以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して説明する。まず、図1から図22を参照し、第1実施形態として、本発明をパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)10に適用した場合の一実施形態について説明する。図1は、第1実施形態におけるパチンコ機10の正面図であり、図2はパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図3はパチンコ機10の背面図である。
図1に示すように、パチンコ機10は、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12には、多数の釘や入賞口63,64等を有する遊技盤13(図2参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の正面を球(遊技球)が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の正面領域に発射する球発射ユニット112a(図4参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の正面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
内枠12の正面側には、その正面上側を覆う正面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。正面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として正面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と正面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
正面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。正面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の正面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。
正面枠14には、球を貯留する上皿17が正面側へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112a(図4参照)へと案内される。また、上皿17の上面には、枠ボタン22が設けられている。この枠ボタン22は、例えば、第3図柄表示装置81(図2参照)で表示される演出のステージを変更したり、スーパーリーチの演出内容を変更したりする場合などに、遊技者により操作される。
正面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29〜33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29〜33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29〜33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。また、正面枠14の正面視(図1参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。
また、右側の電飾部32下側には、正面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13正面の貼着スペースK1(図2参照)に貼付される証紙等がパチンコ機10の正面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29〜33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その左側部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の正面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51及び操作デバイス300が配設される。なお、操作デバイス300については後述する。
操作ハンドル51の内部には、球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する発射停止スイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)などが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回動操作されると、タッチセンサ51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が回動操作量に対応して変化し、その可変抵抗器の抵抗値に対応した強さ(発射強度)で球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の正面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51aおよび発射停止スイッチ51bがオフとなっている。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。この球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、上述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿(図示せず)が取り付けられている。
図2に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工したベース板60に、球案内用の多数の釘(図示せず)や風車(図示せず)の他、レール61,62、一般入賞口63、第1入賞口64、第2入賞口640、可変入賞装置330、スルーゲート67、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12(図1参照)の裏面側に取り付けられる。ベース板60は光透過性の樹脂材料からなり、その正面側からベース板60の背面側に配設された各種構造体を遊技者に視認させることが可能に形成される。一般入賞口63、第1入賞口64、第2入賞口640、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の正面側からタッピングネジ等により固定されている。
遊技盤13の正面中央部分は、正面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠12の正面側から視認することができる。以下に、主に図2を参照して、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の正面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の正面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の正面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の正面であって2本のレール61,62とレール間を繋ぐ樹脂製の外縁部材73とにより区画して形成される領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(図4参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図2の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。
遊技領域の正面視左側下部(図2の左側下部)には、発光手段である複数のLED及び7セグメント表示器を備える第1図柄表示装置37A,37Bが配設されている。第1図柄表示装置37A,37Bは、主制御装置110(図4参照)で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。本実施形態では、第1図柄表示装置37A,37Bは、球が、第1入賞口64へ入賞したか、第2入賞口640へ入賞したかに応じて使い分けられるように構成されている。具体的には、球が、第1入賞口64へ入賞した場合には、第1図柄表示装置37Aが作動し、一方で、球が、第2入賞口640へ入賞した場合には、第1図柄表示装置37Bが作動するように構成されている。
また、第1図柄表示装置37A,37Bは、LEDにより、パチンコ機10が確変中か時短中か通常中であるかを点灯状態により示したり、変動中であるか否かを点灯状態により示したり、停止図柄が確変大当たりに対応した図柄か普通大当たりに対応した図柄か外れ図柄であるかを点灯状態により示したり、保留球数を点灯状態により示すと共に、7セグメント表示装置により、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行う。なお、複数のLEDは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態を示唆することができる。
尚、本パチンコ機10では、第1入賞口64及び第2入賞口640へ入賞があったことを契機として抽選が行われる。パチンコ機10は、その抽選において、大当たりか否かの当否判定(大当たり抽選)を行うと共に、大当たりと判定した場合はその大当たり種別の判定も行う。ここで判定される大当たり種別としては、15R確変大当たり、4R確変大当たり、15R通常大当たりが用意されている。第1図柄表示装置37A,37Bには、変動終了後の停止図柄として抽選の結果が大当たりであるか否かが示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別に応じた図柄が示される。
ここで、「15R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変大当たりのことであり、「4R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が4ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変大当たりのことである。また、「15R通常大当たり」は、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に、低確率状態へ移行すると共に、所定の変動回数の間(例えば、100変動回数)は時短状態となる大当たりのことである。
また、「高確率状態」とは、大当たり終了後に付加価値としてその後の大当たり確率がアップした状態、いわゆる確率変動中(確変中)の時をいい、換言すれば、特別遊技状態へ移行し易い遊技の状態のことである。本実施形態における高確率状態(確変中)は、後述する第2図柄の当たり確率がアップして第2入賞口640へ球が入賞し易い遊技の状態を含む。「低確率状態」とは、確変中でない時をいい、大当たり確率が通常の状態、即ち、確変の時より大当たり確率が低い状態をいう。また、「低確率状態」のうちの時短状態(時短中)とは、大当たり確率が通常の状態であると共に、大当たり確率がそのままで第2図柄の当たり確率のみがアップして第2入賞口640へ球が入賞し易い遊技の状態のことをいう。一方、パチンコ機10が通常中とは、確変中でも時短中でもない遊技の状態(大当たり確率も第2図柄の当たり確率もアップしていない状態)である。
確変中や時短中は、第2図柄の当たり確率がアップするだけではなく、第2入賞口640に付随する電動役物640aが開放される時間も変更され、通常中と比して長い時間が設定される。電動役物640aが開放された状態(開放状態)にある場合は、その電動役物640aが閉鎖された状態(閉鎖状態)にある場合と比して、第2入賞口640へ球が入賞しやすい状態となる。よって、確変中や時短中は、第2入賞口640へ球が入賞し易い状態となり、大当たり抽選が行われる回数を増やすことができる。
なお、確変中や時短中において、第2入賞口640に付随する電動役物640aの開放時間を変更するのではなく、または、その開放時間を変更することに加えて、1回の当たりで電動役物640aが開放する回数を通常中よりも増やす変更を行うものとしてもよい。また、確変中や時短中において、第2図柄の当たり確率は変更せず、第2入賞口640に付随する電動役物640aが開放される時間および1回の当たりで電動役物640aが開放する回数の少なくとも一方を変更するものとしてもよい。また、確変中や時短中において、第2入賞口640に付随する電動役物640aが開放される時間や、1回の当たりで電動役物640aを開放する回数はせず、第2図柄の当たり確率だけを、通常中と比してアップするよう変更するものであってもよい。
遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、第1入賞口64及び第2入賞口640への入賞(始動入賞)をトリガとして、第1図柄表示装置37A,37Bにおける変動表示と同期させながら、第3図柄の変動表示を行う液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す)で構成された第3図柄表示装置81と、スルーゲート67の球の通過をトリガとして第2図柄を変動表示するLEDで構成される第2図柄表示装置(図示せず)とが設けられている。また、可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。
第3図柄表示装置81は9インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、表示制御装置114(図4参照)によって表示内容が制御されることにより、例えば上、中及び下の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄(第3図柄)によって構成され、これらの第3図柄が図柄列毎に横スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。本実施形態の第3図柄表示装置81は、主制御装置110(図4参照)の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37A,37Bで行われるのに対して、その第1図柄表示装置37A,37Bの表示に応じた装飾的な表示を行うものである。なお、表示装置に代えて、例えばリール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
第2図柄表示装置は、球がスルーゲート67を通過する毎に表示図柄(第2図柄(図示せず))としての「○」の図柄と「×」の図柄とを所定時間交互に点灯させる変動表示を行うものである。パチンコ機10では、球がスルーゲート67を通過したことが検出されると、当たり抽選が行われる。その当たり抽選の結果、当たりであれば、第2図柄表示装置において、第2図柄の変動表示後に「○」の図柄が停止表示される。また、当たり抽選の結果、外れであれば、第2図柄表示装置において、第3図柄の変動表示後に「×」の図柄が停止表示される。
パチンコ機10は、第2図柄表示装置における変動表示が所定図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止した場合に、第2入賞口640に付随された電動役物640aが所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。
第2図柄の変動表示にかかる時間は、遊技状態が通常中の場合よりも、確変中または時短中の方が短くなるように設定される。これにより、確変中および時短中は、第2図柄の変動表示が短い時間で行われるので、当たり抽選を通常中よりも多く行うことができる。よって、当たり抽選において当たりとなる機会が増えるので、第2入賞口640の電動役物640aが開放状態となる機会を遊技者に多く与えることができる。よって、確変中および時短中は、第2入賞口640へ球が入賞しやすい状態とすることができる。
なお、確変中または時短中において、当たり確率を高める、1回に当たりに対する電動役物640aの開放時間や開放回数を増やすなど、その他の方法によっても、確変中または時短中に第2入賞口640へ球が入賞しやすい状態としている場合は、第2図柄の変動表示にかかる時間を遊技状態にかかわらず一定としてもよい。一方、第2図柄の変動表示にかかる時間を、確変中または時短中において通常中よりも短く設定する場合は、当たり確率を遊技状態にかかわらず一定にしてもよいし、また、1回の当たりに対する電動役物640aの開放時間や開放回数を遊技状態にかかわらず一定にしてもよい。
スルーゲート67は、可変表示装置ユニット80の左右の領域において遊技盤13に組み付けられ、遊技盤13に発射された球の一部が通過可能に構成されている。スルーゲート67を球が通過すると、第2図柄の当たり抽選が行われる。当たり抽選の後、第2図柄表示装置にて変動表示を行い、当たり抽選の結果が当たりであれば、変動表示の停止図柄として「○」の図柄を表示し、当たり抽選の結果が外れであれば、変動表示の停止図柄として「×」の図柄を表示する。
球のスルーゲート67の通過回数は、合計で最大4回まで保留され、その保留球数が上述した第1図柄表示装置37A,37Bにより表示されると共に第2図柄保留ランプ(図示せず)においても点灯表示される。第2図柄保留ランプは、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置81の下方に左右対称に配設されている。
なお、第2図柄の変動表示は、本実施形態のように、第2図柄表示装置において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37A,37B及び第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプの点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、スルーゲート67の球の通過に対する最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、スルーゲート67の組み付け数は2つに限定されるものではなく、例えば1つであっても良い。また、スルーゲート67の組み付け位置は可変表示装置ユニット80の左右に限定されるものではなく、例えば、可変表示装置ユニット80の下方でも良い。また、第1図柄表示装置37A,37Bにより保留球数が示されるので、第2図柄保留ランプにより点灯表示を行わないものとしてもよい。
可変表示装置ユニット80の下方には、球が入賞し得る第1入賞口64が配設されている。この第1入賞口64へ球が入賞すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1入賞口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図4参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37Aで示される。
一方、第1入賞口64の正面視下方には、球が入賞し得る第2入賞口640が配設されている。この第2入賞口640へ球が入賞すると遊技盤13の裏面側に設けられる第2入賞口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第2入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図4参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37Bで示される。
また、第1入賞口64および第2入賞口640は、それぞれ、球が入賞すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。なお、本実施形態においては、第1入賞口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入賞口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを同じに構成したが、第1入賞口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入賞口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを異なる数、例えば、第1入賞口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を3個とし、第2入賞口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を5個として構成してもよい。
第2入賞口640には電動役物640aが付随されている。この電動役物640aは開閉可能に構成されており、通常は電動役物640aが閉鎖状態(縮小状態)となって、球が第2入賞口640へ入賞しにくい状態となっている。一方、スルーゲート67への球の通過を契機として行われる第2図柄の変動表示の結果、「○」の図柄が第2図柄表示装置に表示された場合、電動役物640aが開放状態(拡大状態)となり、球が第2入賞口640へ入賞しやすい状態となる。
上述した通り、確変中および時短中は、通常中と比して第2図柄の当たり確率が高く、また、第2図柄の変動表示にかかる時間も短いので、第2図柄の変動表示において「○」の図柄が表示され易くなって、電動役物640aが開放状態(拡大状態)となる回数が増える。更に、確変中および時短中は、電動役物640aが開放される時間も、通常中より長くなる。よって、確変中および時短中は、通常時と比して、第2入賞口640へ球が入賞しやすい状態を作ることができる。
ここで、第1入賞口64に球が入賞した場合と第2入賞口640へ球が入賞した場合とで、大当たりとなる確率は、低確率状態であっても高確率状態でも同一である。しかしながら、大当たりとなった場合に選定される大当たりの種別として15R確変大当たりとなる確率は、第2入賞口640へ球が入賞した場合のほうが第1入賞口64へ球が入賞した場合よりも高く設定されている。一方、第1入賞口64は、第2入賞口640にあるような電動役物は有しておらず、球が常時入賞可能な状態となっている。
よって、通常中においては、第2入賞口640に付随する電動役物が閉鎖状態にある場合が多く、第2入賞口640に入賞しづらいので、電動役物のない第1入賞口64へ向けて、可変表示装置ユニット80の左方を球が通過するように球を発射し(所謂「左打ち」)、第1入賞口64への入賞によって大当たり抽選の機会を多く得て、大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
一方、確変中や時短中は、スルーゲート67に球を通過させることで、第2入賞口640に付随する電動役物640aが開放状態となりやすく、第2入賞口640に入賞しやすい状態であるので、第2入賞口640へ向けて、可変表示装置80の右方を球が通過するように球を発射し(所謂「右打ち」)、スルーゲート67を通過させて電動役物を開放状態にすると共に、第2入賞口640への入賞によって15R確変大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
なお、本実施形態におけるパチンコ機10は、遊技盤13の構成が左右対称とされるため、「右打ち」で第1入賞口64を狙うことも、「左打ち」で第2入賞口640を狙うこともできる。そのため、本実施形態のパチンコ機10は、パチンコ機10の遊技状態(確変中であるか、時短中であるか、通常中であるか)に応じて、遊技者に対し、球の発射の仕方を「左打ち」と「右打ち」とに変えさせることを不要にできる。よって、球の打ち方を変化させる煩わしさを解消することができる。
第1入賞口64の下方には可変入賞装置330(図11参照)が配設されており、その略中央部分に特定入賞口65aが設けられている。パチンコ機10においては、第1入賞口64又は第2入賞口640への入賞に起因して行われた大当たり抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37A又は第1図柄表示装置37Bを点灯させると共に、その大当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、球が入賞し易い特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
この特定入賞口65aは、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その特定入賞口65aが所定時間開放される。この特定入賞口65aの開閉動作は、最高で例えば15回(15ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
なお、上記した形態に特別遊技状態は限定されるものではない。特定入賞口65aとは別に開閉される大開放口を遊技領域に設け、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて大当たりに対応したLEDが点灯した場合に、特定入賞口65aが所定時間開放され、その特定入賞口65aの開放中に、球が特定入賞口65a内へ入賞することを契機として特定入賞口65aとは別に設けられた大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。また、特定入賞口65aは1つに限るものではなく、1つ若しくは2以上の複数(例えば3つ)を配置しても良く、また配置位置も第1入賞口64の下方右側や、第1入賞口64の下方左側に限らず、例えば、可変表示装置ユニット80の左方でも良い。
遊技盤13の下側における右隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、正面枠14の小窓35(図1参照)を通じて視認することができる。
遊技盤13には、アウト口71が設けられている。遊技領域を流下する球であって、いずれの入賞口63,64,65a,640にも入賞しなかった球は、アウト口71を通って図示しない球排出路へと案内される。アウト口71は、特定入賞口65aの左右に一対で配設される。
遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)とが配設されている。
図3に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100〜104に収納されている。基板ボックス100〜104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図4参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図4参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
次に、図4を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図4は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。主制御装置110では、MPU201によって、大当たり抽選や第1図柄表示装置37A,37B及び第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。
なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
RAM203は、各種エリア、カウンタ、フラグのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図示せず)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図示せず)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行される。
主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37A,37B、第2図柄表示装置、第2図柄保留ランプ、特定入賞口65aの開閉板の下辺を軸として正面側に開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209が接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
また、入出力ポート205には、図示しないスイッチ群およびスライド位置検出センサSや回転位置検出センサRを含むセンサ群などからなる各種スイッチ208、電源装置115に設けられた後述のRAM消去スイッチ回路253が接続され、MPU201は各種スイッチ208から出力される信号や、RAM消去スイッチ回路253より出力されるRAM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回動操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための発射停止スイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29〜33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、変動演出(変動表示)や予告演出といった表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、その他装置228、枠ボタン22などがそれぞれ接続されている。その他装置228には駆動モータM1が含まれる。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から受信した各種のコマンド(変動パターンコマンド、停止種別コマンド等)に基づいて、第3図柄表示装置81の表示態様を決定し、決定した表示態様をコマンド(表示用変動パターンコマンド、表示用停止種別コマンド等)によって表示制御装置114へ通知する。また、音声ランプ制御装置113は、枠ボタン22からの入力を監視し、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合は、第3図柄表示装置81で表示されるステージを変更したり、スーパーリーチ時の演出内容を変更したりするように、表示制御装置114へ指示する。ステージが変更される場合は、変更後のステージに応じた背面画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、変更後のステージに関する情報を含めた背面画像変更コマンドを表示制御装置114へ送信する。ここで、背面画像とは、第3図柄表示装置81に表示させる主要な画像である第3図柄の背面側に表示される画像のことである。表示制御装置114は、この音声ランプ制御装置113から送信されるコマンドに従って、第3図柄表示装置81に各種の画像を表示する。
また、音声ランプ制御装置113は、表示制御装置114から第3図柄表示装置81の表示内容を表すコマンド(表示コマンド)を受信する。音声ランプ制御装置113では、表示制御装置114から受信した表示コマンドに基づき、第3図柄表示装置81の表示内容に合わせて、その表示内容に対応する音声を音声出力装置226から出力し、また、その表示内容に対応させてランプ表示装置227の点灯および消灯を制御する。
表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113及び第3図柄表示装置81が接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動演出などの表示を制御するものである。また、表示制御装置114は、第3図柄表示装置81の表示内容を通知する表示コマンドを適宜音声ランプ制御装置113へ送信する。音声ランプ制御装置113は、この表示コマンドによって示される表示内容にあわせて音声出力装置226から音声を出力することで、第3図柄表示装置81の表示と音声出力装置226からの音声出力とをあわせることができる。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図3参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110〜114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理(図示せず)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122(図3参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
図5は、操作デバイス300の正面斜視図である。図5に示すように、操作デバイス300は、正面視における内枠12の左右方向中央部(即ち、パチンコ機10の左右方向中央部)に配置される。
操作デバイス300は、遊技者に押し込まれることにより傾倒動作可能に構成される傾倒装置310を備え、その傾倒装置310は、上皿17の外枠に沿って前後方向に凹設される収容凹部17aによって構成される領域を移動可能とされる。遊技者が傾倒装置310を傾倒(回転)操作することにより、パチンコ機10(図1参照)に信号が入力される。
傾倒装置310と収容凹部17aとの間には、少なくとも手の指が無理なく入る程度の隙間が空けられる。これにより、遊技者は、傾倒装置310の上面奥側に指を入れ込む態様で傾倒装置310を操作する準備を行うことができる。
なお、遊技者は右手で操作ハンドル51を握るため、首振り操作部材310の操作は左手で行われることが多くなる。そのため、以下の説明では、遊技者が首振り操作部材310を左手で操作するという前提で、説明を行う。
図6(a)は、パチンコ機10の部分正面図であり、図6(b)は、図6(a)のVIb−VIb線におけるパチンコ機10の部分断面図であり、図7(a)は、パチンコ機10の部分正面図であり、図7(b)は、図7(a)のVIIb−VIIb線におけるパチンコ機10の部分断面図である。
図6及び図7では、パチンコ機10の、操作デバイス300付近が部分的に図示される。なお、図6では、傾倒装置310が上昇位置(本実施形態における初期位置)に配置された状態が図示され、図7では、傾倒装置310が下降位置(本実施形態における押し込み終端)に配置された状態が図示され、傾倒装置310を操作する遊技者の手の一例が想像線で図示される。
傾倒装置310の操作の一例について説明する。傾倒装置310の操作は、例えば、第3図柄表示装置81(図2参照)に特定の表示(例えば、「ペダルを押し込め」という表示)が現れた時に遊技者が行うものである。特定の表示が現れる前においては、遊技者は手をパチンコ機10に置いた状態で待機している(図6(b)参照)。このとき、傾倒装置310の回転軸の上部に手を置くことにより、傾倒装置310を上昇位置に維持したまま、遊技者は、特定の表示が現れたら即座に傾倒装置310の操作を行い得る姿勢で、楽に待機することができる。
図6(b)に示す状態から、手の根本を軸に手を倒すことにより、傾倒装置310を上昇位置から下降位置まで移動させることで、傾倒装置310の操作を行う(図7(b)参照)。本実施形態では、傾倒装置310は、上昇位置から傾倒する角度を検出可能に構成される。
上皿17の収容凹部17aは、傾倒装置310の外形から十分に離間して配置される。そのため、遊技者が傾倒装置310の左右側面を把持する際に、傾倒装置310と収容凹部17aとの間に指を入れ易くすることができる。
図7に示すように、図6に示す状態から遊技者が円弧に沿った曲線を描く矢印F1の方向に力をかけることで、傾倒装置310を移動(傾倒)させる。即ち、傾倒装置310を移動させる力の方向が直線ではなく曲線を描くので、上昇位置(図6参照)において遊技者が傾倒装置310に直線的な大きな力をかけたとしても、傾倒装置310が移動するにつれて、力の方向と傾倒装置310の移動方向(回転軌跡の接線方向)との間の角度が大きくなる。そのため、下降位置において傾倒装置310に与えられる負荷を小さくすることができる(遊技者から与えられる直線的な力を部分的に逃がすことができる)。
図8は、操作デバイス300の正面斜視図である。なお、図8では、操作デバイス300の傾倒装置310が上昇位置(図6参照)に配置された状態が図示される。図8に示すように、操作デバイス300は、断面扇形状の傾倒装置310が手前側の端部で軸支され押し込み操作に対して傾倒動作可能(図6及び図7参照)に構成される。
図9は、操作デバイス300の上面分解斜視図である。図9に示すように、操作デバイス300は、正面側端部(図9紙面手前側端部)で左右端部にそれぞれ配設されるリング部材BR1を備える傾倒装置310と、その傾倒装置310のリング部材BR1を下側から支持する凹設軸受け部361aを有すると共に傾倒装置310の押し込み終端を形成する下ケース360と、傾倒装置310のリング部材BR1を上側から支持し下ケース360と向かい合わせで配置される凹設部を有し下ケース360との間に傾倒部材310を配置する態様で下ケース360に締結固定されると共に傾倒装置310と当接することで傾倒装置310の上昇位置を定める(コ字状枠の内周縁部に傾倒装置310が当接される)上ケース370と、を主に備える。
下ケース360は、傾倒装置310が押し込み操作された際に下支えする部材である。そのため、操作前後で、傾倒装置310と下ケース360とは当接離反を繰り返す。傾倒装置310と下ケース360とが当接した際に、下ケース360内部に収容されるハーネス等が挟み込まれると、断線して故障の原因となるおそれがある。
これに対し、本実施形態では、電力作用装置363の正面側に板状に形成される位置決め板363eが配設される。位置決め板363eの後側の空間にハーネス等の配線をまとめることで、傾倒装置310と受け面361eとの間や、ピストン部材362aと作用爪部332との間にハーネス等がはみ出して、操作時に挟み込まれることを防止することができる。
図10は、傾倒装置310の上面分解斜視図であり、図11は、傾倒装置310の底面分解斜視図である。図10及び図11に示すように、傾倒装置310は、最上部に配置され遊技者からの注目度が最も高い装飾部分としての役割を持つと共に遊技者から押し込み操作される部分であって遮光性の高い材料から形成される上カバー311と、その上カバー311と上下方向に面で重ねられると共に上カバー311に締結固定され光透過性の材料から形成される下カバー320と、上カバー311に締結固定されると共に作用爪部332で下カバー320を上カバー311との間で挟み込む軸カバー330と、上カバー311と軸カバー330との間に内嵌される一対の軸部材340と、上カバー311の後端部内側と下カバー320の後端部外側との間に配設されると共に櫛状の櫛状部352を有する湾曲した湾曲部材350と、上カバー311と下カバー320との間に挟持される駆動モータM1と、上カバー311の延設判軸部313c及び軸カバー330の延設半軸部331cを内嵌するリング形状のリング部材BR1と、を主に備える。
軸部材340は、左右一対で配設され、上カバー311及び軸カバー330の凹設部313b,331b及び延設半軸部313c,331cに内嵌される円筒形状の筒状部341と、その筒状部341の中腹において筒状部341よりも直径の大きい円盤形状に形成される円盤部342と、その円盤部342に軸方向の移動を係止されると共にねじり部分に筒状部341が挿通された状態で配設されるねじりバネ343と、を主に備える。
軸部材340が左右一対で配設されることにより、上カバー311及び軸カバー330の軸心の中心部付近に締結ネジを通して締結固定することができる。これにより、軸心の中心部付近に遊技者から大きな負荷をかけられたとしても(遊技者が誤操作を行ったとしても)、締結ネジの強度によって、上カバー311及び軸カバー330が軸心の中心部付近が破損することを防止することができる。
筒状部341の外形の直径は、ねじりバネ343の縮径許容限界を規定する直径として設定される。この直径の設定により、操作時にねじりバネ343から生じる反力の調整を行うことができる。即ち、ねじりバネは円形部分が縮径することにより弾性力を増加させることができるものであるところ、変形によりねじりバネ343が縮径可能な範囲では、傾倒装置310の操作角度が大きくなるにつれて反力を増加させることができる一方、傾倒装置310の操作途中で縮径限界に至ると、傾倒装置310の操作角度を大きくしても、円形部分に対して下腕343a又は上腕343bが変形するに留まることから、反力の増加量を著しく小さくすることができる。
従って、傾倒装置310の操作角度に対するねじりバネ343の反力の設定態様を、傾倒装置310の傾斜角度の変化に対して比例関係で弾性力が増加する態様と、途中までは傾倒装置310の傾斜角度の変化に対して比例関係で弾性力が増加するが所定角度から弾性力の変化が抑制される態様とから、選択することができる。即ち、傾倒装置310の操作角度に対するねじりバネ343の反力の設定自由度を向上することができる。
ねじりバネ343は、傾倒部材310の軸方向の内側において下方へ延びる下腕343aと、軸方向外側において上方へ延びる上腕343bと、を備え、下腕343aは、軸カバー330の貫通孔331fに挿通されると共に下ケース360の帯状凸設部361b(図9参照)に係止され、上腕343bは、上カバー311の切り欠き314a及び下カバー320の切り欠き323aに係止される。
ねじりバネ343は、縮径限界を筒状部341の外形に規制されると共に、拡径限界を収容部313a,331aの内形に規制される。そのため、経年劣化や、部品の品質の善し悪し、又は予想外の操作態様で傾倒装置310が操作されること等により、ねじりバネ343が縮径しすぎたり、拡径しすぎたりすることを防止することができる。これにより、ねじりバネ343が急激に変形することを防止できることから、弾性係数を長期間(数年間)維持し易くすることができる。
ねじりバネ343の径の大きさは、任意に設定できる。例えば、ねじりバネ343の外径を収容部313aの内周径と同程度に設定した場合、組立状態においてねじりバネ343の外周部分が収容部313aと当接する。
そのため、遊技者が円筒上半部313付近を叩く態様で操作を行った場合、ねじりバネ343の弾性力(径方向に伸縮する際に生じる力)を円筒上半部313の変形(下方に潰れるような変形)に対する抵抗として利用することができる。これにより、円筒上半部313を下側から支えることができるので、円筒上半部313が破損することを防止することができる。即ち、ねじりバネ343は、傾倒装置310を上昇位置まで戻すための反力を発生する効果と、上カバー311の円筒上半部313の破損を防止する効果とを共に奏する。
湾曲部材350は、上カバー311の湾曲壁部316及び下カバー320の湾曲壁部322の形状に沿って湾曲する断面I字形状の本体部351と、その本体部351の手前側端部(図10紙面手前側)の形状に沿った形状で右方に延設される櫛状部352と、その櫛状部352の逆方向に延設される切替延設部353と、を主に備える。
本体部351は、奥側端部(図10紙面奥側)から左右方向に延設される板状の被挟持部351aと、下端部において被挟持部351aと隣接する部分において上方へ向けて凹設される嵌合凹部351bと、を備え、被挟持部351aが上カバー311の後端部(湾曲壁部316)内側と下カバー320の後端部(湾曲壁部322)外側との間に挟持される。
被挟持部351aは、湾曲壁部322の形状に沿って湾曲する板部であって、上カバー311の湾曲壁部316と下カバー320の湾曲壁部322との間に挟持される部分である。
櫛状部352は、本体部351から右方に凸設される凸設部352aと、隣り合う凸設部352aに挟まれて本体部351側へ凹設される凹設部352bと、を備え、本実施形態では、それらが均等間隔(組立状態で傾倒装置310が3°回転(傾倒)するごとに切り替わる間隔)で配設される。
切替延設部353は、本体部351から左方に凸設される凸設部353aと、その凸設部353aの下端部に隣り合って本体部351側へ凹設される凹設部353bと、を備える。本実施形態では、凸設部353a及び凹設部353bの境界位置が、櫛状部352の下端の凸設部352aの中間位置(半分の位置)と一致する態様で構成される。
駆動モータM1は、左右一対で配設され、回転駆動される回転軸に偏心して軸支される扇形状の錘部材M1aを備える。駆動モータM1が回転駆動されることにより、錘部材M1aの重心が移動し、その重心の移動により傾倒部材310を振動させることができ、傾倒装置310を操作する遊技者の期待感を高めることができる。
駆動モータM1に電力を供給するハーネス等の配線は、モータ支持部325の左右両端から傾倒装置310の下方へ垂らされる。その後、位置決め板363eの下側を経由して装飾板363dの下面を伝って、本体部材363aの内部へ侵入する(図17参照)。なお、詳細は後述する。
次いで、図12及び図13を参照して、上カバー311について説明する。図12(a)は、上カバー311の正面図であり、図12(b)は、図12(a)の矢印XIIbにおける上カバー311の側面図であり、図12(c)は、上カバー311の上面図である。図13(a)は、図12(a)のXIIIa−XIIIa線における上カバー311の断面図であり、図13(b)は、上カバー311の底面斜視図である。
図12及び図13に示すように、上カバー311は、手前側から奥側へ向けて上方へ傾斜する板形状の押圧板部312と、その押圧板部312の手前側端部に配設され外形が左右方向に延設されるハーフパイプ形状で構成される円筒上半部313と、押圧板部312の手前側部分において円筒上半部313の後端部辺りへ向けて上下方向(図13(a)上下方向)に沿って延設される前側壁部314と、その前側壁部314の後方に所定間隔を開けて前側壁部314と平行に押圧板部312から延設される後側壁部315と、押圧板部312の後端部から下方へ湾曲して延設される湾曲壁部316と、湾曲壁部316の下端部から同一平面に沿って延設されると共に上カバー311の底面を形成する底壁部317と、を主に備える。
押圧板部312は、左右方向外側部分に比較して左右方向中心部分の方が上方へ張り出す形状で構成され、円筒上半部313の反対側の部分に開口312aを備える。開口312aは、下カバー320の張出部321aが張り出す部分であり、下カバー320を通して装飾板363d(図9参照)に配設されるLEDによる光の演出が視認可能とされる。
円筒上半部313は、その円筒の中心軸を傾倒装置310の回転軸と同じくする部分であって、ねじりバネ343を収容する収容部313aと、その収容部313aから傾倒装置310の中心側に向けて断面半円形状の凹設部分として形成される凹設部313bと、その凹設部313bと略同形状(若干半径が大)の内周面を有し傾倒装置310の外方へ向けてハーフパイプ形状で延設される延設半軸部313cと、凹設部313bよりも傾倒装置310の中心側に配置されると共に軸カバー330を締結固定する締結ネジが固定される締結孔313dと、傾倒装置310が上昇位置に配置された場合に下ケース360の張出当接部361g(図9参照)と周方向で当接される張出当接部313eと、凹設部313bを挟んで収容部313aの反対側において回転軸O1と直交する平面に沿って形成される平面壁状の位置合わせ壁部313fと、を主に備える。
収容部313aは、軸部材340のねじりバネ343と円盤部342とが収容される空間を形成する。円盤部342が延設半軸部313c側を向いて収容されることから、円盤部342は、収容部313aの延設半軸部313c側の内壁に当接することで軸方向(図16(a)左右方向)の位置ずれが防止される。
凹設部313b及び延設半軸部313cは、傾倒装置310の組立状態(図9参照)において、軸カバー330の円筒下半部331と共に軸部材340の筒状部341を内嵌する部分であり、また、延設半軸部313cは、リング部材BR1(図11参照)に内嵌される。
締結孔313dは、軸カバー330を締結固定する締結ネジが固定されるネジ孔である。傾倒装置310の組立状態(図9参照)において、締結孔313dに固定される締結ネジの強度により円筒上半部313を補強することができるので、遊技者が円筒上半部313付近(傾倒装置310の手前側部分)を叩く等の操作を行ったとしても、それにより傾倒装置310が破損することを抑制することができる。
張出当接部313eは、下ケース360(図9参照)の手前側端部の装飾と一体となって視認されることで演出する演出効果を有すると共に、傾倒装置310が上方へ移動し上昇位置まで到達した場合に当接部361gと当接し、回り止めとして機能する。
位置合わせ壁部313fは、軸部材340の円盤部342が配設される側とは反対側の端部が当接可能とされる壁部であって、当接により、軸部材340の軸方向の位置ずれが防止される。
本実施形態では、収容部313aの延設半軸部313c側の内壁から位置合わせ壁部313fまでの長さが、軸部材340の円盤部342の軸方向と垂直な面の内、ねじりバネ343が配置される側の反対側の面から筒状部341のねじりバネが配置される側の端部までの長さと、同等とされる。従って、組立状態において、軸部材340が軸方向に移動することを防止することができる。
即ち、位置合わせ壁部313fに、円筒上半部313の剛性を高める補強リブとしての効果と、軸部材340の軸方向の位置決めを行う位置決め部分としての効果とを合わせ持たせることができる。
前側壁部314は、円筒上半部313の後端部と連結される板状部分であって、左右両端部に前後方向に一対で配設される切り欠き314aを備える。切り欠き314aは、ねじりバネ343の上腕343b(図10参照)が係止される切り欠きであるので、傾倒装置310は、切り欠き314aを介してねじりバネ343から回転(傾倒)方向の付勢力を受ける。
後側壁部315は、下カバー320の当接端面321bと面で当接する部分であって、前側壁部314との間に複数配設され前側壁部314と連結される板状の補強板部315aを備える。
補強板部315aは、複数の板状部が左右対称に列設され、中心に配設される板状部以外の板状部は、下面に駆動モータM1を受け入れ支持する凹みである凹設支持部315bを備える。これにより、前側壁部314、後側壁部315及び補強板部315aで小さな複数の枠形状が形成されるので、押圧板部312の前側壁部314及び後側壁部315付近の強度を向上させることができる。
湾曲壁部316は、左右方向外側部分に比較して左右方向中心部分の方が円筒上半部313から外方に張り出して構成され(図13(b)参照)、傾倒装置310の回転軸(即ち円筒上半部313の円の中心)を中心とした円弧形状で形成される上下左右に湾曲した板状部であり、内側面(回転軸側の側面)に上下方向に沿って湾曲して凹設される湾曲凹部316aを備える。湾曲凹部316aは、幅が、湾曲部材350の被挟持部351aの幅よりも若干大きく形成される。
湾曲壁部316は、その外周面として、回転軸O1(図19(b)参照)からの離間幅が異なる第1周面316bと、第2周面316cとを備える。
第1周面316bは、傾倒装置310の左右方向中心位置付近に配設されると共に、回転軸O1からの離間幅が最も長くなる(回転軸O1を中心とした円弧の内、傾倒装置310に含まれる最大径の円弧に沿う)周面として形成される。
第2周面316cは、傾倒装置310の左右方向両端位置付近に配設されると共に、回転軸O1からの離間幅が第1周面316bよりも短くなる(回転軸O1を中心とした円弧の内、傾倒装置310に含まれる最大径の円弧よりも短い径の円弧に沿う)周面として形成される。
ここで、遊技者が傾倒装置310を押し込み操作する際に与えられる反力は、遊技者の操作位置が回転軸O1からどれだけ離れた位置となるかにより、変化する。即ち、押し込み操作する遊技者が傾倒装置310に触れる位置が回転軸O1から離れるほど、押し込み操作の時に遊技者に与えられる反力が小さくなる(梃子の原理)。
従って、第1周面316b付近で押圧板部312に触れて押し込み操作する場合に比較して、第2周面316c付近で押圧板部312に触れて押し込み操作する場合の方が、操作時に遊技者に与えられる反力を大きくすることができるので、遊技者の異なった希望を叶えることができる。即ち、操作時に感じる反力をできるだけ小さくししたいという遊技者には第1周面316b付近を操作するように促し、操作時に感じる反力を大きく確保したいという遊技者には第2周面316c付近を操作するように促すことで、同じ機構で、異なった希望を持つ遊技者両人の希望を叶えることができるので、遊技者から生じる不満の一部を解決することができる。
上カバー311は、押圧板部312と湾曲壁部316とを側面から連結する側壁部318を備える。側壁部318は、下側面が下カバー320の側壁部323の上側面と同等の形状から形成されると共に、側壁部323と上下方向で対向する位置に配設されるので、組立時に側壁部318に上下方向で当接させることにより下カバー320の側壁部323を位置決めすることができる。
次いで、図14を参照して下カバー320について説明する。図14(a)は、下カバー320の正面図であり、図14(b)は、図14(a)の矢印XIVbにおける下カバー320の側面図であり、図14(c)は、下カバー320の上面図であり、図14(d)は、図14(a)のXIVd−XIVd線における下カバー320の断面図である。
図14に示すように、下カバー320は、光透過性の樹脂材料から形成され、手前側から奥側へ向けて上方へ傾斜する板形状の補強板部321と、その補強板部321の後端部から下方へ湾曲して延設される湾曲壁部322と、補強板部321の左右方向端部から下方へ延設されると共に湾曲壁部322と連結される一対の板状の側壁部323と、それら側壁部323の正面側の端部から左右方向内側へ延設される前当て壁部324と、その前当て壁部324に連結されると共に正面側と上方とが開放された箱状に形成されるモータ支持部325と、を主に備える。
補強板部321は、上面が上カバー311の押圧板部312(図12(a)参照)の下面と密着可能な形状(転写した形状)から構成されるので、上カバー311に上下方向で締結固定されることにより上カバー311の強度を補強することができる。これにより、遊技者が上カバー311に強い衝撃を与えた場合に、上カバー311が破損することを防止することができる。また、補強板部321は、前後方向中央部において上方へ張り出す張出部321aと、正面側左右中央位置付近の端面に形成される当接端面321bと、正面側端部付近左右両側において内側壁から左右外方へ向けて凹設される凹設部321cと、を主に備える。
張出部321aは、組立状態(図8参照)において、上カバー311の開口312a(図10参照)を通して遊技者が視認可能とされる部分である。張出部321aは、光透過性の樹脂から形成される。そのため、装飾板363dの上面に配設されるLEDの発光を、張出部321aを通して遊技者に視認させることができる。
当接端面321bは、組立状態(図8参照)において、上カバー311の後側壁部315と面で当接する位置に配置される。これにより、後側壁部315の強度を利用して、下カバー320を補強することができる。
凹設部321cは、凹設支持部325b1に駆動モータM1を嵌め込んだ場合に、上面視(図14(c)紙面垂直方向視)で駆動モータM1と干渉しない位置まで凹設される。即ち、駆動モータM1を下カバー320に対して上下方向にスライド移動させることにより凹設部321cを通過させ、駆動モータM1を凹設支持部325b1に嵌め込むことができる。
これにより、駆動モータM1を下カバー320に嵌め込む際に、駆動モータM!を左右方向に移動させる必要が無いので、左右一対の駆動モータM1の左右方向の離間幅を最小にすることができる(錘部材M1a同士を左右方向で近づけることができる)。
湾曲壁部322は、上カバー311(図13(a)参照)の湾曲壁部316の湾曲形状の中心軸と同一の軸を中心軸とした円弧形状から形成され、左右方向の各位置において、湾曲壁部316よりも若干小さな半径で構成される。これにより、湾曲壁部316と湾曲壁部322とを密着させた状態で下カバー320を上カバー311に収容することができる。
また、湾曲壁部322は左右方向中心位置において上下方向に切りかかれる切り欠き322aと、その切り欠き322aの上端部分において切り欠き幅が拡大される拡大開口部322bと、湾曲壁部322の下端部において切り欠き322aを閉塞する抜止部322cと、を主に備える。
切り欠き322aは、湾曲部材350(図10参照)の本体部351が挿通される隙間であり、本体部351の厚みよりも隙間の寸法が若干広くされる。また、拡大開口部322bは、湾曲部材350の櫛状部352及び切替延設部353を挿通する開口であり、左右方向の幅が櫛状部352及び切替延設部353の左右方向の幅(凸設長さ)を合計した幅よりも大きくされる。
抜止部322cは、湾曲部材350(図11参照)が抜け落ちることを防止する部分であって、湾曲部材350の嵌合凹部351bと嵌合可能となるように、嵌合凹部351bより若干小さな厚さ形状で構成される。
側壁部323は、正面側端面において、下端から上方へ向けて切り欠かれる切り欠き323aを備える。切り欠き323aは、組立状態(図8参照)において、上カバー311の切り欠き314a(図11参照)の後方に配置され、切り欠き314aと同様にねじりバネ343の上腕343b(図11参照)が挿通され係止される。
側壁部323は、光透過性の樹脂材料から形成される。そのため、装飾板363dに配設されるLEDの発光を、側壁部323を通して遊技者に視認させることができる。側壁部323は、外観視(図8参照)において、傾倒装置310の押し込み角度が変化することに伴って、上ケース370の上側に露出する範囲の大きさが変化するので、側壁部323を通して発せられる光量を、傾倒装置310の角度により変化させることができる。即ち、傾倒装置310が上昇位置に配置された場合に比較して、傾倒装置310が操作された後(上昇位置から下降位置に到達するまでの間)の方が、装飾板323dに配設されるLEDから発光される光の内、側壁部323を通して遊技者に視認される光の光量を低下させることができる。
前当て壁部324は、組立状態(図8参照)において、上カバー311の前側壁部314(図13(b)参照)と面で当接する配置で形成される。これにより、前側壁部314の強度を利用して、前当て壁部324を補強することができる。
モータ支持部325は、駆動モータM1(図10参照)を配置する部分であって、底面を形成する底板部325aと、その底板部325aの左右両端部から上方へ延設され駆動モータM1の基端部を下方から支持する凹設支持部325b1を有する側壁部325bと、底板部325a及び側壁部325bを連結する板状の後板部325cと、を主に備える。
駆動モータM1(図10参照)が、下カバー320の最前端という傾倒装置310の回転軸に近い位置に配置されることにより、傾倒装置310が動作した場合に駆動モータM1がパチンコ機10(図1参照)に固定される下ケース360(図8参照)に対して相対移動する距離を短く抑えることができる。そのため、移動する傾倒装置310に駆動モータM1を搭載しながらも、駆動モータM1に電気を供給する配線が傾倒装置310の動作により変形する度合いを小さくすることができる。これにより、駆動モータM1の配線の劣化を遅らせることができるので、メンテナンス期間を長くすることができる。
底板部325aは、正面側端部から鉛直下方へ板状に延設される延設部325a1と、左右方向長さを4等分する位置から下方リブ状に突出される突出リブ352a2と、を主に備える。
延設部325a1は、左右方向に亘って形成される板状部であって、上カバー311、下カバー320及び軸カバー330の組立状態において、作用爪部332の正面側端部であって収容部331aの上端よりも上方に張り出す部分である正面張出部332a1と係合する(図19(b)参照)。そのため、上カバー311と下カバー320とを締結固定した状態で下カバー320の底板部325が上カバー311の前側壁部314から離間する(隙間が空く)程の設計誤差が生じたとしても、作用爪部332を上カバー311に締結固定する際に延設部325a1に作用爪部332の正面張出部332a1を係合させることにより延設部325a1を前側壁部314側に寄せることができ、生じた設計誤差を吸収することができる。従って、上カバー311と下カバー320との間の設計誤差の許容幅を大きくすることができる。
突出リブ325a2は、組立状態において隣設する作用爪部332の中間位置に配設される前後方向に亘って形成されるリブ状部分であって、底板部325aの剛性を確保する部分である。なお、隣設する突出リブ325a2の間には、組立状態において作用爪部332が底板部325aに当接する態様で配置されることから、突出リブ325a2が配設されていない部分においては、作用爪部332をリブ替わりにして、底板部325aの剛性を確保することができる。
側壁部325bは、上カバー311の複数の補強板部315a(図13(b)参照)の内、最外方に配置される補強板部315aと上下方向で対面し、その補強板部315aに配設さえる凹設支持部315bと凹設支持部325b1とで駆動モータM1を挟持可能に構成される。
後板部325cは、組立状態(図8参照)において、上端面が上カバー311の後側壁部315(図13(b)参照)と当接する。これにより、モータ支持部325が上方への負荷を受けたときの抵抗を大きく確保することができる(モータ支持部325が上方への負荷を後述するピストン部材362a(図20(a)参照)から受けた時の抵抗を大きく確保することができる)。
次いで、図15を参照して、湾曲部材350を下カバー320と上カバー311との間に挟持する手順について説明する。図15(a)から図15(d)は、下カバー320に上カバー311を被せる手順を時系列で図示した、図14(a)のXIVd−XIVd線に対応する線における傾倒装置310の部分断面図である。
なお、図15(a)では、下カバー320の切り欠き322aに湾曲部材350が挿通された状態が図示され、図15(b)では、図15(a)の状態から上カバー311が湾曲部材350に当接する直前の位置まで下降された状態が図示され、図15(c)では、図15(b)の状態から上カバー311が所定量下降された状態が図示され、図15(d)では、図15(c)の状態から上カバー311が下カバー320に対して固定される位置まで下降された状態が図示される。
図15に図示されるように、組立の過程において、湾曲部材350の嵌合凹部351bが抜止部322cにしっかり嵌っていなくとも(図15(a)参照)、その状態から上カバー311を被せ、下降させることにより、湾曲部材350の被挟持部351aが下カバー320の湾曲壁部322及び上カバー311の湾曲壁部316の形状になつく態様で湾曲部材350が姿勢変化され(図15(b)及び図15(c)参照)、上カバー311を下降させきることにより、湾曲部材350の嵌合凹部351bが抜止部322cに嵌った状態を形成することができる(図15(d)参照)。これにより、湾曲部材350を上カバー311及び下カバー320の間に固定する作業を行い易くでき、作業時間を短縮することができる。
また、図15(d)に示す状態において、湾曲部材350の本体部351は幅方向が上カバー311の湾曲壁部316の厚さ方向に沿う態様とされるので、湾曲壁部316の厚さが薄い場合であっても、厚さ方向に変形することを湾曲部材350の剛性により防止することができる。なお、湾曲部材350の上端が湾曲壁部316の湾曲凹部316aの上端面と当接されることにより、湾曲部材350が上下方向に移動することが防止され、湾曲部材350が上カバー311と下カバー320との間に固定される。
なお、図15(d)に示す状態から更に上カバー311が下降される場合(過度な負荷により、部分的に破壊される場合等)、湾曲部材350が更に押し込まれ、下カバー320の抜止部322cを折って湾曲部材350がずり落ち得るが、本実施形態では、下カバー320の補強板部321と、上カバー311の押圧板部312とが面で当接することにより、下カバー320に対して上カバー311の位置を維持する強度が向上されるので、抜止部322cが折れることを抑制することができる。
図16を参照して、軸カバー330について説明する。図16(a)は、軸カバー330の上面図であり、図16(b)は、軸カバー330の正面図であり、図16(c)は、図16(a)の矢印XVIcにおける軸カバー330の側面図である。
図16に示すように、軸カバー330は、円筒上半部313(図13(b)参照)と同様の形状を備える円筒下半部331と、その円筒下半部331から後方に延設される複数の作用爪部332と、を主に備える。
円筒下半部331は、その円筒の中心軸を傾倒装置310の回転軸と同じくする部分であって、ねじりバネ343(図10参照)を収容する収容部331aと、その収容部331aから円筒下半部331の左右方向中心側に向けて断面半円形状の凹設部分として形成される凹設部331bと、その凹設部331bと略同形状(若干半径が大)の内周面を有し円筒下半部331の外方へ向けてハーフパイプ形状で延設される延設半軸部331cと、凹設部331bよりも円筒下半部331の中心側に配置されると共に締結ネジが挿通される挿通孔331dと、傾倒装置310が上昇位置に配置された場合に下ケース360の張出当接部361gと周方向で当接される張出当接部331eと、収容部331aの凹設部331b側の部分において貫通形成される貫通孔331fと、凹設部331bを挟んで収容部331aの反対側において回転軸O1と直交する平面に沿って形成される平面壁状の位置合わせ壁部331gと、を主に備える。なお、収容部331a、凹設部331b、延設半軸部331c、挿通孔331d及び張出当接部331eは、円筒上半部313(図13(b)参照)の同一名称の構成と同等の部分であるため、説明を省略する。
収容部331aは、軸部材340のねじりバネ343と円盤部342とが収容される空間を形成する。円盤部342が延設半軸部331c側を向いて収容されることから、円盤部342は、収容部331aの延設半軸部331c側の内壁に当接することで軸方向(図16(a)左右方向)の位置ずれが防止される。
一方で、軸部材340の円盤部342が配設される側とは反対側の端部は、位置合わせ壁部331gと当接することで軸方向の位置ずれが防止される。
本実施形態では、収容部331aの延設半軸部331c側の内壁から位置合わせ壁部331gまでの長さが、軸部材340の円盤部342の軸方向と垂直な面の内、ねじりバネ343が配置される側の反対側の面から筒状部341のねじりバネが配置される側の端部までの長さと、同等とされる。従って、組立状態において、軸部材340が軸方向に移動することを防止することができる。
即ち、位置合わせ壁部331gに、円筒下半部331の剛性を高める補強リブとしての効果と、軸部材340の軸方向の位置決めを行う位置決め部分としての効果とを合わせ持たせることができる。
貫通孔331fは、ねじりバネ343の下腕343a(図10参照)が挿通される孔であり、円筒下半部331の円周の中心軸を中心として約45°に亘って形成される。そのため、貫通孔331fに挿通されたねじりバネ343の下腕343bを軸カバー330の外側で変位させることにより、ねじりバネ343をねじり変形させることができる。
作用爪部332は、左右方向に複数(本実施形態では4個)が連設される板状部であり、平面形状とされる上端面332aと、円弧形状とされる下端面332bと、を主に備える。
上端面332aは、組立状態(図8参照)において、下カバー320の底板部325a(図11参照)の下面に当接される。これにより、下カバー320の底板部325aの曲げ変形に対する抵抗を向上させることができる。
下端面332bは、下ケース360のピストン部材362aと当接される側面であり、図16(c)に示す状態において最下点となる切替点332cが、図16(c)に示す姿勢(上端面332aが水平となる姿勢)でピストン部材362aと当接する場合に下ケース360のピストン部材362aの中心軸上に配置される(図20(b)参照)。また、下端面332bは、切替点332cの手前側に配設される前側円弧部332dと、切替点332cの後方側に配設される後側円弧部332eと、を備え、それら前側円弧部332d及び後側円弧部332eが同一半径の円弧をなす形状とされる。
なお、作用爪部332が複数(本実施形態では4個)連設され、それぞれ下ケース360のピストン部材362a(図17参照)と当接されることにより、傾倒装置310が傾倒する際にピストン部材362a一つ辺りから負荷される付勢力を基準として付勢装置362(図17参照)から与えられる負荷を倍増(本実施形態では4倍)させることができるので、傾倒装置310の動作量が小さい場合にでも、付勢装置362から与えられる負荷の変化量を大きくすることができる。
また、遊技者に操作された際の衝撃により、複数の作用爪部332の内、例えば、一つの作用爪部332が折れたとしても、残りの作用爪部332がピストン部材362aから負荷を受けることにより、通常通り遊技を継続することができる。従って、傾倒装置310のメンテナンス期間を長く設定することができる。
次いで、図17及び図18を参照して、下ケース360について説明する。図17は、下ケース360の上面分解斜視図であり、図18は、下ケース360の底面分解斜視図である。図17及び図18に図示されるように、下ケース360は、上方が開放された皿状に形成される底受け部材361と、その底受け部材361に下方から組み付けられると共に底受け部材361の厚さ方向(鉛直方向)に移動可能に構成されるピストン部材362aを有する付勢装置362と、底受け部材361の上側に固定され電力が供給される部材が集合配置される電力作用装置363と、を主に備える。
底受け部材361は、手前側端部の左右両端部に上方が開放された半円形状に凹設される凹設軸受け部361aと、その凹設軸受け部361aの中心軸の後下方において左右方向に帯状に延設されると共に上方へ凸設される帯状凸設部361bと、その帯状凸設部361bの後方において上下方向に筒状に延設されると共に底が穿設される筒状受け部361cと、その筒状受け部361cの上端部においてピストン部材362aの移動をせき止める蓋として作用する蓋板に前後方向に沿って形成される切れ目である切り込み部361dと、凹設軸受け部361aの後方から斜め下方に傾斜する外形U字状の平面として形成される受け面361eと、電力作用装置363が載置される台部361fと、傾倒装置310の上昇位置(図8参照)において傾倒装置310の張出当接部313eと周方向で当接する張出当接部361gと、受け面361eの後端部付近に載置されるゴム板GR1と、を主に備える。
凹設軸受け部361aは、傾倒装置310のリング部材BR1(図9参照)を上ケース370と共に挟み込んで軸支する凹設部であり、リング部材BR1よりも若干大きな半径の半円形状で構成される。
帯状凸設部361bは、ねじりバネ343の下腕343a(図10参照)が係止される突起である。これにより、傾倒装置310が上昇位置から下降位置へ向けて操作される場合に、ねじりバネ343が巻かれ、傾倒装置310を上昇位置へ向けて移動させる付勢力が増大する。
筒状受け部361cは、付勢装置362のピストン部材362aが内嵌される筒状部であって、鉛直方向に向けて延設されると共に左右に複数(本実施形態では4個)が列設される。
切り込み部361dは、傾倒装置310の作用爪部332(図10参照)を受け入れ可能な幅(作用爪部332の幅よりも若干大きな幅)で形成されると共に、その中心部が付勢装置362のピストン部材362aの半球形状部分の外形よりも若干大きな外形で凹設される。従って、切り込み部361dにより、ピストン部材362a及び作用爪部332双方の位置合わせ(位置ずれの抑制)を行うことができる。これにより、傾倒装置310の押し込み量が大きくなった場合に、付勢装置362のピストン部材362aと傾倒装置310の作用爪部332とが左右方向(傾倒装置310の軸心方向)で位置ずれすることを抑制することができる。
受け面361eは、傾倒装置310が下降位置に配置された場合に、底壁部317(図10参照)と対向配置される部分である。平常時は、傾倒装置310が下降位置に配置された場合に衝撃が発生したとしても(高速で下降位置まで移動されたとしても)、傾倒装置310の底壁部317がゴム板GR1に押し付けられることにより衝撃が吸収されるので、傾倒装置310の破損が抑制される(この場合には、受け面361eと底壁部317との間には隙間が空けられる)。一方で、ゴム板GR1が摩耗した場合に、十分な衝撃吸収が行われなかったとしても、受け面361eが傾倒装置310の底壁部317と面で当接することにより、傾倒装置310が下降位置に到達した際に傾倒装置が受ける衝撃(圧力)を低減することができる。
台部361fは、矩形状の開口361f1と、上面を区画する4辺の内、正面側を除く3辺から上方へ突設される壁状の位置決め壁部361f2と、を主に備える。
開口361f1を通して、電力作用装置363に電力を供給する電気配線が挿通される。なお、組立状態において、底受け部材361には、開口361f1以外に開口部は形成されない(主な開口部である筒状受け部361cは、底蓋部材362cに閉塞される)。
そのため、例えば、遊技者が誤って飲料を操作デバイス300内に注いでしまったとしても、台部361fを除く部分(周辺部分)において飲料を一時的に溜めることができるので、飲料が即座に下方に垂れることを防止することができる。
位置決め壁部361f2は、組立状態において本体部材363aの底面の外形に沿う配置に形成される。そのため、本体部材363aを台部361fに組み付ける際に、本体部材363aを位置決め壁部361f2に押し当てることで位置決めを行うことができるので、組立の難易度を低減させることができる。
台部361fは、底受け部材361の底板から上方へ向けて隆起する台部分として形成される。また、組立状態において、傾倒装置310に上方から覆われる部分である。そのため、遊技者が誤って飲料を操作デバイス300内に注いでしまったとしても、その飲料は傾倒装置310の上面を伝い、台部361fを除く(周辺の)底受け部材361の内部に浸入するに留めることができ、台部361fの上面に直接落ちることを防止することができる。この場合、台部361fの隆起高さ分だけ飲料が貯まる前には、飲料が台部361fの上面にかかることを防止することができる。従って、飲料が開口361f1から内部に入り込み、ハーネス等の配線を伝ってパチンコ機10の内部に入り込む可能性を低くすることができる。
また、組立状態では、位置決め壁部361f2と本体部材363aの底面の3辺とが密着すると共に、台部361fの上面と本体部材363aの底面とが密着する。これにより、台部361fの上面と電力作用装置363の下面との間に飲料が浸入する可能性を低くすることができる。
なお、本実施形態において、パチンコ機10と操作デバイス300とを繋ぐ、ハーネス等の配線は、開口361f1を通過しなければ、操作デバイス300に連通できない態様で構成される。そのため、操作デバイス300の隙間からパチンコ機10等に針金などを侵入させる場合には、上述した飲料の通り道と同様に、屈曲した経路を侵入させる必要があり、不正行為の難易度を高めることができるので、不正を防止し易くすることができる。
付勢装置362は、作用爪部332を通して傾倒装置310(図10参照)に付勢力を負荷する装置であり、筒状受け部361cの内側を上下方向に動作可能に支持されると共に下方に開放される有底筒形状のピストン部材362aと、そのピストン部材362aの開放端部からピストン部材362aに収容されるコイルスプリング362bと、金属などの剛性の高い材料から構成され筒状受け部361cの下側開口部に蓋をする態様で底受け部材361に締結固定される底蓋部材362cと、を主に備える。
ピストン部材362aは、上方先端部が半球形状で構成されると共に上半分部分は切り込み部361dを通過可能な外形で構成される一方で、下半分部分は切り込み部361dよりも大きな外形で構成され、ピストン部材362aの通過が防止される。また、下半分部分には、中心軸から八方へ向けて凸設されると共に上下方向に延設される断面半円形状のリブが形成されるので、ピストン部材362aが筒状受け部361cに支持されることにより姿勢を維持する作用を保ちながら、ピストン部材362aと筒状受け部361cとの接触面積を減らすことでピストン部材362aに筒状受け部361cからかけられる摩擦力を低減することができる。
コイルスプリング362bは、本実施形態では、組立状態(図8参照)において自然長から予め縮んだ状態で筒状受け部361cに収容される。そのため、作用爪部322から負荷が与えられていない時には、コイルスプリング362bの付勢力によりピストン部材362aが上昇終端位置(ピストン部材362aの移動が切り込み部361dにせき止められる位置)に配置される。
電力作用装置363は、底受け部材361の台部361fに載置されると共に上端面が手前から奥へ向けて上方へ傾斜する態様で構成されるカップ形状の本体部材363aと、その本体部材363aの後壁に上端から下方へ向けて形成される切り込みに挿通されると共に本体部材363aの後方へ延設される板部に締結固定される電子基板である右側センサ固定板363bと、その右側センサ固定板363bの反対側に右側センサ固定板363bと同様の態様で本体部材363aの後方へ延設される板部に締結固定される電子基板である左側センサ固定板363cと、本体部材363aの上端面に面で固定されると共にLED等の照明装置が配設される電子基板である装飾板363dと、電力作用装置363の正面側に板状に形成される位置決め板363eと、を主に備える。
本体部材363aは、底板に開口される開口部363a1と、前後の壁面の上面部分である上天井部363a2と、左右の壁面の上面部分である下天井部363a3と、後壁面の上端から下方へ溝状に凹設される一対の凹設部363a4と、その一対の凹設部363a4の内壁の内、もう一方の凹設部363a4に近い側の内壁に沿うと共に回転軸O1に直交する平面と平行に背面側に延設される一対の板状の固定板363a5と、下天井部363a3の前後方向中間位置において下天井部363a3から面直に突出する位置合わせ突部363a6と、本体部材363aの左右外側において前方および上方が開放されるカップ形状から形成される配線案内部363a7と、を主に備える。
開口部363a1は、台部361fの下方からハーネス等の電気配線が内部に挿通される通過孔となる部分である。その電気配線がセンサ固定板363b,363cや、装飾板363dに接続されることにより、各センサS1〜S3及び装飾板363dに配設されるLEDに電力を供給することができる。
上天井部363a2に比較して、下天井部363a3は、若干(約1mm)低く形成される(上天井部363a2と下天井部363a3との間に段が形成される)。組立状態において装飾板363dが上天井部363a2と当接する配置で本体部材363aに締結固定されることから、装飾板363dと下天井部363a3との間に若干の隙間を形成することができる。この隙間は、ハーネス等の電気配線の通り道や、装飾板363dの発熱を抑えるための空気の通り道として活用することができる。
凹設部363a4は、組立状態において各センサ固定板363b,363cを入れ込むことができる幅で形成されると共に、各センサ固定板363b,363cが上天井部363a2からはみ出さない(装飾板363dと当接しない)程度の深さで形成される。
固定板363a5は、凹設部363a4に入れ込まれた各センサ固定板363b,363cと面当たりすると共に、各センサ固定板363b,363cが締結固定される板部材である。
位置合わせ突部363a6は、装飾板363dの位置あわせ孔363d1に挿通され、本体部材363aに対して装飾板363dを位置合わせする突起である。
配線案内部363a7は、ハーネス等の配線が下に垂れ下がらないようにする支持部分である。駆動モータM1に接続されるハーネス等の配線は、位置決め板363eの下側を左右方向に延びた後、配線案内部363a7の内側を通り、本体部材363a又は装飾板363dへ向かう。
例えば、本体部材363aへ向かう場合には、装飾板363dと下天井部363a3との間の隙間を通過して本体部材363aの内部へ入れ込まれ、装飾板363dへ向かう場合には、装飾板363dに半田付けやコネクタ接続等の方法で、電気的に連結される。
右側センサ固定板363bには、後端部にフォトカプラ形式の第1センサS1と第2センサS2とが上下に列設される。左側センサ固定板363cには、それら第1センサS1及び第2センサS2と対向配置される位置にフォトカプラ形式の第3センサS3が配設される。各センサS1〜S3は、組立状態において、本体部材363aの外部に配設される。
第1センサS1及び第2センサS2は、湾曲部材350の凸設部352a(図10参照)の通過を検出することで傾倒装置310の向き及び位置を検出するセンサであり、第3センサS3は、湾曲部材350の凸設部353a(図10参照)の通過を検出することで傾倒装置310の操作状態(押し込み又は連打操作か、押し込み量を検出するペダル操作か)を検出するセンサである。なお、以下において、連打操作などの押し込み量によって検出に差が無い操作を「プッシュ操作」と称し、押し込み量を検出する操作を「ペダル操作」と称す。特に、プッシュ操作には、ピストン部材362aに到達する手前で傾倒装置310が復帰する場合が含まれ、ペダル操作には、ピストン部材362aを押し込みながら傾倒する場合が含まれる。
また、フォトカプラ形式のセンサとは、光を投光する投光部と、この投光部からの光を受光する受光部とを備え、検出する部分を挿入可能な隙間(スリット)を備えて略コ字状に配置されるセンサを意味する。
右側センサ固定板363bは、正面側端部にハーネス等のコネクタを差し込むコネクタ受け部363b1を備える。コネクタ受け部363b1から右側センサ固定板363bを介して各センサS1,S2へ電気が送られる。コネクタ受け部363b1は、組立状態において、本体部材363aの内部に収容される。これにより、ハーネス等を本体部材363aの外方へ出すことなく、コネクタ受け部363b1に差し込むことができる。
左側センサ固定板363cは、正面側端部にハーネス等のコネクタを差し込むコネクタ受け部363c1を備える。コネクタ受け部363c1から左側センサ固定板363cを介して第3センサS3へ電気が送られる。コネクタ受け部363c1は、組立状態において、本体部材363aの内部に収容される。これにより、ハーネス等を本体部材363aの外方へ出すことなく、コネクタ受け部363c1に差し込むことができる。
装飾板363dは、位置合わせ突部363a6が挿通される貫通孔である一対の位置合わせ孔363d1を備える。
位置決め板363eは、本体部材363aの正面側壁から正面側へ湾曲して垂れ下がる態様で形成される板状部である。位置決め板363eの後側の空間にハーネス等の配線をまとめることで、位置決め板363eを介して反対側に配設されるピストン部材362aと作用爪部332との間にハーネス等がはみ出して、操作時に挟み込まれることを防止することができる。以下、このことについて詳述する。
組立状態(図19参照)において、駆動モータM1はピストン部材362a及び作用爪部332の真上に配置される。そのため、駆動モータM1に接続されるハーネス等の配線を、そのまま真下に垂らすと、傾倒装置310の傾倒動作時にハーネス等の配線が撓む際に、ピストン部材362a及び作用爪部332の間の隙間に侵入するおそれがある。
これに対し、ハーネス等の配線を位置決め板363eの下側を左右に通してから本体部へ向かうように這わせると、傾倒装置310の傾倒動作時にハーネス等の配線が撓む位置(配線の長さの中心位置、重力の影響を受けて垂れる部分)を、位置決め板363eの後側に配置することができる。この場合、ハーネス等の配線が撓み変形したとしても、その変形部分が位置決め板363eに止められるので、変形部分がピストン部材362a及び作用爪部332の間の隙間に侵入することを防止することができる。
これにより、ハーネス等の配線の組み付け作業を簡素化することができる。即ち、位置決め板363eによりハーネス等の配線の移動範囲を規制することができるので、ハーネス等の配線を下ケース360に固定する結束バンド等の固定部材の個数を最小限度に抑えることができ、組み付け作業が複雑化することを防止することができる。
また、駆動モータM1の本体側からハーネス等の配線を鉛直下方に垂らす場合には、その配線が撓んだ場合に干渉するおそれがある位置を避けてピストン部材362aや作用爪部322を配設する必要があるところ、本実施形態では、位置決め板363eによりハーネス等の配線の移動範囲を規制することができるので、作用爪部322の配設自由度を向上させることができる(左右端部に作用爪部322を配設することができる)。
位置決め板363eは、下側面が左右両端部付近において、左右両端へ近づくにつれて上昇傾斜する。即ち、左右中央位置付近が下方へ長く延設され、左右両端位置付近は延設長さが短い。これにより、位置決め板363eに必要となる材料の体積を削ることができるので、材料費用を削減することができる。
また、本実施形態では、左右両端位置付近をハーネス等の配線の中心位置とずらすようにハーネス等の配線の長さが設定されるので、左右両端位置付近ではハーネス等の配線の移動を過度に規制しなくても、ピストン部材362a及び作用爪部332の間の隙間にハーネス等の配線が侵入することを防止することができる。従って、本実施形態のように左右両端位置付近において位置決め板363eを面取りすることにより、配線に過度な負担がかけられることを抑制しながら、合わせてハーネス等の配線がピストン部材362a及び作用爪部332の間の隙間に侵入することを防止する効果も確保することができる。
次いで、図19から図21を参照して、傾倒装置310の押し込み操作について説明する。図19(a)は、操作デバイス300の正面図であり、図19(b)は、図19(a)のXIXb−XIXb線における操作デバイス300の断面図である。なお、図19(a)及び図19(b)では、傾倒装置310が上昇位置に配置された状態が図示される。また、XIXb−XIXb線は下ケース360の所定のピストン部材362aの中心を通る線として図示される。
図19(a)及び図19(b)に示すように、傾倒装置310が上昇位置に配置される状態において、ねじりバネ343の下腕343aが、下ケース360の帯状凸設部361bに当接され、係止される。そのため、上昇位置から傾倒装置310が下方へ押し込み操作(傾倒操作)されることにより、ねじりバネ343が巻かれ、傾倒装置310の回転(傾倒)角度に比例してねじりバネ343による付勢力が上昇する。
湾曲部材350と各センサS1〜S3との関係において、上昇位置では、湾曲部材350の凹設部352b,353b(図10参照)が投光部と受光部との間の領域に配置されるので、全てのセンサS1〜S3において、投光部から照射された光が受光部に到達する。そのため、傾倒装置310を傾倒動作させた際に、各センサS1〜S3のいずれかが遮光される態様で湾曲部材350を構成することで、全てのセンサS1〜S3において投光部から照射された光が受光部に到達する状態を検出したら傾倒装置310が上昇位置に配置されたことを検出することができる。
次いで図20及び図21を参照して、傾倒装置310の傾倒動作(回転動作)について説明する。図20(a)、図20(b)、図21(a)及び図21(b)は、図19(a)のXIXb−XIXb線における操作デバイス300の断面図である。
なお、図20(a)では、図19(b)に図示される状態から傾倒装置310が所定角度(約3°)だけ傾倒された状態が図示され、図20(b)では、図20(a)に図示される状態から傾倒装置310が所定角度(約7°、上昇位置から約10°)だけ傾倒された状態が図示され、図21(a)では、図20(b)に図示される状態から傾倒装置310が所定角度(約10°、上昇位置から約20°)だけ傾倒された状態が図示され、図21(b)では、図21(a)に図示される状態から傾倒装置310が所定角度(約4°、上昇位置から約24°)だけ傾倒されると共に、下降位置に配置された状態が図示される。また、理解を容易とするために、作用爪部322及びピストン部材362aが部分的に拡大して図示される。
図20(a)に示すように、上昇位置から傾倒装置310を3°傾倒させると、作用爪部332の下端面がピストン部材362aに当接開始する。そのため、傾倒装置310を介して遊技者が感じる負荷は、ねじりバネ343の付勢力と、コイルスプリング362bによる付勢力とを足し合わせたものとなる。
本実施形態では、コイルスプリング362bが自然長から所定量縮められた状態で筒状受け部361cに配設されるので、コイルスプリング362bから作用爪部332に与えられる負荷は、当接開始時から大きいため、遊技者が感じる負荷の変化割合が急激に大きくなる(図22参照)。
そのため、遊技者は傾倒装置310を介して与えられる負荷が急激に変化する位置を境に、操作デバイス300の状態が変化したことを感じることができる。本実施形態では、図19(b)から図20(a)までの間の状態をプッシュ操作の状態として、図20(a)から図21(b)までの間の状態をペダル操作用の状態として、構成される。
即ち、図20(a)に示す状態で負荷が急激に上昇する位置までを目標地点として、プッシュ操作(押し込み操作や、連打操作)を行うことができ、急激な負荷の上昇に抗して更に押し込むことでペダル操作を行うことができる。従って、傾倒装置310を傾倒させるという単一の操作により、プッシュ操作とペダル操作という別々の操作を行うことができると共に、傾倒装置310から遊技者に与えられる負荷を目印に各操作方法を切り替えることができることから、目盛りを見ながら操作方法を変えるなどの視覚を通した操作ではなく、直感的(押し心地を利用)に各操作方法を切り替えることができる。
図20(a)に示すように、作用爪部332の下端面332bは、回転軸O1から引かれると共に作用爪部332とピストン部材362aとの当接点を通る直線N1から後方(図20(a)右方)へ向かうほど上昇傾斜して構成される。
そのため、例えば、作用爪部332の下端面332bが直線N1に沿って形成される場合に比較して、傾倒装置310の傾倒角度に対するコイルスプリング362bの変位量を低減することができるので、傾倒装置310の押し込み量が大の時(図21(a)や図21(b)参照)に、ねじりバネ343の変位量が過度に大きくなることを抑制することができる。
ここで、図20(a)から図21(b)へ向かうにつれて、ピストン部材362aに対する作用爪部332の当接点は回転軸O1から遠ざかるため、例えば、作用爪部332の下端面332bが直線N1に沿って形成される場合、傾倒装置310が所定角度傾倒する場合の当接点の上下方向の変位は増大し、コイルスプリング362bの変位量が増大するため、ピストン部材362aから作用爪部332に与えられる負荷が増大する。
この場合、傾倒装置310の変位速度が大きな状態で押し込まれる場合に、押し込み終端に近くなるほど、作用爪部332にピストン部材362aから与えられる負荷の変化量が急激に大きくなり、作用爪部332が破損する恐れがある。
これに対し、本実施形態では、作用爪部332の下端面332bが後方へ向かうほど上昇傾斜(ピストン部材362aから離反する方向に傾斜)しているので、傾倒装置310の変位速度が大きな状態で押し込み操作された場合にも、コイルスプリング362bが変位する速度を低減することができる。これにより、ピストン部材362aから作用爪部322に与えられる負荷の変化量が急激に大きくなることを抑制することができる。
また、作用爪部332の下端面332bが円弧形状から構成されると共にピストン部材362aの先端が半球形状から構成されるので、接触の態様を点接触に維持でき、作用爪部332とピストン部材362aとの間で生じる摩擦力を低減することができる。これにより、作用爪部332が傾倒動作する際にピストン部材362aを横倒れ(前後方向に倒れ)させる負荷が生じることを防止することができる。
図21(a)に示すように、傾倒装置310が上昇位置から20°傾倒された状態において、作用爪部332が下ケース360の切り込み部361dに挿通される。そのため、ピストン部材362aの先端が半球形状とされると共に作用爪部332がピストン部材362aの直径よりも薄い幅で構成され、作用爪部332が左右方向(図21(a)紙面垂直方向)にピストン部材362aに対してずれ易い場合であっても、作用爪部332の左右方向への移動を切り込み部361dで止めることで抑制することができる。これにより、コイルスプリング362bの変位に応じて生じる付勢力を、ピストン部材362を介して作用爪部332に確実に負荷することができる。
なお、本実施形態よりも切り込み部361dの離間幅を小さく形成したり、切り込み部361dの側面に緩衝部材を配設したりして、切り込み部361dで作用爪部332を挟み込んで摩擦力をかけるようにしても良い。この場合、作用爪部332が切り込み部361dに入り込んだ際に遊技者が受ける負荷を急激に変化させることができるので、図20(a)で図示した作用爪部332とピストン部材362aとが当接開始する位置の次の目印となる位置として形成することができる(負荷の境界位置を複数設けることができる)。
図21(b)に示すように、傾倒装置310が下降位置に配置されると、傾倒装置310の底壁部317がゴム板GR1に押し当てられることで、停止時の衝撃が吸収されると共に、重厚感を生じさせることができる。
ここで、傾倒装置310の姿勢、動作方向、及び動作速度の検出方法について説明する。各センサS1〜S3(図17参照)は、湾曲部材350の凸設部352a,353aが各センサS1〜S3の投光部と受光部との間に介在していない(遮光されていない)時はオンとなり、湾曲部材350の凸設部352a,353aが各センサS1〜S3の投光部と受光部との間に介在している(遮光されている)時にオフとなる。
上述したように、傾倒装置310が上昇位置に配置された状態で、各センサS1〜S3がオンとされるので、各センサS1〜S3がオンとされることを契機に、カウンタを補正(ゼロにする)態様で制御される。
傾倒装置310が上昇位置から3°までの間では、第2センサS2がオフとされ、第3センサS3がオンのままとされ、第1センサS1がオンとオフとで切り替えられる。本実施形態では、第3センサS3がオンの状態をプッシュ操作の区間として制御している。そのため、第3センサS3がオンのままの状態で、第1センサS1がオンとオフとで切り替わる回数や速度を検出することにより、押し込み操作や連打操作を検出する。
傾倒装置310が上昇位置から3°よりも大きな角度で傾倒動作されると、第3センサS3がオフとされる。本実施形態では、第3センサS3がオフの状態をペダル操作の区間として制御している。第3センサS3がオフとされて以降においては、第1センサS1及び第2センサS2の切替時間に応じて傾倒装置310の動作速度が検出されると共に、第1センサS1及び第2センサS2のパルス信号の立ち上がりのタイミングによって傾倒装置310の動作方向(いずれの方向に動作しているか)が検出され、更に、それらの動作速度から割り出した距離と動作方向とをカウントすることにより傾倒装置310の現在の姿勢が検出される。これにより、傾倒装置310の傾倒の度合いと、演出とを関連づけることが可能となる。
図22を参照して、傾倒装置310(図8参照)を傾倒動作させる際に、遊技者が感じる負荷について説明する。図22は、傾倒装置310の上昇位置からの傾倒角度に対して傾倒装置310に与えられる負荷を表すグラフである。図22に示すグラフには、横軸に、傾倒装置310が上昇位置に配置された状態(図19(b)を左端として、そこから右方へ増大する態様で傾倒角度が示され、縦軸に、傾倒装置310を介して遊技者に与えられる負荷が示される。
図22に示すように、傾倒装置310を介して遊技者に与えられる負荷は、傾倒装置310が上昇位置から3°だけ傾倒される状態(図20(a)参照)までは、ねじりバネ343(図10参照)のバネ定数に比例して所定の角度α1で上昇する。
傾倒装置310が上昇位置から3°だけ傾倒される状態を境に、ピストン部材362a(図20(a)参照)を介してコイルスプリング362bの変位に応じた付勢力が傾倒装置310に負荷される。
コイルスプリング362bは、組立状態(図8参照)において、予め自然長から縮められた状態で配設されるので、傾倒装置310が上昇位置から3°だけ傾倒する位置において、遊技者が感じる負荷が急激に変化する(負荷の変化割合が変化する)。本実施形態では、この位置を境に制御をプッシュ操作とペダル操作とで切り替えるようにしているので、遊技者は急激な負荷の変化(負荷の変化割合の急激な変化)を目印に操作方法を切り替えることを容易に行うことができる。
上述したように、作用爪部332の下端面332bが直線N1(図20(a)参照)に沿った面で形成されると、傾倒装置310の傾倒角度が大きくなるに従ってピストン部材362aの変位の割合(傾倒装置310の傾倒角度に対するピストン部材362aの変位量)が大きくなる。
そのため、傾倒装置310に与えられる負荷のねじりバネ343の付勢力に加算される増加量が、傾倒装置310の傾倒角度が大きくなるに従って所定の2次関数に沿って増加されるので、破線D1に示すように、傾倒装置310に与えられる負荷が大きくなる側(図22のグラフの右側)に向かうに従って、傾倒装置310の傾倒角度に対する負荷の変化割合が大きくなる。そのため、傾倒装置310を大きな速度で傾倒させる場合に、その傾倒角度が上昇位置から大きくなるに従って、ピストン部材362aから作用爪部332に与えられる負荷(衝撃)が大きくなり、作用爪部332の耐久性が低下する恐れがある。
これに対し、本実施形態では、作用爪部332の下端面332bが後方に向かうにつれて上昇傾斜する円弧形状とされるので(図20(b)参照)、ピストン部材362aの変位を抑制することができ、負荷の上昇を補正曲線T1に示す態様で抑えることができる。これにより、作用爪部332に与えられる負荷(衝撃)を抑制することができ。作用爪部332の耐久性を向上させることができる。
また、作用爪部332が複数(本実施形態では4個)配設される(図10参照)ので、傾倒装置310を介して遊技者が感じる負荷を大きく保ちながら、作用爪部332一個当たりに与えられる負荷を抑制することができる。これにより、遊技者の操作感に変化を与えるという目的と、作用爪部332の耐久性を向上させるという目的との双方を達成することができる。
本実施形態では、傾倒装置310を振動させる駆動モータM1が、傾倒装置310が下降位置に配置された状態で付勢装置362の真上に配置される(図21(b)参照)。これにより、駆動モータM1の動作により生じる振動を、底受け部材361に伝わる前に、コイルスプリング362bの緩衝作用で弱めることができる。
従って、駆動モータM1の動作により生じる振動がパチンコ機10に伝わり、パチンコ機10の前枠などが振動することを防止することができる。そのため、前枠に遊技者が触れていたとしても、操作デバイス300の内部状態(駆動モータM1が動作しているか否か)を把握することはできないので、傾倒装置310の操作前から操作デバイス300の内部状態が分かってしまうことで操作意欲が減退することを防止することができる。
本実施形態では、傾倒装置310の回転軸O1は正面側に配置される。そのため、駆動モータM1の動作により生じる振動により傾倒装置310の振動演出の動作を大きくしたい場合には、駆動モータM1は回転軸O1付近に配置することが望ましい。これにより、駆動音を遊技者に聞こえやすくすることもでき、遊技者が駆動モータM1の動作に気付き易くすることができる。
一方、回転軸O1付近は、傾倒装置310の動作量が小さくなる位置でもあるので、空間が少なく、ハーネス等の配線を上手く配置することが困難である。特に、ハーネス等の配線を挟む可能性がある部材がある場合には、注意を要する。
即ち、傾倒装置310の回転軸O1付近に駆動モータM1を配置する場合、ハーネス等の配線を挟み込まないように配置することが困難であるという問題てんがあった。これに対し、本実施形態では、ハーネス等の配線を、一度、位置決め板363eの背面側を左右に通す(渡す)態様で配置する。これにより、傾倒装置310の動作によりハーネス等の配線の撓み量が最も大きくなる部分と、ハーネス等の配線を挟む可能性があるピストン部材362eと作用爪部332との当接部分とを、位置決め板363eで仕切ることができる。これにより、ハーネス等の配線がピストン部材362eと作用爪部332との間に挟まれることを物理的に防止することができる。
次いで、図23から図28を参照して、第2実施形態について説明する。第1実施形態では、傾倒装置310をペダル操作することにより、遊技者が感じる負荷が増加する場合を説明したが、第2実施形態における操作デバイス2300は、傾倒装置2310をペダル操作する場合に所定の姿勢を境に遊技者が感じる負荷が一定となる態様で傾倒装置2310の作用爪部2332及びピストン部材2362aの外形が形成される場合を説明する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図23は、第2実施形態における傾倒装置2310の上面分解斜視図である。なお、図23では、左側の駆動モータM1及び左側の切替動作部材2326が下カバー2320に取り付けられた状態が図示され、右側の駆動モータM1及び右側の切替動作部材2326が下カバー2320から離間された状態が図示されると共に、切替動作部材2326が拡大して図示される。
図23に示すように、傾倒装置2310は、下カバー2320のモータ支持部2325の底板部2325aが上下方向に穿設される貫通孔2325a1と、その貫通孔2325a1に上下移動可能に挿通される切替動作部材2326と、を備える。
図23に示すように、切替動作部材2326は、隣り合う作用爪部2332の間の隙間に配設されると共に樹脂材料から一体成型される本体部材2326aと、その本体部材2326aの上部に張り出すと共に首振り可能に軸支される首振り部材2326bと、を主に備える。
本体部材2326aは、前後方向に長尺な板形状で形成される当接板部2326a1と、その当接板部2326a1の上端部から前後に下降傾斜しながら張り出すと共に板バネとして作用する薄板形状の板バネ作用部2326a2と、前後に傾倒する首振り部材2326bを収容する凹みである収容凹部2326a3と、当接板部2326a1の中間位置から外方へ張り出すと共に、撓み変形可能な薄さで構成される抜け止め部2326a4と、を主に備える。
収容凹部2326a3は、正面側(図23左側)の壁部が鉛直方向に沿って立ち上がり、奥側(図23右側)の壁部が上方へ向かうほど奥(図23右方)へ変位する態様で傾斜される。これにより、首振り部材2326bが鉛直方向に沿って立つ姿勢から正面側へ向けての傾倒が規制され、奥へ向けての傾倒が許容される。
抜け止め部2326a4は、当接板部2326a1に近接する方向に変位可能とされ、当接板部2326a1に押し付けられた際には、当接板部2326a1の最大幅の内側に収容される(当接板部2326a1の側面に抜け止め部2326a4を受け入れる凹みがある)。これにより、貫通孔2325a1の幅を当接板部2326a1の幅よりも若干大きな大きさとしておけば、切替動作部材2326を貫通孔2325a1に上方から挿通する場合に抜け止め部2326a4が原因で切替動作部材2326が貫通孔2325a1に詰まることを防止することができると共に、切替動作部材2326を挿通仕切ったあとは、抜け止め部2326a4によって、切替動作部材2326が貫通孔2325a1から抜けることを防止することができる。
首振り部材2326bは、本体部材2326aの厚さ方向に沿って回転軸を備える棒状の部材であって、収容凹部2326a3の正面側の壁部へ向けてバネ部材(図示せず)により付勢される。即ち、図23に示す状態が首振り部材2326bの初期位置(外方からの負荷が生じない位置)とされ、その初期位置において、本体部材2326aからの張出長さが最大とされる。
図24及び図25を参照して、切替動作部材2326の作用について説明する。図24(a)から図24(c)及び図25(a)から図25(c)は、傾倒装置2310及び下ケース2360の部分断面図である。なお、図24(a)から図24(c)及び図25(a)から図25(c)では、傾倒装置2310が下降位置に配置された状態が図示される。
図24(a)から図24(c)及び図25(a)から図25(c)では、駆動モータM1の回転軸に垂直な平面で切替動作部材2326が断面視されると共に、傾倒装置2310が下降位置に配置された状態が図示される(そのため、図24(a)から図24(c)及び図25(a)から図25(c)の上下方向は、鉛直方向から傾斜した方向とされる)。
図24(a)から図24(c)まででは、駆動モータM1の駆動力により、錘部材M1aが図24において反時計回りに回転される状態が時系列で図示される。即ち、図24(a)では、錘部材M1aが首振り部材2326bに当接する前の状態が、図24(b)では、錘部材M1aが首振り部材2326bに当接した後で錘部材M1aを時計回りに最大角度回転させた状態が、図24(c)では、錘部材M1aが首振り部材2326bから離間され、首振り部材2326bが初期位置に復帰した状態がそれぞれ図示される。
図24(a)から図24(c)に示すように、錘部材M1aが図24において反時計回りに回転する場合には、首振り部材2326bの変位が収容凹部2326a3の凹みの範囲内で収まるため、本体部材2326aは上下移動することはなく、切替動作部材2326の配置が維持される。
図25(a)から図25(c)まででは、駆動モータM1の駆動力により、錘部材M1aが図25において時計回りに回転される状態が時系列で図示される。即ち、図25(a)では、錘部材M1aが首振り部材2326bに当接する前の状態が、図25(b)では、錘部材M1aが首振り部材2326bに当接した後で錘部材M1aを反時計回りに回転させようとする方向の負荷を与えた状態が、図25(c)では、錘部材M1aが首振り部材2326bから離間された状態がそれぞれ図示される。
図25(a)から図25(c)に示すように、錘部材M1aが図25において時計回りに回転する場合には、首振り部材2326bが収容凹部2326a3の正面側の壁面に押し付けられ回転動作できないので、錘部材M1aと首振り部材2326bとの干渉が、切替動作部材2326が下方へ移動することにより回避される。即ち、錘部材M1aの回転に合わせて、切替動作部材2326が上下方向に振動する。
本実施形態では、切替動作部材2326が初期位置に配置された状態では、切替動作部材2326の下端は下ケース2360の底受け部材361に当接されず(図25(a)参照)、錘部材M1aが切替動作部材2326を下方へ押し下げた状態では、切替動作部材2326の下端が底受け部材361に当接される(図25(b)参照)。
ここで、本実施形態では、図25(a)における切替動作部材2326の下端と底受け部材361との離間幅は、切替動作部材2326の上下移動幅(図25(a)と図25(b)との間における切替動作部材2326の変位)よりも短くなるように本体部材2326aの形状が設計される。
そのため、図25(a)から図25(b)に状態が変化することによって、切替動作部材2326から底受け部材361に圧がかかり、その反力が駆動モータM1を上方へ押し上げる向きにかけられるので、その駆動モータM1を上方から押さえる上カバー311に負荷がかけられる。
従って、傾倒装置2310を下降位置まで押し下げた状態において、遊技者は、切替動作部材2326の振動に伴って繰り返し生じる負荷を感じることができる。この繰り返し生じる負荷は、下降位置まで押し下げることにより遊技者が感じることが可能となるものであって、例えば、傾倒装置2310が切替動作部材2326の下端と底受け部材361との離間幅が切替動作部材2326の上下移動幅よりも長くなる姿勢とされる場合には、切替動作部材2326と底受け部材361とが当接しないので、遊技者が繰り返し生じる負荷を受けることは無い。
そのため、遊技者は、繰り返し生じる負荷を感じることにより、傾倒装置2310を下降位置まで押し込み操作できていることを認識することができる。これにより、押し込み量が不足するために生じる操作ミスや、目標位置が曖昧になることから生じる押しすぎ(押し込み量の過大)等を防止することができる。
また、傾倒装置2310が下降位置に配置され、駆動モータM1が回転されたとしても、その回転方向により切替動作部材2326が振動動作する場合と、しない場合とが形成される。
ここで、パチンコ機10が操作デバイス2300の操作を要求するタイミングで、その操作により動作開始する他の役物(例えば、第3図柄表示装置81の周囲に配置され演出として内方へ向けて張出移動する役物)の駆動装置が、動作開始位置まで駆動される場合がある(動作準備される場合がある)。通常、抽選結果が当たりの場合には他の役物が激しく動き、抽選結果が外れの場合には他の役物は停止したままとなるが、動作準備時のモータ駆動音や、振動により、他の役物の演出を待つことなく抽選結果を遊技者が知ることになってしまい、遊技者の興趣を低減させるという問題点があった。
そのため、操作デバイス2300においても、駆動モータM1の駆動音や振動で、抽選結果が予想できてしまい、傾倒装置2310の操作を行う意義が薄れ、遊技者が操作を行うことを止めてしまう恐れがある。
これに対し、本実施形態では、図24及び図25に示す状態の両方において、同様に駆動モータM1は回転されるので、同様の駆動音や振動が発生する一方で、その駆動モータM1の回転方向によって切替動作部材2326が底受け部材361に当接するか否かが変化される。切替動作部材2326が底受け部材361に当接することにより生じる傾倒装置2310の変位は僅かであり、目視では切替動作部材2326が底受け部材361に当接しているか否かを確認しづらい態様で構成される。
従って、例えば、抽選結果が当たりの場合の、傾倒装置2310が下降位置に配置される際に切替動作部材2326が振動動作する確率を高くすることにより、切替動作部材2326と底受け部材361とが当接することにより生じる繰り返し負荷を手にかけられる負荷の変化として感じることにより抽選結果を予想することができるので、遊技者が傾倒装置2310を下降位置まで押し込む意義を高くすることができる。これにより、操作デバイス2300の有効活用を図る(遊技者に傾倒装置2310を押させる)ことができる。
図23に戻って説明する。軸カバー2330は、作用爪部2332が、手前側(図23左側)の傾斜角度が緩い一方で、奥側(図23右側)の傾斜角度が急となっており、遊技者に与える負荷の上昇を抑制可能に構成される。
図26及び図27を参照して、傾倒装置2310の回転(傾倒)に伴うピストン部材2362aの上下動作について説明する。図26(a)及び図26(b)と図27(a)及び図27(b)は、図19(a)のXIXb―XIXb線に対応する線における傾倒装置2310の部分断面図である。
図26(a)では、傾倒装置2310が上昇位置から3°回転され作用爪部2332とピストン部材2362aとが当接開始した点が、図26(b)では、図26(a)に示す状態から傾倒装置2310が10°回転され作用爪部2332がピストン部材2362aを押し下げた状態が、図27(a)では、図26(b)に示す状態から傾倒装置2310が5°回転されピストン部材2362aが上昇した状態が、図27(b)では、図27(a)に示す状態から傾倒装置2310が5°回転されピストン部材2362aが初期位置まで上昇した状態が、それぞれ図示される。
図26及び図27に示すように、下ケース2360は、第1実施形態の筒状受け部361cに比較して下方に配置される筒状受け部2361cを備え、その内側を上下方向に動作するピストン部材2362aの上端部は正面側が円弧で切り欠かれる形状から構成される。
図26及び図27に示すように、作用爪部2332の下端面2332bは、図26(b)に示す状態(上昇位置から13°回転された状態)で、切替点2332cとピストン部材2362aとが当接されると共に、その切替点2332cの後方(図26(a)右方)の後側円弧部2332eが、切替点2332cから遠ざかるほど回転軸O1からの長さが短くなる態様で構成される。なお、回転軸O1を中心として回転軸O1から切替点2332cまでの距離を半径とする円弧C1が想像線で図示される。
傾倒装置2310を傾倒させる場合に傾倒装置2310に与えられる負荷について説明する。なお、ピストン部材2362aから傾倒装置2310の移動方向に与えられる負荷は、ピストン部材2362aの移動方向に沿った傾倒装置2310の変位量の成分比が変わることにより傾倒装置2310の姿勢によっても変動するが、ここではその説明は省略し、コイルスプリング362bの変位量に比例する負荷が全て傾倒装置2310の移動方向に対抗してかけられると仮定して説明する。
傾倒装置2310を上昇位置から3°回転させた位置を基準として、傾倒装置2310を10°回転させる場合(図26(a)に示す状態から図26(b)に示す状態まで傾倒装置2310を回転させる場合)、作用爪部2332の切替点2332cの手前側(図26(b)左側)の前側円弧部2332dがピストン部材2362aを位置P1まで押し込むことにより、付勢装置2362のコイルスプリング362bが変位して、ピストン部材2362aから作用爪部2332に与えられる負荷が増大する。なお、傾倒装置2310を回転させる場合、遊技者は、ねじりバネ343と付勢装置2362との両方から負荷を受けるので、図26(a)から図26(b)まで傾倒装置2310を回転させるに伴って、遊技者に与えられる負荷は増加する。
図26(b)に示す状態から、傾倒装置2310を5°回転させる場合(図26(b)に示す状態から図27(a)に示す状態まで傾倒装置2310を回転させる場合)、ピストン部材2362aは位置P2まで上昇する。即ち、円弧C1に沿って後側円弧部2332eが形成される場合には傾倒装置2310の回転に対してピストン部材2362aの位置が維持されるので、その円弧C1よりも半径が小さく形成されることにより、ピストン部材2362aが図26(b)に示す位置P1から位置P2まで上昇する。
そのため、図26(b)に示す状態から図27(a)に示す状態まで傾倒装置2310を回転させる場合、遊技者は、ねじりバネ343の変位による負荷の増加と、コイルスプリング362bの変位の回復による負荷の減少との合力を負荷として受ける。
本実施形態では、ねじりバネ343が5°だけ変位する場合に生じる付勢力の変化量と、コイルスプリング362bが位置P1と位置P2との間の距離だけ変位する場合に生じる付勢力の変化量とが、同等となるようにねじりバネ343及びコイルスプリング362bが選定される。従って、図26(b)の状態と、図27(a)の状態とで遊技者が受ける負荷は一定とされる。
図27(a)に示す状態から、傾倒装置2310を5°回転させる場合(図27(a)に示す状態から図27(b)に示す状態まで傾倒装置2310を回転させる場合)、ピストン部材2362aは位置P3まで上昇する。ここで、位置P3は、位置P2から、位置P1と位置P2との間の距離だけ上昇した位置とされる。
即ち、図27(a)に示す状態から、図27(b)に示す状態まで傾倒装置2310が回転(傾倒)する場合、図26(b)に示す状態から図27(a)に示す状態まで傾倒装置2310を回転させる場合と同じだけ、ねじりバネ343及びコイルスプリング362bがそれぞれ変位する。従って、図27(a)の状態と、図27(b)の状態とで遊技者が受ける負荷は一定とされる。そのため、図26(b)から図27(b)までの間(傾倒装置2310を10°回転させる期間)、遊技者が受ける負荷を一定とすることができる。
次いで、図28を参照して、傾倒装置2310を操作する際に、遊技者に傾倒装置2310から与えられる負荷について説明する。図28は、傾倒装置2310の上昇位置からの傾倒角度に対して傾倒装置2310に与えられる負荷を表すグラフである。図28に示すグラフには、横軸に、傾倒装置2310が上昇位置に配置された状態を左端として、そこから右方へ増大する態様で傾倒角度が示され、縦軸に、傾倒装置2310を介して遊技者に与えられる負荷が示される。
図28に示すように、傾倒装置2310を介して遊技者に与えられる負荷は、傾倒装置2310が上昇位置から3°だけ傾倒される状態(図26(a)参照)までは、ねじりバネ343(図10参照)のバネ定数に比例して所定の角度α1で上昇する。
傾倒装置2310が上昇位置から3°だけ傾倒される状態を境に、ピストン部材2362a(図26(a)参照)を介してコイルスプリング362bの変位に応じた付勢力が傾倒装置2310に負荷される。
コイルスプリング362bは、組立状態(図8参照)において、予め自然長から縮められた状態で配設されるので、傾倒装置2310が上昇位置から3°だけ傾倒する位置において、遊技者が感じる負荷が急激に変化する(負荷の変化割合が変化する)。本実施形態では、この位置を境に制御をプッシュ操作とペダル操作とで切り替えるようにしているので、遊技者は急激な負荷の変化を目印に操作方法を切り替えることを容易に行うことができる。
傾倒装置2310が上昇位置から3°だけ傾倒する状態から更に10°傾倒する状態までは、遊技者に与えられる負荷が、ねじりバネ343による負荷の上昇割合(角度α1)よりも大きな割合で増加する。
傾倒装置2310が上昇位置から13°だけ傾斜する状態から更に10°傾斜する状態までは、遊技者に与えられる負荷が一定とされる。これにより、傾倒装置2310が角度13°の姿勢からも更に付勢力が増加する場合に比較して、遊技者が傾倒装置2310をペダル操作する際の負担を低減することができると共に、傾倒装置2310を一定の角度で維持する操作を行うことを容易にすることができる。
次いで、図29から図31を参照して、第3実施形態について説明する。第1実施形態では、付勢装置362のピストン部材362aの姿勢が固定される場合を説明したが、第3実施形態における操作デバイス3300は、ピストン部材362aが上下移動の途中で傾倒動作可能な場合を説明する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図29(a)は、第3実施形態における回転ピストン部材3364の正面斜視図であり、図29(b)は、下ケース3360の部分正面斜視図であり、図29(c)は、軸カバー3330の部分正面斜視図である。なお、図29(b)では、筒状受け部3361cの内周形状の手前側の一部が想像線で図示され、図29(c)では、回転ピストン部材3364の組立構造が部分的に想像線で図示される。
図29(a)に図示されるように、回転ピストン部材3364は、筒状受け部3361cの内径よりも若干小さな径で構成される球状部に板状部が延設される本体部材3364aと、その本体部材3364aの下部から板状部の延設される平面と同一平面上に断面コ字状に切り欠かれる切り欠き部3364bと、その切り欠き部3364bに挿通され変位可能に配設される長尺棒形状の棒部材3364cと、その棒部材3364cを軸支すると共に本体部材3364aの球状部の内部に貫通固定される貫通軸部材3364dと、を主に備える。
棒部材3364cは、本体部材3364aに収容される側の端部に棒部材3364cが挿通される軸支孔を備え、その反対側の端部に軸支孔の貫通方向と平行な方向に凸設される案内ピン部3364c1を備える。
貫通軸部材3364dは、本体部材3364aの球状部に、板状部の厚さ方向に沿って穿設される支持孔に挿通固定され、貫通軸部材3364dに棒部材3364cが回転可能に軸支される。
図29(b)に図示されるように、回転ピストン部材3364は、下ケース3360の筒状受け部3361cに支持される。筒状受け部3361cは、内周が回転ピストン部材3364の本体部材3364aの球状部の直径よりも若干大きな内径で形成される筒状に形成され、その上面に蓋がされ、その蓋に回転ピストン部材3364の本体部材3364aの板状部の厚さよりも若干大きな幅の切り込み部3361dが形成される。
この切り込み部3361dを介して棒部材3364c及び本体部材3364aが筒状受け部3361cの外方へ張り出される。
図29(c)に図示されるように、軸カバー3330は、円筒下半部3331に、棒部材3364cが挿通される貫通孔3331gと、その貫通孔3331gが形成される平面と同一平面に沿って形成されると共に上面に切り込みを有する円弧状の長孔を備えると共に案内ピン部3364c1を支持可能に構成される支持長孔部3331hと、を備える。なお、支持長孔部3331hは、回転軸O1を中心として角度30°の範囲で延設される。
組立状態において、案内ピン部3364c1は支持長孔部3331hに挿通される。その組立方法は、作用爪部332が回転ピストン部材3364と当接しない姿勢で傾倒装置3310を下ケース3360に近づけ、貫通孔3331gに棒部材3364cを挿通させた後で傾倒装置3310を回転させ回転ピストン部材3364を所定量押し込む方法である。これにより、案内ピン部3364c1を支持長孔部3331hの切り込みを通して支持長孔部3331hに内嵌させることができ、図30(a)に示す組立状態を構成することができる。
次いで、図30及び図31を参照して、回転ピストン部材3364の動作について説明する。図30(a)、図30(b)、図31(a)及び図31(b)は、図19(a)のXIXb―XIXb線に対応する線における傾倒装置3310の部分断面図である。なお、図30(a)では、傾倒装置3310が上昇位置に配置された状態が図示され、図30(b)では、傾倒装置3310が上昇位置から3°回転(傾倒)された状態が図示され、図31(a)では、傾倒装置3310が上昇位置から10°回転(傾倒)された状態が図示され、図31(b)では、傾倒装置3310が上昇位置から20°回転(傾倒)された状態が図示される。
図30(a)及び図30(b)に示すように、傾倒装置3310が上昇位置に配置された状態では、案内ピン部3364c1が支持長孔部3331hの正面側(図30(a)左側)の端部に配置され、傾倒装置3310が上昇位置から3°回転された状態では、案内ピン部3364c1が支持長孔部3331hの中間に配置される。
図30(a)から図30(b)までの間、回転ピストン部材3364の位置は変化しておらず、支持長孔部3331hの形状が回転軸O1を中心とした円弧形状とされるので、案内ピン部3364c1と支持長孔部3331hとの間で負荷は生じず、遊技者に与えられる負荷はねじりバネ343によって生じる付勢力のみとされる。
図31(a)に示すように、傾倒装置3310が上昇位置から10°回転された状態では、作用爪部332に回転ピストン部材3364が押し下げられると共に、案内ピン部3364c1が支持長孔部3331hの後側(図31(a)右側)の端部に配置される。この状態において、傾倒装置3310には、ねじりバネ343から受ける負荷に加え、回転ピストン部材3364の下方に配置されるコイルスプリング362bから生じる付勢力が負荷される。
図31(b)に示すように、傾倒装置3310が上昇位置から20°回転された状態では、支持長孔部3331hが回転軸O1を中心として更に時計回りに回転されることにより、案内ピン部3364cが引っ張られ、それにより回転ピストン部材3364が回転することにより、作用爪部332と当接する本体部材3364aの板状部の上端部分が、作用爪部332から逃げる方向に移動する。これにより、回転ピストン部材3364がそれ以上下方に移動することを抑制することができるので、コイルスプリング362bが更に縮むことを防止することができ、傾倒装置3310に与えられる負荷の増大を抑制することができる。
次いで、図32から図34を参照して、第4実施形態について説明する。第1実施形態では、傾倒装置310がバネ弾性を備えるバネ部材により付勢される場合を説明したが、第4実施形態における操作デバイス4300は、傾倒装置4310が磁力による付勢力を受ける場合を説明する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図32(a)、図32(b)、図33(a)及び図33(b)は、図19(a)のXIXb―XIXb線に対応する線における第4実施形態における操作デバイス4300の断面図である。なお、図32(a)では、傾倒装置4310が上昇位置に配置された状態が、図32(b)では、図32(a)に示す状態から傾倒装置4310が3°回転(傾倒)された状態が、図33(a)では、図32(b)に示す状態から傾倒装置4310が5°回転(傾倒)された状態(上昇位置から8°回転(傾倒)された状態)が、図33(b)では、図33(a)に示す状態から傾倒装置4310が5°回転(傾倒)された状態(上昇位置から13°回転(傾倒)された状態)がそれぞれ図示される。なお、本実施形態では、図32(a)に示す状態において付勢装置362のコイルスプリング362bが自然長で配設される。
図32及び図33に示すように、操作デバイス4300は、磁性体材料から形成され傾倒装置4310の下カバー320の湾曲壁部322に固定される移動磁石Ma1と、その移動磁石Ma1と対向配置する態様で下ケース360の右側センサ固定板363bの後端部に固定されると共に磁性体材料から形成される固定磁石Ma2と、を備える。なお、移動磁石Ma1及び固定磁石Ma2は、回転軸O1を中心とした円弧に沿った形状で形成され、移動磁石Ma1は中心角度が約5°の円弧形状で、固定磁石は中心角度が約3°の円弧形状で、それぞれ構成されると共に、回転軸O1を中心とした径方向で磁性が切り替わり、近接するほど吸着方向の磁力が働く態様で構成される。
移動磁石Ma1及び固定磁石Ma2の作用について説明する。図32(a)に示すように、傾倒装置4310が上昇位置に配置された状態において、移動磁石Ma1及び固定磁石Ma2の対向する面が回転軸O1を中心とした径方向で重ならない位置に移動磁石Ma1及び固定磁石Ma2が配設される。移動磁石Ma1及び固定磁石Ma2の吸着力は対向配置して重なる面の面積に比例して増大するが、対向する面が重ならない場合には、吸着力が発生しない(無視できるほど小さい)。
また、図32(a)に示すように、固定磁石Ma2の上端位置と、移動磁石Ma1の下端位置とが回転軸O1を中心とした径方向で一致するので、傾倒装置4310が移動開始すると移動磁石Ma1と固定磁石Ma2との間で吸着方向の磁力が作用し始める。
図32(b)に示すように、傾倒装置4310が上昇位置から3°回転した状態において、移動磁石Ma1と固定磁石Ma2とが回転軸O1の径方向で重なる面積が最大となる。即ち、傾倒装置4310が上昇位置に配置された状態から回転(傾倒)するごとに、その回転角度に比例して移動磁石Ma1と固定磁石Ma2との間で生じる磁力が増大し、図32(b)に示す状態で最大となる。また、移動磁石Ma1の上端位置は固定磁石Ma2の上端位置から2°分上方に配置されるので、図32(b)の状態から更に傾倒装置4310が2°回転されるまで(上昇位置からの回転角度が3°から5°まで)は磁力が最大の状態が維持される。
図33(a)に示すように、傾倒装置4310が上昇位置から8°回転した状態において、固定磁石Ma2の下端位置と移動磁石Ma1の上端位置とが回転軸O1を中心とした径方向で一致する。即ち、移動磁石Ma1及び固定磁石Ma2の対向する面が重ならなくなるので、移動磁石Ma1と固定磁石Ma2との間で磁力が生じなくなる(無視できるほど小さくなる)。
図33(b)の状態に到達するまでには、傾倒装置4310が上昇位置から5°回転(傾倒)した位置から、傾倒装置4310が回転(傾倒)するのに伴って、移動磁石Ma1と固定磁石Ma2との対向する面の重なる面積が減少する。そのため、傾倒装置4310が上昇位置から5°回転した位置(磁力が最大となる位置)から、図33(b)の状態に到達するまでの間、傾倒装置4310の回転角度に比例して移動磁石Ma1と固定磁石Ma2との間で発生する磁力が減少する。
図33(b)に示すように、上昇位置から傾倒装置4310が13°回転した状態では、移動磁石Ma1と固定磁石Ma2とが離間され、傾倒装置4310に与えられる負荷は、ねじりバネ343及び付勢装置362により生じる付勢力のみとなる。従って、傾倒装置4310が回転(傾倒)するに従って、傾倒装置4310に与えられる負荷は増大する。
図34を参照して、傾倒装置4310から遊技者に与えられる負荷について説明する。図34は、傾倒装置4310の上昇位置からの傾倒角度に対して傾倒装置4310に与えられる負荷を表すグラフである。図34に示すグラフには、横軸に、傾倒装置4310が上昇位置に配置された状態(図32(a)参照)を左端として、そこから右方へ増大する態様で傾倒角度が示され、縦軸に、傾倒装置4310を介して遊技者に与えられる負荷が示される。なお、図34では、理解を容易とするために、コイルスプリング362bの変位が傾倒装置4310の回転角度に比例すると仮定したグラフが記載される(第1実施形態で上述した作用爪部332の形状による効果が無視される)。
図34に示すように、傾倒装置4310を介して遊技者に与えられる負荷は、傾倒装置4310が上昇位置から3°だけ傾倒される状態(図32(b)参照)までは、ねじりバネ343(図10参照)のバネ定数に比例して所定の角度α1で上昇する直線に移動磁石Ma1と固定磁石Ma2との間に傾倒装置4310の回転方向の成分として生じる磁力MF1を加えた態様で、傾倒装置4310の回転角度に比例して増加する。
傾倒装置4310が上昇位置から3°だけ傾倒される状態を境に、ピストン部材362a(図32(b)参照)を介してコイルスプリング362bの変位に応じた付勢力が傾倒装置4310に負荷され始めると共に、移動磁石Ma1と固定磁石Ma2との対向する面の回転軸O1の径方向で重なる面積が最大となりはじめる。
面積が最大の区間は傾倒装置4310の回転角度が5°となるまで続くので、その区間は、磁力の変化は生じず、ねじりバネ343(図10参照)及びコイルスプリング362b(図32(b)参照)の変位により付勢力が増加することで、傾倒装置4310に与えられる負荷が変化する。なお、上述したように、本実施形態ではコイルスプリング362bが自然長で配設されるので、傾倒装置4310の回転角度が上昇位置から3°の状態から、負荷が滑らかに上昇する。
傾倒装置4310の回転角度が上昇位置から5°である位置から傾倒装置4310が3°回転(傾倒)する(上昇位置から8°の位置まで回転(傾倒)する)際には、移動磁石Ma1と固定磁石Ma2との対向する面の回転軸O1の径方向で重なる面積が減少し始める。この減少量が、ねじりバネ343(図10参照)及びコイルスプリング362b(図32(b)参照)の変位により生じる付勢力の増加量よりも大きくされることにより、回転角度が5°の位置から8°の位置までにおいて遊技者に与えられる負荷が減少する。
即ち、傾倒装置4310が上昇位置から回転角度が5°の位置までの間に配置される間は、回転角度が大きくなるにつれ遊技者に与えられる負荷は増加し、その一方で回転角度が5°の位置から回転角度が8°の位置までの間は、回転角度が大きくなるにつれ遊技者に与えられる負荷が減少するので、回転角度が5°の位置を境に負荷の変化割合の正負が逆転することになる。そのため、回転角度が5°の位置で負荷の変化割合が変化したことを遊技者が認識し易くすることができ、回転角度が5°の位置を、遊技者が傾倒装置4310を操作した量を把握するための目印として利用することができるので、本構成を遊技に役立てることができる。
傾倒装置4310の回転角度が上昇位置から8°である位置から更に回転させると、磁力による負荷の変動は無くなるので、傾倒装置4310の回転角度を増加させるにつれて、ねじりバネ343(図10参照)及びコイルスプリング362b(図32(b)参照)の変位により遊技者に与えられる付勢力が増大する。即ち、回転角度が8°の位置を境に負荷の変化割合の正負が再度、逆転することになる。そのため、回転角度が8°の位置で負荷の変化割合が変化したことを遊技者が認識し易くすることができ、回転角度が8°の位置を、遊技者が傾倒装置4310を操作した量を把握するための目印として利用することができる。
図34に示すように、本実施形態では、傾倒装置4310を回転させる過程において、回転角度が8°の位置を谷底として遊技者に与えられる負荷が減少する。そのため、傾倒装置4310の回転角度が増加するに従って遊技者に与えられる負荷が増大する場合に比較して、回転角度が8°の姿勢で傾倒装置4310を維持することを容易とすることができる。これにより、ペダル操作の前段階において、上昇位置から傾倒装置4310を3°以上回転させた位置において傾倒装置4310の姿勢を維持することを容易とすることができる。
なお、本実施形態では、傾倒装置4310を回転角度8°の位置から5°の位置まで復帰させる復帰装置(エアーを傾倒装置4310の周方向に沿って下方から噴出する装置など、図示せず)を備える。これにより、傾倒装置4310の下降位置から上昇位置への復帰動作を補助し、傾倒装置4310が回転角度8°の位置で停止し続けることを防止することができる。
次いで、図35から図42を参照して、第5実施形態について説明する。第1実施形態では、傾倒装置310の回転(傾倒)角度によってのみ傾倒装置310を上昇位置側へ復帰させる付勢力が変化する場合を説明したが、第5実施形態における操作デバイス5300は、傾倒装置5310の回転(傾倒)速度によっても傾倒装置5310へ与えられる付勢力が変化する場合(回転速度が大きい時に付勢力が増加する場合)を説明する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図35は、第5実施形態における操作デバイス5300の側面図である。図35に示すように、操作デバイス5300は、傾倒装置5310の上カバー5311が、湾曲壁部5316の左右方向に沿って溝状に凹設される凹設部5316bを備える態様で構成されると共に、上ケース5370の後上部に第3付勢装置5380を備える。第3付勢装置5380は、湾曲壁部5316と当接することにより傾倒装置5310に負荷を与える装置である。
図36を参照して、第3付勢装置5380の上ケース5370との組立構造について説明する。図36(a)は、上ケース5370の上面図であり、図36(b)及び図36(c)は、図36(a)のXXXVIb−XXXVIb線における上ケース5370及び第3付勢装置5380の断面図である。なお、図36(c)では、第3付勢装置5380の回転ローラ5381の図示が省略される。
図36に示すように、上ケース5370は、その後上部において正面側へ向けて開放される箱状の収容箱部5371と、その収容箱部5371の側面に前後方向に沿って長孔として延設される逃げ孔5372と、回転ローラ5381を2点で支持する一対の円柱部5373と、ねじりバネ5383が係止される係止部5374と、を主に備える。
第3付勢装置5380は、傾倒装置5310と当接することで傾倒装置5310の回転(傾倒)に伴って回転する回転ローラ5381と、その回転ローラ5381を回転可能に軸支すると共に逃げ孔5372に挿通される軸棒部材5382と、その軸棒部材5382に巻き付けられると共に回転ローラ5381に弾性的な付勢力を与えるねじりバネ5383と、を主に備える。
ねじりバネ5383は、一方の腕部が係止部5374の下方から当接し、他方の腕部が回転ローラ5381の凸設ピン5381cの下方から当接することで、回転ローラ5381が下方へ巻き込まれる方向(図36(b)反時計回り)に回転する場合に付勢力が上昇する態様とされる。一方、回転ローラ5381が上方へ向かう方向(図36(b)時計回り)に回転する場合には、回転ローラ5381の凸設ピン5381cがねじりバネ5383の他方の腕部から離反するだけであり、付勢力の変化は生じない。
図37を参照して、回転ローラ5381について説明する。図37(a)は、回転ローラ5381の側面図であり、図37(b)は、図37(a)の矢印XXXVIIbにおける回転ローラ5381の正面図である。
図37に示すように、回転ローラ5381は、円盤形状に形成される本体部5381aと、その本体部5381aの円の中心に断面円形状で厚さ方向に穿設されると共に軸棒部材5382(図36(c)参照)が挿通される貫通孔5381bと、本体部5381aの偏心した位置から厚さ方向に沿って凸設される凸設ピン5381cと、本体部5381aの外周面から中心部へ向けて凹設されると共に軸心方向に亘って延設される凹設部5381dと、を主に備える。
凸設ピン5381cは、ねじりバネ5383が係止される部分であって、ねじりバネ5383の腕部に上方から当接する(図36(b)参照)。凹設部5381dは、回転ローラ5381を後方へ移動可能とするための凹設部分であって、円柱部5373の直径よりも大きな幅で凹設される。
次いで、傾倒装置5310と第3付勢装置5380との動作の関係について説明する。図38(a)、図38(b)、図39(a)、図39(b)、図40(a)及び図40(b)は、図36(a)のXXXVIb−XXXVIb線に対応する線における操作デバイス5300の断面図である。
図38(a)では、傾倒装置5310が上昇位置に配置された状態が図示され、図38(b)では、傾倒装置5310が上昇位置から3°回転(傾倒)した状態が図示され、図39(a)では、図38(b)に示す状態から傾倒装置5310が更に所定量回転(傾倒)した状態が図示され、図39(b)では、傾倒装置5310が上昇位置から6°回転(傾倒)した状態が図示され、図40(a)では、図39(b)に示す状態から傾倒装置5310が素早く14°回転(傾倒)した状態が図示され、図40(b)では、図40(a)に示す状態から傾倒装置5310が更に回転(傾倒)した状態がそれぞれ図示される。
図38から図40に示すように、上カバー5311の湾曲壁部5316は、凹設部5316bと、回転ローラ5381に当接する部分である当接部5316cとを組で備える。即ち、回転ローラ5381と最初に当接する当接部5316c(回転軸O1を中心に3°で形成)及びそれに続く凹設部5316b(回転軸O1を中心に2.5°で形成)と、同様の形状でその後に続く2組の当接部5316c及び凹設部5316bが形成される。なお、最後の当接部5316c(最上部に配置される凹設部5361bの下側の当接部)は、他の当接部5361cに比較して、約半分の幅(回転軸O1を中心に約1.5°)で形成される。
図38(a)では、回転ローラ5381と対面する位置に凹設部5316bが配置されるので、回転ローラ5381と湾曲壁部5316とが当接せず、傾倒装置5310を回転させたとしても、回転ローラ5381から傾倒装置5310に与えられる負荷の上昇は生じない。
図38(b)に示すように、傾倒装置5310を上昇位置から3°回転させると、当接部5316cと回転ローラ5381とが当接開始する。ここから更に傾倒装置5310を回転させることにより(図39(a)参照)、回転ローラ5381からねじりバネ5383の変位に伴う付勢力が傾倒装置5310に与えられ始める。
図39(b)に示すように、傾倒装置5310を図38(a)に示す状態から6°回転させると、当接部5316cの上端部に回転ローラ5381が当接する。この位置から、僅かに傾倒装置5310を回転させると、回転ローラ5381と凹設部5381dとが対面し、回転ローラ5381と湾曲壁部5316との当接が解除されるため、回転ローラ5381がねじりバネ5383の付勢力により初期位置に復帰しようとする。
そのため、傾倒装置5310を回転させる速度が遅い場合には、次の当接部5316c(図39(b)において、回転ローラ5381が当接している当接部5316cの上隣の当接部5316c)が回転ローラ5381と当接する前に回転ローラ5381が初期位置(図38(a)参照)に復帰する。
一方で、図40(a)に示すように、回転ローラ5381が復帰する前に次の当接部5316cを回転ローラ5381と当接させる態様で傾倒装置5310を素早く回転させる場合、回転ローラ5381と当接部5316cとが対面し、傾倒装置5310が回転(傾倒)する毎に回転ローラ5381及びねじりバネ5383の変位が大きくなり(蓄積され)、回転ローラ5381から傾倒装置5310へ与えられる負荷が大きくなる。
従って、傾倒装置5310が回転する速度によって、遊技者に与えられる負荷を変化させることができる。なお、本実施形態では、傾倒装置5310が上昇位置から3°回転した位置を境に、プッシュ操作とペダル操作とが切替られるが、図38(a)及び図38(b)で上述したように、プッシュ操作に対応する上昇位置から3°までの位置では、傾倒装置5310と回転ローラ5381とが当接しないので、この位置において遊技者が傾倒装置5310をどれだけ素早く操作しようと、負荷が過大となることは無い。そのため、遊技者がプッシュ操作を行う際の傾倒装置5310の変位の速度によっては傾倒装置5310の操作抵抗は変化せず、例えば、プッシュ操作で連打を行う場合に傾倒装置5310の動きが固くなり連打に支障が出るという事態を回避することができる。
一方で、上昇位置から3°より大きな角度で回転した後の位置では、当接部5316cが回転ローラ5381と当接し始め、その後に凹設部5316bが回転ローラ5381と対面する位置を通過する速度により、再度、当接部5316cと回転ローラ5381とが当接する際の回転ローラ5381の状態が変化する(回転ローラ5381の初期位置からの回転量が変化されることにより、回転ローラ5381から傾倒装置5310へ与えられる負荷が変化する)。
従って、本実施形態では、ペダル操作を行う範囲においては傾倒装置5310の変位の速度に応じて傾倒装置5310の操作抵抗を変更可能としながら、プッシュ操作を行う範囲においては傾倒装置5310の操作抵抗が変位の速度に依存せず、その操作性能を向上させることができる。
図40(a)では、当接部5316cの全周長分、回転ローラ5381が回転した場合が図示される。この状態において、回転ローラ5381の凹設部5381dが円柱部5373に差し掛かる状態とされる。
図40(b)に示すように、図40(a)から更に傾倒装置5310を回転させると、回転ローラ5381の凹設部5381dが円柱部5373に対向配置される。そのため、回転ローラ5381が円柱部5373に近接する方向に逃げ孔5372に沿って移動可能となる。
これにより、回転ローラ5381から傾倒装置5310へ与えられる負荷が過大となるとしても、回転ローラ5381が傾倒装置5310から離反する方向に移動可能となるので、傾倒装置5310を素早く操作した場合に、遊技者が傾倒装置5310から受ける負荷が過大となることを防止することができる。
次いで、図41及び図42を参照して、当接部5316cの長さを位置によって変更する場合に付いて説明する。図41(a)、図41(b)及び図42は、図36のXXXVIb−XXXVIb線に対応する線における操作デバイス5300bの断面図である。
操作デバイス5300bは、操作デバイス5300と比較して、湾曲壁部5316の凹設部5316b及び当接部5316cの形成パターンのみが異なる。即ち、図41(a)に示す上昇位置から傾倒装置5310bが最初に当接する当接部5316cは幅が短くされ(回転軸O1を中心として1°で形成)、更に上昇位置から傾倒装置5310bを素早く10°回転させた状態(図41(b)参照)において回転ローラ5381と当接する当接部5316cは、幅が長くされ(回転軸O1を中心として4°で形成)、更に上昇位置から傾倒装置5310bを素早く20°回転させた状態(図42参照)において回転ローラ5381と当接する当接部5316cは、幅が更に長くされる(回転軸O1を中心として7°で形成)。
そのため、傾倒装置5310bを素早く操作する遊技者にだけでなく、傾倒装置5310bを遅く操作する遊技者に対しても、傾倒装置5310bから与えられる負荷が変化するという操作感の変化を感じさせることができる。
即ち、各凹設部5381dの区間で回転ローラ5381が初期位置に完全に復帰する程度に遅く傾倒装置5310bを操作する遊技者を想定する場合に、図41(b)で回転ローラ5381と当接する当接部5316cとの当接開始から当接終了までには、その当接部5316cの下方に配設される幅の短い当接部5316cと回転ローラ5381とが当接する場合に生じる付勢力の4倍の付勢力が与えられる。
更に、図42に図示される状態で回転ローラ5381と当接する当接部5316cとの当接開始から当接終了までには、幅の短い当接部5316cと回転ローラ5381とが当接する場合に生じる付勢力の7倍の付勢力が与えられる。また、回転ローラ5381と当接部5316cとの当接が解除する瞬間には、傾倒装置5310bに与えられる負荷が急激に減少する。従って、遊技者は、回転ローラ5381から与えられる負荷の最大値の変化と、負荷の急激な減少とが生じたことを目印として、傾倒装置5310bを目視しなくとも、傾倒装置5310bをどれくらい押し込んでいるかを予想することができる。
次いで、図43及び図44を参照して、第6実施形態について説明する。第1実施形態では、傾倒装置310の回転(傾倒)角度によってのみ傾倒装置310を上昇位置側へ復帰させる付勢力が変化する場合を説明したが、第6実施形態における操作デバイス6300は、傾倒装置6310の回転(傾倒)速度によっても傾倒装置6310へ与えられる付勢力が変化する場合(回転速度が大きい時に付勢力が減少する場合)を説明する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図43は、第6実施形態における操作デバイス6300の側面図である。なお、図43では、傾倒装置6310が上昇位置に配置される状態が図示されると共に、操作デバイス6300の後ろ部分が部分的に断面視される。図43に示すように、操作デバイス6300は、傾倒装置6310の上カバー6311の湾曲壁部6316の形状が、傾倒装置6310が上昇位置に配置された状態において回転部材6381と当接する当接点J1を通り、傾倒装置6310の回転軸O1を中心とする円弧C6を基準として、その当接点J1から遠ざかるほど円弧C6の径よりも小さくなる形状とされると共に、上ケース6370の後上部に第4付勢装置6380を備える。第4付勢装置6380は、湾曲壁部6316と当接することにより傾倒装置6310に負荷を与える装置である。
上ケース6370は、その後上部において正面側へ向けて開放される箱状の収容箱部6371と、その収容箱部6371の側面に穿設される軸支孔6372と、ねじりバネ6383が係止される係止部6373と、を主に備える。
第4付勢装置6380は、傾倒装置6310と当接することで傾倒装置6310に負荷を与える回転部材6381と、その回転部材6381を回転可能に軸支すると共に軸支孔6372に挿通される軸棒部材6382と、その軸棒部材6382に巻き付けられると共に回転部材6381に弾性的な付勢力を与えるねじりバネ6383と、を主に備える。
回転部材6381は、ひょうたん形状の本体部6381aに、偏心して穿設され軸棒部材6382が挿通される貫通孔6381bを備えると共に、ねじりバネ6383を係止可能な態様で軸方向と平行な方向に凸設される凸設ピン6381cを備える。
ねじりバネ6383は、一方の腕部が係止部6373の下方から当接し、他方の腕部が回転部材6381の凸設ピン6381cの下方から当接することで、回転部材6381が下方へ巻き込まれる方向(図43反時計回り)に回転する場合に付勢力が上昇する態様とされる。一方、回転部材6381が上方へ向かう方向(図43時計回り)に回転する場合には、回転部材6381の凸設ピン6381cがねじりバネ5383の他方の腕部から離反するだけであり、付勢力の変化は生じない。
図44(a)及び図44(b)は、操作デバイス6300の部分側面図である。なお、図44(a)では、傾倒装置6310が上昇位置から3°回転された状態が、図44(b)では、図44(a)の状態から傾倒装置6310が素早く17°回転された状態(上昇位置から傾倒装置6310が20°回転された状態)が、それぞれ図示されると共に、図44(a)及び図44(b)では、操作デバイス6300の後ろ部分が部分的に断面視される。
図44(a)では、図43に示す状態から回転部材6381がねじりバネ6383の付勢力により時計回りに回転し、回転部材6381と湾曲壁部6316との当接が維持される。ここで、回転部材6381と湾曲壁部6316との当接により生じる力が傾倒装置6310の周方向に沿って同一であると仮定すると、図44(a)で回転部材6381と湾曲壁部6316とが当接する位置から回転軸O1までの距離は、円弧C6の半径よりも短いため、図43に示す状態に比較して、図44(a)に示す状態の方が回転部材6381から与えられる負荷により傾倒装置6310に生じるモーメントの腕の長さが短くなる。
従って、回転部材6381が湾曲壁部6316に当接する状態において、傾倒装置6310が上昇位置から回転(傾倒)する角度が大きくなるほど、回転部材6381により生じる傾倒装置6310の回転抵抗が低減される。そのため、傾倒装置6310が上昇位置に配置され回転され始める状態から傾倒装置6310に与えられる負荷を確保しつつ、傾倒装置6310の回転角度が大きくなった場合に、傾倒装置6310から遊技者に与えられる負荷が過度に大きくなることを防止することができる。
図44(b)では、図44(a)に示す状態から傾倒装置6310が素早く回転された状態が図示され、この状態において、回転部材6381が湾曲壁部6316から離間される。即ち、回転部材6381がねじりバネ6383の付勢力により回転し湾曲壁部6316になつくよりも高速で傾倒装置6310が回転された状態が図示される。
この場合、回転部材6381から傾倒装置6310に与えられる負荷が無くなるので、傾倒装置6310を操作する為に必要な力を低減することができる。即ち、傾倒装置6310をゆっくりペダル操作する場合に比較して、高速でペダル操作する場合の方が傾倒装置6310の回転抵抗を小さくすることができるので、例えば、可動範囲の途中で傾倒装置6310を維持する操作をし易くするために必要な回転抵抗は確保しながら、傾倒装置6310を高速で操作(押し込みきる操作)を行う場合には、確保していた回転抵抗を一気に解除することにより、回転抵抗の大きな装置を押し切るような場合に比較して、遊技者が感じる疲労感を低減する事ができる。
次いで、図45及び図46を参照して、第7実施形態について説明する。第1実施形態では、傾倒装置310のプッシュ操作とペダル操作との境界を付勢力の変化する姿勢で判断する場合を説明したが、第7実施形態における操作デバイス7300は、傾倒装置7310を回転(傾倒)させ、ペダル操作の開始点まで到達すると傾倒装置7310が係止される場合を説明する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図45(a)、図45(b)、図46(a)及び図46(b)は、図19(a)のXIXb―XIXb線に対応する線における第7実施形態における操作デバイス7300の断面図である。なお、図45(a)では、傾倒装置7310が上昇位置に配置された状態が、図45(b)及び図46(a)では、傾倒装置7310が上昇位置から3°回転された状態が、図46(b)では、図46(a)に示す状態から傾倒装置7310が所定量素早く回転した状態が図示される。
図45及び図46に示すように、操作デバイス7300は、傾倒装置7310の上カバー7311がスライド移動可能に形成されるスライド装置7318と、湾曲壁部7316に配設される変位付勢装置7319と、を備える態様で構成される。
スライド装置7318は、上カバー7311の押圧板部312から後側壁部315へ貫通して穿設される貫通孔7311aに挿通される断面Z字形状の係止部材7318aと、その係止部材7318aを後方へ向けて付勢するコイルスプリング7318bと、を主に備える。
係止部材7318aは、上カバー7311に対して前後方向(図45(a)左右方向)に移動可能に構成され、後方へ配置された場合には、傾倒装置7310を回転させることで、回転軸O1を中心とした回転方向で電力作用装置363と当接可能とされる。
変位付勢装置7319は、下カバー7320の湾曲壁部7322に形成される切り欠き7322aに収容される範囲において上カバー7311の湾曲壁部7316に軸支される作用部材7319aと、その作用部材7319aを湾曲壁部7316に近接する方向へ付勢するねじりバネ7319bと、作用部材7319aの下方に配置されると共に作用部材7319aが湾曲部材7316に対して開閉動作する側から作用部材7319aに近接する方向に移動可能に構成される慣性動作部材7319cと、その慣性動作部材7319cを下方に維持する引っ張りバネ7319dと、を主に備える。
作用部材7319aは、先端に磁性材料から構成される移動磁石Ma7が配設され、固定磁石Ma2に回転軸O1を中心とした円の径方向で吸着する方向に極性を有する。作用部材7319aの下端は、慣性作用部材7319cの上端に近接するほど湾曲壁部7316から遠ざかる態様で傾斜する。これにより、慣性作用部材7319cが上方へ移動する際に、作用部材7319aを湾曲壁部7316から遠ざける方向に回転させることができる。
慣性作用部材7319cは、十分な慣性を作用可能な程度(傾倒装置7310の素早い移動に対してその場に留まれる程度)に重い材料から構成され、湾曲壁部7316と当接する側の周面が、湾曲壁部7316の内周形状にそった円弧形状から形成される。そのため、慣性作用部材7319cが上カバー7311に対して相対移動する場合には、その移動方向は、湾曲壁部7316の周面に沿った方向とされる。
図45(b)に示すように、傾倒装置7310が上昇位置から3°回転(傾倒)すると、作用爪部332がピストン部材362aに当接し始めると共に、係止部材7318aの下端が電力作用装置363に対して傾倒装置7310の回転方向で当接する。そのため、傾倒装置7310の回転が機械的に係止され、それ以上、傾倒装置7310を回転(傾倒)することができない状態を構成することができる。
これにより、遊技者の誤操作を抑止することができる。即ち、第1実施形態における操作デバイス300を操作する遊技者は、プッシュ操作をする領域とペダル操作をする領域とを、傾倒装置310から生じる負荷の変化により感じ取れるところ、その境界が曖昧になる場合があり、例えば、遊技者が、プッシュ操作の領域での連打を行っていると思っていても、実はペダル操作の領域まで傾倒装置310を押し込んでしまっており、連打が困難となる恐れがあった。これに対し、本実施形態では、負荷の変化に加えて、傾倒装置7310の回転が停止される位置において、プッシュ操作の領域とペダル操作の領域との境界が形成されるので、上述したような誤操作を抑制することができる。
また、係止部材7318aの電力作用装置363との当接面は、回転軸O1を中心とした円弧と垂直な面として構成される(図45(b)参照)。これにより、図45(b)に示す状態から回転方向の負荷が更にかけられた場合に、係止部材7318aが電力作用装置363から受ける力により手前側にスライドしてしまうことを抑制することができる。
図46(a)に示すように、スライド装置7318の係止部材7318aを手前側に移動させることにより、係止部材7318aと電力作用装置363との当接が解除され、傾倒装置7310を回転動作させることが可能となる。
傾倒装置7310を回転動作させる方向と係止部材7318aを移動させる方向とがほぼ直角方向である(成す角度が直角に近い)ので、傾倒装置7310を回転させる操作と、係止部材7318aを移動させる操作とを同時に行うことを困難とすることができる。これにより、自然と係止部材7318aが移動してしまい、傾倒装置7310を誤ってペダル操作の領域まで押し込むという誤操作が起きることを防止することができる。
図46(a)に示す位置から傾倒装置7310がゆっくりと押し込まれる場合、慣性作用部材7319cが上カバー7311に対して相対的に停止した状態で傾倒装置7310が回転動作される。この場合、移動磁石Ma7と固定磁石Ma2との間の距離は離れたままであり、その吸着力は無視できるほど小さい。
これに対し、図46(a)に示す状態から押し込み操作され、過度に大きな速度で傾倒装置7310が変位したり、何らかの原因で係止部材7318aが手前側に固定された状態で上昇位置から傾倒装置7310が回転操作されたりした場合には、図46(b)に示すように、慣性作用部材7319cが上カバー7311に対して相対変位することで作用部材7319aが回転し、固定磁石Ma2と移動磁石Ma7との間の距離が短くなることで、磁力による抵抗が大きくなる。これにより、傾倒装置7310の回転抵抗を一時的に大きくすることができ、その制動効果により遊技者に操作感の変化を与えることができると共に、傾倒装置7310がペダル操作の領域で勢いよく回転(傾倒)することを抑制でき傾倒装置7310の破損防止を図ることができる。
なお、傾倒装置7310が勢いよく下降位置まで到達した場合に慣性作用部材7319cが上方に変位していたとしても、遊技者が傾倒装置7310から手を離した後は、傾倒装置7310が上方へ復帰動作するのに伴って慣性作用部材7319cが慣性で下方へ移動されるので、傾倒装置7310が復帰動作する場合に移動磁石Ma7と固定磁石Ma2とが吸着され抵抗が大きくなることにより傾倒装置7310の復帰が遅れることを回避することができる。
また、図45(a)及び図45(b)に示すように、傾倒装置7310の上昇位置と、その上昇位置から3°回転された後の位置との間(図45(a)で示される位置から図45(b)で示される位置との間)、即ちプッシュ操作の範囲に傾倒装置7310が配置される場合には、移動磁石Ma7と固定磁石Ma2とが回転軸O1を中心する円の径方向で重ならない態様とされる。そのため、プッシュ操作の範囲においては、傾倒装置7310が移動磁石Ma7と固定磁石Ma2との吸着力により変位が遅くなることを回避することができる。
即ち、上昇位置から3°だけ傾倒装置7310を回転させる際に、傾倒装置7310を素早く回転させることで吸着力が働くとすると、プッシュ操作をした後の傾倒装置7310の戻り動作の速度が遅くなり、例えばプッシュ操作の範囲で連打操作を行う場合等に操作がしづらくなり、遊技の快適性が損なわれる恐れがある。
これに対し、本実施形態では、プッシュ操作の範囲では移動磁石Ma7と固定磁石Ma2との吸着が起きないようにすることができ、任意の速度で傾倒装置7310を変位させたとしても、傾倒装置7310の戻り動作の速度が遅くなることを回避することができ、遊技の快適性を向上させることができる。
次いで、図47を参照して、第8実施形態について説明する。第1実施形態では、傾倒装置310の姿勢により遊技者に与えられる負荷が変化する場合を説明したが、第8実施形態における操作デバイス8300は、傾倒装置8310を回転(傾倒)させる速度によって遊技者に与えられる負荷が変化する場合を説明する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図47(a)及び図47(b)は、図19(a)のXIXb―XIXb線に対応する線における第8実施形態における操作デバイス8300の部分断面図である。なお、図47(a)では、傾倒装置8310が上昇位置に配置された状態が、図47(b)では、傾倒装置8310が上昇位置から所定角度だけ素早く回転した状態が図示される。
図47に示すように、操作デバイス8300は、傾倒装置8310の上カバー8311が、湾曲壁部8316に配設される変位付勢装置8319を備え、上ケース8370が、その内周壁後部に傾倒装置8310の外端部の回転軌跡に沿って延設されると共に傾倒装置8310の回転軌跡の径方向に沿った向きで極性が切り替わる磁性材料から形成される固定磁石Ma81を備える。
変位付勢装置8319は、下カバー7320の湾曲壁部7322に形成される切り欠き7322aに収容される範囲において、上カバー8311の湾曲壁部8316に軸支される作用部材8319aと、その作用部材8319aを湾曲壁部8316に近接する方向へ付勢するねじりバネ7319bと、作用部材8319aの下方に配置されると共に作用部材8319aが湾曲部材8316に対して開閉動作する側から作用部材8319aに近接する方向に移動可能に構成される慣性動作部材7319cと、その慣性動作部材7319cを下方に維持する引っ張りバネ7319dと、を主に備える。
作用部材8319aは、湾曲壁部8316に軸支される位置から二股に延設される部材であって、一方の腕部(図47(a)左側の腕部)が、第7実施形態における作用部材7319aと同様に湾曲壁部8316の内側において延設されると共に、他方の腕部(図47(a)右側の腕部)が、湾曲壁部8316の厚さ方向に穿設される貫通孔8316bを通って湾曲壁部8316の外方へ延設される態様で構成される。
作用部材8319aの他方の腕部の先端には、磁性材料から形成される移動磁石Ma82が配設され、移動磁石Ma82の磁極の方向は、固定磁石Ma81と吸着する磁力を発生させる方向で形成される。
作用部材8319aの一方の腕部の下端は、慣性作用部材7319cの上端に近接するほど湾曲壁部8316から遠ざかる態様で傾斜する。これにより、慣性作用部材7319cが上方へ移動する際に、作用部材8319aを湾曲壁部8316から遠ざける方向に回転させることができる。
図47(a)に示すように、傾倒装置8310が上昇位置に配置される場合、作用部材8319aは一方の腕部が湾曲壁部8316に近接される姿勢とされ、この姿勢において他方の腕部の移動磁石Ma82が固定磁石Ma81に近接される。そのため、移動磁石Ma82と固定磁石Ma81との間の磁力(による吸着力)が無視できないほど大きくなり、傾倒装置8310を回転させる際の抵抗が大きくなる。
図47(b)に示すように、傾倒装置8310を上昇位置から所定量だけ素早く回転させると、慣性作用部材7319cが慣性で留まり、慣性作用部材7319cが作用部材8319aの一方の腕部と湾曲壁部8316との間に入り込み、作用部材8319aがねじりバネ7319bの付勢力に抗して回転される(図47(a)時計回りに回転される)。これにより、他方の腕部に配設される移動磁石Ma82が固定磁石Ma81から離反され、移動磁石Ma82と固定磁石Ma81との間の磁力が無視できるほど小さくなる。
一方で、傾倒装置8310をゆっくりと操作する場合には、慣性作用部材8319cは上カバー8311と同じ速度で移動する(上カバー8311に対して相対的に停止する)。従って、傾倒装置8310をゆっくりと回転操作する場合に遊技者が感じる回転抵抗を大きく確保できると共に、傾倒装置8310を素早く回転操作する場合に遊技者が感じる回転抵抗を小さくすることができる。
これにより、例えば、傾倒装置8310を所定位置で維持操作する等、傾倒装置8310をゆっくり操作する場合には回転抵抗を大きくし維持を容易とする一方で、傾倒装置8310を一気に押し込む時など、傾倒装置8310の動作が素早くなる場合には回転抵抗回転抵抗を小さくし、傾倒装置8310の押し込みに必要な力を低減することができる。そのため、遊技者が傾倒装置8310を操作する際の操作負担を低減することができる。
なお、慣性作用部材7319cは、湾曲壁部8316の内周面と当接する側の面が、湾曲壁部8316の内周面の円弧形状に沿った形状とされ、上カバー8311と相対移動する際に湾曲壁部8316の周面に沿って移動する(傾倒装置8310の回転方向と同じ方向で移動する)ので、傾倒装置8310の回転角度に対する移動距離が最大となる位置(最大径位置)において上カバー8311の移動方向に沿って移動可能とされるという、最も慣性を利用しやすい構成とされる。
従って、傾倒装置8310の回転角度が僅かな場合でも、上カバー8311に対して慣性作用部材7319cを相対移動させやすくでき、磁力による回転抵抗の変化を起こしやすくすることができる。
なお、傾倒装置8310が勢いよく下降位置まで到達した場合に慣性作用部材7319cが上方に変位していたとしても、遊技者が傾倒装置8310から手を離した後は、傾倒装置8310が上方へ復帰動作するのに伴って慣性作用部材7319cが慣性で下方へ移動されるので、傾倒装置8310が復帰動作する場合に移動磁石Ma82と固定磁石Ma81とが吸着される。これにより、一気に押し込んだ傾倒装置8310が勢いよく復帰することを抑制し、傾倒装置8310の戻り動作の遅さからくる重厚感を演出することができる。
次いで、図48から図50を参照して、第9実施形態について説明する。第1実施形態では、傾倒装置310のプッシュ操作とペダル操作との境界を付勢力の変化する姿勢で判断する場合を説明したが、第9実施形態における操作デバイス9300は、傾倒装置9310を回転(傾倒)させペダル操作の開始点まで到達すると傾倒装置9310が係止され、その係止を解除するために傾倒装置9310を並進移動させる場合を説明する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図48(a)、図48(b)、図49(a)、図49(b)及び図50は、図19(a)のXIXb―XIXb線に対応する線における第9実施形態における傾倒装置9310の断面図である。なお、図48(a)では、傾倒装置9310が上昇位置に配置された状態が、図48(b)では、傾倒装置9310が上昇位置から3°回転(傾倒)された状態が、図49(a)では、図48(b)に示す状態から傾倒装置9310が奥側に所定量だけ並進移動された状態が、図49(b)では、図49(a)に示す状態から傾倒装置9310が下降位置まで素早く回転(傾倒)動作された状態が、図50では、傾倒装置9310が下降位置に配置された状態から上昇位置から3°の位置(図48(b)に示す状態と傾倒装置9310の前後位置のみが違う)まで復帰された状態が、それぞれ図示される。
また、図48(a)、図48(b)、図49(a)、図49(b)及び図50では、回転軸O1近傍が、下ケース9360の凹設軸受け部9361a(傾倒装置9310を軸支する部分)を含む断面で部分的に断面視される。
図48(a)に示すように、傾倒装置9310は、上カバー9311の延設半軸部313c(図9参照)と、軸カバー330の延設半軸部331c(図9参照)とを内嵌するカップ形状の部材であってその外周が半径r1の円の一部を直線で切り欠いた切り欠き面BR9aを有する形状から構成される軸固定部材BR9と、軸部材340(図10参照)に巻かれると共に傾倒装置9310に対して回転方向と前後方向とに向く付勢力を与えるねじりバネ9343と、を備える。
上カバー9311は、湾曲壁部9316の内周側に配設され、湾曲壁部9316の径方向に移動可能に弾性的に支持される移動磁石Ma9を備える。移動磁石Ma9は、傾倒装置9310の回転によって生じる遠心力により湾曲壁部9316に近接する方向に移動可能とされる。
傾倒装置9310の軸固定部材BR9は、下ケース9360の凹設軸受け部9361aの内側を前後方向に並進動作可能に構成される。即ち、凹設軸受け部9361aは、軸固定部材BR9の外形の円を距離L1だけ並進移動させた場合に形成される形状(半径r1の円弧(90°分の円弧)が前後(図48(a)における左右)一対で配置され、それらの下側端部を前後(図48(a)における左右)方向に距離L1の直線で結んだ形状)で形成される。
下ケース9360の上側に締結固定され傾倒装置9310を軸支する上ケース9370は、下ケース9360の凹設軸受け部9361aと対向配置され軸固定部材BR9を支持する凹設軸受け部9371を備える。
凹設軸受け部9371は、軸固定部材BR9の切り欠き面BR9aが前後方向(図48(a)左右方向)に沿う状態となる姿勢で軸固定部材BR9を前後方向に移動させた際に占める形状を元にして、中央部分を上方へ向けて軸固定部材BR9の円弧部分が回転可能となる大きさの円弧で凹設した形状から構成される。即ち、凹設軸受け部9371は、前後両端部の円弧と中央部分の円弧とが前後方向に沿って延設される係止平面9371aで連結される形状から構成される。
下ケース9360は、筒状受け部361cの正面側に鉛直方向に所定幅を有し左右方向に延設される押し戻し壁部9361hと、ゴム板GR1の手前側において電力作用装置363から後方に張り出す態様で配設されると共にゴム弾性を有する係止ゴム部材9361iと、を備える。
ねじりバネ9343は、一方の腕部9343aが先端の屈曲した形状から形成されると共に下ケース9360の押し戻し壁部9361hと当接する態様で配置され、他方の腕部9343bが、傾倒装置9310の回転軸O1の手前斜め上方(図48左上方)において上カバー311に配設される凸部に係止され、両腕を開く方向に付勢力を生じる。即ち、傾倒装置9310を上昇位置に復帰させる方向に付勢力が作用する。
係止ゴム部材9361iは、傾倒装置9310が凹設軸受け部9361aの手前側端部に配置される状態では湾曲部材350と干渉する位置である一方で、傾倒装置9310が凹設軸受け部9361aの奥側端部に配置される状態では湾曲部材350との干渉が回避される位置に配設される(傾倒装置9310が凹設軸受け部9361aの手前側端部に配置される状態における櫛状部352の回転軌跡と、傾倒装置9310が凹設軸受け部9361aの奥側端部に配置される状態における櫛状部352の回転軌跡との間に配設される)。
これにより、係止ゴム部材9361iを、傾倒装置9310が何らかの理由(例えば、係止平面9371aが摩耗して軸固定部材BR9を係止することができなくなる等)で傾倒装置9310が凹設軸受け部9361aの手前側端部に配置される状態で過回転した場合に、傾倒装置9310の回転を停止させるストッパとして機能させることができる。また、ゴム材料から形成することにより、係止ゴム部材9361iで十分な変形量を確保することができるので、傾倒装置9310の形状が厳しく管理される部材(湾曲部材350等)が変形することを防止することができる。
図48(a)に示すように、傾倒装置9310が上昇位置に配置される状態において、軸固定部材BR9が下ケースの凹設軸受け部9361aの手前側端部(図48(a)左側端部)に配置されると共に、切り欠き面BR9aと係止平面9371aとの間が回転軸O1を中心として3°の角度で隙間が空けられる態様とされる。
図48(a)の状態から、矢印F1の方向で傾倒装置9310に負荷を与えると、傾倒装置9310は回転動作を行う。傾倒装置9310が上昇位置に配置された状態から3°回転(傾倒)すると、図48(b)に示すように、軸固定部材BR9の切り欠き面BR9aと、上ケースの係止平面9371aとが面で当接することで、軸固定部材BR9の回転が停止され、傾倒装置9310の移動が停止される。
従って、第1実施形態で上述したように、傾倒装置310から与えられる負荷によって遊技者が操作方法を切り替える場合に比較して、本実施形態では、上昇位置から3°というプッシュ操作の領域で傾倒装置9310が停止されるので、遊技者が傾倒装置9310から与えられる負荷の変化を認識できずに誤操作するという事態を回避することができる。
図48(b)に示す状態から、更に傾倒装置9310を回転させる為には、図49(a)に示すように、傾倒装置9310を矢印F2の方向で奥側(図48(b)右方)に並進移動させて、切り欠き面BR9aと、係止平面9371aとの当接を解除する必要がある。図49(a)に示す状態において、ねじりバネ9343の一方の腕部9343aは押し戻し壁部9361hに押し付けられ、所定量変形する。
ここで、矢印F1と矢印F2との方向とが異なっているので、傾倒装置9310が回転しながら傾倒装置9310が奥側へ並進移動することを抑制することができる。また、傾倒装置9310を回転させる前に並進移動させる為には、回転軸O1付近を奥側に押し込めば可能となるところ、傾倒装置9310は回転動作する装置であり、回転軸O1から遠い側を押した方が操作負担は小さいので、遊技者に回転軸O1の反対側(傾倒装置9310の上端部)を押すよう推奨することができ、傾倒装置9310が回転動作する前に並進移動する事態が発生することを抑制することができる。
図49(a)に示す状態から更に傾倒装置9310を回転させることにより、図49(b)に示すように、傾倒装置9310を下降位置までペダル操作することができる。ここで、図49(a)に示す状態からゆっくりと(所定の速度未満で)傾倒装置9310を変位させる態様でペダル操作する場合には、移動磁石Ma9が湾曲壁部9316と離間した状態が維持されるので、固定磁石Ma2との間に生じる吸着力が大きくなり、ペダル操作の際の回転抵抗を確保することができる。
一方で、図49(a)に示す状態から素早く(所定の速度以上で)傾倒装置9310を変位させる態様でペダル操作する場合には、図49(b)に示すように移動磁石Ma9が遠心力の作用で湾曲壁部9316に近接され、傾倒装置9310の移動中に移動磁石Ma9と固定磁石Ma2との間で生じる吸着力を無視できるほど小さくすることができる。即ち、ペダル操作の際の回転抵抗を低減することができる。
従って、ペダル操作の際の傾倒装置9310の変位の速度によって、傾倒装置9310の回転抵抗を変化させることができる。本実施形態によれば、ゆっくりと操作する場合には磁力により回転抵抗が上昇するので傾倒装置9310を所定位置で維持する操作を行い易くすると共に、傾倒装置9310を素早く操作する場合には磁力による回転抵抗を低減することで、遊技者が傾倒装置9310を一気に押し込む際に感じる負荷を低減することで遊技者が感じる操作負担を低減することができる。
図49(b)に示す状態から遊技者が傾倒装置9310から手を離すと、傾倒装置9310が初期位置へ向けて復帰動作を開始する。この復帰動作は、ねじりバネ9343の構成によって様々な速度で生じるが、回転と並進とが同時に生じる態様とされる。
即ち、ねじりバネ9343の回転方向の変位が戻ることにより矢印Taに沿って傾倒装置9310の回転方向の動作が生じると共に、ねじりバネ9343の一方の腕部9343aが押し戻し壁部9361hに押し付けられたことにより生じた変位が戻ることにより矢印Tbに沿って傾倒装置9310の並進方向の動作が生じる。
ここで、上述したように、傾倒装置9310を上昇位置から回転させる場合には、回転操作を先に行い、傾倒装置9310が係止された位置から並進操作を行い、最後に回転操作を行うといったように、操作の段階が明確に分けられていた。これに対し、傾倒装置9310の復帰動作は、矢印Taに沿って生じる回転動作と矢印Tbに沿って生じる並進動作とが混合した動作となる。従って、傾倒装置9310を押し込む際に傾倒装置9310が移動する経路と、傾倒装置9310が復帰する際に傾倒装置9310が移動する経路とを異ならせることができる。
この場合に、図50に示すように、軸固定部材BR9の切り欠き面BR9aと、奥側(図50右側)の係止平面9371aとの当接が回避される態様でねじりバネ9343の弾性係数が調整される。
これにより、押し込み時には傾倒装置9310を移動範囲の途中で停止させる作用を維持しながら、復帰時には途中で停止させずにそのままの速度で復帰させることができるので、傾倒装置9310が途中で停止する場合に比較して、下降位置から上昇位置までの復帰動作にかかる時間を短縮することができる。
次いで、図51から図56を参照して、第10実施形態について説明する。第1実施形態では、傾倒装置310をペダル操作する際に遊技者に与えられる負荷がねじりバネ343により発生する反力と、コイルスプリング362bにより発生する反力とで切り替えらえる場合を説明したが、第10実施形態における操作デバイス10300は、コイルスプリング362bの下端部を支持する移動端部材10362dを移動可能に構成することにより、傾倒装置310をペダル操作する操作量や、操作後の傾倒装置310の配置が同じ場合における、コイルスプリング362bの変位量を変化可能に構成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図51(a)及び図51(b)は、第10実施形態における操作デバイス10300の図19(a)のXIXb−XIXb線に対応する線における部分断面図である。なお、図51(a)では、傾倒装置310がペダル操作され作用爪部332がピストン部材362aの端部に当接開始した状態が図示され、図51(b)では、図51(a)に示す状態から傾倒装置310が所定角度ペダル操作され傾倒した状態が図示される。また、図51(a)では、段付き部材10362fが前側(図51(a)左側、第1位置)に配置された状態が図示され、図51(b)では、段付き部材10362fが後側(図51(b)右側、第2位置)に配置された状態が図示される。
図51(a)に示すように、操作デバイス10300は、上述した傾倒装置310と、その傾倒装置310のリング部材BR1を下側から支持する凹設軸受け部361a(図9参照)を有すると共に傾倒装置310の押し込み終端を形成する下ケース10360と、傾倒装置310のリング部材BR1を上側から支持し下ケース10360と向かい合わせで配置される凹設部を有し下ケース10360との間に傾倒部材310を配置する態様で下ケース10360に締結固定されると共に傾倒装置310と当接することで傾倒装置310の上昇位置を定める(コ字状枠の内周縁部に傾倒装置310が当接される)上ケース370(図9参照)と、を主に備える。
下ケース10360について説明する。下ケース10360は、上方が開放された皿状に形成される底受け部材361と、その底受け部材361に下方から組み付けられると共に上下方向(図51(a)上下方向)に移動可能に支持されるピストン部材362aを有する付勢装置10362と、底受け部材361の上側に固定され電力が供給される部材が集合配置される電力作用装置363と、を主に備える。
付勢装置10362は、作用爪部332を通して傾倒装置310に付勢力を負荷する装置であり、筒状受け部361cの内側を上下方向に動作可能に支持されると共に下方に開放される有底筒形状のピストン部材362aと、そのピストン部材362aの開放端部からピストン部材362aに収容されるコイルスプリング362bと、金属などの剛性の高い材料から構成され筒状受け部361cの下側開口部に蓋をする態様で底受け部材361に締結固定される底蓋部材362cと、コイルスプリング362bに下端側から当接可能に配置され、上下方向にスライド移動可能に底受け部材361に支持される移動端部材10362dと、その移動端部材10362dと底蓋部材362cとの間に配設され移動端部材10362dを上方へ向けて付勢する戻りバネ10362eと、移動端部材10362dの移動方向と直交する方向(前後方向、図51(a)左右方向)から、移動端部材10362dに近い第1位置と、移動端部材10362dから遠い第2位置との間を移動可能とされる段付き部材10362fと、底受け部材361に締結固定されると共に段付き部材10362fを移動端部材10362dの移動方向と直交する方向に沿って駆動させる駆動ソレノイドSOL10と、を主に備える。
段付き部材10362fと移動端部材10362dとは、動作方向が直交するので、段付き部材10362fの移動時に生じる衝撃などが、移動端部材10362dの移動方向に生じることを抑制することができる。従って、駆動ソレノイドSOL10の駆動により直接的に移動端部材10362dに負荷が生じることを抑制することができる。
段付き部材10362f及び移動端部材10362dと、傾倒装置310とは、負荷の伝達時に間にコイルスプリング362bを介する。そのため、遊技者が、傾倒装置310を叩くような激しい操作を行ったとしても、コイルスプリング362bの緩衝材としての作用により、段付き部材10362f及び移動端部材10362dに伝達される負荷の伝達速度および大きさを低減することができるので、段付き部材10362f及び移動端部材10362dの破損を防止することができる。
移動端部材10362dは、段付き部材10362fに対向する部位であり、コイルスプリング362bと当接する上面が移動方向(鉛直方向)と直交する平面形状から形成され、段付き部材10362fへ向けて突出する被係止部10362d1を備える。移動端部材10362dは、上端位置(図51(a)参照)から下端位置(図54参照)までの移動量が、ピストン部材362aの移動量と同等に設定される。
被係止部10362dは、段付き部材10362fとの関係でその突出量が規定される。即ち、段付き部材10362fが第1位置に配置される場合には移動端部材10362dの移動方向(図51(a)上下方向)視で干渉する一方で、段付き部材10362fが第2位置に配置される場合には移動端部材10362dの移動方向(図51(a)上下方向)視で重ならない突出量とされる。
従って、段付き部材10362fが第1位置に配置された状態では、移動端部材10362dが段付き部材10362fと上下方向で係止される一方、段付き部材10362fが第2位置に配置された状態では、移動端部材10362dは段付き部材10362fに係止されず、傾倒装置310のペダル操作と連動して上下動作する。
戻りバネ10362eは、コイルスプリング362bに比較して極端に弾性係数の小さいスプリング部材から形成される。そのため、図51(b)に示すように、段付き部材10362fが第2位置に配置され移動端部材10362dが自由に上下動作できる状態において傾倒装置310がペダル操作されると、コイルスプリング362bよりも先に戻りバネ10362eが伸縮する(コイルスプリング362bが自然長で維持されたまま戻りバネ10362eが伸縮する)。
一方で、戻りバネ10362eは、移動端部材10362dが上端位置に配置された状態(図51(a)参照)において、ピストン部材362a、コイルスプリング362b及び移動端部材10362dの重量の合計よりも大きな付勢力を発生可能に設計される。そのため、図51(b)に示す状態から傾倒装置310のペダル操作を止めて、遊技者が手を離すと、移動端部材10362dは、戻りバネ10362eの付勢力で上端位置に復帰する。
このように、移動端部材10362dは、遊技者が傾倒装置310の押し込み操作を解除した状態では上端位置に維持され、遊技者が傾倒装置310の押し込み操作を行うことと連動して下降動作する。換言すれば、遊技者が傾倒装置310を押し込み操作することに伴って移動端部材10362dが変位する。
段付き部材10362fは、上下に延設される板状の本体部BDと、その本体部BDから前方(図51(a)左方)へ向けて突出する複数の突出部(上側から順に、第1突出部MT1、第2突出部MT2、第3突出部MT3)と、を主に備える。
各突出部MT1〜MT3は、本体部BDの側面に上下に隣接して整列し、その根本側の上下寸法がそれぞれ同等とされる。即ち、図51(a)に示すように、本体部BDの上下寸法を3等分する各領域(上領域BDU、中領域BDM、下領域BDB)に、各突出部MT1〜MT3がそれぞれ配設される。
本実施形態において、上領域BDUの下端位置と中領域BDMの上端位置とは一致し、中領域BDMの下端位置と下領域BDBの上端位置とは一致する。
第1突出部MT1は、上領域BDUの上端位置から延設され前方へ向かうほど下降傾斜する第1係止面MT1aと、上領域BDUの下端位置から延設され前方へ向かうほど上昇傾斜する第1誘導面MT1bと、を主に備え、それらが突出先端の交差位置C1で交差する。
第1係止面MT1a及び第1誘導面MT1bは、段付き部材10362fが第1位置に配置された状態における移動端部材10362dの位置を固定する機能を備える。
例えば、交差位置C1よりも被係止部10362d1が上側に配置された状態において段付き部材10362fが第2位置から第1位置に移動するのに伴って、被係止部10362d1の突出先端が第1係止面MT1aの上端側に誘導され、段付き部材10362fが第1位置に到達すると同時に被係止部10362d1の突出先端が第1係止面MT1aの上端位置(根本位置、後端位置)に到達する。なお、段付き部材10362fが第1位置に配置された状態において被係止部10362d1が第1係止面MT1aに下支えされているので、コイルスプリング362bを介して下向きの負荷が移動端部材10362dに与えられたとしても、移動端部材10362dは移動せず、そのままの位置で維持される。
また、例えば、被係止部10362d1が交差位置C1よりも下側かつ第1誘導面MT1bの下端位置よりも上側に配置された状態において段付き部材10362fが第2位置から第1位置に移動するのに伴って、被係止部10362d1の突出先端が第1誘導面MT1bの下端側に誘導され、段付き部材10362fが第1位置に到達すると同時に被係止部10362d1の突出先端が第1誘導面MT1bの下端位置(根本位置、後端位置)に到達する。なお、段付き部材10362fが第1位置に配置された状態において被係止部10362d1が後述する第2係止面MT2aに下支えされているので、コイルスプリング362bを介して下向きの負荷が移動端部材10362dに与えられたとしても、移動端部材10362dは移動せず、そのままの位置で維持される。
交差位置C1は、上領域BDUの上下寸法の1/5の寸法だけ上領域BDUの上端位置から下降した位置に設定される。
第2突出部MT2は、中領域BDMの上端位置から延設され前方へ向かうほど下降傾斜する第2係止面MT2aと、中領域BDMの下端位置から延設され前方へ向かうほど上昇傾斜する第2誘導面MT2bと、を主に備え、それらが突出先端の交差位置C2で交差する。
第2係止面MT2a及び第2誘導面MT2bは、段付き部材10362fが第1位置に配置された状態における移動端部材10362dの位置を固定する機能を備える。
例えば、被係止部10362d1が第2係止面MT2aの上端位置よりも下側かつ交差位置C2よりも上側に配置された状態において段付き部材10362fが第2位置から第1位置に移動するのに伴って、被係止部10362d1の突出先端が第2係止面MT2aの上端側に誘導され、段付き部材10362fが第1位置に到達すると同時に被係止部10362d1の突出先端が第2係止面MT2aの上端位置(根本位置、後端位置)に到達する。なお、段付き部材10362fが第1位置に配置された状態において被係止部10362d1が第2係止面MT2aに下支えされているので、コイルスプリング362bを介して下向きの負荷が移動端部材10362dに与えられたとしても、移動端部材10362dは移動せず、そのままの位置で維持される。
また、例えば、被係止部10362d1が交差位置C2よりも下側かつ第2誘導面MT2bの下端位置よりも上側に配置された状態において段付き部材10362fが第2位置から第1位置に移動するのに伴って、被係止部10362d1の突出先端が第2誘導面MT2bの下端側に誘導され、段付き部材10362fが第1位置に到達すると同時に被係止部10362d1の突出先端が第2誘導面MT2bの下端位置(根本位置、後端位置)に到達する。
なお、段付き部材10362fが第1位置に配置された状態において被係止部10362d1が後述する第3係止面MT3aに下支えされているので、コイルスプリング362bを介して下向きの負荷が移動端部材10362dに与えられたとしても、移動端部材10362dは移動せず、そのままの位置で維持される。
交差位置C2は、中領域BDMの上下寸法の2/5の寸法だけ中領域BDMの上端位置から下降した位置に設定される。即ち、第1係止面MT1aの上端位置から交差位置C1までの上下方向(移動端部材10362fの移動方向)寸法に比較して、第2係止面MT2aの上端位置から交差位置C2までの上下方向寸法の方が大きく設定される。
第3突出部MT3は、下領域BDBの上端位置から延設され前方へ向かうほど下降傾斜する第3係止面MT3aと、下領域BDBの下端位置から延設され前方へ向かうほど上昇傾斜する第3誘導面MT3bと、を主に備え、それらが突出先端の交差位置C3で交差する。
第3係止面MT3a及び第3誘導面MT3bは、段付き部材10362fが第1位置に配置された状態における移動端部材10362dの位置を固定する機能を備える。
例えば、被係止部10362d1が第3係止面MT2aの上端位置よりも下側かつ交差位置C3よりも上側に配置された状態において段付き部材10362fが第2位置から第1位置に移動するのに伴って、被係止部10362d1の突出先端が第3係止面MT3aの上端側に誘導され、段付き部材10362fが第1位置に到達すると同時に被係止部10362d1の突出先端が第3係止面MT3aの上端位置(根本位置、後端位置)に到達する。なお、段付き部材10362fが第1位置に配置された状態において被係止部10362d1が第3係止面MT3aに下支えされているので、コイルスプリング362bを介して下向きの負荷が移動端部材10362dに与えられたとしても、移動端部材10362dは移動せず、そのままの位置で維持される。
また、例えば、被係止部10362d1が交差位置C3よりも下側かつ第3誘導面MT3bの下端位置よりも上側に配置された状態において段付き部材10362fが第2位置から第1位置に移動するのに伴って、被係止部10362d1の突出先端が第3誘導面MT2bの下端側に誘導され、段付き部材10362fが第1位置に到達すると同時に被係止部10362d1の突出先端が第3誘導面MT3bの下端位置(根本位置、後端位置)に到達する。
なお、段付き部材10362fが第1位置に配置された状態において移動端部材10362dが底蓋部材362cに下支えされている(底蓋部材362cが移動端部材10362dを下支えする形状から形成されるので、コイルスプリング362bを介して下向きの負荷が移動端部材10362dに与えられたとしても、移動端部材10362dは移動せず、そのままの位置で維持される。
交差位置C3は、下領域BDBの上下寸法の3/5の寸法だけ下領域BDBの上端位置から下降した位置に設定される。即ち、第2係止面MT2aの上端位置から交差位置C2までの上下方向(移動端部材10362fの移動方向)寸法に比較して、第3係止面MT3aの上端位置から交差位置C3までの上下方向寸法の方が大きく設定される。
従って、各領域BDU,BDM,BDBの上端位置から対応する交差位置C1〜C3までの上下方向寸法が、下へ向かう程、増加する。即ち、段付き部材10362fが第2位置に退避する間に移動端部材10362dが交差位置C1〜C3を通過するために必要となる移動量を、下の領域へ向かう程、増加させることができる。
これにより、段付き部材10362fが一定間隔で第1位置と第2位置との間を往復する動作を行う制御を行う場合に、遊技者が傾倒装置310をペダル操作する際の操作速度に対応して、移動端部材10362dが係止される位置を変化させることができ、遊技者に与える負荷を変化させることができるが、詳細は後述する。
図52は、第1の作動パターンにおける駆動ソレノイドSOL10の計時変化を示した図である。第1の作動パターンでは、駆動ソレノイドSOL10が励磁されることにより段付き部材10362fが第1位置に0.1秒間維持され、次いで、駆動ソレノイドSOL10の励磁が解除されることにより段付き部材10362fが第2位置に0.2秒間維持されるという動作態様が繰り返されることにより、段付き部材10362fが一定のパターンで動作する。
本実施形態では、一般的な遊技者の力により、傾倒装置310をペダル操作(図51(a)に示す状態からの押し込み操作)し、下降位置まで到達させる場合、最短で0.6秒間必要となる態様で、ねじりバネ343やコイルスプリング362bの弾性係数が設定される。
なお且つ、段付き部材10362fが第2位置に配置され、係止が外れた状態において傾倒装置310に生じた変位は、そのままコイルスプリング362bを介して移動端部材10362dに生じる。
上述したように、ソレノイドSOL10の状態変化は、傾倒装置310をペダル操作しきるのに必要となる0.6秒間に複数回生じる。従って、遊技者が傾倒装置310を高速でペダル操作(例えば、力一杯に叩く操作)した場合であっても、傾倒装置310が下降位置に到達する前に段付き部材10362fが1度は第1位置に配置される。換言すれば、段付き部材10362fが第2位置に維持されたままの状態で、移動端部材10362dが移動しきる(上端位置から下端位置まで移動する)ことは無い。
なお、段付き部材10362fが第2位置に配置される期間はバネの復元にかかる期間に比較して短いことから、段付き部材10362fが第2位置に配置される間におけるコイルスプリング362cの復元量に関しては無視する。即ち、移動端部材10362dの移動量は、段付き部材10362fが第2位置に配置された状態における傾倒装置310の移動量と同等とされる。
次いで、第1の操作態様として、操作速度が規定の境界値よりも小さい場合について説明する。ここで、段付き部材10362fが第2位置に配置される期間は0.2秒間なので、その間に移動端部材10362dの被係止部10362d1が交差位置C1よりも上方に維持される場合、続けて段付き部材10362fが第1位置に配置されることにより被係止部10362d1が、再び第1係止面MT1aの上端位置に配置される。
本実施形態において、傾倒装置310は約21度傾倒する。第1係止面MT1aの上端位置から交差位置C1までの上下方向寸法は、本体部BDの上下方向長さの1/15なので、0.2秒間あたりの傾倒角度が1.4度よりも小さい操作速度(第1速度V1)、換言すれば、傾倒装置310をペダル操作しきるまでの時間が3秒よりも長くなる操作速度で操作される第1の操作態様の場合、被係止部10362d1が上端位置に維持される。
この場合、移動端部材10362dは上端位置(図51(a)参照)に配置されたまま維持されるので、傾倒装置310の移動量とコイルスプリング362bの変位が同等となる。本実施形態では、この場合に、傾倒装置310の姿勢に対するコイルスプリング362bの反力は最大となる。
一方で、0.2秒間あたりの傾倒角度が1.4度よりも大きい操作速度、換言すれば、傾倒装置310をペダル操作しきるまでの時間が3秒よりも短くなる操作速度で操作される場合、被係止部10362d1が交差位置C1よりも下方に移動し得る。
次いで、図53(a)を参照して、第2の操作態様について説明する。図53(a)は、操作デバイス10300の図19(a)のXIXb−XIXb線に対応する線における部分断面図である。図53(a)では、図51(b)に示す状態から傾倒装置310が所定角度ペダル操作され傾倒した状態が図示されると共に、段付き部材10362fが前側(図53(a)左側、第1位置)に配置された状態が図示される。第2の操作態様では、図53(a)に示すように、移動端部材10362dが第2突出部MT2の上端位置まで移動し得る。
ここで、段付き部材10362fが第2位置に配置される期間は0.2秒間なので、その間に移動端部材10362dの被係止部10362d1が交差位置C2よりも上方に維持される場合、続けて段付き部材10362fが第1位置に配置されることにより被係止部10362d1が、第2係止面MT2aの上端位置に配置される。
本実施形態において、傾倒装置310は約21度傾倒する。第2係止面MT2aの上端位置から交差位置C2までの上下方向寸法は、本体部BDの上下方向長さの2/15なので、0.2秒間あたりの傾倒角度が1.4度よりも大きく、且つ2.8度よりも小さい操作速度(第2速度V2)、換言すれば、傾倒装置310をペダル操作しきるまでの時間が1.5秒よりも長く、且つ3秒よりも短くなる操作速度で操作される第2の操作態様の場合、被係止部10362d1が第2係止面MT2aの上端位置まで移動し得る。
この場合、移動端部材10362dは第2係止面MT2aの上端位置(図53(a)参照)に維持されるので、傾倒装置310の移動量に比較してコイルスプリング362bの変位が小さくなる。そのため、第2の操作態様で操作する場合、第1の操作態様で操作する場合に比較して、傾倒装置310の姿勢に対するコイルスプリング362bの反力が小さくなる。
次いで、図53(b)を参照して、第3の操作態様について説明する。図53(b)は、操作デバイス10300の図19(a)のXIXb−XIXb線に対応する線における部分断面図である。図53(b)では、図53(a)に示す状態から傾倒装置310が所定角度ペダル操作され傾倒した状態が図示されると共に、段付き部材10362fが前側(図53(b)左側、第1位置)に配置された状態が図示される。第3の操作態様では、図53(b)に示すように、移動端部材10362dが第3突出部MT3の上端位置まで移動し得る。
ここで、段付き部材10362fが第2位置に配置される期間は0.2秒間なので、その間に移動端部材10362dの被係止部10362d1が交差位置C3よりも上方に維持される場合、続けて段付き部材10362fが第1位置に配置されることにより被係止部10362d1が、第3係止面MT3aの上端位置に配置される。
本実施形態において、傾倒装置310は約21度傾倒する。第2係止面MT2aの上端位置から交差位置C3までの上下方向寸法は、本体部BDの上下方向長さの3/15なので、0.2秒間あたりの傾倒角度が2.8度よりも大きく、且つ4.2度よりも小さい操作速度(第3速度V3)、換言すれば、傾倒装置310をペダル操作しきるまでの時間が1.0秒よりも長く、且つ1.5秒よりも短くなる操作速度で操作される第3の操作態様の場合、被係止部10362d1が第3係止面MT3aの上端位置まで移動し得る。
この場合、移動端部材10362dは第3係止面MT3aの上端位置(図53(b)参照)に維持されるので、傾倒装置310の移動量に比較してコイルスプリング362bの変位が、第2の操作態様よりも増して小さくなる。そのため、第3の操作態様で操作する場合、第1の操作態様または第2の操作態様で操作する場合に比較して、傾倒装置310の姿勢に対するコイルスプリング362bの反力が小さくなる。
次いで、図54を参照して、第4の操作態様について説明する。図54は、操作デバイス10300の図19(a)のXIXb−XIXb線に対応する線における部分断面図である。図54では、図53(b)に示す状態から傾倒装置310が所定角度ペダル操作され傾倒した状態が図示されると共に、段付き部材10362fが前側(図54左側、第1位置)に配置された状態が図示される。第4の操作態様では、図54に示すように、移動端部材10362dが第3突出部MT3の下端位置まで移動し得る。図54に示す状態では、ピストン部材362a及び移動端部材10362dが下端位置に配置されているので、コイルスプリング362bの変位がペダル操作開始時の状態(図51(a)参照)に戻っている。そのため、図53(b)に示す状態から図54に示す状態に変化する際に、傾倒装置310を介して遊技者に与えられる反力は大きく減少する。
ここで、段付き部材10362fが第2位置に配置される期間は0.2秒間なので、その間に移動端部材10362dの被係止部10362d1が交差位置C3よりも下方に維持される場合、続けて段付き部材10362fが第1位置に配置されることにより被係止部10362d1が、第3誘導面MT3bの下端位置に配置される。
本実施形態において、傾倒装置310は約21度傾倒する。第2係止面MT2aの上端位置から交差位置C3までの上下方向寸法は、本体部BDの上下方向長さの3/15なので、0.2秒間あたりの傾倒角度が4.2度よりも大きい操作速度(第4速度V4)、換言すれば、傾倒装置310をペダル操作しきるまでの時間が1.0秒よりも短い操作速度で操作される第4の操作態様の場合、被係止部10362d1が第3誘導面MT3bの下端位置まで移動し得る。
この場合、移動端部材10362dは第3誘導面MT3bの下端位置(図54参照)に維持されるので、傾倒装置310の移動量に比較してコイルスプリング362bの変位が、第3の操作態様よりも増して小さくなる。そのため、第4の操作態様で操作する場合、第1の操作態様、第2の操作態様または第3の操作態様で操作する場合に比較して、傾倒装置310の姿勢に対するコイルスプリング362bの反力が小さくなる。
なお、上記説明において、所定位置まで移動し得るとは、例えば、押し込み有効期間に、連打操作等をすることにより、所定位置まで移動端部材10362dを移動させられる場合を含むものである。
図55は、本実施形態において傾倒装置10310を上昇位置から下降位置までペダル操作するのに要する時間の変化に対応した操作終了時(傾倒装置10310が下降位置に配置された時)に移動端部材10362dが配置され得る位置の変化を示した図である。なお、図55では、駆動ソレノイドSOL10が第1の作動パターンで動作する場合について説明する。
図55では、縦軸に移動端部材10362dの配置が示され、横軸に傾倒装置10310をペダル操作するのに要する時間(等速で操作する場合を仮定)が示される。なお、移動端部材10362dの配置が下へ行くほど、コイルスプリング362bの変形量が低減されるので、傾倒装置10310をペダル操作する遊技者に与えられる負荷(反力)が低減される。
図55に示すように、駆動ソレノイドSOL10が第1の作動パターンで動作する場合、傾倒装置310をペダル操作する際の操作速度により、遊技者に与えられる負荷を変化させることができる。換言すれば、操作速度が大きくなる(傾倒装置10310をペダル操作するのに要する時間が短くなる)に従って、遊技者に与えられる反力を低減することができる。
この反力の低減は、例えば、傾倒装置310の操作前におけるコイルスプリング362bの収縮量を予め変化させることにより生じるものでは無く(弾性係数を変化させることにより生じるものでは無く)、傾倒装置310の操作量に対するコイルスプリング362bの変位量を変化させることにより生じるものである。
そのため、遊技者の操作タイミングに合わせてコイルスプリング362bの反力を変化させることができる。換言すれば、操作前はコイルスプリング362bの状態を同等としながら、操作態様(第1の操作態様〜第4の操作態様)により遊技者に与える負荷を変化させることができるので、例えば、コイルスプリング362bが視認できる状態であっても、外観上、反力が変化することを遊技者が気付くことを防止することができる。
また、ソレノイドSOL10の作動パターンが、上述した第1の作動パターンから変化した場合、同様の操作態様で操作しても、上述した態様と異なる態様で遊技者に与える反力が変化する恐れがある。
例えば、第1の作動パターンと異なり、段付き部材10632fが第2位置に維持される期間が0.05秒となった第2の作動パターンについて、説明する。
図56は、第2の作動パターンにおける駆動ソレノイドSOL10の計時変化を示した図である。第2の作動パターンでは、駆動ソレノイドSOL10が励磁されることにより段付き部材10362fが第1位置に0.25秒間維持され、次いで、駆動ソレノイドSOL10の励磁が解除されることにより段付き部材10362fが第2位置に0.05秒間維持されるという動作態様が繰り返されることにより、段付き部材10362fが一定のパターンで動作する。
第2の作動パターンでは、第1の作動パターンと同様に、0.3秒間隔で駆動ソレノイドSOL10の励磁の開始点が生じる。そのため、駆動ソレノイドSOL10が励磁される際に生じる動作音や、動作振動から第1の作動パターンと第2の作動パターンとの違いを把握することを困難とすることができる。
本実施形態において、傾倒装置310は約21度傾倒する。第1係止面MT1aの上端位置から公差位置C1までの上下方向寸法は、本体部BDの上下方向長さの1/15であり、第2係止面MT2aの上端位置から交差位置C2までの上下方向寸法は、本体部BDの上下方向長さの2/15なので、0.05秒間あたりの傾倒角度が1.4度よりも大きく2.8度よりも小さい操作速度、換言すれば、傾倒装置310をペダル操作しきるまでの時間が0.75秒よりも短く、且つ、0.375秒よりも長い場合、被係止部10362d1が第2係止面MT2aの上端位置に維持される。
上述したように、本実施形態では、一般的な遊技者が思い切り傾倒装置310をペダル操作しても、傾倒装置310を下降位置まで操作しきるのに0.6秒間必要とされる。そのため、駆動ソレノイドSOL10が第2の作動パターンで動作制御される場合、例え傾倒装置310を思い切り押し込み操作したとしても、移動端部材10362dを公差位置C2よりも下方に移動させることはできない。
また、作動パターンを異ならせた場合であっても、段付き部材10632fを第2位置で維持する時間の違いが0.2秒以下と短いので、外観や動作音から、その違いに遊技者が気付くことを困難とすることができる。
上述したように、コイルスプリング362bの状態は操作前には変化しない点と、操作態様に対応して遊技者に与える負荷を作動パターンの切替により切り替える駆動ソレノイドSOL10の作動パターンの違いを把握し難い点とから、遊技態様の違いにより遊技者に与えられる負荷の大きさの違いを傾倒装置310の操作前から遊技者に把握されることを防止することができるので、遊技者の遊技に対する参加意欲が削がれることを防止することができる。
即ち、例えば、第3図柄表示装置81において「ペダルを思い切り叩け!いつもより反力が小さかったらチャンス!」との表示がされ、遊技者に傾倒装置310の操作を促す報知がされた後の駆動ソレノイドSOL10の動作は、例えば、MPU201により任意の作動パターンで制御される。
ここで、駆動ソレノイドSOL10が第1の作動パターンで動作制御される場合、遊技者が思い切り傾倒装置310を操作する方が(例えば、上述した第4の操作態様で操作する方が)、ゆっくりと傾倒装置310を操作する場合(例えば、上述した第1の操作態様で操作する場合)に比較して、遊技者に与える負荷を減少させることができる。
一方で、駆動ソレノイドSOL10が第2の作動パターンで動作制御される場合、遊技者が思い切り傾倒装置310を操作したとしても、移動端部材10362dは下端位置までは到達せず、第2係止面MT2aの上端位置(図53(a)参照)で留まるので、傾倒装置310を介して遊技者に与える負荷が、駆動ソレノイドSOL10が第1の作動パターンで動作する場合に比較して大きくなる。
この場合、傾倒装置310を介して遊技者に与えられる負荷(反力)がいつもより(移動端部材10362dが段付き部材10362fの第1係止面MT1aの上端位置に係止される場合に比較して)小さいものの、第1の作動パターンで駆動ソレノイドSOL10が動作する場合に比較して反力が大きくなるので、遊技者がその負荷の違いを認識した段階で、チャンスでは無かった(所謂「ガセ演出」であった)ということに気付くことができる。
反力の違いは、報知通りに傾倒装置310を押し込み操作した遊技者のみが気付くことができるので、遊技者に、報知に従って傾倒装置310を押し込み動作するように促すことができる(遊技者の参加意欲の向上を図ることができる)。
駆動ソレノイドSOL10の作動パターンを切り替えることにより、遊技者の操作速度に対応した反力を複数種類で切り替えることができるので、報知通りに押し込み操作した遊技者に対して複数種類の負荷を返すことができる。
これら作動パターンは、例えば、第3図柄表示装置81において、一定期間、傾倒装置310の押し込みを促す表示が継続される間に切り替えるようにしても良い。以下、作動パターンの切り替えの一例について説明する。
例えば、第3図柄表示装置81において、一定期間「ボタンを押せ」等の傾倒装置310の押し込みを促す表示と合わせて、別の表示として思い切り押し込むタイミングを動的に表示することができる。これは、例えば、同じ経路上を反対方向に近接移動する球が表示され、「球が重なった時に、思い切り押せ」等の画像表示がされるものである。
これらの表示とタイミングを合わせて、駆動ソレノイドSOL10の作動パターンを切り替えることにより、傾倒装置310の操作に対する遊技者の参加意欲を向上させることができる。
例えば、駆動ソレノイドSOL10の第1の制御例では、表示により思い切り押し込むタイミングとされる時または期間に、駆動ソレノイドSOL10を第1の作動パターンで動作し、その前後の短期間において第2の作動パターンで動作し、その他の期間では駆動ソレノイドSOL10の励磁が維持されることにより、段付き部材10362fが第1位置で維持される。
なお、第1の制御例は、例えば、期待度の大きな(例えば、大当たり期待度が60%以上の)変動で行われる演出において、傾倒装置310の押し込みを促す表示を行う場合に実行される。
一方、例えば、駆動ソレノイドSOL10の第2の制御例では、表示により思い切り押し込むタイミングとされる時または期間に加え、その前後の短期間において第2の作動パターンで動作し、その他の期間では駆動ソレノイドSOL10の励磁が維持されることにより、段付き部材10362fが第1位置で維持される。
なお、第2の制御例は、例えば、期待度の大きくない(例えば、大当たり期待度が60%未満の)変動で行われる演出において、傾倒装置310の押し込みを促す表示を行う場合に実行される。
そのため、駆動ソレノイドSOL10が第1の制御例で制御されているのか、第2の制御例で制御されているのかを把握することができれば、期待度の大小を把握することができる。一方で、第1の制御例と、第2の制御例とでは、思い切り押し込むタイミングとされる時または期間を除く時点において、駆動ソレノイドSOL10の作動パターンが同じである。
従って、思い切り押し込むタイミングとされる時または期間に、報知通りに、思い切り押し込む操作を行う以外の態様(例えば、思い切り押し込むタイミングとされる時または期間を除くタイミングで傾倒装置310を押し込み操作したり、思い切り押し込むタイミングとされる時または期間に第1速度V1で操作したりする態様)で傾倒装置310の操作を行っても、駆動ソレノイドSOL10が、第1の制御例で動作しているのか、第2の制御例で動作しているのかを把握することができない。これにより、傾倒装置310の操作に対する遊技者の集中力を高めることができ、遊技者の参加意欲を向上させることができる。
なお、本実施形態では、駆動ソレノイドSOL10が第1の制御例または第2の制御例で動作する場合において、傾倒装置310の押し込みが各種センサS1〜S3により検出されると、所定時間経過後(例えば、1秒間経過後)に、駆動ソレノイドSOL10が励磁状態で維持される(第1の制御例または第2の制御例とは異なる制御態様に移行する)。
そのため、思い切り押し込むタイミングとされる時または期間よりも前に、誤って傾倒装置310を押し込み操作すると、思い切り押し込むタイミングとされていた時または期間に再び傾倒装置310を押し込み操作しても、駆動ソレノイドSOL10の動作が第1の制御例なのか第2の制御例なのかの区別を行うことができない。従って、傾倒装置310の押し込みタイミング以前に押し込み操作を行うことを抑制することができ、傾倒装置310の操作を行う遊技者の集中力を向上させることができる。
一方で、期待度の極端に低い演出において、傾倒装置310の押し込みを促す報知を行う場合や、押し込みを促す報知が行われていない場合(デモ画面の場合など)において、駆動ソレノイドSOL10の励磁を長時間解除する(段付き部材10362fを第2位置に維持する)制御を行っても良い。この場合、操作態様の違いに関わらず、移動端部材10362dが段付き部材10362fに係止されず、傾倒装置310の押し込みと連動して移動端部材10362dが下降するので、コイルスプリング362bの伸縮がほぼ生じない。従って、傾倒装置310を介して遊技者に与えられる反力を最小とすることができる。これにより、期待度の低い時における傾倒装置310の操作(試し押し等)により遊技者に与えられる反力を低減することができ、操作に対する遊技者の疲労感を低減することができる。
次いで、図57から図61を参照して、第11実施形態について説明する。第1実施形態では、傾倒装置310をペダル操作する際に遊技者に与えられる負荷がねじりバネ343により発生する反力と、コイルスプリング362bにより発生する反力とで切り替えらえる場合を説明したが、第11実施形態における操作デバイス11300は、コイルスプリング362bの下端部を支持する移動端部材10362dを移動可能に構成することにより、傾倒装置310をペダル操作する操作量や、操作後の傾倒装置310の配置が同じ場合における、コイルスプリング362bの変位量を変化可能に構成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図57(a)及び図57(b)は、第11実施形態における操作デバイス11300の図19(a)のXIXb−XIXb線に対応する線における部分断面図である。なお、図57(a)では、傾倒装置310がペダル操作され作用爪部332がピストン部材362aの端部に当接開始した状態が図示され、図57(b)では、図57(a)に示す状態から傾倒装置310が所定角度ペダル操作され傾倒した状態が図示される。また、図57(a)では、段付き部材11362fが前側(図57(a)左側)に配置された状態が図示され、図57(b)では、段付き部材11362fが後側(図57(b)右側)に配置された状態が図示される。
図57(a)に示すように、操作デバイス11300は、上述した傾倒装置310と、その傾倒装置310のリング部材BR1を下側から支持する凹設軸受け部361a(図9参照)を有すると共に傾倒装置310の押し込み終端を形成する下ケース11360と、傾倒装置310のリング部材BR1を上側から支持し下ケース11360と向かい合わせで配置される凹設部を有し下ケース11360との間に傾倒部材310を配置する態様で下ケース11360に締結固定されると共に傾倒装置310と当接することで傾倒装置310の上昇位置を定める(コ字状枠の内周縁部に傾倒装置310が当接される)上ケース370(図9参照)と、を主に備える。
下ケース11360について説明する。下ケース11360は、上方が開放された皿状に形成される底受け部材361と、その底受け部材361に下方から組み付けられると共に上下方向(図57(a)上下方向)に移動可能に支持されるピストン部材362aを有する付勢装置11362と、底受け部材361の上側に固定され電力が供給される部材が集合配置される電力作用装置363と、を主に備える。
付勢装置11362は、第10実施形態で上述した付勢装置10362と同様に、作用爪部332を通して傾倒装置310に付勢力を負荷する装置であり、筒状受け部361cの内側を上下方向に動作可能に支持されると共に下方に開放される有底筒形状のピストン部材362aと、そのピストン部材362aの開放端部からピストン部材362aに収容されるコイルスプリング362bと、金属などの剛性の高い材料から構成され筒状受け部361cの下側開口部に蓋をする態様で底受け部材361に締結固定される底蓋部材362cと、コイルスプリング362bに下端側から当接可能に配置され、上下方向にスライド移動可能に底受け部材361に支持される移動端部材10362dと、その移動端部材10362dと底蓋部材362cとの間に配設され移動端部材10362dを上方へ向けて付勢する戻りバネ10362eと、を主に備えることに加え、移動端部材10362dの移動方向と直交する方向(前後方向、図57(a)左右方向)から、移動端部材10362dに近い第1位置と、移動端部材10362dから遠い第2位置との間を移動可能とされる段付き部材11362fと、底受け部材361に締結固定されると共に段付き部材11362fを移動端部材10362dの移動方向と直交する方向に沿って駆動させる駆動ソレノイドSOL11と、を主に備える。
段付き部材11362fと移動端部材10362dとは、動作方向が直交するので、段付き部材11362fの移動時に生じる衝撃などが、移動端部材10362dの移動方向に生じることを抑制することができる。従って、駆動ソレノイドSOL11の駆動により直接的に移動端部材10362dに負荷が生じることを抑制することができる。
移動端部材10362dは、段付き部材11362fに対向する部位であり段付き部材11362fへ向けて突出する被係止部10362d1を備える。
被係止部10362dは、段付き部材11362fとの関係でその突出量が規定される。即ち、段付き部材11362fが第1位置に配置される場合には移動端部材10362dの移動方向(図57(a)上下方向)視で干渉する一方で、段付き部材11362fが第2位置に配置される場合には移動端部材10362dの移動方向(図57(a)上下方向)視で重ならない突出量とされる。
従って、段付き部材11362fが第1位置に配置された状態では、移動端部材10362dが段付き部材11362fと上下方向で係止される一方、段付き部材11362fが第2位置に配置された状態では、移動端部材10362dは段付き部材11362fに係止されず、傾倒装置310のペダル操作と連動して上下動作する。
戻りバネ10362eは、コイルスプリング362bに比較して極端に弾性係数の小さいスプリング部材から形成される。そのため、図51(b)に示すように、段付き部材11362fが第2位置に配置され移動端部材10362dが自由に上下動作できる状態において傾倒装置310がペダル操作されると、コイルスプリング362bよりも先に戻りバネ10362eが伸縮する(コイルスプリング362bが自然長で維持されたまま戻りバネ10362eが伸縮する)。
一方で、戻りバネ10362eは、移動端部材10362dが上端位置に配置された状態(図57(a)参照)において、ピストン部材362a、コイルスプリング362b及び移動端部材10362dの重量の合計よりも大きな付勢力を発生可能に設計される。そのため、図57(b)に示す状態から傾倒装置310のペダル操作を止めて、遊技者が手を離すと、移動端部材10362dは、戻りバネ10362eの付勢力で上端位置に復帰する。
このように、移動端部材10362dは、遊技者が傾倒装置310の押し込み操作を解除した状態では上端位置に維持され、遊技者が傾倒装置310の押し込み操作を行うことと連動して下降動作する。換言すれば、遊技者が傾倒装置310を押し込み操作することに伴って移動端部材10362dが変位する。
段付き部材11362fは、上下に延設される板状の本体部BDと、その本体部BDから前方(図57(a)左方)へ向けて突出する複数の突出部(上側から順に、上側突出部MTU、下側突出部MTB)と、を主に備える。
各突出部MTU,MTBは、本体部BDの側面に上下に間隔を空けて整列し、本体部BDの正面側面から正面側へ突出する部分の形状が同等とされる。図57(a)に示すように、本体部BDは、上下寸法を2等分する各領域(上半領域BDHU、下半領域BDHB)を備え、本実施形態において、上半領域BDHUの下端位置と下半領域BDHBの上端位置とは一致する。それら各領域の内、上側に配設される上半領域BDHUに、各突出部MTU,MTBが配設される。
上側突出部MTUは、上半領域BDHUの上端位置から延設され前方へ向かうほど下降傾斜する上側係止面MT11aと、上半領域の上端位置から下方に、本体部BDの上下方向寸法の1/10の寸法だけ下降した位置から正面側へ、移動端部材10362dの移動方向と直交する方向に延設される下側水平面MT11bと、を主に備え、それらが突出先端の交差位置C11で交差する。即ち、交差位置C11は、本体部BDの上端位置から、本体部BDの上下方向寸法の1/10の寸法だけ下降した位置に配置される。
上側係止面MT11aは、段付き部材11362fが第1位置に配置された状態における移動端部材10362dの位置を規定する機能を備える。例えば、交差位置C11よりも被係止部10362d1が上側に配置された状態において、段付き部材11362fが第2位置から第1位置に移動するのに伴って、被係止部10362d1の突出先端が上側係止面MT11aの上端側に誘導され、段付き部材11362fが第1位置に到達すると同時に被係止部10362d1の突出先端が上側係止面MT11aの上端位置(根本位置、後端位置)に到達する。なお、段付き部材11362fが第1位置に配置された状態において被係止部10362d1が上側係止面MT11aに下支えされているので、コイルスプリング362bを介して下向きの負荷が移動端部材10362dに与えられたとしても、移動端部材10362dは移動せず、そのままの位置で維持される。
また、例えば、被係止部10362d1が交差位置C11よりも下側かつ後述する交差位置C12よりも上側に配置された状態においては、移動端部材10362dは、中間位置(図57(b)参照、段付き部材11362fが第1位置に配置された場合において下側突出部MTBに下支えされる位置)に到達するまでの間、何ら下支えされることは無いので、傾倒装置310の操作量に対応して、自由に上下方向に移動可能とされる。
下側突出部MTBは、上半領域BDHUの下端位置から正面側へ水平に延びる点と交差位置C11から鉛直下方に延びる点との交点を始点として、上側突出部MTUの上側係止面MT11aと同じ傾斜角度で本体部BDへ向けて延設される(換言すれば、上述した交点へ向けて本体部BDから下降傾斜して延設される)上側係止面MT12aと、上半領域BDHUの下端位置から正面側へ、移動端部材10362dの移動方向と直交する方向に延設される下側水平面MT12bと、を主に備え、それらが突出先端の交差位置C12で交差する。即ち、交差位置C12は、本体部BDの中間位置(上半領域BDHUの下端位置)と水平方向で一致する。また、交差位置C11と交差位置C12とは、鉛直方向で一致する。
上側係止面MT12aは、段付き部材11362fが第1位置に配置された状態における移動端部材10362dの位置を規定する機能を備える。
例えば、交差位置C11よりも下側かつ交差位置C12よりも上側に被係止部10362d1が配置された状態において、段付き部材11362fが第1位置に到達すると被係止部10362d1の突出先端が上側係止面MT12aの上端位置(根本位置、後端位置)に係止可能とされる。なお、段付き部材11362fが第1位置に配置された状態において被係止部10362d1が上側係止面MT12aに下支えされているので、コイルスプリング362bを介して下向きの負荷が移動端部材10362dに与えられたとしても、移動端部材10362dは移動せず、そのままの位置で維持される。
また、例えば、被係止部10362d1が交差位置C12よりも下側に配置された状態(図59(a)及び図59(b)参照)においては、移動端部材10362dは、移動端部材10362dが下端位置に到達するまでの間、何ら下支えされることは無いので、傾倒装置310の操作量に対応して、自由に上下方向に移動可能とされる。
ここで、移動端部材10362dの上下方向の可動範囲は、傾倒装置310をペダル操作する際にピストン部剤362aが上下方向に移動する可動範囲と同等とされる(傾倒装置310を下端位置までペダル操作した際に移動端部材10362dが下端位置に配置される場合、コイルスプリング362bの変位量は図57(a)に示す状態と変わらない)。
即ち、被係止部10362dが交差位置C12よりも下側に配置された状態においては、傾倒装置310のペダル操作の程度(傾倒装置310の押し込み角度)に関わらず、傾倒装置310を介して遊技者に与えられるコイルスプリング362bの付勢力(反力)は変化しない。
従って、本実施形態では、移動端部材10362bが下側突出部MTBの上側に配置される間は、コイルスプリング362bに起因する反力がペダル操作の程度が大きくなるのに伴って増加する一方で、移動端部材10362bが下側突出部MTBの下側に配置されると、コイルスプリング362bに起因する反力がペダル操作前の大きさまで減少する。
そのため、遊技者に傾倒装置310を介して与えられる負荷の種類が、移動端部材10362bが下側突出部MTBの上側に配置され、傾倒装置310をペダル操作する度合い(傾斜角度)が大きくなるほどコイルスプリング362bの変位量が大きくなり反力が変化する状態(反力変化状態、図57(a)又は図57(b)参照)の第1負荷と、移動端部材10362bが下側突出部MTBの下側に配置され、傾倒装置310をペダル操作する度合いに関わらずコイルスプリング362bの変位量は変化せず反力がほぼ同等で推移する(ねじりバネ343及び戻りバネ10362eの反力変化に留まる)状態(反力不変状態、図59(a)又は図59(b)参照)の第2負荷とで、切り替えられる。
図58は、第3の作動パターンにおける駆動ソレノイドSOL11の計時変化を示した図である。第3の作動パターンでは、駆動ソレノイドSOL11が励磁されることにより段付き部材11362fが第1位置に0.6秒間維持され、次いで、駆動ソレノイドSOL11の励磁が解除されることにより段付き部材11362fが第2位置に0.2秒間維持されるという動作態様が繰り返されることにより、段付き部材11362fが一定のパターンで動作する。
本実施形態では、一般的な遊技者の力により、傾倒装置310をペダル操作(図57(a)に示す状態からの押し込み操作)し、下降位置(図59(b)参照)まで到達させる場合、最短で0.6秒間必要となる態様で、ねじりバネ343やコイルスプリング362bの弾性係数が設定される。
なお且つ、段付き部材11362fが第2位置に配置され、係止が外れた状態において傾倒装置310に生じた変位は、そのままコイルスプリング362bを介して移動端部材10362dに生じる。
上述したように、ソレノイドSOL11による第3の作動パターンでは、段付き部材11362fが退避状態で維持される期間(0.2秒間)が、傾倒装置310が移動範囲の半分の距離だけ移動するのに必要な期間(0.3秒間)よりも短くされる(0.2s<0.3s)。そのため、移動端部材10362dが上端位置(図57(a)参照)に配置された状態から遊技者が傾倒装置310を最速で押し込み操作(下端位置まで0.6秒間かけて操作)した場合であっても、段付き部材11362fが第1位置から第2位置へ移動し、再度第1位置へ移動する間に、移動端部材10362dが下側突出部MTBの下側まで移動することは無い。
加えて、傾倒装置310をペダル操作しきるのに最小限必要となる0.6秒間に、段付き部材11362fが第2位置に複数回配置されることは無い。そのため、移動端部材10362dが上端位置(図57(a)参照)に配置された状態から遊技者が傾倒装置310を最速で押し込み操作(下端位置まで0.6秒間かけて操作)した場合、その押し込み途中で段付き部材11362fが第2位置に複数回配置されることは無い。
従って、移動端部材10362dが上端位置(図57(a)参照)に配置された状態から遊技者が傾倒装置310を最速で押し込み操作(下端位置まで0.6秒間かけて操作)する場合、その押し込みタイミングに関わらず、傾倒装置310を介して遊技者に与えられる負荷は、上述した第1負荷(反力変化状態)とされる。
これに対し、0.6秒間よりも長い時間をかけて、図57(a)に示す状態から傾倒装置310を下端位置まで押し込み操作する場合、操作中に段付き部材11362fが第2位置に複数回配置される場合があり、その場合には、移動端部材10362dが下側突出部MTBの下側へ移動する可能性がある。以下、図59を参照して、0.6秒間よりも長い時間をかけて傾倒装置310を下端位置まで押し込み操作する操作態様(条件付き遅速の操作態様)について説明する。
図59(a)及び図59(b)は、操作デバイス11300の図19(a)のXIXb−XIXb線に対応する線における部分断面図である。なお、図59(a)では、図57(b)に示す状態から傾倒装置310が所定角度ペダル操作され傾倒した状態が図示され、図59(b)では、図59(a)に示す状態から傾倒装置310が所定角度ペダル操作され下端位置まで到達した状態が図示される。
上述したように、各突出部MTU,MTBに移動端部材10362dが下支えされた場合に、移動端部材10362dの上面と、その移動端部材10362dの直下の下側水平面MT11b,MT12bとの間の上下方向の距離である最小通過距離HMIは、移動端部材の可動範囲の1/10の距離とされる。
例えば、移動端部材10362dが上端位置(図57(a)参照)に配置された状態から下降を開始した場合に、段付き部材11362fが第2位置で維持される間の移動端部材10362dの移動量が最小通過距離HMI未満となる場合、段付き部材11362fが第1位置に移動することに伴って、移動端部材10362dが上側突出部MTUに下支えされる位置まで上昇する。
第3の作動パターンでは、段付き部材11362fが第2位置に維持されるのは0.2秒間なので、その間に最小通過距離HMIを通過可能(換言すれば、ペダル操作の完了までが2.0秒間よりも短い操作速度、条件付き遅速)である操作通過速度で傾倒装置310をペダル操作する場合、その操作途中で移動端部材10362dが下側突出部MTBを通過して下側に配置される可能性がある(図59(a)及び図59(b)参照)。
従って、上述した条件付き遅速の操作速度(傾倒装置310のペダル操作の完了までが2.0秒よりも短い操作速度)により遊技者が傾倒装置310をペダル操作する場合、傾倒装置310を介して遊技者に与えられる負荷(反力)が、上述した第2負荷(反力不変状態)とされる。
図60は、本実施形態において傾倒装置11310を上昇位置から下降位置までペダル操作するのに要する時間の変化に対応した遊技者に与えられる反力の種類の変化を示した図である。
図60では、縦軸に反力の種類(第1負荷、第2負荷、第1負荷または第2負荷)が示され、横軸に傾倒装置11310をペダル操作するのに要する時間(等速で操作する場合を仮定)が0.1秒ごとのプロットで示される。
なお、縦軸の「第1負荷または第2負荷」は、ペダル操作を開始するタイミングにより第1負荷となる場合も第2負荷となる場合もある場合を示す。例えば、傾倒装置11310をペダル操作するのに要する時間が0.8秒である場合、駆動ソレノイドSOL11が第1位置に変化したタイミング(図58左端のタイミング)でペダル操作を開始した場合、0.8秒経過するまでに駆動ソレノイドSOL11は第2位置に一回しか配置されないので、遊技者に与えられる反力の種類は第1負荷となる一方、駆動ソレノイドSOL11が第2位置に配置されてから0.1秒後にペダル操作を開始した場合、0.8秒経過するまでに駆動ソレノイドSOL11は第2位置に二回配置されると共に、その配置に維持される時間が、最小通過距離HMIを通過するのに要する0.08秒間よりも長い0.1秒間とされるので、遊技者に与えられる反力の種類は第2負荷となる。
図60に示すように、第1負荷または第2負荷となるペダル操作において、本実施形態においては、反力変化状態を経て反力不変状態となることはあっても、反力不変状態を経て反力変化状態となることは無い。これは、移動端部材10362dが交差位置C12よりも上方に配置された場合に反力変化状態となり、交差位置C12よりも下方に配置された場合に反力不変状態となることから明らかである。このことから、第1負荷または第2負荷となるペダル操作において、ペダル操作の最中に反力が減少する作用を共通して生じさせることができる。
このように、駆動ソレノイドSOL11が第3の作動パターンで動作する場合、傾倒装置310をペダル操作する際の操作速度(傾倒装置11310をペダル操作するのに要する時間)を変化させることにより、遊技者に与えられる負荷を変化させることができる。換言すれば、操作速度が最大となる付近(傾倒装置310のペダル操作が完了するまでにかかる時間が0.6秒間となる操作速度の付近の操作速度)となる場合の方が、操作速度が小さい(操作通過速度よりは大きい)場合に比較して、傾倒装置310を介して遊技者に与えられる負荷(反力)を大きくすることができる。
この反力の変化は、例えば、傾倒装置310の操作前におけるコイルスプリング362bの収縮量を予め変化させることにより生じるものでは無く(弾性係数を変化させることにより生じるものでは無く)、傾倒装置310の操作量に対するコイルスプリング362bの変位量を変化させることにより生じるものである。
そのため、遊技者の操作タイミングに合わせてコイルスプリング362bの反力を変化させることができる。換言すれば、操作前はコイルスプリング362bの状態を同等としながら、操作態様により遊技者に与える負荷を変化させることができるので、例えば、コイルスプリング362bが視認できる状態であっても、外観上、反力が変化することを遊技者が気付くことを防止することができる。
図60に示すように、傾倒装置310のペダル操作に要する時間が2.0秒よりも短い場合には、傾倒装置310を介して遊技者に与えられる負荷が、第2負荷に変化し易い一方で、2.0秒以上となると、傾倒装置310を介して遊技者に与えられる負荷が第1負荷で維持される。
そのため、傾倒装置310をゆっくりと操作させることで遊技者に返す反力を減少させたい場合には、2.0秒以上かけてペダル操作することを防止する必要がある。例えば、傾倒装置310のペダル操作の有効期間を2.0秒未満で設定し、第3図柄表示装置81(図4参照)で表示することにより、遊技者に2.0秒以内でのペダル操作を促進することができる。これにより、遊技者が傾倒装置310を2.0秒以上かけてペダル操作することを抑制することができる。
また、ソレノイドSOL10の作動パターンが、上述した第3の作動パターンから変化した場合、同様の操作態様で操作しても、上述した態様と異なる態様で遊技者に与える反力が変化する恐れがある。
例えば、第3の作動パターンと異なり、段付き部材11632fが第2位置に維持される期間が0.1秒となった第4の作動パターンについて、説明する。
図61は、第4の作動パターンにおける駆動ソレノイドSOL11の計時変化を示した図である。第4の作動パターンでは、駆動ソレノイドSOL11が励磁されることにより段付き部材11362fが第1位置に0.7秒間維持され、次いで、駆動ソレノイドSOL11の励磁が解除されることにより段付き部材11362fが第2位置に0.1秒間維持されるという動作態様が繰り返されることにより、段付き部材11362fが一定のパターンで動作する。
第4の作動パターンでは、第3の作動パターンと同様に、0.8秒間隔で駆動ソレノイドSOL11の励磁の開始点が生じる。そのため、駆動ソレノイドSOL11が励磁される際に生じる動作音や、動作振動から第3の作動パターンと第4の作動パターンとの違いを把握することを困難とすることができる。
上述したように、各突出部MTU,MTBに移動端部材10362dが下支えされた場合に、移動端部材10362dの上面と、その移動端部材10362dの直下の下側水平面MT11b,MT12bとの間の上下方向の距離である最小通過距離HMIは、移動端部材の可動範囲の1/10の距離とされる。
例えば、移動端部材10362dが上端位置(図57(a)参照)に配置された状態から下降を開始した場合に、段付き部材11362fが第2位置で維持される間の移動端部材10362dの移動量が最小通過距離HMI未満となる場合、段付き部材11362fが第1位置に移動することに伴って、移動端部材10362dが上側突出部MTUに下支えされる位置まで上昇する。
第4の作動パターンでは、段付き部材11362fが第2位置に維持されるのは0.1秒間なので、その間に最小通過距離HMIを通過可能(換言すれば、ペダル操作の完了までが1.0秒間よりも短い操作速度、第2条件付き遅速)である第2操作通過速度で傾倒装置310をペダル操作する場合、その操作途中で移動端部材10362dが下側突出部MTBを通過して下側に配置される可能性がある(図59(a)及び図59(b)参照)。
従って、上述した第2条件付き遅速の操作速度(傾倒装置310のペダル操作の完了までが1.0秒よりも短い操作速度)により遊技者が傾倒装置310をペダル操作する場合、傾倒装置310を介して遊技者に与えられる負荷(反力)が、上述した第2負荷(反力不変状態)とされる。換言すれば、操作通過速度の内、第2操作通過速度を除いて残る操作速度で傾倒装置310をペダル操作する場合、傾倒装置310を介して遊技者に与えられる負荷(反力)は、上述した第1負荷(反力変化状態)とされるので、この点において、第3の作動パターンと異なる。
即ち、傾倒装置310の操作速度が同じ場合であっても、第3の作動パターンで駆動ソレノイドSOL11を動作させるか、第4の作動パターンで駆動ソレノイドSOL11を動作させるかによって、傾倒装置310を介して遊技者に与えられる負荷(反力)が変化する。
なお、作動パターンを異ならせた場合であっても、段付き部材11632fを第2位置で維持する時間の違いが0.1秒以下と短いので、外観や動作音から、その違いに遊技者が気付くことを困難とすることができる。
上述したように、コイルスプリング362bの状態は操作前には変化しない点と、操作態様に対応して遊技者に与える負荷を作動パターンの切替により切り替える駆動ソレノイドSOL11の作動パターンの違いを把握し難い点とから、遊技態様の違いにより遊技者に与えられる負荷の大きさの違いを傾倒装置310の操作前から遊技者に把握されることを防止することができるので、遊技者の遊技に対する参加意欲が削がれることを防止することができる。
即ち、例えば、第3図柄表示装置81において「1.5秒間かけてペダルを押し込め!いつもより反力が小さかったらチャンス!」との表示がされ、遊技者に傾倒装置310の操作を促す報知がされた後の駆動ソレノイドSOL11の動作は、例えば、MPU201により任意の作動パターンで制御される。
ここで、駆動ソレノイドSOL11が第3の作動パターンで動作制御される場合、遊技者が1.5秒間かけて傾倒装置310を操作する方が、思い切り傾倒装置310を操作する場合(0.6秒間かけて傾倒装置310を下降位置まで移動させる操作を行う場合)に比較して、遊技者に与える負荷を減少させることができる。
一方で、駆動ソレノイドSOL11が第4の作動パターンで動作制御される場合、遊技者が1.5秒間かけて傾倒装置310を操作する場合も、思い切り傾倒装置310を操作する場合(0.6秒間かけて傾倒装置310を下降位置まで移動させる操作を行う場合)も、遊技者に与える負荷が同等となる(第3の作動パターンで駆動ソレノイドSOL11が動作する場合に比較して反力が大きくなる)。そのため、傾倒装置310の押し込み操作を行った遊技者が反力の大きさを認識した段階で、チャンスでは無かった(所謂「ガセ演出」であった)ということに気付くことができる。
反力の違いは、報知通りに傾倒装置310を押し込み操作した遊技者のみが気付くことができるので、遊技者に、報知に従って傾倒装置310を押し込み動作するように促すことができる(遊技者の参加意欲の向上を図ることができる)。
駆動ソレノイドSOL11の作動パターンを切り替えることにより、遊技者の操作速度に対応した反力を複数種類で切り替えることができるので、報知通りに押し込み操作した遊技者に対して複数種類の負荷を返すことができる。
なお、本実施形態の主な目的として、第3図柄表示装置81において傾倒装置310の押し込みを促す表示がされる期間の終了間際にその表示に気付いた遊技者が叩くように傾倒装置310をペダル操作する場合に、反力を大きくして、ペダル操作の際の傾倒装置310の移動速度を低減することがある。そのため、上述した第3の作動パターン又は第4の作動パターンにおける駆動ソレノイドSOL11の作動制御を、第3図柄表示装置81において傾倒装置310の押し込みを促す表示がされる期間の終盤(例えば、表示の終了タイミングの2秒前から、表示の終了タイミングまで)にのみ実行し、その他の期間には、駆動ソレノイドSOL11の励磁を解除して、段付き部材11362fを第2位置に配置するようにしても良い。
これにより、第3図柄表示装置81において傾倒装置310の押し込みを促す表示がされる期間の終盤以外の期間においては、傾倒装置310を介して遊技者に与えられる負荷(反力)を低減することができるので、例えば、終盤以外の期間(例えば、第3図柄表示装置81において傾倒装置310の押し込みを促す表示がされる期間の開始直後)で、傾倒装置310をペダル操作する際に遊技者に与えられる負荷が過大となり、傾倒装置310を操作する遊技者に疲労感が蓄積されることを防止することができる。これにより、遊技者が傾倒装置310の操作を敬遠する確率を下げることができ、傾倒装置310を報知通りに操作することによる遊技への参加意欲を高めることができる。
次いで、図62から図68を参照して、第12実施形態について説明する。第1実施形態では、遊技者が操作する傾倒装置310の形状が固定される場合を説明したが、第12実施形態における操作デバイス12300は、遊技者が操作可能な第2傾倒装置400が、傾倒装置12310に連結されると共に、傾倒装置12310の回転軸を中心とした円の径方向に伸縮可能に構成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図62は、第12実施形態における操作デバイス12300の正面斜視図である。図62に示すように、操作デバイス12300は、上述した傾倒装置310と同様の用途で使用される傾倒装置12310と、上記各実施形態で上述した下カバー320と、軸カバー330と、軸部材340と、湾曲部材350と、下ケース360と、上ケース370と、を備え、それに加えて、本実施形態において新出の、第2傾倒装置400を主に備える。
図62に示すように、第2傾倒装置400は、傾倒装置12310を上側から跨ぐ態様で傾倒装置12310に連結されると共に、正面視コ字状に形成される装置である。主な操作方法は、左右方向に亘って延設される操作部440を傾倒装置12310の操作方向と同様の方向に押し込み操作する方法である。即ち、本実施形態では、遊技者は、傾倒装置12310を押し込み操作する態様に加え、第2傾倒装置400を押し込み操作する態様によっても、遊技に参加することができる。
図63(a)は、操作デバイス12300の正面図であり、図63(b)は、図63(a)のLXIIIb−LXIIIb線における操作デバイス12300の断面図である。
図63(a)に示すように、傾倒装置12310の両側面において第2傾倒装置400が傾倒装置12310に連結される。詳細には、傾倒装置12310は、上記各実施形態で上述した上カバー311に両側面を始点として内部へ向けて開口される開口部12318が加えられた上カバー12311を備える。第2傾倒装置400は、上カバー12311の開口部12318に締結固定部410を挿通した状態で、支持固定部411が傾倒装置12310に締結固定される。
傾倒装置12310又は第2傾倒装置400をペダル操作する際に遊技者に与えられる負荷は、遊技者が、回転軸O1からどれだけ離れた位置を押すかにより変化するところ、図63(b)に示すように、第2傾倒装置400の操作部440の最外径点(回転軸O1から最も離れた点)は、傾倒装置12310の湾曲壁部316が形成する(回転軸O1を中心として湾曲壁部316と接する)円弧R12上に形成される。
従って、図63(b)に示す状態(第2傾倒装置400の操作部440が回転軸O1に近い側に配置された状態)において、傾倒装置12310をペダル操作する遊技者に与えられる反力の最小値が、第2傾倒装置400の操作部440を操作する遊技者に与えられる反力と同等となる。
即ち、傾倒装置12310の回転軸O1に近い側(図63(b)左側)を操作する遊技者に与えられる反力は第2傾倒装置400の操作部440を操作する遊技者に与えられる反力よりも大きくなる一方、傾倒装置12310の回転軸O1から遠い側(図63(b)右側、湾曲壁部316付近)を操作する遊技者に与えられる反力は第2傾倒装置400の操作部440を操作する遊技者に与えられる反力と同等となる。
本実施形態では、第2傾倒装置400は、傾倒装置12310を操作する場合に比較して第2傾倒装置400を操作する遊技者に与える反力を小さくする態様で機能する。その説明の前段階として、以下において、第2傾倒装置400の詳細について説明する。
図64及び図65は、図63(b)のLXIV−LXIV線における操作デバイス12300の断面図である。図64では、第2傾倒装置400の短縮状態が、図65では、第2傾倒装置400の延長状態が、それぞれ図示される。また、操作デバイス12300は左右対称形状から形成されるので、図64及び図65では左側のみを図示し、右側の図示を省略する。
図64及び図65に示すように、第2傾倒装置400は、傾倒装置12310の開口部12318に挿通した状態で傾倒装置12310の側面に締結固定される締結固定部410と、その締結固定部410に枝部425の端が収容されると共に回転軸O1を中心とした円の径方向に延設される本体部421を有する第1腕部420と、その第1腕部420の径方向外側に配設され第2腕部420と連結される第2腕部430と、一対の第2腕部430を連結する円柱形状の操作部440と、第1腕部420の基端側(回転軸O1に近い側)に配置されると共に通電により回転駆動される駆動モータ450と、その駆動モータ450の駆動力を第2腕部430に伝達可能な態様で第1腕部420に軸支される伝達装置460と、駆動モータ450の回転部分の位相の違いにより変位し、駆動モータM1の錘部材M1aに近接離反する振動伝達部材470と、を主に備える。
締結固定部410、第1腕部420及び第2腕部430は、左右反転形状の一対の部材を図64の紙面垂直方向で対向配置し、重ね合わせ、締結固定することで組立状態(図62参照)とされる。操作部440は左右一対の第2腕部430に左右方向から差し込まれる。
即ち、第2傾倒装置400の組立手順は、まず第1腕部420の一方の部材に駆動モータ450、伝達装置460及び振動伝達部材470を収容した後、他方の部材を締結固定して蓋をすることで第1腕部420を組み立てた後、その組立状態となった第1腕部420の径方向外側の端部に第2腕部430を連結する態様で第2腕部430を重ねて組み立てる一方で、反対側の端部に締結固定部410を連結する態様で締結固定部410を重ねて組み立てることで、サブアセンブリを形成する。このサブアセンブリは左右一対で形成される。
次いで、形成したサブアセンブリを側方から傾倒装置12310に近づけ、締結固定部410を開口部12318に挿通する際に、合わせて操作部440を左右の第2腕部430で挟むことで、操作部440の先端が第2腕部430の嵌入部433に差し込まれる。
最後に、締結固定部410を傾倒装置12310に締結固定することにより、操作部440の延設方向の第2腕部430の移動が規制されるので、操作部440がサブアセンブリから脱落することが防止され、第2傾倒装置400の傾倒装置12310への組み付けが完了する。
次いで、各部分の詳細について説明する。締結固定部410は、第1腕部420の枝部425を支持すると共に傾倒装置12310に締結固定される支持固定部411と、枝部425の先端と対向配置する箇所に配置される開口である開口部412と、を主に備える。
開口部412は、振動伝達部材470や、駆動モータ450に配線されるハーネス等(図示せず)が傾倒装置12310の内部へ侵入する際の通過経路としての機能を備える。そのため、少なくとも、振動伝達部材470の移動軌跡と干渉しない領域まで開口が広げられ、なお且つ、振動伝達部材470が移動する間にハーネス等を噛み込まない(圧迫しない)程度の隙間を確保する態様で形成される。
第1腕部420は、図64紙面手前側が開放された略長方形形状の容器として形成される本体部421と、その本体部421の内部空間へ向けて本体部421の内壁から図64紙面垂直方向に延設される支持壁422と、その支持壁422に支持された駆動モータ450の駆動軸から左右方向に均等に離れた位置まで本体部421の内部側壁から延設される延設軸支部423と、本体部421の先端側端部から左右方向に延設されると共に付勢バネSP1の一端を支持する先端支持部424と、本体部421の基端側(図64下側)端部から傾倒装置12310に近接する側へ延設される枝部425と、を主に備える。
本体部421は、先端側に比較して基端側の方が外形幅の長さが短くされる。即ち、本体部421は、第2傾倒装置400の短縮状態(図64参照)で第2腕部430の端部と対向配置される面である第1対向面421aが、第2傾倒装置400の延長状態(図65参照)で第2腕部430の端部と対向配置される面である第2対向面421bよりも本体部421の内側に形成される。なお、第1対向面421a及び第2対向面421bは、第1腕部420の全周に亘って形成される。
換言すれば、短縮状態に比較して延長状態の方が、第2腕部430の端部と第1腕部420の本体部421との間の距離が短いので、第1腕部420と第2腕部430との間における負荷伝達の緩衝作用が低減される。
支持壁422は、本体部421の左右側壁の両方から離間して配置される略Z字形状の壁部であって、駆動モータ450を面当たりで支持する外側支持壁422aと、振動伝達部材470を案内および支持する内側支持壁422bと、を主に備える。従って、支持壁422は、駆動モータ450の位置を固定する機能と、振動伝達部材470の位置変化を安定させる機能との複数の機能を備える。
内側支持壁422bは、図64において略Z字形状に屈曲した壁として形成される。図64左右方向に沿って延設される部分(中間部分)において振動伝達部材470の付勢バネSP3の一端が支持され、図64上下方向(振動伝達部材470の移動方向)に沿って延設される一対の部分(中間部分と接続する2面)において、振動伝達部材470が移動方向に案内支持される。
延設軸支部423は、伝達装置460を回転可能に軸支すると共に、伝達軸棒461が軸方向に位置ずれすることを防止する。即ち、延設軸支部423の内側面であって左右方向を向く面により伝達軸棒461が軸支され、上下方向を向く面により、ずれ防止リング463が係止される。
先端支持部424は、付勢バネSP1の一端を支持する部分であると共に、左右方向外端部が第2腕部430の内側面と対向する部分である。先端支持部424の左右方向外端部と第2腕部430の内側面との間隔の長短により、第1腕部420と第2腕部430との間における負荷の伝達効率が変化する。即ち、間隔が短い程、伝達効率が上昇する。
枝部425は、本体部421と同様に、図64紙面手前側が開放されたハーフパイプ形状から形成される。枝部425は、先端部の外側面から凸設される凸設部425aを備え、その凸設部425aは締結固定部410に内嵌される形状に形成される。
本実施形態では、組立状態において、締結固定部410の内側面が、枝部425の先端側の外側面を囲む態様で支持するところ、締結固定部410と枝部425との間の隙間の内、図64紙面垂直方向(第2傾倒装置400の伸縮方向と直交する方向)の隙間の長さに比較して、図64上下方向(第2傾倒装置400の伸縮方向)の隙間の長さの方が長く設定される。これにより第1腕部420が、締結固定部410に対して図64上下方向(第2傾倒装置400の伸縮方向)に選択的に振動し易くすることができる。
第2腕部430は、図64紙面手前側が開放された略長方形形状の容器として形成されると共に基端側(図64下側)にはみ出す態様で第1腕部420を収容可能とされる本体部431と、その本体部431の内部空間から先端側(図64上側)へ向けて凹設される調整凹部432と、本体部431の先端部において左右方向沿って凹設される嵌入部433と、本体部431の根本側において左右方向内側に延設され付勢バネSP1の端部を支持する根本支持部434と、を主に備える。
本体部431は、先端側に比較して基端側の方が内形幅の長さが短くされる。即ち、本体部431は、第2傾倒装置400の短縮状態(図64参照)で第1腕部420の端部と対向配置される面である第1対向面431aが、第2傾倒装置400の延長状態(図65参照)で第1腕部420の端部と対向配置される面である第2対向面431bよりも本体部431の外側に形成される。なお、第1対向面431a及び第2対向面431bは、第2腕部430の全周に亘って形成される。
換言すれば、短縮状態に比較して延長状態の方が、第1腕部420の端部と第2腕部430の本体部431との間の距離が短いので、第1腕部420と第2腕部430との間における負荷伝達の緩衝作用が低減される。
調整凹部432は、駆動モータ450の駆動軸を通過する態様で駆動軸に対して傾斜して形成される壁面である傾斜側面432aを備える。
嵌入部433は、操作部440の軸と直交する断面形状と略同等の内形で左右方向に凹設される凹設部として形成される。
駆動モータ450は、通電により駆動される駆動軸に固定される第1カム451を備える。なお、第1カム451の詳細については図66で後述する。
伝達装置460は、駆動モータ450の回転と連動して回転可能に第1腕部420に軸支される略円柱形状の伝達軸棒461と、その伝達軸棒461の先端側先端から伝達軸棒に対する相対回転不能に嵌入される先端調整部材462と、伝達軸棒461に径方向から差し込まれ軸方向への位置ずれ不能に固定されるずれ防止リング463と、伝達軸棒461の基端側先端から伝達軸棒に対する相対回転不能に嵌入される第2カム464と、その第2カム464とずれ防止リング463との間に配設され第2カム464を第1カム451に押し付ける付勢力を発生する付勢バネSP2と、を主に備える。ずれ防止リング463は、市販のEリングを用いることができる。
図66は、駆動モータ450及び伝達装置460の分解斜視図である。なお、図66では、駆動モータ450のケース側部分および先端調整部材462の図示が省略される。
伝達軸棒461は、両端部において径方向と垂直な平面に沿って軸方向に延びる平面壁部である平坦部461a,461bと、ずれ防止リング463を嵌め込み可能な幅で伝達軸棒461の直径を縮小させる態様で凹設される凹設溝461cと、を主に備える。
第1腕部420の先端側に配設される第1平坦部461aは、先端調整部材462を回転不能に支持する部分である。
第1腕部420の基端側に配設される第2平坦部461bは、第2カム464を回転不能に支持すると共に、第2カム464の軸方向の移動を許容する部分である。即ち、第2カム464は、第2平坦部461bが形成される範囲で軸方向の移動が可能とされる一方、第2平坦部461bの端部を越えようとする際には伝達軸棒461の断面に軸方向で係止されるので、第2平坦部461bの端部を越えて移動することはできない。従って、第2平坦部461bの軸方向長さは、第2カム464の移動を許容する長さを基準に設定される。
本実施形態では、図67で後述するように、第2カム464の軸方向の移動を許容することの一つの目的は、第1カム451と第2カム464との係合を解除し、駆動力の伝達を解除することである。従って、第2平坦部461bの軸方向の長さは、第2カム464が軸方向に移動することにより第1カム451との係合を解除できる長さを下限として設定される。
第2カム464は、中心孔が断面D字形状に形成される円筒部材であって、第1カム451と対向する下面から第1カム451に近接する側へ突出される突出部464aを備える。突出部464aは、中心位置から第2カム464の周方向両側へ向けて下降傾斜する山形状とされる。
第1カム451は、駆動モータ451の駆動軸に中心軸部分が固着される円柱部材であって、第2カム464と対向する上面から第2カム464から離反する側へ凹む凹設部451aと、径方向外側へ突設され周方向に沿って帯状に延びる帯状突部451bと、を主に備える。
凹設部451aは、第2カム464の突出部464aと噛み合う形状、即ち、中心位置から周方向両側へ向けて上昇傾斜する谷形状とされる。
帯状突部451bは、図66に示すように、第1カム451の下端に沿って軸と垂直な一平面に沿って延設される第1部位451b1と、その第1部位451b1の下面視時計回り方向端部から時計回り方向へ向かうにつれて第2カム464に近接する態様で傾斜する第2部位451b2と、を主に備える。
なお、第1カム451の凹設部451a及び第2カム464の突出部464aはそれぞれ一つずつなので、第1カム451と第2カム464との係合が解除されたあと、係合が再開する場合には、必ず同じ角度関係(位相関係)で係合が再開される。
即ち、第1カム451を回転駆動させる駆動モータ450の回転後の姿勢(または位相)は、第1カム451と第2カム464とが係合する間において、第2カム464の姿勢(または位相)と一致する。そのため、係合を解除した前後で姿勢(または位相)ずれが生じる場合に比較して、その姿勢(または位相)ずれを検出するセンサを不要とできるので、部材個数の削減を図ることができる。
図67(a)及び図67(b)は、図63(b)のLXIV−LXIV線における伝達装置460の断面図である。なお、図67(a)では、図64と同じ状態が図示され、図67(b)では、伝達装置460の回転が規制された状態で第1カム451が回転した状態が図示される。
ここで、遊技者が操作部440を握り第1腕部420側に押し込む負荷をかける場合、伝達装置460の先端調整部材462が第2腕部430の調整凹部432に係止されることで、伝達装置460の回転が規制される。そのため、第1カム450と第2カム464とが係合したままでは、駆動モータ450の駆動時に駆動モータ450に負荷がかけられ、駆動モータ450が損傷する恐れがある。
これに対し、本実施形態では、第2カム464が回転不能な状態において、第1カム451が回転を継続すると、第2カム464と第1カム451との係合が解除される態様で構成される。詳述すると、第2カム464が回転不能な状態において第1カム451が回転を継続すると、第1カム451の凹設部451aと第2カム464の突出部464aとの当接位置が周方向で変化し、これにより、凹設部451a及び突出部464aの傾斜に沿って、第2カム464が第1カム451から軸方向に離反する。
そして、図67(b)に示すように、突出部464aが第1カム451の第2カム464との対向面よりも第2カム側464側に配置される(凹設部451aから突出部454aが押し出される)と、第1カム451と第2カム464とが周方向視で干渉しなくなるので、駆動モータ450の駆動力の伝達を解除することができる。なお、この駆動力の伝達の解除は、第2傾倒装置400の状態(短縮状態や延長状態など)に関与するものではなく、任意のタイミングで行わせることができる。
従って、遊技者が操作部440を多少乱暴に扱って、駆動モータ450の駆動中に操作部440を傾倒装置12310の回転軸O1へ向けて押し込む態様の負荷が生じたとしても、駆動モータ450が損傷することを防止することができる。これにより、操作部440の操作方法の自由度を向上させることができる。
図67(b)に示す状態において、第2カム464は付勢バネSP2の付勢力により第1カム451に押し付けられる。従って、第1カム451が1周分回転し、再び図67(a)の姿勢に復帰すると、凹設部451aに突出部464aが係合し、駆動力の伝達を再開することができる。
図64及び図65に戻って説明する。先端調整部材462は、伝達軸棒461の第1平坦部461aが下面から差し込まれることにより伝達軸棒461に対して回転不能に固定される下面視円形状の柱部材であって、伝達軸棒461が回転する間の所定の姿勢(図64参照)において傾斜側面432aと面で当接する傾斜面部462aと、その傾斜面部462aの先端側端部と連結されると共に軸方向と直交する平面として形成される先端平面462bと、を主に備える。
図64から図65への変化は、駆動モータ450の回転軸を180度回転させることにより生じる。詳述すれば、回転により先端平面462bの配置(位相)が変化して、傾斜側面432aとの当接位置が変化し、これにより操作部440の位置が変化する。そのため、駆動モータ450の回転速度を調整することにより、操作部440の移動速度を変化させることができる。
振動伝達部材470は、内側支持壁422bと対向配置されると共に第1腕部420の延設方向に沿って延設される被案内腕部471と、その被案内腕部471の下端部から回転軸O1に沿って傾倒装置12310の中心側へ延設される中間延設部472と、その中間延設部472の延設先端から回転軸O1へ向かう直線に沿って駆動モータM1の錘部材M1aへ近接する態様で延設されると共に、回転軸O1に近接する配置の際に錘部材M1aと当接可能に形成される被衝突部473と、被案内腕部471の先端に端部が固定される付勢バネSP3と、を主に備える。
短縮状態(図64参照)では、付勢バネSP3の付勢力により振動伝達部材は錘部材M1aから離反し、延長状態(図65参照)では、帯状突起451bにより被案内腕部471が押し下げられ、錘部材M1aに近接配置される。
この近接配置された状態において、駆動モータM1が回転すると、錘部材M1aが振動伝達部材470側に配置された時に錘部材M1aと振動伝達部材470が互いに衝突し、錘部材M1aが振動伝達部材470の反対側に配置された時には互いに離間する。
錘部材M1aと対向配置される被衝突部473の先端面は、伝達軸棒461の延設方向と直交する平面と平行な平面から形成される。そのため、錘部材M1aと被衝突部473との衝突時には、伝達軸棒461の延設方向(図64上下方向)に沿った負荷が振動伝達部材470にかけられる。
そのため、駆動モータM1の駆動により錘部材M1aが回転することに伴って、振動伝達部材470を第1腕部420の延設方向(図64上下方向)、即ち、傾倒装置12310の操作方向と直交する方向に沿って振動させることができる。
この振動伝達部材470の振動は、第1腕部420、第2腕部430及び操作部440に順に伝達され、操作部440に触れる遊技者の手指を振動させる。このとき、振動伝達部材470の振動は、傾倒装置12310の回転軸O1を中心とした円の径方向に沿って生じる振動なので、操作部440の位置が回転軸O1から遠くなることにつれて振動が小さくなることを防止することができる。
即ち、傾倒装置12310の回転軸O1を中心とした円の周方向に沿って生じる振動の場合、回転軸O1から遠ざかる程(腕が伸びる程)、振動により遊技者が感じる負荷は、モーメント一定の考え方から小さくなるので、遊技者に振動を感じさせることが困難となる。
これに対し、本実施形態では、傾倒装置12310の回転軸O1を中心とした円の径方向に沿って振動が生じるので、回転軸O1からの距離に関わらず、振動により遊技者が感じる負荷を同等とすることができる。これにより、延長状態(図65参照)においても、振動演出を効果的に行うことができる。
ここで、振動の伝達について、短縮状態と延長状態とを比較して説明する。操作部440に伝達される振動の態様は2系統ある。即ち、駆動モータM1の振動により傾倒装置12310が回転動作することにより生じる回転方向の振動と、錘部材M1aに振動伝達部材470が衝突することにより生じる伝達軸棒461の軸方向の振動と、である。これら2系統の振動は、短縮状態において伝達効率が低くされ、延長状態において伝達効率が高くされる。以下、詳細について説明する。
まず、短縮状態における伝達軸棒461の軸方向の振動について説明する。短縮状態(図64参照)では、付勢バネSP1の付勢力が第2腕部430を第1腕部420に近づける方向に向けて第2腕部430に与えられる。この際、付勢バネSP1は、延長状態(図65参照)の場合に比較して伸張しているので、その付勢力は延長状態の場合に比較して小さくなる。従って、第1腕部420と第2腕部430との位置ずれが生じやすくなり、第1腕部420が伝達軸棒461の軸方向に沿って振動する場合(特に第2腕部430から離反する方向に移動する場合)の第1腕部420から第2腕部430への振動伝達効率が低減される。
次いで、短縮状態における傾倒装置12310の回転方向の振動について説明する。短縮状態(図64参照)では、第1腕部420の先端支持部424と対向配置される第2腕部430の第1対向面431aとの間に隙間が形成されると共に、第2腕部430の根本支持部434と対向配置される第1腕部420の第1対向面421aとの間に隙間が形成される。これら隙間幅の長さは、第1腕部420に対して第2腕部430が位置ずれ可能な長さとなり、第1腕部420が第2腕部430に対して相対的に位置ずれすることにより駆動モータM1が回転する際に生じる傾倒装置12310の回転方向の振動が吸収される。これにより、第1腕部420から第2腕部430への振動伝達効率が低減される。
次いで、延長状態における伝達軸棒461の軸方向の振動について説明する。延長状態(図65参照)では、付勢バネSP1の付勢力が第2腕部430を第1腕部420に近づける方向に向けて第2腕部430に与えられることは短縮状態と同じであるが、先端調整部材462が回転する事により、第2腕部430が第1腕部420から離反する方向に移動する。この際、付勢バネSP1は、短縮状態(図64参照)の場合に比較して短縮しているので、その付勢力は短縮状態の場合に比較して大きくなる。従って、第1腕部420と第2腕部430との位置ずれが生じ難くなり、第1腕部420が伝達軸棒461の軸方向に沿って振動する場合の第1腕部420から第2腕部430への振動伝達効率が確保される(増大する)。
付勢バネSP1は、このように、操作部440を短縮状態(図64参照)に復帰させる作用と、振動伝達効率の調整とに兼用されている。これにより、部品個数の削減を図ることができる。
次いで、延長状態における傾倒装置12310の回転方向の振動について説明する。延長状態(図65参照)では、第1腕部420の先端支持部424と対向配置される第2腕部430の第2対向面431bとの間の隙間が極めて小さくされると共に、第2腕部430の根本支持部434と対向配置される第1腕部420の第2対向面421bとの間の隙間が極めて小さくされる。そのため、駆動モータM1が回転する際に生じる傾倒装置12310の回転方向の振動を吸収できるほどの隙間を無くすことができ、第1腕部420から第2腕部430への振動伝達効率を確保することができる(増加することができる)。
上述したように、本実施形態では、2系統の振動態様において、短縮状態で振動の伝達効率を低減する一方で、延長状態で振動の伝達効率を増加させることができる。これにより、操作部440が回転軸O1から離れ、操作し易い状態において遊技者に与える振動が小さくなるという問題を解消することができる。
即ち、振動装置と操作位置とは、振動装置の故障防止の観点からは距離を確保する方が望ましい。距離を確保すれば、遊技者が激しく叩くような態様で操作した場合であっても、操作時の衝撃が振動装置に伝達する前に減衰されるので、振動装置の故障を防止することができる。一方で、操作位置に伝達される振動は、振動装置と操作位置とが離れる程小さくなり易い。そのため、振動装置の故障を防止しつつ、振動感(遊技者に与えられる振動の程度、大きさ)を維持できる遊技機が望まれていた。
特に、本実施形態のように、操作位置が振動装置に対して移動する場合、その移動前後において操作時の振動感が変化すること、特に、遊技者が操作し易い位置に操作位置が移動するにつれて操作時の振動感が減少することは、遊技者に与える興趣を高める観点から、避けるべきである。
これは、期待度が高い演出ほど、遊技者が操作し易くなるように操作位置が移動することが望ましいことは明らかであり、加えて、操作後の大当たり演出などで遊技者に大きな振動を与えられることが望ましいからである。
本実施形態では、短縮状態に比較して延長状態の方が、操作部440が遊技者にとって操作し易い(遊技者に与える反力が小さくなる)配置とされる。駆動モータM1と操作部440との間の距離は短縮状態に比較して延長状態の方が長くなる(振動の伝達が困難になる)一方で、振動の伝達効率は、短縮状態に比較して延長状態の方が増加する(振動の伝達が容易になる)。従って、振動の伝達効率を調整することにより、短縮状態における振動感と、延長状態における振動感との差を縮めることができ、振動感の平準化を図ることができる。
短縮状態において(図64参照)、傾倒装置12310の上カバー12311から駆動モータM1までの距離と、操作部440から駆動モータM1までの距離とは、ほぼ同じである。一方で、上カバー12311は駆動モータM1と位置ずれすることなく固定されるが、操作部440は第1腕部420や第2腕部430が互いに位置ずれすることにより駆動モータM1に対して位置ずれ可能とされる。特に、短縮状態では、第1腕部420と第2腕部430との間に隙間が生じる。
従って、短縮状態(図64参照)において、傾倒装置12310に触れて操作を行う場合に比較して、操作部440に触れて操作を行う場合の方が、遊技者に与えられる振動を小さくすることができる。
そのため、例えば、操作部440に触れる遊技者に与える振動を認識可能な大きさよりも小さくできる場合には、駆動モータM1を駆動していることに気付かれたく無い演出中に、敢えて操作部440の操作を促す報知を行っても良い。これにより、遊技者に操作部440を操作させることにより、傾倒装置12310を回転動作させ、駆動モータM1による傾倒装置12310の振動をその回転動作に紛れさせることができるので、傾倒装置12310が上昇位置で停止している場合に比較して振動を遊技者に気付かれ難くすることができる。
これによれば、操作部440を操作させることで、同時に傾倒装置12310の回転動作にもつながる。駆動モータM1の動作の有無を遊技者に気づかれたく無い場合には操作部440を操作することを促す報知を行えば、振動に気付かれ難くすることができるので、駆動モータM1の動作タイミングと、遊技者の操作タイミングとを任意に設定した場合であっても、操作を行った遊技者が駆動モータM1の動作(動作振動など)に気付く可能性を低くすることができる。これにより、駆動モータM1の動作自由度を向上させることができる。
図68(a)及び図68(b)は、操作デバイス12300の側面図である。なお、図68(a)では、短縮状態が図示され、図68(b)では、延長状態が図示される。
この状態の変化は、駆動モータ450の回転により生じるところ、駆動モータ450は、第1腕部420の回転軸O1に近接する側に配設される。これにより、駆動モータ450の態様年数を長くすることができる。
即ち、傾倒装置12310は回転軸O1を中心として回転動作する装置であるので、同じように移動する場合であっても、回転軸O1付近の方が、回転軸O1から離れた位置に比較して動作速度が小さくなる。そのため、遊技者の操作により生じる衝撃は、回転軸O1から離れた位置に比較して、回転軸O1付近の方が小さくなる。従って、駆動モータ450を第1腕部420の回転軸O1に近接する側に配設することにより、駆動モータ450の態様年数を長くすることができる。
また、駆動モータ450を回転軸O1付近に配置することにより、駆動モータ450の自重により傾倒装置12310に回転軸O1中心で発生するモーメントを小さくすることができる。これにより、小さな反力で傾倒装置12310を上昇位置に維持することができるので、ねじりバネ343の付勢力の設定自由度を向上させることができる。即ち、遊技者に返す反力の設定自由度を向上させることができるので、例えば、反力の設定により、連打感をより向上させることができる。
図68(b)に示すように、延長状態では、短縮状態に比較して操作部440と回転軸O1との間隔が、傾倒装置12310の湾曲壁部316と回転軸O1との間隔よりも長くなる。そのため、遊技者が操作デバイス12300を操作可能な範囲である操作可能範囲が、短縮状態における回転軸O1から湾曲壁部316までの範囲よりも大きくなる。従って、延長状態では、遊技者が操作を行うことができる範囲が広がるので、操作時の疲労感を低減することができる。
更に、延長状態では、操作可能範囲の最外部に配置される操作部440を操作する遊技者に与える反力が最小とされる。即ち、傾倒装置12310を操作する場合に比較して、操作部440を操作する方が、遊技者に与えられる反力を低減することができる。これにより、延長状態では操作部440を操作した方が傾倒装置12310を操作するよりも遊技者が感じるストレス(疲労感など)を小さくできるので、遊技者に操作部440を操作するように促すことを容易とすることができる。
本実施形態では、上述したように、締結固定部410と枝部425との間に隙間が形成される。そのため、操作部440が急速にペダル操作された場合であっても、隙間の分だけ、締結固定部410が固定された傾倒装置12310と、操作部440とを、負荷が与えられるまでの配置に比較して位置ずれさせることができるので、第2傾倒装置400と傾倒装置12310との連結位置にかけられる負荷を低減することができる。これにより、遊技者の操作により第2傾倒装置400と傾倒装置12310とが連結位置付近で破損することを防止することができる。
本実施形態では、短縮状態(図64参照)では、先端調整部材462と第2腕部430の調整凹部432とが第2腕部430の伸縮方向(図64上下方向)と直交する方向でも係合する(嵌合が密である)一方で、延長状態(図65参照)では、先端調整部材462の先端平面462bが第2腕部430の下側面と当接するに留まり、第2腕部430の伸縮方向と直交する方向の係合が解除される(嵌合が緩くなる)。
これにより、短縮状態に比較して、延長状態の方が、第1腕部420に対して第2腕部430を第2腕部430の伸縮方向と直交する方向へ傾倒し易くすることができる。例えば、第2腕部430の根本支持部434付近を軸とした第1腕部420に対する第2腕部430の傾倒を容易にさせることができる(第1腕部420に対して第2腕部430を撓りやすくすることができる)。従って、遊技者が操作部440を操作した場合に、第2腕部430が破損することを防止することができる。
図68に示すように、短縮状態では、第2傾倒装置400の操作部440が傾倒装置12310の操作方向(例えば、押圧板部312の一部分の法線方向)で干渉する。そのため、短縮状態において傾倒装置12310を遊技者が操作する場合、操作部440を障害とすることができ、遊技者に押し難さを感じさせることができる。
一方、延長状態では、第2傾倒装置400の操作部440が傾倒装置12310の操作方向(押圧板部312の一部分の法線方向)で干渉しないので、操作部440に邪魔されることなく、遊技者は傾倒装置12310をペダル操作することができる。
また、延長状態において傾倒装置12310をペダル操作開始する場合の押圧板部312の外面であって遊技者に対向する面の法線の方向が、第2傾倒装置400の操作開始方向(回転軸O1を中心として操作部440に外接する円の接線方向)に比較して、鉛直方向に対する傾斜角度が小さくなる(より上方を仰ぐ方向となる)ので、傾倒装置400を操作する場合に比較して、押し込み操作する際に遊技者が感じるストレスを低減することができる(押し込み操作が容易になる)。
本実施形態では、延長状態における操作部440の軸中心と回転軸O1との間隔は、短縮状態における操作部440の軸中心と回転軸O1との間隔の約1.25倍とされる。
図68に示すように、操作部440は、回転軸O1を中心とした円の径方向(傾倒装置12310の操作方向に直交する方向)に移動する。そのため、操作部440の移動距離に対する、操作部440を操作する遊技者に与える負荷の変化量を最大とすることができる。
また、本実施形態によれば、例えば、第3図柄表示装置81等で傾倒装置12310の押し込み操作を指示する報知を行う期間である操作指示期間の駆動モータ450の動作速度と、遊技者の押し込み操作速度との違いを、反力の違いとして、遊技者に与えることができる。
即ち、例えば、操作指示期間の間に延長状態から短縮状態へ向けて徐々に駆動モータ450を動作させる場合、短縮状態に変化しきる前に押し込み操作を完了する場合に比較して、短縮状態に変化しきった後で押し込み操作を完了する場合の方が遊技者に与えられる負荷(反力)は小さくなる。
そのため、例えば、各センサS1〜S3により遊技者の操作が検出されてから、駆動モータ450を動作開始することにより、短縮状態に変化しきる前に押し込み操作を完了できるか否かを、遊技者の操作速度と対応付けることができる。従って、遊技者の操作速度の変化に応じて、遊技者に与える反力を変化させることができる。
本実施形態では、振動伝達部材470を介して伝達される駆動モータM1の駆動力により第2傾倒装置400が振動する場合、振動伝達部材470を収容する第1腕部420、駆動モータ450及び伝達装置460が一体で振動する。従って、駆動モータ450と伝達装置460とが振動により軸ずれして、伝達抵抗が増加する等の不具合を防止することができる。
本実施形態では、操作部440が伸びて、延長状態となり傾倒操作を行い易くなるほど、操作部440と回転軸O1とを結ぶ直線に沿った、操作部440から遊技盤13までの間隔が短くなる(操作部440を回転軸O1側へ押し込む際の遊技者の手指の振り上げ幅が短くなる)。
そのため、遊技者が操作部440を回転軸O1へ向けて誤って移動させる場合に、加速度が大きくなり最も速度が大きくなり易い延長状態において、遊技者が付けることのできる加速度を小さくでき(手指の振り上げ幅を短くでき)、最終的な操作部440の速度を低減することができる。これにより、操作部440が回転軸O1へ向けて移動して終端に到達する際の衝撃を抑制することができる。即ち、遊技者の操作により生じる加速度(手指の振り上げ幅から予想される加速度)を予め小さくすることにより、操作部440が終端位置に到達した(短縮状態となった)場合の衝撃を抑制することができる。
次いで、図69を参照して、第13実施形態について説明する。第12実施形態では、第2傾倒装置400及び傾倒装置12310の遊技者に対向する面が異なる場合を説明したが、第13実施形態における操作デバイス13300は、第2傾倒装置13400及び傾倒装置13310の遊技者に対向する面が略同一面とされる。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図69(a)及び図69(b)は、第13実施形態における操作デバイス13300の図19(a)のXIXb−XIXb線に対応する線における断面図である。なお、図69(a)では、第2傾倒装置13400の短縮状態が図示され、図69(b)では、第2傾倒装置13400の延長状態が図示される。また、本実施形態では、傾倒装置13310の上端位置が下方へ向けて凹設され、その凹設部に操作部440が配置可能とされる。
第2傾倒装置13400は、第12実施形態の第2傾倒装置12400と略同等の構成を備え、締結固定部410の傾倒装置13310との固定角度のみが異なる。即ち、図69(a)及び図69(b)に示すように、傾倒装置13310の遊技者との対向面に沿った方向SD1に操作部440が伸縮動作する。
これにより、短縮状態においては、第1実施形態で上述した傾倒装置310と同様の操作感を現出できると共に、延長状態においては、遊技者と対向する面(操作面)の変化を抑制して操作感が著しく変化することを防止しながら遊技者が操作可能な部分の回転軸O1からの最大距離を伸ばすことにより、操作部440を操作する場合には傾倒装置13310を介して遊技者に与えられる負荷(反力)の最大値を低下させることができる。
なお、延長状態においては、回転軸O1を中心とするモーメントの関係が短縮状態に比較して変化し、傾倒装置13310及び第2傾倒装置13400が押し込み前の姿勢に復帰するまでの時間が長くなる。従って、傾倒装置13310が下降位置まで押し込み操作された後で第2傾倒装置13400を延長状態に変化させることにより、傾倒装置13310及び第2傾倒装置13400の復帰速度を小さくする演出を行うことができる。
次いで、図70を参照して、第14実施形態について説明する。第13実施形態では、第2傾倒装置13400及び傾倒装置13310の遊技者に対向する面が略同一面とされる場合を説明したが、第14実施形態における操作デバイス14300は、第2傾倒装置14400の遊技者に対向する面(操作部14400が、短縮状態と延長状態との間で変化する際に形成される面)の傾斜角度が、傾倒装置14310の遊技者に対向する面の傾斜角度よりも浅く設定される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図70(a)及び図70(b)は、第14実施形態における操作デバイス14300の図19(a)のXIXb−XIXb線に対応する線における断面図である。なお、図70(a)では、第2傾倒装置14400の短縮状態が図示され、図70(b)では、第2傾倒装置14400の延長状態が図示される。また、本実施形態では、傾倒装置14310の上端位置が下方へ向けて凹設され、その凹設部に操作部14440が配置可能とされる。
第2傾倒装置14400は、第13実施形態の第2傾倒装置13400と略同等の構成を備え、操作部14440の態様のみが異なる。即ち、図70(a)及び図70(b)に示すように、操作部14400は。第2傾倒装置14400の伸縮方向に平行な平面で等間隔にスライスされ、それらが図示しないゴム状の保護膜で巻かれることで円柱形状を保つ態様で構成される。
操作部14440は、等間隔にスライスされる部材の内、最も遊技者と対向する面に近接配置されると共に傾倒装置14310に係合固定される近接部14441と、その近接部14441の真反対に配置されると共に第2腕部430に固定される先端固定部14442と、それら近接部14441及び先端固定部14442の間に配置され、隣設される部材に対して相対移動可能に互いに連結される中間連動部14443と、を主に備える。
図70(a)に示すように、短縮状態では、傾倒装置14310の上面と交差する方向で近接部14441と先端固定部14442とが一致し、保護膜の伸び量が最小とされ、中間連動部14443も含めた操作部14440が円柱形状となる。この状態では、第13実施形態の短縮状態と変化は無い。
一方、図70(b)に示すように、延長状態では、傾倒装置14310の上面と交差する方向で近接部14441と先端固定部14442とが位置ずれし、保護膜の伸び量が最大とされ、保護膜の張力により中間連動部14443が移動する。これにより、中間連動部14443も含めた操作部14440が、傾倒装置14310の上面の水平方向に対する傾斜角度に対して、水平方向に対する傾斜角度が小さい方向SD2に沿って延設される略長尺帯形状となる。
これにより、短縮状態においては、第1実施形態で上述した傾倒装置310と同様の操作感を現出できると共に、延長状態においては、傾倒装置14310の上端位置の高さの変化を抑制することにより、遊技者が操作開始しようとしたタイミングで第2傾倒装置14400を駆動させた場合でも、突然、操作位置の高さが変化した場合に比較して遊技者に与える違和感を低減させつつ、遊技者が操作可能な部分の回転軸O1からの最大距離を伸ばすことにより、操作部14440を操作する場合に傾倒装置14310を介して遊技者に与えられる負荷(反力)の最大値を低下させることができる。
なお、延長状態においては、回転軸O1を中心とするモーメントの関係が短縮状態に比較して変化し、傾倒装置14310及び第2傾倒装置14400が押し込み前の姿勢に復帰するまでの時間が長くなる。従って、傾倒装置14310が下降位置まで押し込み操作された後で第2傾倒装置14400を延長状態に変化させることにより、傾倒装置14310及び第2傾倒装置14400の復帰速度を小さくする演出を行うことができる。
次いで、図71及び図72を参照して、第15実施形態について説明する。第12実施形態では、第2傾倒装置400をペダル操作する場合に第2傾倒装置400と傾倒装置12310とが常時連動する場合を説明したが、第15実施形態における操作デバイス15300は、第2傾倒装置15400が傾倒装置310に対して相対回転可能な態様で下ケース15360及び上ケース15370に支持される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図71(a)及び図71(b)は、第15実施形態における操作デバイス15300の側面図である。なお、図71(a)では、第2傾倒装置15400の短縮状態が図示され、図71(b)では、第2傾倒装置15400の延長状態が図示されると共に、傾倒装置310が押し込み操作された状態が図示される。
第2傾倒装置15400は、第12実施形態の第2傾倒装置12400と略同等の構成を備える一方で、締結固定部410の替わりに第1腕部15420の下端位置において下ケース15360と上ケース15370とに回転可能に支持される被軸支部15410を備える。被軸支部15410は、傾倒装置310の回転軸O1と同軸で回転可能に支持される。
第1腕部15420は、枝部425が形成されず振動伝達部材470が張り出さないこと及び下面から検出切片15426が延設される以外は、第12実施形態における第1腕部420と略同等の構成を備える。即ち、内部に駆動モータ450及び伝達装置460を備え、第2腕部430と伸縮可能に連結される。
このような構成により、第2傾倒装置15400は傾倒装置310と独立して動作可能とされる。第2傾倒装置15400の動作を単独で検出する構成について、説明する。上ケース15370は、第2傾倒部材15400の根本付近において上ケース15370との間に挟まれる態様で上ケース15370に支持され第2傾倒装置15400を初期姿勢(図71(a)参照)に戻す方向の付勢力を発生させるねじりバネ15371と、検出切片15426の位置を検出することで第1腕部15420の傾倒を認識可能に配置される検出センサ15372と、第1腕部15420の下面と当接可能に配置される当接上面15373と、を主に備える。
傾倒装置310を押し込み操作する場合、第2傾倒装置15400には負荷がかけられず、又、第2傾倒装置15400はねじりバネ15371の付勢力が初期姿勢に維持する態様で働くことから、第2傾倒装置15400は初期姿勢で維持される。即ち、傾倒装置310の押し込み操作時に、傾倒装置310の復帰速度が第2傾倒装置15400から生じるモーメントの影響を受けることが無いので、第2傾倒装置15400の状態によらず、傾倒装置310の復帰速度を設定することができる。
従って、第2傾倒装置15400の状態により傾倒装置310の復帰態様が変化することは無いので、第2傾倒装置15400の状態に関わらず、遊技者に適切な負荷を与えることができる。例えば、遊技者が傾倒装置310を連打操作する場合には、適切な連打感を与えることができる。
図71(b)に示すように、第2傾倒装置15400の延長状態では、操作部440が円弧R12の外方に配置される。そのため、操作部440を遊技者が把持し、第2傾倒装置15400を押し込み操作する場合、傾倒装置310に触れることなく、その押し込み操作を完了することができる。即ち、第2傾倒装置15400又は傾倒装置310のどちらか一方を、単独で押し込み操作することができる。
このとき、第2傾倒装置15400の傾倒が完了した姿勢である傾倒姿勢(図72(b)参照)において、検出切片15426が検出センサ15372の検出溝に挿通され検出センサ15372から信号が出力されることにより、第2傾倒装置15400が押し込み操作されたことをMPU201(図4参照)に認識させることができる。即ち、検出センサ15373が、第2傾倒装置15400の操作を検出するセンサとして機能する。
図72(a)及び図72(b)は、操作デバイス15300の側面図である。なお、図72(a)及び図72(b)では、第2傾倒装置15400の短縮状態が図示される。また、図72(a)では、図71(a)から第2傾倒装置15400が傾倒し第2傾倒装置15400の操作部440が傾倒装置310の上カバー311と当接開始する状態が図示され、図72(b)では、図72(a)に示す状態から、更に第2傾倒装置15400が傾倒し、操作部440が傾倒装置310に当接することにより傾倒装置310が押し込まれ、第2傾倒装置15400が傾倒姿勢とされた状態が図示される。
第2傾倒装置15400が傾倒姿勢となるまで傾倒する際に、操作部440に傾倒装置310が押されて、傾倒装置310が傾倒する場合、図72(b)に示すように、傾倒装置310は下降位置までは到達しない(上昇位置と下降位置との中間に留まる)。なお、第2傾倒装置15400の傾倒可能角度は、傾倒装置310と同様の角度(約21度)に設定される。
本実施形態によれば、第2傾倒装置15400が短縮状態であっても、傾倒装置310単独で押し込み完了位置まで押し込み操作することが可能とされる。一方で、第2傾倒装置15400が短縮状態である場合に、操作部440を把持して単独で押し込み操作した場合、図71(a)に示す状態から図72(a)に示す状態までは第2傾倒装置15400を単独で押し込み操作することが可能であり、それ以降(図72(b)参照)は、第2傾倒装置15400を押し込み操作することに伴い傾倒装置310も押し込み操作される。即ち、第2傾倒装置15400単独で押し込み完了位置(傾倒姿勢)まで押し込み操作することが不可能とされる。
従って、傾倒装置310を手指で押して操作する場合に比較して、第2傾倒装置15400の操作部440を把持して押し込み操作する場合の方が、遊技者に与える反力の変化を分かり易くすることができる。即ち、操作により押し込まれる対象が、第2傾倒装置15400のみ(図72(a)参照)から、第2傾倒装置15400及び傾倒装置310に増える(図72(b)参照)ことにより、遊技者に視覚的に反力の変化を把握させることができる。
なお、短縮状態において、操作部440を把持して操作しているか、傾倒装置310を手指で押して操作しているかは、各センサS1〜S3,15372からのMPU201への入力を判定することにより判断することができる。
例えば、傾倒装置310を遊技者が操作する場合、第2傾倒装置15400は初期姿勢で維持されるので、検出センサ15372からMPU201への入力は無い一方で、傾倒装置310の姿勢変化に伴って、検出センサS1〜S3からMPU201への入力が生じる。
一方、例えば、第2傾倒装置15400を遊技者が操作する場合、第2傾倒装置15400が押し込まれることに伴って、検出センサ15372からMPU201への入力が生じる。
このように、第2傾倒装置15400と傾倒装置310とは、一部の範囲では同時に、且つ同方向に移動する操作部材で有りながら、どちらを操作されているかを判定することができる。これにより、例えば、遊技者が第3図柄表示装置81の報知通りの操作対象を操作しているか否かを判定することができる。
本実施形態では、振動伝達部材470(図64参照)が配設されないので、駆動モータM1の振動は、傾倒装置310を介してしか第2傾倒装置15400へ伝達されない。即ち、第2傾倒装置15400を押し込み操作する場合、図71(a)から図72(a)までの状態では駆動モータM1の振動の伝達が遮断され、図72(a)から図72(b)までの状態では、駆動モータM1の振動が傾倒装置310及び操作部440の当接位置を介して遊技者に伝達される。
次いで、図73から図75を参照して、第16実施形態について説明する。第10実施形態では、移動端部材10362dが傾倒装置310に押し込まれて下降する場合を説明したが、第16実施形態における操作デバイス16300は、移動端部材10362dを、傾倒装置310の姿勢変化に関わらず自動下降させる下降装置16362gを備える。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図73(a)及び図73(b)は、第16実施形態における操作デバイス16300の図19(a)のXIXb−XIXb線に対応する線における部分断面図である。なお、図73(a)では、傾倒装置310がペダル操作され作用爪部332がピストン部材362aの端部に当接開始した状態が図示され、図73(b)では、図73(a)に示す状態から下降装置16362gにより移動端部材10362dが移動可能長さの1/3の長さだけ下降した状態が図示される。また、図73(a)では、段付き部材10362fが前側(図73(a)左側、第1位置)に配置された状態が図示され、図73(b)では、段付き部材10362fが後側(図73(b)右側、第2位置)に配置された状態が図示される。
図73(a)に示すように、操作デバイス16300は、上述した傾倒装置310と、その傾倒装置310のリング部材BR1を下側から支持する凹設軸受け部361a(図9参照)を有すると共に傾倒装置310の押し込み終端を形成する下ケース16360と、傾倒装置310のリング部材BR1を上側から支持し下ケース16360と向かい合わせで配置される凹設部を有し下ケース16360との間に傾倒部材310を配置する態様で下ケース16360に締結固定されると共に傾倒装置310と当接することで傾倒装置310の上昇位置を定める(コ字状枠の内周縁部に傾倒装置310が当接される)上ケース370(図9参照)と、を主に備える。
下ケース16360について説明する。下ケース16360は、上方が開放された皿状に形成される底受け部材361と、その底受け部材361に下方から組み付けられると共に上下方向(図73(a)上下方向)に移動可能に支持されるピストン部材362aを有する付勢装置16362と、底受け部材361の上側に固定され電力が供給される部材が集合配置される電力作用装置363と、を主に備える。
付勢装置16362は、作用爪部332を通して傾倒装置310に付勢力を負荷する装置であり、筒状受け部361cの内側を上下方向に動作可能に支持されると共に下方に開放される有底筒形状のピストン部材362aと、そのピストン部材362aの開放端部からピストン部材362aに収容されるコイルスプリング362bと、金属などの剛性の高い材料から構成され筒状受け部361cの下側開口部に蓋をする態様で底受け部材361に締結固定される底蓋部材362cと、コイルスプリング362bに下端側から当接可能に配置され、上下方向にスライド移動可能に底受け部材361に支持される移動端部材10362dと、その移動端部材10362dと底蓋部材362cとの間に配設され移動端部材10362dを上方へ向けて付勢する戻りバネ16362eと、移動端部材10362dの移動方向と直交する方向(前後方向、図51(a)左右方向)から、移動端部材10362dに近い第1位置と、移動端部材10362dから遠い第2位置との間を移動可能とされる段付き部材10362fと、底受け部材361に締結固定されると共に段付き部材10362fを移動端部材10362dの移動方向と直交する方向に沿って駆動させる駆動ソレノイドSOL10と、移動端部材10362dに乗る態様で下方向の負荷を与えることで移動端部材10362dの上下位置を変化可能に構成される下降装置16362gと、を主に備える。
コイルスプリング362bは、本実施形態では、図73(a)に示す状態が自然長とされる。即ち、ピストン部材362aが上端位置に配置される状態が、コイルスプリング362bの自然長とされる。
戻りバネ16362eは、コイルスプリング362bに比較して弾性係数が同等のスプリング部材から形成される。即ち、戻りバネ16362eとコイルスプリング362bとでは、同様の反力を発生させるために要する変位が同等となる。そのため、段付き部材10362fが第2位置(図73(b)参照)に配置される場合に、傾倒装置310によりピストン部材362aが押し込まれ、コイルスプリング362b及び戻りバネ16362eが伸縮する際の変位量は、1対1(コイルスプリング362bの変位量:戻りバネ16362eの変位量=1:1)になる。
下降装置16362gは、移動端部材10362dに上下方向視で重なる位置に配置される移動部材16362g1と、その移動部材16362g1に挿通される棒部材であって外形が雄ネジ形状に形成される螺子棒16362g2と、その螺子棒16362g2を回転させると共に底蓋部材362c又はパチンコ機10に固定される駆動モータ16362g3と、その駆動モータ16362g3の側壁から螺子棒16362g2の延伸方向と平行に延設されると共に移動部材16362g1の側面と面で当接し移動部材16362g1の回転を防止する回転防止板16362g4と、を主に備える。
本実施形態によれば、下降装置16362gにより、移動端部材10362dを予め任意量下降させることができ、その後で段付き部材10362fを第1位置に配置することで、移動端部材10362dの位置を変化させることができる。そのため、傾倒装置310の配置に対応して傾倒装置310を介して遊技者に与えられる負荷(反力)を変化させることができる。
移動部材16362g1は、上下方向に沿って貫通する貫通孔を備え、その貫通孔に雌ネジ形状が形成される。その雌ネジ形状と、螺子棒16362gの雄ネジ形状とが若干の隙間を空けて螺合可能に形成される。駆動モータ16362g3が駆動し、螺子棒16362g2が回転すると、所謂、ボール螺子の機構により、移動部材16362g1が上下に動作する。
図73(a)に示す状態では、下降装置16362gの移動部材16362g1が移動範囲の上端位置に配置されると共に、段付き部材16362fが第1位置に配置される。この状態で傾倒装置310がペダル操作されたとしても、段付き部材10362fにより移動端部材10362dが下支えされていることから、移動端部材10362dの上端位置からの下降が防止される。従って、傾倒装置310の操作に伴って遊技者に与えられる負荷(反力)は、第1実施形態と同様となる。
図73(b)に示す状態では、段付き部材16362fが第2位置に配置され、移動端部材10362dが上下移動可能とされると共に、下降装置16362gの移動部材16362g1が下降動作され移動端部材10362dが上端位置と下端位置との間の位置に配置される。このように、本実施形態では、傾倒装置310がペダル操作される前に、予め移動端部材10362dの配置を変化させることができる。
図73(b)に示すように、移動端部材10362dを予め下降させておく場合、ピストン部材362aも同様に下降されるので、傾倒装置310の作用爪部332とピストン部材362aとの当接タイミングを遅らせることができる。即ち、傾倒装置310をペダル操作する遊技者に与える反力に付勢装置16362により発生する反力が加えられるタイミングにおける傾倒装置310の上昇位置からの傾倒装置310の傾倒角度(姿勢変化分の角度)が大きくなる。
これにより、遊技者に異なった操作感を与えることができる。即ち、傾倒装置310を操作する遊技者は、毎回の操作により、傾倒装置310をどの程度押し込めば、どの程度の反力が生じるかを徐々に覚えるところ、例えば、反力が生じ始めるタイミングを変えることで、遊技者に、いつもと状況が違うという違和感を与えることができる。
従って、反力が生じ始めるタイミングの違いを大当たり期待度の違いと対応付けて下降装置16362gを駆動制御する(例えば、大当たり期待度が大きい時には、移動部材16362g1をより大幅に下降させる)ことにより、遊技者に与えられる違和感と、大当たり期待度の違いとを対応付けることができるので、その違和感が生じるか否かを確認することを一つの目的として、傾倒装置310の押し込み操作を促進することができる。
図73(b)に示す状態で傾倒装置310を下降位置までペダル操作する場合について説明する。戻りバネ16362eは既に変位しているので、その分の付勢力が移動端部材10362dに上向きにかけられる。そのため、作用爪部332がピストン部材362aを押し下げたとしても、コイルスプリング362bから生じる下向きの付勢力が戻りバネ16362eの付勢力未満の状態では、移動端部材10362dが上端位置に維持される。
一方、コイルスプリング362bから生じる下向きの付勢力が戻りバネ16362eの付勢力に到達した後、即ち、コイルスプリング362bの変位量が戻りバネ16362eの変位量に到達した後は、互いの付勢力を釣り合わせる態様で、コイルスプリング362b及び戻りバネ16362eが共に縮むことにより、移動端部材10362dが下降し、移動部材16362g1から離間する。
この場合、ピストン部材362aの最終的な配置も、コイルスプリング362b及び戻りバネ16362eの変位量を同等にできていることも、段付き部材10362fが第2位置に配置されると共に移動端部材10362dが上端位置に配置された状態(図73(a)に示す状態から段付き部材10362fが第2位置に配置された状態)で傾倒装置310をペダル操作する場合と同様である。
そのため、段付き部材10362fが第2位置に配置されると共に移動端部材10362dが上端位置に配置された状態で傾倒装置310をペダル操作する場合と、図73(b)に示す状態で傾倒装置310をペダル操作する場合とで、傾倒装置310を下降位置までペダル操作した直後に遊技者に与えられる負荷(反力)は変化しない。
従って、傾倒装置310をペダル操作する遊技者に与える負荷(反力)の発生タイミングを変化させながら、ペダル操作の終了直後に遊技者に与える負荷(反力)を同等とすることができる。
これにより、遊技者に異なった操作感を与えることができる。即ち、傾倒装置310を操作する遊技者は、毎回の操作により、傾倒装置310をどの程度押し込めば、どの程度の反力が生じるかを徐々に覚えるところ、例えば、反力が生じ始めるタイミングを変えることで、遊技者に、いつもと状況が違うという違和感を与えることができる。同様に、ペダル操作の終了直後に返す反力を変えることで、遊技者に、いつもと状況が違うという違和感を与えることができる。
従って、反力が生じ始めるタイミングの違い及びペダル操作の終了直後に返す反力の違いの組み合わせと、大当たり期待度の違いとを対応付けて下降装置16362gを駆動制御する(例えば、大当たり期待度が大きい時には、反力の発生タイミングを遅らせると共に、ペダル操作の終了直後の反力を変化させる)ことにより、遊技者に与えられる違和感と、大当たり期待度の違いとを対応付けることができるので、その違和感が生じるか否かを確認することを一つの目的として、傾倒装置310の押し込み操作を促進することができる。
図73(b)の状態で遊技者が傾倒装置310をペダル操作すると、付勢装置16362からの反力の発生タイミングはピストン部材362aが上端位置に配置される(図73(a)参照)と共に段付き部材10362fが第2位置に配置される場合に比較して遅いので、遊技者に大当たり期待度が大きいと予想させる違和感を与える(一喜)一方で、ペダル操作の終了直後に遊技者に与えられる反力はピストン部材362aが上端位置に配置される(図73(a)参照)と共に段付き部材10362fが第2位置に配置される場合と同等なので、大当たり期待度が大きいと予想可能な違和感が与えられない(一憂)。即ち、遊技者は、傾倒装置310の押し込み過程において、傾倒装置310から与えられる反力に一喜一憂することができる。
上述したように、本実施形態によれば、傾倒装置310をペダル操作する遊技者に対して、一回の押し込み過程において、反力の発生タイミングの違いにより大当たり期待度に関する報知を行った後で、押し込み終了直後の反力の違いにより大当たり期待度に関する報知を行うことができる。そのため、遊技者は、一回の押し込み過程における、異なった時間帯で、複数回に渡って、反力の違いによる大当たり期待度の報知を受けることができる。
これにより、傾倒装置310の操作に対する注目度合いを増加させることができると共に、傾倒装置310のペダル操作を、その操作開始から操作完了まで集中して行わせることができる。
図74(a)及び図74(b)は、操作デバイス16300の図19(a)のXIXb−XIXb線に対応する線における部分断面図である。なお、図74(a)では、図73(b)に示す状態から段付き部材10362fが第1位置に配置変化された状態が図示され、図74(b)では、図73(b)に示す状態から移動部材16362g1が移動端部材10362dの移動可能長さの1/3の長さだけ下降した状態が図示される。
図74(a)に示す状態では、ピストン部材362aの配置が図73(b)と同じとされる一方で、図73(b)で示す状態と異なり、移動端部材10362dの上下動が段付き部材10362fにより規制される。そのため、傾倒装置310を遊技者がペダル操作する場合に、付勢装置10362の反力が発生するタイミングを、図73(b)で示す状態でペダル操作を行う場合と同じとしながら、ペダル操作完了直後に遊技者に与えられる負荷(反力)の大きさを、図73(b)で示す状態でペダル操作を行う場合と異ならせることができる。
即ち、移動端部材10362dの下降が規制されることにより、図73(b)に示す状態でペダル操作を行う場合に比較して、コイルスプリング362bの変位量が大きくなる(約4/3倍になる)。
これにより、遊技者に異なった操作感を与えることができる。即ち、傾倒装置310を操作する遊技者は、毎回の操作により、傾倒装置310をどの程度押し込めば、どの程度の反力が生じるかを徐々に覚えるところ、例えば、反力が生じ始めるタイミングを変えることで、遊技者に、いつもと状況が違うという違和感を与えることができる。同様に、ペダル操作の終了直後に返す反力を変えることで、遊技者に、いつもと状況が違うという違和感を与えることができる。
従って、反力が生じ始めるタイミングの違い及びペダル操作の終了直後に返す反力の違いの組み合わせと、大当たり期待度の違いとを対応付けて下降装置16362gを駆動制御する(例えば、大当たり期待度が大きい時には、反力の発生タイミングを遅らせると共に、ペダル操作の終了直後の反力を変化させる)ことにより、遊技者に与えられる違和感と、大当たり期待度の違いとを対応付けることができるので、その違和感が生じるか否かを確認することを一つの目的として、傾倒装置310の押し込み操作を促進することができる。
図74(a)の状態で遊技者が傾倒装置310をペダル操作すると、付勢装置16362からの反力の発生タイミングはピストン部材362aが上端位置に配置される(図73(a)参照)と共に段付き部材10362fが第2位置に配置される場合に比較して遅いので、遊技者に大当たり期待度が大きいと予想させる違和感を与え、ペダル操作の終了直後に遊技者に与えられる反力はピストン部材362aが上端位置に配置される(図73(a)参照)と共に段付き部材10362fが第2位置に配置される場合に比較して大きいので、大当たり期待度が大きいと予想させる違和感を重ねて与えることができる。即ち、遊技者は、傾倒装置310の押し込み過程において、傾倒装置310から与えられる反力の発生タイミングや、大きさにより、大当たり期待度の大きさを重ねて確認することができる。
上述したように、本実施形態によれば、傾倒装置310をペダル操作する遊技者に対して、一回の押し込み過程において、反力の発生タイミングの違いにより大当たり期待度に関する報知を行った後で、押し込み終了直後の反力の違いにより大当たり期待度に関する報知を行うことができる。そのため、遊技者は、一回の押し込み過程における、異なった時間帯で、複数回に渡って、反力の違いによる大当たり期待度の報知を受けることができる。
これにより、傾倒装置310の操作に対する注目度合いを増加させることができると共に、傾倒装置310のペダル操作を、その操作開始から操作完了まで集中して行わせることができる。
図74(b)に示す状態では、ピストン部材362aの配置が、図73(b)及び図74(a)に示す状態に比較して低くされる。そのため、付勢装置16362から発生し、傾倒装置310を操作する遊技者に与えられる負荷(反力)の発生タイミングが、図73(b)及び図74(a)に示す状態よりも遅く設定される。
図74(b)に示す状態では、移動端部材10362dが移動範囲の上から2/3の位置に配置される。ここで、移動端部材10362dが下降した状態で傾倒装置310をペダル操作し、戻りバネ16362eを変位させるためには、戻りバネ16362eと同じだけの変位をコイルスプリング362bにさせる必要があるところ、図74(b)に示す状態では、コイルスプリング362bの最大許容変位量が、移動端部材10362dの移動範囲の1/3の長さとされる。そのため、コイルスプリング362bの変位量を戻りバネ16362eの変位量と同等にすることができない。
従って、図74(b)に示す状態から傾倒装置310を下降位置までペダル操作した場合、移動端部材10362dは、図74(b)に示す状態で維持される。即ち、図74(b)に示す状態では、傾倒装置310を介して遊技者に与えられる反力から、段付き部材10362fの配置を判定することはできない。
ここで、移動端部材10362dの配置を維持するために段付き部材10362fを第1位置に配置させる必要がある場合、例えば、遊技者の操作を検出した後で即座に移動端部材10362dを移動させる制御を行いたいとしても、段付き部材10362fを第2位置に退避させる動作を間に挟む必要があるので、移動端部材10362dと段付き部材10362fとが衝突するおそれがあり、所望の動作を生じさせ難いという問題点があった。
これに対し、本実施形態の図74(b)に示す状態では、段付き部材10362fを第2位置に配置した状態で、傾倒装置310の操作に対して移動端部材10362dの位置を維持することができるので、遊技者が傾倒装置310をペダル操作した直後に素早く移動部材16362g1を上下動作させることが可能になる。
例えば、移動部材16362g1を急上昇させる場合、移動端部材10362dが戻りバネ16362eの付勢力により上昇する。詳述すると、移動端部材10362dの移動範囲の1/6の長さだけ上昇する。これにより、コイルスプリング362bの変位量が1.5倍に変化するので、傾倒装置310を介して遊技者に与えられる負荷(反力)が約1.5倍に上昇する。従って、遊技者が傾倒装置310を下降位置までペダル操作した直後に移動部材16362g1を上昇させることにより、遊技者に与える負荷を即座に1.5倍に上昇させることができるので、遊技者に対して負荷の増加により違和感を与えることができる。
また、例えば、移動部材16362g1を急下降させる場合について図75を参照して説明する。図75は、操作デバイス16300の図19(a)のXIXb−XIXb線に対応する線における部分断面図である。なお、図75では、図74(b)に示す状態から移動端部材10362dが移動端部材10362dの移動可能範囲の下端位置まで下降した状態が図示されると共に、コイルスプリング362の変位量が0(自然長)とされた状態が図示される。
図74(b)に示す状態から移動部材16362g1を図75に示す状態を目指して急下降させると、移動端部材10362dも共に急下降し、コイルスプリング362bの変位量が減少する。そして、図75に示す状態では、コイルスプリング362bの変位量が0となり、付勢装置16362から傾倒装置310へ与えられる負荷は0になる。
そのため、傾倒装置310を介して遊技者に与えられる負荷(反力)が減少する。遊技者が傾倒装置310を下降位置までペダル操作した直後に移動部材16362g1を下降させることにより、遊技者に与える負荷を即座に減少させ、やがて0にすることができるので、遊技者に対して負荷の減少による違和感を与えることができる。
本実施形態では、上述したように、移動部材16362g1の配置により、移動端部材10362dをコイルスプリング362bの固定端として機能させる場合と、移動端部材10362dを移動端(コイルスプリング362dと戻りバネ16362eの中間位置としてバネの直列する方向に移動する端部)として機能させる場合との、双方を実限することができる。
次いで、図76から図79を参照して、第17実施形態について説明する。第10実施形態では、形状不変の移動端部材10362dが傾倒装置310に押し込まれて下降する場合を説明したが、第17実施形態における操作デバイス17300は、形状可変の移動端部材17362dを備える。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図76(a)は、第17実施形態における操作デバイス17300の図19(a)のXIXb−XIXb線に対応する線における部分断面図であり、図76(b)は、異形回転部材17362g1の部分斜視図であり、図77は、異形回転部材17362g1の外周面の展開図である。なお、図76(a)では、傾倒装置310がペダル操作され作用爪部332がピストン部材362aの端部に当接開始した状態が図示され、図77では、中心角度360度分の展開図が図示される。
図76(a)に示すように、操作デバイス17300は、上述した傾倒装置310と、その傾倒装置310のリング部材BR1を下側から支持する凹設軸受け部361a(図9参照)を有すると共に傾倒装置310の押し込み終端を形成する下ケース17360と、傾倒装置310のリング部材BR1を上側から支持し下ケース17360と向かい合わせで配置される凹設部を有し下ケース17360との間に傾倒部材310を配置する態様で下ケース17360に締結固定されると共に傾倒装置310と当接することで傾倒装置310の上昇位置を定める(コ字状枠の内周縁部に傾倒装置310が当接される)上ケース370(図9参照)と、を主に備える。
下ケース17360について説明する。下ケース17360は、上方が開放された皿状に形成される底受け部材361と、その底受け部材361に下方から組み付けられると共に上下方向(図76(a)上下方向)に移動可能に支持されるピストン部材362aを有する付勢装置17362と、底受け部材361の上側に固定され電力が供給される部材が集合配置される電力作用装置363と、を主に備える。
付勢装置17362は、作用爪部332を通して傾倒装置310に付勢力を負荷する装置であり、筒状受け部361cの内側を上下方向に動作可能に支持されると共に下方に開放される有底筒形状のピストン部材362aと、そのピストン部材362aの開放端部からピストン部材362aに収容されるコイルスプリング362bと、金属などの剛性の高い材料から構成され筒状受け部361cの下側開口部に蓋をする態様で底受け部材361に締結固定される底蓋部材362cと、コイルスプリング362bに下端側から当接可能に配置され、上下方向にスライド移動可能に底受け部材361に支持される移動端部材17362dと、その移動端部材17362dと底蓋部材362cとの間に配設され移動端部材10362dを上方へ向けて付勢する戻りバネ17362eと、移動端部材17362dの移動方向と直交する方向(前後方向、図76(a)左右方向)から、移動端部材17362dに近い第1位置と、移動端部材17362dから遠い第2位置との間を移動可能とされる段付き部材10362fと、底受け部材361に締結固定されると共に段付き部材10362fを移動端部材10362dの移動方向と直交する方向に沿って駆動させる駆動ソレノイドSOL10と、移動端部材17362dと係合すると共に移動端部材17362dと共に上下動作する異形回転部材17362g1を有する部材変形装置17362gと、を主に備える。
コイルスプリング362bは、本実施形態では、図73(a)に示す状態が自然長とされる。即ち、ピストン部材362aが上端位置に配置される状態が、コイルスプリング362bの自然長とされる。
移動端部材17362dは、被係止部10362d1が形成される板状の中間板部材17362d1と、その中間板部材17362d1の上側に配設され中間板部材17362d1に対して上下方向にスライド動作可能とされる上板部材17362d2と、中間板部材17362d1の下側に配設され中間板部材17362d1に対して上下方向にスライド動作可能とされる下板部材17362d3と、を主に備える。
図76(a)に示すように、移動端部材17362dは上下をコイルスプリング362b及び戻りバネ17362eに挟まれているため、他からの特別な負荷が無ければ、各部材17362d1〜17362d3は離間することなく一体に重なり上下動作する。
戻りバネ17362eは、コイルスプリング362bに比較して弾性係数が同等のスプリング部材から形成される。即ち、戻りバネ17362eとコイルスプリング362bとでは、同様の反力を発生させるために要する変位が同等となる。そのため、段付き部材10362fが第2位置(図76(b)参照)に配置される場合に、傾倒装置310によりピストン部材362aが押し込まれ、コイルスプリング362b及び戻りバネ17362eが伸縮する際の変位量は、1対1(コイルスプリング362bの変位量:戻りバネ17362eの変位量=1:1)になる。
部材変形装置17362gは、移動端部材17362dの正面側端部と上下方向視で干渉する位置に配置される異形回転部材17362g1と、その異形回転部材17362g1に相対回転不能に挿通される断面D字形状の棒状の回転スライド軸棒17362g2と、その回転スライド軸棒17362g2を回転動作させる駆動モータ17362g3と、を主に備える。
図76(b)に示すように、異形回転部材17362g1は、上下一対の筒状体UT,BTから形成される。
異形回転部材17362g1の上側を形成する上側筒状体UTは、中間板部材17362d1と上板部材17362d2との間に挟まれる部材であって、断面D字の挿通孔UT0と、中心角度の1/4(90度分)を形成する第1上面UT1と、その第1上面UT1の上面視時計回り方向に隣設され中心角度の1/4(90度分)を形成する第2上面UT2と、その第2上面UT2の上面視時計回り方向に隣設され中心角度の1/4(90度分)を形成する第3上面UT3と、その第3上面UT3の上面視時計回り方向に隣設され中心角度の1/4(90度分)を形成する第4上面UT4と、を主に備える。
同様に、異形回転部材17362g1の下側を形成する下側筒状体BTは、中間板部材17362d1と下板部材17362d3との間に挟まれる部材であって、挿通孔UT0と上下方向で一致する位置に配設されると共に断面D字の挿通孔と、中心角度の1/4(90度分)を形成する第1下面BT1と、その第1下面BT1の下面視反時計回り方向に隣設され中心角度の1/4(90度分)を形成する第2下面BT2と、その第2下面BT2の下面視反時計回り方向に隣設され中心角度の1/4(90度分)を形成する第3下面BT3と、その第3下面BT3の下面視反時計回り方向に隣設され中心角度の1/4(90度分)を形成する第4下面BT4と、を主に備える。
上側筒状体UTの挿通孔UT0及び下側筒状体BTの挿通孔は、回転スライド軸棒17362g2の外形よりも若干大きな内形から形成される。即ち、上側筒状体UT及び下側筒状体BTは、回転スライド軸棒17362g2に対して相対回転不能、且つ上下方向に可動な状態で回転スライド軸棒17362g2に軸支される(図76(a)参照)。
これにより、段付き部材10362fが第2位置に配置された後、コイルスプリング362bが下降する場合、移動端部材17362dの下降に伴って異形回転部材17362g1も回転スライド軸棒17362g2に沿って下降する。
図76(a)に示すように、本実施形態では、移動端部材17362dの中間板部材17362d1は、上側筒状体UTと下側筒状体BTの間に挟まれ、上側筒状体UTの更に上に上板部材17362d2が配置され、下側筒状体BTの更に下に下板部材17362d3が配置される。そして、異形回転部材17362g1が回転し、各筒状体UT,BTの移動端部材17362dと対向配置する部分の上下寸法が変化することで、中間板部材17362d1に対する上板部材173621d2の配置または中間板部材17362d1に対する下板部材173621d3の配置を変化可能に構成される。
図77に示すように、異形回転部材17362g1の上側筒状体UTの上面には、移動範囲の上端位置である移動上端Uh1と、移動範囲の下端位置である移動下端Uh0とが設定され、下側筒状体BTの下面には、移動範囲の上端位置である移動上端Bh0と、移動範囲の下端位置である移動下端Bh1とが設定される。
異形回転部材17362g1の上側筒状体UTの上面および下側筒状体BTの下面は、90度ごとの角度間隔で状態(駆動モータ17362g3の回転に対する上下方向の位置変化)が変化する。
例えば、異形回転部材17362g1の一の角度位置である初期位相θ0が移動端部材17362dと対向配置される場合(図76(a)参照)から、駆動モータ17362g3が駆動され、異形回転部材17362g1が上面視反時計回りに回転する場合、移動端部材17362dに対向配置される位相が第1位相θ1へと移行する。
その間、上側筒状体UTの第1上面UT1が移動端部材17362dに対向配置されるので上板部材17362d2は中間板部材17362d1に対して移動下端Uh0に停止する一方、下側筒状体BTの第1下面BT1が移動端部材17362dに対向配置されるので、下板部材17362d3は移動上端Bh0から移動下端Bh1へ向けて中間板部材17362d1に対して変位する(図78(a)参照)。このように異形回転部材17362g1を回転させることにより、移動端部材17362dの形状を変化させることができる。
図78(a)、図78(b)、図79(a)及び図79(b)は、操作デバイス17300の図19(a)のXIXb−XIXb線に対応する線における部分断面図である。なお、図78(a)では、図76(a)から回転スライド軸棒17362g2が上面視で反時計回りに90度回転し異形回転部材17362g1の第1位相θ1が移動端部材17362dに対向配置される状態が、図78(b)では、回転スライド軸棒17362g2が同方向に更に回転し異形回転部材17362g1の第2位相θ2が移動端部材17362dに対向配置される状態が、図79(a)では、回転スライド軸棒17362g2が同方向に更に回転し異形回転部材17362g1の第3位相θ3が移動端部材17362dに対向配置される状態が、図79(b)では、回転スライド軸棒17362g2が同方向に更に回転し異形回転部材17362g1の第3位相θ3と初期位相θ0との中間位置が移動端部材17362dに対向配置される状態が、それぞれ図示される。
図78及び図79で示すように、本実施形態によれば、移動端部材17362dが上端位置に配置された状態で、コイルスプリング362b又は戻りバネ17362eを、予め縮ませておくことができる。これにより、遊技者に与えられる負荷(反力)を変化させることができる。
例えば、図78(a)に示す状態では、コイルスプリング362bの状態は図76(a)に示す状態と変わらない一方で、戻りバネ17362eは予め縮められる。そのため、段付き部材10362fが第1位置に配置された状態(図78(a)参照)で傾倒装置310をペダル操作する場合に遊技者に与えられる負荷(反力)は図76(a)に示す状態に比較して(傾倒装置310を同一角度傾倒させた状態の比較において)変化しない。その一方で、ペダル操作が完了した状態で駆動ソレノイドSOL10の励磁を解除し、段付き部材10362fを第2位置に移動させた場合に遊技者に与えられる負荷(反力)は、図76(a)に示す状態に比較して大きくなる。
従って、図78(a)に示す異形回転部材17362g1の状態では、図76(a)に示す状態に比較して、段付き部材10362fが第1位置に配置された場合に傾倒装置310を介して遊技者に与えられる負荷(反力)を同等としながら、傾倒装置310のペダル操作を完了した後に段付き部材10362fを第2位置に配置した場合に傾倒装置310を介して遊技者に与えられる負荷(反力)を大きくすることができる。これにより、段階的な変化を遊技者に報知することができる。
例えば、図78(b)に示す状態では、コイルスプリング362bの状態が図76(a)に比較して予め縮められる一方で、戻りバネ17362eの状態は変化しない。そのため、段付き部材10362fが第1位置に配置された状態(図78(b)参照)で傾倒装置310をペダル操作する場合に遊技者に与えられる負荷(反力)は図76(a)及び図78(a)に示す状態に比較して(傾倒装置310を同一角度傾倒させた状態の比較において)大きくなる。その一方で、ペダル操作が完了した状態で駆動ソレノイドSOL10の励磁を解除し、段付き部材10362fを第2位置に移動させた場合に遊技者に与えられる負荷(反力)は、図76(a)に示す状態に比較して大きくなると共に、図78(a)に示す状態に比較して同一となる。
従って、図78(b)に示す異形回転部材17362g1の状態では、図76(a)及び図78(a)に示す状態に比較して、段付き部材10362fが第1位置に配置された場合に傾倒装置310を介して遊技者に与えられる負荷(反力)を大きくしながら、傾倒装置310のペダル操作を完了した後に段付き部材10362fを第2位置に配置した場合に傾倒装置310を介して遊技者に与えられる負荷(反力)を図76(a)に示す状態に比較して大きくすると共に、図78(a)に示す状態と同等とすることができる。これにより、段階的な変化を遊技者に報知することができる。
例えば、図79(a)に示す状態では、コイルスプリング362bの状態が図76(a)に比較して予め縮められると共に、戻りバネ17362eの状態が図76(a)に比較して予め縮められる。そのため、段付き部材10362fが第1位置に配置された状態(図79(a)参照)で傾倒装置310をペダル操作する場合に遊技者に与えられる負荷(反力)は図78(b)に示す状態に比較して(傾倒装置310を同一角度傾倒させた状態の比較において)、同等となる。その一方で、ペダル操作が完了した状態で駆動ソレノイドSOL10の励磁を解除し、段付き部材10362fを第2位置に移動させた場合に遊技者に与えられる負荷(反力)は、図78(b)に示す状態に比較して大きくなる(図76(a),図78(a)に示す状態に比較しても大きくなる)。
従って、図79(a)に示す異形回転部材17362g1の状態では、段付き部材10362fが第1位置に配置された場合に傾倒装置310を介して遊技者に与えられる負荷(反力)を図78(b)に図示される状態と同等としながら、傾倒装置310のペダル操作を完了した後に段付き部材10362fを第2位置に配置した場合に傾倒装置310を介して遊技者に与えられる負荷(反力)を図76(a),図78(a)及び図78(b)に示す状態に比較して大きくすることができる。これにより、段階的な変化を遊技者に報知することができる。
例えば、図79(b)に示す状態では、コイルスプリング362bの状態が図76(a)に比較して予め縮められると共に、戻りバネ17362eの状態が図76(a)に比較して予め縮められる。その縮み量が、図79(a)に示される縮み量よりも小さくなる。そのため、段付き部材10362fが第1位置に配置された状態(図79(b)参照)で傾倒装置310をペダル操作する場合に遊技者に与えられる負荷(反力)は図79(a)に示す状態に比較して(傾倒装置310を同一角度傾倒させた状態の比較において)、小さくなる。その一方で、ペダル操作が完了した状態で駆動ソレノイドSOL10の励磁を解除し、段付き部材10362fを第2位置に移動させた場合に遊技者に与えられる負荷(反力)は、図79(a)に示す状態に比較して小さくなる。
従って、図79(b)に示す異形回転部材17362g1の状態では、段付き部材10362fが第1位置に配置された場合に傾倒装置310を介して遊技者に与えられる負荷(反力)を図79(a)に図示される状態よりも小さくしながら、傾倒装置310のペダル操作を完了した後に段付き部材10362fを第2位置に配置した場合に傾倒装置310を介して遊技者に与えられる負荷(反力)を図79(a)に示す状態に比較して小さくすることができる。これにより、段階的な変化を遊技者に報知することができる。
また、図79(b)に示す状態は、第4上面UT4及び第4下面BT4が移動端部材17362dに対向配置される状態であり、回転スライド軸棒17362g2を所定角度回転させ異形回転部材17362g1の第3位相θ3から初期位相θ0の間で移動端部材17362dと対向配置される部分を変化させることにより、中間板部材17362d1に対する上板部材17362d2及び下板部材17362d3の移動量(離間幅)を、連続的に変化させることができる。
本実施形態によれば、移動端部材17362dの変形する部分と段付き部材10362fとが干渉しないので、異形回転部材17362g1を任意のタイミングで回転させることができる。例えば、傾倒装置310のペダル操作が完了した後において、傾倒装置310の押し込みを継続する報知を行った後で、異形回転部材17362g1を回転させることにより、移動端部材17362dの状態を変化させ、傾倒装置310を介して遊技者に与えられる負荷(反力)を変化させることができる。
例えば、図76(a)に示す状態から、異形回転部材17362g1を上面視時計回りに90度回転させることにより、図79(b)の状態を経て図79(a)の状態に到達する。そこから、更に逆方向に異形回転部材17362g1を90度回転させる。このように、方向を反転させて90度回転させることを繰り返すことにより、傾倒装置310の押し込みを維持している遊技者に対して与えられる負荷の強弱を変動させることができる。
以上、上記実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
上記各実施形態において、一の実施形態における構成の一部または全部を、他の実施形態における構成の一部または全部の構成と組み合わせて或いは置き換えて、別の実施形態としても良い。
上記第2実施形態では、作用爪部2332の下端面2332bが遊技者の感じる負荷を一定とする為の形状とされたが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、切替点2332cの後方の形状をピストン部材2362aから更に離反する方向に凹設される形状としても良い。これにより、切替点2332cとピストン部材2362aとが当接を解除した後に(傾倒装置2310の回転角度が更に大きくなった場合に)ピストン部材2362aから傾倒装置2310に与えられる負荷が低下するので、遊技者に与える負荷を減少させる演出に活用することができる。
上記第4実施形態では、傾倒装置4310が上昇位置から3°回転した直後は傾倒装置4310にかけられる負荷が上昇し続ける場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、傾倒装置4310が上昇位置から3°回転した位置(プッシュ操作とペダル操作との境界)において、回転軸O1を中心とした円の径方向で重なる磁石の面積がゼロとされることにより、上昇位置から3°回転した位置において傾倒装置4310にかけられる負荷が最低値となるように構成しても良い。この場合、プッシュ操作とペダル操作との境界を遊技者が判断することを容易とすることができる。
上記第5実施形態では、傾倒装置5310が上昇位置から3°回転されるまでは、傾倒装置5310と回転ローラ5381とが非当接な場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、傾倒装置5310が上昇位置から3°回転されるまでの間、常時傾倒装置5310と回転ローラ5381とが当接されるように構成しても良い。この場合、例えば、回転ローラ5381に付勢力を与えるねじりバネ5383のしまり具合を手動で変更可能に構成することにより、傾倒装置5310をプッシュ操作する場合の動作抵抗を変更することができる。
上記第6実施形態では、傾倒装置6310の湾曲壁部6316の形状が、傾倒装置6310を上昇位置に配置した状態における傾倒装置6310と回転部材6381との当接点J1を基準として、回転軸O1を中心とした円弧C6から内側に入り込む場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、当接点J1から上方に3°までの範囲では、湾曲壁部6316の形状が円弧C6に沿った形状とされ、当接点J1から上方に3°以降の範囲では、湾曲壁部6316の形状が円弧C6から内側に入り込む形状とされても良い。この場合、傾倒装置6310を上昇位置に配置した状態から3°回転させるまでの範囲(プッシュ操作の範囲)では、傾倒装置6310の動作速度により回転部材6381が傾倒装置6310から離間することを防止することができるので、プッシュ操作の範囲において、傾倒装置6310の変位の速度により遊技者に与えられる抵抗が変化することを防止することができる。
上記第7実施形態では、固定磁石Ma2と移動磁石Ma7とが傾倒装置7310のペダル操作の範囲で吸着する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、固定磁石Ma2と移動磁石Ma7とがプッシュ操作でも吸着するようにしても良い。この場合、プッシュ操作の際の傾倒装置7310の変位の速度により傾倒装置7310の移動抵抗が変わる(例えば、勢いよく傾倒装置7310を押し込むと戻りが遅くなる)ため、適切な連打操作を行うことができる傾倒装置7310の変位の速度の許容幅が狭められる。これにより、遊技者が連打操作する際の連打の態様を均一側に寄せる事ができ、予期せぬ操作(連打速度が過度に大きくされる操作等)により傾倒装置7310が破損することを予防することができる。
上記第7実施形態では、係止部材7318を手動で移動させる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、係止部材7318が奥方向へ向けてダッシュポットで付勢されると共に係止部材7318と電力作用部材363の上面部とが滑る角度に傾斜する構造としても良い。この場合、傾倒装置7310を回転させる速度が大きい場合には、ダッシュポットの付勢力に抗して係止部材7318を手前側に移動させる前に回転方向の負荷により係止部材7318が電力作用部材363に押し付けられ、傾倒装置7310が停止する一方で、傾倒装置7310を回転させる速度が小さい場合には、係止部材7318を電力作用部材363に押し付ける力が大きくなる前に係止部材7318を手前側へ移動させることができる。従って、操作速度が小さい場合に限って、係止部材7318を自動的に移動させることができる。
上記第7実施形態では、傾倒装置7310が回転の途中で停止した際に、係止部材7318aを回転方向とは異なる方向に移動させることで傾倒装置7310を更に回転可能となる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、傾倒装置7310の回転を止める部材がノッチ機構で出没可能に構成され、傾倒装置7310を押し込む方向の操作でノッチ機構が一段階切り替えられ、出状態では傾倒装置7310を途中で停止させ、没状態では下降位置まで回転仕切ることができる構成としても良い。この場合、傾倒装置7310を押し込む方向と同じ方向の動作で傾倒装置7310を回転途中で停止させる操作を行わせることができる。
上記第8実施形態では、固定磁石Ma81と移動磁石Ma82とが傾倒装置8310が上昇位置に配置された状態から吸着可能とされる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、傾倒装置8310が上昇位置から3°回転した位置から固定磁石Ma81と移動磁石Ma82とが吸着可能に構成されても良い。この場合、傾倒装置8310の変位の速度が小さな状態(慣性作用部材7319cが上カバー8311に対して相対的に停止する状態)で傾倒装置8310を回転させる場合に、付勢装置362により傾倒装置8310の変位の抵抗が増加するタイミングと、固定磁石Ma81と移動磁石Ma82との吸着により傾倒装置8310の変位の抵抗が増加するタイミングとを合わせることができ、傾倒装置8310が上昇位置から3°回転した場合において傾倒装置8310に与えられる負荷の増加量を大きくすることができる。これにより、プッシュ操作とペダル操作との境界を遊技者が判別し易くすることができる。
上記第10実施形態では、段付き部材10362fが移動端部材10362dの移動方向と垂直な方向に沿って出没動作する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものでは無い。例えば、出没動作する段付き部材10362fの替わりに、移動端部材10362dの移動方向と平行な回転軸で回転する部材であって位相により移動端部材10362dとの間の間隔が連続的または非連続的に変化する位相変化部材を用いても良い。
位相変化部材は、所謂、螺旋形状から形成され、最大径部分では移動端部材10362dと上下方向(移動端部材10362dの移動方向)で干渉し、最小径部分では移動端部材10362dと上下方向で干渉しない形状とされる。また、位相変化部材の径方向長さの変化は連続的に生じる。
これによれば、位相変化部材の大径部分が移動端部材10362d側に配置されれば、位相変化部材と移動端部材10362dとが衝突する可能性があり(段付き部材10362fが第1位置に配置される状態に相当する)、位相変化部材の小径部分が移動端部材10362d側に配置されれば、位相変化部材と移動端部材10362dとが衝突することは無い(段付き部材10362fが第2位置に配置される状態に相当する)。
第10実施形態において段付き部材10362fの出没動作を一定動作で実行したのと同様に、位相変化部材の径長さの変化を条件に合わせて設計しておけば、同一態様(位相変化部材の等速回転を継続する態様)で、移動端部材10362dの停止位置を制御することができる。
この場合、位相変化部材が移動端部材10362dに近接し衝突する際に、位相変化部材から移動端部材10362dに与えられる負荷の方向は、位相変化部材の回転方向と回転軸方向とに成分を有する傾斜方向となる。また、位相変化部材の大径部分が位相変化部材の回転方向に沿って移動端部材10362dに徐々に近接する。
従って、移動端部材10362dの移動方向と垂直に段付き部材10362fが出没動作し、移動端部材10362dに移動方向と直交する負荷を与える場合(移動端部材10362dに瞬間的に大きな負荷が与えられる場合)に比較して、移動端部材10362dに与えられる負荷の大きさの変化を緩やかにすることができる。これにより、移動端部材10362d及び位相変化部材の耐久性を向上させることができる。
上記第10実施形態では、傾倒装置310の一回のペダル操作に焦点を当てて説明をしたが、必ずしもこれに限られるものでは無い。例えば、傾倒装置310を複数回数に分けてペダル操作させる報知(連打や、順次押し込み等)を行うようにしても良い。この場合、段付き部材10362fが一定動作している間は、傾倒装置310のペダル操作により下降した移動端部材10362dが上昇することは無い(復元する前に段付き部材10362fが第1位置に配置される)ので、押し込み回数が大きい側の押し込み機会ほど、傾倒装置310を介して遊技者に与えられる負荷(反力)を低減することができる。
上記第10実施形態では、段付き部材10362fが基本的に、電源投入から一定動作する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものでは無い。例えば、段付き部材10362fの動作が、傾倒装置310の操作を検出することを契機として開始するように設定しても良い。この場合、傾倒装置310の操作前には段付き部材10362fを駆動させる駆動ソレノイドSOL10が動作しないので、駆動時に発生する音や、駆動時に発生する振動により段付き部材10362fの作動パターンを把握されることを防止することができ、遊技者の、傾倒装置310を操作することにより遊技へ参加することへの意欲を向上させることができる。
上記第10実施形態では、戻りバネ10362eの付勢力が、コイルスプリング362bに比較して極めて小さい場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものでは無い。例えば、コイルスプリング362bと同等の付勢力を発生するように設計しても良い。
上記第12実施形態では、第2傾倒装置400が傾倒装置12310を跨ぐ態様で配設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものでは無い。例えば、傾倒装置310の左右一方に締結固定されL字に屈曲したレバー形状(傾倒装置400を左右中央で左右に分断した形状)から形成されても良い。特に、傾倒装置310の正面視左側に締結固定する場合、左手で操作し易くすることができると共に、発射装置側の配線などが密集する範囲を避けて配置することができる。
上記第12実施形態では、第2傾倒装置400の第2腕部430が先端調整部材462との係合により位置変化可能に支持される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものでは無い。例えば、第2腕部430に雌ネジ形状が形成されると共に、先端調整腕部462に雄ネジ形状が形成され、それらが遊嵌される態様で形成されても良い。この場合、螺子形状の遊嵌により第2腕部430の位置が変化するので、第2腕部430の位置により第2腕部430と先端調整部材462との接触面積が減ることを防止することができる。
上記第15実施形態では、第2傾倒装置15400を押し込み操作しても、傾倒装置310は下降位置までは到達しない場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものでは無い。例えば、第2傾倒装置15400の押し込み操作により傾倒装置310が下降位置に到達可能に形成されても良い。
上記第16実施形態では、コイルスプリング362b及び戻りバネ16362eのバネ係数が同等に設定される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものでは無い。例えば、コイルスプリング362bのバネ係数が、戻りバネ16362eのバネ係数の半分に設定されても良いし、その逆で設定されても良い。この場合、コイルスプリング362b又は戻りバネ16362eの配設スペースが制限されることを防止できる。
上記第16実施形態では、下降装置16362gにより移動端部材10362dを上支えする場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものでは無い。例えば、下降装置16362gと移動端部材10362dとが連結されていても良い。この場合、傾倒装置310の操作量が大きくなった場合に下降装置16362gと移動端部材10362dとが離間することを防止することができる。また、この連結は、解除可能に形成されても良い。この場合、解除時にのみ、下降装置16362gと移動端部材10362dとが離間することを許容することができる。
上記第16実施形態では、移動端部材10362dが上端位置に配置され、ピストン部材362aが移動範囲の上端に配置される場合に、コイルスプリング362bが自然長に設定される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものでは無い。例えば、予め、自然長よりも縮んでいても良い。この場合、移動端部材10362dが下降装置16362gの作用で下降した場合であっても、その下降分をコイルスプリング362dの復元により補うことができ、ピストン部材362aを移動範囲の上端位置に維持することができる。従って、傾倒装置310とピストン部材362aとの当接開始タイミングを変えることなく、遊技者に与えられる負荷(反力)を変化させることができる。
上記第17実施形態では、異形回転部材17362g1の回転に伴って上板部材17362d2及び下板部材17362d3が移動することで、移動端部材17362dが伸縮する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものでは無い。例えば、中間板部材17362d1と上板部材17362d2との間、又は中間板部材17362d1と下板部材17362d3との間に、任意のタイミングで、厚みのある板を任意枚数で差し込み又は引き抜き可能に形成される差し込み装置が配設されても良い。この場合、差し込まれる板の枚数により移動端部材17362dを伸縮させることができる。
上記第17実施形態では、上板部材17362d2及び下板部材17362d3を移動させるための駆動力が単一の駆動モータ17362g3により発生する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものでは無い。例えば、上板部材17362d2及び下板部材17362d3のそれぞれに、専用の駆動手段を配設しても良い。この場合、上板部材17362d2及び下板部材17362d3のそれぞれを、独立駆動させることを容易にすることができる。
上記各実施形態では、傾倒装置310が正面に露出する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものでは無い。例えば、傾倒装置310の回転軸O1周りを防護する防護カバーをパチンコ機10に配設しても良い。この場合、防護カバーにより傾倒装置310の回転軸O1周りに遊技者が負荷をかけることを防止することができるので、傾倒装置310の回転軸O1周りの部分(駆動モータM1を含む)が破損することを防止することができる。
上記各実施形態では、コイルスプリング362bの下端が下ケース360の底蓋部材362cにせき止められる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、底蓋部材362cがコイルスプリング362bの変位の方向(上下方向)に沿って移動可能とされ、底蓋部材362cが傾倒装置310の傾倒に伴って移動する(下降する)態様で構成されても良い。この場合、傾倒装置310が上昇位置から同じ角度傾倒した場合であっても、底壁部材362cが固定される場合に比較して、コイルスプリング362bの変位を低減できる領域を任意に設定することができる。
上記各実施形態では、傾倒装置310が、ねじりバネ343などの付勢部材により上昇位置へ向けて常時付勢される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、ねじりバネ343は配設せず、初期位置への復帰を行う別の駆動装置(エアーによる噴出装置や、ワンウェイで駆動する駆動装置など)を配設するようにしても良い。この場合、遊技者が操作途中で傾倒装置310から手を離した後における、傾倒装置310の動作を任意に設定することができる。
例えば、磁力により傾倒装置310に回転抵抗を与える場合において、上昇位置から所定の角度未満の位置で手を離した場合には傾倒装置310その場に停留する一方で、上昇位置から所定の角度以上の位置で手を離した場合には(例えば、重心の配置次第で)下降位置へ継続動作する態様で構成することもできる。これにより、傾倒装置310を予想外の動作態様で動作させることができ、遊技者の興趣を向上させることができる。
上記各実施形態では、錘部材M1aの形状が周方向と垂直な断面形状が略矩形であると共に軸方向と垂直な断面形状が回転軸を頂点とした扇形状から形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものでは無い。例えば、錘部材M1aの周方向と垂直な断面形状を楕円形状としても良い。この場合、対向配置される錘部材M1a同士で最も近接する部分を回転軸に寄せることができるので、駆動モータM1同士を近接配置した場合に、錘部材M1a同士が当接する可能性を低減することができる。
本発明を上記各実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施してもよい。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施してもよい。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する表示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止して確定表示され、その停止時の識別情報の組合せが特定のものであることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
以下に、本発明の遊技機に加えて上述した実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。
<傾倒装置の操作感の操作角度に対する変化を抑制する技術思想の一例>
遊技者が入力操作を行う入力手段を備える遊技機において、前記入力手段は、遊技者に入力操作される被操作手段と、入力操作を行った遊技者が受ける負荷を調整する調整手段と、を備え、前記調整手段は、少なくとも前記被操作手段の移動範囲の一部において、入力操作を行った遊技者が受ける負荷の増加を抑制することを特徴とする遊技機A1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、遊技者が押し込み操作を行う被操作手段を備え、その被操作手段の押し込み量に対応して、その被操作手段を初期位置へ戻す付勢力が増加する遊技機がある(例えば特開2014−014571号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、被操作手段の移動距離が長くなる場合に対応がしづらいという問題点があった。即ち、遊技者が感じる操作感を向上させるためには、初期位置からの被操作手段の移動距離に対する付勢力の上昇割合を大きくすることが望ましいが、被操作手段の移動距離が長くなると、遊技者が受ける負荷が過大となり、操作を行う遊技者が疲労することにより、遊技中に被操作手段の押し込みを行うことを止めてしまうという問題点があった。
この場合、被操作手段を押し込み操作することにより液晶表示装置の状態が変化する演出を遊技者に見せることができなくなり、遊技者の興趣が低下する恐れがある。
これに対し、遊技機A1によれば、調整手段が、少なくとも被操作手段の移動範囲の一部において、入力操作を行った遊技者が受ける負荷の増加量を抑制するので、遊技者が受ける負荷の増加を抑制できると共に遊技者が疲労することを防止できる。
なお、被操作手段の移動距離が長くなる場合としては、例えば、被操作手段の押し込み量を検出して操作に反映させる場合や、被操作手段が円弧軌道(直線軌道では無い)や、ジグザグ軌道で操作される場合等が例示される。
例えば、押し込み量を検出して操作に反映させる場合、検出の境界間を長くする方が、目標とする押し込み量に維持することを容易とでき、遊技を快適に行うことを促進できるため、被操作手段の移動距離が長くなる可能性が高い。
遊技機A1において、前記被操作手段を初期位置へ向けて移動させる付勢力を発生させる付勢手段を備え、その付勢手段は、前記被操作手段の移動経路に沿って変位を生じる第1弾性バネ部材から構成され、前記調整手段は、被操作手段が初期位置から所定距離移動した後の範囲において遊技者が受ける負荷を抑制することを特徴とする遊技機A2。
遊技機A2によれば、遊技機A1の奏する効果に加え、付勢手段が被操作手段の移動経路に沿って変位を生じる第1弾性バネ部材から構成されると共に、被操作手段を初期位置から所定距離移動させた後の範囲において遊技者が受ける負荷を抑制するので、遊技者が感じる負荷を、遊技者が被操作手段を移動させた距離に比例して増加させることにより遊技者に操作感を与えながら、初期位置から所定距離移動させた後の範囲において遊技者に与える負荷の上昇割合が切り替わった点(例えば、比例定数が変化した点)を遊技者に認識させることができる。
これにより、遊技者に与える負荷の変化点を目印とすることで、被操作手段の移動範囲における任意の点まで被操作手段を移動させることを容易に行わせることができる。
なお、第1弾性バネ部材としては、被操作手段が所定の回転軸を中心として回転動作する場合には、その回転軸を中心としたねじりバネや、被操作手段の回転軸を中心とした円弧形状の壁部に沿って湾曲して配設されるコイルスプリング等が例示され、被操作手段が並進動作する場合には、被操作手段の移動方向に沿って配設されるコイルスプリングが例示される。
遊技機A2において、前記被操作手段は、所定の回転軸を中心として回転され、前記調整手段は、前記被操作手段に周方向から負荷を与える第2弾性バネ部材を備え、その第2弾性バネ部材は、前記被操作手段と対向配置され前記被操作手段の移動中に当接することで前記被操作手段に付勢力を与える態様で構成され、前記第2弾性バネ部材の変位の方向が、前記回転軸を中心とした任意の円弧の接線方向に沿うことを特徴とする遊技機A3。
遊技機A3によれば、遊技機A2の奏する効果に加え、被操作手段が所定の回転軸を中心として回転され、第2弾性バネ部材が被操作手段の移動中に当接することで付勢力を与え、その変位の方向が回転軸を中心とした任意の円弧の接線方向に沿うので、被操作手段と第2弾性バネ部材とが当接した後において、その当接点を被操作手段の回転角度に応じて被操作手段の回転軸から遠ざかる方向へ変化させることができ、第2弾性バネ部材の変位を被操作手段の角度変化の割合とは異なった態様で変化させることができる。従って、被操作手段の当接点の形状を様々に変化させることで、第2弾性バネ部材から被操作手段へ与えられる負荷を任意に設定することができる。
遊技機A3において、前記被操作手段は、前記第2弾性バネ部材と対向配置され、その第2弾性バネ部材と当接可能に構成される当接部を備え、その当接部は、前記被操作手段が初期位置から所定距離移動された第1状態において前記第2弾性バネ部材と当接する第1当接点と、前記第1状態から更に同一方向に移動された第2状態において前記弾性バネ部材と当接する第2当接点と、を備え、前記第1当接点よりも、前記第2当接点の方が、前記回転軸と前記第1当接点とを通る直線よりも前記被操作手段の初期位置側に配置されることを特徴とする遊技機A4。
遊技機A4によれば、遊技機A3の奏する効果に加え、当接部の第1当接点よりも第2当接点の方が、回転軸と第1当接点とを通る直線よりも被操作手段の初期位置側に配置されるので、例えば、第2当接点が第1当接点と回転軸とを通る直線上に配置される場合に比較して、第1状態から第2状態まで被操作手段を回転させる際に第2弾性バネ部材と当接する付近の部分が変位する距離よりも、第2弾性バネ部材の変位量を抑制することができる。これにより、第2弾性バネ部材により被操作手段に与えられる負荷を抑制することができる。
遊技機A4において、前記第1状態に比較して、前記第2状態の方が、前記第2弾性バネ部材の変位量が減少する態様で前記第2当接点の形状が設定されることを特徴とする遊技機A5。
遊技機A5によれば、遊技機A4の奏する効果に加え、第1状態に比較して第2状態の方が第2弾性バネ部材の変位量が減少する態様で第2当接点の形状が設定されるので、第2弾性バネ部材が第1状態において被操作手段に与える負荷に比較して、第2弾性バネ部材が第2状態において被操作手段に与える負荷を小さくすることができる。従って、第1状態から第2状態へ被操作手段が移動することにより上昇する第1弾性バネ部材の付勢力を、第2弾性バネ部材が被操作手段に与える負荷の減少分で部分的に相殺することができる。
遊技機A3からA5のいずれかにおいて、前記第2弾性バネ部材が姿勢変化可能に構成され、その姿勢変化の方向が、前記第1弾性バネ部材の変位量が大きくなるほど、前記第2弾性バネ部材の移動方向と前記被操作手段の移動方向とのなす角度が大きくなる向きとされることを特徴とする遊技機A6。
遊技機A6によれば、遊技機A3からA5のいずれかの奏する効果に加え、第2弾性バネ部材が姿勢変化可能に構成され、その姿勢変化の方向が、第1弾性バネ部材の変位量が大きくなるほど、第2弾性バネ部材の移動方向と前記被操作手段の移動方向とのなす角度が大きくなる向きとされるので、第1弾性バネ部材の付勢力が大きくなるにつれて、第2弾性バネ部材の付勢力の内、被操作手段へ負荷される成分を小さくすることができる。これにより、遊技者が感じる負荷の上昇を抑制することができる。
遊技機A6において、前記第2弾性バネ部材が前記被操作手段に連結されることにより、前記被操作手段の姿勢に対する前記第2弾性バネ部材の姿勢の関係が一対一で対応付けされることを特徴とする遊技機A7。
遊技機A7によれば、遊技機A6の奏する効果に加え、第2弾性バネ部材が被操作手段に連結されることにより、被操作手段の姿勢に対する第2弾性バネ部材の姿勢の関係が一対一で対応付けされるので、被操作手段に急激な負荷が与えられることにより、第2弾性バネ部材が想定外の方向に姿勢変化することを防止することができる。
<傾倒装置の回転抵抗の変化割合を変化させる技術思想の一例>
遊技者が入力操作を行う入力手段を備える遊技機において、前記入力手段は、遊技者に入力操作される被操作手段と、その被操作手段から遊技者に与えられる負荷の変化割合を変化させる変化手段と、を備えることを特徴とする遊技機B1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、遊技者が押し込み操作を行う被操作手段を備え、その被操作手段の押し込み量(変位、速度または強さ等)に対応して、入力を切り替える態様で制御される遊技機がある(例えば特開2012−024322号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、押し込み量を遊技者が認識することが困難なため、押し込み量を遊技者に把握させるために液晶表示装置に目盛りを別で設ける等する必要があるという問題点があった。
この場合、押し込み量を指定する演出を行ったとしても、目盛りに注目しながら被操作手段の操作を行う必要があるので、遊技盤の盤面の他の部分(例えば発射された球の流れ等)に視線を送ることができず、思い通りの遊技を行うことができなくなるという問題点があった。
これに対し、遊技機B1によれば、被操作手段から遊技者に与えられる負荷の変化割合を変化させる変化手段を備えるので、その負荷の変化を目印として、遊技者に被操作手段が所定位置まで押し込まれたことを把握させることができる。これにより、目盛りを見なくとも被操作手段を所定位置まで押し込んだことを遊技者が把握することができるので、遊技者は、被操作手段を操作しながら、遊技盤の盤面の任意の箇所に注目することができる。
遊技機B1において、前記変化手段は、前記被操作手段が初期位置から所定距離離間された開始位置に配置された状態において前記被操作手段の作用部と対面配置され、その状態において、前記被操作手段を介して、遊技者に負荷を与え始める態様で構成されることを特徴とする遊技機B2。
遊技機B2によれば、遊技機B1の奏する効果に加え、変化手段は、被操作手段が初期位置から所定距離離間された開始位置に配置された状態において被操作手段の作用部と対面配置され、その状態において、被操作手段を介して遊技者に負荷を与え始めるので、別で駆動手段を設けることなく、遊技者が被操作手段から感じる負荷を被操作手段が開始位置に配置された状態を境に変化させることができる。
これにより、制御不良に影響されることなく、確実に開始位置を境として遊技者に与える負荷を変化させることができ、その変化を、被操作手段の押し込み量を遊技者が把握する目印として利用することができる。
遊技機B2において、前記変化手段は、前記被操作手段の移動方向に負荷を与える弾性バネ部材から構成され、その弾性バネ部材は、前記被操作手段の前記作用部に当接される前の初期状態において自然長から所定距離変位された状態で配置されることを特徴とする遊技機B3。
遊技機B3によれば、遊技機B2の奏する効果に加え、変化手段は、被操作手段の移動方向に負荷を与える弾性バネ部材から構成され、その弾性バネ部材は被操作手段の作用部に当接される前の初期状態において自然長から所定距離変位された状態で配置されるので、被操作手段が弾性バネ部材に当接される直前と直後との間において、被操作手段に弾性バネ部材の変位分の弾性力が一時にかけられるので、遊技者に与える負荷を急激に変化させることができる。これにより、遊技者が、被操作手段から与えられる負荷の変化から、被操作手段が所定位置に配置された状態を経由したことを認識し易くすることができる。
遊技機B3において、前記作用部と前記弾性バネ部材との当接点が前記被操作手段の移動に伴って変化する場合において、前記作用部は、先に前記弾性バネ部材と当接する区間である第1当接区間と、その第1当接区間の後で前記弾性バネ部材と当接する区間である第2当接区間と、を備え、前記作用部の第1当接区間と前記弾性バネ部材とが当接した状態で前記被操作手段が所定量移動する場合に比較して、前記作用部の第2当接区間と前記弾性バネ部材とが当接した状態で前記被操作手段が所定量移動する場合の方が、遊技者に与える負荷の増加量が小さくされることを特徴とする遊技機B4。
遊技機B4によれば、遊技機B3の奏する効果に加え、前記作用部が第1当接区間で弾性バネ部材と当接しながら被操作手段を所定量移動させる場合に比較して、第1当接区間よりも押し込み量が大きい側で当接する第2当接区間で弾性バネ部材と当接しながら被操作手段を所定量移動させる場合の方が遊技者に与える負荷の増加量が小さくされるので、被操作手段が所定位置に配置されたことを認識しやすくする効果は保ちながら、被操作手段が所定位置を通り過ぎた後で遊技者が感じる負荷が過大となることを防止することができる。
遊技機B2において、前記作用部は磁性材料を含む態様で構成され、前記変化手段は、前記作用部の移動経路の一部と対向配置される磁性負荷部材から構成され、その磁性負荷部材は、前記作用部を構成する磁性材料に対して吸着力を生じる磁性を備えることを特徴とする遊技機B5。
遊技機B5によれば、遊技機B2の奏する効果に加え、被操作手段に与えられる負荷の変化が、作用部と磁性負荷部材との間で発生する磁力(吸着力)によって生じるので、作用部と磁性負荷部材とが近くにある場合と遠くにある場合との負荷の変化を遊技者に感じやすくさせることができる。
なお、遊技者が被操作手段を押し込む時の負荷は増加するものの、遊技者が維持操作する場合等は、作用部が磁性負荷部材に吸着されることから、被操作手段から遊技者に与えられる負荷は弱められる。そのため、弾性バネの付勢力で被操作手段に与えられる負荷を増加させる場合に比較して、遊技者が被操作手段の位置を維持するために必要な力が小さくなり、遊技者の疲労感を軽減することができる。
遊技機B1からB5のいずれかにおいて、前記被操作手段は、その被操作手段に対して相対移動可能に構成される移動手段と、その移動部材を動作させる駆動力を発生する駆動手段と、を備え、前記移動部材が、第1状態と、その第1状態から異なった位置に移動した後の第2状態とを構成可能とされ、少なくとも、前記移動部材が前記第1状態と前記第2状態とで変化する時に遊技者に与えられる負荷を変化可能に構成されることを特徴とする遊技機B6。
遊技機B6によれば、遊技機B1からB5のいずれかの奏する効果に加え、移動手段の状態の変化によって遊技者に与えられる負荷を変化させることができるので、被操作手段が所定位置に配置されたことを検出した場合に駆動手段を動作させることにより、遊技者に与えられる負荷を変化させ、遊技者に被操作手段の現状の押し込み位置を認識させることができる。
遊技機B6において、駆動手段が回転モータから構成され、その回転モータが正回転する場合には、前記移動部材が前記被操作手段に対して相対移動され、前記回転モータが逆回転する場合には、前記移動部材が前記被操作手段に対して相対的に停止することを特徴とする遊技機B7。
遊技機B7によれば、遊技機B6の奏する効果に加え、回転モータの回転方向により遊技機に与える負荷が変化する場合と、変化しない場合とを構成できるので、例えば、被操作手段を操作せずに遊技機の一部分に伝達される振動を確認することで内部の状態を確認する遊技の仕方を抑制し、被操作手段を操作することの意義を高めることができる。これにより、被操作手段を効果的に活用することができる。
遊技機B1からB7のいずれかにおいて、前記入力手段は、前記被操作手段を振動させる振動手段と、前記被操作手段の入力方向と交差する方向に移動可能とされると共に、前記被操作手段に配設され遊技者が操作可能な操作部と、を備え、前記変化手段は、前記操作部を移動させる駆動力を発生する操作駆動手段と、その操作駆動手段の駆動力を前記操作部に伝達する伝達手段と、を備え、前記入力手段は、前記操作部と前記被操作手段との間の距離が近い場合に比較して、前記操作部と前記被操作手段との間の距離が遠い場合の方が、前記被操作手段への前記振動手段の振動伝達効率を上昇させる切替手段を備えることを特徴とする遊技機B8。
ここで、遊技者が操作可能な入力手段を振動手段により自発的に振動させる場合、その振動手段を遊技者が操作する部位に近づける方が、遊技者が操作する際に遊技者に与えられる振動を大きくすることができる。一方で、操作部位は操作時の衝撃が最も大きくなる位置なので、その位置に振動手段を配置すると、操作時の衝撃で故障する恐れがある。そのため、振動感を確保することと、振動手段の耐用年数を長く確保することとを両立させることは困難であるという問題点があった。
これに対し、遊技機B8によれば、遊技機B1からB7のいずれかの奏する効果に加え、切替手段により、振動伝達効率が調整される。そのため、振動手段と操作部との距離を確保しながら、その距離が長くなったとしても遊技者に与えられる振動感が低減することを防止することができる。
また、操作部を被操作手段から離すことで操作対象を大きくし、遊技者による入力手段の操作を容易としながら、振動手段から遊技者の手指が離れることで振動感が減少することへの対策として、切替手段により振動伝達効率を上昇させることで、入力手段に触れる遊技者に与える振動を確保する(平準化する)ことができる。
これにより、操作部が被操作手段から離れ、操作対象が大きくなることから、外観上、期待度が大きいと予感させる状況(所謂、「激アツ」の状況)の時に、遊技者に与えられる振動感が極端に弱くなることによる違和感を解消することができる。
なお、期待度には、リーチ発展期待度や、大当たり発生期待度などが含まれる。ここで、リーチ発展期待度は、リーチへ発展する割合、可能性もしくは期待度であり、また、大当たり発生期待度は、大当たりが発生する割合、可能性もしくは期待度である。
なお、振動感には、部材に触れた遊技者が部材を介して受ける振動に対する感覚や、部材に触れずとも、他の感覚(例えば、視覚)により振動に対して受ける感覚(例えば、部材の付近に残像が見えることで、振動していると理解する感覚)などが含まれる。
遊技機B8において、前記被操作手段は、箇所により動作速度の高低が生じる動作態様で動作し、前記操作駆動手段は、前記被操作手段の速度が低くなる側に配置されることを特徴とする遊技機B9。
遊技機B9によれば、遊技機B8の奏する効果に加え、被操作手段を叩く等の激しい操作が行われた場合に、その操作の激しさを維持しながら、操作駆動手段に与えられる衝撃を抑制することができる。
なお、箇所により動作速度の高低が生じる動作態様としては、例えば、被操作手段が回転可能に軸支され、その軸を中心とする円の周方向に回転動作する態様や、軸支はされずとも、端部などの一部分を基点として傾倒する動作態様などが例示される。
遊技機B8又はB9において、前記操作部は、前記操作駆動手段の駆動力により前記被操作手段から離反され、前記切替手段は、前記被操作手段と前記操作部とを連結可能な程度変化手段を備え、その程度変化手段は、前記被操作手段に近接する方向へ向けて前記操作部を移動させる付勢力を発生させるものであり、その付勢力は、前記被操作手段と前記操作部との距離が長くなる程上昇することを特徴とする遊技機B10。
遊技機B10によれば、遊技機B8又はB9の奏する効果に加え、程度変化手段が変動する付勢力を発生することにより、操作部を被操作手段に近接する側に維持できると共に、被操作手段と操作部との間の振動伝達の緩衝作用を調整する(被操作手段と操作部とが近接配置する場合には緩衝作用を大きく保ち、距離を離して配置する場合には緩衝作用を小さくする)ことができる。即ち、程度変化手段に複数の機能を持たせることができ、部材個数の削減を図ることができる。
なお、程度変化手段の態様は特に限定されるものでは無い。例えば、金属製の弾性バネから形成されても良いし、空気バネから形成されても良い。
遊技機B8からB10のいずれかにおいて、前記切替手段は、前記操作部が前記被操作手段から離れるほど、前記振動手段に前記被操作手段の移動方向と交差する方向に沿って近づき、少なくとも、前記操作部が前記被操作手段から最も離間する場合に前記振動手段と当接可能とされる第2伝達手段を備え、前記変位手段は、前記被操作手段に対して前記操作部を前記被操作手段の移動方向と交差する方向に沿って動作可能に連結する連結手段を備えることを特徴とする遊技機B11。
遊技機B11によれば、遊技機B8からB10のいずれかの奏する効果に加え、第2伝達手段と振動手段との当接により、振動手段の振動が連結手段に伝達され、連結手段の動作方向に沿った振動が操作部に伝達されるので、被操作手段の移動方向と交差する方向の振動を操作部に触れる遊技者に与え易くすることができる。
例えば、被操作手段の操作時の動作態様が所定の軸を中心とした回転動作である場合、被操作手段の移動方向と交差する方向の振動(即ち、所定の軸の径方向の振動)は、回転腕の長さにより変動するものでは無いので(モーメント関係無いので)、操作部が被操作手段から離れた場合であっても、遊技者に伝達される振動を大きく確保することができる。
なお、被操作手段に触れる遊技者が感じる振動と、操作部に触れる遊技者が感じる振動とを変化させることができる。これにより、共通の振動手段を用いながら、遊技者が操作する部位により伝達される振動のモードを異ならせることができ、異なった振動演出(振動伝達)を行うことができるので、振動演出の多様化を図ることができる。
なお、例えば、操作駆動手段、伝達手段および第2伝達手段を連結手段に収容させることにより、連結手段の振動で駆動力の伝達経路の状態が変化して、伝達抵抗が上昇するといった問題が発生することを防止することができる。
遊技機B8からB11のいずれかにおいて、前記伝達手段は、前記操作部と前記操作駆動手段との間に過負荷が発生した場合に駆動力の伝達を解除する解除手段を備えることを特徴とする遊技機B12。
遊技機B12によれば、遊技機B8からB11のいずれかの奏する効果に加え、遊技者が操作部を想定外の操作方法で操作する等により、操作駆動手段に過負荷が生じ、操作駆動手段が故障する等の不具合が発生することを防止できる。これにより、操作部の操作の自由度を向上させることができる。
遊技機B8からB12のいずれかにおいて、前記被操作手段は、前記入力方向に沿って回転可能に軸支され、前記操作部は、前記被操作手段の回転軸から離反する態様で、前記被操作手段から遠ざかることを特徴とする遊技機B13。
遊技機B13によれば、遊技機B8からB12のいずれかの奏する効果に加え、被操作手段の回転軸を中心とした回転の腕長さが、操作駆動手段の駆動力による操作部の移動により変化するので、操作部を操作する遊技者に与えられる反力を操作部の移動量に合わせて変化させることができる。
また、操作部が被操作手段から最も離れるという、操作対象が最も大きくなる(操作可能範囲が最も大きくなり操作し易くなる)時に、操作部を操作する遊技者に与えられる反力を減少させることができるので、操作時に遊技者に貯まる疲労感を低減することができる。これにより、遊技者に操作部の操作を行うように促すことができる。
遊技機B1からB7のいずれかにおいて、前記変化手段は、前記被操作手段の操作方向に沿って付勢力を発生させる付勢手段を備え、その付勢手段は、前記被操作手段の移動に伴って変形可能に構成され、所定状態からの前記被操作手段の移動量と前記付勢手段の変形量とを同等に維持する第1状態と、前記所定状態からの前記付勢手段の変形量を前記被操作手段の移動量未満とする第2状態とを切替可能とされることを特徴とする遊技機B14。
遊技機B14によれば、遊技機B1からB7のいずれかの奏する効果に加え、第1状態と第2状態とを切り替えることにより、被操作手段が所定量移動した場合の付勢手段の変形量を切り替えることができる。これにより、付勢手段の弾性係数が同じであっても、第1状態と第2状態とで、被操作手段を所定量操作する遊技者に与える負荷を変化させることができる。そのため、付勢手段の弾性係数を予め変化させておく制御を不要とでき、操作タイミングに合わせて付勢手段から生じる反力を変化させることができる。
なお、変形量に対する負荷の変化の態様は何ら限定されるものでは無い。例えば、線形の変化態様(弾性バネなど)でも良いし、非線形の変形態様でも良い。
遊技機B14において、前記変化手段は、前記付勢手段に配設され前記被操作手段と当接する操作側部と、前記付勢手段の前記操作側部の反対側に配設され遊技機本体に支持される本体側部と、前記被操作手段と前記操作側部との当接位置、または、前記遊技機本体と前記本体側部との支持位置の少なくとも一方を入力操作中に変化可能とされる位置変化手段と、を備えることを特徴とする遊技機B15。
遊技機B15によれば、遊技機B14の奏する効果に加え、位置変化手段により、入力操作中に、被操作手段の操作長さと、付勢手段の変位量との対応関係を崩すことができるので、付勢手段の反力として遊技者に与えられる負荷の変化割合を入力操作中に変化させることができる。
遊技機B15において、前記位置変化手段は、前記付勢手段の前記操作側部または本体側部に対して近接して状態を固定する第1状態と、離反して状態の固定が解除される第2状態とを移動により切替可能な移動手段と、その移動手段を移動させる駆動力を発生する移動駆動手段と、その移動駆動手段の駆動態様を制御する制御手段と、を備えることを特徴とする遊技機B16。
遊技機B16によれば、遊技機B15の奏する効果に加え、位置変化手段による支持位置を、制御手段に基づいて移動駆動手段を駆動することにより、変化させる制御を行うことができる。従って、付勢手段を介して遊技者に与えられる負荷を制御により変化させることができる。
なお、付勢手段のどちらの端部の支持を解除するようにしても良い。なお、ペダル側の支持点を解除する場合には、周面に沿って移動する(操作先端面で押される態様では無い)ことが必須になる。
なお、ペダルの移動方向と、移動手段の移動方向とが直交する場合、操作時に遊技者へ与える反力が、移動手段の駆動タイミングに変化することを抑制することができる。
遊技機B15又はB16において、前記被操作手段と前記操作側部との当接位置、または、前記遊技機本体と前記本体側部との支持位置の少なくとも一方の変化が、前記被操作手段の操作の実行により生じることを特徴とする遊技機B17。
遊技機B17によれば、遊技機B15又はB16の奏する効果に加え、付勢手段の付勢力(の変化程度)の変化が、遊技者が被操作手段を操作することにより生じるので(即ち、付勢手段の状態が予め変化されるのでは無いので)、操作前の被操作手段の状態(例えば外観)から、付勢手段の付勢力が変化することを気付かれることを防止することができ、被操作手段の操作の促進を図ることができる。
また、遊技者が被操作手段を操作することに伴って付勢手段の付勢力が変化することから、操作態様の違いにより付勢力の変化態様を異ならせ易くすることができる。
<傾倒装置の回転速度が大の時、遊技者が受ける負荷が大となる技術思想の一例>
遊技者が入力操作を行う入力手段を備える遊技機において、前記入力手段は、遊技者に入力操作される被操作手段と、その被操作手段に移動抵抗として負荷を与えると共にその負荷を変化可能に構成される負荷変化手段と、を備え、前記被操作手段が第1速度と、その第1速度よりも大きな第2速度とで変位可能とされる場合に、前記負荷変化手段の作用により、前記第1速度で変位した際に前記被操作手段に前記負荷変化手段から与えられる負荷に比較して、前記第2速度で変位した際に前記被操作手段に前記負荷変化手段から与えられる負荷の方が大きくされることを特徴とする遊技機C1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、遊技者が押し込み操作を行う被操作手段を備え、その被操作手段の押し込み量(変位、速度または強さ等)に対応して、入力を切り替える態様で制御される遊技機がある(例えば特開2012−024322号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、被操作手段を所定位置まで移動させるという操作を行う際に、その所定位置を通り過ぎることを防止するために若干速度を落として操作することにより操作期間が長くなることが一般的であり、例えば、操作可能期間の終了間際に操作を求められていることに気付いた場合には、操作が間に合わない場合があるという問題点があった。
これに対し、遊技機C1によれば、被操作手段が第1速度で変位する場合に比較して、その第1速度よりも大きな第2速度で変位する場合の方が、負荷変化手段から被操作手段に抵抗として与えられる負荷が大きいので、強い力(加速度大)で被操作手段を操作し、被操作手段の速度が大きくなった場合にでも、操作する力を解除した後で被操作手段が停止されるまでに必要な距離を短くすることができる。これにより、被操作手段の速度を落として被操作手段を操作することが不要となり、被操作手段の操作期間を短縮できるので、操作可能期間の終了間際に操作を求められていることに気付いた場合でも操作を間に合わせることができる。
なお、負荷変化手段としては、特に限定されるものではなく、例えば、ロータリダンパなどの、作用部の変位速度に対して負荷を変化させる市販の製品を、任意に選定して使用することができる。本遊技機C1の特徴は、被操作手段を押し込み操作することを遊技機側から要求されていることに遊技者が気付くのが遅くなったとしても、負荷変化手段を遊技機に配設する事で、即座に目標位置まで被操作手段を操作することを可能としたことにある。
遊技機C1において、前記被操作手段は、その変位量により、少なくとも第1の入力と、第2の入力とで入力の態様が変化され、前記第1の入力を行う範囲においては、前記負荷変化手段から与えられる負荷の変化が抑制されることを特徴とする遊技機C2。
遊技機C2によれば、遊技機C1の奏する効果に加え、被操作手段が変位量により第1の入力と第2の入力とで入力の態様が変化され、第1の入力を行う範囲においては、負荷変化手段から与えられる負荷の変化が抑制されるので、入力の態様により負荷変化手段の機能が邪魔になる場合に対応することができる。
例えば、被操作手段が、第1の入力で連打操作を含めたボタン押し操作を、第2の入力でその変位量を検出するペダル押し込み操作を行う態様で構成され、第1の入力であるボタン押し操作を勢いよく行うことで被操作手段の変位の抵抗が上昇する場合、ボタン押し操作を勢いよく行うことで被操作手段の戻りが遅くなり、連打操作に支障をきたす恐れがある(被操作手段が元の位置に戻って来るまで待ってから押すしかできず、連打がしづらくなる恐れがある)。
これに対し、遊技機C2によれば、第1の入力を行う範囲では被操作手段の変位の抵抗が負荷変化手段により上昇することが抑制されるので、ボタン押し操作を行う際の被操作手段の変位の速度により被操作手段の戻りが遅くなることが防止され、連打操作を容易に行うことができる。
遊技機C1又はC2において、前記負荷変化手段は、前記被操作手段から伝達される負荷により変位可能とされる弾性バネ部材から構成され、前記被操作手段は、前記弾性バネ部材と対向配置する部分であって、当接して前記弾性バネ部材との間で負荷が伝達可能とされる第1部分と、その第1部分とは異なる部分であって前記弾性バネ部材との間で負荷が非伝達とされる第2部分と、を備え、少なくとも、一対の前記第1部分の間に、前記第2部分が配置されることを特徴とする遊技機C3。
遊技機C3によれば、遊技機C1又はC2の奏する効果に加え、負荷変化手段が、被操作手段から伝達される負荷により変位可能とされる弾性バネ部材から構成され、被操作手段は、弾性バネ部材と対向配置する部分であって、当接して弾性バネ部材との間で負荷が伝達可能とされる第1部分と、その第1部分とは異なる部分であって弾性バネ部材との間で負荷が非伝達とされる第2部分を備え、少なくとも、一対の第1部分の間に、第2部分が配置されるので、第2部分が被操作手段と対向配置される部分を通り過ぎる期間の長短により、被操作手段に負荷される負荷を調整することができる。
即ち、一対の第1部分の間の第2部分を弾性バネ部材に対向配置させながら被操作手段が通り過ぎる期間が、それまでに弾性バネ部材に与えられた変位が戻りきるまでの期間よりも短ければ、第2部分を通り過ぎた後の第1部分が当接移動することにより弾性バネ部材に与えられる変位は、弾性バネ部材が戻りきらず残存した変位に加えられることになるため、戻りきった状態から弾性バネ部材を変位させる場合に比較して、被操作手段に与えられる負荷は大きくなる。
一方で、一対の第1部分の間の第2部分を弾性バネ部材に対向配置させながら被操作手段が通り過ぎる期間が、それまでに弾性バネ部材に与えられた変位が戻りきるまでの期間よりも長ければ、第2部分を通り過ぎた後の第1部分が当接移動することにより弾性バネ部材に与えられる変位は、自然長からの変位となるので、被操作手段に与えられる負荷は小さくなる。これにより、被操作手段が第2部分を弾性バネ部材に対向配置させながら移動する速度の大小によって、被操作手段に弾性バネ部材から与えられる負荷を調整することができる。
遊技機C3において、前記第1部分が複数配置されると共にそれら第1部分の間に前記第2部分が配置され、その第1部分の前記被操作手段の移動方向に沿った長さは、前記被操作手段が初期位置から移動する場合に、前記弾性バネ部材に対して後で当接する部分の方が、先に当接する部分に比較して長くされることを特徴とする遊技機C4。
遊技機C4によれば、遊技機C3の奏する効果に加え、第1部分が複数配置されると共にそれら第1部分の間に第2部分が配置され、その第1部分の被操作手段の移動方向に沿った長さは、被操作手段が初期位置から移動する場合に、弾性バネ部材に対して後で当接する部分の方が、先に当接する部分に比較して長くされるので、被操作手段を移動させ過ぎて目標位置からの被操作手段のずれはばが大きくなりやすい初期位置から遠い位置において1の第1部分が被操作手段に弾性的な負荷を与える範囲を広く確保することができ、被操作手段を移動させすぎた後に操作力を解除すれば弾性的な負荷で目標位置に復帰させ易くすることができると共に、速度が過大とはなりにくい初期位置に近い側の部分と弾性バネ部材とが当接することにおいて負荷が過大となり遊技者が疲れやすくなることを防止することができる。
遊技機C3又はC4において、前記被操作手段が初期位置から遠ざかる方向へ移動する間に前記第1部分を前記弾性バネ部材に当接させて移動する場合には、前記被操作手段へ前記弾性バネ部材の弾性的な負荷が伝達される一方で、前記被操作手段が初期位置へ向けて移動する間に前記第1部分を前記弾性バネ部材に当接させて移動する場合には、前記被操作手段へ前記弾性バネ部材による弾性的な負荷が非伝達とされることを特徴とする遊技機C5。
遊技機C5によれば、遊技機C3又はC4の奏する効果に加え、被操作手段が移動する方向によって弾性バネ部材から弾性的な負荷が被操作手段へ伝達されるか否かが変化するので、被操作手段が第1部分を弾性バネ部材に当接させて移動する場合の減速度合いを、その移動方向によって変化させることができる。
即ち、被操作手段が初期位置から遠ざかる方向へ向けて移動する場合には、弾性的に増加する負荷を抵抗として与えられることで移動速度が増加することを抑制できる一方で、被操作手段が初期位置へ向けて移動する場合には、抵抗が抑制され移動速度が遅くなることを抑制することができる。
遊技機C1からC5のいずれかにおいて、前記負荷変化手段から前記被操作手段に与えられる負荷が過大となった場合に、前記負荷変化手段から前記被操作手段への負荷の伝達を遮断する遮断手段を備えることを特徴とする遊技機C6。
遊技機C6によれば、遊技機C1からC5のいずれかの奏する効果に加え、負荷変化手段から被操作手段に与えられる負荷が過大となった場合に、負荷変化手段から被操作手段への負荷の伝達を遮断する遮断手段を備えるので、被操作手段を介して遊技者へ与える負荷の上限を定めることができる。これにより、被操作手段が遊技者へ与える負荷が過大となり、遊技者の操作負担が上昇することを抑制することができる。
遊技機C1からC6のいずれかにおいて、前記被操作手段の移動経路に沿って前記被操作手段に併設される固定壁と、その固定壁に近接離反する態様で移動可能とされると共に被操作手段に配設される補助動作部材と、を備え、その補助動作部材は、前記被操作手段が前記第1速度で操作される場合には前記固定壁から離間する位置に配置されると共に、前記被操作手段が前記第2速度で操作される場合には前記固定壁へ近接移動され前記固定壁と当接可能に構成されることを特徴とする遊技機C7。
遊技機C7によれば、遊技機C1からC6のいずれかの奏する効果に加え、固定壁が被操作手段の移動経路に沿って併設され、被操作手段に配設される補助動作部材が固定壁と当接するか否かを、被操作手段の変位の速度の大小によって変化させる態様で構成されるので、補助動作部材と固定壁とが当接した状態で被操作手段が移動することにより生じる摩擦力の分だけ、被操作手段を介して遊技者に与えられる負荷を変化させることができる。
被操作手段を第1速度で移動させる場合には、補助動作部材と固定壁との当接は生じないので、第1速度で移動させる場合にも当接は生じる負荷変化手段を備える場合に比較して、被操作手段を第1速度で移動させる場合に、微弱な負荷の増減が生じることを防止することができる。
なお、補助動作部材の移動態様としては、被操作手段の移動時の慣性力(遠心力)で固定壁へ近接する方向に直接移動する態様や、慣性力(遠心力)で被操作手段の移動方向に沿って相対移動する他の部材を備え、その他の部材の移動により固定機構が外れ、固定壁へ近接する方向に移動する態様等が例示される。
遊技機C1からC7のいずれかにおいて、前記入力手段は、前記被操作手段を振動させる振動手段と、前記被操作手段の入力方向と交差する方向に移動可能とされると共に、前記被操作手段に配設され遊技者が操作可能な操作部と、を備え、前記変化手段は、前記操作部を移動させる駆動力を発生する操作駆動手段と、その操作駆動手段の駆動力を前記操作部に伝達する伝達手段と、を備え、前記入力手段は、前記操作部と前記被操作手段との間の距離が近い場合に比較して、前記操作部と前記被操作手段との間の距離が遠い場合の方が、前記被操作手段への前記振動手段の振動伝達効率を上昇させる切替手段を備えることを特徴とする遊技機C8。
ここで、遊技者が操作可能な入力手段を振動手段により自発的に振動させる場合、その振動手段を遊技者が操作する部位に近づける方が、遊技者が操作する際に遊技者に与えられる振動を大きくすることができる。一方で、操作部位は操作時の衝撃が最も大きくなる位置なので、その位置に振動手段を配置すると、操作時の衝撃で故障する恐れがある。そのため、振動感を確保することと、振動手段の耐用年数を長く確保することとを両立させることは困難であるという問題点があった。
遊技機C8によれば、遊技機C1からC7のいずれかの奏する効果に加え、切替手段により、振動伝達効率が調整される。そのため、振動手段と操作部との距離を確保しながら、その距離が長くなったとしても遊技者に与えられる振動感が低減することを防止することができる。
また、操作部を被操作手段から離すことで操作対象を大きくし、遊技者による入力手段の操作を容易としながら、振動手段から遊技者の手指が離れることで振動感が減少することへの対策として、切替手段により振動伝達効率を上昇させることで、入力手段に触れる遊技者に与える振動を確保する(平準化する)ことができる。
これにより、操作部が被操作手段から離れ、操作対象が大きくなることから、外観上、期待度が大きいと予感させる状況(所謂、「激アツ」の状況)の時に、遊技者に与えられる振動感が極端に弱くなることによる違和感を解消することができる。
なお、期待度には、リーチ発展期待度や、大当たり発生期待度などが含まれる。ここで、リーチ発展期待度は、リーチへ発展する割合、可能性もしくは期待度であり、また、大当たり発生期待度は、大当たりが発生する割合、可能性もしくは期待度である。
なお、振動感には、部材に触れた遊技者が部材を介して受ける振動に対する感覚や、部材に触れずとも、他の感覚(例えば、視覚)により振動に対して受ける感覚(例えば、部材の付近に残像が見えることで、振動していると理解する感覚)などが含まれる。
遊技機C8において、前記被操作手段は、箇所により動作速度の高低が生じる動作態様で動作し、前記操作駆動手段は、前記被操作手段の速度が低くなる側に配置されることを特徴とする遊技機C9。
遊技機C9によれば、遊技機C8の奏する効果に加え、被操作手段を叩く等の激しい操作が行われた場合に、その操作の激しさを維持しながら、操作駆動手段に与えられる衝撃を抑制することができる。
なお、箇所により動作速度の高低が生じる動作態様としては、例えば、被操作手段が回転可能に軸支され、その軸を中心とする円の周方向に回転動作する態様や、軸支はされずとも、端部などの一部分を基点として傾倒する動作態様などが例示される。
遊技機C8又はC9において、前記操作部は、前記操作駆動手段の駆動力により前記被操作手段から離反され、前記切替手段は、前記被操作手段と前記操作部とを連結可能な程度変化手段を備え、その程度変化手段は、前記被操作手段に近接する方向へ向けて前記操作部を移動させる付勢力を発生させるものであり、その付勢力は、前記被操作手段と前記操作部との距離が長くなる程上昇することを特徴とする遊技機C10。
遊技機C10によれば、遊技機C8又はC9の奏する効果に加え、程度変化手段が変動する付勢力を発生することにより、操作部を被操作手段に近接する側に維持できると共に、被操作手段と操作部との間の振動伝達の緩衝作用を調整する(被操作手段と操作部とが近接配置する場合には緩衝作用を大きく保ち、距離を離して配置する場合には緩衝作用を小さくする)ことができる。即ち、程度変化手段に複数の機能を持たせることができ、部材個数の削減を図ることができる。
なお、程度変化手段の態様は特に限定されるものでは無い。例えば、金属製の弾性バネから形成されても良いし、空気バネから形成されても良い。
遊技機C8からC10のいずれかにおいて、前記切替手段は、前記操作部が前記被操作手段から離れるほど、前記振動手段に前記被操作手段の移動方向と交差する方向に沿って近づき、少なくとも、前記操作部が前記被操作手段から最も離間する場合に前記振動手段と当接可能とされる第2伝達手段を備え、前記変位手段は、前記被操作手段に対して前記操作部を前記被操作手段の移動方向と交差する方向に沿って動作可能に連結する連結手段を備えることを特徴とする遊技機C11。
遊技機C11によれば、遊技機C8からC10のいずれかの奏する効果に加え、第2伝達手段と振動手段との当接により、振動手段の振動が連結手段に伝達され、連結手段の動作方向に沿った振動が操作部に伝達されるので、被操作手段の移動方向と交差する方向の振動を操作部に触れる遊技者に与え易くすることができる。
例えば、被操作手段の操作時の動作態様が所定の軸を中心とした回転動作である場合、被操作手段の移動方向と交差する方向の振動(即ち、所定の軸の径方向の振動)は、回転腕の長さにより変動するものでは無いので(モーメント関係無いので)、操作部が被操作手段から離れた場合であっても、遊技者に伝達される振動を大きく確保することができる。
なお、被操作手段に触れる遊技者が感じる振動と、操作部に触れる遊技者が感じる振動とを変化させることができる。これにより、共通の振動手段を用いながら、遊技者が操作する部位により伝達される振動のモードを異ならせることができ、異なった振動演出(振動伝達)を行うことができるので、振動演出の多様化を図ることができる。
なお、例えば、操作駆動手段、伝達手段および第2伝達手段を連結手段に収容させることにより、連結手段の振動で駆動力の伝達経路の状態が変化して、伝達抵抗が上昇するといった問題が発生することを防止することができる。
遊技機C8からC11のいずれかにおいて、前記伝達手段は、前記操作部と前記操作駆動手段との間に過負荷が発生した場合に駆動力の伝達を解除する解除手段を備えることを特徴とする遊技機C12。
遊技機C12によれば、遊技機C8からC11のいずれかの奏する効果に加え、遊技者が操作部を想定外の操作方法で操作する等により、操作駆動手段に過負荷が生じ、操作駆動手段が故障する等の不具合が発生することを防止できる。これにより、操作部の操作の自由度を向上させることができる。
遊技機C8からC12のいずれかにおいて、前記被操作手段は、前記入力方向に沿って回転可能に軸支され、前記操作部は、前記被操作手段の回転軸から離反する態様で、前記被操作手段から遠ざかることを特徴とする遊技機C13。
遊技機C13によれば、遊技機C8からC12のいずれかの奏する効果に加え、被操作手段の回転軸を中心とした回転の腕長さが、操作駆動手段の駆動力による操作部の移動により変化するので、操作部を操作する遊技者に与えられる反力を操作部の移動量に合わせて変化させることができる。
また、操作部が被操作手段から最も離れるという、操作対象が最も大きくなる(操作可能範囲が最も大きくなり操作し易くなる)時に、操作部を操作する遊技者に与えられる反力を減少させることができるので、操作時に遊技者に貯まる疲労感を低減することができる。これにより、遊技者に操作部の操作を行うように促すことができる。
遊技機C1からC7のいずれかにおいて、前記負荷変化手段は、前記被操作手段の操作方向に沿って付勢力を発生させる付勢手段を備え、その付勢手段は、前記被操作手段の移動に伴って変形可能に構成され、所定状態からの前記被操作手段の移動量と前記付勢手段の変形量とを同等に維持する第1状態と、前記所定状態からの前記付勢手段の変形量を前記被操作手段の移動量未満とする第2状態とを切替可能とされることを特徴とする遊技機C14。
遊技機C14によれば、遊技機C1からC7のいずれかの奏する効果に加え、第1状態と第2状態とを切り替えることにより、被操作手段が所定量移動した場合の付勢手段の変形量を切り替えることができる。これにより、付勢手段の弾性係数が同じであっても、第1状態と第2状態とで、被操作手段を所定量操作する遊技者に与える負荷を変化させることができる。そのため、付勢手段の弾性係数を予め変化させておく制御を不要とでき、操作タイミングに合わせて付勢手段から生じる反力を変化させることができる。
なお、変形量に対する負荷の変化の態様は何ら限定されるものでは無い。例えば、線形の変化態様(弾性バネなど)でも良いし、非線形の変形態様でも良い。
遊技機C14において、前記負荷変化手段は、前記付勢手段に配設され前記被操作手段と当接する操作側部と、前記付勢手段の前記操作側部の反対側に配設され遊技機本体に支持される本体側部と、前記被操作手段と前記操作側部との当接位置、または、前記遊技機本体と前記本体側部との支持位置の少なくとも一方を、入力操作中に、前記付勢手段の付勢力が弱まる側へ変化可能とされる位置変化手段と、を備えることを特徴とする遊技機C15。
遊技機C15によれば、遊技機C14の奏する効果に加え、位置変化手段により、入力操作中に、被操作手段の操作長さと、付勢手段の変位量との対応関係を崩すことができるので、付勢手段の反力として遊技者に与えられる負荷の変化割合を入力操作中に変化させることができる。
遊技機C15において、前記位置変化手段は、前記付勢手段の前記操作側部または本体側部に対して近接して状態を固定する第1状態と、離反して状態の固定が解除される第2状態とを移動により切替可能な移動手段と、その移動手段を移動させる駆動力を発生する移動駆動手段と、その移動駆動手段の駆動態様を制御する制御手段と、を備え、その制御手段は、少なくとも前記第2速度で前記被操作手段が操作された場合に操作完了するのに要する時間だけ前記移動手段を第1状態に維持することを特徴とする遊技機C16。
遊技機C16によれば、遊技機C15の奏する効果に加え、第2速度で被操作手段が操作された場合に、被操作手段と操作側部との当接位置、および遊技機本体と本体側部との支持位置の双方を変化させずに操作完了させる可能性を持たせることができる。この場合、付勢手段の反力として遊技者に与える負荷を確保することができる。
遊技機C16において、前記位置変化手段は、前記被操作手段と前記操作側部との当接位置、または、前記遊技機本体と前記本体側部との支持位置の少なくとも一方を複数段階で変化可能に構成され、前記制御手段は、前記移動手段を、前記位置変化手段が前記第2状態に維持される間に前記当接位置および前記支持位置が複数段階で変化不能な態様で移動させることを特徴とする遊技機C17。
遊技機C17によれば、遊技機C16の奏する効果に加え、被操作手段と操作側部との当接位置、または、遊技機本体と本体側部との支持位置の少なくとも一方の変化が複数段階で生じ、移動手段が第2状態に維持されている間に複数段階の変化が生じることが防止されるので、被操作手段が第2速度で操作される場合に比較し手、被操作手段が第1速度で操作される場合の方が遊技者に与える負荷の変化量を大きくすることができる。
遊技機C17において、前記被操作手段と前記操作側部との当接位置、または、前記遊技機本体と前記本体側部との支持位置の少なくとも一方が所定の段階で変化することにより、前記付勢手段から前記被操作手段へ向けて発生する付勢力が消失することを特徴とする遊技機C18。
遊技機C18によれば、遊技機C17の奏する効果に加え、被操作手段と操作側部との当接位置、または、遊技機本体と本体側部との支持位置の少なくとも一方が所定の段階で変化すると、被操作手段を操作する遊技者に与えられていた反力の内、付勢手段により生じる反力が消失するので、遊技者が反力の変化に気づき易くすることができる。
遊技機C16からC18のいずれかにおいて、前記被操作手段と前記操作側部との当接位置、または、前記遊技機本体と前記本体側部との支持位置の少なくとも一方の変化が、前記被操作手段の操作の実行により生じることを特徴とする遊技機C19。
遊技機C19によれば、遊技機C16からC18のいずれかの奏する効果に加え、付勢手段の付勢力(の変化程度)の変化が、遊技者が被操作手段を操作することにより生じるので(即ち、付勢手段の状態が予め変化されるのでは無いので)、操作前の被操作手段の状態(例えば外観)から、付勢手段の付勢力が変化することを気付かれることを防止することができ、被操作手段の操作の促進を図ることができる。
また、遊技者が被操作手段を操作することに伴って付勢手段の付勢力が変化することから、操作態様の違いにより付勢力(即ち、遊技者に与えられる反力)を異ならせ易くすることができる。
遊技機C15からC19のいずれかにおいて、前記入力手段の操作を遊技者に促す所定期間の報知を行う報知手段を備え、前記報知手段による報知の終了前の第1期間において、前記負荷変化手段が作動することを特徴とする遊技機C20。
遊技機C20によれば、遊技機C15からC19のいずれかの奏する効果に加え、操作に対する負荷を大きくする期間を必要最小限に留めることにより、入力手段の操作により遊技者に与えられる疲労感を低減することができる。これにより、入力手段を操作する際に遊技者に与えられるストレスを低減することができ、遊技者が入力手段を操作して遊技に参加する可能性(または確率)を高めることができる。
<傾倒装置の回転速度が大の時に、遊技者への負荷が小となる技術思想の一例>
遊技者が入力操作を行う入力手段を備える遊技機において、前記入力手段は、遊技者に入力操作される被操作手段と、その被操作手段に移動抵抗としての負荷を与えると共にその負荷を変化させる負荷変化手段と、を備え、前記被操作手段が第1速度と、その第1速度よりも大きな第2速度とで変位する場合に、前記第1速度で変位した際に前記被操作手段に前記負荷変化手段から与えられる負荷に比較して、前記第2速度で変位した際に前記被操作手段に前記負荷変化手段から与えられる負荷の方が小さくされることを特徴とする遊技機D1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、遊技者が押し込み操作を行う被操作手段を備え、その被操作手段の押し込み量(変位、速度または強さ等)に対応して、入力を切り替える態様で制御される遊技機がある(例えば特開2012−024322号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、被操作手段を移動範囲の途中まで移動させて維持させる操作と、終端まで一気に押し込む操作とを要求される場合に、それら両方に適した抵抗をかけることが困難であるという問題点があった。
即ち、被操作手段を移動範囲の途中まで移動させて維持する場合には、被操作手段の移動抵抗が大きい方が被操作手段に負荷を与える遊技者の力の調節が容易となる一方で、終端まで一気に押し込む操作を行う場合には移動抵抗が小さいほど快適に操作を行うことができるので、相反する性能を要求することになるという問題点があった。
これに対し、遊技機D1によれば、被操作手段に移動抵抗としての負荷を与えると共にその負荷を変化させる負荷変化手段を備え、被操作手段の移動速度が第1速度とされる場合に比較して、その第1速度よりも大きな第2速度で被操作手段が移動する場合の方が負荷変化手段から与えられる負荷が小さくされるので、被操作手段が第1速度で変位する場合には被操作手段の位置を維持し易い状態にできると共に、被操作手段が第2速度で変位する場合には被操作手段を一気に押し込み易い状態とすることができる。
遊技機D1において、前記負荷変化手段が、付勢力により前記被操作手段に近接する方向に移動する制動補助部材を備え、その制動補助部材は前記被操作手段と当接することにより前記被操作手段に移動抵抗としての負荷を与え、前記被操作手段が初期位置から遠ざかる向きに移動する程、前記制動補助部材と前記被操作手段との当接位置が前記制動補助部材の初期位置から遠ざかる態様で構成されることを特徴とする遊技機D2。
遊技機D2によれば、遊技機D1の奏する効果に加え、被操作手段と当接することにより被操作手段に移動抵抗としての負荷を与える制動補助部材が、被操作手段が初期位置から遠ざかる向きに移動する程、制動補助部材と被操作手段との当接位置が制動補助部材の初期位置から遠ざかる態様で構成されるので、被操作手段の移動後の当接位置に制動補助部材が追い付く前に更に被操作手段を移動させる速度で被操作手段を移動させることにより、制動補助部材から被操作手段へ移動抵抗としての負荷が伝達されることを抑制することができる。
遊技機D2において、被操作手段が所定の回転軸を中心に回転する態様で構成され、前記制動補助部材が被操作手段の移動経路に沿った側壁部と当接され、その側壁部が、初期位置から前記被操作手段が移動する場合に先に前記制動補助部材と当接する第1当接点に比較して、その後で前記制動補助部材と当接する第2当接点の方が、前記第1当接点を通る前記所定の回転軸を中心とした円よりも内側に配置されることを特徴とする遊技機D3。
遊技機D3によれば、遊技機D2の奏する効果に加え、第1当接点よりも後で制動補助部材と当接可能となる点が第1当接点を通り所定の回転軸を中心とする円の内側に配置されるので、被操作手段が初期位置から移動する程、制動補助部材から被操作手段へ与えられる負荷により発生するモーメントの腕を短くすることができ、被操作手段の回転抵抗を低減することができる。
遊技機D1において、前記被操作手段の移動経路に沿って併設される固定壁を備え、前記負荷変化手段は、前記被操作手段に弾性的に支持される慣性部材と、その慣性部材が前記被操作手段に対して相対的に停止する場合には前記固定壁と当接される一方で前記慣性部材が前記被操作手段に対して相対移動する場合には前記固定壁から離間される態様で構成される補助動作部材と、を備えることを特徴とする遊技機D4。
遊技機D4によれば、遊技機D1の奏する効果に加え、負荷変化手段が、被操作手段に弾性的に支持される慣性部材と、その慣性部材の被操作手段に対する移動に応じて固定壁と当接するか離間するか変化する補助動作部材と、を備え、慣性部材が被操作手段に対して相対移動する場合に補助動作部材が固定壁から離間するので、補助動作部材が被操作手段と同じ速度で移動し易い低速での移動時に移動抵抗としての負荷をかけやすい一方、補助動作部材が被操作手段に対して置いていかれ易い高速での移動じの移動抵抗としての負荷を小さくすることができる。
遊技機D4において、前記被操作手段が所定の回転軸を中心に回転動作され、前記慣性部材は、前記被操作手段の前記回転軸の反対側の端部において回転軌跡に沿って移動する態様で支持されることを特徴とする遊技機D5。
遊技機D5によれば、遊技機D4の奏する効果に加え、被操作手段が所定の回転軸を中心に回転動作され、その被操作手段が高速で移動される場合に、被操作手段の中で最も移動距離が大きくなる回転軸の反対側の端部に慣性部材が配置され、その移動距離を最も有効に活用できる回転軌跡に沿った経路で移動可能に支持されるので、慣性部材の慣性を有効に利用して慣性部材を被操作手段に対して相対移動し易くすることができる。
遊技機D4又はD5において、前記固定壁の一部に磁性材料が配設され、前記補助動作部材が、前記固定壁に配設される磁性材料と逆の極性を有する磁性材料を含有すると共に前記補助動作部材と前記固定壁とが当接する場合に磁力により吸着可能に構成されることを特徴とする遊技機D6。
遊技機D6によれば、遊技機D4又はD5の奏する効果に加え、固定壁の一部に磁性材料が配設され、補助動作部材と固定壁とが当接する場合に磁力により吸着可能に構成されるので、磁力による吸着が生じる部分と、磁力による吸着が生じない部分とで、被操作手段を同一速度で移動させた場合における補助動作部材の配置を変化させることができる。これにより、磁力による吸着が生じる部分において被操作手段を維持することを容易にすることができる。
遊技機D1からD6のいずれかにおいて、前記入力手段は、前記被操作手段を振動させる振動手段と、前記被操作手段の入力方向と交差する方向に移動可能とされると共に、前記被操作手段に配設され遊技者が操作可能な操作部と、を備え、前記変化手段は、前記操作部を移動させる駆動力を発生する操作駆動手段と、その操作駆動手段の駆動力を前記操作部に伝達する伝達手段と、を備え、前記入力手段は、前記操作部と前記被操作手段との間の距離が近い場合に比較して、前記操作部と前記被操作手段との間の距離が遠い場合の方が、前記被操作手段への前記振動手段の振動伝達効率を上昇させる切替手段を備えることを特徴とする遊技機D7。
ここで、遊技者が操作可能な入力手段を振動手段により自発的に振動させる場合、その振動手段を遊技者が操作する部位に近づける方が、遊技者が操作する際に遊技者に与えられる振動を大きくすることができる。一方で、操作部位は操作時の衝撃が最も大きくなる位置なので、その位置に振動手段を配置すると、操作時の衝撃で故障する恐れがある。そのため、振動感を確保することと、振動手段の耐用年数を長く確保することとを両立させることは困難であるという問題点があった。
遊技機D7によれば、遊技機D1からD6のいずれかの奏する効果に加え、切替手段により、振動伝達効率が調整される。そのため、振動手段と操作部との距離を確保しながら、その距離が長くなったとしても遊技者に与えられる振動感が低減することを防止することができる。
また、操作部を被操作手段から離すことで操作対象を大きくし、遊技者による入力手段の操作を容易としながら、振動手段から遊技者の手指が離れることで振動感が減少することへの対策として、切替手段により振動伝達効率を上昇させることで、入力手段に触れる遊技者に与える振動を確保する(平準化する)ことができる。
これにより、操作部が被操作手段から離れ、操作対象が大きくなることから、外観上、期待度が大きいと予感させる状況(所謂、「激アツ」の状況)の時に、遊技者に与えられる振動感が極端に弱くなることによる違和感を解消することができる。
なお、期待度には、リーチ発展期待度や、大当たり発生期待度などが含まれる。ここで、リーチ発展期待度は、リーチへ発展する割合、可能性もしくは期待度であり、また、大当たり発生期待度は、大当たりが発生する割合、可能性もしくは期待度である。
なお、振動感には、部材に触れた遊技者が部材を介して受ける振動に対する感覚や、部材に触れずとも、他の感覚(例えば、視覚)により振動に対して受ける感覚(例えば、部材の付近に残像が見えることで、振動していると理解する感覚)などが含まれる。
遊技機D7において、前記被操作手段は、箇所により動作速度の高低が生じる動作態様で動作し、前記操作駆動手段は、前記被操作手段の速度が低くなる側に配置されることを特徴とする遊技機D8。
遊技機D8によれば、遊技機D7の奏する効果に加え、被操作手段を叩く等の激しい操作が行われた場合に、その操作の激しさを維持しながら、操作駆動手段に与えられる衝撃を抑制することができる。
なお、箇所により動作速度の高低が生じる動作態様としては、例えば、被操作手段が回転可能に軸支され、その軸を中心とする円の周方向に回転動作する態様や、軸支はされずとも、端部などの一部分を基点として傾倒する動作態様などが例示される。
遊技機D7又はD8において、前記操作部は、前記操作駆動手段の駆動力により前記被操作手段から離反され、前記切替手段は、前記被操作手段と前記操作部とを連結可能な程度変化手段を備え、その程度変化手段は、前記被操作手段に近接する方向へ向けて前記操作部を移動させる付勢力を発生させるものであり、その付勢力は、前記被操作手段と前記操作部との距離が長くなる程上昇することを特徴とする遊技機D9。
遊技機D9によれば、遊技機D7又はD8の奏する効果に加え、程度変化手段が変動する付勢力を発生することにより、操作部を被操作手段に近接する側に維持できると共に、被操作手段と操作部との間の振動伝達の緩衝作用を調整する(被操作手段と操作部とが近接配置する場合には緩衝作用を大きく保ち、距離を離して配置する場合には緩衝作用を小さくする)ことができる。即ち、程度変化手段に複数の機能を持たせることができ、部材個数の削減を図ることができる。
なお、程度変化手段の態様は特に限定されるものでは無い。例えば、金属製の弾性バネから形成されても良いし、空気バネから形成されても良い。
遊技機D7からD9のいずれかにおいて、前記切替手段は、前記操作部が前記被操作手段から離れるほど、前記振動手段に前記被操作手段の移動方向と交差する方向に沿って近づき、少なくとも、前記操作部が前記被操作手段から最も離間する場合に前記振動手段と当接可能とされる第2伝達手段を備え、前記変位手段は、前記被操作手段に対して前記操作部を前記被操作手段の移動方向と交差する方向に沿って動作可能に連結する連結手段を備えることを特徴とする遊技機D10。
遊技機D10によれば、遊技機D7からD9のいずれかの奏する効果に加え、第2伝達手段と振動手段との当接により、振動手段の振動が連結手段に伝達され、連結手段の動作方向に沿った振動が操作部に伝達されるので、被操作手段の移動方向と交差する方向の振動を操作部に触れる遊技者に与え易くすることができる。
例えば、被操作手段の操作時の動作態様が所定の軸を中心とした回転動作である場合、被操作手段の移動方向と交差する方向の振動(即ち、所定の軸の径方向の振動)は、回転腕の長さにより変動するものでは無いので(モーメント関係無いので)、操作部が被操作手段から離れた場合であっても、遊技者に伝達される振動を大きく確保することができる。
なお、被操作手段に触れる遊技者が感じる振動と、操作部に触れる遊技者が感じる振動とを変化させることができる。これにより、共通の振動手段を用いながら、遊技者が操作する部位により伝達される振動のモードを異ならせることができ、異なった振動演出(振動伝達)を行うことができるので、振動演出の多様化を図ることができる。
なお、例えば、操作駆動手段、伝達手段および第2伝達手段を連結手段に収容させることにより、連結手段の振動で駆動力の伝達経路の状態が変化して、伝達抵抗が上昇するといった問題が発生することを防止することができる。
遊技機D7からD10のいずれかにおいて、前記伝達手段は、前記操作部と前記操作駆動手段との間に過負荷が発生した場合に駆動力の伝達を解除する解除手段を備えることを特徴とする遊技機D11。
遊技機D11によれば、遊技機D7からD10のいずれかの奏する効果に加え、遊技者が操作部を想定外の操作方法で操作する等により、操作駆動手段に過負荷が生じ、操作駆動手段が故障する等の不具合が発生することを防止できる。これにより、操作部の操作の自由度を向上させることができる。
遊技機D7からD11のいずれかにおいて、前記被操作手段は、前記入力方向に沿って回転可能に軸支され、前記操作部は、前記被操作手段の回転軸から離反する態様で、前記被操作手段から遠ざかることを特徴とする遊技機D12。
遊技機D12によれば、遊技機D7からD11のいずれかの奏する効果に加え、被操作手段の回転軸を中心とした回転の腕長さが、操作駆動手段の駆動力による操作部の移動により変化するので、操作部を操作する遊技者に与えられる反力を操作部の移動量に合わせて変化させることができる。
また、操作部が被操作手段から最も離れるという、操作対象が最も大きくなる(操作可能範囲が最も大きくなり操作し易くなる)時に、操作部を操作する遊技者に与えられる反力を減少させることができるので、操作時に遊技者に貯まる疲労感を低減することができる。これにより、遊技者に操作部の操作を行うように促すことができる。
遊技機D1からD6のいずれかにおいて、前記負荷変化手段は、前記被操作手段の操作方向に沿って付勢力を発生させる付勢手段を備え、その付勢手段は、前記被操作手段の移動に伴って変形可能に構成され、所定状態からの前記被操作手段の移動量と前記付勢手段の変形量とを同等に維持する第1状態と、前記所定状態からの前記付勢手段の変形量を前記被操作手段の移動量未満とする第2状態とを切替可能とされることを特徴とする遊技機D13。
遊技機D13によれば、遊技機D1からD6のいずれかの奏する効果に加え、第1状態と第2状態とを切り替えることにより、被操作手段が所定量移動した場合の付勢手段の変形量を切り替えることができる。これにより、付勢手段の弾性係数が同じであっても、第1状態と第2状態とで、被操作手段を所定量操作する遊技者に与える負荷を変化させることができる。そのため、付勢手段の弾性係数を予め変化させておく制御を不要とでき、操作タイミングに合わせて付勢手段から生じる反力を変化させることができる。
なお、変形量に対する負荷の変化の態様は何ら限定されるものでは無い。例えば、線形の変化態様(弾性バネなど)でも良いし、非線形の変形態様でも良い。
遊技機D13において、前記負荷変化手段は、前記付勢手段に配設され前記被操作手段と当接する操作側部と、前記付勢手段の前記操作側部の反対側に配設され遊技機本体に支持される本体側部と、前記被操作手段と前記操作側部との当接位置、または、前記遊技機本体と前記本体側部との支持位置の少なくとも一方を、入力操作中に、前記付勢手段の付勢力が弱まる側へ変化可能とされる位置変化手段と、を備えることを特徴とする遊技機D14。
遊技機D14によれば、遊技機D13の奏する効果に加え、位置変化手段により、入力操作中に、被操作手段の操作長さと、付勢手段の変位量との対応関係を崩すことができるので、付勢手段の反力として遊技者に与えられる負荷の変化割合を入力操作中に変化させることができる。
遊技機D14において、前記位置変化手段は、前記付勢手段の前記操作側部または本体側部に対して近接して状態を固定する第1状態と、離反して状態の固定が解除される第2状態とを移動により切替可能な移動手段と、その移動手段を移動させる駆動力を発生する移動駆動手段と、その移動駆動手段の駆動態様を制御する制御手段と、を備え、前記移動手段は、前記第2状態において前記被操作手段との位置ずれが生じても遊技者へ与える負荷が維持される範囲としての第1不変範囲および第2不変範囲を備え、それら各不変範囲は前記被操作手段の移動方向に沿って移動基端側から順に配置され、前記第1不変範囲の長さよりも、第2不変範囲の長さの方が長くなる態様で設定されることを特徴とする遊技機D15。
遊技機D15によれば、遊技機D14の奏する効果に加え、移動基端側に配置される第1不変範囲よりも、移動先端側に配置される第2不変範囲の方が長くなることから、被操作手段の操作速度が大きくなるに従って、移動手段が支持される不変範囲が被操作手段の移動先端側へ移動する(移動手段の支持位置が被操作手段の移動先端側へ移動する)。従って、第1速度で操作する場合に比較して、第2速度で操作する場合の方が、遊技者に与えられる負荷を小さくすることができる。
なお、付勢手段のどちらの端部の支持を解除するようにしても良い。なお、ペダル側の支持点を解除する場合には、周面に沿って移動する(操作先端面で押される態様では無い)ことが必須になる。
なお、ペダルの移動方向と、移動手段の移動方向とが直交する場合、操作時に遊技者へ与える反力が、移動手段の駆動タイミングに変化することを抑制することができる。
遊技機D14又はD15において、前記制御手段は、前記第2速度で前記被操作手段が移動範囲を移動しきるのに要する時間よりも短い時間で前記移動手段を前記第1状態と第2状態とに切り替える態様で制御することを特徴とする遊技機D16。
遊技機D16によれば、遊技機D14又はD15の奏する効果に加え、移動手段が第1状態で維持される間に被操作手段の操作が完了することを防止することができる。これにより、第2速度で操作した際に遊技者に与える負荷が、第1速度で操作した際に遊技者に与える負荷よりも大きくなることを防止することができる。
位置変化手段による支持位置を、制御手段に基づいて移動駆動手段を駆動することにより、変化させる制御を行うことができる。従って、付勢手段を介して遊技者に与えられる負荷を制御により変化させることができる。
遊技機D16において、前記位置変化手段は、前記被操作手段と前記操作側部との当接位置、または、前記遊技機本体と前記本体側部との支持位置の少なくとも一方を複数段階で変化可能に構成され、前記制御手段は、前記移動手段を、前記位置変化手段が前記第2状態に維持される間に前記当接位置および前記支持位置が複数段階で変化不能な態様で移動させることを特徴とする遊技機D17。
遊技機D17によれば、遊技機D16の奏する効果に加え、移動手段を第2状態に維持する回数により、前記被操作手段と前記操作側部との当接位置、または、前記遊技機本体と前記本体側部との支持位置の少なくとも一方の変化する最大回数を規定することができる。これにより、被操作手段が操作される速度に関わらず、上述した当接位置または支持位置が変化しすぎることを防止することができる。
遊技機D17において、前記被操作手段と前記操作側部との当接位置、または、前記遊技機本体と前記本体側部との支持位置の少なくとも一方が所定の段階で変化することにより、前記付勢手段から前記被操作手段へ向けて発生する付勢力が消失することを特徴とする遊技機D18。
遊技機D18によれば、遊技機D18の奏する効果に加え、被操作手段と操作側部との当接位置、または、遊技機本体と本体側部との支持位置の少なくとも一方が所定の段階で変化すると、被操作手段を操作する遊技者に与えられていた反力の内、付勢手段により生じる反力が消失するので、遊技者が反力の変化に気づき易くすることができる。
遊技機D15からD18のいずれかにおいて、前記被操作手段と前記操作側部との当接位置、または、前記遊技機本体と前記本体側部との支持位置の少なくとも一方の変化が、前記被操作手段の操作の実行により生じることを特徴とする遊技機D19。
遊技機D19によれば、遊技機D15からD18のいずれかの奏する効果に加え、付勢手段の付勢力(の変化程度)の変化が、遊技者が被操作手段を操作することにより生じるので(即ち、付勢手段の状態が予め変化されるのでは無いので)、操作前の被操作手段の状態(例えば外観)から、付勢手段の付勢力が変化することを気付かれることを防止することができ、被操作手段の操作の促進を図ることができる。
また、遊技者が被操作手段を操作することに伴って付勢手段の付勢力が変化することから、操作態様の違いにより付勢力の変化態様を異ならせ易くすることができる。
遊技機D14からD19のいずれかにおいて、前記入力手段の操作を遊技者に促す所定期間の報知を行う報知手段を備え、前記報知手段による報知が、前記第1速度による操作を促すものである場合に、前記負荷変化手段を機能させることを特徴とする遊技機D20。
遊技機D20によれば、遊技機D14からD19のいずれかの奏する効果に加え、操作タイミングが細かく規定されていない演出時にまで操作に対する負荷が大きくなることを防止するころにより、入力手段の操作により遊技者に与えられる疲労感を低減することができる。これにより、入力手段を操作する際に遊技者に与えられるストレスを低減することができ、遊技者が入力手段を操作して遊技に参加する可能性(または確率)を高めることができる。
<操作の種類が変化する位置で傾倒装置が係止される技術思想の一例>
遊技者が入力操作を行う入力手段を備える遊技機において、前記入力手段は、遊技者に入力操作される被操作手段と、その被操作手段の移動を係止する係止手段と、を備え、前記被操作手段は、操作量により入力の態様を少なくとも第1の入力と第2の入力とで変更可能とされると共に、前記第2の入力がされない係止位置において前記係止手段に係止されることを特徴とする遊技機E1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、遊技者が押し込み操作を行う被操作手段を備え、その被操作手段の押し込み量(変位、速度または強さ等)に対応して、入力の態様が変更される遊技機がある(例えば特開2012−024322号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、入力の態様の変更されるタイミングを図るために被操作手段の姿勢に注目する必要があったり、被操作手段から遊技者に与えられる負荷により押し込み量を調整する必要があったりして、入力の態様が変更されるタイミングで被操作手段を停止させることが困難であるという問題点があった。
そのため、例えば、連打操作と、押し込み量を変化させる押し込み操作との境界を認識できずに、押し込み操作の範囲に入り込みながら連打操作を行う恐れがあり、快適に遊技できない恐れがあるという問題点があった。
これに対し、遊技機E1によれば、被操作手段の第2の入力がされない位置において、被操作手段が係止手段に係止されるので、被操作手段を第2の入力がされる位置に侵入する前に確実に停止させることができる。従って、第1の入力範囲で被操作手段の操作を完結させることができ、遊技の快適性を向上させることができる。
また、この場合、途中で係止されずに移動範囲を移動仕切る場合に比較して、被操作手段の移動速度が過大となる恐れを小さくすることができる。これにより、被操作手段の破損防止を図ることができる。
なお、係止手段の態様としては特に限定されるものではなく、種々の態様を採用することが可能である。例えば、被操作手段が係止位置に配置されたことを検出することにより被操作手段を係止する部材がソレノイドやバネにより被操作手段へ向けて近接変位される態様としても良いし、被操作手段が所定位置に配置された状態で吸着する固定磁石を設けその吸着により係止するようにしても良い。また、被操作手段が回転動作する場合には、被操作手段を軸支する軸棒の形状と、その軸棒を支持する軸孔の形状との関係で係止するようにしても良い。
遊技機E1において、前記被操作手段を初期位置へ向けて移動させる付勢力を発生させる付勢手段を備え、前記係止手段による前記被操作手段の係止は、その係止位置まで前記被操作手段を移動させた後に開始される第2段階目の操作により解除されることを特徴とする遊技機E2。
遊技機E2によれば、遊技機E1の奏する効果に加え、係止手段による被操作手段の係止の解除が、付勢手段の付勢力に抗して被操作手段を係止位置まで移動させた後で開始される第2段階目の操作により解除されるので、係止位置以降の操作を勢いよく行うことを抑制できる。これにより、被操作手段が初期位置に配置された状態から、被操作手段を移動終端まで一気に移動させるという操作を抑制することができる。
なお、係止位置に被操作手段を移動させた後で開始される第2段階目の操作とは、例えば、被操作手段が押し込み操作をされる場合、係止位置で再度同じ方向に押し込まれる操作や、係止位置に至るまでに押し込まれた方向とは異なる方向に押し込まれる操作や、被操作手段に引き金を模した態様のトリガー部材が配置され、そのトリガー部材を引く操作等が例示される。
遊技機E2において、前記第2段階目の操作の操作方向が、前記被操作手段が初期位置に配置された状態から行う操作の操作方向と異なった方向とされることを特徴とする遊技機E3。
遊技機E3によれば、遊技機E2の奏する効果に加え、第2段階目の操作の操作方向が、被操作手段が初期位置に配置された状態から行う操作の操作方向と異なった方向とされるので、例えば、初期位置と係止位置との間に被操作手段が配置された状態において連打操作を要求された場合に、誤って、被操作手段が係止位置に配置された状態で被操作手段を押す操作を行ったとしても、被操作手段の係止が解除されないので、連打操作を続行することができる。これにより、遊技者が被操作手段を想定外に誤操作することを抑制することができる。
遊技機E2において、前記被操作手段が回転動作可能に構成され、その被操作手段の回転軸は、前記被操作手段が初期位置に配置された状態における回転中心となる第1軸と、その第1軸とは異なる第2軸との間を移動可能とされ、前記被操作手段が前記係止位置に配置された状態で前記回転軸の移動が開始可能とされ、前記係止手段は、前記被操作手段が前記第1軸を中心に回転する場合に被操作手段と周方向で当接する当接係止部材を備え、前記被操作手段が前記第2軸を中心に回転する場合には前記被操作手段と前記当接係止部材との当接が解除されることを特徴とする遊技機E4。
遊技機E4によれば、遊技機E2の奏する効果に加え、被操作手段が当接手段の当接係止部材と当接するか否かが、被操作手段が第1回転軸を中心に回転するか、第2回転軸を中心に回転するかによって変化するので、他の可動部材を追加することなく、被操作手段の係止と、その係止の解除とを行うことができる。これにより、部材個数の低減を図ることができる。
なお、被操作手段が係止位置に配置された状態で回転軸の移動を開始可能とされる場合としては、被操作手段の回転軸の形状が真円形状ではなく、切り欠きを有する不完全円から構成され、回転軸が挿通される軸孔が真円ではなく内側に、凸部を有する形状から構成される場合に、被操作手段が係止位置に配置された状態で切り欠きと凸部とが当接されると共に、その姿勢で回転軸が軸孔に沿って第1位置から第2位置へ移動可能とされる形状で回転軸と軸孔とが形成される場合が例示される。
なお、回転軸と軸孔とは、形状の関係が限られる物では無く、円柱形状の回転軸と長孔形状の軸孔で構成されても良いし、回転軸と軸孔とが共に凹凸を有する異形の形状で構成されても良い。
遊技機E4において、前記付勢手段の発生させる付勢力が、前記被操作手段の回転を初期位置側に戻す方向と、前記被操作手段の前記回転軸を前記第1軸側に戻す方向との両方向にかけられることを特徴とする遊技機E5。
遊技機E5によれば、遊技機E4の奏する効果に加え、付勢手段の発生させる付勢力が、被操作手段の回転を初期位置側に戻す方向と、被操作手段の回転軸を第1軸側に戻す方向との両方向にかけられるので、被操作手段の移動方向の増加に伴って付勢手段の配設個数が増加することを抑制することができる。
遊技機E4又はE5において、前記被操作手段の初期位置からの回転操作が、前記被操作手段を奏する遊技者を基準として、手前から奥へ向けて行われる押し込み操作であり、前記第1軸が、前記第2軸よりも手前側に配置されることを特徴とする遊技機E6。
遊技機E6によれば、遊技機E4又はE5の奏する効果に加え、被操作手段の初期位置からの回転操作が、被操作手段を奏する遊技者を基準として、手前から奥へ向けて行われる押し込み操作であり、第1軸が、第2軸よりも手前側に配置されるので、第1軸から第2軸へ被操作手段の回転軸を移動させる場合に被操作手段に遊技者からかけられる負荷の方向と、被操作手段を回転操作させる際に遊技者からかけられる負荷の方向とのなす角度が小さくされ、被操作手段を回転操作させる操作から滑らかに被操作手段の回転軸を移動させる操作に移ることができる。
<最小構成を遊技機Cのトップ、若干の限定を遊技機A、Eのトップ>
遊技者が入力操作を行う入力手段を備える遊技機において、前記入力手段は、遊技者に入力操作される被操作手段と、その被操作手段に入力操作の逆方向の負荷を与えると共にその負荷を変化可能に構成される負荷変化手段と、を備え、その負荷変化手段は、前記被操作手段に付勢力を伝達する第1付勢手段と、その第1付勢手段に対する前記被操作手段の反対側に前記第1付勢手段に直列配置される第2付勢手段と、前記第1付勢手段および第2付勢手段の間に配置され、前記被操作手段の配置に対して前記第1付勢手段および第2付勢手段が発生させる付勢力を変化可能に形成される付勢力変化手段と、を備えることを特徴とする遊技機F1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、遊技者が押し込み操作を行う被操作手段を備え、その被操作手段の押し込み量(変位、速度または強さ等)に対応して、入力を切り替える態様で制御される遊技機がある(例えば特開2010−252949号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、被操作手段に付勢力を与える付勢手段が単一のコイルスプリングにより形成されるので、被操作手段の操作幅が小さな段階から反力の違いを遊技者が認識できてしまうことから、操作時の臨場感が不足するという問題点があった。即ち、例えば、押し込み幅が大きくなったところで初めて反力の変化を生じさせることが困難であるという問題点があった。
これに対し、遊技機F1によれば、付勢力変化手段により、被操作手段に付勢力を与える第1付勢手段と、その第1付勢手段に直列に接続される第2付勢手段の変形態様を調整することができるので、例えば、被操作部材の操作量が小さい内の反力は不変としつつ、被操作手段が十分に操作された後で反力の変化を生じさせることができる。これにより、操作時の臨場感を増加させることができる。
遊技機F1おいて、前記付勢力変化手段は、前記被操作手段の操作方向に沿った方向の負荷を付与可能に形成される負荷発生手段を備えることを特徴とする遊技機F2。
遊技機F2によれば、遊技機F1の奏する効果に加え、負荷発生手段により付勢力変化手段に負荷を与えることにより、被操作手段の配置に対する第1付勢手段の付勢力と、第2付勢手段の付勢力との関係を変化させることができる。
遊技機F2において、前記負荷発生手段からの負荷は、前記被操作手段の操作量が所定量を越えることにより消失する態様で形成されることを特徴とする遊技機F3。
遊技機F3によれば、遊技機F2の奏する効果に加え、被操作手段の操作量が所定量を越えることにより負荷発生手段からの負荷が消失するので、被操作手段の操作の最中において、負荷発生手段からの負荷が生じる操作量の範囲と、負荷発生手段からの負荷が生じない操作量の範囲とを連続的に設定することができる。
遊技機F1からF3のいずれかにおいて、前記付勢力変化手段は、被操作手段の移動に伴って移動する連動手段を備えることを特徴とする遊技機F4。
遊技機F4によれば、遊技機F1からF3のいずれかの奏する効果に加え、被操作手段を介して遊技者に与えられる負荷の変化を、被操作手段の操作前に把握することを不可能とすることができる。
遊技機F1からF4のいずれかにおいて、前記付勢力変化手段は、前記第1付勢手段および第2付勢手段が直列配置される方向に沿って伸縮する伸縮手段を備えることを特徴とする遊技機F5。
遊技機F5によれば、遊技機F1からF4のいずれかの奏する効果に加え、被操作手段の位置が維持された状態で、第1付勢手段または第2付勢手段の少なくとも一方を予め縮めておくことで、被操作手段の配置に対する反力を変化させることができる。
なお、伸縮手段の伸縮の態様は、なんら限定されるものでは無い。例えば、上板および下板が駆動され間隔が変化する態様でも良いし、上板と下板との間に任意枚数の板が差し込まれ、その差し込まれた板の厚さ分、伸縮する態様でも良い。
遊技機F5において、前記伸縮手段は、前記第1付勢手段側または第2付勢手段側の片側への伸縮が可能に形成されることを特徴とする遊技機F6。
遊技機F6によれば、遊技機F5の奏する効果に加え、第1付勢手段または第2付勢手段の被操作手段の配置に対して発生する付勢力を単独で変化させることができる。
遊技機F5又はF6において、前記伸縮手段は、単一の駆動手段の駆動力により伸縮することを特徴とする遊技機F7。
遊技機F7によれば、遊技機F5又はF6の奏する効果に加え、単一の駆動手段により伸縮手段の伸縮を行うことができるので、駆動手段の配設個数を削減することができる。
遊技機F1からF7のいずれかにおいて、前記付勢力変化手段は、前記第1付勢手段および第2付勢手段の間に移動可能に配置される中間手段と、前記第1付勢手段および第2付勢手段が直列接続される方向への前記中間手段の移動を規制可能に構成される規制手段と、を備えることを特徴とする遊技機F8。
遊技機F8によれば、遊技機F1からF7のいずれかの奏する効果に加え、中間手段の移動を許容するか、規制するかにより、被操作手段の配置に対して第1付勢手段および第2付勢手段が発生する付勢力を切り替えることができる。
遊技機F8において、前記規制手段は、前記中間手段と当接可能に形成される複数の当接手段を備えることを特徴とする遊技機F9。
遊技機F9によれば、遊技機F8の奏する効果に加え、中間手段の移動を複数の当接手段により規制することができる。そのため、単一の規制手段を用いながら、複数位置で中間手段の移動を規制することができる。
遊技機F9において、前記複数の当接手段は、前記中間手段と対向配置される対向配置面の前記中間手段の移動方向の長さを異ならせて形成されることを特徴とする遊技機F10。
遊技機F10によれば、複数の当接手段の対向配置面の中間手段の移動方向の長さが異なって形成されるので、各当接手段を、中間手段の様々な動作態様に対応させることができる。
遊技機A1からA7,B1からB17,C1からC20,D1からD20,E1からE6,F1からF10のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機Z1。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機A1からA7,B1からB17,C1からC20,D1からD20,E1からE6,F1からF10のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機Z2。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示手段において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
遊技機A1からA7,B1からB17,C1からC20,D1からD20,E1からE6,F1からF10のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機Z3。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
<その他>
パチンコ機などの遊技機において、遊技者が押し込み操作を行う被操作部材を備え、その被操作部材の押し込み量(変位、速度または強さ等)に対応して、入力を切り替える態様で制御される遊技機がある(例えば、特許文献1:特開2012−024322号公報)。
しかしながら、上述した従来の遊技機では、操作部材の操作性に改良の余地があるという問題点があった。本技術的思想は、上記例示した問題点などを解決するためになされたものであり、操作部材の操作性の良好な遊技機を提供することを目的とする。
<手段>
この目的を達成するために技術的思想1の遊技機は、遊技者が入力操作を行う入力手段を備えるものであって、前記入力手段は、遊技者に入力操作される被操作部材と、その被操作部材に移動抵抗としての負荷を与えると共にその負荷を変化させる制動手段と、を備え、前記被操作部材が第1速度と、その第1速度よりも大きな第2速度とで変位する場合に、前記第1速度で変位した際に前記被操作部材に前記制動手段から与えられる負荷に比較して、前記第2速度で変位した際に前記被操作部材に前記制動手段から与えられる負荷の方が小さくされる。
技術的思想2の遊技機は、技術的思想1記載の遊技機において、前記制動手段が、付勢力により前記被操作部材に近接する方向に移動する制動補助部材を備え、その制動補助部材は前記被操作部材と当接することにより前記被操作部材に移動抵抗としての負荷を与え、前記被操作部材が初期位置から遠ざかる向きに移動する程、前記制動補助部材と前記被操作部材との当接位置が前記制動補助部材の初期位置から遠ざかる態様で構成される。
技術的思想3の遊技機は、技術的思想2記載の遊技機において、被操作部材が所定の回転軸を中心に回転する態様で構成され、前記制動補助部材が被操作部材の移動経路に沿った側壁部と当接され、その側壁部が、初期位置から前記被操作部材が移動する場合に先に前記制動補助部材と当接する第1当接点に比較して、その後で前記制動補助部材と当接する第2当接点の方が、前記第1当接点を通る前記所定の回転軸を中心とした円よりも内側に配置される。
<効果>
技術的思想1記載の遊技機によれば、操作部材の操作性を良好にすることができる。
技術的思想2記載の遊技機によれば、技術的思想1記載の遊技機の奏する効果に加え、制動補助部材により操作性を変化させることができる。
技術的思想3記載の遊技機によれば、技術的思想2記載の遊技機の奏する効果に加え、操作部材の形状から操作性を良好とすることができる。