以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して説明する。まず、図1から図44を参照し、第1実施形態として、本発明をパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)10に適用した場合の一実施形態について説明する。図1は、第1実施形態におけるパチンコ機10の正面図であり、図2はパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図3はパチンコ機10の背面図である。
図1に示すように、パチンコ機10は、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12には、多数の釘や入賞口63,64等を有する遊技盤13(図2参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の正面を球(遊技球)が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の正面領域に発射する球発射ユニット112a(図4参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の正面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
内枠12の正面側には、その正面上側を覆う正面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。正面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として正面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と正面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
正面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。正面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の正面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。
正面枠14には、球を貯留する上皿17が正面側へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112a(図4参照)へと案内される。また、上皿17の上面には、枠ボタン22が設けられている。この枠ボタン22は、例えば、第3図柄表示装置81(図2参照)で表示される演出のステージを変更したり、スーパーリーチの演出内容を変更したりする場合などに、遊技者により操作される。
正面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29〜33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29〜33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29〜33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。また、正面枠14の正面視(図1参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。
また、右側の電飾部32下側には、正面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13正面の貼着スペースK1(図2参照)に貼付される証紙等がパチンコ機10の正面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29〜33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その左側部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の正面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51及び操作デバイス300が配設される。なお、操作デバイス300については後述する。
操作ハンドル51の内部には、球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する発射停止スイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)などが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回動操作されると、タッチセンサ51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が回動操作量に対応して変化し、その可変抵抗器の抵抗値に対応した強さ(発射強度)で球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の正面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51aおよび発射停止スイッチ51bがオフとなっている。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。この球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、上述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿(図示せず)が取り付けられている。
図2に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工したベース板60に、球案内用の多数の釘(図示せず)や風車(図示せず)の他、レール61,62、一般入賞口63、第1入賞口64、第2入賞口640、可変入賞装置330、スルーゲート67、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12(図1参照)の裏面側に取り付けられる。ベース板60は光透過性の樹脂材料からなり、その正面側からベース板60の背面側に配設された各種構造体を遊技者に視認させることが可能に形成される。一般入賞口63、第1入賞口64、第2入賞口640、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の正面側からタッピングネジ等により固定されている。
遊技盤13の正面中央部分は、正面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠12の正面側から視認することができる。以下に、主に図2を参照して、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の正面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の正面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の正面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の正面であって2本のレール61,62とレール間を繋ぐ樹脂製の外縁部材73とにより区画して形成される領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(図4参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図2の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。
遊技領域の正面視左側下部(図2の左側下部)には、発光手段である複数のLED及び7セグメント表示器を備える第1図柄表示装置37A,37Bが配設されている。第1図柄表示装置37A,37Bは、主制御装置110(図4参照)で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。本実施形態では、第1図柄表示装置37A,37Bは、球が、第1入賞口64へ入賞したか、第2入賞口640へ入賞したかに応じて使い分けられるように構成されている。具体的には、球が、第1入賞口64へ入賞した場合には、第1図柄表示装置37Aが作動し、一方で、球が、第2入賞口640へ入賞した場合には、第1図柄表示装置37Bが作動するように構成されている。
また、第1図柄表示装置37A,37Bは、LEDにより、パチンコ機10が確変中か時短中か通常中であるかを点灯状態により示したり、変動中であるか否かを点灯状態により示したり、停止図柄が確変大当たりに対応した図柄か普通大当たりに対応した図柄か外れ図柄であるかを点灯状態により示したり、保留球数を点灯状態により示すと共に、7セグメント表示装置により、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行う。なお、複数のLEDは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態を示唆することができる。
尚、本パチンコ機10では、第1入賞口64及び第2入賞口640へ入賞があったことを契機として抽選が行われる。パチンコ機10は、その抽選において、大当たりか否かの当否判定(大当たり抽選)を行うと共に、大当たりと判定した場合はその大当たり種別の判定も行う。ここで判定される大当たり種別としては、15R確変大当たり、4R確変大当たり、15R通常大当たりが用意されている。第1図柄表示装置37A,37Bには、変動終了後の停止図柄として抽選の結果が大当たりであるか否かが示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別に応じた図柄が示される。
ここで、「15R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変大当たりのことであり、「4R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が4ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変大当たりのことである。また、「15R通常大当たり」は、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に、低確率状態へ移行すると共に、所定の変動回数の間(例えば、100変動回数)は時短状態となる大当たりのことである。
また、「高確率状態」とは、大当たり終了後に付加価値としてその後の大当たり確率がアップした状態、いわゆる確率変動中(確変中)の時をいい、換言すれば、特別遊技状態へ移行し易い遊技の状態のことである。本実施形態における高確率状態(確変中)は、後述する第2図柄の当たり確率がアップして第2入賞口640へ球が入賞し易い遊技の状態を含む。「低確率状態」とは、確変中でない時をいい、大当たり確率が通常の状態、即ち、確変の時より大当たり確率が低い状態をいう。また、「低確率状態」のうちの時短状態(時短中)とは、大当たり確率が通常の状態であると共に、大当たり確率がそのままで第2図柄の当たり確率のみがアップして第2入賞口640へ球が入賞し易い遊技の状態のことをいう。一方、パチンコ機10が通常中とは、確変中でも時短中でもない遊技の状態(大当たり確率も第2図柄の当たり確率もアップしていない状態)である。
確変中や時短中は、第2図柄の当たり確率がアップするだけではなく、第2入賞口640に付随する電動役物640aが開放される時間も変更され、通常中と比して長い時間が設定される。電動役物640aが開放された状態(開放状態)にある場合は、その電動役物640aが閉鎖された状態(閉鎖状態)にある場合と比して、第2入賞口640へ球が入賞しやすい状態となる。よって、確変中や時短中は、第2入賞口640へ球が入賞し易い状態となり、大当たり抽選が行われる回数を増やすことができる。
なお、確変中や時短中において、第2入賞口640に付随する電動役物640aの開放時間を変更するのではなく、または、その開放時間を変更することに加えて、1回の当たりで電動役物640aが開放する回数を通常中よりも増やす変更を行うものとしてもよい。また、確変中や時短中において、第2図柄の当たり確率は変更せず、第2入賞口640に付随する電動役物640aが開放される時間および1回の当たりで電動役物640aが開放する回数の少なくとも一方を変更するものとしてもよい。また、確変中や時短中において、第2入賞口640に付随する電動役物640aが開放される時間や、1回の当たりで電動役物640aを開放する回数はせず、第2図柄の当たり確率だけを、通常中と比してアップするよう変更するものであってもよい。
遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、第1入賞口64及び第2入賞口640への入賞(始動入賞)をトリガとして、第1図柄表示装置37A,37Bにおける変動表示と同期させながら、第3図柄の変動表示を行う液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す)で構成された第3図柄表示装置81と、スルーゲート67の球の通過をトリガとして第2図柄を変動表示するLEDで構成される第2図柄表示装置(図示せず)とが設けられている。また、可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。
第3図柄表示装置81は9インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、表示制御装置114(図4参照)によって表示内容が制御されることにより、例えば上、中及び下の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄(第3図柄)によって構成され、これらの第3図柄が図柄列毎に横スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。本実施形態の第3図柄表示装置81は、主制御装置110(図4参照)の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37A,37Bで行われるのに対して、その第1図柄表示装置37A,37Bの表示に応じた装飾的な表示を行うものである。なお、表示装置に代えて、例えばリール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
第2図柄表示装置は、球がスルーゲート67を通過する毎に表示図柄(第2図柄(図示せず))としての「○」の図柄と「×」の図柄とを所定時間交互に点灯させる変動表示を行うものである。パチンコ機10では、球がスルーゲート67を通過したことが検出されると、当たり抽選が行われる。その当たり抽選の結果、当たりであれば、第2図柄表示装置において、第2図柄の変動表示後に「○」の図柄が停止表示される。また、当たり抽選の結果、外れであれば、第2図柄表示装置において、第3図柄の変動表示後に「×」の図柄が停止表示される。
パチンコ機10は、第2図柄表示装置における変動表示が所定図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止した場合に、第2入賞口640に付随された電動役物640aが所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。
第2図柄の変動表示にかかる時間は、遊技状態が通常中の場合よりも、確変中または時短中の方が短くなるように設定される。これにより、確変中および時短中は、第2図柄の変動表示が短い時間で行われるので、当たり抽選を通常中よりも多く行うことができる。よって、当たり抽選において当たりとなる機会が増えるので、第2入賞口640の電動役物640aが開放状態となる機会を遊技者に多く与えることができる。よって、確変中および時短中は、第2入賞口640へ球が入賞しやすい状態とすることができる。
なお、確変中または時短中において、当たり確率を高める、1回に当たりに対する電動役物640aの開放時間や開放回数を増やすなど、その他の方法によっても、確変中または時短中に第2入賞口640へ球が入賞しやすい状態としている場合は、第2図柄の変動表示にかかる時間を遊技状態にかかわらず一定としてもよい。一方、第2図柄の変動表示にかかる時間を、確変中または時短中において通常中よりも短く設定する場合は、当たり確率を遊技状態にかかわらず一定にしてもよいし、また、1回の当たりに対する電動役物640aの開放時間や開放回数を遊技状態にかかわらず一定にしてもよい。
スルーゲート67は、可変表示装置ユニット80の左右の領域において遊技盤13に組み付けられ、遊技盤13に発射された球の一部が通過可能に構成されている。スルーゲート67を球が通過すると、第2図柄の当たり抽選が行われる。当たり抽選の後、第2図柄表示装置にて変動表示を行い、当たり抽選の結果が当たりであれば、変動表示の停止図柄として「○」の図柄を表示し、当たり抽選の結果が外れであれば、変動表示の停止図柄として「×」の図柄を表示する。
球のスルーゲート67の通過回数は、合計で最大4回まで保留され、その保留球数が上述した第1図柄表示装置37A,37Bにより表示されると共に第2図柄保留ランプ(図示せず)においても点灯表示される。第2図柄保留ランプは、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置81の下方に左右対称に配設されている。
なお、第2図柄の変動表示は、本実施形態のように、第2図柄表示装置において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37A,37B及び第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプの点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、スルーゲート67の球の通過に対する最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、スルーゲート67の組み付け数は2つに限定されるものではなく、例えば1つであっても良い。また、スルーゲート67の組み付け位置は可変表示装置ユニット80の左右に限定されるものではなく、例えば、可変表示装置ユニット80の下方でも良い。また、第1図柄表示装置37A,37Bにより保留球数が示されるので、第2図柄保留ランプにより点灯表示を行わないものとしてもよい。
可変表示装置ユニット80の下方には、球が入賞し得る第1入賞口64が配設されている。この第1入賞口64へ球が入賞すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1入賞口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図4参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37Aで示される。
一方、第1入賞口64の正面視下方には、球が入賞し得る第2入賞口640が配設されている。この第2入賞口640へ球が入賞すると遊技盤13の裏面側に設けられる第2入賞口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第2入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図4参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37Bで示される。
また、第1入賞口64および第2入賞口640は、それぞれ、球が入賞すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。なお、本実施形態においては、第1入賞口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入賞口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを同じに構成したが、第1入賞口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入賞口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを異なる数、例えば、第1入賞口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を3個とし、第2入賞口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を5個として構成してもよい。
第2入賞口640には電動役物640aが付随されている。この電動役物640aは開閉可能に構成されており、通常は電動役物640aが閉鎖状態(縮小状態)となって、球が第2入賞口640へ入賞しにくい状態となっている。一方、スルーゲート67への球の通過を契機として行われる第2図柄の変動表示の結果、「○」の図柄が第2図柄表示装置に表示された場合、電動役物640aが開放状態(拡大状態)となり、球が第2入賞口640へ入賞しやすい状態となる。
上述した通り、確変中および時短中は、通常中と比して第2図柄の当たり確率が高く、また、第2図柄の変動表示にかかる時間も短いので、第2図柄の変動表示において「○」の図柄が表示され易くなって、電動役物640aが開放状態(拡大状態)となる回数が増える。更に、確変中および時短中は、電動役物640aが開放される時間も、通常中より長くなる。よって、確変中および時短中は、通常時と比して、第2入賞口640へ球が入賞しやすい状態を作ることができる。
ここで、第1入賞口64に球が入賞した場合と第2入賞口640へ球が入賞した場合とで、大当たりとなる確率は、低確率状態であっても高確率状態でも同一である。しかしながら、大当たりとなった場合に選定される大当たりの種別として15R確変大当たりとなる確率は、第2入賞口640へ球が入賞した場合のほうが第1入賞口64へ球が入賞した場合よりも高く設定されている。一方、第1入賞口64は、第2入賞口640にあるような電動役物は有しておらず、球が常時入賞可能な状態となっている。
よって、通常中においては、第2入賞口640に付随する電動役物が閉鎖状態にある場合が多く、第2入賞口640に入賞しづらいので、電動役物のない第1入賞口64へ向けて、可変表示装置ユニット80の左方を球が通過するように球を発射し(所謂「左打ち」)、第1入賞口64への入賞によって大当たり抽選の機会を多く得て、大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
一方、確変中や時短中は、スルーゲート67に球を通過させることで、第2入賞口640に付随する電動役物640aが開放状態となりやすく、第2入賞口640に入賞しやすい状態であるので、第2入賞口640へ向けて、可変表示装置80の右方を球が通過するように球を発射し(所謂「右打ち」)、スルーゲート67を通過させて電動役物を開放状態にすると共に、第2入賞口640への入賞によって15R確変大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
なお、本実施形態におけるパチンコ機10は、遊技盤13の構成が左右対称とされるため、「右打ち」で第1入賞口64を狙うことも、「左打ち」で第2入賞口640を狙うこともできる。そのため、本実施形態のパチンコ機10は、パチンコ機10の遊技状態(確変中であるか、時短中であるか、通常中であるか)に応じて、遊技者に対し、球の発射の仕方を「左打ち」と「右打ち」とに変えさせることを不要にできる。よって、球の打ち方を変化させる煩わしさを解消することができる。
第1入賞口64の下方には可変入賞装置330(図11参照)が配設されており、その略中央部分に特定入賞口65aが設けられている。パチンコ機10においては、第1入賞口64又は第2入賞口640への入賞に起因して行われた大当たり抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37A又は第1図柄表示装置37Bを点灯させると共に、その大当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、球が入賞し易い特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
この特定入賞口65aは、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その特定入賞口65aが所定時間開放される。この特定入賞口65aの開閉動作は、最高で例えば15回(15ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
なお、上記した形態に特別遊技状態は限定されるものではない。特定入賞口65aとは別に開閉される大開放口を遊技領域に設け、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて大当たりに対応したLEDが点灯した場合に、特定入賞口65aが所定時間開放され、その特定入賞口65aの開放中に、球が特定入賞口65a内へ入賞することを契機として特定入賞口65aとは別に設けられた大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。また、特定入賞口65aは1つに限るものではなく、1つ若しくは2以上の複数(例えば3つ)を配置しても良く、また配置位置も第1入賞口64の下方右側や、第1入賞口64の下方左側に限らず、例えば、可変表示装置ユニット80の左方でも良い。
遊技盤13の下側における右隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、正面枠14の小窓35(図1参照)を通じて視認することができる。
遊技盤13には、アウト口71が設けられている。遊技領域を流下する球であって、いずれの入賞口63,64,65a,640にも入賞しなかった球は、アウト口71を通って図示しない球排出路へと案内される。アウト口71は、特定入賞口65aの左右に一対で配設される。
遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)とが配設されている。
図3に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100〜104に収納されている。基板ボックス100〜104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図4参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図4参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
次に、図4を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図4は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。主制御装置110では、MPU201によって、大当たり抽選や第1図柄表示装置37A,37B及び第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。
なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
RAM203は、各種エリア、カウンタ、フラグのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図示せず)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図示せず)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行される。
主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37A,37B、第2図柄表示装置、第2図柄保留ランプ、特定入賞口65aの開閉板の下辺を軸として正面側に開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209が接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
また、入出力ポート205には、図示しないスイッチ群およびスライド位置検出センサSや回転位置検出センサRを含むセンサ群などからなる各種スイッチ208、電源装置115に設けられた後述のRAM消去スイッチ回路253が接続され、MPU201は各種スイッチ208から出力される信号や、RAM消去スイッチ回路253より出力されるRAM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回動操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための発射停止スイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29〜33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、変動演出(変動表示)や予告演出といった表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、その他装置228、枠ボタン22などがそれぞれ接続されている。その他装置228には駆動モータ342や、ボイスコイルモータ352が含まれる。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から受信した各種のコマンド(変動パターンコマンド、停止種別コマンド等)に基づいて、第3図柄表示装置81の表示態様を決定し、決定した表示態様をコマンド(表示用変動パターンコマンド、表示用停止種別コマンド等)によって表示制御装置114へ通知する。また、音声ランプ制御装置113は、枠ボタン22からの入力を監視し、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合は、第3図柄表示装置81で表示されるステージを変更したり、スーパーリーチ時の演出内容を変更したりするように、表示制御装置114へ指示する。ステージが変更される場合は、変更後のステージに応じた背面画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、変更後のステージに関する情報を含めた背面画像変更コマンドを表示制御装置114へ送信する。ここで、背面画像とは、第3図柄表示装置81に表示させる主要な画像である第3図柄の背面側に表示される画像のことである。表示制御装置114は、この音声ランプ制御装置113から送信されるコマンドに従って、第3図柄表示装置81に各種の画像を表示する。
また、音声ランプ制御装置113は、表示制御装置114から第3図柄表示装置81の表示内容を表すコマンド(表示コマンド)を受信する。音声ランプ制御装置113では、表示制御装置114から受信した表示コマンドに基づき、第3図柄表示装置81の表示内容に合わせて、その表示内容に対応する音声を音声出力装置226から出力し、また、その表示内容に対応させてランプ表示装置227の点灯および消灯を制御する。
表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113及び第3図柄表示装置81が接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動演出などの表示を制御するものである。また、表示制御装置114は、第3図柄表示装置81の表示内容を通知する表示コマンドを適宜音声ランプ制御装置113へ送信する。音声ランプ制御装置113は、この表示コマンドによって示される表示内容にあわせて音声出力装置226から音声を出力することで、第3図柄表示装置81の表示と音声出力装置226からの音声出力とをあわせることができる。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図3参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110〜114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理(図示せず)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122(図3参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
図5は、操作デバイス300の正面斜視図である。図5に示すように、操作デバイス300は、正面視における内枠12の左右方向中央部(即ち、パチンコ機10の左右方向中央部)に配置される。
操作デバイス300は、遊技者に押し込まれることにより傾倒動作可能に構成される傾倒装置310を備え、上皿17の外枠に沿って前後方向に凹設される収容凹部17aによって構成される領域に配設される。遊技者が傾倒装置310を傾倒(回転)操作することにより、パチンコ機10(図1参照)に信号が入力される。
傾倒装置310と収容凹部17aとの間には、少なくとも手の指が無理なく入る程度の隙間が空けられる。これにより、遊技者は、傾倒装置310の上面奥側に指先を配置する態様で傾倒装置310を操作する準備を行うことができる(図7参照)。
なお、遊技者は右手で操作ハンドル51を握るため、傾倒装置310の操作は左手で行われることが多くなる。そのため、以下の説明では、遊技者が傾倒装置310を左手で操作するという前提で、説明を行う。
図6(a)は、パチンコ機10の部分正面図であり、図6(b)は、図6(a)のVIb−VIb線におけるパチンコ機10の部分断面図であり、図7(a)は、パチンコ機10の部分正面図であり、図7(b)は、図7(a)のVIIb−VIIb線におけるパチンコ機10の部分断面図である。
図6及び図7では、パチンコ機10の、操作デバイス300付近が部分的に図示される。なお、図6では、傾倒装置310が操作面312a1が上下方向を向く第1状態(本実施形態における初期状態)に配置された状態が図示され、図7では、傾倒装置310が第1状態から軸部314を中心に起き上がることにより操作面312a1が上後方を向く第2状態に配置された状態が図示される。なお、図7では、傾倒装置310を操作する遊技者の手の一例が想像線で図示される。
傾倒装置310は、第1状態と第2状態との間を駆動装置340の駆動力によって自動動作可能に構成される。なお、駆動装置340の詳細については後述する。
傾倒装置310の操作の一例について説明する。傾倒装置310の操作は、例えば、第3図柄表示装置81(図2参照)に特定の表示(例えば、「ボタンを押せ」という表示)が現れた時に遊技者が行うものである。
ここで、例えば、上下に進退動作するボタンを押し込む場合のように、手を下方に勢いよく落とす方法で傾倒装置310の押し込み操作を行うと、傾倒の度合いによって操作面312a1の位置が手前側へ向けてずれ、手の平と操作面312a1とが擦れ易い態様となっている。そのため、遊技者に違和感を与えることができ、遊技者が手を下方に勢いよく落とす方法で押し込み操作をすることを抑制することができる。
本実施形態では、図7に示すように、指先を傾倒装置310の軸部314付近に置いて、指先を支点として手の平を下方へ下ろすことにより、手の平を操作面312a1と一体化させたまま、快適に傾倒装置310を押し込み操作することができる。
従って、手を下方に勢いよく落とす方法をさせないように、指先を支点として手の平を下方へ下ろす方法で操作を行うように遊技者を誘導することができる。これにより、遊技者の操作により傾倒装置310に加えられる衝撃の度合いを低減し、傾倒装置310が損傷する可能性を低減することができる。
図8及び図9を参照して、遊技者視点における傾倒装置310の見え方の違いについて説明する。図8は、図6の矢印VIII方向視における操作デバイス300の正面斜視図であり、図9は、図7の矢印IX方向視における操作デバイス300の正面斜視図である。なお、図8及び図9では、パチンコ機10の形状が想像線で部分的に図示される。また、図9では、傾倒装置310を押し込み操作する遊技者の手の一例が想像線で図示される。
図8及び図9に示すように、傾倒装置310の操作面312a1は、遊技者視点において、第1状態では視認可能とされる一方、第2状態では、視認不能となる程度まで面積が縮小される(操作面312a1が、遊技者視点の外側へ向けられる)。これにより、第1状態と第2状態とで傾倒装置310の見え方を大きく変えることができる。
本実施形態では、第1状態から第2状態へ変化する過程において、保護レンズ部材311iの面積が次第に大きくなる態様で構成され、それに伴って操作デバイス300の内側に配置されるLED装置341f(図12参照)の光量が次第に大きく視認されるので、第1状態と第2状態とで遊技者が視認可能な光の光量の違い(明暗の度合い)が大きくなり、第1状態と第2状態とで傾倒装置310の見え方を大きく変えることができる。
傾倒装置310の操作の一例について説明する。本実施形態では、図9に示すように、小指の外側の側面を傾倒装置310の軸部314(図7参照)付近に置いて、小指の外側の側面部分を支点として手の平を下方へ下ろすことにより(手首を軸に回転させることにより)、手の平を操作面312a1と一体化させたまま、快適に傾倒装置310を押し込み操作することができる。
従って、手を下方に勢いよく落とす方法をさせないように、小指の外側の側面部分を支点として手の平を下方へ下ろす方法で操作を行うように遊技者を誘導することができる。これにより、遊技者の操作により傾倒装置310に加えられる衝撃の度合いを低減し、傾倒装置310が損傷する可能性を低減することができる。
次いで、図10及び図11を参照して、操作デバイス300について説明する。図10は操作デバイス300の正面斜視図であり、図11は操作デバイス300の背面斜視図である。図10に示すように、操作デバイス300は、傾倒装置310が後側端部に配置される軸部314を中心に回転可能に軸支される。
また、図11に示すように、傾倒装置310に対して直道方向の衝撃を与えるボイスコイルモータ352と、第1状態からの押し込み操作を検出する検出センサ324L,324Rと、が傾倒装置310を下側から囲う下枠部材320の外側に配置される。
このように、傾倒装置310の位置を検出するセンサや、駆動力を与えるボイスコイルモータ等を下枠部材320の外側に配置することにより、下枠部材320の内側の領域を大きく使って、傾倒装置310を下枠部材320に収容することができる。これにより、傾倒装置310の移動可能量を大きく確保することができる。
図12は、操作デバイス300の正面分解斜視図であり、図13は、操作デバイス300の背面分解斜視図である。図12及び図13に示すように、操作デバイス300は、背面側端部(図12紙面奥側端部)で左右端部にそれぞれ配設されるリング部材BR1を備える傾倒装置310と、その傾倒装置310のリング部材BR1を下側から支持する下側軸受け部323を有すると共に傾倒装置310の押し込み終端を定める下枠部材320と、傾倒装置310のリング部材BR1を上側から支持し下枠部材320と向かい合わせで配置される凹設部を有し中央部に大きな開口を有する部材であって、下枠部材320との間に傾倒部材310を配置する態様で下枠部材320に締結固定されると共に傾倒装置310の第2状態における配置を定める上枠部材330と、下枠部材320の下側に締結固定されると共に傾倒装置310とリンク機構を構成するアーム部材345を介して傾倒装置310に駆動力を伝達する駆動装置340と、その駆動装置340に締結固定されると共に駆動装置340を左右方向と後方との三方から覆うことで保護する保護カバー装置350と、を主に備える。
下枠部材320は、底面のうち左右部分が手前側へ向かうほど下降傾斜する態様で構成されるカップ形状の部材であって、手前側へ向かうほど下降傾斜する底板部321と、その底板部321の奥側上端部において水平に配置される板状部材から構成される水平部322と、その水平部322の後端部付近において上方に開放された半円形状の受け部であり傾倒装置310の軸部314を下側から受ける下側軸受け部323と、底板部321の下側において左右一対で配置される左側検出センサ324Lと、右側検出センサ324Rと、底板部321の左右方向中心位置において水平部322の下側に配置される部分が削られることで空けられる開口である開口部325と、を主に備える。
底板部321は、傾倒装置310と当接することにより傾倒装置310の移動終端を定めると共に、複数の開口部を有し、その開口部を通して傾倒装置310の部分が底板部321を通過可能に構成される。
底板部321は、手前側中央部において穿設される伝達用孔321aと、左右の検出センサ324L,324Rの検出溝に沿って穿設される検出用孔321bと、開口部325の左右において左右対称に穿設される挿通用孔321cと、を主に備える。
伝達用孔321aは、保護カバー装置350のボイスコイルモータ352の正面位置に配置されると共に、傾倒装置310の張出凸設部311jが通過可能な大きさで形成される。傾倒装置310の張出凸設部311jが底板部321の下側に張り出した状態においてボイスコイルモータ352を駆動させることにより、傾倒装置310に直動方向の駆動力を与えることができる。
検出用孔321bは、傾倒装置310の下面から凸設される検出片311gL,311gRが挿通可能に構成される貫通孔である。検出用孔321bから張り出した検出片311gL,311gRが検出センサ324L,324Rの検出溝に配置されることで、傾倒装置310の姿勢を検出可能に構成される。
挿通用孔321cは、傾倒装置310のフランジに配設される軸部311cや駆動装置340のアーム部材345を挿通可能な大きさで構成されると共に、駆動装置340を動作させた際にアーム部材345との干渉を避けることができる位置まで貫通孔が形成される。
水平部322は、下枠部材320と駆動装置340とを締結固定する平面を構成すると共に、その上面から上方へ延設されると共に断面が手前側に開放部を有するコ字形状から構成される係止部322aを備える。
係止部322aは、傾倒装置310のねじりバネ315の一端を後方へ移動しないように係止する部分である。係止部322aがねじりバネ315を係止することにより、ねじりバネ322aの付勢力が傾倒装置310を第2状態へ移動させる方向に作用する。
検出センサ324L,324Rは、傾倒装置310の位置を検出するフォトカプラ形式のセンサである。なお、検出センサ324L,324Rは、下枠部材320の底板部321からの離間距離(検出溝の位置)が左右で同等となる位置に配置される。
また、フォトカプラ形式のセンサとは、光を投光する投光部と、この投光部からの光を受光する受光部とを備え、検出する部分を挿入可能な隙間(スリット、検出溝)を備えて略コ字状に配置されるセンサを意味する。
開口部325は、駆動装置340のLED装置341fや回転爪部材347等を下枠部材320の内方に侵入可能とするための貫通孔である。そのため、その左右幅は一対の回転爪部材347の左右幅よりも大きくされる。
一方で、上下幅に関しては、駆動装置340がLED装置341fを上前側に張り出して配置する構成(図17(b)参照)とされるため、LED装置341fが開口部325を通過した後に駆動装置340を上方に押し上げるようにすることで、LED装置341fを開口部325の上方に配置することができ、LED装置341fから回転爪部材347までを含んだ上下幅に比較して、開口部325の上下幅を短くする事ができる。
上枠部材330は、傾倒装置310の下端面から正面側へ延設される延設部311hが引っかかる大きさの開口である開口部331と、下枠部材320の下側受け部323と対向配置されると共に下側が開放された半円形状から構成され傾倒装置310のリング部材BR1を支持する上側軸受け部332と、を主に備える。
保護カバー装置350は、上下方向に分割可能に構成され手前側を除く3方向が覆われる態様で構成されると共に駆動装置340の下端部に締結固定される本体カバー351と、その本体カバー351の底板に支持されると共に正面側に配置され斜め前上方向に振動面が向けられるボイスコイルモータ352と、本体カバー351の底板の上側に検出溝を有する検出センサである左側検出センサ353Lと、右側検出センサ353Rと、を主に備える。
なお、図12では、左右中央に対して左側検出センサ353Lの反対側に配置される右側検出センサ353Rを視認可能とするために本体カバー351が部分的に破られた状態が図示される。
ボイスコイルモータ352は、組立状態(図10参照)において、振動面が下枠部材320の底板部321と略平行となる姿勢で配設される。これにより、傾倒装置310が伝達用孔321aを通して張出凸設部311jを下方に張り出した際にボイスコイルモータ352を駆動させることで、傾倒装置310に駆動力を効率良く伝達することができる。
検出センサ353L,353Rは、駆動装置340の円板カム344L,344Rの位相を検出するフォトカプラ形式のセンサである。駆動装置340の円板カム344L,344Rが検出センサ353L,353Rの検出溝の内側に配置される態様で配置される。円板カム344L,344Rの検出孔344eL,344eRが検出センサ353L,353Rの検出溝に配置されたか否かを検出し、円板カム344L,344Rが特定の位相に配置されたことを検出することができる。
なお、本実施形態では、駆動装置340の左右の円板カム344L,344Rが、検出孔344eL,344eRを異なった位相で備えているので、検出センサ353L,353Rによって検出可能な特定の位相は2種類となる。
次いで、図14から図16を参照して、傾倒装置310について説明する。図14(a)は、傾倒装置310の正面図であり、図14(b)は、図14(a)の矢印XIVb方向視における傾倒装置310の側面図であり、図14(c)は、図14(a)のXIVc−XIVc線における傾倒装置310の断面図である。図15は、傾倒装置310の正面分解斜視図であり、図16は、傾倒装置310の蓋312の背面分解斜視図である。
図14から図16に示すように、傾倒装置310は、側面扇型で上下に開口を有する箱状体から構成されるケース本体311と、そのケース本体311の上側の開口に蓋をする態様でケース本体311に締結固定される蓋312と、その蓋312の手前側端部に締結固定され下方に垂れ下げられる球状レンズ部材313と、ケース本体311と蓋312との後端部において挟まれる態様で配設される軸部314と、その軸部314に巻き付けられるねじりバネ315と、ケース本体311と蓋312との後端部においてケース本体311と蓋312とを分割不能に固定するリング形状のリング部材BR1と、を主に備える。
ケース本体311は、第1状態において奥側から手前側へ向けて下降傾斜する姿勢とされる底板部311aと、その底板部311aの中央に開口された開口部311bと、その開口部311bの左右の縁に沿って下方に張り出されるフランジから左右方向中央側へ延設される円柱形状の軸部311cと、後方端部において軸部314を支える断面半円形状の凹みである凹設部311dと、ねじりバネ315の両腕部315aが挿通可能な位置に配置される溝である挿通溝311eと、鉤形状に形成されると共にねじりバネ315の中央部315bを係止する鉤状部311fと、底板部311aの下方に左右一対で延設される左側検出片311gLと、右側検出片311gR(図15参照)と、底板部311aの手前側端部から所定量手前側に延設される延設部311hと、底板部311aの手前側端部の上側に配置され軸部314を中心とした円弧に沿った形状とされると共に光透過性材料から形成される保護レンズ部材311iと、底板部311aの手前側端部における左右方向中央部から下方へ凸設される張出凸設部311jと、を主に備える。
底板部311aは、傾倒装置310が遊技者から下方へ押し込まれた際に、下枠部材320の底板部321と面で当接する部分である。
開口部311bは、駆動装置340のLED装置341f及び駆動装置340のアーム部材345を挿通可能な開口として構成される。
軸部311cは、駆動装置340のアーム部材345(図17(b)参照)の案内孔345bに挿通される円柱部材であって、駆動装置340との間で駆動力を伝達する部分としての役割を備える。
左側検出片311gL及び右側検出片311gRは、それぞれ、下枠部材320の左側検出センサ324L及び右側検出センサ324R(図15参照)の検出溝に挿通される部分であって、左側検出片311gLの方が右側検出片311gRに比較して張出長さが長くされる。
なお、本実施形態では、右側検出片311gRの先端から、左側検出片311gLの先端までの、軸部314を中心とした角度がおよそ3°(第1状態(図22参照)から押し込み終端(図23参照)まで傾倒装置310が回転する回転角度)となるように、左側検出片311gLが右側検出片311gRに比較して張り出される。
延設部311hは、保護レンズ部材311iの下端部分から正面側に張り出す部分であって、組立状態(図10参照)において、上枠部材330の開口部331に係止される位置まで張り出す態様で構成される。
保護レンズ部材311iは、上面視において湾曲した形状で構成される(図14(a)参照)と共に、左右方向視において湾曲した形状で構成される(図14(c)参照)ので、遊技者が傾倒装置310を押す際の負荷を逃がしやすい(流しやすい)構成とされる。これにより、傾倒装置310の耐久性を向上させることができる。
張出凸設部311jは、底板部311aの下面から直角に凸設されると共に、下枠部材320の伝達用孔321aよりも小さな断面形状から構成され、遊技者が傾倒装置310を押し込み操作した状態(図29参照)において、伝達用孔321aに挿通され、先端が下枠部材320の下方へ張り出される。
図16に示すように、蓋312は、操作面312a1を有する天板部材312aと、その天板部材312aの下面に締結固定される中間板部材312bと、その中間板部材312bを天板部材312aに固定すると共に第1状態(図6参照)においてLED装置341fを囲う大きさの円筒形状から構成される円筒部材312cと、を主に備える。
円筒部材312cは、軸方向の剛性により蓋312の強度を向上させながら、第1状態(図6参照)において、その位置関係から、LED装置341fから傾倒装置310へ向けて照射される光を円筒部材312cの内側に留める一方で、第2状態(図7参照)において、そのような限定を解除し広範囲にLED装置341fからの光を照射可能とする態様で配設される。
レンズ部材313は、光透過性の材料から形成され、上下端部がフランジ状に前方へ延設されると共にその延設端部が保護レンズ部材311iの湾曲形状に合致した形状から構成されると共に、中央部に球殻形状から形成される球殻部313aを備える。
ねじりバネ315は、軸部314に左右一対のねじり部分で巻き付けられ、そのねじり部分の左右外側端部から後方へ延設される両腕部315aと、一対のねじり部分を連結する中央部315bと、を備える。
次いで、図17及び図18を参照して、駆動装置340について説明する。図17(a)は、駆動装置340の正面図であり、図17(b)は、図17(a)の矢印XVIIb方向視における駆動装置340の側面図であり、図18は、駆動装置340の正面分解斜視図である。
図17及び図18に示すように、駆動装置340は、板状の板金部材を折り曲げることにより骨組みを構成する本体部材341と、その本体部材341に締結固定されると共に駆動力を発生する駆動モータ342と、その駆動モータ342の駆動力を伝達する伝達軸棒343と、その伝達軸棒343の両端に回転不能に固定される一対の円板カム344(左円板カム344L、右円板カム344R)と、その円板カム344の連結ピン344dに軸支されるアーム部材345と、本体部材341の軸部341cに軸支されると共に円板カム344の第1張出部344c1や第2張出部344c3と回転方向で当接する解除部材346と、その解除部材346と同軸で軸支され解除部材346の回転に伴って相対動作する回転爪部材347と、その回転爪部材347を下倒れさせる方向へ向けた付勢力を発生するコイルスプリング状のバネ部材である第1スプリングSP1と、解除部材346と回転爪部材347との間で互いに離反させる方向の付勢力を発生するねじりバネ状のバネ部材である第2スプリングSP2と、を主に備える。
本体部材341は、左右で後方へ折曲され上面視コ字形状に形成されるモータ収容部341aと、そのモータ収容部341aの対向配置される板部分の同じ位置に穿設されると共に円板カム344を軸支する軸支孔341bと、その軸支孔341bの軸と平行な軸を有する態様で軸支孔341bから正面側にずれた位置において左右方向に凸設される軸部341cと、その軸部341cの下方においてモータ収容部341aから延設される延設部341dと、モータ収容部341aから前上方向へ向けて延設される照明支持部341eと、その照明支持部341eの上端部に配置されると共に内部にLED光源が配設されるLED装置341fと、を主に備える。
LED装置341fは、その上面部に三角形状の部材であって、光を屈折させる部分(光を屈折させる部分)を備える。これにより、LED装置341fの光を上方にも前方にも満遍なく照射可能となる。
駆動モータ342は、モータ収容部341aのコ字状の内側においてモータ収容部341aに締結固定される固定部材342aを備える。
固定部材342aは、駆動モータ342の回転ギアを軸支すると共に、その回転ギアに伝達ギア343bが歯合する態様で伝達軸棒343を支持する。
アーム部材345は、一方の端部に真円形状で穿設されると共に円板カム344の連結ピン344dに軸支される軸支孔345aと、他方の端部に長方形状で穿設されると共に傾倒装置310の軸部311c(図15参照)が挿通される案内孔345bと、を主に備える。
案内孔345bは、軸支孔345aの反対側の端部が傾倒装置310の第1状態において軸部311cと当接する位置に形成され、その反対側の端部は円板カム344が一回転以上回転可能となるのに十分な位置に形成される。
図19を参照して、伝達軸棒343について説明する。図19は、伝達軸棒343の正面分解斜視図である。伝達軸棒343は、両端部に円板カム344(図18参照)が固定される円柱部材343aと、その円柱部材343aに軸支されると共に駆動モータ342の回転ギアと歯合する伝達ギア343bと、その伝達ギア343bと円柱部材343aとの間で駆動力を伝達するか否かを軸方向の移動により切替可能な可動クラッチ343cと、その可動クラッチ343cを伝達ギア343bに押し付けるコイルバネ343dと、を主に備える。
円柱部材343aは、その両端部に円板カム344を固定する断面D字形状の固定部343a1,343a2を備え、右側の固定部343a2の方が左側の固定部343a1よりも中央側へ長く形成される。ここで、固定部343a2は、詳細には、可動クラッチ343cがコイルバネ343dの付勢力に抗して移動した場合に伝達ギア343bと干渉しない位置まで移動できる長さで形成される。
伝達ギア343bは、円柱部材343aが挿通される真円形状の挿通孔343b1と、可動クラッチ343cと対向配置される面から軸中心の円周位置において軸心方向に沿った凹凸が形成されるクラッチ部343b2と、を備える。
挿通孔343b1が真円形状なので、円柱部材343aが固定された場合にでも、伝達ギア343bは円柱部材343aに対して回転(空回り)することができる。
可動クラッチ343cは、円柱部材343aが挿通される断面D字形状の角度固定孔343c1と、伝達ギア343bと対向配置される面から軸中心の円周位置において軸心方向に沿った凹凸が形成されると共にクラッチ部343b2と係合可能に構成されるクラッチ部343c2と、を備える。
なお、本実施形態では、クラッチ部343b2,343c2は、頂部の角度が約100°の山型の凸部および凹部から構成される。
角度固定孔343c1が断面D字形状とされることで、可動クラッチ343cの円柱部材343aに対する相対回転が不能となるので、伝達ギア343bのクラッチ部343b2と可動クラッチ343cのクラッチ部343c2との係合により、駆動モータ342から伝達ギア343bに伝達される駆動力が、可動クラッチ343cを介して円柱部材343aに伝達される。これにより、駆動モータ342を回転させることにより、円板カム344(図18参照)を回転させることが可能になる。
なお、可動クラッチ343cは、通常はコイルバネ343dの付勢力により伝達ギア343bに近接する位置に配置され、クラッチ部343b2,343c2の係合関係が保たれる。一方で、可動クラッチ343cに軸方向の負荷がかけられることにより、固定部343a2に沿って伝達ギア343bから離反する態様で移動可能に構成される。
図20を参照して、円板カム344について説明する。なお、円板カム344は、左円板カム344Lと右円板カム344Rとが概略鏡写しの形状とされ、異なるのは検出孔344eL,344eRの位置のみであるので、左円板カム344Lのみ説明し、右円板カム344Rの説明は省略する。
図20(a)は、図18の矢印XXa方向視における左円板カム344Lの側面図であり、図20(b)は、図18の矢印XXb方向視における左円板カム344Lの側面図である。なお、図20(a)及び図20(b)では、図18に示すように駆動装置340が第1初期状態とされた状態が図示される。
図20(a)及び図20(b)に示すように、左円板カム344Lは、真円形状の円板の両面から凸設される部分を有する部材であって、円板の中心位置において内側方向へ円筒形状に凸設される中心軸部344aと、その中心軸部344aを中心としたリング形状のリブとして内側方向へ凸設される円形リブ344bと、その円形リブ344bの外側においてその円形リブ344bよりも高さの低いリブとして内側方向へ凸設されると共に2箇所において径方向外側に張り出す部分を有する係合リブ344cと、円形リブ344bと係合リブ344cとの間において外側方向へ円柱形状で凸設されると共にアーム部材345(図18参照)に連結される連結ピン344dと、外周付近において穿設される検出孔344eLと、を主に備える。
右円板カム344Rは、検出孔344eRが、検出孔344eLと60°の角度を成す位置に配置されることのみが異なり、その他は左円板カム344Lの形状を鏡写しした形状から構成される。
中心軸部344aは、内周が円柱部材343a(図19参照)の両端と係合する断面D字形状から構成され、外周が軸支孔341b(図18参照))に内嵌される形状で構成される。即ち、円板カム344は、軸支孔341bに回転可能に軸支される。
円径リブ344bは、円板カム344が軸支孔341bに軸支された状態において、モータ収容部341a(図18参照)の左右壁面に当接可能な位置まで凸設される。これにより、円板カム344の芯ずれを抑制することができる。
係合リブ344cは、第1初期状態において、検出孔344eLが配設される位置から後転方向(図20(a)時計回り)に80°ずれた位置において径方向外側へ張り出される第1張出部344c1と、その第1張出部344c1から角度θ1(本実施形態では角度θ1=50°)ずれた位置において径方向内側へ引っ込む第1引込部344c2と、第1張出部344c1から角度θ2(本実施形態では角度θ2=150°)ずれた位置において、再度径方向外側へ張り出される第2張出部344c3と、その第2張出部344c3から角度θ3(本実施形態では角度θ3=20°)ずれた位置において径方向内側へ引っ込む第2引込部344c4と、を主に備える。
連結ピン344dは、駆動装置340の第1初期状態において、第1状態における傾倒装置310の軸部311eと最も離間距離の長い位置に配置される(図22参照)。即ち、中心軸部344aに対して第1状態における傾倒装置310の軸部311eの反対側に連結ピン344dが配設される。
図21を参照して、解除部材346と回転爪部材347とについて説明する。なお、解除部材346と回転爪部材347とは左右一対で配設され、それらの構成は左右で同一なので、一方のみを説明する。
図21(a)及び図21(b)は、解除部材346及び回転爪部材347の正面図である。なお、図21(a)では、解除部材346に対して回転爪部材347が第2スプリングSP2の付勢方向終端位置まで回転した角度大状態が図示され、図21(b)では、解除部材346に対して回転爪部材347が第2スプリングSP2の付勢力に抗して終端位置まで回転した角度小状態が図示される。
なお、円板カム344に当接されることにより解除部材346が回転する状態は、角度大状態と角度小状態との間の状態(凸設ピン346bが案内長孔347bの中間位置に配置された状態)となる(図35参照)。
図21(a)及び図21(b)に示すように、解除部材346は、概略矩形状の板部材から形成され、軸部341c(図18参照)に軸支される軸支孔346aと、その軸支孔346aの中心軸を中心とする円弧形状で板厚方向に凸設される凸設ピン346bと、第2スプリングSP2の端部が挿通される挿通孔346cと、軸支孔346aから最大径で張り出す部分として構成される係合部346dと、を主に備える。
係合部346dは、組立状態(図10参照)において、円板カム344の係合リブ344c(図20参照)と当接可能に構成される部分である。本実施形態では、係合部346dの外周が湾曲して形成されることにより、係合リブ344との当接を滑らかに行うことができる。
回転爪部材347は、概略長方形状の板部材から形成され、軸部341c(図18参照)に軸支される軸支孔347aと、その軸支孔347aの中心軸を中心とする円弧形状に沿って解除部材346の凸設ピン346bを案内可能に穿設される(凸設ピン346bの移動軌跡を内側に含む大きさで穿設される)案内長孔347bと、第2スプリングSP2の端部が挿通される挿通孔347cと、軸支孔347aの反対側の端部において下方に鉤状に凸設される鉤状部347dと、第1スプリング(図18参照)の端部を挿通可能に穿設される引下用孔347eと、を主に備える。
本実施形態では、図21(a)に示す角度大状態において、解除部材346が回転爪部材347に対して後転方向(図21(a)時計回り方向)の終端位置に配置される。そのため、角度大状態において、係合部346dに押し下げ方向の負荷がかけられると、解除部材346及び回転爪部材347が一体となって後転方向に回転する一方、角度大状態において、係合部346dに押し上げ方向の負荷がかけられると、図21(b)に示す角度小状態に至るまでは解除部材346のみを回転させ回転爪部材347の姿勢を維持することができる。
次いで、操作デバイスの動作例について説明する。まず、図22から図24を参照して、傾倒装置310が第1状態に配置された状態において、遊技者が押し込み操作する場合の動作例について説明する。なお、以下の動作例の説明において、理解を容易にするために蓋312の図示が簡略化される。
図22から図24は、図6(a)のXXII−XXII線における操作デバイス300の断面図である。なお、図22では、傾倒装置310が第1状態とされた状態が図示され、図23では、図22に示す状態から遊技者が傾倒装置310を終端位置まで押し込んだ状態が図示され、図24では、図23の状態から第1状態に至るまで傾倒装置310が復帰動作した後の状態が図示される。また、図22から図24において、傾倒装置310を連打操作する遊技者の手の一例が図示される。
図22に示すように、傾倒装置310は、ねじりバネ315により後転方向(図22時計回り)の付勢力を受けると共に、底板部311aが回転爪部材347の鉤状部347dに引っ掛けられる。これにより、第1状態で傾倒装置310が姿勢維持される。即ち、第1状態において、傾倒装置310には後転方向(図22時計回り)の付勢力が常時作用している。
図22に示す状態において、左側検出片311gLは左側検出センサ324Lの検出溝に挿通されており(ON状態)、その一方、右側検出片311gRは右側検出センサ324Rの検出溝の手前に配置される(OFF状態、図11参照)。
図23に示すように、遊技者が傾倒装置310を押しこむ動作を行うと、傾倒装置310が前転方向(図23反時計回り)に約3°回転する。この状態において、左側検出片311gLは左側検出センサ324Lの検出溝に挿通されており(ON状態)、同様に、右側検出片311gRは右側検出センサ324Rの検出溝に挿通される(ON状態)。
従って、左側検出センサ324L及び右側検出センサ324Rの検出状態の変化を判定することにより、傾倒装置310が第1状態から遊技者に押し込み操作されたことを判定することができる。
ここで、傾倒装置310を連打操作する場合、図22に示す状態と図23に示す状態とを交互に繰り返すことになるが、遊技者が連打する時間間隔によっては、ねじりバネ315による傾倒装置310の復帰が間に合わず、中途半端な位置で押し込み操作をすることになり、遊技者が違和感を覚える恐れがある。
従来は、ねじりバネ315のバネ定数を上げることで対処することができたが、本実施形態では、ねじりバネ315のバネ定数を上げると、ねじりバネ315の付勢力に抗して傾倒装置310を押し下げる駆動モータ342(図18参照)の駆動力を上昇させることが必要となり、駆動モータ342の大型化を図る必要性がある。そのため、製品コストが上昇したり、省スペース化ができなくなったりする問題点があった。
これに対し、本実施形態では、傾倒装置310が押し込み操作された状態において、傾倒装置310の張出凸設部311jと対面する位置に振動動作により演出が可能なボイスコイルモータ352が配設される。
図24に示すように、このボイスコイルモータ352を、図23に示す状態から伸張方向に駆動することにより、ねじりバネ315のバネ定数を上げることなく、傾倒装置310の復帰動作を素早く行うことができる。
ここで、傾倒装置310が押し込み操作されると常にボイスコイルモータ352が駆動する場合、例えば、遊技者が傾倒装置310を長押し操作する場合にボイスコイルモータ352が駆動してしまい、遊技者に不要な負荷を与えることとなるので、遊技者が違和感を覚える恐れがある。
これに対し、本実施形態では、左側検出センサ324LがON状態の時に、所定期間に右側検出センサ324RがON状態とOFF状態とで切り替わる回数を算出し、その回数が閾値以上の場合にボイスコイルモータ352を駆動させることで、遊技者が連打操作する場合にだけ傾倒装置310を復帰させる負荷を向上させることができる。これにより、遊技者が傾倒装置310を快適に操作することができる。
次いで、図25から図30を参照して、傾倒装置310が第1状態から上下に往復する動作(煽り動作)を開始する場合(第1の動作態様)について説明する。図25から図30は、図6(a)のXXII−XXII線における操作デバイス300の断面図である。
なお、図25では、傾倒装置310が第1状態とされた状態が図示され、図26では、図25に示す状態から円板カム344が所定量だけ前転方向に回転し回転爪部材347が姿勢変化した状態が図示され、図27では、図26に示す状態から円板カム344が所定量だけ前転方向に回転し回転爪部材347の姿勢が戻った状態が図示され、図28では、傾倒装置310が往復回転動作する様子が図示され、図29では、図28の状態から遊技者が傾倒装置310を終端位置まで押し込んだ状態が図示され、図30では、図29に示す状態から円板カム344が、所定量だけ前転方向に回転することにより、係合リブ344cの第2張出部344c3が解除部材346の係合部346dに当接される第2初期状態に到達した状態が図示される。また、図28において図27の状態における傾倒装置310の位置が想像線で図示され、図29において、傾倒装置310を押し込み操作する遊技者の手の一例が想像線で図示される。
図25に示すように、傾倒装置310が第1状態である場合、蓋312の円筒部材312cの内側にLED装置341fの上端部(プリズム部分)が収容される。そのため、円筒部材312cの径方向に照射される光の光量が円筒部材312cの厚みにより抑えられる一方で、軸方向へ照射される光の光量は大きく確保することができる。これにより、円筒部材312cが、蓋312のリブとして強度を向上させる効果と、傾倒装置310の第1状態においてLED装置341fの光の照射強度を調節する効果とを奏することができる。
図26に示すように、傾倒装置310が第1状態とされ、且つ駆動装置340が第1初期状態とされる図25に示す状態から、円板カム344を前転方向(図26反時計回り方向)に回転させると、円板カム344の第1張出部344c1が解除部材346の係合部346dを押し下げることで解除部材346が後転方向(図26時計回り方向)に回転し、それに伴い回転爪部材347が傾倒装置310の底板部311aとの係合が外れる位置まで後転方向に回転する。
解除部材346の姿勢変化は、係合リブ344cの第1引込部344c2と係合部346dとが対面する状態まで円板カム344が回転されるまで持続されるので、その間に傾倒装置310がねじりバネ315の付勢力で上昇する(図26時計回りに回転する)。
このとき、図25及び図26の状態において、傾倒装置310の軸部311cがアーム部材345の案内孔345bの一方の終端位置(円板カム344の回転軸から遠い側の終端位置)に配置され、傾倒装置310の上昇方向の動作はアーム部材345により規制されるので、傾倒装置310の上昇動作が、円板カム344の回転角度に対応した動作態様となる。
図27に示すように、円板カム344が前転方向(図27反時計回り方向)に回転し、円板カム344の第1引込部344c2が解除部材346の係合部346dを通過すると、第1スプリングSP1の付勢力により、解除部材346と回転爪部材347とが前転方向(図27反時計回り方向)に回転し、回転爪部材347が傾倒装置310と係合可能な状態(図25に示す状態)に戻る。このとき、解除部材346と回転爪部材347との間の角度(図27における上側の角度)を大きくする方向へ向けて第2スプリングSP2の付勢力が作用するので、解除部材346と回転爪部材347とは、図26に示す状態(角度大状態)を維持したまま回転する。
この状態において、蓋312がLED装置341fの上方に退避すると共に、保護レンズ部材311iを遊技者視点で視認可能な面積が、第1状態とされる場合の傾倒装置310に比較して増加するので、LED装置341fの光を正面方向(遊技者へ向けた方向)へも照射可能となる。従って、傾倒装置310の姿勢が変化する事により、LED装置341fから照射される光の進行方向を変化させることができ、光の演出効果を向上させることができる。
この状態において、保護カバー装置350の右側検出センサ353RがON状態となり、上下往復動作の開始点を検出することができる。
図28に示すように、図27に示す状態から円板カム344を所定量だけ前転方向(図28反時計回り)に回転させ、それに続いて円板カム344を同じ量だけ後転方向(図28時計回り)に回転させるという動作を繰り返し行うことにより、図28に示す角度D1の範囲で傾倒装置310を上下に繰り返し動作させることができる。これにより、遊技者に対する傾倒装置310の見え方を変化させることができ、操作デバイス300に対する遊技者の注目度を向上させることができる。
また、角度D1の範囲で傾倒装置310が上下に繰り返し動作するその動作に対応して、保護レンズ部材313の上枠部材331の上方に張り出す部分の面積が変化する。そのため、LED装置341fから照射される光の内、保護レンズ部材313を通して視認できる光の光量を傾倒装置310の動作に対応して変化させることができる。そのため、傾倒装置310の明るさを変化させることができ、操作デバイス300に対する遊技者の注目度を向上させることができる。
なお、図28に示す状態において、レンズ部材313の球殻部313aがLED装置341fの正面側(図28左側)に配置されるので、LED装置341fから照射される光の照射範囲を、前後方向や上下方向だけでなく、左右方向(図28紙面垂直方向)にも広げることができる。
本実施形態によれば、上述したように、傾倒装置310が第1状態に配置される場合には、LED装置341fの光が上方へ向けて進行し、その照射範囲は円筒部材312cによって絞られていた(図25参照)。これに対し、傾倒装置310が第1状態から上昇動作すると、LED装置341fの光は遊技者へ向けた方向(正面方向)へも照射され、その照射範囲はレンズ部材313により広げられる。
即ち、本実施形態によれば、傾倒装置310の姿勢の変化に伴って、光の照射方向を変化させるだけでなく、その光の照射範囲をも同時に変化させることができる。これにより、傾倒装置310の注目度を向上させることができる。
図29に示すように、図28で傾倒装置310が上下動作している状態において、遊技者は傾倒装置310を押し込み操作することができる。図28の状態において、傾倒装置310に対してアーム部材345から与えられる負荷は、傾倒装置310を下降させる方向の負荷のみである(アーム部材345が上昇する方向に移動しても、軸部311cがアーム部材345の案内孔345bを移動するのみであり、負荷が生じない)。
そのため、図28の状態で遊技者が傾倒装置310を押し込み操作した場合に、遊技者に駆動モータ342(図18参照)の駆動力による負荷が与えられることを防止することができる。このとき、遊技者には、ねじりバネ315の付勢力による負荷のみが与えられる。これにより、遊技者が傾倒装置310を押し込み操作する際に、遊技者に対して大きな負荷が生じることが抑制されるので、遊技者が操作デバイス300を快適に操作することができる。
図29に示すように、図28に示す状態から、傾倒装置310の押し込み終端まで至る過程において、傾倒装置310の底板部311aが回転爪部材347の鉤状部347dを押進することにより回転爪部材347が後転方向(図29時計回り方向)に回転し、それに続けて傾倒装置310を押し込み操作することにより底板部311aが鉤状部347dを通過すると、回転爪部材347は傾倒装置310と係合可能な位置に戻る(前転方向に回転する)。従って、傾倒装置310が回転爪部材347に上昇方向の移動を規制される。
従って、図28に示す傾倒装置310を上下動作させる状態から遊技者が傾倒装置310を押し下げた後において、遊技者が手を離した場合に、傾倒装置310を第1状態に維持することができる。
図29に示す状態において、ボイスコイルモータ352が振動動作(伸張方向への移動と、縮小方向への移動とを繰り返す動作)を行う。これにより、傾倒装置310を押し込み終端まで押し込み操作した後、傾倒装置310に手を乗せ続けている遊技者に対して振動を伝える演出を行うことができる。
即ち、ボイスコイルモータ352を、傾倒装置310の上昇を補助する駆動力を発生させる目的(図24参照)と、押し込み終端位置に配置された傾倒装置310を振動させることにより振動演出を行う目的とに利用することができる。
なお、図30に示すように、遊技者が傾倒装置310から手を離して傾倒装置310が第1状態まで復帰した場合には、傾倒装置310の張出凸設部311jが下枠部材320の下面に埋没し、ボイスコイルモータ352との当接が解除される。そのため、振動演出は、遊技者が傾倒装置310を押し込み終端に押し込んでいる状態でのみ有効となる。
そのため、操作ボタンが単に振動する遊技機に比較して、傾倒装置310を押し込み操作する場合に押し込み終端でボイスコイルモータ352による振動が発生するか否かを、傾倒装置310を押し込み操作した遊技者のみに把握させることができる。
ここで、抽選が大当たりか否かは、傾倒装置310の押し込み操作に左右されるものではない。そのため、遊技者によっては、傾倒装置310を全く操作しない恐れがあり、その場合、傾倒装置310の操作手段としての価値は低くなってしまう。
これに対し、本実施形態では、傾倒装置310を押し込み操作することで初めてボイスコイルモータ352の振動を遊技者が感じることができる態様で構成される。
ここで、例えば、大当たりが確定した場合にボイスコイルモータ352が振動演出するように制御することで、遊技者が傾倒装置310を押し込み操作する時の期待感を向上させることができ、傾倒装置310の先読み手段としての価値を向上させることができる。これにより、遊技者が傾倒装置310を操作し易くすることができ、傾倒装置310の操作手段としての価値を高めることができる。
図30に示すように、図29に示す状態から、円板カム344を第2張出部344c1が解除部材346の係合部346dに当接するまで円板カム344を前転方向(図29反時計回り方向)に所定量回転させることにより、駆動装置340を第2初期状態とすることができる。
第2初期状態は、第1初期状態と同様に係合リブ344cと解除部材346とが回転方向で当接する状態である。第1初期状態では第1張出部344c1が係合リブ344cと当接する一方で、第2初期状態では第2張出部344c3と係合リブ344cとが当接する。
なお、図29の状態から、円板カム344を後転方向(図29時計回り方向)に回転させて係合リブ344cの第1張出部344c1が係合部346dを通過した後、逆回転させる方法で、駆動装置340を図29に示す状態から図25に示す第1初期状態に戻すことができる。この場合、解除部材346を押し上げる方向の負荷が解除部材346にかけられ、回転爪部材347の姿勢を維持した状態で解除部材346のみを前転方向(図29反時計回り方向)に回転させることができる。
次いで、図31から図34を参照して、傾倒装置310が第1状態とされ、且つ駆動装置340が第2初期状態とされた状態から、傾倒装置310を上下動作(煽り動作)させる場合(第2の動作態様)について説明する。この場合、傾倒装置310は、第2状態を経て上下に往復する動作(煽り動作)を開始する。
図31から図34は、図6(a)のXXII−XXII線における操作デバイス300の断面図である。図31では、図30に示す状態から円板カム344を前転方向(図31反時計回り)に回転させ解除部材346と回転爪部材347とを後転方向(図31時計回り)に回転させた状態が図示され、図32では、図31に示す状態から、円板カム344が所定量回転し傾倒装置310が第2状態へ到達した状態が図示され、図33では、図32に示す状態から円板カム344が往復回転動作する様子が図示され、図34では、図33に示す状態から遊技者が傾倒装置310を終端位置まで押し込んだ状態が図示される。また、図33において図32の状態における傾倒装置310の位置が想像線で図示され、図34において、傾倒装置310を押し込み操作する遊技者の手の一例が想像線で図示される。
図31に示すように、図30に示す状態から円板カム344を前転方向(図31反時計回り)に回転させると、回転爪部材347と傾倒装置310との係合が解除され、傾倒装置310が上昇方向に動作する。
このとき、傾倒装置310の軸部311cが移動する方向にアーム部材345の案内孔345bが延びている(空間を有している)ため、傾倒装置310がアーム部材345を介して円板カム344に引っ張られることはなく、傾倒装置310を低抵抗で上昇動作させることができ、傾倒装置310を第1状態から第2状態へ短時間で状態変化させることができる。
図32に示すように、図31に示す状態(傾倒装置310と回転爪部材347との係合を解除した状態)から約10度だけ回転させることにより、円板カム344の姿勢を、傾倒装置310を第2状態に配置可能な姿勢(第1初期状態から円板カム344を180°回転させた姿勢)にすることができる。そのため、傾倒装置310の上昇する速度が大きく、傾倒装置310が図30の状態から短期間で第2状態へ到達しようとする場合に、その状態変化を円板カム344が邪魔をする(円板カム344が所定角度回転するのが遅くて傾倒装置310が第2状態となるまでの期間が長くかかる)ことを予防することができる。
図33に示すように、図32に示す状態から円板カム344を所定量だけ前転方向(図32反時計回り)に回転させ、それに続いて円板カム344を同じ量だけ後転方向(図32時計回り)に回転させるという動作を繰り返し行うことにより、図33に示す角度D2の範囲で傾倒装置310を上下に繰り返し動作させることができる。これにより、遊技者に対する傾倒装置310の見え方を変化させることができ、操作デバイス300に対する遊技者の注目度を向上させることができる。
また、角度D2の範囲で傾倒装置310が上下に繰り返し動作するその動作に対応して、保護レンズ部材313の上枠部材331の上方に張り出す部分の面積が変化する。そのため、LED装置341fから照射される光の内、保護レンズ部材313を通して視認できる光の光量を傾倒装置310の動作に対応して変化させることができる。そのため、傾倒装置310の明るさを変化させることができ、操作デバイス300に対する遊技者の注目度を向上させることができる。
なお、図33に示す状態において、レンズ部材313の球殻部313aがLED装置341fの正面側(図33左側)に配置されるので、LED装置341fから照射される光の照射範囲を、前後方向や上下方向だけでなく、左右方向(図33紙面垂直方向)にも広げることができる。
即ち、本実施形態によれば、傾倒装置310の姿勢の変化に伴って、光の照射方向を変化させるだけでなく、その光の照射範囲をも同時に変化させることができる。これにより、傾倒装置310の注目度を向上させることができる。
図33に示す角度D2の範囲は、図28に示す角度D1の範囲とは異なっている。即ち、本実施形態では、傾倒装置310の上下動作の態様として、図28に示す上下動作と、図33に示す上下動作との2種類の上下動作(煽り動作)を、回転爪部材347による傾倒装置310の上昇方向への移動の規制の解除後、即座に行うことができる。従って、第1状態の傾倒装置310を駆動モータ342の駆動力により動作させる態様を2種類作ることができる。
これにより、操作部材310が毎回同じ動作をする場合に比較して、その動作態様に異なった意味(例えば、大当たりの期待感の違い)を持たせることができ、傾倒装置310に対する遊技者の注目度を向上させることができる。
図33に示すように、図32で傾倒装置310が上下動作している状態において、遊技者は傾倒装置310を押し込み操作することができる。図33の状態において、傾倒装置310に対してアーム部材345から与えられる負荷は、傾倒装置310を下方へ引き下げる方向の負荷のみである(アーム部材345が上昇する方向に移動しても、軸部311cがアーム部材345の案内孔345bを移動するのみであり、アーム部材345から軸部311cを持ち上げる負荷は生じない)。
そのため、図33の状態で遊技者が傾倒装置310を押し込み操作した場合に、遊技者に駆動モータ342(図18参照)の駆動力による負荷が与えられることを防止することができる。このとき、遊技者には、ねじりバネ315の付勢力による負荷のみが与えられる。これにより、遊技者が傾倒装置310を押し込み操作する際に、遊技者に対して大きな負荷が生じることが抑制されるので、遊技者が操作デバイス300を快適に操作することができる。
図34に示すように、傾倒装置310を押し込み操作した状態に至る過程において、傾倒装置310の底板部311aが回転爪部材347の鉤状部347dを押進することにより回転爪部材347が後転方向(図34時計回り方向)に回転し、それに続けて傾倒装置310を押し込み操作することにより底板部311aが鉤状部347dを通過すると。回転爪部材347は傾倒装置310と係合可能な位置に戻る(前転方向に回転する)。従って、傾倒装置310が回転爪部材347に上昇方向の移動を規制される。
従って、図33に示す傾倒装置310を上下動作させる状態から遊技者が傾倒装置310を押し下げた後(図34参照)において、遊技者が手を離した場合に、傾倒装置310を第1状態に維持することができる。
次いで、図35から図37を参照して、遊技者が押し込み操作した後に、回転爪部材347による傾倒装置310の規制を解除することなく、円板カム344を第2初期状態とする動作について説明する。この方法により、傾倒装置310の2種類の上下動作(煽り動作)を、交互に行ったり、片方を連続で行ったりすることが可能となる。
図35から図37は、図6(a)のXXII−XXII線における操作デバイス300の断面図である。図35では、図34に示す状態から円板カム344を後転方向(図35時計回り)に回転させ解除部材346を前転方向(図35反時計回り)に回転させた状態が図示され、図36では、図35に示す状態以上に回転カム344が後転方向(図35時計回り)に回転してから円板カム344が解除部材346の係合部346dに当接する位置まで前転方向(図35反時計回り)に回転した状態が図示され、図37では、図36に示す状態から円板カム344が前転方向(図36反時計回り)に回転し保護カバー装置350の左側検出センサ353LがON状態となった状態が図示される。なお、図35から図37において、傾倒装置310に上から振れる遊技者の手の一例が想像線で図示される。
図35に示すように、図34に示す状態から円板カム344を後転方向(図34時計回り)に回転させると、係合リブ344cの第2引込部344c4が解除部材346の係合部346dと当接する。この場合、係合リブ344cが解除部材346を押し上げることにより解除部材346の姿勢は変化するが、解除部材346の凸設ピン346bが回転爪部材347の案内長孔347bの空間部分を移動するに留まり、回転爪部材347は図35に示す姿勢で維持される。
即ち、図35に示す状態から更に円板カム344を後転方向(図35時計回り)に回転させ、係合リブ344cと解除部材346との係合を解除する過程において、回転爪部材347による傾倒装置310の上昇の規制を維持することができる。
図35に示す状態から、更に円板カム344を後転方向(図35時計回り)に回転させ、続けて回転カム344を前転方向(図35反時計回り)に回転させることで、図36に示すように、駆動装置340を第2初期状態とすることができる。
なお、本実施形態では、第2初期状態を検出するセンサが無いので、図36に示す状態で円板カム344を正確に停止させることは難しいが、図36に示す第2初期状態を経由することは可能である。従って、図36に示す状態から円板カム344を動作させることにより、上述したように、角度D2の範囲における、第2初期状態からの上下動作(煽り動作)を行うことが可能となる。
ここで、傾倒装置310を押し込み操作する遊技者は、「長押し」等の特段の表示がされていなくとも、押し込み操作したあとで手を傾倒装置310に置いたままにする動作を行うことがある。
これは、例えば、演出に集中する余り傾倒装置310を押し込み操作した手を離すのを忘れることにより起きる動作であるが、この場合、回転爪部材347による規制が解除されても傾倒装置310が上昇しないので、円板カム344が傾倒装置310を角度D2の範囲で上下動作(煽り動作)させるための往復動作(正逆切替動作)を行ったとしても、傾倒装置310の姿勢を変化させることができない。この場合、駆動モータ342の回転は無駄となり、その回転を省略することができれば、駆動モータ342の寿命を延ばすことができる。
そこで、本実施形態では、図36に示す状態から円板カム344を前転方向(図36反時計回り)に回転させる状態において、下枠部材320の左側検出センサ324L(図15参照)がON状態を維持する間(傾倒装置310が第1状態以下に傾倒する間)は、円板カム344を逆回転させることはせず、図37に示すように、保護カバー装置350の左側検出センサ353L(図14参照)がON状態とされる駆動装置340の第1初期状態において円板カム344の回転を停止する(駆動モータ342の駆動を停止する)態様で制御される。
図36及び図37に示す状態において、遊技者の手が傾倒装置310の上側におかれることにより傾倒装置310が上昇動作しないので、この場合、図36に示す状態から図37に示す状態までの変化が駆動モータ342を一方向に回転させることで生じる。
そのため、図35から図37に示すように、遊技者の手が傾倒装置310の上側に置かれ続け、傾倒装置310を上下動作させることができないときにまで駆動モータ342を往復動作(正逆切替動作)させることを避けることができ、駆動モータ342にかけられる負担を低減し、モータ寿命を延ばすことができる。
なお、図36に示す状態から、円板カム344を所定量(図31に示す状態まで)回転させた際に、左側検出センサ324L(図15参照)がON状態を維持する場合に、そのまま円板カム344を回転させるのでは無く、即座に逆回転させて図36に示す状態に戻すように制御しても良い。これにより、駆動装置340を早期に第2初期状態に戻すことができ、駆動装置340に無駄な負荷をかけずに済むので、駆動モータ342(図18参照)のモータ寿命を延ばすことができる。
図38及び図39を参照して、駆動装置340の破壊防止の工夫について説明する。図38は、図6(a)のXXII−XXII線における操作デバイス300の断面図であり、図39は、図38のXXXIX−XXXIX線における操作デバイス300の部分断面図である。なお、図38では、傾倒装置310が第2状態とされた状態で傾倒装置310を掴んで固定する遊技者の手が想像線で図示され、図39では、本体カバー351の上側部材の図示が省略される。
図38に示すように、遊技者が傾倒装置310を掴んで固定する場合、アーム部材345の移動が規制されるので、円板カム344を図38の状態から回転させることができない。そのため、駆動モータ342(図39参照)が回転を開始すると、駆動モータ342と伝達ギア343bとの間で高負荷が生じ、放っておくと、駆動モータ342(図18参照)が故障する恐れがある。
これに対し、本実施形態では、伝達ギア343bが円板カム344を固定する伝達軸棒343aに対して空回り可能に構成されるので、駆動モータ342が故障することを防止することができる。
即ち、図39に示すように、円板カム344が固定された状態で駆動モータ342が駆動を開始し、伝達ギア343bが回転方向に付勢されることにより、クラッチ部343b2,343c2を介して動力が伝達され、可動クラッチ343cが伝達ギア343bから離反する方向へ移動する。これにより、伝達ギア343bと可動クラッチ343cとの係合を解除し、伝達ギア343bを空回りさせることができる。これにより、駆動モータ342が故障することを防止することができる。
なお、遊技者が傾倒装置310を掴んでいない場合、操作デバイス300の構成上、円板カム344を一回転させれば傾倒装置310は第1状態を経由する。そのため、本実施形態では、駆動モータ342を所定角度(例えば、360°)回転させる間に下枠部材320の左側検出センサ324LがON状態とならない場合(傾倒装置310が第1状態とならない場合)に、遊技者が、傾倒装置310を把持固定するという不要な操作を故意に行っていると判断して、その把持動作を止めるように、例えば、第3図柄表示装置81に表示することにより報知しつつ、駆動モータ342の回転を停止する。
これにより、遊技者が故意に誤操作を行っている場合を選択して、その時にのみ、誤操作を止めるよう報知することが可能となると共に、早期に駆動モータ342を停止して、故障を防止することができる。
なお、伝達ギア343bと可動クラッチ343cとが離反して位相ずれが生じる場合、駆動モータの初期位相と、可動クラッチ343cと位相を同じくする円板カム344の初期位相とがずれる。そのため、位相ずれが生じる以前の状態から継続して(ステップ数などで)駆動モータ342を制御すると、円板カム344を正確に動作させることができない(位相ずれを修正できない)。
これに対し、本実施形態では、保護カバー部材350の左側検出センサ353LがON状態となったことを検出することにより、駆動装置340が第1初期状態となったことを特定することができるので、その状態を初期位置として駆動モータ352の制御を再開する(駆動モータ342の初期位相を再設定する)ことにより、伝達ギア343bと可動クラッチ343cとの間で位相ずれが生じた後においても、駆動モータ342の位相と円板カム344の位相とを再度合わせた状態で制御を行うことができる。
これにより、傾倒装置310を動作させることで演出を行う場合に、駆動モータ342の回転制御により傾倒装置310に行わせようとする動作と、実際に傾倒装置310が行う動作との間にずれが生じることが防止される。従って、伝達ギア343bと可動クラッチ343cとの間で位相ずれが生じた後においても、傾倒装置310を適正に動作させて演出を行うことができる。
ここで、図39に示すように、可動クラッチ343cは、伝達ギア343bの回転方向に関わらず、伝達ギア343bに対して空回りする形状から構成される。その必要性について、以下において説明する。
図40、図41、図42及び図43は、図6(a)のXXII−XXII線における操作デバイス300の断面図である。なお、図40では、図38に示す状態から円板カム344が前転方向(矢印CCW方向)に180度回転した状態が図示され、図41では、図40に示す状態から、更に円板カム344が矢印CCW方向に回転した状態が図示される。また、図42では、図38に示す状態から円板カム344が後転方向(矢印CW方向)に180度回転した状態が図示され、図43では、図42に示す状態から、更に円板カム344が矢印CW方向に回転した状態が図示される。
図41に示すように、円板カム344が矢印CCW方向に回転する場合、傾倒装置310は、図40に示す第1状態を経由して、第2状態へ向けて起立動作する。一方で、図43に示すように、円板カム344が矢印CW方向に回転する場合、傾倒装置310は、図42に示す第1状態のまま、その状態を維持する態様で構成される。
これは、図42に示す状態から図43に示す状態へ向かうにつれて係合リブ344cが解除部材346から離反する態様で動作すること、のみが原因ではなく、円板カム344が矢印CW方向に回転する場合、係合リブ344cが解除部材346に当接しても、回転爪部材347による固定が解除されないことが原因である。即ち、円板カム344が矢印CW方向に回転する場合、係合リブ344cが解除部材346に下方から当接するが、この場合、解除部材346が係合リブ344cに持ち上げられることになり、回転爪部材347を押し上げる方向の負荷が生じない。そのため、回転爪部材347による固定が解除されることは無い。
ここで、傾倒装置310の動作を遊技者視点で見る場合、図38から図40及び図42に示す第1状態までは、どちらも同様の動作に見え、第1状態となってから以降の動きが図41又は図43のどちらか異なる動作となる。
例えば、第1状態に傾倒装置310が到達してからの動作の違いを、駆動モータ342(図39参照)の制御により発生させても良いが、駆動モータ342の回転数の変化による駆動音の変化の違いで、行っている制御の態様に遊技者が気付き、これから実行される演出が遊技者に把握されてしまい、遊技者の興味を削ぐおそれがある。また、傾倒装置310を急停止させる動作を駆動モータ342の急停止で行う場合、駆動モータ342にかけられる負担が大きくなり、駆動モータ342の耐久性が低下するおそれがある。
これに対し、本実施形態によれば、図38に示す状態から、傾倒装置310が第1状態へ向けて移動し、その後の傾倒装置310の動作を異ならせる場合に、駆動モータ342の回転は、その方向が異なるのみなので、その駆動態様(振動や、音など)で、その回転方向を遊技者が把握することを困難にすることができる。そのため、例えば、第1状態から傾倒装置310が起き上がるか、第1状態に傾倒装置310が維持されるかにより、演出の期待度が変化する場合に、傾倒装置310が第1状態へ向かう動作中に、その期待度の変化を、遊技者が把握してしまうことを防止することができる。これにより、傾倒装置310の動作への注目力を向上させることができる。
一方で、傾倒装置310が第1状態に到達して、更に駆動モータ342が回転することにより、傾倒装置310が起き上がるか、第1状態を維持するかを確認することにより、遊技者は演出の期待度の変化を把握することができるので、遊技者に、傾倒装置310が第2状態(図38参照)となり、駆動モータ342により第1状態へ向けて移動する際の、傾倒装置310の動きを見守るように仕向けることができる。
即ち、傾倒装置310が第2状態である場合に、遊技者が傾倒装置310を把持することを抑制することができるので、駆動モータ342の駆動時に遊技者が誤操作することにより傾倒装置310及び駆動装置340に過負荷が与えられることを防止することができる。
また、傾倒装置310を急停止させる演出を行うために、駆動モータ342(図39参照)を急停止させる必要がないので、駆動モータ342を急停止する場合に駆動モータ342に与えられる負担を無くすことができ、駆動モータ342の耐久性を向上させることができる。
次いで、図44を参照して、遊技者が傾倒装置310を押し下げる動作をした場合にでも、傾倒装置310が回転爪部材347で規制されずに上下動作をおこなう場合(第3の動作態様)について説明する。
図44は、図6(a)のXXII−XXII線における操作デバイス300の断面図である。なお、図44では、駆動装置340の第1初期状態(図25参照)から円板カム344が所定量前転方向(図44反時計回り)に回転された状態が図示されると共に、第1張出部344c1が解除部材346の係合部346dを通過しない角度で円板カム344を後転方向(図44時計回り)に回転させた後における傾倒装置310の外形が想像線で図示される。
図44に示すように、円板カム344の第1張出部344c1により解除部材346が押し下げられた状態において、第1張出部344c1と第1引込部344c2とが解除部材346の係合部346dを通過しない位置関係を保ちながら円板カム344を往復回転させることにより、解除部材346の姿勢を維持したまま、傾倒装置310を上下に往復動作させることができる。
この場合、回転爪部材347の姿勢が、解除部材346の姿勢変化に伴って後転方向(図44時計回り)に回転された状態で維持されるので、図44に示す態様で傾倒装置310が上下動作する場合に、遊技者が傾倒装置310を押し込み操作したとしても、傾倒装置310と回転爪部材347とが係合せず、遊技者が手を離すことにより傾倒装置310が第1状態(回転爪部材347が傾倒装置310と係合する場合に傾倒装置310が上昇を規制される位置)よりも上方へ移動すると共に上下動作を継続する動作態様を実施することができる。
そのため、例えば、傾倒装置310の動作態様として、上述した第1の動作態様や、第2の動作態様と、図44に示す第3の動作態様とで、演出上の違いを設けることで、操作デバイス300の操作に従来とは違った意味を持たせることができる。即ち、本実施形態によれば、遊技者が傾倒装置310を押し込み操作して、その後、傾倒装置310を離すことで初めて、傾倒装置310が第1の動作態様または第2の動作態様で上下動作していたのか、第3の動作態様で上下動作していたのかを知ることができる。
演出上の違いとして、第1の動作態様や、第2の動作態様で傾倒装置310が上下動作する場合(傾倒装置310を押し込み操作した後で手を離すと傾倒装置310が第1状態で維持される場合)の方が、第3の動作態様で傾倒装置310が上下動作する場合(傾倒装置310を押し込み操作した後で手を離しても傾倒装置310が上下動作を継続する場合)に比較して大当たりの期待度が高いという違いを設けたとすると、遊技者が傾倒装置310を押し込む時だけでなく、傾倒装置310から手を離すときにも、大当たりするか否かの期待度を認識する機会を得ることができるので、操作デバイス300を遊技者が注目するタイミングを多く設けることができる。これにより、操作デバイス300の注目度を向上させることができる。
次いで、図45から図49を参照して第2実施形態について説明する。第1実施形態では、解除部材346が押し上げられた場合に回転爪部材347の状態が維持される場合を説明したが、第2実施形態における操作デバイス2300は、駆動装置2340がスライド爪部材2348を備え、解除部材2346が押し上げられた場合にスライド爪部材2348がスライド動作する態様で構成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。まず、図45及び図46を参照して、第1実施形態との差異について説明する。
図45(a)は、第2実施形態におけるスライド爪部材2348の側面図であり、図45(b)は、回転板部材2347の側面図であり、図45(c)は、解除部材2346の側面図である。
図46(a)及び図46(b)は、解除部材2346と回転板部材2347とスライド爪部材2348との連動を示す解除部材2346と回転板部材2347とスライド爪部材2348との側面図である。
図46(a)では、解除部材2346に対して回転板部材2347が第2スプリングSP2の付勢方向終端位置まで回転した角度大状態が図示され、図46(b)では、解除部材2346に対して回転板部材2347が第2スプリングSP2の付勢力に抗して終端位置まで回転した角度小状態が図示される。なお、円板カム344に当接されることにより解除部材2346が回転する状態は、角度大状態と角度小状態との間の状態(凸設ピン346bが案内長孔347bの中間位置に配置された状態)となる(図48参照)。
図45及び図46に示すように、駆動装置2340(図47参照)は、軸部341c(図47参照)に軸支される機能部材として、解除部材2346と、回転板部材2347と、その回転板部材2347を挟んで解除部材2346の反対側に配設されると共に傾倒装置2310(図47参照)の回転軸を中心とする円弧軌道にそってスライド移動可能に構成されるスライド爪部材2348と、を主に備える。なお、解除部材2346と回転板部材2347とスライド爪部材2348とにおいて、第1実施形態と同様の機能を有する構成については、同一の符号を付し、その説明は省略する。
図45(a)に示すように、スライド爪部材2348は、レール部2347fにスライド可能に内嵌される態様で湾曲した形状から形成される湾曲部2348aと、その湾曲部2348aの上端部において前方(図45左方)へ鉤状に凸設される鉤状部2348bと、それら湾曲部2348a及び鉤状部2348bの厚み方向(図47(a)紙面垂直方向)に重ねて配設されると共に湾曲部2348aよりも幅広の湾曲した板形状から形成される補強部2348cと、その補強部2348cの下端部において解除部材2346へ向けて円柱状に凸設される凸設ピン2348dと、を主に備える。
湾曲部2348aは、その幅の長さが、レール部2347fの離間幅よりも若干短い長さに設定される。そのため、スライド爪部材2348の湾曲部2348aが、レール部2347fに内嵌される状態において、回転板部材2347に対してスライド移動可能に構成される。
鉤状部2348bは、形状が第1実施形態の鉤状部347dと同様であり、その下側面に磁性材料が配設される。この磁性材料は、後述する傾倒装置2310の底板部2311aと吸着する磁力を発生させるための磁性材料である。
補強部2348cは、組立状態(図46参照)において回転板部材2347のスライド爪部材2348と対面する面の反対側の面と対面する部分であり、湾曲部2348aよりも幅広に形成されることにより、スライド爪部材2348を補強する部分である。
凸設ピン2348dは、解除部材2346の機能長孔2346eに挿通される円柱部材であり、本体板部2348eに挿通固定される金属棒により構成される。解除部材2346が回転板部材2347に対して相対回転することで凸設ピン2348dが機能長孔2346eの側面に押され、スライド爪部材2348がスライド移動する。
回転板部材2347は、軸支孔347aと、案内長孔347bと、挿通孔347cと、引下用孔347eと、に加えて、スライド爪部材2348のスライド動作を案内するレール部2347fと、スライド爪部材2348の凸設ピン2348dが挿通される支持長孔2347gと、を備える。
レール部2347fは、回転板部材2347の上端部から延設される一対の板状部から形成され、それら一対の板状部の対向配置される側面は、回転板部材2347が前転方向(図46反時計回り)の終端位置に配置された状態において、軸部314(図47参照)を中心とする円弧に沿った湾曲形状から形成される。
支持長孔2347gは、レール部2347fと同様に、軸部314(図47参照)を中心とする円弧に沿った湾曲形状から形成される。支持長孔2347gに凸設ピン2348dが挿通された状態でスライド爪部材2348をスライド移動させる場合、スライド爪部材2348をレール部2347fと支持長孔2347gとで支持することができ、スライド爪部材2348がぐらつくことを抑制することができる。
解除部材2346は、軸支孔346aと、凸設ピン346bと、挿通孔346cと、係合部346dと、に加えて、厚さ方向に穿設される長孔である機能長孔2346eを備える。
機能長孔2346eは、スライド爪部材2348の凸設ピン2348dの直径よりも若干幅の広い長孔として構成され、軸支孔346aを中心とした円弧に沿った湾曲形状から構成される第1長孔部2346e1と、その第1長孔部2346eの一方の端部から軸支孔346aの反対方向へ向かって傾斜する方向に延設される第2長孔部2346e2と、を主に備える。
図46に示すように、解除部材2346が回転板部材2347に対して回転し、角度大状態と角度小状態との間で状態が変化すると、スライド爪部材2348がレール部2347fの湾曲形状に沿ってスライド移動する。
機能長孔2346eが凸設ピン2348dの直径よりも若干幅の広い長孔として構成されるので、解除部材2346の移動に対する時間遅れ無しに、解除部材2346の移動速度がそのまま凸設ピン2348dの移動速度に反映される。
即ち、解除部材2346を素早く回転させれば、スライド爪部材2348が素早くスライド動作する一方で、解除部材2346を回転させる速度を遅くすれば、スライド爪部材2348の動作速度も遅くなる。
図46(a)に示すように、角度大状態では、スライド爪部材2348がスライド方向に引っ張られたとしても、第1円弧部2346e1が軸支孔346aを中心とする円弧に沿った形状とされるので、凸設ピン2348dから機能長孔2346eにかけられる負荷が軸支孔346aを通る直線方向に向けられる。そのため、解除部材2346を回転させる力が発生せず、スライド爪部材2348がスライド移動することを防止することができる。
即ち、本実施形態では、解除部材2346が回転動作することによりスライド爪部材2347がスライド移動することはあっても、角度大状態の時にスライド爪部材2347が引っ張られることによりスライド爪部材2347がスライド移動することは無い。従って、第1実施形態と同様に、傾倒装置2310を第1状態に配置した場合においてスライド爪部材2348を傾倒装置2310に係合させることにより、傾倒装置2310の上昇を規制することができる。
図47から図49は、傾倒装置2310の姿勢の変化を時系列で図示する図面であって、図6(a)のXXII−XXII線に対応する線における操作デバイス2300の断面図である。なお、図47では、円板カム344の第2引込部344c4が解除部材2346の係合部346dの下方に配置された状態が図示され、図48では、図47に示す状態から円板カム344が後転方向(図47時計回り)に回転され解除部材2346の係合部346dが押し上げられた状態が図示され、図49では、図48に示す状態から円板カム344が後転方向(図48時計回り)に回転され解除部材2346が第2スプリングSP2の付勢力により復帰された状態が図示される。
本実施形態では、傾倒装置2310の底板部2311aが、開口部311bの下側縁部付近において上側側面に固定されると共に磁性材料から構成される磁石部2311a1を備える。
図47に示す状態において、磁石部2311a1と鉤状部2348bとが磁力により吸着する。この状態から傾倒装置2310を遊技者が押し込み操作する場合、傾倒装置2310の姿勢変化により磁石部2311a1と鉤状部2348bとの吸着が外れるので、傾倒装置2310からスライド爪部材2348に大きな負荷が与えられることは無い。
図48に示すように、解除部材2346が押し上げられると、その動作に連動してスライド爪部材2348が上昇方向にスライド動作する。このとき、磁石部2311a1と鉤状部2348bとは磁力により吸着しているので、解除部材2346が素早く動作すると、傾倒装置2310の動作も素早くなる。
従って、ねじりバネ315の付勢力により傾倒装置2310が上昇方向に回転する速度とは異なった速度でスライド爪部材2348をスライド動作させることにより、スライド爪部材2348を後転方向(図48時計回り)に回転させ傾倒装置2310の上昇移動の規制を解除する場合の上昇移動とは異なった速度で傾倒装置2310を上昇移動させることができる(第4の動作態様)。即ち、傾倒装置2310が上昇方向に移動する速度を変化させることができる。
図49に示すように、円板カム344と解除部材2346との係合が解除されると、解除部材2346は第2スプリングSP2の付勢力により後転方向(図48時計回り)に回転する。これによりスライド爪部材2348は第1状態へ復帰される。
図47から図49に示す動作態様を可能とすることにより、第1実施形態で説明した第1から第3の動作態様と合わせて、4個の動作態様で傾倒装置2310を動作させることができる。動作態様が増えるほど、動作態様と、大当たりの期待度との対応付けをしておくことにより、遊技者が操作デバイス2300を先読みの手段として利用しやすくなるので、遊技者にとっての操作デバイス2300の注目度を向上させることができる。
また、本実施形態によれば、図48に示すように、スライド爪部材2348が上昇することにより傾倒装置2310を上昇させる場合、スライド爪部材2348の鉤状部2348bと傾倒装置2310の磁石部2311a1との間の磁力吸着により傾倒装置2310が上昇することになるので、磁力を大きく確保することにより、ねじりバネ315の付勢力で傾倒装置2310を上昇させる場合に比較して、傾倒装置2310にかけられる負荷を上昇させることができる。
即ち、通常では、遊技者が傾倒装置2310の上部に手を置いている場合に、スライド爪部材2348による規制を解除した際に、手の重みにより傾倒装置2310が上昇することが防止されるとしても(ねじりバネ315による付勢力が手の重みを持ち上げるほどに大きくは無いとしても)、磁力が手の重みを持ち上げ可能な程度に大きければ、図48に示す状態において、遊技者の手を持ち上げる態様で傾倒装置2310を上昇させることができる。
これにより、傾倒装置2310を上昇させる際に、その上昇方向への負荷(下方への負荷に対して傾倒装置2310の姿勢を維持しようとする力)に違いを設けることができる。そのため、傾倒装置2310を押し込み操作する前に傾倒装置2310の上部に手を置く方法で遊技を行う遊技者が、その負荷の違いを感じることができる。
例えば、その負荷の違いと大当たりの期待度との対応付けをしておくことにより、遊技者が操作デバイス2300を先読みの手段として利用しやすくなるので、遊技者にとっての操作デバイス2300の注目度を向上させることができる。
次いで、図50から図52を参照して、第3実施形態について説明する。第1実施形態では、傾倒装置310が第1状態であるか遊技者に押し込まれた状態であるかを検出センサ324L,324Rで検出可能な場合を説明したが、第3実施形態における操作デバイス3300は、傾倒装置3310が第1状態と遊技者に押し込まれた状態との途中の状態にあるか遊技者に押し込まれた状態であるかを検出センサ324L,324Rで検出可能とする態様で構成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図50は、第3実施形態における傾倒装置3310の側面図である。図50に示すように、傾倒装置3310は、ケース本体3311の底板部311aから下方に延設される右側検出片311gRと、第1実施形態における左側検出片311gLと同じ位置(傾倒装置3310の回転軸に垂直な面であって回転軸方向の中心位置に配置される面に対して右側検出片311gRの反対側の位置)において延設される左側検出片3311gLと、を備える。左側検出片3311gLは、右側検出片311gRよりも延設長さが長くされ、第1実施形態における左側検出片311gLに比較して、その延設長さが短くされる。
図51(a)及び図51(b)は、操作デバイス3300の側面図である。なお、図51(a)では、傾倒装置3310が第1状態とされ、図51(b)では、傾倒装置3310が押し込み操作される途中の状態が図示される。また、図51(a)及び図51(b)において、理解を容易にするために、下枠部材320、上枠部材330及び保護カバー装置350の外形が想像線で図示される一方で、各検出センサ324L,324R及びボイスコイルモータ352が実線で図示されると共に、各検出センサ324L,324Rと各検出片3311gL,311gRとが重なる部分は模式的に図示される。
図51(a)に示すように、傾倒装置3310が第1状態とされる場合、左側検出片3311gLは左側検出センサ324Lに挿通されていないと共に右側検出片311gRは右側検出センサ324Rに挿通されていない(左側検出センサ324LがOFF状態かつ右側検出センサ324RがOFF状態)。
図51(b)に示すように、傾倒装置3310が第1状態から押し込み終端まで押し込み操作される途中の状態である場合、左側検出片3311gLは左側検出センサ324Lに挿通されている一方で、右側検出片311gRは右側検出センサ324Rに挿通されていない(左側検出センサ324LがON状態かつ右側検出センサ324RがOFF状態)。
これら各検出センサ324L,324Rの状態の変化を検出することにより、傾倒装置3310が第1状態と押し込み終端まで押された状態との途中の状態とされた場合に、それが押し込み途中の状態なのか、戻る途中の状態なのかを検出することができる。
即ち、左側検出センサ324LがON状態かつ右側検出センサ324RがOFF状態であれば、傾倒装置3310は第1状態と押し込み終端まで押された状態との途中の状態となっているが、それが、左側検出センサ324LがOFF状態かつ右側検出センサ324RがOFF状態から変化した状態であることを検出することで、傾倒装置3310が押し込み操作の途中の状態であると判定することができる。
図52(a)及び図52(b)は、操作デバイス3300の側面図である。なお、図52(a)では、傾倒装置3310が押し込み終端まで押し込まれた状態が図示され、図52(b)では、傾倒装置3310が押し込み終端から第1状態へ向かう途中の状態が図示される。また、図51(a)及び図51(b)において、理解を容易にするために、下枠部材320、上枠部材330及び保護カバー装置350の外形が想像線で図示される一方で、各検出センサ324L,324R及びボイスコイルモータ352が実線で図示されると共に、各検出センサ324L,324Rと各検出片3311gL,311gRとが重なる部分は模式的に図示される。
図52(a)に示すように、傾倒装置3310が押し込み終端まで押し込まれた状態では、左側検出片3311gLは左側検出センサ324Lに挿通されると共に右側検出片311gRは右側検出センサ324Rに挿通される(左側検出センサ324LがON状態かつ右側検出センサ324RがON状態)。
図52(b)に示すように、傾倒装置3310が第1状態と押し込み終端に配置される状態との間の状態である場合、左側検出片3311gLは左側検出センサ324Lに挿通されている一方で、右側検出片311gRは右側検出センサ324Rに挿通されていない(左側検出センサ324LがON状態かつ右側検出センサ324RがOFF状態)。
左側検出センサ324LがON状態かつ右側検出センサ324RがOFF状態であれば、傾倒装置3310は第1状態と押し込み終端まで押された状態との途中の状態となっているが、それが、左側検出センサ324LがON状態かつ右側検出センサ324RがON状態から変化した状態であることを検出することで、傾倒装置3310が第1状態へ戻る途中の状態であると判定することができる。
ここで、ボイスコイルモータ352の駆動力を傾倒装置3310に伝達して傾倒装置3310を上昇させる補助的な負荷を与える場合、傾倒装置3310が下降動作する間にボイスコイルモータ352を傾倒装置3310に衝突させるよりも、傾倒装置3310が上昇動作する間にボイスコイルモータ352を傾倒装置3310に衝突させる方が、効果的に傾倒装置3310を上昇させる負荷を与えることができる。
そのため、図52(b)に示すように、各検出センサ324L,324Rの検出履歴から傾倒装置3310の動作方向を判定し、傾倒装置3310が上昇途中であって、かつ第1状態までは到達していない時にボイスコイルモータ352を駆動させることにより、ボイスコイルモータ352の駆動力を傾倒装置3310に効果的に伝達することができ、傾倒装置3310の上昇速度を向上させることができる。
ここで、駆動モータ342(図18参照)の駆動力を抑えるためにねじりバネ315の付勢力を抑えた場合、第1状態から傾倒装置3310を押し込み操作した後の傾倒装置3310の上昇速度が遅くなる。この場合、遊技者が傾倒装置3310を連打操作したとしても、傾倒装置3310の上昇動作が遊技者の手の動きに追従せず、連打操作を快適に行うことができない。
これに対し、本実施形態によれば、ボイスコイルモータ352の駆動力を効果的に用いることで、ねじりバネ315の付勢力のみで傾倒装置3310が上昇動作する場合に比較して傾倒装置3310が上昇する速度を向上させることができるので、傾倒装置3310の連打操作を快適に行わせることができる。
次いで、図53から図55を参照して、第4実施形態について説明する。第1実施形態では、傾倒装置310が第1状態であるか遊技者に押し込まれた状態であるかを検出センサ324L,324Rで検出可能な場合を説明したが、第4実施形態における操作デバイス4300は、傾倒装置4310が第2状態から第1状態へ変化する途中の動作速度を検出しその検出結果によってボイスコイルモータ352の駆動方法を変化させる態様とされる。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図53は、第4実施形態における傾倒装置4310の側面図である。図53に示すように、傾倒装置4310は、ケース本体4311の張出凸設部311jの正面側から板状に凸設される正面検出片4311kを備える。
正面検出片4311kは、下枠部材4320の底板部4321に配設される上側検出センサ4321dと下側検出センサ4321eと(図54参照)の検出溝(スリット)を通過可能に構成され、各検出センサ4321d,4321eの検出タイミングにより傾倒装置4310の動作速度を判定するための部分である。
図54(a)及び図54(b)は、操作デバイス4300の押し下げ操作を時系列で図示する操作デバイス4300の側面図である。なお、図54(a)では、傾倒装置4310が第2状態とされ、図54(b)では、図54(a)に示す状態から傾倒装置4310が押し込み操作され正面検出片4311kが下側検出センサ4321eを下方へ向けて通過した状態が図示される。また、図54(a)及び図54(b)において、理解を容易にするために、下枠部材4320、上枠部材330及び保護カバー装置350の外形が想像線で図示される一方で、各検出センサ324L,324R,4321d,4321e及びボイスコイルモータ352が実線で図示される。
図54(a)及び図54(b)に示すように、下枠部材4320は、底板部4321の正面側の部分に、上側検出センサ4321d及び下側検出センサ4321eを備える。上側検出センサ4321d及び下側検出センサ4321eはフォトカプラ形式のセンサであって、検出溝を正面検出片4311kが通過可能な向きに向けた姿勢で配設される。なお、本実施形態では上側検出センサ4321d及び下側検出センサ4321eが、傾倒装置4310の回転軸を中心とした円弧軌道上に20°間隔で配置される。
図54(a)に示す状態から、遊技者が傾倒装置4310を押し込み操作することにより、図54(b)に示す状態へ変化した場合、正面検出片4311kが上側検出センサ4321dと下側検出センサ4321eとを順番に通過する。その通過のタイミングの間隔を検出することにより、傾倒装置4310の動作速度の大小を判定することができ、その判定によりボイスコイルモータ352を駆動するか否かを選択する。
ここで、第2位置から傾倒装置4310を押し込み操作する場合、その押し込み長さが長くなることから(加速度をかけられる期間が長いので)、押し込み長さが短い操作ボタンに比較して、傾倒装置4310の動作速度の上限が高くなる。従って、減速の手段を何ら持たない場合、遊技者が全力で押し込み操作する時のための安全対策として、傾倒装置4310を丈夫に作っておく必要があり、傾倒装置4310が重くなりがちであるという課題が生じる。
また、傾倒装置4310が押し込み終端付近に配置された時にのみ傾倒装置4310に付勢力をかける弾性バネを内蔵し、その弾性バネの付勢力により傾倒装置4310を減速させることもできる。しかし、この場合、力の弱い遊技者や、そっと押し込み操作をすると決めている遊技者にとっては、押し込み位置付近で常に反力が大きくなることが押し込み操作の負担となり、疲労感を感じやすくなることから、傾倒装置4310の押し込み操作を快適に行うことができなくなる恐れがある。
これに対し、本実施形態では、上側検出センサ4321dと下側検出センサ4321eとが、それぞれON状態とOFF状態とで切り替わるタイミングの間隔により、ボイスコイルモータ352を駆動するか否かを決定することにより、必要の無いときにまで傾倒装置4310に強い反力がかけられることを防止することができる。
即ち、例えば、上側検出センサ4321dと下側検出センサ4321eとが、それぞれON状態とOFF状態とで切り替わるタイミングの間隔が、所定期間(例えば1秒)よりも長い場合には、ボイスコイルモータ352を駆動しない一方、上述したタイミングの間隔が、所定期間よりも短い場合にはボイスコイルモータ352を駆動する態様で制御する。
これにより、傾倒装置4310の押し込み操作の操作速度が遅い場合には、遊技者が傾倒装置4310から感じる反力は、ねじりバネ315が生じる付勢力のみであり、弱い力でも傾倒装置4310を容易に押し込み操作することができる。
更に、傾倒装置4310の押し込み操作の操作速度が速い場合には、傾倒装置4310に対する反力として、ねじりバネ315により生じる付勢力だけでなく、押し込み終端において、ボイスコイルモータ352が発生させる駆動力を加えることができる。そのため、傾倒装置4310の操作速度を抑制することができる。
なお、本実施形態では、図54(b)に示すように、傾倒装置4310の張出凸設部311jが下枠部材4320の下方に張り出すよりも前に、ボイスコイルモータ352を駆動しておき、ボイスコイルモータ352の可動部材を傾倒装置4310に近接する側に予め押し出しておく態様で制御される。
これにより、ボイスコイルモータ352の可動部材の押し出し途中に傾倒装置4310とボイスコイルモータ352とが衝突する場合に比較して、傾倒装置4310に加えられる衝撃を抑制することができる。
図55(a)及び図55(b)は、操作デバイス4300の側面図である。なお、図55(a)では、傾倒装置4310が第1状態から押し込み終端まで押し込まれる途中の状態が図示され、図55(b)では、傾倒装置4310が押し込み終端へ到達した状態が図示される。
また、図55(a)及び図55(b)において、理解を容易にするために、下枠部材4320、上枠部材330及び保護カバー装置350の外形が想像線で図示される一方で、各検出センサ324L,324R,4321d,4321e及びボイスコイルモータ352が実線で図示される。
図55(a)に示すように、傾倒装置4310を第2状態から高速で押し込み操作した場合、傾倒装置4310が第1状態から押し込み終端へ到達する途中の状態において、傾倒装置4310の張出凸設部311jとボイスコイルモータ352とが当接される。
傾倒装置4310を押し込み操作することにより、張出凸設部311jがボイスコイルモータ352を移動させる方向が、ボイスコイルモータ352の伸張方向D41に沿った方向となるので、ボイスコイルモータ352を縮小方向に移動させることに押し込み操作の力を消費することができる。従って、傾倒装置4310の移動は継続しつながら、ボイスコイルモータ352の駆動力で傾倒装置4310を押し上げる方向の負荷を加えることができ、傾倒装置4310を減速させることができる。
このとき、ボイスコイルモータ352は、ディスクブレーキのように摩擦で負荷を加える構造では無く、電磁力で負荷を加える構造であるため、部材の損傷が抑えられ、耐久性を確保することができる。
図55(a)に示す状態においては、傾倒装置4310の張出凸設部311jと、ボイスコイルモータ352とが既に当接しているので、図55(a)に示す状態(左側検出センサ324LはON状態)からボイスコイルモータ352に流す電流を徐々に増加させることにより、傾倒装置4310にボイスコイルモータ352から加えられる反力を徐々に増加させることができる。
従って、傾倒装置4310の張出凸設部311jと、ボイスコイルモータ352とが当接するタイミングで遊技者が感じる反力は抑制しながら、傾倒装置4310が第1状態から押し込み終端へ向かう途中における減速効果を向上させることができる。
図55(b)に示すように、傾倒装置4310が押し込み終端位置に配置されると、右側検出センサ324RがON状態となる。この状態において、傾倒装置4310は下枠部材4320に回転方向で当接し下降が停止する。そのため、ボイスコイルモータ352により傾倒装置4310を減速させることが不要となる。
本実施形態では、図55(b)に示す状態において、ボイスコイルモータ352が振動動作(伸張方向への移動と、縮小方向への移動とを繰り返す動作)を行う。これにより、傾倒装置4310を押し込み終端まで押し込み操作した後、傾倒装置4310に手を乗せ続けている遊技者に対して振動を伝える演出を行うことができる。
即ち、ボイスコイルモータ352を、傾倒装置4310の押し込み操作の速度を減少させる目的と、押し込み終端位置に配置された傾倒装置4310を振動させることにより振動演出を行う目的とに利用することができる。
次いで、図56から図68を参照して、第5実施形態における操作デバイス5300について説明する。
第1実施形態では、ボイスコイルモータ352を振動させることにより、傾倒装置310を押し込み操作する遊技者へ振動を伝える場合を説明したが、第5実施形態における操作デバイス5300は、下枠部材5320に、重心が偏心した位置に配置される錘部材5412を回転させる駆動モータ5411を備え、その駆動モータ5411の回転に基づいて、下枠部材5320に触れる遊技者へ振動を伝える態様で構成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。まず、図56及び図57を参照して、第1実施形態との構成の差異について説明する。
図56は、第5実施形態における操作デバイス5300の分解正面斜視図であり、図57は、操作デバイス5300の分解背面斜視図である。
図56及び図57に示すように、操作デバイス5300は、第1実施形態における操作デバイス300と比較して、下枠部材320が下枠部材5320とされ、駆動装置340が駆動装置5340とされると共に、保護カバー部材350からボイスコイルモータ352が省略される。傾倒装置310及び上枠部材330は、第1実施形態と同様の構成とされる。
下枠部材5320には、駆動モータ5411を備える振動装置5400が配設され、駆動装置5340には、伝達軸棒5343にワンタッチで固定される円板カム5344が配設される。まず、図58から図61を参照して振動装置5400について説明し、その後、円板カム5344について説明する。
図58は、下枠部材5320及び振動装置5400の分解正面斜視図である。図58に示すように、振動装置5400は、扇形状の錘部材5412を回転駆動させる伝達装置5410と、伝達装置5410と、その伝達装置5410の駆動モータ5411を収容すると共に柔軟な材料から構成される柔軟部材5420と、上面が開放される有底皿状に形成され、錘部材5412と柔軟部材5420とを区画を分けて収容すると共に下枠部材5320の底板部5321に締結固定される収容部材5430と、を主に備える。
伝達装置5410は、回転駆動の電気モータから形成される駆動モータ5411と、外形が扇形状とされると共に駆動モータ5411の回転軸に、扇の要に該当する部分が軸支される錘部材5412と、を主に備える。
駆動モータ5411は、軸が張り出す側の側面に、左右一対で配設されると共に金属材料からフランジ状に形成される固定部5411aを備える。
錘部材5412は、その半径が半径Raとされ、駆動モータ5411の回転軸と偏心して軸支される。そのため、駆動モータ5411が回転駆動することで、錘部材5412の重心位置が変動し、駆動モータ5411ごと振動し得る態様で構成される。
柔軟部材5420は、駆動モータ5411が軸方向に沿って挿入されると共に、その挿入される側の反対側に底を有する円筒容器形状から構成される本体部5421と、組立状態において、本体部5421の径方向左右および下方に、それぞれ一対のリブ状に凸設されるリブ状脚部5422と、本体部5421の開放部側において左右に凸設されるリブ状脚部5422の間を連結すると共に固定部5411aが埋め込まれる姿勢維持部5423と、本体部5421の上面から上方へ向けて一対の柱状に凸設される凸設脚部5424と、を主に備える。
本体部5421は、駆動モータ5411の軸方向長さと同じ深さで容器形状の深さが構成される。そのため、駆動モータ5411を本体部5421に挿入しきった状態において、駆動モータ5411の軸側の端面と、本体部5421の開口側の端面とが同一面上に形成される。また、この状態において、固定部5411aが姿勢維持部5423に埋め込まれる。
リブ状脚部5422は、本体部5421の左右側と下側とに形成されるが、左右側には姿勢維持部5423が配設される分だけ、左右側のリブ状脚部5422の方が下側のリブ状脚部5422に比較して変形抵抗が大きくなる。
凸設脚部5424は、柱状に凸設されるので、後述する傾倒装置310との当接において、荷重を一点に集中させやすくすることができる。従って、柔軟部材5420を傾倒装置310の傾倒により変形させる際の、傾倒装置310の傾倒角度に対する柔軟部材5420の変形度合いの分解能を細かくすることができる。
収容部材5430は、組立状態において、駆動モータ5411及び柔軟部材5420が収容される第1収容部5431と、その第1収容部5431に隣設されると共に錘部材5412が収容される第2収容部5432と、それら第1収容部5431及び第2収容部5432の接続面において上面から下方へ向けて凹設される凹溝5433と、を主に備える。
第1収容部5431の深さは、下側のリブ状脚部5422が底に付くまで柔軟部材5420を挿入し、挿入する際にかけた負荷を解除した場合(組立負荷解除状態)に、上面から凸設脚部5424が張り出す深さとされる。
第2収容部5432の深さは、組立負荷解除状態において錘部材5412の回転軌跡よりも外方まで凹設される深さである一方、凸設脚部5424に遊技者が負荷をかけ柔軟部材5420が変形した場合(組立負荷状態)において錘部材5412の回転軌跡に干渉する深さとされる。
凹溝5433は、幅寸法が、駆動モータ5411の回転軸の直径よりも若干広い寸法とされ、深さ寸法が、組立負荷状態における駆動モータ5411の回転軸よりも若干下方に延びた寸法とされる。
図59(a)は、下枠部材5320の側面図であり、図59(b)は、図59(a)のLIXb−LIXb線における下枠部材5320の部分断面図であり、図59(c)は、図59(a)の矢印LIXc方向視における下枠部材5320の部分上面図である。なお、図59(a)では、振動装置5400に対応する部分が部分的に断面視される。また、図59(a)では、傾倒装置310が第1状態とされた場合に傾倒装置310が占有する領域である第1領域S51と、第1状態から遊技者に3度分だけ押し込まれ、押し込みの終端位置に配置された場合に傾倒装置310が占有する領域である終端領域S52と、が想像線で図示される。
図59(a)に示すように、下側軸受け部323の円弧の中心軸を回転軸として形成される円軌道に沿った方向に、凸設脚部5424が凸設される。そのため、傾倒装置310(図56参照)の角度変化に対する凸設脚部5424の変形量を最大限に確保することができる。
図59(b)に示すように、凸設脚部5424に負荷がかけられていない、組立負荷解除状態において、錘部材5412が第2収容部5432から離間される。
図59(c)に示すように、凸設脚部5424は、その延設方向視において、下枠部材5320の左右中心線を基準として左右対称に配置される。そのため、傾倒装置310の底面で凸設脚部5424を左右均等に押し込むことができるので、押し込み時に柔軟部材5420が左右に傾く(図59(b)紙面において左右に傾く)ことを防止することができ、図59(b)の姿勢を保ったまま凸設脚部5424を押し込むことができる。
図59(c)に示すように、下枠部材5320の底板部5321は、凸設脚部5424を挿入可能に穿設される一対の貫通孔5321dを備える。貫通孔5321dは、左右方向の幅寸法が、凸設脚部5424の直径寸法よりも若干大きい寸法とされることから、傾倒装置310が遊技者により押し込まれ、傾倒装置310の下側面が凸設脚部5424に押し付けられる場合に、凸設脚部5424の左右方向への変形を抑制することができる。従って、凸設脚部5424の形状の変形を抑制し、凸設脚部5424ごと本体部5421を、下方(図59(b)下方)へ平行移動させやすくすることができる。
図60(a)及び図60(b)は、図59(a)のLXa−LXa線における振動装置5400の断面図である。なお、図60(a)では、組立負荷解除状態が図示され、図60(b)では、傾倒装置310が終端領域S52(図59(a)参照)を占有する状態において凸設脚部5424が第1収容部5431の内方へ押し込まれた後における組立負荷状態が図示される。なお、第2収容部5432及び錘部材5412の外形が想像線で図示される。
図60(a)及び図60(b)に示すように、組立負荷解除状態から、振動装置5400に負荷が与えられ、組立負荷状態となると、凸設脚部5424及び下側のリブ状脚部5422が変形すると共に、駆動モータ5411及び錘部材5412が下方へ変位する。
組立負荷状態では、図60(b)に示すように、傾倒装置310(図57参照)に押されることにより柔軟部材5420が弾性的に変形する。この変形の弾性回復力は、傾倒装置310を押し返す力として働き、その力は傾倒装置310が柔軟部材5420に近接するほど大きくなるので、傾倒装置310が終端位置に押し込み操作された場合に傾倒装置310が下枠部材5320(図57参照)と衝突する際の衝撃を緩和することができる。また、弾性回復力による負荷なので、傾倒装置310が高速で移動する場合でも、時間遅れなく負荷を発生させることができる。
ここで、駆動モータ342(図57参照)の駆動力を抑えるためにねじりバネ315の付勢力を抑えた場合、第1状態(傾倒装置310が上昇端に配置された状態、図38参照)から傾倒装置310を押し込み操作した後の傾倒装置310の上昇速度が遅くなる。この場合、遊技者が傾倒装置310を連打操作したとしても、傾倒装置310の上昇動作が遊技者の手の動きに追従せず、連打操作を快適に行うことができない。
これに対し、本実施形態によれば、柔軟部材5420の弾性回復力を効果的に用いることで、ねじりバネ315の付勢力のみで傾倒装置310が上昇動作する場合に比較して傾倒装置310が上昇する速度を向上させることができるので、傾倒装置310の連打操作を快適に行わせることができる。
図60(a)に示すように、組立負荷解除状態において、錘部材5412は、その姿勢によらず、第2収容部5432の内壁と当接しない。そのため、組立負荷解除状態で、駆動モータ5411を駆動開始しても、錘部材5412と第2収容部5432とが当接することによる振動は、生じない。
また、駆動モータ5411自体の振動や、錘部材5412の重心移動により駆動モータ5411に生じる微振動は、柔軟部材5420の柔軟性により吸収され、収容部材5430への伝達が防止される。これにより、遊技者が、駆動モータ5411の駆動開始タイミングを把握し難くすることができる。
図60(b)に示すように、組立負荷状態において、柔軟部材5420の本体部5421は、上部の凸設脚部5424や、下方のリブ状脚部5422が変形することで、上下に変位が許容される態様で構成される。
柔軟部材5420が下方へ移動すると、本体部5421の下側に配置されるリブ状脚部5422の状態が、より上下に圧縮される状態へと変化し、リブ状脚部5422が若干硬化する。そのため、リブ状脚部5422による振動の減衰効果を弱めることができ、振動装置5400により生じる振動を、遊技者に伝えやすくすることができる。
また、柔軟部材5420の本体部5421が円筒状に形成され、下側のリブ状脚部5422が本体部5421の円筒の軸方向に沿って延設されると共に中心軸から左右に均一な間隔で左右一対に配置されるので、柔軟部材5420が下方へ移動することにより、リブ状脚部5422の径方向外側の端部が左右外方(本体部5421とリブ状脚部5422との接続位置において抵抗が小さい方)に移動する態様で変形する(図60(b)参照)。この場合、本体部5421の下側に配置されるリブ状脚部5422の凸設方向が左右方向成分を持つことになるので、リブ状脚部5422の弾性力を左右方向に作用させることができる。従って、組立負荷状態において、錘部材5421と第2収容部5432とが衝突する際に生じる可能性の有る左右方向の負荷を、本体部5421の下側のリブ状脚部5422の弾性力により部分的に吸収することができる。これにより、駆動モータ5411の左右方向への位置ずれを抑制することができる。
図61(a)及び図61(b)は、図59(a)のLIXb−LIXb線における伝達装置5410及び収容部材5430の断面図である。
図61(a)及び図61(b)では、組立負荷状態が図示され、図61(a)では、錘部材5412の重心位置が回転軸の上側に配置される状態が図示され、図61(b)では、錘部材5412の重心位置が回転軸の下側に配置される状態が図示される。なお、図61(a)及び図61(b)では、傾倒装置310が遊技者に押し込まれ、終端領域S52を占有する状態における振動装置5400の様子が図示される。
錘部材5412の回転に基づく伝達装置5410の動作について説明する。まず、本実施形態では、組立負荷状態で、錘部材5412の重心位置が上側に配置される時、第2収容部5432の下底部からの距離が距離Q1となる位置に、駆動モータ5411の回転軸が配置される。なお、本実施形態において、距離Q1は、錘部材5412の半径Raと等しい距離とされる(Q1=Ra)。
即ち、組立負荷状態で錘部材5412が回転すると、その外周側面が第2収容部5432と当接する(擦れる)。そのため、組立負荷解除状態に比較して、錘部材5412の回転により生じる振動が変化し、遊技者に異なった種類の振動を伝えることができる。
錘部材5412と第2収容部5432との当接により、反発力として、錘部材5412を上向き(図61(b)上向き)に移動させる力が発生する。ここで、錘部材5412と第2収容部5432が傾倒装置310(図57参照)の移動方向に沿って近接離反するので、反発力の方向を、傾倒装置310の移動方向に沿った方向(上向き)に向け易くできる。この反発力により、錘部材5412を支持する駆動モータ5411と共に柔軟部材5420が上向きに移動することになり、柔軟部材5420が傾倒装置310(図57参照)を上向き(傾倒装置310の移動方向に沿った方向)に押し返す力を補強することができる。
このように、傾倒装置310(図57参照)を上向きに押し返す力を、柔軟部材5420の弾性回復力として生じる力と、錘部材5412と第2収容部5432との当接により生じる力という別々に発生する力の組み合わせで構成することにより、傾倒装置310を押し返す力の調整を行うことができる。
即ち、傾倒装置310が凸設脚部5424に当接開始してから終端領域S52(図59(a)参照)へ向かうまでの間は、柔軟部材5420の弾性回復力が傾倒装置310を押し返す力として生じ、傾倒装置310が終端領域S52に到達した後は、錘部材5412と第2収容部5432との反発力が、傾倒装置310を押し返す力に加えられる。これにより、終端領域S52付近において、傾倒装置310を押し返す力を特に増加させることができるので、傾倒装置310の操作の軽さと、押し込み操作時の衝撃の緩和とを、良好に図ることができる。この調整は、駆動モータ5411の回転を維持した状態で行うことができる。そのため、複雑な制御を行うことを不要とできる。
本実施形態では、第1実施形態と同様に、左側検出片311gLの長さと、右側検出片311gRの長さとが異なっており(図57参照)、検出タイミングの違いにより傾倒装置310(図57参照)の動作速度が特定の速度(例えば時速40km)よりも大きいか否かを判定しており、この判定された動作速度により、錘部材5412の配置を変化させている。
例えば、傾倒装置310の動作速度が特定の速度よりも大きいと判定された場合、傾倒装置310が下枠部材5320に衝突する際の衝撃を緩和するために、柔軟部材5420が傾倒装置310に与える負荷を増大させることが望まれる。そのため、本実施形態では、傾倒装置310の動作速度が特定の速度よりも大きいと判定された場合、予め、錘部材5412を下向き(図61(b)参照)の姿勢となるように動作させる。
これにより、駆動モータ5411の下降動作の終端を、その回転軸が第2収容部5432の内壁下端から上方に半径Raだけ上がった位置まで上げることができる。これにより、錘部材5432が上向き(図61(a)参照)に配置される場合(図61(a)に示す状態から、下方に下降可能な場合)に比較して、駆動モータ5411の上側における柔軟部材5420の移動可能領域を、上下方向に狭めることができる。
即ち、凸設脚部5424を傾倒装置310で同じだけ押し下げた場合における、柔軟部材5420の部分であって駆動モータ5411の上側部分の圧縮寸法を、増加させることができる。従って、柔軟部材5420から傾倒装置310へ与えられる反発力を大きくすることができ、傾倒装置310を制動させる負荷を大きくすることができる。
なお、本実施形態では説明を省略したが、駆動モータ5411を上向きに停止したまま(図61(a)参照)とすることで、傾倒装置310を押し返す力を柔軟部材5420の弾性回復力により生じさせ、錘部材5412と第2収容部5432との当接による力が生じないようにすることもできる。
ここで、部材の当接は、伝達装置5410と下枠部材5320に締結固定される収容部材5430との間で生じるものであり、傾倒装置310との間で生じるものでは無い。そのため、傾倒装置310を押し込む遊技者の手に伝わる振動を変化させると共に、振動の伝達範囲を広げることができる。即ち、傾倒装置310に触れる部分以外の、例えば、パチンコ機10の框体に触っている部分にも振動を伝えることができる。
即ち、遊技者が傾倒装置310を押し込み操作した時に、下枠部材5320に振動を伝えることができるので、その下枠部材5320に押し込みの支点として置いている手の平や、手の側面の一部を介して、遊技者に振動を伝えることができる。これにより、遊技者に振動が伝達されない事態を回避することができる。
図61(a)及び図61(b)に示すように、遊技者が傾倒装置310(図56参照)を押し込み操作して、振動装置5400が組立負荷状態を形成する場合にのみ、錘部材5412と収容部材5430とが当接して、振動が発生する。
そのため、予め駆動モータ5411を回転状態としていたとしても、遊技者に振動が伝達されるタイミングを、傾倒装置310を押し込み操作したタイミングに限定することができるので、遊技者の押し込み操作を検出してから振動を発生させる場合に比較して、振動を遊技者に伝達し易くすることができる。
即ち、遊技者が傾倒装置310を押し込み操作した直後に手を離す態様(パルス的に押し込む態様)で押し込み操作する場合、傾倒装置310が押し込まれたことを検出してから振動を発生させていたのでは、遊技者が手を離すまでに振動を発生させることができない(振動開始が間に合わない)可能性があり、遊技者が振動による演出を体感できない恐れがある。これに対し、本実施形態では、傾倒装置310を押し込む前から、予め駆動モータ5411が回転し、振動発生の準備が整っているので、傾倒装置310の押し込みと同時に振動を伝達することができる。これにより、遊技者が、振動による演出を体感することができる。
また、柔軟部材5420の柔軟性により、駆動モータ5411の本体の振動が第1収容部5431に伝達することを防止することができる。そのため、予め駆動モータ5411を駆動させたとしても、傾倒装置310を押し込み操作する前から、遊技者に振動が伝達されることを防止することができる。
従って、傾倒装置310の押し込みにより振動が伝達する状態にすることを、駆動モータ5411を傾倒装置310の押し込み前から予め駆動させることにより、実現することができる。
次いで、駆動装置5340について説明する。駆動装置5340の、第1実施形態における駆動装置340との差異点は、円板カム5344と、伝達軸棒5343である。その他は、第1実施形態の駆動装置340と同一なので、同様の符号を付し、説明を省略する。
図62は、駆動装置5340の分解正面斜視図である。図62に示すように、左円板カム5344Lと右円板カム5344Rとから構成される一対の円板カム5344の中心部分に、長孔凹部C1が形成される。
図63(a)は、右円板カム5344Rの正面斜視図であり、図63(b)は、右円板カム5344Rの背面斜視図である。なお、右円板カム5344Rと、左円板カム5344Lとは、対称形状から構成されるので、右円板カム5344Rについてのみ説明し、左円板カム5344Lの説明を省略する。
右円板カム5344Rの、第1実施形態における右円板カム344Rとの差異点は、伝達軸棒5343との連結部分に、伝達軸棒5343を挟み込む一対の挟持腕部A1が配置されることである。
即ち、右円板カム5344Rは、その中心位置において、円板部分から円形リブ344bが配設される側へ筒状に延設される支持筒部P1と、その支持筒部P1の軸方向に沿って、延設距離の約半分の位置まで、軸対称の長孔形状で円板部分から凹設される長孔凹部C1と、その長孔凹部C1により凹設された支持筒部P1の軸方向の端部から、軸方向に沿って円板部分側へ向けて延設される一対の挟持腕部A1と、を主に備える。
支持筒部P1は、その内径が伝達軸棒5343の円柱部材5343aの直径と同等とされることにより、円柱部材5343aを支持する部分である。支持筒部P1は、長孔凹部C1に凹設された領域と軸方向の配置が同一とされる部分であって、長孔凹部C1に凹設されずに残存する変形部P1aを備える。
変形部P1aは、長孔凹部C1を挟んで配置される一対の連結棒部分であって、右円板カム5344Rが伝達軸棒5343(図62参照)に対して軸倒れ変形する際に弾性変形する部分として構成される。
長孔凹部C1は、凹設断面の形状が、挟持腕部A1の幅寸法よりも若干長い幅寸法で形成される。そのため、挟持腕部A1は、長孔凹部C1の凹設断面の幅方向と垂直な方向(長手方向)に変位可能に構成される。
また、長孔凹部C1の対向する面が、円柱部材5343aの固定部5343a1のD字形状と係合する形状から構成される。即ち、一方の側面が平面から形成され、他方の側面が円柱部材5343aの外形に沿った円弧形状から形成される。これにより、円柱部材5343aが、円板カム5344に対して相対回転することを防止することができる。
挟持腕部A1は、一対で形成される腕部分同士の、相手側の腕と対向する側の面から、相手側の腕部に近接する方向へ向けて凸設する係合凸部A1aを備える。係合凸部A1aは、伝達軸棒5343との連結時において、円柱部材5343aの先端部と係合し、円柱部材5343aが円板カム5344から抜けることを防止する。
係合凸部A1aの先端形状は、円柱部材5343a(図64参照)の係合溝5343a4の円弧形状に合致する形状から構成される。これにより、その先端形状が平らだったり、中心が凸の曲面だったりする場合に比較して、係合凸部A1aが係合溝5343a4に係合した状態における径方向の重なり長さ(図65(b)左右方向長さ)を長く確保することができる。
係合凸部A1aは、軸方向において、連結ピン344dに近接する側の側面が右円板カム5344Rの側面であって軸付近において軸に沿って凹設される凹設面部C2(長孔凹部C1の開口側の側面)と面位置となる位置に配置される。
これにより、円柱部材5343aと係合凸部A1aとの係合を、凹設面部C2よりも支持筒部P1側(図63(b)下側)で完結することができる(図65(b)参照)。そのため、凹設面部C2の外側(図63(b)上側)において、円柱部材5343aにeリングを嵌め込む場合に比較して、円柱部材5343aが凹設面部C2から張り出す長さを、eリングの厚み分短くすることができる(図65(b)参照)。
また、eリングを嵌め込むためのスペース(eリングを面に当てて、スライドさせるために必要なスペース)を右円板カム5344Rの延設方向(面に平行な方向)に確保する必要がないので、凹設面部C2の凹設広さ(径方向の広さ)を小さくすることができる。これにより、右円板カム5344Rの形状の設計自由度を向上させることができる。
図64を参照して、伝達軸棒5343について説明する。図64は、伝達軸棒5343の正面分解斜視図である。伝達軸棒5343と,第1実施形態における伝達軸棒353との差異点は、円柱部材5343aである。
円柱部材5343aは、その両端部形成される円板カム5344を固定する断面D字形状の固定部5343a1と、正面視左側の固定部5343a1から、嵌込溝5343a3を挟んで固定部5343a1と同一の断面形状から形成される断面D字形状のクラッチ動作部5343a2と、eリングを嵌め込む溝であると共にeリングにより円板カム5344の軸方向の位置決めをする嵌込溝5343a3と、その嵌込溝5343a3に嵌めこまれたeリングに到達するまで円板カム5344が嵌め入れられた場合に、挟持腕部A1の係合凸部A1aが係合する溝である係合溝5343a4と、を主に備える。なお、嵌込溝5343a3は、組立状態において、軸支孔341bが穿設される一対の板の左右方向外側に配置される。
クラッチ動作部5343a2は、可動クラッチ343cの角度固定孔343c1に挿通される部分であって、組立状態において、コイルバネ343dの付勢力により、可動クラッチ343cがスライド動作する部分である。
嵌込溝5343a3にeリングを後から嵌め込むことで円柱部材5343aに直径が部分的に大きくなる部分をeリングで形成する仕組みを採用していることから、eリングを嵌め込む前において、円柱部材5343aの直径を均一とできる。
この直径が均一な状態で、軸支孔341b(図62参照)に円柱部材5343aを所定量差し込み、その後でeリングを嵌め込むことにより、eリングで軸支孔341bに対する円柱部材5343aの軸方向に沿った位置ずれを防止すると共に、更に、eリングで円板カム5344の軸方向の位置ずれを防止することができる。
円板カム5344と、伝達軸棒5343との、上述した構成により、円板カム5344をワンタッチで伝達軸棒5343に組み付けることができる。即ち、円板カム5344を伝達軸棒5343に組み付ける場合には、円柱部材5343aを、円板カム5344の支持筒部P1の端部の内、係合凸部A1aが配設される側とは反対側の端部から、係合溝5343a4に係合凸部A1aが嵌り込む位置まで差し込む。この際、係合溝5343a4に係合凸部A1aが嵌り込む位置まで差し込む前は、円柱部材5343aの先端部が係合凸部A1aの間に入り込むことで、一対の係合凸部A1aが、互いの距離を押し広げられる態様で挟持腕部A1が弾性変形する。その後、円柱部材5343aの先端部が係合凸部A1aを通り過ぎると、係合凸部A1aと係合溝5343a4とが対向配置され、係合凸部A1aが係合溝5343a4に嵌り込むことに伴って、挟持腕部A1が弾性回復し、円板カム5344と伝達軸棒5343とが組み付けられる(図65(b)参照)。
一方で、円板カム5344と、伝達軸棒5343との構成は、ワンタッチ組立だけではなく、本実施形態において、破壊防止の構造としても機能する。これについて、図65及び図66を参照して説明する。
図65(a)は、図62の矢印LXVa方向視における右円板カム5344Rの正面図であり、図65(b)は、図65(a)のLXVb−LXVb線における右円板カム5344Rの断面図であり、図65(c)は、図65(a)のLXVc−LXVc線における右円板カム5344Rの断面図である。また、図66(a)は、図62の矢印LXVa方向視における右円板カム5344Rの正面図であり、図66(b)は、図66(a)のLXVIb−LXVIb線における右円板カム5344Rの断面図である。
なお、図66では、図65に図示する無負荷状態の右円板カム5344Rに対して、遊技者が過負荷を与えた場合における変形後の右円板カム5344Rが図示される。
図65及び図66に示すように、本実施形態において、円柱部材5343aは、右円板カム5344Rの円板部分から離間した位置で支持筒部P1の延設先端側部分で支持され、円板部分付近では、係合凸部A1aが係合溝5343a4に係合するのみとなる。そのため、円柱部材5343a又は右円板カム5344Rに過負荷が与えられた場合、円柱部材5343aが、支持筒部P1の延設先端部分を軸として、軸倒れ可能な態様とされる。
図65(b)に示すように、一対の挟持腕部A1が対向する方向には、長孔凹部C1の空間が配置されるので、円柱部材5343aの軸倒れ変位の抵抗は小さくなる。一方で、図65(c)に示すように、支持筒部P1と連結ピン344dとが連結される方向には、右円板カム5344Rの軸方向に亘って円柱部材5343aと右円板カム5344Rとが当接するので、円柱部材5343aの軸倒れ変位の抵抗は大きくなる。
従って、遊技者が傾倒装置310を無理に押さえ込む(引っ張り上げる)などして、過負荷が右円板カム5344Rに与えられた場合(アーム部材345(図62参照)を介して連結ピン344dの変位を規制する負荷が与えられた場合)、円柱部材5343aに対する右円板カム5344Rが変形する向きを、制限することができる。
即ち、右円板カム5344Rは、抵抗の小さい方向へ変形することになるので、図66(a)及び図66(b)に示すように、右円板カム5344Rに過負荷がかけられると、円板部分の面に平行な面上において連結ピン344dと支持筒部P1の中心とを結ぶ支持軸r1を中心として、円板部分が軸倒れ変形する。これにより、連結ピン344dの先端位置が、図65(a)に示す位置に比較して、右円板カム5344Rの周方向に沿って、変位する。
図67(a)は、図6(a)のXXII−XXII線に対応した線における操作デバイス5300の断面図であり、図67(b)は、図67(a)の矢印LXVIIb方向視における操作デバイス5300の部分背面図である。なお、図67(b)では、保護カバー装置350の図示が省略されると共に、円板カム5344、アーム部材345及び解除部材346のみが図示される。また、図67(a)では、理解を容易とするために、右円板カム5344Rの伝達軸棒5343に垂直に挿通固定された状態の外形が実線で図示され、過負荷が与えられ軸倒れした状態の外形が想像線で図示される。
図67(a)では、傾倒装置310の第2状態が図示されると共に、傾倒装置310を把持する遊技者の手が図示されると共に、連結ピン344dの付近の状態が拡大して図示される。
図67(a)に示す状態において、駆動モータ342(図62参照)が動作開始すると、左円板カム5344Lが回転開始しそうになるが、遊技者に傾倒装置310の変位を規制されることになるので、その場に留まろうとするアーム部材345と、回転しようとする左円板カム5344Lの連結ピン344dとの間で、負荷が生じる。この負荷発生時に、右円板カム5344Rが、上述した軸倒れ変形をすることが可能なので、その負荷を緩和することができる。
図67(a)では、その軸倒れ変形後の右円板カム5344Rの外形が想像線で図示される。軸倒れ変形によるアーム部材345との連結態様の変化について、拡大図を参照して説明する。
図67(a)において、駆動モータ342(図62参照)が動作開始することにより右円板カム5344Rの外周が時計回りに寸法Rdだけ回転した場合、この寸法Rdだけ、アーム部材345の軸支孔345aと、連結ピン344dとが位置ずれすることになり、これを吸収するために、右円板カム5344Rが軸倒れ変形にすることになる。
軸倒れ変形により、図67(a)の紙面垂直方向に対して連結ピン344dが倒れることになるので、連結ピン344dの根本側の中心Pbと、凸設先端側の中心Ptとが、右円板カム5344Rの周方向に沿って位置ずれする。この位置ずれが、右円板カム5344Rの寸法Rdの回転による連結ピン344dとアーム部材345との位置ずれを部分的に吸収することができるので、傾倒装置310が把持されている間に駆動モータ342(図62参照)を駆動させた場合に、駆動モータ342に与えられる負荷を緩和することができる。
図67(b)に示すように、円板カム5344が軸倒れ変形することにより、円板カム5344と解除部材346とが面当たりで当接する。これにより、解除部材346と円板カム5344との間で生じる摩擦力により駆動モータ342の駆動力が消耗されることから、遊技者が傾倒装置310を把持固定した状態で駆動モータ342を駆動させた場合において、円板カム5344と傾倒装置310とを連結するアーム部材345に加えられる負荷を低減することができる。
図67(a)に示すように、円板カム5344が後転方向(矢印CW方向)に回転する場合、解除部材346は摩擦力で上向きに押し上げられるが、それに反発する向きで、第2スプリングSP2の弾性力が解除部材346を介して円板カム5344に作用する。この場合、回転爪部材347は底板部5321に移動をせき止められ、停止することから、第1スプリングSP1の状態は変化しない(弾性力は変化しない)。
一方で、円板カム5344が前転方向(矢印CCW方向、図68参照)に回転する場合、解除部材346は摩擦力で下向きに押し下げられるが、それに反発する向きで第1スプリングSP1の弾性力が解除部材346と回転爪部材347とを介して円板カム5344に作用する。この場合、回転爪部材347と解除部材346との相対的な位置関係が変化しないことから、第2スプリングSP2の状態は変化しない(弾性力は変化しない)。
従って、解除部材346と円板カム5344とが当接し、円板カム5344の動作方向に沿って解除部材346が動作する場合に、円板カム5344の回転方向によらず、第1スプリングSP1又は第2スプリングSP2のいずれかの弾性力の内、円板カム5344の回転方向の反対方向に円板カム5344に作用する弾性力を増加させることができる。これにより、解除部材346が円板カム5344に与える負荷を大きくすることができ、駆動モータ342の駆動力の消耗量を大きくすることができることから、アーム部材345に加えられる負荷を円板カム5344の回転方向を問わず低減することができる。
なお、本実施形態では、右円板カム5344Rが連結ピン344dと中心点とを通る直線に対して線対称な形状から形成されるので(連結ピン344dと中心点とを通る直線に垂直な方向に長孔凹部C1が延設されるので)、右円板カム5344Rの回転方向に関わらず(連結ピン344dのアーム部材345に対する位置ずれ方向に関わらず)、右円板カム5344Rを同様の変形抵抗で軸倒れ変形させることができる。
図68(a)は、図6(a)のXXII−XXII線に対応した線における操作デバイス5300の断面図であり、図68(b)は、図68(a)の矢印LXVIIIb方向視における操作デバイス5300の部分背面図である。なお、図68(b)では、保護カバー装置350の図示が省略される。また、図68(a)では、理解を容易とするために、右円板カム5344Rの伝達軸棒5343に垂直に挿通固定された状態の外形が実線で図示され、過負荷が与えられ軸倒れした状態の外形が想像線で図示される。
図68(a)では、傾倒装置310が第2状態から駆動モータ342(図62参照)により駆動され角度D2だけ下倒れした状態が図示されると共に、駆動モータ342の動作の途中で傾倒装置310を把持する遊技者の手が図示される。
図68(a)に示すように、傾倒装置310の動作途中に、遊技者が傾倒装置310を把持する場合、傾倒装置310が第2状態であるか否かに関わらず、右円板カム5344Rの軸倒れにより連結ピン344dの先端を右円板カム5344Rの周方向に位置ずれさせることができ、これにより、アーム部材345と、右円板カム5344Rとの間で生じる負荷を低減することができるので、駆動モータ342にかけられる負荷を低減することができる。
なお、右円板カム5344Rとして説明した事項は、左円板カム5344Lにも同様に当てはまる事項である。
図67(b)及び図68(b)に示すように、本実施形態によれば、傾倒装置310を遊技者が把持した状態で駆動モータ342(図62参照)が動作し、過負荷が生じると、右円板カム5344Rが、軸方向に対して傾倒動作することになる。
従って、この軸方向に対する傾倒動作の度合いを検出することにより、過負荷の発生に早期に気付く事ができる。即ち、例えば、第1実施形態の構成によれば、駆動モータ342を右円板カム344Rが一回転する期間駆動させれば、右円板カム344Rの検出孔344eRが右側検出センサ353Rを通過するものの、遊技者が傾倒装置310を把持している場合には駆動モータ342を回転させても右円板カム344Rが回転しないので、検出孔344eRが右側検出センサ353Rを通過せず、右側検出センサ353Rへの入力が変化しないことから、過負荷が生じていることが検出される。
この場合、過負荷の発生を検出するまでに、過負荷が生じていない状態で右円板カム344Rを所定角度回転させるだけの期間を必要とするので、過負荷の検出が遅れるという問題点があった。
これに対し、本実施形態によれば、右円板カム5344Rに過負荷が生じ、右円板カム5344Rが軸方向に対して傾倒動作した時点で(図66(b)参照)、過負荷の発生を検出することができる。そのため、過負荷の発生を早期に検出することができる。検出の方法としては、例えば、支持筒部P1と係合リブ344cとの間において、係合リブ344cに固定される報知装置E1による方法が例示される(図66(a)に想像線で図示)。
報知装置E1は、対象物が入力部に接触することにより信号が出力される検出装置であって、一対の挟持腕部A1を結ぶ直線と係合リブ344cとが交差する位置に一対で配置されると共に入力部が支持筒部P1側に突出する態様で配置される。無負荷状態において、報知装置E1と支持筒部P1とは離間され(図65(b)参照)、過負荷状態において、報知装置E1と支持筒部P1とが当接する関係で形成される(図66(b)参照)。これにより、報知装置E1からの出力を判定することで、円板カム5344に過負荷が生じているか否かを、早期に判断することができる。
次いで、図69から図73を参照して、第6実施形態における操作デバイス6300について説明する。
第1実施形態では、円板カム344、連結ピン344d及び係合リブ344cが一体で形成される場合を説明したが、第6実施形態における操作デバイス6300は、円板カム344と、係合リブ344cとが別部材から構成され、互いに相対回転可能に構成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。まず、図69及び図70を参照して、第1実施形態との構成の差異について説明する。
図69は、第6実施形態における駆動装置6340の分解正面斜視図であり、図70は、左円板カム6344Lの、円板部材6344L1、リング部材6344L2及び第2伝達部材6348の正面分解斜視図である。なお、右円板カム6344Rも第1実施形態の構成と異なるが、右円板カム6344Rは、左円板カム6344Lに対して鏡写しの形状から構成されるので、左円板カム6344Lの説明のみを行い、右円板カム6344Rの説明は省略する。
図69に示すように、本実施形態は、第1実施形態に対して、左円板カム6344Lの構成と、固定部材6342aの形状とが異なり、第2伝達装置6348が追加されている。
左円板カム6344Lは、第1実施形態と同様に円形リブ344b連結ピン344d、及び検出孔344eLが配設され、円柱部材343aに軸支される円板部材6344L1と、その円板部材6344L1と同軸で軸支され円板部材6344L1と相対回転するリング部材6344L2と、を備える。
円板部材6344L1は、第1実施形態の中心軸部344aが円板部分の中心位置に配置され、円形リブ344bの外周部分から径方向外方に離間した位置に、円環形状で軸方向に沿って凸設される円環リブ6344fを備える。
リング部材6344L2は、第1実施形態における係合リブ344cと外周径が同一であって内周径が円形リブ344bの外周径よりも若干大きいリング形状から構成される円環本体6344gと、その円環本体6344gの軸方向端部に配設されると共に円環本体6344gのリング形状の開口に蓋をする蓋板部6344hと、その蓋板部6344hから円環本体6344gの反対側へ厚みが増して形成され、その増厚部分において径方向外側に配設される受けギア歯6344iと、を備える。
円環本体6344gは、その内周径が、円形リブ344bの外周径よりも大きく形成されるので、組立状態において、円環本体6344gが円形リブ344bに外嵌されることにより、中心軸部344aを中心として相対回転可能にリング部材6344L2が支持される。
なお、円環本体6344gの軸方向の円板部材6344L1側の端面が、円環リブ6344fに当接する。これにより、円環リブ6344fが形成されず、面で円板部材6344L1と当接する場合に比較して、接触面積を低減することができ、摩擦抵抗を低減できる。従って、円板部材6344L1とリング部材6344L2との相対回転を滑らかに行わせることができる。
受けギア歯6344iは、第2伝達装置6348の減速伝達ギア6348cと歯合される。従って、第2伝達装置6348の回転に基づいて、リング部材6344L2が回転する。なお、本実施形態では、リング部材6344L2の回転数が、円板部材6344L1の回転数の3倍で構成される(リング部材6344L2が3回転する間に、円板部材6344L1が1回転する態様で、第2伝達ギア6348b、減速伝達ギア6348c及び受けギア歯6344iの歯数が設定される)。
第2伝達装置6348は、固定部材6342aに伝達軸棒343と並んで回転可能に軸支される装置であって、円柱部材343aと平行な姿勢で配置される補助柱部材6348aと、その補助柱部材6348aに固定されると共に伝達ギア343bに歯合される第2伝達ギア6348bと、補助柱部材6348の両端部に固定されると共にリング部材6344L2の受けギア歯6344iに歯合される減速伝達ギア6348cと、を主に備える。
図71から図73を参照して、傾倒装置310の第1状態から、回転爪部材347による固定を外した後の、傾倒装置310の上昇動作が複数種類で構成されることについて説明する。
図71、図72、及び図73は、図6(a)のXXII−XXII線に対応する線における操作デバイス6300の断面図である。なお、図71では、図36に示す状態と同様の状態が図示され、図72では、図71に示す状態から、リング部材6344R2が後転方向(矢印CW方向)に1回転した姿勢(正しくは、1回転を越えて回転した後で、その越えた分だけ逆回転した姿勢)とされると共に、円板部材6344R1が後転方向(矢印CW方向)に1/3回転した姿勢とされる状態が図示される。また、図73では、図72に示す状態から、リング部材6344L2が前転方向(矢印CCW方向)に所定角度だけ回転し、傾倒装置310が上昇動作した状態が図示される。
ここで、図71に示す状態から、リング部材6344R2を前転方向(矢印CCW方向)に回転させて、回転爪部材347による固定を解除する場合、傾倒装置310が、ねじりバネ315の付勢力により瞬時に上昇し、第2状態(図34参照)まで到達する。
第1実施形態における操作デバイス300では、回転爪部材347による固定を解除し、瞬時(円板カム344の回転を待たず)に傾倒装置310が上昇動作する場合の到達位置は、第2状態で配置される位置(図34参照)に限定されていた。
これに対し、本実施形態では、円板部材6344R1と、リング部材6344R2とが相対回転するので、傾倒装置310に連結されるアーム部材345の支持部分である連結ピン344dと、係合リブ344cとの相対関係を変化させることができ、傾倒装置310の到達位置の種類を増やすことができる。
即ち、図72に示す状態から回転爪部材347による固定を解除する場合、傾倒装置310が、ねじりバネ315の付勢力により瞬時に上昇し、第2状態よりも、角度D6だけ下方へ傾倒した状態まで到達する(図73参照)。このように、図71に示す状態から回転爪部材347による固定を解除する場合と、図72に示す状態から回転爪部材347による固定を解除する場合とで、傾倒装置310が瞬時(円板カム344の回転を待たず)に上昇し、到達する位置を、変化させることができる。
これにより、例えば、傾倒装置310が、第1状態から瞬時に上昇し到達する高さの違いにより、演出の期待度を変化させる態様で遊技機を構成する場合に、傾倒装置310の注目力を向上させることができる。この場合において、傾倒装置310が高く上昇する方の期待度を高くするか、傾倒装置310の上昇到達位置が低い方の期待度を高くするかは、限定されるものでは無い。
しかし、通常の傾倒装置310の上昇到達位置を低く抑えておき(図73参照)、期待度が最大となった場合に第2状態(図34参照)まで到達するようにすることで、期待度の大小と、遊技者が傾倒装置310を押し込み操作する変位量の大小とを、関連付けることができ、遊技者に、傾倒装置310の変位による期待度の違いを、分かり易くすることができる。
この場合、遊技者に、傾倒装置310がどの位置まで上昇してくるのかを確認したいという意欲を沸かせることができるので、傾倒装置310の操作タイミングまで、傾倒装置310の動きを遊技者に見守らせるように仕向けることができる。そのため、傾倒装置310の演出態様に構わず、無秩序に傾倒装置310を操作する遊技の方法を、抑止することができる。
次いで、図74から図85を参照して、第7実施形態における操作デバイス7300について説明する。
第1実施形態では、円板カム344、連結ピン344d及び係合リブ344cが一体で形成される場合を説明したが、第7実施形態における操作デバイス7300は、円板カム7344が、円板部材7344R1と連結ピン344dとを別部材に配設する態様とされ、それら別部材が、互いに固定される固定状態と、相対回転可能とされる滑り状態とを形成可能に構成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。まず、図74及び図75を参照して、第1実施形態における円板カム344の代替品として用いられる円板カム7344の特徴について説明する。
図74(a)は、第7実施形態における右円板カム7344Rの正面図であり、図74(b)は、右円板カム7344Rの背面図であり、図75(a)は、図74(a)のLXXVa−LXXVa線における右円板カム7344Rの断面図であり、図75(b)は、図74(a)の矢印LXXVb方向視における右円板カム7344Rの部分側面図である。なお、右円板カム7344Lは右円板カム7344Rの鏡写しの対称形状から構成されるので、説明を省略する。
図74及び図75に示すように、右円板カム7344Rは、組立状態において円柱部材343a(図62参照)が挿通固定される中心軸部344aを有する円板部材7344R1と、その円板部材7344R1の開口側から軸方向に沿って挿入されるリング部材7344R2と、組立状態において円板部材7344R1の径方向に移動不能とされると共にリング部材7344R2の等分凹設部7522に嵌る係合部7630を有する係合部材7344R3と、を主に備える。
円板部材7344R1は、中心に中心軸部344aを有するカップ形状から形成され、そのカップの縁から径方向外側へ向けてフランジ状に延設される部分に検出孔344eRを備えると共に、係合リブ344cが部分的に省略される(第1張出部344c1と第1引込部344c2との間が省略される)形状から構成される部材である。
円板部材7344Rは、組立状態でリング部材7344R2のリング状板部7510を面で支持すると共に中心軸部344aを中心とする円形の凹設部である第1円形凹設部7410と、その第1円形凹設部7410よりも直径が小さく軸方向に深い円形の凹設部である第2円形凹設部7420と、第1張出部344c1と第1引込部344c2との間に径方向へ穿設されるL字形状の挿入孔7430と、その挿入孔7430の付近において第2円形凹設部7420の裏側の側面(円板部材7344R1の外周側)から径方向外側に凸設される固定突起7440と、を主に備える。
挿入孔7430は、第1張出部344c1と第1引込部344c2との中間位置から、ずれた位置において円板部材7344R1の軸方向に沿って長形の矩形状の長孔部分である第1長孔7431と、その第1長孔7431の円板部材7344R1の底側の端部から円板部材7344R1の周方向に沿って延設される矩形状の長孔部分である第2長孔7432と、その第2長孔7432の下端部の第1長孔7431側を支点として第2長孔7432側に張り出して構成される返し部7433と、を主に備える。
第2長孔7432の幅方向(短手方向)の寸法は、第1長孔7431の幅方向(短手方向)の寸法よりも小さくされ、かつ、係合部材7344R3の係合部7630の幅方向(短手方向)の寸法よりも小さくされる。
返し部7433は、第2長孔7432の下端部(図75(b)下側端部)を支点として、弾性変形可能に構成される。この弾性変形により、返し部7433は、第2長孔7432の外方へ移動可能に形成される。
固定突起7440は、係合部材7344R3のコイルスプリングCS1に挿入され、コイルスプリングSC1の位置を固定するのに十分な凸設高さで構成される。
次いで、図76を参照して、リング部材7344R2について説明する。図76(a)は、リング部材7344R2の正面図であり、図76(b)は、リング部材7344R2の背面図であり、図76(c)は、図76(a)の矢印LXXVIc方向視におけるリング部材7344R2の側面図である。
図76(a)から図76(c)に示すように、リング部材7344R2は、連結ピン344dが凸設されるリング板形状のリング状板部7510と、そのリング状板部7510の内周面に沿ってリング状板部7510の厚み方向に延設されると共に中心部に星形状の貫通孔が形成される厚肉部7520と、を主に備える。
リング状板部7510は、板厚寸法が、第1円形凹設部7410の凹設深さと同等の長さとされ、外径寸法が、第1円形凹設部7410の内径寸法よりも若干小さくされる。これにより、組立状態において、リング部材7344R2と円板部材7344R1との軸を一致させながら、相対回転の抵抗が過大となることを防止することができる。
厚肉部7520は、リング状板部7510の側面からの延設長さが、組立状態において第2長孔7432に差し掛かる(干渉しない)長さとされ(図75(a)参照)、外周径が、第2円形凹設部7420の内周径よりも若干小さくされる。これにより、組立状態において、係合部材7344R3を径方向(図75(a)上下方向)に動作可能としながら、リング部材7344R2と円板部材7344R1との相対回転の抵抗が過大となることを防止することができる。
厚肉部7520は、軸方向に沿って穿設される異形貫通孔7521と、その異形貫通孔7521に径方向外方へ向けて周方向等間隔(本実施形態では、5等分)に凹設される等分凹設部7522と、を主に備える。
異形貫通孔7521は、その内周形状が、後述する係合部材7344R3を、円板部材7344R1の径方向内方へ押し込んだ場合に、係合部7630よりも径方向外側に配置される形状から構成される。
図77(a)は、係合部材7344R3の正面図であり、図77(b)は、図77(a)の矢印LXXVIIb方向視における係合部材7344R3の側面図である。
図77(a)及び図77(b)に示すように、係合部材7344R3は、組立状態(図74(b)参照)において、第1張出部344c1及び第1引込部344c2の径方向外方に配置される円弧状板部7610と、その円弧状板部7610の背面側端部(図77(b)右側端部)から厚み方向へ延設される延設部7620と、その延設部7620の延設先端から前後方向(図77(b)左右方向)に沿って延設される係合部7630と、円弧状板部7610の係合部7630と対向する側に配設されるコイルスプリングから形成されるコイルスプリングCS1と、を主に備える。
円弧状板部7610は、内周側の側面の係合部7630の先端部と対向する位置に、コイルスプリングCS1を嵌め込む突起であるバネ固定突起7611を備える。
延設部7620は、組立状態において、第2長孔7432に挿通される部分であって、コイルスプリングCS1の弾性力に対向して径方向内方へ押し込んだ場合に、その延設先端が、リング部材7344R2の内周面よりも内方へ張り出す延設長さで構成される。
係合部7630は、幅方向の寸法が第1長孔7431の幅方向の寸法よりも若干短い寸法とされ、組立状態において、厚肉部7520の異形貫通孔7521を通過する長さで延設される(図75(a)参照)。
係合部材7344R3は、後述するように、解除部材346から負荷を受けて変位する部材としての機能と、円板部材7344R1に対するリング部材7344R2の位置決めを行う機能とを兼用する。そのため、部材個数を削減することができる。
図78を参照して、右円板カム7344Rの組立方法について説明する。図78(a)は、右円板カム7344Rの正面図であり、図78(b)は、図78(a)の矢印LXXVIIIb方向視における右円板カム7344Rの側面図であり、図78(c)は、右円板カム7344Rの正面図であり、図78(d)は、図78(c)の矢印LXXVIIId方向視における右円板カム7344Rの側面図であり、図78(e)は、右円板カム7344Rの正面図であり、図78(f)は、図78(e)の矢印LXXVIIIf方向視における右円板カム7344Rの側面図である。
なお、図78(a)、図78(b)、図78(c)及び図78(d)では、円板部材7344R1に係合部材7344R3のみが挿入された状態が図示され、図78(e)及び図78(f)では、円板部材7344R1にリング部材7344R2と係合部材7344R3とが挿入された状態が図示される。また、理解を容易とするために、図78(b)、図78(d)及び図78(f)では、円弧状板部7610及びコイル素プリン部CS1の図示が省略される。
右円板カム7344Rの組立方法としては、まず、第1長孔7431に係合部材7344R3の係合部7630を挿入する(図78(a)及び図78(b)参照)。上述したように、第2長孔7432の幅方向の寸法が、係合部7630の幅方向の寸法よりも短くされるので、係合部7630が誤って第2長孔7432に挿入されることを防止することができる。従って、組立間違いを防ぐことができる。
次に、第2長孔7432の延設方向に沿って、図78(d)の奥行き方向で、係合部7630と、固定突起7440との位置が一致する位置まで、係合部材7344R3をスライド移動する。
この移動後の位置において、コイルスプリングCS1に固定突起7440が差し込まれ、係合部材7344R3が円板部材7344R1の周方向(図78(d)左右方向)の位置ずれが抑制されると共に、係合部材7344R3を、円板部材7344R1の径方向に移動不能に保持することができる。
また、係合部材7344R3は、返し部7433により周方向の移動が制限される。これについて説明する。まず、第1長孔7431に係合部7630を挿入した状態において、返し部7433は第2長孔7432の外方に追いやられる(図78(b)参照)。次いで、係合部材7344R3を第2長孔7432の延設方向へスライドさせると、係合部材7344R3と返し部7433との上下方向の当接が解除され、返し部7433が弾性回復力により第2長孔7432の内方へ入り込む(図78(d)参照)。
第2長孔7432の内方へ入り込んだ状態において、返し部7433の先端が係合部材7344R3の延設部7620に当接するが、その当接方向が返し部7433の長手方向(変形抵抗が大となる方向)に沿う態様で構成されるので(図78(d)参照)、延設部7620の移動(図78(f)右方への移動)が抑制される。これにより、係合部材7344R3の周方向の移動を制限することができるので、動作中に係合部材7344R3の位置がずれることを防止することができる。
係合部材7344R3を円板部材7344R1に保持したら、その後、係合部材7344R3を円板部材7344R1の径方向内方へ向けて押し込んだ状態で、円板部材7344R1の開口側からリング部材7344R2を挿入する。係合部材7344R3から負荷を解除することで、コイルスプリングCS1の弾性力によって、係合部7630が径方向外方へ向いた方向D7に沿って移動する。この移動により、係合部7630がリング部材7344R2の等分凹設部7522に収容され、これにより、リング部材7344R2が円板部材7344R1に対して固定される。
上述した工程により、右円板カム7344Rを容易に組み立てることができる。なお、右円板カム7344Lは、右円板カム7344Rの鏡写しの対称形状から構成されるものであり、右円板カム7344Rと同様の工程で組み立てることができる。
次いで、図79から図81を参照して、円板カム7344が後転方向に回転動作する場合の、係合部材7344R3の動作について説明する。図79(a)、図79(b)、図80(a)、図80(b)及び図81は、図6のXXII−XXII線に対応する線における操作デバイス7300の部分断面図である。なお、図79(a)、図79(b)、図80(a)、図80(b)及び図81において、解除部材7346、回転爪部材7347及び円板カム7344が中心として図示され、その他不要な部分の図示が省略される。
本実施形態における回転爪部材7347は、案内長孔7347bの長さが第1実施形態と異なる。即ち、図80(a)に示すように、係合リブ344cが下方から当接し通過する際の上昇位置において、凸設ピン346bが移動終端となる態様で構成される。
解除部材7346は、係合リブ344cとの干渉を最小限にするために、本体部分の後方上部(図80(a)右上部)が斜めに削られることが、第1実施形態と異なる。
図79(a)、図79(b)、図80(a)、図80(b)及び図81では、円板カム7344が後転方向(図79(a)時計回り方向)に回転する様子が時系列で図示される。
図79(a)では、解除部材7346に右円板カム7344Rの係合部材7344R3が当接し解除部材7346が回転動作をし始めた状態が図示され、図79(b)では、図79(a)に示す状態から右円板カム7344Rが更に回転した状態が図示され、図80(a)では、係合部材7344R3が円板部材7344R1に押し込み終端まで押し込まれた状態が図示され、M6−2(b)では、図80(a)に示す状態から、円板部材7344R1が更に後転方向に回転した状態が図示され、図81では、図80(b)に示す状態から、右円板カム7344Rが後転方向に回転し、係合部材7344R3が解除部材7346から離間した後の状態が図示される。なお、図79(a)、図79(b)、図80(a)及び図80(b)では、解除部材7346が回転爪部材7347に対して相対回転可能な範囲の終端に到達した状態(角度小状態)が図示される。
図79(a)に示すように、係合部材7344R3と解除部材7346とが当接開始した直後の状態では、コイルスプリングCS1の弾性力が第2スプリングSP2の弾性力よりも大きく設定されることから、係合部材7344R3が内方へ押し込まれる事はなく、外方へ張り出した状態が維持される。
図79(b)に示すように、係合部材7344R3の最外径の側面に、解除部材7346の係合部346dが当接する状態において、解除部材7346と回転爪部材7347とが角度小状態とされる。
本実施形態では、解除部材7346が前転方向に回転し、回転爪部材7347が下枠部材320の挿通用孔321cの側面に押し付けられて形成される角度小状態において、円弧状板部7610の内周面と係合リブ344cの第1張出部344c1及び第1引込部344c2とが当接した状態で係合部材7344R3の外周面が解除部材346に擦れる位置関係で、円板カム7344が配置される(図80(a)参照)。
即ち、図80(a)に示すように、円板カム7344の回転により解除部材7346が角度小状態へ向けて回転し、それ以上回転不可能となる状態(角度小状態)になると、解除部材7346から、係合部材7344R3に対して、その係合部材7344R3を円板カム7344の径方向内方へ押し込む負荷がかけられる。
そして、図79(b)に示すように、係合部材7344R3が径方向外方へ張り出した状態では、後転方向の回転を継続することができないことから、円板カム7344の回転に基づいて、係合部材7344R3が径方向内方へ向けて押し込まれる(図80(a)参照)。この押し込まれた状態において、係合部7630は、異形貫通孔7521の最小径部分よりも径方向内方に配置される。
そのため、係合部7630を介してリング部材7344R2に周方向の負荷が伝達されなくなるので、図80(b)に示すように、図80(a)に示す状態から円板部材7344R1を回転させても、リング部材7344R2は回転に追従せず、姿勢を維持する。
この回転量のずれにより、係合部7630は、元々配置されていた一の等分凹設部7522から、異なる他の等分凹設部7522へ移動するので、円板部材7344R1とリング部材7344R2との位相が一つの凹設部の分(72度)だけ相対回転する。
その後、図81に示すように、右円板カム7344Rが更に回転すると、係合部材7344R3と、解除部材7346との当接は解除されるので、係合部材7344R3が径方向外方へ張り出され、係合部7630が、再度、等分凹設部7522に収容される。この過程において、係合部7630が収容される等分凹設部7522が、一つ、ずれる。
即ち、図79(a)から図81に示す過程を経過することで、係合リブ344cの配置と、リング部材7344R2に配設されている連結ピン344dの配置とを、等分凹設部7522の凹設部の配設間隔分(72度)だけ、相対的にずらすことができる。
図82を参照して、円板カム7344が前転方向に回転動作する場合の、係合部材7344R3の動作について説明する。図82(a)、図82(b)、図83(a)及び図83(b)は、図6のXXII−XXII線に対応する線における操作デバイス7300の部分断面図である。なお、図82において、解除部材7346、回転爪部材7347及び円板カム7344が中心として図示され、その他不要な部分の図示が省略される。
図82(a)から図83(b)では、円板カム7344が前転方向(図82(a)反時計回り方向)に回転する様子が時系列で図示される。図82(a)では、解除部材7346と、右円板カム7344Rの係合部材7344R3とが当接する直前の状態が図示され、図82(b)では、係合部材7344R3が解除部材7346に上方から当接されることにより下降開始した状態が図示され、図83(a)では、図82(b)に示す状態から更に円板カム7344が前転方向に回転した状態が図示され、図83(b)では、解除部材7346と係合部材7344Rとが離間した後の状態が図示される。
図82(a)から図83(b)に示すように、円板カム7344が前転方向へ回転することにより、解除部材7346と回転爪部材7347とが後転方向(図82(a)時計回り方向)へ回転する場合、解除部材7346と回転爪部材7347との移動を規制する部材は無く、第1スプリングSP1の弾性力により解除部材7346及び回転爪部材7347が前転方向に負荷を与えられるのみとなる。
そのため、係合部材7344R3を径方向内方へ押し込む程の負荷は生じず、係合部材7344R3が解除部材7346と当接してから、離間するまでの間、係合部材7344R3は、径方向外方へ張り出した状態を維持する。従って、円板カム7344を前転方向に回転させる場合には、円板部材7344R1とリング部材7344R2とが相対回転することを防止することができる。
これらの構成から、円板カム7344の回転方向を切り替えることにより、円板部材7344R1とリング部材7344R2とが相対回転するか否かを切り替えることができる。そのため、相対回転が生じない回転方向(図82及び図83参照)では、第1実施形態と同様に、傾倒装置310を同様の傾倒幅で傾倒させる演出を繰り返し行うことが可能である一方で、相対回転を生じさせる回転方向(図79、図80及び図81参照)では、第1実施形態と異なり、傾倒装置310の傾倒幅を変更することができる。
また、本実施形態では、円板部材744R1とリング部材7344R2とを相対回転させる円板部材7344R1の回転方向が、回転爪部材7347による固定を解除する方向の逆方向(固定を解除しない方向)と一致するので、傾倒装置310が第1状態(図84参照)で維持された(姿勢が一定に維持された)状態で、円板部材7344R1とリング部材7344R2とを相対回転させることができる。
これにより、遊技者にとって注目されない状態(傾倒装置310が停止する状態)を、遊技者から見えないところで円板部材7344R1とリング部材7344R2との相対的な姿勢を変化させるための状態として、利用することができる。
図84及び図85を参照して、本実施形態によれば、傾倒装置310を第1状態から上昇動作させる態様を複数種類形成することができることについて、説明する。図84及び図85は、図6のXXII−XXII線に対応する線における操作デバイス7300の断面図である。なお、図84では、回転爪部材347による固定を解除することにより、第1状態から、図7(b)に示す第2状態まで傾倒装置310を即座に(円板カム7344を回転させることなく)変位させることが可能な位相関係でリング部材7344R2が円板部材7344R1に固定された状態が図示され、図85では、図84に示す状態から、図79で説明した過程を経てリング部材7344R2が、円板部材7344R1に対して等分凹設部7522の一つ分だけ相対回転した状態が図示され、図84及び図85では、どちらも、第2張出部344c3が係合部346dに当接した状態が図示される。
図84及び図85に示すように、本実施形態によれば、第1状態から回転爪部材347による固定を解除することにより、傾倒装置310が即座に(円板カム7344R2を回転させることなく)移動する移動範囲を変化させることができる。
即ち、図84に示す状態から、回転爪部材347を回転させることで固定を解除すると、傾倒装置310は第2状態(傾倒装置310が移動範囲の最上端まで移動した状態)まで移動する。
一方で、図85に示す状態から、回転爪部材347を回転させることで固定を解除すると、連結ピン344dの位置が図84に示す位置よりも後方下側に位置ずれしていることから、第2状態よりも下方に沈んだ状態まで、移動する。
従って、回転爪部材347による固定を解除することにより、第1状態から傾倒装置310が上昇動作により即座に(円板カム7344の回転無しに)到達する位置を、変化させることができる。これにより、傾倒装置310の動作による演出の種類を増やすことができ、操作デバイス7300の演出装置としての注目力を向上させることができる。
以上、上記実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
上記各実施形態において、一の実施形態における構成の一部または全部を、他の実施形態における構成の一部または全部の構成と組み合わせて或いは置き換えて、別の実施形態としても良い。
上記第1実施形態では、傾倒装置310が下方に押し下げ操作される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、傾倒装置310が下方へ垂れ下がった状態が初期位置とされ、傾倒装置310を押し上げ操作する態様でも良い。この場合、傾倒装置310を初期位置へ戻す力を重力によりまかなうことができるので、ねじりバネ315を不要とすることができる。
上記第1実施形態では、傾倒装置310が押し込み終端まで移動した後でボイスコイルモータ352を駆動させる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、傾倒装置310が第1状態とされる場合に予めボイスコイルモータ352を駆動させておいても良い。この場合、第1状態から傾倒装置310を押し込むのに必要な負荷を大きくすることができ、その負荷の変化を演出に利用することができる(例えば、「押し込めないボタン」の演出を行うことができる)。
なお、この場合、ボイスコイルモータ352が動作終端(張り出し動作の終端)まで移動したとしても、ボイスコイルモータ352と下枠部材320との間に若干の隙間が生じる寸法関係で、ボイスコイルモータ352と下枠部材320とを配置することが好ましい。これにより、ボイスコイルモータ352の動作時に下枠部材320との衝突の衝撃音が生じることを抑制することができる。従って、ボイスコイルモータ352が予め張り出していることに遊技者が気付いてしまうことを防止でき、傾倒装置310を押し込み操作して初めて「押し込めないボタン」の状態になっていることに気付かせることができる。
上記第1実施形態では、円板カム344の係合リブ344cと連結ピン344dとが相対的に固定される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、係合リブ344cが別部材から構成され、円板カム344に対して相対回転する態様で構成しても良い。この場合、例えば、第1張出部344c1と係合部346dとが当接する状態における連結ピン344dの位置を変化させることができるので、その状態から係合リブ344cを前転方向に回転させて回転爪部材347の姿勢を変化させた直後に傾倒装置310が上昇する度合いを変化させることができる。従って、傾倒装置310の煽り動作の動作状態を、第1実施形態よりも多く形成することができる。
また、円板カム344を前転方向に回転させ続ける駆動態様により、傾倒装置310の動作状態を順次切り替えることができる(上昇終端を順次切り替えることができる)。これにより、駆動モータ342を一方向動作させることで駆動モータ342の劣化を抑えながら、傾倒装置310の上昇位置が順次切り替わる複雑な動作態様で演出を行うことができる。
上記第3実施形態では、傾倒装置310に駆動力を付与するボイスコイルモータ352の動作タイミングを、傾倒装置310の動作速度や、動作の向きによって制御する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、錘部材5412を回転駆動する駆動モータ5411の駆動態様を、傾倒装置310の動作速度や、動作の向きによって制御するようにしても良い。例えば、傾倒装置310が押し込み終端に到達するまで(下降動作している間)は錘部材5412の重心位置が回転軸の上方に配置される姿勢で駆動モータ5411を固定し、傾倒装置310が押し込み終端に到達してから上向きに移動し始める直前に、駆動モータ5411の回転動作を開始するようにしても良い。この場合、傾倒装置310を連打する際の押し込み中は、傾倒装置310を押し返す反発力を小さくする一方で、傾倒装置310の上向き動作開始時において傾倒装置310を押し返す反発力を大きくすることができる。
上記第5実施形態では、底板部5321に収容部材5430が固定される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、傾倒装置310に収容部材5430を固定し、その内部で振動装置5400を動作させるようにしても良い。傾倒装置310に収容部材5430を固定する場合には、例えば、凸設脚部5424を底板部5321に対向する側に配置し、傾倒装置310を下方の押し込み終端に移動させた場合に凸設脚部5424が底板部5321に押し付けられる態様とすることで、振動装置5400内における柔軟部材5420の形状を変化させ、錘部材5412が収容部材5430に当接可能か否かを切り替えるように構成すれば良い。
この場合、収容部材5430の内部に配置される柔軟部材5420が傾倒装置310の傾倒動作と連動して移動し、この際に、柔軟部材5420の形状の変化が生じる。柔軟部材5420の形状の変化の度合いは、傾倒装置310を操作する際の傾倒速度の大小と連動して変化することになるので、傾倒装置310を所定速度以上で動作させることにより、柔軟部材5420の変形量を大きくして、錘部材5412が収容部材5430に当接する状態を形成することができる。即ち、傾倒装置310を押し込み終端まで押し込む場合だけでなく、傾倒装置310を高速で動作させる場合にも遊技者に振動を感じさせることができるので、遊技者に傾倒装置310の操作を行わせるための演出のバリエーションを増加させることができる。
例えば、傾倒装置310の操作を遊技者に行わせる場合、第3図柄表示装置81に「ボタンを押せ。」などの表示を行うが、そこに「ボタンを押せ。高速で押し込め、振動を感じたら大チャンス。」のように表示を行うことで、遊技者にボタン(傾倒装置310)の押し方を指定する演出を行うことができる。この場合に、指定の押し方で遊技者がボタン(傾倒装置310)を押したかどうかを、遊技者に振動が伝達される条件とすることで、指定の押し方でボタン(傾倒装置310)を操作することに対する遊技者の意欲を高めることができると共に、ボタン(傾倒装置310)の操作が単調となることを防止することができる。
なお、柔軟部材5420の形状の変化の度合いについては、傾倒装置310の押し込み速度の度合いと、大小関係が反転しても良い。即ち、傾倒装置310の傾倒速度が遅い場合に、柔軟部材5420の変形量が大きくなり、錘部材5412と収容部材5430とが当接可能となる態様で形成されても良い。この場合、傾倒装置310の押し込み速度が小さいことを、振動装置5400から生じる振動が遊技者に伝達される条件とすることができ、遊技者に、傾倒装置310の押し込み速度を遅くするように推奨することができる。これにより、遊技者が傾倒装置310を力任せに押し込み操作することを抑制することができ、傾倒装置310を力任せに押し込むことにより発生する故障を防止することができる。
上記第5実施形態では、傾倒装置310を押し込むことにより、振動装置5400から発生する振動を遊技者が感じることができるようになる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、傾倒装置310が押し込まれていない状態において振動装置5400の錘部材5412が収容部材5430に当接可能な配置とされる一方で、傾倒装置310が移動終端まで押し込まれることを条件として錘部材5412が収容部材5430に当接不能な配置となり得る態様で形成されても良い。この場合、傾倒装置310が操作されていない状態において振動を遊技者に伝達し演出を賑やかにできる一方で、押し込み時に振動を止めるという周囲に気づかれにくい方法で遊技者に演出態様の変化(期待度の違い)を認識させることができるので、周囲の遊技者を除いて、本機を遊技しているその遊技者だけが演出態様の変化を感じ取ることができるという、プレミア感を演出することができる。
なお、演出のバリエーションとして、傾倒装置310を遊技者が押し込み操作することにより、錘部材5412と収容部材5430とが当接不能な配置となる場合と、錘部材5412と収容部材5430とが継続して当接可能な配置となる場合との両方を生じさせることが望まれるが、これは、錘部材5412の動作態様を変化させることで実現することができる。例えば、錘部材5412の回転方向の違いにより、異なる2つの場合を生じさせることができる。
上記第5実施形態では、円板カム5344が軸倒れ変形することにより、円板カム5344と解除部材346とが当接することで摩擦力が生じる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、本体部材341の軸支孔341bが穿設される板部分が、部分的に円板カム5344に近接する方向に張り出し、円板カム5344が軸倒れ変形した場合に当接する態様で構成されても良い。この場合、本体部材341は動作する部分では無いので、円板カム5344と動作可能な解除部材346とが当接する場合と比較して、円板カム5344との間で生じる摩擦力を大きく確保することができる。従って、円板カム5344と傾倒装置310とを連結するアーム部材345に加えられる負荷を十分に低減することができる。
本発明を上記各実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施してもよい。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施してもよい。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する表示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止して確定表示され、その停止時の識別情報の組合せが特定のものであることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
以下に、本発明の遊技機に加えて上述した実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。
<遊技者の押し込み方向を、奥から手前方向とするポイント>
遊技者が押し込み操作する操作手段を有する操作デバイスにおいて、その操作デバイスは、通常時の第1状態と、その第1状態よりも前記操作手段が遊技者に対して張り出した位置に配置される第2状態とを構成可能とされ、前記操作手段を第1状態から第2状態へ向けて付勢する付勢手段を備え、前記第2状態における操作手段の押し込み方向が遊技者にとって奥側から手前側へ向けた方向とされることを特徴とする遊技機A1。
パチンコ機等の遊技機において、遊技者が操作可能な操作手段が第1位置と第2位置との間を進退移動する態様で構成される遊技機がある(例えば、特開2014−144218号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、進出位置において遊技者に対して大当たりの期待感を高める態様で演出を行うことから、遊技者は進出位置にある操作手段を大きな加速度で操作し易くなるため、操作手段の強度を高く設計しておく必要があった。この場合、操作手段が全体として重くなり、操作手段を駆動させる駆動手段が大型化するという問題点があった。
これに対し、遊技機A1によれば、第2状態で押し込み操作する場合に、操作手段の押し込み方向が遊技者にとって奥側から手前側へ向けた方向とされるので、素直な上下の直動では操作仕切れない分を、遊技者の手と操作手段との間の滑りとして生じさせることにより、押し込みの勢いを逃がすことができる。
また、遊技者の遊技姿勢からして、肩や肘を中心に操作手段を押し込み操作する場合、手前方向へは力をかけづらくなるので、遊技者が操作手段にかける力を自然と弱めさせることができる。
遊技機A1において、前記操作デバイスは、遊技者にとって奥側に配置される軸棒を中心に回転可能とされ、その軸棒を中心に上下に傾倒動作可能に構成されると共に前記操作手段を有する傾倒手段を備え、その傾倒手段は、前記第2状態において前記操作手段を遊技者の反対方向へ向けて配置することを特徴とする遊技機A2。
遊技機A2によれば、操作手段を有する傾倒手段を回転動作する態様で構成し、第2状態において操作手段を遊技者の反対方向へ向けて配置することにより、第2状態のときに、遊技者が操作手段を叩きつける操作を行うことを抑制することができる。
また、軸棒付近に手を置き、その位置を支点として手を傾倒動作させることにより、操作手段を押し込み操作し易い構成となるので、押し込みの加速度の付きにくい新たな押し込み操作の方法を提供でき、遊技者の押し込み操作により操作デバイスが破損することを防止することができる。
新たな押し込み操作の方法とは、例えば、左手小指の外側の側面を軸棒付近に置き、手の平が上下方向に起つ姿勢で手を操作手段付近に配置した状態から親指側を操作手段へ向けて倒す態様で操作する方法や、中指の先端を軸棒付近に置き、手の平が操作手段と対向配置する姿勢で配置した状態から、手の平を操作手段へ向けて落とす態様で操作する方法等が例示される。
遊技機A1又はA2において、前記第1状態において、操作手段の押し込み操作の方向が、上下方向とされることを特徴とする遊技機A3。
遊技機A3によれば、遊技機A1又はA2の奏する効果に加え、第1状態における操作手段の押し込み操作の方向が上下方向とされるので、第1状態における操作性を確保しながら、第2状態での押し込み操作による破壊防止を図ることができる。
遊技機A3において、前記操作デバイスは、前記操作手段が自動動作可能に構成されると共に、その自動動作の駆動力を発生する駆動手段を備え、その駆動装置の駆動力は、遊技者が押し込み操作する方向へ作用し、その逆方向へは作用しない態様とされることを特徴とする遊技機A4。
遊技機A4によれば、遊技機A3の奏する効果に加え、操作デバイスを自動動作させる駆動手段の駆動力が、押し込み操作方向にのみ作用するので、遊技者の操作方向と対向する方向へ駆動力が作用することを防止することができる。従って、駆動手段が遊技者の操作により損傷することを防止することができる。
例えば、ボタンを押し込み操作のみが可能な構成とすることで、ボタンを退避させる動作をおこなうときに逆方向に遊技者から引っ張られて、駆動手段が高負荷を受けることを防止することができる。
遊技機A4において、前記操作デバイスを第1状態または第2状態で維持する維持状態を形成可能とすると共に、前記駆動手段で動作する維持手段を備え、前記駆動手段は、偏心部分を介して前記操作手段に駆動力を伝達する回転手段を有し、前記維持手段を維持状態としたまま、前記回転手段が第1位相と、その第1位相と異なる第2位相とで位相変化可能とされ、それら第1位相と第2位相とでは、前記維持状態が解除された場合に前記操作手段が移動可能な範囲が変化され、それら第1位相と第2位相とのいずれにおいても、同一の回転により前記維持状態を解除可能に構成される遊技機A5。
遊技機A5によれば、遊技機A4の奏する効果に加え、維持手段を維持状態としたまま、駆動手段の位相を変化可能とされ、その変化後の位相において、維持状態を解除する動きを回転手段にさせることにより、付勢手段により操作デバイスが移動する移動幅を変化させることができる。従って、付勢手段による動作態様を複数通り構成することができる。
遊技機A5において、前記維持手段は、前記維持状態において前記付勢手段の付勢方向に移動可能とされ、その維持手段の移動速度が前記回転手段の回転速度に対応して増減する態様とされ、前記維持手段の移動に追従して前記操作手段が移動する態様で構成される遊技機A6。
遊技機A6によれば、遊技機A5の奏する効果に加え、付勢手段の付勢力の方向への移動は、その付勢力によってのみ生じていたために、移動の態様が一通りに限定されていた操作手段に対して、維持手段に追従して移動するという移動態様を追加することができるので、操作手段の移動態様の種類を増加させることができる。これにより、操作デバイスの注目度を向上させることができる。
遊技機A1からA6のいずれかにおいて、前記操作デバイスの内部に配設されると共に遊技者へ向けて光を照射する発光手段を備え、前記第1状態に比較して、前記第2状態の方が、遊技者視点において、前記操作手段の面積が減少すると共に、前記発光手段により照射される光の照射範囲が拡大されることを特徴とする遊技機A7。
遊技機A7によれば、遊技機A1からA6のいずれかの奏する効果に加え、発光手段を備え、第1状態に比較して、第2状態の方が、遊技者視点において、発光手段により照射される光の照射範囲が拡大されると共に操作手段の面積が減少するので、遊技者に光に注目させることができ演出効果を向上させることができると共に、狙わなければ操作手段を押すことが困難である態様とすることで操作時の遊技者の力を軽減させることができる。
遊技機A7において、操作手段が非透過性の材料から構成され、操作手段が表示手段との間において表示手段と近接離反する移動を行うことにより前記発光手段の露光部分の面積が変化することを特徴とする遊技機A8。
遊技機A8によれば、遊技機A7の奏する効果に加え、操作手段が非透過性の材料から構成され、操作手段が表示手段との間において表示手段と近接離反する移動を行うことにより発光手段の露光部分の面積が変化するので、発光した光が表示手段に写り込み、表示手段の映像が見づらくなることを防止することができる。
<連打への対応を可能としながら、通常時の反発力は小とするポイント>
遊技者が終端位置までの操作を行うことが可能とされる操作手段を有する操作デバイスにおいて、第1状態と、その第1状態に比較して終端位置までの操作の可動域が広い第2状態とを形成可能とされ、第2状態から第1状態へ移動させる駆動力を発生する第1駆動手段を備え、第1状態から第2状態へ移動させる付勢力を発生する付勢手段を備える遊技機において、遊技者の操作に応じて、第1状態から第2状態へ向けて操作手段を移動させる駆動力を発生させる第2駆動手段を備えることを特徴とする遊技機B1。
パチンコ機等の遊技機において、遊技者が操作可能な操作手段が第1位置と第2位置との間を進退移動する態様で構成される遊技機がある(例えば、特開2014−144218号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、操作手段を初期位置に復帰する力はバネにより発生され、操作手段を自動動作させるのは駆動モータで行うところ、バネの弾性定数を低くした方が駆動モータの駆動力を低く抑えられるが、その場合、操作手段の復帰が遅くなり、遊技者の操作が速い場合に操作手段が遊技者の操作に追随しないので、遊技者が連打操作をしづらくなるという問題点があった。
遊技機B1によれば、付勢力を弱く設定する事で、第1駆動手段で操作手段を移動させる際にはモータの駆動力を低減できる一方で、操作手段の復帰を速くしたい場合には第2駆動手段で操作手段を押し戻すことで復帰を速くできるので、遊技者に連打操作を楽しませることができる。
遊技機B1において、所定時間内のストロークの操作手段のセンサ検出値により連打操作を行っているか否かの判別を行う連打判別手段を備え、その連打判別手段の検出値により、第2駆動手段を駆動させるか否かを決定することを特徴とする遊技機B2。
遊技機B2によれば、連打判別手段の検出値により、第2駆動手段を駆動させるか否かを決定するので、遊技者が連打操作を行っていない(例えば、単発の押し込み操作や、長押し操作などを行っている)場合にまで第2駆動手段が動作し、遊技者が手を押し戻される負荷を感じることを防止することができる。
遊技機B2において、操作手段の位置を検出すると共に操作手段が終端位置に配置されたか否かを検出する終端検出手段と、操作手段が終端位置から所定量変化した位置に配置されたか否かを検出する位置差検出手段と、それら終端検出手段の検出値と位置差検出手段の検出値との時間関係から操作手段の移動の向きを判断する移動向き判断手段と、を備え、移動向き判断手段によって判断される移動の向きが押し込み終端から第1状態へ戻る向きである場合に、前記第2駆動手段が駆動されることを特徴とする遊技機B3。
遊技機B3によれば、遊技機B2の奏する効果に加え、移動向き判断手段によって判断される移動の向きが押し込み終端から第1状態へ戻る向きである場合、即ち、遊技者の手がボタンから離反する方向に移動するタイミングで、前記第2駆動手段が駆動されるので、遊技者の動きにシンクロする形で操作手段を押し返す負荷を発生させることができる。
従って、遊技者の手の移動向きと対向する向きに第2駆動装置が動作して、遊技者の手に高負荷がかけられることを抑制することができる。
遊技機B1からB3のいずれかにおいて、第2駆動手段が、前記操作手段の前記第1状態と前記第2状態とを結ぶ方向に沿って振動変位するボイスコイルモータにより構成されることを特徴とする遊技機B4。
遊技機B4によれば、遊技機B1からB3のいずれかの奏する効果に加え、ボイスコイルモータの振動変位を効果的に利用して、操作手段を移動させる駆動力を発生させることができる。
遊技機B1からB3のいずれかにおいて、前記操作手段を支持する支持枠を備え、前記第2駆動手段は、偏心錘を回転させる駆動モータと、その駆動モータを前記支持枠に弾性的に支持する支持手段と、を備え、その支持手段は、前記操作手段が前記終端位置に近づくほどその操作手段を前記第1状態の位置から前記第2状態の位置へ向けて移動させる駆動力が大きくなる態様とされ、前記偏心錘は、前記操作手段が前記終端位置に配置された状態において前記支持枠に当接し、駆動力を発生させることを特徴とする遊技機B5。
遊技機B5によれば、遊技機B1からB3のいずれかの奏する効果に加え、第2駆動手段による駆動力を、支持手段により発生する駆動力と、偏心錘と支持枠との当接により生じる駆動力とで別々に発生させることにより、駆動モータの回転を維持したままで、操作手段に与えられる駆動力の調節を行うことができる。このとき、駆動モータの回転を、開始または停止させる制御を行うことは不要であり、駆動モータの回転を維持したままで行うことができる。
遊技機B5において、前記偏心錘は、前記操作手段が前記終端位置に配置されることに基づいて、前記操作手段の移動方向で前記支持枠に対して近接動作し、前記支持枠と当接することを特徴とする遊技機B6。
遊技機B6によれば、遊技機B5の奏する効果に加え、偏心錘が操作手段の移動方向で支持枠に対して近接動作し、支持枠と当接するので、その当接により生じる反発力を利用して駆動モータを操作手段の移動方向で支持枠から離反する方向に移動させることができる。これにより、駆動モータを支持する支持手段ごと支持枠から離反する方向(操作手段に近接する方向)に移動するので、操作手段を押し戻す駆動力をより上昇させることができる。
<VCMを制動装置、兼、振動演出装置として用いるポイント>
操作手段の終端位置付近の位置を検出する検出センサを備え、その検出センサは、複数個のセンサから構成され、前記検出センサの検出間隔から操作手段の速度を測定する測定手段と、その測定手段により測定された測定値が所定の閾値以上か否かを判断する閾値判定手段と、操作手段の押し込み方向の反対方向へ向けた駆動力を発生する反発手段と、を備え、前記閾値判定手段により測定される閾値が所定の閾値以上である場合の方が、前記閾値判定手段により測定される閾値が所定の閾値以下の場合に比較して、前記反発手段が発生する駆動力が増加することを特徴とする遊技機C1。
パチンコ機等の遊技機において、遊技者が操作可能な操作手段が第1位置と第2位置との間を進退移動する態様で構成される遊技機がある(例えば、特開2014−144218号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、遊技者が軽く操作できることを重視すると操作抵抗が低くなり遊技者の操作により操作手段が破損する恐れがある一方で、固めに支持すると操作手段の動き自体を低速にでき操作手段が破損する可能性を低減させることができるが、遊技者の操作に必要な力が増加し、非力な遊技者にとっては操作手段の操作が負担となるという問題点があった。
これに対し、遊技機C1によれば、閾値判定手段により、操作手段の速度が閾値以上かを判定し、閾値以上である場合には、反発手段が発生する駆動力を増加させる態様で構成されるので、操作手段の速度が閾値以下の時の操作抵抗は軽くしつつ、必要時にのみ操作手段の減速を行うことができる。従って、反発手段により操作性の向上と、破壊防止とを図ることができる。
遊技機C1において、前記反発手段は、前記操作手段の押し込み方向の反対方向へ向けた駆動力を発生するボイスコイルモータを備え、閾値判定手段により測定される閾値が所定の閾値以上である場合に、前記ボイスコイルモータを伸張位置に押し出す制御が実行され、前記操作手段が前記ボイスコイルモータと当接可能な位置に配置されるよりも前に、前記ボイスコイルモータを予め駆動することを特徴とする遊技機C2。
遊技機C2によれば、遊技機C1の奏する効果に加え、ボイスコイルモータを駆動制御し、操作手段の減速を行うことができると共に、操作手段がボイスコイルモータと当接可能な位置に配置される前にボイスコイルモータを駆動させておくことにより、操作手段とボイスコイルモータとの間で生じる衝撃を抑制することができる。
遊技機C1又はC2において、前記操作手段と前記ボイスコイルモータとが当接した後で、そのボイスコイルモータに流す電流を増強させる制御を行うことを特徴とする遊技機C3。
遊技機C3によれば、遊技機C1又はC2の奏する効果に加え、操作手段とボイスコイルモータとが当接した後で、そのボイスコイルモータに流す電流を増強させる制御を行うことにより、操作手段とボイスコイルモータとの当接の瞬間に大きな負荷が生じることを抑制しながら、操作手段を制動させる度合いを徐々に向上させることができ、操作時に遊技者が感じる違和感を低減することができる。
遊技機C1において、前記反発手段は、前記操作手段と当接可能に配置され、前記操作手段の移動により変形する変形量に対応した駆動力をバネ弾性により発生させることを特徴とする遊技機C4。
遊技機C4によれば、遊技機C1の奏する効果に加え、反発手段が変形量に対応した駆動力をバネ弾性により発生させるので、操作手段の移動速度が高速な場合でも、時間遅れなく駆動力を発生させることができる。
遊技機C4において、前記反発手段は、前記閾値判定手段により測定される値が所定の閾値以上である場合の方が、前記閾値判定手段により測定される値が所定の閾値以下の場合に比較して、前記反発手段の端部であって前記操作手段と当接する側の反対側の端部の移動可能領域が、狭められることを特徴とする遊技機C5。
遊技機C5によれば、遊技機C4の奏する効果に加え、反発手段の端部であって操作手段と当接する側の反対側の端部の移動可能領域が狭められることにより、操作手段の操作速度が速い場合の方が、反発手段が生じる弾性力を増加させることができる。
<クラッチで駆動力の伝達を遮断することにより、駆動手段の破損を防止>
遊技者が操作する操作手段を有する操作デバイスにおいて、その操作デバイスは、前記操作手段を動作させる駆動力を発生する駆動手段と、その駆動手段の駆動力を前記操作手段に伝達する伝達手段と、駆動力の伝達を解除する解除手段と、を備え、その解除手段は、前記伝達手段を介して前記駆動手段と前記操作手段との間に生じる負荷が所定量以上となった場合に駆動力の伝達を解除することを特徴とする遊技機D1。
パチンコ機等の遊技機において、遊技者が操作可能な操作手段が第1位置と第2位置との間を進退移動する態様で構成される遊技機がある(例えば、特開2014−144218号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、演出のために操作手段を自動で動作させる場合の、その自動動作中に、操作手段が操作された場合に、駆動系に大きな負荷が生じる恐れがあるという問題点があった。
これに対し、遊技機D1によれば、解除手段が、伝達手段を介して駆動手段と操作手段との間に生じる負荷が所定量以上となった場合に駆動力の伝達を解除する態様で構成されるので、操作手段が自動動作している場合に遊技者が操作手段を操作したとしても、駆動系への負荷の伝達が解除(不通と)され、駆動系にかけられる負荷を抑制することができる。
遊技機D1において、前記駆動手段は、第1方向への駆動と、その第1方向とは逆方向である第2方向への駆動とを可能とされ、前記第1方向への駆動中か、前記第2方向への駆動中かによらず、前記解除手段による解除が機能することを特徴とする遊技機D2。
ここで、駆動手段の動作方向によって駆動力の伝達を解除可能か否かが分かれる場合、駆動力の伝達を解除不能な動作方向で駆動手段を駆動する際に操作手段が遊技者に操作されると、駆動手段に大きな負荷が生じる恐れがある。そのため、操作手段を動作させて演出する際の演出自由度が低減される。
ボタンを第1位置と第2位置との間で駆動する場合に、駆動手段が正回転するか、逆回転するかにより、ボタンをロックするロック部材を解除方向へ移動させるか、その解除方向の逆方向へ移動させるかを切り替える。この場合、ボタンの動作を2態様つくることができる(解除パターンと、解除しないパターンとの2通り)が、その両方において、駆動力の不通は行われる必要がある。
これに対し、遊技機D2によれば、遊技機D1の奏する効果に加え、駆動手段の駆動方向によらず、駆動方向の両方向において、駆動力の伝達を解除(不通と)することができるので、操作手段を自動動作させる演出の、動作の自由度を向上させることができる。
なお、伝達の解除の方法としては、駆動手段の動作方向と交差する方向にクラッチが移動することが例示される。交差する方向とは、例えば、駆動手段が回転動作する場合の周方向を除く趣旨であって、クラッチが回転軸方向に移動しても良いし、径方向に移動しても良い。
遊技機D1又はD2において、前記駆動手段と前記伝達手段とを駆動力伝達が可能な状態へ付勢する付勢手段を備え、前記解除手段が、前記駆動手段と前記伝達手段との当接部にそれぞれ形成される凸設部分であると共に、それらが噛み合う状態において駆動力を伝達させる係合歯を備え、その係合歯は、前記駆動手段の動作方向と対向する両面が前記当接面から遠ざかるほど先細りする態様で前記当接面に対して傾斜する形状から構成されることを特徴とする遊技機D3。
遊技機D3によれば、遊技機D1又はD2の奏する効果に加え、付勢手段が駆動手段と伝達手段とを押し付け、その押し付けられる当接面において、解除手段が、噛み合った状態で駆動力を伝達する一方で、駆動手段の動作方向と対向する両面が当接面から遠ざかる程に先細りする態様で傾斜する係合歯を備えるので、係合歯同士の係合により、伝達手段を駆動手段から離反させることができ、これにより、駆動力の伝達を解除することができる。
また、駆動手段と伝達手段との間において、付勢手段による付勢力が常時かけられており、伝達手段が駆動手段から離反する際において係合歯を介して駆動手段の動作方向に付勢力による負荷がかけられる。そのため、駆動力が伝達される状態と、伝達が解除された状態との間で駆動手段にかけられる負荷が急変することを抑制することができる。
なお、係合歯の係合部分の大きさは、伝達手段が駆動手段から遠ざかる程、伝達手段の周方向において小さくなる。そのため、伝達手段と駆動手段との位相差が大きくなった際に、伝達手段の周方向に生じる負荷が、過大となることを防止することができる。
加えて、解除状態において、離れて完全に抵抗がなくなるのではなく、周期的に抵抗が復活する。これにより、遊技者が手を離すと、短時間の内にボタンを動作させ始めることができる。
即ち、「演出として」、ボタンが駆動する場合に、遊技者がボタンを把持していると、ボタンの動作の1フェーズを経過してしまう。そして、途中で遊技者が手を離した場合に、その1フェーズの終わりから動くのでは、ボタンが停止している期間が長くなるし、「遊技者の負荷が解けたから動き出した」感が削がれる。
これに対し、遊技機D3によれば、遊技者が手を離し、負荷が解除された後、短時間の内に操作手段を始動させることができる。これにより、遊技者の負荷が解けたから動き出した感を演出できる。
遊技機D1からD3のいずれかにおいて、前記伝達手段と前記解除手段との係合面は、互いに係合しあう鋸歯形状から形成されることを特徴とする遊技機D4。
遊技機D4によれば、遊技機D1からD3のいずれかの奏する効果に加え、遊技者からの負荷が解除された場合に解除手段を伝達手段との係合位置に早期に復帰し易くできる。即ち、係合面の先端部に、伝達手段と解除手段とが近接離反する方向に対して平行な平面が有る場合、伝達手段と解除手段とが、その平面で突き当たって、解除手段の、伝達手段に対して近接離反する方向に沿っての移動が停止されることを抑制することができる。そのため、遊技者からの負荷が解除された後に、操作手段を早期に動作開始させることができる。
遊技機D1からD4のいずれかにおいて、前記駆動手段を正方向に継続して動作させる場合と、前記駆動手段を逆方向に継続して動作させる場合とで、前記操作手段の動作態様が異なることを特徴とする遊技機D5。
遊技機D5によれば、遊技機D1からD4のいずれかの奏する効果に加え、操作手段の動作態様を複数用意しながら、いずれかの動作態様に限定されることなく、駆動力伝達の解除を行うことができる。
遊技機D5において、前記操作手段の動作態様は、前記駆動手段が正方向に動作するか逆方向に動作するかの違いがある場合に、前記駆動手段の動作開始時から所定期間の動作態様は同様で、その所定期間経過後の動作が異なることを特徴とする遊技機D6。
遊技機D6によれば、遊技機D5の奏する効果に加え、操作手段の動作態様で、駆動手段の動作方向の違いがある場合に、駆動手段の動作開始時から所定期間の動作態様は同様で、その所定期間経過後の動作が異なるので、操作手段に対する遊技者の注目力を向上させることができる。
ここで、操作手段の動作態様の違いを、大当たり期待度などの、遊技者にとって利益となる情報と絡めることにより、操作手段の動作態様が変化するまでの所定期間、遊技者に操作手段の動作を見守らせることができる。
また、この動作態様の違いは駆動手段の動作方向の違いにより生じるので、駆動手段の動作方向を予め確認できれば、遊技者は操作手段の動作を見守ることなく大当たり期待度などの違いを把握することができる。しかし、通常、駆動手段は遊技者から隠されるものであり、また、動作方向の違いは振動音などからは認識不可能なため、駆動手段の動作方向を予め確認することはできず、遊技者に操作手段の動作を見守らせることができる。
<カムの突起の位置を、カムの回転に基づいて変化させる>
遊技者が操作する操作手段を有する操作デバイスにおいて、その操作デバイスは、前記操作手段を動作させる駆動力を発生する駆動手段と、その駆動手段の駆動力を前記操作手段に伝達する伝達手段と、前記操作手段を第1位置と、その第1位置とは異なる第2位置との間で動作する態様で構成され前記操作手段の位置が前記第1位置から変化することを抑制する第1手段と、前記操作手段を前記第1位置から前記第2位置へ向けた方向へ付勢する付勢手段と、その付勢手段の付勢力により前記第1位置から第2位置へ向けて移動する操作手段の移動終端を変化可能に形成する終端手段と、を備える遊技機において、前記第1手段は、前記操作手段と係合することで前記操作手段の位置変化を抑制するものであって、前記第1手段の、前記操作手段との係合を解除する負荷を前記第1手段に与える解除負荷手段を備え、その解除負荷手段による係合の解除と、前記終端手段における前記操作手段の移動終端の変化とが、単一の駆動手段により行われることを特徴とする遊技機E1。
パチンコ機等の遊技機において、カムにより動作され、移動可能な操作手段を第1位置で固定し、その固定を解除負荷手段により解除することにより、付勢手段の付勢力で張出動作させると共に、その張出動作の変位量を終端手段により変化可能な遊技機がある(例えば、特開2014−144218号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、固定解除時のカムの位相により操作手段の張出動作の変位量を変えることから、固定解除時のカムの位相を様々に変化させることになるので、操作手段を移動させるカムと、固定を解除する解除負荷手段とが別々の駆動力で動作していた。従って、駆動手段が複数個必要であり、駆動手段の配置スペースが大きくなるという問題点があった。
これに対し、遊技機E1では、操作手段の固定を解除する解除負荷手段が、操作手段を駆動させる駆動手段により駆動される。これにより、終端手段により操作手段の終端位置を変化させる駆動手段と、解除負荷手段を動かす駆動手段と、を兼用できるので、駆動手段の個数を減少させることができる。
遊技機E1において、前記解除負荷手段の位置の変化が、前記伝達手段の動作に基づいて行われることを特徴とする遊技機E2。
遊技機E2によれば、遊技機E1の奏する効果に加え、解除負荷手段の位置の変化を伝達手段の動作に基づいて生じさせることができるので、伝達手段の動作量を検出することにより、解除負荷手段の状態を判定することができる。これにより、解除負荷手段の状態を検出する位置センサ等の検出手段の配設個数を削減することができ、部品個数を低減することができる。
なお、解除負荷手段の状態の切替方法としては、伝達手段をカムから構成し、解除負荷手段をそのカムと同軸で回転する突起から構成する場合において、カムと突起との回転周期をずらす方法や、カムが所定の位相に配置された場合においてカムの回転と突起の回転との同期を外し、その他の位相ではカムの回転と突起の回転とを同期させる方法などが、例示される。
遊技機E2において、前記解除負荷手段は、前記第1手段から与えられる負荷により、前記伝達手段に対して動作可能に配設され、その解除負荷手段の動作により、前記解除負荷手段と前記伝達手段とが同期動作するか否かが切り替えられることを特徴とする遊技機E3。
遊技機E3によれば、遊技機E2の奏する効果に加え、解除負荷手段が第1手段からの負荷により伝達手段に対して動作可能に配設され、その解除負荷手段の動作により、解除負荷手段と伝達手段とが同期動作するか否かが切り替わるので、部材を追加することなく解除負荷手段と伝達手段との同期状態を変化させることができる。
遊技機E2において、前記伝達手段は、回転する第1回転部材を備え、その第1回転部材の回転軸に対して偏心して前記操作手段が支持され、前記解除負荷手段は、回転する第2回転部材を備え、前記第1回転部材と、前記第2回転部材との回転周期が異なることを特徴とする遊技機E4。
遊技機E4によれば、遊技機E2の奏する効果に加え、第1回転部材と第2回転部材とは単一の駆動手段により動作するが、回転周期が異なるので、第2回転手段が所定の位相で第1手段と当接することにより第1手段が解除される場合の、第1回転部材の位相を複数種類用意することができる。
本構成によれば、操作手段が第1位置で維持された状態から、第1手段の作用が解除され、第2位置へ向けて移動する場合の、終端位置を複数種類用意することができるので、演出の幅を広げることができる。例えば、終端位置を第1位置から徐々に離す演出や、第1位置へ徐々に近づける演出を、同様の構成で実現することができる。
<ソフトケースに支持される振動装置>
遊技者が操作する操作手段を有する操作デバイスにおいて、その操作デバイスは、前記操作手段が第1位置と、その第1位置から遊技者が操作を行うことにより前記操作手段が到達する第2位置との間を移動可能に構成され、振動する振動部を有する振動手段と、前記振動部と当接可能に配置される受け手段と、を備える遊技機において、前記操作手段が前記第1位置に配置されると、前記振動部が前記受け手段に当接不能な離間状態となる一方で、前記操作手段が前記第2位置に配置されると、前記振動部が前記受け手段に当接可能な当接状態となることを特徴とする遊技機F1。
パチンコ機等の遊技機において、遊技者が操作可能な操作手段と、その操作手段または遊技機の框体を介して遊技者に振動を伝える振動手段とを備える遊技機がある(例えば、特開2014−144218号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、操作手段を操作しているか否かに関わらず、振動手段が振動すると、その振動が操作手段または遊技機の框体に伝達されることから、その操作手段または遊技機の框体に触れる遊技者に伝達されるので、操作手段を操作した直後に振動を伝達させるという演出を行う場合、操作手段の操作を検出してから振動手段を動作させる必要がある。そのため、遊技者が操作手段を操作した後、操作手段から手を離す前に振動手段を動作させる必要があり、遊技者の操作の態様(例えば、操作手段を押し込んだ瞬間に離すというような操作の態様)によっては、振動の開始が手を離す前に間に合わないことがあり、振動に遊技者が気付かない恐れがあるという問題点があった。
これに対し、遊技機F1によれば、操作手段が第1位置に配置されるか、遊技者に操作され第2位置に配置されるかによって、振動部が受け手段に当接するか否かが変化するので、振動部を継続的に振動させる場合においても、遊技者が操作手段を操作することにより初めて振動を遊技者に感じさせることができる。また、振動部の振動は遊技者が押し込み操作する前から生じているので、遊技者の操作の態様に関わらず、遊技者が手を離す前から振動部を振動させておくことができ、遊技者に振動を伝達させることができる。
遊技機F1において、前記振動手段は、前記離間状態において、前記操作手段が前記第2位置に配置された場合に占める占有領域に張り出して配置され、前記操作手段が前記第2位置へ移動することにより、前記振動手段が前記占有領域から出されることにより、前記当接状態へ変化することを特徴とする遊技機F2。
遊技機F2によれば、遊技機F1の奏する効果に加え、操作手段の移動に基づいて振動手段が移動することにより、離間状態から当接状態へ変化するので、操作手段の移動の程度によって、操作手段または受け手段と、振動部との当接強度を変化させることができ、伝わる振動の強度も変化させることができる。従って、遊技者の操作強度に対して、伝わる振動の強度を変化させる演出を、特段の駆動態様の変化無く、振動手段を同様に振動させることで行うことができる。
遊技機F1又はF2において、前記振動手段が、バネ弾性を有する支持手段を介して前記受け手段に支持されることを特徴とする遊技機F3。
遊技機F3によれば、遊技機F1又はF2の奏する効果に加え、支持手段によって、振動手段の振動が受け手段に伝達されることを抑制しながら、受け手段に対する位置決めを行うことができる。これにより、受け手段と振動手段とを離間させ、振動の伝達を防止することができると共に、振動時に振動手段に生じる変位を抑制することができる。
遊技機F3において、前記当接状態において、前記振動部の振動に基づいて、前記支持手段が伸縮することを特徴とする遊技機F4。
遊技機F4によれば、遊技機F3の奏する効果に加え、支持手段の弾性を利用して、振動部と受け手段との当接時に生じる負荷を増加させることができる。即ち、支持手段の伸縮により、振動部が受け手段に近接する方向に移動する際に、勢いを付けることができる。
遊技機F3において、前記支持手段は、前記操作手段の動作方向に沿った変形抵抗が、前記操作手段の動作方向と垂直な方向の変形抵抗に比較して低くされることを特徴とする遊技機F5。
遊技機F5によれば、遊技機F3の奏する効果に加え、支持手段の変形抵抗の違いによって、操作手段が操作され支持手段と干渉した場合に、支持手段が変形する方向を細かく設定することができる。
これにより、操作手段の移動量の違いが僅かであっても、支持手段の伸縮量に違いを持たせることができ、振動部と受け手段との間で生じる負荷に違いを持たせることができる。
なお、変形抵抗を異ならせる方法としては、支持手段が振動手段を囲うゴム部材から構成される場合において操作手段の動作方向に沿ってゴム脚を延設する方法や、支持手段が振動手段を囲うゴム部材から構成される場合においてゴム部材を二色成型で製造し方向ごとの変形抵抗を変化させる方法や、支持手段を、操作手段を動作方向に沿った方向に動作するようにガイドするレールと、操作手段の動作方向に沿って振動手段を付勢するコイルスプリングと、から構成する方法などが例示される。
遊技機F3において、前記振動部が当接する部分が、前記受け手段であって、前記受け手段が前記操作手段とは別手段として構成されることを特徴とする遊技機F6。
遊技機F6によれば、遊技機F3の奏する効果に加え、操作手段を介して遊技者に振動が伝わるのでは無く、操作手段とは別手段である受け手段を介して遊技者に振動が伝わるので、振動手段の振動が操作手段と伝達手段とを介して駆動手段に伝わることを抑制することができるので、駆動手段に負荷がかかる状態となることを抑制することができる。これにより、駆動手段の耐久性を向上させることができる。
また、操作手段を操作する遊技者の手に振動が伝わることを抑制できるので、操作時に、振動に驚いた遊技者が操作を止めてしまうことを防止することができる。
なお、受け手段としては、例えば、遊技機の框体の部分の内、遊技球が供給される上皿付近の部分や、ガラス枠の縁部分など、遊技中に遊技者が、意識せずに手を触れる可能性がある部分や、操作手段を部分的に囲う収容部分等が例示される。
<カムと軸とのワンタッチ取り付け。取り付け部分で形状変形(弾性変形)可能>
遊技者が操作する操作手段を有する操作デバイスにおいて、その操作デバイスは、前記操作手段が第1位置と、その第1位置と異なる第2位置との間を移動可能に構成され、前記操作手段を駆動させる駆動力を発生させる駆動手段と、その駆動手段の駆動力を前記操作手段に伝達する伝達手段と、を備え、前記伝達手段は、過負荷により弾性変形する変形部を備えることを特徴とする遊技機G1。
パチンコ機等の遊技機において、遊技者が操作可能な操作手段と、その操作手段を駆動する駆動力を発生させる駆動手段と、その駆動手段から操作手段へ駆動力を伝達させる伝達手段と、を備える遊技機がある(例えば、特開2014−144218号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、操作手段を遊技者が把持固定した場合に、駆動手段が操作手段を駆動させる駆動力を発生させると、伝達手段と操作手段との連結部分や、伝達手段と駆動手段との連結部分に負荷が蓄積され、これらの連結部分が破損する恐れがあるという問題点があった。
これに対し、遊技機G1によれば、操作デバイスに過負荷がかけられた場合、伝達手段の変形部が弾性変形することにより、操作手段と伝達手段との連結部分や、駆動手段と伝達手段との連結部分に与えられる負荷を緩和することができる。
遊技機G1において、前記伝達手段が、回転可能に支持されるカム部材を備え、前記変形部が、前記カム部材の回転軸との連結部分を構成し、前記変形部の弾性により、回転軸への固定力が生じることを特徴とする遊技機G2。
遊技機G2によれば、変形部が、伝達手段の回転軸に対するカム部材の弾性変形を担う部分としての役割と、回転軸に対するカム部材の支持力を発生する部分としての役割と、を備える。そのため、機能の兼用により、伝達部材の構成を簡素化することができる。例えば、eリングなどの個別の固定部材を省略できる。
遊技機G2において、前記カム部材は、回転軸と平行に凸設される凸設部を備え、その凸設部と前記操作手段とが連結され、前記変形部の弾性変形は、前記カム部材に対して前記回転軸が傾倒する態様とされることを特徴とする遊技機G3。
ここで、伝達手段の弾性変形は、例えば、凸設部をカム部材の周方向に沿って変位させることによっても行うことができる。しかし、この場合、カム部材と凸設部とを1部材で構成することが困難となり、部材個数が増加する恐れがある。
これに対し、遊技機G3によれば、遊技機G2の奏する効果に加え、変形部の弾性変形は、カム部材に対して回転軸が傾倒する態様とされるので、凸設部をカム部材に対してスライド移動させる場合に比較して、カム部材を単一部材から容易に構成でき、部材の簡素化をすることができる。
遊技機G3において、前記変形部の弾性変形の抵抗が、前記カム部材を、前記回転軸と前記凸設部とを結ぶ直線を軸に回転させる第1回転方向に比較して、前記回転軸と前記凸設部とを結ぶ直線と前記回転軸の延設方向との両方に対して直角な直線を軸に回転させる第2回転方向の方が、変形抵抗が大きくなることを特徴とする遊技機G4。
遊技機G4によれば、遊技機G3の奏する効果に加え、変形部の変形抵抗を、方向ごとに異ならせることによって、回転軸方向視において、変形部が弾性変形した後の状態の方が、弾性変形する前の状態に比較して、凸設部の凸設先端をカム部材の周方向に沿った方向へ変位させることができる。これにより、カム部材の凸設部が移動しようとする方向に沿って凸設部を変位させることができるので、変形部の弾性変形により、凸設部と操作手段との間に生じる負荷を緩和することができる。
遊技機G3又はG4において、前記カム部材の回転軸と平行な方向に沿って所定距離だけ離間配置される摩擦部材を備え、前記変形部が弾性変形することにより、前記カム部材が姿勢変化し、前記カム部材と前記摩擦部材とが当接することを特徴とする遊技機G5。
遊技機G5によれば、遊技機G3又はG4の奏する効果に加え、操作手段に過負荷が与えられると、変形部が弾性変形することにより、カム部材が姿勢変化され、カム部材と摩擦部材とが当接するので、カム部材自体の動作抵抗を増加させることができ、これにより、カム部材と操作手段との連結部分にかけられる負荷を低減することができる。
遊技機G3からG5のいずれかにおいて、前記カム部材の少なくとも一部が軸に対して傾斜変位することを検出する検出手段を備えることを特徴とする遊技機G6。
ここで、操作デバイスに過負荷が与えられ、駆動手段が動作しているのに操作手段が動作していない状況において、例えば、駆動手段の駆動により予想される変位と、操作手段の実際の変位とのずれを根拠として過負荷が生じていることを検出する場合、過負荷の発生を検出するまでに、駆動手段を所定期間駆動させる必要がある。この期間は、変位のずれを検出する検出手段の配置間隔が小さい程、短くできるが、検出手段の配置間隔を小さくする程、検出手段の構成が複雑になり、高価になってしまう。そのため、安価に、尚かつ、過負荷の発生を早期に検出する構成とすることが困難であるという問題点があった。
これに対し、遊技機G6によれば、遊技機G3からG5のいずれかの奏する効果に加え、検出手段が、カム部材の少なくとも一部が軸に対して傾斜変位したか否かを検出することで、検出手段の追加個数を抑えながら、駆動手段を所定期間駆動させる必要なく、検出手段がカム部材の少なくとも一部を検出すると同時に過負荷が生じていると判定することができる。これにより、過負荷の発生時に、駆動手段にかけられる負荷を低減することができる。
遊技機A1からA8,B1からB3,C1からC3,D1からD6,E1からE4,F1からF6,G1からG6のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機Z1。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機A1からA8,B1からB3,C1からC3,D1からD6,E1からE4,F1からF6,G1からG6のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機Z2。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示手段において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
遊技機A1からA8,B1からB3,C1からC3,D1からD6,E1からE4,F1からF6,G1からG6のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機Z3。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
<その他>
パチンコ機などの遊技機において、遊技者が手動操作することで第1位置と第2位置との間を移動する操作部材を備える遊技機がある(例えば、特許文献1:特開2014−014571号公報)。
しかしながら、上述した従来の遊技機では、操作部材の耐久性に改良の余地があるという問題点があった。本技術的思想は、上記例示した問題点などを解決するためになされたものであり、操作部材の耐久性の良好な遊技機を提供することを目的とする。
<手段>
この目的を達成するために技術的思想1の遊技機は、遊技者が操作する操作手段を有する操作デバイスであって、その操作デバイスは、前記操作手段が第1位置と、その第1位置と異なる第2位置との間を移動可能に構成され、前記操作手段を駆動させる駆動力を発生させる駆動手段と、その駆動手段の駆動力を前記操作手段に伝達する伝達手段と、を備え、前記伝達手段は、過負荷により弾性変形する変形部を備える。
技術的思想2の遊技機は、技術的思想1記載の遊技機において、前記伝達手段が、回転可能に支持されるカム部材を備え、前記変形部が、前記カム部材の回転軸との連結部分を構成し、前記変形部の弾性により、回転軸への固定力が生じる。
技術的思想3の遊技機は、技術的思想2記載の遊技機において、前記カム部材は、回転軸と平行に凸設される凸設部を備え、その凸設部と前記操作手段とが連結され、前記変形部の弾性変形は、前記カム部材に対して前記回転軸が傾倒する態様とされる。
<効果>
技術的思想1記載の遊技機によれば、操作デバイスの耐久性を良好にすることができる。
技術的思想2記載の遊技機によれば、技術的思想1記載の遊技機の奏する効果に加え、カム部材の態様により操作デバイスの耐久性を良好にすることができる。
技術的思想3記載の遊技機によれば、技術的思想2記載の遊技機の奏する効果に加え、カム部材の傾倒方向を制限することにより操作デバイスの耐久性を良好にすることができる。