以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。以下の説明では同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰り返さない。
図1は、本発明の実施の形態におけるプリントシステムの全体概要の一例を示す図である。図1を参照して、プリントシステム1は、MFP(Multi Function Peripheral)100と、スマートフォン300と、を含む。
スマートフォン300は、携帯装置の一例であり、ユーザーにより携帯されて使用される。MFP100は、原稿を読み取るための原稿読取機能、画像データに基づいて紙などの記録媒体に画像を形成するための画像形成機能およびファクシミリデータを送受信するファクシミリ送受信機能を備えている。
無線局5およびMFP100それぞれは、ネットワーク3に接続される。ネットワーク3は、ローカルエリアネットワーク(LAN)であり、接続形態は有線または無線を問わない。またネットワーク3は、LANに限らず、公衆交換電話網(Public Switched Telephone Networks)を用いたネットワーク等であってもよい。さらに、ネットワーク3は、インターネットなどのワイドエリアネットワーク(WAN)であってもよい。
スマートフォン300は、無線LAN機能を有し、無線局5と通信可能である。無線局5は、ネットワーク3の中継装置であり、無線LANを用いた通信機能を備えたスマートフォン300と通信して、スマートフォン300をネットワーク3に接続する。このため、スマートフォン300は、無線局5を介してMFP100と通信可能である。ネットワーク3は、さらに、インターネットに接続されてもよい。この場合、スマートフォン300およびMFP100それぞれは、ネットワーク3を介してインターネットに接続されたコンピューターと互いに通信可能である。
さらに、MFP100、スマートフォン300それぞれは、近距離無線通信機能を有し、相手の装置が所定の範囲内となる場合に互いに1対1で通信可能である。
図2は、本実施の形態におけるMFPの外観を示す斜視図である。図3は、本実施の形態におけるMFPのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図2および図3を参照して、MFP100は、メイン回路110と、原稿を読み取るための原稿読取部130と、原稿を原稿読取部130に搬送するための自動原稿搬送装置120と、原稿読取部130が原稿を読み取って出力する画像データに基づいて用紙等に画像を形成するための画像形成部140と、画像形成部140に用紙を供給するための給紙部150と、画像が形成された用紙を処理する後処理部155と、ユーザーインターフェースとしての操作パネル160とを含む。
後処理部155は、画像形成部140により画像が形成された1以上の用紙を並び替えて排紙するソート処理、パンチ穴加工するパンチ処理、ステープル針を打ち込むステープル処理を実行する。
メイン回路110は、CPU111と、通信インターフェース(I/F)部112と、ROM113と、RAM114と、大容量記憶装置としてのハードディスクドライブ(HDD)115と、ファクシミリ部116と、CD−ROM118が装着される外部記憶装置117と、を含む。CPU111は、自動原稿搬送装置120、原稿読取部130、画像形成部140、給紙部150、後処理部155および操作パネル160と接続され、MFP100の全体を制御する。
ROM113は、CPU111が実行するプログラム、またはそのプログラムを実行するために必要なデータを記憶する。RAM114は、CPU111がプログラムを実行する際の作業領域として用いられる。また、RAM114は、原稿読取部130から連続的に送られてくる読取データ(画像データ)を一時的に記憶する。
通信I/F部112は、MFP100をネットワーク3に接続するためのインターフェースである。CPU111は、通信I/F部112を介して、スマートフォン300との間で通信し、データを送受信する。また、通信I/F部112は、ネットワーク3を介してインターネットに接続されたコンピューターと通信が可能である。
ファクシミリ部116は、公衆交換電話網(PSTN)に接続され、PSTNにファクシミリデータを送信する、またはPSTNからファクシミリデータを受信する。ファクシミリ部116は、受信したファクシミリデータを、HDD115に記憶する、または画像形成部140に出力する。画像形成部140は、ファクシミリ部116により受信されたファクシミリデータを用紙にプリントする。また、ファクシミリ部116は、HDD115に記憶されたデータをファクシミリデータに変換して、PSTNに接続されたファクシミリ装置に送信する。
外部記憶装置117は、CD−ROM(Compact Disk ROM)118が装着される。CPU111は、外部記憶装置117を介してCD−ROM118にアクセス可能である。CPU111は、外部記憶装置117に装着されたCD−ROM118に記録されたプログラムをRAM114にロードして実行する。なお、CPU111が実行するプログラムを記憶する媒体としては、CD−ROM118に限られず、光ディスク(MO(Magnetic Optical Disc)/MD(Mini Disc)/DVD(Digital Versatile Disc))、ICカード、光カード、マスクROM、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically EPROM)などの半導体メモリであってもよい。
また、CPU111が実行するプログラムは、CD−ROM118に記録されたプログラムに限られず、HDD115に記憶されたプログラムをRAM114にロードして実行するようにしてもよい。この場合、ネットワーク3に接続された他のコンピューターが、MFP100のHDD115に記憶されたプログラムを書換える、または、新たなプログラムを追加して書き込むようにしてもよい。さらに、MFP100が、ネットワーク3に接続された他のコンピューターからプログラムをダウンロードして、そのプログラムをHDD115に記憶するようにしてもよい。ここでいうプログラムは、CPU111が直接実行可能なプログラムだけでなく、ソースプログラム、圧縮処理されたプログラム、暗号化されたプログラム等を含む。
図4は、第1の実施の形態における操作パネルの制御回路の一例を示す図である。図4を参照して、操作パネル160は、液晶表示装置(LCD)201と、タッチパネル203と、表示制御部205と、NFC制御部213と、NFCアンテナ211と、LED221と、駆動回路223と、LED制御部225と、を含む。
LCD201は、表示装置の一例である。なお、LCD201に代えて、有機ELD(Electro−Luminescence Display)を用いるようにしてもよい。LCD201は、ユーザーに対する指示メニューや取得した画像データに関する情報等を表示する。タッチパネル203は、位置検出装置の一例であり、LCD201の表示面に重畳して設けられ、LCD201の表示面中の位置を検出する。タッチパネル203は、静電容量方式である。なお、タッチパネル203は、静電容量方式に限らず、例えば、抵抗膜方式、表面弾性波方式、赤外線方式、電磁誘導方式等の他の方式を用いることができる。
表示制御部205は、CPU111により制御され、LCD201およびタッチパネル203を制御する。表示制御部205、LCD201およびタッチパネル203は、スイッチ207に繋がる回路に接続されている。スイッチ207は、CPU111によりONとOFFに切り換えられる。CPU111は、動作モードを通常モードに切り換えている場合にスイッチ207をONに切り換え、動作モードを通常モードよりも消費電力の小さい省電力モードに切り換えている場合にスイッチ207をOFFに切り換える。このため、CPU111がスイッチ207をOFFに切り換えると、回路が開き、表示制御部205、LCD201およびタッチパネル203に電力が供給されなくなり、CPU111がスイッチ207をONに切り換えると、回路が閉じて、表示制御部205、LCD201およびタッチパネル203に電力が供給される。
NFC制御部213、LED221、駆動回路223およびLED制御部225は、スイッチ207を含む回路とは別の回路に接続されており、スイッチ207のONまたはOFFに係わらず、電力が供給される。LED制御部225は、CPU111により制御され、駆動回路223のONとOFFとを切り換える。駆動回路223は、LED制御部225によりONに切り換えられる場合、LED221に電圧を印加し、LED制御部225によりOFFに切り換えられる場合、LED221を電圧を印加しない。LED221は駆動回路223により電圧が印加されている間発光し、電圧が印加されなくなると消灯する。CPU111は、スイッチ207をOFFに切り換えている間、LED制御部225に駆動回路223をONに切換させ、スイッチ207をONに切り換えている間、LED制御部225に駆動回路223をOFFに切換させる。このため、LCD201が駆動している間はLED221は消灯し、LCD201が駆動していない間はLED221は点灯する。
NFC制御部213は、アンテナ211が接続される。NFC制御部213は、CPU111により制御され、NFC(Near Field Communication)の近距離無線通信方式で外部の装置、例えば、スマートフォン300と無線により通信する。NFC制御部213が通信可能な距離は、数cmである。
図5は、操作パネルの平面図である。図5を参照して、操作パネル160は、LCD201と、タッチパネル203と、ハードキー部167と、を含む。LCD201の表示面と、タッチパネル203の検出面とは重ねて配置される。アンテナ領域203Aは、LCD201の表示面中でアンテナ211と重なる領域である。
ハードキー部167は、複数のハードキーを含む。ハードキーは、接点スイッチであり、CPU111と接続される。ハードキーは、ユーザーにより押下されていない状態でOFFであり、ユーザーにより押下されるとONになる。
図6は、第1の実施の形態における操作パネルの断面の構成を模式的に示す図である。図6を参照して、LCD201の上方にタッチパネル203が配置され、LCD201の下方に操作パネル制御基板200が配置される。タッチパネル203はLCD201の上方に配置されるので、タッチパネル203の検出面がLCD201の表示面と重なり、タッチパネル203はLCD201の表示面中の位置を検出することができる。
操作パネル制御基板200には、表示制御部205、LED制御部225、駆動回路223、LED221、NFC制御部213およびアンテナ211が配置される。アンテナ211は、LCD201の表示面の下方の面に配置される。LCD201の表示面、またはタッチパネル203の検出面において、アンテナ211と重なる部分を、アンテナ領域203Aという。
導光板230は、透明な板材を直角に折り曲げた断面L字状の形状である。導光板230は、LED221からタッチパネル203に向かって操作パネル制御基板200から垂直に上方に伸び、タッチパネル203に当たる位置で水平方向に折れ曲がり、タッチパネル203とLCD201との間に入り込むように伸びる。
導光板230の一端の第1端面231側にLED221が配置される。LED221は、導光板230の第1端面231に1以上が設けられ、導光板230の第1端面231に向けて光を照射する光源である。なお、LED221は、導光板230の第1端面231に沿って設けられる線光源であってもよい。第1端面231から入射した光は、導光板230の第1端面231に対向する他端の第2端面233に進む。なお、第1端面231から入射した光の一部は、導光板230の側面を透過する光と反射する光とを含む。導光板230の第2端面233に進む光の一部は、第2端面233を透過する。第2端面233は、タッチパネル203の検出面と所定の角度で交わる。第2端面233とタッチパネル203の検出面とが交わる角度は、90度より小さい。
第2端面233には、指示画像が形成されている。具体的には、第2端面233の光の透過率が、指示画像が存在する部分と、指示画像が存在しない部分とで異なる。このため、タッチパネル203の検出面に指示画像が投影される。なお、図6中の点線は、第2端面223を透過した光を示すために付したもので、実際には存在しない。
タッチパネル203の検出面において、第2端面233を透過した光が照射される部分は、タッチパネル203を上方から見て、NFC制御部213のアンテナ211に対応するアンテナ領域203Aと重なるように、第2端面233の水平方向の位置および第2端面233とタッチパネル203の検出面との角度が調整されている。換言すれば、タッチパネル203の検出面において第2端面233を透過した光が照射される部分は、アンテナ領域203Aと重なる。
なお、本実施の形態においては、第1端面231に指示画像を形成するようにしたが、第1端面231とタッチパネル203の検出面との間に指示画像が形成された像担持板を設けるようにしてもよい。
図7は、第1の実施の形態における表示切換処理の流れの一例を示すフローチャートである。表示切換処理は、MFP100が備えるCPU111が、ROM113、HDD115またはCD−ROM118に記憶された表示切換プログラムを実行することにより、CPU111により実行される処理である。図7を参照して、CPU111は、省電力条件が成立したか否かを判断する。省電力条件は、動作モードを省電力モードに切り換えるために予め定められた条件である。省電力条件は、例えば、操作パネル160が操作を受け付けることなく所定の時間経過する場合に成立する。省電力条件が成立したならば処理をステップS02に進めるが、そうでなければ処理をステップS05に進める。ステップS02においては、LCD201を駆動しているか否かを判断する。スイッチ207をONに切り換えているならばLCD201を駆動していると判断する。LCD201を駆動しているならば処理をステップS03に進めるが、そうでなければ処理をステップS09に進める。ステップS03においては、LCD201を停止させ、処理をステップS04に進める。スイッチ207をOFFに切り換えることにより、LCD201を停止させる。
ステップS04においては、LED221をONにし、処理をステップS09に進める。LED制御部225に駆動回路223をONに切換させる。これにより、LED221が発光するので、タッチパネル203に指示画像が投影される。LCD201が駆動していないにもかかわらず、LCD201の表示面中でアンテナ領域203Aに指示画像が表示される。
ステップS05においては、復帰条件が成立したか否かを判断する。復帰条件は、動作モードを省電力モードから通常モードに切り換えるための条件として予め定められた条件である。例えば、MFP100がユーザーにより操作される場合に成立する。より具体的には、操作パネル160が備える物理スイッチが指示される場合に、ユーザーにより操作されると判断する。また、MFP100は、ユーザーによる操作を検出するための種々のセンサーを有するので、センサーがユーザーによる操作を検出する場合に、復帰条件が成立したと判断する。例えば、自動原稿搬送装置120が開放を検出するセンサーがあり、そのセンサーが自動原稿搬送装置120が開放を検出する場合に、ユーザーによる操作を検出する。復帰条件が成立したならば処理をステップS06に進めるが、そうでなければ処理をステップS09に進める。
ステップS06においては、LCD201が停止しているか否かを判断する。スイッチ207をOFFに切り換えているならばLCD201が停止していると判断する。LCD201を停止しているならば処理をステップS07に進めるが、そうでなければ処理をステップS09に進める。ステップS07においては、LCD201を駆動させ、処理をステップS08に進める。スイッチ207をONに切り換え、表示制御部205に駆動指示を出力することにより、LCD201を駆動させる。
ステップS08においては、LED221をOFFにし、処理をステップS09に進める。LED制御部225に駆動回路223をOFFに切換させる。これにより、LED221が消灯するので、タッチパネル203に指示画像が投影されなくなる。LCD201が駆動しているので、LCD201にアンテナ領域203Aに指示画像を表示させるようにすればよい。
ステップS09においては、外部の装置とのNFC通信を検出したか否かを判断する。NFC制御部213が、外部の装置、例えば、スマートフォン300と通信を開始したならば外部の装置とのNFC通信を検出する。ここでは、検出されたNFC通信の相手方の装置を、スマートフォン300とする場合を例に説明する。スマートフォン300とNFC通信を検出したならば処理をステップS10に進めるが、そうでなければ処理をステップS01に戻す。ステップS10においては、ステップS09においてNFC通信の相手側のスマートフォン300との間で通信経路が確立されたか否かを判断する。例えば、通信I/F部112を制御して、スマートフォン300との間で装置と通信経路を確立する。通信経路を確立するまで待機状態となり(ステップS10でNO)、通信経路を確立したならば(ステップS10でYES)、処理をステップS11に進める。
ステップS11においては、通信経路を確立したスマートフォン300により遠隔操作されるか否かを判断する。例えば、スマートフォン300により実行されているアプリケーションプログラムにより遠隔操作されているか否かを判断する。アプリケーションプログラムが、MFP100を遠隔操作するための遠隔操作用プログラムならば遠隔操作されると判断する。また、スマートフォン300から遠隔操作コマンドを受信することにより判断するようにしてもよい。例えば、スマートフォン300において、ブラウザプログラムが実行され、遠隔操作のための操作画面のWebページの送信コマンドを受信する場合に、遠隔操作されると判断する。スマートフォン300により遠隔操作されたならば処理をステップS15に進めるが、そうでなければ処理をステップS12に進める。
処理がステップS12に進む場合は、例えば、スマートフォン300において、遠隔操作用プログラムとは異なるアプリケーションプログラムが実行される場合であり、例えば、アドレス帳のデータを送信するアプリケーションプログラム、スマートフォン300をMFP100のキーボードとして機能させるためのアプリケーションプログラムが実行される場合である。ステップS12においては、LCD201が停止しているか否かを判断する。スイッチ207をOFFに切り換えているならばLCD201が停止していると判断する。LCD201を停止しているならば処理をステップS13に進めるが、そうでなければ処理をステップS01に戻す。
ステップS13においては、LCD201を駆動させ、処理をステップS14に進める。スイッチ207をONに切り換え、表示制御部205に駆動指示を出力することにより、LCD201を駆動させる。ステップS14においては、LED221をOFFにし、処理をステップS09に進める。LED制御部225に駆動回路223をOFFに切換させる。これにより、LED221が消灯するので、タッチパネル203に指示画像が投影されなくなる。LCD201が駆動しているので、LCD201にアンテナ領域203Aに指示画像を表示させるようにすればよい。
ステップS15においては、ユーザーにより入力される操作によって処理を分岐させる。処理がステップS11から進む場合は、スマートフォン300によって遠隔操作されるので、スマートフォン300から受信される操作に従って、処理を分岐させる。処理がステップS14から進む場合は、操作パネル160にユーザーにより入力される操作、または、スマートフォン300から受信される操作に従って、処理を分岐させる。ユーザーにより入力される操作が、設定値を設定する設定操作ならば処理をステップS16に進め、処理の実行を指示する実行指示操作ならば処理をステップS17に進め、遠隔操作の終了を指示する終了操作を受け付けたならば処理をステップS01に戻す。ステップS16においては、設定操作に従って設定値を設定し、処理をステップS15に戻す。ステップS16においては、実行指示操作に従って処理を実行し、処理をステップS01に戻す。
<第1の変形例>
第1の変形例におけるMFP100は、操作パネル160を変更したものである。その他の構成および機能は、上述した構成および機能と同じである。したがって、ここでは説明を繰り返さない。
図8は、第1の変形例における操作パネルの断面の構成を模式的に示す図である。図8を参照して、図6に示した操作パネル160と異なる点は、導光板230が導光板230Aに変更された点である。導光板230Aは、透明な板材を直角に折り曲げた断面L字状の形状である。導光板230Aは、LED221からタッチパネル203に向かって操作パネル制御基板200から垂直に上方に伸び、タッチパネル203に当たる位置で水平方向に折れ曲がり、タッチパネル203とLCD201との間に入り込むように伸びる。
導光板230Aの一端の第1端面231側にLED221が配置される。LED221は、導光板230Aの第1端面231に1以上が設けられ、導光板230Aの第1端面231に向けて光を照射する光源である。なお、LED221は、導光板230Aの第1端面231に沿って設けられる線光源であってもよい。第1端面231から入射した光は、導光板230Aの第1端面231に対向する他端の第3端面235に進む。なお、第1端面231から入射した光の一部は、導光板230Aの側面を透過する光と反射する光とを含む。導光板230AのLCD201側の底面において、第1端面231と第3端面235との間のアンテナ領域203Aに対応する部分にアンテナ領域203Aの輪郭に沿って所定の間隔で複数の反射部分237が形成されている。反射部分237は、例えば、裏面から隆起した突起である。第1端面231から入射した光は、複数の反射部分237それぞれで反射し、タッチパネル203の検出面に照射される。このため、タッチパネル203の検出面において、指示画像が投影される。
<第2の変形例>
第2の変形例における導光板230Bは、第1の変形例の導光板230Aを改良したものである。図9は、第2の変形例における操作パネルの断面の構成を模式的に示す図である。図9を参照して、第2の変形例における導光板230Bは、第1端面231に入射した光を、第1端面231に対向する他端の第4端面239まで伝達させる。第4端面239は、第1端面231から入射した光を反射する反射面である。第4端面239は、タッチパネル203の検出面と所定の角度で交わる。第4端面239と、タッチパネル203の検出面とが交わる角度は、90度より小さい。このため、第4端面239で反射した光は、タッチパネル203の検出面に照射される。
第4端面239には、指示画像が形成されている。具体的には、第4端面239の光の反射率が、指示画像が存在する部分と、指示画像が存在しない部分とで異なる。このため、タッチパネル203の検出面において、第4端面239で反射した光が照射される部分に、指示画像が投影される。ここでは、指示画像が存在する部分の反射率が指示画像が存在しない部分の反射率よりも高くしている。なお、指示画像が存在する部分の反射率を、指示画像が存在しない部分の反射率よりも低くしてもよい。
タッチパネル203の検出面において、第4端面239で反射した光が照射される部分は、アンテナ領域203Aと重なるように、第4端面239の水平後方の位置および第4端面239とタッチパネル203の検出面との角度が調整されている。換言すれば、タッチパネル203の検出面において第4端面239で反射した光が照射される部分は、アンテナ領域203Aと重なる。
<第3の変形例>
第3の変形例におけるMFP100はLED221が配置される位置および導光板230の形状を変更したものである。図10は、第3の変形例における操作パネルの断面の構成を模式的に示す図である。図10を参照して、図6に示した構成と異なる点は、導光板230が導光板230Cに変更された点、LED221が配置される位置が変更された点である。
LED221は、タッチパネル203の裏面に配置される。導光板230Cは、透明な板材であり、LED221からタッチパネル203とLCD201との間に入り込むように伸びる。導光板230Cの一端の第1端面231側にLED221が配置される。LED221は、導光板230Cの第1端面231に1以上が設けられ、導光板230Cの第1端面231に向けて光を照射する光源である。なお、LED221は、導光板230Cの第1端面231に沿って設けられる線光源であってもよい。第1端面231から入射した光は、導光板230Cの第1端面231に対向する他端の第2端面233に進む。なお、第1端面231から入射した光の一部は、導光板230の側面を透過する光と反射する光とを含む。導光板230の第2端面233に進む光の一部は、第2端面233を透過する。第2端面233は、タッチパネル203の検出面と所定の角度で交わる。第2端面233とタッチパネル203の検出面とが交わる角度は、90度より小さい。タッチパネル203の検出面において、第2端面233を透過した光が照射される部分は、タッチパネル203を上方から見て、NFC制御部213のアンテナ211に対応するアンテナ領域203Aと重なるように、第2端面233の水平方向の位置および第2端面233とタッチパネル203の検出面との角度が調整されている。
第2端面233には、指示画像が形成されている。具体的には、第2端面233の光の透過率が、指示画像が存在する部分と、指示画像が存在しない部分とで異なる。このため、タッチパネル203の検出面において、第2端面233を透過した光が照射される部分に、指示画像が投影される。
なお、第1の変形例および第2の変形例においても、第3の変形例と同様に、LED221をタッチパネル203の下方に配置するようにしてもよい。この場合には、導光板230Aおよび230Bは、透明な板材であり、タッチパネル203とLCD201との間に入り込むように配置される。
以上説明したように、本実施の形態におけるMFP100は、情報処理装置として機能し、LCD201が光を照射する側に設けられ、LCD201の表示面から照射される光を透過するタッチパネル203と、LCD201の表示面の上方または下方に設けられたアンテナ211と、LCD201が画像を表示していない間、タッチパネル203にアンテナの位置を示す指示画像を投影するLED221および導光板230と、を備える。LCD201が画像を表示していない間、タッチパネル203の裏面に指示画像が投影されるので、LCD201が画像を表示していない間に、アンテナ211の位置をユーザーに通知することができる。
また、導光板230は、LED221から照射される光を、タッチパネル203の検出面中でアンテナ211と重なるアンテナ領域(重畳領域)203Aに導く光路を形成し、光路中に設けられ、指示画像が形成された第2端面(像担持面)233と、を含む。このため、導光板230によりLED221から照射される光が重畳領域に導かれるので、第2端面233に形成された指示画像が重畳領域に投影される。
また、第2端面233は、指示画像が形成された部分の光の透過率が、指示画像が形成されていない部分の光の透過率と異なるので、指示画像をタッチパネル203の裏面に投影することができる。例えば、指示画像が形成された部分の光の透過率を、指示画像が形成されていない部分の光の透過率より大きくする場合、タッチパネル203の裏面に、指示画像の部分が他の部分よりも明るく投影される。このため、指示画像を他の部分より明るく表示することができる。
また、第2端面233は、タッチパネル230の裏面の法線方向と所定の角度を有する。第2端面233を透過した光は屈折するので、第2端面233を透過した光をアンテナ領域203Aに導くことができる。
また、導光板230は、タッチパネル203とLCD201との間においてタッチパネル203の裏面に平行に配置されるので、タッチパネル203とLCD201との間をできるだけ短くすることができる。
また、第1の変形例においては、導光板230Aは、タッチパネル230と反対側の面に、重畳領域を投影した領域の輪郭に沿って配列された複数の反射部分237を含む。このため、導光板230AにLED221から入射した光が複数の反射部分237でそれぞれ反射するので、複数の反射部分237でそれぞれ反射した光が、アンテナ領域203Aの輪郭に照射される。このため、アンテナ領域203Aの輪郭部分を明るくすることができる。
また、第2の変形例においては、導光板230Bの第4端面239を像担持面とするものであり、第4端面239は、指示画像が形成された部分の光の反射率が、指示画像が形成されていない部分の光の反射率と異なるので、指示画像をタッチパネル203の裏面に投影することができる。例えば、指示画像が形成された部分の光の反射率を、指示画像が形成されていない部分の光の反射率より大きくすれば、タッチパネル203の裏面に、指示画像の部分が他の部分よりも明るく投影されるので、指示画像を他の部分より明るく表示することができる。
また、第4端面239は、タッチパネル230の裏面の法線方向と所定の角度を有する。このため、第4端面239で反射した光をアンテナ領域203Aに導くことができる。
さらに、MFP100は、アンテナ211に接続されたNFC制御部213を備える。NFC制御部213は、外部の装置、ここではスマートフォン300と通信する通信手段として機能する通信回路である。CPU111は、LCD201が画像を表示していない間に、NFC制御部213がスマートフォン300を検出する場合(ステップS09でYES)、LCD201に画像を表示させることなくスマートフォン300から遠隔操作を受信すると(ステップS11)、遠隔操作に従って処理を実行する(ステップS16、ステップS17)。LCD201を駆動することなく遠隔操作に従って処理を実行するので、LCD201により電力が消費させないようにすることができる。
<第2の実施の形態>
第2の実施の形態におけるMFP100の外観、ハードウェア構成は、図2および図3に示した外観およびハードウェア構成と同じである。
図11は、第2の実施の形態におけるMFP100の操作パネル160の制御回路の一例を示す図である。図11を参照して、図4に示した制御回路と異なる点は、LED221、LED制御部225および駆動回路223が削除された点である。
図12は、第2の実施の形態における操作パネルの断面の構成を模式的に示す図である。図10を参照して、LCD201の上方にタッチパネル203が配置され、LCD201の下方に操作パネル制御基板200が配置される。タッチパネル203はLCD201の上方に配置されるので、タッチパネル203の検出面がLCD201の表示面と重なり、タッチパネル203はLCD201の表示面中の位置を検出することができる。
操作パネル制御基板200には、表示制御部205、NFC制御部213およびアンテナ211が配置される。アンテナ211は、LCD201の表示面の下方の面に配置される。LCD201の表示面において、表示面を上から見て、アンテナ211と重なる部分が、アンテナ領域203Aである。
ハーフミラー板240は、LCD201とタッチパネル203との間で、アンテナ211と重なる部分に配置される。ここで、LCD201からタッチパネル203に向かう方向を第1の方向といい、第1の方向と反対のタッチパネル203からLCD201に向かう方向を第2の方向という。ハーフミラー板240は、光の透過率の高いベースフィルム上に薄膜反射膜によって指示画像が形成されている。ハーフミラー板240の薄膜反射膜が形成される部分は、薄膜反射膜が形成されていない部分よりも第2の方向の光の反射率が高い。また、ハーフミラー板240の薄膜反射膜が形成される部分の第2の方向の光の反射率R1は、LCD201の表示面の反射率R2よりも大きい。また、ハーフミラー板240の薄膜反射膜が形成される部分の第1の方向の光の透過率TPはできるだけ高い方が好ましい。好ましくは、透過率TPは、85%以上である。したがって、次式(1)が成立する。
R2<R1<(100−85) … (1)
このため、ハーフミラー板240は、LCD201が駆動している場合には、LCD201から照射される第1の方向の光を透過するので、ユーザーは、LCD201が形成する画像を視認することができる。
また、LCD201が駆動していない場合、環境光である第2の方向の光がタッチパネル203から入射される。ハーフミラー板240の薄膜反射膜が形成された指示画像の部分において第2の方向の光が反射する光の量は、薄膜反射膜が形成されていない部分よりも多いので、指示画像を視認することができる。
なお、本実施の形態においては、薄膜反射膜を蒸着膜としたが、他の部材を用いるようにしてもよい。
第2の実施の形態におけるMFP100は、LCD201の表示面の上方で、LCD201の表示面中でアンテナ211に対応するアンテナ領域に重なるように配置され、アンテナ211の位置を示す指示画像と同じ形状の反射部分を有するハーフミラー板240と、を備える。ハーフミラー板240の反射部分の光の反射率は、LCD201の表示面の反射率よりも大きい。このため、LCD201が画像を表示していない状態においては、反射部分で反射する光の量がLCD201の表示面で反射する光の量よりも多くなる。反射部分は指示画像と同じ形状なので、LCD201が画像を表示していない状態において指示画像がユーザーにより視認可能になる。このため、LCD201が画像を表示していない間に、アンテナ211の位置をユーザーに通知することができる。
<第3の実施の形態>
第3の実施の形態におけるMFP100の外観、ハードウェア構成は、図2および図3に示した外観およびハードウェア構成と同じである。
図13は、第3の実施の形態におけるMFP100の操作パネル160の制御回路の一例を示す図である。図13を参照して、図11に示した制御回路と異なる点は、モーター241および駆動回路243が追加された点である。駆動回路243は、CPU111により制御され、モーター241を駆動する。モーター241は、後述する表示板を移動させる。
図14は、第3の実施の形態における操作パネルの断面の構成を模式的に示す図である。図14を参照して、LCD201の上方にタッチパネル203が配置され、LCD201の下方に操作パネル制御基板200が配置される。タッチパネル203はLCD201の上方に配置されるので、タッチパネル203の検出面がLCD201の表示面と重なり、タッチパネル203はLCD201の表示面中の位置を検出することができる。タッチパネル203は、光と透過する透過層である。
操作パネル制御基板200には、表示制御部205、NFC制御部213、アンテナ211およびモーター駆動回路243が配置される。アンテナ211は、LCD201の表示面の下方の面に配置される。LCD201の表示面、またはタッチパネル203の検出面において、アンテナ211と重なる部分が、アンテナ領域203Aである。
表示板250は、LCD201とタッチパネル203との間に、移動可能に配置される。表示板250は、モーター241によりLCD201と平行に移動され、LCD201とタッチパネル203との間の位置からLCD201と重ならない位置とに移動可能である。表示板250には、基準画像と同じ画像が描かれている。表示板250がLCD201と重なる位置は、表示板250に描かれた基準画像がアンテナ領域と重なる位置である。
表示板250は、LCD201が起動していない間は、LCD201と重なる位置にモーター241によって移動され、LCD201が起動している間は、LCD201と重ならない位置にモーター241によって移動される。なお、図14において、LCD201が起動している間における表示版250を実線で示し、LCD201が起動していない間における表示板250を点線で示している。
図15は、第3の実施の形態における表示切換処理の流れの一例を示すフローチャートである。図15を参照して、図7に示した処理と異なる点は、ステップS04、ステップS08およびステップS14が、ステップS04A、ステップS08AおよびステップS14Aにそれぞれ変更された点である。その他の処理は、図7に示した処理と同じなのでここでは説明を繰り返さない。
ステップS04Aにおいては、表示板250をアンテナ211に対応する位置に移動させる。具体的には、モーター駆動回路243を制御して、モーター241を回転させ、表示板250をアンテナ211に対応する位置に移動させる。アンテナ211に対応する位置は、アンテナ領域203Aに重なる位置である。
ステップS08AまたはステップS14Aにおいては、表示板250をLCD201の表示面の外に移動させる。具体的には、モーター駆動回路243を制御して、モーター241を回転させ、表示板250をLCD201の表示面の外側の位置に移動させる。
第3の実施の形態におけるMFP100は、タッチパネル203とLCD201の間で移動可能で、アンテナ211の位置を示す指示画像が描かれた表示板250を備えており、LCD201が画像を表示している間はLCD201の表示面と重ならない位置に表示板250を移動させ、LCD201が画像を表示していない間はLCD201の表示面中でアンテナ211に対応する位置に表示板250を移動させる。このため、LCD201の表示面に、LCD201が表示する画像、または、指示画像を表示することができる。したがって、LCD201が画像を表示していない間に、アンテナ211の位置をユーザーに通知することができる。
<アンテナ配置の変形例>
上述した第1〜第3の実施の形態においては、アンテナ211をLCD201の下方に配置された操作パネル制御基板200に配置するようにした。アンテナ211は、LCD201の透明電極層に形成されてもよい。例えば、LCD201は、液晶層の両面に、共通電極となる透明配線が形成された電極層と、画素を駆動するための画素電極となる透明配線が形成された電極層とを含む。アンテナ211を、2つの電極層のいずれかに形成するようにしてもよい。この場合、アンテナ211は、光の透過率の高い透明な部材で形成されるのが好ましい。
また、アンテナ211を、タッチパネル203の配線パターンが形成される層に、アンテナ211を形成するようにしてもよい。この場合においては、アンテナ211は光の透過率の高い透明な部材で形成されるのが好ましい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。