JP6754301B2 - ドロップレットデジタルpcrの測定方法および測定装置 - Google Patents
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Description
レーターを含有し、前記ドロップレット内で核酸増幅反応を行う第1の工程と、前記ドロップレットの昇温時に、前記DNAインターカレーターから放出される蛍光強度を測定する第2の工程と、前記ドロップレットの昇温に伴った前記蛍光強度の変化に基づいて、前記DNAの二重鎖の融解温度を算出する第3の工程と、を含み、第1の工程で増幅産物が検出できない場合、および/または第3の工程で融解温度が所定の範囲外であった場合に、前記ドロップレット内に前記DNAが含有しないと判定する、DNA判定方法である。
本発明に係るDNA検出方法は、オイル中にあり、DNAと、そのDNAにハイブリダイズする蛍光標識プローブと、を含んだドロップレットにおいて、ドロップレット内で、核酸増幅反応によって、DNAを増幅する工程と、融解曲線分析によって、蛍光標識プローブとDNAとの融解温度またはDNAの二重鎖の融解温度を測定する工程と、を含む。
度の測定で検出するマルチプレックスPCRを実現するため、PCR後、蛍光色素の色と強度から閾値を設定し、対象遺伝子を含むドロップレット201、202、203の数をカウントする。
本発明のDNA検出装置は、オイル中のドロップレットを加温するための加温部と、オイル中の蛍光標識プローブまたはDNAインターカレーターからの蛍光強度を測定するための蛍光測定部と、ドロップレットの昇温に伴う蛍光強度の変化から蛍光標識プローブとDNAとの融解温度またはDNAの二重鎖の融解温度を算出する計算部とを備える。図3に、ドロップレットが含む蛍光色素の色と蛍光強度を測定するための蛍光測定部の例を示す。
融解温度が算出される。図3Aでは、ドロップレットを一つずつ処理する必要があるが、多数のドロップレットを一度に処理できるという点で、図3BおよびCの装置が好ましい。また、図3BおよびCの装置では、温調装置312をDNAの増幅反応にも用いることができる点でも、図3Aより好適である。
図4は、図2Dで述べたのと同様に、検出した蛍光強度が重なってしまい、ドロップレットに含まれる遺伝子が同定できない測定結果を示す模式図の一例である。図5および図6は、図4で同定できなかった対象遺伝子に対し、ドロップレット内で増幅したDNAのTmを測定した結果を示す模式図の一例である。
えることで制御することができる。また、Peptide Nucleic Acid(PNA)やLocked Nucleic Acid(LNA)のような人工DNAを利用することで、Tmを制御することができる。
本発明の一実施態様にかかるDNA検出装置は、検出対象のDNAを含有するDNA溶液をオイルに加えてドロップレットを作製するためのドロップレット作製部、及び/又はドロップレットに対してDNAを増幅するための増幅部を含んでもよい。
図7の装置とカートリッジ、及びDNAインターカレーターを用いてTm測定を行う方法の一例を、図8のフローチャートを参考にしながら説明する。まず、DNAを含む生体試料由来の検体を、DNAポリメラーゼ、プライマー、蛍光標識プローブ、DNAインターカレーター、デオキシリボヌクレオチド類、緩衝液を含むPCR反応液に添加する(S801)。蛍光標識プローブはDNAポリメラーゼにより加水分解されて蛍光を発するTaqManプローブを用いる。このPCR反応液をドロップレット作製用カートリッジ705のPCR反応液導入口716に添加する(S802)。ドロップレット作製用カートリッジ705をドロップレットデジタルPCR測定装置721のドロップレット作製部701にセットする。オイル供給口715からオイル713を、PCR反応液導入口716からオイル712を添加する(S803)と、ドロップレット作製用カートリッジ705内のオイルとPCR反応液の流路が交わる部位において、ドロップレットが生成する。生成したドロップレットは、ドロップレット排出口717から排出され、サーマルサイクラー内にあらかじめ設置しておいたマイクロチューブ706に移動し、チューブ内に貯蔵される(S804)。所定数のドロップレットが得られたところで、マイクロチューブ706の蓋を閉め、サーマルサイクラーの温度制御によりPCRを行う(S805)。変性工程、伸長工程、アニーリング工程のサイクルを繰り返すことで、DNAが増幅するとともに、伸長工程で蛍光標識プローブが分解されて、蛍光強度が高くなる。各工程の温度や時間、サイクル数などの反応条件は、当業者が容易に設定することができる。PCR後、温度を室温へと下げると合成したDNAは2本鎖を形成し、DNAインターカレーターがこの2本鎖DNAにインターカレートし、蛍光を発する。PCR後、ドロップレット検出部703にあらかじめ設置しておいたドロップレット検出用カートリッジのドロップレット導入口719からドロップレットを、オイル供給口718からオイル713を添加する(S806)。ドロップレット検出部703において、ドロップレット検出用カートリッジの液溜723に溜めたドロップレットの蛍光標識プローブの蛍光強度を測定する(S807)。温調装置722によりドロップレット検出用カートリッジの液溜723を40℃から95℃まで昇温し、DNAインターカレーターの蛍光強度を測定する(S808)。検出された蛍光データは、計算部(図示せず)に送られ、そこで、昇温によるDNAインターカレーターの蛍光強度変化が温度変化で微分され、蛍光強度変化の変極点がTmとして算出される(S809)。蛍光標識プローブの蛍光強度が閾値以下および/またはTmが所定の範囲外のドロップレットを、対象遺伝子を含まない空のドロップレットと判定する(S810)。蛍光標識プローブの蛍光強度が閾値以上およびTmが所定の範囲内のドロップレットをカウントする(S811)。対象遺伝子を含むドロップレットの数と空のドロップレットの数をモニターに表示する(S812)。なお、所定の蛍光強度の閾値およびTmの所定の範囲はあらかじめ、パイロット実験などで作業者が決めておくことができる。
に不活性な物質であり、また、PCRのような高温での温度変化に対して安定である物質が好ましく、フッ素系オイル、シリコーン系オイル、炭化水素系オイルなどが使用可能である。フッ素系オイルとしては、例えばPerfluorocarbonやHydrofluoroetherなどが挙げられる。フッ素系オイルは、炭素鎖が長いほうが揮発性が低いので好ましい。また、フッ素系オイルは比重が1.7超であり、PCR反応液の溶媒である水の比重1に比べて重いため、作製したドロップレットはオイルに浮く。シリコーン系オイルとしては、例えばPolyphenylmethylsiloxaneやTrimethylsiloxysilicateなどが挙げられる。シリコーン系オイルはフッ素系オイルと異なり、比重が0.98程度でPCR反応液の溶媒である水の比重に近く、作製したドロップレットはオイル中に均一に分散する。炭化水素系オイルとしては、例えばミネラルオイルや流動パラフィン、ヘキサデカンなどが挙げられる。炭化水素系オイルは比重が0.84程度でPCR反応液の溶媒である水の比重よりも軽いため、作製したドロップレットはオイルに沈む。
モニターに表示する(S912)。なお、蛍光強度の所定の閾値および所定のTmの範囲はあらかじめ、パイロット実験などで作業者が決めておくことができる。
本発明の一実施態様は、DNA検出装置に、DNA検出方法を行わせるためのプログラムである。ここでDNA検出装置は、(2)で詳述した装置を用い、DNA検出方法として、(1)で詳述した方法を実行する。
102 変異型Aの遺伝子を含むドロップレット
103 変異型Bの遺伝子を含むドロップレット
104 空のドロップレット
201 野生型の遺伝子を含むドロップレット
202 変異型Aの遺伝子を含むドロップレット
203 変異型Bの遺伝子を含むドロップレット
204 空のドロップレット
301 対象遺伝子を含むドロップレット
302 対象遺伝子を含まないドロップレット
303 マイクロ流路
304 光源
305 フィルター
306 フォトマルチプルメーター
307 CCD
308 レンズ
309 ダイクロイックミラー
310 ドロップレット検出用カートリッジ
311 ドロップレット
312 温調装置
401 野生型の遺伝子を含むドロップレット
402 変異型Aの遺伝子を含むドロップレット
403 変異型Bの遺伝子を含むドロップレット
404 空のドロップレット
405 ドロップレットa
406 ドロップレットb
407 ドロップレットc
501 DNA
502 DNAインターカレーター
503 Tm
601 DNA
602 蛍光標識プローブ
603 蛍光色素
604 クエンチャー
605 Tm
701 ドロップレット作製部
702 サーマルサイクラー
703 ドロップレット検出部
704 モニター
705 ドロップレット作製用カートリッジ
706 マイクロチューブ
707 ドロップレット検出用カートリッジ
708〜711 ポンプ
712 オイル
713 オイル
714 廃液溜め
715 オイル供給口
716 PCR反応液導入口
717 ドロップレット排出口
718 オイル供給口
719 ドロップレット導入口
720 廃液排出口
721 ドロップレットデジタルPCR測定装置
722 温調装置
723 液溜
724 制御部
Claims (12)
- オイル中にあるドロップレット内の特定のDNAの含有の有無を判定するDNA判定方法であって、前記ドロップレットは前記DNAにハイブリダイズする蛍光標識プローブを含有し、
前記ドロップレット内で核酸増幅反応を行う第1の工程と、
前記ドロップレット内で前記蛍光標識プローブと前記DNAとの融解温度を測定する第2の工程と、
第2の工程で融解温度が所定の範囲外であった場合に、前記ドロップレット内に前記DNAが含有しないと判定する第3の工程と、
を含むDNA判定方法。 - 第1の工程で増幅産物が検出できず、かつ第2の工程で融解温度が所定の範囲外であった場合に、前記ドロップレット内に前記DNAが含有しないと判定される、請求項1に記載のDNA判定方法。
- オイル中にあるドロップレット内の特定のDNAの含有の有無を判定するDNA判定方法であって、前記ドロップレットはDNAインターカレーターを含有し、
前記ドロップレット内で核酸増幅反応を行う第1の工程と、
前記ドロップレットの昇温時に、前記DNAインターカレーターから放出される蛍光強度を測定する第2の工程と、
前記ドロップレットの昇温に伴った前記蛍光強度の変化に基づいて、前記DNAの二重鎖の融解温度を算出する第3の工程と、
第3の工程で融解温度が所定の範囲外であった場合に、前記ドロップレット内に前記DNAが含有しないと判定する第4の工程と、
を含むDNA判定方法。 - 第1の工程で増幅産物が検出できず、かつ第2の工程で融解温度が所定の範囲外であった場合に、前記ドロップレット内に前記DNAが含有しないと判定する工程をさらに含む、請求項3に記載のDNA判定方法。
- 第1の工程で増幅産物が検出でき、かつ前記融解温度が所定の範囲内であった場合に、前記ドロップレット内に前記DNAが含有していたと判定する、請求項1〜4のいずれかに1項に記載のDNA判定方法。
- 前記蛍光標識プローブが、蛍光色素とそのクエンチャーを有し、
前記ドロップレットの昇温に伴った前記蛍光色素の蛍光強度の変化に基づいて、前記蛍光標識プローブと前記DNAとの融解温度が測定される、請求項1または2に記載のDNA判定方法。 - 複数の前記ドロップレットが平面配置されている、請求項1〜6のいずれか1項に記載のDNA判定方法。
- 前記オイルがフッ素系オイル、シリコーン系オイル、または炭化水素系オイルを含有する、請求項1〜7のいずれか1項に記載のDNA判定方法。
- DNA検出装置に、請求項1〜8のいずれか1項に記載のDNA判定方法を行わせるためのプログラム。
- 前記DNA検出装置は、
前記オイル中の前記ドロップレットを加温するための加温部と、
前記オイル中の蛍光標識プローブまたはDNAインターカレーターからの蛍光強度を測定するための蛍光測定部と、
前記ドロップレットの昇温に伴う前記蛍光強度の変化から前記蛍光標識プローブと前記DNAとの融解温度または前記DNAの二重鎖の融解温度を算出する計算部と、
を備える、請求項9に記載のプログラム。 - 前記DNA検出装置が、前記オイル中のドロップレット内のDNAを増幅するための増幅部をさらに備える、請求項9に記載のプログラム。
- 前記DNA検出装置が、前記ドロップレット内のDNAの有無を表示するモニターを備える、請求項9に記載のプログラム。
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