギヤボックス3とダッシュパネル1との間にステアリングシャフト2を覆うように筒状のグロメット4が装着される。なお、駆動源が電動モータ(モータジェネレータ)のみの電気自動車(EV)あるいは燃料電池車(FCV)の場合には、電動モータが配置されるモータルームが上記エンジンルームR1に相当することになる。
図3は図1に示したグロメット4単独での拡大図を、図4は図3のb方向矢視図をそれぞれ示していて、さらに図5は図3の下面図を示している。なお、図3では、作図上、図1と比較して左右が反転している。
図1,2のほか図3に示すように、グロメット4は、先に述べたようにステアリングシャフト2に外挿されて当該ステアリングシャフト2を覆うことができるように例えばEPDM等のゴム系の可撓性材料にて略段付き円筒状のものとして形成されているものである。このグロメット4は、最も直径の小さな筒状の胴部本体5の一端に当該胴部本体5よりも大径の略浅皿状のカップシール部6が一体に形成されているとともに、胴部本体5の他端には当該胴部本体5よりも大径であって且つステアリングギヤボックス3(図1,2参照)の端部に着座・嵌合することになる異形円筒状の取付基部7が一体に形成されている。なお、ここでは、胴部本体5とカップシール部6の双方を含むものをカバー胴部8と称するものとする。
そして、図1,2に示すようなステアリングギヤボックス3に対するグロメット4の正規組付状態においては、ステアリングギヤボックス3から突出するステアリングシャフト2がダッシュパネル1に形成された穴部1aから車室R2内に臨んでいるので、グロメット4はステアリングシャフト2のうちエンジンルームR1側であって且つダッシュパネル1に近接する部分を覆っていることになる。
この状態で、グロメット4の取付基部7がステアリングギヤボックス3の端部に外挿されるかたちで着座・嵌合することで当該ステアリングギヤボックス3に保持されているとともに、ステアリングギヤボックス3とダッシュパネル1との間で主としてカップシール部6が軸心方向(ダッシュパネル1に対して面直角となる方向)に撓み変形または圧縮変形して、そのカップシール部6がダッシュパネル1のうち穴部1aの周囲に圧接している。これにより、ダッシュパネル1に形成された穴部1aとステアリングギヤボックス3との間がシールされ、気密性や水密性さらには遮音性が確保されている。なお、当然のことながら、ステアリングシャフト2がグロメット4の内周面に接触することがないように、特に胴部本体5の内径が設定されている。
なお、図2では、グロメット4の取付基部7がステアリングギヤボックス3に嵌合支持されてはいても、それ以外の胴部本体5とカップシール部6とを含むカバー胴部8の自由状態を示しており、カップシール部6が仮想線で示すダッシュパネル1に圧接している。
図2のほか図3〜5に示すように、グロメット4における胴部本体5と取付基部7とが共に同心状のものとして形成されているのに対して、図3に示すカップシール部6の中心線(軸心)L2は胴部本体5の中心線(軸心)L1に対して角度θをなして交差するように設定されているために、カップシール部6は胴部本体5に対して傾斜したかたちで一体に形成されている。
また、カップシール部6は、図3のほか図6に拡大して示すように、それ自体が略漏斗状のものとして形成されていて、高さ方向の中間部に位置する最大直径部が相対的に薄肉で且つ可撓性または弾力性に富んだ変形容易部6aとなっているとともに、ダッシュパネル1と正対することになる開放端部が長円形または楕円形状に形成されていて、その開口縁の全周には断面略半円状のシールビード部6bが突出形成されている。
したがって、図2に示したように、カップシール部6がダッシュパネル1に圧接する際には、主として変形容易部6aがダッシュパネル1の面直角方向に積極的に弾性変形して、当該カップシール部6の開放端部側をダッシュパネル1に対して均等に押し付けるかたちとなり、その開放端部のシールビード部6bがダッシュパネル1に圧接して撓み変形または潰れ変形することで所定のシール機能が発揮されることになる。なお、図4に示す中心線L3をカップシール部6の開放端部の短径方向、中心線L4をカップシール部6の開放端部の長径方向とすると、図1,2の状態では長径方向の中心線L4が車両前後方向を指向するようにグロメット4が組み付けられる。
ここで、胴部本体5の他端の取付基部7は胴部本体5よりも大径の円筒状のものとして形成されていることは先に述べたとおりであって、図3〜5に示すように、胴部本体5と取付基部7の両者の外径差に基づく外隅部には、胴部本体5と取付基部7の双方に跨るかたちで、その円周方向の四等分位置に側面視にて略三角形状をなす隅肉ブロック状の二組の補強リブ9および10が突出形成されている。
二つで一組の補強リブ9は胴部本体5または取付基部7の直径方向で互いに対向するように配置されていて、その最大直径部9aは取付基部7の外周面よりも張り出しているとともに、最大直径部9aから開放端(先端)側に向かって徐々に縮径するかたちで取付基部7の開放端側にまで及んでいる。つまり、二つで一組の補強リブ9の開放端部(先端部)の外周面が開放端側に向かって先細りとなるテーパ面9bをもって形成されている。さらに、二つで一組の補強リブ9の開放端部の両側から取付基部7の円周方向に沿って一段低い周方向リブ11が延長形成されていて、図3,5に示すように、これらの周方向リブ11についてもその開放端部(先端部)の外周面が開放端側に向かって先細りとなるテーパ面11aをもって形成されている。
もう一方の二つで一組の補強リブ10も同じく胴部本体5または取付基部7の直径方向で互いに対向するように配置されていて、これらの補強リブ10の最大直径部は取付基部7の外径と一致するように当該取付基部7の外周面上で収束している。そして、二つで一組の補強リブ10と胴部本体5との間には、両者に跨るように胴部本体5の軸心方向に沿ってビード状の補助リブ12が形成されている。同様にして、先に述べた二つで一組の補強リブ9のうち一方の補強リブ、すなわち二つで一組の補強リブ9のうちカップシール部6とのなす距離が大きい方の補強リブ9と胴部本体5との間にもビード状の補助リブ13が形成されている。
また、取付基部7の外周面のうち当該外周面よりも外側に張り出している二つで一組の補強リブ9とそれに付帯する周方向リブ11とを除いた部分についても、図3,5に示すように、その開放端部(先端部)の外周面が開放端側に向かって先細りとなるテーパ面7aをもって形成されている。そして、このテーパ面7aとそれに隣接する周方向リブ11との境界部には、取付基部7の軸心方向に切り込むかたちでそれぞれにスリット14が形成されている。
さらに、テーパ面7aの一部には、図3,5のほか図7に示すように、同様にテーパ形状をなすウエッジ状の一対の爪部15が形成されていて、それら爪部15同士の間にもスリット16が形成されている。なお、図5から明らかなように、各テーパ面7a,9b,11aの開放端での内径は共に同一径となっている。また、図7は、図5のZ方向矢視図を示している。
他方、図8は図5のc−c線に沿った拡大断面図を示していて、同様に図9の(A)はそのc−c線断面でのステアリングギヤボックス3との組付状態を、図9の(B)は図5のd−d線断面でのステアリングギヤボックス3との組付状態をそれぞれ示している。なお、図9の(A),(B)では、補強リブ9及び補強リブ10を明確にするために当該部位のみにクロスハッチングを施してある。
ここで、図8に示すように、取付基部7の内周面に着目した場合に、取付基部7の内径は胴部本体5の内周面5aよりも大径に形成されているとともに、ステアリングギヤボックス3に外挿されるかたちで嵌合することになるために、取付基部7の内周面には複数段にわたって微細なシールビード部17が形成されている。
また、取付基部7の内周面のうちシールビード部17よりも開放端側には凹溝(凹部)18が形成されているとともに、凹溝18よりもさらに開放端側にはその凹溝18よりも浅いいわゆる肉抜き部としての補助溝19が形成されている。そして、図8のほか図9の(A),(B)に示すように、シールビード部17が取付基部7の全周に形成されているのに対して、凹溝18および補助溝19は一対の補強リブ9とそれに付帯する周方向リブ11の内周面のみに形成されている。これにより、ステアリングギヤボックス3に対する取付基部7の嵌合時には、取付基部7がわずかに拡径しつつそれぞれのシールビード部17が撓み変形することで実質的両者が圧入状態となり、ステアリングギヤボックス3との間のシール性が確保されることになる。
さらに、取付基部7側の凹溝18に対応して、図9の(A)に示すように、ステアリングギヤボックス3の外周面には凸部20が形成されているので、ステアリングギヤボックス3に対して取付基部7を嵌合させた時には、取付基部7側の凹溝18とステアリングギヤボックス3側の凸部20とがいわゆる凹凸嵌合して、ステアリングギヤボックス3に対してグロメット4が堅固に嵌合保持されることになる。
したがって、このように構成されたグロメット4の構造では、図1,2に示した正規組付状態において、グロメット4の取付基部7がステアリングギヤボックス3の端部に外挿されるかたちで着座・嵌合することで当該ステアリングギヤボックス3に保持されているとともに、ステアリングギヤボックス3とダッシュパネル1との間で主としてカップシール部6が軸心方向(ダッシュパネル1に対して面直角となる方向)に撓み変形または圧縮変形して、そのカップシール部6がダッシュパネル1のうち穴部1aの周囲に圧接して、その結果として、ダッシュパネル1に形成された穴部1aとステアリングギヤボックス3との間がシールされ、気密性や水密性さらには遮音性が確保されることは先に述べた通りである。
この場合において、グロメット4の胴部本体5と取付基部7との間に二組の補強リブ9,10や補助リブ12,13が形成されているので、カップシール部6をダッシュパネル1に圧接させたとしても、胴部本体5が座屈するようなおそれはない。
また、図3,5,7に示したように、取付基部7には複数のスリット14,16が形成されているので、取付基部7自体が二組の補強リブ9,10によって補強されてはいても、ステアリングギヤボックス3に対する嵌合時に取付基部7をわずかならが拡径させることができるので、ステアリングギヤボックス3に対するグロメット4の組付性が良好なものとなるとともに、例えばグロメット4を金型注入成形法により金型成形した後の金型からの脱型性も良好なものとなる。
そして、車両が例えば冠水路に進入したような場合であって、且つエンジンルームR1内での各種機器のレイアウトの影響等により、ステアリングギヤボックス3側からグロメット4に向かうような水撃作用による水圧が作用した場合に、取付基部7の開放端部の外周面が先細りのテーパ面7a,9b,11aとして形成されていることにより、それらのテーパ面7a,9b,11aを含む取付基部7の開放端部を水圧で一段とステアリングギヤボックス3側に押し付けるような力がはたらくとともに、それぞれのテーパ面7a,9b,11aが水流を取付基部7の外側に逸らすようなはたらきをすることになる。そのため、水圧による取付基部7の変形やめくれを防止して、内部への浸水を未然に防止することができる。なお、ステアリングギヤボックス3とグロメット4の取付基部7との間では、図8,9に示したシールビード部17のシール機能によって一次的に水密性が付与されていることは言うまでもない。
その上、図9に示したように、ステアリングギヤボックス3側の凸部20と取付基部7側の凹溝18とが凹凸嵌合しているので、水圧を受けたとしてもグロメット4が位置ずれ等を起こすおそれがなく、ステアリングギヤボックス3に対するグロメット4の嵌合保持性にも優れたものとなる。
なお、図8,9に示した補助溝19はそれ自体ではグロメット4の一部として特に機能しないが、先にも述べたように、グロメット4を金型成形した後の金型からの脱型性を改善する上で有利に作用する。
また、図3〜5および図7では、例えばステアリングギヤボックス3と近接配置される他の機器とのレイアウトの関係から、二つで一組の補強リブ9ともう一組の補強リブ10とで互いに形状を異ならせたり、周方向リブ11や爪部15等を付帯させているが、これらの要素は必須ではない。具体的には、二つで一組の補強リブ9の形状はもう一組の補強リブ10と同じ形状であっても良く、さらに二組の補強リブ9,10のほか、周方向リブ11や爪部15等を廃止してもグロメット4としての機能は維持することができる。要は、取付基部7を単純円筒状のものとして形成し、その開放端部側に先細りとなるようなテーパ面7aを形成するとともに、複数のスリット14を形成したものとしても良い。
図10は本発明に係るステアリングシャフトのグロメット構造の第2の実施の形態を示す図で、図9の(A)と同等部分を示している。それ故に、図9の(A)と共通する部分には同一符号を付してある。
この第2の実施の形態では、ステアリングギヤボックス3の外周面のうち凸部20と所定距離隔てて全周に円環状のフランジ部21を張り出すように突出形成する一方、ステアリングギヤボックス3に対する取付基部7の嵌合時にそのテーパ面9aの開放端をフランジ部21に近接させるようにしたものである。なお、図3,5,7に示すように、補強リブ9とそれに付帯する周方向リブ11との間や、周方向リブ11とその周方向リブ11に隣接する部分との間においても、それぞれの開放端の位置が微妙に異なっているので、図10では、少なくとも補強リブ9におけるテーパ面9aの先端がフランジ部21に着座する程度に近接させるものとする。
図10に示したこの第2の実施の形態によれば、例えば車両の冠水路への進入時に、ステアリングギヤボックス3側からグロメット4に向かうような水撃作用による水圧が作用したとしても、取付基部7の開放端側がフランジ部21で保護されていて、フランジ部21が実質的に防護壁として機能することになるので、取付基部に水撃が直撃するのを回避することができ、先の第1の実施の形態と同様の効果に加えて、グロメット4の内部への水の浸入を防止する上で一段と有利となる。
図11,12は本発明に係るステアリングシャフトのグロメット構造の第3,第4の実施の形態を示す図で、図9の(A)とほぼ同等部位を示している。なお、図11,12において図9の(A)と共通する部分には同一符号を付してある。
図11に示す第3の実施の形態では、取付基部7に補強リブ9や周方向リブ11が付帯することなく、取付基部7を単純円筒状のものとした場合であって、その取付基部7の外周面の開放端部側を先細りのテーパ面7aとして形成するとともに、テーパ面7aと反対側の内周面を肉抜きするべく環状の溝部22を形成して、実質的に取付基部7の開放端部に薄肉状のリップ部23を形成してある。そして、図10と同様に、ステアリングギヤボックス3の外周面にフランジ部21を形成して、ステアリングギヤボックス3に対する取付基部7の嵌合時に、その取付基部7側のリップ部23を、所定の撓み代をもってフランジ部21に圧接させるようにしたものである。
また、図12に示す第4の実施の形態では、第3の実施の形態と同様に取付基部7を単純円筒状のものとした場合であって、その取付基部7の外周面の開放端部側を先細りのテーパ面7aとして形成するとともに、テーパ面7aと反対側の内周面に環状の突起部24を形成してある。そして、ステアリングギヤボックス3の外周面に周溝25を形成して、ステアリングギヤボックス3に対する取付基部7の嵌合時に、ステアリングギヤボックス3側の周溝25と取付基部7側の突起部24とを凹凸嵌合させるようにしたものである。
図11に示した第3の実施の形態によれば、取付基部7の開放端でのテーパ面7aを含むリップ部23が、実質的に浸水防護壁として機能するフランジ部21で防護されているのに加えて、リップ部23がフランジ部21に所定の撓み代をもって圧接しているために、例えば冠水路への車両の進入時にステアリングギヤボックス3側から取付基部7側に向かう水撃を受けたとしても、グロメット4の内部への水の浸入を未然に防止することができる。
また、図12に示した第4の実施の形態によれば、図11と比べた場合に、ステアリングギヤボックス3側にフランジ部21が付帯していないものの、ステアリングギヤボックス3側の周溝25と取付基部7側の突起部24とが凹凸嵌合しているので、第3の実施の形態のものと同等の効果が得られることになる。また、各実施の形態におけるステアリングギヤボックス3は、一般的にはアルミニウム等の金属材料で形成されているが、部分的に樹脂材料を用いて形成されるものであってもよい。
1…ダッシュパネル
2…ステアリングシャフト
3…ステアリングギヤボックス
4…グロメット
5…胴部本体
6…カップシール部
7…取付基部
7a…テーパ面
8…カバー胴部
9…補強リブ
10…補強リブ
9b…テーパ面
11a…テーパ面
14…スリット
16…スリット
18…凹溝(凹部)
20…凸部
21…フランジ部
23…リップ部
24…突起部
25…周溝
R1…エンジンルーム
R2…車室

Claims (3)

  1. エンジンルームと車室とを隔離するダッシュパネルとステアリングギヤボックスとの間に介装されて、内部をステアリングギヤボックスに連係されるステアリングシャフトが貫通する筒状のグロメットの構造であって、
    上記ステアリングギヤボックスの端部に外挿嵌合される取付基部と、
    上記取付基部と一体に形成されるとともにダッシュパネルに圧接しつつステアリングシャフトを覆うカバー胴部と、
    を備え、
    上記カバー胴部は、上記取付基部側の筒状の胴部本体と、当該胴部本体の一端に上記ダッシュパネルに圧接するカップシール部とを有し、
    上記取付基部は、内径が上記胴部本体の内径よりも大きく形成されていると共に、先端部外周面が先細りのテーパ面として形成され、
    上記テーパ面を含む取付基部の先端部には、当該取付基部の軸心方向に沿ってスリットが形成され、
    上記取付基部は、カバー胴部のうち少なくとも取付基部に近い部分よりも大径に形成されていて、上記取付基部とカバー胴部のうち少なくとも取付基部に近い部分との間には、少なくとも二つで一組の隅肉状の補強リブが形成され、
    上記取付基部の内周面に、上記取付基部が上記ステアリングギヤボックスの端部に外挿嵌合する際に撓み変形する複数段の微細なシールビード部が上記内周面の全周にわたって形成されているとともに、
    上記ステアリングギヤボックスの端部外周面に周方向に沿って凸部が形成されている一方、
    上記取付基部の内周面の上記シールビード部よりも開放端側に、上記凸部に凹凸嵌合する凹部が形成されているとともに、上記凹部よりもさらに開放端側であって、上記各補強リブの内周面に上記凹部よりも浅い補助溝が形成されていることを特徴とするステアリングシャフトのグロメット構造。
  2. 上記グロメットは可撓性材料により形成されているとともに、
    上記取付基部はステアリングギヤボックスの端部に圧入をもって外挿嵌合されるものであることを特徴とする請求項1に記載のステアリングシャフトのグロメット構造。
  3. 上記ステアリングギヤボックスの端部外周面のうちグロメット側の取付基部の先端と近接する位置に、環状のフランジ部が形成されていることを特徴とする請求項2に記載のステアリングシャフトのグロメット構造。
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