本発明に係る遊技機を実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。
まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1は、パチンコ遊技機を正面から見た正面図である。図2は、主基板における回路構成の一例を示すブロック図である。尚、以下において、図1の手前側をパチンコ遊技機1の前方(前面、正面)側、奥側を背面(後方)側とし、パチンコ遊技機1を前面側から見たときの上下左右方向を基準として説明する。尚、本実施例1におけるパチンコ遊技機1の前面とは、該パチンコ遊技機1にて遊技を行う遊技者と対向する対向面である。
図1は、本実施例1におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(以下、遊技機と略記する場合がある)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレール2bによって囲まれた正面視略円形状の遊技領域10が形成されている。この遊技領域10には、遊技媒体としての遊技球が打球発射装置(図示略)から発射されて打ち込まれる。また、遊技機用枠3には、ガラス窓50aを有するガラス扉枠50が左側辺を中心として回動可能に設けられ、該ガラス扉枠50により遊技領域10を開閉できるようになっており、ガラス扉枠50を閉鎖したときにガラス窓50aを通して遊技領域10を透視できるようになっている。
図1に示すように、遊技盤2は、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、メタクリル樹脂等の透光性を有する合成樹脂材にて正面見略四角形状に形成され、前面である遊技盤面に障害釘(図示略)やガイドレール2b、外レール飾り2D等が設けられた盤面板2Aと、該盤面板の背面側に一体的に取付けられるスペーサ部材2Bと、から主に構成されている。尚、遊技盤2はベニヤ板にて構成されていてもよい。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域10の右側下部位置)には、第1特別図柄表示器4Aと、第2特別図柄表示器4Bとが設けられている。第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、変動表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(変動表示または可変表示ともいう)される。以下では、第1特別図柄表示器4Aにおいて変動表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示器4Bにおいて変動表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
遊技盤2における遊技領域10の中央付近には、パチンコ遊技機1の前後方向に貫通する開口部2cが形成されており、開口部2cには、環状のステージ飾り枠51が嵌合されている。また、遊技盤2の後方には、後述する投影装置400(プロジェクタ)から投影される画像が投影されることによって、演出図柄の変動表示や、この演出図柄の変動表示に応じて実行される各種演出画像等が表示(投影)されるスクリーンユニット300が設けられており、該スクリーンユニット300を開口部2cを通して視認できるようになっている。
スクリーンユニット300の被投影領域では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示器4Aによる第1特図の変動表示や第2特別図柄表示器4Bによる第2特図の変動表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の変動表示部となる演出図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である演出図柄が変動表示される。この演出図柄の変動表示も、変動表示ゲームに含まれる。
このように、スクリーンユニット300の被投影領域では、被投影領域に設定された「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて個々に演出図柄の変動表示が実行され、変動表示が終了するときに、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて、演出図柄の変動表示結果となる確定演出図柄(最終停止図柄)が停止表示される。このように、第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の演出図柄の変動表示を行い、変動表示結果となる確定演出図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。
スクリーンユニット300の被投影領域の下部の左右2箇所には、第1保留記憶表示エリア5D、第2保留記憶表示エリア5Uが設定されている。第1保留記憶表示エリア5D、第2保留記憶表示エリア5Uでは、特図ゲームに対応した変動表示の保留記憶数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。
ここで、特図ゲームに対応した変動表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや演出図柄の変動表示といった変動表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく変動表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、変動表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する変動表示の保留が行われる。
第1特別図柄表示器4A及び第2特別図柄表示器4Bの右方位置には、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示し、第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。
スクリーンユニット300の下方には、普通入賞球装置6Aが設けられ、スクリーンユニット300の右側下方には、普通可変入賞球装置6Bが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の球受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用となるソレノイド81によって、遊技領域10に突出する突出位置となる閉鎖状態と遊技領域10から退避する退避位置となる開放状態とに変化する可動板を有する普通電動役物を備え、始動領域(第2始動領域)としての第2始動入賞口を形成する。
第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第1始動口スイッチ22Aによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。また、第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第2始動口スイッチ22Bによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第2始動条件が成立する。
図1に示すように、普通入賞球装置6Aの右方位置には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図2に示す大入賞口扉用となるソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できない(または通過(進入)しにくい)遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。
大入賞口を通過(進入)した遊技球が図2に示すカウントスイッチ23によって検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。したがって、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1の状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2の状態となる。
第2保留表示器25Bの右方位置には、普通図柄表示器20が設けられている。普通図柄表示器20の右方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、遊技領域10の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取込まれるアウト口が設けられている。遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L,8Rが設けられており、更に遊技領域10の周辺部には、演出用LED9が設けられている。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域10に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。
遊技領域10の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、発射装置(図示略)へと供給可能に保持(貯留)する上皿90(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿90から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿91が設けられている。上皿90を形成する部材に設けられたプッシュボタン31Bに対してなされた押下動作はプッシュセンサ35Bにて検出される。
次に、パチンコ遊技機1の回路構成について説明する。パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、LED制御基板14、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15、払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の変動表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の変動表示を制御することといった、所定の表示図柄の変動表示を制御する機能も備えている。また、主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100や、スイッチ回路110、ソレノイド回路111などが搭載されている。
図2に示すように、主基板11には、通過ゲート41を通過した遊技球を検出するゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23からの検出信号を伝送する配線が接続されている。また、第1特別図柄表示器4A、第2特別図柄表示器4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば、演出図柄の変動時間及びリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを示す変動パターン指定コマンド等が含まれている。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM101(ReadOnlyMemory101)と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM102(RandomAccessMemory102)と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU103(CentralProcessingUnit103)と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O105(Input/Outputport105)と、を備えて構成される。一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。
図2に示すように、演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、投影装置400、スピーカ8L,8R、演出用LED9といった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路や、スティックコントローラ31A、プッシュボタン31Bといった電気部品の動作を検出するための各種回路が搭載されている。
演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、投影装置400における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。また、ROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。
尚、本実施例1の投影装置400は、演出制御基板12の演出制御用CPU120により制御される。この演出制御用CPU120は、所定のプロセステーブルに基づいて投影装置400を含む各種装置類を制御して演出を実行するようにしている。そして、このプロセステーブルには、各種装置類を制御するためのプロセスデータ(投影装置400の表示制御を行うための表示制御実行データ、投影装置400の投影制御を行うための投影制御実行データの駆動制御を行うための駆動制御実行データ、スピーカ8L,8Rの音出力制御を行うための音出力制御実行データ等)が設定されている。
尚、本実施例1では、ROM121に記憶された画像として、スクリーンユニット300において、投影対象となる各部位に対応付けられた画像、つまりプロジェクションマッピング技術により作成された画像を用いている。特に図示しないが、スクリーンユニット300が有するスクリーン301の前面には凹凸部(例えば、図7参照)が形成されており、投影装置400は、スクリーン301の凹凸部の形状に対応して作成された画像(いわゆるプロジェクションマッピング画像)を投影することが可能になっている。
本実施例1では、スクリーンユニット300に合せて予めマッピングして画像を作成しておき、その画像データをROM121に記憶しておき、表示制御部123がROM121に記憶された画像データを読み出して、投影装置400を用いて出力するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、スクリーン301の形状に対応したマッピング済みの画像を予め作成しておくものでなくても良い。例えば、スクリーン301の形状に対応していない画像データと、スクリーン301の形状に合致させて画像をマッピングするための領域(座標)が記述されたマッピング用データをROM121に記憶しておき、表示制御部123がROM121に記憶された画像データとスクリーンに応じたマッピング用データとを読み出すとともに、その読み出した画像データをスクリーン301の形状に対応するようにリアルタイムにてマッピングして、このマッピングした画像をスクリーン301に投影装置400を用いて投影するようにしても良い。
また、投影装置400の投影部401(レンズ)からスクリーンユニット300までの焦点距離が予め設定されたおり、投影装置400は、設定された焦点距離に応じて画像を投影するようにしている。
次に、パチンコ遊技機1における遊技の進行を概略的に説明する。パチンコ遊技機1では、遊技領域10に設けられた通過ゲート41を遊技球が通過したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。普通図柄の変動を開始させた後、普図変動時間となる所定時間が経過し、普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の変動表示結果が「普図はずれ」となる。特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となり、普通可変入賞球装置6Bの可動板が遊技領域10から退避する開放制御が行われ、所定時間が経過すると遊技領域10に突出する閉鎖位置に戻る通常開放制御が行われる。
遊技球が第1始動入賞口に入賞したことなどにより第1始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示器4Aによる特図ゲームが開始される。また、遊技球が第2始動入賞口に入賞したことなどにより第2始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示器4Bによる特図ゲームが開始される。
特図ゲームでは、特別図柄の変動表示を開始させた後、変動表示時間が経過すると確定特別図柄(特図表示結果)を導出表示する。このとき、特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄とは異なる特別図柄が停止表示されれば「はずれ」となる。特図ゲームでの変動表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利なラウンド(「ラウンド遊技」ともいう)を所定回数実行する特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。
大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉が、所定の上限時間(例えば29秒間や0.1秒間)が経過するまでの期間あるいは所定個数(例えば9個)の入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を開放状態とする。これにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1の状態(開放状態)とするラウンドが実行される。
ラウンドの実行中に大入賞口を開放状態とした大入賞口扉は、遊技盤2の表面を落下する遊技球を受け止め、その後に大入賞口を閉鎖状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって不利な第2の状態(閉鎖状態)に変化させて、1回のラウンドを終了させる。大入賞口の開放サイクルであるラウンドは、その実行回数が所定の上限回数(例えば「16」など)に達するまで、繰り返し実行可能となっている。
スクリーンユニット300の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rでは、特図ゲームが開始されることに対応して、演出図柄の変動表示が開始される。そして、演出図柄の変動表示が開始されてから変動表示が終了するまでの期間では、演出図柄の変動表示状態が所定のリーチ状態となることがある。リーチ状態とは、スクリーンユニット300の被投影領域301Aにて停止表示された演出図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない演出図柄については変動が継続している表示状態、あるいは、全部または一部の演出図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、複数種類の大当り組合せのうち、所定の通常大当り組合せ(「非確変大当り組合せ」ともいう)となる確定演出図柄が停止表示され、変動表示結果が「非確変大当り」となった場合は大当り状態に制御され、その終了後には、時間短縮制御(時短制御)が行われる。時短制御が行われることにより、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示時間(特図変動時間)は、通常状態に比べて短縮される。尚、時短制御では、普通図柄の当選頻度が高められて、普通可変入賞球装置6Bへの入賞頻度が高められる、いわゆる電チューサポートが実施される。時短制御は、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されることと、変動表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに、終了すればよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、複数種類の大当り組合せのうち、所定の確変大当り組合せ(「確変大当り組合せ」ともいう)となる確定演出図柄が停止表示され、変動表示結果が「確変大当り」となった場合は大当り状態に制御され、その終了後には、時短制御とともに確率変動制御(確変制御)が行われる。この確変制御が行われることにより、各回の特図ゲームにおいて変動表示結果が「大当り」となる確率は、通常状態に比べて高くなるように向上する。確変制御は、大当り遊技状態の終了後に変動表示結果が「大当り」となって再び大当り遊技状態に制御されるという条件が成立したとき、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば時短回数と同じ100回)の特図ゲームが実行されたとき、大当り遊技状態の終了後に特図ゲームが開始されるごとに実行される確変転落抽選にて確変制御を終了させる「確変転落あり」の決定がなされたとき、などに終了すればよい。
時短制御が行われるときには、普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、変動表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動板の移動制御を行う移動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その移動回数を通常状態のときよりも増加させる制御といった、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすくして第2始動条件が成立する可能性を高めることで遊技者にとって有利となる制御(電チューサポート制御、高開放制御)が行われる。これにより、第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立しやすくなり、特図ゲームが頻繁に実行可能となることで、次に変動表示結果が「大当り」となるまでの時間が短縮される。
次に、本実施例1におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理において遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、スイッチ処理、メイン側エラー処理、情報出力処理、遊技用乱数更新処理、特別図柄プロセス処理、普通図柄プロセス処理、コマンド制御処理を実行する。
特別図柄プロセス処理では、遊技制御フラグ設定部(図示略)に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bにおける表示動作の制御や、特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために各種の処理が選択されて実行される。
特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、第1始動入賞や第2始動入賞があったか否かを判定し、入賞があった場合には、特図表示結果判定用、大当り種別判定用、変動パターン判定用などの乱数値をそれぞれ抽出して、第1特図保留記憶部や第2特図保留記憶部における空きエントリの最上位に格納(記憶)する始動入賞処理を実行する。
また、CPU103は、第1特図保留記憶部や第2特図保留記憶部に記憶されている保留データの有無などに基づいて特図ゲームを開始するか否かの判定や、特図表示結果判定用の乱数値を示す数値データに基づき、特別図柄や演出図柄の変動表示結果を「大当り」とするか否かを、その変動表示結果が導出表示される前に決定(事前決定)する特別図柄通常処理を実行する。つまり、CPU103は、特図ゲームの変動表示を開始するときに、始動入賞が発生したときに記憶した乱数値に基づいて、当該変動表示の表示結果として大当り表示結果を導出表示するか否かを決定(抽選)する処理を実行する。
次いで、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する変動パターン設定処理、特別図柄を変動させるための設定や特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理を行う特別図柄変動処理、特別図柄の変動を停止させて確定特別図柄を停止表示(導出)させるための設定を行う特別図柄停止処理を行う。また、変動表示結果が「大当り」となった場合は、大当り遊技状態において大入賞口を開閉させる処理を行う大当り開放前処理、大当り開放中処理、大当り開放後処理、大当り終了処理を行う。
次に、演出制御基板12の動作を説明する。先ず、演出制御用CPU120は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理においてタイマ割込が発生すると、コマンド解析処理、演出制御プロセス処理、演出用乱数更新処理を実行する。
演出制御プロセス処理では、スクリーンユニット300の第1保留記憶表示エリア5D及び第2保留記憶表示エリア5Uでの保留記憶表示を、保留記憶バッファの記憶内容に応じた表示に更新する保留表示更新処理を実行する。次いで、演出制御プロセスフラグの値に応じて、遊技制御用マイクロコンピュータ100から変動パターン指定コマンドを受信しているか否か確認する変動パターン指定コマンド受信待ち処理、演出図柄の変動が開始されるように制御する演出図柄変動開始処理、演出図柄変動開始処理にてセットされたプロセスデータに応じて変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等の制御や変動時間の終了を監視するとともに、投影装置400の表示制御、スピーカ8L,8Rからの音出力、演出用LED9の発光及び図示しない演出ユニット等の駆動制御等を行う演出図柄変動中処理、演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う演出図柄変動停止処理を行う。
大当り表示処理においては、変動時間の終了後、スクリーンユニット300の被投影領域301Aに大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。大当り遊技中処理においては、大当り遊技中の制御を行う。大当り終了演出処理においては、スクリーンユニット300の被投影領域301Aに大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知するための画面を表示する制御を行う。
このように演出制御用CPU120は、遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信された演出制御コマンド(制御情報)に基づいて、演出図柄の変動表示制御や予告演出といった遊技に関連する各種演出を実行可能とされている。
尚、演出制御用CPU120が演出図柄の変動表示中において実行する予告演出としては、例えば、大当りの可能性を示唆する大当り予告演出や、リーチになるか否かを示唆するリーチ予告、停止図柄を予告する停止図柄予告、遊技状態が確率変動状態であるか否か(潜伏しているか否か)を予告する潜伏予告といったように、変動表示開始時やリーチ成立時において実行される複数の予告を含む。
次に、図3及び図4に基づいて、パチンコ遊技機1を設置するための遊技島について説明する。図3は、遊技島を示す正面図である。図4は、遊技島の内部構造を示す側断面図である。尚、以下の説明において、説明の便宜上、図3の手前側を遊技島、遊技機、カードユニット、ユーティリティーユニットの前側、左右方向を左右側として説明する。つまり、遊技島の外側を遊技機の前側、内側を遊技機の後側(背面側)として説明する。
図3及び図4に示すように、本発明の実施例1としての遊技島501(遊技機設置島とも言う)は、例えば、遊技店(図示略)内に複数配設されている。遊技島501は、パチンコ遊技機1を左右方向に向けて複数設置可能に横長に構成され、その長手方向に延びる2つの立壁には、パチンコ遊技機1が設置される設置空間部SF,SBが長手方向に向けて形成されている。
尚、本実施例1のパチンコ遊技機1は、遊技島501の内部に設けられた供給樋540から遊技球の供給を受け、遊技の結果として払出した遊技球をパチンコ遊技機1の前側から排出可能であるとともに、遊技に使用された遊技球を該パチンコ遊技機1の背面側から排出可能とされている。
各パチンコ遊技機1の左側方には、遊技者に対し遊技球の貸出を行うためのカードユニット506がパチンコ遊技機1と近接して配置されている。更に、各カードユニット506の左側方には、分煙装置、空気清浄器、灰皿等が設けられたユーティリティーユニット507がカードユニット506と近接して配置されている。また、各パチンコ遊技機1の右側方には、隣り合うパチンコ遊技機1の間に所定のスペースを確保するためのスペーサ508が配置されている。つまり、本実施例1における遊技島501においては、各パチンコ遊技機1に1対1に対応して、カードユニット506、ユーティリティーユニット507及びスペーサ508が各々配設されている。
遊技島501は、床面Y上に設置されフレーム部材からなる躯体515の周面に腰板512F,512B、膳板513、設置板513a、幕板550及び遊技島501の長手方向の両端部の側板が取付けられることにより立壁が構成され、これら腰板512F,512B、膳板513、設置板513a、幕板550及び側板からなる立壁と上壁と床面Yとにより覆われた内部空間には、パチンコ遊技機1の関連設備等が配設される。
躯体515の上部には、遊技店員を呼出す呼出しスイッチ(図示略)を備えた呼出しランプ520が配置された幕板550が上辺を中心として開閉可能に取付けられている。この呼出しランプ520は、各パチンコ遊技機1に1対1に対応して設けられている。躯体515の下部には、木製の腰板512F,512B及びその上方に固定される設置板513aが取付けられるようになっており、該設置板513aの上面、つまり設置空間部SF,SBには、複数のパチンコ遊技機1が設置板513aの長手方向に沿って設置されるとともに、設置された各パチンコ遊技機1に対応してカードユニット506、ユーティリティーユニット507及びスペーサ508が設置される。
また、遊技島501の内部空間には、各パチンコ遊技機1に遊技球を補給するための補給通路を構成する供給樋540や補給シュート541及び各パチンコ遊技機1から排出された遊技に使用された遊技球を回収搬送する回収通路(図示略)が遊技島501の長手方向に向けて設置されている。回収通路(図示略)により回収された遊技球は、遊技島501の内部に設けられた揚送装置521及び揚送経路522を介して遊技球を貯留する上部タンク523まで搬送される。つまり、これら上部タンク523、供給樋540、補給シュート541、パチンコ遊技機1、回収通路(図示略)、揚送装置521及び揚送経路522は遊技球の循環経路を構成している。
尚、供給樋540は、ステンレス製の板材にて形成され、遊技島501内におけるパチンコ遊技機1よりも上方位置において遊技球を遊技島501の長手方向に向けて流下可能に設けられており、遊技球を各パチンコ遊技機1へ流下により供給可能なように常に遊技球が滞留されている。
また、パチンコ遊技機1は、前面を遊技島501の外側、つまり、遊技者側に向けた状態で設置空間部SF,SBの所定位置に配置した状態で、後述する木製の外枠200から木製の設置板513aと設置板514に釘を打ち込むことにより固定される。
次に、図5〜図8に基づいて、パチンコ遊技機1の構造について説明する。図5は、パチンコ遊技機の構成を示す斜視図である。図6は、パチンコ遊技機を示す背面図である。図7は、遊技盤とガラス扉枠の構成を示す分解斜視図である。図8は、図1のA−A断面図である。
図5〜図8に示すように、パチンコ遊技機1は、四角枠状に形成される外枠200と、外枠200に対し左側辺を中心として回動可能に支持された遊技機用枠3と、遊技機用枠3に対し左側辺を中心として回動可能に支持されたガラス扉枠50と、から主に構成され、外枠200を介して遊技島501に固定されている。
遊技機用枠3は、外枠200の左側辺を中心として、該外枠200の開口を閉鎖する閉鎖位置と開口を開放する開放位置との間で外枠200に回動可能に支持されており、遊技機用枠3を開放位置まで開放することで、外枠200を介して遊技島501の内部と外部とが連通する。また、ガラス扉枠50は、遊技機用枠3の左側辺を中心として該遊技機用枠3の前面を閉鎖する閉鎖位置と開口を開放する開放位置との間で遊技機用枠3に回動可能に支持されている。
遊技機用枠3には開口部160が形成されており、該開口部160を閉鎖するように遊技盤2を前方から着脱可能に取付けできるようになっている。遊技機用枠3に遊技盤2を取付けた状態でガラス扉枠50を閉鎖位置とすると、ガラス窓50aを通して遊技盤2に形成された遊技領域10及びスクリーンユニット300を透視できるようになっている。
パチンコ遊技機1の背面側、つまり、遊技機用枠3の背面上部には、遊技島501の供給樋540から補給シュート541を介して供給される遊技球を受ける球タンク150が設けられている。この球タンク150に供給された遊技球は、補給通路を流下して左側の払出装置に供給される。この払出装置から払い出された遊技球は、パチンコ遊技機1の前面に設けられた上皿90に誘導される。
遊技盤2の背面には、スクリーンユニット300、投影装置400及び演出用可動物(図示略)等が組付けられたカバー体220が取付けられている。カバー体220は、外部からの光の入射を遮ることができる遮光性部材により前面が開口する略箱状に形成され、遊技盤2の背面略全域を覆うように取付けられる。また、遊技盤2が遊技機用枠3に取付けられたときに開口部160を介して遊技機用枠3の背面側に突出するようになっている。
カバー体220の背面には、主基板11が収納された主基板ケース11Aと、演出制御基板12が収納された演出基板ケース12Aと、遊技球の払出しに係わる制御を行う払出制御基板が収納された払出制御基板ケースと、パチンコ遊技機1に電力を供給するための電源基板(図示略)が収納された電源基板ケース(図示略)と、が設けられている。
遊技盤2とカバー体220との間には、前述した投影装置400と、投影装置400から投影される映像を下後方に配置されるスクリーン301に向けて反射する反射板402と、スクリーンユニット300と、後述する取込部600から取込んだ空気を投影装置400へ誘導する第1エアダクト610、第2エアダクト620、第3エアダクト630、第4エアダクト640及び取込部600から空気を取込むためのファンユニット650とからなるエアダクト605が設けられている。
スクリーンユニット300は、カバー体220に固定される支持体302と、支持体302に支持されるスクリーン301と、により構成される。尚、本実施例1では、支持体302はカバー体220に固定されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、支持体302は遊技盤2のスペーサ部材2Bに固定されていてもよいし、カバー体220とスペーサ部材2Bとの双方に固定されていてもよい。
投影装置400は、支持体302の上部に、映像(光)を前方の反射板402へ向けて投影できるように投影部401を前向きにした状態で固定されている。また、投影装置400の筐体400Aの右側面には、ファンユニット650から供給される空気を取込む複数の吸気孔からなる吸気部410が設けられ、筐体400Aの左側面には、筐体400A内部の空気を排出する複数の排出孔からなる排気部411が設けられている。
尚、本実施例1では、投影装置400は支持体302の上部に固定されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、投影装置400はカバー体220または遊技盤2のスペーサ部材2Bに固定されていてもよいし、支持体302、カバー体220及びスペーサ部材2Bのうち少なくとも2つに固定されていてもよい。
また、反射板402は、特に図示しないが支持体302に固定されている。よって、これら投影装置400、反射板402及びスクリーンユニット300は一体化された状態でカバー体220または遊技盤2のスペーサ部材2Bのうち少なくとも1つに固定されているため、投影装置400と反射板402とスクリーン301とが位置ずれしにくいようになっている。
図7及び図8に示すように、遊技盤2の盤面板2Aにおける開口部2cの上部位置には、例えば、機種名やタイトルなどのロゴが表示された演出パネル310が配置されており、反射板402は、演出パネル310の背面側に重畳するように配置されている。演出パネル310は、内蔵された発光体により前面は発光するものの背面は非透光性部材にて構成されており、遊技者から反射板402を視認することが困難とされているため、目立つことがない。
尚、本実施例1では、反射板402の前方に演出パネル310を配置することで反射板402の少なくとも一部が遊技者側から視認困難とされていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、反射板402の前面に装飾を施すなどして演出部として遊技者から視認可能に設けてもよい。あるいは、演出パネル310の背面に反射部を設けて反射板を兼ねるようにしてもよい。
図8に示すように、カバー体220は、遊技盤2の背面を覆うように取付けられ、遊技盤2が遊技機用枠3に取付けられた状態において、遊技機用枠3や外枠200より一部が背面側に突出するように形成されている。よって、遊技機用枠3の前面がガラス扉枠50により閉鎖されると、スペーサ部材2Bとカバー体220とにより囲まれた空間S1と盤面板2Aとガラス窓50aとにより囲まれた空間S2(遊技領域10)とが開口部2cを介して連通して一の空間が形成される。
投影装置400は、遊技盤2とカバー体220とにより囲まれた空間における上部背面側に配置され、その下方にはスクリーン301が配置されている。また、反射板402は、盤面板2Aに形成された開口部2cを介して少なくとも一部が盤面板2Aの前面よりも前側に突出するように配置されている。よって、反射板402を投影部401やスクリーン301から極力離れた位置に配置することができるため、スクリーン301の被投影領域301Aを大きくすることができる。
また、投影装置400は、演出図柄の変動表示を行うため常時電源がオン状態とされるものであるため、ランプハウジングや筐体400Aが高温になりやすいため、内蔵されたファン(図示略)等により内部の熱気を後述する排気部411から強制的に排気できるようになっている。よって、カバー体220の背面における投影装置400に対応する位置に放熱用開口230が形成されていることで、投影装置400から排出された熱気が外部へ排出されるようになっている。尚、放熱用開口230は、図6及び図8に示すように、回路基板である主基板11が収納された主基板ケース11Aや演出制御基板12が収納された演出基板ケース12Aよりも上方位置に設けられており、放熱用開口230から排出された熱気は上昇するため、主基板11や演出制御基板12の制御回路が排出された熱気により温度上昇しないようにしている。
図3、図4及び図8に示すように、遊技島501の立壁の一部を開放するように形成された設置空間部SF,SBに複数のパチンコ遊技機1が設置されることで、設置空間部SF,SBはパチンコ遊技機1により閉鎖され、遊技島501の内部と外部とが区画される。すなわち、遊技島501の内部も外部から閉ざされた空間とされている。
そして特に図8に示すように、設置空間部SF,SBにパチンコ遊技機1が設置された状態において、ガラス扉枠50の表面部(例えば、ガラス扉枠50の前面部、上面部、左右側面部及び下面部とガラス窓50aの前面部等を含む)は遊技島501の外側に面し、ガラス扉枠50の裏面(背面)側、つまり、パチンコ遊技機1の内側は遊技島501の内側に面することになる。すなわち、投影装置400が設けられた空間S1は、ガラス扉枠50の裏面側、つまり、パチンコ遊技機1の内側に位置しており、放熱用開口230を介して遊技島501の内部に連通している。
空間S1の熱気は、放熱用開口230から遊技島501内部へ排気されるものの、投影装置400、パチンコ遊技機1に設けられた各種装置や電子部品から放出される熱気が滞留しやすいため、投影装置400も高温になりやすい。そこで、空気により強制的に冷却することが考えられるが、空間S1の温度は比較的高く、また、遊技島501の内部も、複数のパチンコ遊技機1、揚送装置521や他の各種装置から放出される熱気により比較的高温であるため、好適に冷却するには限界がある。
そこで本実施例1では、遊技島501の外部、つまり、遊技店内は空調機により温度調整されていることで、遊技島501の内部に比べて温度が低いため、パチンコ遊技機1に設けた取込部600から取込んだ遊技島501の外部の空気により投影装置400を強制的に冷却できるようになっている。
ここで、投影装置400を冷却するための空気の取込構造について、図9〜図11に基づいて説明する。図9は、(A)はガラス扉枠の背面右上部を示す斜視図、(B)は遊技盤の前面右上部を示す斜視図である。図10は、図1のB−B断面図である。図11は、(A)はガラス扉枠が閉鎖位置にある状態におけるエアダクト605を示す横断面図、(B)はガラス扉枠が開放位置にある状態におけるエアダクト605を示す横断面図である。
図9(A)、図10及び図11に示すように、ガラス扉枠50の上面50Hの右側には、空気の取込部600が設けられている。取込部600は、前後方向に延びる複数の長孔600Aが左右方向に並設されてなり、一の大きな孔部にて構成する場合に比べて異物等が進入し難くなっている。また、ガラス扉枠50の上面50Hに遊技者の荷物等が載置されることで一部の長孔600Aが塞がっても、他の長孔600Aから空気を取込むことができる。ガラス扉枠50の内部には、取込部600から下方に向けて第1エアダクト610が設けられている。ガラス扉枠50の背面50Bにおけるガラス窓50aの右上位置には、第1エアダクト610の下部に連通する横長長方形状の第1連通口611が形成されている。
一方、図9(B)、図10及び図11に示すように、遊技盤2の盤面板2Aにおける右側角部には前後に貫通する貫通孔622が形成されており、該貫通孔622には前後方向に延びる第2エアダクト620が設けられている。第2エアダクト620の前部は上方に屈曲しており、その前端には第2連通口621が形成されている。第2連通口621は、ガラス扉枠50側の第1連通口611に対応する位置に配置されている。
第2エアダクト620における第2連通口621の左右にはネジ穴621Aと位置決め突部621Bとがそれぞれ形成されている。また、第2連通口621の近傍からは下方に向けて取付片628が延設されており、盤面板2Aの前面に取付けられる外レール飾り2Dの上部にネジにより取付けられている。
第2連通口621には、フィルタ部材626とフィルタ押え627とがネジN1により取付けられる。詳しくは、フィルタ部材626は、枠部材626Aと、該枠部材626Aの開口を閉鎖するように設けられたフィルタ626Bと、ネジN1の取付孔626Cと、位置決め孔626Dと、を有する。フィルタ626Bは、ゴミや埃等の異物や煙草の煙に含まれるヤニ等の所定成分を捕捉可能な不織布、メッシュシート、網等で構成される。フィルタ押え627は、枠状に形成され、ネジN1の取付孔627Aと、位置決め孔627Bと、を有する。
フィルタ押え627の背面側にフィルタ部材626を配置し、取付孔627A、取付孔626CにネジN1を背面側から取付け、位置決め孔627B、位置決め孔626Dを位置決め突部621Bに挿入して位置決めした状態でネジN1をネジ穴621Aに螺入することで、第2エアダクト620にフィルタ押え627を介してフィルタ部材626が取付けられ、第2連通口621がフィルタ626Bにより覆われる。
よって、ガラス扉枠50により遊技機用枠3の前面が閉鎖されることで、ガラス扉枠50の背面50Bにおける第1連通口611の周囲がフィルタ押え627の前面に当接し、第1連通口611及び第2連通口621を介して第1エアダクト610と第2エアダクト620とが連通する。一方、ガラス扉枠50が開放位置へ向けて回動して遊技機用枠3の前面が開放されることで、第1連通口611と第2連通口621とが離れて第1エアダクト610と第2エアダクト620とが分断されるようになっている。尚、フィルタ押え627は、例えば、軟質性を有する合成樹脂材またはゴム材にて構成されているので、ガラス扉枠50により遊技機用枠3が閉鎖されたときにガラス扉枠50の背面における第1連通口611の周囲にフィルタ押え627の前面が圧接されることで、空気の漏れが好適に防止される。
図10及び図11に示すように、第2エアダクト620の後端は、スペーサ部材2Bにおける貫通孔622に対応する位置に形成された凹部623に挿入されている。一方、スペーサ部材2Bの背面における凹部623に対応する位置には凹部625が形成されており、該凹部625には第3エアダクト630の前端が嵌合されている。そしてこれら凹部623と凹部625とを貫通するように貫通孔624が形成されていることで、該貫通孔624を介して第2エアダクト620と第3エアダクト630とが連通している。
尚、第2エアダクト620は、盤面板2Aに取付けられた外レール飾り2Dに取付けられているため、遊技盤2に一体化されているのに対し、第3エアダクト630及び第4エアダクト640とファンユニット650は、特に図示しないがカバー体220に取付けられているため、遊技盤2に対し離脱可能に設けられている。よって、遊技盤2からカバー体220を取外すことで、カバー体220とともに第3エアダクト630を遊技盤2から離脱させることができる。
第3エアダクト630と第4エアダクト640との間にはファンユニット650が設けられている。また、第4エアダクト640の後端は、投影装置400の筐体400Aの右側面に形成された吸気部410を覆うように設けられている。よって、ダクト内に設けられたファン650Aを回転させることで、上流の取込部600側から下流の第4エアダクト640側へ向けて空気が流動するため、遊技島501の外部の空気を取込部600から吸引して投影装置400へ供給することが可能となる。
また、取込部600と投影装置400の吸気部410とは、第1エアダクト610、第2エアダクト620、第3エアダクト630、ファンユニット650及び第4エアダクト640からなる空気の取込経路であるエアダクト605を介して連通していることで、取込部600から取込んだ遊技島501の外部の冷たい空気を、パチンコ遊技機1の内部に触れさせることなく吸気部410へ送り込むことができる。
また、エアダクト605は、取込部600側から投影装置400へ向けて漸次幅広となるように設けられている。また、エアダクト605は、取込部600から取込まれた空気を下方に誘導した後、後方へ向けて左側に誘導して投影装置400へ供給する、つまり、上下左右方向に蛇行する経路とされているとともに、ガラス扉枠50の裏面側から空間S1、S2内部に向けて延設されていることで、取込部600から不正に進入させた針金等の異物をカバー体220の背面側に設けられた主基板11や演出制御基板12まで到達させることが困難とされているため、不正行為を抑制できる。
また、エアダクト605は、遊技盤2の前側の取込部600から遊技盤2の後側の投影装置400へ向けて延設されることで、遊技盤2に形成された貫通孔622,624を挿通しているが、これら貫通孔622,624や第2連通口621は、遊技盤2における遊技領域10の外側に設けられていることで、遊技に支障をきたすことがない。また、ガラス扉枠50により遊技盤2の前面が閉鎖された状態において、ガラス扉枠50の枠状部の背面に位置し、ガラス窓50aを介して遊技者から視認不能となるため、エアダクト605が目立つことがない。
また、エアダクト605は、ガラス扉枠50側に設けられる第1エアダクト610からなる第1取込経路と、遊技機用枠3側に設けられる第2エアダクト620、第3エアダクト630、ファンユニット650及び第4エアダクト640からなる第2取込経路とを有し、ガラス扉枠50を閉鎖することにより第1取込経路と第2取込経路とが連通するようになっているので、取込部600やエアダクト605の一部がガラス扉枠50側に設けられていても、ガラス扉枠50の開閉に支障をきたすことがない。
また、第1取込経路の第1連通口611と連通する第2連通口621にフィルタ626Bを有するフィルタ部材626が設けられているため、ガラス扉枠50の裏面側にある投影装置400内にゴミなどの異物が進入することを抑制できるとともに、ガラス扉枠50を開放することで、遊技者側にフィルタ部材626が露呈するので、フィルタ626Bのメンテナンス(例えば、フィルタ626Bに付着したゴミ等の掃除や、フィルタ部材626の交換作業など)を容易に行うことができる。
尚、本実施例1では、フィルタ部材626は第2連通口621に取付けられていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、フィルタ部材626は第1連通口611に取付けてもよいが、第1連通口611に取付けた場合はガラス扉枠50が回動するのに対し、第2連通口621に取付けた場合は遊技機用枠3が回動せず安定しているためメンテナンスの作業性が向上する。また、このような異物進入防止手段は、第1連通口611だけでなく、第2連通口621あるいは他の場所(例えば、エアダクト605の取込部600や他の位置や投影装置400の吸気部410など)に設けられていてもよい。さらに、複数個所に設けられていてもよい。
本実施例1の投影装置400は、装置の内部温度が第1温度(例えば、70度)に達したときに駆動が強制終了するものであり、投影装置400が第1温度よりも低い第2温度(例えば、40〜65度)に達したときにエラー処理(例えば、エラー音の出力、エラー表示など)を行うようになっているとともに、この第2温度を使用者が変更可能な機能を有している。よって、使用環境に応じた第2温度を使用者側で設定することができるため、駆動の強制終了を未然に防ぐための対策を施しやすくなる。
また、演出制御用CPU120は、例えば、投影装置400とは別個に設けた温度検知手段(図示略)から出力される信号の受信または投影装置400から出力される信号の受信に基づいて投影装置400の内部温度を監視しており、内部温度が第3温度に到達したときにファン650Aを回転させて投影装置400を冷却するため、投影装置400の温度上昇を抑制することができる。また、ファン650Aの駆動は、所定の終了条件(例えば、内部温度が第3温度未満となったこと、ファン650Aの駆動を開始してから所定期間が経過したことなど)が成立したことで停止する。尚、この場合、第3温度を第2温度と同一にしてもよいし、異なる温度としてもよい。
また、本実施例1では、投影装置400の内部温度が第3温度に到達したときに演出制御用CPU120がファン650Aを回転させて投影装置400を冷却するようになっていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、演出制御用CPU120は、投影装置400の内部温度に関わらずファン650Aを常時または所定パターンで駆動するようにしてもよいし、あるいは、空間S1の内部温度に基づいて駆動させるようにしてもよい。
以上説明したように、本発明の実施例1としてのパチンコ遊技機1にあっては、パチンコ遊技機1を設置可能な遊技島501に設置した状態において該遊技島501の外側に面する表面部(例えば、ガラス扉枠50の上面50H)と、映像が投影される被投影部材としてのスクリーン301と、スクリーン301に映像を投影する投影手段としての投影装置400と、を備え、ガラス扉枠50の上面50Hには、投影装置400を冷却するために遊技島501の外側から空気を取込むための取込部600が設けられていることで、遊技島501の外側の冷たい空気を取込部600から取込むことができるため、投影装置400により高温になりやすいガラス扉枠50の内側、つまり、パチンコ遊技機1の内部に設けられた投影装置400を好適に冷却することができる。
また、取込部600は遊技盤2の前側に設けられ、投影装置400が遊技盤2の後側に配設されているが、取込部600と投影装置400とは遊技盤2を貫通するエアダクト605(取込経路)により連通されていることで、取込部600から取込んだ空気を空間S1,S2内の空気に触れさせずに投影装置400へ供給できるため、投影装置400を好適に冷却することができるとともに、取込部600に進入させた異物を空間S1におけるエアダクト605外へ進入させることを困難とすることができる。
尚、本実施例では、エアダクト605は遊技盤2を貫通するように設けられていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、取込部600から遊技盤2を迂回して背面側の投影装置400へ延設されていてもよい。
また、取込部600は、ガラス扉枠50の上部である上面50Hに設けられていることで、遊技者から見え難くなり目立たない場所にあるので、ゴミやジュース等の液体を進入させるといったいたずら等を抑制できる。尚、上面50Hでなくても、例えば、ガラス扉枠50の前面に形成された凸部の周面に形成されていれば目立たなくなる。
また、本実施例では、上下方向に延びる第1エアダクト610に対し前後方向に延びる第2エアダクト620が側面視略L字形に連結されているため、取込部600からゴミやジュース等の液体を進入された場合でも投影装置400までゴミや液体が進入し難くなっている。さらに、例えば、第1エアダクト610の下面に液体を貯留可能な空間等を設けることで、空気を漏らさずに液体の第2エアダクト620への進入を抑制することができる。
また、ガラス扉枠50の裏面側に配置され該ガラス扉枠50を開閉可能に支持する遊技機用枠3と、ガラス扉枠50の裏面側に配置され取込部600から空気を取込むための取込手段としてのファンユニット650)と、取込部600から取込まれた空気をファンユニット650まで誘導する取込経路としてのエアダクト605に設けられる異物進入防止手段としてのフィルタ626Bと、を備え、エアダクト605は、ガラス扉枠50側に設けられる第1取込経路としての第1エアダクト610と遊技機用枠3側に設けられる第2取込経路としての第2エアダクト620、第3エアダクト630及び第4エアダクト640とを有し、ガラス扉枠50を開放することにより第1エアダクト610と第2エアダクト620、第3エアダクト630及び第4エアダクト640との連通が解除されるものであり、フィルタ626Bは、第2エアダクト620における第1エアダクト610との連通部である第1連通口611と連通する第2連通口621に設けられている。
これによれば、ガラス扉枠50の裏面側にゴミなどの異物が進入することを抑制できるとともに、ガラス扉枠50を開放することでフィルタ626Bのメンテナンス(例えば、表面についたゴミや塵を除去したりフィルタ部材626を交換する作業等を容易に行うことができる。
また、第1取込経路と第2取込経路との連通部である第1連通口611及び第2連通口621は、遊技盤2における遊技領域10外に設けられ、かつ、ガラス窓50aから視認できない位置に設けられているため、ガラス扉枠50を閉鎖したときに連通部が遊技者から目立たないため、不正行為を抑制できる。
また、ガラス扉枠50の裏面側、つまり、空間S1の空気を遊技島501の内部に排出可能であり、遊技島501の内部に排出する際に、放熱用開口230から、パチンコ遊技機1に設けられた主基板11や演出制御基板12とは異なる上方向へ排出することで、主基板11や演出制御基板12が排出した空気の熱により動作異常(例えば、熱暴走など)を起こすことを抑制できる。
また、遊技島501の内部には、設置されたパチンコ遊技機1に遊技球を供給するための供給経路の一部である供給樋540がパチンコ遊技機1の上方に設けられ(図4参照)、空間S1の空気を遊技島501の内部に排出可能であり、遊技島501の内部に排出する際に、放熱用開口230から上方向、つまり、上方の供給樋540へ向けて排出することで、排出した空気の熱を利用して供給樋540を温めることができるため、該供給樋540の遊技球が結露することを好適に抑制することができる。
また、投影装置400の制御部(図示略)は、投影装置400が第1温度(例えば、70度)に達したときに駆動が強制終了するものであり、投影装置400が前記第1温度よりも低い第2温度(例えば、40〜65度)に達したときにエラー処理を行うようになっており、この第2温度を使用者が変更可能な機能を有していることで、使用環境に応じた第2温度を使用者側で設定することができるため、駆動の強制終了を未然に防ぐための対策を施しやすくなる。
次に、本発明の変形例1〜5について、図12〜図16に基づいて説明する。図12は、本発明の変形例1としての空気の取込構造を示す分解斜視図である。図13は、(A)は図12のガラス窓の正面図、(B)は背面図、(C)は(B)のC−C断面図である。図14は、(A)は本発明の変形例2としての空気の取込構造を示すガラス窓の正面図、(B)は(A)のD−D断面図である。図15は、本発明の変形例3としての空気の取込構造を示すガラス扉枠の右側面図である。図16は、本発明の変形例4としての空気の取込構造を示すガラス扉枠を斜め下方から見た状態を示す斜視図である。
前記実施例1では、遊技島501の外部の空気を取込むための取込部600が、パチンコ遊技機1が遊技島501に設置された状態において遊技島501の外部に面する表面部の一例であるガラス扉枠50の上面50Hの右側に設けられていたが、ガラス扉枠50の一部に配置され光を透過可能な透過部を有する前面部であるガラス窓50aに設けてもよい。尚、以下の変形例において、前記実施例1と同様に構成された部位の説明は省略する。
図12及び図13に示すように、変形例1においては、ガラス窓50aの前面に取込部600B,600Cが設けられている。詳しくは、ガラス窓50aは、2枚のガラス板560,561と、これらガラス板560,561の周囲を囲むように設けられ、ガラス板560,561を該ガラス板560,561の間に空間が形成されるように保持する保持枠562と、から構成されている。尚、ガラス板560は強化ガラスにて構成され、ガラス板561はガラス板の背面にアクリル層が形成されてなる。
前側のガラス板560の左下には取込部600B、右下には取込部600Cが設けられているとともに、後側のガラス板561の右上には取込部600Dが設けられている。これら取込部600B,600C,600Dには、ガラス板560,561の一部に形成した切欠部に嵌め込まれた複数の小径の丸孔(図13中の拡大図参照)を有する合成樹脂板(異物進入防止手段)が設けられている。また、背面側の取込部600Dには、遊技盤2側に設けられたエアダクト605の前端が配置されている。
このように変形例1にあっては、ファン650Aが回転することにより取込部600B,600Cから遊技島501の外部の空気が取込まれる。取込まれた空気は、ガラス板560,561の間の空間を上昇して取込部600Dから排気、つまり、エアダクト605に取込まれ、エアダクト605を介して投影装置400へ供給される。
これら取込部600B,600C,600Dは、ガラス扉枠50により遊技機用枠3の前面を閉鎖した状態において、遊技領域10の外側に配置されるため、遊技領域10を流下する遊技球の視認性を阻害したり、遊技球の流下に影響を及ぼす虞がない。また、取込部600B,600Cはガラス板560の下部に配置され、取込部600Dはガラス板561の上部に配設されている。つまり、第2取込部としての取込部600Dは、第1取込部としての取込部600B,600Cに対し少なくとも一部が前後方向に重複しないように配置されることで、取込部600B,600Cから針金等の異物を進入された場合でも、取込部600Dを通してガラス窓50aの背面側に進入させることは困難となるため、不正行為を抑制できる。
また、図14の変形例2に示すように、取込部600B,600Cの配置位置や形状は種々に変更可能である。また、保持枠562にも取込部600Eを設け、空気を取込むことができるようにしてもよい。
以上説明したように、本発明の変形例としてのパチンコ遊技機1にあっては、パチンコ遊技機1を設置可能な遊技島501に設置した状態において該遊技島501の外側に面する表面部(例えば、ガラス扉枠50の前面部)と、発熱源の一例である投影装置400などを冷却するために遊技島501の外側から空気を取込むための取込部600B,600C,600D,600Eを備え、取込部600B,600C,600Dは、ガラス扉枠50の前面部の少なくとも一部に配置され光を透過可能な透過部を有する前面部であるガラス窓50aに設けられていることで、遊技島の外側の冷たい空気を取込部600B,600C,600Dから取込むことができるため、投影装置400から発せられる熱により高温になりやすいガラス扉枠50の内側、つまり、パチンコ遊技機1の内部に設けられた投影装置400を好適に冷却することができる。
また、発熱源は、被投影部材としてのスクリーン301に映像を投影する投影手段としての投影装置400であることで、熱を発しやすい投影装置400を好適に冷却することができる。
尚、前記実施例及び変形例では、発熱源の一例として投影装置400を記載した形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、発熱源としては、例えば、投影装置400のようなプロジェクタではなく、演出表示装置5のように液晶表示器等からなる表示装置や、駆動モータや駆動ソレノイドといった駆動源や、演出用LED9といった発光体等、熱を発する上記以外の熱源を全て含む。
また、本変形例では、取込部600B,600C,600Dは、ガラス扉枠50の前面部を構成する透過部としてのガラス窓50aの一部に形成した切欠部に、複数の小孔を有する透光性の合成樹脂板を組込むことにより、ガラス窓50aの一部を構成するように設けられていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、ガラス扉枠50により囲まれる領域を閉鎖するように設けられる閉鎖部材の前面部を構成するように設けられていれば、取込部を形成する複数の小孔を有する合成樹脂板は必ずしも透光性を有していなくてもよい。つまり、取込部は、ガラス板560ととともに前面部を構成する部材であって該ガラス板560とは別個の非透光性の板部材に設けられていてもよいし、ガラス板560の一部に直接形成されていてもよい。
また、透過部とは、ガラス窓50aに限定されるものでなく、光を透過可能であればガラス板に限らず、アクリル樹脂板のような合成樹脂材や他の材質からなるものであってもよい。また、光を透過可能であれば、透明なものに限定されるものではなく、半透明であったり着色されたりしていてもよい。
また、ガラス窓50aの前面部は、第1透過部材としてのガラス板560と該ガラス板560の裏面側に配置される第2透過部材としてのガラス板561とから構成され、取込部は、ガラス板560に設けられる第1取込部としての取込部600B,600Cと、ガラス板561に設けられる第2取込部としての取込部600Dと、を有する。このようにすることで、表面部の裏面側を好適に冷却することができる。
また、取込部600B,600Cはガラス板560の下部に配置され、取込部600Dはガラス板561の上部に配設されている。つまり、第2取込部としての取込部600Dは、第1取込部としての取込部600B,600Cに対し少なくとも一部が重複しないように配置されることで、第1取込部及び第2取込部を介して表面部の裏面側に異物を進入させることを困難とすることができる。
さらに、取込部600B,600Cはガラス板560の下部に配置され、取込部600Dは、取込部600B,600Cから離れたガラス板561の上部に、取込部600B,600Cに対し重複しないように配設されていることで、第1取込部及び第2取込部を介して表面部の裏面側に異物を進入させることを困難とすることができる。
また、取込部600B,600C,600Dには、複数の小孔を有する合成樹脂板(異物進入防止手段)が設けられていることで、取込部を介して表面部の裏面側に異物を進入させることを困難とすることができる。尚、これら小径の丸孔を有する合成樹脂板にて異物の進入を防止するものだけでなく、前記実施例のフィルタ部材626等を、取込部を形成する小径の丸孔が複数形成された合成樹脂板とは別個に設けてもよい。
また、これら異物進入防止手段は、各取込部600B,600C,600D全てに対応して設けてもよいし、各取込部600B,600C,600Dのうち一部の取込部に設けてもよい。また、前側の取込部600B,600Cに対応する合成樹脂板と後側の取込部600Dに対応する合成樹脂板、つまり、前側の取込部600B,600Cと後側の取込部600Dとは、形状、大きさ、配置数、配置位置が同一であってもよいし、異なっていてもよい。
また、前側の取込部600B,600Cにおける空気の取込総面積は、後側の取込部600Dにおける空気の取込総面積よりも大きいことが好ましい。このように、前側の取込部600B,600Cにおける空気の取込総面積を大きくすることで、取込部600B,600Cから空気を効率よく取込むことができる一方で、後側の取込部600Dにおける空気の取込総面積を前側よりも小さくすることで、ガラス窓50a全体の強度を確保することができる。
さらに、前側の取込部600B,600Cに対応する合成樹脂板は、後側の取込部600Dに対応する合成樹脂板よりも強度が高いことが好ましい。このようにすることで、取込部600B,600Cが破壊されることを防止できる。
また、特に詳細な図示はしないが、ガラス窓50aは、遊技球が流下可能な遊技領域10を視認可能に設けられ、特に取込部600Bは、ガラス板560の左側下部位置に遊技領域に重複しないように設けられている。
このようにすることで、取込部600Bにより遊技領域10を流下する遊技球の視認を妨げられることを抑制できる。また、取込部は、遊技領域に重複しないように設けられていれば、ガラス板560の左側下部位置だけでなく、取込部600Cのようにガラス板560の右側下部位置など、他の任意の箇所に設けてもよい。
さらに取込部は、遊技領域10以外の箇所であってガラス窓50aを介して視認可能に設けられる表示手段(例えば、第1特別図柄表示器4A及び第2特別図柄表示器4Bなど)に重複しないように設けることが好ましい。このようにすることで、表示手段の視認性を妨げることを防止できる。
また、前記実施例1では、取込部600はガラス扉枠50の上面50Hの右側に設けられていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、図15の変形例3としてのガラス扉枠50に示すように、遊技島501に設置したときにパチンコ遊技機1において遊技島501の外部に面する表面部であれば、ガラス扉枠50の側面に取込部600F等を設けてもよい。このように側面側に取込部600F等を設けることで遊技者から目立ちにくくなるので、不正行為の対象になり難くすることができる。
また、図16の変形例4としてのガラス扉枠50に示すように、遊技島501に設置したときにパチンコ遊技機1において遊技島501の外部に面する表面部であれば、ガラス扉枠50の前面に取込部600Gを設けてもよい。尚、このように前面側に取込部600G等を設ける場合、遊技者から目立つと不正行為の対象になりやすいため、前方に突出する突出部(例えば、スピーカ8L,8R)の下面といった下向き面に設ければ目立ちにくくすることができるため、異物の進入やジュースなどの液体を流入させるといった不正行為やいたずらを抑制できる。
このように、パチンコ遊技機1の内側を冷却するために遊技島501の外部から空気を取込むための取込部は、遊技島501に設置したときにパチンコ遊技機1において遊技島501の外部に面する表面部に設けられていれば、前記実施例1や変形例1〜4に記載の箇所の配置位置に設けられるものに限定されるものではなく、配置位置は種々に変更可能である。上記以外では、特に図示しないがガラス扉枠50の前面下部位置(例えば、ガラス窓50aの下方の領域)等であってもよい。
あるいは、パチンコ遊技機1が遊技島501に設置された状態において、外枠200や遊技機用枠3の一部が遊技島501の外部に面する場合、外枠200や遊技機用枠3の一部が表面部となるので、これら外枠200や遊技機用枠3に取込部を設けてもよい。
また、前記実施例1では、取込部600は1個所にのみ設けられていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、変形例1〜4の取込部600B,600C、600F、600Gのように複数個所に設けてもよい。
また、前記実施例1では、エアダクト605の途中に投影装置400に内蔵されたファン(図示略)とは別個のファン650Aを設け、該ファン650Aにより取込部600から空気を取込んで(吸引して)投影装置400へ強制的に送り込むようにしていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、投影装置400に内蔵されたファン(図示略)とは別個にファンを設けることなく、投影装置400に内蔵されたファン(図示略)の駆動により取込部600からエアダクト605を介して投影装置400に遊技島501の外部の空気が供給されるようにしてもよい。
また、前記実施例1では、取込部600から取込んだ空気は投影装置400の吸気部410に直接供給されるようになっていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、取込部600から取込んだ空気を投影装置400が設置された空間S1内における投影装置400外に供給することで、空間S1の空気を冷却して投影装置400の温度上昇を抑制するようにしてもよい。
また、前記実施例1では、図11(A)に示すように、第4エアダクト640の下流側端部は投影装置400の吸気部410を覆うように当接して設けられていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、第4エアダクト640の下流側端部を投影装置400から離して設けてもよい。このようにすることで、例えば、ガラス扉枠50を閉鎖したときに該ガラス扉枠50の背面における第1連通口611の周縁部が第2エアダクト620の第2連通口621の周縁部に当接することにより生じる衝撃が第2エアダクト620、第3エアダクト630及び第4エアダクト640を介して投影装置400に直接伝達されることがないので、該衝撃により投影部401から被投影領域までの焦点距離や位置がずれてしまうことを回避することができる。
また、前記実施例1では、投影装置400は遊技盤2の背面側の空間S1内に設けられていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、投影装置400の配置位置は任意であり、例えば、ガラス扉枠50の内側上部等に設けられていてもよい。
また、前記実施例1では、エアダクト605は、ガラス扉枠50を開放することで第1取込経路と第2取込経路とに分断されるようになっていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、ガラス扉枠50を開放しても分断されないように一体に設けてもよい。また、カバー体220を遊技盤2から取外すことで第2エアダクト620と第3エアダクト630とが分断されるようになっていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、カバー体220を取外しても分断されないように一体に設けてもよい。
また、前記実施例1では、放熱用開口230から排出される熱気は、放熱用開口230の下方にある主基板11や演出制御基板12とは異なる方向である上方へ放出されるようになっていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、放熱用開口230から放出された熱気が主基板11や演出制御基板12にあたらない方向であれば、下方でも左右側方でも任意の方向に放出させるようにしてもよい。
また、前記実施例1では、放熱用開口230からは熱気が自然に放出されるようになっていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、放熱用開口230にファン等を設けて強制的に内部の熱気を排出させるようにしてもよい。
また、前記実施例1では、投影装置400により、第1保留記憶表示エリア5Dや第2保留記憶表示エリア5Uに特図ゲームに対応した変動表示の保留記憶数(特図保留記憶数)を特定可能に表示することで保留記憶表示を行っていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、スクリーン301に保留表示用の発光体(LEDなど)を設け、該発光体により保留表示を行うようにしてもよい。
尚、このようにする場合、保留表示用LEDに対して、投影装置400から該保留表示用LEDの発光色に応じた色の光りを投影する(例えば、保留表示用LEDが赤色で発光している場合は、該保留表示LEDに対して投影装置400から赤色の光を投影する。保留表示LEDが発光していない場合は、該保留表示LEDに対して投影装置400から白や黒の光を投影するなど)ようにすることが好ましい。
また、被投影領域301Aを形成するスクリーンを、後側のメインスクリーンと前側のサブスクリーン(可動式スクリーン)とにより構成し、前側のサブスクリーンをメインスクリーンの前側から退避可能としてもよい。このようにした場合、例えば、サブスクリーンをメインスクリーンの前側から退避させたりメインスクリーンの前側に出現させたりするときに、投影装置400から被投影領域301Aまでの距離が変化するため、被投影領域301Aを切り替える際に投影装置400から投影される映像の焦点を前後に変更可能とすることが好ましい。このように焦点の設定位置を変更する場合、変更が完了するまで投影する映像をホワイトアウトさせることにより、焦点が定まっていない状態を遊技者が分かりにくくすることができる。
また、このように被投影領域の切り替えに伴い焦点の設定位置を変更するような場合において、可動式であるサブスクリーンに不具合が発生してサブスクリーンが動作しないなど異常が生じた場合、メインスクリーンに焦点を設定して映像を投影することが好ましい。
また、本実施例では、被投影領域301Aを形成するスクリーン301は、表面に凹凸部が形成された一のスクリーンにて構成されていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、平坦状の第1スクリーン、湾曲状の第2スクリーン、下面、側面、背面からなる立体状の第3スクリーン等の複数の可動式スクリーンを有し、これら第1スクリーン、第2スクリーン、第3スクリーンを演出に応じて選択的に切り替え可能なスクリーンユニットを適用してもよい。さらに、後述する実施例2〜6のスクリーンや投影装置(プロジェクタ)を本実施例に適用してもよい。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施例2について説明する。図17は、パチンコ遊技機の正面図、図18は、その側断面図、図19は、扉枠の斜視図である。遊技機(パチンコ遊技機)801は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤802と、遊技盤802を支持固定する遊技機用枠803とから構成されている。遊技盤802には、略円形状の遊技領域が形成されている。
遊技機用枠803は、図18に示すように遊技枠840及び扉枠850を備えている。遊技枠840は、箱状の枠体である。遊技枠840の上方には、前方に突出する上方張出部840Aが形成されている。上方張出部840Aは、遊技枠840と一体的に形成されており、扉枠850よりも前方にまで張り出している。さらに、遊技枠840に設けられた回転軸部材840Bは、上方張出部840Aにまで到達している。扉枠850は、遊技枠840とは別体に形成されており、遊技枠840及び上方張出部840Aに対して、図19に示す回転軸部材840B周りに回動可能とされている。
扉枠850は、正面視した大きさが遊技枠840と略同じ大きさとされており、遊技枠840に対して開閉可能に取付けられている。また、遊技枠840の左側端部には、上下方向に延在する回転軸部材840Bが設けられている。扉枠850は、回転軸部材840Bを中心として鉛直軸周りに回動可能とされており、回転軸部材840Bを中心として回動することにより、開放状態または閉鎖状態となる。扉枠850が開放状態となることでパチンコ遊技機801の外側から遊技盤802に接触可能となり、扉枠850が閉鎖状態となることで扉枠850が遊技盤802の遊技領域(以下、単に遊技領域という)を覆ってパチンコ遊技機801の外側から遊技盤802に接触不能となる。
扉枠850は、図19に示すように、縦長の矩形状をなす枠体851を備えている。枠体851は、長手方向が鉛直方向に沿うように配置されている。枠体851の上辺には、天板852が取付けられている。天板852の先端辺と枠体851の下端辺には、傾斜枠853が取付けられている。
また、枠体851には内側透明板854が取付けられ、傾斜枠853には外側透明板855が取付けられている。内側透明板854及び外側透明板855は、いずれも透視性を備えており、パチンコ遊技機801Bの前に位置する遊技者は内側透明板854及び外側透明板855を通して遊技盤802を視認可能とされている。
内側透明板854の上方半分位置には、中央開口部854Aが形成されている。中央開口部854Aは、スクリーン805の表面形状より上方部分が一回り大きい矩形状をなしている。中央開口部854Aの形状は、この形状に限らず、例えば円形や楕円形など他の形状であってもよい。
内側透明板854は、遊技盤802の表面に沿って配設され、遊技盤802の表面との離間距離が遊技球の直径よりも長く、遊技球の直径の2倍よりも短くされている。内側透明板854と遊技盤802との離間距離をこの範囲とすることによって、内側透明板854によって、遊技領域からの遊技球の飛び出しを防止している。また、外側透明板855は、内側透明板854の正面側の全面を覆って取付けられている。このため、遊技者が内側透明板854や遊技盤802に触ることが抑制されている。
内側透明板854は、例えばアクリル製であり、外側透明板855は、例えばガラス製である。内側透明板854がアクリル製であることにより、加工が容易であり、中央開口部854Aを容易に形成することができる。また、外側透明板855がガラス製であることにより、耐久性を高くすることができる。ただし、内側透明板854がガラス製であってもよく、外側透明板855がアクリル製であってもよい。また、内側透明板854及び外側透明板855とも、透視性を備える他の素材で形成されていてもよい。
また、図18及び図19に示すように、内側透明板854の下方位置における中央部に遊技球排出孔854Bが形成されている。遊技球排出孔854Bは、裏面側の遊技機用枠803に連通しており、内側透明板854と外側透明板855との間に入り込んだ遊技球を遊技機用枠803に向けて排出可能とされている。また、内側透明板854が取付けられた枠体851と外側透明板855が取付けられた傾斜枠853とは、取り外し可能とされている。このため、枠体851と傾斜枠853とを取外すことで、内側透明板854と外側透明板855とは、離間可能とされている。また、遊技球排出孔854Bは、上皿ユニットの裏側に配置されている。この上皿ユニットにより、この化粧板により、遊技球排出孔854Bがパチンコ遊技機801Bの正面外側からは視認できないように、遊技球排出孔854Bが隠されている。また、遊技球排出孔は、上皿ユニットよりも上方に配置され、遊技者が視認可能となる高さ位置に形成されていてもよい。この場合、遊技球排出孔854Bから排出される遊技球が遊技機用枠803に排出されるようにしてもよいし、遊技領域に排出されるようにしてもよい。また、遊技球排出孔854Bに代えて、扉枠850の手前側の例えば図示しない上皿または下皿に排出されるようにしてもよい。また、上皿ユニットが設けられていない遊技機では、遊技球排出孔は、裏側を隠すための化粧板、上皿や下皿、あるいは遊技球を打ち出す際の遊技者に操作されるハンドルなどの付属物やこれらの付属物が設けられるプレートなどに隠される位置に形成されていてもよい。遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。以下、遊技領域内または遊技領域周辺の主要部材について説明する。
図17に示すように、遊技盤802には、スクリーン805、普通入賞球装置806A、普通可変入賞球装置806B、特別可変入賞球装置807、第1特別図柄表示装置804A、第2特別図柄表示装置804B、センターフレーム804C、第1保留表示器825A、第2保留表示器825B、普通図柄表示器820、通過ゲート841、普図保留表示器825C、及びロゴ役物826が設けられている。また、ロゴ役物826には、図18に示すように、反射ミラー828が設けられている。遊技機用枠803には、スピーカ808(スピーカ808L、808R)、ランプ809、スティックコントローラ831A、プッシュボタン831Bが設けられている。さらに、遊技機用枠803の上方張出部840Aには投影装置としてのプロジェクタ832が設けられており、遊技枠803Aの内側下前方には、サブLED833が設けられている。
また、遊技盤802における上方には、扉枠850の開閉状態を検出するための扉開放センサ856(図21参照)が取付けられている。扉開放センサ856は、扉枠850の状態が遊技領域を覆う閉鎖状態であるかまたは遊技領域を外部から接触可能な状態にする開放状態であるかを検出している。閉鎖状態と開放状態との検出は、具体的には、前面に遊技領域が形成されている遊技盤802が取付けられた遊技機用枠803に対して扉枠850が開放されているか否かを検出している。扉開放センサ856は、検出した開閉状態を主基板811に送信する。主基板811は、扉開放センサ856から送信された扉枠が開放されている旨の信号を十進したときには、扉開放信号を演出制御基板812に出力する。
遊技盤802に設けられた普通入賞球装置806Aは、常に一定の開放状態に保たれる始動領域としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置806Bは、図21に示す普通電動役物用となるソレノイド881によって、通常開放状態と拡大開放状態とに変化する電動チューリップ型役物を備え、始動領域としての第2始動入賞口を形成する。尚、電動チューリップ型役物は、普図ゲーム(後述)における可変表示結果(最終結果)が「普図当り」になった場合に拡大開放状態に制御される。特別可変入賞球装置807は、図21に示す大入賞口扉用となるソレノイド882によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。尚、大入賞口は、第1特図ゲーム(後述)または第2特図ゲーム(後述)における可変表示結果(最終結果)が「大当り」になった場合等に開放状態に制御される。
第1特別図柄表示装置804Aは、普通入賞球装置806Aへの入賞の後に(遊技球が第1始動入賞口を通過したことによる第1始動条件が成立した後に)、後述する第1開始条件が成立したことに基づいて特別図柄の可変表示を行う。第2特別図柄表示装置804Bは、普通可変入賞球装置806Bへの入賞の後に(遊技球が第2始動入賞口を通過したことによる第2始動条件が成立した後に)、後述する第2開始条件が成立したことに基づいて特別図柄の可変表示を行う。
以下、第1特別図柄表示装置804Aにおいて可変表示される特別図柄を第1特図とも称し、第1特図の可変表示を「第1特図ゲーム」とも称する。第2特別図柄表示装置804Bにおいて可変表示される特別図柄を第2特図とも称し、第2特図の可変表示を「第2特図ゲーム」とも称する。また、第1特図ゲームと第2特図ゲームの両方を「特図ゲーム」と総称し、第1始動条件と第2始動条件の両方を「特図始動条件」と総称し、第1開始条件と第2開始条件の両方を「特図開始条件」と総称する場合がある。
特図ゲームにおける可変表示結果が「大当り」になった後(例えば、大当り図柄として予め定められた特別図柄が可変表示結果として導出表示(停止表示)された後)には、大当り遊技状態(遊技者にとって有利な有利状態の一例)に制御される。大当り遊技状態とは、特別可変入賞球装置807の大入賞口扉が、所定の上限時間(例えば29秒間や0.1秒間)が経過するまでの期間あるいは所定個数(例えば9個)の入賞球が発生するまでの期間、大入賞口を開放状態に制御する遊技状態である。
普通入賞球装置806Aへの入賞があったにもかかわらず(第1始動条件が成立したにもかかわらず)、未だ第1特図ゲームを開始するための開始条件(第1開始条件とも称する)が成立していないときには、当該入賞に対応する可変表示は、保留記憶として記憶される。具体的には、当該入賞に基づく可変表示(第1特図ゲーム)を実行するための情報が、所定数(例えば4)を上限に入賞順がわかるような態様で保留される(第1特図保留記憶として記憶される。詳細は後述する)。普通可変入賞球装置806Bへの入賞があったにもかかわらず(第2始動条件が成立したにもかかわらず)、未だ第2特図ゲームを開始するための開始条件(第2開始条件とも称する)が成立していないときには、当該入賞に対応する可変表示は、保留記憶として記憶される。具体的には、当該入賞に基づく可変表示(第2特図ゲーム)を実行するための情報が、所定数(例えば4)を上限に入賞順がわかるような態様で保留される(第2特図保留記憶として記憶される。詳細は後述する)。また、例えば、第1特図保留記憶や第2特図保留記憶とは別に第1特図保留記憶と第2特図保留記憶とを合せた全体(下記の特図保留記憶)における入賞順がわかるような情報を記憶してもよい。尚、第1始動条件の成立時に直ちに第1開始条件が成立したときにも、一瞬ではあるが(記憶後に直ちに消化されるが)、第1特図保留記憶が記憶されるようにしてもよい。また、第2始動条件の成立時に直ちに第2開始条件が成立したときにも、一瞬ではあるが、第2特図保留記憶が記憶されるようにしてもよい。尚、第1特図保留記憶と第2特図保留記憶の両方を「特図保留記憶」と総称する場合がある。
特図開始条件は、例えば、特図ゲームの保留数(特図保留記憶数とも称する)が0でない場合であって、特図ゲームが実行されていない状態であり、且つ、大当り遊技状態に制御されていない状態であるときに成立する。特図開始条件が成立したときは(特図ゲームが開始される毎に)、特図保留記憶は消化され(特図保留記憶が減少し)、特図ゲームが開始される。換言すれば、特図保留記憶は、特図ゲームが開始される毎に減少する。より詳細には、第1特図ゲームの保留数(第1特図保留記憶数)は、第1特図ゲームが開始される毎に(第1開始条件が成立する毎に)減少し、第2特図ゲームの保留数(第2特図保留記憶数)は、第2特図ゲームが開始される毎に(第2開始条件が成立する毎に)減少する。
本実施例では、特図保留記憶は、第1特図保留記憶であるか第2特図保留記憶であるかにかかわらず、入賞順に消化する。従って、例えば、第1特図保留記憶、第1特図保留記憶、第2特図保留記憶、第1特図保留記憶の順に記憶されている場合には、第1開始条件、第1開始条件、第2開始条件、第1開始条件の順に成立する。つまり、上述したように、特図開始条件は、特図保留記憶数が0でない場合であって、特図ゲームが実行されていない状態であり、且つ、大当り遊技状態に制御されていない状態であるときに成立するが、より詳細には、最も先に記憶された特図保留記憶が第1特図保留記憶である場合には第1開始条件が成立し、最も先に記憶された特図保留記憶が第2特図保留記憶である場合には第2開始条件が成立する。
センターフレーム804Cは、遊技盤802の中央に設けられており、センターフレーム804Cの中央部分にスクリーン取付孔802Aが形成されている。センターフレーム804Cの上面804Dには、右打誘導路804Eが形成されている。右打ちされた遊技球は、図示しない釘等によって、普通可変入賞球装置806B及び開放状態の特別可変入賞球装置807に向けて誘導される。右打ちされた遊技球は、拡大開放状態の普通可変入賞球装置806B及び開放状態の特別可変入賞球装置807には入賞しやすいが、普通入賞球装置806Aには入賞しにくくなっている。尚、「右打ち」とは、一般に、遊技球が遊技盤802の右側に形成されたルートを通って遊技領域の下方に流下するように遊技球を発射することをいう。
第1保留表示器825Aは、第1特図ゲームの保留数(第1特図保留記憶数)を特定可能に表示する。第2保留表示器825Bは、第2特図ゲームの保留数(第2特図保留記憶数)を特定可能に表示する。普通図柄表示器820は、遊技球が通過ゲート841を通過した後に(遊技球が通過ゲート841を通過したことによる普図始動条件が成立した後に)、後述する普図ゲームの開始条件が成立したことに基づいて普通図柄の可変表示を行う。尚、普通図柄の可変表示を「普図ゲーム」とも称する。
遊技球が通過ゲート841を通過したにもかかわらず(普図始動条件が成立したにもかかわらず)、未だ普図ゲームの開始条件(普図開始条件とも称する)が成立していないときには、当該通過に基づく可変表示(普図ゲーム)は所定数(例えば4)を上限に保留される(普図保留記憶として記憶される)。
普図ゲームの開始条件(普図開始条件)は、例えば、普通保留記憶数が0でない場合であって、普通図柄の可変表示(普図ゲーム)が実行されていない状態であり、且つ、大当り遊技状態に制御されていない状態であるときに成立する条件であってもよい。尚、普図始動条件の成立時に直ちに普図開始条件が成立したときにも、一瞬ではあるが、普図保留記憶が記憶されるようにしてもよい。
普図保留表示器825Cは、普図ゲームの保留数(普図保留記憶数)を特定可能に表示する。尚、普図ゲームの保留数(普図保留記憶数とも称する)は、普図ゲームが開始される毎に(普図開始条件が成立する毎に)減少する。
プロジェクタ832は、上方張出部840Aの前端位置に対して取付けられている。上方張出部840Aの下面には、プロジェクタ832から投影される投影光LPが通過可能とされた開口部840Cが形成されている。プロジェクタ832から投影される投影光LPは、開口部840Cを通過してスクリーン805に投影される。
スクリーン805は、遊技盤802の中央に形成されたスクリーン取付孔802Aに設けられており、遊技盤802の奥方に配置されている。スクリーン805は、横長の長方形状をなし、飾り図柄(演出図柄とも称する)の可変表示や各種の演出表示を行う。また、スクリーン805は、表示領域として平面表示領域805A及び立体表示領域805Bを備えている。立体表示領域805Bは、中央立体表示領域805BC、右立体表示領域805BR、及び左立体表示領域805BLを備えている。これらの中央立体表示領域805BC、右立体表示領域805BR、及び左立体表示領域805BLは、いずれもフィギア状をなしている。スクリーン805は、平面板にフィギア状の立体物が貼り付けられて形成されており、立体物が貼り付けられていない位置が平面表示領域となり、立体物が貼り付けられた位置が立体表示領域805Bとなる。
平面表示領域805Aには、後に説明する特定画像や背景画像などが主に表示される。また、中央立体表示領域805BC、右立体表示領域805BR、及び左立体表示領域805BLには、それぞれの立体表示領域に対応するキャラクタが主に表示される。図17に示す例では、中央立体表示領域805BCにメインキャラクタ画像MCが表示され、左立体表示領域805BLに第1サブキャラクタ画像SC1が表示され、右立体表示領域805BRに第2サブキャラクタ画像SC2が表示される。特図ゲームが開始される際には、原則的に、立体表示領域805BC,805BL,805BRにキャラクタ画像MC,SC1,SC2を表示した状態として演出を実行する。
尚、中央立体表示領域805BC、左立体表示領域805BL、右立体表示領域805BRには、それぞれ対応するメインキャラクタ画像MC、第1サブキャラクタ画像SC1、及び第2サブキャラクタ画像SCキャラクタを表示しているが、他の画像を表示するようにしてもよい。例えば、表示されるキャラクタが入れ替わり、中央立体表示領域805BCに第1サブキャラクタ画像SC1または第2サブキャラクタ画像SC2が表示されるようにしてもよい。また、立体表示領域805Bにキャラクタ以外の画像、例えば背景画像が表示されるようにしてもよいし、平面表示領域805Aにキャラクタ画像が表示されるようにしてもよい。
スクリーン805上には、図20(A)(B)に示すように、プロジェクタ832から投影される映像(画像)が表示される投影領域805Xが形成される。プロジェクタ832から投影された映像は、反射ミラー828で反射されてスクリーン805上の投影領域805Xに表示される。スクリーン805上の投影領域805Xに表示される画像は、プロジェクタ832が投影する映像によって形成されることとなる。投影領域805Xは、スクリーン805の平面表示領域805A及び立体表示領域805Bの双方に形成され、プロジェクタ832からの映像によるいわゆるプロジェクションマッピングによって演出が実行される。投影領域805Xには、平面表示領域805Aの一部及び立体表示領域805Bの全体が含まれている。
スクリーン805における立体表示領域805Bに映像が投影されることにより、図20(A)に示すように、立体表示領域805Bには、立体形状に合せた立体画像に見える画像は表示される。また、立体表示領域805Bに映像が投影されていない状態では、図20(B)に示すように、立体表示領域805Bにおける立体形状は視認困難な状態であり、遊技者が立体表示領域805Bの立体形状を認識することは難しい状態となっている。
立体表示領域805Bが設けられていることにより、プロジェクタ832とスクリーン805との間の距離は、一様とではない。具体的には、スクリーン805の表面にプロジェクタ832を配置した場合には、立体表示領域805Bの方が、平面表示領域805Aよりも近くなる。このため、プロジェクタ832から投影される映像の焦点は、プロジェクタ832から投影される映像における所定軸、例えば光軸上の立体表示領域805Bの表面に相当する位置(以下「立体表面相当位置」という)と平面表示領域805Aに相当する位置(以下「平面表面相当位置」という)の間の位置、例えばその中間位置に設定されている。立体表面相当位置と平面表面相当位置とに間に焦点を設定することにより、スクリーン805の全面にわたって映像の歪みを小さくすることができる。また、立体表面相当位置と平面表面相当位置とに間に焦点を設定する代わりに焦点を調節可能としてもよいし、立体表面相当位置と平面表面相当位置とに間に焦点を設定し、さらに焦点を調節可能としてもよい。
また、プロジェクタ832は、スクリーン805の上方に配置されており、プロジェクタ832から投影される映像は、スクリーン805の前上方からスクリーン805に投影される。こうして、プロジェクタ832は、投影光LPの光軸とスクリーン805の表示面(平面表示領域805A)とが直交せず、スクリーン805の表示面に対して斜め方向を向いた投影方向からスクリーン805に画像を投影する。プロジェクタ832は、斜め方向を向いた投影方向から画像を投影することから、スクリーン805に表示される画像は台形状となる。また、スクリーン805は長方形状であり、スクリーン805とプロジェクタ832から投影される画像の領域とは一致せず、スクリーン805は、スクリーン805に表示される画像よりも広くなっている。
このため、図17に示すように、スクリーン805における平面表示領域805Aの範囲内における投影領域805Xのうち、平面表示領域805Aの下方の部分に形成される領域は、幅が広い幅広部805XWとされ、平面表示領域805Aの上方の部分に形成される領域は、幅広部805XWよりも幅が狭い幅狭部805XNとされる。投影領域805Xは台形状を成しており、スクリーン805は長方形状をなすことから、幅狭部805XNの左右位置は、プロジェクタ832から投影された映像が届かない非投影領域805NL,805NRとなる。
非投影領域805NL,805NRは、幅狭部805XNの外の領域に相当し、投影領域805Xにおける幅広部805XWと幅狭部805XNとの幅の差分を有する領域である。言い換えると、幅広部805XWの幅と、幅狭部805XNのうちの最も幅が狭い部分の幅との差が、非投影領域805NL,805NRの最大幅となる。遊技枠803Aの内側下前方に設けられたサブLED833は、この非投影領域805NL,805NRに照射光LLを照射して非投影領域805NL,805NRを発光させ、スクリーン805の全面において、映像(光)が表示されない範囲をなくしている。尚、平面表示領域805Aの多くの部分が幅狭部805XNに含まれ、わずかな部分が幅広部805XWに含まれている。また、立体表示領域805Bは、全て幅広部805XWに含まれている。ただし、平面表示領域805A及び立体表示領域805Bが幅広部805XW及び幅狭部805XNのいずれに含まれるかについては他の態様としてもよい。例えば、幅広部805XWまたは幅狭部805XNに平面表示領域805Aの全体または立体表示領域805Bの全体が含まれていてもよいし、それらの各一部分が含まれていてもよい。
また、スクリーン805における周囲の部材、具体的には、センターフレーム804C、釘、風車などが難反射材で形成されている。難反射材としては、投影光LPを反射しにくい色である黒などの黒色系の色とされたものや、投影光LPを反射しにくい材質、例えばカーボンブラック、酸化クロム、表面が荒い材質のものを用いてもよい。
また、スクリーン805には、図17に示すように、飾り図柄表示エリア805L,805C,805R、保留表示エリア805H1,805H2、保留数表示エリア805F、及び今回表示エリア805Kが配置されている。また、飾り図柄表示エリア805L,805C,805Rでは、特図ゲームに対応して、飾り図柄の可変表示が行われる。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が導出表示されることに対応して、飾り図柄表示エリア805L,805C,805Rにおいて可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)が導出表示される。尚、飾り図柄表示エリア805L,805C,805Rの夫々にて可変表示が行われる飾り図柄を夫々、左図柄、中図柄、右図柄とも称する。尚、識別情報の可変表示を可変表示ゲームと総称する場合があるが、上述した特図ゲーム、普図ゲームとともに、飾り図柄の可変表示も可変表示ゲームに含まれる。
特図ゲームにおける可変表示結果が「大当り」になるときには、飾り図柄表示エリア805L,805C,805Rにおいて、予め定められた大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示される。また、特図ゲームにおける可変表示結果が「大当り」とならないときには、飾り図柄表示エリア805L,805C,805Rにおいて、予め定められた大当り組合せとは異なる確定飾り図柄が導出表示される。予め定められた大当り組合せの一例は、左図柄、中図柄、右図柄が同一図柄となる組合せ(例えば、(「7」「7」「7」)等)である。
保留表示エリア805H1,805H2では、特図ゲームに対応する飾り図柄の可変表示の保留数が特定可能に表示される。例えば、保留表示エリア805H1,805H2では、第1特図ゲームに対応する飾り図柄及び第2特図ゲームに対応する飾り図柄ごとの入賞順(消化順)がわかるような態様で、飾り図柄の可変表示の保留数に応じた数の保留表示が表示される。具体的には、第1保留表示エリア805H1には、第1特図ゲームに対応する飾り図柄の保留表示が入賞順に従って並べられて表示され、第2保留表示エリア805H2には、第2特図ゲームに対応する飾り図柄の保留表示が入賞順に従って並べられて表示される。また、保留表示エリア805H1,805H2では、当該特図ゲームに対応する飾り図柄の可変表示が開始される毎に、開始される可変表示に対応する保留表示が消去(消化)されるとともに、消去される保留表示の他に他の保留表示があるときには当該他の保留表示の表示位置が消去される保留表示の側(今回表示エリア805Kの側)に移動(シフト)される。
保留数表示エリア805Fでは、保留表示エリア805H1,805H2と同様、特図ゲームに対応する飾り図柄の可変表示の保留数が特定可能に表示される。その表示態様は、算用数字で表示される態様である。今回表示エリア805Kでは、今回表示(消化時表示、アクティブ表示などとも称される場合がある)が表示される。今回表示とは、消化された保留表示に対応する飾り図柄の可変表示に応じて表示されるもの(保留表示が消化されるときに消化される保留表示に代えて表示されるもの)である。尚、保留表示や今回表示は、単純な図形、例えば円形で示されている。
これらの飾り図柄表示エリア805L,805C,805R、保留表示エリア805H1,805H2、保留数表示エリア805F、及び今回表示エリア805Kは、いずれも平面表示領域805Aに表示されている。このため、飾り図柄表示エリア805L,805C,805Rに表示される飾り図柄、保留表示エリア805H1,805H2に表示される保留表示、保留数表示エリア805Fに表示される保留数表示、及び今回表示エリア805Kに表示される今回表示は、いずれも平面状の平面表示領域805Aに表示される。
遊技機801では、種々の演出が実行可能である。例えば、遊技機801では、確定飾り図柄が導出表示される迄の間において、例えば、予め定められた大当り組合せと一部が一致している状態(リーチ状態)で行われるリーチ演出が実行される。大当り組合せと一部が一致している状態とは、例えば、同一の左図柄と右図柄とが導出表示されている状態であって中図柄が未だ可変表示している状態である。また、遊技機801では、保留表示の表示態様による演出や今回表示の表示態様による演出が実行可能である。また、遊技機801では、スピーカ808やランプ809を用いた演出も実行可能である。遊技機801では、これらの演出を実行することによって、例えば大当り期待度(信頼度)を遊技者に報知または示唆している。
ある演出Aの大当り期待度(信頼度)は、例えば、(大当りとなるときに演出Aが実行される確率)×(大当りになる確率)/{(大当りとなるときに演出Aが実行される確率)×(大当りになる確率)+(大当りとならないときに演出Aが実行される確率)×(大当りにならない確率)}によって算出される(大当り期待度が「1」になる場合には必ず「大当り」になる)。
尚、演出に関する判定や決定(演出の実行有無、実行する演出の種類、内容等に関する判定や決定)は、始動入賞時に行われる場合と可変表示開始時に行われる場合とがあってもよい。
図21は、各種の制御基板等を示す構成図である。遊技機801には、例えば図21に示すように、主基板811、演出制御基板812、音声制御基板813、ランプ制御基板814、中継基板815、電源基板816等が搭載されている。尚、遊技機801には、例えば、払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板、タッチセンサ基板等が搭載されていてもよい。これらの基板は、遊技機に関する制御を行う制御手段となる。
主基板811は、メイン側の制御基板である。主基板811は、第1保留表示器825A、第2保留表示器825B、普図保留表示器825C、第1特別図柄表示装置804A、第2特別図柄表示装置804B、普通図柄表示器820を制御する機能、中継基板815を介して演出制御基板812側に演出制御コマンドを出力する機能、ホールの管理コンピュータに各種の情報を出力する機能等を有する。
演出制御基板812側に出力される演出制御コマンドは、例えば、第1始動入賞口(第2始動入賞口)への入賞を通知する第1始動口入賞指定コマンド(第2始動口入賞指定コマンド)、第1特図保留記憶数(第2特図保留記憶数)を通知する第1保留記憶数通知コマンド(第2保留記憶数通知コマンド)、入賞時の判定結果として可変表示結果が大当りとなるか否かの判定結果や大当り種別の判定結果を示す図柄指定コマンド、特別図柄や飾り図柄等の変動パターンの種別(カテゴリ、グループ)を指定する変動カテゴリ指定コマンド、変動パターンを指定する変動パターン指定コマンド、特別図柄や飾り図柄等の可変表示結果を指定する可変表示結果通知コマンド、遊技機801の現在の遊技状態(例えば、低確状態、高確状態、低べース状態、高ベース状態等)を指定する遊技状態指定コマンド等である。
主基板811には、例えば図21に示すように、遊技制御用マイクロコンピュータ900、スイッチ回路910、ソレノイド回路911等が搭載されている。スイッチ回路910は、ゲートスイッチ821、第1始動口スイッチ822A、第2始動口スイッチ822B、カウントスイッチ823からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ900に出力する。ソレノイド回路911は、遊技制御用マイクロコンピュータ900からのソレノイド駆動信号を普通電動役物用のソレノイド881や大入賞口扉用のソレノイド882に出力する。
遊技制御用マイクロコンピュータ900は、例えば図21に示すように、ROM901、RAM902、CPU903、乱数回路904、I/O105を備える。CPU903は、例えば、各種の判定(決定)に用いる各種の乱数値(乱数値を示す数値データ)を更新可能にカウントする。例えば、CPU903は、乱数回路904等によって、特図表示結果判定(決定)用の乱数値MR1、大当り種別判定(決定)用の乱数値MR2、変動カテゴリ決定用の乱数値MR3、普図表示結果判定用の乱数値MR4、変動パターン決定用の乱数値MR5を更新可能にカウントする。乱数値MR1は、特図ゲームにおける特別図柄等の可変表示結果を「大当り」するか否か(大当り遊技状態に制御するか否か)を判定(決定)するために用いられる乱数値である。乱数値MR2は、可変表示結果を「大当り」とする場合に、大当り種別を複数種類のいずれかに判定(決定)するために用いられる乱数値である。乱数値MR3は、変動カテゴリを予め用意された複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値である。乱数値MR4は、普図ゲームにおける普通図柄の可変表示結果を「普図当り」とするか否か(普通可変入賞球装置806B(電動チューリップ型役物)を拡大開放状態に制御するか否か)を判定(決定)するために用いられる乱数値である。乱数値MR5は、変動パターンを予め用意された複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値である。
ROM901は、CPU903によって実行されるプログラムを記憶する。また、ROM901は、CPU903が各種の判定(決定)を行うために用いられる各種テーブルを構成するデータを記憶する。RAM902は、保留情報として未だ開始されていない可変表示に関する情報(特図保留記憶、普図保留記憶)を入賞順(消化順)がわかるような態様で(例えば入賞順を示した保留番号に対応付けて)記憶する。尚、特図保留記憶は、具体的には、入賞時における乱数値MR1等の値を示す数値データ(または、当該数値データによる判定(決定)結果を示す情報)であってもよい。普図保留記憶は、具体的には、入賞時における乱数値MR4の値を示す数値データ(または、当該数値データによる判定(決定)結果を示す情報)であってもよい。また、RAM902は、現在の遊技状態(例えば、低確状態、高確状態、低べース状態、高ベース状態等)を示す情報(例えば、各種のフラグ等)を記憶する。RAM902は、電源基板816に設けられるバックアップ電源回路によってバックアップされるバックアップRAMであってもよい。
演出制御基板812は、サブ側の制御基板である。演出制御基板812は、演出制御コマンドを入力する機能、プロジェクタ832の映像投影等における演出を判定(決定)する機能等を有する。
演出制御基板812は、例えば図21に示すように、演出制御用CPU920、ROM921、RAM922、表示制御部923、乱数回路924、I/O925を備える。演出制御用CPU920は、例えば、乱数回路924等によって、各種の演出判定(決定)用の乱数値を更新可能にカウントする。また、演出制御用CPU920は、ROM921から読み出したプログラムを実行することにより各種の判定(決定)を行う。
ROM921は、演出制御用CPU920によって実行されるプログラムを記憶する。また、ROM921は、演出制御用CPU920が各種の判定(決定)を行うために用いられる各種テーブルを構成するデータを記憶する。RAM922は、保留情報として未だ開始されていない可変表示に関する情報(変動カテゴリ指定コマンドや図柄指定コマンド等によって示される情報)を入賞順(消化順)がわかるような態様で(例えば入賞順を示したバッファ番号に対応付けて)記憶する。また、RAM922は、演出制御用CPU920による決定結果(例えば、保留表示等の表示態様の決定内容等)を記憶する。また、RAM922は、現在の遊技状態(例えば、低確状態、高確状態、低べース状態、高ベース状態等)を示す情報(例えば、各種のフラグ等)を記憶してもよい。
表示制御部923は、プロジェクタ832及びサブLED833を制御する。例えば、表示制御部923は、演出制御用CPU120からの指令や制御データ等に基づいて、飾り図柄の可変表示や、保留表示や今回表示の表示態様による演出等の各種の演出に応じたプロジェクタ832から投影される映像の内容やサブLED833の点灯、点滅等を制御する。音声制御基板813は、演出制御基板812(演出制御用CPU120)からの指令や制御データ等に基づいてスピーカ808を制御する。ランプ制御基板814は、演出制御基板812(演出制御用CPU120)からの指令や制御データ等に基づいてランプ809を制御する。
電源基板816は、主基板811、演出制御基板812、払出制御基板等の各制御基板と独立して設置され、パチンコ遊技機801内の各制御基板及び機構部品が使用する電圧を生成する。例えば、電源基板816では、AC24V、VLP(直流+24V)、VSL(直流+30V)、VDD(直流+12V)、VCC(直流+5V)及びVBB(直流+5V)を生成する。電源基板816には、バックアップ電源回路と、クリアスイッチとが搭載されていればよい。バックアップ電源回路は、例えばVDD(直流+5V)の電源ラインから充電されるコンデンサを含んでいればよい。
また、パチンコ遊技機801では、プロジェクタ832からの映像の投影を制限する投影制限処理を実行する。投影制限処理は、演出制御基板812における演出制御用CPU920で実行される。演出制御用CPU920は、投影制限処理の実行時期となったときに、投影制限処理を実行する。演出制御用CPU920は、例えば所定時間ごと、例えば2msごとに実行される割込み制御処理において投影制限制御を実行すればよい。
以下、プロジェクタ832からの映像の投影を制限する際の投影制限制御処理の例について説明する。図22は、投影制限制御処理の手順を示すフローチャートである。図22に示すように、投影制限制御処理では、最初に、扉開放判定を行う(ステップS1)。演出制御用CPU920は、扉開放判定により、扉枠850が開放状態であるか否かを判断する(ステップS2)。扉開放判定は、主基板811から出力される扉開放信号に基づいて行われる。扉開放信号が出力されている場合には、扉枠850が開放状態であると判定する。また、扉開放信号が出力されていない場合には、扉枠850が閉鎖状態であると判定する。
演出制御用CPU920は、扉開放判定により、扉枠850が開放状態であると判断したときには(ステップS2:YES)、プロジェクタ832のスイッチをOFFし、プロジェクタ832からの投影映像の投影を中止(ステップS3)して、投影制限処理を終了する。また、演出制御用CPU920は、扉開放判定により、扉枠850が開放状態でない(閉鎖状態であると判断したときには(ステップS2:NO)、プロジェクタ832からの投影映像の投影を許可して(ステップS4)、投影制限処理を終了する。
このように、扉枠850が開放している際には、プロジェクタ832のスイッチをOFFにして、プロジェクタ832からの映像の投影を制限している。尚、プロジェクタ832から映像の投影の制限としては、プロジェクタ832のスイッチをOFFとするほかの態様としてもよい。
例えば、プロジェクタ832の光量を少なくしてもよいし、プロジェクタ832の投影方向を、反射ミラー828を向いた方向(スクリーン805を向いた方向)から異なる方向に変更してもよい。また、プロジェクタ832の投影口をシャッタで閉じて投影光がプロジェクタ832から漏れないようにしてもよいし、上方張出部840Aに形成された開口部840Cや天板852に設けられた天板開口部852Aをシャッタで閉じてプロジェクタ832からの投影光を遮断してもよい。また、プロジェクタ832を扉枠850に取付ける場合には、扉枠850の開放に伴って鉛直軸周りに扉枠850の回動方向と逆方向に回動するステージを設け、当該ステージ上にプロジェクタ832を設けるようにしてもよい。
本実施例に係るパチンコ遊技機801では、プロジェクタ832から投影された映像がスクリーン805に表示されることによって演出が実行される。以下、パチンコ遊技機801におけるプロジェクタ832からスクリーン805に映像を表示することによる演出の一例及びパチンコ遊技機801における作用効果について説明する。
例えば、普通入賞球装置806Aへの入賞の後に、第1開始条件が成立すると、図17に示す飾り図柄表示エリア805L,805C,805Rの変動表示が開始される演出が実行される。また、変動表示が開始された後に確定飾り図柄が導出表示される迄の間においてリーチ演出が実行されたり、特別図柄として大当り図柄が導出表示された後に移行する大当り遊技中における大当り演出が実行されたりする。これらの演出は、プロジェクタ832から投影された映像がスクリーン805に投影されることで表示される。
プロジェクタ832から投影された映像は、スクリーン805に向けてそのまま投影される。スクリーン805では、投影された映像が平面表示領域805Aや立体表示領域805Bに映し出され、さまざまな演出が実行される。
このうち、立体表示領域805Bに映像が投影されたときには、立体表示領域805Bにおける立体形状と投影された映像とが組み合わされて形成されるいわば立体画像表示による演出が実行される。このような立体画像表示による演出が実行されることにより、平面的な画像を用いた演出よりも興趣の高めた演出を実行することができる。特に、スクリーンが立体的であることから、平面的なスクリーンにいわゆる3D表示を行った場合よりもリアルに立体形状を表現することができるので、平面的な画像を用いた演出よりも興趣の高めた演出を実行することができる。
また、平面表示領域805Aには、プロジェクタ832から投影された映像による画像表示での演出が実行される。ここで、スクリーン805における平面表示領域805Aには、図17に示すように、プロジェクタ832の性質等により、プロジェクタ832から投影される映像が届かない非投影領域805NL,805NRが生じてしまう。
このような非投影領域805NL,805NRに対しては、サブLED833から照射される照射光が映されている。このように、非投影領域805NL,805NRにサブLED833の照射光を照射することにより、プロジェクタ832が映像を投影できない領域があるものの好適に演出を実行することができる。尚、非投影領域805NL,805NRには、サブLED833による照射光を単に照射する態様のほか、非投影領域805NL,805NRの映像をサブLED833の照射光で補完するようにしてもよい。
さらに、平面表示領域805Aには、飾り図柄表示エリア805L,805C,805Rに飾り図柄が、保留表示エリア805H1,805H2に保留表示が、保留数表示エリア805Fに保留数表示が、今回表示エリア805Kに今回表示がそれぞれ表示される。これらの飾り図柄、保留表示、保留数表示、今回表示の画像(以下「特定情報画像」という)は、遊技の進行の上で遊技者に確実に伝えることが求められる情報を含んでいる。このような特定情報画像が平面状の平面表示領域805Aに表示されることにより、特定情報画像に含まれる情報を遊技者が誤認することを抑制できる。
尚、特定情報画像には、上記の画像のほかの情報の画像が含まれるようにしてもよい。例えば、音量調整の案内を行う音量調整表示の画像、光量調整の案内を行う光量調整表示の画像、飾り図柄を小さく表示した小図柄の画像などを含んでもよい。特定情報画像は、平面表示領域805Aにおける投影領域805X内において、プロジェクタ832から投影される映像による画像にすべてが含まれて表示されている。このような画像の表示態様に変えて、平面表示領域805Aにおける投影領域805Xを外れた非投影領域805NL,805NRに特定情報画像を表示するようにしてもよい。ただし、サブLED833では画像を表示することは難しいので、この場合には、非投影領域805NL,805NRには、プロジェクタ832以外の他のプロジェクタや液晶表示装置などの表示装置によって画像を表示することが好適となる。
また、特定情報画像は、全部が平面表示領域805Aに表示されるのではなく、例えばその一部が立体表示領域805Bに表示されたり、全てが立体表示領域に表示されたりするようにしてもよい。特に、飾り図柄については、大きな文字で表示されることから、その一部あるいは全部が立体表示領域805Bに表示されるようにしてもよい。また、遊技の進行における関与は小さいが、画像表示が乱れることにより不具合が生じる画像、例えば著名人の肖像やキャラクタなどの完全な表示が要望される画像である完全表示要望画像についても平面表示領域805Aに表示し、立体表示領域805Bに表示しないようにしてもよい。特定画像には、特定情報画像と完全表示要望画像とが含まれる。また、平面表示領域805A及び立体表示領域805Bでは、種々の演出が実行されるが、これらの演出は、平面表示領域805Aのみで実行されてもよいし、立体表示領域805Bのみで行われてもよい。また、平面表示領域805Aは、スクリーン805の上方に形成され、立体表示領域805Bはスクリーン805の下方に形成されているが、その他の位置に形成されていてもよい。例えば、平面表示領域805Aが下方に配置され、立体表示領域805Bが上方に配置されていてもよいし、平面表示領域805Aが右側または左側、立体表示領域805Bがその反対の左側または右側に配置されていてもよい。あるいは、中央に平面表示領域805Aが形成され平面表示領域805Aの周りを囲むようにして立体表示領域805Bが形成されていてもよいし、中央に立体表示領域805Bが形成され立体表示領域805Bの周りを囲むようにして平面表示領域805Aが形成されていてもよい。
また、プロジェクタ832からスクリーン805に投影される画像は台形状を成している。本実施例においてスクリーン805は長方形であることから、スクリーン805に投影される画像の台形の長辺の長さを短辺の長さに合せるいわゆる台形補正を行うことが考えられる。ところが、台形補正を行うためのスクリーン805とプロジェクタ832との距離関係等の制約から、台形補正によっても画像を長方形にまでは補正できず、台形の上方左右位置にプロジェクタ832の映像が表示できない非投影領域805NL,805NRが生じている。本実施例では、この非投影領域805NL,805NRにサブLED833の照射光を照射することによって、長方形状のスクリーン805の全体に光があてられることにより、スクリーン805が長方形であることを遊技者に認識させることができる。また、横長の長方形状をなすスクリーン805の全ての領域に画像を表示することができるので、プロジェクタが投影できない領域があったとしても好適に演出を実行することができる。したがって、興趣の低下を抑制することができる。
尚、本実施例では、サブLED833が遊技枠803Aの内側下前方に配置されており、スクリーン805との相対的な位置関係としては、スクリーン805の下側前面にサブLED833が配置されている。サブLED833の配置位置はその他の位置としてもよく、例えば、スクリーン805の上側前面としてもよいし、右方前面または左方前面としてもよい。
また、非投影領域805NL,805NRに表示される画像は、サブLED833以外の表示装置によって形成してもよい。例えば、サブLED833に代えて、プロジェクタ832とは異なる他のサブプロジェクタを用いてもよいし、スクリーン805の非投影領域805NL,805NRに液晶表示装置を配置して、液晶表示装置で画像を表示してもよい。また、CRT(CathodeRayTube)ディスプレイやELディスプレイなど他の表示装置であってもよい。
また、非投影領域805NL,805NRは、平面領域に形成されているが、非投影領域に役物などの立体物を設けて、サブLEDで照射して立体物を発光させるようにしてもよい。あるいは、立体物を光透過性材料で構成して、立体物の裏側にサブLED等を配置して立体物を発光させるようにしてもよい。
また、本実施例に係るパチンコ遊技機801では、扉枠850が開放状態のときには、プロジェクタ832からの映像の投影を中止している。扉枠850が開放状態となると、プロジェクタ832から投影された投影光がパチンコ遊技機801のなんらかの部材、例えば内側透明板854に反射して遊技者に投影される懸念がある。この点、本実施例に係るパチンコ遊技機801では、扉枠850が開放状態のときには、プロジェクタ832からの映像の投影を中止することで、遊技者に対するプロジェクタ832からの光の投射を抑制することができる。
また、扉枠850においては、外側透明板855は、内側透明板854の正面側の全面を覆って取付けられていることから、プロジェクタ832は、内側透明板854と外側透明板855との間に配置された状態となる。このため、外側透明板855が設けられていることにより、遊技者が上方張出部840Aに設けられたプロジェクタ832に触ることを抑制できる。また、プロジェクタ832とスクリーン805との間に遊技者などが手などの異物を介在させて、映像が遮られる事態を抑制することができる。
また、右打誘導路804Eを形成する場合には、平面視したときにプロジェクタ832から投影される映像の光路と右打誘導路804Eとが重なってしまう。この点、プロジェクタ832から投影される映像の光路が平面視すると右打誘導路804Eよりも下側を通過する位置にプロジェクタ832が配置されていることにより、プロジェクタ832から投影される映像が右打誘導路804Eと重ならないようにすることができる。したがって、右打誘導路804Eによってプロジェクタ832が投影する画像を遮らないようにすることができる。
また、投影した投影光が直接スクリーン805に到達する向きでプロジェクタ832が配置されている。このため、プロジェクタ832から投影される投影光を反射させる反射ミラーを設ける必要がなくなり、部品点数の削減に寄与することができる。また、パチンコ遊技機801Bでは、遊技枠840の上方において、前方に突出する上方張出部840Aにプロジェクタ832が設けられている。このため、プロジェクタ832とスクリーン805との間の距離を確保することができ、スクリーン805に投影する画像を十分に大きくすることができる。
尚、プロジェクタ832を配置するにあたり、遊技枠840の上方において、前方に突出する上方張出部840Aを備えている。これに対して、遊技枠840の側方または下方において、前方に突出する張出部を形成し、当該張出部にプロジェクタ832を配置してもよい。
また、プロジェクタ832は、遊技枠840に設けられた上方張出部840Aに設けられ、スクリーン805も遊技枠840に設けられている。このため、例えば、扉枠850を開放させたりパチンコ遊技機801を搬送したりしても、プロジェクタ832とスクリーン805との相対的な位置関係が変わらないようにすることができる。したがって、プロジェクタ832から投影される画像をスクリーン805に精度よく写しだすことができる。
尚、本実施例では、遊技枠840に取付けられた上方張出部840Aにプロジェクタ832が設けられているが、例えば扉枠850に上方張出部を設け、当該上方張出部にプロジェクタ832を設けるようにしてもよい。この場合、扉枠850を開放状態とすると、プロジェクタ832からの投影光の光軸がスクリーン805からずれ、当該遊技機で遊技する遊技者及びその近隣で遊技する遊技者にプロジェクタ832の光軸が向く可能性がある。この点、扉枠850が開放状態のときには、プロジェクタ832からの映像の投影を中止することで、当該遊技機で遊技する遊技者及びその近隣で遊技する遊技者に対するプロジェクタ832からの光の投射を抑制することができる。
また、上方張出部840A、天板852、及び内側透明板854には、プロジェクタ832から投影される投影光を通過可能とされた開口部840C、天板開口部852A、及び中央開口部854Aがそれぞれ形成されている。このため、プロジェクタ832から投影される映像をスクリーン805に確実に映し出すことができる。尚、これらの開口部840C、天板開口部852A、及び中央開口部854Aは、いずれも空間として形成されているが、これらの開口部に透明の板などを設けてもよい。透明の板を設けることにより、開口部を通した異物の混入や部材の脱落などを防止することができる。また、これらの開口部にレンズを設けてもよい。開口部にレンズを設けることにより、プロジェクタ832から投影される映像の大きさを調整することができる。
また、プロジェクタ832が投影する画像を遮らない位置に右打誘導路804Eが形成されていることにより、右打誘導路804Eを通過する遊技球の影がスクリーン805に投影されるなどの事態を抑制することができる。したがって、プロジェクタ832から投影される画像がスクリーン805に確実に表示されるので、プロジェクタ832を用いた演出効果を確実に発揮することができる。
また、電源を立ち上げて(ONにして)から、しばらくの準備時間、例えばプロジェクタ832からの投影光を投影可能となるまでの間は、投影準備として、サブLED833による照射光の照射を抑制するようにしてもよい。電源を立ち上げたときにプロジェクタ832が投影可能となるまでには、プロジェクタ832の暖機運転が必要となり、暖機運転を行っている間は、プロジェクタ832からの適切な投影制御ができないことがある。プロジェクタ832からの投影光の投影ができない状態でサブLED833から照射光を照射した場合には、スクリーン805のうち、非投影領域805NL,805NRのみが明るい状態となり、違和感を覚えさせる虞がある。この点、電源を立ち上げてから、準備時間の間は、サブLED833からの照射光の照射を抑制することにより、スクリーン805のうち、非投影領域805NL,805NRのみが明るい状態となることによる違和感を小さくすることができる。尚、サブLED833からの照射光の照射を抑制する態様としては、照射光の照射を中止または遮断してもよいし、照射光の光量を小さくするようにしてもよい。また、投影準備としては、暖機運転以外の例を挙げることができる。例えば、プロジェクタ832が始動時に動作確認をする場合の動作確認であったり、プロジェクタ832における光源の確認作業であったりしてもよい。動作確認としては、画像投影幅の光量の設定確認などを挙げることができる。要は、プロジェクタ832が所定の映像を投影可能となるまでの間に実行される準備のいずれかであってもよい。また、プロジェクタ832としては、電源がONとなっているものの、消費電力を抑えたセーブモードを備えるものを用いてもよい。このようなプロジェクタ832では、プロジェクタ832がセーブモードにあるときには、電源を立ち上げたときと同様に、投影光を投影可能となるまでに暖機運転を要することとなる。ただし、セーブモード時から投影光を投影可能となるまでの暖機運転に必要な時間は、電源を立ち上げてから投影光を投影可能となるまでの暖機運転に必要な時間よりも短くなる。この暖機運転に必要な時間に基づいて、投影準備を行うタイミングを決定してもよい。
また、プロジェクタ832からスクリーン805までの間における各開口部などのプロジェクタ832から投影される投影光の光路上にレンズを設けてもよい。プロジェクタ832から投影される投影光の光路上にレンズを設けることにより、プロジェクタ832から投影される映像の大きさを調整することができる。またプロジェクタ832から投影される投影光の光路上に設けるレンズとして、魚眼レンズを用いてもよい。魚眼レンズを用いることで、映像を大きく表示することができる。
また、非投影領域805NL,805NRに光を照射するにあたり、非投影領域805NL,805NRが投影領域805Xよりも目立たないようにしながらも、スクリーン805の全体としては台形ではなく長方形であるかのような印象を遊技者に与えられる工夫をしてもよい。具体的には、投影領域805Xと非投影領域805NL,805NRとを別素材で形成し、投影領域805Xに使用される素材よりも非投影領域805NL,805NRで使用される素材の方が、黒かったり表面が荒かったりして反射率が低くなるようにしてもよい。また、投影領域805Xと非投影領域805NL,805NRとを一体的に形成する場合には、非投影領域805NL,805NRを黒塗りしたり、表面処理を施して表面を粗くしたりして、反射率を低くしてもよい。
次に、本発明の実施例3に係る遊技機について説明する。図23は、実施例3に係るパチンコ遊技機の正面図、図24は、その側断面図である。尚、本実施例に係るパチンコ遊技機801Aの説明、また、さらなる他の実施例や変形例の説明において、上記のパチンコ遊技機801と共通する構成については同一の符号を付し、その詳しい説明は省略することがある。
図23及び図24に示すように、本実施例に係るパチンコ遊技機801Aは、プロジェクタ832が、上方張出部840Aではなく、遊技機用枠803の内側に設けられている。また、上方張出部840Aの先端部には、ロゴ役物826が固定されており、ロゴ役物826の内側には、反射ミラー828が設けられている。
ロゴ役物826は、図24に示すように、装飾材826A及び役物用筐体826Bを備え構成されている。装飾材826Aは、光透過性材料によって形成されており、役物用筐体826Bは、光非透過性材料によって形成されている。また、装飾材826Aは、図23に示すように、正面からみて「FEVER」の文字が表されている。役物用筐体826Bは、前面側が開口した箱状をなしており、開口した部分に装飾材826Aが嵌め込まれている。役物用筐体826Bの裏面略中央位置には、プロジェクタ832から投影される投影光LPが通過する開口部が形成されており、役物用筐体826Bの裏面下側及び下面裏側には、反射ミラー828が反射した投影光(映像)LPが通過する開口部が形成されている。また、ロゴ役物826における役物用筐体826Bの内側に反射ミラー828が固定した状態で取付けられている。役物用筐体826Bの内側及び反射ミラー828の裏面側は白色であり、反射率が高くなっている。尚、反射ミラー828はパチンコ遊技機801の後方を向いているので、反射ミラー828の裏面は、パチンコ遊技機801Aの前方を向いている。
プロジェクタ832は、スクリーン805よりも上方であって、遊技機用枠803の上端部の位置において、投影した投影光LPが反射ミラー828に到達する向きで配置されている。また、反射ミラー828は、プロジェクタ832が投影した投影光がスクリーン805に向かう向きで配置されている。プロジェクタ832は遊技枠803Aに設けられ、反射ミラー828は、遊技機用枠803における上方張出部840Aに固定されたロゴ役物826に設けられている。このため、パチンコ遊技機801Aを移動させたり、扉枠850を開閉させたりしたとしてもプロジェクタ832と反射ミラー828との相対的な位置関係、さらには、プロジェクタ832とスクリーン805との相対的な位置関係は変化せずに維持される。したがって、パチンコ遊技機801Aの移動や扉枠850の開閉があったとしても、スクリーン805における適切な位置にプロジェクタ832から画像を投影することができる。また、反射ミラー828がロゴ役物826の裏面側に設けられていることにより、意匠性を損なうことなく反射ミラー828を設けることができる。
以上の構成を有する本実施例に係るパチンコ遊技機801Aでは、実施例2に係るパチンコ遊技機801と同様、非投影領域805NL,805NRに対しては、サブLED833から照射される照射光が映されている。このように、非投影領域805NL,805NRにサブLED833の照射光を照射することにより、プロジェクタ832が映像を投影できない領域があるものの好適に演出を実行することができる。
また、本実施例に係るパチンコ遊技機801Aでは、上記のパチンコ遊技機801と同様、扉枠850が開放状態のときには、プロジェクタ832からの映像の投影を中止している。扉枠850が開放状態となると、プロジェクタ832から投影された投影光がパチンコ遊技機801のなんらかの部材、例えば内側透明板854に反射して遊技者に投影される懸念がある。この点、本実施例に係るパチンコ遊技機801では、扉枠850が開放状態のときには、プロジェクタ832からの映像の投影を中止することで、遊技者に対するプロジェクタ832からの光の投射を抑制することができる。
また、プロジェクタ832から投影される投影光LPは、反射ミラー828の面積よりも広い範囲に投射されている。このため、プロジェクタ832から投影された投影光LPは、反射ミラー828によって反射されてスクリーン805に投影される映像のほか、ロゴ役物826における装飾材826Aを照らす光とされる。装飾材826Aは、光透過性材料によって構成されているので、プロジェクタ832から投射される光が透過して装飾が施されることとなる。
また、反射ミラー828に投影された投影光LPは、図25に示すように、ロゴ役物826における装飾材826Aの裏面及び役物用筐体826Bの内側面並びに反射ミラー828の裏面の間で乱反射する。この光の乱反射により、装飾材826Aを通過する光の輝度を高めることができる。さらに、役物用筐体826Bの内側面及び反射ミラー828の裏面は、白色であり、光の反射率が高くなっている。このため、ロゴ役物826の内側面及び反射ミラー828の裏面の間で乱反射する光の量が多くなり、装飾材826Aを通過する光の輝度をさらに高めることができる。
尚、装飾材826Aを通過する光の輝度を高めるために、ロゴ役物826の内側面及び反射ミラー828における役物用筐体826Bの裏面の間で光の吸収量を減らし、反射量が多くなるようにしてもよい。具体的には、上記のように白色とするほか、光の反射率の高い素材で役物用筐体826Bを形成してもよいし、光の反射率の高い素材からなる層を形成してもよい。
また、スクリーン805の表示やロゴ役物826を用いた演出の内容などによっては、プロジェクタ832から投影される投影光LPの投影範囲を反射ミラー828の内側のみに限定したり、反射ミラー828の範囲を超えてロゴ役物826の内側にまで投影光LPが到達するようにしたりしてもよい。例えば、大当り期待度が高い演出が実行されないときには、プロジェクタ832から投影される投影光LPを反射ミラー828の内側に限定してロゴ役物826を投影光LPが透過することによる装飾を行わず、大当り期待度が高い演出が実行されるときには、プロジェクタ832から投影される投影光LPを反射ミラー828より広い範囲としてロゴ役物826を投影光LPが透過することによる装飾を行うようにしてもよい。ロゴ役物826を投影光LPが透過することによる装飾を行うにあたって、プロジェクタ832から投影される投影光LPによって種々の装飾を容易に行うことができる。
尚、本実施例では、内側に反射ミラー828が設けられたロゴ役物826及び反射ミラー828を上方張出部840Aの先端部に取付けているが、他の位置に取付けてもよい。例えば、そのロゴ役物826をセンターフレーム804におけるスクリーン805の直上に設けてもよい。また、この場合のプロジェクタ832の高さ位置は、ロゴ役物826の高さ位置と略同一となるようにすればよい。プロジェクタ832の高さ位置は、ロゴ役物826の高さ位置と略同一とすることにより、プロジェクタ832の投影光をスクリーン805に容易に投影することができる。ただし、プロジェクタ832の高さ位置は、ロゴ役物826の高さ位置と略同一となる位置以外の位置としてもよい。
また、反射ミラー828は、扉枠850に設けられていてもよい。反射ミラー828を扉枠に設ける場合には、扉枠850における内側透明板854や外側透明板855に直接設けてもよいし、反射ミラー828を収容するミラー筐体を設けて、そのミラー筐体を扉枠850に取りつてもよい。あるいは、扉枠850に上方張出部を形成し、上方張出部内に反射ミラー828を収容してもよい。この場合、扉枠850を開放状態とすると、反射ミラー828が移動し、プロジェクタ832からの投射光の投射位置からずれるので、プロジェクタ832からの投影光が遊技者に直接あたり、遊技者に画像が投影されるなどの不具合が生じるおそれがある。この点、扉枠850が開放状態のときには、プロジェクタ832からの映像の投影を中止することで、当該遊技機で遊技する遊技者に対する画像の投影などの不具合を抑制することができる。
次に、実施例4に係るパチンコ遊技機について説明する。図26は、実施例4に係るパチンコ遊技機の正面図である。図26に示すように、本実施例に係るパチンコ遊技機801Bは、スクリーン805の側方であって、遊技盤802における遊技領域の右側高さ方向略中央位置において、サブ画像表示装置870が設けられている。サブ画像表示装置870は、例えば液晶表示装置によって構成される。サブ画像表示装置870は、スクリーン805と異なり、画像を表示する画像表示領域はすべて平面で構成されている。
尚、サブ画像表示装置870の設置箇所は、遊技盤802における遊技領域の右側高さ方向略中央位置に限定されず、他の位置であってもよい。例えば、サブ画像表示装置870は、遊技領域の外部や遊技機用枠803の前面上部、前面下部、前面側方といった、パチンコ遊技機801における任意の位置に設置されてもよい。また、サブ画像表示装置870は、固定的に取付けられている。尚、サブ画像表示装置870は、他の画像表示装置、例えば、プロジェクタとスクリーンとを備える表示装置であってもよい。
また、本実施例に係るパチンコ遊技機801Bにおいて、サブ画像表示装置870には、特定情報画像の一部が表示されている。具体的には、保留表示、保留数表示、今回表示の画像が表示されている。ただし、サブ画像表示装置870に他の特定情報画像、例えば飾り図柄や音量調整の案内を行う音量調整表示の画像、光量調整の案内を行う光量調整表示の画像、飾り図柄を小さく表示した小表示の画像が表示されるようにしてもよい。
以上の構成を有する本実施例に係るパチンコ遊技機801Bでは、実施例2に係るパチンコ遊技機801と同様、非投影領域805NL,805NRに対しては、サブLED833から照射される照射光が映されている。このように、非投影領域805NL,805NRにサブLED833の照射光を照射することにより、プロジェクタ832が映像を投影できない領域があるものの好適に演出を実行することができる。
また、本実施例に係るパチンコ遊技機801Bは、平面表示領域が形成されたサブ画像表示装置870を備えている。このため、遊技者が画像情報を認識しやすい表示を行うことができる平面表示領域の面積を大きくすることができる。したがって、多くの特定情報画像を遊技者が認識しやすい状態で表示することができる。また、サブ画像表示装置870が移動可能であることにより、特定情報画像や完全表示要望画像などの特定画像を見やすく表示するとともに、多彩な演出を実行することができる。
次に、実施例5に係るパチンコ遊技機について説明する。本実施例に係るパチンコ遊技機は、上記の実施例2に係るパチンコ遊技機801と比較して、メイン演出装置及び補助演出装置を備える点、さらには、補助演出装置では、暖機対応演出を実行する点において主に異なっている。以下、本実施例について、メイン演出装置及び補助演出装置、さらには暖機対応演出を中心に説明する。
メイン演出装置は、例えば液晶表示装置などの画像表示装置によって構成されており、演出制御基板812における演出制御用CPU920は、メイン演出装置の演出制御を実行している。また、補助演出装置は、上記の実施例2に示すプロジェクタ832、サブLED833、及びスクリーン805を備えて構成されている。以下、メイン演出装置で実行される演出をメイン演出、補助演出装置で実行される演出をサブ演出として、説明を進める。また、メイン演出及びサブ演出は、互いに異なるタイミングで実行される。
メイン演出装置における液晶表示装置は、メイン演出を実行しているときには、スクリーン805の前面位置に配置されている。このため、メイン演出の実行中には、遊技者はスクリーン805を視認できない状態となっている。また、メイン演出装置は、液晶表示装置を上下動させる上下動機構に取付けられており、メイン演出を実行しているときに液晶表示装置が配置されている位置の下方には、収納領域が形成されている。サブ演出が実行される際には、上下動機構によって液晶表示装置が下降制御され、収納領域に収納される。液晶表示装置が収納領域に収納されることで、遊技者がスクリーン805を視認可能な状態となり、この状態でサブ演出が実行される。尚、サブ演出が終了したときには、上下動機構によって液晶表示装置を上昇させて、メイン演出が実行可能な状態となる。
特図ゲーム中や大当り遊技状態中には、主として、メイン演出装置によるメイン演出によって、演出が進行している。このとき、補助演出装置によるサブ演出が実行されていなければ、プロジェクタ832の電源はOFFとされ、プロジェクタ832は停止となる。プロジェクタ832は消費電力が大きいので、メイン演出中にプロジェクタ832の電源をOFFとすることにより、消費電力の軽減を図ることができる。尚、補助演出装置によるサブ演出が実行されていないときには、サブLED833もOFFとされている。
また、サブ演出を実行するときには、プロジェクタ832からスクリーンに映像を投影するとともに、サブLED833からスクリーン805に照射光を照射する。こうして、プロジェクタ832からの投影光及びサブLED833からの照射光により演出を実行する。また、サブ演出は、例えば遊技者に有利となる期待度が高いときに実行される特定演出、具体的には大当り期待度が高い演出であるいわゆるスーパーリーチ演出において実行される。また、サブ演出は、計時手段による計時が所定の演出開始時間となったときに実行される特別演出、具体的には例えば規定時間となったときに開始されるいわゆるRTC演出において実行される。
次に、暖機対応演出について説明する。本実施例では、上記のスーパーリーチ演出及びRTC演出を暖機対応演出として実行する。暖機対応演出とは、停止中のプロジェクタ832の電源をONにし、映像を投影可能となった後に開始可能な演出である。停止中のプロジェクタ832の電源をONにした直後から映像の投影を開始するまでには、所定の暖機時間の経過を待つことが求められる。暖機対応演出は、プロジェクタ832の暖機運転が終了した後に開始する。
次に、暖機対応演出として実行されるスーパーリーチ演出について説明する。ここでのスーパーリーチ演出は、2段階で構成されており、第1段階ではメイン演出装置による演出が実行され、第2段階に発展すると補助演出装置による演出が実行される。スーパーリーチ演出における第1段階の演出を実行する際の消費時間は、プロジェクタ832の暖機運転が完了する暖機時間よりも長い時間とされている。
スーパーリーチ演出のさらに具体的な内容を説明すると、第1段階において、図17に示すメインキャラクタMCが図示しない敵キャラクタと対決する演出がメイン演出として実行される。メインキャラクタMCと敵キャラクタとの対決の結果、メインキャラクタMCが勝利すると、液晶表示装置に設定された飾り図柄表示エリアに大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示されて大当りとなる。こうして、スーパーリーチ演出は、第2段階へは移行せず、第1段階で終了する。
また、メインキャラクタMCが敗北すると、一旦画面がブラックアウト(暗転)し、終了パターンまたは復活パターンに移行する。終了パターンでは、そのままメイン演出が継続し、液晶表示装置における飾り図柄表示エリアに確定飾り図柄以外の飾り図柄が導出表示されてハズレとなり、特図ゲームが終了する。この場合も、スーパーリーチ演出は、第2段階へは移行せず、第1段階で終了する。
また、復活パターンでは、スーパーリーチ演出が第1段階から第2段階に移行する。第2段階では、メイン演出からサブ演出に移行し、サブ演出として復活演出が実行される。復活演出は、プロジェクタ832からスクリーン805に映像を投影し、サブLED833から照射光を照射して実行される。第2段階での演出では、プロジェクタ832からスクリーン805に映像を投影するいわゆるプロジェクションマッピングなどを用いた演出が実行されるので、液晶表示装置で実行される第1段階での演出よりも美麗な演出とすることができ、興趣の向上を図ることができる。
復活演出では、メインキャラクタMCを助けに来たサブキャラクタSC1、SC2がメインキャラクタMCとともに敵キャラクタと戦う演出が実行される。そして、メインキャラクタMC及びサブキャラクタSC1、SC2が敵キャラクタに勝利した場合には飾り図柄表示エリア805L,805C,805Rに大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示されて大当りとなる。また、メインキャラクタMC及びサブキャラクタSC1、SC2が敵キャラクタに敗北した場合には、飾り図柄表示エリア805L,805C,805Rに確定飾り図柄以外の飾り図柄が導出表示されてはずれとなる。こうして、スーパーリーチ演出が終了する。
演出制御基板812では、スーパーリーチ演出が実行される際、第2段階に移行するか否かは、主基板811から送信される変動カテゴリ指定コマンド等に基づいて決定される。変動カテゴリコマンドは、当該スーパーリーチ演出が実行される特図ゲームが開始されるとき、または当該スーパーリーチ演出が実行される特図ゲームが開始される前に演出制御基板812に送信される。このため、演出制御基板812において、スーパーリーチ演出が実行されるときには、サブ演出が実行されるか否かが決定されている。
また、スーパーリーチ演出における第1段階での演出の消費時間は、プロジェクタ832の暖機時間よりも長い時間に設定されている。このため、スーパーリーチ演出の実行が決定された場合には、スーパーリーチ演出の第1段階においてプロジェクタ832の暖機運転を完了させることができる。したがって、スーパーリーチ演出において、プロジェクタ832による映像の投影を確実に実行することができる。
また、このような2段階のスーパーリーチ演出としては、第1段階の消費時間がプロジェクタ832の暖機時間よりも短いスーパーリーチ演出であってもよい。このようなスーパーリーチ演出(以下「短準備時間スーパーリーチ演出」という)では、短準備時間スーパーリーチ演出を実行すると決定した時点で、プロジェクタ832の暖機時間を確保できない事態が生じ得る。そこで、暖機時間確保条件を満たした場合に短準備時間スーパーリーチ演出を実行できるようにしてもよい。
暖機時間確保条件とは、プロジェクタ832の暖機時間を確保した上でサブ演出を実行できるための条件である。具体的には、短準備時間スーパーリーチ演出を実行するか否かを決定する変動カテゴリ指定コマンドが送信された時点から、保留消化時間及び短準備時間スーパーリーチ演出における第1段階の消費時間を加算した時間(以下「準備可能時間」という)が、プロジェクタ832の暖機時間より長いか否かを判断する。尚、保留消化時間とは、変動カテゴリ指定コマンドが送信された時点における保留記憶されている特図ゲームの総消化時間をいう。
その結果、準備可能時間が、プロジェクタ832の暖機時間より長い場合には、短準備時間スーパーリーチ演出を実行可能と判断し、プロジェクタ832の暖機時間より短い場合には、短準備時間スーパーリーチ演出を実行可能と判断する。こうして、短準備時間スーパーリーチ演出の実行の可否を決定することにより、暖機運転が完了したプロジェクタ832を用いたサブ演出によって、短準備時間スーパーリーチ演出を確実に実行することができる。
また、プロジェクタ832の温度を検出する温度センサをプロジェクタ832に取付けておき、温度センサが検出したプロジェクタ832の温度を演出制御基板812の送信するようにしてもよい。演出制御基板812において、プロジェクタの作動時間及びプロジェクタが停止した後の休止時間を計測する計測タイマを設けてもよい。
演出制御基板812では、温度センサから送信された温度に基づいて、復活演出を含むスーパーリーチ演出の実行を制限してもよい。さらに具体的には、温度センサから送信された温度が、所定のしきい値温度を超えている場合には、復活演出を含むスーパーリーチ演出を中止し、プロジェクタ832を用いない他のスーパーリーチ演出を実行するようにしてもよい。ここでのしきい値温度は適宜設定することができ、例えば、プロジェクタ832を作動することにより、プロジェクタ832が故障する可能性が高くなる温度とすることができる。このように、温度センサから送信された温度が所定のしきい値温度を超える場合に、復活演出を含むスーパーリーチ演出の実行を中止することで、プロジェクタ832無理な及びその使用に伴うプロジェクタ832の故障を抑制することができる。
また、演出制御基板812では、プロジェクタ832の作動時間及びプロジェクタが停止した後の休止時間に基づいて、プロジェクタ832の温度を推定し、当該推定した温度が所定のしきい値を超える場合に復活演出を含むスーパーリーチ演出の実行を中止することができる。このように、推定された温度が所定のしきい値温度を超える場合に、復活演出を含むスーパーリーチ演出の実行を中止することで、プロジェクタ832の無理な使用及びその使用に伴うプロジェクタ832の故障を抑制することができる。尚、プロジェクタ832の作動時間及びプロジェクタが停止した後の休止時間に基づいて、プロジェクタ832の温度を推定する例に代えて、プロジェクタ832の作動時間及びプロジェクタが停止した後の休止時間をパラメータとして、復活演出を含むスーパーリーチ演出の実行を中止するようにしてもよい。尚、スーパーリーチ演出の中止に代えて、スーパーリーチ演出の実行割合を低くするようにしてもよい。
また、上記の復活演出を含むスーパーリーチ演出としては、複数種類のスーパーリーチ演出が設定されていてもよい。これらの複数種類のスーパーリーチ演出として、大当り期待度の異なるスーパーリーチ演出が設定されていてもよい。また、複数のスーパーリーチ演出を設定するにあたり、第1段階は共通でありながら、第2段階が異なるスーパーリーチ演出としてもよいし、第1段階は異なるが、第2段階が共通するスーパーリーチ演出としてもよい。また、スーパーリーチ演出の大当り期待度として、第1段階と第2段階の組合せによって大当り期待度が異なるようにしてもよい。
次に、暖機対応演出として実行されるRTC演出について説明する。RTC演出とは、RTC(real-timeclock)を用いて実行される演出である。演出制御基板812には、RTC回路が組込まれており、RTCの時間計測に基づく所定の特定演出実行条件が満たされたときに、RTC演出が実行される。ここでの特定演出実行条件としては、例えば、所定の時刻、例えば12時、18時となったこととしてもよいし、前回のRTC演出の実行開始からインターバルとなる時間が所定時間、例えば1時間が経過したこととしてもよい。または、所定時間が一定の時間でなくてもよい。例えば、インターバルとなる時間1時間と2時間とを繰り返してもよいし、インターバルとなる時間を1時間単位で1時間〜3時間の間の適宜の時間とすることもできる。また、RTC演出が実行される時間としては、遊技場の営業時間外なる時間、具体的には23時〜9時を避けた時間の間に限定してもよい。
また、RTC演出は、複数の同機種のパチンコ遊技機で同時に実行されるようにしてもよい。具体的には、RTC演出が実行される時間を各パチンコ遊技機で同じ時間に設定しておき、同じタイミングで同じRTC演出が実行されるようにしてもよい。このように、同じ機種で同じタイミングで同じRTC演出が実行されることにより、迫力が大きいRTC演出を実行することができる。
特定演出実行条件が満たされたときにRTC演出を実行する場合、特定演出実行条件が満たされる時間が予定されている。本実施例では、特定演出実行条件が満たされる時間よりもプロジェクタ832の暖機時間分の前の時間、または暖機時間分よりも多い時間分の前の時間からプロジェクタ832の暖機運転を開始させる。このため、RTC演出を開始するときには、プロジェクタ832の暖機運転が完了した状態とすることができる。したがって、プロジェクタ832を用いたRTC演出を確実に実行することができる。
尚、暖機対応演出を実行するときのプロジェクタ832の電源をONにする(暖機運転を開始する)タイミングは、暖機対応演出に応じてあらかじめ設定されているようにすればよい。例えば、暖機対応演出がスーパーリーチ演出であって、第1段階ではメイン演出、第2段階ではサブ演出が実行される場合には、当該スーパーリーチ演出を実行する際の特図ゲームの開始時であってもよいし、飾り図柄でリーチ状態が形成されたときであってもよい。または、当該スーパーリーチ演出が第1段階となったときとしてもよいし、スーパーリーチ演出として、いわゆる通常リーチ演出からスーパーリーチ演出に発展する発展パターンである場合には、スーパーリーチに移行したときであってもよい。あるいは、サブ演出の実行が開始されるタイミングを基準として、プロジェクタ832の暖機時間を逆算して得られるときとしてもよい。また、プロジェクタ832がセーブモードにある場合には、プロジェクタ832の電源をONにするときよりも暖機時間を短くしてプロジェクタ832の暖機運転を開始するタイミングを決定してもよい。また、当該スーパーリーチ演出を実行する際の特図ゲームが開始される前の特図ゲームが実行されているときに、暖機運転を開始してもよい。特に、予告の対象となる可変表示が開始される前に、特図ゲームの保留情報等に基づいて実行される演出(いわゆる先読み演出)が実行される場合には、当該スーパーリーチ演出を実行する際の特図ゲームが開始される前の特図ゲームが実行されているときに、暖機運転を開始してもよい。また、暖機対応演出がRTC演出である場合にも、同様にして暖機運転を開始するタイミングを決定してもよい。
次に、本発明の実施例6について説明する。本実施例に係るパチンコ遊技機は、第1の実施例で示したサブLED833に代えて、スクリーン805における非投影領域805NL,805NRの裏側にサブLEDが配置されている。また、スクリーン805における非投影領域805NL,805NRは光透過性材料で構成されている。
本実施例に係るパチンコ遊技機では、非投影領域805NL,805NRの裏側に、サブLEDが設けられており、非投影領域805NL,805NRを透過したサブLEDの光を映している。このように、非投影領域805NL,805NRにサブLEDの光を映すことにより、プロジェクタ832が映像を投影できない領域があるものの好適に演出を実行することができる。
尚、上記の例では、非投影領域805NL,805NRを光透過性材料で構成しているが、投影領域805X及び非投影領域805NL,805NRを一体的に有するスクリーン805を形成するには、スクリーン805における投影領域805Xも光透過性材料で構成することとなる。この場合、投影領域805Xの裏側に光反射性の高い材料を配設しておいてもよい。投影領域805Xの裏側に光反射性の高い材料を配設することで、投影領域805X自体は光透過性であるものの、投影領域805Xの裏側に配置された光反射性の高い材料によってプロジェクタ832から投影された投影光LPが反射されるので、プロジェクタ832から投影された映像を好適に表示することができる。
また、非投影領域805NL,805NRの裏側のサブLEDを配置して光を映すにあたり、非投影領域805NL,805NRが投影領域805Xよりも目立たないようにしながらも、スクリーン805の全体としては台形ではなく長方形であるかのような印象を遊技者に与えられる工夫をしてもよい。具体的には、サブLEDの側方を囲うようにしてシールド材を配置し、サブLEDから照射された光の非投影領域805NL,805NRから投影領域805Xへの漏れ出しを抑制してもよい。サブLEDから照射された光の非投影領域805NL,805NRから投影領域805Xへの漏れ出しを抑制することにより、非投影領域805NL,805NRを明るくして非投影領域805NL,805NRが投影領域805Xよりも目立たないようにしてスクリーン805の全体としては台形ではなく長方形であるかのような印象を遊技者に与えながらも、スクリーン805に投影されるプロジェクタ832からの映像をはっきりと表示することができる。ただし、サブLEDから照射される光が集中して非投影領域805NL,805NRが明るくなりすぎる場合には、サブLEDから照射される光の光量を小さくすればよい。またサブLEDの側方を囲うようにしてシールド材を配置する代わりに、一面が開口面とされたケース内にサブLEDを収容し、当該開口面を非投影領域805NL,805NRで覆うように配置してもよい。この場合にも、非投影領域805NL,805NRを明るくして非投影領域805NL,805NRが投影領域805Xよりも目立たないようにしてスクリーン805の全体としては台形ではなく長方形であるかのような印象を遊技者に与えながらも、スクリーン805に投影されるプロジェクタ832からの映像をはっきりと表示することができる。
あるいは、非投影領域805NL,805NRの光が目立たなくなるようにしてもよい。具体的には、スクリーン805における非投影領域805NL,805NR部分の厚さを投影領域805X部分の厚さよりも厚くなるようにしてもよい。あるいは、サブLEDが発する光量が小さくなるようにしてもよい。特に、プロジェクタ832から投影される投影光の光量が少なくなる場合に、サブLEDが発する光量も小さくなるようにしてもよい。
以下、本発明の変形例について説明する。
<変形例5> プロジェクタ832またはサブLED833から投影される映像に、図27に示すように、スクリーン805に仮想光源αが含まれるようにしてもよい。この場合、仮想光源αが光源となってスクリーン805の他の部分、図27に示す例では、中央立体表示領域805BCを挟んで仮想光源αの反対側となる位置に中央立体表示領域805BCの影βが発生することがある。このような影βが発生する領域に、特定情報画像や完全表示要望画像を表示しないように制御してもよい。影βが発生する領域に特定情報画像を表示しないようにすることで、特定情報画像による情報が遊技者に伝わりにくくなる事態を抑制することができる。また、影βが発生する領域に完全表示要望画像を表示しないようにすることで、完全表示要望画像の不完全な表示を抑制することができる。
尚、仮想光源αや影βの発生については、プロジェクタ832及びサブLED833から投影される映像の内容及びスクリーン805の形状に基づいて予め想定することができる。このため、プロジェクタ832またはサブLED833から投影される映像について、特定情報画像や完全表示要望画像の表示を行わない制御を実行することができる。
<変形例6> また、プロジェクタ832から投影される映像が表示されるスクリーンとしては、図28に示すように、表面の平面表示領域805A及び立体表示領域805Bのみならず、側面表示領域や底面表示領域を含めた複数の表示面が設けられたスクリーン860としてもよい。スクリーン860の概要について説明すると、スクリーン860は、奥面表示領域861、右側面表示領域862、左側面表示領域863、及び底面表示領域864を備えている。また、奥面表示領域861には、上記の実施例2と同様の平面表示領域861A及び立体表示領域861Bが設けられている。右側面表示領域862、左側面表示領域863、及び底面表示領域864は、いずれも平面表示領域のみが形成されている。ただし、右側面表示領域862、左側面表示領域863、及び底面表示領域864の一部または全部に立体表示領域を設けてもよい。
このような多面の表示領域を備えるスクリーン860において、特定情報画像や完全表示要望画像については、平面表示領域に表示するのが好適である。また、複数の特定情報画像を同時に表示する際には、複数の特定情報画像を異なる表示領域に表示するようにしてもよい。例えば、図17と同様に飾り図柄、保留表示、保留数表示、今回表示の画像を表示する場合に、飾り図柄を奥面表示領域861における平面表示領域861Aに表示し、保留表示、保留数表示、及び今回表示の画像を底面表示領域864に表示するようにしてもよい。これらの奥面表示領域861における平面表示領域861A及び底面表示領域864はいずれも平面であるので、特定情報画像を見やすく表示することができる。
また、他の特定情報画像を表示するにあたり、例えば、特定情報画像として、小図柄、音量調整表示、光量調整表示、右打ち表示等の各画像を表示する場合に、小図柄、音量調整表示、右打ち表示等の各画像を平面表示領域に表示するようにしてもよい。さらに、奥面表示領域861における平面表示領域861A、右側面表示領域862、左側面表示領域863、及び底面表示領域864においてそれぞれ表示する画像を変えるようにしてもよい。例えば、奥面表示領域861における平面表示領域861Aに飾り図柄の画像を表示し、底面表示領域864に保留数及び保留の画像を表示するようにしてもよい。このような態様により、特定情報画像を見やすく表示する領域を広くすることができる。また、完全表示要望画像についても、右側面表示領域862、左側面表示領域863、及び底面表示領域864のいずれかに表示するようにしてもよい。
また、図28及び図29に示す例では、奥面表示領域861に投影領域の幅広部と幅狭部とが形成され、幅狭部の側方に非投影領域が形成される。さらには、右側面表示領域862及び左側面表示領域863においては、投影領域と非投影領域とが形成されている。奥面表示領域861における非投影領域には、遊技枠の内側に設けられた図示しないサブLEDから照射光を照射して、非投影領域を発光させることができる。同様に、右側面表示領域862及び左側面表示領域863における非投影領域にも、遊技枠の内側に設けられた図示しないサブLEDから照射光を照射して、非投影領域を発光させることができる。また、奥面表示領域861の非投影領域を光透過性材料で形成し、非投影領域の裏側にサブLED等を配置して非投影領域を発光させてもよい。同様に、右側面表示領域862及び左側面表示領域863の非投影領域を光透過性材料で形成し、非投影領域の裏側にサブLED等を配置して非投影領域を発光させてもよい。
<変形例7> 変形例6のように、複数の表示面が設けられたスクリーン860において、共通する情報を異なる特定情報画像で表示してもよい。例えば、特定情報画像として右打ち表示の画像を表示する際に、奥面表示領域861、右側面表示領域862、及び左側面表示領域863に右打ち表示の画像を表示してもよい。かかる表示により、遊技者がスクリーン860を見る角度が変化した場合でも、遊技者の特定情報の視認を補助することができる。
また、複数の表示面に特定情報画像を表示するにあたり、異なる特定情報画像を異なる表示面に表示するようにしてもよい。例えば、共通する情報を異なる特定情報画像で表示する例として、右打ち表示の画像を表示するにあたり「右打ち」と記載した文字情報を表示することもできるし、右方向を向いた矢印の画像を表示することもできる。この場合、「右打ち」と記載した文字情報の画像からなる特定情報画像を奥面表示領域861に表示し、右方向を向いた矢印の画像を右側面表示領域862及び左側面表示領域863に表示してもよい。このように、ある特定情報を異なる特定情報画像で表示することにより、対象となる特定情報を多面的に提供することができ、遊技者の注意を喚起することができる。
<変形例8> 変形例7において、スクリーン860における奥面表示領域861、右側面表示領域862、左側面表示領域863、及び底面表示領域864は、遊技盤802の中央に形成されたスクリーン取付孔802Aに設けられている。ここで、スクリーン取付孔802Aの内縁に沿って額縁状役物が取付けられ、その額縁状の役物内に奥面表示領域861、右側面表示領域862、左側面表示領域863、及び底面表示領域864に設けられているようにしてもよい。
額縁状の役物内に奥面表示領域861、右側面表示領域862、左側面表示領域863、及び底面表示領域864に設けられているようにすることで、奥面表示領域861が額縁の奥方に埋め込まれている印象を遊技者に与えることができ、興趣の向上を図ることができる。また、額縁状の役物が形成されていることにより、スクリーン860を他の背景と明確に仕切ることができる。
尚、本変形例では、額縁状の役物内にスクリーン860を設けているが、奥面表示領域861に額縁状の役物を模した画像及び額縁状の役物を模した画像内にスクリーン860を模した画像を表示してもよい。このような表示を行うことにより、遊技者が視認している画像が本物の役物と画像表示された役物のいずれであるかのような錯覚を与えることができ、興趣の向上に寄与することができる。
<変形例9> スクリーン805に画像を表示するにあたり、焦点が合っていない画像であるいわゆるブレ画像を重ねて表示して、画像の一部が吸い込まれるような表示を行うようにしてもよい。例えば、図30に示すように、中央立体表示領域805BCには、焦点の合った映像を投影して画像を表示し、その周囲の表示領域、具体的には、右立体表示領域805BR、左立体表示領域805BL、及び平面表示領域805Aには焦点が合っていないブレ画像を表示してもよい。
このようなブレ画像を表示することにより、中央立体表示領域805BCに表示されたメインキャラクタ画像MCに、周囲の画像、例えば左立体表示領域805BL及び右立体表示領域805BRにそれぞれ表示されたサブキャラクタ画像SC1,SC2(図17参照)並びに平面表示領域805Aに表示された背景画像が吸い込まれるような表示を行ってもよい。このような表示を行うことにより、画像表現の多様化を図ることができ、興趣の向上に寄与することができる。また、焦点が合った映像が投影される表示領域が中央立体表示領域805BCであることにより、中央立体表示領域805BCに表示されるメインキャラクタ画像MCを中心とした演出を行う際に好適な仕様とすることができる。
さらに、上記のような画像の一部が吸い込まれるような表示を行った後に、スクリーン805に表示されていた画像の全体または画像背景などが変化する画像表示の変更を行うようにしてもよい。画像の一部が吸い込まれるような表示を行った後に画像表示の変更を行うことにより、画像表示の変更が行われたことを遊技者に明確に認識させることができる。画像表示の変更が行われる場面としては、いわゆるリーチ演出における発展演出、大当り遊技状態以外の遊技状態である通常遊技状態中の演出におけるモード変更演出、大当り遊技状態中に場面変更演出などの演出が行われる場面を挙げることができる。
<変形例10> スクリーン805に画像を表示するにあたり、スクリーン805における平面表示領域805Aから立体表示領域805Bにわたって縦方向に延在する黒色部分を表示することにより、スクリーン805に表示された画像が中央から開かれるような画像を表示してもよい。このようなスクリーン805に表示された画像が中央から開かれるような画像の表示により、画像表示の多様化を図ることができ、興趣の向上に寄与することができる。
また、黒色部分をスクリーン805における中央部分に表示し、中央立体表示領域805BCに表示されるメインキャラクタ画像MCの手が黒色部分を押し広げる画像を表示することにより、メインキャラクタ画像MCが画像全体を開いているような画像を表示してもよい。このような画像を表示する演出を行うことで、メインキャラクタ画像MCを中心とした演出を好適に行うことができる。
さらに、上記のような画面が開かれるような画像を表示した後に、スクリーン805に表示されていた画像表示の変更を行うようにしてもよい。画面が開かれるような画像を表示した後に画像表示の変更を行うことにより、画像表示の変更が行われたことを遊技者に明確に認識させることができる。
<変形例11> スクリーン805に画像を表示するにあたり、スクリーン805に表示される画像の全体にひび画像(亀裂画像)を表示し、画像が破壊されるような画像を表示してもよい。このような画像が破壊されるような画像の表示により、画像表示の多様化を図ることができ、興趣の向上に寄与することができる。例えば、スクリーン805の中央部分に鉄球がぶつかった画像を表示し、当該鉄球の画像を中心にひび割れが生じる画像を表示してもよい。
また、例えば、図31に示すように、スクリーン805における平面表示領域805A及び立体表示領域805Bにランダムに黒色状の亀裂画像CCを表示し、この亀裂画像CCから画像全体が切り裂かれているような画像を表示してもよい。このときに、立体表示領域805Bに表示されるキャラクタ画像のうち、切り裂かれるキャラクタ画像と切り裂かれないキャラクタ画像とがあり、切り裂かれなかったキャラクタ画像を用いた演出を実行してもよい。例えば、左右立体表示領域805BL,805BRにそれぞれ表示されたサブキャラクタ画像SC1,SC2が亀裂によって引き裂かれ、中央立体表示領域805BCに表示されたメインキャラクタ画像MCが亀裂によって引き裂かれなかった場合には、メインキャラクタ画像MCを用いた演出を実行すればよい。また、中央立体表示領域805BCに表示されたメインキャラクタ画像MCが亀裂によって引き裂かれ、左右立体表示領域805BL,805BRにそれぞれ表示されたサブキャラクタ画像SC1,SC2が亀裂によって引き裂かれなかった場合には、サブキャラクタ画像SC1,SC2を用いた演出を実行すればよい。
<変形例12> スクリーン805に映像を表示するにあたり、スクリーン805の全体を縮小させた映像を投影することにより、スクリーン805が奥方に移動(後退)したかのような演出を実行してもよい。このような映像を表示することにより、実際にスクリーン805を移動させることなく、スクリーン805が移動したかのような多彩な演出を実行することができ、興趣の向上に寄与することができる。
例えば、実際にスクリーン805を後退させたとすると、スクリーン805に表示される画像は大きくなるので、スクリーン805が後退したことの実感を遊技者に与えにくくなる。ところが、画像を小さく表示することにより、実際にスクリーン805を後退させることなくスクリーン805が後退したような演出を実行することができる。
また、スクリーン805の全体を拡大させた映像を投影することにより、スクリーン805が奥方から移動(前進)したかような演出を実行してもよい。このような演出を行うことで、実際にスクリーン805を移動させることなく、スクリーン805が移動したかのような多彩な演出を実行することができ、興趣の向上に寄与することができる。
<変形例13> スクリーン805に映像を表示するにあたり、複数の立体表示領域805BC,805BL,805BRにそれぞれ表示されるキャラクタ画像MC,SC1,SC2のそれぞれに音声を対応付けておき、キャラクタ画像MC,SC1,SC2がエフェクト(強調)表示された場合に、対応する音声を発するようにしてもよい。例えば、メインキャラクタ画像MCが歌を歌う場合には、メインキャラクタ画像MCをエフェクト表示し、サブキャラクタ画像SC1,SC2を非エフェクト表示するようにしてもよい。このようなエフェクト表示及び音声の発生により、興趣の向上に寄与することができる。
エフェクト表示は種々の態様で行うことができる。例えば、非エフェクト表示が発光させない(消灯する)態様であるのに対して、エフェクト表示は発光させるようにしてもよいし、非エフェクト表示よりも光量を大きくした表示としたり、いわゆるスポットライト表示を行ったりすることができる。また、非エフェクト表示と色を変えた表示を行うこともできる。
<変形例14> 本変形例では、スクリーン805の手前に、図32(C)に示す可動役物880が設けられている。また、本変形例では、演出モードとして、第1演出モードと第2演出モードが設定されており、第1演出モード中から第2演出モードに移行することがあり、第2演出モードに移行した後、所定回数の特図ゲームが終了した後に第1演出モードに戻る。また、可動役物880は、スクリーン805の手前位置に設けられた図示しない収納領域に収納された図32(A)に示す収納状態と、可動役物880が収納領域からせり上がった図32(C)に示す露出状態とがある。第1演出モード中は、主に可動役物880が収納状態なり、第2演出モード中は、主に可動役物880が露出状態となる。
第1演出モードから第2演出モードへの移行は、移行可能条件が成立した特図ゲーム中にプッシュボタン831Bが操作されることで行われる。遊技者は、移行可能条件が成立した特図ゲーム中にプッシュボタン831Bを操作することにより、演出モードを第1演出モードから第2演出モードに移行させることができる。以下、本変形例における第1演出モードから第2演出モードへの移行の流れについて説明する。図32は、本変形例を説明するためのスクリーンの正面図を用いた説明図である。
例えば、第1演出モード中であって特図ゲームが実行されているときに移行可能条件が成立すると、図32(A)に示すように、スクリーン805に操作要求画像HAが表示される。移行可能条件は、特図ゲームが開始されたこと及び当該特図ゲームが開始されたときに無効条件が成立していないときに成立する。操作要求画像HAは、プッシュボタン831Bを模した画像と、当該画像の上方に配置された下方を向いた矢印で構成されている。スクリーン805の操作要求画像HAが表示されることにより、プッシュボタン831Bの操作を遊技者に要求することができる。
無効条件は、例えば、以下の条件のうちの少なくとも1つを満たすことである。(1)当該特図ゲームにおいて、プッシュボタン831Bの操作を要求する演出が行われること(2)当該特図ゲームにおける可変表示結果が「大当り」になること(3)プッシュボタン831Bの操作によって演出モードの選択以外の所定の選択行為が可能な状態となっていること(4)前回の特図ゲームで演出モード入替操作が行われたこと(5)所定回数の特図ゲームが実行される間、大当り遊技状態に移行する割合が高い状態中(いわゆるST中)における特図ゲームの残り回数が0回または1回となっていること(6)前回の特図ゲームから連続する演出(いわゆる連続演出)が実行されていること(7)可変表示の表示結果が「大当り」となる可能性を予告するものであり、予告の対象となる可変表示が開始される前に、特図ゲームの保留情報等に基づいて実行される演出(いわゆる先読み演出)が実行されること。
上記の無効条件が設定されていることにより、演出モードを入れ替えるにあたって不適切なタイミングとなった場合における演出モードの入れ替えを抑制することができる。具体的に、無効条件として(1)(3)が設定されていることにより、プッシュボタン831Bの操作の誤認を抑制することができる。また、無効条件として(2)が設定されていることにより、当該特図ゲーム後には大当り遊技状態に移行する場合におけるモード選択を抑制することができる。無効条件として(4)が設定されていることにより、可動役物880の移動時間が確保できない場合における演出モードの入れ替えを抑制することができる。この点について説明すると、可動役物880が収納状態から露出状態に移行するまでには、所定の移動時間が必要となる。所定の移動時間は、演出モードの入れ替えが実行される特図ゲームで確保されるが、演出モードの入れ替えに要する時間を考慮した場合、操作要求画像HAを表示する十分な時間を確保できないことが懸念される。このため、(4)の条件を設定している。
無効条件として(5)が設定されていることにより、特別な演出を実行する際における当該演出を妨げないようにすることができる。この点についてさらに説明すると、ST中の特図ゲームの残り回数が0回または1回となっているときには、大当りへの期待を高める特別な演出が実行される割合が高くされている。このような特別な演出を演出モードの入れ替え操作で妨げないようにすることができる。無効条件として(6)(7)が設定されていることにより、複数の特図ゲームにまたがって実行される演出を演出モードの入れ替え操作で妨げないようにすることができる。
移行可能条件が成立した当該特図ゲームの実行中に操作要求画像HAの表示による操作要求に応じて遊技者がプッシュボタン831Bを操作すると、次の特図ゲームが開始されたときに、図32(B)に示すように、収納領域に収納されていた可動役物880がスクリーン805の手前位置にせり上がってくる。図32(A)(B)に示す例では、可動役物880がせり上がってくる位置に操作要求画像HAが表示されている。可動役物880は、図32(A)に示す操作要求画像HAが表示されていた位置にせり上がってくる。このように、操作要求画像HAが表示された位置に可動役物880がせり上がるので、操作要求画像HAの表示位置は可動役物880のせり上がり位置を遊技者に案内することができる。
可動役物880は、底面が半円形の柱状体であり、いわば「かまぼこ形状」をなしている。可動役物880は、図32(B)に示す状態を平面視した際に半円形状をなす柱状体である。また、可動役物880のせり上がり位置は、立体表示領域805Bにおける中央立体表示領域805BCの手前位置である。このため、可動役物880がせり上がると、可動役物880によって中央立体表示領域805BCは隠されてしまう。
ただし、図32(B)に示すように、可動役物880のせり上がりに合せて、立体表示領域805Bは移動しないが、立体表示領域805Bに表示されていたメインキャラクタ画像MCの表示位置が上昇する。そして、図32(C)に示すように、可動役物880のせり上がりが完了して露出状態となると、可動役物880によって中央立体表示領域805BCは隠されるとともに、可動役物880の上にメインキャラクタ画像MCが乗っているような画像が表示される。こうして、可動役物880が露出状態となって第2演出モードによる演出が実行される。
第2演出モードによる演出が実行される際、可動役物880が露出状態となって、スクリーン805の手前に位置している。第2演出モードでは、プロジェクタ832は、スクリーン805のほかに可動役物880に画像を表示することを前提として映像を投影する。第1演出モードでは、上記の実施例2と同様にスクリーン805に映像を投影することによる画像を表示した演出が実行され、第2演出モードでは、スクリーン805と可動役物880に映像を投影することによる画像を表示した演出が実行される。このため、演出の多様化を図ることができる。また、第1演出モードと第2演出モードを遊技者が選択することができるので、遊技者の嗜好に応じた演出を実行することができる。
尚、本変形例では、可動役物880がかまぼこ形状をなしているが、他の形状、例えば所定のキャラクタを立体的に表す形状としてもよい。また、可動役物880は1種類のみが収納状態及び露出状態となっているが2種類以上の複数の可動役物が収納状態及び露出状態となるようにしてもよい。この場合、複数の可動役物が同時に露出状態となるようにしてもよいし、1種類ずつのみ露出状態となるようにしてもよい。
また、本変形例では可動役物880のせり上がりに合せてメインキャラクタ画像MCの表示位置が上昇しているが、メインキャラクタ画像MCの表示位置は変動しないようにしてもよい。この場合、例えば、可動役物880にメインキャラクタMCが隠されてしまう映像を表示してもよいし、メインキャラクタ画像MCの表示位置がスクリーン805から可動役物880に移行するようにしてもよい。メインキャラクタ画像MCの表示位置がスクリーン805から可動役物880に移行するときには、例えばメインキャラクタ画像MCがスクリーン805から可動役物880に向けてジャンプするような画像を表示してもよい。
<変形例15> 変形例14では、操作要求画像HAは、可動役物880がせり上がってくる位置に表示されている。これに対して、操作要求画像HAはこのような位置以外の位置に表示してもよい。例えば、平面表示領域805Aに操作要求画像HAを表示してもよい。平面表示領域805Aに操作要求画像HAを表示することにより、操作要求画像HAを遊技者に認識させやすくすることができる。
あるいは、操作要求画像HAを平面表示領域805Aと立体表示領域805Bとの間にまたがって表示してもよいし、図28に示す変形例6のように、奥面表示領域861、右側面表示領域862、左側面表示領域863、及び底面表示領域864を備えるスクリーン860を用いる場合には、右側面表示領域862、左側面表示領域863、または底面表示領域864に表示してもよいし、奥面表示領域861、右側面表示領域862、左側面表示領域863、及び底面表示領域864の複数にまたがって表示してもよい。
<変形例16> 上記の変形例14における第1演出モード(可動役物880が収納状態にある演出モード)中の特図ゲームで実行される演出として、可動役物880が徐々にせり上がる演出(以下「せり上がり演出」という)を設けることができる。また、せり上がり演出を実行するにあたり、スクリーン805の表示を真っ暗とするブラックアウト表示を行い、せり上がる可動役物880をライトアップする表示(以下「ライトアップ表示」という)を行うようにしてもよい。ライトアップ表示を行うことにより、せり上がる可動役物880を際立たせる演出を実行することができ、興趣の向上に寄与することができる。可動役物880のライトアップは、プロジェクタ832を用いて実行すればよい。
また、ライトアップ演出は、可動役物880を1色の映像で照らす演出としてもよいし、2色や3色あるいは複数色、例えばレインボーで照らす演出としてもよい。また、ライトアップ演出は、単に可動役物880を照らすのみならず、可動役物880にキャラクタなどの映像を投影する演出としてもよい。特に、可動役物880としてかまぼこ形状の可動役物ではなくフィギア形状などの役物を用いる場合には、当該フィギアに応じた映像を表示するようにしてもよい。
<変形例17> 変形例16において説明したせり上がり演出において、可動役物880がせり上がり動作を行い、最終的に停止した可動役物880のせり上がり高さに応じて大当り期待度が異なるようにしてもよい。例えば、せり上がり演出において、可動役物880のせり上がり高さを上段(露出状態に相当)、中段、下段、不変(収納状態に相当)の4段階とし、可動役物880のせり上がり高さが上段>中段>下段>不変の順で大当り期待度が高くなるようにすればよい。あるいは、その他の順番、例えば不変>上段>中段>下段などの順としてもよい。
可動役物880がせり上がるときの動作は、徐々にせり上がり高さが高くなっていく動作としてもよいし、いろいろな高さまで一旦上昇した後、上下動を繰り返して最終的な高さ位置に停止するようにしてもよい。この場合、せり上がり高さが不変となるせり上がり演出では、一旦可動役物880が上昇した後、最終的に可動役物880が下降して収納状態となってせり上がり高さが不変となる。
また、せり上がり高さが同じであっても可動役物880のせり上がり動作によって大当り期待度が異なるようにしてもよい。例えば、最終的には可動役物880が中段で停止する場合において、可動役物880が一旦上段まで上昇した後に下降して中段で停止したときには、可動役物880が上段まで上昇することなく中段で停止したときよりも大当り期待度が高くなるようにしてもよい。
また、せり上がり演出中に可動役物880にプロジェクタ832から映像を投影し、投影した映像に応じて大当り期待度が異なるようにしてもよい。例えば、可動役物880が上段までせり上がり場合、可動役物880に投影される映像が赤色のスポットライトであるときには、青色のスポットライトであるときよりも大当り期待度が高くなるようにしてもよい。さらには、可動役物880が上段までせり上がり場合、可動役物880に特別の柄やキャラクタの画像が表示されるときには、可動役物880に単色のスポットライトが投影されるときよりも大当り期待度が高くなるようにしてもよい。また、可動役物880のせり上がり高さ、可動役物880のせり上がり動作、可動役物880に投影される映像のいずれかを組み合わせた態様に応じて、大当り期待度が高くなるようにしてもよい。
また、せり上がり演出は、大当り遊技状態以外の特図ゲーム中に実行されるのみならず、他の遊技状態、例えば大当り遊技状態中に実行されるようにしてもよい。例えば、大当りの種類として、大入賞口扉の開放回数(いわゆるラウンド数)が異なる大当りがある場合、大入賞口扉の開放が継続するか否かの示唆または報知をせり上がり演出によって実行してもよい。例えば、ラウンド数が4Rと16Rの大当りがある場合に、第4R中にせり上がり演出を実行し、可動役物880のせり上がり高さ、可動役物880のせり上がり動作、可動役物880に投影される映像のいずれかを組み合わせた態様により、ラウンドが継続するか否かを示唆または報知してもよい。
<変形例18> せり上がり演出を実行するにあたって、中飾り図柄表示エリア805Cに表示される中飾り図柄が、せり上がる可動役物880に乗って持ち上げられて中飾り図柄表示エリア805Cに運ばれるようにしてもよい。例えば、左飾り図柄表示エリア805L及び右飾り図柄表示エリア805Rに表示された飾り図柄でリーチ状態が形成されている場合に、せり上がり演出によって中図柄を運ぶことにより、演出の多様化を図ることができ、興趣を高めることができる。また、中図柄を複数運び、最終的に選択される中飾り図柄によって確定飾り図柄を導出するようにしてもよい。
また、いわゆる擬似連予告演出を実行する場合に、擬似連の継続を示唆する継続示唆図柄をせり上がり演出によって運ばれる中飾り図柄としてもよい。ここでの擬似連予告演出とは、例えば変動パターンに基づいて、1の変動表示において、表示結果の導出表示前に中飾り図柄を仮停止図柄として仮停止表示させた後、変動表示を再開することによりあたかも複数回の変動表示が実行されたかのように見せる演出である。また、継続示唆図柄とは、擬似連予告における変動表示の再開を示唆または報知する図柄であり、例えば「NEXT」の文字を含む図柄である。また、継続示唆図柄は、「継続」、「続く」、「次」など、変動表示の再開を想起させる文字を含む他の図柄としてもよい。このように、擬似連予告における継続示唆図柄をせり上がり演出で表示することにより、演出の多様化を図ることができ、興趣の向上に寄与することができる。
<変形例19> 図17に示す保留表示エリア805H1,805H2に表示される保留表示や今回表示エリア805Kに表示される今回表示を種々の態様で表示してもよい。保留表示や今回表示は、単純な図形のみならず、所定の物やキャラクタを模した絵柄としてもよい。これらの種々の絵柄を1種類のみ表示するようにしてもよいし、複数種類を表示するようにしてもよい。さらに、複数種類の絵柄を表示する場合には、絵柄の種類に応じて大当り期待度を異ならせるようにしてもよい。また、保留表示が移動する場合や保留表示から今回表示に移動する場合に、絵柄が変化するようにしてもよい。さらに、キャラクタを模した絵柄であるキャラクタ絵柄は、立体表示領域805Bに表示されるキャラクタ画像MC,SC1,SC2をデフォルメしたキャラクタ絵柄としてもよい。キャラクタ絵柄は、他のキャラクタを模した絵柄であってもよい。
また、今回表示としてキャラクタ絵柄が表示されているときには、他の絵柄が表示されているときよりも大当り期待度が高くあるようにすればよい。このとき、今回表示としてキャラクタ絵柄が表示されているときにおいて、今回表示エリア805Kの下に穴が開く映像を投影し、今回表示として表示されたキャラクタ絵柄が穴に落ちて消える演出を行ってもよい。今回表示にキャラクタ絵柄が表示されて大当り期待度が高いと認識させたにも関わらず、キャラクタ絵柄が穴に落ちて消えることにより、遊技者に驚きを与えることができ、興趣の向上を図ることができる。
また、キャラクタ絵柄が穴に落ちる演出を行った後、穴に落ちたキャラクタ絵柄に相当するキャラクタ画像がせり上がり演出によって上昇してくる画像が表示されてもよい。穴に落ちたキャラクタ絵柄に相当するキャラクタ画像がせり上がり演出によって上昇してくることにより、キャラクタ絵柄が穴に落ちて落胆を覚える遊技者に改めて期待感を付与することができ、興趣の向上に寄与することができる。また、穴に落ちたキャラクタ絵柄に相当するキャラクタ画像は上昇してくるせり上がり演出が行われるときと行われないときとがあるようにしてもよい。この場合、キャラクタ絵柄が穴に落ちた後、せり上がり演出が行われるか否かに対する楽しみを与えることができるので、興趣の向上を図ることができる。
<変形例20> 立体表示領域805Bには、中央立体表示領域805BC、左立体表示領域805BL、及び右立体表示領域805BRが設けられ、これらの領域にはそれぞれメインキャラクタ画像MC、第1サブキャラクタ画像SC1、及び第2サブキャラクタ画像SC2が表示される。特図ゲームにおける演出として、これらのメインキャラクタ画像MC、第1サブキャラクタ画像SC1、及び第2サブキャラクタ画像SC2に対応する演出を実行可能としてもよい。メインキャラクタ画像MC、第1サブキャラクタ画像SC1、及び第2サブキャラクタ画像SC2に対応する演出を実行可能とすることにより、演出の多様化を図ることができ、興趣の向上に寄与することができる。
また、メインキャラクタ画像MC、第1サブキャラクタ画像SC1、及び第2サブキャラクタ画像SC2に対応する演出を実行する際には、当該演出に対するキャラクタ画像MC,SC1,SC2が表示される立体表示領域805BC,805BL,805BRをエフェクトで光らせるようにしてもよい。例えば、メインキャラクタ画像MCに対応する演出を実行する場合には、中央立体表示領域805BCの周囲を光で照らしたエフェクトをかけてもよい。エフェクトをかける際には、中央立体表示領域805BCにおけるメインキャラクタ画像MCを表示しておいてもよいし、表示しないようにしてもよい。このように、エフェクトをかけたキャラクタ画像が表示される立体表示領域に応じた演出が実行されるので、実行される演出に対する準備をする時間を遊技者に与えることができる。したがって、興趣の向上の寄与することができる。
<変形例21> プロジェクタ832から投影される画像を表示するスクリーンとして、上記の実施例2では、平面表示領域805A及び立体表示領域805Bが固定的に設けられたスクリーン805を用いている。これに対して、図33に示すように、表示面(スクリーン)を切り替えることができる多面スクリーン890を用いてもよい。
図33に示すように、多面スクリーン890は、スクリーン本体891と、回転駆動機構892とを備えている。スクリーン本体891は帯状の布材を備えて構成されている。回転駆動機構892は、相対的に後方に配置された後ローラ892A、前上方に配置された上ローラ892B、及び前下方に配置された下ローラ892Cを備えている。後ローラ892Aには、図示しないモータ構造が接続されており、後ローラ892Aは駆動ローラとして機能する。また、上ローラ892B及び下ローラ892Cは、回転可能に軸支されており、従動ローラとして機能する。
これらの後ローラ892A、上ローラ892B,及び下ローラ892Cにスクリーン本体891が掛け回されている。図33に示す状態で、スクリーン本体891における上ローラ892Bと下ローラ892Cとの間の領域に第1スクリーン891Aが形成され、上ローラ892Bと後ローラ892Aとの間の領域に第2スクリーン891Bが形成され、後ローラ892Aと下ローラ892Cとの間の領域に第3スクリーン891Cが形成されている。
後ローラ892Aに接続されたモータ構造はステッピングモータを備えており、後ローラ892Aの回転量を規制しながら後ローラ892Aに回転力を付与している。後ローラ892Aが回転すると、後ローラ892Aの回転に伴ってスクリーン本体891が回転移動する。また、スクリーン本体891の回転移動に伴い、上ローラ892B及び下ローラ892Cが従動して、スクリーン本体891の回転を案内する。後ローラ892Aは、図33に示す状態で反時計回りに回転し、スクリーン本体891も反時計回りに回転する。
上ローラ892Bと下ローラ892Cとの間の領域に形成されたスクリーン、図33に示す状態では第1スクリーン891Aには、プロジェクタ832から投射されて反射ミラー828で反射した映像が投影される。また、第1スクリーン891Aにも、上記の実施例2と同様、プロジェクタ832から投影された映像が届かない非投影領域が形成される。非投影領域には、サブLED833からの照射光が照射される。
第1スクリーン891A、第2スクリーン891B、第3スクリーン891Cには、それぞれ異なる背景が描かれている。具体的には、例えば、第1スクリーン891Aには、背景としての町が描かれている。第2スクリーン891Bには、背景としての海が描かれている。第3スクリーン891Cには、背景としての山が描かれている。
後ローラ892Aに接続されたモータ機構におけるステッピングモータは、第1スクリーン891Aの位置に第2スクリーン891Bが位置するまで後ローラ892Aを回転させて、スクリーン本体891をスクロールさせる。スクリーン本体891のスクロールにより、プロジェクタ832から投影される映像が表示されるスクリーン(以下「アクティブスクリーン」という)を第1スクリーン891Aから第2スクリーン891Bに切り替える。同様に、アクティブスクリーンを第2スクリーン891Bから第3スクリーン891Cに切り替える場合には、第2スクリーン891Bの位置に第3スクリーン891Cが位置するまでスクリーン本体891をスクロールさせる。また、アクティブスクリーンを第3スクリーン891Cから第1スクリーン891Aに切り替える場合には、第3スクリーン891Cの位置に第1スクリーン891Aが位置するまでスクリーン本体891をスクロールさせる。
このような構成の多面スクリーン890を用いることにより、アクティブスクリーンの背景を容易に変更することができる。このため、プロジェクタ832から投影される映像とアクティブスクリーンの背景とのバランスを変更することができ、興趣の向上に寄与することができる。
また、スクリーン本体891を回転させてアクティブスクリーンを切り換える際、図34に示すように、スクリーン本体891の移動方向に沿った補助線HLや移動方向を示した矢印HYをスクリーン本体891に表示してもよい。スクリーン本体891の移動方向に沿った補助線HLや移動方向を示した矢印HYを表示することにより、アクティブスクリーンの切り替わりの臨場感を高めることができ、興趣の向上に寄与することができる。尚、これらの補助線HL及び矢印HYは、両方を表示してもよいしいずれか一方を表示してもよい。
尚、本変形例において、第1スクリーン891A、第2スクリーン891B、及び第3スクリーン891Cは、いずれも立体表示領域が形成されていない平面表示領域からなるスクリーンであるが、立体表示領域が形成されたスクリーンとしてもよい。立体表示領域を形成する場合には、例えば、柔軟性を有する素材でスクリーン本体891を形成すればよい。柔軟性を有する素材でスクリーンを形成することで、ローラ892A,892B,892Cを通過するときには立体状の部分が平面状となるが、ローラ892A,892B,892Cを通過した後に再び立体形状に戻る素材を用いればよい。あるいは、スクリーン本体891として弾性を有する平面状の素材を用い、アクティブスクリーンとなるときには、スクリーンの裏側から型を押し当てて立体形状を形成するようにしてもよい。
また、上記実施例では、後ローラ892Aと上ローラ892Bの間の距離と、下ローラ892Cと後ローラ892Aとの間の距離とが略同一とされ、上ローラ892Bと下ローラ892Cとの間の距離がその距離よりも長くされているが、他の態様としてもよい。例えば、後ローラ892A、上ローラ892B、下ローラ892Cをそれぞれ正三角形の頂点位置に配置し、後ローラ892Aと上ローラ892Bの間の距離と、下ローラ892Cと後ローラ892Aとの間の距離と、上ローラ892Bと下ローラ892Cとの間の距離が略同一となるようにしてもよい。また、多面スクリーン890は、第1スクリーン891A、第2スクリーン891B及び第3スクリーン891Cの3つのスクリーンを備えているが、2つあるいは4つ以上のスクリーンを備えるようにしてもよい。
また、スクリーン本体891の内側に立体状のフィギアや他の画面等を配設しておき、3つのスクリーン891A,891B,891Cの1つに代えて、中央に穴部が形成された通視スクリーンを設けてもよい。通視スクリーンには、矩形状の穴部が形成されており、穴部の横方向の長さはスクリーン本体891の幅よりもわずかに短くされ、穴部の高さ方向の長さは、上ローラ892Bと下ローラ892Cの間の幅よりもわずかに短くされている。この通視スクリーンにおける穴部を介して、スクリーン内側に設けられたフィギアなどを視認可能となるようにしてもよい。あるいは、通視スクリーンにおける穴部を介して、プロジェクタ832から投影される投影光が投射されるようにしてもよい。
<変形例22> 特図ゲームにおける演出の際に、図17に示す立体表示領域805BC,805BL,805BRの一部にキャラクタ画像を表示しておき、他の一部には立体表示領域に画像を表示しないようにしてもよい。また、特図ゲームの進行に伴い、画像を表示していない立体表示領域に画像を徐々に表示するようにしてもよい。
例えば、特図ゲームが開始する際に、中央立体表示領域805BCにメインキャラクタ画像MCを表示するとともに、左立体表示領域805BL及び右立体表示領域805BRには、画像を表示しないようにしてもよい。このとき、左立体表示領域805BLや右立体表示領域805BRにおける凹凸が遊技者から分かりにくくされていることが好適である。
特図ゲームが開始する際には、左立体表示領域805BL及び右立体表示領域805BRには画像が表示されていなかったが、特図ゲームの進行に伴って画像が表示され、当該特図ゲームの進行途中または終了時には、左立体表示領域805BL及び右立体表示領域805BRにサブキャラクタ画像SC1,SC2が表示されるようにしてもよい。このように、特図ゲームの進行に伴ってサブキャラクタ画像SC1,SC2が表示されることにより、演出の多様化を図ることができ、興趣の向上に寄与することができる。
また、サブキャラクタ画像SC1,SC2を表示するにあたり、その表示変化の態様によって大当り期待度が異なるようにしてもよい。例えば、最終的に両方のサブキャラクタSC1、SC2が表示される場合には、第1サブキャラクタ画像SC1が表示され、第2サブキャラクタ画像SC2が表示されない場合よりも大当り期待度が高くなるようにしてもよい。また、最終的に第1サブキャラクタ画像SC1のみが表示された場合には、第2サブキャラクタ画像SC2のみが表示された場合よりも大当り期待度が高くなるようにしてもよい。あるいは、メインキャラクタ画像MCやサブキャラクタ画像SC1,SC2の表示位置が入れ替わり、その表示位置によって大当り期待度が異なるようにしてもよい。例えば、メインキャラクタ画像MCの通常表示位置が中央立体表示領域805BC、第1サブキャラクタ画像SC1の通常表示位置が左立体表示領域805BL、第2サブキャラクタ画像SC2の通常表示位置が右立体表示領域である場合、通常表示位置以外の立体表示領域にキャラクタ画像MC,SC1,SC2が表示されることによって大当り期待度が異なるようにしてもよい。キャラクタ画像MC,SC1,SC2の表示位置によって大当り期待度が異なることにより、興趣の向上を図ることができる。このとき、メインキャラクタMCが通常表示領域以外の立体表示領域に表示されたときの方が、サブキャラクタSC1、SC2が通常表示領域以外の立体表示領域に表示されたときよりも大当り期待度が高くなるようにしてもよいし、逆に大当り期待度が低くなるようにしてもよい。また、表示位置が通常表示領域でなくなったキャラクタ画像が多い方が、大当り期待度が高くなるようにしてもよい。
また、サブキャラクタ画像SC1,SC2の表示手順によって大当り期待度が異なるようにしてもよい。例えば、第1表示手順として、左右立体表示領域805BL,805BRの上方向から徐々に彫刻されて形成されるようにサブキャラクタ画像SC1,SC2を表示してもよい。また、第2表示手順として、左右立体表示領域805BL,805BRの全体に突然格子状の溝の画像が表示され、続いて当該溝の画像が爆発してサブキャラクタ画像SC1,SC2が出てくる画像を表示してもよい。このうち、第2表示手順による表示の方が、第1表示手順による表示よりも大当り期待度が高くなるようにしてもよい。
<変形例23> 図17に示す立体表示領域805Bを形成する際には、浮彫り加工(浮彫り細工)によってレリーフ状に形成してもよい。立体表示領域805Bがレリーフ状に形成されていることにより、立体表示領域805Bにおける凹凸感を高めることができるので、プロジェクタ832から投影される映像の立体感を際立たせることができる。その結果、画像が与えるインパクトを大きくすることができ、興趣の向上に寄与することができる。
<変形例24> 複数の立体表示領域に映像を投影するときに、順次映像を投影するようにしてもよい。例えば、図35(A)に示すように、中央立体表示領域805BC、左立体表示領域805BL、右立体表示領域805BRに映像を投影するときに、まず、中央立体表示領域805BCに映像を投影してメインキャラクタ画像MCを表示する。次に、図35(B)に示すように、立体表示領域805BLに映像を投影して第1サブキャラクタ画像SC1を表示する。それから、図17に示すように、右立体表示領域805BRに映像を投影して第2サブキャラクタ画像SC2を表示する。この手順で立体表示領域805Bに画像を表示するようにしてもよい。このように、複数の立体表示領域に順次映像を投影して画像を表示することにより、立体表示領域805Bに形成される画像の歪みを認識させにくくすることができる。
<変形例25> 上記の実施例2では、特図ゲームにおいて可変表示結果として導出表示される特別図柄に応じて、飾り図柄が導出表示されるが、他の例としてもよい。例えば、飾り図柄の導出表示とともに、または飾り図柄の導出表示に変えて、特図ゲームにおいて可変表示結果として導出表示される特別図柄に応じて立体表示領域805Bの表示態様を異ならせる演出を実行してもよい。
例えば、飾り図柄の導出表示とともに、立体表示領域805Bの表示態様を異ならせる演出について説明する。この演出では、左立体表示領域805BLに表示される第1サブキャラクタ画像SC1と、右立体表示領域805BRに表示される第2サブキャラクタ画像SC2とが奥から手前位置に飛んでくる画像を表示する。このとき、第1サブキャラクタ画像SC1及び第2サブキャラクタ画像SC2は、いずれも左立体表示領域805BL及び右立体表示領域805BRの大きさよりも小さい大きさで表示されている。また、左立体表示領域805BL及び右立体表示領域805BRは、それぞれ飾り図柄とともに表示されている。
ここで、特別図柄として大当りに応じた特別図柄が導出表示される場合には、奥から手前位置に飛んできた第1サブキャラクタ画像SC1及び第2サブキャラクタ画像SC2が左立体表示領域805BL及び右立体表示領域805BRに一致して止まるように表示される。また、特別図柄としてはずれに応じた特別図柄が導出表示される場合には、奥から手前位置に飛んできた第1サブキャラクタ画像SC1及び第2サブキャラクタ画像SC2は、左立体表示領域805BL及び右立体表示領域805BRから外れて飛んでいくように表示される。このように、特図ゲームにおいて可変表示結果として導出表示される特別図柄に応じてサブキャラクタ画像SC1,SC2の表示態様を異ならせる演出を実行してもよい。このような演出を実行することにより、飾り図柄の表示態様以外の表示によって大当りへの期待感を高めることができるので、興趣の向上に寄与することができる。
また、立体表示領域805Bの表示態様に応じて大当り期待度を異ならせるようにすることもできる。例えば、奥から手前位置に飛んでくるキャラクタが多いほど、キャラクタが少ないよりも大当り期待度が高くなるようにしてもよい。また、飛んでくるキャラクタがサブキャラクタSC1,SC2であるよりもメインキャラクタMCであるほうが、大当り期待度が高くなるようにしてもよい。また、キャラクタが飛んでくる速度や距離などによって大当り期待度が異なるようにしてもよい。
<変形例26> また、図17に示すスクリーン805の周囲に装飾が施された役物を配置しておき、当該役物に施された装飾がスクリーン805内に進出したような画像を表示してもよい。例えば、スクリーン805の周囲に、植物の蔦の装飾が施された役物を配置しておき、役物に施された装飾における蔦が延長した状態を模した画像をスクリーン805に表示してもよい。このような画像を表示することにより、あたかも役物が成長したかのような印象を遊技者に与える演出を実行することができるので、興趣の向上を図ることができる。
<変形例27> 特図ゲーム等における演出を実行する前に、スクリーン805の全貌を遊技者に視認させる演出(以下、「確認演出」という)を実行することもできる。確認演出は、例えば単色の投影光LPをスクリーン805に投影して、立体表示領域805Bの影が分かるようにする演出である。確認演出を実行することにより、演出の映像が投影されて画像が表示されるスクリーン805の全貌を遊技者に認識させることができる。このため、スクリーン805に凹凸があった場合でも、遊技者に与える違和感を軽減することができ、快適に遊技を行わせることができる。
尚、確認演出の実行時期としては、例えばデモ画面の表示中に一定時間ごとに確認演出を行ってもよいし、デモ画面が表示されていた状態から特図ゲームが開始されたときの最初の特図ゲームにおける冒頭の所定時間、例えば1秒間に確認演出を行うようにすればよい。
<変形例28> 図26に示すように、サブ画像表示装置870を設けた例において、プロジェクタ832を上方張出部840Aではなく、扉枠850に設けた場合に、特定情報画像や完全表示要望画像については、サブ画像表示装置870に表示してもよい。サブ画像表示装置870は、画像表示領域がすべて平面で構成されているので、特定情報画像や完全表示要望画像を見やすい状態で表示できるとともに、歪むことがない状態で表示することができる。したがって、特定画像情報が見にくくなったり、完全表示要望画像が歪んだ状態で表示されたりする事態を抑制することができる。
尚、サブ画像表示装置870に特定情報画像や完全表示要望画像を表示するにあたり、特定情報画像については、スクリーン805とともにサブ画像表示装置870に表示してもよい。この場合、スクリーン805における特定情報画像がある程度見にくい状態であったとしても、サブ画像表示装置870に見やすい特定情報画像を表示することができるので、遊技者は、特定情報画像によって提供される情報を確実に得ることができる。また、完全表示要望画像についても、サブ画像表示装置870とともにスクリーン805に表示してもよい。
特に、扉枠850が開放状態にあるときには、扉枠850が開放状態であることを遊技者や遊技場の店員などに報知するエラー画像や特定情報画像については、サブ画像表示装置870に表示するのがよい。この場合、扉枠850が開放状態であっても、エラー画像や特定情報画像を所定の表示装置に確実に表示することができる。ただし、扉枠850が開放状態にないときであっても、エラー画像や特定情報画像をスクリーン805に表示するようにしてもよい。
<変形例29> 図26に示すサブ画像表示装置870については、スクリーン805に重なるように表示してもよい。また、スクリーン805の右側または左側、あるいは上側または下側などのスクリーン805の近傍位置に配置してもよいし、図示しない駆動機構などにより、スクリーン805の前面位置及びこれらの間の位置を移動可能となるようにしてもよい。この場合、スクリーン805とサブ画像表示装置870との双方に画像を表示し、スクリーン805に表示する演出とサブ画像表示装置870に表示する演出とを連動させるようにして演出の多様化を図ることができる。したがって、興趣の向上を図ることができる。
また、スクリーン805とサブ画像表示装置870の双方に画像を表示するにあたり、スクリーン805に表示する画像とサブ画像表示装置870に表示する画像の明るさが合うように、スクリーン805の表示画像の明るさ及びサブ画像表示装置870の表示画像の明るさを調整してもよい。あるいは、スクリーン805の表示画像の明るさ及びサブ画像表示装置870の表示画像の明るさの一方を調整してもよい。スクリーン805に表示する画像とサブ画像表示装置870に表示する画像の明るさが合うようにすることで、スクリーン805及びサブ画像表示装置870で実行される演出を見やすくすることができ、興趣の向上に寄与することができる。
<変形例30> 上記各実施例では、スクリーン805は、固定された位置に設けられ、その形状は変形不能の形状とされているが、スクリーン805を移動可能としたり、スクリーン805の形状が変化したりするようにしてもよい。例えば、スクリーン805を図示しない駆動機構に取付けて、図17に示すスクリーン805の態様から図28及び図29に示すスクリーン860の態様に変形可能としてもよい。
また、スクリーンが変形可能とする場合には、スクリーンの変形中には、特定画像を表示しないようにしてもよい。スクリーンが変形中は、スクリーンに表示される画像が見にくくなるので、スクリーンの変形中に特定画像を表示しないことにより、遊技者における特定画像の誤認などを抑制することができる。
また、スクリーンの変形中には、スクリーンの変形箇所には特定画像を表示せず、スクリーンが非変形となる箇所において特定画像を表示してもよい。この場合には、特定画像はスクリーンの非変形箇所に表示されるので、遊技者が特定画像が見にくい状態を回避した状態で、スクリーンの特定画像を表示しながらスクリーンの変形を行うことができる。
また、図26に示すサブ画像表示装置870を備える場合には、スクリーンの変形中には特定画像をサブ画像表示装置870に表示してもよい。この場合、特定画像はサブ画像表示装置870に表示されるので、遊技者が特定画像を見にくくならないような状態でスクリーンに特定画像を表示しながらスクリーンの変形を行うことができる。
<変形例31> スクリーンが変形可能とされた例において、図26に示すサブ画像表示装置870などスクリーン805のほかに他の画像表示装置を備える場合には、画像が表示される面が切り替わることを予告する表示変更予告演出を実行してもよい。例えば、図17に示すスクリーン805から図28及び図29に示すスクリーン860に変形する場合、図17に示すスクリーン805に表示されていた特定画像の表示位置が、図28及び図29に示すスクリーン860における底面表示領域864に変化する旨を予告する表示変更予告演出を実行してもよい。
また、上記の変形例14における図32に示した可動役物880をスクリーンとして用いることもできる。この場合、例えば、スクリーン805に画像に表示して演出を実行していたところ、スクリーン805及び可動役物880に画像を表示し、あるいは可動役物880にのみ画像を表示して、可動役物880をスクリーンとした演出を実行してもよい。さらに、可動役物880をスクリーンとして利用する場合には、可動役物880がスクリーンとなって演出が実行される旨を遊技者に予告する表示変更予告演出を実行してもよい。この表示変更予行演出を実行することにより、可動役物880がスクリーンとなることによって遊技者に与える違和感を軽減することができる。
<変形例32> スクリーンが変形可能とされた例において、上記の実施例5に対応させてプロジェクタ832の暖機運転を実行する際には、プロジェクタ832の暖機運転が終了する前にスクリーンが変形するものの、変形後のスクリーンに対するプロジェクタ832からの画像の投影は、プロジェクタ832の暖機運転が終了した後に開始するようにしてもよい。
あるいは、プロジェクタ832の暖機運転が終了した後にスクリーンが変形し、スクリーンの変形途中あるいはスクリーンの変形が完了した後にプロジェクタ832から画像を投影するようにしてもよい。このように、プロジェクタ832の暖機運転が終了した後に画像を投影することにより、プロジェクタ832からスクリーンに対して画像を確実に投影することができる。
<変形例33> パチンコ遊技機の電源を入れてパチンコ遊技機が立ち上がる際に、プロジェクタ832と他の演出装置、例えばスクリーンを変形させる駆動装置や図示しない役物、あるいはサブ画像表示装置870などとプロジェクタ832との起動タイミングを異ならせるようにしてもよい。例えば、プロジェクタ832については、電源をONすると同時に暖機運転を開始し、他の演出装置などは、所定の動作確認を行った後に起動させるようにしてもよい。プロジェクタ832の暖機にはある程度の時間を要するので、プロジェクタ832を他の演出装置よりも先に起動させることにより、他の演出装置の起動タイミングの同調を図りやすくすることができる。
<変形例34> プロジェクタ832は、上方張出部840Aまたは遊技機用枠803の内側において固定的に設けられているようにするほか、プロジェクタ832が可動的に設けられているようにしてもよい。また、プロジェクタ832が可動的に設けられている例において、プロジェクタ832が移動中には、プロジェクタ832による画像の投影を制限してもよい。プロジェクタ832による画像の投影の制限として、例えば画像の投影を行わないようにしてもよいし、プロジェクタ832から投影される投影光の光量を小さくしてもよい。プロジェクタ832の移動中にプロジェクタ832からの画像の投影を制限することにより、プロジェクタ832からの投影光が遊技者に投影されてしまう事態を抑制することができる。
<変形例35> スクリーンが変更可能な例において、スクリーンの変形時に接触可能性がある位置に衝撃吸収部材を取付けるようにしてもよい。スクリーンの変形時に接触可能性がある位置に衝撃吸収部材を取付けることで、スクリーンの変形によるスクリーンの破損を抑制することができる。
尚、上記実施例2〜6及び変形例5〜35に記載の遊技機にあっても、実施例1に記載したように、遊技機を設置可能な遊技島501に設置した状態において該遊技島501の外側に面する表面部に、投影手段(投影装置、プロジェクタ)を冷却するために遊技島501の外側から空気を取込むための取込部が設けられていることが好ましい。このようにすることで、遊技島の外側の冷たい空気を取込部から取込むことができるため、投影手段により高温になりやすい表面部の裏面側を好適に冷却することができる。
また、上記実施例2〜6及び変形例5〜35に記載の遊技機にあっても、遊技機を設置可能な遊技島501に設置した状態において該遊技島501の外側に面する表面部に、発熱源を冷却するために遊技島501の外側から空気を取込むための取込部が設けられ、取込部600B,600C,600D,600Eは、ガラス扉枠50の前面部の少なくとも一部に配置され光を透過可能な透過部を有する前面部であるガラス窓50aに設けられていることが好ましい。このようにすることで、遊技島の外側の冷たい空気を取込部から取込むことができるため、投影手段により高温になりやすい表面部の裏面側を好適に冷却することができる。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば、前記実施例では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機1を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、予め定められた球数の遊技球が遊技機内部に循環可能に内封され、遊技者による貸出要求に応じて貸し出された貸出球や、入賞に応じて付与された賞球数が加算される一方、遊技に使用された遊技球数が減算されて記憶される、所謂、封入式遊技機にも本発明を適用可能である。尚、これら封入式遊技機においては遊技球ではなく得点やポイントが遊技者に付与されるので、これら付与される得点やポイントが遊技価値に該当する。
また、前記実施例では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機が適用されていたが、例えば遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、各々が識別可能な複数種類の図柄を変動表示可能な変動表示装置に変動表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該変動表示装置に導出された変動表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンにも適用可能である。
スロットマシンは、前面が開口する筐体と、筐体の前面開口を開閉可能な前面扉とから構成されるため、投影装置400は、筐体の内部に設けられる。よって、取込部は、スロットマシンを遊技島501に設置した場合において該遊技島501の外部に面する前面扉などの表面部の少なくとも一部に配置され光を透過可能な透過部を有する前面部(例えば、リールの変動表示部や演出表示画面の前面側を被覆するカバーパネルの一部など)に設ければよい。尚、筐体の一部が遊技島501の外部に面する場合、該筐体に取込部を設けてもよい。また、投影装置(プロジェクタ)などの発熱源は、筐体の外部(遊技島の内部)に設けられていてもよい。
また、前記実施例では、遊技媒体の一例として、球状の遊技球(パチンコ球)が適用されていたが、球状の遊技媒体に限定されるものではなく、例えば、メダル等の非球状の遊技媒体であってもよい。