JP6755354B1 - 鍛造プレスの上ノックアウト装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】鍛造プレスのスライド下降時にノックアウトピンをスライド下端から突出しないように保持するためのスプリングを備えた上ノックアウト装置において、そのスプリングの交換作業を効率よく行えるようにする。【解決手段】鍛造プレスのスライド2とともにレバー押戻し機構20のスプリング21を保持し、そのスプリング21に押圧されるピン押下レバー4のばね受け部28を、ピン押下レバー4本体の伝達レバー部4bに一体に形成された取付部29の内周に嵌め込まれ、その一端のフランジ部28aが取付部29の一端面に取付ボルト30で固定されるものとすることにより、スプリング21が折損した際にも、取付ボルト30を緩めるだけで、容易にレバー押戻し機構20を取り外してスプリング21の交換を行えるようにした。【選択図】図4

Description

本発明は、鍛造プレスの上金型から被加工物を離脱させるノックアウトピンを有する上ノックアウト装置に関する。
一般的な鍛造プレスは、プレス本体に支持されたクランク軸を回転させることにより、クランク軸に回転自在に取り付けた連結ロッドを揺動させて、連結ロッドの下端部に回転自在に取り付けたスライドを所定のストロークで昇降させ、そのスライドの下面側に取り付けた上金型とスライドの下方に設置されるボルスタの上面側に取り付けた下金型とで被加工物の鍛造加工を行っている。
そして、上下の金型で被加工物を加工した後、上金型をスライドとともに上昇させて下金型から離反させた際には、通常、被加工物が下金型に嵌合した状態となっているので、下ノックアウト装置のノックアウトピンを突き上げて被加工物を下金型から離脱させ、離脱した被加工物をトランスファ装置で次工程へ搬送するようになっている。また、スライドを上昇させたときに被加工物が上金型に嵌合したまま持上げられて下金型に残らない場合もあるため、上金型からノックアウトピンを突き下げて被加工物を離脱させる上ノックアウト装置が下ノックアウト装置と対に設けられている(例えば、特許文献1参照。)。
上記のような上ノックアウト装置の一例を図5および図6に示す。この上ノックアウト装置は、鍛造プレスのクランク軸(図示省略)の回転に伴う連結ロッド1の揺動によって昇降するスライド2に、スライド2の下端から下方へ突出可能に保持された一対のノックアウトピン3と、スライド2に回動自在に取り付けられ、各ノックアウトピン3を押し下げるための一対のピン押下レバー4と、スライド2が上昇するときの連結ロッド1の揺動を各ピン押下レバー4のノックアウトピン押下方向の回動に変換する運動変換機構10と、スライド2と各ピン押下レバー4との間に配されたコイルばねからなるスプリング21の弾力により、各ピン押下レバー4をノックアウトピン押下方向と逆の方向に付勢するレバー押戻し機構20とを備えている。
前記ピン押下レバー4は、先端部でノックアウトピン3の上端部に当接する操作レバー部4aと、先端部で運動変換機構10から押圧力を受ける伝達レバー部4bとからなり、伝達レバー部4bの二股の基端部とその間に固定された操作レバー部4aの基端部がスライド2に回動自在に取り付けられ、操作レバー部4aと伝達レバー部4bとが一体に回動するようになっている。
前記運動変換機構10は、連結ロッド1の側面に固定された平板状のカム11と、カム11に当接するように配されるローラ12と、スライド2に回動自在に取り付けられ、一端部でローラ12を回転自在に支持する運動変換レバー13とからなり、スライド2上昇時の連結ロッド1の揺動によって連結ロッド1と一体のカム11がローラ12を押すと、運動変換レバー13が図5における右回りに回動し、その二股の他端部のそれぞれに固定されたウエアプレート14で各ピン押下レバー4の伝達レバー部4bの先端部に固定されたウエアプレート15を押すことにより、各ピン押下レバー4を図5における左回りすなわち操作レバー部4aでノックアウトピン3を押し下げる方向に回動させるようになっている。
前記レバー押戻し機構20は、図7に示すように、スライド2の側面の凹部2aにスプリングロッド22の頭部を嵌め込み、そのスプリングロッド22の軸部の外周に頭部側から順にスプリング21、球面座金23および平座金24を装着し、その軸部の先端側をピン押下レバー4の伝達レバー部4bに設けられた環状のばね受け部25に通して、スプリング21が球面座金23および平座金24を介してピン押下レバー4のばね受け部25を押圧するようにしたものである。
なお、スプリングロッド22の軸部の先端小径部には平座金26が装着されるとともに、平座金26を抜け止めする一対の締め付けナット27a、27bがねじ結合しており、その平座金26がばね受け部25の一端面(装置の外方側の端面)に形成されたザグリ部に係合することにより、ピン押下レバー4の回動範囲が規制されるようになっている。
そして、スライド2が下降するときには、レバー押戻し機構20がピン押下レバー4のノックアウトピン押下方向の回動を阻止することにより、ノックアウトピン3がスライド2の下端から突出しない状態で保持され、スライド2が上昇するときには、運動変換機構10がレバー押戻し機構20のスプリング21の弾力に抗してピン押下レバー4を回動させることにより、ピン押下レバー4がノックアウトピン3を押し下げ、ノックアウトピン3がスライド2の下端から突出するようになっている。
特開2002−178088号公報
しかしながら、上述したような従来の上ノックアウト装置では、ピン押下レバーのばね受け部がピン押下レバーの本体と一体に形成されているため、レバー押戻し機構のスプリングが折損した際には、装置全体を分解しながら取り外したうえでスプリングを交換することになり、その交換作業の作業性が低く交換時間が長くなるという問題があった。
そこで、本発明は、鍛造プレスのスライド下降時にノックアウトピンをスライド下端から突出しないように保持するためのスプリングを備えた上ノックアウト装置において、そのスプリングの交換作業を効率よく行えるようにすることを課題とする。
上記の課題を解決するために、本発明は、鍛造プレスのクランク軸の回転に伴う連結ロッドの揺動によって昇降するスライドに、スライドの下端から下方へ突出可能に保持されたノックアウトピンと、前記スライドに回動自在に取り付けられ、前記ノックアウトピンを押し下げるためのピン押下レバーと、前記スライドが上昇するときの連結ロッドの揺動を前記ピン押下レバーのノックアウトピン押下方向の回動に変換する運動変換機構と、前記スライドとピン押下レバーとの間に配されたスプリングの弾力により、前記ピン押下レバーをノックアウトピン押下方向と逆の方向に付勢するレバー押戻し機構とを備え、前記スライドが下降するときには、前記レバー押戻し機構がピン押下レバーのノックアウトピン押下方向の回動を阻止することにより、前記ノックアウトピンがスライドの下端から突出しない状態で保持され、前記スライドが上昇するときには、前記運動変換機構がレバー押戻し機構のスプリングの弾力に抗してピン押下レバーを回動させることにより、前記ノックアウトピンがスライドの下端から突出するようにした鍛造プレスの上ノックアウト装置において、前記レバー押戻し機構のスプリングは、前記ピン押下レバーに設けられたばね受け部を押圧するように配されており、前記ピン押下レバーのばね受け部がピン押下レバーの本体に着脱可能に取り付けられている構成を採用した。
すなわち、鍛造プレスのスライドとともにレバー押戻し機構のスプリングを保持し、そのスプリングに押圧されるピン押下レバーのばね受け部を、ピン押下レバーの本体に着脱可能に取り付けることにより、そのスプリングが折損した際にも、ピン押下レバーの本体からばね受け部を取り外すだけでスプリングの交換ができるようにしたのである。
本発明の鍛造プレスの上ノックアウト装置は、上述したように、ピン押下レバーの本体からばね受け部を取り外すだけでレバー押戻し機構のスプリングの交換ができるようにしたものであるから、そのスプリングを交換する際に装置全体の取り外しが必要となる従来のものに比べて、効率よく短時間でスプリングの交換作業を行うことができる。
実施形態の上ノックアウト装置の鍛造プレスへの組込状態を示す縦断正面図 図1の右側面図 図1の上ノックアウト装置の動作の説明図 図1の上ノックアウト装置の要部を拡大して示す分解縦断正面図 従来の上ノックアウト装置の鍛造プレスへの組込状態を示す縦断正面図 図5の右側面図 図5の上ノックアウト装置の要部を拡大して示す縦断正面図
以下、図1乃至図4に基づき、本発明の実施形態を説明する。この上ノックアウト装置の基本的な構造および動作は、前述の図5および図6に示した従来の装置(以下、単に「従来装置」と称する。)と同じである。すなわち、この上ノックアウト装置は、図1および図2に示すように、従来装置とそれぞれ同じ機能を有するノックアウトピン3、操作レバー部4aと伝達レバー部4bとからなるピン押下レバー4、運動変換機構10およびレバー押戻し機構20を備えている。そして、スライド2下降時は、レバー押戻し機構20がピン押下レバー4のノックアウトピン押下方向の回動を阻止することにより、ノックアウトピン3がスライド2の下端から突出しない状態で保持され、スライド2上昇時は、図3に示すように、運動変換機構10がレバー押戻し機構20のスプリング21の弾力に抗してピン押下レバー4を回動させることにより、ピン押下レバー4がノックアウトピン3を押し下げ、ノックアウトピン3がスライド2の下端から突出するようになっている。
ここで、運動変換機構10の構成は前述の従来装置と同一である。一方、レバー押戻し機構20の構成は基本的には従来装置と同じであるが、従来装置の構成要素である環状のばね受け部25がピン押下レバー4の本体のうちの伝達レバー部4bと一体に形成されているのに対し、この実施形態では、環状のばね受け部28がピン押下レバー4本体と別体に形成されて本体の伝達レバー部4bに着脱可能に取り付けられており、この点で従来装置と異なっている。
具体的には、図4に示すように、この実施形態のピン押下レバー4本体の伝達レバー部4bには、スプリング21、球面座金23、平座金24およびスプリングロッド22の頭部が通過可能な環状の取付部29が一体に形成されており、取付部29の内周に嵌合するばね受け部28が、その一端に形成されたフランジ部28aを取付部29の一端面に複数の取付ボルト30で固定されるようになっている。
したがって、この上ノックアウト装置では、レバー押戻し機構20のスプリング21が折損した際にも、ピン押下レバー4のばね受け部28を本体側の取付部29に固定している取付ボルト30を緩めるだけで、レバー押戻し機構20全体をスライド2とピン押下レバー4本体の間から取り外すことができる。そして、取り外したレバー押戻し機構20を分解してスプリング21を交換した後、逆の手順でレバー押戻し機構20を組み立ててスライド2とピン押下レバー4本体の間に組み込めばよい。これにより、スプリングを交換する際に装置全体の取り外しが必要となる従来装置に比べて、効率よく短時間でスプリング21の交換作業を行うことができる。
また、レバー押戻し機構20のスプリング21が折損した際に、レバー押戻し機構20全体を予め準備した新しいものに交換するようにすれば、交換作業の時間をさらに短縮することができる。
また、スプリング21はかなり弾力の大きいものが用いられることから、従来装置の組立時には特殊な工具が必要であったが、この上ノックアウト装置では、組立作業の最後にピン押下レバー4本体の取付部29にばね受け部28を固定すればよいので、スプリング21の弾力に影響されることなく、効率よく組立作業を行うことができるという利点もある。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 連結ロッド
2 スライド
3 ノックアウトピン
4 ピン押下レバー
4a 操作レバー部
4b 伝達レバー部
10 運動変換機構
20 レバー押戻し機構
21 スプリング
22 スプリングロッド
28 ばね受け部
29 取付部
30 取付ボルト

Claims (1)

  1. 鍛造プレスのクランク軸の回転に伴う連結ロッドの揺動によって昇降するスライドに、スライドの下端から下方へ突出可能に保持されたノックアウトピンと、前記スライドに回動自在に取り付けられ、前記ノックアウトピンを押し下げるためのピン押下レバーと、前記スライドが上昇するときの連結ロッドの揺動を前記ピン押下レバーのノックアウトピン押下方向の回動に変換する運動変換機構と、前記スライドとピン押下レバーとの間に配されたスプリングの弾力により、前記ピン押下レバーをノックアウトピン押下方向と逆の方向に付勢するレバー押戻し機構とを備え、
    前記スライドが下降するときには、前記レバー押戻し機構がピン押下レバーのノックアウトピン押下方向の回動を阻止することにより、前記ノックアウトピンがスライドの下端から突出しない状態で保持され、前記スライドが上昇するときには、前記運動変換機構がレバー押戻し機構のスプリングの弾力に抗してピン押下レバーを回動させることにより、前記ノックアウトピンがスライドの下端から突出するようにした鍛造プレスの上ノックアウト装置において、
    前記レバー押戻し機構のスプリングは、前記ピン押下レバーに設けられたばね受け部を押圧するように配されており、前記ピン押下レバーのばね受け部がピン押下レバーの本体に着脱可能に取り付けられていることを特徴とする鍛造プレスの上ノックアウト装置。
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